JPH11513698A - 神経保護物質およびパーフルオロケミカルの注射剤 - Google Patents

神経保護物質およびパーフルオロケミカルの注射剤

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JPH11513698A JP9516278A JP51627897A JPH11513698A JP H11513698 A JPH11513698 A JP H11513698A JP 9516278 A JP9516278 A JP 9516278A JP 51627897 A JP51627897 A JP 51627897A JP H11513698 A JPH11513698 A JP H11513698A
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Abstract

(57)【要約】 脳低酸素症を伴う疾患の治療のための神経保護物質およびパーフルオロケミカルを含有する注射剤、前述の注射剤を含む装置もしくはパック、ならびに救急車でのおよび緊急治療室での使用に適する適切な駆動装置ユニット。

Description

【発明の詳細な説明】 神経保護物質およびパーフルオロケミカルの注射剤 本発明は、脳低酸素症を伴う疾患の治療での同時、別個もしくは連続的な使用 のための組み合わせ製剤としての神経保護物質およびパーフルオロケミカル剤を 含んで成る注射剤に、ならびに、例えば救急車および緊急治療室での使用に適す る適切な独立の駆動装置ユニットをもつ前述の注射剤の装置もしくはパックに関 する。 US 4,861,785に、抗低酸素および抗無酸素の活性を有するベンゾキサゾルアミ ンおよびベンゾチアゾルアミンの誘導体が記述されている。WO-92/14,731では、 有用な抗卒中活性を有する、これらのベンゾチアゾルアミン誘導体のいくつかが 開示された。(S)-4-[(2-ベンゾチアゾリル)メチルアミノ]-α-[(3,4-ジフ ルオロフェノキシ)メチル]-1-ピペリジンエタノール(包括的にルベルゾール(l ubeluzole)として知られる)の注入可能な製剤が、1994年11月24日に申請された 欧州特許出願第94203422.4号に開示されている。 脳低酸素症を伴う疾患は、卒中、よりとりわけ虚血性卒中、脳内出血およびク モ膜下出血ならびに頭部外傷を含んで成る。脳低酸素症を伴う疾患の治療は、現 在、主として、神経保護的なおよび血液学的な治療戦略から成る。Cerebrovasc .Dis.1995、5(suppl 1):27-30に記述されるように、急性卒中の治療のための 組み合わせ療法の利益への増大する確信が存在するとは言え、至適な組み合わせ は決定されるべきままである。低酸素症の治療のためのこうした至適化された組 み合わせが本発明の主題である。とりわけ、それは、神経保護剤およびパーフル オロケミカルの組み合わせに関する。当該生成物は注入による静脈内および皮内 の投与に適応される。というのはこれらは低酸素症患者に最も適切な投与経路を 代表するからである。 この故に、本発明は、低酸素症の治療での同時、別個もしくは連続的な使用の ための組み合わせ製剤としての、 (a)製薬学的に有効な量の神経保護物質および製薬学的に許容できる担体を含 んで成る、静脈内および皮内の投与に適する組成物、ならびに (b)製薬学的に有効な量のパーフルオロケミカルおよび製薬学的に許容できる 担体を含んで成る、静脈内および皮内の投与に適する組成物、 を含有する生成物に関する。 静脈内投与は静脈内への注入によっての導入を意味し、また、皮内投与は皮膚 内への注入によっての導入を意味する。 下で、当該組成物中の材料のそれぞれの量は、別に指摘されない限り、製剤の 総体積に基づく重量パーセントとして表わされる。 神経保護物質は、とりわけ、式(I) の2-アミノベンゾチアゾール誘導体、それらの製薬学的に許容できる酸付加塩 、N-酸化物の形態、および立体化学的な異性体の形態であり、式中、 R1は水素もしくはC1-4アルキルを表し、 R2は水素、ヒドロキシもしくはトリフルオロメトキシを表し、そして Lは水素もしくは式(II) 式中R3は水素もしくはフッ素を表す、 の基を表す。 具体的な神経保護物質はルベルゾール(R1がメチルであり、R2が水素であり 、Lが、R3がフッ素でありかつ*の印をつけられた原子が(S)配置を有する式( II)の基である)、ルベルゾールN-酸化物半水和物(好ましくはcis配向酸化さ れたピペリジン窒素原子)、6-ヒドロキシルベルゾール(R2がヒドロキシであ る)もしくはリルゾール(riluzole)(R1およびLが双方とも水素であり、R2が トリフルオロメトキシである)である。最も好ましい神経保護物質はルベルゾー ルである。ルベルゾールは、(S)-4-[(2-ベンゾチアゾリル)メチルアミノ]-α -[(3,4-ジフルオロフェノキシ)メチル]-1-ピペリジンエタノールに対する一 般名である。その調製法および特性はWO-92/14,731に記述されている。 神経保護物質はまた、アピチガネル(apitiganel)、エリプロジル(eliprodil) 、セルフォテル(selfotel)、チリラザド(tirilazad)もしくはレマセミド(remace mide)のようなNMDAレセプターアンタゴニスト、または、それとの式(I) の上述の2-アミノベンゾチアゾール誘導体の組み合わせでもありうる。 製薬学的に許容できる酸付加塩は、塩基の形態を、例えば無機酸例えば塩酸、 臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、もしくは有機酸例えば酢酸、プロピオン酸、 ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク 酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスル ホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サイクラミン酸、サリ チル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸のような酸で処理することにより得ら れる、治療的に活性の非毒性の塩の形態を含んで成る。 式(I)の化合物のN-酸化物の形態は、窒素原子の1個もしくはそれ以上が 酸化される化合物、とりわけ、ピペリジン窒素が酸化されるものを含んで成るこ とを意味される。ルベルゾールN-酸化物において、ピペリジン窒素上の酸素原 子は、cisにすなわちピペリジン環により定義される面の4-置換基と同じ側に向 けられる。 静脈内投与装置(注入器(infusor))の壁へのルベルゾールの吸着は溶液(a )のpHを3.6より下に維持することにより大きく低下され得る。この方法で、 優れた物理的安定性を有する静脈内溶液が調製され得る。 本明細書で使用されるような「物理的安定性」もしくは「物理的に安定な」と いう用語は、それについて注入装置を通過した後に有効成分の10重量%未満が吸 着される溶液を指す。好ましくは、有効成分の5重量%未満が吸着される。 一般に、神経保護物質ルベルゾールのための製薬学的に許容できる担体は、水 、等張化剤、および、当該溶液のpHを2.5から3.6までの範囲に調節するのに十 分な酸、塩基もしくは緩衝物質を含んで成る水溶液(a)である。 とりわけ、本溶液(a)中のルベルゾールの濃度は、0.005%から5%まで、 好ましくは0.01%から1%まで、より好ましくは0.02%から0. 2%までの範囲にあることができ、そしてとりわけ約0.05%である。 さらにまた、本溶液(a)は、便宜的に、1から10%までの等張化剤を含んで 成る。等張化剤としてのグルコースの使用は、非常に澄明な溶液が得られるとい う利点を有する。好ましくは、グルコースは2から10%まで、最も好ましくは約 5%の濃度で使用される。 溶液(a)は、さらに、2.5から3.6までの範囲に、好ましくは3.0から3.4まで の範囲に、最も好ましくは約3.2に当該溶液のpHを維持するための酸性および 塩基性物質を含んで成る。好ましくは、溶液(a)のpHは、適切な量の塩酸お よび水酸化ナトリウムにより調節される。pHはまた、リン酸、酒石酸もしくは クエン酸のような酸、および塩基とりわけ水酸化ナトリウムの適切な量の混合物 を含んで成る緩衝系によっても調節されうる。 本製剤中のルベルゾールの溶解性を増大させるため、可溶化剤が使用されうる 。便宜的には、シクロデキストリン(CD)もしくはその誘導体が使用されうる 。 適切なシクロデキストリン誘導体は、α-、β-、γ-シクロデキストリンもしく はそれらのエーテルおよび混合エーテルであり、ここで、シクロデキストリンの 無水グルコース単位のヒドロキシ基の1個もしくはそれ以上は、C1-6アルキル 、具体的にはメチル、エチルもしくはイソプロピル(例えば無作為にメチル化さ れたβ-シクロデキストリン)、ヒドロキシC1-6アルキル、具体的にはヒドロキ シエチル、ヒドロキシプロピルもしくはヒドロキシブチル、カルボキシC1-6ア ルキル、具体的にはカルボキシメチルもしくはカルボキシエチル、C1-6アルキ ルカルボニル、具体的にはアセチル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6ア ルキルもしくはカルボキシC1-6アルキルオキシC1-6アルキル、具体的にはカル ボキシメトキシプロピルもしくはカルボキシエトキシプロピル、C1-6アルキル カルボニルオキシC1-6アルキル、具体的には2-アセチルオキシプロピルで置換 される。β-CD、2,6-ジメチル-β-CD、無作為にメチル化されたβ-シクロ デキストリン、2-ヒドロキシエチル-β-CD、2-ヒドロキシエチル-γ-CD、 2-ヒドロキシプロピル-γ-CDおよび(2-カルボキシメトキシ)プロピル-β-C D、ならびにとりわけ2-ヒドロキシプロピル-β-CDが可溶化剤としてとりわ け注目すべきである。 混合エーテルという用語は、最低2個のシクロデキストリンヒドロキシ基が例え ばヒドロキシプロピルおよびヒドロキシエチルのような異なる基でエーテル化さ れるシクロデキストリン誘導体を意味する。 平均モル置換(average molar substitution)(M.S.)は、無水グルコースの 1モルあたりのアルコキシ単位の平均モル数の尺度として使用される。M.S. 値は、核磁気共鳴(NMR)、質量分析法(MS)および赤外吸収スペクトル法 (IR)のような多様な分析技術により決定され得る。使用される技術に依存し て、わずかに異なる値が、1個の与えられたシクロデキストリン誘導体について 得られうる。本発明の組成物での使用のためのシクロデキストリンのヒドロキシ アルキル誘導体では、質量分析法により決定されるようなM.S.は、0.125な いし10の、とりわけ0.3ないし3の、もしくは0.3から1.5までの範囲にある。好 ましくは、M.S.は、約0.3から約0.8まで、とりわけ約0.35から約0.5までの 範囲にあり、そして最も具体的には約0.4である。NMRもしくはIRにより決 定されるM.S.値は、好ましくは0.3から1まで、と りわけ0.55から0.75までの範囲にある。 平均置換度(average substitution degree)(D.S.)は、無水グルコース単 位あたりの置換されたヒドロキシルの平均数を指す。D.S.値は、核磁気共鳴 (NMR)、質量分析法(MS)および赤外吸収スペクトル法(IR)のような 多様な分析技術により決定され得る。使用される技術に依存して、わずかに異な る値が、1個の与えられたシクロデキストリン誘導体について得られうる。本発 明の組成物での使用のためのシクロデキストリン誘導体では、MSにより決定さ れるようなD.S.は、0.125ないし3の、とりわけ0.2ないし2の、もしくは0. 2から1.5までの範囲にある。好ましくは、D.S.は、約0.2から約0.7まで、と りわけ約0.35から約0.5までの範囲にあり、そして最も具体的には約0.4である。 NMRもしくはIRにより決定されるD.S.値は、好ましくは0.3から1まで 、とりわけ0.55から0.75までの範囲にある。 本発明の組成物での使用のためのより具体的なβ-およびγ-シクロデキストリン のヒドロキシアルキル誘導体は、無水グルコース単位の異なる位置のヒドロキシ ル基での平均のアルキル化の程度が、3位について約0%ないし20%、2位につ いて2%ないし70%、そして6位について約5%ないし90%である、部分的に置 換されたシクロデキストリン誘導体である。好ましくは、置換されないβ-もし くはγ-シクロデキストリンの量は、総シクロデキストリン含量の5%未満であ り、そしてとりわけ1.5%未満である。別の具体的に興味深いシクロデキストリ ン誘導体は、無作為にメチル化されたβ-シクロデキストリンである。 本発明での使用に最も好ましいシクロデキストリン誘導体は、それらの部分的に 置換されたβ-シクロデキストリンエーテル、または、ヒドロ キシプロピル、ヒドロキシエチル、ならびにとりわけ2-ヒドロキシプロピルお よび/もしくは2-(1-ヒドロキシプロピル)置換基を有する混合エーテルである 。 本発明の組成物での使用に最も好ましいシクロデキストリン誘導体は、0.35から 0.50までの範囲のM.S.を有しかつ1.5%未満の置換されないβ-シクロデキス トリンを含有するヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである。NMRも しくはIRにより決定されるM.S.値は、好ましくは0.55から0.75までの範囲 にある。 有害反応の危険を最小にするために、静脈内(もしくは皮内)製剤は、好まし くは、可能な限り少数の材料を含有する。従って、シクロデキストリンのような 可溶化剤を含まない製剤が好ましい。可溶化剤を含まない製剤中のルベルゾール の溶解度は約9.2mg/ml(pH2.5)と約2mg/ml(pH3.6)との間の範囲にある ことが見出された。可溶化剤を含まないpH3.2の製剤は、最大で約3mg/mlの溶 解されたルベルゾールを含んで成る。さらに、神経保護物質の溶液(a)は、好 ましくは、保存剤を含有しない。 とりわけ、本発明は、 (i)0.005ないし5%のルベルゾールもしくは製薬学的に許容できるその付加 塩、 (ii)1ないし10%の等張化剤、 (iii)pHを2.5から3.6までの範囲に調節するための酸性および/もしくは塩 基性物質、ならびに (iv)100%までの適量の水、 を含んで成る神経保護物質の溶液(a)に関する。 好ましくは、本発明は、 (i)0.01ないし1%のルベルゾールもしくは製薬学的に許容できるその付加塩 、 (ii)2ないし10%のグルコース、 (iii)pHを3.0から3.4までの範囲に調節するための塩酸および水酸化ナトリ ウム、ならびに (iv)100%までの適量の水、 を含んで成る神経保護物質の溶液(a)に関する。 最も好ましくは、本発明は、おおよそ (i)0.05%のルベルゾールもしくは製薬学的に許容できるその付加塩、 (ii)5%のグルコース、 (iii)pHを約3.2に調節するための塩酸および水酸化ナトリウム、ならびに (iv)100%までの適量の水、 を含有する神経保護物質の溶液(a)に関する。 溶液(a)は当該技術分野既知の技術を使用して滅菌される。 本生成物の神経保護物質の溶液(a)は、便宜的には、急性低酸素症に罹って いる患者の治療で使用される。一般に、急性低酸素症に有効な治療は、患者に、 治療の最初の1時間の間に、10ないし30mlの溶液(a)すなわち5から15mgまで の有効成分の範囲のある量のルベルゾール(もしくは6-ヒドロキシルベルゾー ル)を投与することを必要とすることが企図される。その後の24時間の間に、そ の量の約4/3すなわち133%が投与されうる。すなわち、その後かなり低下さ れる比較的高い初期流量で開始する。維持用量は連続数日投与されうる。 好ましくは、約15mlの溶液すなわち約7.5mgの有効成分が、治療の最初の1時 間の間に注入により投与され、その後、次の24時間の間、約20mlの溶液すなわち 約10mgの有効成分が続く。前述の有効量は、治療される患者の応答に依存して、 および/もしくは本発明の化合物を処方する医師の評価に依存して、低下もしく は増加されうることが明らかである。上に挙げられた有効量の範囲は従って指針 のみであり、また、いかなる程度にも本発明の範囲もしくは使用を制限すること を意図されない。主題の溶液は、便宜的には、当該技術分野既知の手順に従い生 理学的塩溶液と共投与されうる。 本生成物の再潅流組成物(b)は、製薬学的に有効な量のパーフルオロケミカ ルおよび製薬学的に許容できる担体を含んで成る。適するパーフルオロケミカル は、酸素および二酸化炭素を溶解することが可能である、本質的に炭素およびフ ッ素から成る生物学的におよび生化学的に不活性な化合物である。これらの既知 の血液置換物は体内で数時間の半減期を有し、そしてその結果、理想的に、急性 低酸素症の治療に適する。2種の現在承認されているパーフルオロケミカルの1 種が好ましく使用される。パーフルオロケミカルは、オキシジェント(Oxygent) [商標](パーフルブロン(perflubron))すなわちパーフルオロn-オクチル1- 臭化物(n-C817Br)、もしくは、そうでなければフルオソル(Fluosol)[ 商標]すなわちパーフルオロデカリンおよびパーフルオロトリイソプロピルアミ ンの(14:6)の混合物のいずれかである。これらのパーフルオロケミカルのそ れぞれが製薬学的に許容できる界面活性剤中に処方される。 パーフルオロケミカル組成物(b)がパーフルブロン(オキシジェン ト(Oxygent)[商標])である場合、当該乳剤は、 (vi)卵黄レシチン中の (v)60%から100%(w/v)までのパーフルオロn-オクチル1-臭化物(n- C817Br) を含んで成る。 パーフルオロケミカル組成物(b)がフルオソル(Fluosol)[商標]である場 合、当該乳剤は、 (ix)卵黄ホスホリピドおよびポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロ ックコポリマー(プルロニック(Pluronic)[商標]F68)の混合物中の (vii)14%(w/v)のパーフルオロデカリンおよび (viii)6%(w/v)のパーフルオロトリイソプロピルアミン を含んで成る。 溶液(b)は当該技術分野既知の技術を使用して滅菌される。 本生成物の再潅流溶液(b)は、便宜的には、急性低酸素症に罹っている患者 の治療で使用される。一般に、急性低酸素症の有効な治療は、患者に、治療の最 初の1時間の間に乳液(b)の5ないし100mlの範囲のある量のパーフルオロケ ミカルを投与することを必要とすることが企図される。好ましくは、約10ないし 50mlの乳液が治療の最初の1時間の間に注入により投与される。次の24時間の間 に、約10ないし65mlの乳液が投与されうる。前述の有効量は、治療される患者の 応答に依存して、および/もしくは本発明の化合物を処方する医師の評価に依存 して低下もしくは増加されうることが明らかである。上で挙げられる有効量の範 囲は従って指針のみであり、また、いかなる程度にも本発明の範囲もし くは使用を制限することを意図されない。 神経保護物質および再潅流の溶液は、便宜的には、当該技術既知の注入手順に 従って生理学的塩溶液と共投与されうる。 本発明の好ましい生成物は、神経保護物質の溶液(a)およびパーフルオロケ ミカルの乳液(b)が混合可能であり、また、混合される場合、室温で1日まで 安定な乳液を形成するものである。2溶液はその後一緒に、しかし、バイアル、 予め充填されたシリンジなどのような別個の容器で保存され得、そして使用直前 に混合され得る。好ましい容器は、双方の液体を混合する手段を包含する2室の 容器に別個に神経保護物質の溶液(a)およびパーフルオロケミカルの乳液(b )を含む。2室の容器は、理想的には、投与に先立ち2種の別個の溶液の混合を 可能にするバイパスもしくは類似の手段(例えば破壊可能なシール)をもつ、予 め充填された2室のシリンジであり、また、これは注入器装置との使用にさらに 適応される。 第一の特定の生成物は、治療の最初の1時間の間に神経保護物質の溶液(a) およびパーフルオロケミカルの乳液(b)を投与することに適応される。神経保 護物質が好ましい有効成分ルベルゾールである場合、その場合には当該生成物は 約15mlの溶液すなわち約7.5mgの有効成分を含んで成る。パーフルオロケミカル の乳液がオキシジェント(Oxygent)[商標]である場合、その場合はそれは約10 ないし50mlの乳液を含んで成る。 第二の特定の生成物は、前の段落で記述された1時間の治療の後の24時間の間 に神経保護物質の溶液(a)およびパーフルオロケミカルの乳液(b)を投与す ることに適応される。神経保護物質が好ましい有効成 分ルベルゾールである場合、その場合には当該生成物は約20mlの溶液すなわち約 10mgの有効成分を含んで成る。パーフルオロケミカルの乳液がオキシジェント(O xygent)[商標]である場合、その場合はそれは約10ないし65mlの乳液を含んで 成る。 当該生成物は低酸素症に罹っている患者に緊急にすなわち救急車、緊急治療室 もしくは集中治療室で投与されることが計画されるため、使い捨ての独立の駆動 装置ユニットと一緒になって当該生成物を含んで成る、低酸素症の治療のための 注入装置もしくはパックが本発明の生成物の最も有用な呈示であることが考えら れる。動力を提供する(powering)シリンジ、とりわけ予め充填されたシリンジの ための独立の駆動装置ユニットとして、ガスで稼働される(gas-operated)および 真空で稼働される(vacuum-operated)駆動装置ユニットの双方が挙げられうる。 正確に制御され得る低速度での薬物の送達を可能にする、興味深いガスで稼働さ れる皮内ドラッグデリバリー装置が、US-5,527,288に対応するWO-95/13838に記 述される。当該装置は、1個もしくはそれ以上の薬物貯蔵器をもつハウジング、 ならびに、ハウジングが皮膚に押される場合に角質層および表皮を通って真皮に 貫通するように十分な距離について外側に突出する単独の中空の針を含んで成る 。当該装置は、除去可能(depletable)成分(有効成分、動力源)を含んで成る使 い捨てカートリッジユニットおよびとくにハウジングおよび電子制御を含んで成 る再使用可能な駆動装置ユニットから成るモジュール方式のデザインものであり 得る。 本発明は、明らかに、急性低酸素症の治療のための薬物の調製のための上述の ような生成物の使用にもまた関する。同様に、本発明は、上述のような生成物の 成分を、前述の患者に同時に、別個にもしくは連続的 に投与することを含んで成る、低酸素症に罹っている患者を治療する方法に関す る。 実験の部 実施例1:(−)-[cis]ルベルゾールN-酸化物半水和物の調製 −10℃に冷却されたジクロロメタン(700ml)中のルベルゾール(11.6g、27mm ol)の攪拌された溶液に、m-クロロ過安息香酸(6.7g、31mmol)を添加した。 反応混合物を24時間攪拌し、そしてその後、アンモニア水溶液(2%、3回)お よび水(3回)で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過しそして 蒸発させ、9.6gの粗物質を得た。生成物(−)-[cis]ルベルゾールN-酸化物半水 和物を、メチルイソプロピルケトンからの再結晶により精製した(融点182.8℃ )(収量:4.7g、38.7%)[α]20 D=−8.73°(メタノール中1%)(化合物1 )。 実施例2:6-ヒドロキシルベルゾールの調製 a)4-(メチルアミノ)-1-ピペリジンカルボン酸エチル(59mmol)、2-クロロ -6-メトキシベンゾチアゾール(49mmol)および炭酸ナトリウム(50mmol)を、 油浴上窒素流下180℃で一夜攪拌した。当該混合物を室温に冷却した。クロロホ ルムを添加した。この混合物を超音波浴中で10分間攪拌し、そしてその後、水で 2回および50%塩化ナトリウム溶液で1回洗浄した。有機相を分離し、乾燥し( 硫酸マグネシウム)、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣を、シリカゲル上で のカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/ヘキサン/メタノール 50/49/1)により精製した。純粋なフラクションを収集しそして溶媒を蒸発さ せ、16g(93.5%)の4-[(6-メトキシ-2-ベンゾチアゾリル)メチルアミノ]-1 -ピペリジンカルボン酸エチル(中間体1)を得た。 b)水(140ml)中の臭化水素酸の溶液中の中間体(1)(50.4mmol)の混合物 を一夜攪拌しかつ還流した。当該混合物を冷却し、蒸発させ、そして残渣を2- プロパノール中で沸騰させた。室温に冷却した後、沈殿物を濾過により収集し、 2-プロパノールでおよび2,2'-オキシビスプロパンで洗浄し、そしてその後風 乾した。沈殿物を水(200ml)に溶解しそして水酸化アンモニウムでpH9.3まで 塩基性化した。水層をデカントし、油状残渣を少量の水中で3回攪拌し、そして デカントした。油状残渣をアセトニトリル(80ml)中で沸騰させ、沈殿物を室温 で濾過分離しそして乾燥し、9.1g(71%)の2-(メチル-4-ピペリジニルアミノ )-6-ベンゾチアゾロルを得た。融点222.9℃(中間体2)。 c)1-ブタノール(10ml)中の(+)-(S)-[(3,4-ジフルオロフェノキシ)メチ ル]オキシラン(3.22mmol)および中間体(2)(3.2mmol)の混合物を125℃( 油浴)で22時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そして溶媒を蒸発させた 。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(24×160mm、溶離液:ク ロロホルム/メタノール/n-ヘキサン 45/10/45)により精製した。純粋な フラクションを収集しそして溶媒を蒸発させた。残渣(2.458mmol)を2-プロパ ノール(20ml)に溶解し、そして、2-プロパノール(10ml)中の(Z)-2-ブテ ンジオン酸(4.92mmol)の溶液で(Z)-2-ブテンジオン酸塩(1:2)に変換し た。この混合物を2分間加熱した。結晶を室温で濾過分離しそして乾燥した。収 量:1.471g(67.4%)の(Z)-2-ブテンジオン酸(−)-(S)-2-[[1-[3-(3,4 -ジフルオロフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル]-4-ピペリジニル]メチルアミ ノ]-6-ベンゾチアゾロル(1:2)、融点180.2℃、[α]20 D=−8.03°(メタ ノール中c=1%)(化合物2)。 薬理学的実施例 本発明の生成物の有用な抗低酸素特性は以下の試験手順で立証され得る。 実施例3:ラット光化学卒中モデルでの後治療 体重260−280gの雄性ウィスター(Wistar)ラットをN2O/O2混合物中ハロタ ンで麻酔する。動物を定位装置に置き、頭皮を頭蓋表面の露出のため切開し、そ して、カテーテルを側方尾静脈に挿入する。ローズベンガル(30mg/kg、0.9%塩 化ナトリウム中15mg/ml)を、正常の血行力学および血液ガスの動物に2分間静 脈内に注入する。その後、頭蓋を、1mm直径の目標の内側に光ファイバーの束に よって5分間冷白色光(cold white light)で集中して照射する。光は、右壁側の 知覚運動新皮質の後肢領域に狙いを定める。梗塞誘導の5分後(すなわち光の相 殺(offset)5分後)、ラットに当該生成物を注入する。 四肢踏み直り(placing)反応を伴う神経学的試験を、梗塞後最初の2日に、その 誘導後24時間間隔で行う。接触の前方および横向きの踏み直りを、テーブルの縁 を足の背面もしくは側面と軽く接触させることにより試験する(2試験)。固有 受容の前方および横向きの踏み直りは、四肢の筋肉および関節を刺激するために 足をテーブルの縁に押しつけることを必要とする(2試験)。ラットをまた、固 有受容の内転を評価するために、高い台(platform)の縁に沿っても置き、足をや さしく台の縁から下へ引き下げ、そして、突然の解放の際にそれを回復および踏 み直りについてチェックする(1試験)。5試験のそれぞれについて、踏み直り スコアは、0、踏み直りなし、1、不完全なおよび/もしくは遅延した踏み直り 、または2、即時の完全な踏み直り、である。それぞれの四肢 について、台試験を包含する、総計された接触/固定受容の踏み直りのスコアは 最大で10である。結果は不完全な反対側の後肢から新皮質の梗塞まで報告される 。6匹のラットを各用量に使用する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/445 605 A61K 31/445 605 47/24 47/24 H 47/34 47/34 H C07D 277/82 C07D 277/82 // C07D 417/12 211 417/12 211 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,BB,BG ,BR,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IL, IS,JP,KG,KR,LK,LR,LT,LV,M D,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO ,SG,SI,SK,TR,TT,UA,US,UZ, VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.脳低酸素症を伴う疾患の治療での同時、別個もしくは連続的な使用のための 組み合わせ製剤としての、 (a)製薬学的に有効な量の神経保護物質および製薬学的に許容できる担体を含 んで成る、静脈内および皮内の投与に適する組成物、ならびに、 (b)製薬学的に有効な量のパーフルオロケミカルおよび製薬学的に許容できる 担体を含んで成る、静脈内および皮内の投与に適する組成物、 を含有する生成物。 2.神経保護物質が、式(I) の2-アミノベンゾチアゾール誘導体、それらの製薬学的に許容できる酸付加塩 、N-酸化物の形態もしくは立体化学的に異性体の形態であって、式中、 R1は水素もしくはC1-4アルキルを表し、 R2は水素、ヒドロキシもしくはトリフルオロメトキシを表し、そしてLは水素 もしくは式 式中R3は水素もしくはフッ素を表す、 の基を表す、請求の範囲1の生成物。 3.神経保護物質が、ルベルゾール、ルベルゾールN-酸化物、6-ヒドロキシル ベルゾールもしくはリルゾールである、請求の範囲2の生成物。 4.神経保護物質ルベルゾールが、水、等張化剤、および、溶液のpHを2.5か ら3.6までの範囲に調節するのに十分な酸、塩基もしくは緩衝物質を含んで成る 水溶液中で処方される、請求の範囲3の生成物。 5.神経保護物質の溶液(a)が、 (i)0.005ないし5%のルベルゾールもしくは製薬学的に許容できるその付加 塩、 (ii)1ないし10%の等張化剤、 (iii)pHを2.5から3.6までの範囲に調節するための酸性および/もしくは塩 基性物質、ならびに (iv)100%までの適量の水、 を含んで成る、請求の範囲4の生成物。 6.神経保護物質の溶液(a)が、 (i)0.01ないし1%のルベルゾールもしくは製薬学的に許容できるその付加塩 、 (ii)2ないし10%のグルコース、 (iii)pHを3.0から3.4までの範囲に調節するための塩酸および水酸化ナトリ ウム、ならびに (iv)100%までの適量の水、 を含んで成る、請求の範囲5の生成物。 7.神経保護物質の溶液(a)が、 (i)0.05%(w/v)のルベルゾールもしくは製薬学的に許容できるその酸付 加塩、 (ii)5%(w/v)のグルコース、 (iii)pHを約3.2に調節するための塩酸および水酸化ナトリウム、ならびに (iv)100%までの適量の水、 を含んで成る、請求の範囲6の生成物。 8.神経保護物質の溶液(a)が、10から30mlまでの量で存在し、そして約5な いし15mgのルベルゾールを含んで成る、請求の範囲7の生成物。 9.神経保護物質の溶液(a)が、約15mlの量で存在し、そして約7.5mgのルベ ルゾールを含んで成る、請求の範囲8の生成物。 10.神経保護物質の溶液(a)が、約20mlの量で存在し、そして約10mgのルベ ルゾールを含んで成る、請求の範囲8の生成物。 11.パーフルオロケミカルが、酸素および二酸化炭素を溶解することが可能で ある、本質的に炭素およびフッ素から成る生物学的におよび生化学的に不活性な 化合物である、請求の範囲1ないし10のいずれかひとつの生成物。 12.パーフルオロケミカルが、パーフルオロn-オクチル1-臭化物(n-C817 Br)(パーフルブロン(perflubron))もしくはパーフルオロデカリンおよび パーフルオロトリイソプロピルアミンの(14:6)の混合物である、請求の範囲 11の生成物。 13.パーフルオロケミカルが最低1種の製薬学的に許容できる界面活性剤中で 処方される、請求の範囲12の生成物。 14.パーフルオロケミカル組成物(b)がパーフルブロン(オキシジェント(O xygent)[商標]すなわち (vi)卵黄レシチン中の (v)60%から100%(w/v)までのパーフルオロn-オクチル1-臭化物(n- C817Br) を含んで成る乳液である、請求の範囲13の生成物。 15.パーフルオロケミカル組成物(b)がフルオソル(Fluosol)[商標]すな わち (ix)卵黄ホスホリピドおよびポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロ ックコポリマー(プルロニック(Pluronic)[商標]F68)の混合物中の (vii)14%(w/v)のパーフルオロデカリンおよび (viii)6%(w/v)のパーフルオロトリイソプロピルアミン を含んで成る乳液である、請求の範囲13の生成物。 16.パーフルオロケミカルの乳液が5から100mlまでの範囲にある量で存在す る、請求の範囲15の生成物。 17.神経保護物質の溶液(a)およびパーフルオロケミカルの乳液(b)が混 合可能であり、そして、混合される場合、室温で1日まで安定な乳液を形成する 、請求の範囲1ないし16のいずれかひとつの生成物。 18.神経保護物質の溶液(a)およびパーフルオロケミカルの乳液(b)が、 双方の液体を混合する手段を包含する2室の容器に別個に含有される、請求の範 囲17の生成物。 19.2室の容器が、投与に先立ち2種の別個の溶液の混合を可能にするバイパ スもしくは類似の手段をもつ2室のシリンジであり、また、それが注入器装置と の使用にさらに適応される、請求の範囲18の生成物。 20.使い捨ての独立の駆動装置ユニットをもつ、請求の範囲1ないし19のい ずれかひとつの生成物を含んで成る、卒中の治療のための注入 装置もしくはパック。 21.独立の駆動装置ユニットがガスで稼働されるもしくは真空で稼働される、 請求の範囲20の注入装置もしくはパック。 22.脳低酸素症を伴う疾患の治療のための薬物の調製のための請求の範囲1な いし19のいすれかひとつで請求されるような生成物の使用。 23.脳低酸素症を伴う疾患が卒中および頭部外傷を含んで成る、請求の範囲2 2の使用。 24.卒中が、虚血性卒中、脳内出血およびクモ膜下出血を含んで成る、請求の 範囲23の使用。
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