JPH11507545A - 免疫原性構築物、その製造方法、およびワクチンとしてのその用途 - Google Patents

免疫原性構築物、その製造方法、およびワクチンとしてのその用途

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JPH11507545A JP50254397A JP50254397A JPH11507545A JP H11507545 A JPH11507545 A JP H11507545A JP 50254397 A JP50254397 A JP 50254397A JP 50254397 A JP50254397 A JP 50254397A JP H11507545 A JPH11507545 A JP H11507545A
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イムノ・アクチェンゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、成分として(i)不活性フラビウイルスまたはその誘導体、および(ii)フラビウイルスに結合した、またはそれに吸着した、少なくとも1つの免疫原性成分を含む免疫原性構築物に関する。本発明はさらに免疫原性構築物を製造するための方法、およびそのワクチンとしての用途に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫原性構築物、その製造方法、およびワクチンとしてのその用途 本発明は、免疫原性構築物、その製造方法、およびワクチンとしてのその用途 に関する。 免疫系が、外来の免疫原を認識するための基本は、いまだ集中的な研究の対象 である。各個体が、一度、そして再び外因性の物質に曝されると、ごく弱い免疫 応答が、対応する物質に対して誘導されることがしばしばある。 多くのワクチンは、弱毒微生物、例えば弱毒ウイルスを使用することに基づい ているが、しかしこれには、たとえ弱められた形とはいっても、ビルレントな物 質を含むという欠点がある。したがってこれらは、対応する弱毒微生物を、障害 を有する、および/または能動的に抑制された免疫系を有するヒトおよび動物を 免疫感作するために使用した場合に、感染症をもたらすことがある。また、復帰 突然変異、またはレトロウイルスの場合には組換えにより、不都合が生じること がある。 これらの理由から、不活化微生物、および/または特に選択された、対応する 微生物由来の高度に精製されたタンパク質、微生物の多糖、またはその他の免疫 原性部分が、弱毒微生物の替わりにワクチンとしてより頻繁に投与される。しか し、タンパク質または多糖、および/または公知であるために使用されているそ れらのエピトープの多くでは、その免疫原性はごく弱く、対応する免疫応答、例 えば抗体の形成は、非常にわずかである。 したがって、免疫原性の弱い物質に対する免疫応答を増大させることが望まし く、このための各種の方法が、当業界において知られている。 アジュバントの使用が、その一例である。アジュバントは、補助剤であり、抗 原と共に、または抗原と平行して投与されると、その免疫原性を増 大させるか、および/または免疫応答の質に影響を及ぼす。したがって、アジュ バントは、例えば体液性または細胞性免疫応答の程度にかなり影響を及ぼすこと ができる。通例のアジュバントは、例えばアルミニウム化合物、脂質含有化合物 、または不活化ミコバクテリアである。KLH(キーホールリンペットヘモシア ニン)など特定の担体物質の使用もまた、免疫応答を増大させるために最近行わ れている方法である。 免疫原性の弱い物質の免疫原性を増大させるためにしばしば使用されている微 生物由来の生成物とは別に、担体物質としてB型肝炎抗原の使用もまた、当業界 において記載されている。 したがって、B型肝炎表面抗原(HBsAg)またはそのフラグメントからな る免疫原性ハイブリッドポリペプチド(これは、天然の硫黄原子を介して別のポ リペプチド成分に結合している)が、例えばWO92/11291に記載されて いる。 免疫原性ポリペプチド複合物が、EP0271302により知られており、こ れはアミノ酸側鎖基を介して別の免疫原性ポリペプチドと結合しているB型肝炎 コア抗原(HBcAg)を含む。 担体物質として使用されているB型肝炎抗原についてしばしば記載されている 欠点は、そのほかの免疫原と共に投与した場合に、これらの抗原が、免疫優性で ある点である。B型肝炎抗原と結合した免疫原に対する免疫応答は、このため非 常に弱い。 組換えフラビウイルスは、WO93/06214により公知であり、これは少 なくとも2つのフラビウイルスに由来する核酸を含む。これらのキメラウイルス は、例えばTBEVの構造タンパク質をコードし、またTBEVとは異なるフラ ビウイルス、例えばデング熱ウイルスの構造タンパク質をコードする核酸の領域 と結合している核酸の領域を含む。これら のキメラウイルスは、特に生ワクチンとしての使用について記載されている。 本発明の目的は、弱い免疫原の免疫応答を増強すると同時に当業界において公 知である欠点を避けた、新たな免疫原性構築物を提供することである。さらに、 該構築物の製造方法、ならびにワクチンとしてのその用途もまた、本発明により 提供される。 上述の問題は、本発明により、(i)不活性フラビウイルスまたはその誘導体 、そして(ii)フラビウイルスおよび/またはその誘導体に結合した少なくとも 1つの免疫原性成分を成分として含む免疫原性構築物を提供することによって解 決される。 フラビウイルスおよび/またはその誘導体に少量の免疫原を結合させることに よって、この免疫原に対する免疫応答が特に増強されることが、驚くべきことに 認められた。またこの挙動により、弱い免疫原に対する免疫応答が、フラビウイ ルスおよび/またはその誘導体への結合を介して、一般的に増強されることが示 されている。 以下においては、不活性フラビウイルスは、適当な宿主では複製能を持たず、 したがって非感染性であるウイルスであると理解される。 フラビウイルスは、好ましくは不活化ウイルスである。例えば、それは、黄熱 病ウイルス、C型肝炎ウイルス、デング熱ウイルス、または日本脳炎ウイルスで あることができる。不活性または不活化TBEウイルスが、特に好ましく、ウエ スタンサブタイプのTBEウイルス(FSMEウイルス)が、最も好ましい。 フラビウイルスは、化学的または物理的処理によって不活化することができる 。例えば、フラビウイルスの化学的処理としては、ホルムアルデヒドによる処理 を挙げることができる。物理的処理は、例えば加熱、および/ または照射処理(紫外線照射、放射線照射)、および/または超音波処理によっ て行うことができる。これはまた、例えば好ましくは、少なくとも2回の突然変 異、適当な細胞中の複数回の通過、または標的突然変異誘発により弱毒化された 弱毒ウイルスであることができる。フラビウイルスはまた、組換えにより製造さ れたウイルス、またはサブウイルス性および/またはウイルス様粒子であること もできる。 不活化全ウイルスまたは対応するフラビウイルス抗原および/またはフラビウ イルスの誘導体は、「不活性フラビウイルスまたはその誘導体」の語のもとに、 本発明の意味の範囲内であると理解される。 例えば、フラビウイルスの誘導体は、ウイルスフラグメントであることができ る。本発明の意味の範囲内で、フラビウイルスのこのようなフラグメントは、ポ リペプチド、タンパク質、多糖、核酸、またはその組み合わせである。 例えば、フラグメントは、フラビウイルスの構造タンパク質、または構造タン パク質の一部であることができる。フラグメントの大きさは、非常に変動するこ とができる;10kDa の大きさを、フラグメントの最小のサイズであるとみるこ とができる。 例えば、フラビウイルスの誘導体は、化学的に改変されたウイルスフラグメン ト、合成により製造された、フラビウイルスの一部と相似性を有するポリペプチ ド、または合成により製造された、本誘導体のアジュバント特性を増大させる構 造物であることができる。 不活性フラビウイルスまたはその誘導体によってその免疫応答が増強される免 疫原性成分は、タンパク質、ポリペプチド、多糖、または核酸、および/または 上述の成分の2つ以上の組み合わせ、または不活性微生物である。これらは特に 、抗原から誘導された、または抗原に由来する、ウイ ルス、細菌、真菌、または寄生虫のタンパク質、ポリペプチド、多糖、または核 酸である。 免疫原性成分が、ウイルスから誘導されたものである場合、ウイルスは、好ま しくは Hepadnaviridae、Herpesviridae、Poxviridae、Adenoviridae、Papovavi ridae、Parvoviridae、Retroviridae、Togaviridae、またはFlaviviridae 科か ら選択する。例えば、ウイルスは、HIV、単純ヘルペスウイルス、インフルエ ンザウイルス、A型、B型、C型、D型、G型、E型、またはX型肝炎ウイルス であることができる。 免疫原性成分は、ウイルスのタンパク質、例えばHIVのgp160、gp1 20、またはp24であることができるが、ウイルスの異なるサブユニット、例 えばHIVのnefまたはrevなどの調節タンパク質を表すこともできる。 免疫原は、いわゆるサブユニットワクチン、組換えワクチン、不活性全ウイル ス、またはウイルス様粒子であることができる。 免疫原性成分が、細菌から誘導されるものである場合、この細菌は、好ましく は Bordetella、Haemophilus、Borrelia、Pseudomonas、Corynebacteria、Mycob acteria、Streptococci、Salmonella、Pneumococci、Staphylococci、Clostridi a、またはHelicobacterの 群から選択される。 免疫原性成分が、寄生虫に由来するものである場合、寄生虫は、好ましくはAm aebida、Trypanosoma、またはPlasmodiumの群から選択される。 好ましくは、免疫原性成分は、不活性フラビウイルスまたはその誘導体とは異 なる。特に好ましい実施態様においては、免疫原性成分は、フラビウイルスとは 異なるウイルス群より選択される。 請求された免疫原性構築物の形成のためには、不活性フラビウイルスまたはそ の誘導体、および免疫原性成分は、共有結合により互いに結合して いる。この関連から、請求された免疫原性構築物は、担体に吸着していてもよい 。 さらなる実施態様によると、不活性フラビウイルスまたはその誘導体、および 免疫原性成分は、共有結合を形成することなく、吸着により結合しており、好ま しくは担体に吸着している。 用いる担体は、以下により綿密に記載するような物質と関連している。 また本発明は、本発明による免疫原性構築物の製造方法も含む。例えば、好ま しい方法は、以下の工程を含む: (i)不活性フラビウイルスまたはその誘導体、および/または免疫原性成分 を、共有結合に適したアクチベーターで処理する工程; (ii)場合により、過剰のアクチベーターを分離する工程; (iii)処理した不活化フラビウイルスおよび/またはその誘導体、および/ または処理された免疫原性成分を、場合により非処理フラビウイルスおよび/ま たはその誘導体、または非処理免疫原性成分と共に、共有結合の形成を可能とす る条件下で、インキュベーションする工程;そして (iv)構築物を精製する工程。 ホモ−、または好ましくはヘテロ−二官能性(bifunctional)架橋剤を、共有結 合のためのアクチベーターとして使用する。このような架橋剤は、例えばN−ヒ ドロキシスクシンイミドエステル、イミドエステル、マレインイミド誘導体、N −ヒドロキシスクシンイミド、ピリジルジスルフィド、またはケト基を含有する 化合物である。過剰のアクチベーターを、場合により、透析、遠心分離、ろ過、 沈殿により、またはクロマトグラフィー法を用いて分離する。 上述の工程(i)〜(iii)により得られる構築物を、以下のように精製に付す 。これは、遠心分離、ろ過、沈殿、透析、またはクロマトグラフィー 法により行うことができる。例えば、ゲルろ過、アフィニティークロマトグラフ ィーによる精製、またはイオン交換クロマトグラフィーを、クロマトグラフィー 法として用いることができる。 また本発明による免疫原性構築物は、以下の工程を含む方法を用いることで得 ることができる: (i)不活化フラビウイルスまたはその誘導体、および免疫原性成分を、吸着 担体物質と共に、担体物質への本成分の吸着を可能とする条件下で、インキュベ ーションする工程;および (ii)非吸着成分から構築物を分離する工程。 薬学的に許容しうる物質を、吸着担体物質として使用する。好ましくは金属、 不溶性もしくはコロイド金属成分、またはポリマー化合物、そしてまた脂質ベシ クルを用いる。 例えば金もしくはプラチナなどの貴金属、またはアルミニウムもしくは鉄など の金属を、金属として考慮する。特に、不溶性またはコロイド金属化合物は、例 えばアルミニウム、亜鉛、または鉄の水酸化物などのアジュバントである。 ポリマー化合物は、好ましくは、例えば再吸収性および/または生分解性物質 の製造のために使用されるような物質である。例えば、生分解性ミクロスフェア は、そのまま挙げられる。さらに、生分解性ではないが、生理学的に許容され、 耐えられる適当なポリマー化合物(例えば、ラテックス)もまた、本発明により 使用することができる。 各種組成とサイズの脂質ベシクルもまた、担体物質として適当である。 不活化フラビウイルスおよび/またはその誘導体、および免疫原性成分が、担 体に吸着している本発明による構築物の製造のための上述の代替手段において、 免疫原性成分に対する不活化フラビウイルスの量的比率は、 200:1〜1:200である。 上述の方法により得られる、担体物質に吸着している構築物を次に、例えば遠 心分離またはろ過により分離し、場合により精製する。 本発明による免疫原性構築物は、以下の工程を含む遺伝子操作法によっても得 ることができる: (i)フラビウイルスまたはその誘導体をコードする少なくとも1つの核酸、 および免疫原性成分をコードする少なくとも1つの核酸を提供する工程; (ii)適当な発現系に核酸を挿入する工程; (iii)適当な宿主細胞中で、核酸によってコードされる構築物を発現させる 工程; (iv)構築物を精製する工程;および (v)場合により、構築物の成分間に結合を形成する工程。 フラビウイルスおよび/またはその誘導体ならびに/または所望の免疫原性成 分をコードする核酸ならびに/または核酸の対応する部分を、成分(i)として 用いる。後者は、免疫原、および/またはウイルス、細菌、真菌、または寄生虫 から誘導されるエピトープをコードする。ウイルス、細菌、真菌、または寄生虫 は、すでに上述した群より選択する。 構築物は、適当な発現系を用いて、例えばさらに調節配列を備えたウイルスベ クター、ファージ、またはプラスミドにおいて発現させる。発現は、真核細胞と 原核細胞において行うことができる。好ましくは、発現は、哺乳動物細胞におい て行う。 発現された構築物は、タンパク質精製のための通例の方法により、例えばクロ マトグラフィー法を用いて精製することができる。 さらなる実施態様によると、本発明による免疫原性構築物は、また以下 の成分を含むことができる: (i)アジュバント機能を有する、不活化フラビウイルスまたはその誘導体の 核酸配列;そしてこれと組合わせて、 (ii)免疫原性成分の核酸;および (iii)宿主における核酸配列の発現を確実にする調節配列 好ましくは、上述の免疫原性構築物は、ウイルスまたは細菌性発現ベクターと して、組換えファージ、またはそのままの(naked)DNAおよび/またはRN Aとして存在する。ワクシニアウイルスが、発現ベクターとして特に好ましい。 構築物がそのままのDNAおよび/またはRNAとして存在する場合、対応する DNAおよび/またはRNAは、好ましくはプロモーターおよび/または調節配 列を含むプラスミド中に存在し、ワクチン投与のためにそのまま直接用いること ができる。 本発明はさらに、各種代替手段に対応する本発明による免疫原性構築物を、適 当な賦形剤と共に含むワクチンを包含する。このワクチンは、フラビウイルスま たはその誘導体に対する免疫応答を誘導し、同時に免疫原性成分に対する免疫応 答を増強するのに適当である。 本発明による構築物を含む多価ワクチン(これらの構築物は、異なる免疫原性 成分を有する)が特に有利である。本発明による構築物の成分、つまり不活化フ ラビウイルスまたはその誘導体、および免疫原性成分は、200:1〜1:20 0の重量比、好ましくは80:1〜20:1の比率で存在する。最適比率は、成 分の種類に応じて異なり、それぞれの処方について最適化する必要がある。 また本発明は、本発明による構築物、および例えば等張塩化ナトリウム溶液な どの薬学的に許容しうる希釈剤を含む医薬製剤に関する。この医薬製剤は、非経 口または経粘膜投与に適した剤型で存在する。 例えば、非経口投与は、静脈内、筋肉内、皮下、または皮内投与であることが でき、製剤は、このために、溶液、懸濁剤、または凍結乾燥物(好ましくは、適 当な注射用シリンジ内で再構築する)として存在する。経粘膜投与は、鼻腔内、 経口、舌下、直腸内、または膣内投与であることができ、製剤は、この目的のた めに、例えば錠剤として包装された固形の剤型またはカプセル剤、噴霧剤、また は座剤として存在する。 また医薬製剤は、例えばリポソーム、生分解性ミクロスフェア、またはビロソ ーム内に封入することができ、放出は、異なるメカニズム、例えば時間による放 出、パルスによる放出、または緩徐放出により起こることができる。 さらに本発明は、本発明による構築物で哺乳動物を免疫感作し、次に血液、血 清、血漿、もしくは血漿画分、または粘膜分泌物から免疫グロブリンを単離する ことによって得られる特定の免疫グロブリン製剤に関する。本発明による免疫グ ロブリン製剤の製造のための免疫感作は、非経口的または粘膜を介して行うこと ができる。 好ましくは、本発明による免疫グロブリン製剤は、本質的にIgGまたはIg Aを含む。「本質的」の語のもとに、製剤は、免疫グロブリンの総含有量に対し て30〜100%、好ましくは70〜100%のIgGおよび/またはIgAを 含むと理解される。特に好ましいのは、90%を越えるIgGおよび/またはI gAを含む、本発明による免疫グロブリン製剤である。 本発明による免疫グロブリン製剤は、存在するかもしれないウイルスを不活化 するための方法に付すのが好ましい。ウイルスの不活化のための通例の方法は、 このため、例えば、洗剤による処理、および/または加熱処理、または DE 44 3 4 538 による処理であると考えられる。 また本発明は、アジュバントまたは担体の製造のための不活化フラビウイルス の用途をも包含する。 本発明による構築物の製造のためのキットもまた、本発明によって提供される 。このキットは、成分として、不活性である、場合により改変されたフラビウイ ルスまたはその誘導体、および免疫原性成分、ならびに共有結合のためのアクチ ベーター、または吸着担体物質を含む。 また本発明による構築物の製造のためのキットは、免疫原性成分、および不活 化フラビウイルスまたはその誘導体(免疫原性成分への結合に適当である)を含 むことができる。 免疫原性成分への結合に適当であるフラビウイルスおよび/またはその誘導体 を含む試薬もまた、本発明によって提供される。この試薬を用いて、それぞれの 所望の免疫原性成分、好ましくは弱い免疫原を、フラビウイルスおよび/または その誘導体に結合させることができる。 試薬は、溶液として存在することができるが、また凍結乾燥物として存在する こともできる。この試薬を凍結乾燥物として提供することによって、これは、水 または水含有溶媒により適当に再構築する。 さらなる免疫原性成分に対する免疫応答が、不活化フラビウイルスおよび/ま たはその誘導体によって増強されるため、本発明はまた、アジュバントまたは担 体の製造のための不活性フラビウイルスまたはその誘導体の用途を含む。好まし くは、不活性フラビウイルスおよび/またはその誘導体を、すでに上述した方法 により不活化する。好ましくは、TBEウイルス、最も好ましくはウエスタンサ ブタイプのTBEウイルスを、フラビウイルスとして使用する。アジュバントと して使用するための不活性フラビウイルスまたはその誘導体は、それと共に投与 する免疫原性成分に関して、免疫優性ではない、つまり免疫原性成分に対する免 疫応答が抑制されずに 替わりに増強されるとの利点を有する。 その他のアジュバント、例えばフロイント完全アジュバント(ミコバクテリア の油性懸濁液)についてのさらなる利点は、その投与によって、副作用が全く、 またはほとんど生じないということである。 図1は、本発明をより綿密に説明するためのものである。図1の上の部分は、 不活化FSMEウイルス、および/または破傷風トキソイド(本発明による構築 物の製造のための出発物質として役に立つ)を有する、ゲル 図1の下の部分は、本発明によるFSME−破傷風トキソイド構築物(「構築 物」)(ここで、破傷風トキソイド成分は、放射能標識されている)のゲルろ過 による分析を示す。 曲線は、結合物が存在する場合において、放射能標識破傷風トキソイドを、F SMEウイルスと共に溶出することを示しており、これは、二つの成分の間の結 合を示している。 成分の開裂をもたらすジチオトレイトール(DTT)による構築物の処理後に 、非結合破傷風トキソイド出発物質が出現する箇所において、放射活性が認めら れた。これにより、破傷風トキソイドは、DTTによる処理前は、FSMEウイ ルスと、ジスルフィド架橋を介して実際に共有結合していたと推論することがで きる。 本発明を、以下の実施例によりより綿密に説明するが、本発明をこれらに限定 するものではない。 実施例1: FSME抗原への破傷風トキソイドの共有結合 A.FSME抗原とアクチベーターとの反応 リン酸緩衝化塩化ナトリウム溶液(PBS)、pH7.1中にAT 03 58 167 にしたがって産生した不活化FSMEウイルスを含有する1mlの溶液を、20mM N−スクシンイミジル−3−[2−ピリジルジチオ]プロピオネート=SPD P(Pierce Chem.Co.,Rockford,IL,USA)のジメチルスルホキシド溶液4μl と共に室温で2時間インキュベーションした。続いて、結合しなかったSPDP をPD10カラム(Pharmacia,Sweden)により分離した。 B.破傷風トキソイドとアクチベーターとの反応 破傷風トキソイド(Swiss Serum Inst.,Bern)をゲルろ過を用いて精製した。 したがって、20ml の粗製破傷風トキソイド溶液を5×32cm の PBSにより溶出させ分画した。分子量110〜180kD に相当する画分をプ ールし、そして濃縮した。771μgの破傷風トキソイドを含有する、このよう にして精製した破傷風トキソイド溶液300μl を、DMSO中20mM のSP DP溶液4μl と混合した。室温で2時間のインキュベーション時間後、結合し なかったSPDPをPD10カラム(Pharmacia,Sweden)により分離し、0.1M クエン酸ナトリウムおよび0.1M 塩化ナトリウム、pH4.5を含有する緩衝 液に対してバッファー交換を行った。続いて、0.1M クエン酸ナトリウムおよ び0.1M 塩化ナトリウム、pH4.5に溶解した10mg/ml のジチオスレイトー ルの溶液40μl を用いて室温で30分間還元を行った。PBSにより平衡化さ れていたPD10カラムに通過させた後、記載されたようにして改変されたこの タンパク質(破傷風トキソイド)を、先に改変されていたFSMEウイルスと混 合し、4℃で16時間インキュベーションした。ヨードアセトアミド溶液(5mg /ml)400μl の添加後、この混合物 Pharmacia,Sweden)にかけ、0.5ml/分の流速で溶出させた。構築物を含有す る高分子量画分を収集し、総タンパク質量を Bradford(Anal.Biochem.72(197 6)248)の方法にしたがって決定した。 不活化FSMEウイルスに結合した破傷風トキソイドの量の定量的な測定を行 うために、少量(1μCi)の125I 標識破傷風トキソイドを添加した。125I 標識 は、製造業者の指示にしたがって、IodoBeadsTM(Pierce Chem.Co.,Rockford, IL,USA)を用いてあらかじめ行った。結合した破傷風トキソイド部分は、次いで 、ガンマカウンターで放射活性を測定することにより計算することができた。 表1に示した結合の結果により、破傷風トキソイドに対するFSMEウイルス の重量比が37:1であることがわかった。 本発明による破傷風トキソイド−FSME構築物が実際に共有結合しているの であって、単に破傷風トキソイドの吸着によってウイルスに結合しているのでは ないことを証明するため、125I 標識破傷風トキソイドを含む構築物のアリコー トを室温で30分間、2つの結合パートナーのジスルフィド架橋を含有するSP DP化合物を開裂し得る還元剤(50mM ジチオトレイトール)で処理した。続 いて、処理しなかった構築物ならびにジ ム(Pharmacia,Sweden)にかけて溶出させ、収集した画分を放射活性の含有量に ついて測定した(図1およびこれについての記載を参照。) 実施例2: 破傷風トキソイド−FSME構築物に対する体液性免疫応答 1群当たり5匹の Balb/c マウスを、(i)精製タンパク質の形態の、(ii) 破傷風トキソイド−FSME構築物の形態の、ならびに(iii)破傷風トキソイ ドと不活化FSMEウイルスとの混合物の形態の、20ng の破傷風トキソイド を用いて、4週間間隔で2回、皮内に免疫感作した。破傷風トキソイドと不活化 FSMEウイルスとの混合物では、破傷風トキソイドとFSMEウイルスの量は 、構築物中の破傷風トキソイドとFSMEの量に対応するように選択した。FS MEウイルスのみで処理した動物および/またはPBS緩衝液で処理した動物を 、対照群として供した。2回目の免疫感作の14日後、血液を採取し、血清をそ れから単離し、これを、酵素イムノアッセイを用いて、破傷風トキソイドおよび /またはFSMEウイルスに対するIgG抗体について試験した。 破傷風トキソイドに対する抗体について試験するため、NuncMaxiSorp F96 ELI SA プレートを、炭酸緩衝液(pH9.6)中10μg/ml 破傷風トキソイド溶液1 00μlで満たした。4℃で16時間インキュベーションした後、結合しなかっ た破傷風トキソイドを除き、プレート上の遊離の結合部位をPBS(リン酸緩衝 生理食塩水)中2%BSA(ウシ血清アルブミン)で飽和させた。試料および/ま たは異なる希釈段階にある内部ポジティブコントロール血清とのインキュベーシ ョン(16時間/4℃)後、これをペルオキシダーゼ標識したヤギ抗マウスIg G(Accurate Chem.,Westbury,NY,USA)、(1:50,000希釈)と共に37℃で9 0分間インキュベーションし、オルトフェニレンジアミン(3mg/ml)を用いて 検出した。反応を2N 硫酸を添加することにより停止させ、490nm で Nunc-I mmunoreader で測定した。呈色反応後に0.2より大きい吸光度を有する最も高 い試料希釈を評価に用いた。この希釈の逆数値が、求めるべき試 料の力価となった。 FSMEウイルスに対する抗体の測定のため、NuncMaxiSorp F96 プレートを 、炭酸緩衝液、pH9.6中5μg/ml のFSME溶液100μl で満たした。4 ℃で16時間のインキュベーション後、結合しなかったFSMEを除き、プレー ト上の遊離の結合部位をPBS中2%BSA(ウシ血清アルブミン)で飽和させ た。試料および/または異なる希釈段階にあるポジティブコントロール血清の添 加後、これを37℃で2時間インキュベーションした。ペルオキシダーゼ標識し たヤギ抗マウスIgG(Accurate Chem.,Westbury,NY,USA)、(1:150,000 希 釈)を次いで添加し、これをさらに37℃で90分間インキュベーションし、そ の後オルト−フェニレンジアミン(3mg/ml)を用いて検出した。反応を、2N 硫酸を添加することにより停止させ、490nm で Nunc-Immunoreader で測定し た。呈色反応後に0.2より大きい吸光度を有する最も高い試料希釈を評価に用 いた。この希釈の逆数値が、求めるべき試料の力価となった。 表2は、破傷風トキソイドに対する体液性免疫応答(IgG抗体力価に基づい て測定した)が、共有結合構築物の適用により大規模に増強されたことを示す。 破傷風トキソイド単独の投与では、弱い力価しか生じず、2つ の個々の成分FSMEおよび破傷風トキソイドの混合物も同様であった。予想し たように、FSME抗原単独および/またはPBSの投与によって、いかなる測 定可能なIgG抗破傷風トキソイド力価も得られなかった。 同時に、FSMEウイルスに対する明らかな免疫応答が、免疫感作に用いられ たFSMEウイルスの形態(単独、破傷風トキソイドとの混合物、または破傷風 トキソイド−FSME構築物として)に関わらず刺激された。 さらなる動物実験において、1群当たり5匹の Balb/c マウスを、実施例1に したがって製造した共有結合した破傷風トキソイド−FSME構築物の形態で、 ならびにジチオトレイトールで処理して開裂させた破傷風トキソイド−FSME 構築物の形態で、20ng の破傷風トキソイドを用いて、4週間間隔で2回、免 疫感作した。2回目の免疫感作から14日後に、破傷風トキソイドに対する抗体 を先に記載したように測定した。表3は、FSMEへの結合により生じた免疫応 答を増強する効果が、ジチオトレイトール処理により再び失われたことを示す。 この結果は、本発明による構築物が高度な免疫原性活性を有する証明となる。 実施例3: 本発明により産生された破傷風トキソイド−FSME構築物が、破傷風 トキソイド特異的T細胞記憶の誘導に及ぼす影響を、抗原特異的T細胞増殖とし て測定し、試験した。Balb/c マウスを、20ng の破傷風トキソイドのみ、FS MEを混合して、および/または破傷風トキソイド−FSMEを用いて、4週間 間隔で2回、皮内に免疫感作した。FSMEおよび/またはPBS緩衝液のみで 処置されたマウスを対照群として供した。最後の適用から2週間後、この動物の 脾臓を取り出し、脾細胞懸濁物を作成した。このため、HBSS補充液(suppli. )(100IU/ml ペニシリン、0.1mg/ml ストレプトマイシン、2mM L−グル タミンおよび5%ウシ胎児血清を含むハンクス緩衝塩溶液)中で脾臓を小片に切 断し、ふるい(sieve)から押し出した。綿布でろ過した後、赤血球細胞を塩化ア ンモニウム溶解により除いた。 脾臓から単離したリンパ球を、次いでHBSS補充液を用いて、遠心分離によ り洗浄し、RPMI1640培地(100IU/ml ペニシリン、0.1mg/ml スト レプトマイシン、2mML−グルタミン、10%ウシ胎児血清および5×10-5M 2−メルカプトエタノールを含む)に再懸濁した。この細胞懸濁液(細胞濃度5 ×105M 細胞/ml)200μl を5日間、37℃、5%CO2で、2μgの破傷 風トキソイドまたは2μg の不活化FSMEウイルスを添加しながら、あるいは 抗原の非存在下で、インキュベーションした。次いで、1μCi の3H−チミジン を添加し、これを37℃で4時間インキュベーションした。細胞をフィルター上 で吸引ろ過し、3H取り込みを、ベータシンチレーションカウンターで細胞増殖 の程度として測定した。全ての実験を4重に行い、平均値を計算した。結果はデ ルタcpmとして示し、これは、抗体の非存在下でインキュベーションした群の取 り込んだ放射活性を、破傷風トキソイドもしくはFSMEウイルスのいずれかの 存在下でインキュベーションした群の放射活性から引くことを意味す る。 表4は、破傷風トキソイドに対する脾細胞の増殖は、免疫感作が本発明による 構築物によって前もって行われた場合に増強されたことを示す。FSMEウイル スに対する細胞性免疫応答は、どのようにFSMEが適用されたかに関わりなく 同時に誘導された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 39/21 A61K 39/21 C12N 7/00 C12N 7/00

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.成分として、 (i)不活性フラビウイルスまたはその誘導体、および (ii)フラビウイルスおよび/またはその誘導体に結合した少なくとも1つの 免疫原性成分 を含む免疫原性構築物。 2.不活化フラビウイルスであることを特徴とする、請求項1に記載の構築物。 3.フラビウイルスが、化学的または物理的に不活化されていることを特徴とす る、請求項2に記載の構築物。 4.フラビウイルスが、弱毒フラビウイルス、および/または弱毒フラビウイル スの誘導体であることを特徴とする、上記の請求項の1項以上に記載の構築物。 5.フラビウイルスが、TBEウイルス、好ましくはウエスタンサブタイプのF SMEウイルス、および/またはTBEウイルスの誘導体であることを特徴とす る、上記の請求項の1項以上に記載の構築物。 6.免疫原性成分が、タンパク質、ポリペプチド、多糖、または核酸、および/ または上述の成分の2つ以上の組み合わせ、または不活性微生物であることを特 徴とする、請求項1〜5に記載の構築物。 7.タンパク質、ポリペプチド、多糖、または核酸が、ウイルス、細菌、真菌、 または寄生虫から誘導されていることを特徴とする、請求項6に記載の構築物。 8.免疫原性成分が、HIV、肝炎、インフルエンザ、またはヘルペスの群より 選択されるウイルスから誘導されていることを特徴とする、請求項6または7に 記載の構築物。 9.免疫原性成分が、Bordetella、Haemophilus、Borrelia、Pseudomonas、Cory nebacteria、MyCobacteria、Streptococci、Salmonella、Pneumococci、Staphyl ococci、Clostridia、または Helicobacter の群から選択される細菌から誘導さ れていることを特徴とする、請求項6または7に記載の構築物。 10.成分が、共有結合により互いに結合していることを特徴とする、上述の請 求項の1項以上に記載の構築物。 11.構築物が、担体に吸着していることを特徴とする、請求項10に記載の構 築物。 12.成分が、吸着により結合し、好ましくは担体に吸着していることを特徴と する、請求項1〜9に記載の構築物。 13.請求項1〜11に記載の免疫原性構築物の製造方法であって、以下の工程 : (i)不活性フラビウイルスまたはその誘導体、および/または免疫原性成分 を、共有結合に適したアクチベーターで処理する工程; (ii)場合により、過剰のアクチベーターを分離する工程; (iii)処理した不活化フラビウイルスおよび/またはその誘導体、および/ または処理された免疫原性成分を、場合により非処理フラビウイルスおよび/ま たはその誘導体、または非処理免疫原性成分と共に、共有結合の形成を可能とす る条件下で、インキュベーションする工程;および (iv)構築物を精製する工程 を含むことを特徴とする方法。 14.共有結合のためのアクチベーターが、ホモ−またはヘテロ−二官能性架橋 剤であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。 15.共有結合のためのアクチベーターを、透析、遠心分離、ろ過、沈殿 により、またはクロマトグラフィー法を用いて分離することを特徴とする、請求 項13または14に記載の方法。 16.構築物の精製を、遠心分離、ろ過、沈殿、透析、またはクロマトグラフィ ー法により行うことを特徴とする、請求項13に記載の方法。 17.請求項1〜9、および12に記載の構築物の製造方法であって、以下の工 程: (i)不活化フラビウイルスまたはその誘導体、および免疫原性成分を、吸着 担体物質と共に、担体物質への当該成分の吸着を可能とする条件下で、インキュ ベーションする工程;および (ii)非吸着成分から構築物を分離する工程 を含むことを特徴とする方法。 18.担体物質が、金属、難溶性もしくはコロイド金属成分、またはポリマー化 合物であり、あるいは脂質ベシクルからなることを特徴とする、請求項17に記 載の方法。 19.構築物を、遠心分離、ろ過により、またはクロマトグラフィー法を用いて 分離し、場合によりさらに精製することを特徴とする、請求項17または18に 記載の方法。 20.成分として: (i)アジュバント機能を有する、不活化フラビウイルスまたはその誘導体の 核酸配列;そしてこれと組合せて、 (ii)免疫原性成分の核酸;および (iii)宿主における核酸配列の発現を確実にする調節配列 を含む免疫原性構築物。 21.ウイルスまたは細菌性発現ベクターとして、組換えファージとして、また はそのままのDNAおよび/またはRNAとして存在することを特徴 とする、免疫原性構築物。 22.ワクシニアウイルス中、発現ベクターとして存在することを特徴とする、 請求項21に記載の免疫原性構築物。 23.適当な賦形剤を共に含む、請求項1〜12、および20〜22に記載の免 疫原性構築物であることを特徴とする、ワクチン。 24.フラビウイルスまたはその誘導体に対する免疫応答が、誘導され、免疫原 性成分に対する免疫応答が、同時に増強される、請求項23に記載のワクチン。 25.請求項1〜12、および20〜22に記載の構築物を、異なる免疫原性成 分と共に含むことを特徴とする、多価ワクチン。 26.請求項1〜12、および20〜22に記載の構築物を、適当な賦形剤と共 に含むことを特徴とする、医薬製剤。 27.請求項1〜12、および20〜22に記載の構築物で哺乳動物を免疫感作 し、次に血液、血清、血漿、もしくは血漿画分、または粘膜分泌物から免疫グロ ブリンを単離することによって得られる特定の免疫グロブリン製剤。 28.製剤が、本質的にIgGまたはIgAを含むことを特徴とする、請求項2 7に記載の免疫グロブリン製剤。 29.存在するかもしれないウイルスを不活化するための方法に付すことを特徴 とする、請求項27または28に記載の免疫グロブリン製剤。 30.請求項1〜12に記載の構築物を製造するためのキットであって、 (i)不活化フラビウイルスまたはその誘導体、 (ii)免疫原性成分、ならびに (iii)共有結合のための適当なアクチベーター、または吸着担体物質 を含むキット。 31.請求項1〜12に記載の構築物の製造のためのキットであって、 (i)免疫原性成分、および (ii)(i)への結合に適当である不活性フラビウイルスおよび/またはその 誘導体 を含むキット。 32.免疫原性成分への結合に適当である不活性フラビウイルスおよび/または その誘導体を含む、請求項1〜12に記載の構築物の製造のための試薬。 33.溶液中、懸濁液として、または凍結乾燥物として存在することを特徴とす る、請求項32に記載の試薬。 34.アジュバントまたは担体の製造のための不活化フラビウイルスまたはその 誘導体の用途。
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