JP2008528974A - 虚血バイオマーカー及び手術による神経学的有害事象を予測するためのその使用 - Google Patents

虚血バイオマーカー及び手術による神経学的有害事象を予測するためのその使用 Download PDF

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Abstract

手術による神経学的有害事象の発生を予測するための方法が提供される。かかる有害事象は、脳卒中、せん妄、及び一過性脳虚血発作(TIA)などを含む。該方法は、循環する脳NMDA受容体ペプチド及び抗体のレベルが、神経学的有害事象にかかる可能性のある患者を同定するために使用可能であるという発見に基づく。本発明の予測方法を実行するための診断手順、及び手術による神経学的有害事象のリスクを減少させるための介入的戦略も提供される。

Description

先行出願への関連
本出願は、2005年1月25日出願の米国仮出願番号第60/646,762号に基づく米国特許法第119条(e)による優先権の利益を請求する。上記出願の内容は、本明細書に完全に記載されているかのように、参考文献として援用される。
本発明は、手術による神経学的有害事象のリスクを予測する方法に関する。特に、本発明は、手術を予定している患者の血液中のNR2ペプチド及び抗体の試験方法、及び手術による脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)又は虚血により誘発される他の症状の患者における出現を予測するためにかかる試験結果を使用する方法に関する。この試験は、既存の循環器疾患、脳血管疾患、高血圧、糖尿病又は頚動脈雑音を有する患者であって、手術による神経学的有害事象により罹り易いが、手術によるリスクが完全には知られていない患者において特に有用である。この試験の診断及び予後判定能力は、手術室における罹患率及び死亡率を減少させること、並びに手術を予定する冠血管及び脳血管疾患患者の管理を改善することを約束する。
手術による神経系の損傷は、ニューロンに対する直接的な毒性効果及び全身性の低酸素症及び虚血による二次的な損傷の組み合わせである。脳卒中は(血管の遮断による)閉塞性又は(血管からの出血による)出血性のいずれかであり、どちらも虚血として知られる状態を引き起こす脳への不十分な血液供給を生じうる。
限局性の脳損傷は、心不全又は低還流後にしばしば発生する全般性の無酸素性脳損傷とは異なる(Graham, SH, Chen J.J Cereb Blood Flow 2001: 21:99-109)。限局性の脳傷害が発生する場合、典型的には生存細胞の周辺部に取り囲まれた虚血コアが発現する。これらの生存細胞は梗塞及び脳損傷量の拡大を防止する(又は少なくとも遅らせる)。(Deshpande J, et al. Exp Brain Res 1992; 88: 91-105; Matsui T, et al. J Cereb Blood Flow Metab 2002; 22:711-722)。脳虚血が全体に発生する場合、脳の最も脆弱な領域は、アポトーシス事象が観察される頭頂葉皮質及び大脳基底核に位置する(Kjos BO, Brant-Zawadzki M, Young RG. Am J Roentgenol 1983; 141:1227-1232)。
ここ10年の間、脳傷害の予測及び診断のためのいくつかのバイオマーカーが提案されてきた。心臓手術における神経学的及び神経認知的な予後の評価のためのバイオマーカーとしての血清S100Bは、脳卒中、外傷性脳損傷、及び心不全後の脳損傷とS100Bが相関するという報告によって大いに関心をもたれることとなった(Abraha HD, et al. Ann Clin Biochem 1997; 34:366-370; Buttner T, et al. Stroke 1997; 28:1961-1965; Lynch JR, et al. Stroke 2004; 35:57-63)。S100Bは、主にグリア細胞及びシュワン細胞中に見出されるカルシウム制御タンパク質である。心臓手術による脳血管事象のための他の可能なバイオマーカーは、C-反応性タンパク質(CRP)、急性相反応物質及び根底にある全身性の炎症の指示薬である。CRPは、動脈血栓疾患のための新規血漿マーカー及び冠血管疾患の予知物質である(Rost NS, et al. Stroke 2001; 32: 2575-79)。
最近、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体ペプチド及びそれらの抗体が、脳虚血及び脳卒中の根底にある神経毒性のバイオマーカーとして提案されている(Dambinova SA, et al. Stroke 2002; 33: 1181-1182; Dambinova SA, et al. Clin Chem 2003; 49:1752-1762)。NMDA受容体は脳に特有のものである。ニューロン死又は虚血により、NMDA受容体のペプチド断片が切断され、血流中に出現し、そして抗体反応を生じる。該ペプチド断片及び抗体はどちらも血液サンプル中に検出されることができる(Dambinova SA, et al. Stroke 2002)。急性虚血性脳卒中に罹った成人患者では、脳のスキャン(MRI)における脳損傷量並びに患者の神経認知状態と相関するNMDAペプチド及び/又は抗体の血中レベルが上昇した(Dambinova SA et al. Clin Chem 2003; 49:1752-1762)。
潜在的な診断及び予後判定能力を有する特異的バイオマーカーの日常的な応用は、手術、特に心肺バイパス(CPB)を含む心臓手術を受ける冠血管及び脳血管疾患患者の管理及び治療結果を多いに改善することができた。脳の合併症は、心肺バイパスを伴う心臓手術後の死亡率及び能力障害の主要原因を代表する。脳卒中の発生率は、術中期間の間、1〜5%の範囲にあり(Gardner TJ, et al. Ann Thorac Surg 1985; 40: 574-581; Murkin JM et al. J Thorac Cardiovasc Surg 1995; 110:349-362; Roach GW, et al. N Engl J Med 1996; 335:1857-1863; Libman RB, et al. Arch Neurol 1997; 54:83-87; Carrascal Y, et al. Eur Neurol 1999; 41:128-134)、その発症は死亡率の増加と関連している(Roach GW et al. N Engl J Med 1996; 335:1857-1863; Carrascal Y et al. Eur Neurol 1999; 41:128-134)。脳卒中は明白な合併症であるが、神経認知障害及び錯乱はより微妙な合併症である。術後ケアに対する神経認知障害の影響及びかかる障害による長期の入院に関連する費用は莫大である。
全搬的な脳虚血は、冠血管障害と関連し、そして神経認知能力及び神経学的合併症の悪化に大いに寄与する。多数の研究が、一連の神経認知テストを用いて、しばしば心臓手術後の小さな神経生理学的障害を報告している(Murkin JM et al. J Thorac Cardiovasc Surg 1995; 110:349-362; Shaw PJ, et al. QJ Med 1987;239:259−268;McKhann GM, et al. Ann Throrac Surg 1997; 63: 510-515; McKhann et al. Lancet 1997; 349:1282-1284)。しかしながら、神経認知テストのみでは、心臓手術による神経学的有害事象を予測することはできない。
術前リスクファクター及び手術手順に関連したメカニズムに基づいて、心臓手術に関連する脳障害決定因子を定義することは、かかる手順によるリスクを減少させ、そして患者の予後を改善するために重要である。心臓手術による脳損傷は、現在、術前及び術後の臨床的及び神経心理学的評価を比較することによって、又は形態学的変化を検出するために画像処理技術(CT又はMRI)を用いることによって遡及的に評価される。あいにく、神経心理学的評価は、時間、熟練したスタッフ及び患者の協力を必要とする。さらに、神経画像診断(特にMRI)は、非常に費用がかかりそして術後期間にある患者にとってストレスが多くそして危険であるかもしれない。脳傷害を検出し、そしてさらなる脳傷害を予測することのできる生化学マーカーは、かなりの実用的価値を有するであろう。
発明の目的
本発明の1つの目的は、一過性脳虚血発作(TIA)、脳卒中及び神経認知障害を含む、計画された手術による神経学的有害事象の危険性を、手術開始前に、ヒト血液又は他の体液中で検出可能なバイオマーカーを用いて正確に予測することである。
本発明の他の目的は、既存の冠血管又は脳血管の損傷或いは慢性の虚血ストレス、又は糖尿病を有する患者を含む、虚血により誘発された有害な神経学的事象のリスクを特に有する患者における計画された手術によるかかる有害な神経学的事象のリスクを評価することである。
本発明のさらに他の目的は、手術の前、その間及びその後に、治療計画のモニタリング及び脳虚血により引き起こされた損傷に対する神経保護療法を含む、手術による神経学的有害事象のリスクを減少させるための介入戦略のより効果的な選択を可能とすることである。
発明の要約
患者の血流中のNMDA受容体ペプチド及び抗体の存在及び量に基づいて、手術による神経学的有害事象に患者がかかるリスクを評価するための方法及びキットが提供される。NMDA受容体ペプチド及び抗体についての臨床的な所定のカットオフは、我々が、手術前の成人患者におけるTIA及び脳卒中を含む神経学的有害事象のリスクの評価のための、これらのペプチド及び抗体の試験の高性能特性及び臨床的有用性を実証することを可能とする。術前及び術後のNMDAペプチド及び抗体分布の分析は、これらのマーカーが神経学的合併症について、単独で並びにMMSE(Mini-Mental Status Exam)成分スコアを組み合わせた場合にも高い予測価値を有することを示した。この試験の結果に基づいてかかるリスクを管理しそして減少させるための診断的及び治療的方法も開発されている。
NMDA受容体のNR2A及びNR2Bサブユニット、特にNR2A及びNR2BサブユニットのN-末端ドメイン由来のペプチド断片の血中レベルは、本発明の方法において特に好ましく、そして手術による神経学的有害事象の可能性を予測するための驚くべき正確性を有する。心肺バイパス手術を受ける患者における脳卒中又はTIAの発生率を測定した、前向きの盲検多施設臨床試験において、該方法は、2.0ng/ml超の抗体が患者の血清中に存在する場合、脳卒中又はTIAにかかるであろう96.2%の患者、そして2.0ng/ml未満の抗体が患者の血清中に存在する場合、脳卒中又はTIAにかからないであろう95.6%の患者を予測することができた。対照的に、心臓手術における神経学的結果についての潜在的なバイオマーカーとして広く研究されてきたカルシウム制御タンパク質、S100Bは、TIA又は脳卒中にかかるか又はかからないであろう患者を予測するための有意義な能力を有さなかった。アテローム血栓性疾患のためのマーカー及び脳血管疾患の予測物質としても報告されたCRP(C-反応性タンパク質)も、TIA又は脳卒中にかかるか又はかからないであろう患者を予測するための有意義な能力を有さなかった。
したがって、1つの実施態様において本発明は、手術前の見かけ上健康なヒト対象における脳卒中のリスクの評価を支援するための方法であって、以下の:(a)ヒト対象から試験サンプルを得て;(b)NR2抗原、NR2抗体またはその組み合わせの存在又は量について該試験サンプルを分析し;及びステップ(b)の結果を対応するNR2抗原又はNR2抗体の基準量あるいはその組み合わせと比較することを含み、ここで、対応する基準量は、見かけ上健康なヒト対象集団に由来する、上記方法を提供する。
TIA又は脳卒中の許容できないリスクが観察された場合、本発明はさらに、かかるリスクを管理し又は減少させるためのモニタリング計画及び神経保護的治療を提供する。たとえば、危険なレベルのNMDA受容体ペプチド又は抗体が観察された場合、患者は、さまざまな抗血小板剤、抗凝固剤、脂質低下剤、(高い血圧が観察された場合には)血圧治療剤、及び外科的介入を含む、循環系にとって有益でありかつ脳卒中のリスクを減少させることが知られているさまざまな薬物を摂取することができる。或いは又はさらに、手術の直前、手術中または手術の直後を含む追加の1回以上、NR2レベルがモニターされる、厳密なモニタリング計画が設けられることができる。
本発明のさらなる利益は、部分的に以下に記載され、そして部分的に該記載から明らかとなるか、又は本発明の実施によって会得されるかもしれない。本発明の利益は、添付された請求項において特別に指摘された要素及び組み合わせによって認識されそして達成されるであろう。上記の一般的記載及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明のみのためであり、権利請求された本発明を制限するものと理解されてはならない。
発明の詳細な説明
本発明は、以下の本発明の好ましい実施態様の詳細な説明及びそこに含まれる実施例を参照することによってより容易に理解されることができる。
用語の定義及び使用
この明細書及び付随する請求項において使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを明示しない限り、複数のものを含む。したがって、例えば、「断片」への言及は複数の断片の混合物を含み、「cDNAオリゴヌクレオチド」への言及は1つ以上のオリゴヌクレオチドへの言及を含む。
NMDA受容体は、優先的にN-メチル-D-アスパラギン酸に結合し、そして脳内の興奮性神経伝達の大部分を仲介するリガンド開口型イオンチャンネルのファミリーの一つである(Dingledine R et al., Pharmacol Rev. 1999 Mar;51(1):7-61)。受容体は、異なる薬理学的機能を発揮するNR1、NR2A、NR2B、NR2C、NR2D及びNR3Aとして文献中に報告された、数種のサブユニットを含む。GenEMBL寄託番号は、NR1(X58633)、NR2A(U09002)及びNR2B(U28861)について報告されており、DambinovaのPCT国際特許出願公開第WO02/12892号に記載されている。「脳」NMDA受容体は、脳外のヒトの体の器官にのみ存在するNMDAに対して、脳内に存在する受容体をさす。
NMDA受容体ペプチドは、完全長NMDA受容体タンパク質、天然の完全長NMDA受容体のペプチド断片、又はそのアナログ、誘導体、断片又は組換えによる(a/k/a組換え)その複数の断片をさす。NR2ペプチドは、その断片、アナログ、誘導体及び組換え断片に加えて、完全長NR2A、NR2B、NR2C及びNR2Dサブユニットを含む。NR2A、NR2B、NR2C又はNR2Dペプチドは、完全長の天然NR2A、NR2B、NR2C又はNR2Dペプチドサブユニット或いはその断片、アナログ、誘導体又は組換え断片を意味する。NR2A及びNR2BペプチドのN-末端ドメインは、DambinovaのPCT国際特許出願公開第WO02/12892号に記載のとおり、完全長NR2A及びNR2Bサブユニットのアミノ酸N-末端ドメイン断片、或いはその断片、アナログ、誘導体又は組換え断片をさす。
循環するNMDA受容体ペプチドは、血液脳関門を横切って全身の血液循環に入るNMDA受容体ペプチド及び血流中で生じたその断片をさす。特に好ましい循環するNMDA受容体ペプチドは、NR2A及びNR2Bサブユニットに共通する1つ以上の断片配列を含むものである。該ペプチドは、かかる一つの配列、或いは未変性のNR2ペプチド骨格上の離れた位置に存在する2つ以上のかかる配列であって、インビボ又はインビトロで1つの連続的な断片に組換えられるものを含んでよい。
ペプチドの「アナログ」は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、付加又は再配置を含むペプチドを意味する。例えば、タンパク質生化学の分野においては、特別なサイズ又は(電荷、疎水性及び親水性などの)特性を有するアミノ酸群に属するアミノ酸が、しばしば、特に生理活性と直接関連しないタンパク質の領域において、タンパク質の活性を変化させることなく他のアミノ酸に置換されうることがよく知られている。したがって、NMDAペプチドのアナログは、アミノ酸置換、欠失、付加又は再配置を、該アナログに対する抗体がNMDAペプチドについても特異的であるような部位において含む場合、本発明において有用である。
反対に記載されない限り、本明細書中で使用されるNMDAアナログは、天然のNMDAと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有する配列をさすが、それは少なくとも85%、90%又は95%の同一性を含むこともできる。アミノ酸同一性は、アナログと天然のNMDAの間のアナログ比較によって定義される。2つのアミノ酸配列は、それらの配列の長さにそって共通するアミノ酸の数を最大にするように整列され;共通のアミノ酸の数を最大にするために、整列の作成においてどちらか又は両方の配列中にギャップが許容される。アミノ酸同一性のパーセンテージは、以下の2つの数;(1)整列によって2つのペプチドが共有するアミノ酸の数をNMDAアナログ中のアミノ酸数で除して、100をかけた数、又は(2)整列によって2つのペプチドが共有するアミノ酸の数を天然のNMDAペプチド中のアミノ酸数で除して、100をかけた数のうちのより高いものである。
NMDA誘導体は、天然のNMDA並びにアセチル化、水酸化、メチル化、アミド化、リン酸化若しくはグリコシル化などによる側鎖の修飾、骨格の修飾並びにN-及びC-末端の修飾を含む、化学的若しくは酵素的に1つ以上の構成アミノ酸において誘導体化されたNMDAアナログ並びにその断片を含む。該用語はまた、亜鉛NMDA及びアンモニウムNMDAを含むNMDAの塩も含む。
タンパク質又はペプチドは、該タンパク質又はペプチドに対する自己抗体、同じタンパク質又はサブユニット由来の他のペプチド断片或いは該タンパク質又はペプチドの発現に関連するcDNAなどの該タンパク質又はペプチドのいくつかの他の間接的な測定に対して、該タンパク質又はペプチド自体が生物学的サンプル中で測定されるという意味で「直接的に」測定される。
「抗体」という用語は、「イムノグロブリン」と同義語である。本明細書中で使用される「抗体」という用語は、未変性の抗体、モノクローナルに生成された抗体、ポリクローナルに生成された抗体、組換えDNA抗体、そして、Fab’、F(ab’)2又はFv並びに単一ドメイン及び単鎖抗体などの生理活性を有する抗体誘導体を含む。抗体の生理活性を有する誘導体は、それが特定の抗原に結合する能力を保持する限りこの定義に含まれる。したがって、NR2抗体は、少なくとも1つのNR2ペプチドに結合する能力を有する。
考察
1つの実施態様において、本発明は、見かけ上健康なヒト対象における脳卒中のリスクを、手術前に評価することを助ける方法であって、以下の:(a)該ヒト対象から試験サンプルを得て;(b)該得られた試験サンプルを、NR2抗原、NR2抗体又はその組み合わせの存在又は量について分析し;そしてステップ(b)の結果を対応するNR2抗原又はNR2抗体の基準量あるいはその組み合わせと比較することを含み、ここで、該対応する基準量が見かけ上健康なヒト対象の集団から得られる、上記方法を提供する。言い換えれば、本発明は、手術による神経学的有害事象を予測する方法であって、以下の:(a)手術を予定しているヒト患者を提供し;(b)循環する脳NMDA受容体ペプチドの初期レベルを該患者の体液から測定し;そして(c)上記レベルを手術による神経学的有害事象にかかるリスクと相互に関連付ける、を含む上記方法を提供する。
患者が試験され、そして彼又は彼女の血流中にNMDA受容体ペプチド又は抗体の危険なレベルを有する場合、手術前及び手術中に該患者をさらに数回試験することが好ましい。さらに、患者はしばしば手術のすぐ後までは神経学的有害事象にかかることはないため、これらの患者を手術後の以下の:1時間、3時間、6時間、12時間、24時間、3日、7日、又は30日のうちの1つ以上の期間内にさらに1回以上試験することが好ましい。したがって、1つの実施態様においては、本発明はさらに、以下の:(a)上記手術後に上記患者における循環する脳NMDA受容体ペプチドのその後のレベルを測定し;(b)上記初期及びその後のレベルの間に相違があるか否かを決定し;そして(c)上記初期及びその後のレベルの間の相違を、発生しているか又は近い将来発生しそうである神経学的有害事象と相互に関連づける、を含む。
上記方法は、手術を予定している成人又は子供において実施可能であり、特に重要な実施態様においては、神経学的続発症の特別なリスクを有する新生児患者又は幼児において実施される。該方法は、糖尿病、アテローム動脈硬化、高血圧の病歴を有するか、又は以前にTIA又は脳卒中が疑われたか又は確認された患者などの既に神経学的事象にかかることが前提である患者を評価する場合に特に有用である。該方法は、神経学的有害事象のリスクを予測するために、手術前にMMSA試験とともに使用されることもできる。見当識、注意及び想起についての手術前のMMSA成分スコアの減少は、手術のすぐ後の錯乱及び脳血管事象と関連している。
本発明によって予測可能な神経学的事象のタイプは、一般に、脳虚血及び特に(脳内で血管が破裂するときに起こる出血事象とは対照的に)脳への不十分な酸素供給により引き起こされる虚血事象によって誘発される。これらの事象は、脳卒中又はTIAにおいて起こるように脳の特別な領域に集中することができ、又はせん妄において起こるように全体的なものである。神経学的有害事象はしたがって、錯乱に特徴を有するか又はTIA又は虚血性脳卒中として診断されることができる。(貧血などの一定の血液障害におけるように)患者の健康状態によって酸素供給は障害をうけることができるが、より一般的には、手術によって引き起こされるであろう。神経学的有害事象は、該事象が手術中または手術完了後30日以内に発生する場合には、手術「による」と言われるが、生じた有害事象は所望により7日、3日、2日又は1日という時間枠内で確認されることもできる。
本発明の予後判定方法は、任意のタイプの手術による神経学的有害事象のリスクを予測することができるが、脳への酸素の流れを一時的に遅くするか又は止める外傷手術において最も有益である。例えば、該方法は、手術中のミクロ又はマクロ塞栓、異常な脳環流、再環流傷害又は炎症若しくは神経液性の反応を引き起こす、正常な血液循環を閉塞するか又は遮断する任意の循環器手段の前に実施されるべきである。本発明は特に、心肺バイパスが実施される場合に神経学的有害事象の発生を予測することにおいて有用である。
試験方法は、任意の循環するNMDA受容体ペプチドの測定に基づいて実施されることができ、そして任意の直接的又は間接的測定技術を用いて実施されることができる。したがって、例えば、循環するペプチドのレベルは該ペプチドに対する抗体、該ペプチドをコードするCDNAの発現を間接的に測定することによって、又はペプチド自体を測定することによって測定可能である。したがって、1つの実施態様において本発明は、上記体液を固定化された抗体又はその断片(すなわち、プレート又はビーズ又は小粒子などの担体に結合したもの)と接触させ、そして1つ以上の循環する脳NMDA受容体ペプチドのレベルを直接的に測定することによって上記レベルが測定される方法を提供する。他の実施態様において本発明は、上記体液と固定化された脳NMDA受容体ペプチドを接触させ、そして上記固定化ペプチドに結合する抗体のレベルを測定することによって上記レベルが測定される方法を提供する。
さらに、NMDA受容体のさまざまなサブユニット及び断片が優先的に測定されることができる。例えば、該方法は、NR2Aペプチド又はNR2Bペプチドを測定することによって実施されることが好ましく、その両方を測定することによって実施されることがさらに好ましい。1つの好ましい実施態様において、該方法は、未変性のNR2A及びNR2B配列に共通する1つ以上のペプチド配列、未変性のNR2A及びNR2B配列のN-末端ドメインに共通する1つ以上のペプチド配列、又はその抗体を測定することによって実施される。他の好ましい実施態様においては、脳NMDA受容体のNR2A及びNR2BサブユニットのN-末端ドメインの2、7及び14kDa断片を含む循環するペプチドが本発明の方法において測定される。
上記方法は、血液、尿、血漿、血清、脳脊髄液、唾液、汗又は脳組織を含む、循環する脳NMDA受容体又はかかる受容体のマーカーが発現されるか或いは見出される任意の体液を用いて実際に実施されることができる。好ましい実施態様においては、上記体液は血漿又は血清であり、より好ましい実施態様においては血漿又は血清は約1:50の比率に希釈される。
好ましい実施態様においては、ペプチドレベルの所定のカットオフに基づいてリスク評価が行われる。したがって、例えば、2.0、1.8、1.5又は1.0ng/ml超の血漿又は血清中のNR2A/B N-末端ドメイン抗体のレベル或いは200、100又は50pg/ml超のNR2A/B N-末端ドメイン循環ペプチドに相当するNMDAのレベルは、手術を受ける患者における神経学的有害事象を驚異的に予測する。対照的に、2.0、1.8、1.5又は1.0ng/ml未満の血漿又は血清中のNR2A/B N-末端ドメイン抗体のレベル、又は200、100、又は50pg/ml未満のNR2A/B N-末端ドメイン循環ペプチドに相当するNMDAのレベルは、神経学的有害事象が手術中に発生しないということを驚異的に予測する。好ましい抗体カットオフは2.0ng/mlである。
本明細書中の実施例において報告された前向きの臨床試験においては、手術前にペプチド/抗体試験で陽性(それぞれ、>200pg/ml及び≧2.0ng/ml)であった患者は、試験で陰性(<2.0ng/ml)であった患者よりもほぼ18倍、術後に神経学的事象を経験しやすかった。臨床試験によれば、女性は男性よりも高い神経学的合併症のリスクを示し、神経学的有害事象は年配(>70歳)のヒトの間でより一般的であった。さらに、上昇したNR2抗体(>2ng/ml)及びペプチド(>200pg/ml)濃度と増加したNIHSSスコアの組み合わせは、手術を受ける患者においてTIA/脳卒中を予測することが示された。しかしながら、手術前のNIHSSのみでは、神経学的有害事象を予測しなかった。
試験結果に基づいて、手術が予定通りに進行するように神経学的有害事象のリスクを減少させるために、さまざまな投薬計画が実施可能である。例えば、患者が手術による神経学的有害事象にかかるリスクがある場合、該方法はさらに、(i)上記患者に神経保護療法を投与する、又は(ii)神経学的有害事象のリスク又は発生をモニタリングするためのモニタリングプログラムを実施する、を含んでよい。神経保護療法は、抗血小板剤、抗凝固剤、脂質低下剤及び血圧降下剤などの薬物投与計画を含む。或いは、患者が手術による神経学的有害事象にかかるリスクがある場合、該方法はさらに、場合により、上記患者をMRIによって定義される新たな梗塞域について分析し、そして頚動脈内膜切除術、直接の動脈内膜切除術、血管形成術、及びステント設置、頭蓋内外血行再建術、及び椎骨動脈転位術などの、神経外科手術又は血管手術を該患者に実施することを含む。
該方法は、免疫沈降法(IP)、間接免疫蛍光法(IIF)、イムノドット及びイムノブロッティング(IB)(ウエスタンブロット)、直接的又は間接的酵素免疫法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、向流免疫電気泳動(CIE)、フローサイトメトリー(FC)、ラテックス凝集、側方流動、蛍光偏光法、又はマイクロアレイを含む、任意の数の知られた診断技術を用いて実施可能である。1つの特別な実施態様においては、本発明は、NMDAペプチドマーカーの捕捉及び測定のための固定化された固相を用いて実施される。本発明はしたがって、手術による神経学的有害事象を予測する方法であって、以下の:(a)手術を予定しているヒト患者を提供し;(b)該患者由来の生物学的サンプルを、NR2ペプチド又はNR2抗体を含む固定化された固相と、該NR2ペプチド又は該NR2抗体と上記生物学的サンプル中のNR2抗体又はNR2ペプチドとが複合体を形成するのに十分な時間接触させ;(c)上記複合体を、シグナルを発生する化合物に結合した指示薬と接触させてシグナルを生成し;(d)発生した上記シグナルを測定し;(e)発生したシグナルを上記サンプル中のNR2ペプチド又はNR2抗体のレベルと相互に関係付け;そして(f)上記サンプル中のNR2ペプチド又はNR2抗体のレベルを神経学的有害事象のリスクと相互に関連付ける、を含む方法を提供する。好ましい実施態様において、指示薬はホースラディッシュペルオキシダーゼに結合したニワトリ抗ヒト抗体又は抗ヒトIgGを含む。
好ましい実施態様においては、固相はポリマーマトリックスである。より好ましくは、ポリマーマトリックスはポリアクリレート、ポリスチレン、又はポリプロピレンである。1つの好ましい実施態様においては、固相はマイクロプレートである。他の好ましい実施態様においては、固相はニトロセルロース膜または荷電したナイロン膜である。
他の実施態様においては、上記方法は、凝集を用いて実施される。この実施態様においては、本発明は、手術による神経学的有害事象を予測する方法であって、以下の:(a)手術を予定しているヒト患者を提供し;(b)上記患者由来の生物学的サンプルを、NR2ペプチド又はNR2抗体と上記生物学的サンプル中のNR2抗体又はNR2ペプチドとの間で凝集複合体を形成するのに十分な時間、NR2ペプチド又はNR2抗体を含む凝集担体と接触させ;(c)上記凝集からシグナルを生成し;(d)上記シグナルとNR2ペプチドの1つ以上のマーカーのレベルを相互に関連付け;そして、(e)上記サンプル中の上記NR2ペプチド又はNR2抗体を神経学的有害事象のリスクと相互に関連付ける、を含む方法を提供する。好ましい実施態様においては、「十分な時間」は、30、20、15又はさらに10分未満である。
ラテックス凝集アッセイは、本明細書中に参考文献として援用されている、Molecular Probes: Techniques and Medical Applications, A. Albertini et al., eds., Raven Press, New York, 1989 中のBeltz, G.A. et al.,中に記載されている。ラテックス凝集アッセイにおいては、特定のバイオマーカーに対する抗体がラテックス粒子上に固定化される。一滴のラテックス粒子が試験される血清の適切な希釈液に添加されて、穏やかにカードを揺らすことによって混合される。十分なレベルのバイオマーカーを含まないサンプルでは、ラテックス粒子は懸濁液中に留まり、そして滑らかで乳状の外観を保持する。しかしながら、抗体と反応性のバイオマーカーが存在する場合、ラテックス粒子は、凝集して目視により検出可能な凝集物となる。
凝集アッセイは、ゼラチン、赤血球、ナイロン、リポソーム、金粒子などのラテックスビーズ以外の好適な粒子上に対応する抗体が固定化され、バイオマーカーを検出するために使用されることもできる。アッセイ中の抗体の存在は、沈降反応に類似した凝集を引き起こし、これは次に、比濁法、濁度法、赤外分光光度法、目視検査、比色法などの技術によって検出される。
ラテックス凝集という用語は、本明細書において、検出可能な凝集の形成に基づく任意の方法を総称的にさすために使用され、免疫吸着基質としてのラテックスの使用に限定されない。凝集のための好ましい基質は、ポリスチレン及びポリプロピレン、特にポリスチレンなどのようにラテックスベースであるが、他の周知の基質はガラス、紙、デキストラン、及びナイロンから形成されるビーズを含む。固定化された抗体は、アミド又はエステル結合を介する共有結合、イオン吸引、又は吸着などの技術によって、共有結合により、イオンにより、又は物理的に固相免疫吸着剤に結合することができる。当業者は、抗体を結合させるための、他の多くの好適な担体を知っているか、又は日常的な実験を用いてそれを確認することができるであろう。
本発明において使用するための抗体を調製するために慣用方法が使用可能である。例えば、NMDAタンパク質のペプチドを使用することによって、標準的な方法を用いてポリクローナル抗血清又はモノクローナル抗体が作製可能である。(マウス、ハムスター、又はウサギなどの)哺乳動物が、該哺乳動物において抗体反応を誘発する(好ましくはNR2A及び/又はNR2B受容体、NR2A及び/又はNR2B受容体の抗原決定基、あるいはそのアナログまたは誘導体である)ペプチドの免疫原形態によって免疫化されることができる。ペプチドに免疫原性を付与するための技術は、担体への結合又は本分野で周知の他の技術を含む。例えば、ペプチドがアジュバントの存在下で投与されることができる。免疫化の進行は、血漿又は血清中の抗体力価の検出によってモニター可能である。標準的なELISA又は他のイムノアッセイ手順が、抗体のレベルを評価するための抗原としての免疫原とともに使用されることができる。免疫化に続いて、所望により抗血清が投与されることができ、血清からポリクローナル抗体が単離される。
モノクローナル抗体を作製するために、抗体産生細胞(リンパ球)が免疫化された動物から採取され、そして標準的な体細胞融合手順によって骨髄細胞と融合され、こうしてこれらの細胞を不死化しそしてハイブリドーマ細胞を得る。かかる技術(例えば、もともと、Kohler and Milstein(Nature 256, 495-497)(1975)により開発されたハイブリドーマ技術)、並びにヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al.,Immunol. Today 4, 72(1983))、ヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBV-ハイブリドーマ技術(Cole et al., Monoclonal Antibodies in Cancer Therapy(1985) Allen R. Bliss, Inc., pages 77-96)及びコンビナトリアル抗体ライブラリーのスクリーニング(Huse et al., Science 246, 1275 (1989))などの他の技術は、本分野において周知である。ハイブリドーマ細胞は、ペプチドと特異的に反応する抗体の産生について免疫化学的にスクリーニングされることができ、そしてモノクローナル抗体が単離されることができる。したがって、本発明は、本明細書に記載のNR2A、又はNR2B NMDAタンパク質又はその断片に対する特異性を有するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞も考慮する。
1つの実施態様においては、該方法は、ヒト血液から精製された抗体又はペプチドに基づいて工場で較正されたキットを用いて実施される。したがって、他の実施態様に置いて本発明は、以下の条件下で実施される:(a)上記体液中のNR2抗体又はペプチドレベルが診断キットを用いて測定され;(b)該診断キットは結合したNR2ペプチド又は抗体を含み;そして(c)該キットは、ヒト血液から精製したイムノグロブリンG分画又はペプチドを含む抗体又はペプチド標準品に対して製造される。
さらに、本発明は、商業的に入手可能なケミルミネッセンス技術を用いて実施可能である。例えば、該方法は、一定量の2種類のモノクローナル抗体を用いる直接的ケミルミネッセンス技術を用いるツーサイト(two-site)サンドイッチイムノアッセイを利用可能である。液体試薬中の第一抗体はペプチドの第一の部分に特異的な、アクリジニウムエステル標識した抗ヒトNMDA受容体ペプチドBNPマウスモノクローナル抗体F(ab')2断片であることができる。固相中の第二抗体は、ペプチドの他の部分に特異的な、ストレプトアビジン官能化磁性粒子に結合することのできる、ビオチン化抗ヒトマウスモノクローナル抗体であることができる。免疫複合体は、患者サンプルと2つの抗体を混合することによって生成される。いかなる未結合の抗体コンジュゲートも洗い流されたあと、免疫複合体シグナルのケミルミネッセンスがルミノメーターを用いて測定されることができる。
自己抗体のレベルを測定するための本発明の免疫吸着剤は以下のように製造されることができる。好ましくは共有結合又はイオン結合によって、ポリスチレン又はニトロセルロースなどの好適な担体上に受容体タンパク質の断片が固定される。免疫学的試験のための標準的なポリスチレンプレートが使用される場合、それは最初にニトロ化手順に供され、それによって遊離のニトロ基がプレート表面上に形成され、これがアミノ基に還元され、リンカーとして働くグルタルジアルデヒドにより活性化される。このようにして活性化されたプレートは次に、固定化を確実にするのに十分な時間及び温度(すなわち、4℃で約16時間)で受容体タンパク質の各免疫原性断片を化学的に固定する目的で、約2〜50nMの標的ペプチドとともにインキュベートされる。
受容体タンパク質の各断片をニトロセルロース条片上にイオン性相互作用によって固定することによって、免疫吸着剤を製造することも実行可能である。哺乳動物の脳から単離された受容体タンパク質の各断片がニトロセルロースに適用され、そして37℃で15分間インキュベートされる。そして、Tween-20の0.5%溶液でニトロセルロースを洗浄し、得られた免疫吸着剤は室温で乾燥され、そして乾燥した場所に1年間保存される。
以下の実施例は、当業者に完全な開示並びに本明細書中に権利請求された化合物がどのように製造され、及び評価されるかについての記載を提供するように提示され、並びに本発明の純粋な例示であることを目的とし、そして発明者らがかれらの発明であると考えるものの範囲を制限することを目的とするものではない。(量、温度などの)数値に関する正確性を確実にするために努力が払われたが、いくらかは誤差及び偏差が占めるはずである。特記されない限り、部分は重量部で、温度は℃で表されるか又は室温であり、そして圧力は大気圧又はその付近のものである。
実施例1.NMDAペプチド試験
好ましいNR2ペプチド試験は、血中のNR2ペプチドの定性的測定のためのラテックス凝集イムノアッセイである。血液サンプルをラテックスビーズに結合させた抗体と混合し、10分以内に凝集を目視により検出する。試験装置のサンプルポートに血液サンプルを添加後、赤血球をフィルターによって血漿から分離する。所定量の血漿が毛管作用によって反応チャンバー中へ移動し、ここでラテックス試薬(抗体でコーティングされたラテックスビーズ)と反応して、目視により検出可能な複合体を形成する。本明細書中に報告した実施例において、試験は、100〜5000pg/mlの標準物質の組、並びに「低」(200pg/ml未満)及び「高」(1000pg/ml)値のNR2ペプチドを含む基準物質を使用する。
実施例2.NMDA抗体試験
NR2抗体アッセイ(CIS-LA抗体試験)の迅速なアッセイは、ラテックス凝集技術に基づく。CIS-LA抗体アッセイは、反応を目視により検出するための拡大装置を組み込んだ、3連の凹面スライドガラスを使用し、即時の「イエス」又は「ノー」という応答を提供する。このアッセイにおいては、血清サンプルを着色したラテックス粒子に結合させたNR2ペプチドと混合し、そして組み込んだ拡大装置を介して凝集を目視により2〜5分以内に検出するか又はネフロメーターを用いて示す。患者サンプル中のIgG濃度は、0〜100ng/mlの標準物質の組による較正曲線及び「低」(2.0ng/ml未満)及び「高」(6ng/ml)値のNR2抗体を含む基準物質によって、ng/mlで表す。
実施例3.成人手術患者におけるNR2抗体の評価
CPB手術を予定している30人の成人患者を、術前及び術後24時間及び術後48時間で、血清中のNR2抗体レベルについて評価し、そして有害事象を記録した。結果を以下の表1に表す。
Figure 2008528974
実施例4.術中及び術後のNR2ペプチド及び抗体の評価
米国において毎年、32,000人(125〜150人に一人)を越える幼児が先天性心疾患をもって生まれる。JT患者(2004年6月25日生まれ)はCPBを用いて先天性心疾患を修復するための手術を2004年12月7日に受けた。精神的及び運動的能力を評価する神経発達スコア(Mullen Scales of Early Learning, MSEL)で術前に評価し、以下の表2に示す。この幼児は、スコアが低く、そして視覚、言語能力の低下及び運動の欠陥を示した。
Figure 2008528974
JT患者の血液中のNR2ペプチド/抗体のモニタリング結果を表3に示す。異常に高いレベルのペプチド及び抗体を、挿管からCPBの終わりまで検出した。正常の術前NR2ペプチド/抗体よりも高いデータは、術前MSELスコアと良い相関を示し、そして脳損傷とCPBによる神経学的有害事象を確認した。年齢を合わせた先天性心疾患を持たない幼児の対照群(n=7)は、0.2〜0.4ng/mlのNR2ペプチド及び0.4〜0.8ng/mlのNR2抗体を有した。
Figure 2008528974
実施例5.CIS-LA抗体試験の性能特性
表4は、神経学的有害事象の可能性を予測するための術前のNR2抗体レベルの能力を評価するためにCPB患者において行われた試験の結果を表す。結果は、患者血清中のNR2レベルの異なるカットオフについて示し、そして術後の有害事象の存在の有無に基づいてさらに再分割する。CBP手術後28日以内に、9よりも大きなNIHSSスコアに基づいて錯乱、TIA、又は脳卒中が検出された場合、患者は神経学的有害事象にかかったとみなした。いかなる神経学的事象にもかからなかった患者は「神経事象なし」の群に割り当てた。
Figure 2008528974
表5は、1.5〜2.0ng/mlのNR2抗体濃度のための6つの異なるカットオフの詳細な分析を提供し、そして神経学的有害事象の予測における各カットオフの有効性を示す。両群において1.5〜2.0のカットオフにおいて事象の発生率は増加するが、それは「神経事象」群においてより急速に増加した。したがって、分析した範囲にわたって、リスク比率は顕著に増加し、最高のリスク比は2.0ng/mlに相当した(Clin Chem, 2003)。術前に2.0ng/ml以上のNR2抗体濃度を有する患者の96.0%(24/25)がCPB後48時間以内に神経学的合併症を有したのに対して、2.0ng/ml未満のNR2抗体濃度を有する患者ではわずか5.4%であり、術後の神経学的有害事象を予測するためのマーカーの能力が17.9倍増加した(95%CI、11.6〜27.6)。
Figure 2008528974
現在、心臓手術を受ける患者の少なくとも30%が神経認知障害を術後に有する。得られた17.9の神経事象の可能性の比率に基づいて、術前に検出された2.0ng/mlを超えるNR2抗体濃度は、患者の89%において術後の神経学的合併症を予測するだろう。
図1は、NR2試験のデータに基づく3つのROC曲線をあらわす。術前NR2抗体についての曲線の下側の面積は、NR2抗体マーカーが、術前に神経学的有害事象の高い予測能力(AUC=0.814)を有することを示す。
実施例6.NR2抗体の分布の術前及び術後の分析
CPB前のNR2抗体マーカーのTIA/脳卒中についての高い適中率を図2に図示する。有害事象を有さない患者(神経コード0)からの血清サンプル中のNR2抗体濃度は試験中にすべての時点において2.0ng/mlのカットオフ未満にとどまった。対照的に、神経学的有害事象を有する(NIHSSスコアが9超)ほとんどの患者は、術前、手技後24時間及び48時間において、2.0ng/mlのカットオフより高いNR2抗体値を有した。
術前、術後24時間及び48時間の患者群におけるNR2抗体分布の詳細な分析は、NR2抗体が術前に神経学的合併症を有する患者を確実に明らかにすることができるが、神経学的合併症を有さない患者はカットオフ未満のNR2抗体値を有することを示した。NR2抗体バイオマーカーは、術後24時間におけるNIHSSスコアの減少(すなわち悪化)に対して敏感であった。
結論
この出願全体を通じて、さまざまな刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は全体として、本発明が属する分野の水準をより完全に記述するために本出願中に参考文献として援用される。当業者には、本発明の精神の範囲を離れることなくさまざまな改変及び変更が本発明においてなされうることが明らかとなるであろう。本発明の他の実施態様は、明細書及び本明細書に開示された発明の実施を考慮することによって明らかとなるであろう。以下の請求項によって示される本発明の真の範囲及び精神とともに、明細書及び実施例は例示のみとして考慮されることを目的とする。
(原文記載なし)

Claims (19)

  1. 手術前の見かけ上健康なヒト対象における脳卒中のリスクの評価を支援するための方法であって、以下の:
    (a)前記ヒト対象から試験サンプルを得て;
    (b)NMDA受容体ペプチドまたは抗体あるいはその組み合わせの存在又は初期レベルについて前記得られた試験サンプルを分析し;
    (c)ステップ(b)の結果を、対応するNMDA受容体ペプチドまたは抗体あるいはその組み合わせの基準量と比較し、ここで、該対応する基準量は、見かけ上健康なヒト対象集団に由来する、
    を含む、前記方法。
  2. さらに、以下の:
    a)神経学的有害事象についての1つ以上のさらなるリスクファクターの存在の有無について前記患者を評価し;そして
    b)前記1つ以上のさらなるリスクファクターの存在の有無を、手術による神経学的有害事象に罹る前記リスクと相互に関連付ける;
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が手術による神経学的有害事象にかかるリスクを有する場合、さらに、以下の:
    i)前記患者に神経保護療法を投与するか、又は
    ii)神経学的有害事象のリスク又は発生をモニタリングするためのモニタリングプログラムを実施する、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記患者が手術による神経学的有害事象にかかるリスクがある場合、さらに、
    前記患者をMRIによって定義される新たな梗塞域について分析し、そして該患者に神経外科手術を実施する、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記神経学的有害事象が、限局性の虚血性神経学的事象である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記神経学的有害事象が、錯乱、TIA又は虚血性脳卒中に特徴を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記神経学的有害事象が、前記手術の間、又は手術の72時間以内に発生する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記NMDA受容体ペプチドが、脳NMDA受容体のNR2サブユニットの断片を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記NMDA受容体ペプチドが、脳NMDA受容体のNR2Aサブユニットの断片、脳NMDA受容体のNR2Bサブユニットの断片、又はその組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記NMDA受容体ペプチドが、脳NMDA受容体のNR2AサブユニットのN−末端ドメイン又はその断片、脳NMDA受容体のNR2BサブユニットのN−末端ドメイン又はその断片、或いはその組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、ここで、
    a)前記体液が血清であり;
    b)2.0、1.8、1.5又は1.0ng/ml超の、前記体液中のNR2A/B N-末端ドメイン抗体に相当する抗体の初期レベル、又は200、100、又は50pg/ml超のNR2A/B N-末端ドメイン循環ペプチドに相当するNMDAペプチドのレベルが、前記神経学的事象にかかるリスクと相関し;そして
    c)2.0、1.8、1.5又は1.0ng/ml未満の、前記体液中のNR2A/B N-末端ドメイン抗体に相当する抗体の初期レベル、又は200、100、又は50pg/ml未満のNR2A/B N-末端ドメイン循環ペプチドに相当するNMDAペプチドのレベルが、前記神経学的事象にかかるリスクと相関しない、
    前記方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、さらに、以下の:
    a)前記手術後に前記患者におけるNMDA受容体ペプチド又は抗体のその後のレベルを測定し;
    b)前記初期レベル及びその後のレベルの間に重要な相違があるか否かを決定し;
    c)前記初期レベルとその後のレベルの間の重要な相違を、神経学的有害事象と相互に関連付け;そして
    d)前記初期レベルとその後のレベルの間の重要な相違のないことを、神経学的有害事象のないことと相互に関連付ける、
    を含む、前記方法。
  13. 前記手術が麻酔を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記手術が心肺バイパスを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記患者が神経学的続発症のリスクを有する新生児又は幼児である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記試験の前に、前記ヒト患者が糖尿病、動脈硬化、又は以前の脳卒中若しくはTIAの疑いと診断される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記体液が、血液、尿、血漿、血清、脳脊髄液、唾液、汗又は脳組織を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 請求項1に記載の方法であって、以下の:
    a)前記体液中のNMDA受容体抗体レベルが診断キットを用いて測定され;
    b)前記診断キットが、結合したNMDA受容体ペプチドを含み;そして
    c)前記キットが、ヒト血液から精製されたイムノグロブリンG分画を含む抗体標準品に対して製造される、
    を含む、前記方法。
  19. 直接的又は間接的なELISA、RIA、イムノドット、イムノブロット、ラテックス凝集、側方流動、蛍光偏光法、又はマイクロアレイによって実施される、請求項1に記載の方法。
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