JPH11508581A - pHに依存して制御された活性成分の放出を行うための組成物およびその製造方法 - Google Patents

pHに依存して制御された活性成分の放出を行うための組成物およびその製造方法

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JPH11508581A JP9504847A JP50484797A JPH11508581A JP H11508581 A JPH11508581 A JP H11508581A JP 9504847 A JP9504847 A JP 9504847A JP 50484797 A JP50484797 A JP 50484797A JP H11508581 A JPH11508581 A JP H11508581A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、活性成分、特に薬物の、pHに依存して、または、pHによって調節された制御放出のための組成物に関するものである。前記組成物は、活性成分と、アセテート残基およびジカルボキシレート残基で置換されたデンプン分子との凝集性の混合物を含む。好ましいジカルボキシレートは、スクシネートである。アセテート残基の平均置換度は1以上であり、ジカルボキシレート残基の平均置換度は0.2〜1.2である。デンプン分子の有するアセテート残基およびジカルボキシレート残基は、同一のデンプン分子骨格に結合していても、別個のデンプン骨格に結合していてもよい。また、本発明は、スターチアセテートとスターチジカルボキシレートのエステル交換反応または混合による、前記スターチアセテートジカルボキシレートの製造方法についても開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 pHに依存して制御された活性成分の放出を行うための組成物 およびその製造方法 発明の属する技術分野 本発明は、pHに依存して制御された活性成分の放出を行うための組成物、特 に、薬学的な組成物に関するものである。前記組成物は実質的に、活性物質と、 スクシネートのようなスターチアセテートジカルボキシレート(starch acetate dicarboxylate)とからなる凝集体である。また、前記組成物の製造方法につい ても開示する。 発明の背景 薬剤、自然健康製品、肥料、除草剤、殺虫剤、診断薬といった活性物質は、通 常それ自体だけでは分配されず、より分配されやすく種々の環境条件に対して好 適な投薬形態として調製することが可能な、より好適な組成物という形態で分配 される。これらの環境条件のなかでも、環境の酸性度は重要な要素である。薬剤 は、おそらく最も詳細に研究されている組成物である。よって、本発明のpH依 存性の制御放出(controlled release)組成物を設計した背景を、基本的に薬剤 研究によって蓄積された知識に基づいて更に詳説する。 薬剤は、一般に、1または数種の活性薬物質のほかに、1または数種の賦形剤 を含む。賦形剤は、薬学的な投薬形態の製造をより容易にし、それらに適当な物 理化学的、生物学的、生物薬学的な特性を与える。 胃腸管に配された投薬形態からの、制御、持続または遅延された放出による人 体や動物への薬物投与は、長く製薬業の目的とされている。制御放出投薬形態は 、薬物治療を効率化し、投薬回数を低減し、望ましくない副作用を最小限に止め るために使用される。一般に、薬剤の胃での滞留時間はほとんど予測できず、 個々の生理機能や、食事で摂取された食物の量および種類に依存する。よって、 各々の患者間に存在する差異が特に重要となる。一方、胃と小腸とにおけるpH 条件は著しく異なる。多くの薬剤は、胃の酸性環境では僅かしか溶けず、小腸内 のように周囲のpHが5以上であるときにのみ吸収され得る。投薬形態の持効性 または放出遅延特性は、本来、治療上有効な血中濃度(blood levels)の達成ま たは副作用の危険性の低減のために、延長された期間に渡って薬物の放出を延引 することを図るものである。更に、制御放出投薬形態は、胃腸管における予定さ れた1または複数の箇所での薬物の放出を制御するために使用される。これらの 作用の一つが腸溶作用(enteric effect)である。 定義によれば、腸溶性投薬形態(enteric dosage form)は、胃ではほぼその ままの状態を維持するが、一度小腸に達すれば分解(disintegrate)または溶解 して薬物成分を放出する。腸溶性投薬形態の主な目的は、胃の内容物によって不 活性化され、胃の粘膜を刺激して吐き気や出血を引き起こすおそれがあり、小腸 から循環血液に選択的に吸収され、または、小腸での局所治療効果を有するよう な薬物の放出を遅延させることである。 腸溶作用を得るための技術で最も広く使用されているものは、腸溶性(enteri c property)を有する高分子フィルムによる圧縮製剤のコーティングである。薬 物質および数種の賦形剤からなる混合粉体は、まず混合および大抵の場合は粒状 化され、圧縮されて錠剤となる。そして、これらの錠剤はフィルムコーティング 工程でコーティングされる。コーティング製剤の調製は、混合、粒状化、錠剤化 およびコーティング工程といった、多数の複雑なバリエーションを有するいくつ かの個別の工程を含む多段工程で行われる。 感pH性高分子を基調とするシステムは、高分子の緩慢な溶解および浸食を利 用したシステムよりも確実であるという傾向がある。最も広く使用される腸溶性 高分子(enteric polymer)はセルロースアセテートフタレートである。セルロ ースアセテートフタレートフィルムは良好な腸溶性を有するが、pH6以上での み溶解するため、薬物放出の遅延が所望よりも長くなる。また、前述したセルロ ースアセテートフタレートフィルムは保存中に加水分解し易い。その他の腸溶性 高分子としては、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチル セルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、デンプ ン、アミロースアセテートフタレート、スチレン−マレイン酸共重合体およびセ ルロースアセテートスクシネートなどが挙げられる。 腸溶錠は、一般に、流動床または流動パン(fludized pan)コーティング技術 によって調製される。腸溶性高分子は、通常、有機溶媒を基剤とし、高分子を5 〜30%で含む溶液を噴霧することによって使用される。製薬工程において好適 な溶媒は水であるが、現在でも腸溶錠のコーティング工程では有機溶媒が最も頻 繁に使用されている。しかし、溶媒の蒸発や溶媒が錠剤の構造に与えるおそれの ある悪影響は、コーティング技術の有用性を制限するものである。通常、フィル ムの質を改善するため、可塑剤またはその他の成分がコーティング溶液に混合さ れる。腸溶錠のコーティングにおける一般的な問題としては、フィルムの粘着性 、過度な多孔構造またはクラッキングが挙げられる。当然のことながら、慣用の フィルムコーティングで時折生じるようなその他あらゆる問題が、腸溶錠のコー ティングにおいても存在する。特に、全生産ラインの制御性および反復性は複雑 である。また、腸溶錠コーティング薄膜の破損または不均一性に起因した問題が 生じることもあり、その結果、薬物成分が所望よりも速く放出されるおそれがあ る。 また、マトリックスを形成するための賦形剤を含む組成物を圧縮して制御放出 製剤を調製することが知られている。腸溶錠コーティング用高分子は流動性、固 着性および粘着性が乏しいため、この方法は腸溶性製剤にはほとんど使用されな い。生産規模でこれらの物質を粒状化せず直接圧縮することは、ほとんど不可能 である。 圧縮加工が可能な腸溶性高分子マトリックスの形成体は、全生産ラインの良好 な制御性や、時間的およびエネルギー的な節約の実現にとって重要なものである 。圧縮加工を使用した腸溶性製剤の生産は、原理的に単純であり、容易に制御で きる方法である。前工程としての粒状化なしに直接圧縮加工を行うことができれ ば、より単純で制御性の良好な生産工程の構築が可能となる。そして、粒状化、 粒子の乾燥、有機溶媒の使用などといった、いくつかの不都合な工程を避けるこ とができる。 1994年6月7日に提出されたフィンランド特許出願番号942686を基 礎とする優先権を主張して1995年1月19日に提出された米国特許出願番号 08/374,430に対応する、特許出願PCT/FI95/00331には 、スターチアセテート(starch acetate)および活性成分の凝集体(compact) を含む組成物が開示されている。前記組成物の特徴はその特性の可変性にある。 また、前記特許出願PCT/FI95/00331には、例えば、制御放出また は持効性といった特定の目的に対して最適な、種々の凝集体の製造方法をも開示 している。しかしながら、前記組成物からの活性成分の放出はpHに依存するも のではない。 前述したように、錠剤、粒体およびペレットなどの凝集体のような、pHに依 存して制御された放出を行う薬学的な組成物または腸溶性組成物(enterocompos ition)が、特に求められている。このような組成物に対する要求は、薬剤や自 然健康製品といった薬学的な適用に対して特に顕著であるが、pH依存性制御放 出組成物は、肥料、除草剤、診断薬などとして使用するための組成物を設計する 場合に応用することもできる。 特許出願PCT/FI95/00331に記載された組成物であるスターチア セテートにおけるアセテート残基の一部を、ジカルボン酸残基で置き換えること によって新規なpH依存性制御放出組成物が得られ、この組成物は腸内での適用 に特に好適であることが分かった。よって、本発明の組成物は、従来の薬学的な 腸溶性成物よりもはるかに容易かつ経済的に製造できる、腸内適用のための凝集 体を提供するものである。 前記組成物は、主な機能成分として、実質的に、1または複数の活性成分とス ターチアセテートジカルボキシレートとからなる凝集体である。 発明の概要 本発明は、特に薬剤および自然健康製品、そのほか肥料、除草剤、殺虫剤およ び診断薬などといった活性成分の、pHに依存して制御された放出を行うための 組成物に関するものである。前記組成物は、活性成分と、アセテート残基および ジカルボキシレート残基で置換されたデンプン分子との凝集性の(compactible )混合物である。スクシネートは、このようなジカルボキシレート残基の最も好 ましい例である。 前記デンプン分子の有し得るアセテート残基およびジカルボキシレート残基は 、同一のデンプン分子骨格に結合しているか、または、別個のデンプン分子骨格 に存在するものである。 また、スターチアセテートとスターチジカルボキシレート(starch dicarboxy late)のエステル交換反応または混合による前記スターチアセテートジカルボキ シレートの製造方法を、本発明において各々記述する。 本発明は、製造が容易で廉価である、pHに依存して制御された放出または腸 内での適用のための凝集体を提供する。本発明による組成物の調製は、従来の腸 溶性組成物を覆うフィルムの調製において必要とされていた環境に有害な希釈剤 の使用を回避することができるため、環境汚染を低減する。 図面の簡単な説明 Fig.1は、スターチアセテートスクシネートの錠剤からの薬物(無水テオ フィリン)放出(%)を、時間の関数として表したものである。溶媒のpHは、 1、2、4、6、7または8とした。 Fig.2は、置換度を種々に変化させたスターチアセテートスクシネートの 錠剤からの薬物(無水テオフィリン)放出(%)を、時間の関数として表したも のである。溶媒のpHは、1または8とした。 Fig.3は、スターチアセテートスクシネートの錠剤からの薬物(無水テオ フィリン)放出(%)を、時間の関数として表したものである。錠剤は、3種の 異なる圧縮力で調製した。溶媒のpHは、1または8とした。 Fig.4は、5または25%(w/w)の無水テオフィリンを含むスターチ アセテートスクシネート錠からの薬物(無水テオフィリン)放出(%)を、時間 の関数として表したものである。溶媒のpHは、1または8とした。 Fig.5は、スターチアセテートスクシネート錠からの薬物(無水テオフィ リン)放出(%)を、時間の関数として表したものである。錠剤は、スターチア セテートスクシネートを化学的な化合物または物理的な混合物という形態で含む 。溶媒のpHは、1または8とした。 Fig.6は、置換度を種々に変化させたスターチアセテートスクシネートで 調製した錠剤の破壊強度の値として測定された、機械的強度を示したものである 。 Fig.7は、3種の異なる圧縮力で調製したスターチアセテートスクシネー トの錠剤の、リン酸緩衝液(pH6.8)中での分解時間(disintegration tim e)、および、破壊強度を示したものである。約5kNの圧縮力で調製した錠剤 は、分解試験における最初の2時間に分解媒体(disintegration medium)として 使用した0.1Nの塩酸中ですでに分解した。 Fig.8aは、スターチアセテートスクシネートの錠剤表面を示したもので ある。アセチル基およびスクシニル基についての置換度は、各々2.38および 0.03である。図中線は100μmである。 Fig.8bは、スターチアセテートスクシネートの錠剤表面を示したもので ある。アセチル基およびスクシニル基についての置換度は、各々2.29および 0.37である。図中線は100μmである。 Fig.8cは、スターチアセテートスクシネートの錠剤表面を示したもので ある。アセチル基およびスクシニル基についての置換度は、各々1.34および 0.25である。図中線は100μmである。 Fig.8dは、スターチアセテートスクシネートの錠剤表面を示したもので ある。アセチル基およびスクシニル基についての置換度は、各々0.39および 1.12である。図中線は100μmである。 Fig.9aは、約5.7kNの力で圧縮したスターチアセテートスクシネー ト錠の表面を示したものである。図中線は100μmである。 Fig.9bは、約15.3kNの力で圧縮したスターチアセテートスクシネ ート錠の表面を示したものである。図中線は100μmである。 Fig.9cは、約25.2kNの力で圧縮したスターチアセテートスクシネ ート錠の表面を示したものである。図中線は100μmである。 発明の詳細な説明 以下の説明においては、デンプン化学および薬学の技術分野における当業者に 知られている様々な方法論を参照する。この既知の方法論について記載した刊行 物およびその他の全内容をここに取り入れる。 デンプン化学の一般原理は、例えば、「改質デンプン;特性と使用」、Wurzbu rg,O.B.編、CRC Press Inc.、Boca Raton、Florida、1986年および「デンプン ;化学と技術」、Whistler.R.C.、BeMiller,J.N.、Paschall,E.F.編、Academ ic Press Inc.、Orlando、1984年に記載されている。 薬学に関する一般原理は、例えば、「産業的薬学の理論と実際」第3版、Lach man,L.、Lieberman,H.A.、Kanig,J.L.(編)、Lea & Febiger、Philadelphia 、1986年および「薬学的投与形態:錠剤」1、2、3巻、Lieberman,H.A、Lach man,L.(編)、Marcel Dekker Inc.、New York、1980年に記載されている。 薬学的な賦形剤においての一般原理は、例えば、「マルチンデイル薬局方増刊 」第30版、Pharmaceutical Press、London 1993年および「薬学的賦形剤ハン ドブック」、1994年、American Pharmaceutical Association、The Pharmaceuti cal Society of Great Britainに記載されている。 定義 特に定義がなければ、ここで使用するすべての技術的および科学的用語は、本 発明の属する技術分野における当業者によって、一般に理解されているのと同様 の意味を有するものである。以下の記述においては、多数の用語が広く使用され る。このような用語に与えられるべき範囲を含む、明細書および請求の範囲に対 する理解を明確かつ徹底したものとするため、以下に定義する。 「組成物」という語は、例えば、本発明に係る少なくとも1つの活性成分およ びデンプン誘導体といった、2つの化合物を含む凝集性の混合物を意味する。こ れらは主に人体への経口適用のために創出されたものであり、その適用は、薬学 的な腸溶性錠剤(enterotablet)、凝集性の腸溶性顆粒(enterogranule)また は腸溶性ペレット(enteropellet)を含むものである。自然健康製品もまた活性 成分として使用できる。また、前記組成物は、獣医学的な薬剤に使用することも でき、除草剤、殺虫剤、肥料、診断薬などを製造するためにも使用できる。 「活性成分」という語は、薬物、薬剤、ビタミン、ミネラル、微量ミネラル、 グルカン繊維を含む繊維、診断薬、除草剤、肥料、殺虫剤を意味する。 「自然健康製品」という語は、「自然健康食品」、「健康食品」および「自然 製品」という語の同義語として使用され、健康増進剤、病気予防製品および/ま たはその他の有益な食品として薬剤のように使用され、薬事登録を申請するため の許認可を必要としない自然界から得られる製品を意味する。これらの物質は、 ビタミン、ミネラル、微量ミネラル、酸化防止物質、繊維などを含む。 「凝集性の」という語は、圧縮力の影響下で、錠剤または十分な破壊強度を有 し容易に投与できるその他の投薬形態といった凝集体に成形される、本発明に係 る活性物質とデンプン誘導体との混合物を意味する。 「凝集体」という語は、圧縮された錠剤、凝集した顆粒もしくはペレット、ま たはその他の投与が容易な投薬形態を意味する。 「デンプン」という語は、あらゆる形態のデンプン、天然デンプン、または、 化学的もしくは酵素作用により加水分解したデンプンを意味する。好ましいデン プンは、大麦、小麦、オート麦、トウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ、サゴ、 米およびその他の塊茎または穀類を原料とし、アミロース含有量が0〜100% (w/w)、アミロペクチン含有量が100〜0%(w/w)であるデンプン製 品から得られるものである。特に好ましくは、アミロース含有量が20〜25% (w/w)である大麦または小麦のデンプン製品である。換言すれば、デンプン の分子量およびアミロース含有量は、本発明の出発物質として使用するデンプン を限定する要素ではない。 「アセテートで置換されたデンプン分子」という語は、酢酸、無水酢酸または 塩化アセチルとエステル化し、デンプン分子骨格に沿ってランダムに分布したア セチル残基(残基という語は、基または部分と同義で使用する。)を含むデンプ ン分子を意味する。 「ジカルボキシレートで置換されたデンプン分子」という語は、好ましくは、 オキサレート(oxalate)、マロネート(malonate)、スクシネート(succinate )、グルタレート(glutarate)、アジペート(adipate)、ピメレート(pimela te)、スベレート(suberate)、アゼレート(azealate)、セバシエート(seba cate)、マレート(maleate)、フマレート(fumarate)、マラート(malate) 、タルトレート(tartrate)、シトレート(citrate)またはこれらジカルボキ シレートの混合物などの、様々な鎖長を有するアシル基を含む、直鎖もしくは分 枝ジカルボン酸、直鎖もしくは分枝ジカルボン酸無水物、直鎖もしくは分枝のジ カルボン酸塩化物もしくはヒドロキシジカルボン酸とエステル化したデンプン分 子を意味する。最も好ましいジカルボキシレートはスクシネートである。また、 シトレートなどのいくつかのトリカルボン酸を、分枝ジカルボン酸の一例として ジカルボン酸の定義に組み入れる。 「アセテート残基およびジカルボキシレート残基で置換されたデンプン分子」 という語は、例えば、エステル交換反応、または、反応性のアセテート基もしく はジカルボキシレート基の混合物とのエステル化によって得られる、同一のデン プン分子骨格を先に定義した両残基によって置換されたデンプン分子を意味する 。この語はまた、前記置換基が、所望の平均置換度が得られるように特定の割合 で混合され得る別個のデンプン分子に存在する場合をも意味するものである。 「スターチアセテートスクシネート」という語は、アセチル基およびスクシニ ル基が同一のデンプン分子骨格に存在するものを意味する。 「アセテートおよびスクシネートで置換されたデンプン分子」という語は、ス ターチアセテートスクシネートと、アセチル基およびスクシニル基が別個のデン プン分子骨格に存在するデンプン分子混合物の両方を意味するものである。 「平均置換度(DS)」は、両残基によってランダムに置換されたデンプン分 子においてランダムに分布した各残基の実際の置換度、または、一定のDSを有 するスターチアセテートと一定のDSを有するスターチジカルボキシレートとを 一定の割合で混合した全混合物から算出される平均DSを意味する。 「制御された放出」という語は、組成物からの活性成分の放出を、所望の態様 に変更し得ることを意味する。 「pHに依存して制御された活性成分の放出」という語は、放出速度が周囲の 媒体もしくは環境のpHに依存すること、または、pHによって調節されること を意味する。 「徐放化された(retarded)放出」という語は、酸性のpHにおいて放出が、 完全にはなくならないが、遅くなることを意味する。 「速放化された(enhanced)放出」という語は、実質的に中性または塩基性の pHにおいて、放出が速くなることを意味する。 「実質的に中性のpH」という語は、pH7のような、概略pH5からpH8 までを意味する。pH8はもはや、塩基性溶液として定義される。 「腸溶性組成物」という語は、活性成分の制御された放出が、pHに依存する こと、または、pHによって調節されることを意味する。活性成分の放出は、酸 性溶液において徐放化し、実質的に中性pHまたは塩基性pHにおいて速放化す る。 本発明は、特に腸内での適用に有用な特性を有する組成物に関するものである 。本発明は、凝集体における必須の賦形剤としてスターチアセテートジカルボキ シレートを使用することにより、組成物または投薬形態からのpHに依存した活 性成分の放出を達成できることを主な特徴とする。 pHに依存して制御された活性成分の放出を行うための組成物は、実質的に、 活性成分と、アセテート残基およびジカルボキシレート残基で置換されたデンプ ン分子との凝集性の混合物からなる。ジカルボキシレート残基は、オキサレート 、マロネート、スクシネート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレ ート、アゼレート、セバシエート、マレート、フマレート、マラート、タルトレ ート、シトレートおよびこれらのジカルボキシレートの混合物からなる群より選 ばれるものである。最も好ましいジカルボキシレートはスクシネートである。ス ターチアセテートジカルボキシレートに代わって、スターチアセテートとスター チジカルボキシレートとの物理的な混合物を使用しても同様の効果を得ることが できる。 組成物に使用されるデンプン分子のアセテート残基についての平均置換度は1 以上であるが、置換度が高いほど強固な錠剤を得ることができる。アセテート残 基の平均置換度を1.5以上にできるデンプン分子を使用すれば、十分な強度を 有する錠剤を得ることができる。また、アセテート残基の置換度が2以上である ものを使用すれば、更に強固な錠剤を得ることができる。したがって、組成物に 使用されるデンプン分子のアセテート残基についての平均置換度は、1.00〜 2.95程度であることが好ましい。 組成物に使用されるデンプン分子のジカルボキシレート残基についての平均置 換度は約0.05〜1.5の範囲である。ジカルボキシレート置換度が0.05 未満と小さい場合でもpH依存性の放出は幾分認められるが、良好な結果はジカ ルボキシレート残基の平均置換度が0.2〜1.2であるものを使用した場合に 得られる。錠剤の機械的強度が必要な特性でなければ、アセテートのDSを1未 満とすることができる。アセテート残基およびジカルボキシレート残基のDSを 変化させることによって、錠剤の機能上の特性を要求に応じて改変することがで きる。 本発明の組成物は、一般に凝集体であり、更に明確にいえば、薬学的な適用に おいては錠剤、顆粒またはペレットである。前記組成物は、単一ユニットの錠剤 、または、多数の腸溶性顆粒または腸溶性ペレットを含むゼラチンカプセルのよ うな複数ユニットの投薬形態として設計することができる。前記組成物は、置換 度、スターチアセテートスクシネートポリマーのモル質量、スターチアセテート とスクシネートとの物理的混合物の混合比、製剤に含まれる薬物の量および他の 賦形剤の量を変化させることによって、様々な用途に適するように改質すること ができる。また、少なくとも2種の異なるスターチアセテートジカルボキシレー トを使用することや、これらのジカルボキシレートにおける置換度を相違させる ことにより、pH依存性の制御放出作用または腸溶作用を改変することも可能で ある。また、置換度の異なる少なくとも2種のスターチアセテートジカルボキシ レートを使用することによって腸溶作用を改変することも可能である。 組成物においては、実質的に2種の形態のデンプンを使用することができる。 デンプン分子は、アセテート残基およびジカルボキシレート残基が同一のデンプ ン分子骨格に結合しているものであっても、アセテート残基およびジカルボキシ レート残基が別個のデンプン分子骨格に存在しており、凝集化する前に物理的混 合物とすることで一体化したものであってもよい。 ジカルボキシレート残基およびスクシネート残基で置換したデンプン分子の一 部、好ましくは約20〜50%、更に好ましくは約30〜40%を、天然デンプ ンまたは改質デンプンに置き換えることができる。しかし、組成物が依然とし て、本発明のDS基準を満たすような量のジカルボキシレート残基を含むことが 必要である。アセテート残基およびジカルボキシレート残基が別個のデンプン分 子に存在する組成物においては、スターチアセテートの一部またはほぼ全部、好 ましくは10〜99%、更に好ましくは20〜80%を、天然デンプンまたは好 ましくは改質デンプンによって置き換えることができる。置き換えに使用する改 質デンプンとしては、例えば、Predeepkumar,P.らがPharmaceuutical Research, vol.10.(11),1993に記載したような糊化または架橋したデンプンが使用できる。 本発明の薬剤、自然健康製品および診断薬の組成物は、経口的な投与を意図し たものであるが、決して直腸適用組成物(rectal composition)などのその他の 適用に応じた組成物を調整するための本発明の使用が排除されるわけではない。 製剤中の活性成分は、胃の酸性環境においては組成物から実質的に放出されない が、組成物が小腸の中性環境に到達するとただちに急速に放出される。腸溶性は 凝集体の急速な分解によるものであり、中性環境におけるスターチアセテートジ カルボキシレートの部分的な溶解が可能となる。 組成物は凝集体であるため、すでに胃において活性成分の僅かな放出が起こり 得る。これは、凝集体の外表面からの活性成分の放出によるものである。この段 階で放出される活性成分の量は、製剤中の活性成分濃度および実施した圧縮力に 依存する。通常、この量は明らかに30%以下である。残りの活性成分は、小腸 において急速に放出される。胃で放出される薬量の充填および小腸で放出される 薬量の維持からなる二段階の放出態様は、永続的薬物治療において比較的安定し た薬物の血中濃度を達成するのに特に有効である。 この組成物は、実質的に、後述する4つの方法によって調製することができる 。これらの方法は、各段階について採り得る手段がいくつか存在し、数通りに変 更することが可能である。 (第1の方法) スターチアセテート分子を慣用の方法で調製する。エステル交換反応によって 、スターチアセテート分子のアセテート残基の一部をジカルボキシレート残基で 置換し、ジカルボキシレート残基が前述したいずれかであるスターチアセテート ジカルボキシレート分子を得る。スクシネート残基が最も好ましい。 (第2の方法) スターチジカルボキシレートを慣用の方法で調製する。エステル交換反応によ って、スターチジカルボキシレート分子のジカルボキシレート残基の一部をアセ テート残基で置換し、スターチアセテートジカルボキシレート分子を得る。 (第3の方法) 反応性のアセチル基およびジカルボキシル基の混合物を、デンプンと反応させ ることによって、スターチアセテートジカルボキシレート分子を調製することが できる。これら混合物としては、各々、酢酸とジカルボン酸、無水酢酸と無水ジ カルボン酸、塩化アセチルと塩化ジカルボキシルの混合物が含まれ得る。これら の混合物および方法を、適当に組み合わせて使用することもできる。 (第4の方法) スターチアセテート分子とスターチジカルボキシレート分子とを、別々に慣用 の方法で調製する。これら2種の分子を、所望の特性−凝集性およびpH依存性 の制御放出−を有するデンプン混合物とできるような所定の割合で混合する。ま た、単一のスターチジカルボキシレートを使用する代わりに、異種のスターチジ カルボキシレートの混合物を使用することもできる。 更に、得られたスターチアセテートジカルボキシレートを1種以上の活性成分 と混合し、この混合物を、実質的に、ここにそのすべてを参考として取り入れる 国際特許出願PCT/FI95/00331に記載されているように圧縮して、 活性成分のpHに依存して制御された放出を行うための凝集体を得る。 本発明において使用されるスターチアセテートジカルボキシレート分子の調製 方法を以下の実施例において更に詳細に説明するが、これらの実施例は発明を説 明するものであって、発明を限定するものではないと理解すべきである。凝集し た組成物の調製並びに特性およびその試験方法を、実験によって更に詳細に説明 する。実験は、本発明の範囲を制限するものではなく、発明の有用性を明らかに するためのものであると理解すべきである。 実施例1 エステル交換反応によるスターチアセテートスクシネートの調製 スターチアセテートスクシネートを、スターチアセテートのエステル交換反応 によって調製した。試薬の量および反応条件を表1に示す。 *1 置換度の分析方法:Wurzburg.O.B.,「炭水化物化学における方法(Met hods in Carbohydrate Chemistry)Vol.IV」アセチル化、R.L.Whistler編、Acad emic Press、New York & London、1964年、288頁。 蛇管冷却器、自動撹拌機、温度計および油浴を備えたガラス製の平縁反応器に てスターチアセテートスクシネートを調製した。 スターチアセテートとピリジンとを、90℃で30分間混合した。混合後、反 応混合物に無水コハク酸を1時間で添加した。反応条件は表1に示す通りである 。反応終了後、混合物を冷却し、高速で自動撹拌しながら酸性溶液より沈殿させ た。沈殿後の溶液のpHは2〜4であった。沈殿物を濾過し、pHが5以上にな るまで水で洗浄した。工程の最後に生成物を風乾した。スターチアセテートスク シネートの分析結果を表2に示す。 *1 置換度の分析方法:Wurzburg.O.B.,「炭水化物化学における方法(Met hod in Carbohydrate Chemistry)Vol.IV」アセチル化、R.L.Whistler編、Acade mic Press、New York & London、1964年、288頁。 *2 GPC分析は、Alko Group Ltd.社製アルコール制御実験装置(Alcohol Control Laboratory(ACL)Equipment)で行った。前記装置はHP-1090、直列に 並べた2つのカラム(Waters社製、Ultra Hydrogel 2000)、RI検出器および 粘度検出器を備えており、分析は溶媒を50nMのNaOH、温度を40℃とし 、デキストランを標準物質として行った。スターチアセテートの出発物質の分子 量のみを測定する。 実施例2 エステル交換反応を利用しない、有機溶媒中でのスターチアセテートスクシネ ートの調製 スターチアセテートスクシネートの調製を、エステル交換反応を利用せずに行 った。調製は、有機溶媒中で無水酢酸と無水コハク酸の両方を使用して行った。 試薬の量を表3に示す。 *0 加水分解した大麦デンプン *1 アセチル化の反応時間 *2 全反応時間 *3 スクシニル化の反応時間 スターチアセテートスクシネートは、実施例1に記載の反応装置で調製した。 スターチアセテートとピリジンとを90℃で30分間混合した。この混合物に 、バッチNo.5、6および7には無水酢酸を、バッチNo.8には無水コハク 酸を添加し、表3に示す反応条件で反応させた。バッチNo.5、6および7に は無水コハク酸を、バッチNo.8には無水酢酸を添加し、表3に示す反応条件 で反応させた。反応終了後、混合物を冷却し、高速で自動撹拌しながら酸性溶液 より沈殿させた。沈殿後の溶液のpHは2〜4であった。沈殿物を濾過し、pH が5以上になるまで水で洗浄した。工程の最後に生成物を風乾した。スターチ アセテートスクシネートの分析結果を表4に示す。 *1 置換度の分析方法:Wurzburg.O.B.,「炭水化物化学における方法(Met hod in Carbohydrate Chemistry)Vol.IV」アセチル化、R.L.Whistler編、Acade mic Press、New York & London、1964年、288頁。 *2 GPC分析は、Alko Group Ltd.社製アルコール制御実験装置(Alcohol Control Laboratory(ACL)Equipment)で行った。前記装置はHP-1090、直列に 並べた2つのカラム(Waters社製、Ultra Hydrogel 2000)、RI検出器および 粘度検出器を備えており、分析は溶媒を50nMのNaOH、温度を40℃とし 、デキストランを基準物質として行った。デンプンの分子量のみを測定する。 実施例3 無水酢酸中でのスターチアセテートの調製 反応触媒として水酸化ナトリウムを使用し、無水酢酸中でスターチアセテート を調製した。試薬の量および反応条件を表5に示す。 *1 加水分解した大麦デンプン 自動撹拌器および油浴加熱器を備えた300dm3反応器で、スターチアセテ ートを調製した。デンプンと無水酢酸とを45℃で混合した。水酸化ナトリウム を反応混合物に10分間で添加した。加熱して、表5に示す反応条件で反応させ た。反応終了後混合物を冷却し、水より沈殿させ、洗浄し乾燥した。スターチア セテートの分析結果を表6に示す。 *1および*2は、表4参照。 実施例4 有機溶媒中でのスターチスクシネートの調製 表7に示す試薬量および反応条件で、有機溶媒中にてスターチスクシネートを 調製した。 *1 加水分解した大麦デンプン スターチスクシネートは、前に実施例1で記載した反応装置で調製した。結果 を表8に示す。 *1および*2は、表4参照。 デンプンとピリジンとを90℃で90分間還流しながら混合した。ジメチルホ ルムアミドの一部を反応混合物に添加し、残りを無水コハク酸と混合して、これ らを混合した。反応後、混合物をジカルボン酸ナトリウム溶液に溶解させ、限外 濾過した。スターチスクシネートの分析結果を表8に示す。 実施例5 スターチアセテートとスターチスクシネートとの物理的混合物 スターチアセテートとスターチスクシネートとから物理的混合物を調製した。 これらのスターチアセテートおよびスターチスクシネートの調製は、バッチ3お よび4、バッチNo.9および10に記載した通りである。表9に、スターチア セテートおよびスターチスクシネートの置換度、並びに、物理的混合物における アセチル残基およびスクシニル残基の平均置換度を示す。 *1 混合物中での値である(平均値)。 実施例6 氷酢酸中でのスターチアセテートスクシネートの調製 スターチアセテートスクシネートを、氷酢酸を中間物質(intermediate agent )として使用して調製した。試薬の量を表10に示す。 *1 加水分解した大麦デンプン *2 スクシニル化の反応条件 *3 アセチル化の反応条件 スターチアセテートスクシネートは、実施例1に記載の反応装置で調製した。 デンプンと氷酢酸とを40〜50℃で30分間混合した。混合物に、バッチN o.12においては無水コハク酸を、バッチNo.13においては無水コハク酸 と無水酢酸の両方を加えた。15分後、水酸化ナトリウムを滴々加え、表3に示 す反応条件で反応させた。バッチNo.12には、反応開始後に無水酢酸を加え 、表3に示す反応条件で反応させた。反応終了後、混合物を冷却し、過剰な酢酸 を減圧下で留去した。留去後、混合物を高速で自動撹拌しながら水より沈殿させ 、濾過して、洗浄し乾燥した。スターチアセテートスクシネートの分析結果を表 11に示す。 *1および*2は、表4参照。 実施例7 エステル交換反応による、氷酢酸中でのスターチアセテートスクシネートの調 製。 スターチアセテートスクシネートを、氷酢酸を不活性試薬(inert agent)と して使用したスターチアセテートのエステル交換反応によって調製した。水酸化 ナトリウムおよび酢酸ナトリウムは、エステル交換反応の触媒として使用した。 試薬の量を表12に示す。 *1 水酸化ナトリウム *2 酢酸ナトリウム スターチアセテートスクシネートは、実施例1に記載の反応装置で調製した。 スターチアセテートと氷酢酸とを45〜50℃で30分間混合し、混合物に無 水コハク酸を添加した。15分後、エステル交換反応触媒として、バッチNo. 14においては水酸化ナトリウムを、バッチNo.15においては酢酸ナトリウ ムを滴々加え、表3に示す反応条件で反応させた。反応終了後、混合物を冷却し 、過剰な酢酸を減圧下で留去した。留去後、混合物を高速で自動撹拌しながら水 より沈殿させ、濾過し、洗浄し乾燥した。スターチアセテートスクシネートの分 析結果を表13に示す。 *1および*2は、表4参照。 実施例8 無水酢酸中でのスターチアセテートスクシネートの調製 スターチアセテートスクシネートを、無水酢酸を反応試薬および中間物質とし て使用して調製した。水酸化ナトリウムは反応触媒として使用した。試薬の量を 表14に示す。 スターチアセテートスクシネートは、実施例1に記載の反応装置で調製した。 デンプンと無水酢酸とを45〜50℃で30分間混合し、この混合物に水酸化 ナトリウムを滴々加え、表14に示す反応条件で反応させた。アセチル化反応が 起こった後、混合物に無水コハク酸を加え、表14に示す反応条件で反応させた 。 *1 加水分解した大麦デンプン *2 アセチル化の反応条件 *3 スクシニル化の反応条件 *1および*2は、表4参照。 スクシニル化反応後、反応混合物を冷却し、高速で自動撹拌しながら水より沈 殿させ、濾過し、洗浄し乾燥した。スターチアセテートスクシネートの分析結果 を表15に示す。 実施例9 スターチアセテートジカルボキシレートの調製 スターチアセテートジカルボキシレートである、スターチアセテートアジペー トおよびスターチアセテートセバシエートを、無水酢酸を反応試薬および中間物 質として使用して調製した。水酸化ナトリウムは反応触媒として使用した。試薬 の量を表16に示す。 *1 加水分解した大麦デンプン *2 アセチル化の反応条件 *3 ジカルボキシル化の反応条件 *4 アジピン酸 *5 セバシン酸 スターチアセテートジカルボキシレートは、実施例1に記載の反応装置で調製 した。 デンプンと無水酢酸とを45〜50℃で30分間混合し、この混合物に水酸化 ナトリウムを滴々加え、表16に示す反応条件で反応させた。アセチル化反応後 、混合物にジカルボン酸を加え、表16に示す反応条件で反応させた。ジカルボ キシル化反応後、反応混合物を冷却し、高速で自動撹拌しながら水より沈殿させ 、濾過し、洗浄し乾燥した。スターチアセテートジカルボキシレートの分析結果 を表17に示す。 *1および*2は、表4参照。 実験1 錠剤の調製 スターチアセテートスクシネート、活性物質としての無水テオフィリン、およ び、潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤を、偏心錠剤圧縮機( Korsch社製、EK-0、ベルリン、ドイツ)と直径1cmの平面(flat-faced)パン チとを用いて圧縮した。錠剤の圧縮速度は30rpmであった。すべての粉体は 、圧縮を行うまで相対湿度33%、室温で保存した。予め秤量した粉体試料を手 作業でダイス孔(die cavity)に入れ、15kNの圧縮力で圧縮して錠剤を成形 した。いくつかの実験においては、圧縮力は5kNまたは25kNに調整した。 実験2 溶解試験 活性物質である無水テオフィリンのスターチアセテートスクシネート錠からの 放出は、USP(XXIII)回転かご法(rotary basket method)によって、 回転速度を100rpmとして測定した。種々のpHのリン酸緩衝液300ml を溶媒として使用した。リン酸緩衝液の濃度は40mMとした。3mlの試料を 、所定の時間間隔で容器から取り出して0.2μmの濾過膜で濾過し、リン酸緩 衝溶液で適当に希釈した。実験は最大でも8時間で終了した。無水テオフィリン の濃度を分光測光法により波長270nmで測定した(Hitachi-220、東京、日 本)。 実験3 溶媒のpHが薬物放出に及ぼす影響 マトリックス錠からの薬物放出の速度を、種々のpHのリン酸緩衝液を溶媒と して使用して測定した。結果をFig.1に示す。スターチアセテートスクシネ ート74.5%(w/w)、無水テオフィリン25%(w/w)およびステアリ ン酸マグネシウム0.5%(w/w)からなる錠剤を実施例1に記載の方法で調 製した。アセチル基およびスクシニル基の置換度は、各々1.34および0.2 5であった。緩衝溶液のpHは1、2、4、6、7および8とした。 薬物放出速度は、溶媒のpHの低下に伴って減少した。pH8の塩基性および pH7の中性の媒体では、無水テオフィリンは20分間で完全に放出された。p H6および4の弱酸性溶液では、完全な薬物放出を達成するのに約90分を要し た。薬物放出速度は、やはりpH4よりもpH6において幾分速く、スターチア セテートスクシネートのpH依存特性が示された。pH2およびpH1における 薬物放出の様子は、塩基性、中性、弱酸性媒体で見られるものとは明らかに異な った。pH2およびpH1では、8時間の実験において、錠剤の薬物含量のうち の各々約99%および83%が放出された。 スターチアセテートスクシネートの性質は、明らかにpHに依存するものであ り、これはドラッグデリバリーの分野において有利な特性である。 実験4 スターチアセテートスクシネートの置換度が薬物放出に及ぼす影響 様々に置換されたスターチアセテートスクシネートをマトリックス形成物質と して含む錠剤からの薬物放出を、前述の方法(実験2)によって調べた。各錠剤 における無水テオフィリンの含有量は25%(w/w)とした。スターチアセテ ートスクシネートポリマーの置換度は、表18に示す通りである。溶解試験は、 pH8の塩基性およびpH1の酸性のリン酸緩衝溶液で行った。 デンプン分子がアセチル基によって高度に、すなわちDSが2以上という程度 に置換されると、特に酸性環境において、活性物質の放出速度が遅くなる(Fi g.2)。 薬物放出は、マトリックスを形成するのにスターチアセテートスクシネートN o.1を使用した場合、塩基性溶液においても遅かった。放出の遅延は、おそら くスクシニル基の量が少なく、塩基性媒体で速い薬物放出を確保するには不十分 な量であったことに起因するものである。スターチアセテートスクシネートNo .2の場合、ポリマーのスクシニル基含有量がポリマーNo.1に比べて明らか に高い。よって、pH8において薬物放出速度が速くなった(Fig.2)。 アセチル基の置換度が2.0以下であり、スクシニル基の置換度が1.0より 低い場合(ポリマーNo.3)、活性物質の放出は塩基性溶液において速かった (Fig.2)。しかし、pH1における放出速度は比較的遅かった。pH依存 性の特性を有するポリマーは、ドラッグデリバリーの制御のための多くの適用に 対して有用である。 ポリマーNo.4を圧縮した錠剤からの薬物放出は、両媒体において非常に速 かった(Fig.2)。おそらく、ポリマー中のアセチル含有量が低くすぎるた め、適当なマトリックス錠を形成することができないのである。低いアセチル含 有量に加え、スクシニル基のポリマーにおける置換度が1を超えており、これが 、少なくとも塩基性溶液において、活性物質の放出速度に影響を与えている。 デンプン分子をアセチル基およびスクシニル基で置換することにより、pH依 存特性を有するポリマーを得ることができた。デンプン分子に結合するアセチル 基およびスクシニル基の量を変化させることにより、薬物放出速度に影響を与え ることができた。 実験5 圧縮力がスターチアセテートスクシネート錠からの薬物放出の速度に及ぼす影 響 5kN、15kNおよび2kNの3つの異なる圧縮力によって、スターチアセ テートスクシネート74.5%(w/w)、無水テオフィリン25%(w/w) およびステアリン酸マグネシウム0.5%(w/w)で構成される錠剤を調製し た。スターチアセテートスクシネートポリマーの置換度は、アセチル基およびス クシニル基について各々1.34、0.25であった。薬物放出速度は、pH1 の酸性およびpH8の塩基性のリン酸緩衝溶液で、前述したような手順(実験2 )で調べた。 5kNという最も小さい力で圧縮した錠剤からは、活性物質は溶液のpHに関 わらず比較的速く放出された(Fig.3)。塩基性の緩衝溶液を使用した場合 、薬物放出は5分間で完了した。酸性媒体においては、無水テオフィリンは30 分間でその全量が放出された。低い圧縮力で成形された錠剤は、相当に多孔性の 構造を有するため、錠剤への溶液の浸透が容易に速く起こり得る。よって、分散 した薬物質が溶解し、非常に緻密なマトリックス錠に分散した薬成分に比べて、 速く放出される。錠剤の圧縮力を15kNまたは25kNに調整した場合、薬物 放出速度は、酸性(pH1)媒体において著しく低下する。8時間後に最後まで 残った試料を取り出したところ、その時までに15kNの力で圧縮した錠剤から 放出された無水テオフィリンは約83%であった。また、25kNの圧縮力で調 整した錠剤においては78%であった。塩基性溶液における活性成分の放出速度 は、高い圧縮力にもかかわらず速かった。 錠剤化における圧縮力の大きさによって、スターチアセテートスクシネートポ リマー錠からの薬物放出を制御することができた。 実験6 薬物濃度が薬物放出速度に及ぼす影響 活性物質として5%(w/w)または25%(w/w)の無水テオフィリンを 含むスターチアセテートマトリックス錠の薬物放出速度を、前述した方法(実験 2)で調べた。実験は、pH1の酸性およびpH8の塩基性媒体で行った。ポリ マーの置換度は、アセチル基が1.34であり、スクシニル基が0.25であっ た。マトリックス錠を成形するための圧縮力は、約15kNに調整した。 塩基性媒体であるpH8のリン酸緩衝液において薬物放出速度は、いずれの組 成においても速かった(Fig.4)。薬物が完全に放出されるのに約20分間 を要した。酸性溶液で実験を行った場合、5%(w/w)の活性物質を含む錠剤 の薬物放出速度は、それよりも薬物量が多い錠剤に比べて幾分速かった。 スターチアセテートスクシネートマトリックスからのドラッグデリバリーは、 活性物質の量に関わらずpHに依存した。 実験7 別個のスターチアセテートポリマーとスターチスクシネートポリマーとを等量 づつ含む錠剤からの薬物放出 スターチアセテート(DS 2.76)50%(w/w)と、スターチスクシ ネート(DS 1.7)50%(w/w)とを含む物理的な混合物を調製した。 ポリマー錠剤のマトリックスは、ポリマー混合物74.5%(w/w)、無水テ オフィリン25%(w/w)およびステアリン酸マグネシウム0.5%(w/w )で構成され、15kNの力で圧縮した。溶解試験は、酸性(pH1)および塩 基性(pH8)のリン酸緩衝液を使用して行った。 スターチアセテートスクシネートポリマーを、化学的な化合物または物理的な 混合物の形態で含むマトリックスからの活性物質の放出の様子を、Fig.5に 示す。同一のデンプン分子骨格にアセチル残基およびスクシニル残基が結合した スターチアセテートスクシネートの置換度は、アセチル基およびスクシニル基に ついて、各々2.29および0.37であった。錠剤中のポリマー成分の形態に 関わらず、無水テオフィリンの放出速度は、酸性よりも塩基性の環境において速 かった(Fig.5)。物理的な混合物においてはスクシニル残基の量が非常に 多いため、放出速度がより速くなったものと考えられる。 錠剤中のスターチアセテートスクシネート成分が、pHに依存した活性物質の 放出を可能にした。単独のスターチアセテートと、単独のスターチスクシネート とを混合して調製した物理的な混合物を使用してマトリックス錠を形成すること によっても、同様のpHによって制御された薬物放出を達成することができた。 実験8 スターチアセテートスクシネートの置換度が錠剤の破壊強度に及ぼす影響 種々の置換度(表19)を有する一連のスターチアセテートスクシネートを1 5kNの力で圧縮した。錠剤はポリマーの他に、無水テオフィリン(25%w/ w)およびステアリン酸マグネシウム(0.5%w/w)で構成した。錠剤の破 壊強度を測定するため、CT-5-テスター(Engineering systems社製、ノッテ ィンガム、イギリス)を使用した。 アセチル残基が、スターチアセテートスクシネート錠の機械的強度を決める要 因であると考えられる(Fig.6)。アセチル基の置換度が1以上の場合、破 壊強度が比較的高く、薬学的な錠剤において最も重要な特性である機械的強度が 良好であることが示された。スターチアセテートスクシネート粉末の凝集性は、 スクシニル含有量の増大にともなって低下すると考えられる(Fig.6)。ス ターチアセテートスクシネートNo.4を圧縮した錠剤については、錠剤の強度 が低すぎるため取り扱いが困難であり、破壊強度の測定が不可能であった。 デンプン分子に結合したアセチル基およびスクシニル基、並びに、これら残基 の量すなわち置換度は、スターチアセテートスクシネート粉末の凝集性に影響を 与えるため、スターチアセテートスクシネート錠の機械的強度に影響を与える。 実験9 圧縮力が錠剤の破壊強度に及ぼす影響 3つの異なる圧縮力によって、アセチル基の置換度が1.34、スクシニル基 の置換度が0.25であるスターチアセテートスクシネートの錠剤を調製した。 最小の力、すなわち5kNで圧縮した5個の錠剤の平均破壊強度は83Nであり (Fig.7)、ポリマーが適当な凝集性を有することが示された。これは、ス ターチアセテートスクシネートが、緻密で強固な錠剤に成形し得る粉末であるこ とを意味する。スターチアセテートスクシネート錠の破壊強度は、圧縮力の増大 にともなって向上する。15kNおよび25kNで圧縮した錠剤の破壊強度は、 各々135Nおよび153N程度であった。 実験10 分解媒体のpHおよび圧縮力が、スターチアセテート錠の分解時間に及ぼす影 響 スターチアセテートスクシネート(置換度は各々、アセチル基が1.34であ り、スクシニル基が0.25である。)錠剤の分解時間は、ヨーロッパ薬局方( European Pharmacopoeia)(Ph.Eur.,V.5.1.1)に記載の方法および装置によ って測定した。錠剤は、5kN、15kNおよび25kNの3つの異なる圧縮力 で圧縮した。0.1Nの塩酸をはじめの分解媒体として使用した。装置を2時間 運転させた後、酸をリン酸緩衝溶液に取り替え、各管にディスクを取り付けた。 塩酸およびリン酸緩衝液のpHは、各々1.0および6.8とした。 最小の圧縮力、すなわち5kNで調製したスターチアセテートスクシネート錠 は酸性媒体においてすでに分解した。3個の錠剤の平均分解時間は552秒であ った。圧縮力を15kNおよび25kNとした場合、錠剤は、酸性媒体では、幾 分分解したものの、完全には分解されなかった。Fig.7は、様々な圧縮力で 調製された錠剤のリン酸緩衝液(pH6.8)中での分解時間および破壊強度を 示すものである。中性環境のpHに近いpH6.8においては、圧縮力の大きさ に関わらず錠剤の分解は比較的速かった(Fig.7)。しかし、高圧縮力(2 5kN)で調製した3個の錠剤の平均分解時間は361秒であり、15kNの力 で圧縮した錠剤の平均分解時間である112秒よりも長かった。 圧縮力および分解媒体のpHが、スターチアセテートスクシネート錠の分解に 影響を及ぼしたものと考えられる。 実験11 スターチアセテートスクシネートの錠剤の微細構造 種々の置換度のスターチアセテートスクシネート、テオフィリンおよびステア リン酸マグネシウムを含む錠剤の上部表面を、走査型電子顕微鏡(Jeol JSM 35 、東京、日本)を用いて撮影した。 錠剤の微細構造は、スターチアセテートスクシネートの置換度の変化にともな って明らかに変化した(Fig.8a〜d)。アセチル基の含有量が多い、すな わち置換度が2以上と高いポリマーを使用することにより、緻密で、マトリック スに類似した構造が得られた。スターチアセテートスクシネートのスクシネート 残基が増加しアセチル基の量が減少すると(Fig.8a〜d)、錠剤は多孔構 造を有するようになり、機械的強度が低下した(実験9)。 スターチアセテートスクシネートの置換度の他に、圧縮力もまた錠剤の微細構 造に影響を及ぼした(Fig.9a〜c)。5kN、15kNおよび25kNの 3つの異なる圧縮力によってスターチアセテートスクシネート錠を調製した。こ れらの錠剤は、アセチル基およびスクシニル基の置換度が、各々1.34および 0.25であるポリマーを含むこととした。各錠剤は、ポリマー成分の他に、無 水テオフィリンおよびステアリン酸マグネシウムを含むこととした。 Fig.9a〜dは、種々の圧縮力で圧縮したスターチアセテートスクシネー ト錠の上部表面を示したものである。圧縮力を増大すると、錠剤の構造は、適当 な条件において活性物質の放出を遅延できるような、マトリックスに類似した構 造となった。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.活性成分と、アセテート残基およびジカルボキシレート残基で置換された デンプン分子との凝集性の混合物を含む、pHに依存して制御された活性成分の 放出を行うための組成物。 2.前記ジカルボキシレート残基が、オキサレート、マロネート、スクシネー ト、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバシ エート、マレート、フマレート、マラート、タルトレート、シトレートおよびこ れらの混合物からなる群より選ばれる請求項1に記載の組成物。 3.前記ジカルボキシレート残基が、スクシネートである請求項1に記載の組 成物。 4.前記デンプン分子のアセテート残基についての平均置換度が、1以上であ る請求項1に記載の組成物。 5.前記デンプン分子のアセテート残基についての平均置換度が、1.5以上 である請求項1に記載の組成物。 6.前記デンプン分子のアセテート残基についての平均置換度が、2以上であ る請求項1に記載の組成物。 7.前記デンプン分子のアセテート残基についての平均置換度が、1.00〜 2.95である請求項1に記載の組成物。 8.前記デンプン分子のジカルボキシレート残基についての平均置換度が、0 .05〜1.5である請求項1に記載の組成物。 9.前記デンプン分子のジカルボキシレート残基についての平均置換度が、0 .1〜1.2である請求項1に記載の組成物。 10.前記デンプン分子のジカルボキシレート残基についての平均置換度が、 0.2〜1.0である請求項1に記載の組成物。 11.前記デンプン分子の有するアセテート残基およびジカルボキシレート残 基が、同一のデンプン分子骨格に結合している請求項1に記載の組成物。 12.前記デンプン分子の有するアセテート残基およびジカルボキシレート残 基が、別個のデンプン分子骨格に存在する請求項1に記載の組成物。 13.活性物質の放出が、酸性溶液中において徐放化される請求項1に記載の 組成物。 14.活性物質の放出が、実質的に中性または塩基性のpHにおいて速放化さ れる請求項1に記載の組成物。 15.下記の工程を含む請求項1に記載の組成物の製造方法。 (a)スターチアセテート分子を調製する工程 (b)エステル交換反応を利用して、(a)工程で得られたスターチアセテー ト分子のアセテート残基の一部をジカルボキシレート残基で置換し、スターチア セテートジカルボキシレート分子を得る工程 (c)(b)工程で得られたスターチアセテートジカルボキシレート分子を、 活性成分と混合する工程 (d)(c)工程で得られた前記混合物を圧縮し、活性成分の制御された放出 を行うための凝集体とする工程 16.前記ジカルボキシレート残基が、オキサレート、マロネート、スクシネ ート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバ シエート、マレート、フマレート、マラート、タルトレート、シトレートおよび これらの混合物からなる群より選ばれる請求項15に記載の方法。 17.前記ジカルボキシレート残基が、スクシネートである請求項15に記載 の方法。 18.下記の工程を含む請求項1に記載の組成物の製造方法。 (a)スターチジカルボキシレート分子を調製する工程 (b)エステル交換反応を利用して、(a)工程で得られたスターチジカルボ キシレート分子のジカルボキシレート残基の一部をアセテート残基で置換し、ス ターチアセテートジカルボキシレート分子を得る工程 (c)(b)工程で得られたスターチアセテートジカルボキシレートを、活性 成分と混合する工程 (d)(c)工程で得られた前記混合物を圧縮し、活性成分の制御された放出 を行うための凝集体とする工程 19.前記ジカルボキシレート残基が、オキサレート、マロネート、スクシネ ート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバ シエート、マレート、フマレート、マラート、タルトレート、シトレートおよび これらの混合物からなる群より選ばれる請求項18に記載の方法。 20.前記ジカルボキシレート残基が、スクシネートである請求項18に記載 の方法。 21.下記の工程を含む請求項1に記載の組成物の製造方法。 (a)デンプンを、反応性のアセチル基およびジカルボキシル基の混合物と反 応させる工程 (b)(a)工程で得られた生成物と活性成分とを混合する工程 (c)(b)工程で得られた生成物を圧縮し、活性成分の制御された放出を行 うための凝集体を得る工程 22.前記ジカルボキシレート残基が、オキサレート、マロネート、スクシネ ート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバ シエート、マレート、フマレート、マラート、タルトレート、シトレートおよび これらの混合物からなる群より選ばれる請求項21に記載の方法。 23.前記ジカルボキシレート残基が、スクシネートである請求項21に記載 の方法。 24.下記の工程を含む請求項1に記載の組成物の製造方法。 (a)スターチアセテートを調製する工程 (b)スターチジカルボキシレートを調製する工程 (c)(a)工程で得られたスターチアセテートと、(b)工程で得られたス ターチジカルボキシレートと、活性成分とを混合する工程 (d)(c)工程で得られた混合物を圧縮し、活性成分の制御された放出を行 うための凝集体とする工程 25.前記ジカルボキシレート残基が、オキサレート、マロネート、スクシネ ート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバ シエート、マレート、フマレート、マラート、タルトレート、シトレートおよび これらの混合物からなる群より選ばれる請求項24に記載の方法。 26.前記ジカルボキシレート残基が、スクシネートである請求項24に記載 の方法。 27.アセテート残基およびジカルボキシレート残基で置換されたデンプン分 子の一部が、天然デンプンまたは改質デンプンによって置き換えられ得る請求項 1に記載の組成物。 28.アセテート残基で置換されたデンプン分子の一部が、天然デンプンまた は改質デンプンによって置き換えられ得る請求項12に記載の組成物。 29.腸内で適用する錠剤を調製するための、請求項1に記載の組成物の使用 。
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