JPH11511257A - アルツハイマー病を診断およびモニターするためのp97の定量 - Google Patents

アルツハイマー病を診断およびモニターするためのp97の定量

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Abstract

(57)【要約】 ヒト個体からの体液試料中のp97を定量することによってアルツハイマー病を診断する方法であって、(a)アルツハイマー病に罹患していることが疑われる個体から体液試料を採取することにより試験試料を得;(b)試験試料中のp97の量を測定し;そして(c)試験試料中のp97の量を対照試料中のp97の量と比較することからなり、対照試料中のp97の量と比較して増加している試験試料中のp97の量の存在をアルツハイマー病の可能性の指標とする方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 アルツハイマー病を診断およびモニターするためのp97の定量発明の分野 本発明は、アルツハイマー病の診断およびモニターに使用するp97の定量方 法に関する。発明の背景 アルツハイマー病(AD)は、知覚、行動および機能に影響を及ぼす神経退行性の 疾患である。最近の研究において、ADは年齢75でほぼ7%の個体を冒し、年 齢85では4人に1人を越えるまで増加することが示されている[カナダの健康 および老化の研究グループの研究;J.Can.Med.Assoc.150,899-913(1994)] 。他の研究は、老人を冒すADの発生率をもっと高いものと主張している[エバ ンス(Evans,D.A.):J.Am.Med.Assoc.262,1551-2559(1989)]。現在のとこ ろ、ADに対して非常に限定された治療選択肢が存在するにすぎず、診断のため の唯一確実な方法は脳剖検によるものである。 ADは、主にβ-アミロイドタンパク質(Aβ)からなる老人斑、高ホスホリル 化ミクロチューブリン関連タンパク質Tauを伴なう神経細線維のもつれ[ゲダート (Goedert,M)、スピランチニ(Spillantini)ら:Neuron 8,156-160(1992);お よびセルケ(Selkoe,D.J.):Neuron 6,487-498(1991]、ニューロン細胞死およ びシナプス接合の損失[テリー(Terry,R.D.)ら:Ann.Neurology 30,572-580(1 991)]を含む脳における種々の病理学的マーカーによって特徴付けられる。タン パク質Aβの異常な蓄積は、知覚および記憶に関与している脳領域においてニュ ーロン細胞死の結果を与えると言われている[ブラス(Blass,J.P.):Neurology 43,S25-38(1993);およびプライス(Price,D.L.):Ann.Rev.Neurosci.9,48 9-512(1986)]。 臨床的には、ADの診断は神経学的および神経病理学的な評価によって行われ ているが、残念ながらこの疾患をその初期段階において検出することはできない 。 NINCDS−ADRDAのような一定の臨床診断基準を使用することにより、 臨床での病理学的診断の精度は80%を越えるまで改善されている[マッカーン( McKhann,G.)ら:Neurology 34,939-944(1984)]。 脳脊髄液(CSF)タンパク質の量とADとを関係付ける試みは、限定された成功 を収めている。例えば、CSF中のAβを検出するために開発された試験は、早期 開始のAD患者は年配の対照よりもわずかに高いAβ量を有するが[ナカムラ(Na kamura,T.)ら:Ann.Neurol.36,903ー911(1994)]、AD患者における全Aβ量 は対照とは有意に相違しないことを示した[ショウジ(Shoji,M.)ら:Science 25 8,126-129(1992)]。しかし、42位まで伸びるAβ、即ちAβ1-42がAD脳組織 における拡散性および老人性の両アミロイド斑において多いこと[ローハー(Rohe r,A.)ら:J.Biol.Chem.268,3072-3083(1993)]、およびAβ1-42が対照に比 べてAD患者のCSFにおいて有意に少ないことが発見されたこと[モター(Motter ,R.)ら:Ann.Neurol.38,643-648(1995)]が注目される。分泌型のアミロイド 前駆体タンパク質(APP)(これからAβが誘導される)の研究において、可溶性APP が対照に比べてAD患者のCSFにおいて大きく減少していることがわかった[バン ・ノストランド(Van Nostrand,W.E.)ら:Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89,255 1-2555(1992)]。しかし、他の研究は、APPのわずかな減少[パルメート(Palmert ,M.R.)ら:Neurol.40,1028-1034(1990)]、さらには増加[キタグチ(Kitaguchi ,N.)ら:Biochem.BiopHys.Res.Comm.166,1453-1459(1990)]に言及してい るにすぎない。CSF中のタンパク質Tauをモニターするために開発された試験によ り、平均してTau量は対照よりもAD患者において高くなるが、正常な対照[モタ ー(Motter,R.)ら:Ann.Neurol.38,643-648(1995);ビゴ-ペルフリー(Vigo-P elfrey,C.)ら:Neurology 45,788-793(1995)]、および他の神経学的疾患に罹 患している対照[バンダーミーレン(Vandermeeren,M.)ら:J.Neurochem.61, 1828-1834(1993)]と大きく重なり合うことがわかった。 他のCSF診断マーカー、例えば、老人斑に関係するα1-抗キモトリプシン[ア ブラハム(Abraham,C.R.)、セルケ(Selkoe,D.J.)およびポター(Potter, H.):Cell.52,487-501(1988)]およびユビキチン[ワン(Wang,G.P.)ら:Acta N europathol.(Berl.)82,6-12(1991)]は、相反する結果およびADと対照の間の 重なりのゆえに、不適当であると考えられ、また不適当であることがわかってい る。これらの結果は期待にそむくだけでなく、患者診断のためのCSFの常法によ るサンプリングは十分に容認されていないようである。しかし、市販の診断試験 がアテナ・ニューロサイエンス社(Athena Neuroscience Inc.)により開発されて おり、これは、ヒト染色体19上に多く位置しているアポリポタンパク質E(Apo E)E4アレルと、CSF TauおよびAβ1-42量を測定することを組合せている。Apo Eが老人斑に関係していること、およびApoE E4に対してホモ接合性である人は ADを発症する可能性が高いことが確かめられている[サンダース(Sanders,A.M .)ら:Neurol.43,1467-1472(1993)]。この組合せ分析は、医師がADを有する 患者の可能性を決定するのを助けることができると主張されている[モター(Mott er,R.)ら:Ann.Neurol.38,643-648(1995)]。しかし、この試験は時間がかか り、可能性の答えを与えるにすぎない。 瞳孔反応を研究する最近の報告は、AD患者がアセチルコリン遮断薬であるト ロピカミドの希釈溶液に対して過敏症を示すことを示唆している[シント(Scinto ,L.F.)ら:Science 266,1051-1054(1994)].この過敏症は、中年の人によりA Dに非常に類似した神経病理を例外なく発症するダウン症候群の対象において初 めて注目された[オルソン(Olson,M.I.)およびシャウ(Shaw,C.M.):Brain 92, 147-156(1969)]。この研究は見込みがあるように見えるが、これらの結果は、反 復するのが容易ではなく、重なりおよび解釈の困難性(例えば、目の疾患または 色が試験において持つことがある作用)に悩まされる[ルーペ(Loupe,D.N.)ら:O pthalmology 103,495-503(1996)]。最も最近になって、1つの戦略が開示され ているが[パーシャド(Parshad,R.)ら:Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93,5246- 5150(1996)],.ここでは、AD細胞を、そのDNA損傷の修復能力における欠損の 検出によって同定している。この試験は、ADの診断を支持するのに、またはそ の可能性がないとするのに有用でありうると結論された。しかし、この試験は労 力を要し、培養細胞とともに多工程を必要とするので、臨床での実施にはなお 遠い。最後に、陽電子放射断層写真法を用いてAD患者の脳中のグルコース代謝 の変動を検出できることが注目された[レイマン(Reiman,E.M.):N.Engl.J.M ed.334,752-758(1996)]。この試験は、定型で使用するのには実際的ではない 。 大きな興味がADの遺伝的原因に向けられ、いくつかの遺伝子における突然変 異が少数の家族性ADに感受性を与えることが示された。染色体21上のAPP 遺伝子[ミュレル(Murrell,J.)ら:Science 254,97-99(1991);およびカーリン スキー(Karlinsky,H.):Neurology 42,1445-1449(1992)]における突然変異は 、常染色体支配的な早期発症(<65歳)ADと関係しており、プレセニリン(presen ilin)、染色体14に結合したS182[シェーレンベルグ(Schellenberg,G.D.) ら:Science 258,668-671(1992);ファン・ブレックホーべン(Van Broeckhoven ,C.)ら:Nature Genet 2,335-339(1992);およびシェリングトン(Sherrington ,R.)ら:Nature 375,754-760(1995)]および染色体1に結合したSTM2[レビ ー-ラハッド(Levy-Lahad,E.)ら:Science 269,973-977(1995);およびロガエ フ(Rogaev,E.I.)ら:Nature 376,775-778(1995)]における突然変異は、少数の 家族性ADの症例に関係している。さらに、染色体19上に見出されるApoE遺伝 子のE4アレルは、晩期発症型ADが現れる危険を変化させる[サンダース(Sand ers,A.M.)ら:Neurol.43,1467-1472(1993);およびロガエフ(Rogaev,E.I.) ら:Nature 376,775-778(1995)]。これら遺伝子の発見は、ADを発症する少数 の個体の傾向を決定するのに大きな価値を有するが、遺伝的評価はADの検出ま たはモニターに有用ではないであろう。 メラノトランスフェリンとしても知られているp97抗原がADに関係してい る[1994年1月20日にWO94/01463として公開されたPCT/CA93/00272]。p97は、 トリ卵白由来のオボトランスフェリン、ラクトフェリンおよび血清トランスフェ リン(Tf)を含む鉄結合タンパク質の重要な群に属する[ベーカー(Baker,E.N.)、 ランボール(Rumball)ら:Trends Biochem.Sci.12,350-353(1987)]。p97は 鉄を結合することができ、細胞の鉄取込みに関係している[ケナード(Kennard,M .L.)ら:EMBO J.14,4178-4186(1995)]。p97には2つの形態が存在し、その 一方はグリコシル-ホスファチジルイノシトール アンカーによっ て細胞表面に結合し、他方は活性に分泌される[フッド(Food,M.R.)ら:J.Biol .Chem.269,3034-3040(1994)]。最近の研究において、p97およびトランス フェリン受容体(TR)は、ヒト脳の毛細管内皮に高度に局在化されていることが わかった。一方、トランスフェリン(Tf)それ自体は主にグリア細胞に局在化され ていることがわかった[ローテンベーガー(Rothenberger,S.)ら:Brain Res.71 2,117-121(1996)]。また、p97は、AD患者からの死後脳組織においてアミ ロイド斑に関係した反応性小グリア細胞において特異的に発現されることが示さ れた[ジェフリーズ(Jefferies,W.A.)ら:Brain Res.712,122-126(1996)]。老 人性AD斑に関係しない他の全ての小グリア細胞および他の神経病(パーキンソ ン病、進行性核上性麻痺、ハンチントン病および筋萎縮性側索硬化症)からの脳 組織において見出される小グリア細胞は、検出しうる量のp97を発現しなかっ た。発明の要約 本発明者らは、健康な個体に比べてアルツハイマー患者の血清および脳脊髄液 (CSF)において、可溶性形態の鉄結合タンパク質p97が有意に増加することを 具体的に示した。アルツハイマー患者からの試料中のp97量は、健康な個体か らの試料中のp97量と比較すると、首尾一貫して高いと測定された。また本発 明者らは、病気期間が長くなるにつれて血清中のp97量が増加することを有意 に示した。さらに、p97量は、ADの症状が観察されるほぼ2年前に増加し始 めるようであった。p97の特異的な定量はこの病気に罹患している対象の同定 を可能にし、これを用いてこの病気の開始および長期の進行をモニターすること ができる。 これらの発見の結果として、本発明者らは、この病気の評価および管理の両方 において価値のある手段となる体液中のADを検出するための簡単かつ信頼性あ る試験を設計した。本発明を用いるADの早期診断は、アルツハイマー患者の適 切な看護のための計画を立てるより多くの時間を家族に与え、アルツハイマーの 症状に類似した症状(例えば、うつ病または発作)の可能性を排除する。本発明の 方法を用いて、ADの新しい治療方法の効果をモニターすることができる。ADの 治療用に開発された多くの薬物が存在するが、これら薬物の効果を調べる安価 かつ迅速な方法は存在しない。現在の臨床試験は、複雑かつ労力のいる集中的な 神経行動的評価によって効果を測定しようとするものである。 広く言うと、本発明は、患者からの体液試料中のp97を定量することによっ てアルツハイマー病を診断する方法であって、以下の工程: (a)アルツハイマー病に罹患していることが疑われる患者から体液試料を採取 することにより試験試料を得; (b)試験試料中のp97の量を測定し;そして (c)試験試料中のp97の量を、対照試料中のp97の量と比較する; からなり、 対照試料中のp97の量と比較して増加している試験試料中のp97の量の存在 をアルツハイマー病の可能性の指標とする方法に関する。 また本発明は、アルツハイマー病に罹患している患者からの体液試料中のp9 7を定量することによってアルツハイマー病の進行をモニターする方法であって 、以下の工程: (a)アルツハイマー病に罹患している患者から体液試料を採取することにより 試験試料を得; (b)試験試料中のp97の量を測定し;そして (c)試験試料中のp97の量を、先に患者から採取した第1の試験試料中のp 97の量と比較する; からなり、 第1の試験試料中のp97の量と比較して増加している試験試料中のp97の量 の存在を、患者のアルツハイマー病の進行の指標とする方法に関する。 さらに本発明は、アルツハイマー病に罹患している患者からの体液試料中のp 97を定量することによってアルツハイマー病の治療をモニターする方法であっ て、以下の工程: (a)アルツハイマー病の治療を受けている患者から体液試料を採取することに より試験試料を得; (b)試験試料中のp97の量を測定し;そして (c)試験試料中のp97の量を、治療前に患者から採取した治療前試料中のp 97の量と比較する; からなり、 治療前試料中のp97の量と比較したときの試験試料中のp97の量の差異を、 治療効果の指標とする方法に関する。 また本発明は、試験試料中のp97の存在を検出する反応物質およびp97の 存在を検出するのに必要な全ての試薬、および本発明の方法の実施に有用な適当 な支持材を含む、本発明の方法の実施に有用なキットをさらに意図するものであ る。 本発明のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照 することによって明確になるであろう。さらに本明細書において、種々の特許文 献および出版物に言及が為されているが、これらの全てが本明細書の一部を構成 するものとする。図面の簡単な説明 図1は、p97標準の検量線である。 図2は、年齢に基づくアルツハイマー病患者と対照の血清p97量の比較を示 すグラフである。 図3は、病気期間に基づくアルツハイマー病患者と対照の血清p97量の比較 を示すグラフである。 図4は、年齢に基づくアルツハイマー病患者と対照の血清トランスフェリン量 の比較を示すグラフである。 図5は、AD対象および対照の血清p97濃度を、対象の年齢で比較するグラ フである。 図6は、AD患者の血清p97濃度を、患者に初めてADの症状が観察されて からの期間で比較するグラフである。 図7は、AD対象および対照の血清トランスフェリン濃度を、対象の年齢で比 較するグラフである。 図8は、ADおよび配偶者対照のペアーの血清p97濃度の比を示す棒グラ フである。発明の詳細な説明 本発明は、患者からの体液試料中のp97を定量することによって、患者のア ルツハイマー病を診断およびモニターするための方法を提供するものである。本 方法は、患者から体液試験試料を採取することを包含する。「患者」なる用語は 、アルツハイマー病に罹患しているか、またはアルツハイマー病に罹患している ことが疑われる哺乳動物などの温血動物、好ましくはヒト個体を意味する。この 患者は知覚損傷を示していても示していなくてもよく、また、この患者はADの治 療を受けていてもよい。広くは、本発明の診断方法を用いて、どのようなAD症状 をも示していない個体がADを発症する傾向または可能性を有するか否かを測定す る。 試験試料は、例えば血清、リンパ、胆汁、痰または脳脊髄液を含む種々の体液 から採取することができる。また、血球、好ましくは単球などの細胞試料を試験 試料として用いることもできる。特に、p97を発現する活性化されたマクロフ ァージを検定することができる。好ましくは、試験試料は血清またはCSFから、 最も好ましくは血清から得る。試験試料は既知の方法を用いて採取する。 特に好ましい態様においては、血清試料を患者から採取する。試料は使用前に 保存および凍結(例えば、−80℃で)することができ、そのままおよび/または 希釈して、例えばパンデックス(Pandex)緩衝液(0.1%NaH3および1.0%w/v B SAを含むDNEM)中の50% v/vウシ胎児血清(FCA)で希釈して用いることができる 。 試験試料におけるp97の定量を可能にする反応物質を用いて試験試料におい てp97を定量する。この反応物質は、試験試料中のp97を認識および結合す るものであるのが好ましい。本発明の態様においては、この反応物質は抗体であ る。 本明細書において用いる「抗体」なる用語には、ポリクローナルおよびモノク ローナル抗体;p97と反応する1を越える抗体の混合物(例えば、p97と反 応する別種モノクローナル抗体のカクテル);全抗体;その生物学的に機能的な フラグメント(この抗体フラグメントはp97に十分に結合する);および1を越 える種からの部分を含むキメラ抗体;二官能性の抗体;および4量体化抗体が含 まれる。 通常の方法を用いて抗体を調製することができる。例えば、p97のペプチド を用い、常法を用いて、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体を作成 することができる。哺乳動物において抗体反応を誘導する免疫原形態のペプチド を用いて、哺乳動物(例えば、マウス、ハムスターまたはウサギ)を免疫すること ができる。ペプチドに免疫原性を付与するための方法には、キャリアーへのコン ジュゲート化または当分野で周知の他の方法が含まれる。例えば、アジュバント の存在下にペプチドを投与することができる。血漿または血清中の抗体力価の検 出によって、免疫化の進行をモニターすることができる。通常のELISAまたは他 の免疫検定法を抗原としての免疫原とともに用いて、抗体量を評価することがで きる。免疫化の後に、抗血清を得ることができ、所望により、血清からポリクロ ーナル抗体を単離することができる。 モノクローナル抗体を調製するためには、抗体産生細胞(リンパ球)を免疫化動 物から集め、通常の体細胞融合法によってミエローマ細胞と融合させ、このよう にしてこれら細胞を永続性にし、ハイブリドーマ細胞を得ることができる。この ような方法は当分野で周知である[例えば、コーラー(Kohler)およびミルスタイ ン(Milstein):Nature 256,495-497(1975)によって最初に開発されたハイブリ ドーマ法]。また、他の方法、例えばヒトB細胞ハイブリドーマ法[コズボー(Koz bor)ら:Immunol.Today 4,72(1983)],.ヒトモノクローナル抗体を調製するた めのEBV-ハイブリドーマ法[コール(Cole)ら:癌治療におけるモノクローナル抗 体(1985)、アレン・アール・ブリス社(Allen R.Bliss,Inc.)、77-96頁]、およ び組合せ抗体ライブラリーのスクリーニング[ヒューズ(Huse)ら:Science 246, 1275(1989)]も周知である。p97と特異的に反応する抗体を調製するためにハ イブリドーマ細胞を免疫化学的にスクリーニングすることができ、モノクローナ ル抗体を単離することができる。 別法によれば、SCID-huマウス、例えばジェンファーム(Genpharm)によって 開発されたモデルを用いて、p97と反応する抗体またはそのフラグメントを調 製することができる。 また、例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)などの寄託機関または実験室を含む種々の供給元から抗体 を入手することもできる。例えば、抗p97マウスモノクローナル抗体HybC(33B 6E4)は、シュエン−クエイ・リアオ(Shuen-Kuei Liao)博士[マクマスター大学(M cMaster University,Hamilton,ON]から入手することができ、抗p97モノク ローナル抗体9B6は、バイオテクノロジー・ラボラトリー(Biotechnology Labor atory)[UBC,BC,カナダ]から入手することができ、抗p97マウスモノクロー ナル抗体L235は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手する ことができる[ATCC-HB8446 L235(H-19)]。 試験試料中のp97を認識および結合し、試料中のその存在の定量を可能にす る種々の他の反応物質を、本発明の方法において使用することができる。例えば 、トランスフェリン受容体がp97に結合し、これを用いて試験試料中のp97 を定量することができる。さらに、p97は鉄および他の金属に結合し、これを 用いて通常の方法で試験試料中のp97を定量することができる[鉄結合検定を 記載する1994年1月20日にWO94/01463として公開されたPCT/CA93/00272を 参照]。 本発明の方法において用いる反応物質を、検出可能な物質を用いて検出可能に ラベルすることができるか、またはこれらを後に検出可能にラベルすることがで きる。検出可能な物質の例には、種々の酵素、蛍光物質、発光物質および放射活 性物質が含まれる。適当な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ビオチ ン、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエス テラーゼが含まれ、適当な蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイ ン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルア ミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリスリンが含まれ、発光 物質の例には、ルミノールが含まれ、適当な放射活性物質の例には、放射活性ヨ ウ素I125、I131、または三重水素が含まれる。 本発明の方法において用いる反応物質を、例えば、この反応物質を認識および 結合する物質を用いて、後に検出可能にラベルすることができる。例示すると、 反応物質が抗体(例えば、マウスIgG抗体)であるときには、この反応物質に反応 性である第2の抗体(例えば、ウサギ抗マウスγ-グロブリン;これを本明細書中 に記載したような検出可能な物質でラベルする)を用いて該反応物質を検出する ことができ、これによりp97の定量が可能になる。 抗体である反応物質を用いて、p97の抗原決定基と抗体の間の結合相互作用 に依存する既知の免疫検定において、p97を検出および定量することができる 。このような検定の例は、ラジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(例えば 、ELISA)、免疫蛍光法、免疫沈降法、ラテックス凝集法、血球凝集法、対向流免 疫電気泳動法(CIEP)、放射免疫沈降法、ドット・ブロット検定法、阻害または競 合検定法およびサンドイッチ検定法である。 好ましい態様においては、迅速な免疫蛍光法[例えば、ジョリー(Jolley)ら[J .Immunol.Meth.67,21-35]に記載されている「粒子濃縮蛍光免疫検定法」(PC FIA)]に基づく検定を用いて試料中のp97量を測定または定量する。この方法 は、ミクロン以下のポリスチレンビーズに結合させた捕捉抗体(Ab)を用いる。こ の「活性化された」固相は、所望のタンパク質の特異的な吸収性物質として作用 する。次いで、蛍光ラベルされた第2のAb(これもタンパク質に対して特異的で ある)を固体の捕捉相とともにインキュベートして、蛍光シグナルが元のタンパ ク質濃度に比例する複合体を形成させる。この反応は、特別に設計された96ウ エルのプレート[カタログ22-400-1;インデックス・ラボラトリーズ社(Indexx L aboratories Inc.,Wesbrook,ME)]において行うことができる。それぞれのウエ ルは0.22μmの酢酸セルロース膜を持ち、これが真空下でのウエルの排出を 可能にし、各ウエルの基部における蛍光複合体の濃縮を可能にする。このプレー トを洗浄し、パンデックス(Pandex)蛍光濃度分析器(FCA;Indexx)を用いて種々 の波長で各ウエルの蛍光を読み取ることができる。 この検定に用いる活性化されたビーズは、抗p97抗体を用いてカルボキシポ リスチレン粒子(0.77μm、0.25% v/v;Indexx)を被覆することによって 調製することができる。適当な抗p97抗体には、抗p97マウスモノクローナ ル抗体HybC[33B6E4;シュエン-クエイ・リアオ博士、マクマスター大学(McMaste r University,Hamilton,ON)]、9B6[ウィルフ・ジェフリーズ(Wilf Jefferies) 博士、バイオテクノロジー・ラボラトリー(Biotechnology Laboratory,UBC,BC )]、または抗p97ウサギ抗血清[ウィルフ・ジェフリーズ博士、バイオテクノ ロジー・ラボラトリー]が含まれる。 蛍光ラベルされた第2の抗体は、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で フルオレセイン処理した抗p97マウスモノクローナル抗体L235[ATCC- HB8446 L235(H-19)]または抗p97ウサギ抗血清[ウィルフ・ジェ フリーズ博士、バイオテクノロジー・ラボラトリー]を用いて調製することがで きる。 p97標準はp97から、例えば、免疫アフィニティークロマトグラフィーに よって、ホスファチジルイノシトール ホスホリパーゼC(PI−PLC)処理し たチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞(ヒトp97によってトランスフ ェクションした)の上清から精製したp97から調製することができる。 特に好ましい態様においては、血清p97検定を特別の96ウエルプレート(2 2-401-1;Indexx)において行い、蛍光をFCA(Indexx)において読み取る。50%F CA溶液で適切に希釈した血清試料(60μl)を、96ウエルプレートのウエルに 添加してよい。p97標準を、検量線作成のために使用することができる。実例 の検量線作成を表1に示し、検量線を図1に示す。 本発明者らは、アルツハイマー病の症状が観察される約2年前にp97量が増 加し始めることを見出した。従って、本発明の方法を用いて、アルツハイマー病 の臨床的に明確な症状を持たない患者において、アルツハイマー病またはアルツ ハイマー病を発症する可能性を診断することができ、これによって、この病気を 早期に予想することができる。アルツハイマー病を診断するために、患者の試料 中のp97の濃度を、健康な対象からの対照試料中のp97の濃度範囲(予期お よび/または回顧の統計学的研究により確かめることができる)と比較すること ができる。健康な対象は、NINCDS-ADRDA基準および/またはMM S試験の結果に基づいて選択することができる。健康な対象は、臨床的に明らか な知覚損傷または他の臨床的もしくは病理学的な問題を持たないのが好ましい。 また、同一の患者について以前に定量された量と比較してp97量の増加を見出 すことによって、診断を行うこともできる。 対照と比較したときの試験試料中のp97量の増加は、患者がアルツハイマー 病に罹患しているかまたはアルツハイマー病を発症する可能性を有することを示 すものである。例示すると、代表数の対照の血清中のp97量を測定し、平均p 97量を求めるか、またはp97量を図5に示すように対象の年齢に対してプロ ットし、回帰線またはベースライン(図5において)を対照に対して設定する。こ の平均またはベースラインを越えるp97量を含む試験試料は、アルツハイマー 病またはアルツハイマー病の可能性の指標である。一般に、対照の血清中のp9 7量の1.5倍またはそれ以上、特に2倍またはそれ以上、好ましくは2〜9倍 に増加しているアルツハイマー病患者からの試料中のp97量が、アルツハイマ ー病の可能性の指標である。 血清中のp97量は、病気の進行とともに増加することがわかった(図3およ び図6を参照)。従って、患者におけるアルツハイマー病の進行をモニターする ために、患者からの試料中のp97の濃度を、本明細書中に記載したように、同 一患者からの以前の試料のp97量と比較することができる。また、試験試料に おけるp97量を、本明細書中に記載したように、対照から得た量または他のア ルツハイマー病患者から得た量と比較することによって、この病気の段階の進行 および評価を調べることができる。この後者の比較は、体液試料中のp97量と この病気の進行の間の直線的な関係に基づいている。例示すると、患者からの試 料中のp97量を定量し、標準曲線(例えば、図6に示すグラフ)から推定するこ とによって、患者における病気の段階を測定することができる。 また、本発明の方法を用いて、アルツハイマー病の治療の効果を患者において モニターまたは評価することができる。試料を治療前、治療中および/または治 療後に採取し、試料中のp97の濃度に及ぼす治療の影響によって治療効果を測 定することができる。有効な治療は、対照に比べて試料中のp97の量を低下さ せる結果を与える治療であると予想される。 アルツハイマー病のあらゆる種類の治療の効果、特にアルツハイマー病の治療 において効果を有すると推定される医薬組成物の使用の効果をモニターするため に本方法を用いることが意図されている。アルツハイマー病の治療にある種の効 果を有する医薬組成物の例には、コリン作動性の機能を回復または置換する物質 、例えば、タクリン、コリン、レシチン、フペルジン(huperzine)AおよびB、 ガランタミン(galanthamine)、メタンスルホニル フルオリド、フィゾスチグミ ンおよびデプレニル(deprenyl)が含まれる。 本発明の方法を適用してp97を定量するのに適する試薬を、通常のキットに パックして必要な原材料を適当な容器中にパックすることができる。例えば、こ のようなキットは、p97と反応する抗体、および本明細書中に記載した方法に より試料中に存在するp97と結合した抗体を定量するための必要な試薬を含む ことができる。また、このキットは、本発明の方法を実施するのに有用な適当な 支持体を含んでいてもよい。実施例 以下に挙げる実施例は、本発明者らが行ったアルツハイマー病患者および対照 の試料中のp97の定量ならびにこのような定量の意味を説明するものである。 これら実施例は例示の目的で挙げたものであり、限定のためのものではない。 実施例1 アルツハイマー患者の血清中のp97量に関する研究 ヒト血清中のp97量を測定するための検定を、1984年に紹介された迅速免疫 蛍光法「粒子濃縮蛍光イムノアッセイ(PCFIA)」[ジョリー(Jolley)ら:J.Immuno l.Meth.67,21-35(1984)]に基づいて開発した。この方法は、ミクロン以下の ポリスチレンビーズに結合させた捕捉抗体(Ab)を用いる。この「活性化された」 固相は、所望のタンパク質の特異的な吸収物質として作用する。次いで、蛍光ラ ベルした第2のAb(これもタンパク質に対して特異的である)を固体の捕捉相とと もにインキュベートして、蛍光シグナルが元のタンパク質濃度に比例する複合体 を形成させた。反応は、特別に設計された96ウエルプレート[カタログ22-400- 1;インデックス・ラボラトリーズ社]において行った。それぞれのウ エルは0.22μmの酢酸セルロース膜を持ち、これが真空下でのウエルの排出 を可能にし、各ウエルの基部に蛍光複合体を濃縮させた。次いで、これらプレー トを洗浄し、各ウエルの蛍光をパンデックス(Pandex)蛍光濃度分析器(FCA;イン デックス社)を用いて種々の波長で読み取った。 この検定に用いる活性化されたビーズは、以下の抗体、即ち、抗p97マウス モノクローナル抗体HybC[33B6E4;シュエン-クエイ・リアオ博士、マクマスター 大学]、9B6[ウィルフ・ジェフリーズ博士、バイオテクノロジー・ラボラトリー ]、または抗p97ウサギ抗血清[ウィルフ・ジェフリーズ博士、バイオテクノロ ジー・ラボラトリー]を用いてカルボキシボリスチレン粒子(0.77μm、0.2 5% v/v;インデックス社)を被覆することによって調製した。粒子(1ml)を1 分間撹拌および音波処理し、これを遠心し、0.1M MES[2−(4−モルホリノ) エタンスルホン酸]緩衝液(pH4.5)(8ml)に再懸濁した。これに、EDC[1−エチル −3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド](5.0mg)を加え、次いで 1mg/mlの抗体(1ml)を加えた。混合物を定期的に撹拌し、室温で一晩インキュ ベートし、6000rpmで10分間遠心し[ソーバル(Sorval)HB4]ビーズを、0.2 %アジ化ナトリウム(NaN3)および2% w/vウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン 酸緩衝食塩水(PBS)(20ml)に再懸濁した。次いで、ビーズを6000rpmで10分 間遠心し、被覆されたビーズを、0.2% NaN3および2% BSAを含むPBS(32ml) 中、4℃で保存した。 蛍光ラベルされた第2の抗体は、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で フルオレセイン処理した抗p97マウスモノクローナル抗体L235[ATCC- HB8446 L235(H-19)]または抗p97ウサギ抗血清[ウィルフ・ジェ フリーズ博士、バイオテクノロジー・ラボラトリー]を用いて、以下のように調 製した。FITCを、1mg/mlでリン酸緩衝液(pH9.5)(0.15M Na2HPO4)に加え た。アジドの非存在下に、4mg/mlの抗体(0.5ml)をFITC溶液(1mg/mlのFITC 溶液0.15ml)に加え、室温で一晩、暗所でインキュベートした。フルオレセイ ン処理したAbをすぐ使えるように調製し、4℃で保存した。 p97標準は、ホスファチジルイノシトールホスホリパーゼC(PI-PLC) 処理したチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞(ヒトp97によってトラ ンスフェクションした)の上清から免疫アフィニティークロマトグラフィーによ って精製したp97から調製した。約109個のトランスフェクションしたCHO細 胞を、37℃で1時間、PBS中の300mU/ml PI-PLC(1ml)で処理した。遠心 によって細胞から上清を回収し、0.2μmの膜で濾過した。次いで、この上清 を、アフィゲル(Affi-Gel)10[バイオ-ラッド(Bio-Rad,Mississauga,ONT)]上 に固定したAb(HybC)のカラム(1×10)にかけた。このカラムは、予めpH7. 2のPBSで洗浄し、再生しておいた。結合したp97を、0.1Mクエン酸(pH3. 0)で溶離し、次いで1Mトリス-HCI(pH9.0)を用いて中和した。精製したp9 7を、30,000Mwの限外濾過膜を用いて濃縮した。PBSに対して透析し、滅 菌濾過した。標準p97の濃度を、280nmで1%=12.0cm-1のp97の吸 光係数を用いて測定した[ベーカー(Baker)ら、1992]。 血清試料は次のようにして調製した。それぞれの患者について、以下の試料を 採取した:(a)−20℃で保存した血清試料、および(b)4℃で保存した新鮮血液 。試料を試験する前に、新鮮血液を遠心し、血清を回収した。両方の試料を、そ のままで、および/またはパンデックス緩衝液(0.1% NaH3および1.0% w/v BSAを含むDNEM)中の50% v/vウシ胎児血清(FCA)で希釈して試験した。 以下のように、血清p97検定を特別の96ウエルプレート(22-401-1;イン デックス社)において行い、蛍光をFCA(インデックス社)において読み取った。 50% FCA溶液で適切に希釈した血清試料(60μl)を、96ウエルプレートの ウエルに添加した。それぞれの試料を2重または3重に試験した。また、各プレ ートに、p97標準を2重に添加した(300、150、120、90、60、 30、15、9、6ng/ml)。これら標準を50% FCA溶液で希釈し、検量線作 成用に用いた。実例の検量線作成を表1に示し、検量線を図1に示す。抗p97 被覆ビーズ(〜25μg Ab/ml)(20μl)を各試料に加え、室温で40分間イン キュベートした。96ウエルプレートの側面を軽くたたくことによって、ウエル の内容物を穏やかに混合した。インキュベート後に、フルオレセイン処理した第 2の抗p97Ab[パンデックス緩衝液で1/75希釈(約25〜40μg/ ml)](20μl)を試料およびビーズに加え、室温で5〜10分間インキュベート した。次いで、プレートをFCA中に置き、排出し、0.1% NaH3および1%w/v B SAを含むPBSで3〜5回洗浄した。次いで、排出したプレートを、25×増加の 485/535nmフィルター対を用いて読み取った。 血清試料を、アルツハイマー(AD)患者、配偶者対照および無関係対照から得た 。表2は、AD患者におけるp97血清濃度の結果を示すものである。病気の期 間は、症状の診断からの年数を示す。しかし、個々の患者が診断のしばらく前か らこの病気に罹患していた可能性もある。表3は、AD患者および対照の試料に おけるp97血清濃度を示すものである。無関係対照の血清中のp97量は2. 4〜12ng/mlの範囲であり、この量は対象の年齢に従って増加しないことが見 出された(図2)。図2に示すように、AD患者の血清中のp97量は対照に比べ て有意に増加し、この量は患者の年齢に従って増加するようであった。AD患者は 、少なくとも20ng/mlの血清中のp97量を有していた。見出された最大量は 300ng/mlであった。重要なことは、図3に示すように、血清p97量がAD患 者の病気期間に関係していることが見出されたことである。より長い病気期間を 有する患者の血清において、p97量の一層の増加が見出された。 また、血清トランスフェリン量もAD患者および対照からの試料において測定し た。AD患者と対照の血清トランスフェリン量の間に明瞭な差異は見出されず、対 象の年齢と血清トランスフェリン量の間に関係は見出されなかった(図4)。 さらに、予め日本のAD患者および対照の群から得ていたCSFおよび血清試料に おいて、トランスフェリンおよびp97量を測定した。これらの試料は2年間凍 結させ、解凍したものであり、従って、現在のタンパク質量は試料に最初に存在 していた絶対量を示さないかもしれない。しかし、表4に示す結果は、p97量 が対照の量に比べてAD患者の血清において増加するという上記知見を確認するも のであった。また、結果は、CSF中のp97量が対照に比べてAD患者において増 加することを示した。AD患者の血清およびCSF中のトランスフェリン量は、対照 の量を越えて増加することはなかった。 実施例2 実施例1において示した研究のさらに完全な説明および議論をこの実施例2に 挙げる。以下の原材料および方法を実施例2で説明する研究に用いた。カナダ人対象 AD(N=27)対象を、バンクーバー病院のアルツハイマー病および関連の疾患 のためのUBCクリニックの臨床試験プログラムに参加している者から選択した。 全てのAD対象が、NINCDS-ADRDA基準に従って「臨床的に可能性が高い」と診断さ れていた。知覚症候の概算期間を全てのAD対象について調べた。対象は、この研 究のときに実験的治療を受けていなかった。健康なボランティア(N=15)また は配偶者介護者(N=10)からランダムに選択した対照は、臨床的に明らかな有 意の知覚損傷を示さなかった。 2種類の研究を行った。即ち、(a)血清試料を静脈穿刺の直後に4℃で保存し 、24時間以内にTfおよびp97を測定した。51〜82.5歳(66.4±17. 52歳)の範囲の年齢の17人のAD対象(女性10人、男性7人)を、28〜76 歳(52.33±16.5歳)の範囲の年齢の15人の対照(女性6人、男性9人)と 比較した。(b)配偶者のペアー(N=10ペアー)から採取した血清試料を静脈穿 刺の直後に−20℃で凍結させて保存した。同時に配偶者ペアーから試料を採取 し、凍結し、次いで同時に分析した。54〜86歳(70.6±10.47歳)の範 囲の年齢のAD患者(女性7人、男性3人)を、53〜84歳(69.9±10.21 歳)の範囲の年齢のこれらAD患者の非AD配偶者(女性3人、男性7人)と比較し た。日本人対象 61〜80歳(71.5±6.52歳)の範囲の年齢の8人のAD対象(女性6人、 男性2人)を試験し、57〜72歳(66.57±6.4歳)の範囲の年齢の7人の 対照(女性4人、男性3人)と比較した。AD対象および対照からの血清およびCSF 試料は、千葉大学医学部神経学科から入手した。全てのAD対象が、NINCDS-ADRDA 基準に従って「臨床的に可能性が高い」と診断された。対照は、以下の神経病に 罹患している年配の対象から採用した:パーキンソン病1人、旧小脳退行症2人 、筋萎縮性側索硬化症1人、頚部脊椎症2人および末梢神経障害1人。 血清およびCSF試料を採取直後に−20℃で凍結させ、分析前にまとめて同じよ うに解凍した。p97検定 試料をそのままで、および0.1%アジ化ナトリウムおよび1.0% w/vウシ血 清アルブミンを含むDMEM中の50% v/vウシ胎児血清で希釈して試験した。抗p 97マウス抗体HybCを用いてカルボキシポリスチレン(0.77μm)捕捉粒子を被 覆し、抗p97マウスモノクローナル抗体L235[ATCC-HB8446L235(H-19)]を フルオレセイン処理した[ケナード(Kennard,M.L.):EMBO J.14,4178-4186(19 95)]。p97標準は、300〜1ng/mlの範囲でウシ胎児血清を含むDMEM緩衝液 中で新たに調製した。検定は、試料および標準(60μl)を捕捉粒子(〜25μg 抗体/ml)(20μl)と特殊な96ウエルプレート中で混合し、室温で40分間イ ンキュベートすることからなっていた。次に、フルオレセイン処理した第2の抗 体(約25〜40μg/ml)(20μl)を加え、混合物を室温でさらに5〜10分間 インキュベートした。次いで、プレートを「パンデックス蛍光濃度分析器」[ジ ョリー(Jolley,M.J.):Immunol.Methods 67,21-35(1984)]中に置き、排水し 、0.1%アジ化ナトリウムおよび1.0%ウシ血清アルブミンを含むPBSで4回 洗浄した。次いで、排水したプレートを、25×増加の485/535フィルタ ー対で読み取った。蛍光をp97濃度と関係付けるp97標準から作成した検量 線からp97濃度を決定した。全ての試料を種々の希釈において3重に試験し、 濃度を全ての結果から平均した。トランスフェリン検定 この検定は、上記の「粒子濃縮蛍光イムノアッセイ」に基づいた。抗ヒトトラ ンスフェリンヤギ抗血清を捕捉粒子に被覆し、抗ヒトトランスフェリンヒツジ抗 血清をフルオレセイン処理した。トランスフェリン標準を、3〜0.5μg/mlの 範囲で新たに調製した。全ての試料を種々の希釈において3重に試験し、濃度を 全ての結果から平均した。 ヒト体液中のp97濃度をモニターすることができる定量検定法を開発した。 この検定は、ミクロン以下のポリスチレンビーズに結合させた捕捉抗体と蛍光ラ ベルした2次抗体を用いる迅速な免疫蛍光法である「粒子濃縮蛍光イムノアッセ イ」に基づいていた[ケナード(Kennard,M.L.)ら:Biotech.Bioeng.42,480-4 86(1993)]。改良型のサンドイッチ検定を、0.22μmの酢酸セルロース膜を含 む特別に設計された96ウエルプレートにおいて行った。このウエルを真空下に 排出することができ、各ウエルの基部に蛍光複合体を濃縮することができる。こ のプレートを洗浄し、各ウエルの蛍光を読み取ることができる(ここで、蛍光は p97濃度に比例する)。p97がヒト血清中で部分的に不安定であり、保存に よって抗原性を失うことがわかった。表5は、最初は100ng/mlで血清中に加 えたp97の検出可能な濃度に対する、保存温度および時間の効果を示すもので ある。p97は、60℃で30分間熱ショックを加えた試料において検出不能に なり(驚くべきことに、血清Tfはこの処理によって影響されないようであった)、 室温で保存した試料は、48時間で20%までの抗原性を失った。しかし、4℃ および−20℃で保存したときには48時間にわたり試料は比較的安定であった (しかし、凍結と解凍はp97の検出をさらに低下させた)。これらの理由から、 AD患者からの血清p97濃度を知覚が正常な対照と比較する研究においては、血 清試料を採取直後に4℃で保存し、24時間以内に試験した。図5は、全てのAD 患者が対照と比較して血清中のp97量が増加しており、重なりがなかったこと を示す。AD群の平均p97濃度(N=17;43.8±11.6ng/ml)は、対のt -検定に基づいて、対照群の平均(N=15;7.04±3.28ng/ml)とは有意 に異なっていた(t0.05=12.96、p=6.6×10-10)。現在までにヒト血 液中のp97について他の研究が1つだけ存在するが[ブラウン(Brown,J.P.)ら :Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78,539-543(1981)]、このときにはp97は1. 3〜2.7ng/mlの範囲で検出された。対照群の平均年齢(52.3±16.5歳) はAD群の平均年齢(66.4±17.52歳)よりも若いが、直線回帰は、p97血 清濃度と対象年齢の間に有意の相関関係は存在しないことを示した(AD患者:N =17、回帰線の傾き=0.359、R=0.30、p=0.249;対照:N=15 、回帰線の傾き=−0.07、R=−0.35、p=0.197)。さらに、AD患者 のデータを、ADの症状が患者に初めて観察されてからの期間に対して プロットしたときに(図6)、直線回帰は、p97血清濃度の増加と病気の進行の 間に有意の関係が存在することを示した(N=17、回帰線の傾き=3.3、R= 0.82、p=0.0003)。最後に、対照の最大p97濃度への直線回帰の外 挿は、p97濃度が、ADの症状が観察される約2年前から増加し始めることを示 唆した。 p97がADにおいて非特異的に増加する可能性を排除するために、別の血液鉄 結合タンパク質であるトランスフェリン(Tf)をAD患者および対照の血清において 分析した。図7は、両集団のTf濃度の間にほとんど差がなかったことを示す。AD 群の平均Tf濃度(N=17;1.81±0.71mg/ml)は、対のt-検定に基づい て、対照群の平均(N=15;1.93±0.78mg/ml)とは有意に異なっていな かった(t0.05=0.41、p=0.69)。 別の研究において、AD患者からのp97の血清量を該AD患者の知覚的に正常な 配偶者と比較することにより、血清中のp97濃度に対して、食事、ライフスタ イルまたはある種の他の共通因子の作用が存在するか否かを調べた。この場合、 血清試料は採取直後に−20℃で凍結させた。図8は、10組のAD患者(70.6 ±10.47歳)とその配偶者対照(69.9±10.21歳)からの血清p97量の 比を比較するものである。全ての場合において、AD患者のp97血清量はその配 偶者対照に比べて増加しており、1.6〜32.5(平均10.17±9.08)の範 囲の比を有していた。この知見は、環境因子は恐らくAD患者のp97血清量の増 加の原因とはならないことの証拠を与えるものである。血清およびCSF中のp97およびトランスフェリン量 第3の研究において、日本人のAD患者および対照からの血清およびCSFの両方 の凍結試料について、Tfおよびp97を分析した。この研究に用いた対照は、種 々の他の神経病に罹患している対象であり、p97の血清量が他の神経退行性疾 患において増加しているか否かを調べるために試験した。しかし、これらの血清 試料は凍結され、分析前にまとめて同じように解凍されたものであり、あいにく p97検出が低下していた。それにもかかわらず、表6において見ることができ るように、いくつかの観察は注目するに値した。p97の平均濃度は、対 照(N=5;8.48±4.02ng/ml;平均年齢67.2±6.82歳)と比較して AD患者(N=5;22.4±9.21ng/ml;平均年齢72.4±5.99歳)のCSFに おいて増加していた。これらの濃度は、対のt-検定に基づいて有意に相違して いた(t0.05=2.90、p=0.044)。また、これは血清中のp97について も言え、ここでは対のt-検定に基づいて、AD群の平均p97濃度(N=4;11. 3±2.76ng/ml;平均年齢74.3±5.63歳)は対照群の平均(N=6;2. 01±1.75ng/ml;平均年齢65.6±6.52歳)とは有意に相違していた(t0.05 =4.52、p=0.02)。全体の濃度は大きく低下していたが、この結果 は図5のデータと一致していた。他の観察を補強すると、p97濃度は対象の年 齢または性別とは関係していないようであった。また、これらのデータは、血清 p97量よりも2〜4倍高いCSFをモニターすることによって、ADの開始および 進行に関する有用な情報を得ることができることを示唆する。p97よりも血清 中でさらに安定であるTfの平均濃度は、CSFおよび血清においてADおよび対照の 両対象について実質的に同一であった。CSFについては、対のt-検定に基づいて 、AD群の平均Tf濃度(N=8;20.35±4.78μg/ml;平均年齢71.5±6 .52歳)は、対照群の平均(N=7;16.0±4.5μg/ml;平均年齢67.7 ±6.32歳)とは有意に異なることはなかった(t0.05=2.05、p=0.18 )。また血清についても、対のt-検定に基づいて、AD群の平均Tf濃度(N=4;2. 24±3.6mg/ml;平均年齢74.3±5.63歳)は、対照群の平均(N=5;2 .26±7.0mg/ml;平均年齢63.4±4.5歳)と有意に異なることがなかっ た(t0.05=0.38、p=0.72)。さらに、血清Tf量がCSF中よりも相当に高 く(〜100倍)、これがp97(これの量は、CSF中よりも血清中の方が低い)と は対照的であることに注意することが重要である。これらのデータは、Tfは脳か ら活発に排除されるがp97は排除されないようであるので、p97が脳内で独 特の機能を有していることを示唆する。 本研究において、関連および無関連の対照に対してAD患者の血清において首尾 一貫して増加する生化学的なマーカー分子を同定した。本発明者らは、AD患者と 対照の間に重なりがないことを見出した。 上記から、本発明の特定の態様を説明の目的で本明細書中に記載したが、本発 明の思想および範囲から逸脱することなく種々の修飾を行いうることが理解され よう。従って、本発明は添付の請求の範囲によることを除き限定されるものでは ない。 *安定性は、時間に対する検出可能なp97の割合(%)変化として示す。 nd=測定せず。 *NINCDS-ADRADに基づいて臨床的に可能性の高いAD。 nd=測定せず。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ケナード,マルコム カナダ、ブイ6アール・2ジェイ6、ブリ ティッシュ・コロンビア、バンクーバー、 ウエスト・テンス・アベニュー4660番、ア パートメント103

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.患者からの体液試料中のp97を定量することによってアルツハイマー病 を診断する方法であって、以下の工程: (a)アルツハイマー病に罹患していることが疑われる患者から体液試料を採取 することにより試験試料を得; (b)試験試料中のp97の量を測定し;そして (c)試験試料中のp97の量を、対照試料中のp97の量と比較する; からなり、 対照試料中のp97の量と比較して増加している試験試料中のp97の量の存在 をアルツハイマー病の可能性の指標とする方法。 2.試験試料中のp97の量が対照試料中のp97の量と比較して1.5倍ま たはそれ以上に増加していることを、アルツハイマー病の可能性の指標とする請 求項1に記載の方法。 3.試験試料中のp97の量が対照試料中のp97の量と比較して2〜9倍に 増加していることを、アルツハイマー病の可能性の指標とする請求項1に記載の 方法。 4.工程(c)において、試験試料中のp97の量を、対照試料において測定し たp97の平均またはベースライン量と比較する請求項1に記載の方法。 5.(c)における対照試料が、同一の患者または別の個体からの正常試料であ る請求項1に記載の方法。 6.アルツハイマー病に罹患している患者からの体液試料中のp97を定量す ることによってアルツハイマー病の進行をモニターする方法であって、以下の工 程: (a)患者から体液試料を採取することにより試験試料を得; (b)試験試料中のp97の量を測定し;そして (c)試験試料中のp97の量を、先に個体から採取した第1の試験試料中のp 97の量と比較する; からなり、 第1の試験試料中のp97の量と比較して増加している試験試料中のp97の量 の存在を、個体のアルツハイマー病の進行の指標とする方法。 7.アルツハイマー病に罹患している患者からの体液試料中のp97を定量す ることによってアルツハイマー病の治療をモニターする方法であって、以下の工 程: (a)治療を受けている患者から体液試料を採取することにより試験試料を得; (b)試験試料中のp97の量を測定し;そして (c)試験試料中のp97の量を、治療前に患者から採取した治療前試料中のp 97の量と比較する; からなり、 治療前試料中のp97の量と比較したときの試験試料中のp97の量の差異を、 治療効果の指標とする方法。 8.体液が血清またはCSFである請求項1〜7のいずれかに記載の方法。 9.工程(b)におけるp97の量がp97に対する抗体を用いて測定される請 求項1〜7のいずれかに記載の方法。 10.試験試料中のp97の存在を検出する反応物質およびp97の存在を検 出するための試薬を含む、請求項1、6または7のいずれかに記載の方法を実施 するためのキット。
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