JPH11507275A - 医療用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 患者に流体を移送したり患者から流体を移送させたりするのに使用するための医療用コネクタである。このコネクタは主要導管を有し、この主要導管は流体の主要源に流体接続する上流枝管と患者と流体接続する下流枝管とを有する。また、コネクタは前記主要導管と流体接続している二次導管も有する。更に、コネクタは中空の弾性バルブを有し、このバルブはバルブが圧縮解除された状態のときに主要流体がこのバルブを通って流れることができるように配置されている。このバルブはタブを有し、このタブは二次導管に挿入されたルーアーがこのタブを圧縮するように二次導管の中に伸びており、これにより、コネクタ内の主要流体の流れを防ぎながらルーアーから患者への流体の流れ及び患者からルーアーへの流体の流れの両方を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 医療用コネクタ 発明の背景 発明の分野 本発明は、バルブを用いて１つの場所から他の場所に薬物を静脈内へ輸送する ための医療用装置の分野に関する。更に詳細には、本発明は、患者に薬物の全投 与量を確実に受けさせるための医療用バルブの改良に関し、また患者から血液を 採取するための手段も提供する。背景 病院内及び医療装置における患者の腸管外投与のための流体操作では、２つの 地点の間で流体の移動を簡単に行うためにコネクタを通常使用する。たいていの 場合、同じＩＶを用いて多くの異なる供給源から患者に薬物を受け取らせること が望ましい。このようなシステムは、例えばＹコネクタ、ピギーバック（piggy- back）コネクタ、Ｔコネクタ、又はマニホルドを使用して実施されてもよい。こ のような装置は、薬品等の１つ以上の二次流体を主要流体に加えて主要導管を通 して患者に注入させる為に、主要導管に接続された少なくとも１つの二次導管を 有する。 多くのコネクタ又はバルブ、特に幾つかの機械的構成要素を用いるコネクタ又 はバルブは、その中に比較的容積の大きな流体空間を有する。医療分野における 深刻な問題は、医療用コネクタの中のアームと主筒との間の交差部分におけるこ の“デッドスペース”の存在であった。このデッドスペースは、コネクタのこの デッドスペースの中に薬がいくらか残ってしまうので、患者が薬物の全投与量を 受けるのを妨げる。例えば、幾つかの従来技術のマニホルドでは、オペレータが 二次導管の中に注入器を挿入して二次流体を主要流体のストリームに誘導する。 しかし、この注入器の端部と主要導管通路との間にこのデッドスペースがあるた め、二次流体のいくらかが二次導管と主要導管との間の接合部に残ってしまう。 従来のバルブ装置はこのような装置における望ましくないデッドスペースを取 り除くことに焦点を当ててきた。 望ましくない容量のあるデッドスペースの生成が実質的に除かれるように形成 された１方向バルブ装置が、ストーンに与えられた米国特許第4,666,429号及び ボン ダーデル（Ｖon Ｄardel）らに与えられた米国特許第3,416,567号に記載さ れている。記載された幾つかの実施の形態において、移動可能要素が二次導管と 主要導管との間の接合部分で主要導管の内部壁の隣りに配置されており、この移 動可能要素が１方向バルブを形成している。この二次導管の設計により注入器の ノズルをこの自動可能要素に実質的に隣接させることができる。二次導管を通り 主要導管へと流れる二次流体のフローからの流体圧力によりこの移動可能要素が 部分的に変位し、これにより二次流体を移動可能要素により通過させて主要導管 ストリームに入れる。二次流体が接合部を通過してしまうと、この移動可能要素 は元の位置に戻り、主要導管と二次導管との間の接合部分を閉鎖する。 静脈内環境において、流体薬物を誘導したり患者から血液を採取したりの両方 を行うことができる装置を使用することがしばしば望ましい。しかし、米国特許 第4,666,429号及び米国特許第3,416,567号の移動可能要素は、この移動可能要素 が主要通路内の流体フローによっては変位しないため、１方向流体フローのみし か提供しないため、患者から二次導管に流体を採取することができない。薬物を 投与するためにＩＶシステムが患者の静脈内に適切に挿入されるかどうかを決定 するために患者の血液を引き戻すためには、２方向バルブが有益である。更に、 ２方向バルブは患者から血液サンプルを採取することができるという更なる利点 を有する。 ２方向バルブの１つの例がトーマスらに与えられた米国特許第5,269,771号に 記載されている。中空のプランジャ手段がハウジング内のバルブ手段を通って延 びており、プランジャ手段の中央通路を通って装置の入口と出口との間に自由な 流体連絡を提供する。この入口に連結された注入器は次に流体を患者に誘導した り、又はその反対に患者から流体を採取したりしてもよい。 この従来技術の大きな欠点は、プランジャ手段の中央通路内だけでなくハウジ ングの通路内にも大きな容積のデッドスペースがあることである。従って、患者 に移送されるべき大量の薬物がこのデッドスペースに残り、これにより正確な量 の薬物の移送が妨げられる。正確な量の薬物の移送は、化学療法剤が投与される 場合や小さな子供に処置を行う場合などの幾つかの状況においては非常に重要に なる場合がある。デッドスペースが最小限に抑えられて二次導管内の流体が両方 行に流れる同じＩＶを使用した数多くの異なる供給源から薬物を移送するための 兼価な医療用コネクタは、医療社会において非常に大きな価値がある。 発明の概要 本発明の医療用コネクタは幾つかの特徴を有するが、どれ１つとして単独では その望ましい特徴を示さない。添付の請求項に表された本発明の範囲を限定する ことなく、より顕著な特徴について簡単に述べることとする。このディスカッシ ョンを考慮すれば、特に“図面の詳細な説明”と題したセクションを読み終えれ ば、本発明の特徴がどのように利益（安全で信頼性があり且つ繰り返し利用可能 な性能、製造及び使用の簡単さ、デッドスペースの根絶、及び１方向又は２方向 流体フローの能力を含む）を提供するのかが理解頂けるであろう。 本発明は、医療用コネクタの主要導管と二次導管との接合部分に配置されたバ ルブに関する。本発明のバルブは、主要導管の長手方向軸に沿って向いている、 中空の弾性チューブである。このチューブは、静止状態のとき、二次導管から行 き来する流体のパスをブロックする。主要導管はその上流端に入口を、及びその 下流端には出口を有する。この主要導管は、上流端と二次導管への接合部との間 の部分によって画定された上流部分と、下流端と接合部分との間の部分により画 定された下流部分とを有する。主要導管を通る流体はこの中空バルブを通るが、 コネクタの二次導管に入ることはできない。バルブの外側の側壁から二次導管の キャビティ（cavity）に延びているのはタブであり、このタブは二次導管のキャ ビティ内で偏心して配置されている。バルブの外径はコネクタの主要導管の内径 より僅かに大きく、液密にフィットするようになっている。 二次導管は、標準のテーパーされた雄ルーアーを受け取るように切頭台形型で あってもよい。二次導管に挿入されるルーアーは２つある位置のうちの１つに配 置されても良い。第一の位置では、雄ルーアーの先端は、バルブのタブの上の至 近距離にある二次導管の内部壁と一体になっている又はこれに取り付けられてい る環状リング又は他の突起の上に接触して静止している。この環状リング又は突 起は、その医療用コネクタが製造されている材料と同じプラスチック又は他の医 学的に不活性な材料で製造されてもよい。或いは、環状リングと同じ機能を提供 するようにタブを二次導管の中に装備してもよい。 二次導管から患者に流体を注入するために、ルーアーを第一位置へと挿入して 、このルーアーに流体接続している注入器又は他の医療用装置から流体を二次導 管に誘導することにより、この結果の流体圧力が部分的に弾性バルブを変位させ て注入器からルーアーの中及びチューブの上を通って主要導管へと流体を通過さ せる。注入器からの流体が主要導管へと入ってしまうと、弾性バルブはその元の 形に戻り、主要導管と二次導管との間の流体接続を止める。第一位置にあるルー アーの先端からバルブまでの距離が非常に短いので、二次導管と主要導管との間 の接合部でのデッドスペースが最小限にとどめられる。この第一位置では、本発 明の医療用コネクタ及びバルブは流体圧力作動１方向バルブとして機能する。更 に、ルーアーがこの第一位置にあるとき、主要流体は主要導管の上流端から下流 端へと流れ続ける。 患者から二次導管へと流体を引き出すために、ルーアーの先端は更に下方と押 し込まれ、環状リング又は他の突起の上に載って、耳に聞こえる“叩き音”を発 する。この叩き音は、ルーアーが二次導管内の第二位置に移動したことをオペレ ータに知らせる。第二位置では、ルーアーの先端のエッジはバルブのタブに係合 し、タブを下方に押しやる。タブが主要導管へと下方に押しやられるとバルブの 壁は下方にバイアスされてバルブが崩れ、主要導管と二次導管との間の接合部の 上流の主要導管を通る主要流体フローを遮断する。 雄のルーアーが第二位置にあると、バルブはこの崩れた位置に維持され、患者 から二次導管へと流体を引き出すための開いた通路を提供する一方、主要導管の 上流部分を流れる流体フローを遮るシールを効果的に維持する。主要流体フロー がこの崩れたバルブによりシールされるので、患者から流体を引き出している間 にこの導管をピンチオフして主要流体フローを遮るためのクランプを主要導管内 に設ける必要はない。更に、この接合部の上流のバルブ部分は、主要導管の内部 壁に対して液密シールを維持する。このような構造により、二次導管に患者の血 液が引き出されるときに主要流体が血液に混じらないようになる。従って本発明 は、流体を患者に注入するための圧力作動バルブ、及び患者から流体を取り出す ためのルーアー作動バルブを提供する。 本発明の新規な特徴により、本発明はデッドスペースを最小限にとどめて且つ 製造コストが兼価である１方向及び２方向バルブを提供するので、従来技術の主 な問題を克服する。 他の実施の形態において、バルブを押圧するためにバルブに取り付けられたタ ブを使用する代わりに、二次導管の内部壁に移動可能タブを取り付けてもよい。 この実施の形態において、雄ルーアーの先端は移動可能タブに接触してこれを下 方にバイアスする。これにより、移動可能タブは弾性バルブを下に押して、バル ブが崩れて主要流体フローから主要導管をシールオフしながら二次導管と患者と の間に開いた流体フロー接続を提供する位置へと変位させる。 図面の簡単な説明 本発明の特徴を示すその好適な実施の形態についてはここでは詳しく述べない 。これらの実施の形態は、添付の図面に表された本発明の新規且つ自明でない医 療用コネクタを記載するが、これらの図面は例示目的のみのためのものである。 これらの図面は、以下の図を含み、同じ参照番号は同様のパーツを示す。 図１は、医療用コネクタの中で閉鎖位置にある本発明のバルブの部分断面図で ある。 図２は、患者に流体を注入するために医療用コネクタの中で開き位置にある本 発明のバルブの部分断面図である。 図３は、患者から流体を引き出すために医療用コネクタの中で開き位置にある 本発明のバルブの部分断面図である。 図４は、本発明の医療用コネクタの他の実施の形態であってバルブが閉鎖位置 にあるときの、部分断面図である。 図５は、図４に表された本発明の実施の形態であって患者から流体を引き出す ためにバルブが開き位置にあるときの、部分断面図である。 図６ａは、本発明のバルブの他の実施の形態であってバルブが閉鎖位置にある ときの斜視図である。 図６ｂは、図６ａに表されたバルブの部分的断面の斜視図である。 図７ａ及び図７ｂは、図６ａ及び図６ｂに表された本発明のバルブの他の実施 の形態であって、バルブがそれぞれ閉鎖位置及び開き位置にあるときを表す断面 図である。 図８ａ及び図８ｂは、本発明の他の実施の形態であってバルブがそれぞれ閉鎖 位置及び開き位置にあるときの断面図である。 図９ａ及び図９ｂは、本発明の他の実施の形態であって、バルブがそれぞれ閉 鎖位置及び開き位置にあるときの断面図である。 図１０ａ及び図１０ｂは、本発明の他の実施の形態であって、バルブがそれぞ れ閉鎖位置及び開き位置にあるときの断面図である。 図１１ａ及び図１１ｂは、本発明の他の実施の形態であって、バルブがそれぞ れ閉鎖位置及び開き位置にあるときの断面図である。 図１２ａ及び図１２ｂは、本発明の他の実施の形態であって、バルブがそれぞ れ閉鎖位置及び開き位置にあるときの断面図である。 図１３ａ及び図１３ｂは、本発明の他の実施の形態であって、バルブがそれぞ れ閉鎖位置及び開き位置にあるときの断面図である。 図１４ａ及び図１４ｂは、本発明の他の実施の形態であって、バルブがそれぞ れ閉鎖位置及び開き位置にあるときの断面図である。 図面の詳細な説明 図１は、本発明の医療用コネクタ１０の好適な実施の形態であってバルブ２０ が閉鎖位置にあるところを表す。医療用コネクタ１０は、接合部１６で二次導管 １２と流体接続している主要導管１１を含む。この主要導管１１はその上流端に 入口１３を、及びその下流端に出口１４を有する。この主要導管１１は、上流端 （入口１３）と二次導管１２への接合部１６との間の部分によって画定された上 流部分２６と、下流端（出口１４）と接合部分１６との間の部分により画定され た下流部分２７とを有する。バルブ２０は好ましくは接合部１６に設置される。 バルブ２０の長手軸は主要導管１１の長手軸に位置合わせされる。医療用コネク タ１０の接合部１６に配置された、非圧縮状態にあるバルブ２０は、二次導管１ ２と主要導管１１との間のあらゆる流体フローを防ぐ。バルブ２０は中空の弾性 チューブ２４及びタブ２１を含み、チューブ２４は更に上流壁部分２３と下流壁 部分２２とによって画定される。バルブ２０のタブ２１はバルブ２０の側壁から 二次導管１２へと延びている。バルブの下流壁部分２２は接合部１６を超えて主 要導管１１内の下流へと短い距離延びており、バルブの上流壁部分２３は接合部 １６を過ぎて上流へとこれより長い距離延びていても良い。二次導管１２の内部 壁に沿って、バルブ２０のタブ２１の僅かに上には環状リング１５が設置される 。好ましくは、二次導管１２のキャビティは内側にテーパーされており、二次導 管１２が医療器具のＡＮＳＩ（アメリカ規格協会、ワシントンＤ．Ｃ．）の標準 エンド（end）にぴったりはまるようになっていてもよい。一般的に、この機器 は医療応用において使用される注入器、ルーアー、又は様々な導管のうちの１つ である。ルーアーは流体接続するための任意のチューブとして画定され、また医 療器具と共に一般に用いられても良い。ルーアーの形は様々で、円錐形、円筒形 、又は当業者に知られているあらゆる他の形でもよい。二次導管１２は基部端１ ８及び接合部分１６である遠心端により画定される。有利には、様々な医療器具 又はコネクタ装置に二次導管１２をロックすることが簡単にできるように、二次 導管１２の基部端１８にロック機構を装備することができる。例えば、図１を参 照すると、二次導管１２の基部開口１８の近くにロックイヤー(locking ears)１ ７が好ましくは備えられ、当業者に知られているあらゆる同等のルーアーロック 装置に二次導管１２をロックできるようにする。 構成されたように、操作中、主要流体供給源（図示せず）から流体は主要導管 １１の入口１３に入り、バルブ２０のチューブ２４及び主要導管１１の出口１３ を通って流れ、患者に移送される。チューブ２４の外径は、好ましくは主要導管 １１の内径より僅かに大きい。従って、バルブ２０と主要１１の内部壁２９との 間の液密フィットが確約され、主要流体がチューブ２４の壁と主要導管１１との 間を通って二次導管１２へと流れるのを妨げる。この構造のバルブ２０を用いる と、二次導管１２と主要導管１１との間を流体が流れることができない。 医療器具３０から二次導管１２へ流体を注入すると、１方向バルブが提供され て、医療器具３０から主要導管内へそして患者へと流体が流れる。二次導管１２ から患者に流体を注入するために、医療器具３０は二次導管１２の中の第一位置 に挿入され、医療器具３０から二次導管１２へと流体が誘導される。 図２に表されたように、医療器具３０の基部端３１はこの基部端３１が環状リ ング１５に接触するまで二次導管の中に挿入される。環状リング１５は接合部１ ６から非常に近い距離のところに配置されるので、医療器具３０の基部端３１と 接合部１６との間のデッドスペースは最小限にとどめられる。基部端３１のエッ ジが環状リング１５に載せられると、医療器具３０は第一位置に位置し、ここで 医療器具３０を通して流体が注入されることにより、この結果の流体圧力は弾性 チューブ２４を部分的に撓めて医療器具３０からバルブ２０を超えて二次流体を 通過させて主要導管１１へ、そして患者へと流れさせる。医療器具３０からの二 次流体が接合部１６を通過したあと、弾性チューブ２４は圧縮解除されて元の形 状に戻る。流体圧力のもとでバルブ２０のチューブ２４が圧縮したり元の形状に 戻ったりする能力は、バルブ２０を製造するのに使用される材料の弾性によって 決まる。医療器具３０からの流体圧力が終わって直ぐにこのチューブ２４を元の 形状に戻すことにより、バルブ２０は出口１４から二次導管１２への流体の逆流 をくい止める。更に、上流壁部分２３が下流壁部分２２より長いので、医療器具 ３０により誘導された流体圧力はチューブ２４の上流端２８を押して主要導管１ １の壁に対する液密シールを超過する程大きくはない。従って、この処理の間、 入口１３から二次導管１２への主要流体フローは遮られる。或いは、バルブ２０ は、チューブ２４の上流部分２３をチューブ２４の下流部分２２より長くする必 要がなく尚且つ本発明の利点を達成できる材料から製造されてもよい。 図３は、本発明の２方向バルブの特徴を表す。図３に表されているように、医 療器具３０の基部端３１はタブ２１を下方向にバイアスし、これによりチューブ ２４を押圧して、開いた流体接続位置に維持する。患者から流体のサンプルを引 き出すために、医療器具３０の基部端３１は環状リング１５の上に押され、これ により医療器具３０が第二位置にセットされるときに耳に聞こえる“叩き音”を 発生させる。この“叩き音”は、医療器具３０が二次導管１２内の第二位置にロ ックされたことを示すのにユーザが頼ることができる、聴覚信号である。或いは 、ユーザが触ったり見たりして医療器具３０が第二導管１２内に位置しているの を確かめることができるのであれば、クリック音は必要ない。 医療器具３０の基部端３１のエッジはタブ２１を主要導管１１の通路の中に下 方向にバイアスする。バルブ２０のタブ２１は、接合部１６内で偏心的に配置さ れるように特に設計され、医療器具３０が第二位置にあるときに基部端３１のエ ッジがタブ２１に接触するようになっている。タブ２１は二次導管１２のどの側 に向かって偏心されて配置されていてもよい。しかし、ある実施の形態では、タ ブ２１を主要導管１１の下流端の近くに配置するのが望ましい。 タブ２１の変位に応答して、チューブ２１は図３のように崩れ、入口１３から の主要導管１１内のあらゆる主要流体フローを閉鎖する。更に、上流壁部分２３ もまた主要導管１１の通路の中に変位するが、上流壁部分２３が下流壁部分２２ に比べて長いので、或いはチューブ２４の材料の強度により上流壁部分２３を接 合部１６の上流の主要導管１１の内部壁２９から分離させないので、医療器具３ ０からの力は上流壁部分２３の上流端２８を主要導管１１の内部壁２９に対して 液密フィットした状態から変位させるの程充分に大きくはない。従って、入口１ ３へ流れる主要流体が二次導管１２に入るのを完全に遮断する。主要導管１１を 介して出口１４と二次導管１２との間に開き通路を維持し、オペレータは患者か ら医療器具３０へと流体サンプルを引き出してもよい。或いは、２方向バルブ特 徴によりオペレータが患者から医療器具３０へと少量の流体サンプルを引き戻し て、薬物が患者に安全且つ適切に移送されるようにＩＶシステムが患者の静脈内 に挿入されたかどうかを確かめるようにしてもよい。 有益なことに、医療器具３０が二次導管１２の空の第二位置にあるときにバル ブ２０が崩れて導管１１を効果的にシールするため、患者から流体を引き出すと きに主要導管１１の中の主要流体フローをピンチオフするためのクランプは必要 ない。従って、ルーアー３０が第一位置にあるとき、バルブ２０は流体を患者に 注入するための圧力作動１方向バルブとして作用し、ルーアー３０が第二位置に 配置されたとき、バルブ２０は患者から流体を誘導又は引き出すための２方向バ ルブとして作用する。構成要素の数が限られているため、本発明の医療用コネク タは兼価で且つ製造し易い。 最低限のデッドスペースを有する２方向バルブ装置の他の実施の形態が図４に 図示されている。この実施の形態において、バルブ２０は主要導管１１内の接合 部にある中空の弾性チューブである。図１〜図３に図示された好適な実施の形態 と同じように、バルブ２０は上流壁部分２３及び下流壁部分２２を有するチュー ブ２４からなる。チューブ４４に連結したタブを有する代わりに、タブ２５は接 合部１６の近くであって環状リング１５の下の導管１２の内部壁に取り付けられ ている。タブ２５は主に図１〜図３のタブ２１と同じ機能を果たし、医療器具３ ０が第二位置にあるときに二次導管１２と主要導管の出口１４との間に流体連絡 を提供するように、バルブ４０の下流壁部分４２を変形位置に維持する。図５は 二次導管１２の中の第二位置にある医療器具３０を表す。医療器具３０の基部端 ３１を環状リング１５上に載せて第二位置に置くと、基部端３１のエッジはタブ ２５を主要導管１１の通路の中へと下方向にバイアスし、接合部１６を閉鎖する 位置からバルブ４０を変位させ、下流壁部分４２を崩して主要導管入口１３から の上流の主要流体フローを遮断する。医療器具３０を二次導管１２内の第二位置 から引き出すと、タブ２５は二次導管１２内の自然な位置に戻り、バルブ４０の 弾性チューブ４４をその元の形状に戻す。 或いは、環状リング１５をタブ、突起、傾斜、又は当業者の知る他の構造に置 き換えても良い。好ましくは、環状リング１５は医療用コネクタ１０と同じ材料 で作られており、この材料はプラスチック又は他の医学的に不活性な材料である 。 図６ａ及び図６ｂは、医療用コネクタ１０に使用されることのできる本発明の バルブ２０の他の実施の形態を表す。図６ａ及び図６ｂのバルブ２０はタブ２１ 及びチューブ２４を有し、このチューブは内部ブロック６１及び６２を有し、こ れらのブロックはタブ２１が医療器具３０により第二の位置に押し下げられたと きに上部主要流体フローをシールする。図７ａ及び図７ｂは更に、図６ａ及び図 ６ｂに表されたバルブ２０の実施の形態の機能を表す。図７ａは閉鎖位置にある バルブ２０を表し、図７ｂは開き位置にあるバルブ２０を表す。 図８ａ及び図８ｂは医療用コネクタ１０に使用されることのできる本発明のバ ルブ２０の更に他の実施の形態を表す。図８ａ及び図８ｂのバルブ２０はタブ２ １及びチューブ２４を有し、このチューブ２４は内部ブロック８１及び８２を有 し、これらのブロックは、タブ２１が医療器具３０が第二位置にあるときにこの 医療器具３０により押し下げられたときに上流主要流体フローをシールする（図 ８ｂ）。 図９ａ及び図９ｂは、医療用コネクタ１０に使用されることのできる本発明の バルブ２０の更に他の実施の形態を表す。図９ａ及び図９ｂのバルブ２０はタブ ２１及びチューブ２４を有し、このチューブは内部ブロック８１及び８２を有し 、これらのブロックは医療器具３０が第二位置にあるときにこの医療器具３０に よりタブ２１が押し下げられたときに上流主要流体フローをシールする。更に、 タブ２１が圧縮されたときにチューブ２４もまた崩れる（図９ｂ）。 図１０ａ及び図１０ｂは本発明の他の実施の形態を表す。２つの内部ブロック ８１及び８２は、医療器具３０が第二位置（タブ２１が図１０ｂのように圧縮さ れた位置）にあるときに主要流体フローを遮断する。 図１１ａ及び図１１ｂは本発明のバルブ２０の他の実施の形態を表す。この実 施の形態は、図１１ｂに表されたように医療器具３０によりタブ２１が圧縮され たときに主要流体フローの上流をシールする。 図１２ａ及び図１２ｂは、本発明のバルブ２０の他の実施の形態を表す。この 実施の形態は、図１２ｂに表されたように医療器具３０がタブ２１を圧縮したと きに主要流体フローの上流をシールする。バルブ２０はタブ２１及びゲート９０ を含み、医療器具３０が第二位置へと押し入れられてタブ２１を下方にバイアス してゲート９０を閉鎖させるときに、ゲート９０が主要導管１１内の主要流体フ ローの上流をシールする。 図１３ａ及び図１３ｂは本発明のバルブ２０の他の実施の形態を表す。この実 施の形態は、図１３ｂに表されたように医療器具３０がタブ２１ａ又はタブ２１ ｂを圧縮したときに主要流体フローの上流をシールする。 図１４ａ及び図１４ｂは、本発明のバルブ２０の他の実施の形態を表す。この 実施の形態は、図１４ｂに表されたように医療器具３０がタブ２１を圧縮したと きに主要流体フローの上流をシールする。 本発明の範囲 本発明を実施するために考えられた最良の形態、及びこれを製造し及び使用す る方法及びプロセスを、本発明に関するあらゆる当業者が本発明を製造及び使用 することができるように、全て明確に、簡明に、且つ正確な用語で上記に記載し た。しかし本発明は、先述の記載から十分同等物である修正物及び改造物を考え 出すことが可能である。従って、本発明は開示さた特定の実施の形態に制限され ない。反対に、本発明は、本発明の主題を特に指摘してはっきりと請求する添付 の請求の範囲によりおおむね表された本発明の精神及び範囲内に入る全ての修正 物及び改造物をカバーすることが意図される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｌ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．患者へ及び患者から流体を移送するのに使用するための医療用コネクタであ って、 主要導管を含み、前記主要導管は流体の主要供給源に流体接続する上流枝管 と患者に流体接続する下流枝管とを有し、 前記主要導管に流体接続する二次導管を含み、及び、 中空の弾性バルブを含み、前記弾性バルブは前記バルブが圧縮解除された状 態であるときに前記主要流体が前記バルブを通ってフローすることができるよう に配置され、前記バルブは前記二次導管内へと延びるタブを有し、前記二次導管 内に挿入されたルーアーが前記タブを押圧するようになっており、これにより前 記コネクタを通る前記主要流体のフローを遮る一方、前記ルーアーから前記患者 への流体フロー及び前記患者から前記ルーアーへの流体フローの両方を許容する 、 医療用コネクタ。 ２．前記医療用コネクタが、前記第二導管の内部壁に沿って配置された突起を更 に含む、請求項１の医療用コネクタ。 ３．前記突起が環状リングからなる、請求項２の医療用コネクタ。 ４．前記突起が前記二次導管の内部壁に沿って配置された１対のタブからなる、 請求項２の医療用コネクタ。 ５．前記バルブが圧縮解除状態にあるとき、前記主要導管の内部壁に前記バルブ が液密係合する、請求項１の医療用コネクタ。 ６．前記ルーアーが前記二次導管内の第一位置に挿入されて前記二次導管内のデ ッドスペースが実質的に最小限に抑えられることができる、請求項１の医療用コ ネクタ。 ７．前記ルーアーから前記二次導管へと二次流体を吐き出して前記バルブを変形 させ、前記二次流体を前記主要導管内に入れて患者へと移送させる、請求項６の 医療用コネクタ。 ８．前記二次流体が前記二次導管から前記主要導管へと通過したあとに前記バル ブが元の位置に圧縮解除される、請求項７の医療用コネクタ。 ９．前記ルーアーが前記二次導管内の第二位置へと挿入されて前記ルーアーが前 記バルブの前記タブをバイアスし、前記主要流体が前記バルブを通過して移送さ れるのを防ぎながら前記ルーアーと患者との間の流体接続を維持するように前記 バルブを崩す、請求項１の医療用コネクタ。 １０．前記ルーアーが前記突起を横切ると耳に聞こえる音を生じる、請求項２の 医療用コネクタ。 １１．前記二次導管が前記二次導管を前記ルーアーにロックするためのロック機 構を更に含む、請求項１の医療用コネクタ。 １２．患者から流体を誘導して引き出すための方法であって、 ルーアーを医療用コネクタの二次導管内の第一位置へと挿入するステップを 含み、前記医療用コネクタは主要導管、二次導管及び中空の弾性バルブを有し、 前記バルブが圧縮解除状態であるときに主要流体の供給源が前記バルブの中を流 れるようになっており、前記バルブが圧縮された状態のときは前記流体の主要供 給源が前記バルブ内を流れないようになっており、 前記ルーアーの中の二次流体を前記二次導管へと移動させることにより前記 バルブを僅かに変形させるステップを含み、これにより前記主要流体と二次流体 とが前記医療用コネクタを通って患者へと同時に移動することができるようにな っており、 前記ルーアーを前記二次導管の中の第二位置へと挿入して前記流体の主要供 給源が前記バルブを通らないようにする一方で前記ルーアーと患者との間に流体 接続を確立するステップを含み、 前記主要導管及び二次導管を通して前記患者から前記ルーアーへと流体を引 き出すステップを含み、及び、 前記ルーアーを取り出すことにより前記医療用コネクタを介して前記主要流 体の前記フローをその供給源から患者へと再び確立するステップを含む、 流体引き出し方法。 １３．前記ルーアーが前記二次導管内の第二位置へと挿入されたときに耳に聞こ える音が生成される、請求項１２の方法。 １４．前記ルーアーを第二位置へと挿入する前記ステップの後に前記引き出しス テップが行われる、請求項１２の方法。 １５．ルーアーを第二位置に挿入する前記ステップの前に第一位置へとルーアー を挿入する前記ステップが行われる、請求項１２の方法。 １６．ルーアーを第一位置に挿入する前記ステップの前にルーアーを第二位置へ と挿入する前記ステップが行われる、請求項１２の方法。 １７．前記移動させるステップの前に前記引き出しステップが行われる、請求項 １２の方法。 １８．前記引き出しステップの前に前記移動させるステップが行われる、請求項 １２の方法。