JPH11511087A - 変圧器に接続された負荷の抵抗を制御するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ここに記載した、簡単な制御方法で実現可能な装置の本質は、負荷（Ｒｚ）に付加的な抵抗（Ｒ）が並列に接続されること、および変圧器の１次側の入力抵抗（Ｒ１）を測定し、入力抵抗（Ｒ１）が所定の値を逸脱した場合に、負荷の誤りを通報する手段（ＳＴ）が設けられていることにある。

Description

【発明の詳細な説明】 変圧器に接続された負荷の抵抗を制御するための装置 従来技術 本発明は変圧器の２次側に接続された負荷の抵抗、とりわけエアーバッグの点 火剤を制御するための装置に関するものである。 このような装置は、ＤＥ ３８ １２ ６３３ Ａ１から公知となっている。 当該従来技術では例えば制御装置と自動車のステアリングに取り付けられたエア ーバッグとの間の信号伝送に誘導型変圧器が使用されている。非常事態の際に即 時に作動できるようにエアーバッグの作動能力は常時検査される。このために点 火剤の抵抗が常時繰り返して測定されるが、当該抵抗は典型的には１．８Ωから ２．５Ωの範囲にあるべきである。誘導型変圧器の誘導接続巻線による信号の伝 送は、２つの巻線の間隔すなわち巻線のコアピースのエアギャップに依存してい る。誘導型変圧器の２次側のコアピースはステアリングに取り付けられるが、ス テアリングの組込みおよび製造公差により、測定される点火剤の抵抗値に誤りが 生じることがある。このような測定信号誤りを避けるために、前記の従来技術は 誘導型変圧器の２次側に、１次側から制御信号によって励振させられる共振回路 を設けている。制御信号の 遮断後、共振回路の応答信号の減衰は１次側に逆に伝達され、２次側抵抗が減衰 する応答信号の時定数から求められる。 発明の利点 請求項１では、変圧器の２次側に接続された負荷の抵抗、例えばエアーバッグ の点火剤における抵抗の制御は、負荷に並列接続された付加的な抵抗によってな される。変圧器の１次側で測定される入力抵抗は、負荷抵抗の大きさと明確な依 存関係がある。当該入力抵抗が測定され、所定の値から逸脱すると、誤り動作が 負荷に生じたことが通報される。従属諸請求項では付加的な抵抗は、２次側の付 加的な巻線を介して変圧器の１次側に伝送される。その際に、付加的な２次側巻 線を、付加的な抵抗を有する導線で巻回することは有利である。付加的な抵抗を また、２次側に配置されたリングとして構成することも可能である。本発明によ る装置の利点は、当該装置が小さい回路コストで実現可能であり、負荷抵抗の変 化について信頼性のある予想が可能であることである。 実施例の説明 次に、図に示したいくつかの実施例を用いて本発明をより詳しく説明する。 図１は１次側で測定した入力抵抗と、２次側に接続 された負荷抵抗との依存関係を示しており、 図２は１つの２次側巻線、および当該巻線に接続された負荷抵抗と付加的な抵 抗からなる並列回路を有する変圧器を示している。 図３および図４は、２つの２次側巻線を有する変圧器を示している。当該巻線 の一方は負荷抵抗と接続されており、他方の２次側巻線は付加的な抵抗を有して いる。 また図５は、負荷抵抗に接続された２次側の第１の巻線の他に、付加的な抵抗 を実現する２次側のリングを有する変圧器を示している。 冒頭に述べたように、変圧器の１次側から、変圧器の２次側に接続された負荷 抵抗を変化に応じて制御する。変圧器は例えば誘導型変圧器とし、エアーバッグ を装着したステアリングと、固定してあるステアリングシャフトの間に配置され ているとする。この場合、２次側に接続された負荷は、エアーバッグの点火剤に 相当する。このような点火剤は通常約２Ωの抵抗を有する。点火剤の抵抗が変わ ることは、エアーバッグの機能が障害を受けたことを意味する。自動車において は、当該状況は通報されなければならない。点火剤の抵抗の制御は絶えず繰り返 して実行される。 変圧器（鉄損はほとんどないものとする）の１次側で測定した入力抵抗Ｒ１は 、２次側に接続された負荷抵抗Ｒｚと図１に概略的に図示した依存関係を有する 。図１からわかるように、１次側の入力抵抗Ｒ１と２次側の負荷抵抗Ｒｚの間に は、負荷抵抗が小さい場合には線形関係がある。これに対して負荷の抵抗Ｒｚが 大きくなると、例えば２次側巻線との結線のすべてあるいは一部が遮断された場 合などには、入力抵抗は、おおよそ１次側巻線の実効抵抗に相当する小さい値に 低下する。入力抵抗Ｒ１と負荷抵抗Ｒｚとの依存関係は、このときおおよそ破線 で示した推移を示す。この場合測定された入力抵抗Ｒ１と２次側に接続された負 荷すなわち抵抗Ｒｚの間には一義的な関係は存在しない。このような関係の欠如 は負荷抵抗Ｒｚに付加的な抵抗Ｒを並列に接続すること（図２参照）によって除 去することができる。付加的な抵抗Ｒは、負荷抵抗Ｒｚの少なくとも１０倍とす べきである。このようにすることにより、図１において、入力抵抗Ｒ１と負荷抵 抗Ｒｚの明らかな関係を示す直線で描いたような推移が現れる。 ２次側に接続された負荷Ｒｚが、例えばエアーバッグの点火剤の場合には、そ の抵抗は通常約２Ωであるため、約１００Ωの付加的な抵抗Ｒが選択される。こ の場合入力抵抗Ｒ１の測定の際には、点火剤抵抗がより大きい５あるいは６Ω（ 当該状況は誤り動作に当たる）であるかどうかということのみを明確に検出すれ ばよく、入力抵抗Ｒ１がより大きい負荷抵抗Ｒｚに対して高い一定値に留まるこ とは重要ではない。 誤りのない負荷抵抗の制御のための前提はもちろん、付加的な抵抗Ｒが故障す なわち例えば接触断を起こさない状態にあることである。図２から５に付加的な 抵抗Ｒの接続の仕方を詳しく示す。 図２には、１次側巻線Ｐと２次側巻線Ｓを有する変圧器が概略的に図示されて いる。２次側巻線Ｓに接続された負荷抵抗Ｒｚには、付加的な抵抗Ｒが並列に接 続されている。１次側巻線Ｐには制御スイッチＳＴが接続されており、変圧器の １次側の入力抵抗Ｒ１を既知の手段で測定する。付加的な抵抗Ｒを接触断から機 械的に十分に保護するために、当該抵抗Ｒを２次側巻線を巻くコアピースに一体 化することは有利である。図３に示した実施例では、２つの２次側巻線Ｓ１およ びＳ２が設けられている。２次側巻線Ｓ１には負荷抵抗Ｒｚが接続されており、 ２次側巻線Ｓ２には、付加的な抵抗Ｒが接続されている。付加的な抵抗Ｒは、負 荷用の２次側回路とは、導電的に接続しておらず、誤りの原因となりうることは ない。図２が示すように付加的な抵抗Ｒは独立した抵抗であってもよく、当該抵 抗も前述同様に変圧器の２次側のコアピースに一体化することもできる。付加的 な抵抗Ｒは、とりわけ温度変化に強い材質からできている。 図４に示した実施例では、負荷抵抗Ｒｚに接続された２次側巻線Ｓ１の他に、 第２の２次側巻線Ｓ２１があり、当該巻線そのものが付加的な抵抗Ｒに相当する 固有抵抗を有し、かつ両端は短絡されている。第２の２次側巻線Ｓ２１は例えば 抵抗値が高く、温度変化に強いコンスタンタンあるいはマンガン線で巻回されて いる。このようにすることにより付加的な部品としての抵抗Ｒは不要となり、故 障を著しく減少させることになる。２次側巻線Ｓ２１は、機械的な破損から十分 に保護するため変圧器のコアピースに収納することもできる。 図５に示したように第２の２次側巻線Ｓ２１の代わりに、温度変化に強い抵抗 材料でできた中実な金属リングを使用してもよい。このリングの固有抵抗は低い が、１次側からは１／Ｎ²倍して測定される。１／Ｎ²は、２次側巻線の巻き数と １次側巻線巻き数の比の平方に等しい。２次側巻線の巻き数は１なので、因数は １／Ｎ²となり、すなわち１次側の巻き数の平方に相当する。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年７月２８日 【補正内容】 請求の範囲 １．変圧器（Ｐ、Ｓ）の２次側に接続された負荷の抵抗（Ｒｚ）、とりわけエア ーバッグの点火剤における抵抗を制御するための装置において、 付加的な抵抗（Ｒ）が負荷（Ｒｚ）に並列接続されており、 当該抵抗のオーム抵抗は負荷のオーム抵抗（Ｒｚ）の少なくとも１０倍であり 、 変圧器（Ｐ、Ｓ）の１次側の入力抵抗（Ｒ１）を測定し、該入力抵抗（Ｒ１） が所定の値を逸脱した場合に負荷の誤りを通報する手段（ＳＴ）が設けられてい ることを特徴とする 制御装置。 ２．付加的な抵抗（Ｒ）が、変圧器の２次側巻線（Ｓ、Ｓ１、Ｓ２）を収納する コアピースの１つに一体化されている 請求項１に記載の装置。 ３．変圧器の負荷（Ｒｚ）および付加的な抵抗（Ｒ）を、変圧器の１次側へ伝送 するために、導電分離された２つの２次側巻線（Ｓ１、Ｓ２、Ｓ２１、Ｓ２２） が設けられている 請求項１に記載の装置。 ４．付加的な抵抗（Ｒ）用の２次側巻線（Ｓ２１）は、該巻線の導線そのものが 当該抵抗を有する導線で 巻回されており ２次側巻線（Ｓ２１）の両端は互いに短絡されている 請求項３に記載の装置。 ５．付加的な抵抗（Ｒ）が、２次側に配置されたリングとして構成されている 請求項１に記載の装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．変圧器の２次側に接続された負荷の抵抗、エアーバッグの点火剤における抵 抗を制御するための装置において、 付加的な抵抗（Ｒ）が負荷（Ｒｚ）に並列に接続されており、 変圧器の１次側の入力抵抗（Ｒ１）を測定し、かつ入力抵抗（Ｒ１）が所定の 値を逸脱した場合に、負荷の誤りを警告する手段が設けられていることを特徴と する 制御装置。 ２．変圧器の１次側に伝送された付加的な抵抗（Ｒ）が、１次側に同様に伝送さ れた負荷（Ｒｚ）の少なくとも１０倍である 請求項１に記載の装置。 ３．付加的な抵抗（Ｒ）が、変圧器の２次側巻線（Ｓ、Ｓ１、Ｓ２）を収納する コアピースの１つに一体化される 請求項１に記載の装置。 ４．負荷（Ｒｚ）および付加的な抵抗（Ｒ）の変圧器の１次側への伝送用に、導 電分離された２つの２次側巻線（Ｓ１、Ｓ２、Ｓ２１、Ｓ２２）が設けられてい る 請求項１に記載の装置。 ５．付加的な抵抗（Ｒ）用の２次側巻線（Ｓ２１）が、該巻線の導線そのものが 該抵抗を有するような導線で巻回されており、 該２次側巻線（Ｓ２１）の両端が互いに短絡されている 請求項４に記載の装置。 ６．付加的な抵抗（Ｒ）が２次側に配置されたリング（Ｓ２２）を構成している 請求項１に記載の装置。