JPH11510148A - 水分輸送が低い硬ゼラチンカプセル及びその製造方法 - Google Patents
水分輸送が低い硬ゼラチンカプセル及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH11510148A JPH11510148A JP9507217A JP50721797A JPH11510148A JP H11510148 A JPH11510148 A JP H11510148A JP 9507217 A JP9507217 A JP 9507217A JP 50721797 A JP50721797 A JP 50721797A JP H11510148 A JPH11510148 A JP H11510148A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hard gelatin
- capsule
- gelatin
- gelatin capsule
- additive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/48—Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
- A61K9/4891—Coated capsules; Multilayered drug free capsule shells
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/48—Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
- A61K9/4816—Wall or shell material
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/48—Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
- A61K9/4816—Wall or shell material
- A61K9/4825—Proteins, e.g. gelatin
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
本発明は、水分輸送又は水蒸気透過性を低下させた硬ゼラチンカプセルであって、ポリマー層が硬ゼラチンシェルに積層されている、及び/又は、硬ゼラチンカプセルの製造中に少なくとも1種の添加物がゼラチン配合物に加えられている硬ゼラチンカプセルを提供する。
Description
【発明の詳細な説明】
水分輸送が低い硬ゼラチンカプセル及びその製造方法
本発明は、水蒸気に対する透過性が低く、貯蔵条件及び/又は吸湿性充填物に
対する感度を下げ、大気中水蒸気に対する充填物の保護を改善する硬ゼラチンカ
プセルに関する。
硬ゼラチンカプセルは、製薬産業及び栄養補助食品市場で広く使用されている
。硬ゼラチンカプセルの主な用途は、固形製剤、すなわち粉末形態の活性物質及
び賦形剤の剤形としてである。
カプセルの使用の重大な制限は、カプセルと充填物との間の水分の交換から生
じる。カプセルは一般に水分を約10〜16重量%含有する。この水分含有率は
周囲環境の相対湿度(RH)の関数である。カプセルが密封容器に充填され、貯
蔵されると、水分は、均一な相対湿度が気相で達成されるまで、種々の成分の間
で再分散する。
もう一つの制限は、ゼラチンカプセルのシェルを介する高い水分輸送速度及び
/又は高い水蒸気透過性による。厚さ100μmのゼラチン膜をはさんで相対湿
度に50%の差があるとき周囲温度で実施した計測によると、24時間に膜を透
過する水蒸気の重量は膜そのものの重量の約2倍である。その結果、カプセルが
開放環境にさらされると、充填物が透過によって周囲環境から水分を吸収し、周
囲環境とで平衡した水分含量をすぐに達成する。
上記ゼラチンの特徴はいずれも、カプセル又は充填物又は両方に影響を及ぼす
。
カプセルにおける水分の変化は、容器として使用されるゼラチンカプセルの機
械的安定性に影響を及ぼす。湿度が高すぎると、カプセルは軟らか
くなって変形するおそれがあり、湿度が低すぎると、もろくなるおそれがある。
カプセルの水分吸収又はより頻繁には透過による環境からの水分の吸収は、粉
末充填物の性質に影響するおそれがある。粉末充填物が凝集したり、より深刻に
は、たとえば加水分解によって化学崩壊したりしかねない。実際、大部分の薬物
を乾燥した環境で貯蔵することが推奨される。
より最近の開発は、液体製品を硬ゼラチンカプセルに充填できるようにした。
この場合でもまた、より深刻なことに、主な問題は、推奨される賦形剤の大部分
の高い吸湿性であった。
ゼラチンは本質的に吸湿性である。ゼラチンは、水蒸気を吸収し、低温の水中
で膨潤し、高温で溶解する。カプセルの高い水溶性は、その投与にとって不可欠
であるが、同時に、高い水溶性(S)及び拡散パラメータ(D)及び高い水蒸気
透過性(P)をP=SDとして暗示する。硬ゼラチンカプセルに含有される水は
、三重らせん構造の要素であり、非常に効率的な可塑剤として作用する。
ゼラチンの吸湿性及びカプセルと充填物との間の水分交換は、ゼラチンカプセ
ル及び充填物の吸収−脱離等温式によって研究することができる。これらの研究
は文献に広く見られる(特に、K.ItoらのChem.Pharm.Bull.17.(3),1969 1
134-1137及びM.J.KontnyらのInt.J.Pharm.54,1989,79-85を参照すること
)。これらの著者は、密閉系の場合、最終的な水分含量が種々の物質の水に対す
る親和性に深く依存すると報告している。実験的な平衡水分含量及び相対湿度と
、これらの物質の等温式から計算された概算値とは互いに十分に一致していた。
硬ゼラチンカプセルの水分透過性に関して、文献に記録された研究はほとんど
ない。W.A.StricklandらのJ.Pharm.Sci.,51(10)1962,1002
-1005を参照すること。これらの著者は、ゼラチンカプセルが大気中の水蒸気か
ら吸湿性内容物に対してほとんど保護を提供しないと結論づけている。硬ゼラチ
ンカプセルの水蒸気透過性を下げるための有意な試みが成されたことはない。こ
れは、大部分の場合、水蒸気透過性の低下がゼラチンカプセルの水溶性の低下と
組み合わさるという事実によって説明することができる。
したがって、本発明の目的は、公知の硬ゼラチンカプセルの欠点を解消するこ
とにある。
このように、本発明によると、それを介した水蒸気透過性を低下させた硬ゼラ
チンカプセルであって、ポリマーが硬ゼラチンシェルに積層されている、及び/
又は、硬ゼラチンカプセルの製造中に少なくとも1種の添加物がゼラチン配合物
に加えられている硬ゼラチンカプセルが提供される。
このように、本発明は、積層されている、又は添加物を含有する、水分輸送が
低い硬ゼラチンカプセルに関する。
積層カプセル
これらのカプセルは、カプセル基材としてのゼラチン層と、水分輸送に対する
遮断層としての、水分透過性の低いポリマー層とを含む。
これらのカプセルは、二重浸漬成形又はコーティング技術によって製造するこ
とができる。
二重浸漬は、ゼラチン層を形成するためのゼラチン溶液への浸漬と、ポリマー
層を形成するためのポリマー溶液へのもう一つの浸漬とを含む。ゼラチン溶液へ
の第一の浸漬を実施し、第一の層を乾燥させたのち、ポリマー溶液への第二の浸
漬を実施すると、外側にポリマー層を有する硬ゼラチンカプセルが得られる。逆
に、まずポリマー溶液に浸漬したのちゼラチ
ン溶液に浸漬すると、内側にポリマー層を有する硬ゼラチンカプセルが得られる
。
カプセルのコーティングは、カプセル又は錠剤コーティングの従来技術を使用
して、硬ゼラチンカプセルの外側をポリマー層で再び覆うことを含む。
ポリマー層は、水溶性であり、分子量の減少とともに水溶性が増大するポリビ
ニルアルコールである。既知であるように、ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸
ビニルから、酢酸基をヒドロキシル基によって置換することによって調製する。
本発明によると、使用されるポリマーは、ポリビニルアルコールだけでなく、ポ
リ酢酸ビニルならびに部分的又は完全に加水分解されたポリ酢酸ビニル(80%
を超える加水分解度が好ましい)をも包含するものと理解しなければならない。
市販のポリビニルアルコールは、98〜99モル%及び87〜89モル%の加
水分解度を有する。したがって、これらは、約1〜2又は11〜13モル%のア
セチル基の残留含量をそれぞれ有する部分的に鹸化されたポリ酢酸ビニルである
。
ホモポリマーは別として、たとえばエチレン及び/又は塩化ビニルとのコポリ
マーを使用することもできる。
簡素化のため、以下、使用するポリマーをPVAという。
PVAの水溶液を浸漬及びコーティングに使用して、カプセルの水溶性に影響
しない所望の積層体を製造することができる。PVAは、良好な膜形成性を有し
、浸漬又はコーティングによって容易に薄膜に形成することができる。PVAは
、ゼラチンの水分透過性の100分の1未満のきわめて低い水分透過性を有する
。したがって、PVAは、水分輸送に対する良好な遮断層である。
使用するPVAの分子量については制限はないが、10000よりも高いこと
が好ましい。
PVAは、水溶液又は溶剤溶液の形態で使用することができるが、水溶液が好
ましい。溶液中のPVA濃度に関して制限はない。それは必要な粘度に依存する
。
PVA層の厚さは、カプセル壁の全厚の好ましくは1〜50%であり、より好
ましくは5〜30%である。
溶液に適当な硬化能力を与えるため、硬化剤、たとえばSanofi Bio-Industrie
sによって供給されるSATIAGEL ME5(κ−カラゲナン+KCl)をPVA溶液に
加えることができる。硬化剤の濃度は、0.05%〜2%、好ましくは0.1%
〜0.8%である。
添加物を含むカプセル
これらのカプセルの場合、ゼラチンは、水蒸気透過性の有意な低下をもたらす
添加物として少なくとも1種のポリオールを含有する。我々は、この透過性が添
加物含量とともに低下すること、及びカプセルの破裂又は溶解の時間もまた、添
加物含量の増大とともに減少することを見いだした。
本発明にしたがって使用することができるポリオールには、糖、糖アルコール
及び他の糖代用物ならびにポリビニルアルコール及びそれらの構造類似物がある
。
本発明にしたがって使用することができる糖には、単糖類、すなわちアルドヘ
キソース(たとえばグルコース、マンノース及びガラクトース)、ケトヘキソー
ス(たとえばフルクトース)及びアルドペントース(たとえばアラビノース、キ
シロース及びリボース)ならびに二糖類(たとえばマルトース、ラクトース及び
スクロース)がある。
本発明にしたがって使用することができる糖アルコールは、単糖類のカ
ルボニル官能基の還元によって得ることができるポリオールである。これらには
、たとえば、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール(lactitol)、マルチ
トール、グリセロール、トレイトール、エリトリトール、アドニトール、アラビ
トール、キシリトール、ガラクチトール及びそれらの構造類似物がある。
本発明によると、糖代用物とは、栄養的に糖の代用として使うことができるポ
リオール、たとえばラクチトール、イソマルト(isomalt)、水素化グルコース
及びマルトースのシロップ及びフルクトオリゴ糖をいうものと理解しなければな
らない。
添加物は、カプセル製造に使用されるゼラチン溶液に添加することにより、硬
ゼラチンカプセルに組み込む。これらの添加物は、水溶性であり、ゼラチンと相
溶性であり、添加は、ゼラチン溶液の硬化能力における有意な変化又はゼラチン
溶液の粘度における有害な変化をもたらさない。したがって、これらの添加物を
含有するカプセルは、従来の浸漬成形法により、標準条件下で製造することがで
きる。
これらの添加物は、ゼラチンカプセルの水分透過性を大幅に低下させるだけで
なく、その吸湿性をも有意に低下させ、水溶性には影響しない。
ゼラチン中の添加物の含量は、1〜50%、好ましくは5〜40%、より好ま
しくは10〜30%であることができる。
本発明のゼラチンカプセルは1種以上の添加物を含むことができる。
本発明によるカプセルの製造に使用されるゼラチンは、染料及び/又は顔料で
着色することができ、不透明剤、防腐剤及び可塑剤を含有することができる。製
造プロセスを支援するための物質及びカプセルのその後の性能を支援するための
物質を添加することもできる。
使用されるゼラチンに対する着色剤としての染料及び/又は顔料の添加
は、患者に対して審美的及び心理的影響を与え、識別目的に役立ち、カプセルが
感光性物質を含有する場合に重要である、光に対する保護を提供することができ
る。使用される着色剤は、当然、薬学的に許容しうるものでなければならず、た
とえば、合成水溶性染料、たとえばアゾ、インジゴイド、キノフタロン、トリフ
ェニルメタン及びキサンテン染料ならびに特定の天然起源の染料、たとえばカロ
テノイド及びフラボンならびに顔料、たとえば不透明剤として作用する二酸化チ
タン、炭素及び酸化鉄を含む。
ゼラチンは、細菌及び真菌の成長に良好な培地であるため、1種以上の殺菌剤
、静菌剤及び殺真菌剤を通常は0.2重量%までの濃度でゼラチンに添加するこ
とが推奨される。この目的に好ましい一つの組み合わせは、メチルヒドロキシベ
ンゾエートとプロピルヒドロキシベンゾエートとを4:1の比率で含有する。特
定の非毒性有機酸、たとえば安息香酸、プロピオン酸及びソルビン酸の、好まし
くは水溶性塩の形態における使用が、かび及び酵母に対する保護を提供し、また
、静菌特性を付与する。これらは通常、1重量%までの濃度で用いられる。
カプセルを製造するためには、薬学的品質の可塑剤、潤滑剤及び着色剤の使用
が最高の製品品質につながる。
薬理学的に許容可能な可塑剤、たとえばポリエチレングリコール又は好ましく
は低分子量の有機可塑剤、たとえばグリセロール、ジオクチルナトリウムスルホ
スクシネート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、1,2−プロピ
レングリコール、グリセロールモノ−、ジ−もしくはトリアセテートなどが、ポ
リマーの重量に基づいて約0.5〜40%、好ましくは0.5〜10%の種々の
濃度で使用される。
薬理学的に許容可能な潤滑剤、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、アルミニウ
ム、カルシウム、マグネシウム及びスズのステアリン酸塩ならびに
タルク、シリコーンなどを、ポリマーの重量を基準として約0.1〜10%、好
ましくは0.1〜5%の濃度で使用することができる。
審美的影響を作り出すため、識別目的のため、患者に対する心理的効果のため
、また、光からの保護のため、薬学的に許容可能な着色剤、たとえばアゾ染料な
らびに他の染料及び顔料、たとえば酸化鉄、二酸化チタン、天然染料などが、ポ
リマーの重量を基準として約0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%
の濃度で使用される。
加えて、本発明のカプセルは、種々の等級のゼラチンを5〜95重量%の増量
剤、たとえば、ひまわりタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質、ピーナ
ツタンパク質、ナタネタンパク質、ラクトース、アラビアゴム、アクリレート及
びメタクリレート、セルロースの水溶性誘導体、たとえばセルロースアセチルフ
タレート(CAP)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)
、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、セラック、ベントナイ
ト、ポリビニルアセテートフタレート、フタル酸化ゼラチン、コハク酸化ゼラチ
ンならびに多糖、たとえば寒天と組み合わせたもので製造しうることがわかった
。
好ましくは薬学的品質の可塑剤、潤滑剤及び着色剤の使用によるカプセルの製
造が最高の製品品質につながる。
本発明のカプセルは、特に栄養素、薬、化学物質、着色料、香辛料、配合肥料
、種子及び種子材料、化粧品及び農産物の正確な計量のための容器として使用す
ることができる。特に、カプセルは、吸湿性物質及び吸入剤の容器として使用す
ることができる。これらはまた、栄養素、薬、化学物質、着色料、香辛料、配合
肥料、種子及び種子材料、化粧品及び農産物のもっとも多様な形態及びサイズの
マトリックスとして使用することができ
る。本発明のカプセルは、錠剤又はいわゆるカプレット(カプセルの形にプレス
した錠剤)ならびに特殊な形態、たとえば分解及び/又は溶解及び/又は生浸食
及び/又は拡散によってマトリックスから放出され、その結果、密封物質の投与
のための徐放系になる微分散系をマトリックス中に含むことができる。さらには
、カプセルは、適当な塊又はフォームから形成される薬品又は外科治療用製品で
満たすこともできる。
カプセルの水蒸気透過性の試験
カプセルの水蒸気透過性を、カプセルに満たした吸湿性粉末の水分吸収速度に
よって評価した。まず、カプセルを22℃/相対湿度50%で平衡させた。使用
した吸湿性粉末は、高粘度のカルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウ
ム塩(Sigma社)であった。22℃/相対湿度50%で約16%の平衡水分を含
有するCMCを事前に105℃で乾燥させて、その水分含量をゼロにしておいた
。CMCを充填し、密封したのち、カプセルを22℃/相対湿度50%で貯蔵し
、その重量をときどき監視して、CMCによる水分吸収を測定した。CMC水分
含量は、充填したカプセルの重量増から計算した。カプセルの平均壁厚及び初期
乾燥CMC重量を考慮して、CMC水分吸収速度から種々のカプセルの比較透過
度の数学的測定を実施した。
膜の水蒸気透過性の試験
膜の水蒸気透過性を、22℃での安定な透過状態の下、透過セルによって測定
した。このセルには、試験対象の膜で覆われた透過窓を設けておいた。セルを新
たに再生したシリカゲル(Prolabo社)で満たし、22℃/相対湿度50%で貯
蔵することにより、膜をはさんで蒸気圧の差を生じさせ、膜を通過する水蒸気の
透過を促進した。透過した水蒸気はシリカゲルによって吸収されるため、第二の
重量の重量増分から第一の重量W(g)
を測定した。膜厚L(μm)及び面積A(m2)、透過時間T(h)及び蒸気圧差
p(mmHg)から、次式によって透過度を計算した。
P=WL/AtΔp(g.μm/m2.h.mmHg).
本発明を説明するために以下の実施例を記す。
積層カプセル
実施例1
約60℃の脱イオン水3.6リットルをSATIAGEL ME5(18g)に加え、溶解
した(0.5重量%)。この溶液に、Fluka社の加水分解度86〜89%のPV
A15000(400g)を導入し(10重量%)、5時間を超える期間にわた
って攪拌することによって溶解した。
得られたPVA溶液を、溶液温度を55℃に維持した状態で、試験用浸漬機の
浸漬ざらに導入した。硬カプセルサイズNo.1のピンを用いてPVA溶液への最
初の浸漬を従来の方法で実施した。PVA層を乾燥させたのち、タイプA及びB
の薬学的等級のゼラチンの混合物を用いて200gを超えるブルームで調製した
ゼラチン溶液への第二の浸漬を従来方法にしたがって実施すると、内側がPVA
で積層されたカプセルが得られた。これらのカプセルの水蒸気透過性を、カプセ
ルの水蒸気透過性に関して上述した試験を使用することにより、従来の硬ゼラチ
ンカプセルの基準に照らして試験した。
実施例2
実施例1と同様にしてPVA溶液を調製した。PVA溶液のさら温度を45℃
に維持した。実施例1のようにしてPVA溶液への第一の浸漬及びゼラチン溶液
への第二の浸漬を実施すると、内側をPVAで積層されたカプセルが得られた。
実施例3
実施例1と同様にしてPVA溶液を調製した。PVA溶液のさら温度を45℃
に維持した。ゼラチン溶液への第一の浸漬及びPVA溶液への第二の浸漬により
、外側をPVAで積層されたカプセルが得られた。
実施例4
まず、添加物を加えたゼラチン膜の性質を研究した。種々の添加物を0
%〜30%(添加物重量/ゼラチン重量)の含有率で含有する27重量%ゼラチ
ン溶液からゼラチン膜を流延した。膜を、大気条件(22℃/相対湿度50%)
の下で24時間乾燥させ、その水蒸気透過性、吸湿性及び溶解性を評価した。得
られた結果を以下の表7〜9にまとめる。
実施例5
添加物の混合物(ソルビトール+マンニトール)20%を加えたゼラチン膜を
流延し、実施例4に記載のように試験した。
実施例6
32重量%ゼラチン溶液80リットルに対し、ソルビトール2.8kg(10%
、ソルビトール重量/ゼラチン重量)又は事前に水に溶解しておいたソルビトー
ル(15%)3.2kg(60%)を加えた。次に、従来の浸漬製造法にしたがっ
て、得られたゼラチン溶液の粘度及び温度を調節した。従来の製造機でソルビト
ール10%及び15%を含有するサイズNo.1の透明カプセルを製造した。
実施例7
32%ゼラチン溶液60リットルに対し、ソルビトール1.05kg(5%)又
は2.1kg(10%)及び二酸化チタン(TiO2)0.42kgを加えた。従来
の浸漬製造法にしたがって、得られたゼラチン溶液の粘度及び温度を調節した。
従来の製造機でソルビトール5%及び10%を含有するサイズNo.1の不透明カ
プセルを製造した。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),UA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,CA
,CN,EE,JP,KR,LT,LV,MX,SI,
US
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.それを介した水分輸送又は水蒸気透過性を低下させた硬ゼラチンカプセル であって、ポリマー層が硬ゼラチンシェルに積層されている、及び/又は、硬ゼ ラチンカプセルの製造中に少なくとも1種の添加物がゼラチン配合物に加えられ ている硬ゼラチンカプセル。 2.ポリマー積層が内側及び/又は外側にある、請求項1記載の硬ゼラチンカ プセル。 3.積層に使用されるポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、 部分的及び完全に加水分解されたポリ酢酸ビニルならびにそれらのコポリマーか らなる群より選択される、請求項1又は2記載の硬ゼラチンカプセル。 4.ポリマー層がカプセル壁の全厚の1〜50%を示す、請求項1〜3のいず れか1項記載の硬ゼラチンカプセル。 5.ポリマー層がカプセル壁の全厚の5〜30%を示す、請求項4記載の硬ゼ ラチンカプセル。 6.使用される添加物がポリオールである、請求項1〜5のいずれか1項記載 の硬ゼラチンカプセル。 7.ポリオールが糖、糖アルコール、糖アルコールエステル、代用糖もしくは ポリビニルアルコール又はそれらの構造類似物である、請求項6記載の硬ゼラチ ンカプセル。 8.糖が単糖類又は二糖類である、請求項7記載の硬ゼラチンカプセル。 9.ポリオールが、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトー ル、グリセロール、グルコース、ラクトース、スクロース及びフルクトースなら びにそれらの構造類似物からなる群より選択される、請求項 6〜8のいずれか1項記載の硬ゼラチンカプセル。 10.ゼラチン中の添加物含量が1〜50重量%である、請求項1〜9のいず れか1項記載の硬ゼラチンカプセル。 11.ゼラチン中の添加物含量が5〜40重量%である、請求項10記載の硬 ゼラチンカプセル。 12.ゼラチン中の添加物含量が10〜30重量%である、請求項11記載の 硬ゼラチンカプセル。 13.請求項1記載の硬ゼラチンカプセルを製造する方法であって、従来の方 法で硬ゼラチンカプセルを製造したのち、浸漬又はコーティング技術によってそ の内側及び/又は外側をポリマーで積層する、及び/又は、添加物をゼラチン配 合物に加え、前記配合物から従来の方法でゼラチンカプセルを製造し、その後、 望むならば、そのようにして製造した硬ゼラチンカプセルの内側又は外側をポリ マーで積層する方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR95/09412 | 1995-08-02 | ||
FR9509412 | 1995-08-02 | ||
PCT/EP1996/003263 WO1997004755A1 (en) | 1995-08-02 | 1996-07-24 | Hard gelatin capsules with low water transport and process for the production thereof |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11510148A true JPH11510148A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=9481645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9507217A Pending JPH11510148A (ja) | 1995-08-02 | 1996-07-24 | 水分輸送が低い硬ゼラチンカプセル及びその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0841905A1 (ja) |
JP (1) | JPH11510148A (ja) |
WO (1) | WO1997004755A1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007516210A (ja) * | 2003-07-15 | 2007-06-21 | ファイザー・インク | 安定医薬製剤 |
JP2014036881A (ja) * | 2007-12-05 | 2014-02-27 | Novartis Ag | エアロゾル化可能な薬物製剤用レセプタクル |
JPWO2015060313A1 (ja) * | 2013-10-22 | 2017-03-09 | 森下仁丹株式会社 | 放出制御能を有する製剤およびその製造方法 |
US11318101B2 (en) | 2016-07-06 | 2022-05-03 | Qualicaps Co., Ltd. | Hard capsule having improved hardness, and method for manufacturing same |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2318782A1 (en) * | 1998-03-11 | 1999-09-16 | Xiongwei He | Polyvinyl alcohol compositions |
FR2775979A1 (fr) * | 1998-03-11 | 1999-09-17 | Warner Lambert Co | Compositions filmogenes a base d'alcool polyvinylique |
DE19930030B4 (de) * | 1999-06-30 | 2004-02-19 | Meduna Arzneimittel Gmbh | CO-3-ungesättigte Fettsäuren enthaltende orale Darreichungsform |
US7264824B1 (en) | 2000-04-13 | 2007-09-04 | Meduna Arzneimittel Gmbh | Oral dosage form |
WO2002041711A1 (en) * | 2000-11-24 | 2002-05-30 | Unilever N.V. | Food product comprising carotenoids |
KR100517065B1 (ko) | 2003-12-11 | 2005-09-26 | 씨제이 주식회사 | 고농도 고수율의 젖산을 생산하는 젖산균과 이를 이용한 젖산 생산방법 |
US8728521B2 (en) | 2005-12-27 | 2014-05-20 | Hemant N. Joshi | Physically/molecularly distributed and/or chemically bound medicaments in empty, hard capsule shells |
EP3862021A4 (en) * | 2018-10-02 | 2022-07-06 | Qualicaps Co., Ltd. | HARD CAPSULE WITH IMPROVED STRENGTH AND MANUFACTURING PROCESS THEREOF |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE1181863B (de) * | 1963-01-05 | 1964-11-19 | Scherer Gmbh R P | Verfahren zur Herstellung eines Rektal-Kapsel-UEberzuges |
JPS61100519A (ja) * | 1984-10-23 | 1986-05-19 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 医薬用硬質カプセル |
US4816259A (en) * | 1987-02-12 | 1989-03-28 | Chase Chemical Company, L.P. | Process for coating gelatin capsules |
JPH0422835A (ja) * | 1990-05-16 | 1992-01-27 | Toyo Alum Kk | 密封包装体の密封性検査方法 |
-
1996
- 1996-07-24 WO PCT/EP1996/003263 patent/WO1997004755A1/en not_active Application Discontinuation
- 1996-07-24 JP JP9507217A patent/JPH11510148A/ja active Pending
- 1996-07-24 EP EP96926391A patent/EP0841905A1/en not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007516210A (ja) * | 2003-07-15 | 2007-06-21 | ファイザー・インク | 安定医薬製剤 |
JP2014036881A (ja) * | 2007-12-05 | 2014-02-27 | Novartis Ag | エアロゾル化可能な薬物製剤用レセプタクル |
JPWO2015060313A1 (ja) * | 2013-10-22 | 2017-03-09 | 森下仁丹株式会社 | 放出制御能を有する製剤およびその製造方法 |
US11318101B2 (en) | 2016-07-06 | 2022-05-03 | Qualicaps Co., Ltd. | Hard capsule having improved hardness, and method for manufacturing same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0841905A1 (en) | 1998-05-20 |
WO1997004755A1 (en) | 1997-02-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5431917A (en) | Hard capsule for pharmaceutical drugs and method for producing the same | |
JPH11510148A (ja) | 水分輸送が低い硬ゼラチンカプセル及びその製造方法 | |
EP1062274B1 (en) | Polyvinyl alcohol compositions | |
JP5253162B2 (ja) | 低水分硬質カプセル、及びその製造方法 | |
CA2848666C (en) | Coating material for solid medicine and solid medicine formed with the same | |
JP2014166188A (ja) | 崩壊可能なカプセルを組み込んだ喫煙器具、崩壊可能なカプセル、及び前記カプセルの製造方法 | |
PT1105107E (pt) | Composições de formação de filmes compreendendo amidos modificados e iota-carregenano e métodos para o fabrico de cápsulas moles utilizando os mesmos | |
US20090010975A1 (en) | Non-transparent composition for film | |
EP3485911A1 (en) | Hard capsule having improved hardness, and method for manufacturing same | |
US4244941A (en) | Controlled release composition and process for preparing same | |
AU2021411506A1 (en) | Extended release upadacitinib formulations | |
KR101643572B1 (ko) | 고함량의 약물을 함유하는 구강 붕해 필름 및 이의 제조방법 | |
EP3552629A1 (en) | Hard capsule showing improved deposition of gelling adjuvant and method for preparation thereof | |
Mishra et al. | Design and evaluation of microporous membrane coated matrix tablets for a highly water soluble drug | |
CN105012276A (zh) | 一种咪达那新口腔速溶膜及其制备方法和用途 | |
GB2043442A (en) | Film-coated pharmaceutical gelatine capsules | |
JP6443332B2 (ja) | 固形製剤用のコーティング剤並びにこれから形成された被膜及び被覆固形製剤 | |
IE60533B1 (en) | An oral osmotic system for metoprolol with improved formulation properties | |
JPH0278612A (ja) | 医薬用硬カプセル | |
Guleri et al. | Medicinal Chemistry & Analysis |