JPH11513610A - 強化特性を備えるシートメタル層からなるハニカム素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、特に自動車輌の内燃機関の排気ガス用触媒反応器のための、ハニカム体（１）であって、一方端（７）から他方端へ流体を流すことができる通路（４）を有するハニカム体に関し、同ハニカム体は、構造を持たせたシートメタル層（３）または平滑なシートメタル層（２）と構造を持たせたシートメタル層（３）とを含み、前記シートメタル層（２、３）の少なくとも一部の厚さが４０μ未満、好ましくは約３０μであり、かつ前記シートメタル層（２、３）のうち少なくとも厚さ４０μ未満の部分がさまざまな部分に付加的な強化構造（５、６、８，９）を設けられる。付加的強化構造（９）は、好ましくはハニカム体（１）の一方または両端（７）の領域に特に端部（７）から１ｍｍから１０ｍｍの深さ（ｂ）、好ましくは約３ｍｍから５ｍｍで、折り曲げられた部分の形で配列される。金属シート（２、３）は、それらの接触場所の少なくとも一部分で、より特定的に好ましくは付加的強化構造（９）の領域において半田付けにより接続され得る。金属シート（２、３）の端部にも強化構造（８）を設けて、管状ケーシングとの結合を良好にすることができる。端部におけるこれら強化構造（９）を、重い負荷をかけられたハニカム体の機械的硬度を増す目的でより厚い金属シートについても使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 強化特性を備えるシートメタル層からなるハニカム素子 本発明は、一方端から他方端へ流体を通過させることができる通路を有するハ ニカム体に関し、特に、構造を持たせたまたは平滑なシートメタル層および構造 を持たせたシートメタル層と、特に波形をつけたシートメタル層とからなる、自 動車輌の内燃機関の排気ガス用触媒反応器のためのハニカム体に関する。 この特定の種類のシートメタル層からなるハニカム体は、たとえばＷＯ−８９ ０７４８８号から公知である。同構成においては、平滑な金属シートと波形をつ けた金属シートとを交互にスタックに積み重ねて配置しかつこれをツイストして いる。シートメタル層の何層かは他の層より厚くされている。厚くされたシート メタル層が、特に管状のケーシング内へ装着された際などに同スタックの安定性 を増す働きをする。しかしながら、このようにスタック内にさまざまな厚さの個 々のシートメタル層を設けることにより、製造にかかる支出のレベルが上昇する 。 ハニカム体のある種の用途においては、安定性を増大させる目的で個々のより 厚いシートメタル層を設ける必要がない場合がある。また、基本的には、ハニカ ム体の重量およびコストを低減するために、シートメタル層はできるだけ薄くす る方が有利である。しかしながらこの目的は、ハニカム体の安定性のレベルを高 めかつ腐食に長期間耐え得るようにするという目的とは矛盾する。ハニカム体の 大部分の領域にかかる負荷は、ごく薄い薄片でさえも耐え得ることができる程度 のものではあるが、４０μ未満、特にたとえば約３０μの厚さの薄片を用いる場 合には２つの問題が存在する。１つには、扱う薄片が薄い場合、薄片の製造およ びこれに関して薄片を相互におよび／または管状ケーシングに対して機械的に接 合することが難しい点である。特に、このような薄片を半田付けまたは溶接する 場合、ごく簡単に穴があいてしまう。一方、作業においては、このようなハニカ ム体の端部は振動による特定の機械的負荷ならびに特定の腐食および侵食という 現象を受ける。 また、たとえば原動機付き自転車の排気ガス清浄化装備に使用する等、金属の ハニカム体を使用する状況という問題があり、この場合８０μから１２０μの範 囲の厚さの比較的厚い薄片を用いるが、これは高い機械的および／または腐食負 荷が存在するためである。実際、調査により、そのような状況においては、負荷 は端部領域のみにしばしば発生することも知られている。 したがって、本発明の課題は、さまざま使用の状況について十分な安定性を有 し、できる限り低い重量であって、耐腐食性に優れ、かつ機械的に丈夫なハニカ ム体を提供することである。 本発明によれば、この課題は、請求項１および請求項９それぞれの特徴を有す るハニカム体によって解決される。ハニカム体の有利な展開および構成について は添付の請求項に記載する。 本発明によるハニカム体は、構造を持たせたシートメタル層または実質的に平 滑なシートメタル層と構造を持たせたシートメタル層とを交互に組み合せたもの から構成される。構造を持たせたシートメタル層は好ましくは波形をつけられる 。実質的に平滑なシートメタル層と構造を持たせたシートメタル層を交互に配列 したものまたは異なる構造を持たせたシートメタル層を交互に配列したものは、 一方端から他方端へ流体を流すことができる通路を構成する。このハニカム体は 、自動車輌の内燃機関の排気ガス用触媒反応器に特に適している。その目的のた めに、同ハニカム体の通路の壁部は、触媒コーティングを保持し、このコーティ ングに沿って内燃機関の排気ガスが流れる。本発明によれば、シートメタル層の 少なくとも一部はその厚さが４０μ未満であり、特定的には約３０μである。 通常、ハニカム体の全シートメタル層は、典型的には約４０μから６０μの範 囲の所与の等しい厚さである。本発明によれば、ハニカム体の重量を減らすため 、シートメタル層の少なくとも一部の厚さを４０μを下回るレベルまで低減しか つ好ましくは全シートメタル層の厚さについても同様に低減する。その上で、十 分なレベルの機械的安定性を確保するため、少なくともこれら厚さが４０μを下 回る金属シートについては付加的な強化構造物を設ける。 この強化構造は、発生する機械的負荷のレベルが最も高い端部の領域および関 連する材料の溶融を含む工程により製造されるシートメタル層間の相互接続部分 が設けられる箇所において重要である。たとえば、半田付け作業を行なう際には 、基材を半田で合金にして、非常に薄い基材を用いた場合でも性質に実質的な変 化 が生じ得るようにする。材料が半田付けを行なう領域で強化されれば、上記のよ うな問題は生じない。 材料の強化は端部においてシートメタル層のエッジを折り返すかまたは癖をつ けることによって特に簡単に行なうことができる。この工程により、折り返した 領域においては、ハニカム体の重量を実質的に増加させることなく、またハニカ ム体の他の性質に悪影響を及ぼすことなくシートメタル層の厚さが２倍になる。 こうして折り返したエッジをたとえば半田付けなどの方法を用いて隣接するシー トメタル層に結合させれば、ある種の状況によっては、交互に生じる熱負荷に関 し、該ハニカム体にある程度の付加的な弾性を与えることができる。 さらには、これら金属シートの端部において折り返す構成が有利なのは、これ らシートが関連の材料の溶融を含む工程により管状ケーシングに接続されるため である。この場合、強化することは耐久性のある接続部分を作る上でも重要であ る。 また、たとえば、ＥＰ０４５４７１２Ｂ１に記載のように、構造を持たせたシ ート金属層の主要な構造に対し横切る方向にさらに構造を持たせる場合には有利 である。この付加的な構造は主要な構造に対し実質的に振幅が小さくかつ当初ハ ニカム体を流れる流体に影響を及ぼして、流体のハニカム体壁部に対する接触を 改善する働きをする。本発明に従い使用される薄い金属シートは、４０μを上回 る厚さの金属シートよりもさらにより簡単に横方向に構造を持たせかつ波形をつ けることができる。驚くべきことには、このような微細な構造を持たせることに よって薄い金属シートの機械的特性が強化されるので、該金属シートの製造中の 望ましくない変形を防止することができる。これは、特に、ハニカム体を通る流 れの方向に対し傾きをつけた２つの相互に交差する方向に延びる微細な構造に関 して当てはまる。 クレーム９に記載の発明によっても、端部領域における高い機械的および／ま たは腐食負荷を伴う使用の状況にまつわる問題が解決される。一般に、エッジ領 域における当初の厚さに関係なく、同端縁を折り曲げることによりいずれの薄片 も強化することが可能なので、本発明によれば、極限的な使用状況下においても これまでより薄い薄片を用いることができる。ただし、そのエッジ領域には強化 手段を設ける。 本発明の他の利点、構成および可能な用途については、図面とともに以下の具 体的実施例の説明を参照することにより明らかになる。 図１は、仕上げ直前のハニカム体の図であり、 図２は、波構造を持たせたシートメタル層の一部の断面斜視図であり、 図３は、ハニカム体の一部であって、交差した微細な構造を示す図である。 図１は、仕上げ直前のハニカム体の図である。本実施例では、シートメタル層 から螺旋構成に巻かれたハニカム体を示すが、以下の発明は他のタイプのハニカ ム体にも当てはまり、特にＳ字型にツイストされたもしくは巻かれたシートメタ ル層または他の態様に積層され巻かれたハニカム体に当てはまる。ハニカム体１ は、交互に配列された平滑なシートメタル層２および波構造を持たせたシートメ タル層３から構成される。仕上げられたハニカム体においては、波構造を持たせ たシートメタル層３の波形構造によって、一方端７から他方端へ流れの方向Ｓに 排気ガスを流すことができる通路４ができる。 波構造を持たせたシートメタル層３および／または平滑なシートメタル層２は 、４０μ未満、特定的には、約３０μの厚さの薄片から形成可能である。これら 薄片を硬化させるため、たとえば可能な高さまたは深さが１０μから５０μであ る微細構造５を設けることが有利である。これら微細構造は通路４の寸法よりも このように実質的に小さいが、その大きさは、これら薄いシートメタル層２およ び３をかなり機械的に強化するオーダである。 代替的にはおよび／または微細構造５に加えて、シートメタル層２および３の 端縁を幅ｂで折り返すことができる。折り返された領域９は、厚さが２倍になる ので、エッジ領域は、その性能および作用において従来のシートメタル層におよ そ相当するものになる。概して言えば、金属シートの扱いやすさおよびこれらシ ートを、関連する金属の溶融を含む工程により共に接続する可能性に関しては、 従来技術のハニカム体の状態に相当するものを提供し得る。したがって、折り曲 げられた金属シートは、他の点においても公知の製造方法を用いて処理すること ができる。材料溶融工程により管状のケーシング（図示せず）に結合させるこれ らシートメタル層２および３の端部領域８を折り曲げることによっても同じ効果 が得られる。この場合も、折り曲げることによって従来のハニカム体のものに相 当する状態が提供されるので、たとえば半田付けや溶接といった通常の材料を溶 融させる接続を用いても薄いシートメタル層を管状のケーシングに結合させるこ とができる。 図２は、本発明に従いエッジにおいて折り曲げられる波構造を持たせた金属シ ート３の基本的構成を示す図である。なお、同図は、縮尺どおりには描かれてい ない。折り曲げられたエッジ領域９は、幅ｂにわたって強化作用を提供し、端部 ７は、機械的、かつ材料を溶融させる接続という意味でもいずれの強化手段を用 いることもなく従来技術のハニカム体のものより丈夫になる。したがって、たと えば厚さ３０μの薄片であれば６０μの厚さの薄片と同じ機械的な質を得ること ができる。厚さ５０μの薄片では、約１００μの厚さのものを用いてこれまで可 能だった安定性を達成することができる。また、同時にハニカム体全体の重量は 比較的低いままなので、特にコールドスタートでの特性が改善される。 図３は、微細構造５の構成を示す図であって、これら構造５は交差点６で相互 に交差する。この図に示されるハニカム体の部分は、参照番号６で相互に交差す る微細構造５を有する波構造を持たせた金属シート６である。この交差した微細 構造は、金属シートに対し強化された機械的硬度を与え、しかも製造の過程でそ の柔軟性を過度に制限することがないので、波構造を持たせた金属シートに関連 してのみならず当然平滑なシートメタル層２に関してもかなりの利点を提供する 。 なお、本発明は、機械的に安定させる目的で、どのような構造的形状を用いか つどのような結合工程を採用するかにかかわらず、シートメタル層から構成され るすべての公知のハニカム体に関しての使用に適している。本発明は、Ｓ字型に ツイストされたシートメタル層のスタックから作られるハニカム体に特に有利で ある。本発明はまた、交互に、異なる態様に波構造を持たせたシートメタル層か ら構成されるハニカム体に特に適している。 少なくともシートメタル層のいくつかについて、厚さが低減されかつ付加的な 強化構造を備える本発明のハニカム体は、極度の腐食ストレスが発生しない用途 に特に適している。通常のシートの厚さでかつ強化構造を備えるハニカム体は、 負荷のレベルが高いので、これまでより厚い金属シートを使用していた用途にお いての使用に適している。 ハニカム体、特に自動車輌の機関に近接する領域に嵌め込まれるハニカム体の 場合には、質量の軸方向の分布がコールドスタート段階およびその後の再スター トにおける性能に関し重要な考慮点である。そのため、折り曲げられた構成を特 定的に用いて、それぞれの部分の質量を増加させたりさせなかったりすることが できる。 この折り曲げられた構成はまた、電気的に加熱可能な触媒コンバータにおいて 特に電気抵抗、その軸方向の分布および電気的加熱が行われる際に発生する熱の 分布に影響を与えることができる。この点では、折り曲げられたシートメタル層 を製造工程および基本的な構造に実質的に変更を加えることなく、加熱可能な触 媒コンバータの多くの公知の構造的タイプにおいて通常のシートメタル層の代わ りに、折り曲げられたシートメタル層を用いることができる。空隙により電気的 に更に細分化されるハニカム体の場合には、全シートメタル層において好ましく 用いられる折り曲げられた金属シートは、安定化の効果に寄与しかつその端部に おける機械的負荷に対する感受性が低くなる。同時に、そこで（他の領域に対し て２倍である）作り出されるオーム熱のため、折り曲げられた領域は特に熱い（ 軸方向）のゾーンを構成し、かつ触媒コンバータの部分上での急速な応答という 意味でかなり有利である。 参照番号の一覧表 １ ハニカム体 ２ 平滑な金属シート ３ 構造を持たせた（波形をつけた）金属シート ４ 通路 ５ 微細構造 ６ 微細構造の交差点 ７ 端部 ８ 折り曲げられた端部領域 ９ 折り曲げられた端部領域 Ｓ 通流方向 ｂ 折り曲げられたエッジの幅

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｅ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ， ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ 【要約の続き】 の結合を良好にすることができる。端部におけるこれら 強化構造（９）を、重い負荷をかけられたハニカム体の 機械的硬度を増す目的でより厚い金属シートについても 使用することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．特に、自動車輌の内燃機関の排気ガス用触媒反応器のためのハニカム体（１ ）であって、一方端（７）から他方端へ流体を流すことができる通路（４）を有 し、構造を持たせたシート金属層（３）または平滑なシート金属層（２）および 構造を持たせたシート金属層（３）を含み、前記シート金属層（２，３）の一部 が、４０μ未満、好ましくは約３０μの厚さであり、少なくとも４０μ未満の厚 さの前記シートメタル層（２，３）の部分が、部分に付加的な強化構造（５、６ 、８、９）を設けられる、ハニカム体。 ２．前記付加的強化構造（９）が、ハニカム体（１）の一方または両方の端部（ ７）の領域に、好ましくは端部（７）から１ｍｍから１０ｍｍの深さ（ｂ）、好 ましくは約３ｍｍから５ｍｍの深さに配列される、請求項１に記載のハニカム体 。 ３．前記付加的強化構造が、シートメタル層（２、３）のエッジの折り曲げられ た部分（９）である、請求項１または請求項２に記載のハニカム体。 ４．前記シートメタル層（２，３）が、その接触場所の少なくとも一部、より特 定的に好ましくは前記付加的強化構造（９）の領域において半田付けされること により接合される、請求項１から請求項３のいずれかに記載のハニカム体。 ５．前記シートメタル層（２、３）の少なくとも一部が、その端部でハニカム体 （１）を取り囲む管状ケーシングに、好ましくは溶接または半田付けにより結合 され、金属シート（２、３）の前記端部に強化構造（８）が設けられる、先行の 請求項のいずれかに記載のハニカム体。 ６．管状ケーシングに接続される金属シート（２、３）の端部が１ｍｍから１０ ｍｍ、好ましくは約３ｍｍから５ｍｍの領域において折り曲げられる（８）、請 求項５に記載のハニカム体。 ７．前記金属シート（２、３）の少なくとも一部分が、少なくともその部分にお いて、強化構造として、特に相互に交差する（６）微細構造の形で、好ましくは 高さまたは深さ１０μから５０μの微細構造（５、６）を有する、先行の請求項 のいずれかに記載のハニカム体。 ８．前記ハニカム体が、第１の厚さの平滑なシートメタル層（２）と、第２の厚 さの構造を持たせたシート金属層（３）とを含み、構造を持たせた全シート金属 層（３）が、前記平滑なシート金属層（２）より少なくとも５μ、好ましくは１ ０μ薄くなっている、先行の請求項のいずれかに記載のハニカム体。 ９．好ましくは自動車輌の内燃機関の排気ガス用触媒反応器、特に電気的に加熱 可能な触媒反応器のためのハニカム体（１）であって、一方端（７）から他方端 へ流体を流すことができる通路（４）を有し、構造を持たせたシート金属層（３ ）または平滑なシート金属（２）および構造を持たせたシート金属層（３）を含 み、前記シート金属層（２、３）の少なくとも一部のエッジが、少なくとも一方 端（７）で、好ましくは１ｍｍから１０ｍｍ、特に３ｍｍから 5ｍｍの幅（ｂ） で折り曲げられている、ハニカム体。