【発明の詳細な説明】
記録刻印器を複製する方法
技術分野
本発明は、第1円筒ドラムの外側表面から第2円筒ドラムの外側表面に対して
浮彫り構造を複製するための方法に関するものである。
そのような方法の重要な用途は、光学的な位置決めテープの製造のために使用
されるローラ刻印器の複製におけるものである。そのような刻印器は、例えば、
国際特許出願WO96/03743号及び国際特許出願WO9714142号で
説明されている。
背景技術
冒頭の段落で明記されたような方法は、ヨーロッパ特許出願EP 0 481
753号から公知である。そこで説明された処理過程では、第1円筒ドラムが、
エンボス加工可能な材料の(平面的な)可撓性シートの主要表面の上にローラ型
押しされて、該表面に浮彫りパターン(第1ドラムの外側表面における浮彫りパ
ターンのネガであることになる)を付与する。前記シートは、その後、適当な寸
法に切断し、シート表面における浮彫りパターンが外向きであるようにして第2
円筒ドラムの外側表面の廻りに巻き付け、例えば、接着剤、クリップ及びネジな
どを使用して当該ドラムに対して付着させることができる。前記シートの材料が
、(例えば熱によって或いは光化学的に作用する放射線を使用することによって
)エンボス加工された後に硬化され得るようなものである場合、第2ドラムに、
耐久性のある浮彫り表面を設けることができるであろう。
前記公知の方法は、数多くの不利な点を有する。例えば、浮彫りパターンは、
初めに平面的なシートに形成され、その後に巻上げられるので、(曲げ及び引き
伸ばしに起因する)転写された浮彫りパターンの所定量の歪みは、不可避である
。更に、一旦、シートが第2円筒ドラムの外側表面の廻りに巻付けられると、該
シートの2つの隣接端部が継目なしで融合されなければならず、それは非常に困
難
である。加えて、(薄い)エンボス加工されたシートが巻付けられ第2ドラムの
円筒表面は、極めて滑らかでなければならない。何故なら、さもなければ、何ら
かの表面的な粗さがエンボス加工されたシートの表面を介して突き出すことにな
るからである。これらの欠点は、光学的な記録刻印器における浮彫りパターンの
場合に、そのような場合におけるパターンの顕微鏡的な寸法及び臨界的な仕様の
故に、とりわけ重大である。
発明の開示
本発明の1つの目的は、これらの問題を軽減することである。とりわけ、本発
明の1つの目的は、公知の処理過程のように多くの歪みの発生源に曝されないよ
うに成した、冒頭の段落で述べられたような浮彫り複製の方法を提供することで
ある。加えて、本発明の1つの目的は、新しい方法が転写された浮彫りパターン
における接合及び継ぎ合わせの問題を招くべきものではないことである。更に、
本発明の1つの目的は、浮彫りパターンが複製されるドラムの表面上の表面的な
粗さの存在に対して前記方法がそれほど過敏ではないべきであることである。
これらの目的及び他の目的は、以下の各過程、すなわち、
(a) 前記第1ドラムの前記外側表面と同軸スリーブの内側表面との間に第
1間隙を残しておくようにして該円筒スリーブの中に該第1ドラムを配置し;
(b) 前記第1間隙を第1の硬化性液体樹脂で充填し;
(c) 前記スリーブの前記内側表面に固体の浮彫り層を形成すべく前記第1
間隙内の前記樹脂を硬化させ、それによって、この樹脂が前記第1ドラムの前記
外側表面から僅かに収縮して後退するように成し;
(d) 前記スリーブから前記第1ドラムをスライドさせ;
(e) 前記スリーブの前記内側表面における前記硬化樹脂層を不活性化させ
;
(f) 前記第2ドラムの前記外側表面と前記スリーブの前記内側表面の前記
浮彫り層との間に第2間隙を残しておくようにして該スリーブの中に該第2ドラ
ムを挿入し;
(g) 前記第2間隙を第2の硬化性液体樹脂で充填し;
(h) 前記第2ドラムの前記外側表面に固体の浮彫り層を形成すべく前記第
2間隙内の前記樹脂を硬化させ、それによって、この樹脂が前記スリーブの前記
内側表面における前記浮彫り層から僅かに収縮して後退するように成し;
(i) 前記スリーブから前記第2ドラムをスライドさせる、
を含んで成ることを特徴とする、冒頭の段落で明記されたような方法において本
発明によって達成されるものである。
本発明による方法の直接の利点は、それが、平面形状と円筒形状(シートとド
ラム)との間の移行を包含するものではなく、その代わりに円筒形状(ドラムと
スリーブ)のみに限定されるものであり、結果として、平面的なシートを円筒形
状に巻上げることから生じる内在的な歪みが、本発明の方法には存在しないこと
になり、複製されたパターンにおいて接合部を形成することが不要になるという
ことである。加えて、過程(c)及び(h)における硬化樹脂の収縮が半径方向
において一様に生じるので、それは継目なしで発生することにもなる。更になお
、過程(f)の開始の時点において第2ドラムの表面が比較的粗いものであって
も、過程(g)及び(h)において採用される液体樹脂が、硬化してしまう前に
そのような粗さを収容(即ち「吸収」)するので、その粗さは、樹脂層のパター
ン形成される側面までは貫通して型押しされないであろう。
ここで採用されている「樹脂」という用語は、ラッカー、ワニス、ペースト、
エマルジョン及びパテなどのような物質を包含するものとして解釈されるべきで
あり、室温で固体に硬化されることが可能であるいかなる有機液体材料を指し示
すものとして意図されている。
過程(a)及び(f)は、好ましくはスリーブとそれに関連するドラムとの円
筒軸が少なくとも実質的に一致するようにして実行されるべきであり、それによ
って、実質的に一様な半径方向の幅の間隙を生じることになる。しかしながら、
これは、本発明の方法を首尾良く実施するために不可欠なことではない。
本発明による方法の特定の実施例は、前記浮彫り構造の平均的な深さが50−
250 nm の範囲内にあり、該浮彫り構造の平均的な間隔が250−5000 n
m
の範囲内にあることを特徴とする。ここで採用されている「深さ」という用語は
、表面の浮彫りパターンの上部と下部の間における高さの差を指し示すものであ
り、「間隔」という用語は、パターンの隣接する上部又は下部の面内離間距離に
おける最短のものを指し示している。そのような実施例の具体例は、デジタル・
データが、約130 nm の深さと、約500 nm の幅と、約1500 nm のオー
ダーの平均的な長さとを概ね有するように成した、細長い一連の表面の隆起及び
凹みによって表現されるような、光学的な記録テープ(optical registration ta
pe)を製造するための刻印器の複製におけるものである。
本発明による方法の特殊な事例では、浮彫り構造の深さは、ゼロである。即ち
、第1ドラムの外側の円筒表面が、(光学的に)滑らかなのである。本発明の方
法のそのような実施例は、ブランク・マスター・ドラムを複製するために、即ち
、硬化されて架橋形成されるフォトレジストの浮彫り構造が後で設けることがで
きる、精密に機械加工された光学的に滑らかなシリンダを複製するために有益で
ある。これは魅力的な可能性である。何故なら、そのようなブランク・ドラムを
高いコストで個別的に機械加工する必要を取り除き、その代わりに、比較的粗い
ドラム(第2ドラム)に、光学的な滑らかさのレベルに適合する硬化樹脂の滑ら
かな表面層を設けることを可能にするからであろう。
本発明による方法の特定の実施例では、前記第1及び前記第2の硬化性液体樹
脂の少なくとも一方は、光硬化性のものであり、前記円筒スリーブは、採用され
る硬化作用放射線(典型的には紫外線)に対して透明である。このカテゴリーに
おける適切なUV硬化性樹脂の具体例は、例えば、任意選択的に光作用開始剤と
してα,α-ジメトキシ-α-フェニルアセトフェノン(α,α-dimethoxy-α-phenyl
acetophenone(DMPA))が存在する、ジアクリル酸トリプロピレングリコール(trip
ropyleneglycol diacrylate(TPGDA))、トリアクリル酸トリメチロールプロパン(
trimethylolpropane triacrylate(TMPTA))、N-ビニル-2-ピロリダン(N-vinyl-
2-pyrrolidone(NVP))、1,6-ジアクリル酸ヘキサンジオール(1,6-hexanediol d
iacrylate(HDDA))及びそれらの混合物を包含する。適切なスリーブ材料は、この
場合には石英である。硬化作用放射線の供給源がスリーブに関してほぼ周方向且
つ同軸上にあって、その円筒の軸に平行な方向に該スリーブに沿
って走査(掃引)される場合、エンボス加工を行う表面からエンボス加工された
硬化樹脂が特に適切に収縮すること(過程(c)及び(h))が達成される。
本発明による方法の他の実施例は、前記第1及び前記第2の硬化性液体樹脂の
少なくとも一方が熱硬化性であることを特徴とする。このカテゴリーにおける適
切な樹脂は、エポキシド・アミン(the epoxide-amines)を包含するものであり、
って製造された2成分接着剤)である。この場合のスリーブは、例えば、金属か
らなっても良い。
本発明による方法の有益な実施例は、第1及び第2の間隙(半径方向における
)の幅が10−500 nm の範囲内にあることを特徴とする。ここで採用されて
いる「幅」という用語は、スリーブの内側表面とドラムの外側表面における機構
の最も近い半径方向の離間距離を指し示すものとして意図されている。実質的に
より小さな間隙のサイズは、極めて薄い樹脂層を生じるものであり、それに伴っ
て裂け易くなり、表面の粗さをマスクするその能力も低下することになる。他方
で、過度に大きな間隙は、(少なくとも光学的な刻印器の場合に)不要に厚い樹
脂層を生じるものであり、樹脂硬化プロセスを遅延させる傾向になる。加えて、
過度に厚い樹脂層は、内部応力により影響され易くなり、亀裂作用にまで至る可
能性がある。
本発明人は、過程(c)及び(h)における硬化の際に、樹脂が(体積で)ほ
ぼ10−20%だけ収縮する傾向があることを認めた。大抵の場合、これは、光
学的な記録の目的のための浮彫りパターンの場合のように少なくとも比較的浅い
浮彫りパターン(即ち小さな深さを有するパターン)に関して、(同軸的な変位
によって)取り囲んでいるスリーブからドラムを真っ直ぐに取り外すことを許容
するに十分なものである。
本発明による方法の有益な実施例は、過程(b)及び(g)の場合のように間
隙を樹脂で充填する前に、該間隙を画成する円筒表面の少なくとも一方を加熱す
ることによって該間隙が一時的に狭くされることを特徴とする。例えば、スリー
ブの材料(例えば石英)の熱膨張係数がその中に挿入されるドラムのもの(例え
ば銅-ニッケル)より低い場合には、ドラム及び/又はスリーブを加熱すること
は、ドラムをスリーブに向かって半径方向に膨張させることになり、それによっ
て、それらの間の間隙を狭くするであろう(該間隙内の樹脂の薄い層は熱伝導性
のものであることが留意される)。樹脂が硬化した後、それに続いて起こる加熱
された円筒表面の冷却は、前記間隙をもう一度拡げることになり、結果として、
ドラムとスリーブの分離を更に促進するであろう。
過程(e)における不活性化の作用は、過程(g)において塗布される第2の
液体樹脂が、過程(c)から生じる硬化した第1の樹脂層に永続的に付着するこ
とを防止するために役立つ。そのような不活性化は、例えば、以下の処理過程、
すなわち、
− 硬化した第1の樹脂層に紫外線オゾン洗浄(〜10分間)又はコロナ放電
(〜30秒間)を施し;
− オクタデシル・トリエトキシシラン(octadecyl triethoxysilane)又はオ
クタデシル・トリクロロシラン(octadecyl trichlorosilane)のような液体不活
性化剤の開放容器と共に、硬化した樹脂層を真空室の中に導入し;
− 前記不活性化剤を蒸発させて、硬化した樹脂層の廻りに蒸気雰囲気を形成
させるべく、前記真空室を排気し;
− 硬化した樹脂層を、真空室から取り出す前に、この雰囲気の中に数時間に
渡って放置する、
過程を用いて実施することができる。
光学的な記録刻印器の複製における用途以外にも、本発明による方法は、例え
ば、螺旋溝の軸受けの複製においても使用することが可能である。他の実行可能
な用途は、精密旋盤の駆動軸の間の光学的なトラッキング・マーキングの複製に
おけるものであり、そのようなマーキングは、アクチュエータに接続されるレー
ザ・トラッキング装置と組合せて、旋盤の軸を所望のパターンに従ってその円筒
の軸に沿って前後に精密に並進させるために使用することが可能であり、それに
よって、旋盤が円運動的に対称ではない複雑な形状を切断することを可能にする
。
以上のように説明された本発明による方法は、(a)から(d)の過程と(g
)から(i)の過程を各々に含んで成る2つの別個の段階において実行すること
が可能である。これらの段階は、各々、請求項8及び9の主題事項である。
図面の簡単な説明
本発明とそれに付随する利点は、例示的な実施例及び添付の概略図を使用して
更に明白になるであろう。
図1は、光学的な記録テープの製造(エンボス加工)のために使用されるドラ
ム形状の刻印器の斜視図を描写している。
図2は、図1の主体が透明な円筒スリーブの中に挿入される本発明による方法
の過程(a)を図示している。
図3は、スリーブの中への刻印器の完全な同軸的挿入の後における、図2の主
体を示している。
図4は、本発明による方法の過程(d)の実行の後におけるスリーブを示して
いる。
図5は、ブランク・ドラムが図4の主体の中に挿入される本発明による方法の
過程(f)を図示している。
図6は、本発明による方法の過程(i)の実行の後におけるドラムを示すもの
であり、ここで、該ドラムの表面には、浮彫りパターンが設けられている。
発明を実施するための最良の形態
−実施例1−
図1から図6は、本発明による方法の特定の実施例の様々な様相を描写するも
のである。個々の図面において対応する特徴は、同じ参照番号で示される。
図1は、光学的なテープの製造のために使用されるドラム形状の刻印器1(第
1円筒ドラム)の斜視図を描写するものである。ドラム1は、円筒の軸3及び円
筒表面5(外側表面)を有する。この特定の具体例では、表面5は、レーン7の
螺旋パターンを担持し、各々のレーン7がレーン7の長さに沿って走る浮彫り構
造9を包含している。(ここでは、唯1つそのような浮彫り構造が描写されてい
る)浮彫り構造9は、バイナリー・データを表わす一連の細長いピットが設けら
れた滑らかな表面5を含んで成る。これらのピットのすべては、同じ深さ(≒1
30 nm)と幅(≒500 nm)を有するが、(1500 nmのオーダーの)変化
す
る長さも有する。
ドラム1の大部分は、光学的に滑らかな薄いニッケルの表面層(≒0.5 mm
の厚さ)を備えた黄銅から構成される。このニッケル層は、浮彫りパターン9を
包含する、硬化され架橋形成されたフォトレジスト層によって被覆される。ドラ
ム1の直径は、150 mm であり、その長さは200 mm であり、各々のレーン
7の(面内)幅は8 mm である。
(例えば、国際特許出願WO9714142号のように)ドラム1がエンボス
加工可能な材料のシートの上に型押しされる場合、該シートは、浮彫り構造9内
のピットに対応する隆起を備えてエンボス加工されることになる。エンボス加工
されたシートを金属被覆した後、該シートを、各々がレーン7と同じ幅を有する
ような、(例えば、国際特許出願WO96/03743号のように)テープのス
トリップにスプライシングすることが可能である。そのようなテープにおける隆
起は、該隆起に沿って集束レーザ・ビームで走査することによって光学的に「読
取る」ことが可能である。
図2は、本発明の方法の過程(a)の実行を図示するものである。ドラム1は
、該円筒スリーブ11の中へスライドされ、該ドラム1の軸3と円筒スリーブ1
1の円筒軸13とが一致するように、スリーブ11は、間隙20(第1間隙)だ
け外側表面5から離間されるように成した、滑らかな内側表面15を有する。こ
の場合、間隙20の幅は、0.2 mm であり、スリーブ11は、紫外線に関して
透明であるように石英で形成される。
図3は、スリーブ11の中へのドラム1の完全な同軸的挿入の後における、図
2の主体を示すものである。一旦、そのような挿入が完了してしまうと、第1の
硬化性液体樹脂(図示略)が、毛管作用によってスリーブ11の孔尻端部から間
隙20の中に導入される(過程(b))。この特定の場合においては、前記樹脂
は、UV硬化性のものである。実際の硬化(過程(c))は、(方向24に)透
明スリーブ11の長さに沿って周方向配列のUVランプ22で走査することによ
って実行することが可能である。
間隙20内の樹脂が硬化すると、該樹脂は、スリーブ11の内側表面15に付
着するが、ドラム1の外側表面5における浮彫りパターン9からは半径方向に収
縮して後退する。このようにして、スリーブ11の内側表面15は、図4で示さ
れるように、浮彫り構造9のネガである浮彫り構造19を有するレーン17の螺
旋パターンが付与されることになる。樹脂が硬化の際に収縮するので、ドラム1
は、いずれの表面5、15にも損傷を与えることなく、スリーブ11からスライ
ドさせる(過程(d))ことが可能である。
所望の場合、或いは必要であると考えられる場合、過程(d)におけるドラム
1とスリーブ11の無傷の分離を更に助長するために、浮彫り構造9は、不活性
化させても良く及び/又は内側表面15に、過程(a)の実行に先立って、接着
増進処理を施しても良い。そのような不活性化は、例えば、既に前述した処理過
程を使用して実行しても良い。他方、接着は、表面15に紫外線オゾン洗浄(〜
10分間)又はコロナ放電(〜30秒間)を施すことによって助長させることが
可能である。
過程(d)の後、スリーブ11の内側表面15における硬化した樹脂の浮彫り
構造19は、ここで、例えば既に前述した処理過程を使用して不活性化される(
過程(e))。
図5は、ドラム21(第2円筒ドラム)が図4で示されたスリーブ11の中へ
同軸的にスライドさせる、本発明の方法の過程(f)の実行を描写している。ド
ラム21は、円筒の軸23及び滑らかな円筒表面25(外側表面)を有する。ド
ラム21の直径は、表面25と15の間に間隙30(第2間隙)を残しておくよ
うにして選択される。この特定の場合、間隙30は、ほぼ0.25 mm の幅を有
する。
図3において描写されたシナリオと同様に、一旦、スリーブ21の中へのドラ
ム21の挿入が完了してしまうと、第2の硬化性液体樹脂(図示略)が、毛管作
用によってスリーブ11の孔尻端部から間隙30の中に導入される(過程(g)
)。この特定の場合、第2の樹脂は、過程(c)で採用された第1の樹脂と同じ
ものである。過程(c)の場合と正に同様に、過程(h)を、透明スリーブ11
の長さに沿って周方向配列のUVランプで走査することによって実行することが
可能である。
間隙30内の樹脂が硬化すると、該樹脂は、ドラム21の外側表面25に付着
するが、スリーブ11の不活性化された内側表面15における浮彫りパターン1
9からは半径方向に収縮して後退する。このようにして、図6で描写されるよう
に、ドラム21の外側表面25は、浮彫り構造19のネガであり、従って浮彫り
構造9のポジである、浮彫り構造29を有するレーン27の螺旋パターンが付与
されることになる。樹脂が硬化の際に収縮するので、ドラム21を、いずれの表
面15、25にも損傷を与えることなく、スリーブ11からスライドさせる(過
程(i))ことが可能なのである。
所望の場合、或いは必要であると考えられる場合、過程(i)におけるドラム
21とスリーブ11の無傷の分離を更に助長するために、外側表面25に、過程
(f)の実行に先立って、接着増進処理を施しても良い。これは、例えば、表面
25に紫外線オゾン洗浄又はコロナ放電を施すことによって達成することが可能
である。
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【要約の続き】
ラムの前記外側表面に固体の浮彫り層を形成すべく前記
第2間隙内の前記樹脂を硬化させ、それによって、この
樹脂が前記スリーブの前記内側表面における前記浮彫り
層から僅かに収縮して後退するように成し;(i) 前
記スリーブから前記第2ドラムをスライドさせる、過程
を含んで成ることを特徴とする浮彫り構造の複製方法で
ある。