JPH11509806A - 磁気ブレーキ、特にリニア渦電流ブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 渦電流ブレーキのほぼ全長にわたって延在する磁気ヨークを備えた形式の、磁気ブレーキ、特にレール車両用のリニア渦電流ブレーキ（１）が、組付け位置において少なくともレールに向かって凹面状の外形を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 磁気ブレーキ、特にリニア渦電流ブレーキ 本発明は、請求項１に発明の上位概念として特定した形式の、磁気ブレーキ、 特にレール車両用のリニア渦電流ブレーキに関する。 特に高速列車の更なる進展範囲において渦電流ブレーキには高い注意が払われ ている。それというのは該渦電流ブレーキは、制動時にレールに接触しないので 、摩耗がなく、従って保守費も割安になるからである。その機能がファラデーの 電磁誘導法則に基づいている、レール車両用の渦電流ブレーキのテクノロジーへ の簡単な紹介は、例えばSaumweberその他の共著“AET-Archiv fuer Eisenbahnte chnik ,Hestra-Verlag,Bd.43,Kap.2.5.2”に収録されている。これによれば渦電 流ブレーキは、複数の極片を有する継鉄から成っている。電気コイルは、磁気的 なＮ極とＳ極が交互に生じるようにブレーキを励磁する。励磁された渦電流ブレ ーキがレールに沿って運動する場合、つまり制動する場合、渦電流によって惹起 された磁界が発生し、該磁界の結果、制動力が生じる。 本発明の課題は、渦電流ブレーキの構造上の構成を改良することである。 本発明は、前記課題を請求項１に記載した構成手段によって解決する。 要するに本発明の提供する構成手段は、渦電流ブレーキのほぼ全長にわたって 延在する磁気ヨークを備えた形式の、磁気ブレーキ、特にレール車両用のリニア 渦電流ブレーキにおいて、該リニア渦電流ブレーキが組付け位置において少なく ともレールに向かって凹面状の外形を有している点にある。 本発明は、渦電流ブレーキの動作中に発生した引付け力が、ブレーキを弾性的 に撓ませる（第４図参照）という認識に基づいている。更に又、軌条は車軸の起 上がり力（Aufstandskraefte）によって撓むことがある（第５図参照、例えば分 岐区領域において）。また軌条は磁石の引付け力によって分岐区の領域で、場合 によっては幾分持ち上げられる。 前記の効果に基づいて、レールとブレーキとの間の空隙がブレーキの全長にわ たって一定ではなくなり、その調整時にブレーキ中点における最小値を考慮する ことが必要になる。 そこで前記の効果を排除するために本発明は、空隙経過が少なくともほぼ均等 な線形に成るように凹面状に賦形することによって撓み補償を生ぜしめるように した。 本発明の有利な構成は、請求項２以降に記載した手段から推考することができ る。 第１図は本発明の第１実施形態の概略図である。 第２図は本発明の第２実施形態の概略図である。 第３図は本発明の作用態様の概略図である。 第４図及び第５図はレールと従来技術によるブレーキの撓み効果の概略図であ る。 次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。この説明によって本発明のそ の他の利点も自ずから明らかになる。 先ず第１図について説明する。第１図は、レール２に面した下面側を凹面状に 成形された（例えば磁気ヨークが空隙０ｍｍのブレーキ縁部からブレーキ中点で は最大１〜５ｍｍの空隙を生ぜしめるようにフライス切削成形された）渦電流ブ レーキ１の概略図である。第２図には、前記発明の思想の変化態様が図示されて おり、この場合ブレーキは、レール２寄りに凹面状の変形が生じるように前塑性 変形加工が施されている。本発明によって動作時におけるブレーキの前記撓み効 果は難なく補償される。それというのは動作時にブレーキが約５ｍｍ撓まされる としても、相応の前塑性変形を施していれば、ブレーキは動作中ほぼ扁平だから である。 凹面状形状の経過線は連続的であるのが有利であるが、可能な実施態様として 例えば異なった高さを有するコイルを使用することによって、段階的な構成を実 現することも可能である。 本発明では更に、注型樹脂でもって真空密封された単独コイルとしてコイルを 設計するのが有利である。更に又、壁厚０．５〜１．５ｍｍの、溶接された保護 ボックスが設けられており、かつコイルと前記保護ボックスとの間に１±０．５ ｍｍの絶縁厚が設けられている。極片はその下側で前記保護ボックスから２〜１ ５ｍｍだけ突出しており、これによって磁極板の機能も引受けている。更に、極 片と保護ボックスとをその上面側で面整合するように溶接し、従ってコイルのた めの巻線空間を最大限に活用して磁気ヨークと極片とを面整合するように接触さ せるのが有利と判った。同じく磁極ピッチはτ＝１７０ｍｍ±１０ｍｍであるの が有利である。 第３図には、凹面状の成形によって（特に分岐区間の領域において）レール上 縁３とブレーキ下縁４との間に一定の空隙が生じることが示されている。この場 合渦電流ブレーキは、動作中にレールの上反りに適合するように凹面状に前成形 されている。勿論この場合、ボギー台車によって惹起されるレールの撓みは阻止 されないが、凹面状の前成形によって、一定の空隙経過の理想像に近づく渦電流 ブレーキが得られる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインリヒ グラウトシュテュック ドイツ連邦共和国 Ｄ−80993 ミュンヘ ン ヴェルナー−フリートマン−ボーゲン 28 (72)発明者 ウーヴェ クレーガー ドイツ連邦共和国 Ｄ−80993 ミュンヘ ン ヴィッテンベルガー シュトラーセ 49

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 渦電流ブレーキのほぼ全長にわたって延在する磁気ヨークを備えた形式の 、磁気ブレーキ、特にレール車両用のリニア渦電流ブレーキ（１）において、リ ニア渦電流ブレーキ（１）が、組付け位置において少なくともレール（２）に向 かって凹面状の外形を有していることを特徴とする、磁気ブレーキ、特にレール 車両用のリニア渦電流ブレーキ。 ２． 凹面状の形状が連続的に経過している、請求項１記載のリニア渦電流ブレ ーキ。 ３． 凹面状の形状が段階づけられている、請求項１又は２記載のリニア渦電流 ブレーキ。 ４． 凹面状の形状が相応のフライス切削成形によって、或いは磁気ヨークの塑 性変形によって形成され、かつ１平面に対して前記凹面状の形状が、ブレーキの 中点で１〜５ｍｍの深さを有している、請求項１から３までのいずれか１項記載 のリニア渦電流ブレーキ。 ５． 凹面状の形状が、異なった高さのコイルによって形成される、請求項１か ら４までのいずれか１項記載のリニア渦電流ブレーキ。 ６． コイルが、注型樹脂によって真空密封された単独コイルとして構成されて いる、リニア渦電流ブレーキ。 ７． 壁厚０．５〜１．５ｍｍの溶接された保護ボックスが設けられている、請 求項１から６までのいずれか１項記載のリニア渦電流ブレーキ。 ８． コイルと保護ボックスとの間の絶縁厚が１±０．５ｍｍである、請求項１ から７までのいずれか１項記載のリニア渦電流ブレーキ。 ９． 極片がその下面側で保護ボックスから２〜１５ｍｍ突出して、磁極板の機 能も果たす、請求項１から８までのいずれか１項記載のリニア渦電流ブレーキ。 １０．極片と保護ボックスとがその上面側で面整合するように溶接されており、 磁気ヨークと極片が、コイルのための巻線空間を最大限に活用して面整合するよ うに接している、請求項１から９までのいずれか１項記載のリニア渦電流ブレー キ。