JPH11506775A - 医薬品の製造のためのスクアラミンの使用 - Google Patents

医薬品の製造のためのスクアラミンの使用

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JPH11506775A JP9501397A JP50139797A JPH11506775A JP H11506775 A JPH11506775 A JP H11506775A JP 9501397 A JP9501397 A JP 9501397A JP 50139797 A JP50139797 A JP 50139797A JP H11506775 A JPH11506775 A JP H11506775A
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Abstract

(57)【要約】 ナトリウム/プロトン交換系(NHE)の阻害剤として有用なアミノステロール化合物について記載する。ある特定のNHEだけの阻害剤である化合物を使用する方法と、さらに種々のNHEの阻害剤である化合物を使用する方法を含む、アミノステロール化合物を使用する方法についても記載する。化合物の治療活性を評価するための有利なスクリーニング法および検定法についても記載する。

Description

【発明の詳細な説明】 NHEを阻害する医薬品の製造のためのスクアラミンの使用 技術分野 本発明は、ナトリウム/プロトン交換体(NHE)の阻害剤として有用なアミ ノステロール化合物に関する。本発明は、また、同化合物を含有する薬学的組成 物および同化合物のNHEの阻害における用途に関する。本発明は、さらに、N HE阻害剤としての効果について、化合物をスクリーニングするための検定方法 に関する。 発明の背景 生体細胞の各々は、自身の酸塩基平衡を、より具体的には、自身の水素イオン 濃度またはプロトン濃度を維持しなければならない。水素イオン濃度がごくわず かに変化するだけでも、細胞中の化学反応の速度は、抑制されたり、加速された りと、顕著に変化する。広義的で一般的には、人が、水素イオン濃度が高いとき (アシドーシス)、その人は昏睡で死亡する可能性が高く、水素イオン濃度が低 いとき(アルカローシス)、この人はテタニーまたは痙攣で死亡することがある 。このような両極端の場合を通じて、関係する細胞および水素イオン濃度の経験 値に依存する疾患および症状は様々である。従って、水素イオン濃度を調節する ことは、ホメオスタシスの最も重要な局面の1つである。 水素イオン濃度を表す簡略な方法は、pH:pH=log1/(H+濃度)=−log (H+濃度)である。正常な細胞のpHは7.4であるが、7.0未満または7 .7より大きいpHでは、人はほんの数時間しか生きられない。このように、p Hの維持は生存するために重要である。 pH平衡を維持する機序にはいくつかある。例えば、静止期および構成期には 、細胞は、赤血球などの細胞を介してプロトン交換を行う機序として十分に検討 されている、塩素イオン/重炭酸イオン交換体を利用していると思われる。 また、マイトジェン、増殖因子、精子等によって誘発される加速増殖期には、 細胞は、別の細胞のしくみを利用して、緊急に対処しなければならない旺盛な代 謝を回転させる。これが、ナトリウム/プロトン(Na+/H+)交換体、”NH E”で、”対向輸送体”とも呼ばれる。NHEは多数の役割および多数の組織に おいて作用するので、生体はNHEファミリーを発生させており、最近の研究は 、ある種の組織に局在し、種々の機能に関連するNHE”アイソフォーム”ファ ミリーについて解明している。以下に、最も重要と思われるNHEアイソフォー ムを列挙する。 NHE1は、ハウスキーピング交換体で、高血圧においては制御されないと考 えられ、細胞内pH調節に対して作用を発揮すると考えられ、また、この交換体 を管理することによって、虚血傷害から患者を予防するとも考えられている。 NHE1は、遺伝的に糖尿病に関連があり、従って、NHE1の阻害は、膵臓 のベータ細胞に対する影響を通して、糖尿病の進行を変化させることができる可 能性がある。また、グルコースに応答して生じる血管平滑筋細胞の増殖は、NH E1aの発現の増加に関連がある。 NHE1βは有核赤血球上に存在し、高濃度のアミロライドによって阻害され る。このNHEアイソフォームは、cAMP依存的なアドレナリン様因子によっ てに調節される。 NHE2は消化管および骨格筋の多数の細胞に関連がある。これを阻害するこ とによって、血管平滑筋肥厚または心肥大などの過形成状態または肥大状態の進 行を変化させることができると考えられる。横紋筋肉腫および平滑筋腫などの筋 原性癌は当然考慮されるべき治療対象である。 NHE3は結腸に関連がある。以下に記載する研究は、内皮細胞に関連するも のであることを示している。これを阻害することによって、結腸の水交換などの 機能が影響を受けたり(腸の流体流束を増加させ、例えば、便秘の原因となる) 、結腸癌等が影響を受けるだろう。内皮細胞に対しては、この交換体を阻害する ことによって、正常な増殖が阻害されるだろう。 NHE4は腎臓のある種の細胞に関連があり、細胞の容量調節に対して作用を 発揮すると思われる。これに対する特異的な阻害剤は腎機能に影響を及ぼし、高 血圧にの治療効果が期待される。 NHE5はリンパ組織および脳細胞に関連がある。NHE5を阻害することに よって、これらの細胞に関係する増殖性疾患を阻害するはずである。NHE5は 、HIV等のウィルス感染に応答して生じるグリア細胞の増殖に関与する有力物 質として可能性が高い。 上記するように、NHEは生体を援助するように作用するが、NHE機能を阻 害することによって、多大な治療上の利点が得られるはずである。例えば、NH Eは通常では、細胞内pHが所定の酸性値より低下したときのみ作用するが、増 殖因子によって刺激されると、細胞が”正常な”静止pHで平衡を保っていても 、細胞のNHEは機能を開始してしまう。結果として、NHEは、正常な状態で は不活性であるはずのpHで、細胞からプロトンをくみ出し始める。細胞は進行 的なプロトンの損失を受け、基本総緩衝能を増加させたり、場合によっては実際 にアルカリ化する。ポンプの作動が妨害されている状況では、増殖刺激によって も細胞は機能しない。従って、NHEファミリーの阻害物質は、増殖阻害作用を 発揮すると考えられる。 激しい酸性ストレス下、すなわち組織に酸素(または血液供給)が与えられな い状態では、NHEファミリーはその結果生じる回復不能な損傷に関与すると考 えられる。例えば、心臓に向かう血流が妨害されると、局所的なアシドーシスが 生じる。心筋細胞は根本的な内部酸性化を生じる。この酸性化は休眠中のNHE を活性化する。これらの交換体は細胞から容易にプロトンを排出し、ナトリウム と交換する。結果として、細胞内ナトリウム濃度が上昇する。続いて、ナトリウ ム−カルシウム交換体が活性化され、内部のナトリウムと外部のカルシウムを交 換する。内部のCa+濃度が上昇すると、細胞死、収縮性の低下および不整脈が 生じる。従って、虚血後心筋障害およびそれに伴う不整脈はNHE依存性機序に よって生じると考えられ、従って、このNHEを阻害することによってこのよう な障害の発生が予防されるはずである。NHEがNaの内在化を阻害し、pH値 低下の結果として代謝活性を低下させると、細胞の障害は避けられると考えられ る。このように、心臓虚血に対して用いられるNHE阻害剤の開発に関心が高ま っている。 NHEファミリーの他の構成要素は、上皮表面の水およびナトリウムの輸送に 対して典型的な作用を発揮すると思われる。特に、結腸に見られるNHE3アイ ソフォームは、結腸内腔の流体量を調節する役割を担うと考えられる。このポン プは下痢症例では阻害されている。腎臓の近位尿細管に存在するNHE3アイソ フォームは、腎臓の酸塩類交換に関しては同様の機能を発揮すると考えられる。 従って、NHEファミリーの阻害剤は、高血圧治療のための治療剤として認めら れている。 NHE作用の阻害に関して予測される真価から、科学者はNHE阻害剤を探し 出した。最も広範に研究されたNHE阻害剤は、利尿薬として臨床上使用される グアニジン修飾ピラジンであるアミロライドである。種々のアルキル置換基を導 入することによって、多数の誘導体が作られた。これらの誘導体は、周知の阻害 剤がないNHE5を除いて、周知で、上記したNHEアイソフォームとともに研 究されている。 特定の交換体に対する阻害剤の活性が、すでに測定されている。以下の表Aか らわかるように、各交換体は各阻害剤に対して種々の応答スペクトルを示す: コウニロン(Counillon)らが記載したNHE阻害剤は、NHE1に 対する特異性を示す。従って、このアイソフォームの阻害が有用である症状の治 療に用いられる。しかしながら、これらの阻害剤は他の周知のNHEアイソフォ ームを標的にしていない、例えば、NHE3は影響されない。 以下に説明するように、NHE3は内皮細胞上で発現しており、これを阻害す ることによって、抗血管形成作用が生じる。本発明によるアミノステロール化合 物によって阻害されるNHEアイソフォームの種類は、アミロライドまたはコウ ニロン(Counillon)らの化合物によって阻害されるものとは異なり、 また異なった薬理作用を有する。 また、コウニロン(Counillon)らは、ある種のベンゾイルグアニジ ン誘導体が他のNHEアイソフォームを阻害することも報告した。特に、(3− メチルスルホニル−4−ピペリジノベンゾイル)グアニジンメタンスルホネート は、以下の表に示すように、NHE1に対する特に選択性を示す。 アミロライドの化学構造に基本骨格とするこれらのベンゾイルグアニジン化合 物は、NHE1の阻害には極めて大きな特異性を示すが、NHE2およびNHE 3に対してもかなりの活性を保持している。広範に分布する”ハウスキーピング ”アイソフォームである、NHE1の薬学的阻害を達成すると、NHE2および NHE3の好ましくない不活性化が生じると考えられる。 従って、当業者は、単一の特定のNHEに対する選択的な作用を示すNHE阻 害剤の探求を続けている。このような阻害剤は、組織の増殖に対するNHEの影 響を妨害することによって、より正確に組織を阻害し得るだろう。 従って、研究者は、種々のNHEに特異的な阻害剤を開発することは、不整脈 の治療、心筋梗塞の治療および予防、狭心症および心臓の虚血性疾患の治療およ び予防、末梢および中枢神経系の虚血性疾患の治療および予防、末梢器官および 四肢の虚血性疾患の治療および予防、ショックの治療、抗動脈硬化剤の供給、糖 尿病合併症の治療、癌の治療、肺、肝臓および腎臓の繊維症を含む繊維性疾患の 治療および前立腺肥大の治療を含む疾患および症状を有する患者の総括的な新規 な治療法の開発を可能にすると考えている。他の治療対象には、HIV、HPV およびHSVなどのウィルス疾患の治療、悪性腫瘍の予防、糖尿病(すなわち、 膵島細胞傷害)の予防、糖尿病の血管合併症の予防、例えば黄斑変性、リウマチ 性関節炎、乾癬、癌、悪性血管腫等の異常な血管新生疾患の治療、血管再狭窄の 予防、高血圧関連血管障害の予防、免疫抑制および膠原性血管疾患の治療が挙げ られる。 細菌、真菌および原生動物のNHEに対する阻害剤も、特異的な抗菌剤として 有用であると考えられる。全ての生細胞が一種または別種のNHEを使用して、 細胞内のNa+およびpHのホメオスタシスを維持していることは周知である。 NHEは多数の細菌および真菌からクローニングされており、ほ乳類のアイソフ ォームと一部配列相同性を有する。標的物質として特定の細菌または真菌のNH Eを使用して、ほ乳類のアイソフォームに対して、特に有利で、または活性を持 たないような交換体に対する特異性が高い阻害剤を開発するできるはずである。 このような化合物は、異なる機序を有する抗生物質として有用であるだろう。 このように、当該技術分野において、NHEの特異的な阻害剤が必要である。 さらに、種々の治療的用途のためのNHE阻害剤を開発することが必要である。 発明の概要 本発明は、種々のNHEを阻害する種々のアミノステロール化合物を提供する ことによって、当該技術分野の需要を満たすものである。本発明は、NHEに阻 害剤用を示すアミノステロール化合物および同化合物を含有する組成物に関する 。 このように、本発明は、NHEの阻害剤として有用な、化合物FX1A、化合 物FX1B、化合物1360、化合物1361、化合物371、化合物1437 および化合物353などの、新規に単離および合成されたアミノステロール化合 物に関する。これらのステロイド化合物の中には、種々のNHEを阻害すること が見いだされているものもあれば、単一の特定のNHEを有利に阻害することが 見いだされているものもある。 さらに、本発明は、本発明の化合物を使用する薬学的用途および治療方法に関 する。本発明は、また、過去に単離され、その特徴が解明されている、スクアラ ミンに関する新規な用途に関する。 また、本発明は、化合物の治療効果を評価するために有利なスクリーニング方 法に関する。特に、NHE阻害作用および治療的効果に関して化合物をスクリー ニングするための便利な方法であることが見いだされているオタマジャクシ検定 法が開発された。 本発明の特に好ましい化合物は、化合物1436(または、その薬学的に許容 される塩)である。本発明は、有効量のこの化合物および薬学的に許容される賦 形剤または担体とを含む薬学的組成物に関する。本発明は、さらに、有効量の化 合物1436を投与することを含む、細胞の増殖を阻害する方法、特に、細胞が 悪性細胞、血管平滑筋細胞、気管支平滑筋細胞、繊維芽細胞、リンパ球またはリ ンパ組織、筋肉、骨、軟骨、上皮、造血組織または神経組織である同方法に関す る。さらに、本発明は、有効量の化合物1436とスクアラミンとを組み合わせ て投与することを含む、細胞の増殖を阻害する方法に関する。本発明は、また、 有効量の化合物1436を投与することを含む、リンパ球の増殖を阻害すること によって、免疫系を抑制する方法に関する。また、本発明は、有効量の化合物1 436を投与することを含む、脊椎動物の成長の抑制に関する。本発明は、また 、有効量の化合物1436のを投与することを含む、ウィルス標的細胞の増殖を 抑制することによるウィルス感染症の治療に関する。有効量の化合物1436を 投与することを含む、動脈圧を制御する方法も好ましい。また、本発明は、有効 量の化合物1436を投与することを含む、心筋虚血を予防する方法に関する。 本発明は、また、有効量の化合物1436を投与することを含む、移植臓器を維 持する方法に関する。さらに、本発明は、有効量の化合物1436を投与するこ とを含む、細菌、ウィルス、真菌および原生動物などの微生物因子によって生じ る感染症を治療する方法に関する。本発明は、また、NHEを阻害するために有 効量のこの化合物を投与することに関する。 本発明は、また、有効量のスクアラミン(または、その薬学的に許容される塩 )を投与することを含む、NHE3を阻害する方法、好ましくは、病状進行過程 において発現されるこのNHEアイソフォームを特異的に阻害する方法に関する 。本発明による別の方法は、有効量のスクアラミンを投与することを含む、内皮 細胞、特に新しい毛細血管の内皮細胞の増殖を阻害することに関する。 本発明は、また、(i)検定する対象化合物を含有する水溶液(例えば、10 μg/mlの濃度)を調製し、(ii)該溶液中にオタマジャクシを入れ、(i ii)少なくとも一時間間隔後に(例えば、約1時間)顕微鏡下で該オタマジャ クシ(例えば、尾および/または四肢)を観察する工程を含む、オタマジャクシ 検定法を実施することを含む、NHE阻害活性または抗血管形成活性に関して化 合物を評価する方法に関する。好ましくは、オタマジャクシはアフリカツメカエ ルのオタマジャクシで、さらに好ましくは発生段階59〜60のアフリカツメカ エルのオタマジャクシである。同検定法は、単独で、または別の検定法、例えば 、ヒナ漿尿膜検定法および/またはヒナ胚卵黄毛細血管退行検定法と組み合わせ て行ってもよい。 他の態様、目的および利点は、本発明の好ましい特徴および実施態様を添付の 図面と併せて示した、以下の詳細な開示から明らかになる。 図面の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、ウサギのナトリウム/プロトン交換体アイソフォーム3 (NHE3)の、スクアラミンによる阻害作用を示す。図1Aは、40mM N H4Clに接触させることによって酸を予め負荷した細胞に関して、細胞外ナト リウムイオン濃度の回復(x軸)の関数としてpH回復速度(y軸)をプロット したもので、”+”印の曲線は対照(薬剤無添加)を示し、”ΔW”印の曲線は スクアラミンを示す。図1Bは、酸を予め負荷しなかった細胞に関して、5μg /mlのスクアラミンの添加後の時間(x軸)の関数として、実際の内部pH( y軸)を示す。 図2Aは、ウサギのナトリウム/プロトン交換体アイソフォーム1(NHE1 )の、スクアラミンによる阻害作用の欠失を示す。図2Bは、ヒトNHE1の、 スクアラミンによる阻害作用の欠失を示す。内部pH対時間のこれらプロットに おいて、”o”印の曲線はスクアラミンを示し、”+”印のものは対照(スクア ラミンを添加しないでインキュベートした細胞)を示す。 図3A、3Bおよび3Cは、内皮細胞が他の膜作用剤よりスクアラミンに対す る感受性が大きいこと(x軸の3より大きい側の棒グラフ)、および内皮細胞は 、上皮細胞および繊維芽細胞より、スクアラミンに対する感受性が大きいことを 示す。図3Aは、ウシの肺内皮細胞に対する1μg/mlの本発明の薬剤の投与 を示すが、図3Bおよび3Cは、それぞれ、ヒト上皮細胞およびヒト包皮繊維芽 細胞に対する10μg/mlの膜作用剤の投与を示す。 図4A、4Bおよび4Cは、スクアラミンの皮下投与、腹腔内投与および経口 投与によるマウスメラノーマの増殖の抑制作用を示したものである。 図5は、種々の用量(”o”=10mg/kg/d、”+”=20mg/kg/d 、”o”=40mg/kg/d;d=日)のスクアラミンによる、免疫寛容(RA G−1)マウスにおけるヒトメラノーマ1205Luの増殖の抑制を示す。 図6は、化合物319の腹腔内投与による、マウスにおけるマウスメラノーマ の抑制を示す。 図7は、マウスIV PK試験で得られた、化合物319の薬物動態学的クリ アランスを示す。 図8は、マウスIV PK試験で得られたスクアラミンの薬物動態学的クリア ランスを示す。 図9は、ツノザメの肝臓由来のアミノステロールのHPLCパターンであり、 これらの化合物の多様性を示す。 図10は、NHE3に対する化合物1436の阻害作用を示す。 図11は、L1210白血病を有するマウスにおける、生存率に対する化合物 1436の効果を示す。 図12は、スクアラミンと化合物1436とは、マウスのマウスメラノーマの 増殖の抑制に対して相乗作用を発揮することを示す。 図13および14は、化合物1436(図13)およびスクアラミン(図14 )による、インビトロでのヒト冠動脈平滑筋の増殖の抑制を、濃度(μg/ml )に対して吸光度をプロットして示したものである。 図15は、図14Aおよび14Bに示したデータの拡大図で、化合物1436 およびスクアラミンは共にインビトロにおいて、ヒト冠動脈平滑筋の増殖を抑制 することを証明している。 図16は、化合物1436がマウスの成長を用量依存的に抑制することを示す 。 図17Aおよぼ17Bは、ヒトメラノーマに対する化合物353およびスクア ラミンの効果を示す。 詳細な説明 アミノステロール化合物の合成 スクアラミンとして周知なステロイドは、ザスロフ(Zasloff)らに付 与された米国特許第5,192,756号の主題であり、その開示内容は参照と して本明細書に含まれる。この化合物は、細菌、真菌および原生動物を死滅させ る広い抗菌スペクトルを有する抗生物質である。スクアラミン、化合物1256 の全立体化学を以下に示す。スクアラミンの全化学合成は1994年に報告され た。 実施例1 サメ肝臓単離物の調製 スクアラミンに加えて、少なくとも10種類のあきらかに異なるアミノステロ ール化合物をツノザメの肝臓の抽出物から回収した。アミノステロール化合物を 調製するために、サメの肝臓をメタノール:酢酸で抽出した。水性抽出物をc1 8シリカに吸着させ、70%アセトニトリルで溶出し、溶出物をSPセファデッ クスに吸着させ、1.5M NaClで溶出した。溶出物を5M NaClで調 整して、ステロイドを塩析させた。沈殿物をセライト(Celite)で濾過し 、熱湯、次いでメタノールで溶出した。溶出物は容量を少なくして、1インチの C18カラムに供し、アセトニトリルの濃度勾配を徐々に上げ、クロマトグラフ ィーを行った。画分を採取し、蒸発によって濃縮し、薄層クロマトグラフィー( TLC)で別々に分析をした。 サメの肝臓40kgから単離されたアミノステロール化合物のHPLCパター ンを第9図に示す。モール(Moore)らの、プロシーディング ナチュラル アカデミック サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.)、19 93年、90巻、1354〜1358ページに記載されているように、最終的な HPLC精製を実施した。HPLC画分は、シリカ薄層クロマトグラフィー(6 :3:1 CH2Cl2:MeOH:NH4OH)でそれぞれ展開し、ヨウ素蒸気中 で可視化した。画分40は、溶出パターンの中でもより親水性部分を示し、画分 66はより疎水性部分を示す。 スクアラミンは、画分62付近から溶出が始まり、画分80まで続いた。また 、他のステロイドは、以下の表1に示すように、画分43〜47(Rf82)、 53〜55(Rf1.02)、56〜59(Rf0.51)、57〜62(Rf0 .96)、60〜64(Rf0.47)および61〜66(Rf1.06)の間で 溶出されるのが観察された。 これらの化合物の一部の構造を以下に示す。 これらの化合物の各々は、以下に示すように単離、精製、物性値の測定、NM Rによる構造決定を行った。化合物1360 分取C18RP−HPLCによる画分2の主要ステロイドであるこの化合物は 、NaClの増加濃度勾配で溶出させるスルホエチルアスパルトアミドHPLC を使用した強陽イオン交換によって精製した。ステロイド画分は、シリカTLC をCH2Cl2:CH3OH:NH4OH(6:3:1)で展開し、ヨウ素で可視化 して、検定した。次いで、ステロイド画分を集めて、0.1%TFA水溶液中C H3CNを増加濃度勾配で、C18RP−HPLCで再びクロマトグラフィーを 行った。精製した化合物のTLC分析では、単一のスポットを示し、スクアラミ ン(Rfスクアラミン=1.0)に対してRf=1.02であった。 化合物1360の次の単離物については、強陽イオン交換クロマトグラフィー を実施しなかった。その代わり、分取C18 RP−HPLCにより集めた画分 を、軽度なCH3CN濃度勾配を使用したC18またはC8RP−HPLCに供 した。画分は、TLCおよびD2Oに溶解した試料について1H−NMRで検定し た。 FAB−MSで分析したとき、化合物は、典型的に、陽イオンモードにおいて 、642.5ダルトンに非常に弱い(M+H)+信号と、562.5ダルトンに 強力なフラグメントとを示した。陰イオンFAB−MSにおいて、640.4ダ ルトンに(M−H)−が観察された。続いて実施した、エレクトロスプレイイオ ン化(ESI−MS)分析は、多くのTFA付加物が付いた親分子の質量641 .4に一致する強力な(M+H)+信号および(M−H)−信号を示した。これ は、化合物1360の硫酸塩の不安定性はFAB条件下ではさらに顕著になるこ とを示唆している。 FAB陽イオンモードにおける親分子イオンは強度が非常に弱いので、正確な 質量の測定は脱硫フラグメントについて実施した。正確な質量561.4932 5が観察された。次いで、SO4-の質量を加えることによって、分子式C3463 36Sに相当する、親分子の正確な質量641.49が算出された。スクアラ ミン(C346535S)と比較して、酸素原子が1個多く、水素原子が2個少 ないこの分子式は、カルボニル基を有する化合物であることを示している。 D2Oに溶解した化合物の1H−NMR(300MHz)は、スクアラミンと識 別できるいくつかの特徴を示した。化合物1360については、Δ=4.15p pmで共鳴が出現する最低磁場は、2個のプロトンからなる積分値をもつ少なく とも7シグナルからなる分裂パターンを示した。スクアラミンについては、Δ= 4.2ppmでの低磁場での共鳴は硫酸位置(H24)で、1個のプロトンから なる積分値をもつ5シグナルからなる多重線が300MHzで出現した。2.6 ppmでは、化合物1360も2個のプロトンによる分解能の悪い多重線を示し た。文献と比較すると、これらの共鳴はカルボニル基のα位のメチレンプロトン によると思われる。スクアラミンでは、2.2〜2.75の領域は共鳴を示さな かった。化合物1360は2個のはっきりしたメチル二重線、1つは0.95p pmに、もう1つは1.1ppmに示された。これは、3個のメチル基が0.9 〜1.05ppmの領域において重なった二重線として分裂するスクアラミンと は異なる。他の共鳴の特徴は、2種のステロイドでは極めて似通っていた。高磁 場メチル領域では、化合物1360とスクアラミンは共に、それぞれ0.85お よび0.65ppmに、19位および18位の分解能の悪い一重線メチルシグナ ルを示した。ステロイド核(1.0〜2.1ppm)およびスペルミジン由来の 共鳴も、化合物1360およびスクアラミンでは同じ特徴的パターンを示した。 環のアルコール位のH7は、D2Oに溶解した両ステロイドにおいて、3.85 ppmに共鳴を示した。 D2O中で実施したCOSY(correlated spectroscop y)スペクトル(300MHz)によって、27位の硫酸、−CH2OSO3−が 確定した。2次元(2D)プロット中の特徴的なクロスピークパターンは、Δ= 1.1の二重線ピークは26位のメチルであり、3.05ppmでは25位のH と相関関係があり(ポリアミンの共鳴によって隠蔽されている)、4.15pp mでは複雑な多重線に最接近していたことを示した。 2Dマップのポリアミン領域は、スペルミジンの分裂パターンに一致し、化合 物1360はスクアラミンと同じポリアミンを持つことを確認した。しかし、D2 O中の2Dマップは、特にステロイド核領域において多数のクロスピーク信号 が出現せず、完全な一次構造を確定することができなかった。 化合物1360を真空下で乾燥し、窒素中でDMSO−d6に溶解し、次いで 、凍結融解ポンプを反復させて窒素下で密封した。300MHzおよび600M HzでIDおよび2D1H−NMRスペクトル分析を実施した。DMSO中の化 合物のプロトン共鳴は全て分解能がよく(ポリアミン領域(2.8〜3.1)を 除いて)、D2O中の帰属方向にシフトした。例えば、27位の多重線は高磁場の 3.77ppmにシフトし、H7プロトンは3.6ppmにシフトした。また、 新たな二重線シグナル(1H分の積分値)が4.17ppmに出現した。この新 たな共鳴は、H7と2Dとの相関性に基づき、7位のヒドロキシルであると同定 されたが、これは600Mhzではあきらかであった。D2O中では溶媒と速や かに交換してしまうために、この共鳴は観察されなかった。DMSO中の化合物 1360のD2マップにおいて、最初にD2O中で2D COSYマップから推 定された27位の硫酸基の位置が再確認された。 化合物1360およびスクアラミンの2D COSYマップを注意深く比較す ることによって、24位にカルボニル基が存在することが示唆された。2プロト ン分の積分値を有する2.5ppm(D2O中では2.6ppm)に中心をもつ 多重線は、H23a,b(24位のカルボニル基のα位に位置する)と同定され 、H22a,bと最も近い位置で相関関係がある強力なクロスピークを示した。 総相関分光分析(total correlation spectroscop y experiment(TOCSY))では、ステロイドのピークテールに沿 って磁気が伝搬することによって、新たなクロスピークがH22/H21として 識別できた。23位から24位へ、さらに24位から25位へ磁気を伝搬させる シグナルは、2D COSYおよびTOCSYではあきらかに消失していた。2 2−23−24−25−26/27に関して最も近い位置のクロスピークを示す スクアラミンのCOSYとは異なり、化合物1360は相関が妨害されているこ とを示し、これは24位の官能基がプロトンシグナルの移動を妨害したことを示 唆している。しかしながら、24位のアルコールから21〜26および27位に よる全てのプロトン相関を予測できるので、C=Oをアルコールに還元すること によって構造をあきらかにすることができる。 DMSO中の化合物1360の13C−NMRは、34位の炭素シグナルを示し た。スクアラミンと比較して、化合物1360は212ppmに1個のカルボニ ル基を有する(C24)。C27は、硫酸スキムノール(scymnol sul fate)について報告された値に一致して、67ppmで共鳴した。化合物1361 化合物1361は2種類の方法でサメの肝臓の調製物から単離された:第1に は、化合物1360の分解産物として、;次いで、分取C18RP−HPLCに おいて、スクアラミンよりわずかに速い保持時間で分画される少量のアミノステ ロール成分(画分VI成分)としてである。各アミノステロールを均一になるよ うに精製するための早期の試みにおいて、C18RP−HPLCで収集した画分 について、CH2Cl2:CH3OH:NH4OH6:3:1を用いたシリカゲルフ ラッシュクロマトグラフィーを実施し、アミノステロールをTLCプレート上で 検定した。収集した遊離塩基性ステロイドについては、分析用カラムを使用して C18RP−HPLCを再度実施した。RP−HPLC溶出パターンは、2種類 の主要ステロイド、すなわち、化合物1360および高濃度のCH3CNで溶出 するより疎水性のステロイドを示した。化合物1360の27位の硫酸基は不安 定なので、あきらかに塩基触媒脱離によって、化合物1361が形成される。 D2O中の化合物1361の1Hスペクトルの明白な特徴には、硫酸塩を有する 27位のメチレンプロトンに相当するΔ=4.15ppmに多重線が消失してい ることがあった。D2O中でΔ=5.95および6.15の2個の新たな一重線 プロトンは、各々がH1個分の積分値を有し、ビニルプロトンと同定された。ま た、化合物1360のΔ=0.90のメチル二重線とは異なり、新たなステロイ ドは、アリルメチルの特徴を示す、Δ=1.8ppmに一重線メチルを示した。 ビニル基およびアリルメチルの化学シフトは、文献の値と比較して矛盾がない。 にもかかわらず、1Hスペクトルは、24位のカルボニル基のα位に、Δ2.7 5ppmのメチレンシグナルが存在することを含む、化合物1360の特徴を示 した。ポリアミン領域は、スクアラミンと同様の分裂パターンを示し、スペルミ ジン付加を確認した。 正確な質量である543.4823はFAB−MS(陽イオンモード)によっ て測定した。分子式C346132は、計算値が543.4842で、実験で観 察された値とよく一致した。化合物1361のこの分子式は、親分子、化合物1 360から硫酸が脱離したものと一致する。さらに、化合物1361の分子式は 、二重結合当量(double bond equivalent(DBE))は 5.5で、これと比較して化合物1360は5.0で、化合物1256は4.0 であった;このDBE値は化合物1361の付加不飽和に一致する。化合物1436 この化合物および以下に記載するステロイドは、分取C18RP−HPLCで 得られた画分を軽度なCH3CN濃度勾配条件下で、小型のC18カラムに用い て精製した。化合物1360および1361を精製する際には、強陽イオン交換 クロマトグラフィー、シリカゲル(SG)フラッシュクロマトグラフィー、次い でRP−HPLCを使用したが、pHが不安定であると認められるときには、こ れらの実験計画を適用でしなかった。 化合物1436は、C18RP−HPLCにおいて、スクアラミンよりわずか に速い保持時間で溶出されるが、TLC上のRf=0.47は、アルカリ条件下 ではスクアラミンよりかなり極性が大きい化学構造を有することを示唆している (CH2Cl2:CH3OH:NH4OH6:3:1)。 D2O中での1H−NMRスペクトル(400MHz)では、スクアラミンとは 異なるポリアミン領域を示した。分裂パターンおよび積分値は共にスペルミジン よりスペルミン、すなわち、N−(3−アミノプロピル)−1,4−ブタンジア ミンよりもN,N’−ビス−3−アミノプロピル−1,4−ブタン−ジアミンに 類似している。にもかかわらず、1Hスペクトルはスクアラミンと同一であるよ うに思われた:すなわち、24硫酸位のΔ=4.15にプロトン1個、;H7ア ルコール環位置に相当するΔ=3.85にプロトン1個、;メチル21およびメ チル26および27に相当する、0.85〜0.95ppmに重なり合った3個 の二重線を示した。スペルミンの同定は、D2O中でCOSYを実施し、クロス ピークパターンをD2O中のスクアラミンと同様、スペルミン(C10264)お よびスペルミジン(C7193)の標品と比較することによって確認された。ア ミノステロールのCOSYスペクトルは、一般に、D2O中ではクロスピークの 完全な2次元マップを与えず、従って、最も近い位置の完全な帰属を利用するこ とができないが、ポリアミン領域は、スペルミジンとスペルミンとを識別するた めの信頼性のあるシグナルパターンとして用いられた完全なオフダイアゴナル( off−diagonal)クロスピークを示した。 化合物1436の13Cスペクトルは、D2O中でさらに3個のシグナルを示し たが、ステロイドの炭素骨格はD2O中ではスクアラミンと同じであった。DE PT−135(distonionless enhanced polari zation transfer)を、メチルシグナルおよびメチンシグナルが 正のシグナルとなるように、メチレン基が負のシグナルになるように、第4級炭 素の強度が0になるように実施した。化合物のDEPT−135により、これら 3個の追加シグナルがメチレン(負)であることが明らかになった。 C377245Sの分子式は、計算値が684.53017であり、高分解能 FAB−MS(陽イオンモード)によって測定した実測値684.5216とよ く一致した。質量の追加分58ダルトン(684.5とスクアラミンの627. 5の差)は、スペルミンによって挿入された3−アミノプロピル基の存在と一致 する。さらに、親イオンの偶数の質量数は、窒素数が偶数である化合物を予測す る窒素則に一致する。FAB−MSはまた、685amu(atomic ma ss units)では(M+H)+親分子より小さい、80および98質量単 位の種への断片化した。これらの断片は、硫酸の消失に次いで脱水が生じたこと を示しており、FAB−MS条件下でのスクアラミンの構造が不安定であること と一致する。 化合物1436は、以下の反応式によって化合物1256(スクアラミン)か らも合成された: 無水メタノール800μlにスクアラミン(TFA塩)95mg(0.106 mmol)を溶解したものを丸底フラスコに入れた。この混合物に、トリエチル アミン118μl(0.848mmol)を添加し、次いで、希釈したアクリロ ニトリル溶液(70μlのアクリロニトリルをメタノールで1000μlに希釈 した)100μlを添加した。6時間後、希釈したアクリロニトリル溶液40μ l(0.042mmol)をさらに添加した。24時間後、TLCにおいて、出 発物質と、Rf=0.7(スクアラミンはRf=0.5)の生成物の存在が示され た。反応を停止し、フラッシュクロマトグラフィー(12:3:1から6:3: 1、CH2Cl2:MeOH:NH4OH)によって生成物を単離した。 得られた生成物は、TLCでは単一スポットであったが、NMRスペクトルで は混合物であると思われた。得られた生成物と、ラニーニッケル10mg、水酸 化ナトリウム7.3mgおよび無水エタノール5mlと水素化用フラスコに添加 し、40psiで、17時間水素化した。これにより、標品より低い位置にスポ ットして行ったTLC上で、分離可能な(フラッシュクロマトグラフィー、6: 3:1、CH2Cl2:MeOH:NH4OH)2つの生成物が観察された(天然物 質から単離された化合物1436)。逆相クロマトグラフィーによってこの生成 物を分離して、純物質1.5mgを得た。この化合物は685の正の質量(M+ 1)イオンを有し、その1Hおよび13C NMRスペクトルは天然物質から単離 された物質と同一であり、従って、その特徴および構造を確認することができた 。化合物1437 このステロイドは、分取C18において化合物1360の直後に溶出し、TL C上ではRf=0.96を示す。このことは、スクアラミンより極性が大きいこ とを反映している。D2O中の1H NMR(400MHz)は、メチル領域、ス テロイド核およびスペルミジン領域並びに環上ヒドロキシル位の7Hについては 、スクアラミンと本質的に同じであると思われた。1Hスペクトルからは、24 位の硫酸のプロトン1個に相当するΔ=4.15ppmの多重線があきらかに消 失していた。一方、特徴的なジェミナル(gem)アルコールカップリングとプ ロトン2個分の積分値を有するΔ3.95を中心とする新たなシグナルが観察 された。 スクアラミンと比較すると、D2O中の化合物1437の13Cスペクトルは、 わずかに2カ所が顕著に変化していただけであった。1つの新たなシグナルはΔ =72ppmに出現し、そのDEPT−135シグナルが負であったので、結果 的に−CH2OH基と同定された。スクアラミンにおいては、硫酸の位置はΔ8 6ppmでは第1級炭素と同定された(正のDEPT−135シグナル)。しか しながら、化合物1437に関しては、硫酸の位置の炭素の共鳴は76ppmに シフトし、DEPT−135シグナルを示さなかってので、それを第4級炭素と 同定した。これらのデータに一致するアミノステロール構造は、エルゴステロー ルの炭素骨格を有し、炭素24は硫酸基を有し、炭素24'はアルコールである 。 陽イオンモードのFAB−MSは、658.6に(M+H)+を示し、硫酸の 消失によって578.6に断片化した;陰イオンモード分析は、656.4に擬 親イオン(M−H)−を確認した。正確な質量578.5264は、親分子のシ グナルの強度が小さかったために、脱硫酸フラグメントについて測定した。次い で親イオンの正確な質量は(硫酸基の質量を加えることによって)657.52 6と算出された。化合物1437は、スクアラミンより30ダルトン大きく、こ れは−CH2OH部分がさらに挿入されていることによって説明された。画分I中のステロイド 画分I(FX1)は、分取C18RP−HPLCから最も早く溶出するステロ イド画分である。TLC分析は、典型的に、Rf=0.80〜0.84(スクア ラミンRf=1.0に対して)の単一主要スポットとTLCの原点にとどまった たんぱく質とを示した。濃縮した試料(≧3mg/ml)を用いてTLCを展開 した場合には、主要成分よりRf値がわずかに大きいか、または小さい新たなス ポットの痕跡が識別された。 孔のサイズ60〜100Åで、非常に軽度なCH3CN濃度勾配を用い、C1 8カラムを使用した高分解能RP−HPLCを実施したとき、画分Iは7種もの 成分に分離され、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6およびI− 7と命名された。ステロイドFX1A、FX1B、FX1CおよびFX1Dにつ いて考えられる構造を示す: 実施例2 アミノステロールの合成 サメの肝臓から単離された上記の化合物に加えて、合成アミノステロール化合 物が開発されている。実施例A〜Gにおいて特定された化合物を含む種々のポリ アミノステロール化合物が、1994年9月13日出願の国際出願第PCT/U S94/10265号の米国国内段階に相当する米国特許出願第08/416,8 86号明細書に記載されており、その開示内容は本明細書に参照として含まれて いる。 同明細書に例が挙げられている化合物には以下のものを含む: さらにアミノステロール化合物も開発された。本発明の好ましい化合物には以 下に例を挙げる物が含まれる。例H 化合物353および化合物354の調製: 化合物303の調製と同様の方法で、シアノボロハイドライドナトリウムを用 いて5α−コレスタン−3−オンをスペルミン(4当量)に還元カップリングす ることによって上記化合物を調製した。精製はシリカゲル(クロロホルム:メタ ノール:イソプロピルアミン9:3:1から3:3:1の濃度勾配溶出)で実施 した。化合物303と同じ方法で、化合物353(高極性)および化合物354 (低極性)を塩酸塩にした。α−アミノ化合物354:1H−NMR(200M Hz、CD3OD)Δ:3.47(m、1H)、3.3〜2.9(m、12H)、 2.3〜1.0(m、39H)、1.0〜0.8(m、12H)、0.70(s、3 H);IR(KBr、cm-1):3396,2934,1594,1457,13 83;MS(+FAB):573.6(M+1);C37724−4HCl−H2Oと しての分析計算値:C=60.31、H=10.67、N=7.60;実測値: C=60.01、H=10.83、N=7.67。β−アミノ化合物353:1 H−NMR(200MHz、CD3OD)Δ:3.3〜3.0(m、13H)、2 .2〜1.0(m、39H)、1.0〜0.8(m、12H)、0.70(s、3H) ;IR(KBr、cm-1):2945、1596,1466、1383;MSによ る正確な質量(+FAB)計算値:573.5853;実測値:573.580 1;C37724−4HCl−H2Oとしての分析計算値:C=58.87、H= 10.68、N=7.42;実測値:C=58.49、H=10.94、N=7 .94。 化合物353は、スペルミンとコレステロールとの単純な付加物で、非常に低 価格の化合物である。以下の直線的な方法で化合物354のように合成されうる : 実施例I 化合物458および化合物459の調製: 化合物353の合成と同様に、3−オキソ−5α−コラノエートとスペルミン (1.35当量)とから上記化合物を調製した。シリカゲル(クロロホルム:メ タノール:イソプロピルアミン6:3:1から3:5:2の濃度勾配溶出)で精 製した結果、低極性のα−アミノ化合物458と高極性のβ−アミノ化合物とが 得られた。化合物303に実施したように、これらの化合物を塩酸塩に変換した 。化合物458:1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3.64(s、 3H)、3.45(m、1H)、3.25〜3.05(m、12H)、2,4〜1. 0(m、36H)、0.93(d、J=6Hz、3H)、0.87(s、3H)、0. 70(s、3H);IR(KBr、cm-1):2943、1741、1458、11 69;MS(+FAB):575.6(M+1);C356642−4HCl−1. 2H2Oとしての分析計算値:C=56.63、H=9.83、N=7.55; 実測値:C=56.58、H=9.46、N=7.29。化合物459:1H− NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3.63(s、3H)、3.2〜3.0( m、13H)、2.4〜1.0(m、36H)、0.92(d、J=6Hz、3H) 、0.86(s、3H)、0.69(s、3H);IR(KBr、cm-1):2942 、1739、1595、1459、1382、1170;MS(+FAB):57 5.6(M+1);C356642−4HCl−1.4H2Oとしての分析計算値 :C=56.35、H=9.84、N=7.51;実測値:C=56.35、H =9.26、N=7.67。実施例J 化合物380、381、382および394の調製: イイダ(Iida)らケミ ファーマ ブル(Chem.Pharm.Bul l.)1993年41巻(4号)763〜765ページの方法によって、ステロ イド化合物、メチル7α−ヒドロキシ−3−オキソ−5α−コラノエートを調製 した。シアノボロハイドライドナトリウムを用いてこのステロイドとポリアミン 化合物301とをカップリングし、トリフルオロ酢酸を用いてBOC基を除去し 、リチウムハイドライドを塩基として使用した以外は、化合物319を調製した ように、エステルを加水分解した。シリカゲル(クロロホルム:メタノール:イ ソプロピルアミン15:4:1から10:4:1)で精製を実施した。化合物3 81および382を2Mアンモニアのメタノール溶液で処理し、蒸発させて(3 ×20ml)、イソプロピルアミンを除去した。化合物303のように塩酸塩を 調製した。 化合物380、C3259331H−NMR(200MHz、CDCl3)Δ :3.83(br s、1H)、3.66(s、3H)、2.8〜2.4(m、9H) 、2.3〜1.0(m、32H)、0.92(d、J=6Hz、3H)、0.78( s、3H)、0.65(s、3H);IR(KBr、cm-1):3278、2928 、1736、1447、1163;MS(+FAB):534(M+1)。 化合物381、C315733−1.7H2O;1H−NMR(200MHz 、 CD3OD)Δ:3.80(br s、1H)、3.0〜2.5(m、9H)、2. 2〜1.1(m、32H)、0.94(d、J=6Hz、3H)、0.84(s、3 H)、0.69(s、3H);IR(KBr、cm-1):3380、2929、15 60、1395;MS(+FAB)計算値:520.4478(M+1);実測値 :520.4506;分析計算値:C=67.64、H=11.06、N=7. 63;実測値:C=67.64、H=10.24、N=7.83。 化合物382、C315733−2H2O:1H−NMR(200MHz、CD3 OD)Δ:3.80(br、s、1H)、3.15(br、s、1H)、3.1〜 2.6(m、8H)、2.2〜1.1(m、32H)、0.96(d、J=6Hz、 3H)、0.85(s、3H)、0.69(s、3H);IR(KBr、cm-1):3 416、2930、1560、1395;MS(+FAB)計算値:520.4 478(M+1);実測値:520.4489;分析計算値:C=66.99、H =11.06、N=7.56;実測値:C=66.93、H=10.16、N= 7.28。 化合物394、C325933−3HCl−0.5H2O:1H−NMR(20 0MHz、CD3OD)Δ:3.83(br、s1H)、3.64(s、3H)、3 .48(br s、1H)、3.3〜2.9(m、8H)、2.4〜1.1(m、3 2H)、0.94(d、J=6Hz、3H)、0.87(s、3H)、0.70(s、 3H);MS(+FAB):535(M+1);分析計算値:c=58.93、H= 9.74、N=6.44;実測値:C=58.71、H=10.13、N=6. 39。実施例K 化合物395、396および397の調製: シアノボロハイドライドナトリウムを用いてメチル7α−ヒドロキシ−3−オ キソ−5α−コラノエートとスペルミン(2当量)とをカップリングし、リチウ ムハイドライドを塩基として使用した以外は、化合物319の調製のようにエス テルを加水分解した。シリカゲル(クロロホルム:メタノール:イソプロピルア ミン15:5:1から5:5:1)で化合物395および396の精製を実施し た。化合物397の精製はシリカゲル(ベンゼン:メタノール:イソプロピルア ルコール2:6:1)で実施し、2Mアンモニアのメタノール溶液で処理して( 3×20ml)、イソプロピルアミンを除去した。化合物303と同じ方法で、 化合物395および396の塩酸塩を調製した。 化合物395、C356643−4HCl−2H2O:1H−NMR(200M Hz、CD3OD)Δ:3.80(br s、1H)、3.64(s、3H)、3. 3〜3.0(m、13H)、2.4〜1.0(m、34H)、0.94(d、J=6 Hz、3H)、0.87(s、3H)、0.70(s、3H);分析計算値:C=5 4.40、H=9.65、N=7.25;実測値:C=54.16、H=9.3 1、N=7.12。 化合物396、C356643−4HCl−5H2O:MS(+FAB):59 2(M+1);分析計算値:C=56.37、H=9.60、N=7.51;実測 値:C=56.43、H=9.83、N=7.27。 化合物397、C3464431H−NMR(200MHz、CD3OD)Δ :3.78(br s、1H)、2.9〜2.5(m、13H)、2.2〜1.1( m、34H)、0.95(d、J=6Hz、3H)、0.87(s、3H)、0.7 0(s、3H);MS(+FAB):577.3(M+1)。実施例L 化合物393の調製: 窒素下で化合物304(210mg、0.41mmol)をメタノール(10 ml)に溶解し、o−メチルイソウレア塩酸塩(50mg、0.45mmol) と1N水酸化ナトリウム溶液(0.45ml、0.45mmol)とを用いて処 理した。23時間後、さらにo−メチルイソウレアを添加し(102mg、0. 92mmol)、反応を7時間持続させ、1N塩酸溶液で停止させ(pH<7)、 蒸発させた。残留物を、1N水酸化ナトリウム(50ml)とクロロホルム(1 00ml)に分配させた。追加のクロロホルム(50ml)で洗浄後、有機層を 合わせたものを乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。シリカゲル(直径2cm、5% から15%メタノールの塩化メチレン溶液による濃度勾配)のフラッシュクロマ トグラフィーによって精製し、白色の固形物を得た(32mg)。この物質をクロ ロホルム(3ml)に溶解して、氷浴で冷却し、1M塩化水素のエーテル溶液( 1ml)で処理し、真空下で濃縮し、化合物393を得た(37mg、収率14 %)。C35644−2HCl−2H2O:1H−NMR(200MHz、CD3O D)Δ:3.5〜3.3(m、5H)、3.2〜3.0(m、4H)、2.2〜1. 0(m、37H)、0.95〜0.86(m、9H)、0.70(s、3H);IR( KBr、cm-1):3306、3153,2934、1654、1586、14 45、1383;MS(+FAB):541.4(M+1);分 析計算値:C=64.69、H=10.86、N=8.62、実測値:C=65 .06、H=10.98、N=8.83。実施例M 化合物370および371の調製: 化合物1010の調製: 塩化クロム酸ピリジニウム(6.85g、31.8mmol)のジクロロメタ ン(130ml)懸濁液に、化合物1006(5.96g、13.3mmol) のジクロロメタン(70ml)溶液を添加した。室温で3時間攪拌後、反応混合 物をエーテル(100ml)で希釈し、濾過してから、エーテルで洗浄した。有 機層を5%水酸化ナトリウム溶液、5%塩酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム、食 塩水で洗浄した。乾燥したエーテル層を蒸発して、フラッシュクロマトグラフィ ー(6cm、0から20%の酢酸エチルのヘキサン溶液による濃度勾配)によっ て精製し、純粋な化合物1010(5.25g、収率77%)を得た。1H−N MR(200MHz、CDCl3)Δ:4.92(m、1H)、2.5〜1.0(m 、29H)、2.06(s、3H)、1.03(s、3H)、0.91(d、J=6. 5Hz、3H)、0.87(d、J=6.5Hz、6H)、0.67(s、3H); IR(KBr、cm-1):2949、1736、1468、1372、 1244、1023;MS(ES+):467.8(M+Na)。 化合物370および371の調製:シアノボロハイドライドナトリウムを用い て、ステロイド1010とポリアミン301とをカップリングさせ、トリフルオ ロ酢酸を用いてBOC基を除去し、水酸化ナトリウムを塩基として使用した以外 は、化合物319の調製と同様にアセテートを加水分解した。シリカゲル(ベン ゼン:メタノール:イソプロピルアミン2:6:1)で精製した。化合物370 (1H−NMR(200MHz、CD3OD)Δ:3.80(m、1H)、2.97 (m、1H)、2.9〜2.6(m、8H)、2.1〜1.0(m、35H)、0.9 4(d、J=6.5Hz、3H)、0.88(d、J=6.5Hz、6H)、0.8 7(s、3H)、0.70(s、3H))および化合物371(1H−NMR(20 0MHz、CD3OD)Δ:3.77(m、1H)、2.8〜2.5(m、9H)、 2.1〜1.0(m、35H)、0.93(d、J=6.5Hz、3H)、0.88 (d、J=6.5Hz、6H)、0.83(s、3H)、0.69(s、3H))を、 化合物303の調製のように、塩酸塩にした。化合物370:IR(KBr、c m-1):3415、2948、1595、1467、1382、1031;MS( +FAB):532.4(M+1);C34653O−3HCl−2H2Oの分析計 算値:C=60.29、H=10.71、N=6.20;実測値:C=60.0 1、H=11.09、N=6.3。化合物371:IR(KBr、cm-1):34 14、2953、1596、1468、1381、1033;MS(+FAB): 532.4(M+1);C34653O・2H2Oの分析計算値:C=60.29、 H=10.71、N=6.20;実測値:C=60.49、H=11.00、N =6.47。実施例N 化合物470の調製: 前駆体の調製: 化合物1011および1012の調製:メチル3−オキソ−5α−コラノメー ト(化合物310、2.00g、5.15mmol)、p−トルエンスルホン酸( 250mg)およびエチレングリコール(25ml)のベンゼン(160ml) 溶液を6時間水を除去しながら加熱還流した。室温に冷却後、飽和炭酸水素ナト リウム(30ml)を添加し、水層をベンゼンおよび酢酸エチルで抽出した。有 機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、化合物 1011を得、精製しないで次の工程に使用した。 1M水素化アルミニウムリチウム(25ml、25mmol)のエーテル溶液 を窒素下化合物1011の無水エーテル(80ml)溶液で処理し、5時間加熱 還流した。終夜攪拌後、反応混合物を0℃で、水および2N水酸化ナトリウム溶 液を用いて反応を停止した。水層をエーテルで抽出し、次いで食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、化合物1012(1.80g)収率8 6%)を得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)Δ:3.94(s、4 H)、3.62(m、2H)、2.0〜1.0(m、28H)、0.92(d、J=6 Hz、3H)、0.81(s、3H)、0.66(s、3H)。 化合物1013および1014の調製:化合物1012(3.63g、8.9 7mmol)の無水ピリジン(16ml)溶液を、室温でp−トルエンスルホニ ルクロライド(2.3g、12.1mmol)で処理し、終夜放置した。氷水を 添加して、反応混合物を攪拌しながら30分間放置した。次いで、6N塩酸を添 加し(70ml)、水層をジクロロメタンおよびエーテルで抽出した。有機層を 2N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて 粗化合物1013を得た。化合物1013をジメチルスルホキシド(40ml) に溶解して、窒素下、90℃で、2.5時間、シアン化ナトリウム(1.4g、 28mmol)で処理した。冷却後、反応混合物を氷水で処理し、エーテルおよ びジクロロメタン中に抽出した。有機層を食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥 し、クロマトグラフィー(直径4cm、0から25%酢酸エチルのヘキサン溶液 の濃度勾配)によって精製し、純粋な化合物1014を得た。1H−NMR、C DCl3)Δ:3.94(s、4H)、2.32(m、2H)、2.0〜1.0(m、 28H)、0.93(d、J=6Hz、3H)、0.81(s、3H)、0.66(s 、3H);IR(KBr、cm-1):2930、2247、1445、1381、 1357、1133、1091、928、899;MS(+FAB):414.4 (M+1)。 化合物1015の調製:化合物(1014(480mg、1.16mmol) の酢酸(35ml)と濃塩酸(25ml)との溶液を25時間還流した。溶媒を 蒸発させた後、残留物を水と酢酸エチルとに分配させた。乾燥および蒸発後、粗 カルボン酸をメタノール(25ml)に溶解し、濃塩酸(1ml)で処理し、2 0分間還流した。溶媒を蒸発させた後、生成物を酢酸エチルと水とに溶解し、酢 酸エチルで再度抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、 フラッシュクロマトグラフィー(直径2cm、0から25%酢酸エチルのヘキサ ン溶液の濃度勾配溶出)によって精製し、純粋な化合物1015を得た(298 mg、収率64%であった)m.p.147〜148℃。1H−NMR(400 MHz、CDCl3)Δ:3.67(s、3H)、2.4〜1.0(m、30H)、 1.01(s、3H)、0.93(d、J=6Hz、3H)、0.68(s、3H);13 C NMR(400MHz、CDCl3)Δ:212.3、174.5、56 .5、56.1、54.0、51.6、46.9、44.9,42,8、40. 1、38.8、38.4、35.8、35.7、35.6、34.7、31.9 、29.2、28.4、24.2、21.7、21.6、18.8、12.2、 11.7;MS(+FAB):403.3(M+1);C26423の分析計算値 :C=77.56、H=10.51;実測値C=77.49、H=10.52。 化合物470の調製:シアノボロハイドライドナトリウムを用いてステロイド 1015とポリアミン301とをカップリングさせ、トリフルオロ酢酸でBOC 基を除去し、水酸化リチウムを塩基として使用した以外は、化合物319の調製 のように、エステルを加水分解した。シリカゲル(クロロホルム:メタノール: イソプロピルアミン14:4:1から4:4:1の濃度勾配溶出)で精製した。 メタノール:クロロホルム(3×)で蒸発後、化合物を2Mアンモニアのメタノ ール溶液で処理し、イソプロピルアミンを蒸発(3×20ml)除去した。1H −NMR(400MHz、CD3OD)Δ:2.8〜2.6(m、9H)、2.2 〜1.0(m、9H)、2.2〜1.0(m、36H)、0.92(d、J=6Hz 、3H)、0.80(s、3H)、0.66(s、3H);MS(+FAB):51 8.4(M+1);分析計算値:C=71.73、H=11.47、N=7.84 ;実測値:C=2.03、H=11.06、N=7.53。実施例O 化合物431、432、433、465、466、467および469の調製 。 前駆体の調製: 化合物1016の調製:ハイオデオキシコリン酸の酸触媒エステル化によって 、ハイオデオキシコリン酸のメチルエステルを調製した。無水メタノール(20 0ml)を入れた500mlの丸底フラスコにハイデオキシコリン酸(10g、 25.5mmol)と濃硫酸(5ml)を磁気的に攪拌しながら滴下した。反応 混合物を終夜攪拌し、次いでジクロロメタン(250ml)で処理し、さらに炭 酸水素ナトリウム溶液(2×100ml)および食塩水(100ml)で洗浄し た。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で乾燥して 化合物1016(10.1g、収率97%)を得た(Organic Prep arations and Procedures Int.19(2〜3),1 987,197〜208を参照)。 化合物1017の調製:ハイデオキシコリン酸メチルを塩化クロム酸ピリジニ ウムで酸化することによって、3,6−ジオキソステロールを調製した。化合物 1016(10.1g、25mmol)をジクロロメタン(200ml)に溶解 した。氷浴中で磁気的に攪拌中のフラスコに、塩化クロム酸ピリジニウム(33 g、150mmol)を添加した。反応混合物を室温にまで加温し、生成物がT LC上で見られるまで8時間反応を持続した。真空下でジクロロメタンの大部分 を除去し、次いで酢酸エチル(250ml)をフラスコに添加した。フラスコの 底に存在するクロムの外皮をへらで壊し、フラスコの内容物をセライト(Cel ite)カラムで濾過した。次いで、カラムからの溶出物を真空下で容量を減ら し、フロリジル(florisil)カラム(酢酸エチルで溶出)で濾過した。 再び溶出物を約200mlまで容量を減らし、ジエチルエーテル(100ml) を添加してから、炭酸水素ナトリウム(2×250ml)、次いで食塩水(250 ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で乾 燥した。再結晶をする前のメチル3,6−ジオキソ−5β−コラン−24−オ エート1017の総収量は9.6g(24mmol、96%)であった(Org anic Preparations and Procedures Int .19(2〜3),1987,197〜208を参照)。クロムが残存している場 合には、多数の溶媒(無水メタノール、酢酸エチルのヘキサン溶液またはジエチ ルエーテルのヘキサン溶液)で生成物を再結晶してもよい。 化合物1018の調製:5βステロールの酸触媒異性化によって、3,6−ジ オキソ−5αステロールを調製した。メタノール(250ml)に、3,6−ジ オキソ−5βステロール1017(9.6g、24mmol)とテトラヒドロフ ラン(25ml)を添加して、ステロールを完全に溶解した。 濃塩酸(12. 5ml)を加え、反応を終夜進行させた。次いで、真空下で溶媒を除去して、9 .6g(収率100%)のメチル3,6−ジオキソ−5α−コラン−24オエー ト1018(Organic Preparations and Proce dures Int.1987年19巻(2〜3号)、197〜208ページ参照 ;著者はHClではなくナトリウムメトキシドを使用して塩基触媒異性化を使用 した)を得た。 化合物1019の調製:種々の方法を使用して、メチル3,6−ジオキソ−5 a−コラン−24−オエート1018の単保護を実施することができる。1つの 方法は、触媒のp−トルエンスルホン酸の存在下にて、化合物1018(9.6 g、23.8mmol)のトルエン溶液(250ml)とエチレングリコール(1. 77g、28.5mmol)とを還流することを含む。トルエン/水共沸混合物を 除去するためにディーンスタークトラップ(Dean Stark trap)を 使用した。約20分後にTLCによって反応が終了したと判断した。砕氷を加え た炭酸水素ナトリウム溶液(500ml)にトルエン溶液をそそぐことによって 反応を停止させた。有機層を追加の炭酸水素ナトリウム(200ml)と食塩水 (200ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で乾燥 した。粗精製物をシリカゲル(4cm×25cm、33%酢酸エチルのヘキサン 溶液で溶出)を用いてクロマトグラフィーを行った。メチル3−ジオキソラン− 6−オキソ−5α−コラン−24−オエート1019(8.9g、81%)はカ ラムから2番目のバンドとして溶出する;他に存在した唯一の生成物は低極性 のジ−ジオキソランであった。続いての方法は選択性をあきらかに増大させるも ので、トルエンの代わりにベンゼンを使用し、TLCで反応を追跡することによ って、さらによりよい結果を得た。低沸点溶媒中で重大な二保護が生じる前に反 応を停止させることができる。化合物1019:m.p.124〜126℃;1 H−NMR(200MHz、CDCl3)Δ:4.04〜3.93(m、4H)、 3.68(s、3H)、0.95(d、J=6Hz、3H)、0.78(s、3H)、 0.69(s、3H);IR(KBr、cm-1):2945、1742、1709、 1439、1381、1313、1162、1090;MS(FD):446(M+ )、388。 化合物1020の調製:ボロハイドライドナトリウムと反応させることによっ て、単保護されたジケトンから高収率で6β−ヒドロキシステロールを調製した 。3−ジオキソラン−6−オキソステロール1019(5g、11mmol)を テトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、ボロハイドライドナトリウム(2. 5g、66mmol)を加えた無水メタノール(200ml)に添加した。ボロ ハイドライドナトリウムを溶解し、約20〜30分攪拌してからステロールを添 加した。終夜攪拌後、反応混合物をクロロホルム(500ml)で処理し、蒸留 水(2×200ml)、次いで食塩水(100ml)で洗浄した。次いで、有機層 を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、シリカゲル(4cm×2 5cm、ヘキサン:酢酸エチル:塩化メチレン2:1:1で溶出)のフラッシュ クロマトグラフィーによって精製し、メチル3−ジオキソラン−6β−ヒドロキ シ−5α−コラン−24−オエート1020(4.35g、収率87%)を得た 。別の方法として、カラムクロマトグラフィーを必要とすることなしに、粗生成 物をベンゼンのヘキサン溶液、酢酸エチルのヘキサン溶液、またはクロロホルム のヘキサン溶液(2×)で再結晶して、高純度の生成物を得てもよい。化合物1 020:m.p.164℃;1H−NMR(200MHz、CDCl3)Δ:4. 04〜3.93(m、4H)、3.77(br s、1H)、3.66(s、3H)、 1.03(s、3H)、0.92(d、J=6Hz、3H)、0.69(s、3H); IR(KBr、cm-1):3533,2937、1726、1438、1379、 1255、1191、1096;X線解析は予想された構造を示した。 化合物1021の調製:酸性アセトン溶液を使用して3−ジオキソランの保護 基を除去した。3−ジオキソラン−6β−ヒドロキシ−ステロール1020(4 .0g、8.9mmol)をアセトン(200ml)に溶解し、濃塩酸溶液(1 0ml)で処理した。約1時間後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム溶液中に注 いだ。溶液をジクロロメタン(3×200ml)で抽出し、蒸留水(100ml) 、次いで食塩水(100ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し 、真空下で蒸発して、メチル3−オキソ−6β−ヒドロキシ−5α−コラン−2 4−オエート1021(3.45g、収率100%)を得た:1H−NMR(2 00MHz、CDCl3)Δ:3.8(br m、1H)、3.69(s、3H)、 1.24(s、3H)、0.95(d、J=6Hz、3H)、0.74(s、3H); IR(KBr、cm-1):3447、2954,1742、1707、1431。 化合物431および432の調製:エチレン−ジアミン化合物を以下のように 調製した。メタノール:テトラヒドロフラン50:50(100ml)とエチレ ンジアミン(2ml)とからなる溶液を磁気的に攪拌させながら、酢酸で処理し て、pHを約6まで低下させた。3−オキソステロール1021(1.5g、3 .7mmol)を添加して、混合物を15分間攪拌した。シアノボロハイドライ ドナトリウム(1g、16mmol)を10mlのメタノールに溶解し、反応容 器に添加し、酢酸を添加することによってpHを再度6に調整した。反応物を1 時間攪拌し、フラスコの内容物を砕氷入りのpH10.5の炭酸塩緩衝液(25 0ml)中に注いだ。溶液をクロロホルム(5×150ml)で抽出した。有機 層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で乾燥し、シリカ ゲル(4cm×25cm、クロロホルム:メタノール:イソプロピルアミン8: 2:1で溶出)のフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、低極性のα− 異性体431(260mg、収率15%)と高極性のβ−異性体432(840 mg、収率49%)を得た。化合物431:1H−NMR(400MHz、CD3 OD)Δ:3.74(m、1H)、3.65(s、3H)、3.53(m、1H)、1 .06(s、3H)、0.94(d、J=6Hz、3H)、0.74(s、3H);I R(KBr、cm-1):3426、2943,1740、1590、1 438,1379、1258、1168、1027;MS(+FAB):449. 5(M+1);C274823−2HCl−0.7H2Oの分析計算値:C=60 .70、H=9.70、N=5.24;実測値:C=60.97、H=9.68 、N=5.34。化合物432:1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ: 3.75(m、1H)、3.64(s、3H)、1.02(s、3H)、0.94(d 、J=6Hz、3H)、0.73(s、3H);IR(KBr、cm-1):3560 、3366、3257、2936、1726、1648、1605、1438、 1376、1166、1047;MS(+FAB):449.5(M+1);C274823−0.4H2Oの分析計算値:C=71.13、H=10.79、N= 6.14;実測値:C=71.15、H=10.71、N=6.28。 化合物465および466の調製:無水メタノール(100ml)を入れたフ ラスコを磁気的に攪拌させながら、化合物1021(1.5g、3.7mmol) 、スペルミン(2g、9.9mmol)、粉末3Åシーブ(sieves)(2g )を添加し、pHが6になるまで酢酸を加えた。フラスコを密封し、内容物を終 夜攪拌し、次いでシアノボロハイドライドナトリウム(1g、16mmol)の メタノール溶液(10ml)を添加した。酢酸でpHを再度調整し、反応混合物 を8時間攪拌した。エチレンジアミン化合物と同様に反応を停止させた。粗生成 物をフラッシュクロマトグラフィー(5cm×25cm、クロロホルム:メタノ ール:イソプロピルアミン4:5:1で溶出)によって精製し、低極性のα−ア ミノ異性体465と高極性のβ−アミノ異性体466を得た。アミノステロール の総収量は1.3g(収率58%)であった。化合物465:1H−NMR(4 00MHz、CD3OD)Δ:3.75(m、1H)、3.65(s、3H)、3. 54(m、1H)、1.06(s、3H)、0.95(d、J=6Hz、3H)、0. 74(s、3H);IR(KBr、cm-1):3406、2944、1740、15 96、1466、1168、1049、1027;MS(+FAB):591.4 (M+1);C356643−4HCl−1.2H2Oの分析計算値:C=55. 43、H=9.62、N=7.39;実測値:C=55.70、H=9.15、 N=7.12。化合物466:1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3 .79(m、1H)、3.65(s、3H)、1.06(s、3H)、 0.95(d、J=6Hz、3H)、0.74(s、3H);IR(KBr、cm-1) :3406、2944、1740、1595、1459、1381、1167、 1051、1026;MS(+FAB):591.4(M+1);C356643− 4HCl−1.2H2Oの分析計算値:C=55.43、H=9.62、N=7 .39;実測値:C=55.48、H=9.03、N=7.33。 化合物469の調製:この化合物は、化合物466に使用した方法と同様の方 法で、ポリアミン1023を使用して調製した。 アクリロニトリルの2度添加によってピペラジンからポリアミンを調製し、化合 物1022を得、ラニーニッケルで触媒した水素化によって還元した。β−アミ ノ異性体469:1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3.78(m、 1H)、3.64(s、3H)、3.5〜3.3(m、8H)、3.2〜3.0(m、 9H)、2.4〜1.0(m、30H)、1.03(s、3H)、0.92(d、J= 6Hz、3H)、0.71(s、3H);IR(KBr、cm-1):3406、29 43、1736、1594、1443、1165;MS(+FAB):589.4 (M+1);C356443−4HCl−3H2Oの分析計算値:C=53.29 、H=9.46、N=7.10;実測値:C=53.06、H=8.90、N= 8.43。 化合物433および467の調製:遊離塩基としてのアミノステロールメチル エステル(1 mmol)の一定量を計量して25mlの丸底フラスコに入れた。アミノ ステロールを最小量のテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、1N水酸化カリ ウム溶液(10ml)で処理して、1時間磁気的に攪拌した。次いで、溶液を1 NHClで中和し、溶媒を真空下で除去した。残留物を最小量の脱イオン水に溶 解し、オクタデシル基を官能基とするシリカゲルカラム(Aldrich、2× 10cm、アセトニトリルを添加した2%トリフルオロ酢酸水溶液による濃度勾 配溶出)に供した。アミノステロールを含む分画を収集し、溶媒を真空下で除去 した。アミノステロールを0.1NHClに再溶解し、溶媒を真空下で除去して (2×)、トリフルオロ酢酸を完全に除去した。結果として得られた塩酸塩にベン ゼンを添加し、次いで終夜蒸発させて水をできる限り除去した。 エチレンジアミンβ−アミノ異性体433はHClでは処理せず、トリフルオ ロ酢酸塩として単離した。化合物433:1H−NMR(400MHz、CD3O D)Δ:3.78(m、1H)、1.06(s、3H)、0.95(d、J=6Hz 、3H)、0.74(s、3H)、;IR(KBr、cm-1):3533、3488 、2941、1716、1679、1615、1489、1431、1191; MS(+FAB):435.5(M+1)、531.5(少量のトリフルオロアセタ ミドが含有されている可能性あり);C264623−2TFA−0.7H2Oの 分析計算値:C=53.36、H=7.37、N=4.15;実測値:C=54 .36、H=7.45、N=4.40。 スペルミンβ−アミノ異性体467:1H−NMR(400MHz、CD3OD) Δ:3.80(m、1H)、1.05(s、3H)、0.95(d、J=6Hz、3 H)、0.73(s、3H);IR(KBr、cm-1):3406、2944、17 18、1637、1458;MS(+FAB):577.4(M+1);C346443−4HCl−4H2Oの分析計算値:C=51.38、H=9.64、N= 7.05;実測値:C=51.40、H=8.77、N=7.01。実施例P 胆汁酸メチルエステル409、410、411、355、356、416、4 48、414、415、412、413、417および449の調製: 前駆体の調製:以下に構造を示すケノデオキシコール酸およびデオキシコール 酸のメチルエステルについては、ヒオデオキシコール酸を化合物1016にエス テル化するために用いた方法と同じ方法によって調製した。 3−ケトステロイドを調製するための胆汁酸エステルの炭酸銀酸化:適当なア ミンを用いた3−オキソステロールの還元アミノ化によって、ケノデオキシコー ル酸誘導体およびデオキシコール酸誘導体を調製した。同様の方法によって3− オキソステロールを調製した。4当量の硝酸銀を脱イオン水に溶解し、十分量の セライトを添加して、セライト上に50%炭酸銀を付着させることによって、炭 酸銀が付着したセライトを調製した。磁気的に攪拌中の溶液に、脱イオン水に溶 解した2.2当量の炭酸ナトリウム添加し、絶え間なく激しく攪拌した。結果と して炭酸銀が付着したセライトをガラスフリットロートを通して濾過し、テトラ ヒドロフランで洗浄し、真空デシケータ中で乾燥させた。酸化する胆汁酸のメチ ルエステルをトルエンに溶解し、2当量の炭酸銀付着セライトで処理し、水を共 沸除去するために、ディーンスターク(Dean Stark)装置を使用して 加熱還流した。両ステロールについて、6時間未満で酸化が終了した。両ステロ ールの合成において、生じた生成物は唯一所望の3−オキソステロールであった 。溶液を濾過し、真空下で溶媒を除去した。両合成で得られた生成物を酢酸エチ ルのヘキサン溶液で簡単に再結晶し、高収率で(両合成において>89%)3− オキソステロールを得た。 化合物409および410の調製:ケノデオキシコール酸の3−オキソステロ ールメチルエステル(1.5g、3.7mmol)をメタノールに溶解し、10 倍の過剰量のエチレンジアミン(2.5ml)に添加した。酢酸でpHを約6ま で低下させ、メタノールに溶解したNaBH3CN(1g、15.9mmol) を添加し、酢酸でpHを再び調整した。溶液を1時間攪拌し、次いで、化合物4 31と同様の方法で反応を停止させ、精製した。アミノステロールの総収率は5 8%で、α−アミノ異性体と低極性β−アミノ異性体とのおおよその割合は7: 3であった。β−アミノ異性体409:1H−NMR(400MHz、CD3OD )Δ:3.81(m、1H)3.68(s、3H)、3.42(m、1H)、1.0 4(s、3H)、0.95(d、J=6.5Hz、3H)、0.72(s、3H);I R(KBr、cm-1):3428、2940、2055、1740、1591、1 440、1377、1169、1077、984;MS(+FAB):449. 3(M+1);C274823−2HCl−1.2H2Oの分析計算値:C=59 .70、H=9.72、N=5.16;実測値:C=59.59、H=9.49 、N=5.15。α−アミノ異性体410:1H−NMR(400MHz、CD3 OD)Δ:3.82(m、1H)、3.65(s、3H)、3.05(br m、1 H)、1.00(s、3H)、0.94(d、J=6.5Hz、3H)、0.72(s 、3H);IR(KBr、cm-1):3522、2944、2017、1718、 1619、1448、1377、1314、1282、1 260、1163、1018;MS(+FAB):449.3(M+1);C274823−2HCl−3.7H2Oの分析計算値:C=55.13、H=9.84 、N=4.76;実測値:C=55.03、H=9.32、N=4.78。 化合物411の調製:以下の変更を除いて、エチレンジアミンと同じ方法でこ のスペルミン化合物を調製した。ケノデオキシコール酸の3−オキソステロール メチルエステル1gと、スペルミン1g(約2当量)を使用し、クロマトグラフ ィーはより極性の高い溶媒系(すなわち、CHCl3:メタノール:イソプロピ ルアミン5:4:1)を使用した。アミノステロールの総収率は48%であった 。α−アミノ異性体とβ−アミノ異性体411との比は、分離が不完全であった ために測定されなかった。化合物411:1H−NMR(400MHz、CD3O D)Δ:3.83(m、1H)、3.65(s、3H)、3.42(m、1H)、1. 04(s、3H)、0.95(d、J=6.5Hz、3H)、0.70(s、3H); IR(KBr、cm-1):3404、2946、2059、1739、1595、 1458、1378、1168、1073、1012、985、759;MS( +FAB):591.4(M+1);C366643−4HCl−4H2Oの分析計 算値:C=51.97、H=9.72、N=6.93:実測値:C=51.65 、H=8.53、N=6.77。 化合物355および356の調製:シアノボロハイドライドナトリウムを用い てケノデオキシコール酸の3−オキソステロールメチルエステルとポリアミン3 01とをカップリングさせ、トリフルオロ酢酸を用いてBOC基を除去し、化合 物319の調製のようにエステルを加水分解した。シリカゲル(クロロホルム: メタノール:イソプロピルアミン15:4:1から10:4:1)で精製した。 低極性β−アミノ異性体355、C3259331H−NMR(400MHz 、CDCl3)Δ:3.87(m、1H)、3.68(s、3H)、3.15(m、1 H)、3.0〜2.7(m、8H)、2.4〜1.0(m、32H)、0.99(s、 3H)、0.91(d、J=6Hz、3H)、0.66(s、3H);MS(DCI) :534(M+1).高極性α−アミノ異性体356、C325933−3HCl :1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3.82(m、1H)、3.2 5〜2.95(m、9H)、2.5〜1.0(m、32H)、0.9 7(s、3H)、0.94(d、J=6Hz、3H)、0.69(s、3H);MS( DCI):534(M+1)。 化合物1416の調製:デオキシコール酸誘導体を調製するために使用した方 法は、ケノデオキシコール酸誘導体の調製に使用した方法と同じであった。エチ レンジアミン化合物については、アミノステロールの総収率は62%で、α−ア ミノ異性体416とβ−アミノ異性体との比は4:1であった。化合物416:1 H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3.97(m、1H)、3.68( s、3H)、3.22(br m、1H)、1.02(d、J=6.5Hz、3H) 、1.01(s、3H)、0.73(s、3H);IR(KBr、cm-1):3418 、2940、1739、1616、1456、1379、1253、1169、 1036;MS(+FAB):449.4(M+1);C274823−2HCl− 0.5H2O:C=61.12、H=9.69、N=5.28;実測値:C=6 1.20、H=9.50、N=5.07。 化合物448の調製:デオキシコール酸のスペルミン誘導体については、アミ ノステロールの総収率は46%であった(反応停止が困難だったために低収率と なった可能が高い)。分離が不完全であったため、α−アミノ異性体448とβ −アミノ異性体との比は測定されなかった。化合物448:1H−NMR(40 0MHz、CD3OD)Δ:3.98(m、1H)、3.67(s、3H)、1.0 1(d、J=6Hz、3H)、1.01(s、3H)、0.73(s、3H);IR( KBr、cm-1):2944、1738、1594、1451、1378、11 69、1038、758;MS(+FAB):591.5(M+1);C35664 3−4HCl−2.3H2Oの分析計算値:C=54.02、H=9.66、N =7.20;実測値:C=54.00、H=8.64、N=7.22。 化合物414および415の調製:6β−ヒドロキシ433の調製のようにメ チルエステルから遊離酸を調製した。α−アミノ異性体414:1H−NMR( 400MHz、CD3OD)Δ:3.83(m、1H)、3.06(br m、1H )、1.04(s、3H)、0.96(d、J=6Hz、3H)、0.73(s、3H );IR(KBr、cm-1):2940、2053、1709、1452、137 8、1167、1076、1007、975;MS(+FAB):435. 5(M+1);C264623−2HCl−1.5H2Oの分析計算値:C=58 .41、H=9.62、N=5.24;実測値C=58.24、H=9.40、 N=5.47。β−アミノ異性体415:1H−NMR(400MHz、CD3O D)Δ:3.83(m、1H)、3.47(m、1H)、1.06(s、3H)、0. 95(d、J=6Hz、3H)、0.73(s、3H);IR(KBr、cm-1):3 488、2935、2054、1709、1593、1499、1450、12 46、1168、1077、1022、984;MS(+FAB):435.5( M+1);C264623−2HCl−1.5H2Oの分析測定値:C=58.4 1、H=9.62、N=5.24;実測値:C=58.59、H=9.35、N =5.43。 化合物412、413、417および449の調製:上記の方法と同様の方法 を使用してこれらの化合物を製造した。 α−アミノ412:1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3.83( m、1H)、3.00(br m、1H)、1.04(s、3H)、0.96(d、J =6Hz、3H)、0.74(s、3H);IR(KBr、cm-1):3413、2 942、2061、1710、1594、1460、1377、1167、10 74;MS(+FAB):577.7(M+1);C346333−4HCl−2. 5H2Oの分析計算値:C=53.19、H=9.58、N=7.30;実測値 :C=53.27、H=9.47、N=7.32。 β−アミノ413:1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:3.8(m 、1H)、3.4(m、1H)1.05(s、3H)、0.96(d、J=6Hz、 3H)、0.73(s、3H);MS(+FAB):577.7(M+1)。 デオキシコール酸エチレンジアミン417(α−アミノ異性体):1H−NMR (400MHz、CD3OD)Δ:4.03(m、1H)、3.22(br m、1 H)、1.03(d、J=6Hz、3H)、1.00(s、3H)、0.74(s、3 H);IR(KBr、cm-1):2940、1706、1456、1379、12 54、1034;MS(+FAB):435.4(M+1);C264623−2H Cl−2H2Oの分析計算値:C=57.45、H=9.64、N=5.15; 実測値:C=57.32、H=9.22、N=5.13。 デオキシコール酸スペルミン499(α−アミノ異性体):1H−NMR(4 00MHz、CD3OD)Δ:4.02(m、1H)、1.04(d、J=6Hz、 3H)、1.00(s、3H)、0.75(s、3H);IR(KBr、cm-1):2 941、1716、1448、1038;MS(+FAB):577.4(M+1) ;C346443−4HCl−1.5H2Oの分析計算値:C=54.57、H =9.54、N=7.47;実測値:C=54.31、H=8.71、N=7. 80。実施例O モノアミン化合物363および364の調製: 化合物1002の調製:三酸化クロム(72.6g、660mmol)のジクロ ロメタン(1000ml)懸濁液に、−78℃にて3,5−ジメチルピラゾール (63.4g、660mmol)を添加した。20分後に、酢酸コレステリル( 化合物1001、24g、56mmol)を添加し、混合物を室温まで徐々に加 温し、終夜攪拌した。反応混合物(0℃)5N水酸化ナトリウム溶液(280m l)を添加し、混合物を1時間攪拌した。有機層を2NHCl、水および食塩水 で洗浄した。溶媒を除去した後、粗生成物をクロマトグラフィー(6cm、10 %から30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で溶出)で精製し、出発物質(6.7 8g)と化合物1002(12.78g、52%)を得た。1H−NMR(20 0MHz、CDCl3)Δ:5.71(s、1H)、4.7(br m、1H)、2 .5〜1.0(m、27H)、2.05(s、3H)、1.21(s、3H)、0.9 2(d、J=6.5Hz、3H)、0.86(d、J=7Hz、3H)、0.68( s、3H)。 化合物1003の調製:化合物1002(14.32g、32.3mmol) の酢酸エチル溶液(1.41)に窒素を通気し、酸化白金(IV)(263mg) で処理し、室温で3時間水素ガス(常圧)を通気した。セライトで濾過後、溶液 を蒸発、フラッシュクロマトグラフィー(6cm、0から20%酢酸エチルのヘ キサン溶液で濃度勾配溶出)で精製して、純粋な化合物1003を得た(10. 86g、収率76%)。1H−NMR(200MHz、CDCl3)Δ:4.67( br m、1H)、2.4〜1.0(m、29H)、2.02(s、3H)、1.1 0(s、3H)、0.90(d、J=6.5Hz、3H)、0.86(d、J=6. 5Hz、6H)、0.65(s、3H);IR(KBr、cm-1):2950、17 30、1707、1471、1373、1264、1032;MS(+FAB): 445.7(M+1)。 化合物1004および1005の調製:化物1003(11.62g、26. 1mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(500ml)溶液に1MK−セ レクトライド(Selectride)R(80ml、80mmol)のTHF 溶液を室温で添加した。50℃で5時間後、反応混合物を氷浴で冷却し、次いで 30%過酸化水素(45ml)および飽和塩化アンモニウム溶液(20ml)で 処理した。有機層を分離し、水層をエーテル(3×100ml)で抽出し、有機 層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウムおよび水で洗浄した 。乾燥後、粗生成物をクロマトグラフィー(6cm、0から30%酢酸エチルの ヘキサン溶液で濃度勾配溶出)によって精製し、化合物1004を得(10.9 5g、24.5mmol)、ジメチルアミノピリジン(30.30g、248m mol)とともにジクロロメタン(200ml)に溶解し、無水酢酸(40ml 、424mmol)で19時間処理した。この溶液にメタノール(150ml) を添加し、溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、2N塩酸(3×1 50ml)、水(100ml)、飽和炭酸ナトリウム(3×100ml)および食 塩水(2×100ml)で洗浄した。有機層を乾燥し、蒸発させ、フラッシュク ロマトグラフィー(6cm、0から20%酢酸エチルのヘキサン溶液による濃度 勾配溶出)によって精製し、化合物1005を得た(11.47g、収率90%) 。1H−NMR(200MHz、CDCl3)Δ:4.88(m、1H)、4.71 (br m、1H)、2.08(s、3H)、2.02(s、3H)2.0〜1.0 (m、29H)、0.92〜0.83(m、12H)、0.64(s、3H);IR( KBr、cm-1):2954、2867、1730、1468、1367、12 57、1025;C31524の分析計算値:C=76.18、H10.72; 実測値:C=76.09、H=10.56。 化合物1006の調製:化合物1005(10.85g、22.2mmol) およびシアン化ナトリウム(1.20g、24.4mmol)のメタノール(4 20ml)溶液を室温で終夜攪拌し、次いで10時間還流した。溶媒を蒸発させ 、残留物をジクロロメタン水溶液に溶解し、2N塩酸で酸性化した。ジクロロメ タンで抽出後、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ て、化合物1006を得た(9.22g、収率92%)。1H−NMR(200M Hz、CDCl3)Δ:4.89(m、1H)、3.62(br m、1H)、2. 07(s、3H)、2.0〜1.0(m、29H)、0.90(d、J=6Hz、3 H)、0.87(d、J=6.5Hz、6H)、0.82(s、3H)、0.64(s 、3H);IR(KBr、cm-1):3446、2935、1735、1469、 1375、1245、1042、941;MS(+ES):470(M +Na)。 化合物1007、1008および1009の調製:化合物1006(892m g、2.0mmol)の無水ジクロロメタン溶液(20ml)に窒素下(−10 乃至−5℃)で、トリエチルアミン(3ml、22mmol)およびメタンスル ホニルクロライド(0.40ml、5.2mmol)のジクロロメタン(4ml )溶液を添加した。40分後、混合物を1N塩酸溶液(100ml)中に注ぎ、 有機層を分離した。ジクロロメタン(3×20ml)で抽出後、有機層を1N塩 酸溶液(30ml)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30ml)および食塩水(2 ×30ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を蒸発させて、化合物 1007を得、精製しないで次のステップに使用した。 粗精製1007をジメチルホルムアミド(50ml)に溶解し、アジ化ナトリ ウム(2.0g、31mmol)で処理し、100℃までの温度で18時間加熱 した。冷却後、反応混合物を水(250ml)で希釈し、ジクロロメタン(3× 150ml)で抽出し、水(3×100ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、 濾過し、蒸発させて化合物1008を得、精製しないで次のステップで使用した 。 化合物1008の無水テトラヒドロフラン(60ml)溶液を1Mリチウムア ンモニウムハイドライド(20ml、20mmol)で処理し、5時間加熱還流 した。氷浴で冷却後、混合物に水(50ml)、次いで2M水酸化ナトリウム溶液 (200ml)を添加した。水層をジクロロメタン(3×150ml)で抽出し 、次いで食塩水(2×100ml)および水(50ml)で洗浄した。乾燥した 有機層を蒸発させて化合物1009を得、精製しないで次のステップに使用した 。 化合物1363および1364の調製:粗精製化合物1009をメタノール( 40ml)に溶解し、80℃にて、2N水酸化ナトリウム溶液(40ml)で1 2時間処理した。蒸発後、水を添加し(40ml)、次いでジクロロメタン(3× 60ml)で抽出した。食塩水で洗浄後(3×50ml)、有機層を乾燥し(Na2 SO4)、濾過し、蒸発した。フラッシュクロマトグラフィー(直径2cm、ジク ロロメタン:メタノール:水酸化アンモニウム95:4.5:0.5で溶出)で 精製して、化合物1363(遅い溶出;1H−NMR(200MHz、CDC l3)Δ:3.82(m、1H)、3.19(m、1H)、2.0〜1.0(m、29 )、0.91(d、J=6.5Hz、3H)、0.87(d、J=6.5Hz、6H )、0.78(s、3H)、0.65(s、3);IR(KBr、cm-1):3362 ,2931,1575,1467,1382;MS(+FAB):404.4(M +1)、および化合物1364(速い溶出;1H−NMR(200MHz、CDC l3)Δ:3.4(br m、1H)、3.2(m、1H)、2.0〜1.0(m、2 9H)、0.91(d、J=6.5Hz、3H)、0.86=(d、J=6.5Hz 、6H)、0.80(s、3H)、0.68(s、3H)を得た。各化合物をメタノ ールに溶解して、1N塩酸のエーテル溶液の過剰量で処理し、蒸発させ、塩酸塩 を得た。化合物1363(646mg、4ステップの総収率74%):C2749N O−HCl−0.5H2Oの分析計算値:C=72.20、H=11.44、N =3.12;実測値:C=72.40、H=11.44、N=3.26。化合物 1364(50mg、4ステップの総収率6%):MS(+FAB):404.4( M+1);C2749NO−HCl−H2Oの分析計算値:C=70.78、H=1 1.44、N=3.06;実測値:C=71.02、H=11.33、N=3. 35。実施例R 化合物388および387の調製: 1H−NMRスペクトルはバリアン(Varian)XL−200(200M Hz)またはバリアンユニティ(Varian Unity)500(500MH z)NMRスペクトロメーターで得た。赤外スペクトルはパーキンエルマー(Pe rkin Elmer)298スペクトロメーターで記録した。直接挿入プローブ (Direct insertion probe(DIP))化学的イオン化質量 スペクトルデータは、ヒューレットパッカード(Hewlett Packar d)HP 5087 GC−MSで得た。融点は、トーマスフーバー(Thom as Hoover)キャピラリー融点測定装置で測定され、補正は行わなかっ た。元素分析は、ニュジャージー州ホワイトハウスのクオンタテイティブテクノ ロジー社(Quantitative Technologies Inc.)に よって実施された。FAB質量スペクトルデータ(低分解能および高分解能)は 、ペンシルバニア州ウェストチェスターのエム−スキャン社(M−Scan I nc.)から入手した。 5−コレン酸は、ステラロイズ(Steraloids)社から入手し、その まま使用した。以下の試薬はアルドリッチケミカル社(Aidrich Che mical Company)から購入し、指示のない限りそのまま使用した: ジヒドロピラン(使用前に蒸留)、p−トルエンスルホン酸、水素化アルミニウム リチウム、t−ブチルジメチルシリルクロライド、イミダゾール、3,5−ジメ チルピラゾール、酸化白金(IV)、トリ−sec−ブチルボロハイドライドカリ ウム(K−SelectrideR、TFA中1M)、過酸化水素(30%)、水素 化ナトリウム(鉱物油中60%)、臭化ベンジル(使用前に蒸留)、フッ化テトラブ チルアンモニウム(THF中1M)、塩化オキサリル、ジイソプロピルエチルアミ ン、ジメチルスルホキシド、(使用前に蒸留)、塩化イソプロピルマグネシウム( THF中2M)、臭化マグネシウム、シアノボロハイドライドナトリウム(TH F中1M)、10%パラジウム炭素および硫黄トリオキシドピリジン複合体。T HFおよびEt2Oはナトリウム/ベンゾフェノンケチルから蒸留した。ピリジン はKOHから蒸留した。塩化メチレンおよびペンタンはCaH2から蒸留した。 DMFは減圧下でBaOから蒸留した。メタノールは、使用前に3Å分子ふるい (molecular sieves)で乾燥した。PPTSは、 ミヤシタ(Miyashita)らの方法、ジャーナル オルガニック ケミス トリー(J.Org. Chem.)1977年42巻3772ページ、によっ て調製された。分子ふるいは使用前にオーブン(170℃)で終夜乾燥された。 シリカゲル(EM Science Silica Gel 60,230〜4 00メッシュ)を全てのフラッシュクロマトグラフィーにおいて使用した。 3β−テトラヒドロピラニルオキコル−5−エン−24−オイックアシッド2 4−テトラヒドロピラニルエステル(2001)の調製: 5−コレン酸(7.58g、20mmol)は乾燥CH2Cl2(300ml) 溶液中に懸濁させた。蒸留したジヒドロピラン(19.0ml、200ml)を 添加し、次いで触媒量のピリジニウムp−トルエンスルホネート(1.1g、4 .0mmol)を添加した。アルゴン下で懸濁液を室温にて、終夜攪拌した。こ の間にステロイドは溶液になった。得られた溶液を飽和NH4Cl水溶液(2×) 、飽和NaHCO3水溶液(2×)、飽和NaCl水溶液で洗浄した。有機層を無 水MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で溶媒を除去した。粗固形物をフラッシ ュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/EtOAc(10:1))によって精 製し、化合物2001を白色固形物として得た(9.8g、18.5mmol、 92%)。1H−NMR(500MHz、CDCl3)Δ:5.96(brs、1H 、THPエステルメチンH)、5.37〜5.32(m、1H、C−6H)、4. 72(brs、1H、THPエステルメチンH)、3.95〜3.87(m、2H 、THP C 2O)、3.71〜3.64(m、1H、THP C 2O)、3. 58〜3.44(m、2H、THP C 2OおよびC−3H)、1.01(s、3 H、C−19H)、0.94(d、J=6.3Hz、3H、C−21H)、0.6 8(s、3H、C−18H)。 3β−テトラヒドロピラニルオキシコル−5−エン−24−オール(2002) の調製: 化合物2001(16.1g、30mmol)の無水テトラヒドロフラン(T HF、150ml)溶液、LiAlH4(5.5g、145mmol)の無水T HF(200ml)懸濁液に添加した。懸濁液をアルゴン下で終夜、機械的攪拌 子を用いて0℃にて攪拌した。得られた灰色のスラリーに、EtOAcを加え、 次いで飽和Na2SO4水溶液を加えた。Na2SO4を添加している間に、白色の 沈殿が形成し、溶液は透明になった。無水Na2SO4を添加して、混合物を15 分間攪拌し、次いで濾過した。濾過物を酢酸エチルで十分に洗浄し、濾液を真空 下で濃縮した。結果として得られた固形物をフラッシュクロマトグラフィー(S iO2、ヘキサン:EtOAc5:1)によって精製し、化合物2002を白色 固形物として得た(12.3g、27.7mmol、92%)。1H−NMR(5 00MHz、CDCl3)Δ5.37〜5.32(m、1H、C−6H)、4.7 2(brs、1H、THPメチンH)、3.95〜3.88(m、1H、THF C 2O)、3.62〜3.47(m、4H、THF C 2OおよびC−3Hおよ びC−24H)、1.01(s、3H、C−19H)、0.93(d、J=6.6H z、C−21H)、0.68(s、3H、C−18H);IR(CHCl3)361 0、2900cm-1:MS(CI/イソブタン)m/z445(M+1、2%)。3 43(M+1−THPOH、100%):m.p.130〜131℃。 24−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシ コル−5−エン(2003)の調製: 化合物2002(7.6g、17mmol)の無水CH2Cl2(300ml) 溶液をt−ブチルジメチルシリルクロライド(TBDMSCl、1.0M)とイ ミダゾール(0.5M)の無水CH2Cl2(38.0ml、38.0mmolT BDMSCl)溶液で処理した。溶液をアルゴン下で終夜室温にて攪拌した。得 られた溶液を飽和NaHCO3水溶液中に注ぎ、混合物をCH2Cl2(3×)で 抽出した。得られた固形物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサ ン:EtOAcを20:1から5:1に濃度勾配させる)によって精製し、化合 物2003を得た(9.4g、17mmol、98%)。1H−NMR(500M Hz、CDCl3)Δ:5.38〜5.32(m、1H、C−6H)、4.72(b rs、1H、THPメチンH)、3.95〜3.88(m、1H、THPC 2O) 、3.60〜3.46(m、4H THP C 2OおよびC−3HおよびC−2 4H)、1.01(s、3H、C−19H)、0.93(d、J=6.6Hz、C− 21H)、0.89(s、9H、t−Bu)、0.67(s、3H、 C−18H)、0.05(s、6H、TBDMS C 3);IR(CHCl3)29 00cm-1;MS(CI/イソブタン)m/z559(M+1、1%)、474(M +1−THP、12%)、457(M+1−THPOH、18%)、343(M+1 −THP−TBDMSOH、6%)、325(M+1−THPOH−TBDMSO H、100%);m.p.116〜118℃;C35623Siの分析計算値:C =75.21、H=11.18;実測値:C=75.37、H=11.24。 24−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシ コル−5−エン−7−オン(2004)の調製: 三酸化クロム(6.43g、64.4mmol)を無水CH2Cl2(100m l)中に懸濁させた。アルゴン下で機械的に攪拌した懸濁液をドライアイス/ア セトン浴中で−78℃まで冷却した。3,5−ジメチルピラゾール(6.18g 、64.4mmol)を固形物として懸濁液に添加し、混合物を−78℃にて2 5分間攪拌し、複合体を完全に形成させた。次いで、化合物2003(3.10 g、5.37mmol)を固形物として混合物に添加し、反応混合物を徐々に室 温にまで加温し、終夜攪拌した。次いで、混合物を500ml丸底一頚フラスコ に移し、シリカゲル(フラッシュグレード)を添加した。スラリーを柔らかい固 形状になるまで濃縮し、湿潤させて充填したフラッシュカラム(SiO2)の上 部にのせて、生成物をヘキサン:酢酸エチル(30:1から15:1から6:1 から3:1の濃度勾配)で溶出した。所望の生成物、化合物2004(1.80 g、59%)を白色固形物として得た。1H−NMR(500MHz、CDCl3 )Δ:5.65&5.63(2S、1H、C−6H)、4.70〜4.64(m、 1H、THPメチン)、3.90〜3.81(m、1H、THP C 2O)、3. 70〜3.62(m、1H、C−3HまたはTHP C 2O)、3.57(t、J =6.6Hz、2H、C−24H)、3.52〜3.46(m、1H、C−3Hま たはTHP C 2O)、1.19(s、3H、C−19H)、0.93(d、J= 6.3Hz、C−21H)、0.90(s、9H、t−ブチル)、0.68(s、3 H、C−18H)、0.05(s、6H、TBDMS CH3);IR(CHCl3 )2900、1650cm-1;MS(CI/イソブタン)m/z573(M +1、11%)、489(M+1−THP、100%);m.p.118〜120 ℃。 24−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシ コル−5α−コラン−7−オン(2005)の調製: 化合物2004(1.0g、1.75mmol)をEtOAc(75ml)に 溶解し、酸化パラジウム(IV)(0.012g、0.049mmol)を添加 した。混合物を水素化装置(常圧)に収容した。真空排気して、溶解している酸 素を除去し、次いで水素を通気した。真空排気と水素通気工程を2回繰り返した 。水素下、常圧下で反応物を2.5時間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過 し、真空下で濃縮した。粗精製物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、 ヘキサン:EtOAc20:1からの濃度勾配)によって精製し、化合物200 5を白色固形物として得た(0.70g、71%)。2.4−t−ブチルジメチル シリルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシコル−5α−コラン−7β− オールを副産物として得た(21%)。(注:この副産物は、コリン(Colli n’s)試薬を用いて64%の収率で所望のケトン2005に変換させることが できた。)化合物2005:1H−NMR(500MHz、CDCl3)Δ:4. 73〜4.66(m、1H、THPメチンH)、3.95〜3.85(m、1H、 THP C 2O)、3.66〜3.52(m、3H、THPCH2OおよびC−2 4H)、3.50〜3.45(M、1H、C−3H)、1.08(s、3H、C−1 9H)、0.91(d、J=6.6Hz、C−21H)、0.89(s、9H、t− Bu)、0.64(s、3H、C−18H)、0.04(s、6H、TBDMS C 3 );IR(CHCl3)2900、1685cm-1;MS(CI/イソブタン) m/z575(M+1,85%)491(M+1−THP、100%);m.p. 166〜170℃;C35624Siの分析計算値:C=73.12、H=10 .87;実測値:C=72.88、H=10.78。 24−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシ −5α−コラン−7α−オール(2006)の調製: K−セレクトリド(Selectride)R(トリ−sec−ブチルボロハ イドライドカリウム)(8.9ml、THF中1M、8.9mmol)を、室温 にて、アルゴン下でケトン2005(1.7g、3.0mmol)の無水THF 溶液(50ml)にシリンジを介して滴下した。反応混合物を油浴中で50℃ま で加熱し、5時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、次いで30%H22を、 ガスの発生が停止するまで、滴下することによって、反応を停止した。飽和NH4 Cl水溶液を添加し、水溶液をEt2Oで抽出した(3×)。有機層を合わせて飽 和NaHCO3水溶液(2×)、蒸留水(2×)および飽和NaCl水溶液で洗浄 し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。粗精製物をフ ラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:EtOAc10:1)で精 製し、アルコール2006を白色固形物として得た(1.6g、94%)。1H− NMR(500MHz、CDCl3)Δ:4.73〜4.66(m、1H、THP メチンH)、3.95〜3.85(m、1H、THPC 2O)、3.82(s、1 H、C−7H)、3.66〜3.52(m、3H、THPCH2OおよびC−24 H)、3.50〜3.45(m、H、C−3H)、1.08(s、3H、C−19H )、0.91(d、J=6.6Hz、C−21)、0.89(s、9H、t−Bu) 、0.64(s、3H、C−18H)、0.04(s、6H、TBDMS CH3) ;MS(CI/イソブタン)m/z577(M+1、5%)、493(M+1−TH P、22%)、475(M+1−THPOH、26%)、458(M+1−THPO H−H2O、38%)、343(M+1−THPOH−TBDMSOH、80%)、 325(M+1−THPOH−TBDMSOH−H2O、100%);IR(CH Cl3)3430、2860cm-1;m.p.130〜133℃;C35644S iの分析計算値:C=72.86、H=11.18;実測値:C=72.69、 H=11.32。 7α−ベンジルオキシ−24−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3β−テト ラヒドロピラニルオキシ−5α−コラン(2007)の調製: 炎で乾燥させた丸底フラスコに攪拌子を入れ、水素化ナトリウム(鉱物油中6 0%、28mg、0.69mmol)を添加し、しきりとガス導入針を備え、ア ルゴンを通気した。無水ペンタンで洗浄して(3×)鉱物油を除去し、ペンタン を除去して水素化ナトリウムを粉末として得た。無水DMF(2.0ml)を添 加した。アルコール2006(40mg、0,069mmol)の無水THF( 2 ml)溶液をシリンジを介して滴下した。反応混合物を終夜攪拌し、次いで油浴 中で20分間40℃まで加熱した。蒸留直後の臭化ベンジル(0.165ml、 1.38mmol)を滴下し、反応混合物を40℃で10時間攪拌した。反応物 を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で除去した。フラスコを真空下に終夜放置し、 残存する全てのDMFを除去した。粗精製物をフラッシュクロマトグラフィー(S iO2、ヘキサン:EtOAc50:1)によって精製し、化合物2007を白色 固形物として得た(40mg、0.060mmol、87%)。EtOAc濃度を 増加させる濃度勾配によって、出発物質(3mg、8%)だけでなく、7α−ホ ルメート(1mg、1%)を含む他の成分も回収された。化合物2007:1H −NMR(500MHz、CDCl3)Δ7.35〜7.20(m、5H、ベンジ ルAr−C 2)、4.73〜4.66(m、1H、メチンH)、4.535(d、 J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、4.53(d、J=12.0H z、1/2H、ベンジル−C 2)、4.26(d、J=12.2Hz、1/2H、 ベンジル−C 2)、4.245(d、J=11.8Hz、1/2H、ベンジル−C 2 )、3.95〜3.85(m、1H、THP C 2O)、3.66〜3.52( m、3H、THP C 2OおよびC−24H)、3.50〜3.45(m、1H 、C−3H)、1.08(s、3H、C−19H)、0.91(d、J=6.6Hz 、C−21H)、0.89(s、9H、t−Bu)、0.64(s、3H、C−18 H)、0.04(s、6H、TBDMS C 3);MS(CI/イソブタン)m/z 668(M+1,6%)、584(M+1−THP、18%)、475(M+1−T HPOH 30%)、457(M+1−THPOH−HOBn、58%)、343( M+1−THP−HOBn−TBDMSOH、100%)、325(M+1−TH POH−TBDMSOH−HOBn、83%)。 7α−ベンジルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシ−5α−コラン− 24−オール(2008)の調製: 化合物2007(0.0527g、0.079mmol)の無水THF(4m l)溶液をAr下でテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)(0. 237ml、THF中1M、0.237mmol)で処理した。出発物質がTL Cによって確認されなくなるまで、溶液を攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残 留物を5mlCH2Cl2中にとり、5ml飽和NaHCO3溶液で洗浄し、水層 を5mlCH2Cl2で2回抽出した。有機層を合わせて無水MgSO4で乾燥し 、濾過し、溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2 、ヘキサン:EtOAc8:1)により、化合物2008(0.0395g、9 0%)を白色泡状固形物として得た。1H−NMR(500MHz、CDCl3) Δ:7.35〜7.34(m、5H、ベンジルAr−H)、4.71〜4.69( m、1H、THPエーテルメチンH)、4.585(d、J=11.8Hz、1/ 2H、ベンジル−C 2)、4.58(d、J=11.8Hz、1/2H、ベンジル −C 2)、4.315(d、J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、4 .29(d、J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、3.94〜3.9 0(m、1H、THPOC 2)、3.62〜3.58(m、3H、C−24Hおよ びTHPOCH2)、3.50〜3.48(m、1H、C−3H)、3.45(s、 1H、7−H)、0.92(d、J=6.6Hz、3H、C−21H)、0.81( s、3H、C−19H)、0.63(s、3H、C−18H)(注:生成物はジア ステレオマー混合物である);IR(CHCl3)3600、2900cm-1;M S(CI/イソブタン)m/z554(M+1、2%)、361(M+1−THP− HOBn、42%)、343(M+1−THP−HOBn、H2O、100%);m .p.52〜56℃;C36564分析計算値:C=78.21、H=10.2 1;実測値:C=77.93、H=10.39。 7α−ベンジルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシ−5α−コラン− 24−アール(2008)の調製: DMSO(0.01ml、0.14mmol)のCH2Cl2(0.1ml)溶 液を、攪拌中のオキサリルクロライド(0.008ml、0.0917mmol )の無水CH2Cl2(2ml)溶液に−78℃で、無水条件下で(乾燥管)滴下 した。この溶液を−78℃で15分間攪拌した、次いでステロイド2008(0 .0234g、0.0423mmol)の無水CH2Cl2(0.5ml)溶液を 滴下し、溶液を−78℃で40分間攪拌した。ジイソプロピルエチルアミン(D IPEA)(0.08ml、0.458mmol)を添加し、溶液を30分間攪 拌しながら0℃まで加温した。飽和NaHCO3水溶液(5ml)を添加し、溶 液 を5mlCH2Cl2で3回抽出した。有機層を合わせて、5mlの飽和NaCl 水溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。 フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:EtOAc10:1)に よって、化合物2009(0.0226g、97%)を白色泡状固形物として得 た。1H−NMR(500MHz、CDCl3)Δ:9.76(s、1H、C−2 4H)、7.35〜7.34(m、5H、ベンジルAr−H)、4.71〜4.6 9(m、1H、THPエーテルメチンH)、4.59(d、J=11.8Hz、1/ 2H、ベンジル−C 2)、4.585(d、J=11.8Hz、1/2H、ベンジ ル−C 2)、4.30(d、J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、4 .29(d、J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、3.95〜3.8 9(m、1H、THPOC 2)、3.63〜3.58(m、3H、C−24Hおよ びTHPOC 2)、3.50〜3.47(m、1H、C−3H)、3.45(s、 1H、7−H)、2.49〜2.42(m、1H、C−23H)、2.37〜2. 31(m、1H、C−23H)、0.958(d、J=6.5Hz、3H、C−2 1H)、0.81、(s、3H、C−19H)、0.63(s、3H、C−18H )(注:生成物はジアステレオマー混合物である);IR(CHCl3)2900 、1700cm-1:MS(CI/イソブタン)m/z552(M+1、0.4%)、 465(M+1−THP、3%)、449(M+1−THPO、14%)、375( M+1−THP−Bn、7%)、359(M+1−THP−HOBn、68%)、 341(M+1−THP−HOBn−H2O、100%);m.p.50〜54℃ ;C3654Oの分析計算値:C=78.50、H=9.88;実測値:C=78 .11、H=10.04。 7α−ベンジルオキシ−3β−テトラヒドロピラニルオキシコレスタン−24 ξ−オール(2010)の調製: 化合物2009(0.374g、0.679mmol)の無水THF(10m l)溶液をアルゴン下、室温にて、塩化イソプロピルマグネシウム(2ml、T HF中で2M、5.43mmol)で処理した。出発物質がTLC上で消失する まで、反応液を攪拌した。NH4Cl水溶液(10%、15ml)を添加して、 反応を停止し、真空下でTHFを除去した。蒸留水(5ml)を添加して、溶液 を15mlCH2Cl2で3回抽出した。有機層を合わせて、飽和NaCl水溶液 (15ml)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去 した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:EtOAc12: 1)によって、化合物2010(0.3117g、77%)を白色泡状として得 た。1H−NMR(500MHz、CDCl3)Δ:7.35〜7.34(m、5 H、ベンジルAr−H)、4.71〜4.69(m、1H、THPエーテルメチン H)、4.585(d、J=11.9Hz、1H、ベンジル−C 2)、4.31( d、J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、4.295(d、J=12 .0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、3.94〜3.91(m、1H、THP 、OC 2)、3.50〜3.48(m、1H、C−3H)、3.45(s、1H、 C−7H)、3.32〜3.31(m、1H、C−24H)、0.81(s、3H、 C−19H)、0.63(d、J=2.4Hz、3H、C−18H)(注:生成物 はジアステレオマー混合物である);IR(CHCl3)3605、2900cm-1 ;MS(CI/イソブタン)m/z595(M+1、10%)、401(M+1− THP−Bn−H2O、25%)、385(M+1−THP−HOBn、H2O、 100%);m.p.55〜59℃;C39624の分析計算値:C=78.74 、H=10.50;実測値:C=78.65、H=10.54。 7α−ベンジルオキシ−24ξ−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3β−テ トラヒドロピラニルオキシコレスタン(2011)の調製: 化合物2010(0.050g、0.084mmol)の乾燥CH2Cl2(1 ml)溶液を、t−ブチルジメチルシリルクロライド(TBDMSC1、0.5 M)とイミダゾール(1.0M)の乾燥CH2Cl2(0.80ml、0.40m molTBDMSCl)溶液で処理した。反応液を室温、アルゴン気流下で24 時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液(5ml)を添加して、溶液を10ml CH2Cl2で3回抽出した。有機層を合わせて、10ml飽和NaCl水溶液で 洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。濾過と真空下での溶媒除去に次いで実施し た、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:EtOAc20:1 )によって所望の生成物2011(0.057g、96%)が白色固形物として 得 られた。1H−NMR(500MHz、CDCl3)Δ:7.35〜7.34(m 、5H、ベンジルAr−H)、4.70〜4.69(m、1H、THPエーテルメ チンH)、4.59(d、J=12.0Hz、1H、ベンジル−CH2)、4.31 5(d、J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、4.31(d、J=1 2.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、3.94〜3.91(m、1H、TH POC 2)、3.62〜3.58(m、1H、THPOC 2)、3.50〜3. 48(m、1H、C−3H)、3.45(s、1H、C−7H)、3.37〜3.3 5(m、1H、C−24H)、0.89(d、J=1Hz、9H、SiC(C 33 、C−24位のジアステレオマー)、0.81(s、3H、C−19H)、0.6 2(s、3H、C−18H)、0.04および0.03(2s、6H、Si(C 32、ジアステレオトピックおよび/またはジアステレオマー)(注:生成物はジ アステレオマー混合物である);IR(CHCl3)2900cm-1;MS(CI /イソブタン)m/z709(M+1、20%)、367(M+1−THPOH−H OBn−TBDMSOH、100%);m.p.52〜58℃;C45764Sの 分析計算値:C=76.21、H=10.80;観察値C=76.11、H=1 0.81。 7α−ベンジルオキシ−24ξ−t−ブチルジメチルシリルオキシコレスタン −3β−オール(2012)の調製: 化合物2011(0.057g、0.0803mmol)をアルゴン下で乾燥 Et2O(3ml)に溶解した。MgBr2(0.142g、0.771mmo l)を個体として速やかに添加し、出発物質がTLC上で消失するまで、混合物 を攪拌した。H2O(10ml)を添加し、混合物を10mlのEt2Oで3回抽 出した。有機層を合わせて、無水MgSO4で乾燥し、溶媒を真空下で除去した 。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:EtOAc7:1)に よって、化合物2012(0.0493g、98%)を白色泡状物として得た。1 H−NMR(500MHz、CDCl3)Δ:7.36〜7.35(m、5H、 ベンジルAr−H)、4.59(d、J=12.0Hz、1H、ベンジル−C 2) 、4.34(d、J=12.0Hz、1H、ベンジル−C 2)、3.65〜3. 60(m、1H、C−3H)、3.475(d、J=2.4Hz、1H、 C−7H)、3.40〜3.36(m、1H、C−24H)、0.91(d、J=0 .9Hz、9H、SiC(C 33、C−24位のジアステレオマー)、0.8 2(s、3H、C−19H)、0.65(s、3H、C−18H)、0.05および 0.04(s、6H、Si(C 32、ジアステレオトロピックおよび/または ジアステレオマー)(注:生成物はジアステレオマーの混合物である);IR(C HCl3)3600、2900cm-1;MS(CI/イソブタン)m/z624(M +1、3%)、501(M+1、3%)、501(M+1−OTHP、6%)、38 5(M+1−OTHP−TBDMS、68%)、367(M+1−THPOH−T BDMSOH、100%);m.p.55〜58℃:C40683Siの分析計算 値:C=76.86、H=10.97;実測値:C=76.69、H=10.8 7。 7α−ベンジルオキシ−24ξ−t−ブチルジメチル−シリルオキシコレスト −3−オン(2013a)および7α−ベンゾイルオキシ−24ξ−t−ブチル ジメチルシリルオキシコレスタン−3−オン(2013b)の調製: 化合物2012(0.229g、0.3664mmol)の無水CH2Cl2( 30ml)溶液を、コーリンの(Collin’s)試薬(0.385g、1. 49mmol)で処理した。混合物を、アルゴン下、室温で終夜攪拌した。この 時点で、出発物質はTLCによって確認されなかった。セライトを添加し、混合 物を20分間攪拌し、次いでセライドパッドで濾過した。残留物をCH2Cl2で 十分にすすいだ。溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(S iO2、ヘキサン:EtOAc20:1)によって、所望の生成物2013a( 0.198g、87%)を白色固形物として、並びに7α−ベンゾエート201 3b(0.015g、6.4%)を白色泡状物として得た。注:反応を高濃度で 開始した場合には、ベンゾエートはさらに高収量で得られた。化合物2013a :1H−NMR(500MHz、CDCl3)Δ:7.35〜7.27(m、5H 、ベンジルAr−H)、4.55(d、J=11.7Hz、1H、ベンジル−C 2 )、4.32(d、J=11.7Hz、ベンジル−C 2)、3.495(d、J= 2.0Hz、1H、C−7H)、3.38〜3.55(m、1H、C−24H)、 1.02(s、3H、C−19H)、0.90(d、J=0.8Hz、9 H、SiC(CH33、C−24位のジアステレオマー)、0.67(s、3H、 C−18H)、0.04および0.03(s、6H、Si(CH33、ジアステ レトピックおよび/またはジアステレオマー)(注:生成物はジアステレオマーの 混合物である);IR(CHCl3)2900、1690cm-1;MS(CI/イ ソブタン)m/z624(M+1、50%)、534(M+1−Bn、7%)、51 8(M+1−OBn、36%)、492(M+1−HOSi(Me)2t−Bu、2 8%)、383(M+1−C1430OSi、100%)。化合物2013b:1H− NMR(50MHz、CDCl3)Δ:8.03(d、J=7.3Hz、2H、ベ ンゾエートAr H)、7.59(t、J=7.4Hz、1H、Ar)、7.48( t、J=7.7Hz、2H、Ar H)、5.20(br s、1H、C−7H)、 3.35〜3.31(m、1H、C−24H)、1.08(s、3H、C−19H) 、0.86(d、J=3.7、9H、SiC(CH33)、0.71(s、3H、 C−18H)(注:生成物はジアステレオマー混合物である);IR(CHCl3 )2900、1690cm−1;MS(CI/イソブタン)m/z637(M+1 、3%)、516(M+1−OBz、16%)、382(M+1−oBz−TBDM HSOH、100%);m.p.62〜65℃。 7α−ベンジルオキシ−3ξ−(5,10−ジ−t−ブトキシカルボニル−1 ,5,10−トリアザデシル)−24ξ−t−ブチルジメチルシリルオキシコレ スタン(2014a)の調製: 化合物2013a(0.07g、0.11mmol)の混合物と、約2当量の アミノ化合物301(化合物2018から化合物301への還元で得られた収率 60%の生成物として)と、および3Å分子ふるい(0.5g)のMeOH(6 m1、3Åふるいは乾燥処理済み)溶液とをアルゴン下で、室温にて12時間攪 拌した。NaCNBH3(0.33ml、THF中1M、0.33mmol)を 添加し、溶液をアルゴン下で、室温にて24時間攪拌した。混合物をセライトで 濾過し、残留物をMeOHおよびCH2Cl2で十分に洗浄し、溶媒を真空下で除 去した。残留物をCH2Cl2(10ml)に溶解し、NaOH水溶液(5%)で 塩基性にしたH2O5mlで2回洗浄し、飽和NaCl水溶液5mlで2回洗浄 した。水層を合わせて、CH2Cl2で逆抽出し、有機層を合わせて、無水MgS O4で乾燥した。濾過、真空下での溶媒の除去、およびフラッシュクロマトグラ フィー(SiO2、CH2Cl2中2%MeOHからCH2Cl2中10%MeOH へ極性を増加させる濃度勾配)によって、所望の生成物2014a(0.07g 、66%)およびt−BOC基一つが脱離し、過剰のアミンが混合している高極 性生成物、化合物2014bを得た。化合物2014a:1H−NMR(500 MHz、CDCl3)Δ:7.36〜7.28(m、H、ベンジル Ar−H)、4 .63(d、J=12.0Hz、1/2H、ベンジル−C 2)、4.58(d、J =12.0Hz、ベンジル−C 2)、4.33(t、J=1.25Hz、1H、 ベンジル−C 2)、3.49(s、1H、c−7H)、3.46〜3.14(m、 8H、N(BOC)C 2&C−24H)、2.91〜2.86(m、2H、NC 2 )、1.47〜1.41(m、18H、2×COC(C 33)、0.90(s 、9H、SiC(C 33)、0.84(s、3H、C−19H)、0.64(s、 3H、C−18H)、0.05および0.04(s、6H、Si(CH32、ジ アステレオトピックおよび/またはジアステレオマー)(注:この生成物はジアス テレオマーの混合物)。 7α−ベンジルオキシ−3β−(1,5,10−トリアザデシル)コレスタン −24ξ−オール(2015β)および7α−ベンジルオキシ−3α−(1,5, 10−トリアザデシル)コレスタン−24ξ−オール(2015α)の調製: TFA(1.8ml、24mmol)を化合物2014a(0.386g、0 .4mmol)のCHCl3(15ml)溶液に室温で添加した。出発物質がT LCで確認されなくなるまで、反応物を攪拌した。真空下で溶媒を除去し、残留 物を分取TLC(SiO2、2000μm、CH2Cl2:MeOH:NH4OH 6:3:1、Rf=0.46)によって精製し、所望の3β生成物2015β( 0.122g、48%)と3α異性体2015α(0.109g、43%)とを 得た。化合物2015αおよび2015βを得る条件と同じ条件下で、化合物2 014bをTFAで処理することが可能であった。化合物2015β:1H−N MR(500MHz、CD3OD)Δ:7.32〜7.35(m、5H、ベンジル Ar−H)、4.57(d、J=11.7Hz、1H、ベンジル−C 2)、4. 31(d、 J=11.7Hz、1H、ベンジル−C 2)、3.52(s、1H、C−7H)、 3.22〜3.21(m、2H、C−24HおよびNC 2)、2.86(t、J= 7.1Hz、2H、NC 2)、2.81(t、J=6.6Hz、2H、NC 2) 、2.74(t、J=7.0Hz、2H、NC 2)、2.67(t、J=6.3H z、2H、NC 2)、0.85(s、3H、C−19H)、0.683(s、1. 5H、C−18、C−34位のジアステレオマー)、0.678(s、1.5H、 C−18、C−24のジアステレオマー);MS(pos.FAB)m/z638 .6(M+1、100%)。化合物2015α:1H−NMR(500MHz、C D3OD)Δ:7.35〜7.22(m、5H、ベンジル Ar−H)、4.61( d、J=11.4Hz、1H、ベンジル−C2 )、4.28(d、J=11.5 Hz、1H、ベンジル−C 2)、3.53(s、1H、C−7H)、3.42(s 、1H、C−3H)、3.24〜3.20(m、2H、C−24HおよびNC 2) 、3.08〜3.02(m、2H、NC 2)、2.96(t、J=6.9Hz、2 H、NC 2)、0.85(s、3H、C−19H)、0.691(s、1.5H、 C−18、C−24位のジアステレオマー)、0.686(s、1.5H、C−1 8、C−24位のジアステレオマー);MS(pos.FAB)m/z638.6( M+1)、100%)。 3β−(1,5,10−トリアザデシル)コレスタ−7α,24ξ−ジオール (2016)の調製: 化合物2015β(0.0128g、0.02mmol)の無水EtOH(8 ml)溶液に、触媒量の10%Pd/Cおよび2滴の濃塩酸を滴下した。混合物 をパール(Parr)の水素化装置に配置し、55psi(H2)下で24時間 振とうした。溶液をセライトパッドで濾過し、残留物をEtOHおよびMeOH で十分に洗浄し、溶媒を真空下で除去した。所望の精製物2016(0.007 4g、68%)を得た。生成物がTLCで不純物を含有しなかった場合は、さら に精製することなしに使用した。TLCで不純物が観察された場合には、物質を フラッシュクロマトグラフィーによって精製した(SiO2、CH2Cl2:MeO H:NH4OH15:4:1)。1H−NMR(500MHz、CD3OD)Δ:3 .79(s、1H、C−7H)、3.22〜3.13(m、6H、2×CH2 NおよびC−24HおよびC−3H)、3.09(t、J=7.4、2H、C 2 N)、2.99(t、J=7.3Hz、2H、C 2N)、0.87(s、3H、C −19H)、0.694(s、1.5H、C−18H、C−24位のジアステレオ マー)、0.691(s、1.5H、C−18H、C−24位のジアステレオマー )。 スクアラミン(化合物1256)の調製: 化合物2016(0.0176g、0.032mmol)を濃塩酸のMeOH 溶液(10mlMeOH中濃塩酸1ml)に溶解した。溶液を15分間攪拌し、 真空下で溶媒を除去した。乾燥した粗生成物に、SO3−ピリジン複合体(0. 010g、0.064mmol)を添加し、フラスコにアルゴンを通気した。無 水ピリジン(1ml)を添加し、油浴中で溶液を80℃まで加温し、2時間攪拌 した。MeOH(2ml)を添加した。フラスコを油浴から出し、混合物を15 分間攪拌した。真空下で溶媒を除去し、残留物をMeOHに懸濁し、セライトパ ッドで濾過した。残留物をMeOHで十分に洗浄した。フラッシュクロマトグラ フィー(SiO2、CH2Cl2:MeOH:NH4OH12:4:1)により、所 望の生成物1256(0.0113g、56%)を白色固形物として得た。1H −NMR(500MHz、CD3OD)Δ:4.13〜4.10(m、1H、C− 24H)、3.79(s、1H、C−7H)、3.22〜3.10(m、5H、C 2 N)、3.08(t、J=6.7Hz、2H、C 2N)、2.98(t、J=6. 8Hz、2H、C 2N)、0.87(s、3H、C−19H)、0.70(s、3 H、C−18H);MS(pos.FAB)m/z628.4(M+1、57%)、 548.5(M+1−SO3、23%)、530.5(M+1−H2SO4、100% );高分解能MS(pos.FAB)m/z628.4669(計算値:628. 4723)。 5,10−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,5,10−トリアザデカン(3 01)の調製: ニトリル2018(0.0624g、0.181mmol)の無水Et2O( 0.30ml)溶液をLiAlH4(0.024g、0.63mmol)の無水 ジエチルエーテル(1ml)懸濁液に0℃において添加した。混合物を0℃にて 30 分間攪拌した。NaOH水溶液(1M)を添加して、過剰のLiAlH4を中和 し、得られた白色の懸濁物をセライトパッドで濾過した。残留物をEt2Oで十 分に洗浄し、有機層を合わせて、H2Oで洗浄した。H2O層をEt2Oで抽出し 、エーテル層を合わせて、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥 し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物301(0.056g、88% )の1H−NMRスペクトル(500MHz)は、文献(Tetrahedra n46,1990,3267−3286)に報告されているものと同じであり、 この物質を精製しないで使用した。 7α−ベンゾイルオキシ−3ξ−(5,10−ジ−t−ブトキシカルボニル) −1,5,10−トリアザデシル)−24ξ−t−ブチルジメチルシリルオキシ コレスタン(2020)の調製: 化合物2013aから化合物2014aに転換させるために上記した方法を使 用して、化合物2013b(0.110g、0.1726mmol)を化合物2 020(0.166g、99%)に転換させた。1H−NMR(500MHz、 CDCl3)Δ:8.19(d、J=7.6Hz、1/2H、ベンゾエート−Ar H)、8.05(d、J=7.4Hz、3/2H、ベンゾエート−ArH)、7.6 1〜7.58(m、1H、ベンゾエート−ArH)、7.55〜7.45(m、2 H、ベンジルAr−H)、5.23(s、1/4H、C−7H)、5.16(s、3/ 4H、C−7H)、4.78〜4.64(m、1H)、3.40〜3.22(m、2 H)、3.20〜3.06(m、3H、NC 2)、2.98〜2.8(m、4H、 NC 2)、0.673(s、1.5H、C−18、C−24位のジアステレオマ ー)、0.667(s、1.5H、C−18、C−24位のジアステレオマー)。 7α−ベンソイルオキシ−3α−(1,5,10−トリアザデシル)コレスタ ン−24ξ−オール(2021α)および7α−ベンゾイルオキシ−3β−(1 ,5,10−トリアザデシル)コレスタン−24ξ−オール(2021β)の調 製: 化合物2014aを化合物2015αおよび2015βに転換するために上記 した同じ方法で、化合物2020(0.166g、0.1717mmol)を化 合物2021αおよび2021β(3αおよび3β生成物の1:1混合物の定量 的収量)に転換した。化合物2021β:1H−NMR(500MHz、CD3O D)Δ:8.01(d、J=8.3Hz、2H、ベンゾエート−ArH)、7.6 1〜7.59(m、1H、ベンゾエート−ArH)、7.51〜7.45(m、2 H、ベンジル Ar−H)、5.14(s、1H、C−7H)、3.20〜3.15 (m、1H)、2.90〜2.75(m、4H、NCH2)、2.72(t、J=6. 9Hz、2H、NC 2)、2.65(t、J=6.7Hz、2H、NCH2)、0 .85(s、3H、C−19H)、0.726(s、1.5H、C−18、C−2 4位のジアステレオマー)、0.723(s、1.5H、C−18、C−24位の ジアステレオマー);MS(pos.FAB)m/z652.5(M+1、100 %)、530.5(M+1−HOBz、6%)。化合物2021α:1H−NMR( 500MHz、CD3OD)Δ:8.01(d、J=8.3Hz、2H、ベンゾエ ート−ArH)、7.61〜7.59(m、1H、ベンゾエート−ArH)、7. 51〜7.45(m、2H、ベンジルAr−H)、5.12(s、1H、C−7H) 、3.19〜3.15(m、1H)、2.86(s、1H)、2.70〜2.60( m、4H、NC 2)、2.60〜2.54(m、2H、NC 2)、2.54〜2 .49(m、2H、NC 2)、0.73(s、3H、C−24位のジアステレオマ ー);MS(pos.FAB)m/z652.5(M+1、100%)、530.5 (M+1−HOBz、10%)。 7α−ベンゾイルオキシ−3α−(1,5,10−トリアザデシル)コレスタ ン−24ξ−硫酸塩(2022)の調製: 化合物2016を化合物2017に転換するために上記した方法のように、化 合物2021α(0.0214g、0.0328mmol)を化合物2022( 0.0190g、79%)に転換した。1H−NMR(500MHz、CD3OD )Δ:8.21〜8.14(m、2H、ベンゾエート−ArH)、7.62〜7. 50(m、2H、ベンゾエート−ArH)、5.18〜5.09(m、1H、C− 7H)、4.22〜4.16(m、1/2H、C−24H)、4.10〜4.06( m、1/2H、C−24H)、3.43(br、s、1H、C−3H)、3.22〜 3.10(m、5H、C 2N)、3.09(t、J=7.5Hz、2H、 C 2N)、3.04(br、s、2H、C 2N)、2.99〜2.96(m、2H 、C 2N)、0.60(s、3/2H、C−18H)、0.52(s、3/2H、C −18H)(注:化合物はC−24位のジアステレオマーの混合物である)。 3−エピスクアラミン(388)の調製: 化合物2022(0.066g、0.085mmol)をKOHのメタノール 溶液(5%、%ml)に溶解し、7時間還流した。TLCにより出発物質が確認 されなかった。濃塩酸の5%(v/v)メタノール溶液による中和に次いで、溶 媒除去およびフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2:MeOH :NH4OH12:4:1)により、所望の生成物2023(0.0365g、 67%)を得た。1H−NMR(500MHz、CD3OD)Δ:4.14〜4. 09(m、1H、C−24H)、3.80(s、1H、C−7H)、3.48(s、 1H、C−3H)、3.24〜3.15(m、4H、C 2N)、3.10(t、J =7.4Hz、2H、C 2N)、3.01(t、J=7.1Hz、2H、C 2N )、0.86(s、3H、C−19H)、0.69(s、3H、C−18H);M S(pos.FAB)m/z628.5(M+1、18%)、548.5(M+1− SO3、65%)、530.4(M+1−H2SO4、100%;高分解能MS(p os.FAB)m/z628.4713(計算値:628.4723)。 3−エピスクアラミンデスルフェート(3α−(1,5,10−トリアザデシ ル)コレスタン−7α,24ξ−ジオール、387)の調製: 化合物2015βを化合物2016に転換させるために上記したように、化合 物2015α(0.089g、0.1397mmol)を化合物387(0.0 372g、49%)に転換した。1H−NMR(500MHz、CD3OD)Δ: 3.80(s、1H、C−7H)、3.48(s、1H、C−3H)、3.24〜3 .15(m、4H、C 2N)、3.10(t、J=7.4Hz、2H、C 2N)、 3.00(t、J=7.3Hz、2H、C 2N)、0.86(s、3H、C−19 H)、0.69(2s、3H、C−18H)、MS(pos.FAB)m/z548 .5(M+1、100%);高分解能MS(pos.FAB)548.5162( 計算値:548.5155)。実施例S 化合物399の調製: 3−オキソ−4−コレン酸メチルエステル3002の調製: 3β−ヒドロキシ−5−コレン酸メチルエステル3001(24.16g、5 7.11mmol)と、アンモニウムトリ−t−ブトキシド(56.27g、2 28.43mmol)と、イソプロピルメチルケトン(50ml)の無水トルエ ン(150ml)溶液を攪拌し、120℃まで(油浴)6時間加熱した。次いで 、反応混合物を室温まで冷却し、トルエン(100ml)で希釈し、2NHCl (70ml)で酸性化した。有機層を分離し、水層をトルエン(3×50ml) で抽出した。有機層を合わせて、水(1×50ml)、飽和NaHCO3(2×50 ml)、水(1×50ml)、食塩水(1×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4 )、濾過し、真空下で蒸発させ、粗生成物を得た。トルエン、次いで酢酸エチル /ヘキサン(5、10、20および40%)溶媒系を使用した粗生成物のフラッ シュクロマトグラフィーにより、不純物を含まない、白色固形物、3−オキソ− 4−コレン酸メチルエステル3002(13.43g、60%)を得た。1H− NMR(400MHz、CDCl3)Δ:0.71(3H、s、18−CH3)、0 .90(3H、d、21−CH3)、1.17(3H、S、19−CH3)、3.66 (3H、s、CO2CH3)および5.71(1H、s、4−H)。 3−オキソ−5α−コラン酸メチルエステル3003の調製: 3−オキソ−4−コレン酸メチルエステル3002(13.0g、23.68 mmol)の無水エーテル(50ml)溶液に、蒸留した液体アンモニア(70 ml)を−78℃にて添加した。青色が10分間持続して発色するようになるま で、リチウム(1.0g、144.1mmol)を少量添加した。その後、溶液 を固形のNH4Cl(50g)で中和した。アンモニアを蒸発させ、得られた残 留物を水(100ml)とエーテル(150ml)とに分配した。水溶液をエー テル(3×50ml)でさらに抽出した。抽出液を合わせて、食塩水で洗浄し( 1×70ml)、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮し、粗生成物を得た 。酢酸エチル:ヘキサン(2:8)を使用したシリカゲルでの粗生成物のフラッ シュクロマトグラフィーにより、不純物を含有しない3−オキソ−5α−コラン 酸メチルエステル3003(3.85g、29%)を得た。1H−NMR(40 0MHz、CDCl3)Δ:0.69(3H、s、18−CH3、0.91(3H 、 d、21−CH3)、1.02(3H、s、19−CH3)および3.66(3H、 s、CO2CH3)。 N−(3’−アミニプロピル)−N,N’−(ジ−第3級−ブトキシカルボニ ル)−1,4−ジアミノブタン301の調製: (a)1,4−ジアミノブタン(8.6g、97.6mmol)のメタノール (3.0ml)溶液に、アクリロニトリル(6.2g、116.8mmol)の メタノール(3.0ml)溶液を0℃にて添加し、混合物を12時間攪拌した。 真空下での溶媒の蒸留により、N−(2’−シアノエチル)−1,4−ジアミノ ブタンを無色の油状物質として得た(11.0g、80%)。1H−NMR(40 0MHz、CDCl3)Δ:1.45(4H、br、−CH2CH2−)、2.46( 2H、t)、2.58(2H、t)、2.62(2H、t)および2.84(2H、 t)。 (b)N−(2’−シアノエチル)−1,4−ジアミノブタン(5.6g、4 0mmol)のジクロロメタン(140ml)溶液に、ジ−t−ブチルジカルボ ネート(1.92g、88mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液を室温 にて滴下し、混合物を12時間攪拌した。有機溶媒を真空下で除去し、残留した 油状物質を酢酸エチル(150ml)に溶解し、飽和NaHCO3(2×75ml )、水(2×75ml)、食塩水(75ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発 させて、粗粘性油を得た。粗生成物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラ フィーによって精製し、不純物を含有しない(N−(2’−シアノエチル)−N ,N’−(ジ−t−ブトキシカルボニル)−1,4−ジアミノブタンを無色の粘 性油(8.4g、75%)として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3 )Δ:1.44(9H、s、t−Boc)、1.46(9H、合併s、t−Boc) 、2.60(2H、m)、3.15(2H、m)、3.28(2H、t)および3. 45(2H、t);CIMS(m/e):342(M+1、62%)、239(100% )、186(83.1%)。 (c)水素化アルミニウムリチウム(1.8g、48.9mmol)の無水エ ーテル(300ml)懸濁液に、0℃にて、N−(2’−シアノエチル)−N, N’−(ジ−t−ブトキシカルボニル)−1,4−ジアミノブタン(4.8g、 13.8mmol)の無水エーテル(150ml)溶液を滴下し、混合物を30 分間攪拌した。過剰な水素化アルミニウムリチウムを0℃にて、1NNaOHで 中和し、得られた白色懸濁物をセライトで濾過し、エーテルで洗浄し、エーテル 抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で蒸発させ、粗 油を得た。粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、不 純物が含有されていないN−(3’−アミノプロピル)−N,N’−(ジ−t− ブトキシカルボニル)−1,4−ジアミノブタン301(3.3g、68%)を 無色の油状物質として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)Δ:1 .44(18H、s、2(t−Boc))、2.68(2H、t)、3.05〜3.2 5(6H、br)、および4.65(1H、br);CIMS(m/e):346(M+ 1、100%)、290(3.1%)、246(32.2%)。 3β−N−1−{N[3−(4−アミノブチル)]−1,3−ジアミノプロパン }−24−ヒドロキシ−5α−コラントリヒドロクロライド3005の調製: 3−オキソ−5α−コラン酸メチルエステル3003(3.0g、7.73m mol)とN−(3’−アミノプロピル)−N,N’−(ジ−t−ブトキシカル ボニル)−1,4−ジアミノブタン301(4.01g、11.60mmol) のメタノール溶液(150ml)に、3Å分子ふるい(10g)およびNaCN BH3(0.73g、11.61mmol)とを添加した。反応混合物を室温で 16時間攪拌した。セライトで濾過後、メタノールを真空下で除去した。残留物 をメタノール(50ml)に溶解し、次いで予めHClガスを飽和させおいたメ タノール(15ml)を添加した。反応混合物を室温で6時間攪拌した。真空下 でメタノールを除去した後、粗生成物をテトラヒドロフラン(100ml)に溶 解し、次いで水素化アルミニウムリチウム(1.50g、39.52mmol) を一度に添加した。反応混合物を緩やかに8時間還流した。反応混合物を0℃ま で冷却し(氷浴)、次いで白色固形の顆粒状物質が形成されるまで、2NNaOH を滴下した。フラスコを傾斜させてテトラヒドロフランを除き、残留物をトルエ ン(3×50ml)で抽出し、有機層を合わせて、乾燥し(K2CO3)、濾過し、 真空下で蒸発させて、残留物を得た。残留物を無水メタノール(50ml)に溶 解し、次いでHClガスを予め飽和させたメタノール(20ml)を添加し た。1時間後、過剰なメタノールを真空下にて除去し、白色固形物を得た。クロ ロホルム:メタノール:イソプロピルアミン(15:1:1)を使用したシリカ ゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、不純物を含有 しない3β−N−1−{N[3−(4−アミノブチル)]−1,3−ジアミノプロ パン}−24−ヒドロキシ−5α−コラントリヒドロクロライド3005(1. 10g、24%)。1H−NMR(400MHz、CD3OD)Δ:0.71(3H 、s、18−CH3)、0.89(3H、s、19−CH3)、0.96(3H、d、 21−CH3)、2.90〜3.40(9H、m)および3.51(2H、br t、CH2O);MS−FAB(陽イオン):490(M+1、100%)、419( 8%)および360(7.5%)。 3β−N−1−{N[3−(4−トリフルオロアセチル)アミノブチル)]− 1,3−ジ(トリフルオロアセチル)ジアミノプロパン}−24−ヒドロキシ− 5α−コラン3006の調製: 3β−N−1−{N[3−(4−アミノブチル)]−1,3−ジアミノプロパン }−24−ヒドロキシ−5α−コラントリヒドロクロライド3005(0.95 g、1.58mmol)の無水メタノール(20ml)溶液に、室温で無水トリ エチルアミン(2.29ml、15.8mmol)を添加し、次いでエチルトリ フルオロ酢酸(2.8ml、23.53mmol)を添加し、混合物を20時間 攪拌した。過剰のメタノールおよび低沸点有機試薬を真空下にて除去することに よって、白色残留物を得た。残留物を酢酸エチル(50ml)に溶解し、次いで 2NHCl(3×20ml)、水(2×20ml)、飽和NaHCO3(3×20m l)および食塩水(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真 空下にて蒸発させて、不純物を含有しない白色固形物、3β−N−1−{N[3 −(4−トリフルオロアセチル)アミノブチル)]−1,3−ジ(トリフルオロ アセチル)ジアミノプロパン}−24−ヒドロキシ−5α−コラン3006(0 .77g、73%)を得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)Δ:0. 71(3H、s、18−CH3)、0.89(3H、s、19−CH3)、0.96( 3H、d、21−CH3)、3.01〜3.57(11H、m、4×CH2N+1× CHN+CH2O)。 3β−N−1−{N[3−[4−トリフルオロアセチル)アミノブチル)]− 1,3−ジ(トリフルオロアセチル)ジアミノプロパン}−24−ヒドロキシ− 5α−コラン24−ピリジニウム硫酸3007の調製: 化合物3006(0.70g、1.05mmol)の乾燥ピリジン(20ml )溶液に、室温にて、三酸化硫黄ピリジン複合体(0.75g、4.71mmo l)を添加し、混合物を6時間攪拌した。真空下にて過剰なピリジンを除去し、 固形の残留物を得、この固形物からクロロホルム(5×20ml)を用いて硫酸 化化合物を抽出した。クロロホルムを除去することによって、白色の固形物、3 β−N−1−{N[3−[4−トリフルオロアセチル)アミノブチル)]−1, 3−ジ(トリフルオロアセチル)ジアミノプロパン}−24−ヒドロキシ−5α −コラン24−ピリジニウム硫酸3007と過剰の試薬(1.0g)とを得た。 さらに精製することなしに、粗生成物を次の工程に使用した。 3β−N−1−{N[3−(4−アミノブチル)]−1,3−ジアミノプロパン }−24−ヒドロキシ−5α−コラン24−硫酸カリウム(399)の調製: 粗化合物3007(1.0g)のメタノール溶液(25ml)に、室温にて、 炭酸カリウム水溶液(10ml)を添加し、混合物を終夜攪拌した。18時間後 、過剰のメタノールおよび水を真空下にて除去し、残留物を得た。残留物をメタ ノール(3×30ml)で抽出した。メタノール抽出液を合わせて、真空下にて 濃縮し、粗生成物を得た。ジクロロメタン:メタノール:水酸化アンモニウム( 7:2:1)(使用前にMgSO4で乾燥した)を使用したシリカゲルで、粗生 成物をフラッシュクロマトグラフィーすることによって、白色固形物、3β−N −1−{N[3−(4−アミノブチル)]−1,3−ジアミノプロパン}−24− ヒドロキシ−5α−コラン24−硫酸カリウムすなわち化合物399(0.22 g、化合物3006に対して35%)。1H−NMR(400MHz、CD3OD )Δ:0.74(3H、s、18−CH3)、0.92(3H、s、19−CH3)、 1.0(3H、d、21−CH3)、2.95−3.24(9H、m)および4. 00(2H、br t、CH2OSO3);MS−FAB(陽イオン)(m/e):5 70(M++2、85%)、490(44%)、430(15%)、402(16%); MS−FAB(陰イオン)(m/e):568(M+、3.7%)、495(1 0%)、452(7%)、438(17%)、423(14%)。実施例T 化合物1436の調製: この化合物は、β−アラニンアルデヒドをカップリングさせ、次いで以下の略 図に示すように還元することによって、スクアラミンから容易に調製できる: 上記の方法によって、サメの肝臓に大量に含有されるスクアラミンから、スク アラミンの約5%の量が含有される化合物1436へ容易に転換させられる。 本願明細書の表IおよびIIに示す化合物などの他のアミノステロール化合物 も、上記と同様の方法で調製できる。治療活性および利用性 スクアラミンなどのアミノステロール化合物は、NHEの効果的な阻害剤であ ることが見いだされている。スクアラミンの抗菌作用機序を解明しようとする際 に、スクアラミンは都合のいいことに特定のNHEアイソフォーム、すなわちN HE3を阻害するが、NHE1を阻害しないことが見出されている。また、スク アラミンは特殊な機序を介して交換体を阻害することが調べられている。スクア ラミンおよび他のアミノステロールの特殊で、有利な作用および有用性は、さら に、以下に考察する実験結果からあきらかである。 NHE3の特異的阻害: スクアラミンの、NHE阻害の特異性を測定するために、テセ(Tse)らが ジャーナル バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)19 93年、268巻、11917〜11924ページに概説した手法によって、ヒ トNHE1またはヒトNHE3を発現する細胞株に対するスクアラミンの作用を 検定した。酸負荷後、または酸負荷を行わないで、内部pHを測定し、結果を図 1Aおよび図1Bに示す。 特に、レビン(Levine)らが、ジャーナル バイオロジカル ケミスト リー(J.Biol.Chem.)1993年、268巻、25527〜255 35ページに記載したダルベッコの改良イーグル(Dulbecco’s−mo dified Eagle’s)補足培地でウサギNHE3をトランスフェクト したPS120繊維芽細胞を増殖させた。レビン(Levine)らが記載した ように、pH指標として、蛍光色素BCECF−AM(2',7’−ビス(カル ボキシエチル)−5(6)−カルボキシフルオレセインアセトキシメチルエステ ル)を使用して、5μg/mlスクアラミンで処理した後の内部pH変化につい て、ガラスカバー上に増殖させたトランスフェクト細胞を検定した。40mMN H4Clと接触させることによって酸で前負荷した細胞について、細胞外ナトリ ウムイオン濃度回復の関数としてpH回復速度をモニターし、その結果を図1A に示す。酸で前負荷しなかった細胞については、スクアラミン添加後の時間の関 数として実際の内部pH値をモニターし、その結果を図1Bに示す。 図1Aおよび図1Bからわかるように、スクアラミンはKm値およびVmax値の プロトン濃度においてNHE3を阻害した。一方、アミロライドなどの既存の薬 剤はVmaxにのみ影響を与えた。 このように、アミノステロールスクアラミンは、細胞が分泌しうるプロトンの 絶対数を低下させる(Vmax作用)ばかりでなく、この阻害剤の存在下で細胞に pHを低下させる(Km作用)。結果として、ナトリウム/プロトン交換体は、ア ミロライドよりもスクアラミンによってより顕著に不活性化される。 図1Aおよび図1Bに示すNHE3に対する作用とは異なり、スクアラミンは 図2Aおよび図2Bに示すようにヒトNHE1およびウサギNHE1に阻害作用 を示さなかった。ウサギまたはヒトNHE1をトランスフェクトしたPS120 繊維芽細胞を上記のように増殖させた。蛍光色素BCECF−AMと、40mM NH4Clに接触させることによって、酸で前負荷した細胞とを使用して5μg/ mlスクアラミンで処理した後の内部pH変化についても、ガラスカバー上に増 殖させたウサギNHE1(図2A)またはヒトNHE1(図2B)を発現するト ランスフェクト細胞を検定した。細胞外ナトリウムイオン濃度回復の関数として pH回復速度をモニターした。 また、図1Bよりあきらかなように、これらの細胞の定常pHも阻害された。 このように、プロトン交換に対してスクアラミンが影響を与えることによって、 細胞は、ポンプが活性化される前に、スクアラミンの存在下でpHを低下させら れる。 これらの研究によって、スクアラミンは、NHE1よりもNHE3に対して特 異性を有する阻害剤であることが発見されている。さらに、スクアラミンはポン プが活性化される前に、細胞にpHを低下させる阻害剤とされている。図1A、 1B、2Aおよび2Bに示す結果は、スクアラミンは特有のNHE特異性を示す ことを表している。 NHE3の発現: NHE3に対するこのような特異的な影響が重要であることのにはいくつかの 理由がある。NHE3は、限られた細胞種の先端面に含有され、NHE1よりも さらに特殊化されている。治療上特に関心が集まる細胞は内皮細胞である。 PCRを使用して、ヒト微小血管およびヒト肺動脈内皮細胞におけるこの対向 輸送体の発現があきらかになった。チョムクツィンスキー(Chomczyns ki)らの改良法、アナル バイオケム(Anal. Biochem.)198 7年162巻156ページ、によって、原ヒト肺動脈内皮細胞(HPAEC)、ヒ トメラノーマ細胞wm1617およびヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)か ら総RNAを単離し、次いで一次鎖cDNA合成キット(Clontech L aboratories,Palo Alto,CA)を使用してMMLV逆転 写酵素で逆転写した。クローンテック(Clontech)社から入手したヒト 小腸総RNAも同様に逆転写した。 アンプリタックディーエヌエーポリメラーゼキット(AmpliTaq DN A Polymerase kit(Perkin Elmer,Norwal k,CT))の試薬と、ヒトNHE3に特異的な2種のオリゴヌクレオチド(B 13:5’−CATCTGGACCTGGAACACG−3';B14:5’− CGTAGCTGATGGCATCCTTC−3')の各々を400ngを含有 する50μl反応混合物中で、約80ngのcDNA産物を温度変化94℃で5 分を1サイクル、94℃で50秒、57℃で1分、71℃で2分を38サイクル 、最後に72℃で10分、その後4℃に冷却するサイクルを行い増幅した。この 試料の20μlを1.7%アガロースゲルで分析した。以下の表2に示すように 、ほとんどの例において約550bpの予想されたNHE3のPCRバンドが観 察された。 各PCR反応物の1μlを、2種の内部プライマー(B15:5’−CTGG TCTTCATCTCCGTGTAC−3';B16:5’−AGCTCGTG GAA−GACATTCAGG)を用いて、温度変化94℃で5分を1サイクル 、94℃で50秒、58℃で1分、71℃で2分を35サイクル、最後に72℃ で10分、次いで4℃に冷却するサイクルで、さらに50μl反応混合物中で、 ネスティド(nested)PCRによって分析した。この反応物の約20μl をさらに1.7%アガロースゲルで分析した。以下の表に示すように、全ての場 合において、約490bpの予想されたNHE3のPCRバンドが観察された。 HPAECおよびHMVECネスティドPCRバンドの末端部からのDNA塩基 配列解析によって、両者は予想されたヒトNHE3の塩基配列を有することが確 認された。 このように、多種の内皮細胞の増殖/形状に関連がある事象はスクアラミンお よび機能的関連化合物によって阻害される。以下に記載した実験を実施して、こ のアミノステロールの効果を評価した。 インビトロにおける、内皮細胞、繊維芽細胞および上皮細胞の増殖阻害: 形質転換されていないヒト細胞をスクアラミンの濃度を増加させる条件下で増 殖させるとき、以下の実験によって示すように、内皮細胞はスクアラミンに対し て特に感受性を示す。ウシ肺内皮細胞、ヒト上皮細胞株MCF10A、およびヒ ト包皮繊維芽細胞を、ペプチドおよびスクアラミンを含む12種の膜作用剤の存 在下でインキュベートした。 具体的には、ウシ肺内皮細胞、ヒト上皮細胞系MCF10A、およびヒト包皮 繊維芽細胞を以下の12種の膜作用剤:(1) RGD[KIAGKIA]3−NH2 ;(2) d−[KKLLKKL]2−NH2;(3) スクアラミン;(4) SWLS KTAKKLENSAKKRISEGIAIAIQGGPR;(5) FLGGL IKIVPAMICAVTKKC;(6) マガイニン(Magainin)2;( 7) PGLA;(8) GFASFLGKALKAALKIGANLLGGTPQ Q;(9) PR−39;(10) 1−[KKLLKKL]2−NH2(11)セクロ ピン(Cecropin)B;および(12)[KIAGKIA]3−NH2の存在 下でインキュベートした。細胞増殖は600nmの吸光度によって測定した。結 果を図3A〜3Cに示す。 図3Aからあきらかなように、スクアラミンは1μg/mlでウシ肺動脈内皮 細胞(BPE)の増殖を阻害した。一方、10μg/mlでは上皮細胞(図3B )および繊維芽細胞(図3C)系の増殖に全く影響を与えなかった。しかしなが ら、上皮細胞の増殖を阻害したペプチドはBPEに対しては全く影響を与えなか った。このように、内皮細胞は、繊維芽細胞および上皮細胞よりもスクアラミン に対する感受性が強い。 インビトロにおける内皮細胞の索状組織形成阻害 内皮細胞は、インビトロの種々の早期形成段階において、毛細管に似た管状集 合物を形成する能力を有する。必須増殖因子と効果的な基層のある比較的特異的 な条件下で、このような変換が生じる。増殖因子と内皮細胞との相互作用および 基層への付着がNHEを活性化することが報告されている。この交換体の活性化 は、内皮細胞の多細胞管状構造への形態変換が続いて生じるために必要であると 考えられる。 VGEF(血管内皮増殖因子)の存在下で培養したとき、ヒト微小血管細胞が 形成する索状様構造に対する化合物の効果と、コラーゲンマトリックスに対する 塩基性繊維芽細胞増殖とを評価するために、標準的な索状組織形成検定法を使用 した。結果を以下の表に示す。 表3に示すように、スクアラミンは約0.1μg/mlで索状組織形成を阻害 し、これと比較して、フマギリン(Fumagillin)は10μg/mlで 同活性を示す。これらの濃度では、スクアラミンは細胞の生存または増殖に顕著 に影響するとは思われない。インビトロにおけるこのような性質は、さらに複雑 なインビボモデルにおける抗血管新生作用とおおよそ関連があると思われる(G oto et al.,Lab Investigation69,1993, 508−518参照)。 LPSの誘導による好中球のヒト臍静脈内皮細胞への付着: リポポリサッカライド(LPS)およびある種のサイトカインによるある種の 刺激に内皮細胞を接触させると、細胞膜上に特定の接着分子が誘導され、白血球 の結合を促進する。これらの白血球−内皮細胞相互作用は、細菌侵入部位への白 血球の局在化および毛細血管から周囲組織空間への白血球の血管外遊出の促進に 必要であると考えられる。白血球接着分子には、セレクチン(Selectin s)およびICAM−1がある。 スクアラミンがこの特別な内皮細胞機能を阻害するかどうかを測定するために 、ギャンブル(Gamble)らの、ジェイ イム メソッド(J.Imm.M ethods)1988年109巻175〜184ページに概説されるように、 標準的な接着検定法を実施した。内皮細胞系における細胞表面リガンドの発現は 、ヒト臍静脈内皮細胞、精製好中球およびLPS(100ng/ml)およびT NF−α(40ng/ml)などの細胞表面リガンドの誘導因子を使用する系で の顆粒球への接着を起こすことが報告されている。これらの実験系において、ウ ェルあたり約2×105個のヒト臍静脈細胞(継代数2〜6)を播種した。無血 清培地で終夜細胞を増殖させた。誘導するために、好中球を添加する6時間前に TNF−α(40ng/ml)を内皮細胞に添加するか、または4〜6時間前に LPS(100ng/ml)を添加した。LPS結合たんぱく質の原料を提供す ることために、ウェルに1%FBSを添加することによってLPS応答が増加さ れることが見出された。内皮細胞の活性化後に、ウェルあたり約50×106個 の好中球を添加した。プレートを室温で30分緩徐に振とう後に、培地を除去し 、無血清培地で3回洗浄し、各ウェルの写真を撮影した。LPSまたはTNF− α添加時に10μg、1.0μgまたは0.1μgのスクアラミンをに添加する ことによって、スクアラミンの影響を試験するための実験を実施した。好中球の 添加時に第2の同量のスクアラミンを添加した。ICAM−1のモノクローナル 抗体を陽性対照とした。 3種の濃度を使用したとき、活性化ヒト内皮細胞を使用した好中球接着に対す るスクアラミンの阻害作用は観察されなかった。好中球の添加前にICAM−1 のモノクローナル抗体40μg/mlを添加したときは、約50%の接着阻害が 観察された。 これらの結果は、インビトロにおいては、スクアラミンによる内皮細胞のNH Eの阻害は、増殖および毛細管形成に影響を与えるが、この細胞内の全ての信号 伝達経路を阻害するわけではないことを示している。このように、白血球を感染 部位へ遊走させる内皮細胞の能力などのある種の”ハウスキーピング”機能はス クアラミンによって妨害されない。これは、スクアラミンは血管新生を阻害する ために使用することはできるが、感染部位または炎症部位への白血球の遊走など のある種の重要な内皮細胞機能を阻害することはないことをあきらかにしている 。 増殖阻害作用: 漿尿膜モデル: 典型的な漿尿膜モデルを使用して、スクアラミンが毛細管増殖阻害剤であるこ とが見出されている。漿尿膜モデル(CAMモデル)内において増殖中の毛細管 は、新たな血管増殖を阻害する能力に関して薬剤の効果を評価する系として使用 されている。血管新生は、胚発生の第1週に極めて活発である。その後、毛細管 増殖は、”新規”形成ではなく、主に”伸長”が特徴となる。 標準的な検定法においては、薬剤は、血管新生が生じる胚領域に局所的に適用 される。薬剤適用から約7日に目視検査によって評価して、この過程を阻害する 能力によって薬剤を評価する。新規毛細管形成期間中に血管の増殖を阻害するが 、毛細管形成期以降の毛細管増殖は阻害しない薬剤は、特異性の低い毒性物質と は識別され、”特異的な”血管新生阻害剤として一般に認められる。使用した検 定法は、アウエルバッハ(Auerbach)らの、ファルマ セラ(Phar ma.Ther.)1991年51巻1〜11ページに詳細に記載されている。 結果を以下に表で示す。 表4からわかるように、3日令CAMに0.65μg程度のスクアラミンを適 用しても、CAM血管の血管新生が阻害された。一方、13日令のヒナに10倍 量のスクアラミンを適用しても阻害作用は発揮されなかった。 このように、典型的な血管新生検定法において、スクアラミンは、文献に現在 までに記載されている最も活性の強い化合物の効力に匹敵して、強力ではあるが 、特異的な阻害活性を示した。この作用は、毛細管増殖の毒性作用による阻害で はなく、血管新生の抑制に相当する。 3〜5日ヒナ胚モデルの卵黄毛細管 ”典型的な”ヒナ漿尿膜モデルにおけるスクアラミンを評価する経過において 、このステロイドは3〜5日令のヒナ胚の毛細管の血管構造に劇的で急速な影響 を与えることが観察された。ヒナ胚卵黄毛細管検定法を使用して、毛細管の退行 を誘導する能力について、この化合物を試験した。0.1mlの15%フィコー ル(Ficol)400およびPBS中の胚に各化合物を添加し、60分後に血 管 の退行を評価した。 スクアラミンは3−〜5−日令ヒナ胚の卵黄毛細管を阻害することが見出され た。3日令ヒナ胚は、多数の血管が出現し、”数字の8”形の構造をとる、すな わち、両極に向かって外側に伸びる血管の輪の中心に胚が位置する胚盤からなる 。この胚構造にスクアラミンを適用することによって(15%フィコール(Fi col)およびPBS中0.1ml)、卵黄の血管の進行的な”じゅず状化(be ading up)”が生じ、最も細い毛細管からこのような変化を示し始める 。約15分の遅滞期の後、一般に”静脈”側の毛細管と第2の毛細管との間に狭 窄が観察された。拍動性の血流が絶え間なく続いたことにより、行き止まりにな った管が”膨潤”し、つながっていた部分が切れ、”血島”に似た閉じた血管嚢 が形成された。この過程は進行し、一番太い血管だけが無傷のまま残った。胚の 心臓は絶え間なく活発に拍動した。出血は見られず、毛細管構造の完全性を反映 している。また、血流中の赤血球の破壊は顕微鏡では観察されず、溶血が生じて いないことを示している。 毛細管の”退行”と通常呼ばれる事象を証明すると思われるこの検定法を使用 して、60分で効果を得るために必要なスクアラミンの最小濃度を決定すること ができる。結果を以下の表に示す。 表5からあきらかなように、培地0.1ml中にスクアラミンが0.1〜0. 01μg含有されていれば、変化を誘導できる。種々の範囲の活性を有する化合 物が見出され、スクアラミン、化合物319および化合物415が特に活性が強 かった。この実験は、試験したステロイドは数分の時間間隔で毛細管を劇的に再 構成できることを示している。この結果は、スクアラミンはNHEの阻害を介し てこの作用を発揮することを反映している。 オタマジャクシ検定法 オタマジャクシ、好ましくは発生段階59〜60のアフリカツメガエル(Xe nopus laevis)を使用する、新規に開発された検定法を使用して、 オタマジャクシの尾における毛細管の閉塞をモニターすることによって化合物の 効果を検討した。胚組織と成体期の組織とをともに有する変態による移行期を示 すので、これらの発生段階の動物を使用した。本発明の化合物は、胚組織の形状 、生存および完全性に影響するが、成体組織には影響せず、強力で、特異性の高 い選択性を有する。例えば、動物の成体および胚の上皮全てを破壊する物質は毒 性物質と認められる。胚組織のみを破壊する物質は非常に特有な特異性を示す。 本発明の検定法において、オタマジャクシを、試験化合物の蒸留水、好ましく はその100mlを入れたペトリ血に入れる。試験化合物の好ましい濃度は約1 μg/ml乃至約10μg/mlである。液体の容量は、動物が自由に泳ぎ、溶液 から水分を摂取するのに十分な量である。このように、観察される結果は、薬剤 が経口経由で吸収され、その後全身に分布して生じる。液体の容量が、経口経由 の摂取を可能にするほど十分でない場合には、観察される効果は、体表面上皮を 介する吸収によるものになるだろう。従って、本発明の簡単な検定法によって、 化合物が経口で利用可能かどうかを識別することができる。 本発明の検定法の別の実施態様において、標準的な方法を使用して、化合物の 水溶液を直接動物の腹腔内に注射してもよい。約0.05mg/ml乃至約0. 5mg/mlの化合物の約0.05ml水溶液の濃度が好ましい。 一定時間、典型的には約60分経過後に、約100倍の倍率の倒立顕微鏡下に て、オタマジャクシの尾の毛細管を通る血流の閉塞が観察される。 オタマジャクシを、10μg/mlのスクアラミンを含有する蒸留水中に入れ たとき、尾の毛細管の血流が止まるのが観察された。この過程は尾から頭部方向 に生じた。再も遠位部の血管内の血流が最初に止まり、次に太い血管内の血流が 止まった。この期間中、絶え間ない心拍動、大血管の拍動性膨張によってあきら かなように、循環器系は強靱性を保っており、極めて興味深いことには、四肢の 細い毛細管の血流は変化しないことが観察された。このように、血流の選択的な 停止が局部に観察された。動物をスクアラミン中に数日間維持すると、閉塞した 血管系によって灌流される動物の領域に対応して、尾ひれの末梢領域同様、尾の 最も遠位領域の閉塞の進行が観察される。 この作用は、あきらかに、尾の毛細管の定常期直径が選択的に変化することに よって生じる。内皮細胞のNHEを阻害することによって、あきらかに、毛細管 を形成する細胞の形状が変化し、血流が低下する。オタマジャクシの”成体”部 分(四肢)の毛細管床の機能が妨害されないのは、スクアラミンがある種の毛細 管に選択性を有することを示す。オタマジャクシの尾毛細管閉塞検定の結果から 、化合物319、スクアラミンおよび化合物1436が、一般的な血管閉塞作用 を誘導することが見出された。 メラノーマの増殖抑制: 経口および非経口投与経路によるマウスにおけるメラノーマの増殖抑制: C57BマウスのB16メラノーマの増殖は、血管新生に依存する。従って、 これは、癌の増殖に対する血管新生阻害剤の効果を評価するために認知されたモ デルである。 癌の増殖に対する血管新生阻害剤の評価のための認められたモデルである、C 57BマウスのB16メラノーマ細胞の増殖を利用して、スクアラミンの、皮下 投与、腹腔内投与および経口投与の効果を評価した。B16メラノーマ細胞の接 種物をC57Bマウスの背に皮下移植した結果、図4A〜4Cに示すように、3 0〜40日にわたってメラノーマ病変が進行的に増殖した。 このモデルでは、化学療法剤による治療の有無にかかわらず、転移の徴候はほ とんど観察されなかった。動物を皮下投与(図4A)、腹腔内投与(図4B)また は経口投与(図4C)によってスクアラミンで治療したとき、腫瘍容量の用量依 存的な抑制が観察された。体重および血液学的要因の測定では、大きな低下を 示さなかった。スクアラミン自身は、非常に高濃度の場合を除いて、培養中のB 16に対してわずかな細胞増殖抑制作用しか示さないので、腫瘍のこのような応 答は毛細管発生の妨害に二次的であると説明される。 免疫寛容マウスにおけるヒトメラノーマの増殖抑制: 図5からあきらかなように、メラノーマ1250Luは、RAG−1マウスに 移植後活発に増殖する。スクアラミンは、RAG−1マウスのメラノーマ120 5Luの増殖を用量依存的に抑制することが見出されている。 スクアラミンは、腫瘍が約0.1mlに到達後投与され、図5によってあきら かなように、腫瘍の用量依存的であきらかな抑制が見られた。処理中止後、腫瘍 の増殖は未処理の対照と同様の速度で持続した。これは、この状況におけるスク アラミンの影響は可逆的であることを示している。 ウサギにおける腫瘍による角膜血管新生の抑制: VX2癌細胞をウサギの角膜に移植することによって、数日以内に新たな血管 が誘導された(Tamargo et al.,Cancer Research 51,1991,672−675)。この癌は、新たな血管増殖を刺激する増殖 因子を分泌すると考えられる。このように、このモデルは、腫瘍の転移性拡散、 糖尿病性網膜症、黄斑変性およびリウマチ性関節炎を含む血管新生の病的疾患の 治療における治療有用性のインビボにおける証拠となる。 本実験は、公知の実験計画に基づき実施した。すなわち、評価する対象の薬剤 の一定濃度を含有するポリマーに隣接して腫瘍を移植した。ポリマーは腫瘍のす ぐ近くに徐々に薬剤を放出し、薬剤の局所濃度を高く持続させる。本実験におい て、ELVAX40P(DuPont,Wilmington,DE)のペレッ トに導入されたスクアラミンは、7日めおよび14日めには約60%、21日め には約25%新たな血管の形成を阻害した。 上記の実験によってあきらかなように、スクアラミンはNHE3の強力な阻害 剤となる。従って、スクアラミンは、インビボにおいて新たな血管形成が関与す る場合には常に、非常に有用な治療媒介となるはずである。 実際に、新たな血管形成に依存するいかなる病的な過程もNHE3の阻害によ って治療されうる。スクアラミンは、血管新生過程を阻害する薬剤として、血管 新生の妨害が病状進行の強度を低下させるような、血管新生の持続に依存する疾 患または障害の治療に対して治療上の有用性を有する。このように、スクアラミ ンは、固形腫瘍の増殖および転移、リウマチ性関節炎、乾癬、糖尿病性網膜症、 黄斑変性、血管新生緑内障、乳頭腫、水晶体後方線維増殖および臓器拒絶反応を 含む障害の治療に有用である。 さらに、他のアミノステロールは抗血管形成作用を示すことが報告されている 。上記のような、利用性を判定するための、ヒナ胚毛細管退行検定、オタマジャ クシ検定、内皮索状組織形成を阻害するための検定およびNHEを直接阻害する ための検定を含む種々の検定法を化合物について実施した。上記のデータからあ きらかなように、ヒナ、オタマジャクシおよびインビトロにおける内皮細胞の索 状組織形成阻害から得られた結果はすぐれた相関性を示す。 これらの検定法を適用することによって、スクアラミンのすぐれた代替物とし て化合物319が見いだされた。実際に、NHE阻害剤としての効力;簡単な合 成経路;特異性、すなわちCNS作用がない点においてはスクアラミンに勝るこ とが見出された。化合物319の特性をさらに以下に示す。 メラノーマ増殖抑制: 化合物319は、インビボにおいて、B16メラノーマに対して作用すること が見出された。上記のマウスメラノーマ検定法から得られた結果を示す図6に見 られるように、化合物の皮下投与によって、C57BマウスのB16をスクアラ ミンとほぼ同じ程度抑制した(図4B)。 薬物動態学的クリアランス 化合物319はまた、スクアラミンより速やかな薬物動態学的クリアランスを 示す。クリアランスを評価するために、化合物319およびスクアラミンについ てマウスIV PK試験を実施した。化合物を静脈内投与し、血液試料を10分 ごとに採取した。投与したステロイドの濃度をHPLC分析によって測定した。 図7に示すように、静脈投与後、化合物は約14分の半減期でマウスの血流中か ら除去された。これと比較して、図8に示すように、スクアラミンは約35分の 半減期で除去された。 化合物319の誘導体によってインビボにおいてクリアランスをさらに低下さ せることが可能であるはずである。薬物の一定の投与量で血中濃度を高くし、投 与回数を減らすために、血流中の薬剤の半減期を延長することは有用であること が多い。ポリアミンは、ポリアミン残基の遊離末端アミノ基を分解する種々の酸 化酵素によって容易に代謝される。セラー(Seller)ら、プログ ドラッ グ リザ(Prog.Drug.Res.)1994年43巻88〜126ペー ジ参照。1級アミンをアルキル化することによって、一般に、この代謝経路は遅 延される。セラー(Seller)ら、同上。このように、化合物319または 代謝可能なポリアミンを有するいかなるステロイド化合物の1級アミンを単にア ルキル化することによって、この種の簡単な変更が生物学的寿命を延長すること が予想される。 アフリカツメガエルのオタマジャクシ検定法: 上記のオタマジャクシ検定法は、ほ乳類に導入されたときの各ステロイド化合 物の薬理学的対象を測定するためおよび合成化合物が属する薬理学的分類を決定 するための有利な方法である。検定において、ステロイド化合物の各々を100 mlの蒸留水に10μg/mlの濃度で溶解した。発生段階59〜60のアフリ カツメガエルのオタマジャクシを入れ、1時間後に光学顕微鏡および肉眼的観察 によって評価した。 試験したステロイド化合物は、この動物において異なる独特の薬理学的応答を 生じることが観察された: 化合物1256(スクアラミン):尾の細い毛細管の血管閉塞。四肢の血流に は無影響。2時間以内に不活動および死亡が生じた。 FX1:1時間以内に糞物質の排泄増加。12時間までに、溶液はかなりの 量の糞骸を含んだ。動物の循環系は充血しており、血液病理学的刺激を示唆して いる。 化合物1360:ある種の赤血球の膨潤および溶解が生じ、尾のある種の小 血管内に核が蓄積した。その後、これらの核による栓周囲の尾部分に組織の損傷 が生じた。 化合物1361:化合物1360と同様。 化合物1436:全体的な活動が徐々に低下。心拍動は依然として強力で、 神経系の抑制を示唆した。頭部および尾部のメラニン形成細胞が膨潤し始め、最 初は核が目に見えるほどになり、その後破壊して断片化した。動物は約2時間ま でに死亡した。 化合物1437:動物の尾および触覚などの胚部分を覆う上皮が層状に脱皮 し始めた。細胞の層は最初は無傷であるが、徐々に次々に剥離する。トリパンブ ルー染色は、細胞死が生じたことを証明する。動物は活発で、組織の損傷はほと んど見られなかった。 FX3:尾の筋束はミオグロビンが漏出し始めた。骨格筋の横紋がはっきり しなくなった。筋節が分離し始めた。 マイトジェン刺激によるヒトT細胞増殖の阻害 ヒトT細胞のマイトジェン刺激による増殖を阻害するための検定法などの、特 定の検定法を使用して、特有の生物活性を有するステロイドを識別した。マイト ジェンが誘導する細胞増殖は、NHEの活性に依存することが報告されている。 このように、どのステロイドが特有の細胞に対して作用するかを測定するために は、どのステロイドがマイトジェン(または増殖因子)が活性化する細胞増殖を 阻害するかを測定することのみが必要である。 Tリンパ球は、HIV感染の宿主となるリンパ球様細胞である。ヒトリンパ球 の形質転換を阻害するステロイドは、原則として、HIV感染中に活性化される 可能性が高いNHEに作用する。実際に、GP120は、細胞受容体に結合する ことによって、海馬細胞のNHEを活性化するので(Benos et al., J.Biol.Chem.269.1954.13811−13816)、同様 の事象がウィルスとリンパ球との相互作用によって早期に生じるという仮定は妥 当である。これは、次の検定法の基礎となった。 採取直後のヘパリン処理した血液を、10μg/mlフィトヘマグルチニン(P HA)を含む10%FCS添加RPMI培地を加えた組織培養フラスコに入れた 。その後、1、5および10μg/mlの精製した種々のステロイド化合物を加 えた。培養物を72時間インキュベートし、その後、コルセミドを1μg/ml の濃度となるよう添加した。培養をさらに2時間続け、細胞を採取した。ギムザ 染色後に、標準的な細胞化学的方法を使用して、有糸分裂像を評価した。結果を 以 下の表に示す。 上記の表からわかるように、化合物1436は極めて強力に芽細胞の形質転換 を阻害し、10μg/mlでは75%を上回る阻害が観察された。スクアラミン についてはこの濃度ではいくぶんかの影響は観察されたが、他のステロイドはか なり活性が弱かった。この簡単な検定法を使用することによって、T細胞リンパ 球に活発に伝播するウィルス感染を含むT細胞リンパ球の増殖性疾患の治療に使 用するための化合物1436を同定した。 関連のある細胞および適当な増殖因子を使用した、同様の種類の検定法は容易 に構成されうる。このように、血管形成後の血管平滑筋細胞の増殖を阻害する際 にどのステロイドが有用であるかを測定するためには、以下のように、ヒト冠動 脈平滑筋を用いた培養系を準備し、PDGF刺激によるこれらの細胞の増殖をど のステロイドが阻害するかを測定しさえすればよい。 種々の細胞の阻害 ベイカー(Baker)ら、キャンサー レス(Cancer Res.)19 93年53巻3052〜3057の検定法を使用して、化合物1436は、非常 に広範囲にわたる種々の細胞を阻害することが観察された。以下の表7に記載す るように、組織培養で評価された悪性腫瘍、内皮細胞および血管平滑筋細胞全て は阻害作用に感受性を示した。このように、化合物1436は、多種類の組織の 、増殖因子に依存した増殖の抑制において適用できる。 NHE3の阻害 化合物1436はまた、ウサギNHE3を阻害することが見出された。図1A および1Bに関連して上記したように、ウサギNHE3をトランスフェクトした PS120繊維芽細胞を増殖させ、40mMNH4Clを接触させることによっ て酸を前負荷した。上記のように、10μg/mlの化合物との接触後の細胞外 ナトリウムイオン濃度の回復の関数としてpH回復速度として表される細胞内部 pH変化を、蛍光色素BCECF−AMを用いて検定した。結果を図10に示す。 このように、化合物1436はNHE3の阻害剤である。しかしながら、上記 のように、培養中の細胞およびインビボにおけるいくつかのモデルにおいて評価 するとき、化合物1436が起こすNHE3の阻害からは、スクアラミンと化合 物1436との全く異なる薬理作用を十分に説明されない。これは、化合物14 36は、NHE3に加えて別のNHEを阻害していたことを示唆した。妥当な候 補のNHEは、少なくともリンパ球様細胞、脳および精巣において発現されるN HE5である(最近、クローニングされた、Klanke et al.,Ge nomics 25,1995,615−622参照)。 NHE5発現細胞の阻害 NHE5は化合物1436によって影響される他のNHEであるかどうかを調 べるために、この化合物によって阻害される細胞がNHE5を発現するかどうか を調べる試験を実施した。クランケ(Klanke)らの方法とクランケ(Kl anke)らに記載されているような適当なPCRプライマーとを使用して、N HE5は、化合物1436に感受性を示す全ての細胞において発現されることが 見出された(以下の表参照)。クローンテックラボラトリーズ(Clontech Laboratories)(Palo Alto,CA)社から購入した単 離総RNAまたは総RNAまたはポリA+RNAから総cDNAを調製した。最 初のPCRサイクルの反応は、ヒトNHE1、ヒトNHE3またはヒトNHE5 に特異的なプライマーと80ngcDNAを用い、また、cDNA起源としてポ リA+RNAを使用する場合には、1.5ngcDNAを用いて、上記表2に関 連して記載したように実施した。全ての場合においてアニーリング温度は57℃ とした。次いで、第2のサイクルのPCR反応において、NHE5検出用プライ マーを用いる第2のPCRのアニーリング温度を65℃にしたことを除いて、表 2に関連して記載したような条件で、ヒトNHE1およびヒトNHE5について は半ネスティドPCR反応を実施し、ヒトNHE3についてはネスティドPCR 反応を実施した。結果を以下に示す。 NHE3と塩基配列が似ているNHE5は化合物1436のより効果的な阻害 標的であると考えられる。NHE3とNHE5を共に発現する細胞は、化合物1 436による両NHEアイソフォームの阻害を受けるだろうが、スクアラミンの 存在下ではNHE3のみ阻害されるだろう。 マウス白血病の阻害: 化合物1436は多数の癌細胞の増殖に対して阻害活性を有するので、典型的 なマウス白血病モデルにおいて化合物1436を調べた(Baker et a l.,Cancer Res.53,1993,3052−3057)。動物の1 00%に白血病を生じさせる摂取量のL1210リンパ芽球性白血病細胞をC 57Bマウスに接種した。1、5、10mg/kgの化合物1436を3日ごと にマウスに腹腔内投与した。図11に示すように、化合物1436の最高投与量 においてかなりの延命が達成された。 治療経過中に測定された血液学的特性は特に興味深い。動物をシスプラチンと 化合物1436で治療した。以下の表9からあきらかなように、シスプラチンで 治療された動物は28日めまでに、骨髄の赤血球前駆体の抑制されたため顕著な 貧血を発症した。一方、化合物1436で治療された動物はほぼ正常なヘマトク リット値を示し、その証拠にかなりの顆粒球数が認められた。 腫瘍増殖の相乗作用: 腫瘍の増殖は悪性細胞のクローン的伸展と支持血管供給の発生とに関係すると いう考えに基づいて、化合物1436とスクアラミンとを組み合わせたものにつ いて試験し、固形腫瘍増殖に相乗作用を発揮するかどうかを調べた。この概念を B16メラノーマモデルにおいて評価した。 動物にB16メラノーマを移植し、その後、化合物1436または1256を 併用または別々に投与して治療した。図12からあきらかなように、スクアラミ ンを5mg/kg/日の用量で、または化合物1436を10mg/kgの用量で 3日ごとに投与したとき、腫瘍容量に対する重大な影響は観察されなかった。一 方、両薬剤を併用して投与したとき、腫瘍の増殖のかなりの低下が観察された。 スクアラミン15mg/kg/日の投与または化合物1436単独のつまって許容 できるスケジュールによる投与はどちらもこの作用を発揮しなかった。このよう に、これら2種の化合物の併用は、血管新生に依存する腫瘍に対して、転移性拡 散を予防する可能性のある治療上の有用性を示す。 リンパ指向性ウィルスに対するアミノステロール化合物の効果: 化合物1436は、上記のように、好ましくない毒性作用を示すことなく、P HA刺激によるヒトT細胞の増殖を阻害し、マウスのリンパ芽球性白血病の増殖 を抑制するので、HIVの阻害剤としてインビトロで評価するための妥当な候補 物質となると思われた。PHA刺激を受けたリンパ球に、感染多重度が10のH IVの臨床分離株を接種した。新鮮なリンパ球を採取し、PHAおよびIL−2 で刺激した。3日後、ウィルス(HIV臨床分離株)の1000TCIDを1時 間適用したM.O.I.は1:10であった。細胞を洗浄し、用量応答的に培地 に薬剤を適用した。3日後、上清を1/2容量の新鮮培地および1/2容量の新鮮 薬剤と交換した。7日後、界面活性剤を添加し、HIVP−24抗原をElis aによって測定した。リンパ球の生存については、ウィルスの遺伝子産物p24 の出現によって評価した。結果を以下の表に示す。 上記のように、10μg/mlの化合物1436は抗原の合成を効果的に97 %阻害したが、リンパ球の生存率は95%に維持されていた。 上記の実験は、リンパ指向性のウィルス疾患の治療に対する化合物1436の 有用性をあきらかに裏付けている。これらの研究に基づいて、特定のウィルスの 特定の細胞標的の特定のNHE阻害剤を同定することによって、所定の感染性病 因に対する効果的な抗ウィルス治療が合理的に開発されるはずである。このよう に、呼吸器上皮細胞に対して作用するアミノステロール系NHE阻害剤は、これ らの細胞に伝播するヘルペス、インフルエンザおよびRSVなどの呼吸器系ウィ ルスの治療に効果的であるはずである。この概念は、CNS(ヘルペス)および 肝臓(肝炎)に感染するウィルスに広げて考えることができる。この方法は、細 胞の増殖および効果的な細胞内のウィルス増殖に必要な、細胞NHEの活性化を 防ぐことによって、ウィルスの標的細胞への感染を予防する。 インスリン分泌に対する影響: 本発明のアミノステロール化合物の別の作用を検討する際に、膵臓の島細胞か らのインスリンの放出には、島細胞のNHEの活性化、特にグルコースによって 刺激される機序を介して活性化される必要があることがわかった。島細胞の過剰 刺激は、II型糖尿病における島細胞機能の欠失になんらかの作用をしている可 能性があると考えられる。また、島細胞NHEが過剰活性する遺伝的機序が、I 型糖尿病においてなんらかの作用をしていることが示唆されている。 このように、島細胞機能を抑制させられるなら、遺伝的罹患しやすい、または 後天的過程(肥満)を介して危険な状態に陥った個体の糖尿病の発症を遅延また は軽減させられる可能性がある。インスリンの分泌を司るNHEを阻害すること は、このような状況における治療効果を生ずると考えられる。 ステロイド投与またはインスリンの分泌を司るNHEの効果を検討するために 、サメの肝臓由来のアミノステロール化合物のいくつかを絶食マウスに投与した 。雄CD−1マウスを4つの治療群の1つに割り当てた。グルコメーター(Li fescan Glucometer II およびOne Touch te st strips)を使用して全血糖を測定した。統計分析は、一元分散分析 (ANOVA)、次いでボンフェローニ(Bonferonni)のt−検定 によって実施した。結果を以下の表に示す。 上記のデータからあきらかなように、これらのステロイド化合物の投与後に血 糖値は正常の2〜3倍の間に増加した。第2群の絶食時血糖は、第1群と比較し て有意に上昇した(p<0.05)。第4群の絶食時血糖は、第1群と比較して有 意に上昇した。このように、化合物1436のD5W(5%グルコース)溶液ま たは化合物1437の水溶液を静脈内投与することによってマウスに高血糖を惹 起したと思われる。基礎生理学的原理から示唆されるように、観察された高血糖 応答は、インスリンの分泌阻害によって生じると思われる。このように、化合物 1436などの化合物の長期的慢性投与は、I型糖尿病およびII型糖尿病の発 症予防または発症遅延に効力を有すると思われる。 動脈平滑筋の成長に対する効果: 本発明のアミノステロール化合物はまた、動脈内の平滑筋の増殖因子が介在す る成長の阻害に利用できると思われる。冠動脈血管形成後には、外科的に処置さ れた血管壁内の血管平滑筋の修復的成長に二次的に通常、再閉塞が生じる。この 過程は、一般に7〜10日の経過を経て起こる。動脈内の平滑筋の増殖因子が介 在する成長を薬剤が予防できるかどうかを評価するために、ヒト冠動脈平滑筋の 成長に対する化合物1436の効果をインビトロにおいて調べた。化合物143 6の結果を図13に示し、スクアラミンの結果を図14に示し、図15は両者を 合わせた対数図である。 図13からわかるように、約10〜12μg/mlの化合物1436はこれら の細胞の増殖を抑制する効果を示した。例えば、生存性を喪失させることなく、 約11μg/mlのこのステロイドの存在下にて、細胞を静止状態に維持させる ことができた。この実験は、血管形成後の数日間の間に、近位血管における徐放 性投与によって、血管形成部位へ化合物1436を局所的に投与することによっ て、血管内皮が連続性を再生し、急性傷害部位周辺の細胞変化が沈静化する期間 、筋の成長を低下させることができたことを示唆する。 成長および体重増加に対する効果: 正常に成長するマウスにおいて化合物1436の生理的効果を評価している間 に、このステロイド化合物は、成長しているマウスにおける直線的成長および体 重増加を用量依存的に抑制することがあきらかになった。動物には1日目からQ TD(i.p.)を投与した。図16は、10mg/kgQTDi.p.、5mg/ kgQTDi.p.および1mg/kgQTDi.p.で治療したC57Bマウ スは用量依存的に成長G低下したことを示す。第6回投与後、10mg/kgQ TDを投与した動物の成長は、治療開始から約1ケ月間に成長がほぼ完全に阻害 される程度まで抑制された。5mg/kgQTDを投与した動物は、未治療の対 照と比較して、成長が約50%低下したが、1mg/kgQTDを投与した動物 は約10%影響されただけであった。治療動物は外見上あきらかに健康で、全て の動物が活発で、肢体の均整は正常であり、悪液質はなく、外見上の臨床的健康 状態はすぐれていた。動物は、まるで下垂体切除動物のように見られた。 化合物1436は、多種多様の細胞および組織の増殖をあきらかに阻害し、こ のことは、ある程度は、観察した成長の根本的抑制を説明するものである。しか しながら、これらの動物の異常な健康良好状態は、他の機序が関与しているにち がいないこと、すなわち、下垂体機能の阻害に関係する機序を示唆している。化 合物1436は、下垂体前葉ホルモンの分泌を部分的に阻害して、観察された成 長抑制が生じると考えられる。 化合物1436の正確な機序にもかかわらず、この性質は、動物に投与された とき、予測できない様式の抗増殖作用を発揮することを示唆している。化合物1 436は、増殖中の細胞に作用することによって、増殖因子が誘導する細胞の増 殖を阻害するだけでなく、中枢の内分泌レベルで増殖促進ホルモン分泌を阻害す る。このように、化合物1436は、動物を”成長阻害”状態にする。このよう な状態では、悪性細胞は、成長ホルモン、およびおそらく、LHおよびFSHな どのホルモンによる最適な外因性ホルモン刺激を受けない。インスリン同様、エ ストロゲンおよびプロゲステロンなどのホルモンの分泌の制御障害が起こる可能 性が高い。ウィルス感染細胞は生理的に好ましくない条件下に置かれ、ウィルス 感染効率は劇的に低下されるはずである。増殖が抑制された免疫学的異種細胞は 、これらの”異種”細胞を動態学的に捕獲する可能性を与えられた存在する免疫 系によって排除されるはずである。 動脈の抵抗性に対する効果: 化合物1436は、また静脈内(i.v.)投与によって、ラットの動脈抵抗 を低下させることも見出されている。200gのラットの右頸動脈にカテーテル を挿入し、総投与量5mg/kgまでの化合物を10秒間で導入した。30秒以 内に、平均動脈圧が約100mmHgから約70mmHgに低下し、脈圧が約4 0mmから約10mmまで顕著に低下した。血圧の低下にもかかわらず、心拍数 の有意な増加は観察されなかった。心拍出量が基本的に影響されなければ、原則 的には、全身血管抵抗が低下すると、血圧の低下が生じるだろう。 この効果は、重大な変化を生じることなく、30分間継続した。その時点にお いて、40μgのノルアドレナリンを導入した。ほぼ即時の血圧上昇がみられ、 脈圧がそれに伴い増加した。このデータは、化合物1436の効果は、標準的な 薬理学的治療によって容易に回復可能であることを示している。 化合物1436の動脈抵抗および動脈血圧を低下させる能力は、抗高血圧剤と してのこの化合物の用途を示している。この化合物は代償性頻脈を誘発するとは 思われないので、正味の作用は、心臓の後負荷を低下させることである。循環器 系に対するこの種の効果の生理学的な結果は、心肥大および細動脈平滑筋増殖過 程を緩徐化することだろう。化合物1436はこのような性質を有するので、後 負荷の低下が所望されるうっ血性心不全の効果的な治療剤となるはずである。作 用の速やかさと回復の容易さ、および最小限の頻脈作用によって、この化合物は 有用な治療剤となる。 このように、化合物1436は過去には周知ではなく、有用な性質と利用性を 有する抗増殖性治療剤である。この化合物は、あきらかに特定の組織または全器 官系の増殖の抑制が所望される疾患に利用できる。 虚血の心毒性作用の抑制: NHEファミリーの阻害剤は、心虚血症状の治療に対して治療的役割を果たす 可能性があることが示唆されている。このような症状は心臓発作の後、心不全中 、ドナーから被移植者への臓器移植経過中に生じる。 化合物1436がこのような症状に有用かどうかを測定するために、以下の実 験を実施した。若体のアフリカツメガエルの心臓を生体から摘出した。クレブス −リンガー緩衝液とアドレナリン50μg/mlとを含有するペトリ皿に心臓を 入れ、肉眼で検査した。室温で、心臓は約1時間協調的(心房拍動に続いて心室 拍動)に拍動を継続した。10μg/mlの化合物1436の存在下では、自発 的拍動は24時間まで継続した。心房ペースメーカーおよび心房拍動の心室への 伝導はこの期間中活発であった。 このようなエクスビボにおける心活動の持続現象を説明する正確な機序は十分 には解明されていないが、化合物1436は、NHE3およびNHE5を阻害す ることによって、これらのNHEを遮断することによる心臓内カルシウムの蓄積 を防ぐと考えられている。当該技術分野においては現在、虚血中に蓄積する細胞 内酸がNHEによって細胞外ナトリウムと交換されると理解されている。また、 細胞内に流入されるナトリウムはその後、ナトリウム/カルシウム交換体の作用 によって、細胞外のカルシウムと交換されて排除される。心臓死および心不整脈 に至るのは、この経路を介してカルシウムが流入するためである。化合物143 6は、NHEを遮断することによって、プロトンまたは酸が心細胞から流出し、 エネルギーの消費および拍出量を低下させるのを防ぎ、また障害性カルシウムの 流入を防いで、細胞を保護する作用を有する。 特徴的な検定法としての抗増殖性検定法および肺瘍増殖抑制検定法: 上記のように、オタマジャクシ検定法を使用して追加の化合物についてスクリ ーニングした。10μg/mlの化合物1436の存在下にて、発生段階59〜 60のアフリカツメガエルのオタマジャクシは、神経系の抑制とともに、頭部、 体幹および尾のメラニン形成細胞の劇的な破壊を受けた。上皮細胞の完全性、血 流、赤血球量、組織の完全性、筋繊維の横紋または消化管活動には全く影響が観 察されなかった。 機能的に類似した化合物をスクリーニングするためにオタマジャクシ検定法を 使用して、化合物353、371および413は、化合物1436と同様の効果 を発揮することが見出された。これらのうち、化合物353は、上記のように合 成が容易なので、特に好ましい。この化合物はまた、他の有利な性質を示すこと も見出された。 上記の増殖抑制方法を使用して、以下に記載するように、化合物353はメラ ノーマおよび多数の癌細胞に対して強力な活性を示すことが測定された: また、ベーカー(Baker)ら、キャンサー リス(Cancer Res. )1994年、53巻、3052〜3057ページの方法を使用したとき、図1 7Aに示すように、メラノーマの増殖に対する化合物353の効果は、最初の1 2時間のインキュベーション中には効果は小さかったが、48時間にわたって極 め て顕著であった。比較のために、ヒトメラノーマに対するスクアラミンの効果を 図17Bに示す。 化合物353に接触させた細胞を分析すると、アポトーシス細胞死が誘導され たことがわかった。このように、このアミノステロール化合物は、化合物143 6と同じ選択性の高い細胞死機序を示す。 上記したように、化合物1436はオタマジャクシにおいて、メラニン形成細 胞破壊作用を示すが、この化合物は、スクアラミンとほぼ同じ強さで卵黄毛細管 を退行させる。これとは違って、化合物353は、ヒナ胚毛細管には何ら影響を 示さない。このように、化合物353は、NHE3より強力にNHE5を阻害し 、化合物1436よりも選択性も大きいと思われる。化合物353は、天然に存 在する分子より特異性が高いアミノステロール化合物を製造することが可能であ ることを示している。 化合物1437(画分4)はめずらしいエルゴステロール様側鎖を含有する。 オタマジャクシの尾を覆う胚上皮に対する劇的な作用に基づいて、この分子はサ メから抽出される他の全てのステロイド類から容易に識別される。 上記のオタマジャクシ検定法において、10μg/mlのこのステロイド化合 物に接触させてから60分以内に、仮性皮膚が層状に剥離するのが観察された。 この変化が迅速に起こったことから、この上皮組織が発現するNHEが標的であ ることが示唆される。接着に関係するNHE活性および細胞膜たんぱく質は相互 に交信しているので(Schwartz et al.,Proc.Nat’l Acad. Sci.888,7849−7853)、上皮土のNHEを阻害す ると、上皮と下層との間の細胞接触が破壊され、剥離に至ると言われている。 上記の検定法を使用して、数種の癌種に対する化合物1437の抗癌作用を調 べた。化合物1437は、ヒト卵巣癌、SKOV3に対する抗癌活性を示すこと がわかった。このように、化合物1437は、感受性の表現型を示す癌腫の治療 に有用である可能性がある。 上記研究が証明するように、化合物1437は、”中皮様”上皮層、1層だけ の細胞層からなる皮膚層を標的とする。このような層は、ヒト腹膜、滑膜、心膜 および上衣などの上皮表面に類似している。従って、化合物1437は、このよ うな組織およびそれらから派生する悪性物に対する抗増殖作用を示すはずである 。また、これらの組織はウィルスの感染を支持することがあるので、このような 場合には、この化合物は治療的抗ウィルス作用を提供するはずである。 アフリカツメガエルのオタマジャクシ検定法を用いて、化合物1437と化学 的な類似性はほとんどないが、上皮の剥離作用に関しては同じ薬理作用を生じる 化合物を同定することが可能である。このような方法により、化合物409、4 10、416、431、432および433は機能的に化合物1437に類似し ていることが見出された。 ステロイド1360(画分2)は、炭素24位にケト基とC27ヒドロキシル 基に硫酸基を有する側鎖をもつ。構造は幾分スクアラミンに類似しているが、オ タマジャクシおよびヒナ胚検定法において、劇的に異なる薬理作用を示す。 発生段階59〜60のオタマジャクシを化合物1360の10μg/ml溶液 に入れたとき、尾全体の広範な血管閉塞が60分以内に生じ、近位部より遠位部 が程度が大きかった。赤血球の目視可能な膨潤によって閉塞が生じ、その後破裂 して、核が放出された。核は、血管床によって、遠位部の動静脈に運ばれる。こ れは、大きさと重さの異なる硬貨を特殊な収集管内に分ける硬貨選別機械に似て いる。核がこれらの血管内に蓄積されると、血流は近位側で遮断された。核によ る栓が形成されてから20〜30分以内に、これらの栓の周辺の組織は破壊し始 めた。まるで、核がこれらの組織を支える土台物質を本質的に溶解する加水分解 酵素を放出しているように思われた。 ヒナ胚検定において、化合物1360は、オタマジャクシで見られるものとは 異なる効果を生じた。20分以内に、化合物に接触しない赤血球より酸化度が高 いことを反映して、胚の血管を循環する血液はより明るい赤色を示した。多種の 機序によってこの効果が説明されるだろうが、化合物1360に接触後では、ヒ ナの赤血球の内部pHはよりアルカリ性になっていたと考えられる。これは、こ の細胞のNHEの活性化によって生じるのだろう。さらに、この交換体の活性化 は細胞の膨潤、すなわちオタマジャクシで観察された現象も生じるだろう。 両生類および魚類(およびおそらく鳥類)の有核赤血球は、NHE1−βと呼 ばれる特殊なNHEを発現することが知られている。特徴が解明された他の全て のものとは異なり、この交換体はcAMPによって活性化され、ヘモグロビンの 酸化状態に影響される。このデータは、化合物1360がこの交換体を活性化す るであろうことを示している。さらに、この化合物は、示唆された様式で機能す るように理想的な化学構造を有する。弱アルカリ性の条件下では、以下に概略図 で示すように、化合物1360は27位のヒドロキシル基の脱水、硫酸基の脱離 および対応する27−エンの形成を受けることが見いだされている: このように、細胞内部のアルカリ度が増すと、化合物1360の寿命は短くな り、それによって異常な形で”フィードバック”する。化合物1360の加水分 解産物である化合物1361は同じNHEに阻害作用を示す可能性がある。 データによれば、化合物1360は、胚発生段階の血液細胞上に存在するNH Eとあきらかに相互作用することがわかる。ヒト胎児は、鳥類、魚類および両生 類と大きさが同じ有核赤血球細胞を発生するので、ヒトのある種の血液細胞、お そらく胎児の血液細胞もこの化合物の標的細胞となると思われる。胎児NHEの 活性化は、低酸素障害から胎児を保護することを目的とする治療方法に対して有 用かもしれない。 化合物1360の全適用範囲を言うには、ヒトにおける赤血球NHEアイソフ ォームの分布について記載しなければならない。しかしながら、NHEの阻害剤 ではなく、刺激作用であるように思われる場合もある。いずれにしても、化合物 1360は、抗菌、抗真菌、抗ウィルス等、胎児仮死治療および悪性血液腫瘍治 療のために使用されるだろう。 画分3(FX3)の化学構造はまた完全には決定されていないが、薄層クロマ トグラフィーの結果から、化合物1436に構造がよく似た、ステロイドに関連 するスペルミンを有する。このステロイド化合物は、オタマジャクシの胚骨格筋 に対して顕著な効果を示す。 オタマジャクシ検定法において、化合物との接触から1時間以内に、発生段階 59〜60のオタマジャクシの尾の筋束から茶色の色素の漏洩が観察された。横 紋はぼやけて、不明瞭になった。心拍動および四肢の筋活動を含む他の機能は影 響を受けなかった。これらの観察は、FX3は筋肉を含む初期の間葉を標的にし ていることを示唆する。 オタマジャクシの観察をヒトにまで広げて考られるとすると、FX3はある種 の間葉細胞の増殖に顕著に影響を与えることになる。このように、FX3は、横 紋筋、軟骨、繊維芽細胞性組織、骨および脂肪組織の癌などの、間葉細胞由来の 種々の癌の治療に有用であろう。 また、繊維芽細胞の増殖が影響される場合には、繊維芽細胞の増殖が望ましく ない状況において、繊維芽細胞の増殖の制御に有用であろう。すなわち、CNS 損傷の瘢痕化が予防されるだろう。線維症が合併する部位の外科処置後の望まし くない瘢痕化は重要な治療標的であるだろう。心臓、腎臓および肝臓疾患に見ら れるような繊維芽細胞性増殖の全体の状態を軽減できるだろう。 筋肉の成長を阻害するならば、FX3はある種の心疾患に見られるような筋肉 の肥厚性疾患の阻害に用いることができるだろう。 アフリカツメガエルのオタマジャクシ検定法を用いて、数種のアミノステロー ル化合物は、FX3と同様の薬理作用を示すものとしてと同定された。これらの 化合物には、化合物370、412、458、459、465および466が含 まれる。これらの化合物は、一般に、スペルミン残基を共有する。これらは化学 的にはスクアラミンより単純で、天然に存在するステロイドより、薬剤化にかか るの費用が安い。 画分1(FX1A)ステロイドの構造を上に示す。水中では速やかに他の分子 (FX1B)に転換されるようである。上記の検定法を使用したとき、FX1A は、アフリカツメガエルに独特の薬理作用を発揮する。 オタマジャクシの周囲の水の中にこのステロイド化合物を加えてから数時間以 内に、糞の排泄が劇的に増加する。多種の脊椎動物の消化管において、NHEが 腸の液体分泌の調節に用いられているので、画分1はこのようなNHEに作用す ると考えられる。糞物質の増加は、結腸のNHEが阻害されるときヒトに生じる 症状である”下痢”に相当するだろう。このステロイド化合物は全体的な活動、 筋の完全性に、また目視可能ないかなる組織の生存にもほとんど影響を与えない ので、ナトリウム−水交換の調節などの生理学的機能を発揮するのかもしれない。 ステロイド化合物と標的の特徴が十分解明された後ではその用途はより明瞭に なるが、オタマジャクシのデータは、画分1はある種の生理学的傷害におけるナ トリウム/プロトン交換の調節に有用であることを示唆している。これらには、 高血圧、膵嚢胞性線維症および便秘の治療が含まれる。 腸の流体動態に対して影響するので、この薬剤は感受性細菌、寄生虫、真菌等 を死滅させる一方、腸から感染菌の放出を促進する作用を有する抗菌剤ともなろ う。画分1はまた、有効な抗菌剤、抗寄生虫剤または抗真菌剤としての有用であ ろう。 アフリカツメガエルのオタマジャクシの検定法を使用することによって、分画 1と同様の薬理活性を有するアミノステロール化合物が同定された。驚くべきこ とに、これらの化合物は化合物1364と化合物414を含むことが見出された 。これらの化合物は画分1と同じ効力を発揮するが、それらは化学的には単純な 構造を有する。 予備試験データは、図9に示すように、逆相クロマトグラフィーによる分離に よって、画分1よりわずかに早く溶出する、少なくとも2種の親水性ステロイド が存在することを示した。これらのステロイドの構造を以下に示す。 FX1CおよびFX1Dは、化合物1437に類似して、スクアラミンに似た 1個の硫酸基と追加の水酸基とを有するステロイドであることがわかる。 他ののアミノステロール化合物の構造: スクアラス アカンシアス(Squalus acanthias)から単離 された種々のアミノステロイドから、この動物の組織からまだ単離されていない 関連のあるアミノステロール化合物が存在することを予測することができる。こ れらのステロール化合物は、現在までに決定された構造と、コレステロール側鎖 が受ける可能性がある周知の生化学的変化とに基づいて、脊椎動物の組織中に存 在することが推論される(Tammar,”Bile Salts in Fis hes,”Chemical Zoology,(eds.Florkin et al.),Academic Press,1974,595−612)。 このように、24位の硫酸ヒドロキシル基を形成するスクアラミンの存在に基 づいて、以下に示すように、スクアラミンステロイド核とアミノステロール部分 を有するが、側鎖の硫酸ヒドロキシル基の位置は異なる他の誘導体を発見するこ とができるはずである。水酸化は25位、26位または27位の炭素上で生じう るので、また各々は立体特異性を示すので、自然界にそれらの存在を期待するこ と、および独自の薬理作用を示すことを想定することは妥当である。 同様に、コレステロール側鎖に1個の硫酸基と第2の水酸基を有するステロイ ドの存在は、側鎖の硫酸化および1箇所での水酸化のパターンに多様性が存在す るであろうことを示唆している。このように、硫酸基形成が24位、25位、2 6位および27位炭素上にみられるアミノステロールは天然に存在する可能性が 高い。一方、これら4種の硫酸アミノステロールの各々は利用可能な24位、2 5位、26位および27位の炭素が水酸化されてもよい。少なくとも以下のステ ロイド化合物は、ここに示した帰納的論理とデータに基づいて、天然産物から単 離されうる: NHE阻害剤の構造と活性の考察 上記の情報に基づいて、ナトリウム/プロトン交換体のアミノステロール阻害 剤の主要構造要素の推論が可能となった。主要中心構造には、ステロイド核と特 有の側鎖が含まれる。アミノステロール部分は、NHEとこの分子の相互作用を 特定する。遊離または硫酸化ヒドロキシル基を有する側鎖は、特定のNHEアイ ソフォームに対する特異性を決定する。また、ステロイドに結合するスペルミン またはスペルミジンの存在は、活性の幅を拡大する。このような一般論に基づい て、側鎖の構造が大きな特異性を与えていることが容易にわかる。 このように、分子の調節可能な性質から、すぐれた薬理学的特異性を有する、 他の合成ステロイドNHE阻害剤を設計することができる。形状および分子表面 特性がアミノステロールに類似する化合物がNHEファミリーと相互作用する。 ステロイド核のこのような化学的類似体は周知で、非ステロイド性エストロゲン 作用薬および拮抗薬の合成に広範に使用されている。一方、特定のコレステロー ル側鎖とこれらのステロイド類似構造とのカップリングによって、個々のNHE アイソフォームに対する特異性が確立される。 抗菌活性: アミノステロールNHE阻害剤は、作用機序に基づいて、一種の抗生物質に分 類される。これらの薬剤もヒトの組織において特定のアイソフォームと相互作用 するので、この種の抗生物質を慎重に選択すれば、宿主NHE阻害による好まし くない副作用を防ぎ、治療効果が高められる。このように、化合物1436のよ うな薬剤を使用することによって、感染症の治療中、リンパ球の増殖が抑制され る。画分1を経口投与すると、標的寄生虫を死滅させるのに伴い、腸の流体通過 を増加させる。さらに、感受性脊椎動物アイソフォームより病原標的に対する特 異性の高い有効な抗真菌剤を設計することができる。 本明細書末の表Iに示すように、抗菌/抗真菌スペクトルは化合物ごとに異な る。このように、スクアラミン様の薬理活性を有するまたは有しない抗菌ステロ イドを得ることが可能である。 表Iの後の表IIに記載するように、検定によって天然および合成アミノステ ロール化合物の活性が異なる。前記を考慮すると、スクアラミン様の薬理活性を 有するまたは有しないステロイドをスクリーニングすることが可能である。 NHEアイソフォームの選択: 分子生物学的方法を使用することによって、どのNHEアイソフォームが悪性 腫瘍などの特定の細胞において発現されるかを測定することが可能である。ヒト メラノーマはNHE1、NHE3およびNHE5を発現し、ヒト腺癌は主にNH E3を発現する(表8参照)。 このように、スクアラミンまたは化合物319などのNHE3に対してより特 異的な阻害剤を使用することによって、この種の腺癌を極めて効果的に治療され るだろう。一方、メラノーマはNHE3とともにかなりの量のNHE5を発現す る。このように、この悪性腫瘍は、NHE3およびNHE5の両方に対する阻害 剤、例えば化合物1436単独使用またはスクアラミンとの併用などによって治 療されるべきである。 要約すると、本発明は、標的組織において発現されるNHEアイソフォームを 診断的に評価することによって確立される、アミノステロールNHE阻害剤の利 用を可能にしている。診断的手法としては、特定のNHEアイソフォームたんぱ く質の免疫学的検出、特異的な塩基配列情報を利用するPCRおよび標準的な方 法による分子生物学的手法が挙げられる。 このように、本発明の他の実施態様は、本発明の明細書および実施例を考慮す ることによって当業者にあきらになる。上記の実施態様および好ましい特徴は例 として考慮されるべきであり、本発明は添付の請求の範囲の内容によって規定さ れる。
【手続補正書】 【提出日】1997年12月11日 【補正内容】 (1)発明の名称「NHEを阻害する医薬品の製造のためのスクアラミンの使用」 を「医薬品の製造のためのスクアラミンの使用」と訂正する。 (2)請求の範囲を別紙の通り訂正する。 請求の範囲 1.内皮細胞の増殖を阻害するための、スクアラミンまたはその薬学的に許容 される塩。 2.新規の毛細管の増殖を阻害するための、請求項1記載の化合物の使用。 3.血管形成を阻害するための、請求項1記載の化合物の使用。 4.糖尿病性網膜症を治療するための、請求項1記載の化合物の使用。 5.黄斑変性を治療するための、請求項1記載の化合物の使用。 6.血管新生緑内障を治療するための、請求項1記載の化合物の使用。 7.病理学的血管新生を阻害するための、請求項1記載の化合物の使用。 8.動脈の平滑筋細胞の増殖を阻害するための、請求項1記載の化合物の使用 。 9.黒色腫を治療するための、スクアラミンまたはその薬学的に許容される塩 。 10.腫瘍増殖を阻害するための、スクアラミンまたはその薬学的に許容され る塩。 11.転移性の腫瘍拡散を阻害するための、請求項10記載の化合物の使用。 12.慢性関節リウマチを治療するための、スクアラミンまたはその薬学的に 許容される塩。 13.乳糖腫ウイルス感染症を治療するための、スクアラミンまたはその薬学 的に許容される塩。 14.乾癬を治療するための、スクアラミンまたはその薬学的に許容される塩 。 15.水晶体後線維増殖症を治療するための、スクアラミンまたはその薬学的 に許容される塩。 16.臓器拒絶反応を阻害するための、スクアラミンまたはその薬学的に許容 される塩。 17.医薬晶の製造のための、スクアラミンまたはその薬学的に許容される塩 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.スクアラミンまたはその薬学的に許容される塩を有効量投与することを含 む、NHE3を阻害する方法。 2.NHE3が特異的に阻害される、請求項1記載の方法。 3.NHE3が病理学的過程で発現される、請求項1記載の方法。 4.スクアラミンまたはその薬学的に許容される塩を有効量投与することを含 む、内皮細胞の増殖を阻害する方法。
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