JPH0616569A - 免疫学的担体特性および免疫促進特性を有するナイセリア・メニンギチジスの外膜のクラスii蛋白、およびそれを含むワクチン - Google Patents

免疫学的担体特性および免疫促進特性を有するナイセリア・メニンギチジスの外膜のクラスii蛋白、およびそれを含むワクチン

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JPH0616569A
JPH0616569A JP3269966A JP26996691A JPH0616569A JP H0616569 A JPH0616569 A JP H0616569A JP 3269966 A JP3269966 A JP 3269966A JP 26996691 A JP26996691 A JP 26996691A JP H0616569 A JPH0616569 A JP H0616569A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Neisseria meningitidi
s血清型bの外膜から直接精製あるいはNeisser
ia meningitidisのMIEPをコードす
るDNAをクローニングし組換え発現させて得られたN
eisseriameningitidisのクラスI
I主要免疫促進蛋白(MIEP)。 【効果】本発明のMIEPは免疫担体特性、免疫促進お
よび細胞分裂促進特性を有し、抗原と結合させて投与す
ると結合抗原に対する免疫反応を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は1990年7月19日に出願した
米国特許出願第555,329号の一部継続出願であ
る。ナイセリア メニンギチジス(Neisseria meningit
idis、髄膜炎菌)の外膜複合タンパク質(OMPC)は
ヒト用ワクチンの免疫担体として使用される。OMPC
は種々のタンパク質並びにリポ多糖(リポポリサッカリ
ドLPS又は内毒素)を含む膜脂質を含有する小胞体か
らなる。OMPCは免疫増強特性を有し、抗体がこれに
化学的に結合した場合この抗原に対する抗体応答が増大
する。OMPCは現在ヘモフィルスインフルエンザ(Ha
emophilus influenzae、インフルエンザ菌)のような感
染因子に対するヒト乳児用ワクチンに用いられ、H.イ
ンフルエンゼのポリリボシルリビトールホスフェート
(PRP)をOMPCに化学的に結合した場合乳児のP
RPに対するIgG及び記憶免疫応答を高めることがで
きる。
【0002】OMPCは種々のタンパク質及び脂質の混
合物であり、どのOMPCの成分又は成分群が結合した
抗原に有益な免疫増強効果を与えるかは知られていなか
った。しかしながらヒトワクチンに使用するOMPCの
いくつかの潜在的にマイナスの要素としては熱内毒素シ
ョック、低血圧症、好中球減少症、別の補体経路の活性
化、脈管内凝固及び恐らくは死のようなLPSに関連し
た反応である。更にその上OMPC−抗原結合体は極め
て不均一であり、抗原はOMPCを構成する任意のタン
パク質部分に結合することができる。
【0003】本発明の目的は他のナイセリアメニンギチ
ジス外膜成分を含まない、ナイセリアメニンギチジスの
外膜に直接由来する実質的に純粋なクラスII主要免疫増
強タンパク質(MIEP)を提供することである。本発
明の別の目的は他のナイセリアメニンギチジスタンパク
質を全く含まない、組換え宿主細胞に於て生産されるナ
イセリアメニンギチジスの外膜の実質的に純粋な組換え
体MIEPを提供することである。更に本発明の目的は
ナイセリアメニンギチジスの外膜から直接精製されるM
IEP又は組換え宿主細胞に於て生産されるナイセリア
メニンギチジスの組換え体MIEPからなる、抗原に対
する免疫応答増強に有効な免疫担体タンパク質を提供す
ることである。本発明のもう1つの目的はナイセリアメ
ニンギチジスの外膜から直接精製されるMIEP又は組
換え宿主細胞に於て生産されるナイセリアメニンギチジ
スの組換え体MIEPからなる免疫マイトジェン活性を
有するタンパク質を提供することである。本発明の別の
目的は組換え体MIEP又はナイセリアメニンギチジス
の外膜から直接精製されるMIEPを含むワクチン組成
物を提供することである。これらの及び他の目的は次の
記述から明らかになるであろう。
【0004】要約すると本発明は他の混入しているN.
メニンギチジス外膜タンパク質及びLPSを含まない実
質的に純粋な形のナイセリアメニンギチジス外膜のクラ
スII主要免疫増強タンパク質(MIEP)に関する。ナ
イセリアメニンギチジス細胞の外膜から直接精製される
かあるいはナイセリアメニンギチジスの組換え体MIE
Pを産生する組換え宿主細胞に由来する本発明のMIE
Pは免疫担体及びマイトジェン活性を有する。抗原に結
合した場合、本発明のMIEPは免疫を増強することが
でき、結合抗原に対する抗体応答を促進するか又は抗原
をIgGクラスの免疫グロブリンが産生されることが確
実なT細胞依存性抗原に転換する。本発明のMIEPに
結合することができる抗原としてはウイルスタンパク
質、細菌タンパク質及び多糖類、合成ペプチド、他の免
疫原性抗原及び弱又は非免疫原性抗原がある。
【0005】以下本発明を詳細に説明するそれだけでは
IgMクラスのみの抗体と無記憶からなる免疫応答を誘
発させるだけのある種の物質を、強力な(T−細胞依存
性)抗原物質に化学結合させることによりIgM及びI
gG抗体を誘発する完全な免疫原抗原に転換することが
できることは既知である。この免疫現象は“担体効果”
と呼ばれるが弱又は無免疫原性部分及び強力な抗原物質
は各々“ハプテン”及び“担体”と呼ばれる。ハプテン
−担体複合体を動物に注入するとB−リンパ球による抗
体の生成が生じそのいくつかはハプテンに特異的でこれ
に結合し、他のものは担体に特異的でこれに結合する。
担体効果の別の特徴はこれ以後にハプテン−担体複合体
にさらされると、ハプテンに対して激しい応答が続いて
起ることである。これは記憶又は既往性応答と呼ばれ
る。担体効果は“ヘルパーT−リンパ球”と言われるあ
る種T−リンパ球によって仲介される機能を含むと思わ
れる。担体分子はヘルパーT−リンパ球を刺激して抗−
ハプテンIgGクラス抗体−産生B−リンパ球及び記憶
応答の生成をある方法で助ける。
【0006】ヘルパーT−リンパ球は通常は“T−依存
性”抗原と呼ばれるある種の抗原に特異的であるが“T
−非依存性”抗原と呼ばれる他の抗原には特異的でない
抗体のB−リンパ球による産生に関与する。担体分子は
T−非依存性、弱又は非免疫原ハプテンをT−依存性強
力抗原分子に変換することができる。更にその上、記憶
応答はこれ以後にハプテン−担体複合体にさらされると
記憶応答が続いて起り、これはIgGを主とし、T−依
存性抗原に特有でありT−非依存性抗原に特有ではな
い。担体分子の有用性はT−非依存性抗原で使用するこ
とに限定されずT−依存性抗原で使用することもでき
る。T−依存性抗原に対する抗体応答は抗原がそれ自体
で抗体応答を誘発させることができる場合でさえ抗原を
担体に結合させることによって増強することができる。
【0007】他の分子のあるものは全体の免疫系を一般
的に刺激する能力を有している。これらの分子は“マイ
トジェン”と呼ばれ、植物タンパク質並びに細菌性産物
を包含する。マイトジェンはT及び/又はB−リンパ球
を増殖させ、食作用の増加、感染に対する耐性の増加、
腫瘍免疫の促進及び抗体産生を含む免疫応答の多くの態
様を広く増強することができる。多くの感染症原因物質
はそれ自体で病気原因物質とその副産物に結合して破
壊、無害にするか又は破壊又は無害にさせることができ
る保護抗体を誘発することができる。これらの疾患から
の回復は通常感染性物質の強い抗原性成分に対して生じ
る保護抗体による長い永続的な免疫をもたらす。
【0008】保護抗体はヒト及び多くの他の動物の自然
防禦機構の一部であり、血液並びに他の組織及び体液に
見られる。感染性物質及び/又はこれらの副産物に対し
て保護抗体を病気の原因とならずに誘発することはほと
んどのワクチンの主要機能である。N.メニギチジスか
らのOMPCはOMPCを細菌多糖類を含めたT−細胞
非依存性抗原に化学的に結合した場合ヒトに於て抗体応
答を誘発させるために使用することに成功している。O
MPCは数種の細菌外膜タンパク質並びに細菌脂質を含
有している。更にOMPCは小胞体三次元構造を有す
る。
【0009】OMPCの免疫担体としての効能は細菌膜
タンパク質、細菌脂質、小胞性三次元構造又は細菌タン
パク質、脂質及び小胞性構造の組合わせの1種以上によ
ると考えられた。出願人はタンパク質の1種MIEPが
OMPC小胞の免疫担体及び免疫増強特性を有し、他の
N.メニンギチジス膜タンパク質及び脂質を含まない精
製形で及び小胞性三次元構造を有さなくても有効である
ことを発見した。出願人はまたMIEPが細菌多糖類に
結合した場合、多糖類に対する抗体応答を誘発する点で
OMPCと同様に機能することを発見した。出願人は更
にMIEPがN.メニンギチジスの外膜のクラスIIタン
パク質であることを発見した。N.メニンギチジスのク
ラスIIタンパク質はポリタンパク質〔ムラカミ,K.等
(1989年)、インフェクション アンド イムニテ
ィ第57巻、2318〜23頁〕である。ポリン類は全
てのグラム陰性菌の外膜に見られる。
【0010】本発明はN.メニンギチジスのMIEPに
よって例示されるが免疫担体及び免疫増強活性を有する
任意のグラム陰性菌からの外膜タンパク質が本発明に包
含されることは当業者に容易に明白である。グラム陰性
菌の具体例としてはナイセリア(Neisseria)、エシェリ
キア(Escherichia)、シュードモナス(Pseudomonas)、
ヘモフィルス(Hemophilus) 、サルモネラ(Salmonell
a) 、シゲラ(Shigella)、ボルデテラ(Bordetella)、
クレブシエラ(Klebsiella)、セラチア(Serratia) 、
エルシニア(Yersinia) 、ビブリオ(Vibrio) 及びエン
テロバクター(Enterobacter) 属の種があるがこれらに
限定されない。
【0011】MIEPは強抗原性、弱抗原性及び非抗原
性物質に対する抗体応答を増強するために使用すること
ができる。本明細書で同じ意味で用いられる“抗原”及
び“抗原物質”としては細菌、ウイルス又は他の由来の
1種以上の非生育性の免疫原弱性免疫原、非免疫原又は
脱感作(抗アレルギー)物質がある。抗原成分は非生育
性の免疫原、弱性免疫原、非免疫原又は脱感作物質又は
物質群を含有する乾燥末、水溶液又は水性懸濁液のよう
な水相等からなることができる。
【0012】水相は非経口的に使用し得る液体中に抗原
物質を含むことが都合が良い。例えば水相は、抗原を平
衡塩溶液、生理的食塩水、リン酸緩衝食塩溶液、組織培
養液、又は生物体が生育することができる他の媒体に溶
解させたワクチンとすることができる。水相はまた防腐
剤及び/又はワクチン製剤に通常取り入れられる物質を
含有することができる。MIEP結合抗原を含有するア
ジュバントエマルジョンは当該技術で周知の技術を用い
て調製することができる。
【0013】抗原は細菌、ウイルス、哺乳類細胞、真
菌、リケッチア由来の抗原を含む精製又は一部精製抗原
とすることができるが、これらに限定されない。あるい
は抗原は花粉、塵、鱗屑又はその抽出液を含むアレルゲ
ンであることができるが、これらに限定されない。ある
いは抗原は有毒昆虫又は爬虫類由来の毒物又は毒液を含
む毒物又は毒液とすることができるがこれらに限定され
ない。抗原はまた合成ペプチド、又はより大きなポリペ
プチドの断片又は細菌、哺乳類細胞、真菌、ウイルス、
リケッチア、アレルゲン、毒物又は毒液由来の分子又は
成分の一部分とすることができる。全ての場合に於て抗
原は毒性又はビルレント特性が低下又は破壊されている
形とし、適当な宿主に導入した場合、特異的タンパク
質、ペプチド、微生物、抽出液又は抗原、毒物、毒液の
調製に用いられた微生物の生産的に対する抗体の産生に
よって活性免疫を誘発させるか又はアレルゲンの場合に
は特異的アレルゲンによるアレルギーの症状を軽減する
ことを助ける。
【0014】抗原は単独で又は組合わせて使用すること
ができ、例えば複数の細菌抗原、複数のウイルス抗原、
複数のマイコプラズマ抗原、複数のリケッチア抗原、複
数の細菌又はウイルストキソイド、複数のアレルゲン、
複数のタンパク質、複数のペプチド又は前述の生産物の
いずれかの組合わせをMIEPに結合することができ
る。個々の重要な抗原は細菌(B.パータッシス(pert
ussis 、百日咳菌)、レプトスピラポモナ(Leptospira
pomona)及び黄疸出血性レプトスピラ(ictero-haemorr
hagiae)、S.パラチフィ(paratyphi)A及びB、C.
ジフテリエ(diphtheriae)、C.テタニ(tetani、破傷
風菌)、C.ボツリナム(botulinum.ボツリヌス菌)、
C.パーフリンゲンス(perfringens.ウェルシュ菌)、
C.フェセリ(feseri)及び他のガス壊疸菌、B.アン
スラシス(anthrasis 、炭疸菌)、P.ペスチス(pest
is) 、P.マルトシダ(multocida)、V.コレラ(chol
erae)、ナイセリアメニンギチジス、N.ゴノレア(gon
orrheae、淋菌)、ヘモフィルス インフルエンゼ、ト
レポネマ パリダム(Treponema palidum 、梅毒トレポ
ネマ)等を含む)、哺乳類細胞(腫瘍細胞、ウイルス感
染細胞、遺伝的に操作した細胞、培養で増殖した細胞、
細胞又は組織抽出液等を包む)、ウイルス(ヒトリンパ
球ウイルス(多重型)、ヒト免疫不全ウイルス(多重変
異型)、ポリオウイルス(多重型)、アデノウイルス
(多重型)、パラインフルエンザウイルス(多重型)、
麻疹、流行性耳下腺炎、PSウイルス、インフルエンザ
ウイルス(多重型)、発疹チフスウイルス(SF4 )、
西部型及び東部型馬脳脊髄炎ウイルス、日本B脳脊髄
炎、森林ダニ脳脊髄炎、豚コレラウイルス、ニューカッ
スル病ウイルス、鶏痘、狂犬病、猫及び犬ジステンパー
等のウイルスを含む)、リケッチア(流行性及び地方流
行性発疹チフス又は斑点熱群の他の種類を包含する)、
種々のクモ及びヘビ毒液又はサワギク、家庭の塵、花粉
エキス、草の花粉等の任意の既知アレルゲンに由来する
が、これらに限定されない。
【0015】本発明の多糖類は酸基を有する任意の細菌
多糖類であることができるが個々の種類に限定されるも
のではない。このような細菌多糖類の具体例としてはス
トレプトコッカスニューモニエ(肺炎球菌)型6A,6
B,10A,11A,18C,19A,16f,20,
22F及び23F多糖類、グループBストレプトコッカ
ス型Ia,Ib,II及びIII ;ヘモフィルスインフルエ
ンザ血清型b多糖類;ナイセリアメニンギチジス血清グ
ループA,B,C,X,Y,W135及び29E多糖類
及びエシェリチア コリK1,K12,K13,K92
及びK100多糖類がある。しかしながら特に好適な多
糖類はローゼンバーグ等 J. Biol. Chem. 第236巻、
2845〜2849頁(1961年)及びザンメンホッ
フ等 J.Biol. Chem. 第203巻、695〜704頁
(1953年)に記載されるようなH.インフルエンゼ
血清型b多糖類、ロビンス(Robbins)等インフェクショ
ンアンド イムニティ第26巻 No.3 1116〜11
22頁(1979年12月)に記載されるようなストレ
プトコッカスニューモニエ(肺炎球菌)6B型又は6A
型多糖類、C.J.リー(Lee)等、レビュース オブ
インフェクシアスディジーズス第3巻、No. 2、323
〜331頁(1981年)に記載されるような肺炎球菌
19F型多糖類及びO.ラーム(Larm)等、 Adr, Carb
ohyd Chemand Biochem.第33巻、295〜321頁
(R.S.チプソン(Tipson)等、編集アカデミックプ
レス1976年)に記載されるような肺炎球菌23F型
多糖類からなる群から選択される莢膜多糖類である。
【0016】MIEPは米国特許第4,459,286
号及び同第4,830,852号に記載される通常の方
法で増殖したN.メニンギチジスの培養菌由来のOMP
Cから精製することができる。OMPC精製は米国特許
第4,271,147号及び同第4,830,852号
に記載される方法に従って行なうことができる。MIE
Pはまた組換体DNA操作される宿主細胞からMIEP
をコードしている組換え体DNAの発現により得ること
ができる。MIEPをコードしているDNAはN.メニ
ンギチジス細胞〔ムラカミ,K.等(1989年)、イ
ンフェクション アンド イムニティ第57巻、231
8頁〕から得ることができ又はこのDNAは標準のDN
A合成技術を用いて合成的に生産することができる。M
IEPをコードしているDNAはこれらに限定されない
が細菌、酵母、昆虫、哺乳類又は他の動物細胞を包含す
る組換え宿主細胞に於て発現させて、組換え体MIEP
を得ることができる。本発明のMIEPを得るために好
適な方法はMIEPのOMPCからの精製とN.メニン
ギチジス由来のMIEPをコードしているDNAの組換
え体DNA発現であり、OMPCからの精製が最も好ま
しい。
【0017】精製MIEPはOMPC小胞から小胞のド
デシル硫酸ナトリウム(SDS)溶解次にSDSポリア
クリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって調製し
た。MIEPをゲルから溶離し、高pH緩衝液で透析して
濃縮した。ポリアクリルアミドゲル電気泳動の標準方法
はMIEPをOMPC小胞から精製するために使用する
ことができる。このような方法はモレキュラークローニ
ング:ラボラトリーマニュアル、サムブルック(Sambro
ok)、J.等、(1989年)、(コールドスプリング
ハーバーラボラトリープレス、ニューヨーク)及びカレ
ントプロトコールスインモレキュラーバイオロジー(1
987年)(アウスベル(Ausubel)F.M.等、編集者
ウイリー及びサンズ,ニューヨーク)に記載される。S
DS−ポリアクリルアミドゲルからタンパク質を溶離す
る標準方法はハンカピラー(Hunkapiller)M.W及びル
ジャン(Lujan)、E.(1986年)「ポリアクリルア
ミドゲルによるマイクログラム量のタンパク質の精製」
(「タンパク質の微量特性決定法」J.シベリー(Shiv
ely)編集、フマンナプレス、クリフトンN.J.)及び
カレント プロトコールス イン モレキュラー バイ
オロジー(1987年)、(アウスベル、F.M.等、
編集者、ウイリー及びサンズ、ニューヨーク)に記載さ
れる。この方法で調製したMIEPは細菌、ウイルス、
哺乳類細胞、リケッチア、アレルゲン、毒物又は毒液、
真菌、ペプチド、タンパク質、多糖類又は任意の他の抗
原由来の抗原への結合に容易に適している。
【0018】組換え体MIEPは細菌例えばE.コリ又
は酵母例えばS.セレビシエ(cerevisiae)に於てMI
EPをコードしているゲノムN.メニンギチジスDNA
を発現させて調製することができる。MIEPをコード
しているゲノムDNAを得るためにゲノムDNAをN.
メニンギチジスから抽出しマニアチス(Maniatis)、
T.等(1978年)、セル第15巻、687頁の技術
による高分子量DNAのランダム断片化あるいはスミシ
ース(Smithies) 等、(1978年)、サイエンス第2
02巻、1248頁の方法による制限エンドヌクレアー
ゼを用いる切断によるクローニングに調製される。次に
ゲノムDNAを適当なクローニングベクター例えばラム
ダファージに取込まれる〔サムブルック,J.等、(1
989年)モレキュラークローニング、アラボラトリー
マニュアル,コールドスプリングハーバープレス,ニュ
ーヨーク参照〕。また、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)技術(パーキン エルマー)をゲノムDNAの特異
的DNA配列を増幅するために使用することができる
〔ルー(Roux) 等、(1989年)、バイオテクニクス
第8巻、48頁〕。PCR処理にはゲノムDNAの特異
的DNA配列とハイブリダイズさせることができるDN
Aオリゴヌクレオチドを必要とする。N.メニンギチジ
スゲノムDNAのMIEPDNAにハイブリダイズさせ
ることができるDNAオリゴヌクレオチドのDNA配列
はMIEPのアミノ酸配列から又はN.メニンギチジス
のII類主要膜タンパク質の決定DNA配列によって決定
することができる〔ムサカミ(MusaKami)、K.等、
(1989年)インフェクション アンド イムニテ
ィ,第57巻、2318頁〕。
【0019】組換え体MIEPはMIEPに特異的なモ
ノクロナール又はポリクロナール抗体でつくられたアフ
ィニティーカラムの使用により他の細胞タンパク質かさ
分離することができる。これらのアフィニティーカラム
は抗体がアガロースゲルビース支持体と共有結合を生成
するようにN−ヒドロスクシンイミドエステルで予め活
性したアフィゲル−10(バイオランド)、ゲル支持体
に抗体を加えることによってつくられる。次に抗体をス
ペーサーとアミド結合によりゲルに結合する。次に残存
する活性化エステルを1MエタノールアミンHCl (pH
8)で不活化する。カラムを水次に0.23Mグリシン
HCl (pH2.6)で洗浄していくらかの非結合抗体又は
外来性タンパク質を除去する。次にカラムをリン酸緩衝
食塩水(pH7.3)に平衡化し、MIEPを含有する細
胞培養上清又は細胞抽出液をカラムにゆっくりと通過さ
せる。次にカラムを吸光度(A280)がバックグラウンド
に下がり次にタンパク質が0.23Mグリシン−HCl
(pH2.6)で溶離するまでリン酸緩衝食塩水で洗浄す
る。次にタンパク質をリン酸緩衝食塩水で透析する。
【0020】本発明の複合体はチオエーテル基と第一ア
ミンを含有する二属スペーサー(bigeneric spacer)に
より結合し、多糖類とMIEPによる加水分解的に分解
される共有結合を生成する任意の安定な多糖類−MIE
P複合体であることができる。しかしながら本発明によ
る好ましい複合体は式Ps−A−E−S−B−Pro又は
Ps−A′−S−E′−B′−Pro{Psは多糖類を表
わし、Proは細菌タンパク質MIEPを表わし、A−E
−S−B及びA′−S−E′−B′は加水分解的に安定
な共有チオエーテル結合を含んで巨大分子Pro及びPs
と共有結合(たとえば加水分解できるエステル又はアミ
ド結合)を生成する二属スペーサーを構成する}によっ
て表わすことができるものである。スペーサーA−E−
S−Bに於て、Sはイオウであり、Eはチオール基と反
応したイオウ好性基の転換産物であり、
【化1】 (RはH又はCH3 であり、pは1〜3である)によって
表わされAは
【化2】 {WはO又はNHであり、mは0〜4であり、nは0〜
3であり、YはCH2 、O、S、NR′又は CHCO2H (R′
はH又はC1 −又はC2 −アルキルである)である。例
えばYがCH2 である場合にはmとnは共に同じOである
ことができずYがO又はSである場合にはmは1より大
きくnは1より大きい}であり、Bは
【化3】 (qは0〜2であり、Zは NH2, NHCOR′, COOH 又は
Hであり、R′及びpは上で定義した通りであり、Dは
C=O、NR′又は NH-CO(CH2)2COである)である。次い
でスペーサーA′−S−E′−B′に於て、Sはイオウ
であり、A′は -C(=W)H(CH2) a R ″- (aは1〜4で
あり、R″はCH2 である)又は NHCOC(Y′)H(CH2)
p (Y′は NH2又は NHCOR′であり、w,p及びR′は
上で定義した通りである)であり、E′はチオール基と
反応したイオウ好性基の転換産物であり、 -C(R)H-(R
は上で定義した通りである)によって表わされ、B′は
-C(=O)-であるか又はE′は
【化4】 であり、B′は -(CH2) p CO- (pは1〜3である)で
ある。更にビジェネリックスペーサー、A−E−S−B
及びA′−S−E′−B′のE−S−B及びA′−S−
E′成分は決定可能で定量可能でありこの同定は共有結
合的に修飾した多糖類に由来するチオエーテルイオウ側
と機能化したタンパク質に由来するスペーサー側と結合
する共有結合の共有原子価を反映する。
【0021】次いで本発明による複合体Ps−A−E−
S−B−Proは成分が特に二酸化炭素、1,4−ブタン
ジアミン及びS−カルボキシメチル−N−アセチルホモ
システイン;二酸化炭素、1,5−ペンタンジアミン及
びS−カルボキシメチル−N−アセチルホモシステイ
ン;二酸化炭素、3−オキサ−1,5−ペンタンジアミ
ン及びS−カルボキシメチル−N−アセチルホモシステ
イン;二酸化炭素、1,4−ブタン−ジアミン及びS−
カルボキシメチル−N−アセチルシステイン;二酸化炭
素、1,3−プロパンジアミン及びS−カルボキシメチ
ル−N−ベンゾイルホモシステイン;二酸化炭素、3−
アザ−1,5−ペンタンジアミン及びS−カルボキシメ
チル−N−アセチルシステイン及び二酸化炭素、1,2
−エタンジアミン、グリシン及びS−(スクシン−2−
イル)−N−アセチルホモシステインの誘導体を包含す
るスペーサーを含有することができる。本発明による複
合体Ps−A′−S−E′−B′−Proは成分が特に二
酸化炭素及びS−カルボキシメチルシステアミン;二酸
化炭素及びS−(α−カルボキシエチル)システアミ
ン;二酸化炭素及びS−カルボキシメチルホモシステア
ミン;二酸化炭素、S−(スクシン−2−イル)システ
アミン及びグリシン及び二酸化炭素及びS−カルボキシ
メチルシステインの誘導体を包含するスペーサーを含有
することができる。
【0022】本発明の方法に於て、多糖類は(a)これ
を非水酸基有機溶媒に可溶化し次に(b)これを2官能
基試薬で活性化し、(c)この活性化多糖類を二求核基
と反応させ最後に必要があれば更に(d)この修飾多糖
類を(i)求電子(例えばチオール好性)部位生成試薬
あるいは(ii)チオール基生成試薬と反応させて機能化
することによって共有結合的に修飾する。逆にタンパク
質を(i)チオール基生成試薬あるいは(ii)チオール
好性部位生成試薬と反応させ、次に共有結合的に変性し
た多糖類と機能化タンパク質を一緒に反応させて安定な
共有結合的に結合した結合体を生成し、最後の混合物を
精製して未反応多糖類とタンパク質を除去する。
【0023】本発明の方法はまたペンダント求電子部位
又はペンダントチオール基を有する共有結合的変性多糖
類を生成するために活性化多糖類と反応する求核基又は
二求核基の選択を包含し、これによって共有結合的変性
多糖類を共有結合的変性タンパク質と反応させる前に二
求核基変性多糖類を更に機能化する必要が取り除かれ
る。タンパク質の両方の部分への機能化はこれらの工程
に於ける反応物の選択により1工程以上で達成すること
ができる。
【0024】多糖類を共有結合的に修飾する第1工程で
は固形多糖類を可溶化させなければならない。多糖類の
求核アルコール性ヒドロキシル基が水溶液中の水のヒド
ロキシルと求電子試薬として化学的に拮抗することがで
きないことから多糖類は非水性(非ヒドロキシル)溶媒
に溶解するべきである。適当な溶媒としてはジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトア
ミド、ホルムアミド、N,N′−ジメチルイミダゾリジ
ノン及び他の類似の極性非プロトン性溶媒好適にはジメ
チルホルムアミドがある。
【0025】これらの溶媒を使用するほかにリン酸モノ
及びジエステルのような酸水素を有する多糖類(例えば
リボース−リビトールリン酸重合体であるH.インフル
エンゼb型の莢膜多糖類)を適当な塩に変換することに
より多糖類を上記溶媒に容易に可溶化させる。これらの
巨大分子の酸性水素は大きな疎水性カチオン例えばトリ
又はテトラ−(C1 〜C5 )アルキルアンモニウム、1
−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エンまたは類
似のカチオン特にトリ又はテトラ−(C1 〜C5 )アル
キルアンモニウムに置き換えることができ、得られたホ
スホリル化多糖類のトリ又はテトラアルキルアンモニウ
ム又は類似塩は1分から1時間攪拌するが約17〜50
℃に於て上記溶媒に容易に溶解する。部分的に加水分解
されたH.インフルエンゼ血清型B多糖類をテトラブチ
ルアンモニウム塩に変換したときにはジメチルスルホキ
シドに溶解する(エガン(Egan)等、 J. Amer. Chem.
Soc.第104巻、2898頁(1982年))が、この
生成物はもはや抗原性ではなく、従ってワクチンの製造
に役に立たない。対照的に出願人は自然のままの加水分
解されていない多糖類をテトラアルキルアンモニウムと
して強酸カチオン交換樹脂に通過させるか又は多糖類を
水酸化テトラアルキルアンモニウムで注意して中和させ
て好ましくは前者の方法によって可溶化を行ない、これ
によって多糖類の免疫原ワクチン用の能力を保存する。
【0026】次の工程では結合が望まれる単位の機能化
に一般に又は実際的に用いられる試薬と十分に反応する
ヒドロキシル基以外の官能基が存在しない多糖類に共有
結合を生成させるためにこの著しい生理化学的制限を克
服することに向けられる。活性化多糖類を生成するため
の多糖類の活性化、求核機能化多糖類を生成するための
二求核基との反応及び求電子部位又はチオール基生成試
薬による機能化は全て多糖類を共有結合的に修飾し、多
糖類上に官能基を結合体の調製のために出現させること
に向けられる。
【0027】次の工程では可溶化多糖類を二官能性試薬
と多糖類に対する活性化剤の決定的重量比1:5〜1:
12により約0〜50℃で10分から1時間攪拌しなが
ら反応させて活性化する。過去に於てこの活性化は多糖
類と臭化シアンとの反応により行なわれた。しかしなが
ら近接ジオールに“傾向”をもつ臭化シアンで活性化し
た誘導体はリン酸緩衝液で透析中一過性の安定性を示し
た。従って臭化シアノジェンによる活性化も本発明によ
り可能であるがこの試薬は多糖類の活性化に使用するの
に不十分であり、好ましくない。代わりに多糖類を活性
化するのに好ましい二官能性試薬としては炭酸誘導体 R
2-C(=0)-R3(R2 及びR3 は独立してアゾリル例えばイ
ミダゾリル、ハライド又はフェニルエステル例えばp−
ニトロフェニル又はポリハロフェニルであることができ
る)がある。特に好適な試薬であるカルボニルジイミダ
ゾールはヒドロキシル基と反応して多糖類のイミダゾリ
ルウレタンを生成し、例えばニトロフェニルクロロホー
メートを含むアリールクロロホーメートは多糖類の混合
炭酸塩を生成する。各々の場合、得られた活性化多糖類
はアミンのような求核試薬に極めて感受性があり、これ
によって各々のウレタンに転換される。
【0028】次の段階では、活性化多糖類はアミン特に
ジアミン例えば H2N(CH2) m Y(CH2)n -NH2{mは0〜4
でありnは0〜3であり、Yは CH2, O,S,NR′, CH
CO2H(R′はH又はC1 又はC2 −アルキルである)で
ある。例えばYがCH2 である場合にはmとnは共に同じ
0であることができず、YがO又はSである場合にはm
は1より大きく、nは1より大きい}のような求核試薬
と著しく過剰のアミン(即ち具体的には使用される活性
化剤に対して50〜100倍モル過剰量)として反応さ
せる。反応は氷浴中で15分から1時間次に約17〜4
0℃で15分から1時間維持する。ジアミン例えば1,
4−ブタンジアミンと反応させた場合、活性化多糖類は
ペンダントアミンを有するウレタン形多糖類を生成し次
いでアシル化によって更に機能化することができる。混
合炭酸塩もまたジアミンと容易に反応してペンダントア
ミン基を生成する。
【0029】また活性化多糖類をジアミノアルカンのモ
ノハロアセトアミド例えば4−ブロモアセタミドブチル
アミンのような求核体(W.B.ロウソン(Lawson)
等、Hoppe Seyler′s Z. Physiol Chem. 第349巻、
251頁(1968年)参照)と反応させるとペンダン
ト求核部位を有する共有結合的に変性した多糖類を生成
する。あるいは活性化多糖類をシステアミン(アミノエ
タンチオール)又はシステインのようなこの誘導体の具
体例はペプチド合成の技術上周知である。アミノチオー
ルと反応させると.ペンダントチオール基を有する多糖
類を生成することができる。両方の場合共に共有結合的
修飾多糖類を修飾細菌“担体”タンパク質に結合する前
に別の機能化を必要としない。
【0030】必要な場合には多糖類を調製する最後の工
程である多糖類の機能化は更に求核機能化多糖類を試薬
と反応させて求核(即ちチオ好性)部位を生成するか又
は試薬と反応させてチオール基を生成する形を取ること
ができる。求核部位を生成するために用いる適当な試薬
としては例えばα−ハロアセチル又はα−ハロプロピオ
ニル XC(O)C(R)HX(RはH又はCH3 であり、XはCl、Br
又はIであり、X′はニトロフェノキシ、ジニトロフェ
ノキシ、ペンタクロロフェノキシ、ペンタフルオロフェ
ノキシ、ハライド、O−(N−ヒドロキシスクシンイミ
ジル)又はアジドである)特にクロロ酢酸又はα−ブロ
モプロピオン酸があり、反応はpH8〜11(必要な場合
塩基の添加によりこの範囲に維持する)に於て約0〜3
5℃の温度で10分から1時間行なう。アミド誘導多糖
類はチオ置換を受け易い適当に機能化した多糖類を生成
するために活性化マレイミドアミノ酸(O.ケラー(Ke
ller)等、 Helv. Chim Acta. 第58巻、531頁(1
975年))でアシル化してマレイミド基を生成させる
【化5】 (pは1〜3である)、2−ハロアセチル化剤例えばp
−ニトロフェニルブロモアセテートで又はα−ハロケト
ンカルボン酸誘導体例えば
【化6】 (Ber. 第67巻、1204頁(1934年))でアシ
ル化することができる。チオール基を生成するために用
いる適当な試薬としては具体的にはチオラクトンのよう
なアシル化剤、例えば
【化7】 (R4 はC1 又はC4 −アルキル又は単又は二環アリー
ル例えば C6H5 又は C10H13 であり、pは1〜3であ
る)、
【化8】 (mは0〜4であり、R5 はC1 〜C4 −アルキル又は
C6H5 であり、X′は上で定義した通りである)があ
り、次いで HSCH2CH2OH 又は
【化9】 (m、R5 及びX′はこの上で定義した通りである)で
処理され、次いでジチオトレイトールで処理される。こ
のような反応は窒素雰囲気下約10〜35℃でpH8〜1
1(必要に応じて塩基を添加してこの範囲内にpHを維持
する)に於て1〜24時間行なわれる。例えばアミノ誘
導多糖類を
【化10】 と反応させて適当に機能化した多糖類を生成することが
できる。これらの工程により次にはPs−A−E* −又
はPs−A′−SH−(E* は-CCHX 又は
【化11】 であり、A,A′,R,X及びpは上で定義した通りで
ある)形の共有結合的に変性した多糖類が生成される。
【0031】タンパク質を多糖類に結合させる別の機能
化はタンパク質を1種以上の試薬と反応させてチオール
基を生成させるか又はタンパク質を1種以上の試薬と反
応させて求電子(即ちイオウ好性)中心を生成させるこ
とを含む。求電子機能化多糖類との結合を調製する場合
にはタンパク質を前に述べた多糖類にチオール基を生成
させるために使用したアシル化試薬のようなチオール基
を生成させる1種以上の試薬と1又は2工程で反応させ
る。チオール化タンパク質はまたアタッシ(Atassi)等
Biochem et Biophys. Acta. 第670巻、300頁
(1981年)に示されるようなカルボキシ活性化タン
パク質をアミノチオールでアミノ化してチオール化タン
パク質を生成させることによって調製することができ
る。この方法工程の好ましい実施態様はタンパク質のペ
ンダントアミノ基(即ちリシル基)をN−アセチルホモ
システインチオールアアクトンで等重量の反応物を用い
て0〜35℃pH8〜11に於て5分から2時間直接アシ
ル化することを含む。
【0032】E′B′が
【化12】 である場合、機能化タンパク質の製造条件及び方法は活
性化マレイミド酸との反応による反対部分の多糖類の調
製で上述した通りである。ペンダントチオール基を有す
る共有結合的に変性した細菌多糖類との結合を調製する
場合には、タンパク質を例えば XCH2COX′及びXC(CH3)H
C(O)X ′(X及びX′は上で定義した通りである)及び
【化13】 (X′は上で定義した通りである)を含むアシル化剤の
ような求電子中心を生成する試薬でアシル化する。求電
子中心を有する適当なタンパク質としてはまた例えばペ
ンダントリシルアミノ基を活性化マレイミド酸例えば
【化14】 のような試薬でアシル化するか又はカルボキシ活性化タ
ンパク質をジアミンのモノハロアセチル誘導体と反応さ
せて調製したものがある。両方の調製反応共に温度は0
〜35℃で5分から1時間でありpHは8〜11である。
【0033】次いで結合体の生成は単にペンダント求電
子中心を有する任意の共有結合的に変性した多糖類をペ
ンダントチオール基を有する細菌タンパク質MIEPと
pH7〜9に於てほぼ等重量比で窒素雰囲気下約17〜4
0℃で6〜24時間反応させて共有結合体を得る問題で
ある。このような反応の具体例としては
【化15】 (4−ブロモアセタミドブチルアミンと反応させた活性
化多糖類をN−アセチルホモシステインチオールアクト
ンと反応させたタンパク質と反応させて結合体を生成さ
せる)及び
【化16】 (Y″はC2 〜C8 アルキルラジカルである)(活性化
マレイミド酸と反応させたアミノ誘導化多糖類をアミノ
チオールでアミノ化したカルボキシ活性化タンパク質と
反応させて結合体を生成させる)がある。
【0034】同様にペンダントチオール基を有する任意
の共有結合的に変性した多糖類をペンダント求電子中心
を有する細菌タンパク質MIEPと反応させて共有結合
体を得ることができる。このような反応の具体例は
【化17】 (アミノチオールと反応させた活性化多糖類をジアミン
のモノハロアセチル誘導体と反応させたカルボキシ活性
化タンパク質と反応させて結合体を生成させる)であ
る。過剰のハロアセチル基の求電子活性を脱離させる必
要があれば、この結合体とn−アセチルシステアミンの
ような低分子量チオールとの反応がこの目的を達成す
る。またこの試薬n−アセチルシステアミンの使用によ
り、生成したS−カルボキシメチルシステアミンがスパ
ックマン、モーア及びスタインの方法によってユニーク
に検出されるために使用したハロアセチル部分の説明を
確認することができる。
【0035】次いでこの結合体を所定角半径を用いて約
100,000xgに於て約1〜20℃で約2時間遠心
分離するか又はゲルパーミエーション、イオン排除クロ
マトグラフィー、勾配遠心分離又は他の分画吸着クロマ
トグラフィーを含む種々の任意の他の精製方法にかけて
非共有結合多糖類とタンパク質を除去し、所望の生物活
性を追究する方法としてビジェネリック、スペーサー
(以下参照)の共有原子価検定を用いる。更に試薬の分
離はカラムのサイズ排除クロマトグラフィーによって達
成することができあるいは非常に大きな不溶性タンパク
質の場合には分離は超遠心分離によって達成することが
できる。
【0036】結合体の共有原子価を確認するための分析
従って結合体の安定性は結合体を加水分解(好適には6
NHCl で110℃に於て20時間)し、次いでチオエー
テルとタンパク質の構成アミノ酸を含有する加水分解的
に安定なスペーサーのアミノ酸を量的に分析することに
よって達成される。タンパク質のアミノ酸の寄与は必要
な場合含まれるタンパク質の適当なアミノ酸標準と比較
して除去して残存するアミノ酸値を結合体の共有原子価
に反映させるか又はスペーサーのアミノ酸を分析に於て
タンパク質のアミノ酸標準の外側に見えるように計画す
ることができる。共有原子価検定はまた生物学的に活性
な成分の濃度の増大をマークする精製方法を監視するの
に有用である。上の具体例に於て
【化18】 の加水分解によりPs−A−E−S−B−Pro分子のペ
プチド結合及び他の加水分解的に不安定な結合に於ける
切断によってS−カルボキシメチルホモシステイン
【化19】 の脱離が生じ、
【化20】 の加水分解はアミノジカルボン酸 HO2CCH2CH(COOH)SCH2
CH2NH2の脱離が生じ、 PsC(=O)NHCH2CH2SCH2C(=O)NH(C
H)4NHC(=O)CH2CH2C(=O)Pro の加水分解により、S−カ
ルボキシメチルシステアミンH2NCH2CH2SCH2CO2H の脱離
が生じる。次いでスパックマン、モーア及びスタインの
ようなクロマトグラフィー法が都合良く用いられ、アミ
ノ酸成分の比を決定することができる。
【0037】IgG抗体の最適な産生は問題の抗原に特
異性を有するB及びTリンパ球の協力を必要とする。T
リンパ球は多糖類を確認することができないがT細胞が
確認可能であるタンパク質に多糖類を共有結合的に結合
する場合、抗多糖類IgG抗体応答を助けることができ
る。マウスに於てこの要件は二次並びに一次抗体応答に
存在し担体特異的であり即ち二次抗体応答はTヘルパー
細胞が二次免疫化に用いられる担体で予め感作された場
合にのみ生じる。従ってマウスのPRP−タンパク質結
合体に対する二次抗体応答を産生する能力は担体タンパ
ク質に特異性を有する感作Tリンパ球の存在に依存す
る。抗−PRP抗体応答に感作する担体を与えるMIE
Pの能力の証明は異種担体ジフテリアトキソイド(D
T)に共有結合したPRPを養子感作したマウスで行な
った。養子移入はMIEP単独を感作したリンパ球の投
与がPRP−OMPCに対する応答に於て抗−PRP抗
体生成に有効なヘルパーT細胞活性を十分生じるかを決
定するために使用した。MIEP又はOMPCで感作し
たリンパ球を移入した場合匹敵し得る二次抗−PRP抗
体応答がPRP−OMPCにより誘発され、OMPCの
T細胞認識がMIEP部分に残ることを示した。
【0038】PRP−MIEP結合体をマウス並びに乳
児アカゲザルに於て免疫原性を試験した。これらの両方
の動物モデルに於ける免疫応答は細菌多糖類のようなT
−非依存性抗原に対して抗体応答を産生する能力が乳児
ヒトと共に不十分である。これらの動物は一般に種々の
抗原に対する乳児ヒトの免疫応答を評価するモデルとし
て用いられる。同様に例えばペプチドがHIV主中和決
定基(PND)ペプチドである場合、MIEP−ペプチ
ド結合体を調製することができる。このような結合体を
調製する1方法としては同時係属中の米国特許出願番号
(メルクケースMRL91/125)に
記載され特別に特許を請求した活性化MIEPと活性化
HIV PNDペプチド間にビジェネリックスペーサー
を生成させることを包含する。リンカーは米国特許出願
第555,558号(メルクケース18068)に記載
される多糖類部分を包含することができる。
【0039】本発明の新規な結合体はHIV PNDペ
プチドに共有結合したナイセリアメニンギチジスbの外
膜タンパク質複合体(OMPC)のMIEP、主要免疫
増強タンパク質を包含する。結合体は活性化ペプチドを
活性化タンパク質に共有結合する方法によって調製され
る。ペプチド及びタンパク質成分は別々に活性化されて
ペンダント求電子基又は求核基を示すので接触の時にペ
プチドとタンパク質間で共有結合が生成する。上述した
反応系から生じる共有結合体免疫原は複数のペプチド機
能性がMIEPの基礎の上に作られる結合体として考え
るのが都合が良い。結合体のペプチド成分がHIV中和
免疫応答を誘発させることができる場合、本発明の結合
体は免疫学的に有効な量で更に免疫活性調節、抗ウイル
スは抗菌化合物を加えて又は加えずに哺乳類に投与する
ことができ、結合体のペプチジル部分に対して哺乳類免
疫応答を誘発させるか哺乳類に於てHIV−中和抗体を
誘発させるか又はAIDSを含むHIV感染又は疾患の
罹患を予防するためにヒトに投与するか又はAIDSを
含むHIV感染又は疾患に罹患したヒトに投与するため
のワクチンの製造に有用である。
【0040】好ましい実施態様に於て、本発明の結合体
は一般構造式j (PEP-A-)-MIEP (式中PEPはHIV PNDペプチド又はHIV P
NDを認識する哺乳類の免疫応答を高めることができる
ペプチドである。MIEPはOMPCから組換え的に産
生又は精製したナイセリアメニンギチジスbの外膜タン
パク質複合体(OMPC)の免疫原タンパク質である。
−A−は共有結合、好適にはビジェネリックスペーサー
である。jは双対結合体中ペプチド量の%であり、結合
体中1〜50%の全タンパク質量が好適である。) 又はその医薬的に使用し得る塩を有する。本発明の結合
体は例えば米国特許第4,695,624号及びマルブ
ルグ(Marburg)等 J. A. C. S. 第108巻、5282
頁(1986年)及び米国特許出願第362,179
号、同第55,558号、同第555,974号、同第
555,966号及び同第555,339号に開示され
るビジェネリックケミストリーのペプチド−タンパク質
結合体の製造の技術に於て既知の任意の一般方法によっ
て製造することができる。好ましい実施態様にはリシン
のアミノ基、ヒスチジンのイミダゾール基又はセリン、
トレオニン又はチロシンのヒドロキシル基のようなタン
パク質に見られる有効な求核機能性を使用する方法が用
いられる。実際上では有効なタンパク質求核部位の数は
全遊離スルフヒドリル基の定量及び/又はアミノ酸分析
で分析可能なブロモアセチルアミノ酸によるアルキル化
のN−アセチルホモシステインチオラクトンを用いてチ
オール化することを包含することができる適当な検定次
のエルマン(Ellman)検定〔エルマン,G. L. Arch. Bi
ochem.Biophys, 第82巻、70頁(1959年)〕に
よって定量することができる。
【0041】好適な方法は配列、活性化方法及びタンパ
ク質とペプチド基の反応を変化することができるいくつ
かの方法で行なうことができる。この方法は 方法1 1a.タンパク質求核基を試薬例えばN−アセチルホモ
システインチオ−ラクトンと反応させてタンパク質にチ
オール基を生成させ 1b.工程1aの生成物をペプチドに好適にはマレイミ
ドを包含している求電子基を付加するように予め誘導化
したペプチドと反応させる工程を包含することができ
る。この方法に従って製造することができる本発明の好
適な実施態様は構造
【化21】 (式中PEP、MIEP及びjは上で定義した通りであ
る。 −R−はa)−低級アルキル−、 b)−置換低級アルキル−、 c)−シクロアルキル−、 d)−置換シクロアルキル−、 e)−フェニル−である。 −R′−はa)−水素、 b)−低級アルキル又は c)−SO3Hである。 −S−はイオウである。)又はその医薬的に使用し得る
塩を有する。 構造
【化22】 (式中可変のものは全て上で定義した通りである)を有
する本発明の好適な実施態様は方法2で製造することが
でき、 2a.タンパク質求核基を求電子タンパク質を生成させ
るように二官能性求電子試薬例えばマレイミドアルカン
酸ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させ 2b.工程2aの生成物をチオール基のような求核基を
含有するペプチドと反応させる工程を包含する。
【0042】工程1の非常に好ましい実施態様は以下で
詳細に図式1に記載される。図式によれば免疫原タンパ
ク質は細菌膜から精製したあるいは組換え手段によって
産生したナイセリアメニンギチジスbの外膜タンパク質
複合体(OMPC)のII類タンパク質である。この方法
は a.i.リシン又はタンパク質アミノ末端基の存在によ
り遊離アミノ基を含む求核基を有するMIEP(I)を
チオール化剤好ましくはN−アセチルホモシステインチ
オラクトンと反応させてイオウ好性基との反応に有効な
“m”モルのスルフヒドリル基を有するMIEP(II)
を生成させ、a.ii.工程a.i.でMIEPに付加し
た有効なスルフヒドリル数を定量して好適にはエルマン
検定によって“m”値を決定し〔エルマン,G. L. Arc
h. Biochem. Biochem. Biophys,第82巻、70頁(1
959年)〕、b.工程aの生成物を求核基を付加する
ように予め誘導化した過剰(2m)のHIV PND好
ましくはマレイミド−アルカン酸、最も好ましくはマレ
イミド−プロピオン酸(この誘導化は誘導化されるべき
ではないペプチドの全てのアミノ基をN−保護し遊離ペ
プチドアミノ基を二官能性試薬好ましくはマレイミドア
ルカノイルオキシスクシンイミド、最も好ましくはマレ
イミドプロピオニルオキシスクシンイミドと反応させ
る)と接触させて本発明の結合体を生成させる工程を包
含する。結合体生成物は例えばイオン強度0.001M
〜1M、pH4〜11を有する緩衝液最も好ましくはイオ
ン強度0.01〜0.1M、pH6〜10を有する水性媒
体中で透析して精製することができる。
【化23】
【0043】上述の図Aで示した方法はMIEPをイオ
ウ好性基例えばマレイミドの誘導体に共有結合するよう
に誘導化し、一方ペプチドを遊離スルフヒドリルに共有
結合するように活性化させる。これらの方法の変更例え
ば活性化化合物の反応順序の変更又は反応物の比を含む
この及び他の方法は勿論本開示の範囲内に属する。本発
明の結合体を生成する方法はペプチド−タンパク質結合
体を所望し、特にペプチドの免疫原性の増強を必要とす
る場合に重要である任意の結合体を生成するために用い
ることができる。本明細書で記載した結合体は不活性担
体を含む組成物に含まれワクチンとして適当に処方され
る場合に有用である。これはミョウバンに吸着又はワク
チン製剤の技術上既知の乳化剤又はアジュバントと混合
する前に含むことができる。本発明の共有結合体免疫原
を使用する方法は(a)HIV PNDペプチド構造−
機能相関を確認するための実験手段としての用途(b)
抗体を単離し、HIVによる感染を予防する又は感染後
のHIV増殖を制限する又はAIDSを含むHIV感染
又は疾患に罹患したヒトを治療するようにヒトに投与す
ることができる哺乳類に於けるHIV−中和抗体を高め
るための免疫原としての用途(c)HIVによる感染に
対してヒトを免疫化する又は感染後ヒトを治療する又は
AIDSを含むHIV感染又は疾患に罹患したヒトのH
IV−中和免疫応答を上昇させるワクチンとしての用途
を含む。
【0044】実験手段として、結合体は免疫学的に有効
な量で哺乳類に投与する場合、抗−PNDペプチド、抗
−HIV又はHIV−中和免疫応答を起こすのに有用で
ある。免疫応答を高めるために更に結合体を哺乳類に追
加免疫することができる。抗血清は哺乳類の採血をし、
この血液を遠心分離して血清から細胞成分を分離し、必
要な場合技術上既知の方法に従って血清から抗体タンパ
ク質を単離することによってこのような哺乳類から得ら
れる。このような抗血清又は抗体製剤は哺乳類に於て哺
乳類の抗−PNDペプチド、抗−HIV又はHIV−中
和抗体を高める場合に結合体のHIV PNDペプチド
を効能を確認するために使用することができる。非結合
ペプチド及び抗血清を使用するELISA検定は抗−ペ
プチド抗体の誘発を測定するために試験管内検定として
有用である。抗血清のHIV−中和能を測定するための
試験管内検定は生存HIVの調製物を抗血清の調製物と
温置し次に抗血清処理HIV調製物を CD4受容体を有す
る細胞と温置し抗血清によって得られる細胞保護の程度
を測定することを包含する。これらの検定及び一定の結
合体によって産生した抗血清はPNDペプチド構造−機
能相関を研究するために使用することができる。
【0045】結合体は前項で記載した哺乳類の抗体応答
を誘発させるのに有用であり、このような抗体はヒトを
受動免疫するために使用してHIV感染を予防又は感染
後のHIV増殖を制限又はAIDSを含むHIV感染又
は疾患に罹患したヒトを治療することができる。結合体
はHIV感染又は増殖を予防するためにヒトに又はAI
DS及び関連症を含むHIV感染のHIV疾患にかかっ
ているヒトに又はHIVウイルスに対する血清陽性を試
験するヒトに投与することができるワクチンとして有用
である。結合体はAZT又はより一般的な抗ウイルス化
合物のような他の抗−HIV化合物と併用して又は他の
ワクチン抗生物質又は免疫活性調節剤と併用して(以下
の表I参照)投与することができる。
【0046】ワクチン内の免疫原の形は種々の分子配置
を取る。抗原結合体III の単一分子化合物はしばしばA
IDS又はARCを含むHIV疾患の予防又は治療に有
用で適当な抗原として十分である。反応混液の形の他の
抗原も有利であり、例えば全タンパク質に対するペプチ
ドの質量比によって異なる結合体の混合物からなる。更
に混合物中の結合体はPNDのアミノ酸配列が異なって
もよい。免疫ベクター、担体又はアジュバントは通常の
免疫試験又は実施に従って免疫賦形剤として加えること
ができる。アジュバントは本発明のワクチンの製造中に
加えても加えなくてもよい。ミョウバンがヒトワクチン
に特にチキソトロピー性、粘性及び均一の水酸化アルミ
ニウムゲルの形として典型的な好適アジュバントであ
る。例えば本発明の1実施態様は賦形剤としてミョウバ
ンアジュバントの懸濁液及び免疫原又は抗原の選択セッ
トとして結合体の反応混液による患者の予防接種であ
る。本発明のワクチンは表IのAIDS抗ウイルス剤、
免疫活性調節剤、抗生物質又はワクチンの有効量と併用
して罹患前か罹患後の段階で有効に投与することができ
る〔情報源:マーケットレター1987年11月30
日、26〜27頁、ジネティックエンジニアリングニュ
ース、1988年1月第8巻、23頁〕。
【0047】 表 I1 A.抗ウイルス剤 薬剤名 製造業者 適応症 AL-721 エチゲン ARC, PGL (Ethigen) BETASERON トリトンバイオサイ AIDS, ARC, KS (インターフェロンβ) エンシーズ (Triton Biosciences) CARRISYN カーリングトンラブス ARC (ポリマンノアセテート) (Carrington Labs) CYTOVENE シンテックス CMV (ガンシクロウィル) (Syntex) DDC ホフマン−ラロッシュ AIDS, ARC (ジデオキシシチジン) (Hoffmann-La Roche) FOSCARNET アストラ AB HIV感染, CMV (ホスホノギ酸三ナトリウム) (Astra) 網膜炎 HPA-23 ローン−プーランサン HIV感染 (Rhone-Poulenc Sante) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1 略語 AIDS(後天性免疫不全症候群)、ARC
(エイズ関連症)、CMV(サイトメガウイルス、日和
見感染を起こしエイズ患者の失明又は死に至る)、HI
V(ヒト免疫不全ウイルス、以前はLAV、HTLV−
III 又はARVとして知られていた)、KS(カポジ肉
腫)、PCP(肺水腫、日和見感染)、PGL(持続性
全身性リンパ節腫脹)
【0048】 薬剤名 製造業者 適応症 DRNIDYL メレルダウ PCP (エフロルニチン) (Merrell Dow) PEPTIDET ペニンスララブス AIDS (オクタペプチド配列) (Peninsula Labs) PETICULOSE アドバンスドウイルス AIDS, ARC (ヌクレオホスホ リサーチ(Advanced プロテイン) Viral Research) IR バローズ ウェルカム AIDS, 進行性 (ジドブジン,AZT) ARC 小児 AIDS, KS, 無症候性 HIV, 重症でないHIV, 神経病併発 RIFABUTIN アドリアラブス ARC (マンサマイシンLM427) (Adna Labs) (トリメトレキサート) ワーナー−ランバート PCP (Warner-Lambert) UA001 上野製薬 AIDS, ARC VIRAZOLE ビラテック/ICN AIDS, ARC, KS (リバビリン) WELLFERON バローズ ウェルカム KS, HIV, (αインターフェロン) (Burroughs Wellcome) RETROVIRと併用 ZOVIRAX バローズ ウェルカム AIDS, ARC, (Burroughs Wellcome) RETROVIRと併用
【0049】 B.免疫活性調節剤 薬剤名 製造業者 適応症 ABPP アップジョン 進行性AIDS, KS (ブロピリミン) (Upjohn) AMPLIGEN デュポン ARC, PG
L (不適正 RNA) (DuPont) HEM リサーチ (抗ヒトαインターフェロン (HEM Research) AIDS, ARC, KS 抗体) アドバンスド バイオセラ ピーコンセプツ (Advanced Biotherapy Concepts) コロニースチムレイティング サントス ジネティクス AIDS,ARC,HIV, ハクター(GM-CSF) インスチチュート KS (Sandoz Genetics Institute) CL246,738 アメリカン シナミド AIDS (CL 246, 738) (American Cynamid) IMREG-1 イムレグ AIDS, ARC, (Imreg) PGL, KS IMREG-2 イムレグ AIDS, ARC, (Imreg) PGL, KS IMUTHIOL メリオイクス AIDS, ARC (ジエチルジチオ インスチチュート カルバメート) (Merieux Institute) IL-2 シータス AIDS, KS (インターロイキン−2) (Cetus)
【0050】 薬剤名 製造業者 適応症 IL-2 ホフマン−ラ ロッシュ AIDS, KS (インターロイキン−2) イムネクス(Hoffmann-La Roche Immunex) INTRON-A シェリング−プラウ KS (インターフェロンα) (Schering-Plough) ISOPRINOSINE ニューポート ARC, PGL, HIV (イノシンブラノベクス) ファーマシューティ 血清陽性患者 カルス(Newport Pharmaceuticals) (メチオニン TNI ファーマシュー AIDS, ARC エンケファリン) ティカルス (TNI Pharmaceuticals) MTP-PE チバガイギー KS (ムラミル−トリ (Ciba-Geigy) ペプチド) THYMOPENTIN(TP-5) オルト ファーマシュー HIV感染 (チムス化合物) ティカルス (Ortho Pharmaceu- ticals) ROFERON ホフマン−ラ ロッシュ KS (インターフェロンα) (Hoffmann-La Roche) (組換え体エリスロ オルト ファーマシュー AIDS 及び オペイエチン) ティカルス レトロウィル (Ortho 治療に伴う重 Pharmaceuticals) い貧血 TREXAN デュポン AIDS, ARC (ナルトレキソン) (DuPont) TNF (腫瘍壊死因子) ジェネンテック ARC, インター (Genentech) フェロンγ 併用 C.抗生物質 PENTAM300 リフォメド PCP (ペンタミジン (LyphoMed) イセチオネート)
【0051】 C.ワクチン Gag メルク AIDS, ARC
【0052】本発明のワクチンを、免疫調節剤、抗生物
質、あるいはワクチンとの組み合わせる範囲は上の表に
あげたものに限定されるものではなく、原則としてエイ
ズの治療に役立つ医薬組成物との組み合わせをすべて含
むことは、理解されるであろう。本発明のエイズあるい
はHIVワクチンは、HIV暴露前後に、HIVの感染
あるいは疾患を予防または治療するために用いられるワ
クチンであって、免疫原に特異的な免疫反応を引き起こ
すことができるものを包含する。本発明の複合体は、ワ
クチンとして用いられた場合、免疫学的に有効な量を投
与される。ほ乳動物に投与して、抗ペプチド、抗HI
V、HIV中和性免疫反応を引き起こすには、用量とし
て、複合体蛋白の1μg−500μgの範囲、好ましく
は50μg−300μgを投与する必要がある。初回の
投与後、約2週間経過後に、追加抗原刺激を行い、さら
にもう一度、血清中の抗体価が減少したさいに行なうこ
とができる。複合体は筋肉内、あるいは都合の良いまた
は効率のよい経路で投与するが、濃度は10μg/mlと
1mg/ml、好ましくは50−100μg/mlの間であ
り、合計容量は免疫学的効力に必要とされる量とする。
複合体は水酸化アルミニウムゲルまたはRibiアジュバン
ト(GB 2220211A,US優先権212,91
9(1988年6月29日出願)にあらかじめ吸着さ
せ、注射前に滅菌生理食塩水に懸濁することができる。
蛋白部分は免疫のエンハンサーとして働くべきである。
蛋白を選択するにあたっては、被投与者の非特異的免疫
反応の活性化(reactogenicity)を起こさないものが望
ましい。米国特許第4,659,624号において、Ma
rburg らはNeisseria meingitidis の外膜蛋白複合体
(OMPC)を用いてポリサッカライド−蛋白質複合体
を作成した。OMPCは本発明においても適しているこ
とが証明された。他の免疫原性蛋白質を用いることも可
能である。
【0053】グラム陰性菌からOMPCを精製する方法
はいろいろ工夫されている。Fraschら、J. E
xp. Med.140巻、87頁(1974)、同1
47巻、629頁(1978),Zollinger ら、米国特
許第4,707,543号(1987)、Helting ら、
Acta Path. Microbiol. Scand. Sect. C. 89巻69頁
(1981)、Helting ら、米国特許第4,271,1
47号参照。本発明で用いたOMPCは基本的にはHelt
ing の方法によって調製した。さらに、主要外膜蛋白質
であるNeisseria meningitidisのクラス2蛋白(Muraka
miら、Infection and Immunity,57巻、2318頁
(1989))のようなOMPCのサブユニットはHI
V PNDペプチドに対するほ乳類の免疫反応を誘導す
るのに必要な免疫活性促進をもたらした。これらのサブ
ユニットは単離したOMPCをかい離させても得られる
し、組換えによって必要なOMPC免疫原性部分を発現
させて生産することもできる。OMPCサブユニットの
調製と使用方法は併願の米国特許出願番号555,32
9、555,978、および555204に開示してあ
る。これらの複合体形成に用いられるHIVペプチドは
線状あるいは環状ペプチドであることができる。これら
線状あるいは環状ペプチドはこの分野で知られた化学合
成の手法を用いて、あるいはその部分の組換え発現によ
り、または単離されたHIV蛋白質の断片として得るこ
とができる。環状HIV PNDは線状ペプチドを環化
することにより合成できる。たとえば(a)少なくとも
2つのシステインを含むペプチドを酸化してジスルフィ
ド結合した環を作成する。(b)アミド結合した環を作
成する。(c)チオエーテル結合した環を作成する。こ
のようなペプチドを合成する方法はここに説明される
が、この説明は網羅的あるいは限定するものではない。
本発明の複合体は、構成要素のペプチドがHIVPND
であり、ほ乳動物にHIVを認識する免疫反応を引き起
こすことができるならばかならず有用である。
【0054】当分野で良く知られたPNDペプチドおよ
び本発明に開示するが別に継続出願(米国特許出願番号
555,112および555,227)および同時出願
(米国特許出願第)において特許を請求している新規P
NDペプチドはともに、ほ乳類においてHIV中和免疫
反応(HIV中和抗体の産生を含む)を誘導できるペプ
チド配列と定義される。
【0055】本発明に置いて克服された主要な点は、H
IVの単離株間の配列の変動である。上に定義したPN
Dペプチドはgp120の三番目の超可変流域に存在し、
多くの単離株においてある種のアミノ酸は決まった位置
に存在することが見出されているが、厳密に保存された
一次配列のモチーフは存在しない。本発明においては広
範囲の保護を得るのに必要な多くの異なる単離株のPN
D配列のカクテルを複合体にすることができるので、こ
の難点を乗り越えることができる。あるいは、保護範囲
の広い複合体のカクテルは、単一あるいは数種のHIV
単離株に対し保護効果のあるペプチド部分を有する複合
体を別々に作成してから混合することによっても作成す
ることができる。
【0056】gp120のアミノ酸296から341の間
またはその近傍に存在するアミノ酸が、PNDを定義す
る基準に合うことが示された。HIVの単離株IIIB
において、41アミノ酸配列は以下のように報告されて
いる(SEQ ID:1:)。
【化24】 〔2つのシステインは互いにジスルフィド結合してルー
プを形成している〕 三量体-Gly Pro Gly−はPNDループの先端で露出して
いる。異なる単離株のgp120のこれと同一部位は山羊
やモルモットの免疫系に対し、Keyhole-limpetヘモシア
ニンと複合化して投与した場合、単離株特異的中和抗体
を誘導する。上に示した41量体配列中の主要中和エピ
トープは、GPGトリマーを囲む8アミノ酸からなる
(Javaherianら、PNAS USA86巻、6768頁
(1989))。下記の表IIに、本発明の複合体に用い
られる異なる長さ、組成の線形ポリペプチドを多数示
す。表にしたペプチド配列を有するペプチドを含む単離
株の名は、参照し易くするためにそのペプチドに付けた
名称とともに記してある。各ペプチドの左側のrの文字
はそのペプチドがPSAにその位置で連結する可能性を
示している。さらに、ノルロイシンやオルニチンのよう
なマーカーアミノ酸はr−の一部をなすことができる。
【化25】
【化26】
【0057】このリストは可能性のあるPND配列を網
羅したものではなく、むしろ有用なPND一次配列を示
唆し、説明するものである。したがってここに記載され
たように複合体として本発明の免疫原を形成するペプチ
ドは、表にあげられたどのペプチドでもよいし、これら
の配列が示唆するところの免疫学的に等価な変異体でも
よい。変異体の性質については次ぎに考察する。
【0058】このHIV PNDの一次配列は、保存さ
れたコアアミノ酸配列を有するように見える。そのコア
アミノ酸配列はGly-Pro-Gly-Arg(−GPGR−)からな
る四量体配列からなり、その両側はHIV単離株の間で
違いが大きい。単離株のいくつかは、このテトラマーの
中も異なっており、−GPGK−、GPGQ−、−GL
GQ−などのコア配列を有する。これらすべての可能性
のある配列は本開示の範囲内にあり、本発明による複合
体形成に役立つペプチド配列とするものである。
【0059】ペプチドの長さは交叉反応性の免疫反応を
促進するにあたって重要な因子である。すなわち、所定
のペプチド性エピトープに対して惹起された免疫反応
は、決定的中和エピトープのほかに同一あるいは異なる
HIV単離株の類似のエピトープをエピトープ中のアミ
ノ酸の数に基づいて認識する。さらに、ペプチドの長さ
によって、HIV中和反応の原因となる決定基が免疫シ
ステムに曝される確率が決まる。
【0060】エピトープ提示の確率を最大にするため
に、PNDペプチドを所定の三次元構造に固定する化学
的手法が開発された。上記のHIV IIIBの41量
体アミノ酸PNDは、システイン−システイン間のジス
ルフィド結合により、1つのルプ構造をとることが知ら
れている。このジスルフィド結合は脆弱なため、ループ
が開いてペプチドが線状構造で存在する可能性がある。
したがって、線状ペプチドに加えて新規なジスルフィド
結合環状ペプチドあるいは新規な強固な環状構造を有す
るHIV PNDペプチドをここに開示し、別に遊離の
ペプチドとして米国特許出願第555,112および5
55,227中に開示するが、これらペプチドはすべて
本発明の複合体形成においてPEP部分として利用でき
る。
【0061】これらの複合体形成に用いられるペプチド
は天然の蛋白質(たとえばgp120)の断片として、あ
るいはその部分の組換え発現により、またはこの分野で
知られた化学合成の手法を用いて得ることができる。さ
らに新規な環状PNDはここに記載する方法により合成
することができる。配列には天然のL−アミノ酸でも天
然にない、すなわちD−アミノ酸でも含むことができ
る。さらに複合化の化学的手法は柔軟性があるので、ペ
プチド誘導化試薬を適切に選択すれば複合化は成功す
る。
【0062】合成ペプチドは、液中や固相保持体上での
様々な手法により調製されている。基礎的な原理と技術
をカバーする優れたテキストは、「ペプチド合成の原
理」(Bodanzky, M.,Springer-Verlag (1984)),
「固相ペプチド合成」(StwertJ. M., Young, J.D., Pi
erce Chemical Company(1984第2版)、「ペプチ
ド」(Gross, E, Meienhofer, J., Academic Press(1
979)であるが、ここにのべるプロセスはこれらテキ
ストの記載に限定されるものではない。
【0063】合成環状ペプチドは2相にわけて合成され
る。まず線状ペプチドを合成するには、Milligen905
0ペプチドシンセサイザーあるいはABI431Aペプ
チドシンセサイザーを用い、9−フルオレニルメチルオ
キシ−カルボニル(Fmoc)化学と既知の試薬である側鎖
が保護されたFmoc- アミノ酸ペンタフルオロフェニルエ
ステルを用いるか、または誘導化Wang樹脂とFmoc化学手
法および試薬としてその場で調製された側鎖が保護され
たFmocアミノ酸対称無水物を用いた。
【0064】つぎに線状ペプチドは液中あるいはまだ固
相に保持された状態で、環状化される。環状化は当分野
で既知の方法で行なうことができるが、その方法として
はたとえば a)ループを形成する予定の線状ペプチド配列の両端に
システイン残基を組み込み、既知の酸化条件下ジスルフ
ィド結合を起こさせる。 b)a)と同様にシステイン残基を組み込んだペプチド
を調製するが、システインを遊離のスルフヒドリル基と
して保持し(あるいは脱保護されて遊離スルフヒドリル
基となるAcm で保護されたチオールとして保持)、この
ペプチドをo−キシレンジブロミドあるいは同様な試薬
(たとえばジイオジド、ジクロリド、ジハロゲン化され
たC2-4 の直鎖あるいは分岐低級アルキル)で処理す
る。このような試薬はシステインのイオウ原子と反応し
て環状構造を形成するがその構造中ではベンゼンまたは
アルキルに結合した2つの強固なチオエーテル結合が存
在する。 c)線状ペプチドの一端のアミノ酸と他の端のアミノ酸
のカルボキシル基とをDPPA、BOPなどのペプチド
結合形成を仲介する試薬によりアミド結合させる。これ
ら戦略のいずれも以下に詳しくとりあげるが、まずこれ
らの方法で調製した環状ペプチドの一般的な説明をす
る。
【0065】本複合体の発明を以下のペプチドまたはそ
の製造方法に限定することなく、適当な保護基を外した
後に本発明にしたがって連結できるPNDペプチドは、
PEP構造で表わされるものを包含し、上記の表IIの線
状ペプチドおよび以下の環状ペプチドを含む:
【化27】 〔式中rはPEPとPSAの間の連結部位であって、R
1 がマーカーアミノ酸でない場合はマーカーアミノ酸1
個を意味することができる。R1 は a)結合、または b)1から5個のアミノ酸からなるペプチドであって、
アミノ酸分析スペクトル中20個の天然アミノ酸とは離
れた場所に移動するマーカーアミノ酸を一個含むことが
できる。このマーカーアミノ酸としてはノルロイシン、
γ−アミノ酪酸、βアラニン、あるいはオルニチンが好
ましい:R2 は、 a)R3 が少なくとも2個以上のアミノ酸からなるペプ
チドである場合、単結合あるいは17個までのアミノ酸
からなるペプチド、または b)R3 が単結合である場合は、2ないし17個のアミ
ノ酸からなるペプチド:R3 は、 a)R2 が少なくとも2個以上のアミノ酸からなるペプ
チドである場合、単結合あるいは17個までのアミノ酸
からなるペプチド、または b)R2 が単結合である場合は、2ないし17個のアミ
ノ酸からなるペプチド: −GPGR−は四量体−GlyProGlyArg−: R4 は、 a)R7 がR8 である場合、R7 がメチン炭素に結合し
た−NH−CH−CO−である、または b)R7 が−COCH2CH2CH(CONH2)NHCO −またはカルボニ
ルの場合、R3 からR7 およびR5 への単結合である:
5 は a)マーカーアミノ酸をふくむことができる1個ないし
5個のアミノ酸からなるペプチド、 b)−OH、 c)−COOH、 d)−CONH2 、 e)−NH2 、または f)存在しない、である:R6 は a)R7 に対する任意の結合(.......)が存在
しない場合、通常のL−またはD−アミノ酸の側鎖から
選択されるアミノ酸側鎖(定義および略号の表参照)、 b)R7 がR8 の場合、−R8 −S−S−または−R8
−S−R8 −R9 −−R8 −S−、 c)R7
【化28】 場合、−R8 −NH−である。R7 は a)−R8
【化29】 8 は単結合あるいは1ないし8個の炭素の低級アルキ
ルである。R9 は a)R10、あるいは b)キシレンである。R10は a)低級アルキル、または b)−CH2 −O−CH2 −である:ここで基は互いに独立
であり、ペプチドがアミノ酸の末端アミノ基を保護して
合成された場合、アミンの保護基であるベンジルオキシ
カルボニル(Z)あるいはスルフヒドリル基の保護基で
あるアセトアミドメチル(Acm)のような末端アミノ保護
基は当分野で知られた方法およびここに例示された方法
にしたがって除去することができる。脱保護されて露出
した基は、リンカーrを介して免疫原性蛋白質との連結
結合形成に用いることができる。
【0066】以降、PNDペプチドのコアを形成し、環
状ペプチドでループを形成することになるアミノ酸配
列、−R2 −GPGR−R3 −、のことをループアミノ
酸という。しかしR6 とT7 の間の任意結合が存在しな
い場合、構造PEPは線状で、表IIの全線状ペプチドを
さす。
【0067】ペプチドが環状であれ線状であれ、PEP
のR2 およびR3 を意味するアミノ酸配列は、表II中の
−GPGR−コア四量体を囲む配列を含めてどのアミノ
酸の組み合わせでもよい。したがって−R2 −GPGR
−R3 −であらわされるコアアミノ酸はさらに進んで下
記のコアアミノ酸構造を有するものと定義することがで
きる。 −Xn 1 2 −GPGR−X3 4 m − 式中 −GPGR−は四量体−GlyProGlyArg−である X1 はR2 の構成体で下記から選ばれる: a)セリン b)プロリン c)アルギニン d)ヒスチジン e)グルタミン f)スレオニン X2 はR2 の構成要素で下記から選ばれる: a)イソロイシン b)アルギニン c)バリン d)メチオニン Xn はR2 の構成要素であって単結合あるいは15アミ
ノ酸までのペプチドである。X3 はR3 の構成要素であ
って下記から選ばれる: a)アラニン b)アルギニン c)バリン X4 はR3 の構成要素であって下記から選ばれる: a)フェニルアラニン b)イソロイシン c)バリン d)ロイシン Xm はR3 の構成要素であって、単結合あるいは15ア
ミノ酸までのペプチドである。
【0068】環状ペプチドとは不安定なジスルフィド結
合による構造であるか、あるいは安定な結合あるいは構
造を介して形成される環である。安定な結合とは不安定
なジスルフィド結合以外の共有結合を指す。このような
安定な結合の例はアミドおよびチオエーテル結合であ
る。これらの共有結合はキシレンや低級アルキル−CH2
−O−CH2 のような架橋構造、またはアミノ酸ペプチド
結合架橋を介する。架橋構造を変えるおよび/またはペ
プチドに含まれるアミノ酸の数や種類を変えることによ
り免疫システムに提示されるエピトープを微妙に調節
し、環のループ構造の立体構造を最適にすることができ
る。たとえば架橋構造としてo−キシレンを用いるとた
とえば炭素数8の直鎖低級アルキルを架橋に用いた場合
よりループの構造がタイトになる。したがって本発明の
複合体は、PNDエピトープが抗ペプチド、抗HIV、
HIV中和、抗エイズ免疫反応をほ乳類中に起こさせる
にあたっての構造と機能との関係を分析するのに有用で
あるとともに、抗エイズワクチン製剤の成分としても有
用である。得られた合成ペプチドはFAB−MS、逆相
HPLC、アミノ酸分析あるいは核磁気共鳴(NMR)
によって同定さる。
【0069】a.ジスルフィド結合したシステイン基を
介した環状ペプチド ループアミノ酸配列の両側にシステイン残基を有するペ
プチドは酸化的条件下で、ジスルフィド結合により環状
となる。ジスルフィド結合をさせる方法は当分野で良く
知られている。本発明におけるジスルフィド結合化の例
は、cPND4を製造する実施例10およびcPND3
3を製造する実施例18に示してある。実施例10にお
いては、システインのAcm 誘導体を用いてジスルフィド
化したcPNDをつくるプロセスが示してあるが、他の
方法も同様に用いることができる。実施例18において
は、2個の遊離のスルフヒドリル基を有するペプチドを
希薄酸中で酸化する。本発明においてはジスルフィド結
合したペプチドが好ましい。
【0070】よって、本発明の好適な実施態様としては
ペプチドは以下の構造(SEQ ID:18:)
【化30】 あるいは、その医薬的に許容される塩である;式中rは
a)水素 b)
【化31】 式中Wは好ましくは−(CH2)2−、−(CH2)3−、あるいは
6 であって、R6
【化32】 式中R7 は低級アルキル、低級アルコキシあるいはハロ
である:R1 は a)単結合、または b)マーカーアミノ酸1個を含んでいても良い1ないし
5のアミノ酸からなるペプチド:R2 は3ないし10ア
ミノ酸からなるペプチドである:R3 は3ないし10ア
ミノ酸からなるペプチドである:R5 は a)−OH、 b)マーカーアミノ酸をふくむことができる1個ないし
5個のアミノ酸からなるペプチド、または c)−NH2 である:R8 は炭素数1から8の間の低級ア
ルキルである:
【0071】低級アルキルとは特に断わらない限り、直
鎖あるいは分岐アルキルで炭素数1から8のものであ
る。以降、PNDペプチドのコアを形成し、環状ペプチ
ドでループを形成することになるアミノ酸配列、−R2
−GlyProGlyArg−R3 −、のことをループアミノ酸とい
う。本発明の1実施態様に置いて、以下の構造を有する
環状ペプチド(SEQ ID:18:)
【化33】 は、以下の構造
【化34】 を有する線状ペプチドを環化することにより調製され
る。式中X1 はR2 の構成体で下記から選ばれる: a)セリン b)プロリン c)アルギニン d)ヒスチジン e)グルタミン(これが好ましい) f)スレオニン X2 はR2 の構成要素で下記から選ばれる: a)イソロイシン(これがもっとも好ましい) b)アルギニン(好ましい) c)バリン d)メチオニン Xn はR2 の構成要素であって1つのアミノ酸あるいは
8アミノ酸までのペプチドである:X3 はR3 の構成要
素であって下記から選ばれる: a)アラニン b)アルギニン c)バリン X4 はR3 の構成要素であって下記から選ばれる: a)フェニルアラニン b)イソロイシン c)バリン d)ロイシン Xm はR3 の構成要素であって、1つのアミノ酸あるい
は8アミノ酸までのペプチドである。
【0072】合成環状ペプチドは2相にわけて合成され
る。まず線状ペプチドを合成するには、Milligen905
0ペプチドシンセサイザーあるいはABI431Aペプ
チドシンセサイザーを用い、9−フルオレニルメチルオ
キシ−カルボニル(Fmoc)化学的手法と既知の試薬である
側鎖が保護されたFmoc- アミノ酸ペンタフルオロフェニ
ルエステルを用いるか、または誘導化Wang樹脂とFmoc法
および試薬としてその場で調製された側鎖が保護された
Fmocアミノ酸対称無水物を用いた。
【0073】つぎに線状ペプチドは液中あるいはまだ固
相に保持された状態で、ループを形成する予定の線状ペ
プチド配列の両端にシステイン残基を組み込み、既知の
酸化条件下ジスルフィド結合を起こさせて環状化され
る。好適な実施態様としてはペプチドを(a)H2O2
(b)空気中の酸素、(c)約0.1−0.5%TFA
を含むCH3CN 水溶液、(d)約0.1Mフェリシアニン
のいずれかにさらして環化する。好ましい方法は空気中
の酸素にさらすことである。
【0074】得られた合成ペプチドはFAB−MS、逆
相HPLC、アミノ酸分析あるいは核磁気共鳴(NM
R)によって同定される。本発明において有用なペプチ
ドはさらに以下の(i),(ii)に記載するようにして調
製することができる。
【0075】i.固相状態でのペプチド環化 システインあるいはその他の遊離のスルフヒドリル基を
側鎖に持つアミノ酸であるC1 とC2 をループアミノ酸
の両端に有するペプチドを当分野で知られた方法により
調製する(上述)。環状PNDにおいて、スルフヒドリ
ル基を有する側鎖(−R8 −SH )は環化して−R8 S−
基となる。反応性のある側鎖(R基)を有するアミノ酸
を組み込む場合は適切にR基が保護された形で用いる。
例えば、ヒスチジンはトリフェニルメチル(Trt),ある
いはBoc で保護し、アルギニンは4−メトキシメチル−
2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル(Mtr)で保
護する。
【0076】好ましくは、Acm で保護されたC2 がすで
に結合している樹脂、たとえばFmoc-L-Cys(Amc)-O-Wang
樹脂を購入する。ループアミノ酸のアミノ末端に組み込
まれたシステイン残基(C1)もまたAcm 誘導体である。
1 とC2 のどちらも付加的なアミノ酸であるR1 とR
5 にそれぞれ結合できる。このR1 、R5 はキャリア分
子と複合体を形成するのに利用され、あるいはノルロイ
シンやオルニチンが用いられた場合はアミノ酸分析用の
マーカーとして働く。
【0077】アセトアミドメチル化システインのSは、
室温約15時間、樹脂と親和性のある溶媒、たとえば1
−50%の有機酸濃度(好適には10%酢酸を含む無水
ジメチルホルムアミド(DMF))中、各Acm 基にたい
し約4倍の過剰モル重金属塩(たとえば酢酸水銀(Hg(O
Ac)2) と反応させる。生じた重金属チオエーテル(たと
えばペプチドの酢酸水銀チオエーテル、PEP(S−Ag
OAc))は、洗浄し、乾燥する。過剰のDMF中硫化水素
を加えると、不溶性の金属硫化物(たとえば水銀硫化物
HgS)と遊離のスルフヒドリル基を有するペプチドが得ら
れる。遊離のスルフヒドリル基はついで上記の方法の1
つによって酸化される。別法としてはAcm で保護された
チオールは、メタノール/DMF溶中でヨウ素で処理す
ることにより直接環状ジスルフィドに変換することもで
きる。
【0078】ii.基本的には上述の固相環化法と同様で
あるが2点の主要な違いがある。ペプチドがpepsynKA
樹脂から95%TFA/4%エタンジチオール/1%チ
オアニソールで切り出されると、酸に不安定な側鎖保護
基も同時にはずれ、Cys(Trt)基は遊離の−SH官能基を与
える。しかしCys(Acm)保護が用いられる場合、別に線状
ペプチドを樹脂についたままあるいは外した状態で酢酸
水銀/硫化水素を開裂して遊離の−SH基にする必要があ
る。
【0079】1つの方法はCys(Acm)保護基とSasrinまた
はPepsynKHを用い、完全に保護されたペプチドを1%
TFA/CH2Cl2で樹脂から開裂する方法を用いるもので
ある。酢酸水銀/硫化水素でCys(Acm)を遊離の−SH基に
変換し、環化は別に保護したペプチドにおいて行なう。
この時点でペプチドはその場で選択的にN−末端がマレ
イミド化されることができる。酸に不安定な側鎖保護基
を98%TFA/2%チオアニソールで開裂し、環状ペ
プチドをHPLCで単離する。しかし好ましい方法はペ
プチドを樹脂から切り出し、上述の方法の1つで環化を
おこさせるものである。もっとも好ましい方法は約1−
50時間の間、10から40℃のあいだで空気酸化させ
ることである。
【0080】本発明において特に好ましい実施態様は、
構造(SEQ ID:22:)を有するペプチド(cP
ND33)である。
【化35】 を、アミノ末端ノルロイシンか内部のリシンの1つを介
してMIEPに連結し、構造の1つあるいは混合物を作
る。
【化36】
【化37】 〔式中、jは複合体中のペプチドの質量(%)で、好ま
しくは複合体中の全蛋白質量の11から50%であ
る。〕
【0081】b.o−キシレンまたは低級アルキルにチ
オエーテル連結を介した環状ペプチド i.固相状態でのペプチド環化 システインあるいはその他の遊離のスルフヒドリル基を
側鎖に持つアミノ酸であるC1 とC2 をループアミノ酸
の両端に有するペプチドを当分野で知られた方法により
調製する(上述)。環化しおわったPNDにおいては、
1 とC2 は上に示したPEP構造のR6 とR7 の一部
となる。反応性のある側鎖(R基)を有するアミノ酸を
組み込む場合は適切にR基が保護された形で用いる。例
えば、ヒスチジンはトリフェニルメチル(Trt),アルギ
ニンは4−メトキシメチル−2,3,6−トリメチルフ
ェニルスルホニル(Mtr)で保護する。(「ペプチド合成
の原理」(Bodanzky, M.,Springer-Verlag(198
4)),「固相ペプチド合成」(Stwert J. M., Young,
J.D., Pierce Chemical Company(1984第2版)、
「ペプチド」(Gross, E, Meienhofer, J., Academic P
ress(1979))
【0082】好ましくは、Acm で保護されたC2 がすで
に結合している樹脂、たとえばFmoc-L-Cys(Amc)-O-Wang
樹脂を購入する。ループアミノ酸のアミノ末端に組み込
まれたシステイン残基(C1)もまたAcm 誘導体である。
1 とC2 のどちらも付加的なアミノ酸であるR1 とR
5 にそれぞれ結合できる。このR1 、R5 はキャリア分
子と複合体を形成するのに利用され、あるいはノルロイ
シンやオルニチンが用いられた場合はアミノ酸分析用の
マーカーとして働く。
【0083】アセトアミドメチル化システインのSは、
室温約15時間、樹脂と親和性のある溶媒、たとえば1
−50%の有機酸濃度(好適には10%酢酸を含む無水
ジメチルホルムアミド(DMF))中、各Acm 基にたい
し約4倍の過剰モル重金属塩(たとえば酢酸水銀(Hg(O
Ac)2) と反応させる。生じた重金属チオエーテル(たと
えばペプチドの酢酸水銀チオエーテル、PEP(S−Ag
OAc))は、洗浄し、乾燥する。過剰のDMF中硫化水素
を加えると、不溶性の金属硫化物(たとえば水銀硫化物
HgS)と遊離のスルフヒドリル基を有するペプチドが得ら
れる。
【0084】ペプチドと等モルのo−キシレンジブロミ
ドまたはジクロリド、ジブロム化またはジクロル化低級
アルキル、あるいは所望の架橋長さをあたえるジハロゲ
ン化−CH2 −O−CH2 −の混合物を誘導体化した樹脂に
加える。大過剰の四級アミン、好ましくはDMF中のト
リエチルアミン(NEt3) を徐々に加える。ビススルフヒ
ドリルペプチド部分との反応を室温で約16時間進行さ
せて、樹脂に結合した状態の、架橋基で誘導体化された
環状ペプチドを得る。酸に不安定な側鎖の保護基の脱離
と、樹脂からの切り出しは、4%1,2−エタンジオー
ルと1%チオアニソールの存在下で95%トリフルオロ
酢酸で処理することにより行なう。溶解した環状ペプチ
ドはついで濾過して樹脂と分離する。濾液は溶媒を留去
して粗製残渣をHPLCで精製する。HPLCは当分野
に知られた方法、たとえば逆相HPLCによって行な
う。
【0085】ii. 溶液中でのペプチドの環化 基本的には上述の固相環化法と同様であるが2点の主要
な違いがある。ペプチドがpepsynKA樹脂から95%T
FA/4%エタンジチオール/1%チオアニソールで切
り出されると、必要な遊離の−SH官能基を与えるCys(Tr
t)基を含め酸に不安定な側鎖保護基も同時にはずれる。
しかしCys(Acm)保護が用いられる場合、別に線状ペプチ
ドを樹脂についたままあるいは外した状態で酢酸水銀/
硫化水素を開裂して遊離の−SH基にする必要がある。
【0086】しかしながら好ましい1つの方法はCys(Ac
m)保護基とSasrinまたはPepsynKHを用い、完全に保護
されたペプチドを1%TFA/CH2Cl2で樹脂から開裂す
る方法を用いるものである。酢酸水銀/硫化水素でCys
(Acm)を遊離の−SH基に変換し、環化は別に保護したペ
プチドにおいて行なう。この時点でペプチドはその場で
選択的にN−末端がマレイミド化されることができる。
酸に不安定な側鎖保護基を98%TFA/2%チオアニ
ソールで開裂し、環状ペプチドをHPLCで単離する。
未反応のキシレンジブロミドのような過剰の試薬を保護
基の脱離に先立って除去するには、まず1段階濃度勾配
逆相HPLCを行なってからより選択的な濃度勾配溶出
を行なうのが便利である。
【0087】このサブセクションの方法により調製され
た環状HIV PNDペプチドは以下に示すサンプルc
PNDを包含するがこれに限定されるものではない。こ
のサブセクションの方法は一般に小さいペプチドに適用
でき、特に5個から30個までのアミノ酸からなるペプ
チドに適用できる。最適な環のサイズは−GPG−三量
体を含む5から10個のあいだのアミノ酸を含むもので
ある。この環のサイズは適切なアミノ酸の数と組み合わ
せを有する線状ペプチドから環を作成することにより容
易に保つことができる。このサブセクションb.(i)
と(ii)に記載されたプロセスで得られた代表的なペプチ
ドはU.S.S.N.555,227に開示する。複合
体発明はこれらの特定の実施態様であるHIV環状PN
Dペプチドに限定されるものではない。他の線状HIV
PNDペプチド配列もこれらのペプチドを作成したの
と基本的に同一のやり方で環状にすることができる。互
いに異なった一次配列を有するペプチドを作成すること
ができ、それらは抗ペプチド、抗HIVあるいはHIV
中和性免疫反応を引き出すことができるかぎり、本発明
においては有益である。
【0088】c.アミド結合形成を経る環化 複合体形成用の新規のアミド結合した環状ペプチドは、
基本的に2相で調製される。初めに、線状ペプチドを調
製するが、これにはたとえばABI−431Aペプチド
シンセサイザーを用い、既知の固相ペプチド合成化学手
法、たとえばFmoc法と適切に側鎖が保護されたFmoc−ア
ミノ酸を試薬に用いる。
【0089】次ぎに、線状ペプチドを樹脂から切り出
し、溶液中で環化を行なうが、これはアミノ末端のイソ
グルタミンの遊離のアミノ基、あるいはロープアミノ酸
の片端のリジンのε−あるいはα−アミノ基をループア
ミノ酸のカルボキシ末端の遊離のカルボキシル基とを、
DPPA、BOPなどのペプチド結合形成を行なわせる
試薬によりアミド結合させることにより行なう。本サブ
セクションに従って合成されたペプチドは以下の実施例
6−26に示してある。得られた合成ペプチドはFAB
−MS、逆相HPLC、アミノ酸分析あるいは核磁気共
鳴(NMR)によって同定される。
【0090】したがって、ペプチド−ポリサッカライド
−蛋白質複合体の非常に好ましい実施態様は、基本的に
PRPあるいはPnPs6Bであるスペーサーを介して
MIEPとHIV PNDペプチドが共有結合している
ものである。PNDが優勢な単離株、たとえばHIV
IIIBあるいはHIV MN単離株から得られたもで
ある場合、複合体ワクチンまたはこのような複合体ワク
チンの混合物はエイズあるいはARCの予防あるいは治
療に非常に有益である。以下の構造:
【化38】 〔式中、jは複合体中のペプチドの質量(%)で、好ま
しくは複合体中の全蛋白質量の11〜50%である。〕
を有する、好ましい実施態様あるいは医薬的に許容され
るその塩は、ほ乳動物において抗−ペプチド免疫反応、
HIV中和抗体を誘導し、HIV疾患および感染を予防
するワクチンを作成し、エイズおよびARCを含むHI
V疾患とHIV感染に苦しむヒトを治療するのに有用で
ある。
【0091】本発明の好適な実施態様においては、b型
Haemophius influenzae,あるいはヒト免疫不全ウイル
スによる疾患のような感染性の病原に対し、予防面、治
療面において能動あるいは受動的保護をほ乳類に与える
のに、本発明の複合体ワクチンの1つまたはそれ以上を
用いることができる。測定可能な抗体(たとえば約1〜
50μg、抗原で異なる)を誘導できる抗原(たとえば
PRP、HIV PNDペプチド)−MIEP複合体の
有効量を、各複合体が用量あたり投与されるように注射
することにより、能動的保護をおこなうことができる。
ミョウバンのようなアジュバントを用いることも本発明
の範囲である。受動的保護は、あらかじめMIEP複合
体を投与した動物から得られた全抗血清またはその抗血
清のグロブリンまたは他の抗体含有画分を単独で、ある
いは滅菌生理食塩水などの医薬的に許容される担体と一
緒に投与することによりおこなうことができる。このよ
うなグロブリンはクロマトグラフィ、塩析またはアルコ
ール沈殿、あるいは電気泳動などによって全抗血清から
得ることができる。受動免疫は、標準的なモノクローナ
ル抗体手法あるいは適当なほ乳動物ホストを免疫するこ
とによって行なうことができる。
【0092】本発明の好ましい態様においては、複合体
はヒト、特に乳幼児、子供、免疫無防備状態にある人に
対して能動免疫予防接種をおこなうのに用いられる。こ
れら複合体は安定性を増すために、使用に先立ちラクト
ース存在下(たとえば、20μg/mlPRP−4mg/ml
ラクトース)で凍結乾燥することができる。好ましい
投与量レベルは、H. influenzae, type b ポリサッカラ
イドあるいはHIV PNDペプチドの複合体では、約
2−20μgのPRP、あるいは約1−5mgのペプチド
に相当する量の各MIEP複合体またはその誘導体の単
回投与である。必要ならばさらに一回あるいは二回MI
EP複合体またはその誘導体を上述したような投与量で
投与する。本発明は以下の実施例を参照してさらに明ら
かにされるが、これら実施例は説明のためであって限定
するものではない。
【0093】実施例1 髄膜炎菌(Neisseria meningitidis) B11血清型2
OMPCの製造 A.発酵 1.髄膜炎菌グループB11 髄膜炎菌(エム.アルテンステイン(M.Artenstein) 博
士、Walter Reed ArmyInstitute of Research(WRA
IR)、ワシントンD.C.から入手)の凍結乾燥した
培養物を含むチューブを開封し、Eugonbroth(BBL)
を加えた。培養物をミュエラーヒントン(Mueller Hint
on) 寒天斜面培地に画線し、37℃、5%CO2 で36時
間温置し、この時増殖物を10%スキムミルク培地(デ
フコ(Difco))に回収し、そして分割量を−70℃で凍
結した。菌の同定はWRAIRにより供給された特定の
抗血清と凝集することにより、またデフコより供給され
た血清型を検査することにより確認された。第2継代か
らの培養のバイアルを解凍し、10枚のコロンビア シ
ープ ブラッド(Columbia Sheep Blood) 寒天プレート
(CBAB−BBL)に画線した。プレートを37℃5
%CO2 で18時間温置し、その後増殖物を10%スキム
ミルク培地100mlに回収し、分割量を0.5mlの量に
し、−70℃で凍結した。菌は特定の抗血清による凝
集、糖発酵およびグラム染色により明確に同定した。こ
の継代からの培養菌のバイアルを解凍し、ミュエラーヒ
ントン肉汁培地で希釈し、40枚のミュエラーヒントン
寒天プレートに画線した。プレートを37℃6%CO2
18時間温置し、その後増殖物を10%スキムミルク培
地17mlに回収し、0.3mlの量に分割し、−70℃で
凍結した。この菌はグラム染色、特定の抗血清による凝
集、酸化酵素試験により明確に同点した。
【0094】2.発酵および細胞ペーストの回収 a.接種原の調製−接種原を上記(継代4)からの髄膜
炎菌グループB、B11の凍結バイアルから増殖させ
た。10本のミュエラーヒントン寒天斜面に接種し、6
本を約18時間後集菌して、ゴットシュリッヒ(Gotsch
lich) の酵母透析物培地(pH6.35)250mlの入っ
たフラスコ3本への接種原として使用した。O.D.660
0.18に調整し、OD660 が1と1.8の間になるま
でインキュベートした。この培養物1mlを使用して、5
つの2リットル容エーレンマイヤーフラスコ(培地1リ
ットルをそれぞれ含む、下記参照)のそれぞれに接種
し、200rpm の振とう機中37℃で温置した。接種後
ODを、1時間ごとに経時的に監視した。OD660
1.28の液体培養物4リットルが得られた。
【0095】70リットル種菌発酵槽−約4リットルの
種培養菌を使用し、完全産生培地(下記参照)を約40
リットルを含む滅菌した70リットル容ファーメンター
に接種した。70リットルファーメンターの運転条件は
10リットル/分の通気および約pH7の一定pH制御で3
7℃、185rpm 約2時間とした。このバッチに関し
て、最終のO.D.660 は2時間後0.732であった。 800リットル産生発酵槽 種培養物約40リットルを使用し、完全産生培地(下記
参照)568.2リットルを含む滅菌の800リットル
発酵槽に接種した。バッチは60リットル/分の空気通
気およびpH7.0での一定pH制御で37℃100rpm で
温置した。このバッチに関し、最終O.D.は接種後1
3時間で5.58であった。
【0096】 3.エーレンマイヤーフラスコ並びに70および800リットル発酵槽用完全 培地 ─────────────────────────────────── 画分A ─────────────────────────────────── L−グルタミン酸 1.5 g/リットル NaCl 6.0 g/リットル Na2HPO4 無水物 2.5 g/リットル NH4Cl 1.25g/リットル KCl 0.09g/リットル L−システインHCl 0.02g/リットル ───────────────────────────────────
【0097】画分B(ゴットシュリッヒの酵母透析物) ディフコ酵母抽出物1280gを蒸留水6.4リットル
に溶解した。溶液を3つのH10SMカートリッジを有
する2つのアミコン(Amicon) DC−30中空糸膜透析
ユニット中で透析した。384gMgSO4 ・7H2O および
3200gデキストロースを透析物中に溶解し、全容積
を蒸留水で15リットルにした。pHはNaOHで7.4に調
整し、0.22μフィルターを通して滅菌し、画分Aを
含む発酵槽に移した。エーレンマイヤーフラスコについ
ては、1リットルの画分Aと25mlの画分Bを加え、Na
OHを用いてpHを7.0〜7.2に調整した。70リット
ル発酵槽については、41.8リットルの画分Aと90
0mlの画分Bを加え、NaOHを用いてpHを7.0〜7.2
に調整した。800リットル発酵槽については、553
リットルの画分Aと15.0リットルの画分Bを加え、
NaOHを用いてpHを7.1〜7.2に調整した。
【0098】d.集菌および不活性化 発酵の終了後、フェノールを別の容器に加え、次にこれ
に細胞培養液を移し、約0.5%の最終フェノール濃度
を得た。培養物がもはや生存可能でなくなるまで(約2
4時間)、ゆるやかに撹拌しながら室温に保持した。
【0099】e.遠心分離 4℃で約24時間後、不活性化培養液体614.4リッ
トルをシャープレス(Sharples) 連続流遠心分離機によ
り遠心分離する。フェノール処理後の細胞ペーストの重
量は3.875kgであった。
【0100】B.OMPC単離工程1 .濃縮と透析濾過 フェノール不活性化培養物を約30リットルに濃縮し、
0.1μ中空糸フィルター(ENKA)を使用し、滅菌
蒸留水中で透析濾過した。
【0101】工程2.抽出 2X TED緩衝液〔0.1M TRIS 0.01M
EDTA緩衝液、pH8.5、0.5%デオキシコール
酸ナトリウムを用いる〕を濃縮透析濾過細胞に等量加え
た。懸濁液をOMPC抽出用の温度制御タンクに移し、
56℃で30分間撹拌した。抽出物を約18,000rp
m でシャープレス連続流遠心分離機中約80ml/分の流
速、約4℃で遠心分離した。次に粘性の上清を集め4℃
で貯蔵した。抽出後の細胞ペレットは上記のTED緩衝
液中で再抽出した。上清をプールし、4℃で貯蔵した。
【0102】工程3.限外濾過による濃縮 プールした抽出物をAG−Tech 0.1ミクロンポリスル
ホンフィルターの備え付けの温度制御容器に移した。抽
出物の温度を容器中25℃に濃縮過程中保持した。試料
を11と24psi の間の平均経膜圧力で10倍に濃縮し
た。
【0103】工程4.OMPCの回収と洗浄 工程3からの濃縮液を約160,000xg(35,00
0rpm)で約70℃で300から500ml/分の流速で連
続流遠心分離機中遠心分離し、上清を捨てた。OMPC
ペレットをTED緩衝液(190ml緩衝液、20ml/g
ペレット)中に懸濁させ、工程2と工程4を2回繰り返
した(工程3は省略する)。
【0104】工程5.OMPC生産物の回収 工程4からの洗浄ペレットをガラス棒とドウンス(Doun
ce) 破砕器を用いて100ml蒸留水中に懸濁して、完全
な懸濁液にした。水性OMPC懸濁液を0.22μフィ
ルターを通してろ過滅菌し、0.1μ中空糸フィルター
を使用し滅菌蒸留水に対し透析濾過することによりTE
D緩衝液を水で置き変えた。
【0105】実施例2 H.influenzaeタイプbきょう膜ポリサッカライド(PR
P) 接種原と種菌の調製 A段階:ヘモフィラス インフルエンザタイプb(Haem
ophilus influenzae type b)(Ross 768 からの培養、St
ate University of New Yorkから入手)の凍結乾燥チュ
ーブを滅菌しヘモフィラス接種用培地(下記参照)1ml
中に懸濁し、この懸濁液を9本のチョコレート寒天斜面
(BBL)に広げた。接種用培地のpHを7.2±0.1
に調整し(代表値はpH7.23)、培地溶液は使用する
前に121℃25分間のオートクレーブにより滅菌し
た。37℃でろうそく形広口ビン中20時間接種後、各
プレートからの増殖物をヘモフィラス接種原用培地1〜
2mlに再懸濁し、斜面に対応するようプールした。 ─────────────────────────────────── ヘモフィラス接種用培地 ─────────────────────────────────── 大豆ペプトン g/リットル 10 NaCl g/リットル 5 NaH2PO4 g/リットル 3.1 Na2HPO4 g/リットル 13.7 K2HPO4 g/リットル 2.5 蒸留水 容積に応じて ─────────────────────────────────── 斜面の各対からの再懸濁した細胞をヘモフィラス種菌用
/生産培地を約100ml含む3つの250ml容エーレン
マイヤーフラスコに接種した。250mlフラスコを、約
1.3のOD660 に達するまで37℃で約3時間温置し
た。これらの培養物を使用して2リットルフラスコ(下
記参照)に接種した。
【0106】B段階:2リットル無バッフルエーレンマ
イヤーフラスコ “A段階”(上記参照)からの5mlの培養物を使用し
て、5つの2リットルフラスコにそれぞれ接種した。各
フラスコは1リットルの完全ヘモフィラス種菌用/生産
培地(下記参照)を含んでいた。次にフラスコを37℃
で約200rpm の回転振とう機中約3時間温置した。温
置した間の終りでの代表OD660 値は約1.0であっ
た。 ─────────────────────────────────── 完全ヘモフィラス種菌用/生産培地 リットル当り ─────────────────────────────────── NaH2PO4 3.1g/リットル Na2HPO4 13.7g/リットル 大豆ペプトン 10 g/リットル 酵母抽出透析濾過物(1) 10 g/リットル K2HPO4 2.5g/リットル NaCl 5.0g/リットル グルコース(2) 5.0g/リットル ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD)(3) 2mg/リットル ヘミン(4) 5mg/リットル ───────────────────────────────────
【0107】塩および大豆ペプトンを発熱物質を含まな
い熱水少量に溶解し、別の発熱物質を含まない熱水を用
いて最終容量に補正した。次に発酵槽またはフラスコを
約25分間121℃のオートクレーブにより滅菌し、冷
却後酵母抽出透析濾過物(1)、グルコース(2)、N
AD(3)およびヘミン(4)を、接種前にフラスコま
たは発酵槽に無菌的に加えた。
【0108】(1)酵母抽出透析濾過物:100gの醸
造酵母抽出物(Amber)を1リットルの蒸留水に溶解し、
排除限界50kdのH10×50カートリッジを有するア
ミコン(Amicon) DC−30空中糸ユニットを使用して
限外濾過した。濾液を集め、0.22μフィルターを通
して滅菌した。 (2)グルコースは蒸留水中25%滅菌溶液として調製
した。 (3)20mg/ml含有NADの原液を0.22μフィル
ターを通して滅菌し、接種前に無菌的に加えた。 (4)ヘミン3Xの原液は0.1M NaOH の10ml中に
200mgを溶解することにより調製、容量は滅菌した蒸
留水を用い100mlに調節した。溶液を20分間121
℃で滅菌し、接種前に最終培地に無菌的に加えた。
【0109】C段階:70リットル種菌発酵槽 B段階の生産物3リットルを使用し、完全ヘモフィラス
種菌および生産培地(上記の通り調製)約40リットル
とUCON B625消泡剤17mlを含む発酵槽に接種
した。接種時のpHは7.4であった。 D段階:800リットル生産発酵槽 “C段階”の生産物約40リットルを使用し、570リ
ットルのヘモフィラス種菌および生産培地(上記の通り
調製)を含む800リットル発酵槽に接種し、必要量に
調整し、UCON LB625消泡剤72mlを加えた。
発酵を100rpm で撹拌しながら37℃に保持し、O.D.
660 が2時間の間で安定するまで約2時間ごとにO.D.
660 とpHレベルを測定し、この時発酵を終了した(約2
0時間後、一般的最終O.D.660 は約1.2であった)。
【0110】収菌と不活性化 約600リットルのバッチを1%チメロサール12リッ
トルを含む“キルタンク(kill tank)" に収集して不活
性化した。 清澄化 4℃での18時間不活性化後、生産物が澄明に保たれる
ように調節した流速で(1.3から3.0リットル/分
で変化可能)、4インチボウルシャープレス連続流遠心
分離機でバッチを遠心分離した。遠心分離(15,00
0rpm)後得られた上清を生産物の回収に使用した。
【0111】限外濾過による単離と濃縮 2つの生産発酵からの上清をプールし、排除限界50kd
の中空糸カートリッジ20個(4.5m2膜面積、2.0
Lpm 通気および20psi)を有するロミコンXM−50限
外濾過ユニット中で2から8℃で濃縮した。濃縮は約
4.5時間後約1,900リットルが57.4リットル
に濃縮されるようなものであった。濾液は捨てられた。 48%および61%エタノール沈降 限外濾過濃縮液57.4リットルに95%エタノール5
3リットルを4℃で撹拌しながら1時間に渡って滴下添
加し、48容量%エタノールの最終濃度にした。混合液
を4℃でさらに2時間撹拌し、完全な沈降を確実にし、
上清を集め、続いて約0.4リットル/分の流速で1
5,000rpm で単一の4インチシャープレス連続流遠
心分離機にかけた。ペレットは捨てられ、清澄化した液
体に、1時間かけて95%エタノール40.7リットル
を加えて82%エタノールにした。混合物をさらに3時
間撹拌し、完全な沈降を確実にした。
【0112】第2ペレットの回収 得られた48%エタノール溶解性−82%エタノール不
溶性沈降物を、約0.24リットル/分の流速で15,
000rpm で4インチシャープレス連続流遠心分離機中
の遠心分離により集め、82%エタノール上清を捨て
た。粗生産物の収量はウェットペースト約1.4kgであ
った。 塩化カルシウム抽出 82%エタノール不溶性物質1.4kgを冷蒸留水24.
3リットルとダイマックス(Daymax) 分散容器中で混合
した。この混合液に冷2M CaCl2・2H2O 24.3リッ
トルを加え、混合液を4℃15分間温置した。次に容器
を1M CaCl2・2H2O 2リットルで洗い、約50リット
ルの最終容積にした。
【0113】23%エタノール沈降 CaCl2 抽出物50リットルを、4℃で30分間に渡り撹
拌しながら95%エタノール16.7リットルを滴下添
加して25%エタノールにした。さらに17時間撹拌し
た後、混合液を4℃でシャープレス連続流遠心分離機に
かけて集めた。上清を集め、ペレットを捨てた。 38%エタノール沈降と粗生産物ペーストの収集 25%エタノール可溶性上清を、30分間に渡り撹拌し
ながら95%エタノール13.9リットルを滴下添加し
て38%エタノールにした。次に混合液を1時間撹拌し
ながら放置し、さらに14時間撹拌せずに放置し、完全
な沈降を確実にした。得られた混合液を15,000rp
m で4インチシャープレス連続流遠心分離機中(0.2
リットル/分の流速)で遠心分離し、沈降した粗製の
H.インフルエンザ(H.influenzae) のポリサッカライ
ドを集めた。
【0114】摩砕 遠心分離したペレットを無水エタノール2〜3リットル
含む約4.5リットル容(1ガロン)のワーリングブレ
ンダー(Waring Blender) に移した。混合は30秒間行
ない30秒間休みこれを続け、堅い白色粉末が得られる
までした。粉末をテフロンフィルターディスクを有する
ブフナー漏斗上に集め、続いてその場所で1リットルの
無水エタノールで2回、2リットルのアセトンで2回洗
浄した。次にこの物質を4℃2時間減圧乾燥し、生産物
約337g(乾燥重量)を得た。 フェノール抽出 摩砕工程からの乾燥材料の約168g(全量の約半分)
をダイマックス分散容器を使用してpH6.9で0.48
8M酢酸ナトリウム12リットル中に再懸濁した。この
酢酸ナトリウム溶液を次のように作られた新しい水性フ
ェノール溶液4.48リットルで直ちに抽出した:pH
6.9の0.488M酢酸ナトリウム590mlを20リ
ットル加圧容器中フェノール(マリンクロット(Mallin
ckrodt)結晶)の8つの1.5kgボトルのおのおのに加
え混合して懸濁液とした。各フェノール抽出液をK2限
外濾過機(エレクトロニュークレオニクス)中30,0
00rpm 4℃で2.5時間遠心分離した。水性溶出液を
上記の新しい水性フェノール溶液で別に3回抽出した。
フェノール相を捨てた。
【0115】限外濾過 上記の第1フェノール抽出からの水性相(12.2リッ
トル)を冷蒸留水300リットルで希釈し、3つのH1
0P10、10kdカットオフカートリッジを用いたアミ
コンDC−30限外濾過装置で4℃で透析濾過し、繰越
しフェノールを除去した。アミコンユニットを洗い、洗
い液を濃縮液に加え、最終容積は31.5リットルであ
った。限外濾過液は捨てられた。 67%エタノール沈降 2.0M CaCl2 0.81リットルを前工程からの透析
物31.5リットルに加え(最終CaCl2 濃度は0.05
Mであった)、1時間に渡り急速に撹拌しながら95%
エタノール48.5リットルを滴下添加し、溶液を82
%エタノールにした。撹拌4時間、次に4℃で12時間
放置した後、上清を吸い取り、沈降物を4℃45分間で
4インチシャープレス連続流遠心分離機(15,000
rpm)での遠心分離により集めた。得られたポリサッカラ
イドペレットを30秒パルスを使用し無水エタノール2
リットルで1ガロンワーリングブレンダー中で摩砕し、
テフロン/フィルターディスク固定のブフナー漏斗上に
集め、その場所で無水エタノール1リットルで4回、次
にアセトン1リットルで2回洗浄した。試料を4℃20
時間風袋皿上で減圧乾燥した。収量は乾燥粉末約102
gであった。全部のフェノール抽出からの収量をプール
し、乾燥粉末全量212.6gを得た。
【0116】 29%エタノール中超遠心分離と最終生産物の回収 上記からの乾燥粉末212.6gを蒸留水82.9リッ
トルに溶解し、これに2M CaCl2・2H2O 2.13リッ
トルを加え(0.05M CaCl2、2.5mgポリサッカラ
イド/ml)、95%エタノール29.86リットルを3
0分間に渡り滴下添加して混合液を29%エタノールに
した。混合液を4℃でK3チタンボウルとK11ノリル
コアを含むK2超遠心分離機中(30,000rpm 、1
50ml/分流速)で遠心分離することにより直ちに清澄
化した。ペレットを捨て、上清を撹拌しながら30分間
に渡り95%エタノール17.22リットルを加えるこ
とにより38%エタノールにした。さらに30分間撹拌
した後、混合液を撹拌しないで4℃17時間放置し、沈
降物を4インチシャープレス連続流遠心分離機を15,
000rpm で(45分間は必要)使用して集めた。得ら
れたペーストを無水エタノール2リットル含む1ガロン
ワーリングブレンダーに移し、30秒間作動−30秒休
止の4または5サイクルにより最高速度で、堅い白色粉
体が形成されるまで混合した。この粉体をジテック(Zi
tex)テフロンディスク固定ブフナー漏斗上に集め、続い
てその場所で無水エタノールの新しい0.5リットルで
2回と1リットルで1回およびアセトン1リットルで洗
浄した。生産物を漏斗から除去し、4℃減圧乾燥(25
時間)のために風袋皿に移した。生産物の最終収量は乾
燥重量で79.1gであった。
【0117】実施例3 MIEPをコード化するゲノムDNAのクローニング フェノールで不活化した髄膜炎菌(N. meningitidis)の
細胞(実施例1参照)の約0.1gをきれいなチューブ
に移した。フェノールで不活化した細胞を、567μl
のTEバッファー(10mM トリス−HCl 、1mM ED
TA、pH8.0)に再懸濁させた。この懸濁した細胞
に、30μl の10%SDS及び3μl の20mg/mlの
プロライナーゼK(Sigma)を加えた。細胞をかきまぜて
37℃で約1時間インキュベートした後、100μl の
5M NaClを加えてよく混合した。その後0.7M Na
Cl中の1%臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTA
B)80μl を加えてよく混合し、65℃で10分間イ
ンキュベートした。同体積(約0.7〜0.8ml)のク
ロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え
て、よく混合し、約10,000xgでおよそ5分間遠心
分離した。水性相(上層)を新しいチューブに移し、有
機相はすてた。同体積のフェノール/クロロホルム/イ
ソアミルアルコール(25:24:1)を水性相に加え
て、よく混合し、10,000xgで約5分間遠心分離し
た。水性相(上層)を新しいチューブに移して、0.6
倍の体積(約420μl )のイソプロピルアルコールを
加えて、よく混合し、沈殿したDNAを10,000xg
で10分間遠心分離した。上澄みをすてて、ペレットを
70%エタノールで洗浄した。DNAペレットを乾燥し
て100μl のTEバッファーに再懸濁して、髄膜炎菌
(N. meningitidis)ゲノムDNAとした。MIEP遺伝
子の5′末端及び3′末端に対応する2つのDNAオリ
ゴヌクレオチドを合成した(村上、E.C.ら(198
9)Infection and Immunity, 57、pp2318−2
3)。MIEP遺伝子の5′末端に特異的なDNAオリ
ゴヌクレオチドの配列は、5′−ACTAGTTGCAATGAAAAAAT
CCCTG −3′であり、3′末端に特異的な配列は、5′
−GAATTCAGATTAGGAATTTGTT−3′であった。これらのD
NAオリゴヌクレオチドを、10ngの髄膜炎菌(N. men
ingitidis)ゲノムDNAを用いたポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)増殖のプライマーとして用いた。PCR増殖
の手順は、製造元(Perkin Elmer) の提供する方法に従
がって行なった。増殖したMIEP DNAを、次に制
限エンドヌクレアーゼSpeIとEcoRIで消化した。M
IEPの完全なコード化領域を含む1.3キロベース
(kb)のDNAフラグメントを、1.5%アガロースゲ
ル上で電気泳動して単離し、ゲルから電気溶離した
(“Current Protocols in Molecular Biology" (「分
子生物学の最新の方法」)(1987)、Ausubel, R.
M., Brent, R., Kingston, R. E., Moore, D. D., Smit
h, J. A., Seidman, J. G.及びStruhl,K. 編。Greene P
ublishing Assoc.) 。プラスミドベクターpUC−19
をSpeIとEcoRIで消化した。ゲルで精製したSpeI
−EcoRI MIEP DNAをSpeI−EcoRI p
UC−19ベクターに連結させて大腸菌(E. coli)株D
H5を形質転換するのに用いた。1.3kbp のMIEP
DNAを持つpUC19ベクターを含んだ形質転換細
胞を制限エンドヌクレアーゼのマッピングにより、MI
EP DNAの配列を調べて同定した。
【0118】実施例4 pc1/1.Ga110p(B)ADH1tベクターの構
GaI 10プロモーターを、プラスミドYEp52(Br
oachら(1983)、Inouye, M 編 "Experimeutal Man
ipulation of Gene Expression" (「形質発現における
実験操作」)に収録。Academic Press pp 83−11
7)をSau 3A及びHind III で切断して得られる0.
5キロベースペアのフラグメントをゲル精製することに
より、単離した。ADH1ターミネーターを、ベクター
pGAP、tADH2(Kniskernら、(1986)Gen
e, 46、pp. 135−141)をHind III 及びSpeI
で切断して得た0.35kbp のフラグメントをゲル精製
して、単離した。この2つのフラグメントを、T4 D
NAリガーゼを用いて、ゲル精製した前もってBamHI
とSphIで消化したpuc 18ΔHind III ベクター(H
ind III 部位はHind III によるpUC18の消化によ
りとりのぞかれており、大腸菌(E. coli)DNAポリメ
ラーゼIのKlenowフラグメントによって平滑末端になっ
ており、T4DNAリガーゼと連結している)に連結
し、親ベクターpGa110−tADH1を作った。こ
れはGa110p−ADH1t結合部に唯一のHind II
I クローニング部位を有する。pGa110.tADH
1をHind III で消化して、この唯一のpGa110.
tADH1のHind III クローニング部位を切断したD
NAをゲル精製して、さらにT4DNAリガーゼを用い
てHind III −BamHIリンカー: 5′−AGCTCGGATCCG−5′ 3′−GCCTAGGCTCGA−5′ に連結させることによって、唯一のBamHIクローニン
グ部位に変えた。得られたプラスミドpGa110
(B)tADH1はHind III 部位を欠失しており、唯
一のBamHIクローニング部位を生じていた。このGa
110p.tADH1フラグメントをSmaI及びSphI
で消化してpGa110(B)tADH1を単離し、T
4DNAポリメラーゼで平滑末端にして、ゲル精製し
た。イーストシャトルベクターpC1/1(Brake ら、
(1984)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 81、p
p. 4642〜4646)をSphIで消化し、T4DN
Aポリメラーゼで平滑末端にして、精製した。このフラ
グメントをT4DNAリガーゼでベクターに連結した。
その後、連結反応混合物を用いて大腸菌(E. coli)HB
101細胞をアニピシリン耐性に形質転換し、形質転換
細胞は、一本鎖の32Pで標識化したHind III BamHI
リンカーとハイブリダイゼーションすることによりスク
リーニングした。この新しく構成したベクターを、Hin
d III とBamHIで消化して、pC1/1.Ga110
p(B)ADH1tと確認した。
【0119】実施例5MIEPとリーダーDNA配列を有するイーストMIE
P発現ベクターの構成 MIEPの完全なコード化領域を持つDNAフラグメン
トを、SpeIとEcoRIによるpUC19.MIEP#
7の消化により製造し、MIEP DNAをゲル精製し
て、T4DNAポリメラーゼで平滑末端にした。イース
ト内発現ベクターpC1/1.Ga110p(B)AD
H1tをBamHIで消化し、子ウシ腸アルカリ性ホスフ
ァターゼで脱リン酸し、T4DNAポリメラーゼで平滑
末端にする。このDNAをゲル精製して切断されないベ
クターをとりのぞいた。 1.1kbp の平滑末端にしたMIEPフラグメントを、
平滑末端化pc1/1.Ga110p(B)ADH1t
ベクターに連結し、連結反応混合物を用いて、受容能の
ある大腸菌(E. coli)DH5細胞をアンピシリン耐性に
形質転換した。形質転換細胞は、MIEPベクター結合
に重なり合う配列と相同に設計してある32Pで標識化し
たDNAオリゴヌクレオチド:5′…AAGCTCGGATCCTAGT
TGCAATG…3′とハイブリダイゼーションしてスクリー
ニングした。ハイブリダイゼーション陽性の形質転換細
胞からDNAを製造し、KpnIとSaIIで消化して、
MIEPフラグメントがGa110プロモーターからの
発現のために正しい位置にあることをたしかめた。さら
にGA110プロモーターからMIEPコード化領域へ
ジデオキシ配列決定してDNAの構成を確認した。形質
転換細胞によるMIEPの発現は、ウェスタンブロット
分析で検知した。形質転換細胞の生産した組み換えMI
EPを、OMPC小胞体から精製したMIEPとともに
ポリアクリアミドゲルに移すと、MIEPに特異的な抗
体と免疫学的に反応性があった。
【0120】実施例6 5′−修飾MIEP DNA配列を有するイーストMI
EP発現ベクターの構成 Hind III 部位、保存されたイースト5′の翻訳されな
いリーダー(NTL)配列、メチオニン出発コドン(A
TG)、完全なMIEP(+20の位置のAspからはじ
まる)の最初の89個のコドン及び(+89の位置の)
KpnI部位を有するDNAオリゴヌクレオチドを、ポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)の技術を用いて生産した。
PCRは、製造元(Perkin Elmer Cetus) が提案するよ
うに、プラスミドpUC19MIEP42#7を鋳型と
して、また以下のDNAオリゴマーをプライマーに用い
て行なった。すなわち: 5′CTAAGCTTAACAAAATGGACGTTACCTTGTACGGTACAATT 3′ 及び5′ACGGTACCGAAGCCGCCTTTCAAG3′。 5′領域のMIEPクローンをとりのぞくために、プラ
スミドpUC19MIEP42#7を、Kpn1とHind
III で消化し、3.4Kbp のベクターフラグメントをア
ガロースゲル精製した。280bp PCRフラグメント
をKpn1とHind III で消化してアガロースゲル精製
し、3.4Kbp のベクターフラグメントと連結した。大
腸菌(E. coli)HB101(BRL)の形質転換細胞
を、DNAオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション
によってスクリーニングし、陽性の形質転換細胞からの
DNAを、制限酵素加水分解によって分析した。PCR
の段階で突然変異がおこっていないことを確かめるため
に、280bpのPCRで生産した陽性形質転換細胞のD
NAを配列決定した。得られたプラスミドは、イースト
NTL、ATGコドン及びAspコドン(アミノ酸+2
0)からはじまる完全なオープンリーディングフレーム
(ORF)から成るHind III −EcoRI挿入断片を有
した。イーストMIEP発現ベクターを以下のように構
成した。pGAL10/pc1/1及びpGAP/pC1
/1ベクター(Vlasuk. G. P. ら(1989)J. B.C.
264、pp12,106−12,112)をBamHIで
消化し、DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントで
平滑末端にして、子ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで
脱リン酸した。これらの直鎖状ベクターを、Klenow処理
してゲル精製した前記のHind III −EcoRI挿入断片
と連結させた。これはイーストNTL、ATG及びMI
EPのORFを有し、pGA110/pc1/MIEPと
pGAP/pC1/MIEPを形成する。サッカロミセ
ス(Saccharomyces. cerevisiae)V9株(ga110pga
14−)をプラスミドpGa110/p/pC1/MI
EPで形質転換した。組み換えクローンを単離して、M
IEPの発現を試験した。クローンを、2%(w/v)
グルコースを含む合成培地で、37℃で振とうしながら
OD660が約6.0となるまで増殖させた。その後ガ
ラクトースを2%(w/v)となるまで加えて、Ga1
10プロモーターからのMIEPの発現を誘導した。ガ
ラクトースによる誘導後、細胞をさらに増殖させて、O
D600は約9.0となった。その後、細胞を遠心分離
して収穫した。細胞ペレットを蒸留水で洗浄して凍結し
た。
【0121】組み換えMIEPに対するウェスターンブ
ロット イーストがMIEPを発現しているかどうか決定するた
めにウェスタン(Western)ブロット分析を行なった。1
2%、1mm厚、10ないし15個の試料溝を有するNove
x Laemmli ゲルを用いた。イースト細胞を、ガラスビー
ズを用いて水中で破砕した(ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)を細胞をこわす時に2%用いてもよい)。細
胞破片を、1分間10,000xgで遠心分離してとりの
ぞいた。上澄みを、MIEPのポリアクリルアミドゲル
精製で述べたように、サンプル泳動バッファーと混合し
た。サンプルは、OMPCを対照のためのコントロール
として用いて、35mAで、色素マーカーがゲルを出るま
で泳動した。タンパク質を、ポアサイズ0.45μのニ
トロセルロース紙に、Novex トランスファー装置を用い
て移した。移した後に、ニトロセルロース紙を、リン酸
で緩衝生理食塩水中の5%ウシ血清アルブミンで1時間
ブロックした後、15mlのウサギ抗MIEP抗血清(標
準的方法を用いて、ゲル精製したMIEPで免疫処理し
て作ったもの)の1000倍希釈液を加えた。室温でひ
と晩インキュベートした後、15mlのアルカリ性ホスフ
ァターゼと複合した抗ウサギIgGの1000倍希釈液
を加えた。2時間インキュベートした後、FAST R
ED TR SALT(Sigma)とナフトール−AS−M
X−リン酸塩(Sigma)を用いて、ブロットを発色させ
た。
【0122】実施例7 組み換えMIEPの細菌による発現 1.3Kbp のMIEP遺伝子挿入断片を持つプラスミド
pU19−MIEPを、制限エンドヌクレアーゼSpeI
とEcoRIで消化した。1.1Kbp のフラグメントを単
離し、この分野で既知の標準的方法を用いてアガロース
ゲル上で精製した。2つのシストロンTACプロモータ
ーと唯一のEcoRI部位を有するプラスミドpTACS
DをEcoRIで消化した。製造元の指示に従がって、T
4 DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim)を用い
て、1.3Kbp のMIEP DNAとpTACSDベク
ターをともに平滑末端にした。製造元の指示に従がっ
て、T4DNAリガーゼ(Boehringer Mannheim)を用い
て、平滑末端化した1.3Kbp MIP DNAを、平滑
末端化したベクターに連結した。製造元の指示に従がっ
て、大腸菌(E. coli)DH5aIQMAX株(BRL)
を形質転換するのに、連結したDNAを用いた。形質転
換した細胞を、25μg カナマイシン/mlと50Uペニ
シリン/mlを含む寒天プレートに移して、約15時間3
7℃でインキュベートした。MIEPと相同な配列を持
つDNAオリゴヌクレオチドを32Pで標識化して、標準
的なDNAハイブリダイゼーション技術を用いて形質転
換細胞のプレートから溶解して変性させてコロニーを含
むニトロセルロースフィルターをスクリーニングするの
に用いた。ハイブリダイゼーションにより陽性のコロニ
ーを、制限エンドヌクレアーゼを用いてマッピングし、
MIEP遺伝子の位置を決定した。形質転換細胞による
MIEPの発現を、Western ブロット分析で検知した。
形質転換細胞の生産した組み換えMIEPを、MIEP
とともにポリアクリルアミドゲルに移すと、MIEPに
特異的な抗体と免疫学的に反応性があった。
【0123】実施例8 ポリアクリルアミドゲル電気泳動による、OMPCベシ
クル又は組み換え細胞から精製したMIEPの製造 アクリルアミド/BIS(37.5:1)ゲル、18×
14cm、3mm厚を用いた。濃縮用ゲルは4%ポリアクリ
ルアミドで、分離用ゲルは12%ポリアクリルアミドで
あった。ゲルあたり約5μg のベシクルタンパク質又は
組み換えホスト細胞タンパク質を用いた。1mlのOMP
Cベシクルに、0.5mlのサンプルバッファー(4%グ
リセロール、300mM DTT、100mMトリス、0.
001%ブロモフェノールブルー、pH7.0)を加え
た。混合物は、ゲルにのせる前に、105℃で20分間
熱して、室温まで放冷した。ゲルを200〜400mAで
冷却しながら、ブロモフェノールブルーがグルの底に達
するまで流した。たてに細長く(約1〜2cm幅に)ゲル
を切りとって、Coomassie /酢酸銅で染めた。このひも
状のゲルを、MIEPバンド(約38Kd) が見えるよう
になるまで脱色した。その後このひも状のゲルをもとの
場所にもどして、MIEPの部分をメスで残りのゲルか
ら切り離した。切り離したゲルを(約5mmの)立方体に
切り、0.01MトリスバッファーpH0.1で溶出し
た。溶出を2回くりかえした後に、溶離液の純度をSD
S−PAGEで評価した。溶離液を通常の溶離液用容器
にあつめて、ホウ酸バッファー(0.1M、pH11.
5)で透析した。透析後、溶出したタンパク質をYM1
0膜を有するアミコン攪拌セルを使用して濃縮した(1
0,000分子量カットオフ)。さらにこの物質をPD
10分粒カラム(Pharmacia, Piscataway. NJ )を通し
て精製して、ホウ酸バッファー中室温に保存した。
【0124】実施例9 PRP−OMPC共有結合複合体におけるMIEPの担
体活性 免疫処理:オスのC3H/HeNマウス(Charles Rive
r, Wilmington, MA )を、0.5mlの0.01Mリン酸
緩衝生理食塩水に懸濁したOMPCに共有結合したPR
P(PRP−OMPC;2.5μg のPRPと17μg
のOMPCから成る)又はDTに結合したPRP(PR
P−DT;2.5〜7.5μg のPRPと1.8〜5.
4μg のDTから成る)(Connaught Laboratories, Wi
llowdale, ONT )を用いて、腹膜注射(IP)により免
疫処理した。オスのC3H−HeNマウスの第2のグル
ープは、17μg のMIEP、17μg のOMPC、又
は17μg のOMPC−IAA(N−アセチルホモシス
ティンチオラクトンを用いて誘導してヨードアセトアミ
ドでキャッピングしたOMPC)のいずれかを与えた。
養子免疫移入実験の細胞提供マウスは、21日間の間を
あけて2度IPで免疫処理し、2度目の処理の10日後
に脾臓細胞を収集した。養子免疫移入受容マウスは、
137Cs源から500Rの全身γ照射をしたオスのC3
H/HeNマウスであり、PRP−DT及び、OMP
C、MIEP、OMPC−IAAのいずれかでそれぞれ
感作した2個体のシンジェネイックな提供者の脾臓細胞
8×107個をただちに静脈注射して再構成した。対照
マウスには、PRP−OMPCで感作した1個体の提供
者マウスからの8×107 個の脾臓細胞、及び感作しな
い提供者マウスからの同数の脾臓細胞を与えた。
【0125】抗PRP抗体に関するELISA:反応性
アミンを、Marburg らが米国特許第4,882,317
号に記述するように、カルボニルジイミダゾール処理及
びブタンジアミンとの反応によって、精製したH.イン
フルエンザ(H. influenzae)PRPに導入した。この誘
導したPRPを Sephadex G−25上で0.1M炭酸水
素ナトリウムバッファーpH8.4を用いてクロマトグラ
フィーにかけた。ジメチルスルホキシド中のN−ヒドロ
キシスクシンイミドビオチン(Pierce Chemical, Rockf
ord IL)を溶出液に加えて、最終濃度を0.3mg/mlと
し、暗所で4時間、常温(約25〜28℃)で反応させ
た。反応しなかったN−ヒドロキシスクシンイミドビオ
チンは、 Sephadex G−25にかけて、PBSを用いて
ゲル濾過してとりのぞいた。Costar(Cambridge, MA)塩
酸ポリビニルELISAプレートを、0.1M炭酸水素
ナトリウムバッファーpH9.5中の10μg /mlのアビ
ジン(Pierce Chemical)(50μg /ウェル)を用いひ
と晩常温で湿度100%にしてコーティングした。プレ
ートを3回、0.05% Tween−20(TBS−T)を
含むpH8.5で0.05Mのトリスで緩衝した生理食塩
水で洗浄し、0.1%のゼラチンを加えたTBS−T
(ブロッキングバッファー)を用いて、常温、湿度10
0%で1時間ブロッキングした。プレートを洗浄せず
に、15〜40μg /mlのPRP−ビオチンPBS溶液
をウェルごとに50μg 加えて、プレートを1時間イン
キュベートした。サンプルを加える前に、プレートを3
回、TBS−Tで洗浄した。サンプルは、ブロッキング
バッファーを加えて2倍ずつに希釈して、常温、湿度1
00%で2時間インキュベートした。その後、プレート
をTBS−Tで3回洗浄して、アルカリホスファターゼ
と複合化した適当なイムノグロブリンをブロッキングバ
ッファーで希釈して加えた。用いた抗体は、ヤギ抗マウ
スIgM(Jackson Immunoreseach, West Grove, PA)、
IgG(Fc) (JacksonImmunoreserch) 、IgG1(gam
ma)(BRL, Gaithersburg, MD)、IgG2a(gamma)
(BRL)、IgG2b(gamma)(Southern Biotechno
logy Associates,Birmingham, AL)、IgG3(gamma)
(Southern Biotechnology Associates)及びヤギ抗ウサ
ギIgG(Jackson Immunoreserch)であった。プレート
を常温、湿度100%で2時間インキュベートして、ブ
ロッキングバッファーで洗浄し、p−ニトロフェニルリ
ン酸塩(1Mジエタノールアミン中に1mg/ml、Kirkeg
aardand Perry, Gaithersburg, MD) を用いて、基質の
発色を行わせた。サンプルの吸収度が、8個の試薬ブラ
ンクの平均値にその標準偏差の3倍をたしたものを超え
ており、希釈段階間の吸収度の差が0.01以上の場合
に、希釈液を陽性とみなした。終点タイターを、前記の
ようにELISAで陽性に反応する最高の希釈液の逆数
と定義した。逆数をとったタイターの対数を、分散二元
配置による分析によって(Lindeman, R. H. ら(198
0)“Introduction to Bivariate andMuHivarite Anal
ysis"(「二変量及び多変量解析入門」)Scott Foresma
n刊、New York) 、処置したグループ間で比較した。
【0126】抗PRP抗体定量のためのRIA:抗PR
P抗体の量をテストするのに用いた血清の実験用サンプ
ルを、ウシ胎児血清を希釈液に用いて、1:2、1:5
及び1:20に希釈した。25μl の各希釈血清サンプ
ルを0.5ml RIAバイアル(Sarstedt) に移したも
のを2個ずつ作った。 125Iで標識化したPRP溶液
を、希釈液としてリン酸で緩衝した生理食塩水を用い
て、50μl あたり1分間に300ないし800カウン
ト(cpm)となるように希釈して作った。50μl の希釈
した 125I−PRPを各RIAバイアルに移してよく混
合し、4℃で約15時間インキュベートした。75μl
の4℃の飽和硫酸アンモニウム溶液を各RIAバイアル
に加えて、よく混合し、4℃で1時間インキュベートし
た。その後、RIAバイアルを10分間10,000xg
で遠心分離して、上澄みをすてて、ペレットのcpm をガ
ンマカウンター(LKB)で測定した。既知量の抗PR
P抗体を含む抗血清の連続二倍希釈液についての標準曲
線を、前記のように作って、実験した血清サンプルとい
っしょにアッセイした。標準曲線の抗PRP抗体量は、
抗体の最大量が14μg /ml、最小量0.056μg /
mlの範囲であった。すべてのサンプルは2個づつ作って
アッセイした。2個づつ作ったサンプルの平均cpm を標
準曲線と比較して、実験した血清サンプル中に存在する
抗PRP抗体の量を計算した。
【0127】養子免疫移入受容者の抗体反応:PRP−
DT及び、MIEP、OMPC、IAA−OMPCのい
ずれかでそれぞれ感作した脾臓細胞の受容者は、PRP
−OMPCによる免疫処理に対し、4日以内に同量の血
清IgG1及びIgG2a抗PRP抗体を生産する反応
を示した(第1図参照)。MIEP、OMPC、IAA
−OMPCのいずれかでキャリアー感作した脾臓細胞で
再構成した照射マウスは、PRP−DT感作はしたがO
MPC感作はしなかった脾臓細胞を与えた対照マウスに
くらべて、PRP−OMPC免疫処理後に、いちじるし
く高いIgG1(p<0.001)及びIgG2a(p
<0.04)抗PRP抗体タイターを示した。PRP−
DT及び、MIEP、OMPC、IAA−OMPCのい
ずれかでそれぞれ感作した脾臓細胞を与えたマウスにお
けるPRP−OMPC免疫処理に対する血清抗体反応
は、PRP−OMPCで感作した脾臓細胞を与えたマウ
ス反応と同程度であった(6〜13日でIgG1抗体の
p>0.12、9〜13日でIGG2a抗体のp>0.
5)。PRP−DT及び、MIEP、OMPCのいずれ
かで感作した脾臓細胞で再構成した照射マウスが、タン
パク質キャリアーなしにPRPで免疫処理された場合、
全く抗体反応は見られなかった。統計的分析を、分散二
元配位分析(ANOVA)によって行なった(Lindeman
R. H.ら "Introdution to Bivariate and MuHivarite
Analysis" (「二変量及び多変量解析入門」)(198
0)、Scott Foresman, New York) 。この結果、MIE
PはOMPCと同様にマウスにおいて機能して、抗PR
PIgG抗体を生産するキリャアーTヘルパー細胞の反
応を誘導することが証明された。
【0128】実施例10 MIPの分裂促進作用 髄膜炎菌(N. meniugitidis)OMPCから精製したMI
EPの分裂促進作用を、リンパ球増殖アッセイでテスト
した。マウス脾臓リンパ球を、C3H/HeN、C3H
/FeJ、C3H/HeJ又はBa1b/cマウスから
得た。マウスは未処理あるいは前もってPRP−OMP
Cを接種しておいた。脾臓細胞を無菌の新しいメッシュ
スクリーンを通して基質破片をとりのぞき、K培地(R
PMI1640(GIBCO)+10%ウシ胎児血清
(Armoor)、2mMグルタミン(GIBCO)、10mM H
epes(GIBCO)、100μ/mlペニシリン、100
μg/mlストレプトマイシン(GIBCO)及び50μ
Mβ−スルカプトエタノール(Biorad))に懸濁した。
細胞の凝塊をピペットでくずした後、懸濁液を300xg
で5分間遠心分離して、ペレットを赤血球溶解バッファ
ー(90% 0.16M NH4Cl(Fisher) 、10%
0.7トリス−HCl(Sigma)、pH7.2)に、室温で、バ
ッファー1mlに対し細胞0.1mlで2分間再懸濁した。
5mlのウシ胎児血清を細胞の下層にして、4,000xg
で10分間遠心分離した後に、K培地で2回洗浄して、
K培地1mlにつき5×106 個にして細胞を再び懸濁さ
せた。この細胞を96穴のプレートに、各100μl ず
つ、タンパク質又はペプチドサンプル100μl ととも
に入れたものを3組作った。髄膜炎菌(N. meniugitidi
s)のMIEPを、前記実施例7で述べたように精製し
た。対照タンパク質は、ウシ血清アルブミン、PRP−
OMPCとOMPC自体、そしてリポ多糖(ユンドトキ
シン)を含んだ。全サンプルをK培地で希釈して濃度を
1、6.5、13、26、52、105及び130μg
/mlとした後、前記のようにもとの濃度の半分の最終濃
度になるようにプレートに移した。K培地のみに懸濁し
たそれぞれのタイプの細胞を入れた3組のウェルをさら
に、インキュベートして細胞増殖のベースラインを決定
した。培養3日目、5日目又は7日目に、ウェルを、1
mCi /25μl の 3H−チミジン(Amersham) 25μl
でパルスラベルした。16〜18時間後、ウェルをSkat
ron ハーベスターに集め、液体シンチレーションカウン
ターでcpm を測定した。cpm の実効変化量を、K培地の
みの細胞のウェルごとのcpm の平均数を実験したcpm の
平均数からひいて計算した。刺激率は、実験した平均cp
m 数を対照のウェルの平均cpm 数でわって決定した。第
2図に示すように、MIEPは、OMPC及びPRP−
OMPCワクチンと同様に、前もって接種したマウスか
らのリンパ球を増殖させた。ウサギ発熱原性アッセイに
よる測定ではMIEPにはリポ多糖(LPS)は検知さ
れず、また銀染色したポリアクリルアミドゲル上に検知
できる量以下しか存在しないLPSによってひきおこす
ことのできる増殖効果より大きいということから、この
増殖作用は、LPSによるものとは思われなかった。
【0129】実施例11 インフルエンザ(H. influenzae)b型PRP多糖と髄膜
炎菌(N. meniugitidis)MIEPの複合体化 米国特許第4,882,317号に記述の方法で、化学
的複合体化を行なった。pH11.5の0.1Mホウ酸塩
バッファー3ml中の10mgのMIEPを、10mgのエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA、Sigma
Chemicals)及び4mgのジチオトレイトール(Sigma Chem
icals)と混合した。このタンパク質溶液にN2 を十分に
通した。125mgのN−アセチルホモシスラインチオラ
クトン(Aldrich Chemicals)をMIEP溶液に加えて、
混合物を16時間室温でインキュベートした。その後、
これを2回、N2 雰囲気下に、4mM EDTAを含むpH
9.5の0.1Mホウ酸塩バッファー2リットルで、2
4時間室温で透析した。その後、チオール化したタンパ
ク質のチオール含有量を、Ellman試薬(Sigma Chemical
s)を用いてアッセイし、タンパク質濃度をBradford試薬
(Pierce Chemicals) で決定した。MIEPをPRPに
複合するために、1.5倍の過剰量(wt/wt)のブロモ
アセチル化したインフルエンザ(H. influenzae)b型P
RPを、MIEP溶液に加えて、1N NaOHでpHを9〜
9.5に調整した。混合物をN2 雰囲気下に6ないし8
時間室温でインキュベートした。反応時間が修了した
時、25μl のN−アセチルシステアミン(Chemical D
ynamics)を混合物に加えて、N2雰囲気下で室温で18
時間放置した。複合体溶液を1N HCl でpH3ないし4
の酸性にして、10,000xgで10分間遠心分離し
た。1mlの上澄みをそのまま、FPLC Superose6B
(1.6×50cm、Pharmacia)のカラムにかけて、複合
体をPBSで溶出した。多糖タンパク質複合体(PRP
−MIEP)を含む空隙容量で溶出したピークを保存し
た。複合体溶液を、その後、0.22μフィルターで濾
過して滅菌した。
【0130】実施例12 PRP−MIEP複合体の免疫原性の証明 免疫処理:オスのBa1b/cマウス(Chaeles River, Wil
mington, MA)を、0.5mlの前もって作っておいたミョ
ウバン中の2.5μgのPRPを用いて、実施例11で
述べたMIEPに共有複合したPRPをIPで免疫処理
した。対照マウスを、同量のPRP−CRM(Anderso
n, M. E. ら、(1985)、J. Pediatrics,107pp
346−351)(2.5μg PRP/6.25μg C
RM;ヒトの服用量の1/4)としてのPRP、PRP
−DT(同量のPRPが使われるようにヒトの服用量の
1/10、2.5μg PRP/1.8μg DT)及びP
RP−OMPC(2.5μg PRP/35μg OMP
C;ヒトの服用量の1/4)を用いて免疫処理した。生
後6〜13.5週の幼児アカゲザルを、ミョウバンに吸
着させたPRP−MIEP複合体で免疫処理した。各サ
ルに、2ケ所の別の部位から0.25mlの複合体を注射
した。全投与量を0.5mlとした。サルは0日目、28
日目そして56日目に免疫処理し、2ないし4週または
血液のサンプルをとった。実施例9に述べたELISA
によって抗体応答を測定すると、クラスとサブクラスの
免疫グロブリン反応を区別した。さらに抗PRP抗体の
全量を定量するRIA(実施例9参照)を用いて、サル
の反応を評価した。PRP−MIEP受容者の抗体反応
を第3図に示す。この結果は、PRP−MIEP複合体
は、幼児アサゲザル及びマウスに、IgG抗PRP抗体
及び記憶応答から成る免疫反応を生じさせ得ることを示
す。これは、測定可能な量の抗PRP抗体を誘導しない
PRP−CRMやPRP−DTと対照的である。したが
って、MIEPは、PRPの免疫学的なキャリアータン
パク質として機能し、PRP抗原と共有複合すると抗P
RP抗体反応をひきおこすことができる。したがって精
製MIEPは、細菌多糖複合ワクチンを構成する際の不
均一なOMPCにとってかわる、効果的な免疫学的キャ
リアータンパク質である。
【0131】実施例13MIEP−cPND15複合体の製造: 50mlフラスコ
中のMIEP溶液の10.5ml(1.85mg/ml、1
9.4mg総計)に0.1M、pH11のホウ酸塩緩衝液
2.6mlを加えた。37mgのEDTA及び11mgのジチ
オトレイトールの添加後溶液のpHを5N NaOHで10.
8に調整した。次いで346mgのN−アセチルホモシス
ティンチオラクトンを加えてpHを5N NaOHで再び11
に調整した。この溶液を脱気し、空気を窒素に置換して
溶液を窒素雰囲気下で23時間熟成した。次いでサンプ
ルを10mlのEDTAを含むpH9.5のホウ酸塩4リッ
トルで7時間透析し、新鮮な4リットルで22時間そし
て最終的に1.9mgのDTTを含むpH9.5の0.01
Mホウ酸塩緩衝液で16時間透析した。この処理はチオ
ールの総量4.84μmoleを含む(Ellmanアッセイによ
る)溶液を与えた。これは249ナノモルSH/mgタン
パク質に相当する。実施例13からのマレインイミド化
cPND15のサンプル10mgを1mlのH2O に溶解さ
せ、50μl のこの溶液を逆エルマン法によるマレイン
イミドアッセイに対して使用し5.4μmole(総量)の
マレインイミドを示した。この溶液の0.9ml(4.8
8μmole)部分をチオール化したMIEP溶液(pH9.
5)に加え、これはすぐに濁り、3時間40分後にはチ
オールタイターは残っていなかった(エルマンアッセイ
による)。この溶液(14ml)をpH9.5、0.01M
ホウ酸塩緩衝液の4リットルで27.5時間そして38
時間で2回透析した。アミノ酸組成に対する100μl
のアッセイは以下の結果を示した: ナノモル/0.1mlサンプル ノルロイシン 15.9 β−アラニン 13.7 リジン 48.4 100μl のブラッドホード(Bradford) タンパク質ア
ッセイは0.95mg/mlを示した。分子量1111を用
いると、これは176.7μg /mlのペプチドとして解
釈される。従って、タンパク質へのペプチドのローディ
ングは18.6%であった。
【0132】実施例14MIEP−cPND31複合体の製造: 6.5mlのMI
EP溶液(1.7mg/ml)にpH11、0.1Mホウ酸塩
緩衝液の1.5mlを加え、5N NaOHの5μl でpH11
に調整した。この溶液に21mgのEDTA及び6.5mg
のDTTを加え、溶液を15分間タンブリングにより有
効にした。次いで200mgのN−アセチルホモシスティ
ン チオラクトンを加え、溶液を脱気し、空気をN2
置換した。N2 ボックス中で1.5時間熟成した後、5
N NaOHでpH10.66に調整し、脱気法を繰り返し、
20.5時間熟成を続けた。溶液を0.01M EDT
Aを含む0.1M、pH9.5ホウ酸塩4リットルで6.
5時間、続いて0.1M、pH9.6ホウ酸塩、1mgのジ
チオールトレイトールを含む10mM EDTAの4リッ
トルで17時間透析した。エルマンアッセイは2.27
μmole(総量)のチオールを示し、これは205ナノモ
ルSH/mgタンパク質に相当する。このチオール化タン
パク質溶液に実施例14からのマレインイミド化したc
PND31(3.77μmole/mg、逆エルマンアッセイ
により、2.07μmole総量)の0.55mlを加えた。
すぐに濁りが見られた。さらに0.5mgのマレインイミ
ド化したcPND31を添加し、混合物を1時間熟成し
た。未複合ペプチドを取り除くために、混合物を12,
000〜14,000の分子量排除限界を有する透析管
中で、pH9.48、0.1Mホウ酸塩の4リットルで
5.25時間そしてpH9.68、0.01Mホウ酸塩の
4リットルで66時間透析した。残りの溶液の全8mlか
ら200μl をアミノ酸分析に対して取り出した: ノルロイシン 22.8 ナノモル/200μl リジン 85.9 ナノモル/200μl 次いでこの溶液を尿素として5MであるpH7.07、
0.1Mリン酸緩衝液の200mlで透析し、最終容量
6.5mlを与えた。ブラッドホードタンパク質アッセイ
は1.25mgタンパク質/ml(8.2mg全量)を示し
た。これは分子量1204での0.912μmoleペプチ
ド(8ml×22.8ナノモル/0.2ml)であり、1.
1mgペプチド(総計)に等しい。従って、この場合、ペ
プチドのタンパク質ローディングは13%達成された。
【0133】実施例15 ジスルフィドー結合cPND4の固相合成 直線形PNDペプチドを、Fmoc-L-Cys(Acm)-O-ワング樹
脂(60.61ミリ当量/g)から出発して、ABI−
431Aペプチド合成機を用いてワング樹脂上に製造し
た。Fmoc 化学及びFmoc −アミノ酸対称無水物(4x
過剰、自然位で製造)を、0.25ミリモルスケールに
おいて試薬として使用し、ペプチド745mgを生じた。
【化39】 5%メタノール/無水DMF(1ml)中ヨウ素の溶液
を、乾燥し、誘導体化された上記ワング樹脂へ加え、室
温で4時間攪拌した。樹脂をロ過し、無水DMF(5×
2ml)で洗浄し、最後にDMF(2ml)に再懸濁させ
た。水中0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液2滴を加え、
数分間攪拌した。樹脂を、水性95%DMF(3×2m
l)、無水DMF(2ml)、塩化メチレン(3×2m
l)、エーテル(3×2ml)で洗浄し、乾燥させた。Fm
oc 及び他の保護機を、20分にわたって、DMF中2
0%ピペリジンで処理することにより除去し、樹脂を洗
浄し、乾燥させた。樹脂を、室温で6時間95%TFA
/4%エタンジチオール/1%チオアニソール(1ml)
で処理することにより、ジスルフィド結合環状ペプチド
から開裂させた。溶液をロ過し、樹脂を追加の100%
TFA(3×1ml)で洗浄し、合体したロ液を乾燥させ
た。エーテルに不溶の材料を抽出(3×2ml)により除
去し、溶液を再び乾燥させた。連続する2つの2.12
×25cmヴィダックC18逆相カラムを用いる調製用H
PLC及び90′にわたる20〜24% CH3CNの勾配溶
出により、これら条件下で、36.66′で溶出するシ
ャープなピークを単離した。分析用HPLCにより、調
製用HPLCから得られた生成物と既知のジスルフィド
結合環状標準物の共通クロマトグラフィーにより、単一
のピークが得られた。FAB−MSにより1171の
〔M+H〕+ を得、これはジスルフィド結合環状構造c
PND4(SEQ ID:23:)と一致した。
【化40】
【0134】実施例16 1.ペプチド結合cPND15の溶液合成 直線形ペプチド Cbz-Nle-Lys(Boc)-Gln-Arg(Mtr)-Gly-P
ro-Gly-Arg(Mtr)-Ala-Phe を、市販の入手可能なFmoc
−フェニルアラニル−P−アルコキシベンジルアルコー
ル樹脂373mg(0.1ミリモル)を用いて、ABI4
31Aペプチド合成機における固相法により合成した。
ベンジルオキシカルボニル(Cbz) 保護形として取得し
たノルロイシンを除き、使用されたL−アミノ酸は、適
切な酸反応活性側鎖保護基を有するフルオレニルメトキ
シカルボニル(Fmoc)誘導体であった。ポリペプチド誘
導体化樹脂生成物を、焼結ガラス漏斗へ移し、ジクロロ
メタンで洗浄し、乾燥させて、ポリペプチド樹脂生成物
0.6gを得た。ペプチドを、TFA:1,2エタンジ
オール:アニソールの95:2:3の混合物6mlで16
時間処理することにより樹脂から開裂させた。反応混合
物を焼結ガラス漏斗によりロ過し、樹脂を10mlTFA
で洗浄し、ロ液を合体させた。直線形ペプチドを、ジエ
チルエーテル400mlを50mlづつで、粉砕し、焼結ガ
ラス漏斗でロ過することにより回収した。1%TFA1
00mlでの分解、次いで凍結乾燥により、直線形ペプチ
ド298mgを得た。ペプチド粉をDMF800mlに溶解
し、0.42mlジイソプロピルエチルアミンで中性化
し、0.077mlジフェニルホスホリルアシドで処理し
た。溶液を4℃で70時間暗室で攪拌し、環状ラクタム
を形成した。氷酢酸3mlを加えて反応を停止させた後、
反応混合物を約1〜2mlの油状まで濃縮し10%水性酢
酸に溶解し、凍結乾燥させた。環状ペプチドを、移動相
として5%酢酸を用いるG−15ゲルろ過クロマトグラ
フィーにより精製した。ペプチドを含む、UV検出によ
りモニターされた分画でプールし、凍結乾燥して、乾燥
環状ペプチド135mgを得た。得られた全ての結果は、
cPND15の構造と一致した。
【化41】 それはまた次のように表わしてもよい。
【化42】
【0135】2.水素形態を産出するためのcPND15の脱保護 30%水性酢酸20mlに環状ペプチドを溶解し、炭素上
10%パラジウム100mg上での水素化(16時間、4
0psi で)により、cPND15の脱保護を行なった。
反応混合物をシーライト上でロ過し、触媒を除去し、ロ
液を凍結乾燥した。ヴィダックC18セミ−プレプ(se
mi-prep)カラムを用いる逆相HPCLにより、純粋な脱
保護環状ペプチド8.5mgを得た。脱保護のこの方法
は、ベンジルオキシカルボニルN−保護ペプチドのよう
な合成された全てのペプチドに適用して、結合の用意に
アミノ末端で即座に活性化されるペプチドの遊離水素形
態を産出することができる。生成物の構造は、FAB−
MS、分析的HPLC及びアミノ酸分析により確認さ
れ、cPND15の構造とすべての結果が一致した。
【化43】 それはまた次のように表わしてもよい。
【化44】
【0136】実施例17 cPND31の合成 Fmoc −Phe−ワング樹脂2g(0.6ミリ当量/g)
を、ABI431A合成機に入れた。Fmoc 単一カップ
リング実験を、Fmoc-Ala、Fmoc-Arg(Tos) 、Fmoc-Pro、
Fmoc-Ile、Fmoc-His(Trt) 、Boc-Lys(Fmoc) 及びCbz-Nl
e を加えて行い、以下の配列を有する直線形ペプチド樹
脂3.7gを生成した。 Boc-Lys(Nε-Z-Nle)-His(Trt)-Ile-Gly-Pro-Gly-Arg(T
os)-Ala-Phe ペプチドを、95%TFA:5%水で2時間処理するこ
とにより樹脂から開裂させた。樹脂をロ過により除去
し、TFAを真空下蒸発によりロ液から除去し、残渣を
ジエチルエーテルとともに粉砕した。沈殿をロ過により
回収し、乾燥させて、配列 H-Lys(Nε-Z-Nle)-His-Il
e-Gly-Pro-Gly-Arg(Tos)-Ala-Pheを有する直線形ペプチ
ド1.7gを得た。ペプチドをDMF(10ml)中Boc
−イソグルタミン−ONp(0.71g、2ナノモル)及
びDIEA(0.35ml、2ミリモル)で、室温下一晩
処理した。DMFを蒸発させ、残渣をジエチルエーテル
で処理した。沈殿をロ過により回収し、酢酸エチルで洗
浄した。乾燥させたペプチド(1.9g)をTFA(1
00ml)で5時間処理した。TFAを真空下蒸発させ、
残渣をジエチルエーテルとともに粉砕し、沈殿をロ過に
より回収し、乾燥させた。ペプチドを、溶離剤として1
0%水性酢酸を用いるセファデックスG−10により脱
塩した。ペプチド分画を凍結乾燥させ、H-イソGln-Lys
(Nε-Z-Nle)-His-Ile-Gly-Pro-Gly-Arg(Tos)-Ala-Phe
を1.2g(0.79ミリモル)を得た。ペプチドの2
バッチ(0.55g、0.36ミリモル)を別々に、1
000ml氷冷DMF及びDIEA(0.16ml、0.9
ミリモル)に溶解し、DPPA(0.12ml)を加え、
溶液を一晩室温で攪拌した。DMFを真空下蒸発させ、
残渣を合体し、CHCl3 において可溶化された。有機分画
を5%水性クエン酸で洗浄し、次いでMgSO4 上で乾燥さ
せ、蒸発させてクルード環状ペプチド0.78gを得
た。この材料を、アニソール(1ml)を含む液状HF
(10ml)で、2時間0℃で処理した。HFを蒸発さ
せ、残渣を逆相HPLC(ヴィダックC−18、0〜5
0% CH3CN、緩衝液として0.1%水性TFAを用いて
50分にわたって)勾配溶出により精製し、純粋なcP
ND31(250mg)を得た(M+H=1204)。
【化45】
【0137】実施例18 マレイミドプロピオニル−cPND15の製造 10mgのcPND15−トリフルオロアセテート塩を H
2O:MeCNの1:2混合物0.3ml中に溶解させた。その
溶液を氷浴中で冷却しそれから0.345MNaHCO3溶液
100μl 、続いてマレイミドプロピオン酸N−ヒドロ
キシサクシンイミドエステル3.5mgを加えた。反応
を、1hの攪拌により進むに任せ、続いてトリフルオロ
酢酸3μl により反応停止させた。反応混合物を0.2
μフィルターを通してろ過し、フィルターを0.21ml
の水で洗浄した。合わせたろ液を2.15×25cm V
ydacC18逆相カラム上に注入した。カラムを25% M
eCN /0.1%TFAで10ml/min の流量で10min
で均等に溶出し、20minにわたって25乃至40% Me
CN /0.1%TFAの勾配で溶出した。20minと32
min の間で溶出した生成物を濃縮し凍結乾燥し、マレイ
イミドプロピオニル−cPND15のトリフルオロ酢酸
塩7mgを白色非晶質粉末として得た。FAB−MSは1
262で主イオン(M+H)を示した。エルマン(Ellm
an) アッセイクエンエンチングによるマレイミドの滴定
ではマレイミドプロピオニル−cPND15のmg当たり
0.54μmol の濃度を得た。
【0138】実施例19 マレイミドプロピオニル−cPND31の製造 実施例13の方法にしたがって、cPND31のトリフ
ルオロ酢酸塩37.6mgを0.322M NaHCO3溶液
0.41mlおよび1:2 H2O: MeCN 1.2ml中マレイ
ミドプロピオニル N−ヒドロキシサクシンイミドエス
テル8.3mgと反応させ、TFA10.5μl で反応停
止させた。30% MeCN /0.1%TFA均等液で10
min 、続いて30−50% MeON 勾配液で5min の溶出
させる調製用HPLCにより18−25min 間に溶出す
る生成物ピークを得た。凍結乾燥した生成物は26mgで
あり、マレイミド力価は0.57μM /mgであった。F
AB−MSは1356で主イオン(M+H)を与えた。
アミノ酸分析は Nle=460、β−アラニン=420及
び Lys=460nmol/mg.であった。NMR分析は6.
93ppm にシングレットを示した(マレイミドのH)。
【0139】実施例20 本発明のMIEP−cPND15及びMIEP−cPN
D31結合体の動物への接種のための実験 ミョウバンを一連の接種の際のアジュバンドとして用い
た。接種物を生理食塩水に結合体を該結合体最終濃度が
300μg /mlとなるように溶解することにより調製し
た。前もって形成したミョウバン(水酸化アルミニウム
ゲル)を、500μg /mlアルミニウムの最終レベルま
で溶液へ加えた。結合体を、室温で2時間ミョウバンゲ
ルに吸着させた。吸収後、結合体を有するゲルを生理食
塩水で2回洗浄し、タンパク質濃度が300μg /mlに
なるまで食塩水に再懸濁させた。アフリカ緑ザルのそれ
ぞれに、ミョウバンへ吸着された結合体300μg 3回
投与量又は、結合体100μg 3回投与量を接種した。
各投与物を筋肉内注射した。投与は1ケ月ごとに行なっ
た(0、4、8及び28週)。動物を2週間間隔で採血
した。血清サンプルを各血液から調製し、以下の実施例
に記載されるように、特異的抗体の発生についてアッセ
イした。
【0140】実施例21 抗−ペプチドIgG抗体についての血清分析 各血清サンプルを、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELI
SA)により分析した。ポリスチレンミクロタイタープ
レートを、ウェル当たりリン酸緩衝生理食塩水(PB
S)中合成ペプチド(MIEPへ結合していない)0.
5μg で4℃下コートした。次いで各ウェルを0.05
%トウィーン−20(PBS−T)を含むPBSで洗浄
した。PBS−T中に順次希釈された試験血清を、ペプ
チド含有ウェルへ加え、吸着ペプチドと36℃で1時間
反応させた。PBS−Tでの洗浄後、アルカリホスファ
ターゼ結合ヤギ抗ヒトIgGを試験ウェルに加え、36
℃で1時間反応させた。各ウェルは、0.5mM MgCl2
6H2O を含有する10%ジエタノールアミンpH9.8を
受けた。続いて起こる反応が室温で30分進行し、その
時点で3.0N NaOHの添加により終了された。ペプチ
ド基質と試験血清中の抗体との相互作用の増大は、ウェ
ル上に結合したアルカリホスファターゼの量としてとら
えることができる。ホスファターゼ酵素は、波長405
nmの光を吸収する分子物質へのP−ニトロフェニルホス
フェートの分解を成立させる。従って、ELISA反応
の終了時点での405nmの光の吸光度とペプチド結合抗
体の量の間には直接的関連性が存在している。マレイミ
ドプロピオニル−cPND15−MIEP及びマレイミ
ドプロピニルcPND31−MIEP結合体を接種され
た全てのサルが、ペプチドに特異的に結合できる抗体を
生じさせた。
【0141】実施例22 HIV感染性を特異的に中和する活性についての血清分
ウイルス中和活性を、ロバートソン等、ジェー.バイオ
ル.メソッド(J. Virol. Methods)20;195〜20
2(1988)に記載のアッセイにより測定する。その
アッセイにより、試験血清における特異的HIV中和活
性が測定される。そのアッセイは、MT−4細胞(ヒト
T−リンパ細胞系)がHIVへ容易に感染すること、及
びウイルス複製の期間後に感染の結果として殺されるこ
とを観察することに基づく。試験血清を、アッセイ前6
0分間56℃で処理した。この処理は、HIV複製の非
特異的インヒビターを除くために必要である。RPMI
−1640細胞培地に順次希釈された熱処理血清を、H
IVの標準感染量と混合する。この量は、7〜8日後に
アッセイ培地中のMT−4細胞の全てを殺すのに必要な
ウイルスの最少量を含むように、アッセイ前に決定され
る。血清−ウイルス混合物を、37℃で1時間、相互作
用させる。次いで、それを、10%ウシ胎児血清で補足
されたRPMI−1640増殖培地に懸濁された1.0
×105 MT−4細胞へ加える。培地を、5%CO2
囲気下で7日間37℃で培養する。培養の終了時点で、
代謝染料DTTを各培地に加える。この染料は、視覚的
検査では黄色である。生細胞の存在下では、この染料
は、視覚的に青色を生ずる分子種に対して代謝的に処理
される。中和HIVは、標的MT−4細胞においては複
製できない。従って、細胞を殺すことはない。それ故
に、ポジティブな中和は代謝染料の添加による青色の発
生により評価される。
【0142】実施例23 結合体のための環式ジスルフィドの調製 1.cPND33(SEQ ID:22:): H-Nle Cys Tyr Asn Lys Arg Lys Arg Ile His Ile Gly Pro Gly Arg Ala Phe Tyr Thr Thr Lys Asn Ile Ile Gly Cys-OH (C135H220N42O33S2 ,式重量=3023.6)の合成 26mer を、ミリゲン(Milligen) #9050合成機に
より、部分的ラセミ化Fmoc-L-Cys(Trt)-OPKA樹脂(ミリ
ゲンバッチB090426、0.081ミリ当量/g)
使用量2.47g(0.200ミリ当量)から出発して
組み立てた。理論上の収量は604mgである。樹脂を当
量のガラスビーズ(シグマ150〜212μm )と混合
した。混合物を連続的に接続された2つの1×10cmカ
ラムに完全に満たした。試薬はFmoc-Pftエステル(トレ
オニンを除く、dHBtである)であり、N−メチルピ
ロリジン溶媒中4倍モル過剰量で使用した。側鎖保護基
は、Tyr(t-ブチル) 、Lys(Boc)、Arg(Mtr)、His(Boc)、
Thr(t-ブチル) 、Cys(Trt)であった。実験を修正(Ly
s7; Ile9; Ile11; Gly12; Pro13; Gly14; Arg1 5;
Phe17; Tyr18; Thr19; Thr20; Ile23; Ile24
二重カップリングを行った。アシル化循環時間を Gly14
とAla16 を除き、及びIle9(2x)、Ile11(2x)、Il
e23(2x)、Ile24(2x)については90分へ延ばした
以外、全べてのユニットについて30〜60分へ延ばし
た。誘導体化樹脂を遊離末端アミンとして維持し、それ
をCH2Cl2で洗浄して自然乾燥した。乾燥誘導体化樹脂と
ガラスビーズの混合物を、8時間振動トレイ上でゆるや
かに攪拌しながら、密閉フラスコ中95%TFA、4%
エタンジチオール、1% CH3Sph(30ml)へ、23℃で
再懸濁させた。次いであざやかな黄色混合物を、ロ過
し、不溶物を100%TFA(3×20ml)で完全に抽
出した。合体した濃オレンジ色ロ液を、蒸発させ、油状
ゴム状物(淡褐色)を得た。エーテル(20ml)ととも
に粉砕する際、この材料は即座に無色固体となり、エー
テル(3×20ml)を追加して粉砕することによりロ紙
上に移した。乾燥後、粗生成物を、無色微粉末として得
た(583mg)。水性0.1%TFA/20% CH3CN5
0μl に溶解されたサンプル約50μgを、0.46×
25.0cmヴィダックC18カラム上での分析用逆相H
PLC〔水性0.1%TFA/22% CH3CN、λ=21
5nm、A=0.05、2.0ml/min 〕にかけて4μl
注入し、主成分及び後に溶出した少量成分が明らかとな
った。それらを、連続した2つの2.21×25.0cm
調製用Vydac C18カラムにサンプルの30mg及び他の
50mgアリコートを注入した後、分離して集めた〔6
0′上の線型勾配:0.1%TFA/23−27% CH3
CN、λ=215nm、A=3.00、10ml/min 〕。全
量35.2mgの初期溶出材料及び8.2mgの後の溶出材
料を回収し、次いで凍結乾燥した。主生成物のFAB−
MSにより、3022.1の〔M+H〕+ 及び304
4.2の〔M+Na〕を得、これは、計算質量と一致し
た。
【0143】2.環状ジスルフィド:(SEQ ID:22):
【化46】 の製造a.K3Fe(CN)6誘導酸化 直線形26mer ジチオール化合物(35.0mg)を、2
3℃で、脱気蒸留水(38ml)に溶解し、pH2.73の
無色透明溶液を得た。pHを、0.1N NH4OHで8.5に
調節し、溶液を窒素雰囲気下においた。材料のアリコー
トを直ちに分析用逆相HPLCにかけると初期ピークの
出現により、証明されるごとく酸化を受けていることが
見い出された。新たに調製された0.01M K3Fe(CN)6
の溶液を、磁気攪拌をしながら、窒素下23℃で、強力
駆動皮下注射器により加えた。HPLCによる少アリコ
ートの分析により、初期溶出時間までに、出発材料の全
変換が明らかとなった。反応混合物(pH8.3)を10
%水性酢酸と混合し、攪拌してpH4.0とした。溶液を
ロ過し、不溶生材料を除去し、わずかに黄色の溶液を蒸
発させ、次いで凍結乾燥させて、淡黄色粉末約27.9
mgを得た。材料を0.1%TFA/20% CH3CNに溶解
し、勾配を、調製用HPLCにて溶出した。主な初期溶
出ピーク及び後の溶出ピーク(4:1)を分別して集
め、初期溶出物6.1mg及び後の溶出物1.5mgを得
た。初期溶出物のFAB−MS分析により、〔M+H〕
+ 3019.7、〔M+Na〕+ 3042.5を示し、後
のもののFAB−MS分析により〔M+H〕+ 302
0.0、〔M+Na〕+ 初期材料=3041.5を示し
た、これらの全ては、環化cPND33の正確な質量と
一致した。後の溶出物は、D−システィンカルボキシ末
端ジアステレオマーである。生成物のアミノ酸分析によ
り、環化生成物についての予期されたアミノ酸成分を
得、後の溶出物がD−システィン含有ジアステレオマー
であることを確認した。
【0144】b.空気酸化 上記(1)において製造された直線形26mer(86mg、
28.4μモル)を、23℃で、水性0.1%TFA/
20%アセトニトリル(284ml)に溶解し、溶液を空
気中に置いた。環化を、逆相HPLCによりモニター
し、サンプルがt=24時間で、出発直線形材料のほぼ
完全な消失とともに、初期溶出物へほぼ完全に変換され
ていることを見い出した。無色透明の溶液を約8mlまで
蒸発させ、その時点で、上記86mgから同様の方法で製
造されたサンプル10mgを追加して加えた。合体したサ
ンプルを約9mlまで蒸発させた。濁った無色溶液を、連
続した2つの2.12×25.0cmヴィダックC18カ
ラムにおける2つの分離行程でのHPLC分離にかけ
た。2つのフラクション、初期溶出ピークと後の溶出ピ
ークとが別々に集められた。各ピークを別々に蒸発さ
せ、凍結乾燥させて、初期及び後の材料をそれぞれ3
0.1mg及び9.7mg得た。初期溶出物を、別に製造さ
れた初期溶出環化物と合体し、全量47.5mgのわずか
に薄青色の綿毛状粉末を得た。この材料の分析用HPL
Cにより、単一ピークを得た。
【0145】 3.3−マレイミドプロピオン酸無水物の製造 3−マレイミドプロピオン酸226mgに無水酢酸5mlを
加え混合物を130℃で3.75h加熱し、室温で一晩
放置した。溶液を油状物にまで濃縮した。NMRスペク
トル(CDCl3)は酢酸及びマレイミドプロピオン酸のホモ
無水物と混合無水物の混合物を示した。無水物ではカル
ボニルに隣接したメチレンの共鳴は2.81ppm に現れ
るのに対して、出発物質の酸はこれらのメチレンを2.
68ppmに中心を有するトリプレットとして示してい
る。精製は最初に70℃0.2mm次に120℃0.2
mmでの分別昇華によって成された。後者の画分は CDCl3
に溶解させることによって装置から取り出され、溶媒の
蒸発で純粋なホモ無水物34mgが得られた。これを CDC
l3とシクロヘキサンから再結晶させ融点143−147
℃の物質を得た。 計算値:for C14H12N2O7 : C, 52.51; H, 3.78; N,
8.75。 実測値:C, 51.73; H, 3.67; N, 8.16。 200 MHz NM
R (CDCl3) : 2.83 (2H, t) 3.84 (2H, t), 6.73 (2H, s)
【0146】4.cPND33の「選択的」アシル化 cPND33(22.5mg、70%ペプチドは15.7
5mgあるいは5.212μmol と等価であると見積もら
れた)をpH5.25の0.1Mモルフォリノエタンスル
ホン酸緩衝液12.0mlに溶解させ、氷浴中で冷却し
た。この溶液の分析と反応の進行は、溶出液として25
%アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸(TF
A)を用いた23cmODSカラム上のHPLCによって
追跡された。マレイミドプロピオン酸無水物2.0mg、
6.25μmol を乾燥テトラヒドロフラン0.600ml
に溶解させた。そしてこの溶液0.5ml(無水物5.2
μmolに相当)を上記ペプチド溶液に加えた。30秒
後、7μl 部分を分離し、HPLCで評価した。このア
ッセイを0.25、0.50、1.25、2.25及び
3.0hで繰り返した。3.5h後溶液を凍結乾燥し
た。凍結乾燥物を20%水性アセトニトリル2.0mlに
溶解し、0.2μフィルターでろ過し、21.2mm×2
5cm Zorbax C−18カラムに0.700mlづつ、3回
かけて調製用クロマトグラフィに付した。以下の溶出プ
ログラムを用いた。流量=10ml/min 、25%水性ア
セトニトリル/0.1%TFAによる均等溶出(12mi
n)、28%アセトニトリルまでの勾配液(10min)、3
5%アセトニトリルまでの勾配液(8min)。最後の画分
は濃縮と凍結乾燥によって分離され、取り出された出発
物質8.9mg(終わりから2番目の画分)及び分子量3
172を示す質量スペクトル(FAB)を有する生成物
(すなわち、cPND33のモノ−マレイミドプロピニ
ル誘導体)9.6mgを得た。生成物を更にシーケンス分
析を行い、リジンが存在しないことによって特徴づけた
(他のシーケンスの不在は末端アミノアシル化を意味す
るであろう)。その結果はマレイモドプロピオニル部分
の全てではないがそのほとんどがカルボキシ末端に最も
近いリジンに結合するこということを示している。例証
の目的のために提供された実施例を伴う上記明細書は本
発明の原理を教示しているが、本発明の実際は特許請求
の範囲そしてそれと等価であるような全ての有用な変
形、付加、改良、もしくは削除を含むということは理解
されるであろう。
【配列表】
【0147】配列番号:1 配列の長さ:41 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド ハイポセティカル配列(No) フラグメント型(中間型フラグメント) 配列の特徴 特徴を表わす記号:disulfide-bonds, 存在位置:3..38 配列:
【化47】
【0148】配列番号:2 配列の長さ:24 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化48】
【0149】配列番号:3 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化49】
【0150】配列番号:4 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化50】
【0151】配列番号:5 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化51】
【0152】配列番号:6 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化52】
【0153】配列番号:7 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化53】
【0154】配列番号:8 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化54】
【0155】配列番号:9 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化55】
【0156】配列番号:10 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化56】
【0157】配列番号:11 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化57】
【0158】配列番号:12 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化58】
【0159】配列番号:13 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化59】
【0160】配列番号:14 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化60】
【0161】配列番号:15 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化61】
【0162】配列番号:16 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化62】
【0163】配列番号:17 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化63】
【0164】配列番号:18 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化64】
【0165】配列番号:19 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化65】
【0166】配列番号:20 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化66】
【0167】配列番号:21 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化67】
【0168】配列番号:22 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表わす記号:modifide-site, 存在位置:1 他の情報:Nle 特徴を表わす記号:disulfide-bonds, 存在位置:2..26
【化68】
【0169】配列番号:23 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 (特徴のある箇所ごとに記載) 特徴を表わす記号:modifide-site, 存在位置:1 他の情報:Nle 配列:
【化69】
【0170】配列番号:24 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【化70】
【図面の簡単な説明】
【図1】PRP−DT及びMIEP又はOMPC又はI
AA−OMPCで別々に感作した脾臓細胞を受け入れた
養子免疫細胞移入体の抗体応答をPRP−OMPCによ
る免疫後指示した日に採取した血液試料でELISA及
びRIAにより測定した図である。
【図2】試験管内に於けるMIEPのマイトジェン活性
に対するリンパ球増殖検定を示す図である。細胞DNA
への 3H−チミジン取込みの増加は細胞をウシ血清アル
ブミン(BSA)、PRP−OMPC、OMPC、MI
EP又はCNBrと反応させて測定した。
【図3】PRP−MIEP結合体はマウス並びに乳児ア
カゲザルに於て免疫原性を試験した図である。抗体応答
はELISA及びRIAによって測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーガレット エー.リウ アメリカ合衆国,19190 ペンシルヴァニ ア,ローズモント,クシュマン ロード 4 (72)発明者 アーサー フリードマン アメリカ合衆国,18966 ペンシルヴァニ ア,チャーチヴィル,フロッグ ホロー ロード 121 (72)発明者 ジョセフ ワイ.タイ アメリカ合衆国,19034 ペンシルヴァニ ア,フォート ワシントン,シナモン ド ライヴ 1370 (72)発明者 ジョン ジェー.ドネリー アメリカ合衆国,19083 ペンシルヴァニ ア,ヘイヴァータウン,ブライアーウッド ロード 1505

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイセリア・メニンギチジス(Neisseri
    a meningitidis)(血清型b)の外膜のクラスII蛋白と
    抗原が結合したものからなる、哺乳類において該抗原特
    異的な抗体の形成を誘導または促進する、ほ乳類に用い
    るワクチン。
  2. 【請求項2】 抗原が細菌、ウイルス、哺乳類細胞、真
    菌、リケッチア、アレルゲン、毒、毒液、合成ペプチ
    ド、ポリペプチドフラグメントから得られたものであ
    る、請求項1記載のワクチン。
  3. 【請求項3】 ナイセリア・メニンギチジス(Neisseri
    a meningitidis)(血清型b)の外膜のクラスII蛋白
    が、組換え宿主細胞で生産された組換え蛋白である、請
    求項1記載のワクチン。
  4. 【請求項4】 ヘモフィルス・インフルエンザ(Heamop
    hilus influenzae)(血清型b)のポリサッカライドと
    ナイセリア・メニンギチジス(Neisseria meningitidi
    s)(血清型b)の外膜のクラスII蛋白、および医薬的
    に許容される担体とからなる、ほ乳類を免疫するのに有
    効な量のポリサッカライド/蛋白複合体から成る組成
    物。
JP3269966A 1990-07-19 1991-07-19 免疫学的担体特性および免疫促進特性を有するナイセリア・メニンギチジスの外膜のクラスii蛋白、およびそれを含むワクチン Expired - Lifetime JPH0655679B2 (ja)

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