JPH11506019A - スタフィロコッカス・アウレウスのチロシル−tRNAシンセターゼ - Google Patents

スタフィロコッカス・アウレウスのチロシル−tRNAシンセターゼ

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JPH11506019A JP9525806A JP52580697A JPH11506019A JP H11506019 A JPH11506019 A JP H11506019A JP 9525806 A JP9525806 A JP 9525806A JP 52580697 A JP52580697 A JP 52580697A JP H11506019 A JPH11506019 A JP H11506019A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、tRNAシンセターゼポリペプチドおよびtRNAシンセターゼポリペプチドをコードするDNA(RNA)、ならびに組換え法による該ポリペプチドの製造方法を提供するものである。また、本発明は、感染、とりわけ細菌感染に対する防御のためのtRNAシンセターゼポリペプチドの利用方法を提供するものでもある。

Description

【発明の詳細な説明】 スタフィロコッカス・アウレウスのチロシル−tRNAシンセターゼ 発明の分野 本発明は、新規に同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド、およびそ の製造および使用、ならびにそれらの変種、アゴニストおよびアンタゴニストお よびそれらの使用に関する。詳細には、これらのおよびその他の点に関して、本 発明は本明細書で「tRNAシンセターゼ」と称するtRNAシンセターゼファ ミリーの新規ポリヌクレオチドおよびポリペプチドに関する。 発明の背景 抗生物質の開発を目的として、スタフィロコッカス(Staphylococcis)の遺 伝子および遺伝子産物を用いるのがとりわけ好ましい。スタフィロコッカス属は 医学的に重要な微生物の属である。これらは浸潤性および毒素原性の2つの型の 疾患を生み出すことが知られている。浸潤性感染は一般的に、皮膚表面および深 部の組織の両方に影響を及ぼす膿瘍を形成する特徴がある。スタフィロコッカス アウレウス(S.aureus)は癌患者の菌血症を二次的に引き起こす原因となる。 骨髄炎、敗血症性関節炎、敗血症性血栓静脈炎および急性細菌性心内膜炎もまた 比較的一般的である。スタフィロコッカス属の毒素原特性から少なくとも3つの 臨床病態が引き起こされる。これらの疾患の発現は、組織浸潤および菌血症に対 するものとしての外毒素の作用の結果である。これらの病態には:スタフィロコ カスの食物汚染、熱傷様皮膚症候群およびトキシックショック症候群等がある。 tRNAシンセターゼは以下のスキームに従って、タンパク質合成に主要な役 割を果たす: 酵素+ATP+AA⇔酵素.AA-AMP+PPi 酵素.AA-AMP+tRNA⇔酵素+AMP+AA-tRNA (AAはアミノ酸である) この過程を阻害すると、荷電tRNAのレベル低下を導き、緊縮応答として知 られている応答のカスケードの引き金となり、結果的に生体の休眠状態を誘導す る。細菌性tRNAシンセターゼの選択的阻害剤は、それ自体、抗細菌剤として の可能性を有する。これに関する一つの例として、イソロイシルtRNAシンセ ターゼを選択的に阻害するムピロシンがある。tRNAシンセターゼの単離によ り、潜在的抗菌性の目的物質の同定および分析のために、抗菌性化合物のスクリ ーニングを容易になる。 イソロイシルtRNAシンセターゼはスタフィロコッカス・アウレウス(Sta phylococcus aureus)から単離され、すでに報告されている(Chalker,A. F.、 Ward,J.M.,Fosberry,A.P.およびHodgson,J.E.,Gene 141:103-108(1994 ))。 明らかに、化合物の抗生物質活性をスクリーニングするために用いることがで きる因子、ならびに感染、機能障害および疾患の病因における役割を決定するた めにも用いることができる因子が必要とされている。また、感染、機能障害また は疾患の予防、改善または抑制に役割を果たすことができるかかる因子ならびに アンタゴニストおよびアゴニストの同定および特徴づけも必要とされている。 本発明のポリペプチドは、既知tRNAシンセターゼタンパク質に相同的なア ミノ酸配列を有する。 発明の概要 本発明の目的は、図2に示すアミノ酸配列とtRNAシンセターゼなどの他の タンパク質の既知の一つのもしくは複数のアミノ酸配列との相同性により、新規 tRNAシンセターゼポリペプチドとして同定されたポリペプチドを提供するこ とである。 本発明のさらなる目的は、tRNAシンセターゼポリペプチドをコードするポ リヌクレオチド、特に本明細書においてtRNAシンセターゼと称するポリペプ チドをコードするポリヌクレオチドを提供することである。 本発明のこの態様のとりわけ好ましい具体例では、ポリヌクレオチドは、図1 [配列番号1]に示す配列を含むトロシルtRNAシンセターゼポリペプチド、 またはそれらの変種をコードする領域を包含する。 本発明のこの態様の別のとりわけ好ましい具体例では、図2[配列番号2]に 示すアミノ酸配列を含む、スタフィロコッカス・アウレウス由来の新規tRNA シンセターゼタンパク質、またはそれらの変種がある。 本発明のこの態様によれば、NCIMB受託番号40771に含まれるスタフ ィロコッカス・アウレウスWCUH29株により発現されうる成熟ポリペプチド をコードする単離核酸分子が提供される。 本発明のこの態様によれば、tRNAシンセターゼ、とりわけスタフィロコッ カス・アウレウスtRNAシンセターゼをコードする、mRNA、cDNA、ゲ ノムDNA等の単離核酸分子が提供される。本発明のこの態様のさらなる具体例 は、生物学的、診断学的、予防的、臨床的または治療的に有用なそれらの変種、 およびこれらを含有してなる組成物を包含する。 本発明の別の態様によれば、治療的または予防的目的で、とりわけ遺伝学的免 疫において本発明のポリヌクレオチドの使用が提供される。本発明のこの態様の とりわけ好ましい具体例は、tRNAシンセターゼの自然発生対立遺伝子変種お よびそれによりコードされるポリペプチドである。 本発明のこの態様によれば、本明細書でtRNAシンセターゼと称するスタフ ィロコッカス・アウレウスの新規ポリペプチド、ならびに生物学的、診断学的、 予防的、臨床的または治療的に有用なそれらの変種、およびこれらを含んでなる 組成物が提供される。 本発明のこの態様のとりわけ好ましい具体例は、tRNAシンセターゼ遺伝子 の自然発生対立遺伝子によりコードされるtRNAシンセターゼポリペプチドの 変種である。 本発明のこの態様の好ましい具体例では、前述のtRNAシンセターゼポリペ プチドの製造方法が提供される。 本発明の別の態様によれば、例えば抗体等の抗細菌物質として有用な、このよ うなポリペプチドの阻害物質が提供される。 本発明のこの態様のある好ましい具体例によれば、(i)tRNAシンセター ゼ発現の評価、(ii)疾患、例えば上気道感染(例えば、中耳炎、細菌性気管炎 、 急性咽頭蓋炎、甲状腺炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心臓感染 (例えば、感染性心内膜炎)、消化器感染(例えば、分泌性下痢、脾臓膿瘍、腹 膜後膿瘍)、CNS感染(例えば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、結膜 炎、角膜炎、眼内炎、前中隔(preseptal)および眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、腎お よび尿管感染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周囲膿瘍、トキシックショック 症候群)、皮膚感染(例えば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、 細菌性筋炎)、および骨および関節感染(例えば、敗血症性関節炎、骨髄炎)な どの処置、(iii)遺伝的変種のアッセイ、(iv)ならびに細菌とりわけスタフ ィロコッカス・アウレウスに対する免疫学的応答を上昇させるための、tRNA シンセターゼポリペプチドまたはポリヌクレオチドの生体への投与のための製品 、組成物および方法が提供される。 本発明のこの態様および他の態様のある好ましい具体例によれば、tRNAシ ンセターゼポリヌクレオチド配列に、とりわけ厳密な条件下でハイブリダイズす るポリヌクレオチドが提供される。 本発明のこの態様のある好ましい具体例において、tRNAシンセターゼポリ ペプチドに対する抗体が提供される。 本発明の別の態様によれば、各々好ましくは静細菌性または殺細菌性をも有す るtRNAシンセターゼアゴニストおよびアンタゴニストが提供される。 本発明のさらなる態様において、tRNAシンセターゼポリヌクレオチドまた はtRNAシンセターゼポリペプチドを含有する、細胞または多細胞生物への投 与用の組成物が提供される。 開示した本発明の精神および範囲内での種々の変更および修飾は、以下の記載 および本明細書のその他の部分を読むことにより、当業者に容易に明らかとなろ う。 図面の簡単な説明 以下の図は本発明のある具体例を表すものである。これらは説明のためのみに 示すものであり、特記しない限り本明細書に記載する本発明を限定するものでは ない。 図1は、スタフィロコッカス・アウレウスのチロシルtRNAシンセターゼの ポリヌクレオチド配列[配列番号1]を示す。 図2は、図1のポリヌクレオチド配列から推定したスタフィロコッカス・アウ レウスのチロシルtRNAシンセターゼのアミノ酸配列[配列番号2]を示す。 用語集 以下の定義は、本明細書において汎用される特定の用語の理解を容易にするた めに示すものである。 「宿主細胞」は外来ポリヌクレオチド配列により形質転換もしくはトランスフ ェクトされたか、または形質転換もしくはトランスフェクトされ得る細胞である 。 「同一性」とは、当該分野に周知であるように、配列を比較して決定される、 二つもしくはそれ以上のポリペプチド配列または二つもしくはそれ以上のポリヌ クレオチド配列間の関係である。当該分野において、「同一性」とは、場合によ ってはかかる配列の鎖の合致により決定できる、ポリペプチドまたはポリヌクレ オチド配列の配列関連性の程度をも意味する。「同一性」および「類似性」は既 知の方法により容易に算出できる(Computational Molecular Biology,Lesk,A .M.編、オックスフォード・ユニバーシティー・プレス、ニューヨーク、1988年 ;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.編、アカデ ミック・プレス、ニューヨーク、1993年;Computer Analysis of Sequence Data ,パートI,Griffin,A.M.およびGriffin,H.G.編、ヒューマン・プレス、 ニュージャージー、1994年;Sequence Analysis in Molecular Biology,von He inje,G.、アカデミック・プレス、1987年;およびSequence Analysis Primer, Gribskov,M.およびDevereux,J.編、Mストックトン・プレス、ニューヨーク 、1991年)。二つの配列間の同一性および類似性を測定する方法は数多くあるが 、両用語とも当業者に周知である(Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje,G.、アカデミック・プレス、1987年;Sequence Analysis Primer, Gribskov,M.およびDevereux,J.編、Mストックトン・プレス、ニューヨーク 、1991年;ならびにCarillo,H.およびLipman,D.,SIAM J.Applied Math.,4 8:1073(1988))。配列間の同一性または類似性を測定するために通常用いら れる方法はCarillo,H.およびLipman,D.,SIAM J.Applied Math.,48:1073(1 988)に開示されているが、これらに限定するものではない。同一性を決定するた めの好ましい方法は、試験する配列間で最も良く合致するように設計される。同 一性および類似性を決定する方法は、公に入手できるコンピュータープログラム で集成されている。二つの配列間の同一性および類似性を測定する好ましいコン ピュータープログラム法には、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら 、Nucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BLASTP、BLASTN、 およびFASTA(Atschul,S.F.ら、J.Molec.Biol.215:403-410(1990)) )があるが、これらに限定するものではない。BLAST XプログラムはNC BIおよびその他の供給源より公に入手可能である(BLAST Manual,Altschul, S.ら、NCBI NLM NIHメリーランド州20894ベゼスダ;Altschul,S.ら、J.M ol.Biol.215:403-410(1990))。 「単離」とは、「人間の手により」自然の状態から変化させられた、すなわち 、それが自然に存在する場合、元来の環境から変化もしくは除去されたこと、ま たはその両方が行われたことを意味する。例えば、ポリヌクレオチドまたはポリ ペプチドは、自然の状態で生存動物に存在している場合は「単離」されていない が、このポリヌクレオチドまたはポリペプチドが自然に共存する物質から分離さ れている場合は、本明細書に用いる用語である「単離」がなされている。 「ポリヌクレオチド」とは、一般に、修飾されていないRNAもしくはDNA 、または修飾されたRNAもしくはDNAであってよい、任意のポリリボヌクレ オチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを意味する。「ポリヌクレオチド」 としては、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物または 一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖R NA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖もしくは より典型的には二本鎖もしくは三本鎖、または一本鎖領域および二本鎖領域の混 合物でよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるが、これに 限定するものではない。さらに、本明細書で用いるポリヌクレオチドは、RNA もしくはDNAまたはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域を意味する。その よ うな領域における鎖は同一の分子または異なる分子由来のものでよい。この領域 は一つまたはそれ以上の分子の全体を含み得るが、より典型的には幾つかの分子 の一領域のみを含む。三重らせん領域の分子の一つは、しばしばオリゴヌクレオ チドである。本明細書で用いる「ポリヌクレオチド」なる用語は、一つまたはそ れ以上の修飾した塩基を含有する、上述のDNAまたはRNA等を含む。このよ うに、安定性またはその他の理由で修飾した骨格を有するDNAまたはRNAは 、本明細書の用語である「ポリヌクレオチド」である。さらに、イノシン等の普 通でない塩基、またはトリチル化塩基等の修飾塩基を含むDNAまたはRNA( 二つの例だけを示す)は、本明細書で用いる用語であるポリヌクレオチドである 。当業者に既知の多くの有用な目的を提供するDNAおよびRNAに非常に多く の修飾がなされていることは明らかであろう。本明細書で用いる「ポリヌクレオ チド」なる用語は、ポリヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的 に修飾された形態、ならびにウイルスおよび、例えば単純型細胞および複雑型細 胞等を含む細胞の特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。「ポリ ヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称する短いポリヌクレオチド を包含する。 「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾したペプチド結合により互いに 結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパ ク質を意味する。「ポリペプチド」は、通常、例えばペプチド、オリゴペプチド およびオリゴマーとも称する短鎖、および一般的にタンパク質と称する長鎖の両 方を意味する。ポリペプチドは20種の遺伝子によりコードされたアミノ酸とは 異なるアミノ酸を含有できる。「ポリペプチド」には、プロセシングおよびその 他の翻訳後修飾のような自然の工程により修飾されたものが含まれるが、当業者 に周知の化学修飾技術によっても修飾される。このような修飾は基礎的な参考書 およびさらに詳細な論文ならびに多数の研究文献にも詳しく開示されており、こ れらは当業者に周知である。同一の型の修飾は該ポリペプチドのいくつかの部位 で、同一または異なる程度で存在し得ることは理解されよう。また、該ポリペプ チドは多くの型の修飾をも含み得る。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およ びアミノまたはカルボキシル末端等のポリペプチドの任意の部位で起こりうる。 修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの 共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有 結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合 、クロスリンキング、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合クロ スリンキング形成、システイン形成、ピログルタミン酸形成、ホルミル化、ガン マ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、 メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質加水分解プロセシング、リン酸化 、プレニル化、ラセミ化、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基 のガンマーカルボキシル化、水酸化およびADPリボシル化、セレノイル化、硫 酸化、アルギニル化のようなトランスファーRNAにより媒介されるタンパク質 へのアミノ酸の添加、ならびにユビキチネーションなどがある。例えばPROTEINS -STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES、第2版、T.E.Creighton,W.H.Free man and Company、ニューヨーク(1993)およびPOSTTRANSLATIONAL COVALENT MO DIFICATION OF PROTEINS、B.C.Johnson編、アカデミックプレス、ニューヨー ク(1983)のWold,F.,Posttranslational Protein Modifications:Perspecti ve and Prospects、1〜12頁;Seifterら、Meth.Enzymol.182:626-646(1990) およびRattanら、Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and A ging,Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48-62(1992)を参照されたい。ポリペプチ ドは分岐または環状でよく、分岐していてもいなくてもよい。環状、分岐および 分岐した環状ポリペプチドは、翻訳後の自然プロセスの結果であり、同様に全く 合成的な方法で合成できる。 本明細書で用いる「変種」なる用語は、対照ポリヌクレオチドまたはポリペプ チドとは各々異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドであるが、本質的な特 性は保持している。典型的なポリヌクレオチドの変種は、別の対照ポリヌクレオ チドとはヌクレオチド配列が異なる。変種のヌクレオチド配列の差異は、参照ポ リヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させるも のであってもよく、変化させないものであってもよい。ヌクレオチドの変化は結 果的に、以下に論じるように、参照配列によりコードされるポリペプチドにおけ るアミノ酸置換、付加、欠失、融合および切断を招く。典型的なポリペプチドの 変種は、別の参照ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般的には、差異は 、参照ポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に非常に類似しており、多くの 領域で同一であるように限定される。変種および対照ポリペプチドは、1または それ以上の置換、付加、欠失が任意の組み合わせで起こることにより、アミノ酸 配列が変化し得る。置換または挿入したアミノ酸残基は、遺伝的コードによりコ ードされたものであってもそうでなくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペ プチドの変種は例えば対立遺伝子変種のような自然発生的なものでよいか、また は自然に発生することが知られていない変種でよい。ポリヌクレオチドおよびポ リペプチドの非自然発生変種は、突然変異技術、直接的合成、および当業者に既 知のその他の組換え技術により製造できる。 発明の説明 本発明は以下により詳細に記載する、新規tRNAシンセターゼポリペプチド およびポリヌクレオチドに関する。特に、本発明は、tyrS遺伝子によりコー ドされるバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)のtRNAシンセターゼポ リペプチドにアミノ酸配列の相同性という点で関連している、スタフィロコッカ ス・アウレウスの新規tRNAシンセターゼ遺伝子のポリペプチドおよびポリヌ クレオチドに関する。本発明は特に図1および図2に各々示すヌクレオチドおよ びアミノ酸配列を有するtRNAシンセターゼ、ならびにNCIMB受託番号4 0771のDNAのtRNAシンセターゼヌクレオチド配列およびそれらにコー ドされるアミノ酸配列に関する。 とりわけ研究室的条件および宿主感染条件下での生存性に適用した場合に、細 菌における一時的な遺伝子発現を評価するのに有用な技法がある。それ自体が生 存するのに必須であるかまたは感染の確立および/もしくは維持に必須である遺 伝子を同定するために、多くの方法を用いることができる。これらの方法の一つ により配列の発現を同定することにより、その機能についてのさらなる情報が得 られ、スクリーニングの目的物質としてさらなる開発のためのかかる配列の選別 が助けられる。すなわち、これらの研究は例えば以下に挙げられるものである: 1)シグニチャータグ化突然変異誘発(Signature Tagged Mutagenesis: STM) この技法はHenselら、Science 269:400-403(1995)に開示されている(引用 して本明細書の記載とする)。シグニチャータグ化突然変異誘発は、該感染モデ ルにおける感染の確立/維持に必要な遺伝子を同定するものである。 この技法は、種々の方法(例えばトランスポゾン)により、標的生物のランダ ムな突然変異を誘発し、独特なDNA配列タグを突然変異部位に非常に近接して 挿入することに基づく。細菌性突然変異体の混合集団からのタグおよび感染した 宿主から回収した細菌は、増幅、放射性標識化およびハイブリダイゼーション分 析により検出される。毒性を減じた突然変異体は、感染宿主から回収した細菌の プールにタグが存在しないことにより表される。 スタフィロコッカス・アウレウスにおいては、トランスポゾンシステムはよく 発達していないので、タグ化突然変異体を作るためのより有効な方法は、 Morrisonら、J.Bacteriol.159:870(1984)(引用して本明細書の記載とする )に開示されている挿入−複製突然変異誘発法を用いることである。 2)インビボ発現技法(In Vivo Expression Technology:IVET) この技術は、Camilliら、Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA.91:2634-2638(1994 )およびMahanら、Infectious Agents and Diseases 2:263-268(1994)に開示 されている(各々、引用して本明細書の記載とする)。IVETは、実験培養と 比較した場合、感染中にアップレギュレートされた遺伝子を同定し、感染におけ る重要な役割を果たす。この技法により同定される配列は感染の確立/維持に重 要な役割を果たす。 この技法では、標的生物のランダムな染色体フラグメントは、プラスミドベク ターのプロモーター不含リポーター遺伝子の上流でクローン化される。プールを 宿主に導入し、感染後の種々の時間に細菌を回収し、リポーター遺伝子発現の存 在を評価する。発現したリポーター遺伝子の上流に担持された染色体フラグメン トは、感染中に正常にアップレギュレートされたプロモーターまたは遺伝子部分 を担持すべきである。リポーター遺伝子の上流を配列決定すると、アップレギュ レートされた遺伝子を同定できる。 3)特徴的表示 この技法はChuangら、J.Bacteriol.175:2026-2036(1993)に開示されてい る(引用して本明細書の記載とする)。この方法はランダムプライムRT−PC Rを用いて存在するmRNAを同定することにより、生体に発現する遺伝子を同 定する。感染前および感染後のプロフィールを比較することにより、感染中にア ップレギュレートおよびダウンレギュレートされた遺伝子を同定でき、RT−P CR生成物を配列決定し、ライブラリー配列に適合させられる。 4)トランスポゾン突然変異誘発による条件致死変異体の発生 この技法はde Lorenzo,V.ら、Gene 123:17-24(1993);Neuwald,A.F.ら、 Gene 125:69-73(1993)およびTakiff,H.E.ら、J.Bacteriol.174:1544-1553 (1992)に開示されており(引用して本明細書の記載とする)、発現が細胞の生 存性に必須である遺伝子を同定する。 この技法では、一方向または両方向でトランスポゾンから外側へ転写する、調 節可能なプロモーターを担持するトランスポゾンを生じる。これらのトランスポ ゾンを標的生物にランダムに挿入し、続いてプロモーター活性のインデューサー の存在下で挿入突然変異体を単離すると、発現が細胞の生存に必須である遺伝子 のコーディング領域からプロモーターを分離するインサートが確実に回収される 。このインサートは生存できないので、続いてインデューサー不含のレプリカ平 板法でかかるインサートを同定する。トランスポゾンに隣接する領域の配列決定 により挿入部位を同定し、分断された遺伝子を同定する。インデューサー不存在 下での成長中の細胞の過程/形態の変化を正確にモニターすることにより、遺伝 子の可能な機能に関する情報が得られる。このようなモニターリングとしては、 フローサイトメトリー(細胞分割、溶解、酸化還元能、DNA複製)、DNA、 RNA、タンパク質、脂質、ペプチドグリカンへの放射化学的標識化前駆体の取 り込み、既知の細胞性ストレスに反応するリポーター酵素遺伝子融合のモニター 等がある。 5)化学的突然変異誘発による条件致死突然変異の発生 この技法はBeckwith,J.、Methods in Enzymology 204:3-18(1991)に記載さ れている(引用して本明細書の記載とする)。この技法では標的生物のランダム 化学的突然変異を誘発し、生理学的温度(許容温度)とは異なる温度で増殖させ 、続いてレプリカ平板法を行い、異なる温度(例えばts同定のためには42℃ 、cs同定のためには25℃)で成長させ、その時成長できなかった単離物(条 件突然変異体)を同定する。上述のように、非許容温度での増殖における変化を 正確にモニターすることにより、突然変異遺伝子の機能に関する情報が得られる 。標的生物からのライブラリーによる条件致死突然変異の相補性、および相補遺 伝子を配列決定することにより、ライブラリー配列と適合させることができる。 これらの技法の各々は、特定の適用に応じて有利であったり、不利であったり する。当業者は意図する特定の使用目的に最も関連する研究法を選択する。例え ば、いくつかの遺伝子は感染に必須であると認識されているが、実際には感染の 開始にのみ必要であり、そのためそれらの産物は、確立された慢性感染の治療の ために開発された抗細菌物質にはそれほど魅力的な標的ではない。 6)RT−PCR 細菌性メッセンジャーRNA、好ましくはスタフィロコッカス・アウレウスの 細菌性メッセンジャーRNAを、細菌感染した組織、例えば48時間ネズミ肺感 染の組織から単離し、ランダムヘキサヌクレオチドでプライムしたRNAサンプ ルの逆転写、続いて遺伝子特異的プライマー対でのPCRにより、各mRNA種 の量を評価する。得られたPCR生成物の定量化による特定のmRNA種の存在 および量の決定により、感染した組織において転写された細菌遺伝子に関する情 報が得られる。遺伝子転写の分析は、感染の異なる時間で実施でき、細菌性病因 における遺伝子制御に関する詳細な知識を得ることができ、遺伝子産物が新規抗 菌物質をスクリーニングする目的物質に相当することが明快に理解できるように なる。用いたPCRプライマーの遺伝子特異的特性のために、細菌性mRNA調 製物は遊離の哺乳動物RNAである必要はないことが理解されるべきである。こ れにより研究者は、感染組織から簡単で迅速にRNAを調製でき、細菌中で非常 に短時間しか生育できない(半減期2分程度)細菌性mRNA種を得ることがで きる。最適には、細菌性mRNAは、感染ネズミ肺組織から、TRIゾール試薬 の製造者に従って、非常に短時間TRIゾール(ギブコ−BRL)の存在下で機 械的に崩壊させ、続いてプロセシングし、次いでDNAase処理して夾雑DN Aを除去することにより調製する。好ましくは、該プロセスは、適切に標識化し た配列特異的オリゴヌクレオチドプローブでノーザンブロットをプローブするこ とにより検出される場合に細菌性16SリボソームRNA、好ましくはスタフィ ロコッカス・アウレウスの16SリボソームRNAの最大量を得る条件を見出す ことにより最適化される。典型的には、至適には8から25サイクルで終了する PCR反応における各PCRプライマー対には5'色素標識プライマーを用いる 。PCR生成物は6%ポリアクリルアミドゲルで分離し、GeneScanner(AB I製造)を用いて検出および定量する。 本発明の配列に適用する場合、これらの技法を用いると、感染中に発現する細 菌性タンパク質、抗細菌治療における利用能を有する該細菌性タンパク質の阻害 物質の同定が可能になる。 寄託物 スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29株を含有する寄託物は、スコッ トランド、アベルディーンAB2 1RY、セント・マッカードライブ23番の ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・アンド・マリン・バクテ リア・リミテッド(NCIMB)に1995年9月11日に寄託され、NCIM B受託番号40771が付与された。寄託したスタフィロコッカス・アウレウス 株は本明細書では「寄託株」または「寄託株のDNA」と称する。 寄託物は、寄託により「NCIMB 40771」と称された、tRNAシン セターゼDNAの全長を含有する株である。 寄託物に含まれるポリヌクレオチド配列、およびそれらにコードされるポリペ プチドのアミノ酸配列は、本明細書の配列に関するいずれの記載にも矛盾する事 象においてコントロールしている。 寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条 件下でなされている。該株は、特許が発行されると何らの制限または条件もなく 最終的に分譲されるであろう。寄託は当業者の便宜のためにのみ規定されており 、寄託が35U.S.C.112条のもとに要求されるような実施可能要件である ことを承認するものではない。 寄託物を製造、使用または販売するためにはライセンスが必要であるが、その ようなライセンスはここでは賦与されない。 ポリペプチド 本発明のポリペプチドとしては、図2[配列番号2]のポリペプチド(詳細に は成熟ポリペプチド)ならびにポリペプチド類およびフラグメント、とりわけt RNAシンセターゼの生物学的活性を有するもの、および図2[配列番号2]の ポリペプチドまたは相当する部分に少なくとも70%の同一性を有するもの、好 ましくは図2[配列番号2]のポリペプチドに少なくとも80%の同一性を有す るもの、およびさらに好ましくは図2[配列番号2]のポリペプチドに少なくと も90%の類似性(さらに好ましくは少なくとも90%の同一性)を有するもの 、なおさらに好ましくは図2[配列番号2]のポリペプチドに少なくとも95% の類似性(なおさらに好ましくは少なくとも95%の同一性)を有するものが挙 げられ、また、一般に少なくとも30個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも 50個のアミノ酸を含むポリペプチドのかかる部分を有するこのようなポリペプ チドの部分が挙げられる。 本発明のポリペプチドのフラグメントである変種は、ペプチド合成により対応 するポリペプチド全長を産生するのに用いることができる;従って、これらの変 種をポリペプチド全長を製造するための中間体として用いることができる。本発 明のポリヌクレオチドのフラグメントである変種を用いて、本発明のポリヌクレ オチド全長を合成することができる。 フラグメントは、前述のポリペプチドのアミノ酸配列の全てではなく一部と全 く同一であるアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドである。tRNAシンセタ ーゼポリペプチドに関しては、フラグメントは「フリースタンディング(free-s tanding)」であるか、またはそれらが一部もしくは領域を形成する大きなポリ ペプチド内に含まれてもよく、最も好ましくは単一の連続した領域として、単一 の大きなポリペプチド内に含まれる。 好ましいフラグメントとしては、例えば、アミノ末端を含む連続する一連の残 基の欠失もしくはカルボキシル末端を含む連続する一連の残基の欠失またはアミ ノ末端を含むものおよびカルボキシル末端を含むものからなる二つの連続する一 連の残基の欠失以外の、図2[配列番号2]のアミノ酸配列またはそれらの変種 の一部を有する切断ポリペプチドが挙げられる。宿主細胞、とりわけスタフィロ コッカス・アウレウスにおける本発明のポリペプチドの切断形態もまた好ましい 。また、構造的または機能的属性により特徴づけられたフラグメント、例えばア ルファーヘリックスおよびアルファーヘリックス形成領域、ベーターシートおよ びベーターシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル 形成領域、親水性領域、疎水性領域、アルファー両親媒性領域、ベータ両親媒性 領域、可変領域、表面形成領域、基質結合領域、および高抗原性指標領域を含む フラグメントなどがある。 tRNAシンセターゼの活性を媒介するこれらのフラグメントである生物学的 に活性なフラグメントもまた好ましく、類似の活性もしくは改善された活性があ るかまたは望ましくない活性を減じたフラグメント等がある。動物、とりわけヒ トにおいて抗原的または免疫原的であるこれらのフラグメントもまた含まれる。 ポリヌクレオチド 本発明の別の態様は、図2[配列番号2]の推定アミノ酸配列を有するtRN Aシンセターゼポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドおよびそれらに 密接に関連したポリヌクレオチドおよびそれらの変種を提供する。 本明細書に提供する情報を用いて、例えば図1[配列番号1]に示すポリヌク レオチド配列のような、tRNAシンセターゼポリペプチドをコードする本発明 のポリヌクレオチドを、例えば出発物質としてスタフィロコッカス・アウレウス WCUH29細胞由来の染色体DNAフラグメントをクローニングし配列決定す るために用いるような標準的なクローニングおよびスクリーニングを用いて得る ことができ、次いで全長クローンを得ることができができる。例えば、図1[配 列番号1]に示す配列のような本発明のポリヌクレオチド配列を得るために、典 型的には、イー・コリ(E.coli)または何か別の適切な宿主におけるスタフィ ロコッカス・アウレウスWCUH29細胞の染色体DNAのクローンのライブラ リーを、部分的配列に由来の、好ましくは17量体またはそれ以上の長さの放射 性標識オリゴヌクレオチドにてプローブする。次いで、プローブのDNAと同一 のDNAを有するクローンは、厳密な条件を用いて区別できる。オリジナルの配 列から設計した配列決定プライマーでこのように同定した個々のクローンを配列 決定することにより、次に両方向に配列を伸長させて、全遺伝子配列を決定する ことができる。このような配列決定は、プラスミドクローンから調製した変性二 本鎖DNAを用いて行うのが好都合である。適切な技法については、Maniatis, T.、Fitsch,F.F.およびSambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manua l、第2版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コール ド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989)に開示されている(Screenin g By Hybridization 1.90 and Sequencing Denatured Double-Stranded DNA Tem plates 13.70を参照)。本発明の説明のために、図1[配列番号1]に示すポリ ヌクレオチドは、スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29に由来するDN Aライブラリーで発見された。 このようにして得られたDNA配列を図1[配列番号1]に示す。これは当該 分野で周知のアミノ酸残基分子量を用いて算出できる推定分子量を有する、図2 [配列番号2]に示すものとほぼ同数のアミノ酸残基を有するタンパク質をコー ドする読み取り枠を含有する。本発明の新規tRNAシンセターゼは、寄託株の tRNAシンセターゼをコードするDNAの配列決定の結果により示されるよう に、tRNAシンセターゼファミリーの他のタンパク質に構造的に関連している 。該タンパク質は、既知のタンパク質の中でtyrS遺伝子によりコードされて いるバシラス・サチリスtRNAシンセターゼタンパク質に対する最大の相同性 を示す。図2[配列番号2]のチロシルtRNAシンセターゼは、tyrS遺伝 子によりコードされているバシラス・サチリスのtRNAシンセターゼポリペプ チドのアミノ酸配列と、全長で約61%の同一性、および全長にわたり約79% の 類似性を有する。本発明の配列はまた、図1[配列番号1]のコーディング配列 と全長にわたり同一であってもよい。 本発明はまた、成熟ポリペプチドまたはそれらのフラグメントのコーディング 配列、ならびに単独で他のコーディング配列を有する読み取り枠の成熟ポリペプ チドまたはフラグメントについてのコーディング配列、例えばリーダーまたは分 泌配列、プレー、プロー、プレプロ−タンパク質配列をコードするコーディング 配列をも提供する。ポリヌクレオチドは、例えば、転写された非翻訳配列、停止 シグナル、リボソーム結合部位、mRNA安定化配列、イントロン、ポリアデニ ル化シグナル、および付加アミノ酸をコードする付加コーディング配列などの非 コーディング5'および3'配列などの非コーディング配列をも含有しうるが、こ れらに限定するのではない。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマー カー配列をコードすることができる。本発明のこの態様のある好ましい具体例に おいて、マーカー配列は、pQEベクター(キアゲン・インコーポレーテッド) に提供されるようなヘキサ−ヒスチジンペプチド(Gentzら、Proc.Natl.Acad .Sci.,USA,86:821-824(1989)に記載される)またはHAタグ(Wilsonら、C ell,37:767(1984))である。本発明のポリヌクレオチドはまた、構造遺伝子お よび遺伝子発現を調節するその天然において関連した配列をも含むが、これらに 限定するものではない。 前述によれば、本明細書で用いる「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチ ド」なる用語は、本発明のポリペプチド、とりわけ図2[配列番号2]に示すア ミノ酸配列を有する細菌性の、さらに詳細にはスタフィロコッカス・アウレウス tRNAシンセターゼをコードする配列を含有するポリヌクレオチド包含する。 この用語はまた、付加領域と一緒になった、ポリペプチドをコードする単一の連 続領域または不連続領域(例えば、組み込まれたファージもしくは挿入配列また は修正により分断される)、さらにはコーディングおよび/または非コーディン グ配列をも含有し得るポリヌクレオチドをも包含する。 本発明はさらに、図2[配列番号2]の推定アミノ酸配列を有するポリペプチ ドの変種をコードする、本明細書で上述したポリヌクレオチドの変種に関する。 さらに、特に好ましい具体例は、図2[配列番号2]に示すtRNAシンセタ ーゼポリペプチドのアミノ酸配列にいくつか、少しの、5〜10、1〜5、1〜 3、2、1または0個のアミノ酸残基を置換、欠失または付加を任意の組み合わ せて施したアミノ酸配列を有するtRNAシンセターゼ変種をコードするポリヌ クレオチドである。中でもとりわけ好ましいものは、tRNAシンセターゼの特 性および活性を変化させないサイレント置換、付加および欠失である。 本発明のさらに好ましい具体例は、図2[配列番号2]に示すアミノ酸配列を 有するtRNAシンセターゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、およ びこのようなポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドに対し、全長にわた り少なくとも70%同一であるポリヌクレオチドである。また別に、最も好まし いポリヌクレオチドは、寄託株のスタフィロコッカス・アウレウスDNAのtR NAシンセターゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、およびそれらに 相補的なポリヌクレオチドに対し、全長にわたり少なくとも80%同一である領 域を含むポリヌクレオチドである。これに関して、寄託株のスタフィロコッカス ・アウレウスDNAのtRNAシンセターゼポリペプチドをコードするポリヌク レオチド、およびそれらに相補的なポリヌクレオチドに対し、全長にわたり少な くとも90%同一であるポリヌクレオチドがとりわけ好ましく、これらのとりわ け好ましいポリヌクレオチドの中でも少なくとも95%の同一性を有するものが 特に好ましい。さらにまた、少なくとも95%の同一性を有するものの中でも少 なくとも97%であるものがより好ましく、これらの中でも少なくとも98%お よび少なくとも99%であるものがとりわけ非常に好ましく、さらに少なくとも 99%であるものがより好ましい。 これに関するとりわけ好ましい具体例は、さらに、図1[配列番号1]のDN Aによりコードされる成熟ポリペプチドと同一の生物学的機能または活性を実質 的に保持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。 本発明は、さらに本明細書で上述した配列にハイブリダイズするポリヌクレオ チドに関する。これに関して、本発明は、特に、厳密な条件下で本明細書で上述 したポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細 書で用いる場合、「厳密な条件」および「厳密なハイブリダイゼーション条件」 なる用語は、ハイブリダイゼーションが配列間の同一性が少なくとも95%、好 ましくは少なくとも97%である場合のみに起こることを意味する。厳密なハイ ブリダイゼーション条件の例としては、50%ホルムアミド、5xSSC(15 0mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5xデンハーツ溶液、10%硫酸デキストラン、および20μg /mlの、変性され剪断されたサケ精子DNAを含有する溶液中、42℃で一晩イ ンキュベートし、続いて約65℃で0.1xSSC中フィルターを洗浄するもの が挙げられる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は周知であり、Sambrook ら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング ・ハーバー、ニューヨーク(1989)、とりわけその第11章に例示されている( 引用して本明細書の記載とする)。 本発明はまた、本質的に、厳密なハイブリダイゼーション条件下で配列番号1 に示すポリヌクレオチド配列について完全遺伝子を含有する適当なライブラリー を、配列番号1に示すポリヌクレオチド配列の配列またはその断片を有するプロ ーブでスクリーニングし、該DNA配列を単離することにより得られるポリヌク レオチド配列からなるポリヌクレオチドを提供するものでもある。このようなポ リヌクレオチドを得るために有用なフラグメントとしては、例えば本明細書に別 に記載するプローブおよびプライマーなどが挙げられる。 本発明のポリヌクレオチドアッセイに関してここでさらに論じるが、例えば上 述の本発明のポリヌクレオチドをRNA、cDNAおよびゲノムDNAについて のハイブリダイゼーションプローブとして用いて、tRNAシンセターゼをコー ドするcDNA全長およびゲノムクローンを単離し、tRNAシンセターゼ遺伝 子に高度な配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単 離することができる。このようなプローブは、通常、少なくとも15塩基を含む 。好ましくは、このようなプローブは、少なくとも30塩基を有し、少なくとも 50塩基を有していてもよい。とりわけ好ましいプローブは、少なくとも30塩 基を有し、50塩基以下である。 例えば、tRNAシンセターゼ遺伝子のコーディング領域は、既知DNA配列 を用いてオリゴヌクレオチドプローブを合成し、スクリーニングすることにより 単離できる。次いで、本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識化オリ ゴヌクレオチドを用いて、cDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリ ーをスクリーニングし、プローブがハイブリダイズするライブラリーのメンバー を決定する。 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、疾患、とりわけヒトの疾患 の処置法および診断法の発見のために研究試薬および材料として使用でき、とり わけポリヌクレオチドアッセイに関連して本明細書でさらに論じる。 オリゴヌクレオチドである本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1および2 の配列に由来する配列番号3および4を含み、本明細書に記載する方法に使用で きるが、PCRに用いるのが好ましく、本明細書で同定したポリヌクレオチドの 全てまたは一部が感染した組織に転写されるか否かを決定する。このような配列 が、病原体が達成した感染の段階および感染の型の診断にも有用であることが理 解される。 ポリヌクレオチドは、付加アミノ酸もしくはカルボキシル末端アミノ酸または 成熟ポリペプチドに内在するアミノ酸を加えた成熟タンパク質であるポリペプチ ドをコードできる(例えば成熟形態が一つ以上のポリペプチド鎖を有する場合) 。このような配列は、前駆体から成熟形態へのタンパク質のプロセシングにおい て役割を果たし、タンパク質輸送を可能にし、タンパク質の半減期を延長もしく は短縮し、またはとりわけアッセイもしくは製造のためのタンパク質の操作を容 易にすることができる。一般的にインビボの場合、付加アミノ酸は、細胞の酵素 により処理され、成熟タンパク質から取り除かれる。 1またはそれ以上のプロ配列と融合したポリペプチドの成熟形態を有する前駆 タンパク質は、ポリペプチドの不活性形態であってもよい。プロ配列が除去され ると、このような不活性前駆体が通常活性化される。プロ配列のいくつかまたは 全てを活性化の前に除去できる。通常、このような前駆体はプロタンパク質と称 される。 要するに、本発明のポリヌクレオチドは、成熟タンパク質、リーダー配列を加 えた成熟タンパク質(プレタンパク質と称することができる)、プレタンパク質 のリーダー配列ではない1またはそれ以上のプロ配列を有する成熟タンパク質の 前駆体、またはリーダー配列および1またはそれ以上のプロ配列を有するプロタ ンパク質の前駆体であるプレプロタンパク質をコードでき、プロ配列は通常ポリ ペプチドの活性および成熟形態を生じるプロセシング段階で除去される。 ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクター で遺伝子操作する宿主細胞および組換え技法による本発明のポリペプチドの製造 にも関する。無細胞翻訳系を用い、本発明のDNA構築物に由来するRNAを用 いてこのようなタンパク質を製造することもできる。 組換え体を製造するために、宿主細胞は、遺伝子操作して、発現系もしくはそ れらの一部、または本発明のポリヌクレオチドを組み込むことができる。ポリヌ クレオチドの宿主細胞への導入は、例えば、Davisら、BASIC METHODS IN MOLECU LAR BIOLOGY,(1986);Sambrookら、MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL、 第2版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・ スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989)のように、多くの標準的な実験マ ニュアルに記載される方法により行うことができ、例えばリン酸カルシウムトラ ンスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トラン スベクション、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェク ション、エレクトロポレーション、トランスダクション、スクレープ負荷、バリ スティック導入および感染などがある。 適当な宿主の代表的な例としては、細菌細胞、例えばストレプトコッカス細胞 、スタフィロコッカス細胞、イー・コリ(E.coli)細胞、ストレプトミセス細 胞およびバシラス・サチリス細胞;真菌細胞、例えば酵母細胞およびアスペルギ ルス(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えばドロソフィラS2(Drosophila S2)細胞およびスポドプテラSf9(Spodoptera Sf9)細胞;動物細胞、 例えばCHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、293およびボ ウ ズ(Bows)黒色腫細胞;ならびに植物細胞などが挙げられる。 非常に多くの発現系を用いて、本発明のポリペプチドを製造することができる 。このようなベクターとしては、とりわけ、染色体、エピソームおよびウイルス 由来のベクター、例えば細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トラン スポゾン由来、酵母エピソーム由来、インサートエレメント由来、酵母染色体エ レメント由来、例えばバキュロウイルス、パポバウイルス、例えばSV40、ワ クシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよび レトロウイルスなどのウイルス由来のベクター、ならびにそれらを組み合わせた 物に由来するベクター、例えばプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝学的エ レメント由来のベクター、例えばコスミドおよびファージミドなどが挙げられる 。発現系の構築物は、発現を制御および引き起こす調節領域を含有できる。通常 、宿主中にポリヌクレオチドを保持、伸長または発現するのに、および/または ポリペプチドを発現するのに適したいずれの系またはベクターをも、この点に関 する発現に使用できる。種々の周知かつ慣用的な技術のいずれか(例えばSambro okら、MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL(上述)に記載されている技術 )により、適当なDNA配列を発現系に挿入できる。 翻訳タンパク質を、小胞体内腔、ペリプラスミックスペースまたは細胞外環境 へ分泌するために、適当な分泌シグナルを発現するポリペプチドに組み込むこと ができる。これらのシグナルはポリペプチドに対して内在性であってもよく、あ るいは異種性のシグナルでもよい。 本発明のポリペプチドは、例えば硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸 抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロ マトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィ ー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフ ィーを含む周知の方法により、組換え細胞培養物から回収および精製することが できる。精製のために高速液体クロマトグラフィーを用いるのが最も好ましい。 ポリペプチドが単離および/または精製中に変性した場合、タンパク質再生のた めの周知の技法を用いて、再び活性な立体配座にすることができる。 診断アッセイ 本発明はまた診断試薬として使用するための本発明のtRNAシンセターゼポ リヌクレオチドの使用にも関する。真核生物、とりわけ哺乳動物、特にヒトにお けるtRNAシンセターゼの検出は、疾患の診断のための診断法を提供する。真 核生物(本明細書において「個体」とも称する)、とりわけ哺乳動物、特にヒト がtRNAシンセターゼ遺伝子を含む生物に感染すると、種々の方法によりDN Aレベルで検出できる。 診断用の核酸は、感染した個体の細胞および組織、例えば骨、血液、筋肉、軟 骨および皮膚より得ることができる。ゲノムDNAを用いて、直接的に検出する ことができるか、または分析の前にPCRもしくはその他の増幅法を用いること により酵素的に増幅できる。RNAまたはcDNAもまた同じ方法で用いること ができる。増幅法を用いると、真核生物、とりわけ哺乳動物、特にヒトに存在す る原核生物の株を、原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴づけすることが できる。対照配列の遺伝子型に比較した増幅産物の大きさの変化により、欠失お よび挿入を検出できる。点突然変異は、増幅DNAを標識化tRNAシンセター ゼポリヌクレオチド配列にハイブリダイズすることにより同定できる。完全に対 合した配列はRNase消化により、または融解温度の差により、ミスマッチ二 重らせんと区別できる。DNA配列の差は、また、変性剤を伴うまたは伴わない ゲル中のDNAフラグメントの電気泳動の移動度の変化により、または直接的な DNAの配列決定により検出できる。例えばMeyersら、Science,230: 1242(19 85)を参照。特異的な位置での配列の変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッセイ、 例えばRNaseおよびS1保護または化学的切断法によっても明らかにするこ とができる。例えばCottonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85: 4397-4401( 1985)を参照。 本発明遺伝子の突然変異または多型性を担持する細胞はまた、種々の技術によ り、DNAレベルで、例えばセロタイピングすることにより検出できる。例えば 、RT−PCRを用いて、突然変異を検出することができる。RT−PCRは自 動検出系、例えばGeneScan等と組み合わせて用いるのがとりわけ好ましい。R N AまたはcDNAもまた同じ目的で、PCRまたはRT−PCRに用いることが できる。例を挙げると、tRNAシンセターゼをコードする核酸に相補的なPC Rプライマーを用いて、突然変異を同定および分析することができる。これらの プライマーは、個体に由来するサンプルから単離したtRNAシンセターゼDN Aを増幅するために用いてもよい。本発明はまた、5'および/または3'末端か ら取り出した1、2、3または4ヌクレオチドを有するこれらのプライマーを提 供するものでもある。該プライマーを用いて、感染した個体から単離した遺伝子 を増幅することができ、次いで、該遺伝子を、DNA配列を調べるための種々の 技法に供することができる。このように、DNA配列における突然変異を検出し 、これを用いて、感染を診断し、感染性物質のセロタイピングまたは分類するこ とができる。 本発明はまた、疾患、好ましくは細菌感染、さらに好ましくはスタフィロコッ カス・アウレウスによる感染、最も好ましくは上気道感染(例えば、中耳炎、細 菌性気管炎、急性咽頭蓋炎、甲状腺炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍) 、心臓感染(例えば、感染性心内膜炎)、消化器感染(例えば、分泌性下痢、脾 臓膿瘍、腹膜後膿瘍)、CNS感染(例えば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼 瞼炎、結膜炎、角膜炎、眼内炎、前中隔(preseptal)および眼窩蜂巣炎、涙嚢 炎)、腎および尿管感染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周囲膿瘍、トキシッ クショック症候群)、皮膚感染(例えば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、 創傷感染、細菌性筋炎)、ならびに骨および関節感染(例えば、敗血症性関節炎 、骨髄炎)などの疾患の診断方法であって、図1[配列番号1]の配列を有する ポリヌクレオチドの発現レベルの上昇を個体由来のサンプルから決定することを 含む診断方法を提供するものである。tRNAシンセターゼポリヌクレオチドの 発現の増加または減少は、ポリヌクレオチドの定量について当該技術分野で周知 の方法のいずれか1つ、例えば、増幅、PCR、RT−PCR、RNase保護 、ノーザンブロッティングおよびその他のハイブリダイゼーション法を用いて測 定することができる。 さらに、正常対照組織サンプルと比較したtRNAシンセターゼタンパク質の 過剰発現を検出するための本発明の診断アッセイを用いて、例えば、感染の存在 を検出することができる。宿主由来のサンプル中のtRNAシンセターゼタンパ ク質のレベルを決定するために用いることができるアッセイ技法は、当業者に周 知である。このようなアッセイ法としては、ラジオイムノアッセイ、競争結合ア ッセイ、ウェスタンブロット分析およびELISAアッセイなどが挙げられる。 抗体 本発明のポリペプチドもしくはそれらの変種、またはそれらを発現する細胞を 免疫原として用いて、このようなポリペプチドに対して免疫特異的な抗体を産生 することができる。本明細書で用いる場合、「抗体」としては、モノクローナル およびポリクローナル抗体、キメラ、一本鎖、サル化抗体およびヒト化抗体、な らびにFab免疫グロブリン発現ライブラリーの生成物などのFabフラグメン トなどが挙げられる。 本発明のポリペプチドに対して生じる抗体は、ポリペプチドまたはエピトープ が付いたフラグメント、アナログまたは細胞を、動物、好ましくはヒトはでない 動物に、慣用のプロトコールを用いて投与することにより得ることができる。連 続的細胞系培養により産生される抗体を提供する、当該技術分野で周知の技術を 用いて、モノクローナル抗体を調製することができる。実例としては、Kohler, G.およびMilstein,C.,Nature,256: 495-497(1975);Kozborら、Immunology T oday,4: 72(1983);Coleら、MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Ala n R.Liss,Inc.、77-96頁(1985)に記載されるような種々の技法がある。 一本鎖抗体の産生についての技術(米国特許第4,946,778号)を適用し て、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生することができる。また、 トランスジェニックマウスまたは他の生物、例えば、他の哺乳動物を用いて、ヒ ト化抗体を発現することができる。 別法としては、ファージディスプレイ技法を用いて、抗Fbpプロセシングに ついてスクリーニングしたヒト由来のリンパ球のPCR増幅したv遺伝子のレパ ートリー由来の、または無処理ライブラリー由来のポリペプチドに対する結合活 性を有する抗体遺伝子を選別することができる(McCafferty,J.ら、Nature 348 , 552-554(1990);Marks,J.ら、Biotechnology 10,779-783(1992))。これらの 抗体の親和性はまた、チェインシャフリング(chain shuffling)により改善す ることもできる(Clackson,T.ら、Nature 352,624-628(1991))。 二つの抗原結合ドメインが存在する場合、各ドメインは「二特異性」抗体と称 する異なるエピトープに対して指向される。 上述の抗体を用いて、ポリペプチドを発現するクローンを単離または同定する ことができ、親和性クロマトグラフィーにより該ポリペプチドを精製することが できる。 したがって、とりわけtRNAシンセターゼに対する抗体を用いて、感染、と りわけ細菌感染、特に上気道感染(例えば、中耳炎、細菌性気管炎、急性咽頭蓋 炎、甲状腺炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心臓感染(例えば、 感染性心内膜炎)、消化器感染(例えば、分泌性下痢、脾臓膿瘍、腹膜後膿瘍) 、CNS感染(例えば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎 、眼内炎、前中隔(preseptal)および眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、腎および尿管感 染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周囲膿瘍、トキシックショック症候群)、 皮膚感染(例えば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、細菌性筋炎 )、骨および関節感染(例えば、敗血症性関節炎、骨髄炎)などの疾患を処置す ることができる。 ポリペプチド変種としては、抗原的、エピトープ的または免疫学的に等価な変 種などが挙げられ、これは、本発明の特定の態様を形成する。本明細書で用いる 場合、「抗原的に等価な誘導体」なる用語は、本発明によるタンパク質またはポ リペプチドに対して生起された場合に病原体と哺乳動物宿主との間での即時的な 物理的相互作用を妨害するある種の抗体により特異的に認識されるポリペプチド またはその等価物を包含する。本明細書で用いる場合、「免疫学的に等価な誘導 体」なる用語は、脊椎動物における抗体を生起させるのに適した処方において用 いた場合に抗体が病原体と哺乳動物宿主との間での即時的な物理的相互作用を妨 害するように作用するペプチドまたはその等価物を包含する。 ポリペプチド、例えば抗原的もしくは免疫学的に等価な誘導体、またはそれら の融合タンパク質を抗原として用いて、マウスまたは他の動物、例えばラットも しくはニワトリを免疫化することができる。融合タンパク質は、ポリペプチドに 安定性を付与できる。抗原は、例えばコンジュゲーションにより、免疫原性キャ リヤタンパク質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホール・リン ペット・ヘモシアニン(keyhole limpet haemocyanin:KLH)と結合すること ができる。別法としては、タンパク質もしくはポリペプチド、またはそれらの抗 原的もしくは免疫学的に等価なポリペプチドの多重コピーを含む多重抗原ペプチ ドは、免疫原性を改良するのに充分な抗原性を有しているので、キャリヤを用い なくてすむ。 好ましくは、抗体またはそれらの変種を修飾して、個体においてあまり免疫原 性ではないようにする。例えば、個体がヒトである場合、抗体は、最も好ましく は「ヒト化」される;この場合、例えば、Jones,P.ら、Nature 321,522-525(1 986)またはTempestら、Biotechnology 9,266-273(1991)に開示されているよ うに、ハイブリドーマ由来の抗体の相補性決定領域は、ヒトモノクローナル抗体 に移植されてきた。 本発明のポリヌクレオチドを遺伝学的免疫化において使用するには、例えばプ ラスミドDNAの筋肉への直接注射(Wolffら、Hum Mol Genet 1:363(1992);Ma nthorpeら、Hum.Gene Ther.4,419(1963))、特異的タンパク質キャリヤとの DNA複合体の送達(Wuら、J.Biol.Chem.264,16985(1989))、リン酸カル シウムとのDNA共沈(Benvenisty & Reshef、PNAS 83,9551(1986))、種々の 形態のリポソーム中へのDNA封入(Kanedaら、Science 243,375(1989))、微粒 子爆撃(Tangら、Nature 356:152(1992);Eisenbraunら、DNA Cell Biol.12:79 1,(1993))およびクローン化レトロウイルスベクターを用いたインビボ感染(S eegerら、PNAS 81,5849(1984))などの適切なデリバリー方法を用いるのが好ま しい。 また、本発明のポリペプチドを用いて、例えば、細胞、無細胞調製物、化学的 ライブラリー、および天然産物の混合物中の、小さな分子基質およびリガンドの 結合を評価することもできる。これらの基質およびリガンドは、天然の基質およ びリガンドでよく、または構造的もしくは機能的擬似物質でもよい。例えば、Co liganら、Current Protocols in Immunology 1(2): 第5章(1991)を参照。 アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセイおよび分子 本発明はまた、tRNAシンセターゼポリペプチドまたはポリヌクレオチドの 作用を増強する化合物(アゴニスト)または阻害する化合物(アンタゴニスト) を同定するための、化合物のスクリーニング方法を提供するものでもある。 例えば、アゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするために、tR NAシンセターゼポリペプチドおよびかかるポリペプチドの標識基質またはリガ ンドを含んでなる、合成反応混合物、細胞コンパートメント、例えば膜、細胞表 面膜もしくは細胞壁、またはそれらのいずれかの調製物を、tRNAシンセター ゼアゴニストまたはアンタゴニストとなりうる候補分子の存在下または不在下で 、インキュベートする。候補分子がtRNAシンセターゼポリペプチドをアゴナ イズまたは拮抗する能力は、標識化リガンドの結合の低下またはかかる基質から の生成物の生産低下に反映される。結合しても影響を及ぼさない分子、すなわち tRNAシンセターゼの効果を誘起しない分子は、おそらく良好なアンタゴニス トとであろう。結合性が良好であって、基質からの生成物の生成速度を高める分 子はアゴニストである。基質からの生成物の生成速度またはレベルは、リポータ ーシステムを用いることにより増強できる。これに関して有用なリポーターシス テムとしては、生成物に転換される比色標識化基質、tRNAシンセターゼ活性 の変化に応答するリポーター遺伝子、および当該技術分野で周知の結合アッセイ などが挙げられるが、これらに限定するものではない。 さらなる態様において、本発明は、チロシルtRNAシンセターゼの相互作用 を妨害する薬物を同定するための薬物スクリーニング法を提供するものである。 酵素により媒介される放射性標識化アミノ酸のtRNAへの組み込みは、tRN AおよびATPの存在下、アミノ酸−tRNAを放射性標識アミノ酸からのトリ クロロ酢酸沈殿放射活性として測定するアミノアシル化法により測定され得る( Hughes J.、Mellows G.および Soughton S.、FEBS Letters 122:322-324(1980) )。かくして、チロシルtRNAシンセターゼ阻害物質は、対照と比較して、 トリクロロ酢酸沈殿放射性活性の減少により検出することができる。また別に、 PPiからの放射性標識化ATPの形成を測定する、部分PPi/ATP交換反 応を触媒するtRNAシンセターゼを用いて、チロシルtRNAシンセターゼ阻 害物質を検出することができる(Calender R.& Berg P.、Biochemistry 5,168 1-1690(1966))。 tRNAシンセターゼアンタゴニストのアッセイの他の例は、競争阻害アッセ イに適した条件下で、tRNAシンセターゼおよび潜在的なアンタゴニストをt RNAシンセターゼ結合分子、組換えtRNAシンセターゼ結合分子、天然基質 もしくはリガンド、または基質もしくはリガンド擬似物質と組み合わせる競争ア ッセイである。tRNAシンセターゼを、例えば放射活性または比色化合物など により標識化して、結合分子に結合した、または生成物に変換したtRNAシン セターゼ分子の数を正確に決定して、潜在的なアンタゴニストの効果を評価する ことができる。 潜在的なアンタゴニストとしては、本発明のポリペプチドに結合し、それによ りその活性を阻害または消滅させる小さな有機分子、ペプチド、ポリペプチドお よび抗体などが挙げられる。潜在的アンタゴニストはまた、結合分子の同一部位 に結合する、密接に関連したタンパク質または抗体のような小さな有機分子、ペ プチド、ポリペプチド、例えばtRNAシンセターゼ誘起活性を誘起しない結合 分子であってよく、それによりtRNAシンセターゼを結合から排除して、tR NAシンセターゼの作用を妨げる。 潜在的なアンタゴニストとしては、ポリペプチドの結合部位に結合し、かつ該 結合部位を占領し、それにより細胞性結合分子への結合を防御して、正常な生物 学的活性を防御する小さな分子が挙げられる。小さな分子の例としては、小さな 有機分子、ペプチド、ペプチド様分子などが挙げられるが、これらに限定するも のではない。他の潜在的なアンタゴニストとしては、アンチセンス分子などが挙 げられる(これらの分子についての記載に関しては、Okano,J.,Neurochem.56 :560(1991);OLIGODEOXYNUCLEOTIDES AS ANTISENSE INHIBITORS OF GENE EXPRE SSION,CRCプレス、ボッカ・ラートン、フロリダ州(1988)を参照)。 好ましい潜在的アンタゴニストとしては、tRNAシンセターゼに関連する化合 物およびtRNAシンセターゼの変種が挙げられる。 特定の態様において、本発明は、感染の続発症に関与する、病原体と哺乳動物 宿主との間の最初の物理的相互作用を妨害するための本発明ポリペプチド、ポリ ヌクレオチドまたは阻害物質の使用を提供するものである。とりわけ本発明の分 子は、i)細菌、とりわけグラム陽性細菌の、内在デバイス上の哺乳動物細胞外 マトリックスタンパク質または創傷の細胞外マトリックスタンパク質への付着の 防御;ii)例えば哺乳動物チロシンキナーゼのリン酸化の開始により、哺乳動物 細胞侵入を媒介するtRNAシンセターゼタンパク質の阻害(Rosenshineら、In fect.Immun.60:2211(1992));iii)哺乳動物細胞外マトリックスタンパク質 と組織損傷を媒介する細菌性tRNAシンセターゼタンパク質との間の細菌付着 の阻害;iv)内在デバイスの埋め込みまたは他の外科的手技以外により開始され た感染における病因の通常の進行の防御に使用することができる。 本明細書で提供する各々のDNA配列は、抗細菌化合物の発見および開発に用 いることができる。発現してコードされたタンパク質は、抗菌薬物のスクリーニ ングのための目的物質として用いることができる。さらに、コードされたタンパ ク質もしくはShine-Delgarnoまたは他の個々のmRNAの翻訳促進配列のアミ ノ末端領域をコードするDNA配列を用いて、目的のコーディング配列の発現を 調節するアンチセンス配列を構築することができる。 アンタゴニストおよびアゴニストを用いて、例えば、疾患、例えば、上気道感 染(例えば、中耳炎、細菌性気管炎、急性咽頭蓋炎、甲状腺炎)、下気道感染( 例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心臓感染(例えば、感染性心内膜炎)、消化器感染 (例えば、分泌性下痢、脾臓膿瘍、腹膜後膿瘍)、CNS感染(例えば、大脳膿 瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、眼内炎、前中隔および眼窩蜂 巣炎、涙嚢炎)、腎および尿管感染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周囲膿瘍 、トキシックショック症候群)、皮膚感染(例えば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍 、蜂巣炎、創傷感染、細菌性筋炎)、骨および関節感染(例えば、敗血症性関節 炎、骨髄炎)などを阻害することができる。 ワクチン 本発明の別の態様は、個体、とりわけ哺乳動物における免疫学的応答を誘起す る方法であって、該個体を感染、とりわけ細菌感染、特にスタフィロコッカス・ アウレウス感染から保護する抗体を産生するのに充分なtRNAシンセターゼ、 またはそれらのフラグメントもしくは変種を個体に接種することを含んでなる方 法に関する。本発明の別の態様は、個体における免疫学的応答を誘起する方法で あって、遺伝子治療により、tRNAシンセターゼまたはそれらのフラグメント もしくは変種をコードする遺伝子を送達し、tRNAシンセターゼまたはそれら のフラグメントもしくは変種をインビボで発現し、該個体を疾患から保護する抗 体を産生する免疫学的応答を誘起することを含んでなる方法に関する。 本発明のさらなる態様は、免疫学的反応を宿主内に誘起できるかまたは誘起し た宿主に導入した場合、該宿主におけるtRNAシンセターゼまたはそれにより コードされたタンパク質に対する免疫学的応答を誘起する免疫学的組成物であっ て、該組成物が、組換えtRNAシンセターゼまたはそれによりコードされたタ ンパク質を含んでなり、該tRNAシンセターゼの抗原をコードし発現するDN Aまたはそれからコードされるタンパク質を含んでなる。 tRNAシンセターゼまたはそれらのフラグメントは、それ自身は抗体を産生 しないが、第1のタンパク質を安定化し、免疫原性および保護特性を有する融合 タンパク質を産生する能力を有する補タンパク質(co-protein)と融合できる。 かくして、融合した組換えタンパク質は、さらに、抗原補タンパク質、例えばグ ルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはベーターガラクトシダー ゼ、タンパク質を可溶化し、それらの産生および精製を容易にする比較的大きな 補タンパク質などを含んでなるのがより好ましい。さらにまた、補タンパク質は 、免疫系の一般化された刺激を提供するという意味で、アジュバントとして作用 することができる。補タンパク質は、第1のタンパク質のアミノまたはカルボキ シル末端のいずれに結合していてもよい。 本発明は、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドおよび免疫刺激DN A配列を含むことからなる、例えばSato Y.ら、Science 273:352(1969)に記載 されているもののような、組成物、とりわけワクチン組成物、および方法を提供 するものである。 また、本発明は、スタフィロコッカス・アウレウスに感染した動物モデルにお けるこのような遺伝的免疫化実験で用いられるDNA構築物における細菌細胞表 面タンパク質の非可変領域をコードすることが示されている上記ポリヌクレオチ ドまたはとりわけそのフラグメントを用いる方法を提供するものであり、これら はとりわけ予防的または治療的免疫応答を生じることができるタンパク質エピト ープを同定するのに有用である。この研究は、哺乳動物、とりわけヒトにおける 細菌感染とりわけスタフィロコッカス・アウレウス感染の予防薬または治療的処 置の開発のために、感染に抵抗するかまたは一掃するのに成功した動物の必須器 官から特に価値あるモノクローナル抗体を引き続き調製することを可能にすると 思われる。 該ポリペプチドは、宿主のワクチン化のための抗原として使用して、例えば細 菌の損傷組織への付着を阻害することなどにより、細菌の侵入に対して保護する 特異的抗体を産生することができる。組織損傷の例としては、例えば機械的損傷 、化学的損傷もしくは熱損傷によるかまたは内在デバイスの埋め込みにより引き 起こされた皮膚または結合組織の創傷、または粘膜、例えば口、乳腺、尿道また は膣の創傷などが挙げられる。 本発明は、また、免疫原性組換えタンパク質を適切な担体と共に含んでなるワ クチン処方を包含する。該タンパク質は、胃で分解されるので、非経口的、例え ば皮下、筋肉内、静脈内または皮内投与するのが好ましい。非経口投与に適した 処方としては、抗酸化剤、緩衝液、静細菌剤、および処方を個体の体液、好まし くは血液と等張にする溶質を含有していてもよい、水性または非水性無菌注射液 ;および懸濁化剤または増粘剤を含有していてもよい水性または非水性無菌懸濁 液などが挙げられる。処方は、単位投与または多回投与用容器、例えば密封した アンプルおよびバイアルに入れてよく、使用直前に無菌液体担体の添加のみを必 要とする凍結乾燥状態で保存する。ワクチン処方は、例えば水中油系および当該 技術分野で周知の他の系など、処方の免疫原性を増強するアジュバント系をも含 有できる。投与量は、ワクチンの特異的活性に依存するであろうし、慣用の実験 法により容易に決定することができる。 本発明は、ある種のtRNAシンセターゼに関して記載したが、これは、天然 タンパク質および、実質的に組換えタンパク質の免疫原性に影響しない付加、欠 失または置換を施した類似のタンパク質のフラグメントを包含することが理解さ れよう。 組成物、キットおよび投与 本発明は、また、上述のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴ ニストもしくはアンタゴニストを含んでなる組成物にも関する。本発明のポリペ プチドは、細胞、組織もしくは生物用の非無菌もしくは無菌担体、例えば対象へ の投与に適した医薬的担体と組み合わせて用いることができる。このような組成 物は、例えば溶媒添加物または治療上有効量の本発明ポリペプチド、および医薬 的に許容できる担体または賦形剤を含んでなる。このような担体としては、生理 食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールお よびそれらの組み合わせななどが挙げられるが、これらに限定するものではない 。処方は、投与の形態に適したものにすべきである。本発明は、さらに、本発明 の前記組成物の成分を1またはそれ以上充填した1またはそれ以上の容器を含ん でなる診断用および医薬用パックおよびキットにも関する。 本発明のポリペプチドおよび他の化合物は、単独で、または治療用化合物など の他の化合物と組み合わせて用いることができる。 医薬組成物は、例えば、とりわけ局所、経口、肛門、経膣、静脈内、腹腔内、 筋肉内、皮下、鼻腔内、または皮内の経路による投与を含む、いずれかの有効な かつ好都合な方法で投与されてよい。 治療において、または予防として、活性物質を注射用組成物として、例えば、 好ましくは等張の、無菌水性分散物として、個体に投与できる。 また別に、該組成物は、局所適用用に、例えば軟膏剤、クリーム剤、ローショ ン剤、眼軟膏剤、点眼液、点耳液、洗口剤、染み込ませた包帯および縫合用の糸 、ならびにエアロゾールなどの形態に処方でき、適当な慣用的な添加物、例えば 保 存剤、薬物の浸透を補助する溶媒、ならびに軟膏およびクリームには軟化剤を含 有してよい。このような局所用処方はまた、適合した慣用的な担体、例えばクリ ームまたは軟膏基剤、およびローションについてはエタノールまたはオレイルア ルコールを含有してよい。このような担体は、処方の約1重量%から約98重量 %を構成してよ;より通常的には、処方の約80重量%までを構成する。 哺乳動物、とりわけヒトに投与するために、活性物質の1日あたりの投与量は 、0.01mg/kg〜10mg/kgであり、典型的には約1mg/kgである。医者は如 何なる場合にも、個体に最も適した実際の投与量を決定し、とりわけ個体の年齢 、体重および反応性に応じて変化させる。上記投与量は、平均的なケースの模範 例である。もちろん、高い投与量の範囲または低い投与量の範囲が適合する個々 の例もあり、これらは本発明の範囲内である。 内在デバイスとしては、外科的インプラント、プロテーゼデバイスおよびカテ ーテル、すなわち個体の体に導入し、長時間その位置に存在するデバイスが挙げ られる。このようなデバイスとしては、例えば人工関節、心臓弁、ペースメーカ ー、血管移植片、血管カテーテル、脳脊髄液シャント、尿カテーテル、持続的外 来腹膜透析(CAPD)カテーテルが挙げられる。 本発明の組成物を注射により投与して、内在デバイスの挿入の直前に、関連す る細菌に対する全身的な効果を得ることができる。手術後、デバイスが体内に在 る時間中、処置を続けてよい。さらに、任意の外科的手技の手術中のカバーを広 げて、細菌性創傷感染、とりわけスタフィロコッカス・アウレウスの創傷感染を 防御するために用いることもできる。 多くの整形外科医は、プロテーゼ関節を有するヒトが菌血症を生み出し得る歯 科的処置の前に、抗生物質予防法を考慮されるべきであると考える。遅延性の重 篤な感染は、時々プロテーゼ関節を失うに至る重篤な合併症であり、有意性のあ る羅病率および死亡率を伴う。従って、この場合、予防的な抗生物質の代わりと して活性物質の使用を拡張することが可能である。 上記治療に加え、本発明の組成物は、一般的に創傷治療薬として使用して、創 傷組織に曝露したマトリックスタンパク質に細菌が付着するのを防ぎ、抗生物質 予防法に代わって、またはそれと組み合わせて、歯科治療において予防的に使用 できる。 また別に、本発明の組成物を用いて、挿入直前に内在デバイスを浸すことがで きる。活性物質は、創傷または内在デバイスを浸すために1μg/ml〜10mg/m lの濃度であるのが好ましい。 ワクチン組成物は、便宜的には、注射可能な形態である。慣用のアジュバント を用いて、免疫応答を増強することができる。ワクチン化に適した単位投与量は 、抗原0.5〜5μg/kgであり、かかる投与量は、1〜3週間隔で1〜3回投与 するのが好ましい。示した投与量範囲では、本発明の化合物について、適切な個 体への投与を妨げるような不利な毒性効果は観察されない。 上記抗体は、また、tRNAシンセターゼタンパク質を含有する細菌の存在を 検出するための診断試薬として使用できる。 実施例 以下の実施例は、詳細に記載したこと以外は、当業者に周知かつ慣用的である 標準的な技法を用いて行われる。該実施例は、説明のためにのみ示すもので、本 発明を限定するものではない。 実施例1 スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29由来のチロシルtRNAシンセ ターゼをコードしているDNAの単離 配列番号2に示すDNA配列を有するポリヌクレオチドは、イー・コリにおけ るスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29の染色体DNAのクローンのラ イブラリーより入手した。ライブラリーは、慣用的な方法、例えば以下の方法1 および2により製造できる。 方法1および2 標準的な方法により、スタフィロコッカス・アウレウス株WCUH29(NC IMB 40771)から全細胞DNAを単離し、二つの方法のどちらかにより サイズ分画する。 方法1 標準的な方法によりサイズ分画化するために、全細胞DNAをニードルに通し て機械的に剪断する。11kbpまでの大きさのフラグメントをエキソヌクレア ーゼおよびDNAポリメラーゼによる処理により平滑末端化し、EcoRIリン カーを加える。フラグメントをEcoRIで切断したベクターラムダZapII に連結させ、標準的な方法により該ライブラリーをパッケージングし、次いでパ ッケージングしたライブラリーでイー・コリを感染させる。該ライブラリーを標 準的方法により増幅する。 方法2 全細胞性DNAを4つの制限酵素(例えば、Rsal、PalI、Alul) Bsh1235I)を組み合わせたもので部分的加水分解し、標準的方法により サイズ分画化する。EcoRIリンカーをDNAおよびフラグメントに連結させ 、次いでEcoRIで切断したベクターラムダZapIIに連結させ、標準的方 法によりライブラリーをパッケージングし、パッケージングしたライブラリーで イー・コリを感染させる。該ライブラリーを標準法により増幅する。 実施例2:チロシニルtRNAシンセターゼ(YRS)活性の測定 酵素は、tRNATyrのアミノアシル化を触媒し、これは2段階メカニズムで 進行する。最初の段階では、ATPおよびL−チロシンの特異的結合および反応 の結果、安定な酵素:チロシニルアデニル化複合体を形成する。次いで、酵素結 合tRNATyrの3'末端アデノシンは、アミノアシルアデニレートと反応し 、tRNAがエステル化され、およびAMPが放出される。これらの反応を以下 にまとめる; a) L-Tyr+ATP.Mg+YRS⇒YRS:Tyr-AMP+PPi.Mg b) YRS:Tyr-AMP+tRNATyr⇒YRS+Tyr-tRNATyr+AMP 酵素を特徴付けするため、または以下のような多くの方法でのその活性の特異 的阻害物質を同定するために、この反応をアッセイすることができる: 1.Tyr−tRNATyrの形成の測定は、放射性標識化チロシンを用いて特異 的に決定することができ、沈殿/濾過技法(例えば、冷トリクロロ酢酸1,2中) を用いてTyr-tRNAから遊離のチロシンを分離できる。 2.全アシル化反応もまた、tRNAアシル化に対して化学量論的比率で産生 されるPPiまたはAMPのどちらかの産生を分析することにより測定できる。 これは、例えば比色測定3;または過剰の無機ピロホスファターゼを添加した後 のPiの酵素結合測定4を用いるか、または直接的にAMPもしくはPPi産生 を測定する酵素結合アッセイ5を用いるなどの多くの方法により達成できる。 3.部分反応(a)は、反応のこの部分の各段階が自由に可逆的であるので、 ATPとPPiとの間の放射性標識アイソトープ交換により評価することができ る。これは、典型的には,全アシル化反応(a+b)よりも約20倍高いkcat を有し、ATPからPPiを分離するクロマトグラフィーの原理を用いて(すな わち活性炭1,2を用いて)容易に測定される。 YRSへのリガンド結合 基質のターンオーバーを触媒する酵素に依存しない実験において、リガンドの YRSとの相互作用を決定することも可能である。この型の実験は、多くの方法 で実施できる: 1.酵素固有の蛍光に対するリガンド結合の影響(例えばトリプトファン)。 天然リガンドまたは阻害物質を結合させることにより、酵素の蛍光を変化させる 酵素の立体配座の変化が生じる。これを用いて、ストップトフロー蛍光装置を用 いて、結合を表す顕微鏡的速度定数を定義することができる。また別に、定常状 態蛍光滴定法は、これらが酵素阻害実験で評価されるのと同一の方法で全体的な 解離定数を得ることができる。 2.リガンドのスペクトル効果。リガンド自体が蛍光性であるか、または酵素 トリプトファン蛍光と重複する発色団を有する場合、結合は、リガンド蛍光特性 (例えば、強度、寿命または分極)の変化、または酵素トリプトファンとの蛍光 共鳴エネルギー転移により検出できる。該リガンドは、阻害物質であるか、また は天然リガンドの変種である(すなわち、蛍光ATP誘導体または発蛍光団で標 識化したtRNATyr)。 3.酵素:リガンド複合体の熱分析。熱量測定法(例えば、等温熱量測定、示 差スキャンニング熱量測定)を用いると、温度変化、または報告によりリガンド 結合を特徴付けすることができるYRSの安定性のシフトの検出が可能になる。 文献 1.Calender & Berg、Biochemistry 5,1681-1690(1966) 2.Toth M.J.& Schimmel P、J.Biol.Chem.265,1000-1004(1990) 3.Hoenig、J.Biochem.Biophys.Meth.19,249-252(1989) 4.Webb,T.M.、Anal.Biochem.218,449-454(1994) 5.Sigma Chemicals Catalogue(1986) 実施例3:YRS活性についてのアミノアシル化アッセイ イー・コリにて過剰発現した精製スタフィロコッカス・アウレウスYRSを用 いるか、またはYRSを過剰発現するイー・コリからの粗製細胞溶解物を用いて 、アッセイを実施する。後者は、通常、全タンパク質の約10%をYRSとして 含有する。酵素は、液体窒素中急速冷凍した後、50mMトリス−HCl緩衝液( pH7.8)、10mM MgCl2および10mM B−メルカプトエタノール中−7 0℃で保存する。酵素サンプルの活性を決定する実験では、これらの貯蔵物を5 0mMトリス(pH7.8)、10mM MgCl2、1mMジチオスレイトールで広範 に(100倍〜10000倍)希釈し、アッセイ前に氷上で貯蔵する。 該アッセイ方法は、以下のとおりである;上記のとおり調製し、希釈した酵素 50mlを、0.25μCi L−[U−14C]−チロシン(アメルシャム・インター ナショナル(Amersham International))、4mg/mlイー・コリMRE600混 合tRNA(ベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)より)、5m M ATP、15mM MgSO4、3mM DTT、75mM KClおよび50mMト リス−HCl(pH7.8)を含有してなる反応混合物(100ml)と混合する。 特記しない限り、全ての試薬は、シグマ・ケミカル・カンパニー・リミテッド( Sigma Chemical Company Ltd.)より入手した。濃度は、最終反応混合物で の濃度である。酵素を添加して反応を開始した後、アッセイサンプルを37℃で インキュベートし、所望の時間、2検体ずつ(50μl)取り出し、7%トリク ロロ酢酸(100μl)でクエンチし、氷上で30分放置する。沈殿物を、パッ カード・フィルターメート・196・セル・ハーベスター[パッカード・インス トラメント・リミテッド(Packard Instrumets Ltd.)]を用いて、ガラス繊維 フィルター上で回収し、7%トリクロロ酢酸、次いでエタノールで順次洗浄する 。フィルターを70℃で1時間乾燥させ、放射活性のレベルをシンチレーション カウンティング(パッカード・トップカウント)により測定する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/00 ADZ C12N 9/00 48/00 ABA C12Q 1/02 C12N 9/00 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 T G01N 33/15 33/569 E 33/50 C12P 21/08 33/569 A61K 37/48 AED // C12P 21/08 37/66 D (C12N 15/09 ZNA C12R 1:445) (C12N 9/00 C12R 1:19) (72)発明者 ローラー,エリザベス アメリカ合衆国19426−0989 ペンシルベ ニア州カレッジビル、ピー・オー・ボック ス5089、サウス・カレッジビル・ロード 1250番 スミスクライン・ビーチャム・フ ァーマシューティカルズ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号2のアミノ酸1から420を含むポリペプチドをコードす るポリヌクレオチドに対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチ ド; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なくとも15個の連続した 塩基を含むポリヌクレオチド からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含んでなる単離ポリヌクレオ チド。 2.ポリヌクレオチドがDNAである請求項1記載のポリヌクレオチド。 3.ポリヌクレオチドがRNAである請求項1記載のポリヌクレオチド。 4.配列番号1に示すヌクレオチド1から1260を含む請求項2記載のポリ ヌクレオチド。 5.配列番号1に示すヌクレオチド1から1263を含む請求項2記載のポリ ヌクレオチド。 6.配列番号2のアミノ酸1から420を含むポリペプチドをコードする請求 項2記載のポリヌクレオチド。 7.(a)NCIMB受託番号40771に含まれるtRNAシンセターゼ遺 伝子により発現される同一の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに 対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なくとも15個の塩基を含 むポリヌクレオチド からなる群から選択されるものを含んでなる単離ポリヌクレオチド。 8.請求項2記載のDNAを含んでなるベクター。 9.請求項8記載のベクターを含んでなる宿主細胞。 10.該DNAにコードされるポリペプチドを請求項9記載の宿主細胞から発 現させることを特徴とするポリペプチドの製造方法。 11.細胞が請求項8記載のベクターに含まれるcDNAによりコードされる ポリペプチドを発現するように、該ベクターで細胞を形質転換またはトランスフ ェクトすることを特徴とする、ポリペプチドを発現する細胞の製造方法。 12.tRNAシンセターゼポリペプチドまたはフラグメントを製造するのに 充分な条件下で、請求項9記載の宿主を培養することを特徴とする、tRNAシ ンセターゼポリペプチドまたはフラグメントの製造方法。 13.配列番号2のアミノ酸1から420に対して少なくとも70%同一であ るアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド。 14.配列番号2に示すアミノ酸を含んでなるポリペプチド。 15.請求項13記載のポリペプチドに対する抗体。 16.請求項13記載のポリペプチドの活性を阻害するアンタゴニスト。 17.治療上有効量の請求項13記載のポリペプチドを個体に投与することを 特徴とする、tRNAシンセターゼを必要とする個体の処置方法。 18.該ポリペプチドをコードするDNAを個体に提供し、該ポリペプチドを インビボで発現させることにより、治療上有効量の該ポリペプチドが投与される 請求項16記載の方法。 19.治療上有効量の請求項16記載のアンタゴニストを個体に投与すること を特徴とする、tRNAシンセターゼポリペプチドを阻害することを必要とする 個体の処置方法。 20.請求項13記載のポリペプチドをコードする核酸配列を決定することを 特徴とする、該ポリペプチドの発現に関与する疾患の診断方法。 21.宿主由来のサンプル中の請求項13記載のポリペプチドの存在を分析す ることを特徴とする診断方法。 22.請求項13記載のポリペプチドに結合し、該ポリペプチドの活性を阻害 する化合物の同定方法であって; 結合部位との結合を可能にする条件下、ポリペプチドの結合部位を表面に発現 する細胞を、スクリーニングしようとする化合物と接触させること(ここで、該 結合部位は、化合物の該結合部位への結合に反応して検出可能なシグナルを提供 する能力を有する第2の成分に関連するものである);次いで、 該化合物と該結合部位との相互作用により生じるシグナルの存在または不在を 検出することにより、該化合物が該結合部位に結合して該結合部位を活性化する かまたは阻害するかを決定すること; を特徴とする方法。 23.哺乳動物を疾患から防御する抗体を産生させるに充分なtRNAシンセ ターゼまたはそのフラグメントもしくは変種を哺乳動物に接種することを特徴と する、哺乳動物における免疫学的応答を誘起する方法。 24.免疫学的応答を誘起させて哺乳動物を疾患から防御する抗体を産生する ために、インビボでtRNAシンセターゼ、またはそのフラグメントもしくは変 種を発現させるために、遺伝子治療によりtRNAシンセターゼフラグメントま たはその変種をコードする遺伝子を送達することを特徴とする、哺乳動物におけ る免疫学的応答を誘起する方法。 25.tRNAシンセターゼポリヌクレオチドまたはそれによりコードされる タンパク質をコードし、発現するDNAを含んでなる免疫学的組成物であって、 哺乳動物に導入されると、哺乳動物において所定のtRNAシンセターゼポリヌ クレオチドまたはそれらによりコードされるタンパク質に対する免疫学的応答を 誘起する免疫学的組成物。 26.厳密なハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1に示すポリヌクレ オチド配列の完全遺伝子を含有する適当なライブラリーを、配列番号1に示す該 ポリヌクレオチド配列またはそのフラグメントの配列を有するプローブでスクリ ーニングし、次いで、DNA配列を単離することにより得られるDNA配列を必 須としてなるポリヌクレオチド。 27.チロシルtRNAシンセターゼの相互作用を妨害する薬物を同定するた めの、薬物のスクリーニング方法であって、全アミノアシル化反応または部分P Pi/ATP交換反応による酵素活性の測定を特徴とするスクリーニング方法。
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