JPH11508526A - 導電性のバンドを制動する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 加工ステーションの前に配置され、かつ磁場発生装置（３）を有する、導電性のバンド（Ｂ）を制動する装置であって、加工ステーションにおいてバンド（Ｂ）が引っ張り応力を受けてさらに加工される。磁場発生装置（３）は交番磁場を発生させ、その磁場がバンド（Ｂ）内に渦電流を誘導し、その渦電流がバンド（Ｂ）の移送方向（Ｆ）とは反対向きの力をバンドに加える。磁場発生装置（３）は少なくとも１つの回転可能なマグネットローラ（４、５）を有し、そのマグネットローラはバンド（Ｂ）の移送方向に対して横方向に整合されており、かつその周面上に極性の異なる磁極（６、７）が交互に配置されており、マグネットローラ（４、５）の回転方向（Ｒ）は、バンド（Ｂ）の移送方向（Ｆ）とは逆にされている。

Description

【発明の詳細な説明】 導電性のバンドを制動する装置 本発明は、加工ステーションの前に配置されかつ磁場発生装置を備えた、導電 性のバンドを制動する装置であって、その加工ステーションにおいてバンドは引 っ張り応力を受けてさらに加工され、その場合に磁場発生装置は交番磁場を発生 させ、その磁場がバンド内に渦電流を誘導し、その渦電流がバンドの移送方向と は逆に向けられた力を同バンドに作用させる、導電性のバンドを制動する装置に 関するものである。 上述の種類の装置は、一定の引っ張り応力の元でバンドを保持するために使用 され、バンドは他の加工ステーションへ供給される。この種の他の加工ステーシ ョンは、たとえば巻取り装置であって、その中で前もって長手方向に分割されて いるバンドが小さい幅の個別コイルとして巻き取られる。この種の装置において は、細片が一定の引っ張り応力を受けて保持される場合にのみ、細片の乱れる危 険なしに個々の金属バンド細片を正確な端縁できちんと巻くことができる。 実際に知られている従来の制動装置においては、バンドの引っ張りはたとえば 制動されるローラによって得られ、そのローラはバンド表面上に載置されて、バ ンドと一緒に走行する。この種の装置の欠点は、バンドとローラとの間の接触に よって、バンド表面が損傷の危険にさらされることにある。このことは、ローラ がソフトな被覆を有する場合でも当てはまる。というのは、必要な制動効果を得 るためには、バンドとローラとの間にある程度の摩擦力が常に構築されなければ ならないからである。従って、制動にフェルトを備え たプレスを使用する試みがなされている。しかしこれは、プレス力が大きいため に上述のローラと同じ欠点を有する。 同様に実際経験から知られている、本出願人が文書で詳しく証明することので きない電気的に導通可能なバンドを制動する装置においては、上述の欠点は減少 された程度でしか存在しない。その公知の装置においては、磁場を発生する装置 が静的な磁場を発生し、それが磁場に対して移動されるバンド内に渦電流を誘導 する。この渦電流によってバンドが制動される。この種の装置の利点は、制動と 引っ張り応力構築が非接触で行われることにある。しかし、制動力が直接バンド の速度に関係するという欠点がある。この理由からこの公知の装置においても、 たとえば後段に配置されている加工ステーションに到着する前など、バンドが停 止する際に、バンドを機械的に制動することが必要である。 冒頭で挙げた種類の装置は、もはや上述の欠点を持たない。この種の装置は、 たとえば米国特許明細書ＵＳ−ＰＳ２７３１２１２またはドイツ公告公報ＤＥ− ＡＳ２２４６５５８から知られている。この公知の装置は極性が交番する磁場を 発生するので、この磁場によって捕らえられるバンド内にバンド移動によってほ とんど影響されない渦電流が誘導される。この渦電流は、バンド幅に関係なく、 バンドの移動方向とは逆向きの力をバンドに作用させる。この公知の装置におい ては磁場を発生させる装置自体が交番磁場を発生させることにより、バンドが静 止している場合でも渦電流は有効である。この公知の制動装置の欠点は、それぞ れの磁場発生装置からバンドへ加えられる制動力をそれぞれの駆動状況の要求に 適合させるために、それぞれ多大な装置的並びに制御技術的なコストが必要とな ることである。制御の複雑性とそれを実現するために必要な手間が、この公知の 装置の多大な製造コストと維持費をもたらす。 本発明の課題は、上述の装置に基づいてバンドの移動とは無関係にバンドの非 接触の制動を可能にする、効果的で同時に簡単に製造することのできる冒頭で挙 げた種類の装置を提供することである。 この課題は本発明によれば、磁場発生装置が少なくとも１つの回転可能なマグ ネットローラを有し、そのマグネットローラがバンドの移送方向に対して横方向 に整合されており、かつその周面上に極性の異なる磁極が交互に配置されている こと、およびマグネットローラの回転方向がバンドの移送方向とは逆にされてい ることによって解決される。この種のマグネットローラによって、その交番周波 数がローラの回転数のみに関係する交番磁場が構築される。それによって、バン ド内に誘導される渦電流の大きさとそれに伴ってもたらされる制動力をそれぞれ の要請に簡単な方法で適合させることが可能になる。 上述の種類のマグネットローラを備えた本発明による装置は、それぞれ少なく とも１つのこの種のマグネットローラがバンドの上側に、そして他の１つのマグ ネットローラが下側に付設されている場合に、特に効果的である。このようにし てまず、制動力が強化される。さらにマグネットローラを対で配置することによ って、マグネットローラの間に残されるエアギャップ内でバンドの心出しが得ら れる。 磁場の有効性ないしはバンドに作用する制動力を簡単な方法で調節する、他の 方法は、マグネットローラのバンドに対する距離が可変であることによって実現 される。距離が可変であることによってさらに、エアギャップ内でのバンドの整 合性をそれぞれの要請に適合させることが可能になる。 それぞれ使用場合に応じて、マグネットローラの磁極が永久磁石によって、あ るいは電磁石によって形成されていると、効果的であ る。 本発明による装置は特に、上述の種類のマグネットローラが使用される場合に は、非鉄バンドを加工する製造ラインにおいて使用するのに適している。本発明 による装置が強磁性のバンドを加工する際にも使用される場合には、マグネット ローラが非導通性の材料からなる表面部によって被覆されていると、効果的であ る。この表面部によって、バンドがその大きな磁化可能性によってマグネットロ ーラに添接することを防止することができる。その場合に特に、表面部が弾性的 であると、効果的である。この種の表面部を使用する場合には、バンド表面がロ ーラに接触した場合でも、それぞれのバンド表面の損傷の危険を最小限に減少さ せることができる。このことは特に、表面部がジャケットの形式で形成されてお り、かつマグネットローラの回転とは無関係にバンドの移送速度に相当する周速 度で回転する場合に、言えることである。 次に、実施例を示す図面を用いて本発明を詳細に説明する。 唯一の図面は、バンドを制動する装置の側面を概略的に図示している。 バンドＢを制動する装置１は、移送方向Ｆにおいて図示されていない巻取りス テーションの前に配置されており、その巻取りステーションにおいてバンドＢが 同様に図示されていないコイルとして巻き取られる。装置１は１対のマグネット ローラを備えた磁場発生装置３を有する。マグネットローラの対の第１のマグネ ットローラ４はバンド上側Ｏの上方に配置されており、そして第２のマグネット ローラ５はバンド下側Ｕの下方に位置決めされている。 マグネットローラ４、５とバンドＢとの距離Ａは、図示されていない調節装置 を介して変更可能であって、その調節装置は同様に図示されていない制御装置と 接続されている。この制御装置によって さらに、マグネットローラ４、５の回転数も変化する。その場合にマグネットロ ーラ４、５は、その回転方向Ｒがマグネットローラ４、５の間のエアギャップＬ の領域でそれぞれ移送方向Ｆと反対向きになるように、反対方向に回転する。 マグネットローラ４、５の周面上に永久磁石６、７が交互に配置されており、 その一方の永久磁石６はそれぞれ隣接する磁極７と反対方向の極性を有する。マ グネットローラ４、５は、エアギャップＬの領域においてそれぞれ２つの反対向 きの極６、７が対向するように、互いに同期して駆動される。極６、７が互いに 対して回動することによって、制動効果も同様に調節される。 マグネットローラ４、５は表面部８によって被覆されており、その表面部はジ ャケットの形状で形成されており、弾性的な材料からなる。表面部８はマグネッ トローラ４、５とは関係なく駆動され、エアギャップＬの領域においてバンドＢ の移送速度Ｆの大きさと方向に相当する周速度で駆動される。この表面部８は、 それぞれ表面部８がそれぞれのバンド表面Ｏ、Ｕに接触し、マグネットローラ４ 、５の周面にバンドＢが固着することに対する確実な保護を形成するように、マ グネットローラ４、５とバンドとの間の距離Ａが減少されることによって、装置 １を強磁性のバンドＢを制動するためにも問題なく使用することを可能にする。 距離Ａとマグネットローラ４、５の回転数を調節することによって、バンドＢ に作用する制動力は、バンドＢが端縁の正確なきちんとした巻取りのために十分 な引っ張りを受けて図示されていない巻取り装置へ供給されるように、調節され る。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年７月２３日 【補正内容】 請求の範囲 １．加工ステーションの前に配置されておりかつ磁場発生装置（３）を有する 、導電性のバンド（Ｂ）を制動する装置であって、前記加工ステーション内でバ ンド（Ｂ）が引っ張り応力を受けてさらに加工され、前記磁場発生装置が交番す る磁場を発生させ、その磁場がバンド（Ｂ）内に渦電流を誘導し、前記渦電流が バンド（Ｂ）の移送方向（Ｆ）とは逆向きの力をバンドに加え、その場合に磁場 発生装置（３）は、バンド（Ｂ）の移送方向（Ｆ）とは逆に回転する、バンド（ Ｂ）の移送方向（Ｆ）に対して横方向に整合された少なくとも２つのマグネット ローラ（４、５）を有し、前記マグネットローラのそれぞれの周面上に極性の異 なる磁極（６、７）が交互に配置されており、その場合にそれぞれ少なくとも１ つのマグネットローラ（４）がバンド（Ｂ）の上側（Ｏ）に、そして少なくとも １つの他のマグネットローラ（５）が下側（Ｕ）に付設されている、導電性のバ ンド（Ｂ）を制動する装置において、 マグネットローラ（４、５）がそれぞれ非導通性の材料からなる表面部（８） によって被覆されており、かつエアギャップ（Ｌ）を形成し、バンド（Ｂ）がマ グネットローラ（４、５）に関して非接触で前記エアギャップを通して案内され ることを特徴とする導電性のバンドを制動する装置。 ２．マグネットローラ（４、５）のバンド（Ｂ）に対する距離（Ａ）が可変で あることを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．マグネットローラ（４、５）の磁極（６、７）が永久磁石によって形成さ れていることを特徴とする請求項１または２に記載の装置。 ４．マグネットローラ（４、５）の磁極（６、７）が電磁石によ って形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の装置。 ５．表面部（８）が弾性的であることを特徴とする請求項１から４のいずれか １項に記載の装置。 ６．表面部（８）がジャケットの形式で形成されており、それぞれのマグネッ トローラ（４、５）に関係なく駆動されることを特徴とする請求項１から５のい ずれか１項に記載の装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．加工ステーションの前に配置され、かつ磁場発生装置（３）を備えた、導 電性のバンド（Ｂ）を制動する装置であって、前記加工ステーション内でバンド （Ｂ）が引っ張り応力を受けてさらに加工され、その場合に磁場発生装置は交番 磁場を発生させ、その磁場がバンド（Ｂ）内に渦電流を誘導し、その渦電流がバ ンド（Ｂ）の移送方向（Ｆ）とは逆に向けられた力をバンドに作用させる、導電 性のバンドを制動する装置において、 磁場発生装置（３）が少なくとも１つの回転可能なマグネットローラ（４、５ ）を有し、前記マグネットローラがバンド（Ｂ）の移送方向に対して横方向に整 合されており、かつその周面上に極性の異なる磁極（６、７）が交互に配置され ており、 マグネットローラ（４、５）の回転方向（Ｒ）が、バンド（Ｂ）の移送方向（ Ｆ）とは逆にされていることを特徴とする導電性のバンドを移送する装置。 ２．それぞれ少なくとも１つのマグネットローラ（４）がバンド（Ｂ）の上側 （Ｏ）に、そして少なくとも１つの他のマグネットローラ（５）が下側（Ｕ）に 付設されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．マグネットローラ（４、５）のバンド（Ｂ）に対する距離（Ａ）が可変で あることを特徴とする請求項１または２に記載の装置。 ４．マグネットローラ（４、５）の磁極（６、７）が永久磁石によって形成さ れていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の装置。 ５．マグネットローラ（４、５）の磁極（６、７）が、電磁石に よって形成されていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の 装置。 ６．マグネットローラ（４、５）が、非導通性の材料からなる表面部（８）に よって被覆されていることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の 装置。 ７．表面部（８）が弾性的であることを特徴とする請求項６に記載の装置。 ８．表面部（８）がジャケットの形式で形成されており、マグネットローラ（ ４、５）とは関係なく駆動されることを特徴とする請求項６または７に記載の装 置。