JPH1151147A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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Publication number
JPH1151147A
JPH1151147A JP20428697A JP20428697A JPH1151147A JP H1151147 A JPH1151147 A JP H1151147A JP 20428697 A JP20428697 A JP 20428697A JP 20428697 A JP20428697 A JP 20428697A JP H1151147 A JPH1151147 A JP H1151147A
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JP
Japan
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continuously variable
variable transmission
reverse
control
clutch
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Application number
JP20428697A
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English (en)
Inventor
Tetsuaki Yamaguchi
徹朗 山口
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機において、後進レンジでの(特
に、後進レンジで停止している時での)ギヤ噛み合い音
を原因とする騒音を低下させる。 【解決手段】 入力軸1と無段変速機構10との間に前
後進切換機構20を設け、無段変速機構10の後にメイ
ンクラッチ5を設けて無段変速機が構成され、前後進切
換機構20は、入力軸に連結されたサンギヤ21と、無
段変速機構に連結されたキャリア22と、後進ブレーキ
27により固定保持可能なリングギヤ23とから構成さ
れ、サンギヤ21とキャリア22と係脱可能な前進クラ
ッチ25を有する。前進レンジでは、前進クラッチ25
を係合させて後進ブレーキ27を解放した状態で、メイ
ンクラッチ5の係合制御により発進制御等を行い、後進
レンジにでは、前進クラッチ25を解放するとともにメ
インクラッチ5を係合させた状態で、後進ブレーキ27
の係合制御により発進制御等を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無段変速機の発進、
停止制御を行う制御装置に関し、特に、入力側から順に
前後進切換機構、無段変速機構、メインクラッチ機構が
配設されてなる無段変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無段変速機の一例としてベルト式無段変
速機があるが、この変速機はベルト式無段変速機構に加
えて、前後進切換機構と発進停止制御用のメインクラッ
チ機構とを備えて構成されるのが一般的である。ここ
で、前後進切換機構として、プラネタリギヤ列を用いた
ものがあり、クラッチ、ブレーキを作動させることによ
り入力回転を正転もしくは逆転させて出力側に伝え、前
進、後進の切換を行う。ベルト式無段変速機構は、ドラ
イブおよびドリブン側にプーリ幅可変プーリを配設する
とともに両プーリ間にVベルトを掛け渡して構成され、
油圧力等によりプーリ幅を可変制御して、ベルト巻き付
け半径を連続的に変化させ、減速比(もしくは変速比)
を連続的に可変制御する。メインクラッチ機構は、例え
ば、湿式多板クラッチから構成され、油圧力等でクラッ
チ係合力制御を行い、発進制御、停止制御等を行う。
【0003】このような無段変速機において、前後進切
換機構、無段変速機構、メインクラッチ機構を、入力側
からこの順に配設してなるものが知られている。このよ
うな配設構成の場合には、変速機構に対して出力側(車
輪側)にメイクラッチ機構(発進機構)があるため、車
が停止した状態でも変速機構を構成するプーリが回転し
た状態となる。このため、車が停止した状態でも変速比
を変化させる制御が可能であり、車が急減速して変速比
がTOP側の状態で停止しても、変速比を常にLOWに
戻すことができるので、安定した発進性能を発揮できる
という利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の無段変速機の場合には、停止した状態でも前
後進切換機構および無段変速機構はエンジンにより駆動
されて回転した状態となるので、回転による騒音が問題
となりやすい。特に、前後進切換機構としてプラネタリ
ギヤ列を用いる場合、サンギヤをエンジン出力軸に連結
するとともにキャリアを無段変速機構の入力軸に連結
し、サンギヤとキャリアを係脱可能な前進クラッチと、
リングギヤを固定保持可能な後進ブレーキとを有する構
成が最も良く知られているが、この構成では、後進レン
ジで停止しているときにプラネタリギヤ列からのギヤの
噛み合い音が騒音源となり易い。
【0005】これは、前進レンジでは前進クラッチが係
合した状態となりプラネタリギヤ列全体が一体回転する
ため、プラネタリギヤ列を構成する各ギヤの相対回転は
なく、噛み合い音は発生しないのであるが、後進レンジ
では、後進ブレーキによりリングギヤが固定保持され、
サンギヤがエンジン出力軸と一体回転し、キャリアが逆
方向に回転されるため、キャリアに回転自在に保持され
たピニオンギヤの噛み合い音が発生するためである。な
お、前後進切換機構を構成するプラネタリギヤ列は、前
進と後進でのギヤ比を同じにするため、ダブルピニオン
タイプのプラネタリギヤ列を用いるのが一般的であり、
この場合特に、キャリア回転に伴いギヤの噛み合い周波
数が高くなり且つ騒音レベルが高くなるという問題があ
る。
【0006】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
プラネタリギヤ列からなる前後進切換機構を用いた無段
変速機において、後進レンジでの(特に、後進レンジで
停止している時での)ギヤ噛み合い音を原因とする騒音
を低下させることができるような構成の無段変速機の制
御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、入力部材と無段変速機構との間
に前後進切換機構を設け、無段変速機構と出力部材との
間にメインクラッチ機構を設けて無段変速機を構成し、
前後進切換機構を、入力部材に連結されたサンギヤと、
無段変速機構に連結されたキャリアと、後進ブレーキに
より固定保持可能なリングギヤとからなる一組のプラネ
タリギヤ列から構成し、さらにサンギヤとキャリアと係
脱可能な前進クラッチを設けてなる。そして、前進レン
ジにおいては、前進クラッチを係合させるとともに後進
ブレーキを解放した状態で、メインクラッチ機構の係合
制御により発進、停止制御を行い、後進レンジにおいて
は、前進クラッチを解放するとともにメインクラッチ機
構を係合させた状態で、後進ブレーキの係合制御により
発進、停止制御を行う。
【0008】このような構成の制御装置の場合には、前
進レンジでは前進クラッチを係合して後進ブレーキを解
放して前後進切換機構から無段変速機構に前進側の回転
を伝達し、無段変速機構から出力軸への動力伝達をメイ
ンクラッチにより制御して発進制御等を行う。すなわ
ち、メインクラッチが発進クラッチとしての役割を果た
し、この構成は従来と同様である。しかし、後進レンジ
では、前進クラッチを解放してメインクラッチを係合
し、後進ブレーキの係合制御により発進制御等を行うよ
うになっており、従来と係合制御方法が異なる。このよ
うにすると、後進レンジで停止したときには、変速機出
力軸の回転も停止しており、この変速機出力軸は係合状
態のメインクラッチを介して無段変速機構およびキャリ
アに繋がるため、無段変速機構およびキャリアも停止し
た状態となる。このため、後進レンジでの停止時のギヤ
噛み合い騒音が低下する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照して説明する。図1および図2に本
発明に係る制御装置を有した無段変速機の構成を示して
いる。この無段変速機は金属Vベルトを用いたベルト式
無段変速機であり、このベルト式無段変速機CVTは、
入力軸1とカウンター軸2との間に配設された金属Vベ
ルト機構10と、入力軸1とドライブ側可動プーリ11
との間に配設された遊星歯車式前後進切換機構20と、
カウンター軸2と出力側部材(ディフアレンシャル機構
8等)との間に配設されたメインクラッチ5とから構成
される。なお、本無段変速機CVTは車両用として用い
られ、入力軸1はカップリング機構CPを介してエンジ
ンENGの出力軸に繋がり、ディファレンシャル機構8
に伝達された動力は左右の車輪に伝達される。
【0010】金属Vベルト機構10は、入力軸1上に配
設されたドライブ側可動プーリ11と、カウンター軸2
上に配設されたドリブン側可動プーリ16と、両プーリ
11,16間に巻掛けられた金属Vベルト15とからな
る。
【0011】ドライブ側可動プーリ11は、入力軸1上
に回転自在に配設された固定プーリ半体12と、この固
定プーリ半体12に対して軸方向に相対移動可能な可動
プーリ半体13とからなる。可動プーリ半体13の側方
には、固定プーリ半体12に結合されたシリンダ壁12
aにより囲まれてドライブ側シリンダ室14が形成され
ており、ドライブ側シリンダ室14内に供給される油圧
により、可動プーリ半体13を軸方向に移動させる側圧
が発生される。
【0012】ドリブン側可動プーリ16は、カウンター
軸2に固設された固定プーリ半体17と、この固定プー
リ半体17に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ
半体18とからなる。可動プーリ半体18の側方には、
固定プーリ半体17に結合されたシリンダ壁17aによ
り囲まれてドリブン側シリンダ室19が形成されてお
り、ドリブン側シリンダ室19内に供給される油圧によ
り、可動プーリ半体18を軸方向に移動させる側圧が発
生される。
【0013】このため、上記両シリンダ室14,19へ
の供給油圧を適宜制御することにより、ベルト15の滑
りを発生することのない適切なプーリ側圧を設定すると
ともに両プーリ11,16のプーリ幅を変化させること
ができ、これにより、Vベルト15の巻掛け半径を変化
させて変速比を無段階に変化させることができる。
【0014】遊星歯車式前後進切換機構20はダブルピ
ニオンタイプのプラネタリギヤ列を有し、そのサンギヤ
21は入力軸1に結合され、キャリア22は固定プーリ
半体12に結合され、リングギヤ23は後進ブレーキ2
7により固定保持可能である。また、サンギヤ21とリ
ングギヤ23とを連結可能な前進クラッチ25を有し、
この前進クラッチ25が係合されると全ギヤ21,2
2,23が入力軸1と一体に回転し、ドライブ側プーリ
11は入力軸1と同方向(前進方向)に駆動される。一
方、後進ブレーキ27が係合されると、リングギヤ23
が固定保持されるため、キャリア22はサンギヤ21と
は逆の方向に駆動され、ドライブ側プーリ11は入力軸
1とは逆方向(後進方向)に駆動される。
【0015】メインクラッチ5は、カウンター軸2と出
力側部材との間の動力伝達を制御するクラッチであり、
係合時には両者間での動力伝達が可能となるとともに、
係合力を制御することにより入力側と出力側との間のト
ルクの伝達容量(トルク容量)も制御できる。このた
め、メインクラッチ5が係合のときには、金属Vベルト
機構10により変速されたエンジン出力がギヤ6a,6
b,7a,7bを介してディファレンシャル機構8に伝
達され、このディファレンシャル機構8により左右の車
輪(図示せず)に分割されて伝達される。また、メイン
クラッチ5が解放(トルク容量が零)のときには、この
動力伝達が行えず、変速機は中立状態となる。
【0016】本発明に係る制御装置は、前後進切換機構
20の前進クラッチ25および後進ブレーキ27と、メ
インクラッチ5の係合制御を行うものであり、その制御
のための油圧装置構成を図3および図4を参照して説明
する。なお、この回路図において丸囲み数字同士が繋
がり、×印はその部分がドレンに繋がっていることを意
味する。
【0017】油圧ポンプ30の吐出油は、油路32を介
して高圧レギュレータバルブ41に供給されるととも
に、油路36を介してレデューシングバルブ58に供給
される。レジューシングバルブ58においてはほぼ一定
の油圧を有したライン圧PMODを作り出し、このライン
圧を有した作動油を、油路37a,37b,37c,3
1aに供給する。
【0018】油路37aは高低圧コントロールバルブ4
5に繋がる。この高低圧コントロールバルブ45はリニ
アソレノイド45aを有し、リニアソレノイド45aへ
の通電電流が制御され、このリニアソレノイド45aか
らスプール45bに作用する押圧力が制御されることに
より、油路37aから供給されるライン圧PMOD を調圧
してこの押圧力に対応した制御背圧PHLC を油路35
a,35bに供給する。この制御背圧PHLC は油路35
aを介して低圧レギュレータバルブ43の右端油室43
bに供給され、スプール43aを左方に押圧するように
作用する。また、上記制御背圧PHLC は、油路35bを
介して高圧コントロールバルブ47の右端油室47bお
よび第1中間油室47cに供給され、それぞれスプール
47aを左方および右方に押圧するように作用する。
【0019】高圧レギュレータバルブ41は、ポンプ3
0から油路32を介して供給される作動油圧を調圧し、
高側圧コントロール圧PHを油路33a,33bに供給
する。この高側圧コントロール圧PHは、油路33aを
介してシフトバルブ53に供給されるとともに、油路3
3bを介して低圧レギュレータバルブ43に供給され
る。さらに、高側圧コントロール圧PHは高圧コントロ
ールバルブ47の左端油室47dに繋がる油路33cに
も供給される。
【0020】高圧コントロールバルブ47の第2中間油
室47eには、ライン圧PMOD が供給される油路37c
が接続されている。この油路37cはオリフィス56を
有するとともにオリフィス56の下流側においてソレノ
イドバルブ55に繋がっており、ソレノイドバルブ55
のオン・オフ作動により、第2中間油室47eへのライ
ン圧PMOD の供給制御がなされる。高圧コントロールバ
ルブ47は、右端油室47bおよび第1中間油室47c
に供給される制御背圧PHLC および第2中間油室47e
に供給されるライン圧PMOD によってスプール47aの
位置制御がなされ、油路33cから供給された高側圧コ
ントロール圧PHを調圧して作られた油圧を、油路33
dを介して高圧レギュレータバルブ41の右端油室41
bに背圧として供給する。
【0021】低圧レギュレータバルブ43は、制御背圧
PHLC を受けて、油路33bから供給される高側圧コン
トロール圧PHを調圧し、低側圧コントロール圧PLを
油路34に供給する。この低側圧コントロール圧PL
は、油路34から分岐した油路34a,34bを介して
シフトバルブ53に供給される。
【0022】シフトコントロールバルブ51は、リニア
ソレノイド51aを有し、リニアソレノイド51aへの
通電電流が制御され、このリニアソレノイド51aから
スプール51bに作用する押圧力が制御されることによ
り、油路37bから供給されるライン圧PMOD を調圧し
てこの押圧力に対応したシフトコントロール圧PSVを油
路38に供給する。このシフトコントロール圧PSVはシ
フトバルブ53の左端油室53cに供給され、スプール
53aを右方に押圧するように作用する。
【0023】シフトバルブ53は、スプール53aの位
置に応じて高および低側圧コントロール圧PH,PL
を、油路39a,39bを介してドライブ側およびドリ
ブン側シリンダ室14,19に適宜振り分け供給する制
御を行う。ここでスプール53aは、スプリング53b
により左方に押され、左端油室53cに供給されたシフ
トコントロール圧PSVを受けて右方に押される。このた
め、シフトコントロール圧PSVを制御することによりス
プール53aの位置制御を行うことができ、その結果、
ドライブ側およびドリブン側シリンダ室14,19の油
圧を制御してベルト機構10における減速比を無段階に
制御することができる。
【0024】一方、レデューシングバルブ58から油路
31aに供給されたライン圧PMODは、油路31b,3
1c,31dに分岐し、それぞれメインクラッチ制御バ
ルブ75、マニュアルバルブ61およびピトーバルブ7
0に供給される。なお、ピトーバルブ70はエンジン回
転に比例するピトー圧Pptを発生するバルブであり、ラ
イン圧PMOD からピトー圧Pptを作り出して油路71に
供給する。
【0025】メインクラッチ制御バルブ75はリニアソ
レノイド75aを有し、リニアソレノイド75aへの通
電電流が制御され、スプール76に作用する押圧力を通
電電流に応じて制御する。ここで、通電電流が零のとき
には、スプール76はスプリング77の付勢力を受けて
右動され、油路31bがスプール76により閉止される
とともに油路71が油路72と連通する。このため、ピ
トーバルブ70からのピトー圧Pptが油路72に供給さ
れ、シャトルバルブ74を介してメインクラッチ5に供
給され、ピトー圧Pptによりメインクラッチ5の係合制
御が行われる。この係合制御は、車両が定常走行してい
る場合等に行われる。
【0026】一方、車両の発進時等のようにメインクラ
ッチ5の正確な制御が必要なときには、リニアソレノイ
ド75aへ所定値以上の電流が通電される。このときに
は、ソレノイドの押力がスプール76に作用してこれが
左動され、油路71がスプール76により閉止されてピ
トー圧Pptの供給が停止される。同時に、油路31bか
ら油路73へのライン圧PMOD の供給が、スプール76
の位置に応じて制御される。このとき、リニアソレノイ
ド75aの通電電流に応じてスプール76に作用する押
力が変化するため、油路31aから供給されるライン圧
PMOD を調圧してこの押圧力に対応したメインクラッチ
制御圧PSCを油路73に供給する。このメインクラッチ
制御圧PSCは、シャトルバルブ74を介してメインクラ
ッチ5に供給され、その係合制御が行われる。
【0027】このように、リニアソレノイド75aへの
通電電流を断つ(零にする)ことにより、ピトー圧Ppt
によるメインクラッチ5の係合制御を行わせることがで
きるとともに、リニアソレノイド75への通電電流を適
宜制御することによりこの通電電流に応じたメインクラ
ッチ制御圧PSCを用いてメインクラッチ5の係合制御を
行わせることもできる。
【0028】マニュアルバルブ61は、運転席(図示せ
ず)のシフトレバーとコントロールケーブルを介して繋
がっており、運転者の手動操作によって作動される。手
動操作位置としては、P,R,N,D,S,Lの6位置
があり、この操作位置に応じてマニュアルバルブ61の
スプール61aは図示の対応位置に移動される。なお、
図においてはスプール61aがN(ニュートラル)位置
にある状態を示している。このマニュアルバルブ61の
第1油室61bは、油路64を介してそのまま前進クラ
ッチ25に繋がり、第2油室61cは、油路63を介し
て後進ブレーキ制御バルブ65に繋がっている。なお、
後進ブレーキ制御バルブ65には、後進ブレーキ27に
繋がる油路67が接続されている。
【0029】このマニュアルバルブ61は、スプール6
1aがP,N位置にあるときは、油路63および油路6
4をともにドレンに繋げる。このため、前進クラッチ2
5および後進ブレーキ27はいずれも係合作動しない。
また、スプール61aがD,S,L位置にあるときは、
油路63をドレンに繋げるとともに油路31cから供給
されるライン圧PMOD を油路64に供給する。このた
め、後進ブレーキ27は解放され、前進クラッチ25が
係合作動する。さらに、スプール61aがR位置にある
ときは、油路64をドレンに繋げるとともに油路31c
から供給されるライン圧PMOD を油路63に供給する。
このため、前進クラッチ25は解放され、後進ブレーキ
27は次に説明する後進ブレーキ制御バルブ65の作動
により係合・解放制御される。
【0030】後進ブレーキ制御バルブ65は、リニアソ
レノイド65aを有し、リニアソレノイド65aの押力
がスプール66に作用する。このため、油路63を介し
て供給されるライン圧PMOD はリニアソレノイド65a
の通電電流に応じて調圧されて後進ブレーキ制御圧Prv
が作り出され、この後進ブレーキ制御圧Prvが油路67
を介して後進ブレーキ27に供給される。このことから
分かるように、後進ブレーキ制御バルブ65により、す
なわちリニアソレノイド65aへの通電電流を制御する
ことにより、後進ブレーキ27の係合制御を行うことが
できる。
【0031】このように構成された制御装置において、
メインクラッチ5を係合作動させ、且つ前進クラッチ2
5又は後進ブレーキ27を係合作動させれば、車両は走
行することができ、さらに制御油圧PSVを制御してシフ
トバルブ53のスプール53aの位置制御を行えば、各
シリンダ14,19内の油圧を制御して変速制御を行う
ことができる。
【0032】ここで、この制御装置は、特に発進時にお
いて、メインクラッチ5、前進クラッチ25および後進
ブレーキ27の係合制御に特徴があり、これについて説
明する。まず、前進側レンジ(D,S,Lレンジ)での
係合制御を図5を参照して説明する。図5には、前後進
切換機構20を構成するプラネタリギヤ列の三要素(サ
ンギヤ21,キャリア22およびリングギヤ23)の速
度線図を示しており、各要素に対応する縦線が回転数を
示し、各縦線の位置関係はギヤ比に基づいて設定され
る。具体的には、サンギヤ21を表す縦線Sとキャリア
22を表す縦線Cとの間隔がサンギヤ21の歯数の逆数
に比例するとともにリングギヤ23を表す縦線Rとキャ
リア22を表す縦線Cとの間隔がリングギヤの歯数の逆
数に比例する関係となる位置に各縦線が位置しており、
これにより、各要素を横切る一本の直線により各要素の
回転数関係を示すことができる。この速度線図は従来か
ら良く知られており、詳細説明は省略する。
【0033】前進側レンジのときには、前進クラッチ2
5が完全係合されるとともに後進ブレーキ27が完全解
放される。前進クラッチ25の係合により、サンギヤ2
1とキャリア22とが一体に結合されるため、前後進切
換機構20を構成するプラネタリギヤ列全体が一体回転
する。このため速度線図では、全要素21,22,23
が直線L1で示すようにエンジン回転と同一回転で回転
し、この回転が金属Vベルト機構(無段変速機構)10
を介してメインクラッチ5に伝達される。このメインク
ラッチ5の係合が、前述のようにメインクラッチ制御バ
ルブ75により制御され、発進時等の制御が行われる。
【0034】このことから分かるように、前進側レンジ
では前後進切換機構20を構成するプラネタリギヤ列が
一体回転するため、このプラネタリギヤ列を構成する各
要素間でのギヤの相対回転は発生せず、前後進切換機構
20においてギヤ噛み合い音による騒音の問題は生じな
い。
【0035】次に、後進側レンジ(Rレンジ)のときに
は、前進クラッチ25が完全解放され且つメインクラッ
チ5も完全係合され、その上で後進ブレーキ制御バルブ
65による後進ブレーキ25の係合制御が行われる。こ
の係合制御について、図6および図7の速度線図を用い
て説明する。まず、車両が停止した状態で、後進側レン
ジが設定された場合を考える。このときには、メインク
ラッチ5が完全係合されているため、Vベルト機構10
は車体の停止状態と同一となり回転は零であり、これに
繋がるキャリア22も静止状態となる。一方、サンギヤ
21はエンジン出力軸と繋がってエンジン回転と同一の
回転数(Ne)で回転するため、図6において実線L2
で示すような回転数関係となり、リングギヤ23は回転
数N1(<Ne)で回転する。
【0036】この回転状態から分かるように、車両が停
止して後進側レンジが設定されているときには、キャリ
ア22の回転は零であり、リングギヤ23がエンジン回
転より低回転で回転する。このため、前後進切換機構2
0を構成するプラネタリギヤ列からのギヤ噛み合いに伴
う騒音発生は、従来に比較して非常に小さなものとな
る。なお、従来の場合について簡単に説明すると、従来
では、車両停止時にはメインクラッチ5が解放され、後
進ブレーキ27が係合されるため、図6において一点鎖
線L0で示すように、リングギヤ23は固定されるが、
キャリア22が回転され、キャリア22により保持され
たピニオンギヤの噛み合い騒音が問題となる。さらに、
このプラネタリギヤ列は前後進でのギヤ比を同じとする
ためにダブルピニオンタイプであり、キャリア回転が発
生すると、ギヤの噛み合い周波数が高くなり、且つ騒音
レベルが高くなる。これに対して、本例では、キャリア
22は固定保持されるため、このような騒音の問題を抑
えることができる。
【0037】上記のようにして車両が停止した状態で後
進側レンジが設定された状態から、車両を発進させると
きには、後進ブレーキ27を係合させる制御を行う。後
進ブレーキ27を係合させる制御を行うと、リングギヤ
23の回転が制限され、図6において破線で示すよう
に、リングギヤ23の回転が徐々に零に近づき、キャリ
ア22の回転が増大する。このキャリア22の回転はV
ベルト機構10およびメインクラッチ5を介して車輪に
伝達され、車両は後進方向に発進する。後進ブレーキ2
7が完全に係合すると、図7において実線L4で示す状
態となり、この状態は従来と同様となる。
【0038】このことから分かるように、本制御装置で
は、後進レンジにおいて、車両停止時および車両発進時
での前後進切換機構20からの騒音レベルを低減するこ
とができる。ここで、走行時には、エンジン音、タイヤ
からの走行音等があるため、前後進切換機構20からの
騒音が問題となることが少ないが、車両停止時、発進時
等には他の騒音レベルが小さいため、前後進切換機構2
0からの騒音が問題となりやすく、本装置のように騒音
レベルを低下させるのは乗員が体感する騒音レベルを低
下させるのに非常に有効である。
【0039】また、本制御装置では、前進側の発進制御
をメインクラッチ5により行い、後進側の発進制御を後
進ブレーキ27で行うため、メインクラッチ5の係合制
御が行われるのは前進側方向のみである。このため、メ
インクラッチ5の摩擦材のスリップ方向が常に一定方向
であり、安定した摩擦係数特性を得ることができる。逆
に言えば、従来では、前進側および後進側ともにメイン
クラッチによる発進制御が行われていたため、メインク
ラッチの摩擦材のスリップ方向は両方向に発生し、しか
も前進側の使用頻度が高いため、摩擦材の摩擦係数特性
が変化しやすいという問題があったが、本装置ではこの
ような問題が生じにくい。
【0040】さらに、プラネタリギヤ列を構成する各ギ
ヤはインボリュート歯車が用いられるが、このプラネタ
リギヤ列にトルクが作用するとサンギヤに対してキャリ
ア、リングギヤが自動調心されるという特徴がある。こ
の特徴を有効に利用するには、プラネタリギヤに徐々に
トルクを入力する必要があるが、本装置では後進ブレー
キ27をスリップ制御することでプラネタリギヤを適度
に自動調心した後に完全係合させることが可能となり、
後進時での伝達効率を高め、騒音レベルを低減させるこ
とができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前進レンジにおいては、前進クラッチを係合させるとと
もに後進ブレーキを解放した状態でメインクラッチ機構
の係合制御により発進、停止制御を行い、後進レンジに
おいては、前進クラッチを解放するとともにメインクラ
ッチ機構を係合させた状態で後進ブレーキの係合制御に
より発進、停止制御を行うので、後進レンジで停止した
ときには、変速機出力軸の回転も停止しており、この変
速機出力軸は係合状態のメインクラッチを介して無段変
速機構およびキャリアに繋がるため、無段変速機構およ
びキャリアも停止した状態となり、後進レンジでの停止
および発進時のギヤ噛み合い騒音を低下させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置を有したベルト式無段変
速機の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る制御装置を有したベルト式無段変
速機における動力伝達経路構成を示すスケルトン図であ
る。
【図3】上記制御装置を構成する油圧制御回路図であ
る。
【図4】上記制御装置を構成する油圧制御回路図であ
る。
【図5】上記制御装置により前進レンジが設定されたと
きでの各部材の回転関係を示す速度線図である。
【図6】上記制御装置により後進レンジが設定され、車
両が停止状態および発進状態にあるときでの各部材の回
転関係を示す速度線図である。
【図7】上記制御装置により後進レンジが設定され、車
両が走行状態にあるときでの各部材の回転関係を示す速
度線図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 カウンター軸 5 メインクラッチ 10 金属Vベルト機構 11 ドライブ側可動プーリ 15 金属Vベルト 16 ドリブン側可動プーリ 20 前後進切換機構 25 前進クラッチ 27 後進ブレーキ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力部材の回転駆動力を無段階に変速し
    て出力部材に伝達する無段変速機構と、 前記入力部材と前記無段変速機構との間に設けられ、前
    記入力部材から前記無段変速機構に伝達される駆動回転
    方向を切換える前後進切換機構と、 前記無段変速機構と前記出力部材との間に設けられ、前
    記無段変速機構と前記出力部材との係脱制御を行うメイ
    ンクラッチ機構とを有してなる無段変速機において、 前記前後進切換機構が一組のプラネタリギヤ列を有し、
    このプラネタリギヤ列を構成するサンギヤが前記入力部
    材に連結されるとともにキャリアが前記無段変速機に連
    結され、 前記サンギヤと前記キャリアとを係脱可能な前進クラッ
    チと、前記プラネタリギヤ列を構成するリングギヤを固
    定保持可能な後進ブレーキとが設けられ、 前進レンジにおいては、前記前進クラッチを係合させる
    とともに前記後進ブレーキを解放した状態で、前記メイ
    ンクラッチ機構の係合制御により発進、停止制御を行
    い、 後進レンジにおいては、前記前進クラッチを解放すると
    ともに前記メインクラッチ機構を係合させた状態で、前
    記後進ブレーキの係合制御により発進、停止制御を行う
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記無段変速機構がVベルト式無段変速
    機構からなり、前記前後進切換機構がダブルピニオンタ
    イプのプラネタリギヤ列からなることを特徴とする請求
    項1に記載の無段変速機の制御装置。
JP20428697A 1997-07-30 1997-07-30 無段変速機の制御装置 Pending JPH1151147A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8147370B2 (en) 2006-12-28 2012-04-03 Honda Motor Co., Ltd. Power unit for motorcycle
US8303459B2 (en) 2009-06-18 2012-11-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Forward-reverse switching device for vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8147370B2 (en) 2006-12-28 2012-04-03 Honda Motor Co., Ltd. Power unit for motorcycle
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