JPH11513769A - 車両における負荷変化衝撃を低減するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 負荷変化衝撃をできるだけ大幅に減衰するために、まず、機関のクランク軸で取り出され、機関損失モーメントによって低減されないクラッチモーメントに相応する、機関の指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）が決定される。それから、指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）はフィルタリング（ＴＰ）によって、負荷変化の際に、前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）に比べて僅かな上昇度を有している指示目標モーメント（ｍｄｉｆａ）に変換される。最終的に、この指示目標モーメント（ｍｄｉｆａ）から目標点火角度（ｚｗｓｏｌ）が導出される。

Description

【発明の詳細な説明】 車両における負荷変化衝撃を低減するための方法および装置 従来の技術 本発明は、点火角度の制御を介して内燃機関のトルク補正を実施する、車両に おける負荷変化衝撃を低減するための方法および装置に関する。 内燃機関によって作動される車両が絞り弁の迅速な開放によって加速されると 、しばしば、乗員にとって不快な、車両の負荷変化衝撃および引き続く減衰振動 が生じる。加速の際のこの種の車両振動または定常作動における車両のボデーノ ックを減衰するために、ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０２１４４号公報に よれば、機関のトルク補正が点火角度の制御を介して実施される。その際、機関 回転数の変化に依存して、点火角度に対する補正値が求められるので、そこから 生じる、トルクの変化は、ボデーノックに対して逆相である。 本発明の課題は、負荷変化衝撃の減衰の一層の改良が可能である、冒頭に述べ た形式の方法ないし装置を提供することである。 発明の利点 本発明によれば、この課題は、請求項１または７の 特徴部分に記載の構成によって解決される。これによればまず、機関の間接的に 指示される基本モーメント（以下、指示基本モーメントという）が決定される。 これは、機関のクランク軸において取り出され、機関損失モーメントによって低 減されないクラッチモーメントに相応する。それから、この指示基本モーメント がフィルタリングによって間接的に指示される目標モーメント（以下、指示目標 モーメントという）に変換される。この目標モーメントは、負荷変化の際に、基 本モーメントに比べて僅かな上昇度を有している。それ故に目標点火角度は指示 目標モーメントから導出される。その理由は、点火角度介入は主に間接的に指示 される機関モーメント（以下、指示機関モーメントと称する）に影響を及ぼし、 機関損失モーメントには僅かしか影響を及ぼさないからである。このようにして 求められた目標点火角度は、より直接的に、従ってより強く、負荷変化衝撃を減 衰するように作用する。 指示基本モーメントのフィルタリングによって、有利には、２次のＰＴ素子が 使用される。その理由は、そこから生じる指示目標モーメントが負荷変化衝撃の 最適な減衰を保証するからである。本発明の有利な実施例はその他の請求項に記 載されている。 実施例の説明 図面に図示の実施例に基づいて、以下に本発明を詳細に説明する。その際第１ 図は、目標点火角度を導出 するためのブロック線図であり、第２図は、トルク補正係数の、点火角度位置に 対する依存性を表す特性曲線であり、第３図は、第２図に図示の特性曲線とは逆 の特性曲線でありかつ第４図は、モーメントおよび点火角度経過を示している。 第１図のブロック線図から分かるように、まず、最適な点火角度ｚｗｏｐｔと 、介入のないことによって変化した、その時の点火角度ｚｗｂａｓｅとの間の差 が形成される。最適な点火角度ｚｗｏｐｔは図示されていない負荷および回転数 に依存した特性マップから取り出され、その際この最適な点火角度は機関の最適 な効率に相応する。同様に、その時の点火角度ｚｗｂａｓｅは負荷および回転数 に依存した特性マップから読み出すことができる。その時の点火角度ｚｗｂａｓ ｅの、最適な点火角度ｚｗｏｐｔに対するずれであるこの差ｄｚｗｋは回路ブロ ックＦＭＤＤＺＷに供給される。この回路ブロックＦＭＤＤＺＷには、図２に示 されている補正曲線が実現されている。この補正曲線は、機関の最適な効率に相 応する最適な指示トルクｍｄｉｏｐｔに対する補正係数ｆｍｄｉｎｄと、点火角 度差ｄｚｗｋとの間の依存性を表している。回路ブロックＦＭＤＤＺＷに入力さ れた、その都度の点火角度差ｄｚｗｋに対して、この特性曲線から所属の補正係 数ｆｍｄｉｎｄが読み出される。この補正係数ｆｍｄｉｎｄと、最適な指示トル クｍｄｉｏｐｔとが乗算さ れる。この最適な指示されるトルクは最適な点火角度ｚｗｏｐｔと同様に、負荷 および回転数に依存した特性マップから読み出すことができる。最適な指示トル クｍｄｉｏｐｔと補正係数ｆｍｄｉｎｄとの乗算結果は、機関の指示基本モーメ ントｍｉｂａｓｅである。即ち、指示される基本モーメントｍｉｂａｓｅは、そ の時の点火角度ｚｗｂａｓｅの、最適な点火角度ｚｗｏｐｔからの偏差に基づい て生じる指示される機関モーメントである。従ってここで、指示モーメントにつ いて言うとき、燃焼から直接生じかつすべりモーメントによっても、別の消費装 置モーメントによっても低減されていない機関モーメントの謂いである。機関の すべりモーメントは、駆動ユニットの質量体によって消費される損失モーメント でありかつ機関回転数および機関温度に依存している特性マップから求めること ができる。消費装置モーメントは、特性マップから、付加アッセンブリ、例えば エアコン装置、操縦装置、変速機等の作動状態に依存して読み出される。したが って指示機関モーメントは、クランク軸において発生するクラッチモーメント、 すべりモーメントおよび場合により別の消費装置モーメントの和から成っている 。上述した、指示基本モーメントｍｉｂａｓｅの導出はそれ自体、ドイツ連邦共 和国特許出願公開第４２３９７１１号公報から公知でありかつそこでは燃焼モー メントと称される。 指示基本モーメントｍｉｂａｓｅは、推進力遮断条件Ｂ＿ｓａが存在しない限 り、フィルタＴＰに通し接続される。フィルタＴＰは有利には２次のＰＴ素子で ある。指示基本モーメントｍｉｂａｓｅのフィルタリングから、指示目標モーメ ントｍｄｉｆａが生じる。図４には、指示基本モーメントｍｉｂａｓｅおよび指 示目標モーメントｍｄｉｆａの時間経過が図示されている。負荷変化の際に、指 示基本モーメントｍｉｂａｓｅは跳躍的に上昇する。２次のＰＴ素子によって、 指示目標モーメントｍｄｉｆａは負荷変化の際にまず、徐々に上昇しかつそれか ら、指示される機関モーメントの、運転者の希望に相応する値に向かって迅速に 経過する。フィルタの伝達関数では本来、指示目標モーメントｍｄｉｆａの経過 の、図４に点線で示されている超過振動および不足振動が生じるはずである。 主として不足振動は不都合である。それ故に、指示目標モーメントｍｄｉｆａ が指示基本モーメントｍｉｂａｓｅを上回るや否や、フィルタＴＰは作動解除さ れる。この目的のために、フィルタＴＰは付勢入力側Ｉｎを有している。付勢信 号として、フィルタＴＰの出力側に現れる指示目標モーメントｍｄｉｆａがまだ 、指示基本モーメントｍｉｂａｓｅより小さい場合、スイッチＳを介して付勢入 力側Ｉｎに供給される指示基本モーメントｍｉｂａｓｅが用いられる。指示目標 モーメントｍｄｉｆａと指示基本モーメントｍｉｂａ ｓｅとの比較を実施するのは、比較回路ＶＧである。この比較回路ＶＧが、指示 目標モーメントｍｄｉｆａが指示基本モーメントｍｉｂａｓｅを上回ることを検 出するや否や、スイッチ８は開放される。それから、付勢入力側Ｉｎには信号が 加わらずかつフィルタＴＰはもはや働いていないので、その出力信号ｍｄｉｆａ は指示基本モーメントｍｉｂａｓｅに等しい。 フィルタＴＰは、指示目標モーメントｍｄｉｆａの上昇時間をその都度挿入さ れた変速段を調整設定することができるようにするために、変化可能な上昇定数 ｚｍｄｆａを有している。かつしかも、フィルタリングに対する時定数ｚｍｄｆ ａは速度段が大きくなるに従って小さくなり、例えば１速が挿入されている場合 は、０．３ｓｅｃであり、最大の速度段では０．０１ｓｅｃである。 そこで、上述したように、求められた指示目標モーメントｍｄｉｆａから、次 のようにして、このモーメントを実現する目標点火角度ｚｗｓｏｌが導出される 。割り算器ＤＶにおいて、その前に決定された指示目標モーメントｍｄｉｆａと 最適な指示機関モーメントｍｄｉｏｐｔとの比が形成される。そこから生じる補 正係数ｆｍｄｉｎｄｓが、第３図に図示された特性曲線が実現されている回路ブ ロックＤＺＷＦＭＤに供給される。これは、点火角度変化ｄｚｗｓの、モーメン ト補正係数ｆｍｄｉｎｄｓに対する依存性を表してい る補正特性曲線である。回路ブロックＤＺＷＦＭＤにおけるこの補正曲線は、回 路ブロックＦＭＤＤＺＷにおけるこの補正曲線に対して逆である。従って、回路 ブロックＤＺＷＦＭＤは、モーメント補正係数ｆｍｄｉｎｓに依存して、出力信 号ｄｚｗｓを発生する。この信号は、最適な指示されるトルクｍｄｉｏｐｔに相 応する最適な点火角度ｚｗｏｐｔと、指示目標モーメントｍｄｉｆａに相応する 目標点火角度ｚｗｓｏｌとの間の差を表すものである。最適な点火角度ｚｗｏｐ ｔと、点火角度差ｄｚｗｓとの間の差形成から最終的に、所望の最適な点火角度 ｚｗｏｐｔが得られる。この目標点火角度ｚｗｓｏｌは、負荷変化衝撃を大幅に 低減する指示目標モーメントｍｄｉｆａが生じるように作用する。図４には、負 荷変化後の目標点火角度ｚｗｓｏｌの時間経過が例示されている。 目標点火角度に代わってまたはそれに対して付加的に、シリンダ取り出しの目 標数を求めることもでき、このことから上述の指示目標モーメントが結果的に生 じる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年４月１日 【補正内容】 ３．前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）を前記フィルタリングのために低 域フィルタリング部（ＴＰ）に供給する 請求項１記載の方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内燃機関のトルク補正を点火角度の制御を介して実施することによって、車 両における負荷変化衝撃を低減する方法において、 燃焼から直接生じる、機関の指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）を決定し、 該指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）をフィルタリング（ＴＰ）によって、 負荷変化の際に該指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）に対して僅かな上昇度を 有している指示目標モーメント（ｍｄｉｆａ）に変換し、 前記指示目標モーメント（ｍｄｉｆａ）から目標点火角度（ｚｗｓｏｌ）およ び／またはシリンダ取り出しの目標数を導出する ことを特徴とする方法。 ２．負荷および回転数に依存した特性マップから、機関の最適な効率に相応する 最適な点火角度（ｚｗｏｐｔ）を求め、 該最適な点火角度（ｚｗｏｐｔ）とその時点の点火角度（ｚｗｂａｓｅ）との 差を形成し、 機関の最適な効率に相応する最適な指示機関モーメント（ｍｄｉｏｐｔ）対す る補正係数（ｆｍｄｉｎｄ）と点火角度差（ｄｚｗｋ）との間の依存性を表して いる補正特性曲線（ＦＭＤＤＺＷ）から、その 時の点火角度差に対応している補正係数（ｆｍｄｉｎｄ）を読み出し、かつ 前記最適な指示機関モーメント（ｍｄｉｏｐｔ）と、前記補正係数（ｆｍｄｉ ｎｄ）との乗算から、前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）を求める 請求項１記載の方法。 ３．前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）を低域フィルタリング部に供給す る 請求項１記載の方法。 ４．前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）のフィルタリングを、該指示目標 モーメント（ｍｄｉｆａ）が前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）を上回る や否や、行わないようにする 請求項１または２記載の方法。 ５．前記フィルタ（ＴＰ）は、挿入された速度段に依存して調整設定される変化 可能な上昇時定数を有している 請求項１または３記載の方法。 ６．前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）と前記最適な指示機関モーメント （ｍｉｏｐｔ）との比を形成し、 該モーメント比は補正係数（ｆｍｄｉｎｄｓ）を表しており、該補正係数に対 して、該補正特性曲線（ＦＭＤＤＺＷ）に対して反対の補正特性曲線（ｄｚｗｆ ｍｄ）から、所属の点火角度差（ｄｚｗｓ）を 読み出し、かつ 前記点火角度差（ｄｚｗｓ）の、前記最適な点火角度（ｚｗｏｐｔ）からの減 算によって前記目標点火角度（ｚｗｓｏｌ）を決定する 請求項１および２記載の方法。 ７．内燃機関のトルク補正を点火角度の制御を介して実施する、車両における負 荷変化衝撃を低減する装置において、 燃焼から直接生じる、機関の指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）を決定する 手段（ＦＭＤＤＺＷ）が設けられており、 フィルタ（ＴＰ）が前記指示基本モーメント（ｍｉｂａｓｅ）を、該指示基本 モーメント（ｍｉｂａｓｅ）に比べて僅かな上昇度を有している指示目標モーメ ント（ｍｄｉｆａ）に変換し、かつ 前記指示目標モーメント（ｍｄｉｆａ）から目標点火角度（ｚｗｓｏｌ）を導 出する別の手段（ＤＶ，ＤＺＷＦＭＤ）が設けられている ことを特徴とする装置。