JPH11506966A - 改良された獲得性能を有する吸収性コア及びそれらを含む吸収製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は排出された水性身体流体を吸収することのできる吸収性コアに関し、前記吸収性コアは、(1)水性流体を受け取ることのできる上部流体獲得／分配部材であり、吸収性コアの流体排出領域内に配置される前記上部流体獲得／分配部材と、(2)少なくとも部分的に上部流体獲得／分配部材の下に流体連通して配置される少なくとも一つの上部流体貯蔵部材であり、流体獲得ゾーンを形成するために水性身体流体との接触時にｚ方向に膨張することのできる前記上部流体貯蔵部材と、(3)水性身体流体を受け取ることのできる流体獲得ゾーンであり、少なくとも部分的に前記少なくとも一つの流体貯蔵部材により取り囲まれている前記流体獲得ゾーンと、(4)少なくとも部分的に上部流体貯蔵部材の下に流体連通して配置され、水性身体を獲得し移送することのできる下部流体獲得／分配部材と、および(5)好ましくは、下部流体獲得／分配部材の下にこれと流体連通して配置される少なくとも一つの下部流体貯蔵部材と、を含む。本発明はさらに排出された水性身体流体を吸収するのに有用な、Ａ）流体透過性トップシートと、Ｂ）バックシートと、およびＣ）本発明の吸収性コアと、を含む吸収製品に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された獲得性能を有する吸収性コア及びそれらを含む吸収製品 技術分野 本出願は、おむつ、成人用失禁パッド、衛生ナプキン等の水性身体流体（水 性体液）のさまざまな排出物を処理することのできる吸収製品に関する。本出願 は、特に、流体獲得／分配材料の下に位置し、流体貯蔵材の膨張により形成され る流体獲得ゾーンを有する吸収性コアを含む製品に関する。 発明の背景 使い捨ておむつ、成人用失禁パッド及びブリーフ、並びに衛生ナプキンのよ うな月経用製品として使用される高度の吸収性部材の開発は、本質的な商業的関 心事の対象である。そのような製品について非常に望ましい特性は薄さである。 例えば、より薄いおむつは着用にかさばらず、衣類の下により良くフィットし、 かつ目立たない。それらはまた、包装状態でよりコンパクトであり、消費者がお むつを携帯し、保管するのをより簡便なものにする。包装状態でのコンパクト性 はまた、製造業者及び配給業者に対して流通費用の減少をもたらし、それにはお むつ一個当たりの保管に必要とされるより少ない棚スペースが含まれる。 おむつのようなより薄い吸収製品を提供できることは、大量の排出された身 体流体、特に尿を獲得し貯蔵できる比較的薄い吸収性コア又は構造を開発できる ことしだいであった。このことについては、しばしば「ヒドロゲル」、「超吸収 性物質」又は「親水コロイド」物質と言われるある種の吸収性ポリマーの使用が 特に重要であった。例えば、吸収製品にそのような吸収性ポリマー（以後、「ヒ ドロゲル形成性吸収性ポリマー」という）の使用が開示されている、１９７２年 ６月１３日に発行された米国特許第３，６６９，１０３号（ハーパー等）、およ び１９７２年６月２０日に発行された米国特許第３，６７０，７３１号（ハーモ ン）参照。実際、より薄いおむつの開発は、大量の排出された水性身体流体を吸 収するためのこれらのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの能力を、典型的に繊維 質マトリクスとの組合せにおいて使用するときに、利用するより薄い吸収性コア の直接的な結果である。例えば、薄く、コンパクトで、かさばらないおむつを作 る際に有効な繊維質マトリクス及びヒドロゲル形成性吸収性ポリマーを含む二重 層コア構造が開示されている、１９８７年６月１６日に発行された米国特許第４ ，６７３，４０２号（ワイズマン等）及び１９９０年６月１９日に発行された米 国特許第４，９３５，０２２号（ラッシュ等）参照。 これらのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの使用以前は、もっぱら木材パル プ・フラッフから、乳児用おむつの使用に好適であるような吸収性構造を作るこ とが一般的に行われていた。木材パルプ・フラッフ１グラム当たりに吸収される 流体のグラムに関し、木材パルプ・フラッフにより吸収される流体が比較的少量 であったため、比較的大量の木材パルプ・フラッフを使用することが必要であり 、このため比較的かさばった、厚い吸収構造の使用が余儀なくされた。そのよう な構造へのこれらのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの導入により、より少ない 木材パルプ・フラッフの使用が可能となった。これらのヒドロゲル形成性吸収性 ポリマーは、尿のような水性身体流体の大体積を吸収する能力に関してフラッフ よりも優れており（すなわち、少なくとも約１５ｇ/g）、このようにより小さく 、より薄い吸収構造を可能としている。 従来の吸収構造は、一般的に、比較的少量（例えば、約５０重量％よりも少 ない）のこれらのヒドロゲル形成吸収性ポリマーを含んでいた。例えば、１９８ ９年５月３０日に発行された米国特許第４，８３４，７３５号（アレマニー等） （好ましくは、繊維質マトリクスに約９ないし約５０％のヒドロゲル形成性吸収 性ポリマー）参照。これについてはいくつかの理由がある。従来の吸収構造に使 用されたヒドロゲル形成性吸収性ポリマーは、一般的に、吸収構造に身体流体を 、特に「噴出」状態において迅速に吸収させ得る吸収速度を有していなかった。 これにより、ヒドロゲル形成性吸収性ポリマーにより吸収されるまで、排出され た流体を保持するための一時の貯留器としての役割を果たすために繊維、典型的 に木材パルプ繊維を含むことが必要とされる。 さらに重要なことに、多数の知られたヒドロゲル形成性吸収性ポリマーはゲ ル閉塞を示した。「ゲル閉塞」は、ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー粒子が湿潤 し、吸収構造の他の領域への流体透過を抑制するために粒子が膨張するときに生 ずる。ゆえにこれらの吸収部材の他領域の湿潤は、非常にゆっくりとした拡散プ ロセスを経て起こる。実際的には、これは、吸収構造による流体の獲得は、流体 が特に噴出状態で排出されるときの速度よりはるかにゆるやかであることを意味 する。吸収製品からの漏出は、吸収部材中のヒドロゲル形成性吸収ポリマー粒子 が充分に飽和する充分前、あるいは流体が吸収部材の他の部分へ「閉塞」粒子を 拡散または吸い上げる前に起こり得る。ゲル閉塞は、もしヒドロゲル形成性吸収 性ポリマー粒子が充分なゲル化強度を有さず、いったん吸収流体で膨張すると圧 力下で変形しまたは広がらない場合には、特に深刻な問題となり得る。１９８９ 年５月３０日に発行された米国特許第４，８３４，７３５号（アレマニー等）参 照。 このゲル閉塞現象は、典型的に、ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー粒子が分 散されている繊維質マトリクスの使用を必要とした。この繊維質マトリクスは、 互いに分離されたヒドロゲル形成性吸収性ポリマー粒子を保持している。この繊 維質マトリクスはまた、最初の流体排出点から離れた領域に位置するヒドロゲル 形成性吸収性ポリマーに流体が到達することを可能とする毛管構造を提供する。 １９８９年５月３０日に発行された米国特許第４，８３４，７３５号（アレマニ ー等）参照。しかしながら、ゲル閉塞を最小化しまたは避けるためにヒドロゲル 形成性吸収性ポリマーを繊維質マトリクスに比較的低濃度で分散させることは、 より薄い吸収構造の全体的な流体貯蔵性能を低下させ得る。その上、繊維質マト リクス中の至る所に均一に分散されたヒドロゲル形成性吸収性ポリマーを含む吸 収性コアは、典型的に、噴出状態の間に、またはコアが身体流体の先立つ排出か ら飽和状態になったときに流体を迅速に獲得し分配し得ない。 排出された身体流体を迅速に獲得し分配することの必要性が、上に示した二 重層コア構造の開発をもたらした。これらの二重層コア構造は、本質的に、(1) 流体透過性トップシートに隣接する、排出された流体を獲得するヒドロゲル形成 性吸収性ポリマーを実質的に含まない上部繊維質層、および(2)この獲得した流 体を貯蔵し、典型的に、(a)その中に均一に分散されたヒドロゲル形成性吸収性 ポリマーを有する繊維質マトリクス、または(b)ヒドロゲル形成性吸収性ポリマ ーが二 つのティシュー層の間にある積層構造のどちらかである下部層、から構成される 。例えば、１９８７年６月１６日に発行された米国特許第４，６７３，４０２号 （ワイズマン等）参照。改良した獲得及び分配性能を提供するために、ある種の 化学的に硬化され、カールされ、撚られたセルロース性繊維が上部層に用いられ ている、１９９０年６月１９日に発行された米国特許第４，９３５，０２２号（ ラッシュ等）及び1９９３年６月８日に発行された米国特許第５，２１７，４４ ５号（ヤング等）もまた参照。他の変形は、流体排出領域にヒドロゲル形成性吸 収性ポリマーを実質的に含まない獲得ゾーンおよび獲得ゾーンと流体連通してい るヒドロゲル形成性吸収性ポリマーをその中に分散している貯蔵領域があるよう に吸収性コアを「プロファイル」することである。１９８９年５月３０日に発行 された米国特許第４，８３４，７３５号（アレマニー等）、および１９９１年９ 月１０日に発行された米国特許第５，０４７，０２３号（バーグ等）を参照。 これらの従来の吸収設計により流体処理改良が提供されたにもかかわらず、 流体を容易に獲得する性能が水性身体流体で吸収性コアが飽和状態になるとすぐ に減少することが見出された。これは、吸収性コア中の繊維とヒドロゲル形成性 吸収性ポリマーとの間の空間が最初の「噴出」の間に流体で部分的に満たされ、 ゆえに続いて起こる「噴出」の間に流体の必要体積を迅速に受け入れることがで きないために生ずる。さらに、漏出のおそれは、負荷数が増加するに連れて増加 する。 いくつかの従来の吸収性コア設計に伴い生じ得る他の間題は、「濡れ返し（ rewet）」と言われる現象である。濡れ返しは、トップシートに隣接する吸収性 コアの部分において自由に移動可能であり利用できる獲得流体があるときに生ず る。これは、典型的に、吸収性コアが獲得流体で飽和状態になるときに経験され る。製品の着用者からの機械的圧力の下、この可動流体は、吸収性コアから、ト ップシートを通って上向きに搬送される。結果として、トップシートは充分に乾 いていないために、トップシートはこの搬送された流体で「濡れ返し」される。 従って、以下の吸収性コアを提供することもまた望ましい。すなわち、(1) 望ましい全体的な流体容量および薄さを有する吸収性コア中に、流体獲得ゾーン を形成するために排出された身体流体を吸収して膨張することのできる吸収材料 を有し、(2)コアが先立つ流体排出から負荷領域内で飽和状態になったときでさ え、「噴出」状態の間に迅速に排出流体を獲得することができ、および(3)吸収 製品に含められるとき、好ましくはトップシートの濡れ返しを最小化する、吸収 性コアである。 発明の概要 本発明は、排出された水性身体流体を吸収することのできる吸収性コアに関 し、吸収性コアは、 (1) 吸収性コアの流体排出領域に位置し、水性流体を受け取ることの できる上部流体獲得／分配部材、 (2) 少なくとも部分的に上部流体獲得／分配部材の下側にこれと流体 連通して位置し、流体獲得ゾーンを形成するために水性身体流体と接触するとき ｚ方向に膨張することのできる少なくとも一つの上部流体貯蔵部材、 (3) 前記少なくとも一つの上部流体貯蔵部材により少なくとも一部が 囲まれており、吸収性コアの流体排出領域の下側に少なくとも一部が位置してい る、水性身体流体を受け取ることのできる流体獲得ゾーン、 (4) 少なくとも部分的に前記少なくとも一つの上部流体貯蔵部材の下 側にこれと流体連通して位置し、水性身体流体を獲得し移送することのできる下 部流体獲得／分配部材、および (5) 好ましくは、下部流体獲得／分配部材の下側にそれと流体連通し て位置しており、少なくとも一部が流体獲得ゾーンの下に位置している少なくと も一つの下部流体貯蔵部材、 を含んでいる。 本発明は、さらに、排出された水性身体流体を吸収するのに有効な吸収製品 に関し、その吸収製品は、Ａ）流体透過性トップシート、Ｂ）バックシート、及 びＣ）本発明の吸収性コア、から構成される。 本発明の吸収製品は、以下の存在により、排出された身体流体を迅速に獲得 し、分配し、貯蔵する改良された性能を有する。すなわち、(1)膨張可能な流体 貯蔵部材により形成される流体獲得ゾーン、および(2)身体流体の噴出を受け取 り、これらの噴出をコアの他の部材と脱着することができる上部流体獲得／分配 部材、である。流体獲得ゾーンの形成に本質的となる、上部流体獲得／分配部材 の下の流体貯蔵部材の配置は、流体を獲得するための大領域を提供する利益をも たらし（すなわち、流体が流体獲得ゾーンの外側でおむつに入った場合でも、流 体は最初は獲得され得る）、獲得／分配材料は、上部流体貯蔵部材として用いら れるある種の材料（例えば、ヒドロゲル形成性ポリマー）と比べて、最も近い着 用者の皮膚に美的に柔軟な感覚を提供する。これは、「噴出」状態の間、または 吸収性コアの部分がそのような流体の先の多量の放出により飽和状態になってい るときに重要である。本発明の吸収製品はまた、いくぶんかは着用者の皮膚から 離れた流体獲得ゾーンの位置により、トップシートの濡れ返しを最小化する。こ れは本発明のコアを含む製品の着用者に優れた肌乾燥を提供する。 図面の簡単な説明 図１は、吸収性コアをより明確に見せるためにトップシートが透明になって いる本発明による吸収製品の上部の平面図である。 図２は、図１の２−２線に沿って取られた断面図である。 図３は、本発明による別の吸収性コアを示す吸収製品の断面図である。 図４は、本発明によるさらに別の吸収性コアを示す吸収製品の断面図である 。 図５は、本発明によるさらに別の吸収性コアを示す吸収製品の断面図である 。 図６は、本発明によるさらに別の吸収性コアを示す吸収製品の断面図である 。 発明の詳細な説明 Ａ．定義 本明細書で用いる「水性身体流体」という用語は、尿、月経、及び膣排出物 を含む。 本明細書で用いる「直接連通」という用語は、介挿された層による実質的な 蓄積、運送、又は制限なく二つの吸収製品部材（例えば、上部貯蔵部材と下部流 体獲得／分配部材）の間を流体が容易に移り得ることを意味する。例えば、ティ シュー、不織ウェブ、構成接着剤等は、流体が貯蔵層から獲得／分配層へ通過す るときに実質的に蓄積（貯蔵）、吸い上げ（wick）、あるいは制限しない限り、 「直接連通」を維持しながら上部獲得／分配層と上部貯蔵層との間に存在し得る 。 本明細書で用いる「Ｚ次元」という用語は、部材、コア又は製品の長さ及び 幅に直角な次元をいう。Ｚ次元は、通常、部材、コア又は製品の厚さに相当する 。 本明細書で用いる「Ｘ−Ｙ次元」という用語は、部材、コア又は製品の厚さ に直角な平面をいう。Ｘ及びＹ次元は各々、部材、コア又は製品の長さ及び幅に 相当する。 本明細書で用いる「吸収性コア」という用語は、主として、水性身体流体の 獲得、運送、分配及び貯蔵を含む製品の流体処理特性の役割を担う吸収製品の部 材をいう。そのように、典型的に吸収性コアには、吸収製品のトップシート又は バックシートは含まれない。 本明細書で用いる「負荷」及び「噴出」という用語は、一般に、典型的には 使用中に生ずる尿又は他の身体流体の襲撃あるいは堆積をいう。負荷という用語 はまた、吸収製品に含まれる液体の全量をいい得るが、典型的には一回の流体襲 撃をいう。 本明細書で用いる「層」という用語は、その主たる次元がＸ−Ｙ、すなわち 、その長さ及び幅に沿っている吸収性部材をいう。層という用語は、必ずしも単 一層又はシートに限定されないことは理解されるべきである。このように、層は 、必要な材料のタイプであるいくつかのシート又はウェブの積層あるいは組合せ を含み得る。したがって、「層（layer）」という用語は、「層（layers）」及び「層 を成した（layered）」という言い方を含み得る。 本発明の目的により、「上部」という用語は、吸収製品の着用者に最も近く 、典型的に吸収製品のトップシートに近寄っている、層のような、吸収性コア部 材をいい、逆に、「下部」という用語は、吸収製品の着用者からさらに離れてお り、典型的にバックシートに近寄っている吸収性コア部材をいうこともまた、理 解されるべきである。 本明細書で用いる「含む」という用語は、種々の部材、手段等が本発明に従 い組み合わせて使用され得ることを意味する。したがって、「含む(comprising)」 という用語は、より限定された言い方である「から本質的に成る（consisting e ssentially of）」及び「から成る（consisting of）」（後者は当該分野におい て理解されるようなその標準的意味を有するより限定的な意味である）を包含す る。 本明細書で用いるすべての百分率、比率及び割合は、他の方法で特定されな い限り重量による。 Ｂ．吸収性コア部材 改良された獲得性能を達成するために有効な典型的コア部材を以下に述べる 。 １．上部及び下部流体獲得／分配部材 本発明のコアは、上部及び下部流体獲得／分配部材を含む。各流体獲得／分 配部材は、本発明の吸収性コアのさまざまな機能を提供し得る。特に上部獲得／ 分配部材について、１つの機能は、最初に排出された身体流体を獲得することで ある。他の重要な機能は、これらの獲得流体を他の吸収性コア部材、特に流体貯 蔵部材に移送し、分配することである。いくつかの場合には、本発明による流体 獲得／分配部材は、少なくとも何らかのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーを含み 、これにより吸収性コアにいくらかの流体貯蔵能を提供し得る。 以下の詳細な説明は、一般的に、獲得／分配部材のどちらか／両者について 有効な材料に言及する。個々に言及されるにもかかわらず、説明はこれらコア部 材の両者にあてはまる。コアに含められる限り、上部及び下部部材は、以下に論 ずるように、実質的に同じか、あるいは相違し得る。 本発明の流体獲得／分配部材は、繊維質ウェブ又は繊維質マトリクスを形成 するさまざまな繊維質材料を含み得る。流体獲得／分配部材に有効な繊維には、 （修飾された、あるいは修飾されていない）天然繊維、並びに合成繊維が含まれ る。好適な修飾されていない／修飾された天然繊維の例には、コットン、アフリ カはねがや（Esparto grass）、サトウキビのしぼり殻、粗毛、亜麻、シルク、 ウール、木材パルプ、化学的に修飾された木材パルプ、ジュート、レーヨン、エ チルセルロース、及び酢酸セルロースが含まれる。好適な合成繊維は、ポリ塩化 ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン 、 不溶性又は可溶性のポリビニルアルコール、ポリエチレン（例えば、ＰＵＬＰＥ スチレン等から作られ得る。使用される繊維は、単一の天然繊維のみ、単一の合 成繊維のみ、またはすべての適合する天然繊維と合成繊維との組合せを含み得る 。 本発明の流体獲得／分配部材に有効な繊維は、親水性繊維、親水性にされる 疎水性繊維、あるいは親水性繊維と親水性にされた疎水性繊維の両者の組合せで あり得る。本明細書で用いる「親水性」という用語は、繊維又は繊維表面であっ て、これらの繊維上に堆積される水性流体（例えば、水性身体流体）により湿潤 し得る繊維、又は繊維表面をいう。親水性及び湿潤性は、典型的に、関与する流 体と固体の接触角及び界面張力に関して規定される。これについては、ロバート Ｆ．グールドにより編集され（１９６４年著作権）、湿潤性と粘着性に関する接 触角と題するアメリカン・ケミカル・ソサエティ出版物に詳細に述べられている 。繊維、又は繊維界面は、流体と繊維、又は流体と繊維界面間の接触角のいずれ かが９０°より小さいとき、あるいは流体が繊維界面にわたって自発的に広がる とき（普通は両方の状態が共存する）、流体により湿潤する（すなわち、親水性 ）といわれる。反対に、繊維又は繊維界面は、接触角が９０°より大きく、流体 が繊維界面にわたり自発的に広がらない場合には、疎水性と考えられている。 流体獲得／分配部材として有用な他の繊維は、その幾何学的構造のために湿 潤性である疎水性繊維である。そのような繊維は、トンプソン等に発行された米 国特許第５，２００，２４８号及びフィリップス等に発行された米国特許第５， ２６８，２２９号（そのいずれもが本明細書に参照により含められている）に述 べられているような「キャピラリー・チャネル・ファイバー」を含む。 本発明における使用に好適な親水性繊維には、セルロース性繊維、修飾され たセルロース性繊維、レーヨン、ポリテレフタル酸エチレンのようなポリエステ 含まれる。好適な親水性繊維はまた、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン といったポリオレフィン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレ タン等から誘導される界面活性剤処理された、あるいはシリカ処理された熱可塑 性繊維のような、疎水性繊維を親水化することによっても得ることができる。入 手性及び費用の理由から、セルロース性繊維、特に木材パルプ繊維が、本発明に おける使用に好ましい。 好適な木材パルプ繊維はクラフトプロセス及び亜硫酸プロセスのようなよく 知られた化学的プロセスから得ることができる。これら木材パルプ繊維は、その 高等な吸収特性のため南方の軟質木材から誘導するのが特に好ましい。これら木 材パルプ繊維はまた、砕木、リファイナー・メカニカル、熱メカニカル、化学メ カニカル、及び熱化学メカニカル・パルプ・プロセスのような機械プロセスから 得ることができる。漂白及び無漂白木材パルプ繊維、並びに、再生又は二次木材 パルプ繊維を使用することができる。 本発明における使用に望ましい親水性繊維の原料は、化学的に硬化されたセ ルロース性繊維である。本明細書において用いる「化学的に硬化されたセルロー ス性繊維」という用語は、乾燥及び水性双方の状態の下で繊維の硬度を増加させ るために化学的手段により硬化されたセルロース性繊維をいう。そのような手段 には、例えば、繊維をコーティングし、及び／又は、含浸させる化学的硬化剤の 添加が含まれ得る。そのような手段にはまた、化学的構造を変化させること、例 えばポリマー鎖を架橋結合させることにより繊維を硬化することが含まれ得る。 セルロース性繊維をコーティングし、または含浸させ得るポリマー硬化剤に は、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社、ブリッジウォーター、ＮＪ、 ＵＳＡ、から入手し得るような窒素含有基（例えば、アミノ基）を有するカチオ ン修飾されたデンプン、ラテックス、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂（例 ア、ＵＳＡ）、例えば、１９７１年１月１９日発行の米国特許第３，５５６，９ ３２号（コシア等）において述べられているポリアクリルアミド樹脂のような湿 アメリカン・シアナミド社により市場に出され商業的に入手し得るポリアクリル アミド、尿素ホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、及びポリエ チレンイミン樹脂が含まれる。紙技術において利用される湿潤強力樹脂に関する 一般的な論文であって、本発明において一般的に適用できるものが、ＴＡＰＰＩ モノグラフシリーズＮｏ．２９、「紙と厚紙における湿潤強度」、テクニカル・ アソシエーション・オブ・ザ・パルプ・アンド・ペーパー・インダストリー（ニ ューヨーク、１９６５）に見出され得る。 これらの繊維はまた、化学反応により硬化され得る。例えば、架橋剤は繊維 に適用することができ、繊維は適用後、化学的に繊維内架橋結合を形成する。こ れらの架橋結合は繊維の硬度を増加させ得る。化学的に繊維を硬化させるために 繊維内架橋剤の利用が好ましいが、繊維を化学的に硬化させるための他の反応タ イプを排除するものではない。個別化された形態において架橋結合により硬化さ れた繊維（すなわち、個別化され、硬化された繊維、並びにその調製方法）が、 例えば、１９６５年１１月２１日に発行された米国特許第３，２２４，９２６号 （バーナーディン）、１９６９年４月２２日に発行された米国特許第３，４４０ ，１３５号（チャン）、１９７６年１月１３日に発行された米国特許第３，９３ ２，２０９号（チタジー）、および１９７７年７月１２日に発行された米国特許 第４，０３５，１４７号（サンゲニス等）に開示されている。より好ましい硬化 繊維が、１９８９年４月１８日に発行された米国特許第４，８２２，４５３号（ ディーン等）、１９８９年１１月１９日に発行された米国特許第４，８８８，０ ９３号（ディーン等）、１９９０年２月６日に発行された米国特許第４，８９８ ，６４２号（ムーア等）、および１９９２年８月１１日に発行された米国特許第 ５，１３７，５３７号（ヘロン等）に開示されて、これらのすべてが参照により 含められている。さらに好ましい硬化繊維においては、化学的処理には、そのよ うな繊維が比較的脱水され、離解され（defibrated）（すなわち、個別化され） 、撚られ、カールした状態にある間における架橋剤を用いた繊維内架橋結合が含 まれる。例えば、米国特許第４，８９８，６４２号参照。 これらの化学的に硬化されたセルロース性繊維は、硬化されていないセルロ ース性繊維と比較して、本発明による流体獲得／分配部材において硬化繊維を特 に有効なものとするある種の特性を有する。親水性であることに加えて、これら の硬化繊維は硬度性と弾力性のユニークな組合せを有する。これにより、これら の繊維で形成され熱接着された流体獲得／分配部材が高水準の吸収力を維持し、 高水準の弾力性及び濡れに対する膨張応答性を示すことを可能とする。特に、こ れらの硬化繊維の弾力性は、使用の間に通常かけられる流体及び圧縮力の双方が 存在するなか、流体獲得／分配部材がその毛管構造をよりよく維持することを可 能とし、これによりつぶれに対してより抵抗力がつく。 本発明に有効な熱接着した流体獲得／分配部材の場合には、繊維とともに熱 可塑性材料が含まれる。溶融時に、この熱可塑性材料の少なくとも一部が、典型 的に繊維内毛管勾配のために、繊維の交差へ移動する。これらの交差は熱可塑性 材料の接着点となる。冷却時に、これらの交差における熱可塑性材料は、各層の 各点において繊維のマトリクス又はウェブを保持する接着点を形成するために固 化する。 さまざまな効果のなかで、これらの繊維交差での接着は、生成する熱接着し た流体獲得／分配部材の全体的な圧縮弾性率及び強度を増加させる。化学的に硬 化されたセルロース性繊維の場合において、熱可塑性材料の溶融及び移動はまた 、始めに形成されたままのウェブの密度及び秤量を維持しながら、生成するウェ ブの平均的な孔の大きさを増加させる効果を有する。これは、最初の排出時では 改良された流体透過性のため、次の排出時では湿潤時に硬化繊維がその硬度を維 持する性能と、湿潤時及び湿潤圧縮時に熱可塑性材料が繊維交差での接着を維持 する性能との組合せのため、熱接着した流体分配部材の流体獲得特性を改良し得 る。正味において、熱接着した硬化繊維ウェブはその最初の全体的体積を維持す るが、好ましくは開口した熱接着材料により占有された体積測定の領域を備え、 これにより平均的な繊維内毛管孔の大きさを増加させている。 本発明の流体分配部材に有用な熱可塑性材料は、粒子、繊維、または粒子及 び繊維の組合せを含む様々な形態のいずれでもあり得る。熱可塑性繊維は、多数 の繊維内接着点を形成するその性能のために特に好ましい形態である。好適な熱 可塑性材料は、各層の主たるウェブ又はマトリクスを構成する繊維を過度に損傷 させない温度で溶融し得るいかなる熱可塑性ポリマーからも形成され得る。好ま しくは、この熱可塑性材料の融点は、約１９０℃よりも低く、好ましくは約７５ ℃ないし約１７５℃であり得る。少なくとも、この熱可塑性材料の融点は、熱接 着された吸収構造が、吸収製品に用いられたときに、貯蔵される温度より低くな る ベきではない。熱可塑性材料の融点は、典型的に、約５０℃よりも低くない。 熱可塑性材料、特に熱可塑性繊維は、ポリエチレン（例えば、ＰＵＬＰＥＸ 合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸エチルビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ リデン、ポリアクリル、ポリアミド、アミド共重合体、ポリスチレン、ポリウレ タン、及び塩化ビニル／酢酸ビニルのような前述したいずれかの共重合体等を含 む種々の熱可塑性ポリマーから形成され得る。ある好ましい熱可塑性バインダー の下で販売されるセルロース性繊維８０％と混合されたものが入手される。製造 される熱接着した吸収部材に望ましい特性に依存して、好適な熱可塑性材料には 、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリアク リル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン等から誘導される界面活性剤処 理あるいはシリカ処理された熱可塑性繊維のような、親水性にされた疎水性繊維 が含まれる。疎水性熱可塑性繊維の表面は、非イオン又は陰イオン性界面活性剤 のような界面活性剤を用いた処理、例えば、繊維に界面活性剤を噴霧すること、 繊維を界面活性剤に浸漬すること、あるいは熱可塑性繊維の製造において溶融し たポリマー部分に界面活性剤を含めることにより、親水化され得る。溶融及び再 凝固時に、界面活性剤は熱可塑性繊維の界面にとどまる傾向にある。好適な界面 活性剤には、デラウェア、ウィルミントンのＩＣＩアメリカズ社により製造され て オン性界面活性剤が含まれる。陽イオン性界面活性剤のほかに、陰イオン性界面 活性剤もまた使用され得る。これらの界面活性剤は、例えば、熱可塑性繊維１平 方センチメートル当たり約０．２ないし約１ｇの水準で熱可塑性繊維に適用され 得る。 好適な熱可塑性繊維は、単一ポリマーから形成されることもできるし（単一 成分系繊維）、あるいは単一ポリマーより多くから形成されることもできる（例 えば、二成分系繊維）。本明細書で用いる「二成分系繊維」という用語は、単一 ポリマーから形成されるコア繊維が異なるポリマーから形成される熱可塑性シー ス内に包まれて構成される熱可塑性繊維をいう。シースを構成するポリマーは、 しばしばコアを構成するポリマーと異なる温度、典型的により低温度で溶融する 。結果として、これら二成分系繊維は、コア・ポリマーの望ましい強度特性を維 持しながら、シース・ポリマーの溶融による熱接着を提供する。 好適な二成分系繊維には、次のポリマー組合せを有するシース／コア繊維が 含まれ得る。すなわち、ポリエチレン／ポリプロピレン、ポリ酢酸エチルビニル ／ポリプロピレン、ポリエチレン／ポリエステル、ポリプロピレン／ポリエステ ル、エステル共重合体／ポリエステル等である。本発明での使用において特に好 適な二成分系熱可塑性繊維は、ポリプロピレン又はポリエステル・コアと、より 低融点である共重合エステル、ポリ酢酸エチルビニル、又はポリエチレン・シー よいし、または偏心的であってもよい。本明細書で用いる「同心的」及び「偏心 的」という用語は、二成分系繊維の断面領域を通じてシースの厚さが一様である かまたは一様でないかをいう。偏心的な二成分系繊維は、より薄い繊維でより大 きな圧縮強度を提供する点で所望され得る。本発明で用いる好適な二成分系繊維 は、けん縮されていなくてもよいし（すなわち、たわんでいない）、けん縮され ていてもよい（すなわち、たわんでいる）。二成分系繊維は、例えば、広く行わ れている二次元あるいは「平らな」けん縮を達成するためにスタファー・ボック ス法又はギア・クリンプ法のような典型的な織り方によりけん縮され得る。 熱可塑性繊維の場合には、特有の融点及びこれら繊維に所望される他の特性 に依存してその長さを変化させ得る。典型的に、これら熱可塑性繊維は、約０． ３ないし約７．５cmの長さ、好ましくは約０．４ないし約３．０cmの長さ、最も 好ましくは約０．６ないし約１．２cmの長さを有する。融点を含むこれら熱可塑 性繊維の特性はまた、繊維の直径（厚さ）を変化させることによっても調整する ことができる。これら熱可塑性繊維の直径は、典型的にデニール（９０００メー トル当たりのグラム）又はデシテクス（１０，０００メートル当たりのグラム） のいずれかにより規定される。好適な二成分系熱可塑性繊維は、約１．０ないし 約２０、好ましくは約１．４ないし約１０、最も好ましくは約１．７ないし約３ ．３デシテクスの範囲にあり得る。 これら熱可塑性材料の圧縮弾性率、特に熱可塑性繊維の圧縮弾性率はまた重 要となり得る。熱可塑性繊維の圧縮弾性率は、その長さ及び直径だけでなく、そ れらを形成する単一ポリマー又は複数ポリマー、繊維の型及び形状（例えば、同 心的又は偏心的、けん縮された又はけん縮されていない）、及び同種のファクタ ー等の組合せ及び特性によってもまた影響される。これら熱可塑性繊維の圧縮弾 性率における相違は、吸収性コアの調製中に各吸収部材の特性、特に密度特性を 変更するために使用され得る。 先に示したように、本発明によるいくつかの吸収性コアでは、流体獲得／分 配部材はコアにいくらかの流体貯蔵能を提供するためにヒドロゲル形成性吸収材 料を含み得る。それらの場合には、流体獲得／分配部材はヒドロゲル形成性吸収 性ポリマーを約５０％まで含み得る。好ましくは、流体分配部材は、ヒドロゲル 形成性吸収性ポリマーを約３０％まで含む。最も好ましくは、流体分配部材は、 ヒドロゲル形成性吸収性ポリマーを約１５％まで含む。上部流体獲得／分配部材 では、本質的にヒドロゲル形成性ポリマーはないことが一般的に好ましい。 流体獲得／分配部材はまた、あるいは場合により、重合体の発砲材料を含み 得る。特に好適な吸収性発泡体は、ＨＩＰＥから製造された。それらはある種の 特性に関して流体貯蔵部材として有用なものと議論される発泡体とは異なるにも かかわらず、その発泡体は連続気泡であり、重合材料である。例えば、１９９３ 年１１月９日発行の米国特許第５，２６０，３４５号（デスマライス等）、及び １９９３年１１月７日発行の米国特許第５，２６８，２２４号（デスマライス等 ）参照。これらの吸収性ＨＩＰＥ発泡体は、所望される流体処理特性を提供し、 (a)続いて起こる流体噴出が吸収され得るように吸収製品の未使用部分に吸収さ れた尿又は他の身体流体を運ぷための比較的優れたウィッキング及び流体分配特 質、および(b)負荷の下、すなわち、圧縮力下で、比較的高い流体収容量を備え る比較的高い貯蔵収容量とを含む。これらのＨＩＰＥ吸収性発泡体はまた、吸収 製品の着用者に高い快適度を提供するために充分に柔軟でありしなやかである。 メラミン−ホルムアルデヒド発泡体のような親水性であり、柔軟であり、連続気 泡であ る発泡体であり得る流体獲得／分配部材（例えば、ＢＡＳＦにより製造されたＢ ＡＳＯＴＥＣＴ）、およびＨＩＰＥを基礎とする吸収性発泡体である流体貯蔵／ 再分配部材を有する吸収性コアが開示されている、１９９２年９月１５日に発行 された米国特許第５，１４７，３４５号（ヤング等）および１９９４年６月７日 に発行された米国特許第５，３１８，５５４号（ヤング等）もまた参照。 これらの発泡体に基礎をおく獲得／分配部材は、迅速な流体獲得性、並びに 獲得／分配発泡体の脱着圧力よりも高い吸収圧力を有する吸収性コアの他の部材 への流体の効率的な分割又は分配を可能とすべきである。他のコア部材へのこの 流体脱着特性は、流体の繰り返される排出又は負荷を受け止める性能および着用 者の皮膚乾燥を維持する性能を高める点において重要である。それはまた、獲得 ／分配発泡体に、吸収製品の使用中に非常に高い圧力がかけられるときにコアの 貯蔵部材から絞り出され得る流体を一時的に保持するために空の貯留所、又は緩 衝帯を供給させ得る。 他のコア部材にこの流体を与えるときに、これらの発泡体に基礎をおく獲得 ／分配部材は密度を高めたり、つぶれることなしにそれをすべきである。発泡体 を基礎とする獲得／分配部材はまた、重力の助けを得てあるいは得ずに容易に流 体を受け入れるべきである。発泡体を基礎とする獲得／分配部材はさらに、優れ た審美性を提供し、構造上柔軟かつ弾力的であり、湿潤及び乾燥の両状態におい て優れた物理的完全性を有すべきである。 そのような獲得／分配部材として有用な他の発泡体が、１９９５年１月１０ 日にストーン等により出願され、同時係属中の米国特許出願第０８／３７０，６ ９５号（参照により本明細書に含められている）に開示され、権利が請求されて いる。これらの発泡体は、前記明細書に述べられている処理条件に起因する、改 良された流体保持及び脱着特性（すなわち、他の吸収部材へ流体を放つ性能）を 提供する。手短に言えば、これらの改良発泡体を提供する性能は、ＨＩＰＥ処理 中の低いずれ条件及び強い乳化システムの使用による。 さらに獲得／分配部材として有用な他の発泡体が、１９９５年８月３０日に デスマラリスにより出願され同時係属中の米国特許出願第０８／５２０，７９３ 号（参照により本明細書に含められている）に開示され、権利が請求されている 。 これらの発泡体は、使用される処理（例えば、低いずれ）及び乳化剤によるさら なる発達のために、さらにより良い獲得及び脱着特性を提供する。 ２． 流体貯蔵部材 流体貯蔵部材として有用な材料は、繊維、熱可塑性材料等のような他の任意 の部材を有し、あるいは有せず、大量の水性身体流体を吸収することのできる材 料を含んでいる。これらの特性に加え、上部流体貯蔵部材として用いられる材料 は、流体獲得ゾーンを形成するために、流体吸収時にｚ方向に膨張することがで きなければならない。上部流体貯蔵部材としての役割を果たすことのできる材料 には、実質的に水不溶性であり、一般的に「ヒドロゲル」、「親水コロイド」、 又は「超吸収剤」といわれる水膨張性吸収性ポリマー材料（本発明の目的のため に、これらの材料を包括して「ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー」という）、及 び水性身体流体に接触するまで潰れた（すなわち、膨張していない）状態で存続 する連続気泡（open-celled）の発砲体材料が含まれる。 これらの流体貯蔵部材の主たる作用は、排出された身体流体を直接的に、ま たは他の吸収性コア部材（例えば、流体獲得／分配部材）から吸収し、次いでそ のような流体を、たとえ着用者の動きにより通常生ずる圧力がかけられたときで さえ保持することである。上部貯蔵部材の他の重要な作用は、流体獲得ゾーンを 形成するために膨張し得ることである。（流体貯蔵部材は、身体適合性を改良す るのような、流体貯蔵及び流体獲得ゾーンの形成以外の作用をもたらし得ること が理解されるべきである。） 用いられる材料に関係なく、上部貯蔵部材は、十分飽和したとき、乾燥し圧 縮された状態から少なくとも１００％までｚ方向に膨張し得ることが好ましい。 そのようなｚ方向の膨張は、流体獲得ゾーンの体積を効果的に増加させ得る。し かしながら、当業者は、流体獲得ゾーンの幅及び長さはまた全体的な体積に重要 であり、ｚ方向に１００％まで膨張しない材料はなお本発明において有用であり 得ると認識し得る。 ａ．ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー ヒドロゲルポリマーが使用されるとき、本発明によるこれらの流体貯蔵部材 の重要な点は、それらが比較的高濃度の吸収性ポリマーを含むことである。大量 の身体流体を吸収し保持することのできる比較的薄い吸収製品を提供するために 、これらのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの水準を増加させ、他の部材、特に 繊維状部材の水準を減少させることが望ましい。ヒドロゲル形成性吸収性ポリマ ー濃度の測定の際には、流体貯蔵部材中に存在するヒドロゲル形成性ポリマーと 他の部材（例えば、繊維、熱可塑性材料等）の組合わさった重量に比較したヒド ロゲル形成性ポリマーの重量百分率が用いられる。これに留意して、本発明によ る所定の流体貯蔵部材中のヒドロゲル形成性吸収性ポリマー濃度は、貯蔵部材の 重量で、約５０ないし１００％、好ましくは約６０ないし１００％、さらに好ま しくは約７０ないし１００％、最も好ましくは約８０ないし１００％の範囲にあ ることができる。 広く多様なヒドロゲル形成性吸収性ポリマーが本発明の流体貯蔵部材に使用 され得る。これらのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーは、スルホン酸基、さらに 典型的にはカルボキシル基のような、多数の陰イオン性官能基を有する。本発明 における使用に好適な吸収性ポリマーの例には、重合可能な、不飽和の、酸含有 単量体から調製され、少なくとも一つの炭素−炭素オレフィン性二重結合を含有 するオレフィン性不飽和酸及び無水物を含むポリマーが含まれる。さらに具体的 には、これらの単量体はオレフィン性不飽和カルボン酸及び酸無水物、オレフィ ン性不飽和スルホン酸、及びそれらの混合物から選択され得る。好適な吸収性ポ リマー及びその調製が開示されている、１９９４年６月２３日発行の米国特許第 ５，３２４，５６１号（リツァイ等）（参照により本明細書に含められている） 参照。 本発明における使用に好ましいヒドロゲル形成性吸収性ポリマーにはカルボ キシル基が含まれる。これらは、加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグ ラフト共重合体、部分的に中和されたデンプン−アクリロニトリルグラフト共重 合体、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、部分的に中和されたデンプン− アクリル酸グラフト共重合体、けん化された酢酸ビニル−アクリル酸エステル共 重合体、加水分解されたアクリロニトリル又はアクリルアミド共重合体、前記共 重合体のいくつかがわずかに網目状に橋かけ結合したポリマー、部分的に中和さ れたポリアクリル酸、及び部分的に中和されたポリアクリル酸のわずかに網目状 に架橋結合したポリマーを含む。これらのポリマーは、単独であっても良いし、 あるいは二又はそれ以上の異なるポリマーの混合形態であっても良い。これらの ポリマー材料の例が、米国特許第３，６６１，８７５号、米国特許第４，０７６ ，６６３号、米国特許第４，０９３，７７６号、米国特許第４，６６６，９８３ 号、及び米国特許第４，７３４，４７８号に開示されている。 本発明における使用にさらに好ましいヒドロゲル形成性吸収性ポリマーは、 部分的に中和されたポリアクリル酸及びそのデンプン誘導体のわずかに網目状に 橋かけ結合したポリマーである。最も好ましくは、吸収性ポリマーは、約５０な いし約９５％、好ましくは約７５％の中和された、わずかに網目状に橋かけ結合 したポリアクリル酸（すなわち、アクリル酸ナトリウム／アクリル酸の重合体） を含む。ポリマーを網目状に橋かけ結合するプロセス及び典型的な網目状橋かけ 剤が本明細書前記において参照した米国特許第４，０７６，６６３号により詳細 に開示されている。 ヒドロゲル形成性吸収性ポリマーはいずれかの従来の方法において形成され 得る。これらの吸収性ポリマーを形成する好ましい方法は、水溶液又は他の溶液 重合方法である。例えば、１９８８年４月１９日に再発行された米国再発行特許 第３２，６４９号（ブラント等）参照。吸収性ポリマーは水溶液重合方法を用い て製造されることが好ましいが、逆エマルジョン重合又は逆懸濁重合方法のよう な多相重合プロセス技術を用いた重合方法を実行することもまた可能である。逆 懸濁重合を含む方法について、１９８２年７月２０日に発行された米国特許第４ ，３４０，７０６号（オーバヤシ等）、１９８５年３月１９日に発行された米国 特許第４，５０６，０５２号（フレッシャー等）、及び１９８８年４月５日に発 行された米国特許第４，７３５，９８７号（モリタ等）参照（これらのすべては 参照により含められている）。これらの吸収性ポリマーは、繊維、微粒、薄片又 は粉を含むさまざまな形及び大きさに合成、あるいは形成され得る。しかしなが ら、これらの吸収性ポリマーは、最も一般的には、吸収性粒子又は吸収性粒子状 のものとして提供される。 本発明に有用なヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの一つの好ましいクラスは 、高吸収能を示すポリマーである。吸収能とは、接触する液体を吸収する所定の ポ リマー材料の能力をいう。吸収能は、吸収されている液体の性質及び液体がポリ マー材料に接触する態様により有意に異なり得る。本発明の目的のために、吸収 能は、１９９４年６月２３日に発行され、参照により含められている米国特許第 ５，３２４，５６１号（リツァイ等）の試験方法セクションに規定される手法に おける、ポリマー材料１グラム当たりの、合成尿のグラムについて所定のポリマ ー材料に吸収される合成尿の量に関して、規定される。高吸収能を有する好まし い吸収性ポリマーは、ポリマー材料１グラム当たり少なくとも約２０グラム、さ らに好ましくは少なくとも約２５グラムの合成尿の吸収能を有するポリマーであ る。典型的に、これらの高吸収能ポリマーは、ポリマー材料１グラム当たり約２ ０グラムないし約７０グラムの合成尿の吸収能を有する。この比較的高い吸収能 特性を有する吸収性ポリマーは、尿のような大量の排出された身体滲出物を望ま しく保持するために本発明の流体貯蔵部材に特に有用である。 本発明に有用なヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの他の好ましいクラスは、 比較的高いサリン・フロー・コンダクティビティ（Saline Flow Conductivity） （ＳＦＣ）値及び比較的高い圧力下性能（ＰＵＰ）を有するポリマーである。Ｓ ＦＣ値及びＰＵＰ性能が規定され、これらのパラメータを測定する手段が提供さ れている、１９９４年３月２９日に出願され、参照により含められている同時係 属の米国特許出願第２１９，５７４号（ゴールドマン等）参照。本発明に有用な 吸収性ポリマーは、少なくとも約３０×１０−７cm３sec/g、好ましくは少なく とも約５０×１０−７cm３sec/g、及び最も好ましくは少なくとも約１００×１ ０―７cm３sec/gのＳＦＣ値を有し得る。典型的に、これらのＳＦＣ値は約３０ ×１０―７ないし約１０００×１０―７cm３sec/g、さらに典型的には約５０× １０―７ないし約５００×１０―７cm３sec/g、及び最も典型的には約１００× １０―７ないし約３５０×１０―７cm３sec/gの範囲にある。本発明に有用な吸 収性ポリマーは、一般的に、少なくとも約２３g/g、好ましくは少なくとも２５g /g、最も好ましくは少なくとも約２９g/gのＰＵＰ性能を有する。典型的に、こ れらのＰＵＰ性能値は約２３ないし約３５g/g、さらに典型的には約２５ないし 約３３g/g、最も典型的には約２９ないし３３g/gの範囲にある。 最初に形成されるポリマーの表面橋かけ結合は、比較的高いＳＦＣ及びＰＵ Ｐ性能値を有するヒドロゲル形成性吸収性ポリマーを得るために好ましい工程で ある。当該分野において表面橋かけ結合を導入するためのプロセスがいくらか開 示されている。これらのプロセスは、（i）ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー内 に存在する官能基と反応することのできる二又は多官能性試薬（例えば、グリセ リン、炭酸エチレン、多価金属イオン、第４級アミン重合体）をヒドロゲル形成 性吸収性ポリマーの表面に適用するプロセスと、（ii）他の加えられる試薬及び 表面における橋かけ結合の水準を増加させるためにヒドロゲル形成性吸収性ポリ マー内におそらく存在する官能基と反応することのできる二又は多官能性試薬を 表面に適用するプロセス（例えば、橋かけ剤を加えた単量体の追加及び第二重合 反応の開始）と、（iii）追加の多官能性試薬を加えることなく、表面又は表面 近くにおいてより高水準の橋かけ結合を発生させるために主たる重合反応の間あ るいは重合反応後のいずれかにヒドロゲル形成性吸収性ポリマー内に存在する化 合物の間に追加の反応を誘起させるプロセス（例えば、存在するポリマーのカル ボキシル基及び／又は水酸基間の無水物及び／又はエステル橋かけ結合の形成、 並びに、橋かけ結合がより高水準で表面近くに存在する懸濁重合プロセスを引起 こすために加熱する）と、および（iv）より高水準の架橋結合を起こすため、さ もなくば、生成されるヒドロゲルの表面変形性を低下させるために他の物質を表 面に加えるプロセスと、を含む。これらの表面橋かけ結合プロセスの組合せはま た、同時に用いることもできるし、連続的に用いることもできる。橋かけ剤に加 えて、他の成分が橋かけ結合の形成を促進／調整するために界面に加えられ得る （例えば、界面橋かけ剤の散布及び浸漬）。１９９４年３月２９日に出願され、 参照により含められている、同時係属の米国特許出願第２１９，５７４号（ゴー ルドマン等）参照。 本発明によるヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの界面橋かけ結合を形成する ための好適な一般的方法が、１９８５年９月１７日に発行された米国特許第４， ５４１，８７１号（オーバヤシ）、１９９２年１０月１日に公開された公開ＰＣ Ｔ出願番号第９２／１６５６５号（スタンリー）、１９９０年８月９日に公開さ れた公開ＰＣＴ出願番号第９０／０８７８９号（タイ）、１９９３年３月１８日 に公開された公開ＰＣＴ出願第９３／０５０８０号（スタンリー）、１９８９年 ４月２５日に発行された米国特許第４，８２４，９０１号（アレキサンダー）、 １９８９年１月１７日に発行された米国特許第４，７８９，８６１号（ジョンソ ン）、１９８６年５月６日に発行された米国特許第４，５８７，３０８号（マキ タ）、１９８８年３月２９日に発行された米国特許第４，７３４，４７８号（ツ バキモト）、１９９２年１１月１７日に発行された米国特許第５，１６４，４５ ９号（キムラ等）、１９９１年８月２９日に公開された公開ドイツ出願第４，０ ２０，７８０号（ダーメン）、および１９９２年１０月２１日に公開された公開 ヨーロッパ特許出願第５０９，７０８号に開示され、それらのすべてが参照によ り含められている。１９９４年３月２９日に出願され、参照により、特に実施例 １ないし４において含められている、同時係属の米国特許出願第２１０，５７４ 号参照。 これらのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーは、好ましくは、同じ単量体から 形成され同じ特性を有するが、そうである必要はない。例えば、吸収性ポリマー のうちにはデンプン−アクリル酸グラフト共重合体を含むものもあれば、部分的 に中和されたポリアクリル酸がわずかに網目状になった橋かけ重合体を含むもの もある。さらに、吸収性ポリマーは大きさ、形、吸収性容量、あるいは何らかの 他の特性又は特徴を変化させ得る。本発明の好ましい態様では、吸収性ポリマー は本質的に部分的に中和されたポリアクリル酸がわずがに網目状になった橋かけ 重合体から成り、各吸収性粒子は同様の特性を有する。 これらのヒドロゲル形成性吸収性ポリマーの濃度が比較的高い本発明による 一つの好ましい流体貯蔵部材は、多孔質な吸収性巨視的構造の形態になっている 。これらの巨視的構造は多数の相互連結されたヒドロゲル形成性吸収性ポリマー 粒子から形成される。これらの巨視的構造は大量の水性身体流体（例えば、尿又 は月経）を吸収し、次いでそのような流体を適度な圧力下で保持することができ る。粒子から形成されるので、これらの巨視的構造は隣接する粒子間に孔を有す る。これらの孔は、巨視的構造が流体透過性であるように互いに連通したチャネ ルにより相互連結されている（すなわち、毛管移送チャネルを有する）。 粒子間に形成される結合のため、生成される凝集体である巨視的構造は構造 上の一体性を改良し、流体獲得及び分配速度、並びに最小のゲル閉塞特徴を増加 させた。水性流体で濡れると、巨視的構造は、一般的に、適度な封じ込め圧力下 でさえ等方的に膨張し、そのような流体を粒子間の孔に吸収し、次いでそのよう な流体を粒子に吸収する。巨視的構造の等方的膨張は、粒子及び孔がその相対的 な幾何学的かつ空間的関係を膨張したときでさえ維持することを可能とする。し たがって、粒子が互いに分離しないので比較的「流体安定」であり、それにより ゲル閉塞の事象を最小化し、巨視的構造が続いて起こる流体負荷を液体が過剰な ときでさえ獲得し移送し得るように、膨張したときに毛管チャネルが維持され拡 張されることを可能としている。参照により含められている１９９２年４月７日 発行の米国特許第５，１０２，５９７号（ロイ等）、および１９９４年６月２３ 日発行の米国特許第５，３２４，５６１号（リツァイ等）参照。本明細書でいう これらの相互連結された粒子の巨視的構造は、「流体安定巨視的構造」又は「流 体安定凝集体」をいう。 これらの巨視的構造はいくつかの形及び大きさを有し得るが、それらは典型 的に、シート、フィルム、円筒、ブロック、球、繊維、フィラメント、又は他の 形造られた要素の形態である。これらの巨視的構造は、一般的に、約０．２mmな いし約１０．０mmの厚さ又は直径を有し得る。好ましくは、これらの巨視的構造 はシート又はストリップである。本明細書で用いる「シート」又は「ストリップ 」という用語は、少なくとも約０．２mmの厚さを有する巨視的構造をいう。シー ト又はストリップは、好ましくは、約０．５mmないし約１０ｍｍ、典型的には、 約１mmないし約３mmの厚さを有し得る。 これらの巨視的構造は、隣接する粒子を互いに接合又は接着することにより 形成される。接着剤は、本質的に、これらの粒子表面に存在するポリマー材料で ある。これらの粒子が橋かけ剤で処理され物理的に会合するとき、これらの粒子 の表面に存在するポリマー粒子は、典型的には粒子間の分離した結合部として隣 接粒子が互いに接着されるよう、充分に可塑的かつ凝集的（すなわち、粘着的） となる。次いで、粒子間の橋かけ反応はこの接着構造を固定する。 これらの巨視的構造を調製するとき、橋かけ剤が吸収性前駆体粒子の表面に おけるかけ結合を提供するために用いられる。これは、これらの粒子中のポリマ ー材料と共に反応する橋かけ剤の結果として生ずる。典型的に、吸収性前駆体粒 子のポリマー材料は、橋かけ剤と共有的エステル型結合を形成する陰イオン性官 能基（好ましくは、カルボキシル基）を有する。効果的に橋かけ結合した吸収性 粒子のこれらの部分は、他の橋かけ結合していない粒子部分に比べて水性(身体) 流体の存在による膨張はより少ない。 本発明に好適な橋かけ剤は、非イオン性であり、１モル当たりカルボキシル 基と反応し得る少なくとも二つの官能基を有し得る。例えば、参照により含めら れ、多様な非イオン性橋かけ剤を開示している１９９２年４月７日発行の米国特 許第５，１０２，５９７号（ロイ等）参照。特に好ましい非イオン性橋かけ剤は グリセリンである。これらの巨視的構造における使用に好ましい橋かけ剤は、あ る種のアミン単量体又は重合体とエピクロロヒドリンとの付加化合物である。参 照により含められ、好適な陽イオン性アミノ−エピクロロヒドリン付加化合物の 橋かけ剤を開示している１９９４年６月２３日発行の米国特許第５，３２４，５ ６１号（リツァイ等）参照。これらのアミノ−エピクロロヒドリン付加化合物、 特にこれら付加化合物の樹脂バージョンは、界面前駆体粒子におけるポリマー材 料のみと反応するため好ましい橋かけ剤である。加えて、これら付加化合物の陽 イオン性官能基（例えば、アゼテジニウム基）、特にポリマー樹脂バージョンは 、室温（例えば、約１８℃ないし約２５℃）でさえ吸収性粒子のポリマー材料の 陰イオン性官能基、典型的にはカルボキシル基と非常に迅速に反応すると信じら 出されているある種のポリアミド−ポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂が最も 好ましい。ジエチレントリアミン及びアジピン酸の反応製造物であるポリアミド 典型的に、樹脂活性成分を約１０重量％ないし約３３重量％含む陽イオン性樹脂 材料の水性溶液の形態で市場に出されている。 これら多孔性の、吸収性巨視的構造の調製の際には、吸収性粒子は、他の化 合物又は試薬に加えて橋かけ剤で処理される。例えば、典型的に、その水性処理 溶液を形成するために水が橋かけ剤と共に用いられる。水は吸収性粒子の表面上 における橋かけ剤の均一な分散を促進し、これら粒子の表面領域への橋かけ剤の 浸透を生じさせる。水はまた、処理された前駆体粒子間のより強固な物理的会合 を促進し、得られる粒子間結合され橋かけ結合した凝集体のさらなる一体性を提 供する。参照により含められている、１９９２年４月７日発行の米国特許第５， １０２，５９７号（グリセリンのような非イオン性橋かけ剤）（ロイ等）、及び １９９４年６月２３日発行の米国特許第５，３２４，５６１号（陽イオン性アミ ノ−エピクロロヒドリン付加化合物橋かけ剤）（リツァイ等）参照。 特に橋かけ剤として陽イオン性アミノ−エピクロロヒドリン付加化合物を使 用するとき、処理溶液に可塑剤を含むことが特に好ましい。好ましい可塑剤は、 グリセリン及び水の混合物であり、特に陽イオン性アミノ−エピクロロヒドリン 付加化合物の水性処理溶液の一部として含まれるとき、水に対するグリセリンの 重量比が約０．５：１ないし約２：１、好ましくは約０．８：１ないし約１．７ ：１である。参照により含められている１９９４年６月２３日発行の米国特許第 ５，３２４，５６１号（リツァイ等）参照。橋かけ剤、及び場合により可塑剤を 用いての処理前、処理中、処理後に、粒子は凝集体である巨視的構造を形成する ために互いに物理的に付随される。シートにこれらの凝集体巨視的構造を連続的 に形成するための好ましい方法及び装置が１９９４年６月２３日発行の米国特許 第５，３２４，５６１号（陽イオン性アミノ−エピクロロヒドリン付加化合物橋 かけ剤）（リツァイ等）に開示されており、参照により含められている。特に当 該特許から図９とその付随する説明を参照。 一旦粒子が凝集体巨視的構造を形成するために互いに物理的に会合すると、 凝集体巨視的構造中の粒子における効果的な表面橋かけ結合を提供するために、 橋かけ剤は、粒子の物理的会合を維持しながら、前駆体粒子のポリマー材料と反 応する。参照により含められている、１９９２年４月７日発行の米国特許第５， １０２，５９７号（グリセリンのような非イオン性橋かけ剤）（ロイ等）、およ び１９９４年６月２３日発行の米国特許第５，３２４，５６１号（陽イオン性ア ミノ−エピクロロヒドリン付加化合物橋かけ剤）（リツァイ等）参照。アミノ− エピクロロヒドリン付加化合物が橋かけ剤として用いられるとき、この橋かけ結 合反応は周囲の室温を含む比較的低温度で生じ得る。そのような周囲温度におけ る硬化は、吸収性粒子が、水とグリセリンの混合物のような可塑剤で処理される とき特に望ましい。周囲温度よりも有意に高い温度での硬化は、可塑剤がその揮 発性のために飛ばされる原因となり得、したがって、生成される凝集体巨視的構 造に可塑性を与えるために追加の工程が必要となる。 所望ならば、これらの巨視的構造は強化部材として作用するさまざまなタイ プの繊維を含み得る。これらの繊維には、ポリエチレンテレフタレート（ＤＡＣ ＲＯＮ）、親水性ナイロン（ＨＹＤＲＯＦＩＬ）等のようなセルロース繊維、修 飾されたセルロース繊維、レーヨン、ポリプロピレン、及びポリエステル繊維が 含まれる。他の繊維材料の例は、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのよ うなポリオレフィン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン 等から誘導される界面活性剤処理あるいはシリカ処理された熱可塑性繊維のよう な、親水性にされた疎水性繊維である。実際、それ自体にそれほど吸収性はなく 、それ故従来の吸収構造に有用である充分な吸収性容量のウェブを提供しない親 水性にされた疎水性繊維は、その優れたウィッキング（wicking）特性によりこ れらの巨視的構造における使用に好適である。合成繊維は、一般的に、巨視的構 造の繊維部材として本発明における使用に好ましい。ポリオレフィン繊維、特に ポリエチレン繊維が最も好ましい。 本発明による他の好適な流体貯蔵部材は、二つの他の繊維質層の間に含めら れたヒドロゲル形成性吸収性ポリマー粒子の層の形態（例えば、積層された流体 貯蔵部材）であり得る。本発明による好適な積層流体貯蔵部材が、米国特許第４ ，２６０，４４３号（リンドセイ等）、１９８４年８月２１日発行の米国特許第 ４，４６７，０１２号（ペダーセン等）、１９８７年１１月２９日発行の米国特 許第４，７１５，９１８号（ラング）、１９８９年７月２５日発行の米国特許第 ４，８５１，０６９号（パカード等）、１９９０年８月２１日発行の米国特許第 ４，９５０，２６４号（オスボーン）、１９９１年２月１９日発行の米国特許第 ４，９９４，０３７号（バーナーデン）、１９９１年４月２３日発行の米国特許 第５，００９，６５０号（バーナーデン）、１９９１年４月２３日発行の米国特 許第（５，００９，６５３）号（オスボーン）、１９９２年７月７日発行の米国 特許第５，１２８，０８２号（マコーイ）、１９９２年９月２２日発行の米国特 許第５，１４９，３３５号（ケレンバーガー等）、及び１９９３年１月５日発行 の米国特許 第５，１７６，６６８号（バーナーデン）に述べられている手順と同様の手順を 用いて調製され得る（これらのすべてが参照により含められている）。これらの 積層流体貯蔵部材は、熱結合繊維質層、接着剤結合繊維質層（例えば、繊維質層 間又は繊維質層とヒドロゲル形成性吸収性ポリマー粒子間ののり結合）、または 水素結合により互いに保持された繊維質層（例えば、繊維質層に水を噴霧し、そ の後圧縮することによる）の形態であり得る。 所望ならば、上の巨視的構造又は吸収性粒子は、流体貯蔵部材を形成するた めに基材に取り付けられ得る。基材は、下記を含むさまざまな作用を提供し得る 。すなわち、(1)巨視的構造／粒子により吸収される流体の分配を改良すること 、および(2)特に吸収性粒子が流体吸収後に膨張し始める状態において、付加的 一体性を提供することにより巨視的構造／粒子を支えること、である。基材は、 セルロース性繊維、不織ウェブ、ティシューウェブ、発泡体、ポリアクリル酸繊 維、開孔ポリマーウェブ、合成繊維、金属ホイル、エラストマー等のような当該 分野において知られているさまざまな材料から生成され得る。そのような基材材 料の大部分は、巨視的構造／粒子を支えるだけでなく、巨視的構造／粒子に流体 を分配し得る。好ましくは、基材は、セルロース性材料又はセルロース性機能性 を有する材料から構成される。流体を分配するのに好ましい基質は、セルロース 性材料、繊維質ウェブ、セルロース性繊維質ウェブ、ティシュー、固形発泡体、 セルロース性発泡体、及びポリビニルアルコール発泡体である。巨視的構造／粒 子を支えるのに好ましい基材は、ティシュー、セルロース性材料、繊維質ウェブ 、不織ウエブ、ファブリック、セルロース性繊維質ウェブ、固形発泡体、セルロ ース性発泡体、及びポリビニルアルコール発泡体である。 基材は、好ましくは、生成される巨視的構造／粒子との吸収性複合材のその ような特性を促進するために柔軟かつ従順である。基材は、実質的に弾性的で非 伸張性であってもよいし、または基材表面の平面に直角に及びその平面内に及ぼ される力に応答してさまざまな程度に伸縮し、又は変形し得るものであってもよ い。基材材料の厚さ及び秤量（基質の単位面積当たりの重量）は、基材のタイプ および所望される特性に依存して変化させ得る。基材は、個々の基材材料の、複 数の個別シート又はプライ、あるいは積層中の−又はそれ以上の層の組合せを含 み得る。一つのそのような好適な基材は、約０．０２mmないし約１．２mm、さら に好ましくは約０．３mmないし約０．８mmの厚さと、約５g/m２ないし約１００g /m２、さらに好ましくは約１０g/m２ないし約６０g/m２、および最も好ましくは 約 好適な基材は、約０．５mmないし約３．０mm、さらに好ましくは約０．８mmない し約２．０mmの乾燥圧縮厚さ、約０．８mmないし約６．０mm、さらに好ましくは 約１．０mmないし約５．０mmの湿潤膨張厚さ、および約５０g/m２ないし約２， ０００g/m２、さらに好ましくは約１００g/m２ないし約１，０００g/m２の秤量 を有するセルロース性発泡体である。 巨視的構造／粒子を支持するのに好適な基材は、典型的に、約５００g/inな いし約８，０００g/in、さらに好ましくは約１，０００g/inないし約３，０００ g/inの乾燥引張強さ、約２００g/inないし約５，０００g/in、さらに好ましくは 約４００g/inないし約１，０００g/inの湿潤引張さ、および約１００ｇないし約 ２，０００ｇ、さらに好ましくは約２００ｇないし約１，０００ｇの湿潤破壊強 度を有する。このタイプの好ましい基材は、１９７６年４月２７日発行の米国特 許第３，９５３，６３８号、１９８４年９月４日発行の米国特許第４，４６９， ７３５号、１９８４年８月２８日発行の米国特許第４，４６８，４２８号、及び １９９１年１月２２日発行の米国特許第４，９８６，８８２号（これらのすべて は参照により含められている）に開示されているような、ペーパータオル及びテ ィシューのようなセルロース性繊維質ウェブを含む。 多孔質吸収性巨視的構造／粒子は多様な化学剤、物理的手段、及び接着剤に より基材に取り付けられ得る。基材に巨視的構造／粒子を取り付けるための接着 剤には、糊及びホットメルト接着剤が含まれる。好ましくは、基材及び巨視的構 造／粒子間の接着は、基材上に前駆体吸収性粒子を堆積させ、堆積した粒子を橋 かけ剤を含む溶液で処理し、次いで前のように処理した粒子／基材を硬化させる ことにより達成される。この方法の好ましい態様では、セルロース性基材（例え ば、ペーパータオル）が使用される。次いで、前駆体吸収性粒子がこのセルロー ス性基材上に堆積される。次いで、アミノ−エピクロロヒドリン付加化合物（好 リアミン湿潤強力樹脂）がセルロース性基質及び吸収性粒子上に適用される（例 えば、噴霧される）。次いで、処理された基材／粒子は、粒子がセルロース性基 材に接着するように周囲温度で硬化される。 本発明によるコアの全体的な柔軟性を増すために、流体安定性巨視的構造は 不連続となるようにスリットを入れられ得る。つまり、巨視的構造ストリップは 、各々、さまざまな位置に構造の全体的な厚さを通した（すなわち、ｚ方向の） 隙間を作るために切断され得る。そのような巨視的構造は、同時継続の米国特許 出願第０８／１４２，２５８号(Hsueh等により１９９３年１０月２２日に出願さ れた)、第０８／５５０，１８１号（リツァイ等により１９９５年１０月３０日 に出願された）、及び第０８／５５０，１８５号（ダークス等により１９９５年 １０月３０日に出願された）に開示されており、これらのすべては本明細書に参 照により含められている。スリットの入った巨視的構造をｙ方向に引っ張ると、「 網状」材料が生成する。ヒドロゲル含有の連続部分間の開空間はヒドロゲル構造 の自由な膨張を可能とし、またこの部材を通した透過性を増加させる。 本発明による流体貯蔵部材として有用な、多孔質吸収性巨視的構造はまた、 ティシュー内に包まれ、または覆われ得る。そのようなティシュー覆いは、吸収 性コア内で拘束されない吸収性粒子が移動することを防止し得、巨視的構造に付 加的な構造上の完全性を提供し得る。 利用される吸収性材料の性質にかかわらず、貯蔵材料が、ｚ方向に自由に膨 張しながら流体獲得ゾーンに（すなわち、ｘ及び／又はｙ方向に、特に吸収性コ アの内部に向かって）有意な程度に膨張することを抑制することは、重要である 。これは流体噴出を受け取るためのより大きな獲得ゾーンをもたらし得る。図３ 及び４に関して述べられているように、例えば、流体獲得ゾーンへの膨張は、接 着剤による点接着の利用により抑制され得る。これは吸収性ポリマーの分離した 粒子が上部流体貯蔵材料として用いられるときに特に有益となり得る。いくつか の場合には、種々のコア材料の配置が膨張の望ましい抑制を提供し得る。 ｂ．発泡体材料 上に示すように、本発明の吸収性貯蔵部材に有用な発泡体材料は、適切な流 体貯蔵能を提供することに加えて、身体流体に接触するまで潰れた、又は薄い状 態で存在し得る。そのような状態を持続する性能は、消費者にアピールする薄い おむつを提供する上で重要である。これらの発砲体材料の使用は、ｚ方向にほと んど全体的に膨張する付加的利点を提供する。つまり、流体を吸収する際に、発 泡体は、本質的にその長さ及び幅の寸法を維持しながら、ｚ方向に有意に膨張す る。これは、流体獲得ゾーンの効率的な形成を可能とする点で重要である。 本発明に有用な典型的発泡体材料が、参照により本明細書に含められている 、１９９５年２月７日にディアー等に発行された米国特許第５，３８７，２０７ 号（「´２０７特許」）に述べられている。簡単に言えば、当該特許は、比較的 少量の油相（重合可能な単量体を含む）と比較的大量の水相とを有するエマルジ ョンから誘導される重合性発泡体について述べている。（そのような懸濁液は、 一般的に高内部相エマルジョン、又はＨＩＰＥといわれる。）これらのＨＩＰＥ 誘導発泡体は重合後に残っている試薬により、または界面活性剤を用いた次の重 合処理により親水性にされる。´２０７特許に述べられている発泡体は連続気ほ う型である。つまり、エマルジョン中の個別の水滴により占められたスペースを 表す個別の気ほう（孔ともいわれる）は、多数の小穴により相互連結されている 。これらの気ほう壁中の小穴は、全体的な発砲体構造を通して流体が一つの気ほ うから他の気ほうに移動することを可能とする。 「濡れるまで薄い」状態を持続する発泡体の性能は、発砲体内の毛管力、特 に発泡体の毛管圧力のためと信じられる。濡れるまでつぶれた状態を持続するた めに、発砲体内の毛管圧力は、発泡体をその圧縮されていない厚さに「はね」戻 すために働く、発泡体ポリマーの弾性回復又は弾性率により加えられる力と等し いか、あるいは、より大きくなければならない。毛管圧力に影響を及ぼすパラメ ータには、毛管吸込比表面積（capillary suction specific surfacearea）、発 泡体密度、流体表面張力及び平均的な気ほうの大きさが含まれる。発泡体弾性率 に影響を及ぼすパラメータには、ポリマーを構成する単量体含有量、並びにポリ マーに可塑性を与える傾向にあり、それによりポリマー弾性率を減少させる残り の油溶性乳化剤が含まれる。発泡体の他の重要な特性の議論と並んで、これらの パラメータの好適な範囲の完全な一覧が前記特許にある。 参照により本明細書に含められている同時継続の米国特許出願第０８／５６ ３，８６６号はデスマライス等により１９９５年１１月２９日に出願され、それ にはまた本発明に有用な膨張し得る発泡体が述べられている。これらのつぶれる ことのできる発泡体はまたＨＩＰＥから調製されるにもかかわらず、水−油比の より高いエマルジョンの調製はより高多孔性、より低密度の構造さえ提供する。 発泡体は、油相に対する水相の比が約５５：１ないし約１００：１であるエマル ジョンから調製される。これらの発泡体は、少なくとも約０．０２５m２/cc、好 ましくは少なくとも約０．０５m２/cc、さらに好ましくは少なくとも０．０７m ２/ccの発泡体単位体積当たりの比表面積を有する(密度は膨張した状態で測定さ れている)。発泡体は、少なくとも約３m２/g、好ましくは約３ないし約１５m２/ g、さらに好ましくは約４ないし１３m２/g、および最も好ましくは約５ないし約 １１m２/gの毛管吸込比表面積を有する。発泡体は、潰れた状態で測定したとき 、約０．１g/ccないし約０．２g/cc、好ましくは約０．１１g/ccないし約０．１ ５g/cc、さらに好ましくは約０．１２g/ccないし約０．１４g/ccの発泡体密度を 有する。発泡体は、さらに、約１５ないし約６５dynes/cm、好ましくは約２０な いし約６５dynes/cm、さらに好ましくは約２０ないし約６５dynes/cmの流体表面 張力を示す。これらの発泡体の平均的な気ほうの大きさは、好ましくは約５０μ ｍよりも小さく、さらに好ましくは約５μｍないし約３５μｍである。発泡体の 使用が望ましいときは、これらの発泡体が、流体貯蔵材料として特に好ましい。 発泡体は、好ましくは少なくとも約６：１、さらに好ましくは約６：１ないし約 １０：１の潰れた（乾燥）厚さに対する膨張した（湿潤）厚さの比を示し、乾燥 状態の１グラム当たり合成尿を好ましくは約５５ないし約１００ml、さらに好ま しくは約５５ないし約７５ml/gの拘束されない吸収性容量を示し得る。 ３．任意的下部流体貯蔵部材 本発明による好ましい吸収性コア設計には、さらに、下部流体貯蔵部材が含 まれる。この下部流体貯蔵部材は下部流体獲得／分配部材の下に配置される。こ の下部貯蔵部材の一部はまた、流体獲得ゾーンの下に配置される。この下部流体 貯蔵部材は獲得した身体流体を受け取ることができるように下部流体獲得／分配 部材と流体連通している。上部流体貯蔵部材として有用な材料は、任意的下部流 体貯蔵部材としてもまた有用であり得る。しかしながら、この部材が流体を吸収 する際にｚ方向に膨張し得ることは必要とされない。したがって、流体の有意量 を吸収することのできるいかなる材料もこの部材として利用できることが当業者 に認識され得る。 下部流体貯蔵部材は、繊維／ヒドロゲル複合材料、あるいはヒドロゲル材料 のみを含み得る。この場合には、下部貯蔵部材は、下部貯蔵部材の全重量に対し て好ましくは約３０％ないし１００％、さらに好ましくは約７０％ないし１００ ％のヒドロゲル濃度を有し得る。下部貯蔵部材はまた、上で議論したもの等の親 水性ポリマー発泡体を含み得る。濡れるまで薄さを持続する発泡体は、さらに、 非常に薄い吸収製品の製造、運送及び貯蔵陳列を可能とするため、好ましい。 Ｄ．流体獲得ゾーン 膨張した上部貯蔵部材により部分的に形成される流体獲得ゾーンは、上部及 び下部獲得／分配層の下に空間を形成する。獲得ゾーンにより形成される空間の ため、本発明による吸収性コアは排出された身体流体の「噴出」をより容易に処 理し得る。これはそのような流体の先の繰り返される排出で吸収性コア部分が飽 和するときに特に重要である。 図面を参照することにより認識され得るように、流体獲得ゾーンは３次元を 有する。獲得ゾーンの幅（ｙ次元）及び長さ（ｘ次元）は一般的に、流体貯蔵部 材により造り出され、上部獲得／分配材料の下部表面であるゾーンの「上面」と 、下部獲得／分配材料の上部表面であるゾーンの「底面」とを備えたボイド領域 として規定される。（コア部材は「の下に」、「の上に」ある、等のように述べ られるにもかかわらず、そのような用語は比較的薄い材料（例えば、ティシュー ペーパ）がそのような部材の間に配置されることを除外するものではないことは 、当業者に認識され得る。）二つの横方向の貯蔵部材が離間している場合、獲得 ゾーンの幅は、これらの部材の間の間隙である。この場合の長さは貯蔵部材の長 さにより決定され得る。ゾーンの深さは膨張した貯蔵部材の高さ（ｚ方向）であ り得る。 流体獲得ゾーンは、一般的には矩形が好まれるが、ｘ−ｙ方向に不規則な形 をとり得る。さらに、要求される獲得ゾーンの体積はさまざまな要素（例えば、 貯蔵材料の吸収速度、獲得材料の吸収速度及び容量、着用者の大きさ等）により 変化し得るが、貯蔵材料が濡れたとき、獲得ゾーンは少なくとも約３０cc、好ま しくは少なくとも約５０cc、さらに好ましくは少なくとも約７５ccの体積を有す ることが好ましい。勿論、乾燥状態にあるときは、獲得ゾーンの体積は有意によ り小さくなり得る。 貯蔵及び獲得／分配部材として用いられる材料の性質しだいで、獲得ゾーン 体積の測定は不明確となり得ることは、当業者に認識され得る。そのようなもの として、上に挙げた好ましい体積範囲は例示のみであり、発明の範囲を制限する ものではない。 Ｅ．トップシート 本発明の吸収製品に有用なトップシートは、従順であり、しなやか感があり 、着用者の皮膚を刺激しない。これらのトップシートは、身体流体がその厚さを 通って容易に浸透することができるように流体透過性である。好適なトップシー トは、織及び不織材料、開孔成形熱可塑性フィルム、開孔プラスティックフィル ム、及び油圧成形熱可塑性フィルムのようなポリマー材料、多孔性発泡体、網状 発泡体、網状熱可塑性フィルム、及び熱可塑性スクリムのような広範囲の材料か ら製造され得る。好適な織及び不織材料は、天然繊維（例えば、木材又は木綿繊 維）、合成繊維（例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、又はポリエチレン繊 維のようなポリマー繊維）、あるいは天然繊維と合成繊維の組合せから構成され 得る。 本発明における使用に好ましいトップシートは、高ロフト（loft）不織トッ プシート及び開孔成形フィルムトップシートから選択される。開孔成形フィルム は身体流体に対して透過性で、その上非吸収性であり、また、流体が逆戻りし着 用者の皮膚を濡れ返させ得ることを減少させる傾向を有するため、特にトップシ ートに好ましい。したがって、身体に接触している成形フィルムの表面は乾燥し たままであり、それにより身体を汚すことを減少させ、着用者にさらなる快適感 をもたらす。好適な成形フィルムが１９７５年１１月３０日発行の米国特許第３ ，９２９，１３５号（トンプソン）、１９８２年４月１３日発行の米国特許第４ ，３２４，２４６号（ミューラン等）、１９８２年８月３日発行の米国特許第４ ，３４２，３１４号（レイデル等）、１９８４年７月３１日発行の米国特許第４ ，４６３，０４５号（アール等）、及び１９９１年４月９日発行の米国特許第５ ， ００６，３９４号（バード）に述べられている。これらの特許の各々は参照によ り本明細書に含められている。特に好ましい微開孔成形フィルムのトップシート が、参照により含められている、１９８６年９月２日発行の米国特許第４，６０ ９，５１８号（カーロ等）及び１９８６年１１月１６日発行の米国特許第４，６ ２９，６４３号（カーロ等）に開示されている。本発明の月経製品における使用 に好ましいトップシートは上の特許の一又はそれ以上で述べられている成形フィ ルムであり、オハイオ、シンシナティのプロテクター＆ギャンブル社により「Ｄ 成形フィルムトップシートの身体側表面は、流体が吸収構造に流れ込み吸収 されるよりもトップシートがら流れ出す可能性を減らすために、身体側表面が親 水性でない場合よりも速く身体流体がトップシートを通って移動することを助け るために、親水性であり得る。好ましい態様では、界面活性剤が、Aziz等により １９９１年１１月１９日に出願され、参照により含められている米国特許出願第 ０７／７９４，７４５号、「不織及び開孔フィルムカバーシートを有する吸収製 品」に述べられているような成形フィルムトップシートのポリマー材料に含めら れる。あるいは、トップシートの身体側表面は、参照により本明細書に含められ ている上で言及した米国特許第４，９５０，２５４号に述べられているように、 界面活性剤で処理することにより親水性にされ得る。 Ｆ．バックシート 本発明の吸収製品に有用なバックシートは、典型的に、身体流体に対して不 透過性であり、好ましくは薄いプラスティック性フィルムから製造されるが、他 の柔軟な流体不透過性材料もまた使用され得る。本明細書で用いる「柔軟な」と いう用語は、従順であり、かつ、人間の身体の一般的な形及び輪郭に容易に適合 させ得る材料をいう。バックシートは、吸収性コアに吸収され含まれている身体 流体がパンツ、パジャマ、下着等のようなものに接触する製品を濡らすことを抑 制する。バックシートは、織又は不織材料、ポリエチレン又はポリプロピレンの 熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、あるいはフィルムコーティングさ れた不織材料のような複合材料から構成され得る。好ましくは、バックシートは 約０．０１２mm（０．５mil）ないし約０．０５１mm（２．０mil）の厚さを有す るポリエチレンフィルムである。模範的なポリエチレンフィルムが、オハイオ、 シンシナティのクロペイ社により名称Ｐ１８−０４０１の下で、また、インディ アナ、テレホートのビスグイーン・ディビジョン、エチル社により名称ＸＰ−３ ９３８５の下で製造されている。バックシートは、好ましくは、より衣類のよう な外観を提供するためにエンボス加工され、及び／又は、マットに仕上げられる 。さらに、バックシートは、なお身体流体がバックシートを通り抜けることを防 止しながら、蒸気が吸収性コアから漏れることを可能にし得る(すなわち、通気 性)。 特に望ましいバックシートは、構造的弾性様フィルム（structural elastic -like film）（ＳＥＬＦ）ウェブから形成され得る。構造的弾性様フィルムウェ ブは、追加された弾性材料を使用することなく伸びの方向に弾性様挙動を示す伸 張性のある材料である。ＳＥＬＦウェブには、少なくとも二つの隣接する、別個 の、異なる領域を有する伸び可能なネットワークが含まれる。領域の一つは、他 の領域の実質部分が加えられる伸びに対する有意な抵抗力を発生させる前に、所 定の軸に平行な方向に加えられる軸の伸びに応答して抵抗力を示し得るように形 成される。少なくとも領域の一つは、材料が非張力状態にある間に、所定の軸に 実質的に平行に測定されるとき、他の領域よりも大きい表面経路長（surface-pa th length）を有する。より大きい表面経路長を示す領域には、他の領域の平面 を越えて広がる一又はそれ以上の変形が含まれる。ＳＥＬＦウェブは、所定の軸 に平行な方向に加えられる伸びをかけられたときに少なくとも一つの所定の軸に 沿った伸びに対する調整された抵抗力の少なくとも二つの有意に異なる段階を示 す。ＳＥＬＦウェブは、ウェブの伸びが、加えられる伸びの平面に入るためのよ り大きな表面経路長を有する領域の実質部分を効果的に生じさせるまで、加えら れる伸びに対する第１の抵抗力を示し、ついでＳＥＬＦウェブがさらなる伸びに 対する第２の抵抗力を示す。伸びに対する全体的な抵抗力は、第１の領域により 提供される伸びに対する第１の抵抗力よりも大きい。本発明に好適なＳＥＬＦウ ェブは、１９９４年２月２４日にドナルドＣ．ロイ等により出願され、参照によ り本明細書に含められている、「多重ゾーン構造的弾性様フィルムウェブ伸張性 ウェスト特性を備えた吸収製品」と題する同時係属の、共通に譲渡された米国特 許出願第０８／２０３，４５６号により充分に述べられている。 Ｇ．吸収製品 本発明の吸収製品は、一般的に、(1)トップシート、(2)バックシート、及び (3)トップシートとバックシートとの間に配置される本発明の吸収性コア、を含む 。本明細書で用いる「吸収製品」という用語は、身体流体を吸収し含む製品をい い、さらに具体的には、身体から排出されるさまざまな流体を吸収し含むために 着用者の身体に対向して、あるいは近接して置かれる製品をいう。追加として、 「使い捨て」吸収製品は、一回使用した後は捨てられることが意図される（すな わち、元の吸収製品は、全体として吸収製品のある種の材料又は全部がリサイク ルされ、再利用され、あるいは堆肥化され得るにもかかわらず、洗濯され、さも なくば吸収製品として元に戻されたり再利用されることが意図されない）製品を いう。本発明による使い捨て吸収製品の好ましい態様はおむつである。本明細書 で用いる「おむつ」という用語は、着用者の下半身に着用され、一般的に乳児又 は失禁者により着用される衣類をいう。しかしながら、本発明はまた、失禁用ブ リーフ、失禁用パッド、トレーニングパンツ、おむつ挿入物、月経パッド、衛生 ナプキン、フェイシャルティシュー、ペーパータオル等のような他の吸収製品に 適用可能なことは理解されるべきである。 本発明の吸収製品に使用される吸収性コアは、前述したように、着用者から 比較的離れて配置される少なくとも一つの流体貯蔵部材を含む。そうであるので 、流体獲得ゾーンに一時的に置かれている流体が、濡れ返しを抑制し獲得速度を 増すように、着用者から離れている。 好ましい態様では、吸収性コアは、少なくともかつ好ましくは、横方向に離 間した二つの流体貯蔵部材を（ストリップの形態で）含む。「横方向に離間した 」により、流体貯蔵部材間に間隙があることを意味する。これらの横方向に離間 しておかれた貯蔵部材が身体流体の吸収時にｚ方向に膨張するとき、流体貯蔵部 材間の間隙は、上下に配置された獲得／分配層と共に排出された身体流体を受け 取るための流体獲得ゾーンを規定する。少なくともこの流体獲得ゾーンの一部は 、上に横たわっている上部獲得／分配部材の下の空間から構成される。この獲得 ゾーンの空間により、本発明による吸収性コアは排出された身体流体の「噴出」 をより容易に処理することが可能となる。これは、吸収性コア部分がそのような 流 体の先の繰り返される排出で飽和したときに特に重要である。 本発明による吸収性コアはまた、吸収性コア内の他の部材に排出された身体 流体を移送し得る上部流体獲得／分配部材を含む。本発明の吸収性コア内のその 配置をみれば、この部材の主な作用が流体噴出を迅速に獲得し、次の流体激発を 自由に受け止めるために他の部材にその流体を移すことであることは明らかであ る。したがって、上部流体／獲得部材はそのように構成されることが好ましい。 このために、この部材はヒドロゲル形成性ポリマーをほとんど含まないか、全く 含まないことが好ましい。この上部流体獲得／分配部材は、少なくとも部分的に 、これらの排出された身体流体を受け取ることができるようにコアの流体排出領 域の下に典型的には近接して配置される。 上部獲得／分配材料は化学的に硬化された繊維から構成されることが好まし く、特に繊維が熱接着されていることが好ましい。さらに、秤量は、約０．０８ g/ｓq.in.ないし約０．３０g/sq.in.の範囲にあることが好ましく、さらに好ま しくは約０．０８g/sq.in.ないし約０．１５g/sq.in.であり、密度は、約０．０ ５g/ccないし約０．３g/ccの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは約０ ．０５g/ccないし約０．１５g/ccである。 本発明の吸収性コアは、さらに、排出された身体流体を吸収性コア内の他の 部材に移送することのできる下部流体獲得／分配部材を含む。この下部流体獲得 ／分配部材は少なくとも部分的にコアの流体排出領域の下に配置され、流体貯蔵 部材の下に配置される。この部材は、化学的硬化性繊維、セルロース性繊維（エ アーフェルト（airfelt）ともいわれる）、あるいは繊維／吸収性ヒドロゲル形 成性混合物のいずれであっても良い。下部獲得／分配材料は化学的硬化性繊維又 はセルロース性繊維から構成されることが好ましく、特に繊維が熱結合されてい ることが好ましい。さらに、秤量は、約０．０８g/sq.in.ないし約０．３０g/sq .in.の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは約０．０８g/sq.in.ないし 約０．１５g/sq.in.であり、密度は、約０．０５g/ccないし約０．３０g/ccの範 囲にあることが好ましく、さらに好ましくは約０．０５g/ccないし約０．１５g/ ccである。 下部獲得／分配部材は繊維／吸収性ヒドロゲル混合物から構成され、当該部 材は好ましくは、下部獲得／分配部材の全重量に対して約１０％ないし６５％、 さらに好ましくは約１５％ないし約３０％のヒドロゲル濃度を有し得る。 代わりの態様において、本発明による吸収性コアは、上部流体貯蔵部材とし て、上部と下部流体獲得／分配部材の間に配置された二以上の貯蔵材料ストリッ プを含む。二以上のストリップが用いられる場合には、各々は、各細片間にチャ ネルを提供するために他のストリップから横方向に一定の間隔をおかれるべきで ある。参照する図面では、一定の間隔をおいて離された二以上の貯蔵部材の使用 は、一以上の流体獲得ゾーンをもたらし得る。ある態様では、四つの貯蔵部材ス トリップが用いられ、三つのチャネル、あるいは三つの別個の流体獲得ゾーンが 形成される。 他の態様では、吸収性コアは下部流体貯蔵部材を含む。上部流体貯蔵部材に 有用な材料はまた、下部流体貯蔵部材にも有用であり得る。しかしながら、この 部材は流体吸収時にｚ方向に膨張し得ることは必要とされない。したがって、流 体の有意量を吸収し得るいかなる材料もこの下部部材として利用し得ることが当 業者に認識され得る。 本発明によるそのような吸収性コアの一つを有するおむつ１０の形態にある 吸収製品の態様を図１に示す。図１は、トップシート１２、バックシート１４、 およびトップシート１２とバックシート１４の間に配置された１８として一般的 に示される吸収性コアを有する平坦にされた、収縮していない状態（すなわち、 いかなる弾性誘導収縮も取り外された状態）にあるおむつ１０の上部平面図であ る。トップシート１２は、吸収性コア１８のさまざまな部材をよりよく示すため に透明にして示されている。また、上部流体獲得／分配層４１（図２に描写され ている）は、他のコア部材の描写を可能とするために示されていない。しかしな がら、好ましい態様では、この上部部材は下部流体獲得／分配層４２とほとんど 同じ寸法であり、トップシート１２と二つの上部流体貯蔵部材３４及び３６との 間に配置される。 また図１に示すように、おむつ１０はフロントウェストバンド領域２２、バ ックウェストバンド領域２４，股領域２６、およびバックシート１４の外側端に より規定され、３０として明示される縦端と３２として明示される終端とを有す る周囲２８とを有する。おむつ１０の縦軸は縦端３０に本質的に平行に延び、一 方横軸は終端３２に本質的に平行に延びている。ウェストバンド領域２２及び２ ４はおむつ１０の上部から構成され、着用されたとき、着用者のウェストを取り 巻く。股領域２６はウェストバンド領域２２及び２４の間のおむつ１０の部分で あり、着用されたとき、着用者の足の間に配置され、着用者の下半身を覆うおむ つ１０の部分から構成される。このように、股領域２６はおむつ１０又は他の使 い捨て吸収製品の典型的な液体堆積領域を規定する。 トップシート１２及びバックシート１４は、いかなる好適な方法でも互いに 付随され得る。本明細書で用いる「付随した」という用語には、トップシートを バックシートに直接的に添付することにより、トップシート１２が直接的にバッ クシート１４に接合される形状、およびバックシートに添付された中間部材にト ップシートを添付することにより、トップシートが間接的にバックシートに接合 される形状が含まれる。好ましくは、トップシート１２とバックシート１４は、 接着剤または当該分野において知られている他の取付手段のような取付手段（図 示せず）により互いに直接的に添付される。例えば、接着剤の均一な連続層、接 着剤のパターン化された層、あるいは接着剤の分離線又は点の整列がトップシー ト１２をバックシート１４に添付するために用いられ得る。図１に示すように、 トップシート１２の形状はバックシート１４よりもサイズが小さい。しかしなが ら、トップシート１２及びバックシート１４の双方の形状は、おむつ１０の周囲 ２８で互いに接合されるように、同じかあるいは同様のサイズである（すなわち 、同一の広がりをもっている）。バックシート１４のサイズは吸収性コア１８の サイズと選択される正確なおむつの設計により決定される。図１に示される形態 では、バックシート１４はくびれ型の形状を有する。しかしながら、矩形、Ｉ型 等のような他の形状もまた好適である。 図示していないが、おむつ１０は、収縮力が着用者により密接により快適に 形成するように、おむつに収縮力を及ぼす弾性部材を有し得る。これらの弾性部 材は、１９７５年１月１４日に発行され、参照により含められている米国特許第 ３，８６０，００３号（ブェル）に一般的に述べられているような、よく知られ たさまざまな形状に構成され得る。弾性部材は、弾性部材が着用者の足に対向し ておむつ１０を引き寄せ保持するのに役立つように、おむつ１０の周囲２８の近 隣、好ましくは各縦端３０に沿って配置され得る。あるいは、弾性部材は、足の 折り返し並びに、または足の折り返しよりもむしろ帯状部を提供するためにおむ つ１０の終端３２の両者又はいずれかに隣接して配置され得る。例えば、１９８ ５年５月７日に発行され、参照により含められている米国特許第４，５１５，５ ９５号（カービット等）参照。弾性部材は、通常抑制されない形状においてこれ らの弾性部材を効果的におむつ１０に収縮し、または集めるように、弾力的に収 縮性のある状況でおむつ１０に固定される。弾性部材は、弾力的に収縮性のある 状態において少なくとも二つの方法で固定され得る。例えば、弾性部材は、おむ つ１０が収縮していない状態のまま引っ張られ固定され得る。あるいは、例えば 、おむつ１０は、ひだをつけること、および、ゆるめられていない又は伸びてい ない状態のままおむつ１０に固定され連結された弾性部材により収縮され得る。 弾性部材は、本質的に、股領域２６におけるおむつ１０の全体的な長さを伸ばし 得、あるいはおむつ１０の全体的な長さ、または弾力的な収縮線を提供するため に好適な他の長さを伸ばし得る。これらの弾性部材の長さは典型的におむつの設 計により決定される。 図１及び特に図２を参照すると、吸収性コア１８はトップシート１２に隣接 して配置される上部獲得／分配層４１を有する。コア１８はさらに、上部連続性 獲得／分配層４１と下部連続性流体獲得／分配層４２との間に配置されるヒドロ ゲル形成性吸収性ポリマー（または、潰れ得る、親水性ポリマー発泡体）から構 成される矩形の細片の形態である二つの上部流体貯蔵部材３４及び３６を含む。 流体貯蔵部材３４及び３６は、図２に具体的に示されるように、それぞれ流体透 過性ペーパーティシュー３５及び３７に包まれている。これらの包まれている流 体貯蔵部材３４及び３６は横方向に離間されており、一般的に３８で示される流 体獲得ゾーンを規定する。この流体獲得ゾーン３８は、一般的に、おむつ１０の 流体排出領域内にある。 上部連続性流体獲得／分配部材４１は化学的硬化性繊維の形態であり、場合 によりテイシュー４９に包まれている。獲得／分配部材４１は図２においてティ シュー４９により包まれたものとして示されているが、この部材は好ましくはテ ィシューに包まれない。（この部材が吸収性ヒドロゲル形成性ポリマーから構成 される場合にはティシューで部材を包むことが好まれ得る。）この上部流体獲得 ／分配部材４１は側部４５及び４７を有する。側部４５は流体貯蔵部材３６の上 に流体連通して配置され、一方側部４７は流体貯蔵部材３４の上に流体連通して 配置される。 下部連続性流体獲得／分配部材４２は、ペーパーティシュー４３でまた包ま れた繊維質ウェブの形態である。この流体獲得／分配部材４２の中央部分４４は 流体獲得ゾーン３８の下に配置される。この流体獲得／分配部材４２はまた、側 部４６及び４８を有する。側部４６は流体貯蔵部材３６の下に流体連通して配置 され、一方側部４８は流体貯蔵部材３４の下に流体連通して配置される。図１に 示すように、流体分配部材４２はおむつ１０の股部分２６に弓形の凹状端５２及 び５３を有し、このように幾分くぼんだ形を呈している。 特に図２に示すように、吸収性コア１８はさらに、ヒドロゲル形成性吸収性 ポリマー又は吸収性発砲体材料から構成され、ペーパーティシュー６１で包まれ た、矩形の細片の形態である下部流体貯蔵部材６０を含む。この下部流体貯蔵部 材６０は流体貯蔵部材３４及び３６とほとんど同じ長さを有し、流体分配部材４ ２の中央部分４４の下に流体連通して配置される。下部貯蔵部材６０は、部分的 に貯蔵部材３４及び３６により形成される流体獲得ゾーン３８よりも(ｙ方向に) 幅広い。この下部流体貯蔵部材６０は流体獲得ゾーン３８の下に配置される。 図１に示すように、下部流体分配部材４２は上部流体貯蔵部材３４及び３６ 、並びに下部獲得／分配部材４２の下に配置される下部流体貯蔵部材６０よりも 長さが幾分長い。（下部貯蔵部材６０は図１において破線で描写されている。） 水性身体流体への最初の曝露時に、上部貯蔵部材３４及び３６は膨張し始め 、充分に飽和したとき少なくとも２mmまで厚さを増加させる。この厚さの増加は 獲得ゾーン３８の空間を増加させる。したがって、吸収製品は水性身体流体の続 いて起こる「噴出」をより良く処理し得る。好ましくは、上部貯蔵部材はｚ方向 に少なくとも１００％まで膨張し得る。勿論、流体獲得ゾーンの長さ及び幅もま たコアの空間に影響し得るので、そのようなコアには１００％のｚ方向への膨張 は要求され得ない。 図３はトップシート１１２、バックシート１１４、及びトップシートとバッ クシートとの間に配置される採り得る吸収性コア１１８を有する吸収製品１１０ の断面図を示す。吸収性コア１１８はトップシート１１２に隣接して配置される 上部獲得／分配層１４１を有する。コア１１８はさらに、上部連続性獲得／分配 層１４１と下部連続性流体獲得／分配部材１４２との間に配置され、ヒドロゲル 形成性吸収性ポリマー（又は、潰れ得る、親水性ポリマー発泡体）から構成され る、矩形の細片の形態である二つの上部流体貯蔵部材１３４及び１３６を含む。 これらの流体貯蔵部材１３４及び１３６は横方向に離間され、一般的に１３８で 示される流体獲得ゾーンを規定する。この流体獲得ゾーン１３８は一般的におむ つ１１０の流体排出領域にある。ペーパーティシュー層１４３が上部流体貯蔵部 材１３４及び１３６と下部流体獲得／分配部材１４２との間に配置される。 上部連続性流体獲得／分配部材１４１は化学的硬化性繊維質ウェブの形態で あり、場合によりティシュー１４９に包まれる。この上部流体獲得／分配部材１ ４１は側部１４５及び１４７を有する。側部１４５は流体貯蔵部材１３６の下に 流体連通して配置され、一方側部１４７は流体貯蔵部材１３４の下に流体連通し て配置される。 下部連続性流体獲得／分配部材１４２は繊維質ウェブの形態である。この流 体獲得／分配部材１４２の中央部分１４４は流体獲得ゾーン１３８の下に配置さ れる。この流体獲得／分配部材１４２はまた、側部１４６及び１４８を有する。 側部１４６は流体貯蔵部材１３６の下に流体連通して配置され、一方側部１４８ は流体貯蔵部材１３４の下に流体連通して配置される。 吸収性コア１１８はさらに、ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー又は吸収性ポ リマー発泡体から構成される下部流体貯蔵部材１６０を含む。この下部流体貯蔵 部材１６０は流体分配部材１４２の中央部分１４４の下に流体連通して配置され る。この下部流体貯蔵部材１６０はまた、流体獲得ゾーン１３８の下に配置され 、流体獲得ゾーン１３８より幅が広い。つまり、貯蔵部材１６０は流体貯蔵部材 １３４及び１３６間の間隙よりも広い。 図３に示すように、吸収性コア１１８の部材は、上部流体獲得／分配層１４ １を除いては、ペーパーティシュー１６４内に包まれている。ティシュー１６４ は１６６及び１６８により示される点においてティシュー１４３に粘着的に接着 されている。 水性身体流体の最初の曝露時に、上部貯蔵部材１３４及び１３６は膨張し始 め、充分に飽和したとき少なくとも２mmまで厚さを増加させる。接着結合１６６ 及び１６８は、貯蔵部材１３４及び１３６の獲得ゾーン１３８への横方向の広が りを防止する。厚さの増加は獲得ゾーン1３８の空間を増加させる。したがって 、吸収製品は水性身体流体の続いて起こる「噴出」をより良く処理し得る。 図４は、トップシート２１２、バックシート２１４、及びトップシートとバ ックシートとの間に配置される他の採り得る吸収性コア２１８を有する吸収製品 ２１０の断面図を示す。この採り得る吸収性コア２１８は、トップシート２１２ に隣接して配置される上部獲得／分配層２４１を有する。コア２１８はさらに、 上部連続性獲得／分配層２４１と下部連続性流体獲得／分配部材２４２との間に 配置され、ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー（又は、潰れ得る、親水性ポリマー 発泡体）から構成される矩形の細片の形態である二つの上部流体貯蔵部材２３４ 及び２３６を含む。これらの流体貯蔵部材２３４及び２３６は横方向に離間され ており、一般的に２３８で示される流体獲得ゾーンを規定する。この流体獲得ゾ ーン２３８は一般的におむつ２１０の流体排出領域内にある。ペーパーティシュ ー層２４３はこれらの上部流体貯蔵部材２３４及び２３６と下部流体獲得／分配 部材２４２との間に配置される。 上部連続性流体獲得／分配部材２４１は化学的硬化性セルロース性繊維質ウ ェブの形態である。この上部流体獲得／分配部材２４１は側部２４５及び２４７ を有する。側部２４５は流体貯蔵部材２３６の上に、これと流体連通して配置さ れ、一方側部２４７は流体貯蔵部材２３４の上に、これと流体連通して配置され る。 下部連続性流体獲得／分配部材２４２は繊維質ウェブの形態である。この流 体獲得／分配部材２４２は流体獲得ゾーン２３８の下に配置される。この流体獲 得／分配部材２４２はまた、側部２４６及び２４８を有する。側部２４６は流体 貯蔵部材２３６の下に、これと流体連通して配置され、一方、側部２４８は流体 貯蔵部材２３４の下に、これと流体連通して配置される。 図４に示すように、吸収性コア２１８の部材は、上部流体獲得／分配層２４ １を除いては、ペーパーティシュー２６４内に包まれている。ティシュー２６４ は、２６６及び２６８により示される点においてティシュー２４３に接着結合さ れている。 水性身体流体の最初の曝露時に、上部貯蔵部材２３４及び２３６は膨張し始 め、充分に飽和したとき少なくとも２mmまで厚さを増加させる。粘着性接着２６ ６及び２６８は、貯蔵部材２３４及び２３６の獲得ゾーン２３８への横方向の膨 張を防止する。厚さの増加は獲得ゾーン２３８の空間を増加させる。したがって 、吸収製品は水性身体流体の続いて起こる「噴出」をより良く処理し得る。 図５は、トップシート３１２、バックシート３１４、及びトップシートとバ ックシートとの間に配置されるさらに他の代わりの吸収性コア３１８を有する吸 収製品３１０の断面図を示す。この代わりの吸収材はトップシート３１２に隣接 して配置される上部流体獲得／分配層３４１を有する。コア３１８はさらに、ヒ ドロゲル形成性吸収性ポリマー又は吸収性ポリマー発泡体から構成され、部分的 に下部流体分配部材３４２の周囲を包み、身体流体吸収時にｚ方向に膨張する性 能を有する連続性部材３２０を有する。連続性部材３２０は、上部流体貯蔵部材 または上部流体獲得／分配層３４１と下部流体分配部材３４２の間に配置される 部位３３４及び３３６、並びに、下部流体貯蔵部材または下部流体分配部材３４ ２の下にある部位３６０とを有する。流体貯蔵部材／部位３３４及び３３６間の 間隙は、一般的に３３８で示される流体獲得ゾーンを規定する。流体下部分配部 材３４２の中央部分３４４は流体獲得ゾーン３３８の下にある。下部流体分配部 材３４２の側部３４６は流体貯蔵部材３３６の下に流体連通して配置され、一方 側部３４８は流体貯蔵部材３３４の下に流体連通して配置される。下部流体貯蔵 部材又は部位３６０は、流体分配部材３４２の下で、これと流体連通している。 水性身体流体の最初の曝露時に、上部貯蔵部材又は部位３３４及び３３６は 膨張し始め、充分に飽和したとき少なくとも２mmまで厚さを増加させる。厚さの 増加は獲得ゾーン３３８の空間を増加させる。したがって、吸収製品は水性身体 流体の続いて起こる「噴出」をより良く処理し得る。 図６は、トップシート４１２、バックシート４１４、及びトップシートとバ ックシートとの間に配置される採り得る吸収性コア４１８を有する吸収製品４１ ０の断面図を示す。この採り得る吸収性コア４１８はまた、ヒドロゲル形成性吸 収性ポリマー又はポリマー吸収性発泡体から構成され、上部流体獲得／分配層４ ４１と下部流体獲得／分配層４４２との間に配置される二つの上部流体貯蔵部材 ４３４及び４３６を有する。これらの流体貯蔵部材４３４及び４３６は横方向に 離間されており、一般的に４３８で示される流体獲得ゾーンを規定する。これら の流体貯蔵部材４３４及び４３６はさらに、（ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー から構成されるとき）基材４３５及び４３７に接着され、図６に示すようにｃ− 型に折り曲げられる。 ペーパーティシュー層４４３は、上部流体貯蔵部材４３４及び４３６の下で 、下部流体分配部材４４２の上に配置される。この下部流体分配部材４４２は、 流体貯蔵部材４３４及び４３６の下に流体連通して配置され、流体獲得ゾーン４ ３８の下に配置される。 吸収性コア４１８はさらに、ヒドロゲル形成性吸収性ポリマーから構成され る下部流体貯蔵部材４６０を含む。この下部流体貯蔵部材４６０は、下部流体分 配部材４４２の下に流体連通して配置される。この下部流体貯蔵部材４６０はま た、流体獲得ゾーン４３８の下に配置される。 水性身体流体の最初の曝露時に、上部貯蔵部材４３４及び４３６は膨張し始 め、充分に飽和したとき少なくとも２mmまで厚さを増加させ得る。基材層４３５ 及び４３７は貯蔵部材４３４及び４３６の獲得ゾーン４３８への横方向の膨張を 防止する。厚さの増加は獲得ゾーン４３８の空間を増加させる。したがって、吸 収製品は水性身体流体の続いて起こる「噴出」をより良く処理し得る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 ヒューズ、エイミ・グレイ アメリカ合衆国、オハイオ州 45224、シ ンシナチ、ヘイツラー・アベニュー 6327 【要約の続き】 びＣ）本発明の吸収性コアと、を含む吸収製品に関す る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 排出された水性身体流体を吸収することのできる吸収性コアであり、 (1) 水性流体を受け取ることのできる上部流体獲得／分配部材であ り、吸収性コアの流体排出領域内に配置される前記上部流体獲得／分配部材、 (2) 少なくとも部分的に前記上部流体獲得／分配部材の下側にこれ と流体連通して配置される少なくとも一つの上部流体貯蔵部材であり、流体獲得 ゾーンを形成するために水性身体流体との接触時にｚ方向に膨張することのでき る前記少なくとも一つの流体貯蔵部材、 (3) 水性身体流体を受け取ることのできる流体獲得ゾーンであり、 少なくとも部分的に前記少なくとも一つの上部流体貯蔵部材により取り囲まれ、 少なくとも部分的に吸収性コアの流体排出領域の下に配置される前記流体獲得ゾ ーン、及び (4) 水性身体流体を獲得し移送することのできる下部流体獲得／分 配部材であり、少なくとも部分的に前記少なくとも一つの上部流体貯蔵部材の下 側にこれと流体連通して配置される前記下部流体獲得／分配部材、 を含む前記吸収性コア。 ２． 下部流体獲得／分配部材の下側に配置され、横方向に離間された上部流 体貯蔵部材により形成される流体獲得ゾーンよりも幅が広い少なくとも一つの下 部流体貯蔵部材をさらに含む請求項１記載の吸収性コア。 ３． コアが吸収性コア内を縦に延びるストリップの形態である二つの上部流 体貯蔵部材を含むことを特徴とし、前記部材は水性身体流体との接触時に流体獲 得ゾーンを形成するために横方向に離間していることをさらに特徴とする請求項 １又は請求項２記載の吸収性コア。 ４． ａ）第１のティシューペーパーが二つの上部流体貯蔵部材の下と下部流 体獲得／分配部材の上に配置され、ｂ）二つの上部流体貯蔵部材と下部獲得／分 配部材が第２のティシューペーパにより包まれ、およびｃ）第１と第２のティシ ューペーパーが貯蔵部材が流体獲得ゾーンに膨張することを防止するために上部 貯蔵部材間の位置で接着される、ことを特徴とする請求項３記載の吸収性コア。 ５． 上部流体貯蔵部材は、各貯蔵部材のヒドロゲル形成性吸収性ポリマー成 分を約５０ないし１００重量％、好ましくは７０ないし１００重量％含むことを 特徴とする請求項１、請求項２、請求項３、又は請求項４のいずれか１項記載の 吸収性コア。 ６． 上部流体貯蔵部材は油中水エマルジョン中の高内部水相から誘導される 潰れ得るポリマー発泡体材料を含むことを特徴とする請求項１、請求項２、請求 項３、請求項４、又は請求項５のいずれか１項記載の吸収性コア。 ７． 上部流体獲得／分配層は化学的硬化性繊維を含み、好ましくは熱可塑性 材料と熱結合されていることを特徴とする請求項１ないし請求項６のいずれか１ 項記載の吸収性コア。 ８． 上部流体獲得／分配層は実質的にヒドロゲル形成性吸収性ポリマーを含 まないことを特徴とする請求項１ないし請求項７のいずれか１項記載の吸収性コ ア。 ９． 排出された水性身体流体を吸収することのできる吸収性コアであり、 (1) 水性流体を受け取ることのできる上部流体獲得／分配部材であ り、吸収性コアの流体排出領域内に配置され、熱可塑性材料と熱接着された化学 的硬化性セルロース性繊維を含む前記上部流体獲得／分配部材、 (2) 水性身体流体との接触時にｚ方向に膨張することのできる二 つの上部流体貯蔵部材であり、吸収性コア内を縦に延びるストライプの形態であ り、水性身体流体との接触時に流体獲得ゾーンを形成するために離間されており 、双方の流体貯蔵部材が相互連結された、ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー粒子 の流体安定性巨視的構造を含むことを特徴とする前記二つの上部流体貯蔵部材、 (3) 水性身体流体を受け取ることのできる流体獲得ゾーンであり、 少なくとも部分的に二つの上部流体貯蔵部材により囲まれ、少なくとも部分的に 吸収性コアの流体排出領域の下に配置される前記流体獲得ゾーン、 (4) 水性身体流体を獲得し移送することのできる下部流体獲得／分 配部材であり、少なくとも部分的に前記上部流体貯蔵部材の下側にこれと流体連 通して配置され、１０ないし約３０重量％のヒドロゲル形成性ポリマー成分を含 むことを特徴とする前記下部流体獲得／分配部材、 (5) 下部流体獲得／分配部材の下側にこれと流体連結して配置され た下部流体貯蔵部材であり、流体獲得ゾーンよりも幅が広く、相互連結された、 ヒドロゲル形成性吸収性ポリマー粒子の流体安定性巨視的構造を含むことを特徴 とする前記下部流体貯蔵部材、 を含む前記吸収性コア。 １０． 排出された水性身体流体を吸収するための吸収製品であり、 （Ａ）トップシート、 （Ｂ）バックシート、および （Ｃ）トップシートとバックシートとの間に配置される請求項１ないし 請求項９のいずれか１項記載の吸収性コア を含む前記吸収製品。 １１． （Ａ）トップシート、 （Ｂ）バックシート、および （Ｃ）トップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コアであ り、 (1) 水性流体を受け取ることのできる上部流体獲得／分配部材で あり、吸収性コアの流体排出領域に配置される前記上部流体獲得／分配部材、 (2) 少なくとも部分的に上部流体獲得／分配部材の下側にこれと 流体連通して配置される少なくとも一つの上部流体貯蔵部材であり流体獲得ゾー ンを形成するために水性身体流体との接触時にｚ方向に膨張することのできる前 記流体獲得／分配部材、 (3) 水性身体流体を受け取ることのできる流体獲得ゾーンであり 少なくとも部分的に前記少なくとも一つの上部流体貯蔵部材により取り囲まれ、 少なくとも部分的に吸収性コアの流体排出量息の下に配置される前記流体獲得ゾ ーン、 (4) 水性身体流体を獲得し移送することのできる下部流体獲得／ 分配部材であり、少なくとも部分的に前記上部流体貯蔵部材の下側にこれと流体 連通して配置される前記下部流体獲得／分配部材、を含む前記吸収性コア、 を含むおむつ。