JPH05260963A - ペプチド−ポリサッカライド−蛋白質複合体ワクチン - Google Patents

ペプチド−ポリサッカライド−蛋白質複合体ワクチン

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JPH05260963A
JPH05260963A JP3271683A JP27168391A JPH05260963A JP H05260963 A JPH05260963 A JP H05260963A JP 3271683 A JP3271683 A JP 3271683A JP 27168391 A JP27168391 A JP 27168391A JP H05260963 A JPH05260963 A JP H05260963A
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peptide
complex
hiv
amino acid
pep
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JP3271683A
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Stephen Marburg
マルブルグ ステフェン
Richard L Tolman
エル.トルマン リチャード
Emilio A Emini
エー.エミニ エミリオ
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Merck and Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アニオン性ポリサッカライドであるリンカー
を介してNeisseria の外膜たん白複合体(OMPC)に
共有結合で結合されたヒト免疫不全ウイルス(HIV)
主中和決定(PND)ペプチドを有する共有結合性複合
体免疫原。 【効果】 哺乳動物に抗ペプチド免疫応答を誘発させる
ために、哺乳動物にHIVを中和する抗体を誘発させる
ために、後天性免疫不全病候群(AIDS)を含むHI
V感染又は疾患を予防するためのワクチンを調製するた
めに、又はAIDSを含むHIV感染又はHIV疾患に
係るヒトを治療するために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、新規ペプチド−多類−タンパク
の共有結合体及びその調製法及びその様な結合体の使用
方法に関してのものである。ヒト免疫不全ウィルス(Hu
man Immunodeficiency Virus) (HIV)を中和しうる
抗体に高い親和性で結合する特性を持つ主中和決定基
(PND)ペプチドとは、免疫原性タンパクあるいはネ
イセリア(Neisseria)の外側メンブランタンパク複合体
(OMPC)の様なタンパク複合体に結合した、陰イオ
ン性のポリサッカライド(PSA)より成る担体に結合
したものである。“中和”という、抗体に対して用いら
れる用語はインビトロであろうとまたはインビボであろ
うと、抗体と、ウィルスとの作用によりHIV感染及び
後天性免疫不全症候群あるいは、細胞融合、細胞性感
染、CD4レセプター保有細胞涸渇、及びウィルス増殖
をも含めたAIDS関連症候群(ARC)などの病気に
特有の、認識されたウィルスの介在による病理形態学的
な機能の幾つかあるいはすべてを
【0002】弱毒化あるいは阻止する事をもたらす反応
を意味するものである。これらの基準を満たす“中和”
抗体はHIV感染患者の血清中において検出されたり、
種々のHIV関連抗原を用いた免疫により動物及びヒト
において誘発されるものである。
【0003】弱毒化したあるいは殺した丸ごとのHI
V、HIVサブユニットタンパク、HIV遺伝的物質を
組み込んだものを含む組み換え生ワクシニアウィルス、
HIV特異的ペプチドが予防として、あるいは感染後の
治療として利用しうる能力をもった免疫原であるかの評
価を行なった。
【0004】しかしながら、少量であっても完全粒子ウ
ィルスからのアプローチにはワクチン接種者中での感染
の活性化をもたらすという危険性を伴なうが、サブユニ
ット−タンパク−ワクチンのアプローチはウィルス中和
抗体の誘導を限られてはいるけれども、もたらすもので
ある。生の組み換え体ワクシニアウィルスワクチンのア
プローチは有望であり、本質的に生のウィルスの導入は
危険であり、既に免疫無防備な受容者には特に危険であ
る事は明白である。今までは、ペプチドを基礎とした免
疫原が最も有望である。以下に示す文献はワクチン評価
に関する一般的な全体像を提供するものである。ラスキ
ィー,エル.エー.(Lasky, L. A.) 、クリト. レビ.
イン イムノル. (Crit. Rev. in Immunol.) 、第9
巻、153(1989);ガリソン,エル.(Garriso
n, L.) 、クレメンツ,エル.エム.(Clements, L.
M.)、コンプリヘンシブ セラピー(Comprehensive The
rapy)、第15巻、47(1989);ダルグリーシ
ュ,エー.(Dalgleish, A.)、ドラッグス オブ トデ
エー,(Drugs of Today) 、第25巻、709(198
9);シュルハファー,イー.ピー.(Schulhafer, E.
P.)、ベルマ,アール.エス.(Verma, R. S.) 、イン
ビボ(In Vivo)、第3巻、61(1989);ファウ
チ,エー.エス.(Fauci, A.S.) 、等、アナルズ オ
ブ インターナル メディシン(Annals of Internal M
edicine)、第110巻、373(1989);ローゼン
バーグ,ゼット.エフ.(Rosenberg, Z. F.) 、ファウ
チ, エ. エス.(Fauci, A. S.) 、アドバンセスイン
イムノル(Advances in Immunol)、第47巻、377
(1989);及びスナート,アール.アス.(Snart,
R. S.) 、エイズ(AIDS)、第2巻、S107(1
988)。
【0005】本発明の期待しうるペプチドとは以降中和
決定基(PNDs)として記載され哺乳動物中において
HIV中和免疫応答を引き出す能力を持つものと同定さ
れたペプチドである。本発明に従がい、他のHIV関連
あるいは関連のないペプチドの結合体においても免疫原
性というものはもたらされるけれども、本明細書中にお
いて特に期待されうるものは、HIV IIIB及びMN分
離株の様な他のHIV分離株のほとんどすべての中に局
在しているPNDであり、HIVエンベロープ糖タンパ
クである296から341のアミノ酸部位あるいはその
近隣部位にあるgp120である〔アミノ酸番号はラント
ナー(Rantner)等のネイチャー(Nature) 、第313
巻、277(1985)の配列に従がう〕。この領域に
おけるアミノ酸配列はHIV分離株中で多様性を示すけ
れども、分離株間においてコアアミノ酸配列として保存
されている、Gly−Pro−Gly(GPG)は、用いた分
離株の90%以上の株の中に見られる配列であり、Gly
−Pro−Gly−Arg−Ala−Phe(GPGRAF)配列
は一般的分離株の大多数が保有する配列でもある〔ゴー
ドスミット,ジェイ.(Goudsmit, J.) 、エイズ(Aid
s) 、第2巻、S41(1988)〕。GPG三量体の
前後におけるアミノ酸の保存はそれ程高くない。GPG
を含む最小5ないし8個のアミノ酸がHIV中和応答の
誘導に必要な配列と思われる〔ジャバヘリアン(Javahe
rian) 、等、プナス ユーエスエ(PNAS USA) 、第86
巻、6768(1989);ゴードスミット(Goudsmi
t) 等、レス. ヴィロル(Res. Virol) 、第140巻、
419(1989)〕。
【0006】ペプチドは直鎖状でも環状でもHIV中和
免疫応答を引き出す結合体の作成に有効である。またア
ミノ酸配列中においてアラニンからバリンへ、あるいは
グルタミン酸からアスパラギン酸への置換などの若干の
相違があったとしても、同様に免疫応答を引き出しうる
ペプチドとなりうる。さらに一連の環状PNDペプチド
(cPNDs)の様に、保存3次構造を有するが、分岐
の一次構造を有するペプチドは同様な免疫応答を引き出
すことができる。HIVはセルフリーあるいは細胞付着
状態において伝播される事はよく知られる所であり、抗
HIV免疫原として利用する為には、抗体産生及び抗体
依存性細胞性細胞障害などの、B−細胞及びT細胞介在
免疫応答を誘起しうる能力を有するペプチドエピトープ
が本質的に必要である。上記記載のgp120領域からも
たらされるペプチド配列はその両方の免疫応答を引き出
す事が示されている〔ゴードスミット,ジェイ.(Goud
smit, J.) 、エイズ(AIDS)、第2巻、S41(1
988)〕。
【0007】さらに、有効な抗HIVワクチンを作成す
る為に、PNDペプチドはそれ自体では一般的に免疫原
性が乏しいので、しばしば、再現性のあるしかも定量的
な形態を保有する担体に結合されるべきものである。非
結合状態のペプチドはB細胞由来の抗体産生が低いばか
りでなく、防御T細胞応答の誘導性にも乏しいものであ
る。本発明はPNDペプチドと免疫賦活剤による新規免
疫学的結合体を提出しこれらの問題を打開する事にあ
る。
【0008】US特許4,695,624において、マ
ーブルグ(Marburg)等は、ヘモフィラス インフルエン
ザ(Haemophilus Influenzae) bの夾膜ポリサッカライ
ドであるポリリボシルリビトールホスフェート(PR
P)とナイセリア メニンジャイティディス(Neisseri
a meningitidis) のOMPCとの共有結合の様子を化学
的に述べている。彼等の発明による結合体は抗PRP免
疫応答と引き出し、ヘモフィラス インフルエンザBの
感染を防御しうる免疫原として有効であった。本発明に
おける結合体は特許4,695,624中にはないもの
であり、HIVPNDペプチドに対してまったく異なっ
た免疫反応を誘起しうる結合体である。
【0009】本発明の新規結合体は結合体に含まれるペ
プチド領域に対する哺乳動物での免疫応答の誘導に有効
である。結合体中におけるペプチド成分とはHIV P
NDペプチドあるいはHIV PNDペプチドを認識す
る免疫応答を引き出しうるペプチドとして示されるなら
ば、それらの結合体は、HIV感染あるいはHIV疾患
及びAIDSをも含めて、この様な病気にかかる前、あ
るいはかかった後に哺乳動物中でのHIV中和抗体の産
生あるいはヒトへのワクチン接種などの為にまた哺乳動
物中で抗HIV PNDペプチド抗体産生の為に有効に
利用される。
【0010】本発明の結合体は陰イオンポリサッカライ
ド(PSA)を介した、ヒト免疫不全ウィルス(HI
V)のプリンシパルニュートラライジングデターミナン
ト(PND)ペプチドと、免疫原性タンパク(PRO)
との共有結合より構成されている。本発明おける好まし
い構造は以下に示されるIV式であり:
【化21】 式中PEPとは直鎖状あるいは環状構造をもつ共有結合
HIV PNDペプチド;PSAとは陰イオン性ポリサ
ッカライドである;PROとは免疫原性タンパクあるい
はタンパク複合体であり、好ましくはナイセリアメニン
ジャイティディス(Neisseria meningitidis) の外側メ
ンブランタンパク複合体である;−r−とはペプチド及
びポリサッカライド結合体間の共有結合を架橋するスペ
ーサーである;−B−とはポリサッカライドとタンパク
結合体間の共有結合を架橋するスペーサーである;PF
=0.001から10ミリグラムPEP/ミリグラムP
SAであり、好ましくは約0.01から1である;GF
=0.001から10ミリグラムPSA/ミリグラムP
ROであり、好ましくは約0.01から0.33であ
る;ELF=エピトープ容量率、ミリグラムPEP/ミ
リグラムPROであり、好ましくは0.0001から
0.5mgPEP/mgPROである。
【0011】本発明の複合体は、別々に活性化されたペ
プチド、ポリサッカライド、及びタンパク成分をそれぞ
れ互いに共有結合させる事により調製されるものであ
る。ペプチド及びタンパク成分はそれぞれ活性化されて
付随的に求電子性あるいは求核性を示すが、互いには反
応し得ないものである。逆に、ポリサッカライド成分は
活性化されて付随的な求核性あるいは求電子性基を示
し、反対の位置にある活性化されたペプチドあるいはタ
ンパクと反応をする。これらの反応はペプチドあるいは
タンパクとポリサッカライドを結合する、安定で共有結
合的な二層間のスペーサーを形成させうるものである。
【0012】この一連の反応によりもたらされる共有結
合免疫原は多重ペプチド部分が、次の段階ではタンパク
に固定されるポリサッカライドの土台の上に構築される
骨格として便宜上、考えられている。ペプタイド成分が
HIVのPNDsと等価であるならば、本方法により作
成された結合体は免疫学的効果容量をもって、イムノモ
デュレーター、抗ウィルス剤あるいは抗菌性物質の添加
のあるなしにかかわらず、哺乳動物に投与され、かつま
た、結合体のペプチド部分に対する哺乳動物中での免疫
応答の誘導、哺乳動物中におけるHIV中和抗体の誘発
あるいはHIV感染またはHIV疾患からの予防、防御
の為のヒトに投与しうるワクチンの製造、あるいはAI
DSをも含めたHIV感染またはHIV疾患で悩む人達
への投与という面で有効である。
【0013】従がって本発明の目的は高い免疫原性をも
ち、しかも結合体中のペプチド部分によって示されてい
るエピトープに特異的な免疫応答をヒトにおいて上昇さ
せうる結合体を提供する事にある。他の目的はペプチド
−ポリサッカライド−タンパク結合体におけるペプチド
部分がHIVプリンスパルニュートラライジングデター
ミナンツを認識する免疫応答を哺乳動物中で引き出しう
るところの共有結合免疫原を提供する事にある。他の目
的はヒト免疫不全ウィルスを中和する抗体産生を哺乳動
物中で上昇させうる結合免疫原を提供する事にある。他
の目的は水溶性であるペプチド−ポリサッカライド−タ
ンパク共有結合体を高度に産生しうる方法を提供する事
にある。他の目的は被検哺乳動物中において抗ペプチ
ド、抗HIVあるいはHIV中和免疫応答を上昇させう
るその様な結合体の使用方法を提供する事にある。他の
目的はAIDSあるいはARCも含めた、HIV感染あ
るいはHIV疾患にかかる前あるいはかかった後にヒト
に対して免疫する時の本発明の結合体を含む、ワクチン
の使用を提供する事にある。
【0014】AAアッセイ アミノ酸分析法であり、
ペプチドあるいはタンパクを酸加水分解して遊離アミノ
酸を定量する Acm アセトアミドメチルチオール保護基 アクティベーション その後の反応が起こりうる様に
ある種の試薬を用いてペプチド、タンパクあるいはポリ
サッカライド部分からそれらの誘導体をもたらす反応 AIDS 後天性免疫不全症候群 アミノ酸 酸及びアミノ官能基を保有する分子;一般
的に H2N-CHR-COOH なる構造式で示される20個のα−
アミノ酸がよく知られており;式中R基はそのアミノ酸
種を血清するものである;これらのアミノ酸はDあるい
はLの立体化学的異性体をもち、もし他の点で特異性が
ないならば、以下の表示にある様に一文字表記の略号を
用いて、あるいはアミノ酸名の前に接頭語“D−”を付
けて表記するが以下のアミノ酸は天然のものでありL形
を示すものである。表の構成:20個のアミノ酸名及び
R基の構造は以下の表に従がい一文字表記により、表示
されている。
【0015】 アミノ酸の名称 三文字表記 一文字表記 側鎖(R) Alanine Ala A −CH3 Arginine Arg R −(CH2)3NHCHNH2NH2+ Asparagine Asn N −CH2CONH2 − Aspartic Acid Asp D −CH2COOH Cysteine Cys C −CH2SH Glutamic Acid Glu E −(CH2)2COOH Glutamine Gln Q −(CH2)2CONH2 Glycine Gly G −H Histidine His H −CH2-imidazole Isoleucine Ile I −CH(CH3)CH2CH3 Leucine Leu L −CH2CH(CH3)2 Lysine Lys K −(CH2)4NH3 + Methionine Met M −(CH2)2SCH3 Phenylalanine Phe F −CH2-Phenyl Proline Pro P −α,N-(CH2)3− − Serine Ser S −CH2OH Threonine Thr T −CH(OH)CH3 Tryptophan Trp W −CH2-indole Tyrosine Tyr Y −CH2-Phenyl−OH Valine Val V −CH(CH3)2
【0016】抗体 哺乳動物B細胞より産生されるタ
ンパクで特定の抗原と結合しうるもの ARC AIDS関連症候群 AZT アジドチミジン、抗AIDS化合物
【0017】二属間スペーサー 別々に誘導されたパ
ートナーとの反応により得られる分子的な鎖であり;ス
ペーサーを介して形成している結合体を分析分解により
遊離させる事により電子対結合部位の程度の測定をもっ
て定量化される
【0018】BOP ベンゾトリアゾール−1−イル
オキシトリス−(ジメチルアミノ)ホスフォニウムヘキ
サフルオロホスフェート キャッピイング 低分子物質との反応による結合体中
の反応部位の除去 Cbz ベンジルオキシカルボニル
【0019】結合体 別々の化学物質の一つが別の化
学物質と共有的に結合した複合体であり;少なくとも一
つの物質は目的の抗原(たとえば、HIV PND)で
あり、一方の別の物質は担体である コアアミノ酸 哺乳動物中においてHIV中和免疫応
答を誘起するのに必要なHIV PND中のアミノ酸群 DPPA ジフェニルホスフォリルアジド
【0020】ELF エピトープ容量率;担体タンパ
クのミリグラム当たりのペプチドエピトープの存在をミ
リグラムによって定量的に表示されるものであり、(P
F×GF)の結果により計算されるあるいは直接的にノ
ルロイシンまたはオルニチンなどのマーカーアミノ酸を
定量する事により計算され、及び結合体中の総タンパク
量に対するペプチドの比率が計算できる
【0021】ELISA 酵素結合免疫吸着アッセイ Fmoc 9−フルオロレニルメチルオキシカルボニル GF グリコシレーション率;結合体中に存在するタ
ンパクミリグラム当りのポリサッカライドのミリグラム
として表示される HIV ヒト免疫不全ウィルス、レンチウィルスの一
員でありAIDS及び関連症候群と関係があると称され
ている原因因子である;またHIVはHTLVIII(ヒト
−T細胞リンパ球指向性ウィルスIII 型)、LAV(リ
ンパ節腫張を伴なうウィルス)、及びARV(AIDS
関連ウィルス)などとしても知られている。
【0022】HIV疾患 HIV感染によってもらさ
れたと思われる生理学的な機能異常の出現によって特徴
づけられる臨床的に認められた疾患の状態 免疫原 哺乳動物中における免疫応答を刺激する為に
用いる分子 免疫学的に等価なペプチド HIV主要中和エピトー
プに結合しうる抗体を含めて、哺乳動物中でHIV中和
免疫応答を引き出しうる環状あるいは直鎖状のペプチド
【0023】マーカーアミノ酸 AAアッセイにおけ
るシグナルを保有するアミノ酸であり、他のペプチドあ
るいはタンパクアミノ酸のシグナルによる干渉を受けな
いものであり;例えばノルロイシン(Nle) 、オルニチ
ン、β−アラニン、ガンマアミノブチル酸(GABA) Mtr 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニ
ルスルホニル NEM N−エチルマレイミデ
【0024】OMPC ナイセリア メニンジャイテ
イディス(Neisseria meningitidis)の外側メンブランタ
ンパク複合体で;イムノエンハンサー及びペプチド担体
として用いる ペプチド アミド(ペプチド)結合により連結されて
いるアミノ酸の重合体 PEP ペプチド PF ペプチド化率;結合体中に存在するポリサッカ
ライドのミリグラム当りのペプチドのミリグラムとして
表示される
【0025】PnPs ストレプトコッカス ニュー
モニア(Streptococcus pneumonia)夾膜ポリサッカライ
ド;本略語における番号は、例えば PnPs 6B、ポリサ
ッカライドが誘導されたきた株を示すものである PND プリンスパルニュートラライジングデターミ
ナント;HIV中和抗体に結合する能力及び本PNDを
含む免疫原を接種した哺乳動物中にHIV中和抗体の産
生を上昇させうる能力を保有するペプチド配列を特定す
る名称である
【0026】PRO 免疫原性タンパク タンパク ペプチドが連結して大きくなったもの PSA 陰イオン性ポリサッカライド;その重合体中
の一つの単量体ユニットが常にリン酸塩ユニットの繰り
返し構造を有するもの
【0027】レジン 固相化ペプチド合成に用いられ
る固相支持マトリックスウォング(Wang) :コポリスチ
レン−1%ジビニルベンゼンに連結した4−(ヒドロキ
シメチル)フェノキシメチルレジンでありFmoc固相ペプ
チド合成の大量処理に使用され解離は最終濃度95%のT
FAにより行なわれ、酸感受性側鎖保護基を付随的に脱
保護するサスリン(Sasrin) :コポリスチレン−1%ジ
ビニルベンゼンに連結した4−(ヒドロキシメチル)−
3−メトキシフェノキシメチルレジンであり、Fmoc 固
相ペプチド合成の大量処理に使用され、解離は最終濃度
1%のTFA/CH2Cl2により行なわれ酸に不安定な側鎖
保護基には変化を与えないペプシン(Pepsyn) KA:ポ
リアミドに連結した4−(ヒドロキシメチル)フェノキ
シメチルが珪藻土に吸着しているレジンであり、流動カ
ラムを用いたFmoc 固相ペプチド合成に使用される。ペ
プチドはウォングレジンと同様に上記に従がいレジンよ
り解離される、ペプシン(Pepsyn)KH :ポリアミドに連
結した4−(ヒドロキシメチル)−3−メトキシメチル
が珪藻土に吸着しているレジンであり、Fmoc 固相ペプ
チド合成に使用され、側鎖保護されているペプチドはサ
スリンレジンと同様に上記に従がいレジンより解離され
る。
【0028】“骨格” 担体上に構築された多重ペプ
チドエピトープの免疫原 SCMHC S−カルボキシメチルホモシステアミン
であり;共有結合体免疫原の分解により遊離されてくる
酸安定な二属間スペーサーでAAアッセイにより定量で
きる。 SCMC S−カルボキシメチルシステアミンであ
り;共有結合体免疫原の分解により遊離されている酸安
定な二属間スペーサーでAAアッセイにより定量でき
る。 Z ベンジルオキシカルボニル
【0029】I.結合体作成方法及びそれを用いた結合
体の産生、及びその結合体の有用性:本発明の新規結合
体は、別々に活性化されたペプチド、ポリサッカライ
ド、及びタンパク成分をそれぞれ互いに共有結合させる
事により調製される。ペプチド及びタンパク成分は同様
に活性化されて、付随的に求電子性あるいは求核性を示
すが、それらは互いには反応しない。逆にポリサッカラ
イド成分は活性化されて付随的に求核性あるいは求電子
性基を示し反対の位置にある活性化されたペプチド及び
タンパクと反応する。これらの反応は安定な電子対を共
有するスペーサーの形成をもたらし、ペプチドあるいは
タンパクをポリサッカライド結合させ、その形成におけ
る二分子的な作用により二属間スペーサーと称される。
この一連の反応によりもたらされる共有結合免疫原は多
重ペプチド部分が、次の段階ではタンパクに固定される
ポリサッカライドの土台の上に構築される骨格として便
宜上、考えられている。
【0030】ペプチド成分がHIVのPNDsと等価で
あるならば、本方法により作成された結合体は、免疫学
的効果容量をもってイムノモデュレーター、抗ウィルス
剤あるいは抗菌性物質の添加のあるなしにかかわらず、
哺乳動物に投与されるものであり、かつまた結合体のペ
プチド部分に対する哺乳動物中での免疫応答の誘導、哺
乳動物中におけるHIV中和抗体の誘発あるいはHIV
感染またはHIV疾患からの予防、防御の為のヒトに投
与しうるワクチンの製造、あるいはAIDSをも含めた
HIV感染またはHIV疾患が悩む人達への投与という
面で有効である。
【0031】ポリサッカライドの活性レベルを測定し、
たとえ添加したペプチドがすべてポリサッカライドに結
合するとしてもポリサッカライド中にある活性部位へ適
切なペプチドの限界量を添加して結合体作成反応を行な
う。さらにこのポリサッカライドの活性部位へ、ペプチ
ドと同様に活性化されたタンパクを反応させ、本発明で
あるペプチド−ポリサッカライド−タンパク結合体を作
成した。
【0032】本作成方法の最終段階はこの結合体中に残
った求電子性あるいは求核性部位の除去である。これは
低分子量の求核性試薬、好ましくはN−アセチルシステ
アミン(NAC)、で求電子性部位をキャッピイングす
ることにある。残っている遊離スルフヒドリル基などの
様な求核性部位は低分子量の求電子性試薬、好ましくは
N−エチルマレイミデ(MEM)、でキャップされた。
このキャッピング処理の後、分離遠心により本結合体を
反応物中より単離した。
【0033】本共有結合免疫原の化学的及び物理的特性
を正確かつ適切に確立した。結合体作成方法の適切な段
階においてペプチドとポリサッカライド及びポリサッカ
ライドとタンパクの量的な比率を測定した。ペプチド−
ポリサッカライド結合体あるいは最終ペプチド−ポリサ
ッカライド−タンパク結合体のトータルな酸加水分解は
遊離アミノ酸とS−(カルボキシメチル)システアミン
(SCMCA)あるいはS−(カルボキシメチル)ホモ
システィン(SCMHC)などの様な二属間スペーサー
である酸安定部分を生ずる。AAアッセイにより二属間
スペーサーにより引き出される単離されたシグナルや異
常を定量し、またそれにより結合体試料中に存在する共
有結合のスペーサー数が直接的に定量される。またペプ
チド及びタンパクを構成しているアミノ酸も同様に定量
されるのでスペーサーとアミノ酸との比率が容易に計算
される。
【0034】リボースアッセイ〔例えば、ディッシュ
(Dische) 及びシュワルツ(Schwartz) 、ミクロケミカ
ーアクター(Mikrochemica-acta)、第2巻、13(19
37)〕の様なモノサッカライドアッセイ、及び分離ア
ミノ酸分析をペプチド−ポリサッカライド結合体作成後
に行ないペプチド化率(PF)を調べポリサッカライド
のミリグラム当りに存在するペプチドのミリグラムとし
て表示した。最終的な結合体作成時におけるモノサッカ
ライドアッセイと上記アッセイを合わせ、トータルなタ
ンパクアッセイを行ないグリコシル化率(GF)を調べ
タンパクのミリグラム当たりに存在するポリサッカライ
ドのミリグラムとして表示した。得られた結果(PF×
GF)を基に、タンパクのミリグラム当りに存在するペ
プチドのミリグラムとして表示される、エピトープ容量
率(ELF)が計算される。また別法として、本発明の
ペプチドあるいはタンパク部分のいずれにも存在しない
ユニークなアミノ酸より成るペプチド中へ組み入れる事
によりELFが算出される。よってノルロイシンを一つ
のペプチド中のいずれかの部位、好ましくは−GPG−
より離れて、最も好ましくはそのペプチドのアミノ酸末
端、に組み入れる事により、簡便な方法として用いられ
本発明の結合体中のトータルペプチドが測定される。
【0035】上記概略に示されている方法による結合免
疫原の作成を構造式IV及び評価パラメーターであるP
F、GF及びELFにより以下に記載した;
【化22】 式中PEP とは直鎖状あるいは環状構造をもつ共有
結合HIV PNDペプチド;PSA とは陰イオン
性ポリサッカライドである;PRO とは免疫原性タ
ンパクあるいはタンパク複合体であり、好ましくはナイ
セリアメニンジャイティディスの外側メンブランタンパ
ク複合体(OMPC)である;−r− とはペプチド
及びポリサッカライド結合体間の共有結合を架橋するス
ペーサーである;−B− とはポリサッカライドとタ
ンパク結合体間の共有結合を架橋するスペーサーであ
る;PF= 0.001から10ミリグラムPEP/
ミリグラムPSAであり、好ましくは約0.01から1
である;GF= 0.001から10ミリグラムPS
A/ミリグラムPROであり、好ましくは約0.01か
ら0.33である;ELF= エピトープ容量率、好ま
しくは0.0001から0.5ミリグラムPEP /mgPR
Oである。パラメーターPF、GF及びELFを、用い
る成分の量を変える事により容易に操作され、要求通り
の免疫応答を得る為の至適条件が決められる。
【0036】本発明中の共有結合体を表わす構造式IVに
おけるスペーサー −r−、及び−B−、に関する化学
的性質は非特異的交鎖結合あるいは“一属間”または
“二属間”スペーサーの使用に依存するものである〔マ
ーブルグ(Marburg)等、ジェイ. アム.ケム.ソック.
(J. Am. Chem. Soc) 、第108巻、5282(198
6)参照〕。好ましくは、マーブルグにより開発された
二属間スペーサー技術が有効である。二属間技術に従が
い調製された結合体は加水分解して分析される。スペー
サー −r−及び−B−の酸安定部分は、マーカーアミ
ノ酸誘導体よりアミノ酸分析スペクトラム(AAアッセ
イ)から、他のアミノ酸による干渉は受けずに定量され
る。例えば、以下の略図Aにおける化学的方法に従が
い、結合体の酸加水分解は−r−及び−B−の酸安定部
分であるユニークなアミノ酸S−(カルボキシメチル)
システアミン(SCMCA=NH2(CH2)2-S-CH2COOH )を
遊離する。同様に略図Bに従がい、結合体の酸加水分解
は−r−及び−B−からユニークなアミノ酸S−(カル
ボキシメチル)ホモシステイン(SCMHC=HOOCCH2S
(CH2)2CHNH2COOH )を遊離させる。スペーサー −r
−、及び−B−を形成する他のアミノ酸が別な化学的方
法により得られたとしても、本来その構造及び分析の原
理は本明細書に述べられている事と同じである。
【0037】好ましい方法としては、本発明の結合体
は、略図AあるいはBによって示されているステップに
従がって調製される事にある。略図Aに示されている方
法とはPSAのブロモアセチル化、及び反応パートナー
であるPRO及びPEPを活性化してスルフヒドリル基
を持たせる事にある。逆に略図Bに示されている方法と
は、PSAを活性化してスルフヒドリル基を持たせ、P
RO及びPEPなる反応パートナーをブロモアセチル化
する事にある。他の求核性及び求電子性基なども化学的
結合体作成の使用に効果がある〔マーブルグ(Marburg)
等、ジェイ. アム. ケム.ソク(J. Am. Chem. Soc.)、
第108巻、5282(1986);米国特許#4,6
95,624〕。 A.ペプチド−PSA−PRO結合体の調製(略図A参
照) A)チオール化PSA:
【0038】次の3つの主要なステップよりなる調製法 1.陰イオン性ポリサッカライド、PSA、の単離であ
り、ポリサッカライド夾膜の主要成分が陰イオン性ポリ
サッカライドの重合体であるところのグラム陰性菌の培
養より単離される。例えば、ヘモフィラス インフルエ
ンザ(Haemophilus influenzae)bあるいはストレプト
コッカス ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)
6B、19F、23F、等の発酵培養上清より単離した
ポリサッカライドの粗作成物を凍結乾燥して、それぞれ
パウダー状のポリリボシルリビトールホスフェートPR
Pあるいはパウダー状のPnPs6B、PnPs19
F、PnPs23Fポリサッカライドとした。これら得
られた凍乾パウダーを水に溶解し、トリあるいはテトラ
ブチルアモニウムイオンによりチャージされている陽イ
オン交換カラムに通す事により酸性水素を疎水性イオン
と交換する。好ましくはトリあるいはテトラブチルアモ
ニウムなどの陽イオンである。これはマーブルグ等のジ
ェイ.アム.ケム.ソック.,第108巻、5282−5
287(1986)及び米国特許4,695,624に
記載されている。溶出されたPSAを凍結乾燥した後、
有機溶媒、好ましくはDMFあるいはDMSO、に再懸
濁し、炭酸誘導物、好ましくはカルボニルジイミダゾー
ル(COIm2)、などの二価の求電子物質で活性化した。得
られたイミダゾイルウレタンに求核反応を行なった。好
ましくはチオール結合ジアミン、最も好ましくはシスタ
ミンによるものである。アミン誘導体されたPSAの力
価はウデンフリーンド(Udenfriend) 等の、サイエンス
(Science)、第182巻、871(1972)によるフ
ルオレッスカミン(fluorescamine)アッセイにより定量
される。略図Aに従がい、シスタミン作用PSA、I
A、のXモルをジチオスレイトール(DTT)、ジチオ
エルイスレイトール(DTE)、あるいは類似の強還元
剤で、還元し2−アミノエタン−チオールなどの様な低
分子物質を透析、あるいは窒素気流下でのダイアフィル
トレーションにより除去する。得られたIIAXモルの溶
液をエルマン,ジー.エル.(Ellman, G. L.)のアール
バイオケム.バイオフィズ.(Arch Biochm. Biophy
s.)、第82巻、70(1959)の方法によりアッセ
イしXの量を測定した。
【0039】2.N−ブロモアセチル化ペプチドあるい
は別のブロモアセチル化ペプチド混合物をペプチドとブ
ロモアセチルドーナー、好ましくはp−ニトロフェニル
ブロモアセテート、との反応によりYモル調製した。こ
れを逆相HPLCにかけブロモアセチル化ペプチドとし
て再単離した。このブロモアセチル化ペプチドのYモル
をXモルのPSA−SH、IIA、と反応させた。YはX
に対して約10%から80%であり好ましくは、IIAの
チオールアッセイ力価の約1/2相等量である(すなわ
ちY=0.5X)。この反応の後、残存チオールの力価
をエルマンアッセイにより測定した。その差をもってこ
の段階におけるポリサッカライドへ結合したペプチドの
量が推定される。得られた数値は以下の(ii) において
記載されている直接的に得られた数値の確認に用いられ
る。反応産物はさらに2通りの追加の方法により特徴づ
けられる:
【0040】(i) PSAにおけるモノサッカライドアッ
セイの導入。当業者にとってはよく知られている種々の
モノサッカライドアッセイ。例えば、リボース感受性方
法がPRP及び他のリボースを含むポリサッカライドの
定量に有効である〔ディッシュ(Dische) とシュワルツ
(Schwartz) 、ミクロケミカーアクタ(Mikrochemica-a
cta)、第2巻、13(1937)〕。及び
【0041】(ii) 酸加水分解後のAAアッセイ。S−
カルボキシメチルシステアミン(SCMC)数値の定量
による共有結合ペプチドの力価。上記に述べた様に、こ
の数値はIIAと IIIA間でのエルマンアッセイによるチ
オール力価の差によって確認される。別法として、ノル
ロイシンの様なアミノ酸がペプチド中に組み込まれてい
れば、NaI を定量する直接的なAAアッセイが結合体中
のペプチド量の計算に用いられ、PFの算出あるいは下
方に述べられている様に、より重要なパラメーターであ
るELFが直接的に算出される。これらのアッセイの結
果を集計し、ペプチド化率を次に示すユニットとして導
いた:PF=ミリグラムペプチド/PSAmg。
【0042】3.この部分的にチオール化及びペプチド
化されたPSA、 IIIA、をさらにnモルのブロモアセ
チル化PROと反応させ、PSAに共有結合したPRO
である結合体IVAをmモル作成した。m<(X−Y)
ならば、(X−Y−m)=ZであるZモルの未反応の反
応基がPSA上に残っており、これはNEMのキャッピ
ングにより中和される。不溶性物質を低速遠心により除
去した後、未結合PSAを超遠心にかけ、マクロ分子結
合体を沈殿させ、上清中に存在する未結合PSAを除去
する事により、未結合PSAをその結合体中より分離除
去した。IVAは水溶溶剤で沈殿物を再懸濁する事によ
り回収し、滅菌濾過後、PSAの測定及びローリー(Lo
wry)によるタンパクアッセイを行ない、グリコシル化
率、GF=mgPSA/mgPROを計算した。GF及び上
記セクション2により測定されたPFを用いて、ELF
がELF=(GF×PE)=ミリグラムペプチド抗原/
ミリグラムPROとして計算される。
【化23】
【0043】B.ペプチド−PSA−PRO結合体の調
製(略図B参照) ブロモアセチル化PSA:次の3つの主要なステップよ
りなる調製法 1.最初のステップは上記ステップA−1中のシスタミ
ンを用いた反応の前段階までステップA−1と同様であ
る。しかしながらこの方法においては、PSAを二価の
求核物質、好ましくは、ジアミンそして、最も好ましく
はブタンジアミン、と反応させる。アミン誘導されたP
SA、IB、の力価はフルオレッスカミンアッセイ〔ウ
デンフリーンド(Udenfriend) 等、サイエンス(Scienc
e)、第182巻、871(1972)〕により定量され
る。IBXモルに対して過剰のブロモアセチルドーナ
ー、好ましくはp−ニトロフェニルブロモアセテート、
を加え反応性のあるブロモアセチル基を持ったXモルの
IIBを作成した。
【0044】2.チオール化ペプチド、PEP−SH、
がペプチドのアミノ酸末端がチオール保護されたAc−
Cys(Acm) ペプチドとして調製された。Ac−Cys
(Acm) 側鎖からのAcm保護基の解離時には〔アセルト
ン,イー.(Atherton, E.) 等の、ケム. ソック.パー
キントランス(Chem. Soc. Perkin Trans.) 、I、20
57(1985)〕、遊離スルフヒドリルがブロモアセ
チル化−PSAとの反応の為に現われてくる。PEP−
SHのYモルをプロモアセチル化PSA、IIB、Xモル
と反応させ、中間産生物 IIIBを得た。ここでYはXに
対して約10%から80%であり好ましくは約50%で
あり、それは別のPEP−SH種の混合物においても同
じである。この IIIBはYモルの結合体PEPとPRO
−SHと反応しうる、残存している反応性ブロモアセチ
ル基を(X−Y)モル含んでいる。
【0045】3.この部分的にブロモアセチル化及びペ
プチド化されたPSA、 IIIB、をさらにnモルのPR
O−SHと反応させ、結合体PRO mモルを含む結合
体IVBを作成した。m<(X−Y)ならば、たとえ
ば、立体障害によりPRO−SHと反応しうるブロモア
セチル化部位が利用できなくなるので、キャッピング反
応によりこれら活性部位の除去が必要である。小さな求
核性物質、好ましくはN−アセチルシステアミン(NA
C)がこれら残存活性部位を中和する為に用いられる。
上記(A)に記載されている様に、不溶性物質を低速遠
心により沈降除去した後、マクロ分子結合体を超遠心に
より未結合PSAから分離した。超遠心沈殿物を緩衝水
溶液でホモジナイズし回収したIVBを滅菌濾過した。
(A)と同様にアッセイしてパラメーターGF及びEL
Fを算出した。
【化24】
【0046】上記記載における本発明の結合体作成方法
に従がい、ペプチドとポリサッカライド、及びポリサッ
カライドとタンパクを、結合させるスペーサー −r−
及び−B−をそれぞれ作成した。PSAヒドロキシル由
来の酸素原子はスペーサーに連結するウレタンを形成
し、一方PEPあるいはPRO部分の遊離アミノ基はス
ペーサーとのアミド結合を形成する。好ましいものとし
て、あるいは本発明中において、スペーサー −r−、
及び−B−は以下より選ばれる: a) -CONH(CH2)4NHCOCH2SCH2CH(NHCOCH3)CO- 、 b) -CONH(CH2)4NHCOCH2SCH2CH2CH(NHCOCH3)CO-、及び c) -CONH(CH2)2SCH2CO- 。 これらスペーサー種のカルボニル基はペプチドあるいは
タンパク中のアミンと結合しアミド結合を形成し、また
ポリサッカライド中の酸素と結合してウレタン連結を形
成する。化学的結合体作成の方法を改良する事により、
本質的に異なる構造を有する二層間スペーサーが調製さ
れる(米国特許4,695,624)。酸加水分解によ
りペプチド(アミド)結合などの酸不安定性結合はすべ
て開裂され、またスペーサーの酸安定部分はペプチド及
びタンパク構成成分アミノ酸と伴に遊離されてくる。
【0047】C.有用性:本明細書記載の結合体は、ワ
クチンとして適切に調製する時には不活性な担体を構成
成分として含み、利用される。ここには、ワクチン製造
関係者にはよく知られているアルムへの重要な吸着ある
いは乳剤またはアジュバントの併用が含まれている。本
発明の共用結合免疫原の使用方法には次の事が含まれて
いる: (a) HIV PNDペプチドの構造的機能的相関性の特
徴を知る為の実験室的材料としての使用; (b) HIVによる感染を防御し、あるいは感染後のHI
V増殖の抑制、あるいはAIDSも含めたHIVの感染
あるいは疾患に悩む人達への治療などの為に、分離して
ヒトに投与されうるHIV中和抗体の産生を上昇させる
哺乳動物への免疫原としての使用; (c) HIVからの感染に対するヒトへの免疫として、あ
るいは感染後の治療として、あるいはAIDSも含めた
HIVの感染あるいは疾患に悩む人におけるHIV中和
免疫応答を高める為のワクチンとしての使用。
【0048】実験室的材料としてならば、結合体は抗P
NDペプチド、抗HIVあるいはHIV中和免疫応答を
誘導する為の免疫学的効果容量で哺乳動物中に投与され
れば有効である。哺乳動物は結合体の追加投与によりそ
の免疫応答が増強される。抗血清は当業者にとってよく
知られている方法に従がい、哺乳動物より採血した血液
を遠心にかけ細胞性成分と血清とに分離し、もし必要が
あればその血清中より抗体タンパクを単離する事により
得られる。その様な抗血清あるいは抗体調製物質は、哺
乳動物における抗PNDペプチド、抗HIV、あるいは
HIV中和抗体産生の上昇に対しての結合体中にあるH
IV PNDペプチドの効力を知る為に使用される。未
結合ペプチド及び抗血清に用いられるELISAアッセ
イは抗ペプチド抗体の誘導を測定するインビトロアッセ
イとして有効である。抗血清の抗HIV及びHIV中和
能力の測定に使用されるインビトロアッセイとは次の様
にして行なわれる。
【0049】まず生HIVを抗血清とインキュベーショ
ンし、次にこの抗血清処理HIVをCD4レセプター保
有細胞とインキュベーションする。そして抗血清によっ
てもたらさせる細胞防御の程度を測定する。これらのア
ッセイ及び結合体によって産生されてくる抗血清の特性
はPNDペプチドの構造的機能的相関性の研究に利用さ
れる。本結合体は先の段落に記載されている様に、哺乳
動物中の抗体応答の誘導に有効であると同時にその様な
抗体はHIV感染の予防あるいは感染後のHIV増殖の
抑制あるいはAIDSをも含めたHIV感染あるいは疾
患に悩む人達への治療という面でヒトへの受動免疫とし
て使用される。
【0050】本結合体はHIVの感染あるいは増殖の防
御の為に、あるいはAIDS及び関連症候群に罹患して
いる人達あるいはHIVウィルスに対してセロポジティ
ブである人達へ投与されるワクチンとして有効である。
また本結合体はAZTの様な他の抗HIV化合物、ある
いはより一般的な抗ウィルス剤として併用してあるいは
他のワクチン、抗菌性物質、イムノモデュレーターと併
用して投与される(第1表参照)。
【0051】ワクチン中における免疫原の調製は種々の
分子的形態を有する。抗原としての結合体IVの単独分
子種はたいてい、AIDSあるいはARCを含むHIV
疾患の予防あるいは治療のための有効的かつ安定した抗
原としては十分なものである。カクテル調製された他の
抗原も同様に有効であり、それらは例えばペプチドとポ
リサッカライドの比率(PF)、ポリサッカライドとタ
ンパクの比率(GF)、あるいはペプチドと総タンパク
の比率(ELF)などの異なった結合体の混合物より成
るものである。さらに混合物中の結合体はPNDのアミ
ノ酸配列が異なっていてもよい。
【0052】免疫学的ベクター、担体あるいはアジュバ
ントを一般的な免疫学的テストあるいは実施に従がって
免疫学的賦形剤として添加されてもよい。
【0053】本発明のワクチン調製においてアジュバン
トの添加はしてもしなくてもよい。人体用ワクチンにお
いて、アラムは代表的かつ好ましいアジュバントであ
る。特にその形態な面における揺変性、粘性及びアルミ
ニウムヒドロキサイドゲルの均一性において、例えば、
本発明の一つの具体例は賦形剤としてのアラムアジュバ
ントとの懸濁液を、及び免疫原あるいは抗原の組み合わ
せを選択し結合体のカクテルを用いて患者に予防的ワク
チン接種をする事である。本発明のワクチンは、感染前
及び/あるいは感染のいずれの時期においてもAIDS
抗ウィルス剤、イムノモデュレーター、抗菌性物質ある
いは第1表中にあるワクチンなどの効果容量を併用し
て、有効に投与されるものである〔マーケットレター
(Market Letter)、11月、30、1987、p26−
27;ジェネテックエンジニアリングニュース(Geneti
c Engineering News) 、1月、1988、第8巻、p.2
3、による〕。
【0054】 第 1 表1 A.抗ウィルス剤 薬品名 製造会社 適応症 AL−721 エチゲン ARC,PGL ベータセロン トリトン バイオ AIDS,ARC, (インター サイエンス KS フェロンベータ) キャリシン キャリントン ラブズ ARC (ポリマンノアセテート) サイトベン シンテックス CMV (ガンシクロビール) DDC ホフマン ラ ロッシュ AIDS,ARC (ジデオキシシチジン) フォスカーネット アストラAB HIV感染、 (トリソジウム CMV網膜炎 ホスホノフォルメート) HPA−23 ローン−ポーレンク サン HIV感染 テ オルニジル メレーレ ドウ PCP (エフロルニチン) ペプタイドT ペニンシュラ ラブズ AIDS (オクタペプチド配列) レチキュロース アドバンスド ヴァイラル AIDS,ARC (ヌクレオホスフォ リサーチ プロテイン) IR (ジドブジン:AZT) ブローズ ウェルカム AIDS, 進行性ARC 小児AIDS,KS
【0055】 薬品名 製造会社 適応症 無症状HIV, 軽度HIV, 神経性を含む リスァブチン アドリア ラブズ ARC (アンサマイシン LM427) (トリメトレキセート) ワーナー−ランバート PCP UA001 ウエノ ファイン ケム AIDS,ARC インダストリー ヴィラゾーレ ヴィラテック/ICN AIDS,ARC, (リバビリン) KS ウェルフェロン ブローズウェルカム KS,HIV,レトロ (アルファー ヴィールとの併用 インターフェロン) ゾヴィラックス ブローズウェルカム AIDS,ARC, (アシクロビール) レトロヴィールとの 併用 B.イムノモジュレーター 薬品名 製造会社 適応症 ABPP (ブロピリミン) アップジョン 進行性AIDS,KS アンプリゲン デュポンHEMリサーチ ARC,PGL (ミスマッチRNA) (抗ヒトアルファー アドバンスド バイオテラ AIDS,ARC, インターフェロン抗体) ピー コンセプツ KS
【0056】 薬品名 製造会社 適応症 コロニー刺激因子 サンドス ジェネティックス (GM−CSF) インスティテュート AIDS,ARC, HIV,KS CL246,738 アミリカン シナミッド AIDS (CL246,738) IMREG−1 イムレグ AIDS,ARC, PGL,KS IMREG−2 イムレグ AIDS,ARC, PGL,KS イムチオール メルユー インスティ AIDS,ARC (ジエチルジチオ テュート カルバメート) IL−2 シータス AIDS,KS (インターロイキン−2) IL−2 ホフマンラロッシュ AIDS,KS (インターロイキン−2) イムネックス イントロン−A シェーリング−プロ− KS (インターフェロン アルファ) イソプリノシン ニューポート ARC,PGL, (イノシンプラノベックス) HIVの血清陽性 ファーマキューティカルス 患者 (メチオニン TNI AIDS,ARC エンケファリン) ファーマキューティカルス MTP−PE チバ−ガイギー KS (ムラミル−トリペプチド)
【0057】 薬品名 製造会社 適応症 サイモペンチン(TP−5) オルト HIV感染 (胸腺由来化合物) ファーマキューティカルス ロフェロン (インターフェロン ホフマン ラ ロッシュ KS アルファ) (リコンビナント オルト AIDS, エリスロポエチン) レトロウィルス ファーマキューティカルス 惹起重度貧血症の 治療薬 トレキサン デュポン AIDS,ARC (ナルトレキソン) TNF ジェネンテック ARC,インターフェ (腫瘍壊死因子) ロンガンマーとの併用 C.抗生物質 ペンタム300 リンホメッド PCP (ペンタミジン イセチオネート) D.ワクチン Gag メルク AIDS,ARC
【0058】1 略語:AIDS(後天性免疫不全症候
群);ARC(AIDS関連症候群);CMV(AID
S患者に対して失明あるいは死亡をもたらす日和見感染
を起こすサイトメガロウィルス);HIV(ヒト免疫不
全ウィルス、これまではLAV、HTLV-III、あるい
はARVとして知られていた);KS(カポジ肉腫);
PCP(カリニ肺炎、日和見感染の一種);PGL(持
続性全身性リンパ節腫張)。
【0059】本発明のワクチンと併用しうるAIDS抗
ウィルス剤、イムノモジュレーター、抗生物質あるいは
ワクチンなどは、上記表中の物質に限定されるものでは
なく、しかもAIDSの治療に有効な製剤との併用もあ
る事は明白である。本発明のAIDSあるいはHIVワ
クチンにはHIV感染あるいは疾患の予防あるいは治療
の為に感染の前後に使用されるワクチンなどが含まれ、
かつ免疫原に対して特異的な免疫応答を引き起こしうる
ワクチンである。
【0060】本発明の結合体をワクチンとして使用する
場合には、その免疫学的効果容量をもって投与されるも
のである。結合体タンパクは1μgから500μg、好
ましくは50μgから300μgの容量をもって抗ペプ
チド、抗HIV、あるいはHIV中和免疫応答を誘導さ
せる為に哺乳動物へ投与される。最初の投与から約2週
間目に、ブースター投与を行ない、しかも血中抗体力価
が減少している様な場合には必ずブースターを行なう。
結合体は免疫学的効果に必要十分な容積において、その
濃度が10μg/mlから1mg/mlである容量をもって筋
肉内接種されるものであり、好ましくは50から500
μg/mlを用いる。結合体はあらかじめアルミニウムヒ
ドロキサイドゲルあるいはリビ(Ribi) アジュバント
(GB2220211A、US優先権212,919登
録29/06/1988)に吸着させておき、これを接
種前に滅菌生理食塩水で懸濁する。結合免疫原の好まし
い具体例を以下においてさらに詳細に記載し、かつ本発
明の結合免疫原作成に必要な各成分の選択及び調製法に
関しても言及してある。
【0061】A.ポリサッカライドPSAの選択と調製 ポリサッカライドキャリアの選択は重要である。なぜな
ら免疫反応は主としてポリサッカライドに結合したポリ
ペプチド決定基に対するものであることが望ましいから
である。さらに被投与者において、ポリサッカライド部
分による副作用が表われないことが必要である。PSA
自体がある種の保護効果をもたらすようなPSA部分を
選択することによる利点も期待できる。例えば、エイズ
患者はStreptococcus pneumoniaeのどの型に対しても感
染する危険が高い。この菌は一般に肺炎双球菌と呼ば
れ、亜型としてPn6A, Pn6B, Pn10A, Pn11A, Pn18C, Pn1
9A,Pn20, Pn22F, Pn23Fがある。したがってPnPs6B, PnP
s23F のような莢膜多糖(PnPs)や、他のこのような病
原性微生物の莢膜多糖を用いると、HIVに対する免疫
を誘導するのみでなく致死的な二次細菌感染から保護す
ることができる可能性がある。しかしながら、ポリサッ
カライドの上に構築された付加ペプチドのために多糖の
抗原がある程度マスクされることが予想される。Haemop
hilus influenzae bの莢膜多糖から得られたポリリボシ
ル−リビトールホスフェート(PRP)及びPn6Bを含む
肺炎双球菌の莢膜多糖のあるものは本発明の複合体を作
成するのに適していることが証明された。
【0062】ポリサッカライドの選択に際してさらに考
慮しなければならないのは、ペプチド部分によって複合
体に付加された余分な電荷を中和することである。HI
Vペプチドの場合、アルギニン残基が多いために複合体
あたり数個の正電荷が付与されることになる。よって、
ポリサッカライドに期待されるのは陽電荷ペプチドを中
和することであろう。この点においても、陰イオン性の
リン酸基の繰り返しモチーフを有するPRP、またPn6B
のような肺炎双球菌の莢膜多糖のあるものは適している
ことが証明された。
【0063】PRPおよび肺炎双球菌の莢膜多糖は、Ha
emophilus influenzae b型、あるいはStreptococcus
pneumoniaeのサブクラスのあるものを培養して、殺菌し
た培養液から当分野に知られた方法により多糖を単離す
ることによって得ることができ、ついでこれをすべて述
べたようにまた以下の実施例にしたがって複合体に調製
する。
【0064】B.免疫原性蛋白質PROの選択と調製 蛋白部分は免疫のエンハンサーとして働くべきである。
蛋白を選択するにあたっては、被投与者の非特異的免疫
反応の活性化(reactogenicity) を起こさないものが望
ましい。米国特許第4,659,624号において、Ma
rburg らはNeisseria meingitidis の外膜蛋白複合体
(OMPC)を用いてポリサッカライド−蛋白質複合体
を作成した。OMPCは本発明においても適しているこ
とが証明された。他の免疫原性蛋白質を用いることも可
能である。
【0065】グラム陰性菌からOMPCを精製する方法
はいろいろ工夫されている。Fraschら、J. Exp. Med.1
40巻、87頁(1974)、同147巻、629頁
(1978)、Zollinger ら、米国特許第4,707,
543号(1987)、Helting ら、Acta Path. Micro
biol. Scand. Sect. C. 89巻69頁(1981)、He
lting ら、米国特許第4,271,147号参照。本発
明で用いたOMPCは基本的にはHelting の方法によっ
て調製した。さらに、主要外膜蛋白質であるNeisseria
meningitidisのクラス2蛋白(Murakamiら、Infection
and Immunity, 57巻、2318頁(1989))のよ
うなOMPCのサブユニットはHIV PNDペプチド
に対するほ乳類の免疫反応を誘導するのに必要な免疫活
性促進をもたらした。これらのサブユニットは単離した
OMPCをかい離させても得られるし、組換えによって
必要なOMPC免疫原性部分を発現させて生産すること
もできる。OMPCサブユニットの調製と使用方法は併
願の米国特許出願番号555,329、555,97
8、及び555204に開示してある。
【0066】C.PNDペプチド 1.PNDペプチドの定義 当分野で良く知られたPNDペプチドおよび本発明に開
示するが併願(米国特許出願番号555,112および
555,227において特許を請求している新規PND
ペプチドはともに、ほ乳類においてHIV中和免疫反応
(HIV中和抗体の産生を含む)を誘導できるペプチド
配列と定義される。
【0067】本発明に置いて克服された主要な点は、H
IVの単離株間の配列の変動である。上に定義したPN
Dペプチドはgp120の三番目の超可変流域に存在
し、多くの単離株においてある種のアミノ酸は決まった
位置に存在することが見出されているが、厳密に保存さ
れた一次配列のモチーフは存在しない。本発明において
は広範囲の保護を得るのに必要な多くの異なる単離株の
PND配列のカクテルを複合体にすることができるの
で、この難点を乗り越えることができる。あるいは、保
護範囲の広い複合体のカクテルは、単一あるいは数種の
HIV単離株に対し保護効果のあるペプチド部分を有す
る複合体を別々に作成してから混合することによっても
作成することができる。
【0068】gp120のアミノ酸296から341の
間またはその近傍に存在するアミノ酸が、PNDを定義
する基準に合うことが示された。HIVの単離株 IIIB
において、41アミノ酸配列は以下のように報告されて
いる(「略号と定義」の3文字暗号とアミノ酸名を参
照)。INCTRPNNNTRKSIRIQRGPGR
AFVTIGKIGNMRQAHCNIS。−GPG−
三量体−はPNDループの先端で露出している。山羊や
モルモットの免疫系に対し、keyhole-limpetへモシアニ
ンと複合化して投与した場合、異なる単離株のgp12
0のこれと同一部位は単離株特異的中和抗体を誘導す
る。上に示した41量体配列中の主要中和エピトープ
は、GPGトリマーを囲む8アミノ酸からなる(Javahe
rianら、PNAS USA86巻、6768頁(1989))。
下記の表IIに、本発明の複合体に用いられる異なる長
さ、組成の線形ポリペプチドを多数示す。表にしたペプ
チド配列を有するペプチドを含む単離株の名は、参照し
易くするためにそのペプチドに付けた名称とともに記し
てある。各ペプチドの左側のrの文字はそのペプチドが
PSAにその位置で連結する可能性を示している。さら
に、ノルロイシンやオルニチンのようなマーカーアミノ
酸はr−の一部をなすことができる。
【化25】
【0069】このリストは可能性のあるPND配列を網
羅したものではなく、むしろ有用なPND一次配列を示
唆し、説明するものである。したがってここに記載され
たように複合体として本発明の免疫原を形成するペプチ
ドは、表にあげられたどのペプチドでもよいし、これら
の配列が示唆するところの免疫学的に等価な変異体でも
よい。変異体の性質については次に考察する。
【0070】このHIV PNDの一次配列は、保存さ
れたコアアミノ酸配列を有するように見える。そのコア
アミノ酸配列はGly−Pro−Gly−Arg(−G
PGR−)からなる四量体配列からなり、その両側はH
IV単離株の間で違いが大きい。単離株のいくつかは、
このテトラマーの中も異なっており、−GPGK−、G
PGQ−、−GLGQ−あどのコア配列を有する。これ
らすべての可能性のある配列は本開示の範囲内にあり、
本発明による複合体形成に役立つペプチド配列とするも
のである。
【0071】ペプチドの長さは交叉反応性の免疫反応を
促進するにあたって重要な因子である。すなわち、所定
のペプチド性エピトープに対して惹起された免疫反応
は、決定的中和エピトープのほかに同一あるいは異なる
HIV単離株の類似のエピトープをエピトープ中のアミ
ノ酸の数に基づいて認識する。さらに、ペプチドの長さ
によって、HIV中和反応の原因となる決定基が免疫シ
ステムに曝される確率が決まる。
【0072】エピトープ提示の確率を最大にするため
に、PNDペプチドを所定の三次元構造に固定する化学
的手法が開発された。上記のHIV III Bの41量体
アミノ酸PNDは、システイン−システイン間のジスル
フィド結合により、1つのルプ構造をとることが知られ
ている。このジスルフィド結合は脆弱なため、ループが
開いてペプチドが線状構造で存在する可能性がある。し
たがって、線状ペプチドに加えて新規なジスルフィド結
合環状ペプチドあるいは新規な強固な環状構造を有する
HIV PNDペプチドをここに開示し、別の遊離のペ
プチドとして米国特許出願第552,112および55
5,227中に開示するが、これらペプチドはすべて本
発明の複合体形成においてPEP部分として利用でき
る。
【0073】これらの複合体形成に用いられるペプチド
は天然の蛋白質(たとえばgp120)の断片として、
あるいはその部分の組換え発現により、またはこの分野
で知られた化学合成の手法を用いて得ることができる。
さらに新規な環状PNDはここに記載する方法により合
成することができる。配列には天然のL−アミノ酸でも
天然にない、すなわちD−アミノ酸でも含むことができ
る。さらに複合化の化学的手法は柔軟性があるので、ペ
プチド誘導化試薬を適切に選択すれば複合化は成功す
る。
【0074】合成ペプチドは、液中や固相保持体上での
様々な手法により調製されている。基礎的な原理と技術
をカバーする優れたテキストは、「ペプチド合成の原
理」(Bodanzky, M., Springer-Verlag (198
4))、「固相ペプチド合成」(Stwert J. M., Young,
J. D., Pierce Chemical Company (1984第2
版)、「ペプチド」(Gross, E, Meienhofer, J., Acad
emic Press(1979)であるが、ここにのべるプロセ
スはこれらテキストの記載に限定されるものではない。
【0075】合成環状ペプチドは2相にわけて合成され
る。まず線状ペプチドを合成するには、Milligen905
0ペプチドシンセサイザーあるいはABI431Aペプ
チドシンセサイザーを用い、9−フルオレニルメチルオ
キシ−カルボニル(Fmoc) 化学と既知の試薬である側鎖
が保護されたFmoc−アミノ酸ペンタフルオロフェニルエ
ステルを用いるか、または誘導化Wang樹脂とFmoc化学手
法および試薬としてその場で調製された側鎖が保護され
たFmocアミノ酸対称無水物を用いた。
【0076】つぎに線状ペプチドは液中あるいはまだ固
相に保持された状態で、環状化される。環状化は当分野
で既知の方法で行なうことができるが、その方法として
はたとえば a)ループを形成する予定の線状ペプチド配列の両端に
システィン残基を組み込み、既知の酸化条件下ジスルフ
ィド結合を起こさせる。 b)a)と同様にシステイン残基を組み込んだペプチド
を調製するが、システインを遊離のスルフヒドリル基と
して保持し(あるいは脱保護されて遊離スルフヒドリル
基となるAcmで保護されたチオールとして保持)、こ
のペプチドをo−キシレンジブロミドあるいは同様な試
薬(たとえばジイオジド、ジクロリド、ジハロゲン化さ
れたC2-4 の直鎖あるいは分岐低級アルキル)で処理す
る。このような試薬はシステインのイオウ原子と反応し
て環状構造を形成するがその構造中ではベンゼ または
アルキルに結合した2つの強固なチオエーテル結合が存
在する。 c)環状ペプチドの一端のアミノ酸と他の端のアミノ酸
のカルボキシル基とをDPPA、BOPなどのペプチド
結合形成を仲介する試薬によりアミド結合させる。これ
ら戦略のいずれも以下に詳しくとりあげるが、まずこれ
らの方法で調製した環状ペプチドの一般的な説明をす
る。
【0077】本複合体の発明を以下のペプチドまたはそ
の製造方法に限定することなく、適当な保護基を外した
後に本発明にしたがって連結できるPNDペプチドは、
PEP構造で表わされるものを包含し、上記の表IIの線
状ペプチドを含む。
【化26】 式中rはPEPとPSAの間の連結部位であって、R1
がマーカーアミノ酸でない場合はマーカーアミノ酸1個
を意味することができる。 R1 は a)結合、または b)1から5個のアミノ酸からなるペプチドであって、
アミノ酸分析スペクトル中20個の天然アミノ酸とは離
れた場所に移動するマーカーアミノ酸を一個含むことが
できる。このマーカーアミノ酸としてはノルロイシン、
γ−アミノ酪酸、βアラニン、あるいはオルニチンが好
ましい: R2 は、 a)R3 が少なくとも2個以上のアミノ酸からなるペプ
チドである場合、単結合あるいは17個までのアミノ酸
からなるペプチド、または b)R3 が単結合である場合は、2ないし17個のアミ
ノ酸からなるペプチド: R3 は a)R2 が少なくとも2個以上のアミノ酸からなるペプ
チドである場合、単結合あるいは17個までのアミノ酸
からなるペプチド、または b)R2 が単結合である場合は、2ないし17個のアミ
ノ酸からなるペプチド: −GPGR−は四量体−GLyProGlYArg−: R4 は、 a)R7 がR8 である場合、R7 がメチン炭素に結合し
た−NH−CH−CO−である、または b)R7
【化27】 の場合、R3 からR7 およびR5 への単結合である: R5 は a)マーカーアミノ酸をふくむことができる1個ないし
5個のアミノ酸からなるペプチド、 b)−OH、 c)−COOH、 d)−CONH2 、 e)−NH2 、または f)存在しない、 である: R6 は a)R7 に対する任意の結合(.......)が存在
しない場合、通常のL−またはD−アミノ酸の側鎖から
選択されるアミノ酸側鎖、 b)R7 がR8 の場合、−R8 −S−S−または−R8
−S−R8 −R9 −R8 −S−、 c)R7
【化28】 場合、−R8 −NH−である。 R7 は a)−R8
【化29】 8 は単結合あるいは1ないし8個の炭素の低級アルキ
ルである。 R9 は a)R10、あるいは b)キシレンである。 R10は a)1ないし8個の炭素の低級アルキルである、または b)−CH2 −O−CH2 −である: ここで基は互いに独立であり、ペプチドがアミノ酸の末
端アミノ基を保護して合成された場合、アミンの保護基
であるベンジルオキシカルボニル(Z)あるいはスルフ
ヒドリル基の保護基であるアセトアミドメチル(Ac
m)のような末端アミノ保護基は当分野で知られた方法
およびここに例示された方法にしたがって除去すること
ができる。脱保護されて露出した基は、リンカーrを介
して陰イオン性多糖PSAとの連結結合形成に用いるこ
とができる。
【0078】以降、PNDペプチドのコアを形成し、環
状ペプチドでループを形成することになるアミノ酸配
列、−R2 −GPGR−R3 −、のことをループアミノ
酸という。しかしR6 とT7 の間の任意結合が存在しな
い場合、構造PEPは線状で、表IIの全線状ペプチドを
さす。
【0079】ペプチドが環状であれ線状であれ、PEP
のR2 およびR3 を意味するアミノ酸配列は、表II中の
−GPGR−コア四量体を囲む配列を含めてどのアミノ
酸の組み合わせでもよい。したがって−R2 −GPGR
−R3 −であらわされるコアアミノ酸はさらに進んで下
記のコアアミノ酸構造を有するものと定義することがで
きる。 −Xn 1 2 −GPGR−X3 4 m − 式中−GPGR−は四量体 −GlyProGlyAr
g−である X1 はR2 の構成体で下記から選ばれる: a)セリン b)プロリン c)アルギニン d)ヒスチジン e)グルタミン f)スレオニン X2 はR2 の構成要素で下記から選ばれる: a)イソロイシン b)アルギニン c)バリン d)メチオニン Xn はR2 の構成要素であって単結合あるいは15アミ
ノ酸までのペプチドである。X3 はR3 の構成要素であ
って下記から選ばれる: a)アラニン b)アルギニン c)バリン X4 はR3 の構成要素であって下記から選ばれる: a)フェニルアラニン b)イソロイシン c)バリン d)ロイシン Xm はR3 の構成要素であって、単結合あるいは15ア
ミノ酸までのペプチドである。
【0080】本発明の好適な実施態様としては、たとえ
ばHIVのMN単離株のPNDのようにX2 はイソロイ
シンである。またペプチドのループ中に全部で12−3
0アミノ酸が含まれることが好ましい実施態様である。
【0081】環状ペプチドとは不安定なジスルフィド結
合による構造であるか、あるいは安定な結合あるいは構
造を介して形成される環である。安定な結合とは不安定
なジスルフィド結合以外の共有結合を指す。このような
安定な結合の例はアミドおよびチオエーテル結合であ
る。これらの共有結合はキシレンや低級アルキルのよう
な架橋構造、またはアミノ酸ペプチド結合架橋を介す
る。架橋構造を変えるおよび/またはペプチドに含まれ
るアミノ酸の数や種類を変えることにより免疫システム
に提示されるエピトープを微妙に調節し、環のループ構
造の立体構造を最適にすることができる。たとえば架橋
構造としてo−キシレンを用いるとたとえば炭素数8の
直鎖低級アルキルを架橋に用いた場合よりループの構造
がタイトになる。したがって本発明の複合体は、PND
エピトープが抗ペプチド、抗HIV、HIV中和、抗エ
イズ免疫反応をほ乳類中に起こさせるにあたっての構造
と機能との関係を分析するのに有用であるとともに、抗
エイズワクチン製剤の成分としても有用である。
【0082】得られた合成ペプチドはFAB−MS、逆
相HPLC、アミノ酸分析あるいは核磁気共鳴(NM
R)によって同定される。
【0083】2.環状PNDペプチド製造のプロセス a.ジスルフィド結合したシステイン基を介した環状ペ
プチド ループアミノ酸配列の両側にシステイン残基を有するペ
プチドは酸化的条件下で、ジスルフィド結合により環状
とする。ジスルフィド結合をさせる方法は当分野で良く
知られている。本発明におけるジスルフィド結合化の1
例は、cPND4を製造する実施例5に示してある。こ
の例においては、システインのAcm誘導体を用いでジ
スルフィド化したcPNDをつくるプロセスが示してあ
るが、他の方法も同様に用いることができる。たとえば
実施例43においては、cPND33を調製するために
2個の遊離のスルフヒドリル基を有する線状のペプチド
をトリフルオロ酢酸中に高度に希釈し、1−50時間以
上、約10−40℃においてジスルフィド結合を形成さ
せる。
【0084】よって、本発明の好適な実施態様としては
ペプチドは以下の構造
【化30】 あるいは、その医薬的に許容される塩である;式中 rはa)水素 b)
【化31】 式中Wは好ましくは−(CH2)2−、−(CH2)3−、あるいは
6 であって、R6
【化32】 式中R7 は低級アルキル、低級アルコキシあるいはハロ
である: R1 は a)単結合、または b)マーカーアミノ酸1個を含んでいても良い1ないし
5のアミノ酸からなるペプチド: R2 は3ないし10アミノ酸からなるペプチドである: R3 は3ないし10アミノ酸からなるペプチドである: R5 は a)−OH、 b)マーカーアミノ酸をふくむことができる1個ないし
5個のアミノ酸からなるペプチド、または c)−NH2 である: R8 は炭素数1から8の間の低級アルキルである:
【0085】低級アルキルとは特に断わらない限り、直
鎖あるいは分岐アルキルで炭素数1から8のものであ
る。以降、PNDペプチドのコアを形成し、環状ペプチ
ドでループを形成することになるアミノ酸配列、−R2
−GPGR−R3 −、のことをループアミノ酸という。
本発明の1実施態様に置いて、以下の構造を有する環状
ペプチド
【化33】 は、以下の構造
【化34】 を有する線状ペプチドを環化することにより調製され
る。式中X1 はR2 の構成体で下記から選ばれる: a)セリン b)プロリン c)アルギニン d)ヒスチジン e)グルタミン(これが好ましい) f)スレオニン X2 はR2 の構成要素で下記から選ばれる: a)イソロイシン(これがもっとも好ましい) b)アルギニン(好ましい) c)バリン d)メチオニン Xn はR2 の構成要素であって1つのアミノ酸あるいは
8アミノ酸までのペプチドである:X3 はR3 の構成要
素であって下記から選ばれる: a)アラニン、 b)アルギニン c)バリン X4 はR3 の構成要素であって下記から選ばれる: a)フェニルアラニン b)イソロイシン c)バリン d)ロイシン Xm はR3 の構成要素であって、1つのアミノ酸あるい
は8アミノ酸までのペプチドである。
【0086】合成環状ペプチドは2相にわけて合成され
る。まず線状ペプチドを合成するには、Milligen905
0ペプチドシンセサイザーあるいはABI431Aペプ
チドシンセサイザーを用い、9−スルオレニルメチルオ
キシ−カルボニル(Fmoc) 化学的手法と既知の試薬であ
る側鎖が保護されたFmoc−アミノ酸ペンタフルオロフェ
ニルエステルを用いるか、または誘導化Wang樹脂とFmoc
法および試薬としてその場合で調製された側鎖が保護さ
れたFmocアミノ酸対称無水物を用いた。
【0087】つぎに線状ペプチドは液中あるいはまだ固
相に保持された状態で、ループを形成する予定の線状ペ
プチド配列の両端にシステイン残基を組み込み、既知の
酸化条件下ジスルフィド結合を起こさせて環状化され
る。好適な実施態様としてはペプチドを(a)H2O2
(b)空気中の酸素、(c)約0.1−0.5%TFA
を含むCH3CN 水溶液、(d)約0.1Mフェリシアニン
のいずれかにさらして環化する。好ましい方法は空気中
の酸素にさらすことである。
【0088】得られた合成ペプチドはFAB−MS、逆
相HPLC、アミノ酸分析あるいは核磁気共鳴(NM
R)によって同定される。本発明において有用なペプチ
ドはさらに以下の(i)、(ii)に記載するようにして
調製することができる。
【0089】i.固相状態でのペプチド環化 システインあるいはその他の遊離のスルフヒドリル基を
側鎖に持つアミノ酸であるC1 とC2 をループアミノ酸
の両端に有するペプチドを当分野で知られた方法により
調製する(上述)。環状PNDにおいて、スルフヒドリ
ル基を有する側鎖(−R8 −SH)は環化して−R8
−基となる。反応性のある側鎖(R基)を有するアミノ
酸を組み込む場合は適切にR基が保護された形で用い
る。例えば、ヒスチジンはトリフェニルメチル(Trt)、
あるいはBocで保護し、アルギニンは4−メトキシメ
チル−2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル(Mt
r)で保護する。
【0090】好ましくは、Acmで保護されたC2 がす
でに結合している樹脂、たとえばFmoc-L-Cys(Amc)-O-Wa
ng樹脂を購入する。ループアミノ酸のアミノ末端に組み
込まれたシステイン残基(C1 )もまたAcm誘導体で
ある。C1 とC2 のどちらも付加的なアミノ酸であるR
1 とR5 にそれぞれ結合できる。このR1 、R5 はキャ
リア分子と複合体を形成するのに利用され、あるいはノ
ルロイシンやオルニチンが用いられた場合はアミノ酸分
析用のマーカーとして働く。
【0091】アセトアミドメチル化システインのSは、
室温約15時間、樹脂と親和性のある溶媒、たとえば1
−50%の有機酸濃度(好適には10%酢酸を含む無水
ジメチルホルムアミド(DMF))中、各Acm基にた
いし約4倍の過剰モル重金属塩(たとえば酢酸水銀(Hg
(OAc)2) と反応させる。生じた重金属チオエーテル(た
とえばペプチドの酢酸水銀チオエーテル、PEP(S-Ag
OAc)は、洗浄し、乾燥する。過剰のDMF中硫化水素を
加えると、不溶性の金属硫化物(たとえば水銀硫化物 H
gS) と遊離のスルフヒドリル基を有するペプチドが得ら
れる。遊離のスルフヒドリル基はついで上記の方法の1
つによって酸化される。別法としてはAcmで保護され
たチオールは、メタノール/DMF溶液中でヨウ素で処
理することにより直接環状ジスルフィドに変換すること
もできる。
【0092】ii. 基本的には上述の固相環化法と同様で
あるが2点の主要な違いがある。ペプチドがpepsyn KA
樹脂から95%TFA/4%エタンジチオール/1%チ
オアニソールで切り出されると、酸に不安定な側鎖保護
基も同時にはずれ、Cys(Trt)基は遊離の−SH
官能基を与える。しかしCys(Acm)保護が用いら
れる場合、別に線状ペプチドを樹脂についたままあるい
は外した状態で酢酸水銀/硫化水素を開裂して遊離の−
SH基にする必要がある。
【0093】1つの方法はCys(Acm)保護基とSa
srinまたはPepsyn KH を用い、完全に保護されたペプチ
ドを1%TFA/CH2Cl2で樹脂から開裂する方法を用い
るものである。酢酸水銀/硫化水素でCys(Acm)
を遊離の−SH基に変換し、環化は別に保護したペプチ
ドにおいて行なう。この時点でペプチドはその場で選択
的にN−末端がマレイミド化されることができる。酸に
不安定な側鎖保護基を98%TFA/2%チオアニソー
ルで開裂し、環状ペプチドをHPLCで単離する。しか
し好ましい方法はペプチドを樹脂から切り出し、上述の
方法の1つで環化をおこさせるものである。もっとも好
ましい方法は約1−50時間の間、10から40℃のあ
いだで空気酸化させることである。
【0094】本発明において特に好ましい実施態様は、
構造(SEQ ID:1:)を有するペプチド(cPN
D)である。
【化35】 を、アミノ末端ノルロイシンか内部のリシンの1つを介
してOMPCに連結し、構造の1つあるいは混合物を作
る。
【化36】 式中−r−および−B−は下記から選ばれる
【化37】 PSAはPRPまたはPnPs6Bのどちらかである。
PFはPRPまたはPNPs6B1mgあたりのペプチド
の質量比で、0.01と1mgのあいだにある。GFはO
MPC1mgあたりのPRPまたはPNPs6Bの質量比
で、0.01と0.33mgのあいだにある。
【0095】b.o−キシレンまたは低級アルキルにチ
オエーテル連結を介した環状ペプチド i.固相状態でのペプチド環化 システインあるいはその他の遊離のスルフヒドリル基を
側鎖に持つアミノ酸であるC1 とC2 をループアミノ酸
の両端に有するペプチドを当分野で知られた方法により
調製する(上述)。環状PNDにおいて、スルフヒドリ
ル基を有する側鎖(−R8 −SH)は環化して−R8
−基となる。反応性のある側鎖(R基)を有するアミノ
酸を組み込む場合は適切にR基が保護された形で用い
る。例えば、ヒスチジンはトリフェニルメチル(Trt)、
アルギニンは4−メトキシメチル−2,3,6−トリメ
チルフェニルスルホニル(Mtr)で保護する。(「ペプチ
ド合成の原理」(Bodanzky, M., Springer-Verlag(19
84))、「固相ペプチド合成」(Stwert J. M., Youn
g, J. D., Pierce Chemical Company(1984第2
版)、「ペプチド」(Gross, E, Meienhofer, J., Acad
emic Press(1979))
【0096】好ましくは、Acmで保護されたC2 がす
でに結合している樹脂、たとえばFmoc-L-Cys(Amc)-O-Wa
ng樹脂を購入する。ループアミノ酸のアミノ末端に組み
込まれたシステイン残基(C1 )もまたAcm誘導体で
ある。C1 とC2 のどちらも付加的なアミノ酸であるR
1 とR5 にそれぞれ結合できる。このR1 、R5 はキャ
リア分子と複合体を形成するのに利用され、あるいはノ
ルロイシンやオルニチンが用いられた場合はアミノ酸分
析用のマーカーとして働く。
【0097】アセトアミドメチル化システインのSは、
室温約15時間、樹脂と親和性のある溶媒、たとえば1
−50%の有機酸濃度(好適には10%酢酸を含む無水
ジメチルホルムアミド(DMF))中、各Acm基にた
いし約4倍の過剰モル重金属塩(たとえば酢酸水銀(Hg
(OAc)2) と反応させる。生じた重金属チオエーテル(た
とえばペプチドの酢酸水銀チオエーテル、PEP(S-Ag
OAc))は、洗浄し、乾燥する。過剰のDMF中硫化水素
を加えると、不溶性の金属硫化物(たとえば水銀硫化物
HgS) と遊離のスルフヒドリル基を有するペプチドが得
られる。
【0098】ペプチドと等モルのo−キシレンジブロミ
ドまたはジクロリド、あるいは所望の架橋長さをあたえ
るジブロム化またはジクロル化低級アルキルまたは類似
の試薬(たとえばジハロゲン化−CH2 −O−CH
2 −)の混合物を誘導体化した樹脂に加える。大過剰の
四級アミン、好ましくはDMF中のトリエチルアミン
(NEt3) を徐々に加える。ビススルフヒドリルペプチド
部分との反応を室温で約16時間進行させて、樹脂に結
合した状態の、架橋基で誘導体化された環状ペプチドを
得る。酸に不安定な側鎖の保護基の脱離と、樹脂からの
切り出しは、4%1,2−エタンジオールと1%チオア
ニソールの存在下で95%トリフルオロ酢酸で処理する
ことにより行なう。溶解した環状ペプチドはついで濾過
して樹脂と分離する。濾液は溶媒を留去して粗製残渣を
HPLCで精製する。HPLCは当分野に知られた方
法、たとえば逆相HPLCによって行なう。
【0099】ii. 溶液中でのペプチドの環化 基本的には上述の固相環化法と同様であるが2点の主要
な違いがある。ペプチドがpepsyn KA 樹脂から95%T
FA/4%エタンジチオール/1%チオアニソールで切
り出されると、必要な遊離の−SH官能基を与えるCy
s(Trt)基を含め酸に不安定な側鎖保護基も同時に
はずれる。しかしCys(Acm)保護が用いられる場
合、別に線状ペプチドを樹脂についたままあるいは外し
た状態で酢酸水銀/硫化水素を開裂して遊離の−SH基
にする必要がある。
【0100】しかしながら好ましい1つの方法はCys
(Acm)保護基とSasrinまたはPepsyn KH を用い、完
全に保護されたペプチドを1%TFA/CH2Cl2で樹脂か
ら開裂する方法を用いるものである。酢酸水銀/硫化水
素でCys(Acm)を遊離の−SH基に変換し、環化
は別に保護したペプチドにおいて行なう。この時点でペ
プチドはその場で選択的にN−末端がマレイミド化され
ることができる。酸に不安定な側鎖保護基を98%TF
A/2%チオアニソールで開裂し、環状ペプチドをHP
LCで単離する。未反応のキシレンジブロミドのような
過剰の試薬を保護基の脱離に先立って除去するには、ま
ず1段階濃度勾配逆相HPLCを行なってからより選択
的な濃度勾配溶出を行なうのが便利である。
【0101】このサブセクションの方法により調製され
た環状HIV PNDペプチドは以下に示すサンプルc
PNDを包含するがこれに限定されるものではない。こ
のサブセクションの方法は一般に小さいペプチドに適用
でき、、特に5個から30個までのアミノ酸からなるペ
プチドに適用できる。最適な環のサイズは−GPG−三
量体を含む5から10個のあいだにアミノ酸を含むもの
である。この環のサイズは適切なアミノ酸の数と組み合
わせを有する線状ペプチドから環を作成することにより
容易に保つことができる。このサブセクションb.
(i)と(ii) に記載されたプロセスで得られた代表的
なペプチドを以下に示す。複合体発明はこれらの特定の
実施態様であるHIV環状PNDペプチドに限定される
ものではない。他の線状HIV PNDペプチド配列も
これらのペプチドを作成したのと基本的に同一のやり方
で環状にすることができる。互いに異なった一次配列を
有するペプチドを作成することができ、それらは抗ペプ
チド、抗HIVあるいはHIV中和性免疫反応を引き出
すことができるかぎり、本発明においては有益である。
【化38】
【0102】c.アミド結合形成を経る環化 複合体形成用の新規のアミド結合した環状ペプチドは、
基本的に2相で調製される。初めに、線状ペプチドを調
製するが、これにはたとえばABI−431Aペプチド
シンセサイザーを用い、既知の固相ペプチド合成化学手
法、たとえばFmoc法と適切に側鎖が保護されたFmoc
−アミノ酸を試薬に用いる。
【0103】次ぎに、線状ペプチドを樹脂から切り出
し、溶液中で環化を行なうが、これはアミノ末端のイソ
グルタミンの遊離のアミノ基、あるいはループアミノ酸
の片端のリジンのε−あるいはα−アミノ基をループア
ミノ酸のカルボキシ末端の遊離のカルボキシル基とを、
DPPA、BOPなどのペプチド結合形成を行なわせる
試薬によりアミド結合させることにより行なう。本サブ
セクションに従って合成されたペプチドは以下の実施例
6−26に示してある。得られた合成ペプチドはFAB
−MS、逆相HPLC、アミノ酸分析あるいは核磁気共
鳴(NMR)によって同定される。
【0104】したがって、ペプチド−ポリサッカライド
−蛋白質複合体の非常に好ましい実施態様は、基本的に
PRPあるいはPnPs6Bであるスペーサーを介して
OMPCとHIV PNDペプチドが共有結合している
ものである。PNDが優勢な単離株、たとえばHIV I
IIBあるいはHIV MN単離株から得られたもなの
で、1種類の複合体のワクチンあるいはこれらの複合体
の混合ワクチンは、エイズやARCの予防や治療に非常
に有益である。このような好ましい実施態様は以下の構
造を有する。
【化39】 〔式中−r−および−B−は下記から選ばれる:
【化40】 PSAはPRPまたはPnPs6Bのどちらかである:
PFはPRPまたはPNPs6B1mgあたりのペプチド
の質量比で、0.01と1mgのあいだにある:GFはO
MPC1mgあたりのPRPまたはPNPs6Bの重量比
で、0.01と0.33mgのあいだにある。〕以下の実
施例は本発明の複合体(コンジュゲート)の製造方法及
び使用方法をより特定的に説明するためのものである。
しかしながら、それらの実施例は本発明の範囲を限定す
るものと解釈されてはならない。
【0105】A.ペプチド製造の実施例 実施例1 cPND1を形成するための溶液環化 無水DMF(20ml)を脱気し、HPLCにより単離さ
れた直線形11−merH−NleCHIGPGRAFC−
OH(20mg、17μモル)を溶解し、窒素雰囲気下で
密閉した。無水DMF(50μl)中o−キシリレンジ
ブロミド(4.7mg、17.9μモル)の溶液を加え
た。次にDMF中NEt3(11.9μl、85.2μモ
ル)を約6.5時間にわたって加えた。塩基の添加終了
後約1時間で、溶液を乾燥させた。残渣をエーテルに再
懸濁し、遠心して不溶生成物を回転沈降させ、次いで再
乾燥させた。迅速な原子衝撃質量分析(FAB−MS)
により分析されたアリコートは、1275の主イオン
[M+H]+ を産出した。2.0ml/分で、0.1%T
FA/24% CH3CNを用いるヴィダック(Vydac)C18
カラム(0.46×25.0cm)上でのイソクラティッ
ク(Isocratic)逆相HPLC(215nmでモニター)
は、保持時間約18.5分を有するシャープな生成物ピ
ークを示した。製造的スケールでの単離が、24〜29
% CH3CNから10ml/分で135分にわたって行われ、
これら条件下で、保持時間76.41分を有する生成物
が集められ、分析的条件下で再びクロマトグラフィーに
かけ、その同一性を確認した。アミノ酸分析及び400
MHz NMR分析は、構造cPND1と一致した。
【化41】
【0106】実施例2 cPND2を形成するための溶液環化 直線形10−mer H−Nle−CIGPGRAFC−OH
(20mg、19.3μモル)を使用すること以外、実施
例1の方法が実施された。塩基の添加後、溶液を窒素下
さらに9時間保持した。FAB−MSにより、[M+
H]+ =1138及び[M+Na]+ =1160を産出
し、これは、cPND2についての構造と一致した。ヴ
ィダックC18カラム(2.12×25cm)を2つ用い
る製造的HPLCを、10ml/分で、24%〜28% C
H3CN/0.1%TFAから90分にわたって行った。溶
出液を215nmでモニターし、63.42′及び70.
82′の保持時間での2つの生成物ピークを集め、乾燥
させ、FAB−MSにかけた。いずれの材料も1138
の[M+H]+ を有し(後者のピークもまた1160の
[M+Na]+ を有した。)、これは、構造cPND2と
一致した。
【化42】
【0107】実施例3 cPND3を形成するための溶液環化 直線形15−mer H−Nle−CRIQRGPGRAFV
TC−OH(21.2mg、11.92μモル)を使用
し、NEt3を約10時間にわたって加えること以外、実
施例1及び2におけると同様の方法が行われた。分析的
HPLCによる分析前に、塩基へさらに5時間さらし
た。粗生成物のFAB−MSは、1779の単一強度の
[M+H]+ を示し、これは、cPND3の構造と一致
した。
【化43】
【0108】実施例4 cPND1を形成するための固相環化 直線形PNDペプチドを、Fmoc-L-Cys(Acm)-O-ワング
(Wang) 樹脂(0.61ミリ当量/g)から出発して、
ABI−431Aペプチド合成機において、ワング樹脂
上に製造した。Fmoc化学及びFmoc−アミノ酸対称無水物
(4×過剰、その場で製造)を、0.25ミリモルのス
ケールで試薬として用い、ペプチド745mgを生じた。
【化44】
【0109】Hg(OAC)2(64mg、0.2ミリモル)をD
MF(0.5ml)中10%酢酸に溶解し、上記の乾燥樹
脂(149mg、0.05ミリ当量)へ加えた。DMF
(0.2ml)中10%酢酸をさらに膨張した樹脂に加
え、溶液を一晩攪拌した。その後、樹脂をロ過し、DM
F(5×1ml)、CH2Cl2(3×1ml)及びエーテル(3
×2ml)で洗浄した。続いて、樹脂を乾燥させ、1ml H
2S飽和DMFを加え、次に同一の第2のアリコートを加
えた。次に、樹脂をロ過し、上記のごとく洗浄し、乾燥
させて、黒色樹脂性粉(179mg)を得た。DMF(2
ml)中o−キシリレンジブロミド(3.2mg)及びNE
t3(3.4μl)の混合物を室温で樹脂(35mg)に加
え、16時間反応させた。樹脂をロ過し、上記のごとく
洗浄し、乾燥させた。Fmocを、室温で20分にわたって
DMF(1ml)中20%ピペリジンで処理することによ
り除去した。樹脂を上記のごとく再び洗浄し、乾燥させ
た。
【0110】cPND1ペプチドを樹脂から開裂させ、
Trt及びMtr保護基を、室温で6時間にわたって95%
TFA/4%エタンジチオール/1%チオアニソール
(1ml)で処理することによって同時に除去した。溶液
をロ過し、樹脂を別の100%TFA(3×1ml)で洗
浄し、合体させたロ液を20℃/0.1mm圧で蒸発させ
た。エーテルに不溶の材料を抽出(3×2ml)により除
去し、不溶性粗生成物を20℃/0.1mm圧で再乾燥さ
せた。0.46×25cmヴィダックC18カラムを用い
る分析的HPLCにより、生成物を同定した。実施例1
から得られた生成物との比較により、真の生成物が存在
することが確認された(12.97′と比較した12.
88′の保持時間)。連続する2つの2.12×25cm
ヴィダックC18カラムを用いる25%〜30% CH3CN
/0.1%TFAからの調製用HPLCが、10ml/分
で90分にわたって行われた。54.12′で溶出する
ピークが集められた。実施例1で製造された材料と本材
料とを分析的スケールで、共通のクロマトグラフィーに
かけると、単一のシャープなピークが示された。FAB
−MSは1275の[M+H]+ を有し、cPND1の
製造を確認した(構造につき上記実施例1参照)。
【0111】実施例5 ジスルフィド−結合cPND4の固相合成 直線形PNDペプチドを、Fmoc-L-Cys(Acm)-O-ワング樹
脂(0.61ミリ当量/g)から出発して、ABI−4
31Aペプチド合成機を用いてワング樹脂上に製造し
た。Fmoc化学及びFmoc−アミノ酸対称無水物(4×過
剰、自然位で製造)を、0.25ミリモルスケールにお
いて試薬として使用し、ペプチド745mgを生じた。
【化45】
【0112】5%メタノール/無水DMF(1ml)中ヨ
ウ素の溶液を、乾燥し、誘導体化された上記ワング樹脂
へ加え、室温で4時間攪拌した。樹脂をロ過し、無水D
MF(5×2ml)で洗浄し、最後にDMF(2ml)に再
懸濁させた。水中0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液2滴
を加え、数分間攪拌した。樹脂を、水性95%DMF
(3×2ml)、無水DMF(2ml)、塩化メチレン(3
×2ml)、エーテル(3×2ml)で洗浄し、乾燥させ
た。
【0113】Fmoc及び他の保護基を、20分にわたっ
て、DMF中20%ピペリジンで処理することにより除
去し、樹脂を洗浄し、乾燥させた。樹脂を、室温で6時
間95%TFA/4%エタンジチオール/1%チオアニ
ソール(1ml)で処理することにより、ジスルフィド結
合環状ペプチドから開裂させた。溶液をロ過し、樹脂を
追加の100%TFA(3×1ml)で洗浄し、合体した
ロ液を乾燥させた。エーテルに不溶の材料を抽出(3×
2ml)により除去し、溶液を再び乾燥させた。連続する
2つの2.12×25cmヴイダックC18逆相カラムを
用いる調製用HPLC及び90′にわたる20〜24%
CH3CNの勾配溶出により、これら条件下で、36.6
6′で溶出するシャープなピークを単離した。分析用H
PLCにより、調製用HPLCから得られた生成物と既
知のジスルフィド結合環状標準物の共通のクロマトグラ
フィーにより、単一のピークが得られた。FAB−MS
により1171の[M+H]+ を得、これはジスルフィ
ド結合環状構造cPND4と一致した。
【化46】
【0114】実施例5−b ジスルフィド結合cPND33の合成 1. H-Nle Cys Tyr Asn Lys Arg Lya Arg Ile His Ile Gly Pro Gly Arg Ala Phe Tyr Thr Thr Ly
sAsn Ile Ile Gly Cys-OH (C135H220N42O33S2 ,式重量=
3023.6)の合成 26mer を、ミリゲン(Milligen) #9050合成機に
より、部分的ラセミ化Fomc-L-Cys(Trt)-OPKA樹脂(ミリ
ゲンバッチB090426)使用量0.081ミリ当量
/g(約604mg)、2.47g(0.200ミリ当
量)から出発して組み立てた。樹脂を当量のガラスビー
ズ(シグマ150〜212μm)と混合した。混合物を
連続的に接続された2つの1×10cmカラムに完全に満
たした。試薬はFmoc-Pftエステル(トレオニンを除く、
dHBtである)であり、N−メチルピロリジン溶媒中
4倍モル過剰量で使用した。側鎖保護基は、Y9t−ブ
チル、K(Boc) 、R(Mtr) 、His(Boc) 、T(t−ブチ
ル)、C(Trt) であった。実験を修正し、K7 、I9
11、G12、P13、G14、R15、F17、Y18、T19、T
20、I23、I24と二重カップリングを行った。アシル化
循環時間をG14とA16を除き、及びI9(2x)、I
11(2x)、I23(2x)、I24(2x)については9
0分へ延ばした以外、全べてのユニットについて30〜
60分へ延ばした。誘導体化樹脂を、遊離末端アミンと
して維持し、それをCH2Cl2で洗浄して自然乾燥した。
【0115】乾燥誘導体化樹脂とガラスビーズの混合物
を、8時間振動トレイ上でゆるやかに攪拌しながら、密
閉フラスコ中95%TFA、4%エタンジチオール、1
% CH3Sph(30ml)へ、23℃で再懸濁させた。次い
で、あざやかな黄色混合物を、ロ過し、不溶物を100
%TFA(3×20ml)で完全に抽出した。合体した濃
オレンジ色ロ液を、蒸発させ、油状ゴム状物(淡褐色)
を得た。エーテル(20ml)とともに粉砕する際、この
材料は即座に無色固体となり、エーテル(3×20ml)
を追加し粉砕することによりロ紙上に移した。乾燥後、
粗生成物を、無色微粉末として得た(583mg)。
【0116】水性0.1%TFA/20% CH3CNに溶解
されたサンプル約50μgを、0.46×25.0cmヴ
ィダックC18カラム上での分析用逆相HPLCにかけ
て主成分及び、後に溶出した少量成分が明らかとなっ
た。それらを、連続した2つの2.21×25.0cm調
製用カラムに、サンプルの30mg及び他の50mgアリコ
ートを注入した後、分離して集めた。全量35.2mgの
初期溶出材料及び8.2mgの後の溶出材料を回収し、次
いで凍結乾燥した。FAS−MSにより、3022.1
の[M+H]+ 及び3044.2の[M+Na]を得、こ
れは、計算質量と一致した。
【0117】2.環状ジスルフィドの製造
【化47】 a.K3Fe(CN)6 誘導酸化 直線形26mer ジチオール化合物(35.0mg)を、2
3℃で、脱気蒸留水(38ml)に溶解し、pH2.73の
無色透明溶液を得た。pHを0.1N NH4OH で8.5に
調節し、溶液を窒素雰囲気下においた。材料のアリコー
トを直ちに、分析用逆相MPLCにかけると初期ピーク
の出現により、証明されるごとく酸化を受けていること
が見い出された。新たに調製された0.01M K3Fe(C
N)6の溶液を、磁気攪拌をしながら、窒素下23℃で、
強力駆動皮下注射器により加えた。HPLCによる少ア
リコートの分析により、初期溶出時間までに、出発材料
の全変換が明らかとなった。反応混合物(pH8.3)を
10%水性酢酸と混合し、攪拌してpH4.0とした。溶
液をロ過し、不溶性材料を除去し、わずかに黄色の溶液
を蒸発させ、次いで凍結乾燥させて、淡黄色粉末約2
7.9mgを得た。材料を0.1%TFA、20% CH3CN
に溶解し、勾配を、調製用HPLCにて溶出した。主な
初期溶出ピーク及び後の溶出ピーク(4:1)を分別し
て集め、初期溶出物6.1mg及び後の溶出液1.5mgを
得た。初期溶出物のFAB−MS分析により、[M+
H]+ 3019.7、[M+Na]+ 3042.5を示
し、後のもののFAB−MS分析により[M+H]+
021.0、[M+Na]+ 初期材料=3041.5を示
した。これらの全ては、環化cPND33の正確な質量
と一致した。後の溶出物は、D−システイン異性体であ
る。生成物のアミノ酸分析により、環化生成物について
の、予期されたアミノ酸成分を得、後の溶出物がD−シ
ステイン含有ジアステレオマーであることを確認した。
【0118】b.空気酸化 上記(1)において製造された直線形26mer (86mg、
28.4μモル)を、23℃で、水性0.1%TFA、
20%アセトニトリル(284ml)に溶解し、溶液を空
気中に置いた。環化を、逆相HPLCによりモニター
し、サンプルがt=24時間で、出発直線形材料のほぼ
完全な消失とともに、初期溶出物へほぼ完全に変換され
ていることを見い出した。無色透明の溶液を約8mlまで
蒸発させ、その時点で、上記86mgから同様の方法で製
造されたサンプル10mgを追加して加えた。合体したサ
ンプルを約9mlまで蒸発させた。濁った無色溶液を、連
続した2つの2.12×25.0cmヴィダックC18カ
ラムにおける2つの分離行程でのHPLC分離にかけ
た。材料の2つのピーク、初期溶出ピークと後の溶出ピ
ークが別々に集められた。各ピークを別々に蒸発させ、
凍結乾燥させて、初期及び後の材料をそれぞれ30.1
mg及び9.7mg得た。初期溶出物を、別に製造された初
期溶出環化物と合体し、全量47.5mgのわずかに薄青
色の綿毛状粉末を得た。この材料の分析用HPLCによ
り、単一ピークを得た。
【0119】実施例6 ペプチド結合cPND7の溶液合成 直線形ペプチド Cbz-Nle-Lys(Boc)-His(Trt)-Ile-Gly-P
ro-Gly-Arg(Mtr)-Ala-Phe を、市販の入手可能なFmoc−
フェニルアラニル−p−アルコキシベンジルアルコール
樹脂373mg(0.1ミリモル)を用いて、ABI43
1Aペプチド合成機における固相法により合成した。ベ
ンジルオキシカルボニル(Cbz)保護形として取得したノ
ルロイシンを除き、使用されたL−アミノ酸は、適切な
酸反応活性側鎖保護基を有するフルオレニルメトキシカ
ルボニル(Fmoc)誘導体であった。ポリペプチド誘導体
化樹脂生成物を、焼結ガラス漏斗へ移し、ジクロロメタ
ンで洗浄し、乾燥させて、ポリペプチド樹脂生成物0.
6gを得た。
【0120】ペプチドを、TFA:1,2エタンジオー
ル:アニソールの95:2:3の混合物6mlで16時間
処理することにより樹脂から開裂させた。反応混合物を
焼結ガラス漏斗によりロ過し、樹脂を10mlTFAで洗
浄し、ロ液を合体させた。直線形ペプチドを、ジエチル
エーテル400mlを50mlづつで、粉砕し、焼結ガラス
漏斗でロ過することにより回収した。1%TFA100
mlでの分解、次いで凍結乾燥により、直線形ペプチド2
98mgを得た。ペプチド粉をDMF800mlに溶解し、
0.42mlジイソプロピルエチルアミンで中性化し、
0.077mlジフェニルホスホリルアシドで処理した。
溶液を4℃で70時間暗室で攪拌し、環状ラクタムを形
成した。氷酢酸3mlを加えて反応を停止させた後、反応
混合物を約1〜2mlの油状まで濃縮し、10%水性酢酸
に溶解し、凍結乾燥させた。
【0121】環状ペプチドを、移動相として5%酢酸を
用いるG−15ゲルろ過クロマトグラフィーにより精製
した。ペプチドを含む、UV検出によりモニターされた
分画をプールし、凍結乾燥して、乾燥環状ペプチド13
5mgを得た。得られた全ての結果は、cPND7の構造
と一致した。
【化48】
【0122】実施例7 水素形態cPND8を産生するためのcPND7の脱保
30%水性酢酸20mlに環状ペプチドを溶解し、炭素上
10%パラジウム100mg上での水素化(16時間、4
0psi で) により、cPND7の脱保護を行なった。反
応混合物をシーライト上でロ過し、触媒を除去し、ロ液
を凍結乾燥した。ヴィダックC18セミ−プレプ(semi
-prep)カラムを用いる逆相HPLCにより、純粋な脱保
護環状ペプチド8.5mgを得た。脱保護のこの方法は、
ベンジルオキシカルボニルN−保護ペプチドのような合
成された全てのペプチドに適用して、結合の用意にアミ
ノ末端で即座に活性化されるペプチドの遊離水素形態を
産出することができる。生成物の構造は、FAB−M
S、分析的HPLC及びアミノ酸分析により確認され、
cPND8の構造とすべての結果が一致した。
【化49】
【0123】実施例8 cPND10の合成 ペプチドアミノ末端でAcm保護Ac−システインを有す
るcPND10の合成は、この合成がZ−Nleよりはむ
しろFmoc−ノルロイシンを包含し、追加のアミノ酸Ac-C
ys(Acm) をN末端アミノ酸として使用されること以外、
実施例1の方法と同一である。従って、直線形ペプチド
Ac-Cys(Acm)-Nle-Lys(Boc)-His(Trt)-Ile-Gly-Pro-Gly
-Arg(Mtr)-Ala-Phe は、市販の入手可能な Fmoc-Nle 及
びFmoc-Cys(Acm) を用いて製造された。この実施例1の
修正法は、N−末端 Ac-Cys(Acm)が望まれる場合の他の
cPNDペプチド合成に適用される。
【0124】実施例9 cPND9を産生するためのcPND10の脱保護 Acm保護 Ac-Cys(Acm)は、アザントンイー.(Atherton
E.)等、ケム.ソク.パーキントランス.(Chem. Soc.
Perkin Trans.) I、2057(1985)に記載の方
法によりペプチドの遊離 Ac-Cys-SH(遊離スルフィドリ
ル(SH))形態へ転化される。この方法は、ボロアセ
チル化又はマレイミド化タンパク質又はポリサッカライ
ドのようなチオフィリック剤との結合製造において、ペ
プチドのAcmチオール保護の除去に適用できる。cPN
D10の一部を10%水性酢酸に溶解し、水銀トリフル
オロアセテート(10倍過剰)で処理した。pHを4に再
び調節し、溶液を室温で攪拌しつつ、S−Acm基の開裂
を逆相HPLCでモニターした。反応が終了したと判断
したとき、溶液を硫化水素ガスで飽和した。硫化水銀
(II)沈殿を遠心により除去し、cPND9をRP−H
PLCにより精製した。cPND9の構造及び純度を、
FAB−MS、分析的HPLC及びアミノ酸分析により
確認した。
【0125】実施例7〜26 実施例6〜9及び19〜20の方法に従って合成された
cPNDペプチド cPND7、cPND8、cPND9、cPND10、
cPND31及びcPND32の合成についてそれぞれ
実施例6〜9において上記に、実施例25〜26におい
て以下に確立した方法は、いずれの実質的修正を加える
ことなく適用される。但し、多くの異なる分離体からの
合成PNDペプチドの環形態の合成において、ペプチド
一次配列及び適切な保護基の介在の変更は別とする。従
って、これらの方法により合成される以下の全てのペプ
チドは、必要に応じてN−末端脱保護され、−r−を介
して結合され本発明の結合体を形成する。
【化50】
【化51】
【化52】
【0126】実施例25 cPND31の合成 Fmoc-Phe−ワング樹脂2g(0.6ミリ当量/g)を、
ABI431A合成機に入れた。Fmoc単一カップリング
実験を、Fmoc-Ala、Fmoc-Arg(Tos) 、Fmoc-Pro、Fmoc-Il
e、Fmoc-His(Trt) 、Boc-Lys(Fmoc) 及びCbz-Nle を加
えて行い、以下の配列を有する直線形ペプチド樹脂3.
7gを生成した。 Boc-Lys(Nε-Z-Nle)-His(Trt)-Ile-Gly-Pro-Gly-Arg(Tos)-Ala-Phe
【0127】ペプチドを、95%TFA、5%水で2時
間処理することにより樹脂から開裂させた。樹脂をロ過
により除去し、TFAを真空下蒸発によりロ液から除去
し、残渣をジエチルエーテルとともに粉砕した。沈殿を
ロ過により回収し、乾燥させて、配列 H-Lys(Nε-Z-Nl
e)-His-Ile-Gly-Pro-Gly-Arg(Tos)-Ala-Pheを有する直
線形ペプチド1.7gを得た。
【0128】ペプチドをDMF(10ml)中Boc−イソ
グルタミン−ONp(0.71g、2ナノモル)及びD
IEA(0.35ml、2ミリモル)で、室温下一晩処理
した。DMFを蒸発させ、残渣をジエチルエーテルで処
理した。沈殿をロ過により回収し、酢酸エチルで洗浄し
た。乾燥させたペプチド(1.9g)をTFA(100
ml)で5時間処理した。TFAを真空下蒸発させ、残渣
をジエチルエーテルとともに粉砕し、沈殿をロ過により
回収し、乾燥させた。
【0129】ペプチドを、溶離剤として10%水性酢酸
を用いるセファデックスG−10により脱塩した。ペプ
チド分画を凍結乾燥させ、H-イソGln-Lys(Nε-Z-Nle)-H
is-Ile-Gly-Pro-Gly-Arg(Tos)-Ala-Pheを1.2g
(0.79ミリモル)を得た。
【0130】ペプチドの2バッチ(0.55g、0.3
6ミリモル)を別々に、1000ml氷冷DMF及びDI
EA(0.16ml、0.9ミリモル)に溶解し、DPP
A(0.12ml)を加え、溶液を一晩室温で攪拌した。
DMFを真空下蒸発させ、残渣を合体し、CHCl3 におい
て可溶化された。有機分画を5%水性クエン酸で洗浄
し、次いでMgSO4 上で乾燥させ、蒸発させてクルード環
状ペプチド0.78gを得た。この材料を、アニソール
(1ml)を含む液状HF(10ml)で2時間0℃で処理
した。HFを蒸発させ、残渣を逆相HPLC(ヴィダッ
クC−18、0〜50% CH3CN、緩衝液として0.1%
水性TFAを用いて50分にわたって)勾配溶出により
精製し、純粋なcPND31(250mg)を得た(M+
H=1204)。
【化53】
【0131】実施例26 cPND32の合成 環化された直線形ペプチドがH-イソGln-Lys(N ε-Z-Nl
e)-Gln-Arg(Tos)-Gly-Pro-Gly-Arg(Tos)-Ala-Phe の構
造を有すること以外cPND31の合成について実施例
20のものと基本的に同様の方法を用いた。
【化54】
【0132】B.中間体活性化、結合体形成及び免疫学
的分析の実施例 実施例27 OMPCのN−(ブロモアセチル)−6−アミノカプロ
ン酸誘導体(BrAc−6−ACA−OMPC)の製造 OMPC溶液(10ml、59mg/ml)を、4℃2時間4
3Krpm で遠心した。ペレットを、pH9コルソフ(Kolt
hoff) 緩衝液6ml中でダウンス(Dounce) ホモジナイザ
ーと用いて再懸濁させ、N−(ブロモアセチル)−6−
アミノカプロン酸p−ニロトフェニルエステル溶液(8
5mg/mlアセトニトリル)1mlを加えた。得られた混合
物を45時間攪拌した。不溶性材料を低速遠心により、
ペレット化し、上澄を次いで4℃2時間43Krpm で遠
心した。ペレットをH2O 10mlに再懸濁し、43Kで4
℃2時間再び遠心した。このペレットをH2O 10mlに再
懸濁し、BrAc−6−ACA−OMPCを得た。アミ
ノ酸分析により268ナノモル/mlの−6−アミノカプ
ロン酸及び196ナノモル/mlのリシンが示された。タ
ンパク質濃度は、2.4mg/ml(41%回収)であっ
た。ブロモアセチル化能をアッセイするために、この溶
液1mlをN−アセチルシステアミン30μlとともにpH
8でインキュベートした。過剰の試薬を除去するための
透析の後、溶媒を蒸発させ標題化合物を得た。サンプル
のアリコートを酸加水分解し、AAアッセイによりアッ
セイし、54ナノモル/mlのS−カルボキシメチルシス
テアミン及び140ナノモル/mlのリシン(SCMC/
lys =0.38)を明らかにした。これは、リシンの3
8%がブロモアセチル化部分であることを示している。
【0133】実施例28 PRPのシスタミン(ビス−2−アミノエチルジスルフ
ィド)誘導体(PRP−cys−NH2)の製造 PRPのテトラブチルアルミニウム塩(300mg)を、
ジメチルホルムアミド(DMF)11mlに溶解した。次
いで、カルボニルジイミダゾール30mgを加え、溶液を
室温(r.t.) で1時間攪拌した。DMF溶液を次いで、
シスタミンジヒドロクロリドのチルド(氷)溶液(45
0mg/10ml H2O、pHをNaOHで10.3に調節)へ攪拌
しながら加え、攪拌を氷浴中15分間継続した。次いで
溶液を氷浴から取り出し、透析バッグへ移した後、室温
で45分間エージングした。次いで、連続して変更する
緩衝液に対する透析を行った。緩衝液は以下のごとく変
更される。 (a)4リットル pH 7、 0.1M PO4 、4.2 時間 (b)4リットル pH 7、 0.01M PO4、8時間 (c)4リットル pH 7、 0.01M PO4、16時間 (d)16リットル、H2O 、8時間
【0134】凍結乾燥により標題化合物、PRPのシス
タミン誘導体、150mgを得た。この材料のNMRによ
りPRPのシスタミン誘導体化を確認した。3ppm (CH
2 −S)に中心をおく2つのメチレン共鳴と、配糖体プ
ロトン(5.1ppm)又は全PRPプロトン総和とを比較
することにより、100リボシル−リビトールホスフェ
ート部分当たり48シスタミン部分の平均値(すなわち
PRP単量体単位)を計算した。
【0135】実施例29 PRP−SHを産出するためのPRP−cys−NH2
の還元 pH8の緩衝液(PO4 0.01M、EDTA0.005
M=緩衝液A)へ、PRP−cys−NH2 (製造につ
いては実施例28参照)40mgを加えた。完全に溶解
(15分)した後、固体ジチオトレイトール(DTT)
42mgを加えた。混合物を脱気し、窒素化し、室温で
4.5時間エージングした。溶液を次いで透析チューブ
に移し、以下のごとく緩衝液を変更させて、透析を行っ
た。 1)4リットル緩衝液A、16時間 2)4リットル緩衝液A、7.25時間 3)1リットル、pH8、0.1M PO4 緩衝液、EDTA
0.005(緩衝液B)、17時間この時点で、溶液の
エルマン(Ellman) アッセイを行い、チオールタイター
2.04ミリモルSH/ml、及びそれ故、7.5ml容量
について全量15.3ミリモルの標題PRP−SHが示
された。
【0136】実施例30 PND142−PRP−SHを産出するためのブロモア
セチル化PND142(BrAc−YNKRKRIHI
GPGRAFYTTKNIIGT−OH)とPRP−S
Hの反応 実施例29にて製造されたPRP−SH溶液へ、15.
3mgブロモアセチル化PND142を加えた(トリスト
リフルオロアセテート塩の分子量=3268、概算4.
7μモル、ペプチドへのN−(ブロモアセチル)−6−
アミノカプロン酸P−ニトロフェニルエステル添加及び
逆相HPLCでのブロモアセチル化ペプチドの再単離に
よる試薬の除去により、ブロモアセチル化された)。混
合物を脱気し、6.25時間シエークした。この時点で
エルマンズアッセイによるSHタイターは、1.2μモ
ルにまで減じられた。pHを5ノルマル NaOH で9.01
へ調節し、溶液を、さらに16時間エージングした。こ
の時点でのエルマンアッセイにより、SH7.9μモル
のロスがあることが示された。溶液100μlをAAア
ッセイ法によりアッセイし、ml当たりS−カルボキシメ
チル−システアミン(SCMC)213ナノモル(すな
わち結合ペプチド)を有することを見い出した。100
μlをリボースについてアッセイし、3.18mgPRP
/mlの濃度を測定した。従って標題化合物は、67ナノ
モル(0.067ミリモル)ペプチド/mgPRP(又
は、分子量2926、PF=0.196mgペプチド/mg
PRPを用いて)を含んでいる。
【0137】実施例31 PND142−PRP−OMPCの産出するためのブロ
モアセチル化OMPCとPND142−PRP−SHの
反応 BrAc−ACA−OMP(5.5ml、2.4mgタンパ
ク質/ml)の溶液を、実施例30で製造されたペプチジ
ル化、チオール化PRP溶液、PND142−PRP−
SHへ加えた。pHを7.98とし、溶液を窒素下1.5
時間室温でエージングした。この時点でのエルマンアッ
セイにより、4μモルのSH(初期全量7.4μモルS
H)が残存することが示された。「キャップ」、これら
の残基の反応性部位へ、N−エチルマレイミド(NE
M)4mgを加え、溶液を21時間エージングした。溶液
を次いでポリカーボネート遠心管へ移し、H2O で頂部を
おおい、4℃2時間43,000rpm で遠心した。ペレ
ットを、ダウンス組織ホモジナイザーを用いて、H2O 1
0mlに再懸濁した。上記条件での再遠心の後、ペレット
をH2O 6.5mlに再懸濁した。ロウリー(Lowry)アッセ
イにより、1.4mgタンパク質/mgを示し、リボースア
ッセイにより、62.6μgPRP/mlを示し、GF=
0.0447を生じた。このGF及び実施例30で得ら
れたPFを用いて、標題化合物における(PF×GF)
=ELF=0.0088mgペプチド/mgタンパク質を得
る。
【0138】実施例32 PND135−PRP−SHを産出するためのブロモア
セチル化PND135(BrAc−NNTRKSIRI
QRGPGRAFVTIGKIGN−OH)とPRP−
SHの反応 PRP−cys−NH2 の反応を、実施例29と同様の
方法で行った。エルマンタイターは、4.2μモルSH
/mlを示し、8.7ml中全量36.6μモルSHを生じ
た。約25.8mgのブロモアセチル化PND135
(7.5μモル、分子量2875、概算ペンタトリフル
オロアセテート、3500)を、上記チオール化PRP
溶液へ加えた。溶液を脱気し、8時間エージングした。
この溶液100μlをAAアッセイにより分析し、0.
300μモルのS−カルボキシメチル−システアミン/
mlを含むことを見い出した。分離100μlアッセイに
より、3.3mgPRP/mlの存在を示した。これは91
ナノモルペプチド/mgPRPファクターを与え又は分子
量2875を用いて、0.8625mgPEP/mlを生ず
る。従って、PFは、標題化合物において、0.261
mgペプチド/mgPRPである。
【0139】実施例33 PND135−PRP−OMPCを産出するためのブロ
モアセチル化OMPCとPND135−PRP−SHの
反応 実施例32において製造された溶液を、0.2μmフィ
ルタを通して、無菌ロ過し、次いで、12mlのBrAc
−ACA−OMPC溶液(ロウリーアッセイにより2.
7mgタンパク質/ml)へ加えた。脱気後、溶液を44時
間エージングし、次いで、0.5mlのpH8 PO4緩衝液中
NEM5mgで処理することによりキャップした。溶液
を、4℃で2時間43Krpm で遠心した。ペレットをH2
O 20mlに再懸濁し、遠心工程をくり返した。最終ペレ
ットを、H2O 12mlに再懸濁した。ロウリータンパク質
アッセイにより、1.7mgPRO/mlが示され及びリボ
ースアッセにより0.167mgPRP/mlが示され、G
F=0.0982を生じた。このGF及び実施例32で
得られたPFを用いて、生成物(PF×GF)が、標題
化合物においてELF=0.0256mgペプチド/mgタ
ンパク質を生じた。
【0140】実施例34 PND135−18−PRP−SHを産生するための、
ブロモアセチル化PND135−18(BrAc−RI
QRGPGRAFVTIGKIGN)とPRP−SHの
反応 PRP−SH溶液(pH8)と、PRP−cys−NH2
51mgから実施例29のごとく調製し、エルマンアッセ
イによりSH(全体)18.4μモルを得た。これに、
BrAc−RIQRGPGRAFVTIGKIGN−O
Hを加え、溶液を18.5時間エージングした。少量の
沈殿を低速遠心により除去し、溶液を0.2ミクロンフ
ィルターを通してロ過した。この溶液は、3μモルSH
のチオールタイター(全体)を有し、約15μモルのチ
オールのロスを示した。この溶液100μlをリボース
アッセイし、1.66mgPRP/mlのタイターを得た。
他の100μlアリコートとAA分析によりアッセイ
し、0.195μモル/mlのSCMC濃度を得た。これ
により、0.117マイクロモルペプチド/mgPRPの
ファクターを得た。分子量2061を用いて、PF=
0.242mgのペプチド/mgPRPを得た。
【0141】実施例35 PND135−18−PRP−OMPCを産生するため
のブロモアセチル化OMPCとPND135−18−P
RP−SHの反応 実施例34からのロ過溶液へ、Br−ACA−OMPC
(2.4mg/ml)4.5mlを加えた。次いで溶液を脱気
し、52時間室温でエージングした。次いでNEM4.
7mgを加え、さらに16時間つづけてエージングした。
次いで溶液をH2O で20mlに希釈し、4℃2時間43,
000rpm で遠心した。ペレットをH2O10mlに再懸濁
させ、2時間4℃下43,000rpm で再び遠心した。
ペレットをH2O 6.5mlに懸濁させ、リボース及びタン
パク質についてアッセイした。0.115mg/mlPRP
及び0.873mg/mlタンパク質の値が得られ、GF=
0.132mgPRP/mgOMPCを生じた。実施例34
からのPF=0.242を用いて、ファクター(PF×
GF)=ELF=0.0319mgPEP/mgOMPCを
得た。
【0142】実施例36 PND135−12−PRP−SHを産出するための、
ブロモアセチル化PND135−12(BrAc−RI
QRGPGRAFVT−OH)とPRP−SHの反応 PRP−SH溶液(pH8)を、16.5mgPRP−cy
s−NH2 で出発して、実施例29のごとく調製し、エ
ルマンアッセイにより全SH14.4μモルを得た。こ
の溶液(約5ml)へ、ブロモアセチル化PND135−
12、(BrAc−RIQRGPGRAFVT)11.
2mgを加えた。混合物を脱気し、室温で6時間エージン
グした。この時点でのエルマンアッセイにより、残存S
H7.8μモルが示された。100μlAA分析アッセ
イにより、共有結合ペプチド(SCMC)0.146μ
モル/mlの存在が示された。ペプチドについての分子量
1.338を用いて、この値を0.1953mgPEP/
mlに変更した。リボースアッセイにより、PRP3.3
mg/mlの存在が示され、標題化合物におけるPF=0.
0592mgPEP/mgPRPを得た。
【0143】実施例37 PND135−12−PRP−OMPCを産出するため
の、ブロモアセチル化OMPCとPND135−12−
PRP−SHの反応 実施例36からのロ過溶液へ、Br−ACA−OMPC
(pH7.8)4.5mlを加えた。溶液を脱気し、室温で
87時間エージングし、その後NEM6mgを加え、室温
で24時間さらに継続してエージングした。次いで混合
物を遠心管に移し、H2O でトッピングし、4℃2時間4
3,000rpm で遠心した。ペレットをH2O 5mlに再懸
濁し、タンパク質についてアッセイし(ロウリー)、
2.9mgOMPC/mlの値を得た。リボースアッセイに
より、PRP0.202mg/mlが示され、計算によりG
F=0.0697mgPRP/mgOMPCを得た。このG
F及び実施例36で得られたPFを用いて、生成物(P
F×GF)=ELF=0.0041mgPEP/mgOMP
Cが標題化合物について得られた。
【0144】実施例38 PND142−PRP−OMPC又はPND135−P
RP−OMPC結合体の動物への接種のための実験 ミゥウバンを、一連の接種の際のアジュバントとして用
いた。接種物を生理食塩水に、PND142−PRP−
OMPC又はPND135−PRP−OMPC結合体を
該結合体最終濃度が300μg/mlとなるように溶解す
ることにより調製した。前もって形成したミョウバン
(水酸化アルミニウムゲル)を、500μg/mlアルミ
ニウムの最終レベルまで溶液へ加えた。結合体を、室温
で2時間ミョウバンゲルに吸着させた。吸収後、結合体
を有するゲルを生理食塩水で2回洗浄し、タンパク質濃
度が300μg/mlになるまで食塩水に再懸濁させた。
アフリカ緑ザルのそれぞれに、ミョウバンへ吸着された
PND142−PRP−OMPC結合体300μg3回
投与量又は、PND135−PRP−OMPC結合体1
00μg3回投与量を接種した。各投与物を筋肉内注射
した。投与は1ケ月ごとに行なった(0、4、8週)。
動物を2週間間隔で採血した。血清サンプルを各血液か
ら調製し、以下の実施例に記載されるように、特異的抗
体の発生についてアッセイした。
【0145】実施例39 抗−ペプチドIgG抗体についての血清分析 各血清サンプルを、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELI
SA)により分析した。ポリスチレンミクロタイタープ
レートを、ウェル当たりリン酸緩衝生理食塩水(PB
S)中合成ペプチド(PRP−OMPCへ結合していな
い)0.5μgで4℃下コートした。次いで各ウェルを
0.05%トウィーン20(PBS−T)を含むPBS
で洗浄した。PBS−T中に順次希釈された試験血清
を、ペプチド含有ウェルへ加え、吸着ペプチドと36℃
で1時間反応させた。PBS−Tでの洗浄後、アルカリ
ホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgGを試験ウェルに加
え、36℃で1時間反応させた。各ウェルは、0.5mM
MgCl2 ・6H2O を含有する10%ジエタノールアミン
pH9.8を受けた。続いて起こる反応が室温で30分進
行し、その時点で3.0N NaOHの添加により終了され
た。ペプチド基質と試験血清中の抗体との相互作用の増
大は、ウェル上に結合したアルカリホスファターゼの量
としてとらえることができる。ホスファターゼ酵素は、
波長405nmの光を吸収する分子物質へのp−ニトロフ
ェニルホスフェートの分解を成立させる。従って、EL
ISA反応の終了時点での405nmの光の吸光度とペプ
チド結合抗体の量の間には直接的関連性が存在してい
る。PEP−PRP−OMPC(PND142−PRP
−OMPC又はPND135−PRP−OMPC)を接
種された全てのサルが、ペプチドに特異的に結合できる
抗体を生じさせた。
【0146】実施例40 HIV感染性を特異的に中和する活性についての血清分
ウイルス中和活性を、ロバートソン等、ジェー.バイオ
ル.メソッド(J. Virol. Methods)20;195〜20
2(1988)に記載のアッセイにより測定した。その
アッセイにより、試験血清における特異的HIV中和活
性が測定される。そのアッセイは、MT−4細胞(ヒト
T−リンパ細胞系)がHIVへ容易に感染すること、及
びウイルス複製の期間後に感染の結果として殺されるこ
とを観察することに基づく。
【0147】試験血清を、アッセイ前60分間56℃で
処理した。この処理は、HIV複製の非特異的インヒビ
ターを除くために必要である。RPMI−1640細胞
培地に順次希釈された熱処理血清を、HIVの標準感染
量と混合した。この量は、7〜8日後にアッセイ培地中
のMT−4細胞の全てを殺すのに必要なウイルスの最少
量を含むように、アッセイ前に決定されている。血清−
ウイルス混合物を、37℃で1時間、相互作用させた。
次いで、それを、10%ウシ胎児血清で補足されたRP
MI−1640増殖培地に懸濁された1.0×105
T−4細胞へ加えた。培地を、5%CO2 雰囲気下で7
日間37℃で培養した。
【0148】培養の終了時点で、代謝染料DTTを各培
地に加えた。この染料は、視覚的検査では黄色である。
生細胞の存在下では、この染料は、視覚的に青色を生ず
る分子種に対して代謝的に処理される。中和HIVは、
標的MT−4細胞においては複製できない。従って、細
胞を殺すことはない。それ故に、ポジティブな中和は、
代謝染料の添加による青色の発生により評価される。P
ND142−PRP−OMPC又はPND135−PR
P−OMPC結合体を接種された全てのサルは、特異的
HIV感染−中和活性を生じた。
【0149】実施例41 cPND9−PnPs6B−OMPCの製造
【化55】 PnPs6B(n−Bu4N+):PnPs6B(48
4mg)を蒸留水(48ml)に溶解し、溶液を、全ての固
体が溶液状になるまで、磁気攪拌した(1.5時間)。
多糖を溶解する一方で、カラム(20mm)を、ドウェッ
クス(Dowex)50×2(n−Bu4+ ) イオン交換樹脂
30mlで満たし、レジンベッドを水で1.5時間洗浄し
た。粘性多糖溶液を、洗浄された樹脂へ加え、重力によ
りベッドを通過させた(16時間)。カラムを水(8m
l)で洗浄し、合体した溶出物を凍結乾燥して、淡黄色
固体800mgを得た。これをP2O5上での真空デシケータ
ー(50mmHg、60時間)内で乾燥させた。この方法に
より、乾燥PnPs6Bテトラ−n−ブチルアンモニウ
ム塩、PnPs6B(n−Bu4N+)564mgを得
た。
【0150】PnPs6B−BuA2 PnPs6B
(n−Bu4+ ) (140mg)をジメチルスルホキシド
(5ml)に溶解し、15分間磁気攪拌し、この時点で、
固体全てが溶液化した。この混合物へ1,1′−カルボ
ニルジイミダゾール(15mg)を一度に加え、反応物を
室温で80分攪拌した。分離フラスコで、水(5ml)中
ブタンジアミンジヒドロクロリド(BuA2・2HCl 、34
4mg)の溶液を、2.5N NaOH を加えて塩基性(pH1
0.2)とし、次いで0℃へ冷却した。この冷却混合物
へ、ゆっくりした安定した流れで、活性化多糖を加え、
得られた溶液を0℃で30分攪拌した。反応混合物を室
温まで加温し、さらに1時間攪拌し、その後透析管(2
ml/cm)へ移し、以下に対して4℃下透析した。 4リットル0.1 M pH 7.0 HPO4 緩衝液、5時間 4リットル0.01M pH 7.0 HPO4 緩衝液、15時間 4リットル0.01M pH 7.0 HPO4 緩衝液、9時間 4リットル蒸留水(H2O)、15時間 透析管の内容物を凍結乾燥し、白色固体を得、これをP2
O5上でのデシケーターにおいて一晩(16時間)乾燥さ
せ、PnPs6B−ブタンジアミン(PnPs6B−B
uN2 )を得た。この材料のNMR(300MHz、D2O
)により、ブタンジアミンの50%ローディング(5
0BuA2 単位/1006Bモノマー単位)が達成され
ていることを明らかにした。パーセントローディング
は、ラムノースメチルプロトンに対するブタンジアミン
メチレンプロトンの総和を比較することにより決定され
た。
【0151】PnPs6B−BuA2 −BrAc:6B
−BuA2 (94mg)をpH9.04のコルソフ(Koltho
ff) 緩衝液に溶解し、混合物を30分磁気攪拌し、溶液
化した。この水溶液へ、アセトニトリル(1ml)中p−
ニロトフェニルブロモアセテート(94mg)よりなる混
合物を加え、反応物を冷却室(4℃)において一晩(2
2時間)攪拌した。得られた粘性黄色溶液を透析管(2
ml/cm)へ移し、以下に対して4℃下透析した。 15リットル蒸留H2O 、23時間 4リットル蒸留H2O 、23時間 透析バッグの内容物を、溶液として保存した。この溶液
1mlを凍結乾燥し、白色固体のPnPs6B−BuA2
−BrAc3.5mgを得た。この材料のNMR(300
MHz、D2O )により、ブタンジアミンのローディングが
28%であることが示された。この値と初期に得られた
もの(PnPs6B−BuA2 において)の間の不一致
は、凍結乾燥材料の全ては溶液状にもどらない故に、溶
解度の問題によるものであり得る。
【0152】PnPs6B−cPND9:水性PnPs
6B−BuA2 −BrAc(11ml、約38.5mg)
を、以下の環状ペプチド(8.5mg、6.9μモル、分
子量1221)を含むびんへ加えた。
【化56】 得られた溶液(200μlサンプル)について、エルマ
ン試験をただちに行い、3.3μモルのSHタイター
(OD412 =0.270)が示された。反応混合物を1
5ml遠心管に移し、脱気し、窒素でおおい、次いで室温
で5時間タンブルした。反応混合物を透析管(2ml/c
m)に移し、4リットル蒸留水(4℃、23時間)に対
して透析した。透析管に含まれる溶液1mlを除去し、凍
結乾燥した。残り(13.5ml)の溶液のpHを、乾燥し
たpH8のHPO4緩衝塩(180mg)の添加及び数滴の5N
NaOH の添加により、pH8.3に調節した。このpH調節
溶液をチオール化OMPCとの結合のために使用した。
【0153】cPND9−PnPs6B−OMPC:
菌OMPC(10ml、約45mg)を、超遠心(4℃〜2
0℃、43Krpm、1.5時間)によりペレット化した。
ペレットを、以下で構成される滅菌ロ過(ミリポアミレ
ックス(Millipore Millex) −GV0.22μm滅菌フ
ィルター)チオール化混合物6mlに再懸濁した。pH11
ホウ酸塩緩衝液(10ml)中ホモシステインチオラクト
ンヒドロクロリド(86mg)、エチレンジアミンテトラ
アセティックアシド2ナトリウム塩(86mg)及びジチ
オトレイトール(17mg)ペレットをホモジナイズし
(ダウンス)、滅菌15ml遠心管へ移し、脱気し、窒素
でおおった。反応混合物を室温で一晩(20.5時間)
タンブルし、次いで超遠心管へ移し、1M KH2PO4 でト
ッピングした。タンパク質をペレット化し(4℃、43
Krpm、2時間)、0.1M HPO4 緩衝液(10ml)に再
懸濁し、ホモジナイズし(ダウンス)、再びペレット化
した(4℃、43Krpm、2時間)。滅菌タンパク質ペレ
ットを、ペプチド−多糖溶液との結合に直接使用した。
【0154】滅菌タンパク質ペレットを、滅菌ロ過(ミ
リポアミレックス−GV、0.22μm滅菌フィルタ
ー)多糖−ペプチド溶液に再懸濁し、ホモジナイズした
(ダウンス)。エルマン試験を適当に行い、15.3μ
モル(OD412 =0.730)のSHタイターが示され
た。反応混合物を、滅菌15ml遠心管に移し、脱気し、
窒素でおおい一晩(21時間)エージングした。エルマ
ン試験により8.2μモル(OD412 =0.390)の
SHタイターが示された。タンパク質を、以下で構成さ
れる滅菌ロ過(ミリポアミレックス−GV0.22μm
滅菌フィルター)溶液1mlの添加によりキャップした。
【0155】pH8.0 HPO4 緩衝液(5ml)中N−エチ
ルマレイミド(75mg)この混合物を室温で一晩(16
時間)エージングした。エルマン試験は、明らかにネガ
ティブであった(OD412 =0.066、SHタイター
=1.38μモル)。滅菌されたキャップ結合体を、超
遠心(4℃、43Krpm、2時間)でペレット化し、次い
で、滅菌H2O(10ml)に再懸濁し、ホモジナイズし、滅
菌プラスティック15ml遠心管に保存した。以下のアッ
セイが行われた。 (使用溶液量):ロウリータンパク質、1.50mg/ml
(100μl);アミノ酸 分析;Nle=2ナノモル/100μl(100μl) Nle濃度が、ペプチド分子量についての1221の換算
を用いるペプチド濃度と同一である故に、ELFは、上
記値から直接に計算される。従って、ペプチド濃度は、
0.0242mg/mlであると計算され、標題結合体につ
いて0.0161mgPEP/mgOMPCのELFを得
た。
【0156】実施例42 以下のcPND9−PRP−OMPCの製造
【化57】 実施例46におけるPnPs6B−BuA2 −BrAc
と同様の方法で製造されたPRP−BuA2 −BrAc
(17BuA2 −BrAc/100PRPモノマー単
位)33mgを、3.5ml pH8(0.1M PO4) 緩衝液
に溶解した。溶液を脱気し、N2 とエアー交換し、6.
9mgのcPND9を加えた。もし純粋であれば、これ
は、環状ペプチド(分子量1221)5.65ミリモル
と一致する。しかしながら、エルマンアッセイは、1.
5μモルのみのSHの存在を示した。ペプチド−PRP
溶液を7時間エージングし(エルマン=0)、次いで4
リットルH2O に対して16時間透析した。アリコートを
凍結乾燥し、PRPへ結合したペプチドの存在につい
て、診断に役立つ、フェニル共鳴(7.28及び7.4
3ppm )を有するNMRスペクトルを得た。OMPCを
通常どおりN−アセチルホモシステインチオラクトンで
官能化し、チオール化OMPC(7.35μモルSH/
45mgOMPC出発OMPC=0.163μモルSH/
mg)を得た。チオール化タンパク質を、リン酸塩でpH8
へ初めに緩衝されたペプチジル化PRP3mlに再懸し、
0.22μ滅菌ミレックスGVフィルターを通してロ過
した。このOMPC−ペプチジル化PRP混合物を脱気
し、41時間エージングした。この時点で、約55%の
チオールタイターが残った。pH8の緩衝液中N−エチル
マレイミド(31mg/3.5ml)の滅菌ロ過溶液0.6
mlを加え、反応混合物を25時間エージングした。その
時点でチオールは存在しなかった。溶液をH2O で10ml
へ希釈し、4℃2時間43,000rpm で遠心した。ペ
レットをH2O 10mlに再懸濁し、上記のように再び遠心
した。2回目の遠心からのペレットをH2O 7mlに再懸濁
し、4℃で60時間エージングした。低速(クリニカル
スピン)で少量の沈殿をペレット化した。上澄をAA分
析によりアッセイし、SCMHC/lys =0.055及
び0.0056mgPEP/mlのペプチド濃度へ変換す
る。4.8ナノモル/mlのノルロイシン(Nle) 濃度
(ペプチドについての分子量として1221を用いて)
を明らかにした。プロティン(ロウリー)アッセイによ
り、0.810mg/mlの存在が示された。従って、EL
F=標題結合体について0.0072であった。
【0157】上記詳述は、説明のために記載された実施
例とともに、本発明の本質を教示するものであるが、本
発明の実施は、特許請求の範囲及びその同等の部分の範
囲内となるような通常の変更、適応、修正、又は削除の
すべてを包含するものと理解される。
【配列表】
配列番号 :1 配列の長さ:26 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状又は環状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴: 特徴を表す記号:Modified-site 存在位置:I 他の情報:Nle 特徴を表す記号:Disulfide-bond 存在位置:2..26 配列 Leu Cys Tyr Asn Lys Arg Lys Arg Ile His Ile Gly Pro Gly Arg Ala 1 5 10 15 Phe Tyr Thr Thr Lys Asn Ile Ile Gly Cys 20 25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 15/14 7731−4H (31)優先権主張番号 715277 (32)優先日 1991年6月19日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 リチャード エル.トルマン アメリカ合衆国,07059 ニュージャーシ ィ,ウォーレン,アッパー ウォーレン ウェイ 29 (72)発明者 エミリオ エー.エミニ アメリカ合衆国,19301 ペンシルヴァニ ア,パオリ,ファッグス マナー レーン 6

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主HIV中和決定(PND)ペプチド、
    あるいは免疫学的にそれと同等なペプチド(PEP)を
    含み、そのペプチドが免疫原性の蛋白質あるいは複合蛋
    白質(PRO)と陰イオン性ポリサッカライド(PS
    A)リンカーを介して共有結合していることを特徴とす
    る複合体。
  2. 【請求項2】 免疫原性蛋白質がNeisseria meningitit
    is bの外膜複合蛋白質(OMPC)であり、PNDペプ
    チドが線状構造、ジスルフィド結合した環状構造、アミ
    ド結合した環状構造、あるいはチオエーテル結合した環
    状構造を有することを特徴とする、請求項1記載の複合
    体。
  3. 【請求項3】 PNDペプチドが下記の群 【化1】 から選択される配列を有することを特徴とする請求項2
    記載の複合体。
  4. 【請求項4】 PNDペプチドがコアあるいはループア
    ミノ酸構造 −x−Xn −X1 −X2 −GPGR−X3 −X4 −Xm −y 〔式中−GPGR−は四量体−GlyProGlyAr
    g−であり、 X1 は: a) セリン b) プロリン c) アルギニン d) ヒスチジン e) グルタミン f) スレオニン X2 は: a) イソロイシン b) アルギニン c) バリン d) メチオニン Xn は単結合あるいは15アミノ酸までのペプチドであ
    る。 X3 は: a) アラニン b) アルギニン c) バリン X4 は: a) フェニルアラニン b) イソロイシン c) バリン d) ロイシン Xm は単結合あるいは15アミノ酸までのペプチドであ
    る。−x−および−y−は互いに共有結合で一緒になっ
    て環状ペプチドを形成し、その環状ペプチドは陰イオン
    性ポリサッカライドを介してPROに共有結合してい
    る〕を有することを特徴とする請求項3記載の複合体。
  5. 【請求項5】 xとyの間の環共有結合構造が a) ループアミノ酸の片側にあるアミノ基と、ループア
    ミノ酸のもう一方の側にあるカルボキシル基とのあいだ
    でのアミド結合 b) ループアミノ酸の両側にあるスルフヒドリル基を含
    むアミノ酸の間のキシレンチオエーテル結合あるいは低
    級アルキルチオエーテル結合 c) ループアミノ酸の両側にあるスルフヒドリル基を含
    むアミノ酸の間のジスルフィド結合 のいずれかからなることを特徴とする請求項4記載の複
    合体。
  6. 【請求項6】 構造IV 【化2】 〔式中:PEPは線状あるいは環状構造を有する共有結
    合したHIV PNDペプチドからなる:PSAは陰イ
    オン性ポリサッカライドからなる:PROはNeisseria
    meningitidisの外膜複合蛋白質(OMPC)からなる:
    −r−は共有結合を形成するスペーサーからなる:−B
    −は共有結合を形成するスペーサーからなる:PFはP
    SA1mgあたりPEP0.001−10mgの範囲にある
    ペプチジル化ファクターである:GFはPSA1mgあた
    りPEP0.001−10mgの範囲にあるグリコシル化
    ファクターである:ELFはPRO1mgあたりのPEP
    のmg数であらわしたエピトーブ負荷ファクターであって
    0.001−0.5mgPEP/mgPROの範囲にあ
    る。〕を有する複合体あるいは医薬的に許容されるその
    塩。
  7. 【請求項7】 PEPが下記式 【化3】 〔式中rはPEPとPSAの間の連結部位である: R1 は a) 単結合、または b) 1から5個のアミノ酸からなるペプチドであって、 アミノ酸分析スペクトル中20個の天然アミノ酸とは離
    れた場所に移動するマーカーアミノ酸を一個含むことが
    できる。 R2 は、 a) R3 が少なくとも2個以上のアミノ酸からなるペプ
    チドである場合、単結合あるいは17個までのアミノ酸
    からなるペプチド: b) R3 が単結合である場合は、2ないし17個のアミ
    ノ酸からなるペプチド: R3 は a) R2 が少なくとも2個以上のアミノ酸からなるペプ
    チドである場合、単結合あるいは17個までのアミノ酸
    からなるペプチド: b) R2 が単結合である場合は、2ないし17個のアミ
    ノ酸からなるペプチド: −GPGR−は四量体−GlyProGlyArg−: R4 は、 a) R7 がR8 である場合、R7 がメチン炭素に結合し
    ている−NH−CH−CO−である、 b) R7 が 【化4】 の場合、R3 からR7 およびR5 間の単結合である: R5 は a) マーカーアミノ酸をふくむことができる1個ないし
    5個のアミノ酸からなるペプチド、 b) −OH、 c) −COOH、 d) −CONH2 、 e) −NH2 、 f) 存在しない、 のいずれかである。 R6 は a) R7 に対する任意の結合(.......)が存在
    しない場合、通常のL−またはD−アミノ酸の側鎖から
    選択されるアミノ酸側鎖、 b) R7 がR8 の場合、−R8 −S−S−または−R8
    −S−R8 −R9 −R8 −S−、または c) R7 が 【化5】 の場合、−R8 −NH−である: R7 は a) −R8 − b) −C=Oまたは 【化6】 8 は単結合あるいは1ないし8個の炭素の低級アルキ
    ルである: R9 は a) R10、または b) キシレンである: R10は a) 低級アルキル、または b) −CH2 −O−CH2 である: −R2 −GPGR−R3 はPEPコアあるいはループア
    ミノ酸構造である。〕に限定される請求項6記載の複合
    体。
  8. 【請求項8】 PEPコアアミノ酸構造−R2 −GPG
    R−R3 が −Xn 1 2 −GPGR−X3 4 m − 〔式中−GPGR−は四量体−GlyProGlyAr
    g−である:X1 はR2 の構成体で下記から選ばれる: a) セリン b) プロリン c) アルギニン d) ヒスチジン e) グルタミン f) スレオニン X2 はR2 の構成要素で下記から選ばれる: a) イソロイシン b) アルギニン c) バリン d) メチオニン Xn はR2 の構成要素であって単結合あるいは15アミ
    ノ酸までのペプチドである。X3 はR3 の構成要素であ
    って下記から選ばれる: a) アラニン b) アルギニン c) バリン X4 はR3 の構成要素であって下記から選ばれる: a) フェニルアラニン b) イソロイシン c) バリン d) ロイシン Xm はR3 の構成要素であって、単結合あるいは15ア
    ミノ酸までのペプチドである。
  9. 【請求項9】 PEPが構造 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 〔式中rは複合体のペプチドと陰イオン性ポリサッカラ
    イドの間の連結位置である。ただしcPND33はアミ
    ノ末端Nleあるいは内部のリジン残基を介して結合さ
    れている〕を有するペプチドの1つまたはそれ以上から
    なる請求項8記載の複合体。
  10. 【請求項10】 PEPがアミド結合、チオエーテル結
    合あるいはウレタン結合のいずれかを介してポリサッカ
    ライドに結合している請求項9記載の複合体。
  11. 【請求項11】 PSAがPRP、PnPs6A、Pn
    Ps6B、PnPs10A、PnPs11A、PnPs
    18C、PnPs19A、PnPs20、PnPs22
    F、PnPs23Fから選ばれる陰イオン性ポリサッカ
    ライドである、請求項10記載の複合体。
  12. 【請求項12】 ポリサッカライドがPRPまたはPn
    Ps6Bからなり、ペプチドおよび蛋白質に下記のスペ
    ーサーの1つを介して共有結合しており、 【化12】 蛋白質はNeisseria meningitidis bの外膜複合蛋白から
    なり、 ペプチドは下記のペプチド 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 〔式中rは複合体のペプチドと陰イオン性ポリサッカラ
    イドの間の連結位置である。ただしcPND33はアミ
    ノ末端Nleあるいは内部のリジン残基を介して結合され
    ており、複合体はPRPまたはPnPs6B1mgあたり
    ペプチド0.001−10mg、OMPC1mgあたりPR
    PまたはPnPs6B0.001−10mg、全蛋白質1
    mgあたりのペプチドが0.001−0.5mgの範囲にあ
    る。〕の1つまたはそれ以上からなるペプチド−ポリサ
    ッカライド−蛋白複合体。
  13. 【請求項13】 以下の構造の1つ、 【化18】 【化19】 〔式中−r−と−B−は下記から選ばれ 【化20】 PSAはPRPまたはPnPs6Bのどちらかである:
    PFはPRPまたはPNPs6B1mgあたりのペプチド
    の質量比で、0.01と1mgのあいだにある:GFはO
    MPC1mgあたりのPRPまたはPNPs6Bの重量比
    で、0.01と0.33mgのあいだにある。〕を有する
    ペプチド−ポリサッカライド−蛋白複合体。
  14. 【請求項14】 (a) PEPペプチドをPSAに共有結
    合で連結し、 (b) ステップ(a)の生成物を免疫原性蛋白質PROに
    結合させる、ことを特徴とする請求項1記載の複合体を
    作成する方法。
  15. 【請求項15】 以下の工程 (a−i)PEPペプチドをチオール化試薬で誘導体と
    し、(a−ii) PSAをブロモアセチルドナーと反応さ
    せ、(a−iii)(a−i)の生成物を(a−ii) の生成
    物と反応させ、(b−1)PROをチオール化剤で誘導
    体とし、(b−ii) (b−i)の生成物を(a−iii)の
    生成物と反応させ、(b−iii)(b−ii)の生成物をN
    −アセチルシステアミンでキャップしてPSA上の残余
    のブロモアセチル部分を不活性化し、(b−iv) 反応剤
    を含まない複合体を単離する、ことからなる請求項14
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 以下の工程 (a−i)PEPペプチドをブロモアセチルドナーで誘
    導体とし、(a−ii) PSAをチオールドナーと反応さ
    せてチオール化PSAを調製し、(a−iii)(a−ii)
    の生成物と還元してPSA上に遊離のスルフヒドリル基
    を出現させ、(a−iv) (a−i)の生成物を(a−ii
    i)の生成物と反応させ、(b−1)PROをブロモアセ
    チルドナーで誘導体とし、(b−ii) (b−i)の生成
    物を(a−iv)の生成物と反応させ、(b−iii)(b−
    ii)の生成物をN−アセチルマレイミドでキャップして
    PSA上の残余のブロモアセチル部分を不活性化し、
    (b−iv) 反応剤を含まない複合体を単離する、ことか
    らなる請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 チオールドナーがN−アセチルホモシ
    ステイン−チオラクトンまたはシスタミンであり、ブロ
    モアセチルドナーがp−ニトロフェニルブロモアセテー
    トまたはN−(ブロモアセチル)−6−アミノカプロン
    酸 p−ニトロフェニルエステルである、請求項15記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 チオールドナーがN−アセチルホモシ
    ステイン−チオラクトンまたはシスタミンであり、ブロ
    モアセチルドナーがp−ニトロフェニルブロモアセテー
    トまたはN−(ブロモアセチル)−6−アミノカプロン
    酸 p−ニトロフェニルエステルである、請求項16記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項1、請求項6、請求項12また
    は請求項13記載の複合体と不活性な担体を含む、ほ乳
    類に投与して抗PNDペプチド、抗HIV、HIV中和
    性免疫反応を高めるために有用な医薬組成物。
  20. 【請求項20】 請求項1、請求項6、請求項12また
    は請求項13記載の複合体のカクテルを含む医薬組成物
    であって、そのカクテルは異なるPNDペプチドを1つ
    またはそのペプチド混合物を有する複合体群を作成し、
    これらの複合体を混合して作成する医薬組成物。
  21. 【請求項21】 請求項1、請求項6、請求項12また
    は請求項13記載の複合体のカクテルを含む医薬組成物
    であって、その複合体カクテルが生理的食塩水中水酸化
    アルミニウムゲルに吸着させたものである医薬組成物。
  22. 【請求項22】 請求項1、請求項6、請求項12また
    は請求項13記載の複合体からなる組成物の免疫的に有
    効な量を該ほ乳動物に投与し、場合によっては追加の複
    合体を投与して免疫反応を高めることができることを特
    徴とする、ほ乳類に投与して抗PNDペプチド、抗HI
    V、HIV中和性免疫反応を高める方法。
  23. 【請求項23】 請求項1、請求項6、請求項12また
    は請求項13記載の複合体からなる組成物の免疫的に有
    効な量をそのようなヒトに単独あるいは免疫調節剤、ア
    ジュバント、抗ウイルス剤とともに投与し、場合によっ
    ては追加の複合体を投与して抗PNDペプチド、抗HI
    V、HIV中和性免疫反応を高めることを特徴とする、
    HIV感染の危険性のあるヒト、すでにHIV陽性血清
    を有するヒトあるいはエイズに苦しむヒトを治療または
    予防する方法。
  24. 【請求項24】 請求項1、請求項6、請求項12また
    は請求項13記載の複合体からなる組成物の免疫的に有
    効な量を該ほ乳動物に投与して抗体価を高めた抗血清あ
    るいはその抗血清から単離した抗体を十分量該ヒトに投
    与することを特徴とするHIV感染の危険性のあるヒト
    を受動的に保護し、すでにHIV感染したヒトのHIV
    増殖からヒトを保護し、エイズに苦しむヒトを治療する
    方法。
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