JP2001523114A - スタフィロコッカス・アウレウス由来の3−ヒドロキシアシル−coaデヒドロゲナーゼ - Google Patents

スタフィロコッカス・アウレウス由来の3−ヒドロキシアシル−coaデヒドロゲナーゼ

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Abstract

(57)【要約】 hcdポリペプチドおよびhcdポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド、ならびに組み換え法によるかかるポリペプチドの製造方法を提供する。また、抗菌化合物をスクリーニングするためにhcdポリペプチドを利用する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 スタフィロコッカス・アウレウス由来の3−ヒドロキシアシル-COAデヒドロ ゲナーゼ 本願は、1997年10月3日出願の米国仮出願第60/060983号の利 益を主張する。 発明の分野 本発明は、新規に同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド、その製造 および使用、ならびにその変種、アゴニストおよびアンタゴニスト、ならびにそ の使用に関する。特に、本発明は、3−ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナ ーゼファミリーのポリヌクレオチドおよびポリペプチドならびにそれらの変種( 以下、「hcd」、「hcdポリヌクレオチド」、および場合により「hcdポ リペプチド」と称する)に関する。 発明の背景 スタフィロコッカス属(Staphylococci)の遺伝子および遺伝子産物を抗生物質 の開発に用いることは特に好ましい。スタフィロコッカス属は医学的に重要な微 生物属を形成している。それらは2つのタイプの疾病、すなわち、侵入的および 毒素生成的疾病を引き起こすことが知られている。一般的には、侵入的感染は皮 膚表面および深部組織の両方に影響する膿瘍形成により特徴づけられる。エス・ アウレウス(S.aureus)は癌患者における菌血症の第2の主要原因である。骨 髄炎、敗血性関節炎、敗血性の血栓性静脈炎および急性細菌性心内膜炎も比較的 よく見られる。スタフィロコッカス属の毒素生成的特性により生じる3つの臨床 的症状がある。これらの疾病の明らかな徴候は、組織侵入および菌血症に対立す るものとしてのエンドトキシンの作用により生じる。これらの症状は、スタフィ ロ コッカス食中毒、熱傷皮膚症候群およびトキシンショック症候群を包含する。 スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)感染の頻度は過 去20〜30年間に劇的に上昇している。これは多重抗生物質耐性株の出現、お よび免疫系が低下した人口の増加に起因している。いくつかのまたはすべての標 準的な抗生物質に対して耐性を有するスタフィロコッカス・アウレウス株を単離 することはもはやめずらしいことではない。この現象がこの生物に対する新しい 抗菌剤、ワクチンおよび診断試験についての必要性を形成した。 そのうえ、薬剤の発見方法は、現在のところ、「機能的遺伝学」、すなわち、 高処理量のゲノムまたは遺伝子に基づく生物学を包含するので抜本的な改革を受 けている。このアプローチは、「位置的クローニング」に基づく初期のアプロー チおよび他の方法に取って代わりつつある。機能的遺伝学は、現在利用可能な多 くの分子生物学的データベースならびに他のソースから潜在的に興味ある遺伝子 配列を同定するための種々の道具に大きく依存している。薬剤の発見の標的とし ての、さらなる遺伝子および他のポリヌクレオチド配列ならびにそれらの関連ポ リペプチドの同定および特徴づけをする必要性があり続けている。 抗微生物活性に関して化合物をスクリーニングするために有用であるという利 点を有した、本発明のhcd具体例のごとき因子に対する要望があることは明白 である。かかる因子はまた、感染、機能不全および疾患の発生病理における役割 を決定するのに有用である。感染、機能不全および疾患を予防、改善または治癒 するための方法を見出すために、かかる因子ならびにそのアンタゴニストおよび アゴニストを同定および特徴づけする必要も明らかにある。 3−ヒドロキシアシル−コエンザイムAデヒドロゲナーゼは脂肪酸のベータ酸 化経路の一部分である。当該酵素は、3−ヒドロキシアシルコエンザイムAから 3−オキソアシルコエンザイムAへの酸化を触媒する多酵素複合体である(例え ば、Clark D.P.& Cronan,J.E.1996.Two carbon compounds and fatty acids as carbon sources,in Escherichia coli and Salmonella:Cellular and Molec ular Biology,Neidhart F.C.(Ed)pp.343-357,ASM Press)。グラム陽性嫌 気性細菌クロストリジウム属における関連酵素である3−ヒドロキシブチリル− コエン ザイムA(CoA)デヒドロゲナーゼは酪酸/ブタノール生成経路に関与してい る(例えば、Boynton ZL,Bennet GN,Rudolph FB 1996.Cloning,sequencing and expression of clustered genes encoding beta-hydroxybutyryl-coenzyme A(CoA)dehydrogenase,crotonase,and butyryl-CoA dehydrogenase from Clo strudium acetobutylicum ATCC 824.Journal of Bacteriology 178:3015-3024 )。インビボで発現される、hcd様蛋白をコードしているスタフィロコッカス ・アウレウス遺伝子は、感染期間中においてこの蛋白の役割が存在することを意 味する。 発明の概要 本発明は、hcd、詳細にはhcdポリペプチドおよびhcdポリヌクレオチ ド、組み換え物質ならびにそれらの製造方法に関する。もう1つの態様において 、本発明は、かかるポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関し、と りわけ、微生物による疾病の治療を包含する。さらなる態様において、本発明は 、本発明により提供される材料を用いるアゴニストおよびアンタゴニストの同定 方法、ならびに同定されたアゴニストまたはアンタゴニストを用いる微生物によ る感染およびかかる感染に関連した症状の治療方法に関する。さらなる態様にお いて、本発明は、微生物による感染およびかかる感染に関連した症状を検出する ための診断アッセイ、例えば、hcd発現または活性を検出するためのアッセイ に関する。 開示された本発明の精神および範囲内での種々の変更および修飾は、以下の説 明を読み、本開示の他の部分を読めば、当業者に容易に明らかになるであろう。 発明の説明 以下により詳細に説明するように、本発明は、hcdポリペプチドおよびポリ ヌクレオチドに関する。詳細には、本発明は、YusLポリペプチドに対するア ミノ酸配列相同性により関連づけられるスタフィロコッカス・アウレウス(Stap hylococcus aureus)のhcdのポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関する 。特に、本発明は、それぞれ配列番号:1および配列番号:2として表1に 示されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列を有するhcdに関する。下記配列表 において「DNA」として示された配列は本発明の典型例である。なぜなら、当 業者は、一般的にはリボポリヌクレオチドを包含するポリヌクレオチド中にかか る配列を使用することができることを認識するからである。 表1 hcdポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列 (A)スタフィロコッカス・アウレウスのhcdポリヌクレオチド配列[配列番 号1] (B)この表のポリヌクレオチド配列より推定されるスタフィロコッカス・アウ レウスのhcdポリペプチド配列[配列番号2] 寄託材料 スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29株を含む寄託株を、1995年 9月11日に、スコットランド、AB2 1RY、アバディーン、マチャードラ イブ23St.のナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・アンド・ マリーン・バクテリア・リミテッド(本明細書にて「NCIMB」という)に、 NCIMB受託番号40771の下で寄託した。その寄託株は寄託の際にスタフ ィロコッカス・アウレウスWCUH29と命名された。スタフィロコッカス・ア ウレウス寄託株を、本明細書では「寄託株」または「寄託株のDNA」と称する 。 寄託株は全長のhcd遺伝子を含んでいる。寄託株に含まれるポリヌクレオチ ドの配列ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明 細書における配列の記載とのいずれの不一致においても支配的である。 寄託株の寄託は、特許手続き上の微生物寄託の国際承認に関するブタペスト条 約の条件下で行われている。特許が発行されると何ら制限または条件もなく、最 終的に株は分譲される。寄託株は当業者の便宜のためにのみ提供され、35U. S.C.112条の下に要求されるような、寄託が実施可能要件であることを承認 するものではない。寄託株、それに由来の化合物を製造、使用または販売するに は、ライセンスが必要であるが、そのようなライセンスはこれにより付与される ものではない。 本発明の一の態様は、寄託株に含まれるスタフィロコッカス・アウレウスWC UH29株により発現可能な成熟ポリペプチドをコードする単離核酸分子を提供 することである。さらには、本発明は寄託株中のDNAのhcdヌクレオチド配 列およびそれによりコードされるアミノ酸配列を提供する。また、本発明は寄託 株より単離されたhcdポリペプチド配列およびそれに由来のアミノ酸配列を提 供する。 ポリペプチド 本発明hcdポリペプチドは系統発生論的に他の3−ヒドロキシアシル−Co Aデヒドロゲナーゼファミリーの蛋白に実質的に関連している。 本発明の1の態様において、スタフィロコッカス・アウレウスのポリペプチド (本明細書ではhcdおよびhcdポリペプチドという)、ならびに生物学的、 診断上、予防上、臨床的または治療上有用なその変種、ならびにそれらを含む組 成物が提供される。 本発明のとりわけ好ましい具体例は、hcd遺伝子の自然発生対立遺伝子によ りコードされるhcdポリペプチドの変種である。 さらに本発明は下記のものである単離ポリペプチド: (a)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対して少 なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましく は少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性 、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一で あるアミノ酸配列を含むかまたはそれよりなるポリペプチド; (b)配列番号:1の全長にわたって配列番号:1に対して少なくとも70% の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも9 0%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましく は少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリヌクレ オチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチドによりコードされ るポリペプチド; (c)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対して少 なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましく は少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性 、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一で あるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよ りなる単離ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド を提供する。 本発明のポリペプチドは、表1[配列番号:2]のポリペプチド(とりわけ成 熟ポリペプチド)ならびにポリペプチドおよびフラグメント、詳細には、hcd の生物活性を有し、表1[配列番号:1]のポリペプチドまたはその重要部分と 少なくとも70%の同一性、好ましくは表1[配列番号:2]のポリペプチドと 少なくとも80%の同一性、より好ましくは表1[配列番号:2]のポリペプチ ドと少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは表1[配列番号:2]の ポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドおよびフラグメ ントを包含し、さらにかかるポリペプチドの部分も包含し、一般に、ポリペプチ ドのかかる部分は少なくとも30個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも5 0個のアミノ酸を含む。 本発明はまた、 X−(R1m−(R2)−(R3n−Y [式中、アミノ末端のXは水素または金属、または本明細書において修飾ポリペ プチドについて説明された他の残基であり、カルボキシル末端のYは水素または 金属、または本明細書において修飾ポリペプチドについて説明された他の残基で あり、R1およびR3はいずれかのアミノ酸残基または修飾アミノ酸残基であり、 mは1〜1000の整数または0であり、nは1〜1000の整数または0であ り、R2は本発明のアミノ酸配列、特に表1のアミノ酸配列またはそれらの修飾 形態を意味する] で示されるポリペプチドからなる、あるいはかかるポリペプチドを含むポリペプ チドを包含する。上記の式中、R2は、アミノ末端残基がその左側にあってR1に 共有結合し、そのカルボキシ末端残基がその右側にあってR3に共有結合するよ うに方向づけられる。mおよび/またはnが1より大きい場合、R1またはR3の いずれかでで表されるアミノ酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホモポリマー のいずれであってもよく、ヘテロポリマーが好ましい。本発明の他の好ましい具 体例は、mが1ないし50、100または500の間の整数であり、nが1ない し50、100または500の間の整数のものである。 本発明ポリペプチドがスタフィロコッカス・アウレウス由来のものであるのが 最も好ましいが、同じ分類学上の属の他の生物由来のものであっても好ましい。 また本発明ポリペプチドは、例えば、同じ科または目から得られるものであって もよい。 フラグメントは、その全体が上記したポリペプチドのアミノ酸配列の全部では ないが、一部と同じであるアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドである。hc dポリペプチドと同様、フラグメントは「独立している(free-standing)」で あるか、またはそれらが一の部分または領域、最も好ましくは単一の連続した領 域、単一のより大きなポリペプチドを形成するより大きなポリペプチドの中に含 まれていてもよい。 好ましいフラグメントは、例えば、表1[配列番号:2]のアミノ酸配列また は、アミノ末端を含む連続した一連の残基またはカルボキシル末端を含む連続し た一連の残基のような、その変種の一部を有する末端切断ポリペプチドを包含す る。宿主細胞、特に、スタフィロコッカス・アウレウス中の本発明ポリペプチド の分解型も好ましい。さらに、アルファヘリックスおよびアルファヘリックス形 成領域、ベータシートおよびベータシート形成領域、ターンおよびターン形成領 域、コイルおよびコイル形成領域、親水領域、疎水領域、アルファ両親媒性領域 、ベータ両親媒性領域、フレキシブル領域、表面形成領域、基質結合領域、およ び高抗原指数領域を含むフラグメントのような、構造的または機能的属性によっ て特徴づけられるフラグメントもまた好ましいフラグメントである。 さらに好ましいフラグメントは、配列番号:2のアミノ酸配列由来の少なくと も15、20、30、40、50または100個の連続したアミノ酸を有するア ミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、あるいは配列番号:2のアミノ酸配列由来 の末端切断または欠失された少なくとも15、20、30、40、50または1 00個の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドを包含 する。 生物学的に活性なフラグメントも好ましいフラグメントである。生物学的に活 性なフラグメントは、類似活性または改良活性を有するもの、または望ましくな い活性が減少したフラグメントを含め、hcdの活性を媒介するフラグメントで ある。さらに、動物、特にヒトにおいて抗原性または免疫原性であるフラグメン トも含まれる。特に好ましいものは、スタフィロコッカス・アウレウスの生存に 必須の機能または個体、特に、ヒトにおいて疾患を開始または疾病を維持する能 力を与える酵素群の受容体またはドメインからなるフラグメントである。 本発明のポリペプチドのフラグメントである変種は、ペプチド合成法により対 応する全長のポリペプチドの製造に使用することができる。したがって、これら の変種は、本発明の全長ポリペプチドを製造するための中間体として使用できる 。 アミノ酸に関する標準的1文字および3文字表記に加えて、「X」または「X aa」なる語もまた、本発明のあるポリペプチドを記載するのに用いられる。「 X」および「Xaa」は、20種の天然に存在するいずれかのアミノ酸がポリペ プチド配列のそのように指定される位置にあってもよいことを意味する。 ポリヌクレオチド hcdポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド、詳細には、本明細書 でhcdと命名されるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを提供す ることが本発明の1の目的である。 本発明の特に好ましい具体例において、ポリヌクレオチドは、全長の遺伝子を 含む、表1(配列番号:1)に示す配列を含むhcdポリペプチド、またはその 変種をコードしている領域を含む。出願人らは、この全長の遺伝子は当該ポリペ プチドを有する生物(例えば、スタフィロコッカス・アウレウス)の増殖および /または生存に必須であると考える。 本発明のさらなる態様として、hcdポリペプチドおよびポリヌクレオチド、 詳細には、スタフィロコッカス・アウレウスのhcdポリペプチドおよびポリヌ クレオチドをコードおよび/または発現する単離核酸分子が提供され、核酸分子 としては、例えば、未プロセッシングRNA、リボザイムRNA、mRNA、c DNA、ゲノムDNA、B−およびZ−DNAが挙げられる。本発明のさらなる 具体例は、生物学的、診断上、予防上、臨床的または治療上有用なポリヌクレオ チドおよびポリペプチド、ならびにその変種、ならびにそれらを含む組成物を包 含する。 本発明のもう一つの態様は、表1[配列番号:2]の推定アミノ酸配列を有す るhcdポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド、それに密接に関連す るポリヌクレオチドおよびそれらの変種に関する。 もう1つの特に好ましい本発明具体例において、表1(配列番号:2)のアミ ノ酸配列を含むかまたはそれよりなる、スタフィロコッカス・アウレウス由来の hcdポリペプチド、またはその変種が提供される。 表1[配列番号:1]に示すポリヌクレオチド配列のような本明細書の情報を 使用し、出発材料としてスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29を使用し 、細菌からの染色体DNAフラグメントをクローニングし、配列決定し、つづい て全長クローンを得る標準的クローニングおよびスクリーニング法を使用して、 hcdポリペプチドをコードする本発明のポリヌクレオチドを得ることができる 。例えば、表1[配列番号:1]に示す配列のような本発明のポリヌクレオチド 配列を得るには、典型的には、イー・コリ(E.coli)または他の適当な宿主中 のスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29染色体DNAクローンのライブ ラリーを、部分配列から由来する放射標識したオリゴヌクレオチド、好ましくは 17量 体またはそれより長いオリゴヌクレオチドでプローブする。ついで、該プローブ と同じDNAを有するクローンを厳密な条件を使用して区別できる。該オリジナ ル配列から設計された配列決定プライマーで同定された個々のクローンを配列決 定することにより、該配列を両方の方向に伸長し、全長を決定することが可能で ある。都合よくは、プラスミドクローンから調製された変性二本鎖DNAを用い てかかる配列決定を行う。適当な技法は、Maniatis,T.,Fritsch,E.F.およびHar bor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(1989)(特に、ハイブ リダイゼーションによるスクリーニング1.90および変性二本鎖DNA鋳型の 配列決定13.70を参照のこと)により記載されている。直接ゲノムDNA配列 決定を行って全長の遺伝子配列を得てもよい。例えば、表1[配列番号:1]に 示すポリヌクレオチドは、スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29から由 来するDNAライブラリー中に見いだされたものである。 そのうえ、表1[配列番号:1]のDNA配列は、表1[配列番号:2]に示 すのとほぼ同数のアミノ酸残基を有し、公知のアミノ酸残基の分子量から計算で きる推定分子量を有する蛋白をコードする読み枠を有する。配列番号1のヌクレ オチド番号1とヌクレオチド番号1762から始まる停止コドンとの間の配列番 号1のポリヌクレオチドが、配列番号2のポリペプチドをコードする。 さらなる態様において、本発明は、下記のポリヌクレオチドを含むかまたはそ れらよりなる単離ポリヌクレオチドを提供する: (a)配列番号:1の全長、あるいは配列番号:2をコードしている配列番号 :1の当該部分の全長にわたって、配列番号:1に対して少なくとも70%の同 一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90% の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、さらにより好まし くは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリヌク レオチド配列; (b)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対して少 なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましく は少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性 、さらにより好ましくは少なくとも97〜99%またはちょうど100%の同一 性を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列。 本発明ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(スタフィロコッカス ・アウレウス以外の種由来のホモログおよびオーソログを包含)を、厳密なハイ ブリダイゼーション条件において、配列番号:1の配列またはそれらのフラグメ ントを含むかまたはそれらよりなる標識または検出可能プローブを用いて適当な ライブラリーをスクリーニングし、次いで、該ポリヌクレオチド配列を含む全長 遺伝子および/またはゲノムクローンを単離する工程を含む方法により得てもよ い。 本発明は、表1[配列番号:1]のコーディング配列と、その全長にわたって 同一であるポリヌクレオチド配列を提供する。また、本発明は、成熟ポリペプチ ドまたはそのフラグメント用のコーディング配列自体ならびにリーダーまたは分 泌配列、プレ、プロまたはプレプロ蛋白配列をコードするコーディング配列のよ うな他のコーディング配列を有するリーディング・フレーム中の成熟ポリペプチ ドまたはフラグメントのコーディング配列を提供する。ポリヌクレオチドはまた 、例えば、転写されるが翻訳されない配列、終止シグナル(例えば、rho−依 存的およびrho−非依存的終止シグナル)、リボソーム結合部位、Kozak配列 、mRNAを安定化する配列、イントロン、ポリアデニル化シグナルのごとき少 なくとも1つの非コーディング5’および3’配列を包含する非コーディング配 列を含むが、これらに限定するものではない。また、ポリヌクレオチド配列はさ らなるアミノ酸をコードしているさらなるコーディング配列を含んでいてもよい 。例えば、融合ポリペプチドの精製を促進するマーカー配列をコードすることが できる。本発明のある種の具体例において、マーカー配列は、pQEベクター( Qiagen,Inc.)において提供され、Gentzら、Proc.Natl.Acad Sci.USA(1989)86 :821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチドであるか、またはH Aタグ(Wilsonら、Cell,37:767(1984))であり、ともにそれらに融合したポリ ペプチド配列の精製において有用である。本発明ポリヌクレオチドは、限定する ものではないが、構造遺伝子および遺伝子の発現を調節する、本来的に結合 している配列からなるポリヌクレオチドを包含する。 本発明の好ましい具体例は、表1の配列番号1に示されるヌクレオチド1から ヌクレオチド1762のすぐ上流にあるヌクレオチドまで、またはヌクレオチド 1762を含むヌクレオチドまでからなるポリヌクレオチドであり、それは共に hcdポリペプチドをコードする。 本発明はまた、式: X−(R1m−(R2)−(R3n−Y [式中、分子の5’末端のXは水素または金属、または修飾ヌクレオチド残基で あるか、あるいはYと一緒になって共有結合を形成し、分子の3’末端のYは水 素または金属、または修飾ヌクレオチド残基であるか、あるいはXと一緒になっ て共有結合を形成し、R1およびR3は、各々、独立していずれかの核酸残基また は修飾核酸残基であり、mは1〜3000の整数または0であり、nは1〜30 00の整数または0であり、R2は本発明の核酸配列または修飾核酸配列、特に 表1より選択される核酸配列またはその修飾核酸配列を意味する] で示されるポリヌクレオチドからなる、あるいはかかるポリヌクレオチドを含む ポリヌクレオチドを包含する。上記した式のポリヌクレオチド中、R2は5’末 端残基がその左側にあってR1に結合し、その3’末端残基がその右側にあって R3に結合するように方向付けられる。mおよび/またはnが1より大きい場合 、R1および/またはR2のいずれかで表される核酸残基の鎖は、ヘテロポリマー またはホモポリマーのいずれであってもよく、ヘテロポリマーが好ましい。好ま しい具体例において、XおよびYが一緒になって共有結合を形成する場合、前記 した式のポリヌクレオチドは閉じた環状ポリヌクレオチドであり、それはその式 が第2の鎖が相補性を有する第1の鎖を示す二本鎖ポリヌクレオチドであり得る 。もう一つ別の具体例において、mおよび/またはnは1と1000の間の整数 である。他の好ましい本発明の具体例は、mが1ないし50、100または50 0の間の整数であり、nが1ないし50、100または500の間の整数である 。 本発明のポリヌクレオチドはスタフィロコッカス・アウレウス由来であるのが 最も好ましいが、分類学上同じ属の他の生物より得ることも好ましい。また、例 えば、分類学上同じ科または目から得てもよい。 本明細書で使用する「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」なる用語 は、本発明のポリペプチド、特に、細菌性ポリペプチド、より詳細には、表1[ 配列番号:2]に示すアミノ酸配列を有するスタフィロコッカス・アウレウスの hcdポリペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含する。この 用語はコードおよび/非コーディング配列を含んでもよいさらなる領域と共に、 該ポリペプチドをコードする単一の連続または非連続領域(例えば、組み込まれ たファージ、挿入された配列、組み込まれたベクター配列、組み込まれたトラン スポゾン配列、またはRNAエデティング(editing)もしくはゲノムDNA再 組織化により中断されている)を含むポリヌクレオチドを包含する。 本発明はさらに、表1[配列番号:2]の推定アミノ酸配列を有するポリペプ チドの変種をコードする、本明細書に記載したポリヌクレオチドの変種に関する 。本発明のポリヌクレオチドのフラグメントである変種は本発明の全長ポリヌク レオチドの合成に使用できる。 さらに好ましい具体例は、数個、わずかな、5〜10、1〜5、1〜3、2ま たは1個あるいは0個のアミノ酸残基が、いずれかの組み合わせで置換、欠失ま たは付加された表1[配列番号:2]のhcdポリペプチドのアミノ酸配列を有 する、hcd変種をコードするポリヌクレオチドである。特に好ましくは、hc dポリペプチドの特性、活性を変化させないサイレント置換、付加および欠失で ある。 本発明のさらに好ましい具体例は、表1[配列番号:2]に示すアミノ酸配列 をを有するhcdポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの全長にわたって 少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチドおよびそのようなポリヌク レオチドに相補的なポリヌクレオチドである。また、最も好ましいものは、hc dポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと全長にわたって少なくとも80 %の同一性を有する領域を含むポリヌクレオチドおよびそれと相補的なポリヌク レオチドである。この点で、その同じものと全長にわたって少なくとも90%の 同一性を有するポリヌクレオチドが特に好ましく、中でも少なくとも 95%の同一性を有するものが特に好ましい。さらには、少なくとも95%の同 一性を有するものの中で少なくとも97%の同一性を有するものがより好ましく 、中でも少なくとも98%および少なくとも99%の同一性を有するものが特に 好ましい。少なくとも99%の同一性を有するものがより好ましい。 好ましい具体例は、表1[配列番号:1]のDNAによってコードされている 成熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポリペプチ ドをコードするポリヌクレオチドである。 本発明のある好ましい具体例によれば、特に厳密な条件下で、例えば表1のポ リヌクレオチドのごときhcdポリヌクレオチド配列にハイブリダイゼーション するポリヌクレオチドが提供される。 さらに本発明は、本明細書にて上記した配列にハイブリダイゼーションするポ リヌクレオチドに関する。この点において、本発明は特に、本明細書にて上記し たポリヌクレオチドに厳密な条件下でハイブリダイゼーションするポリヌクレオ チドに関する。本明細書で用いる場合、「厳密な条件」および「厳密なハイブリ ダイゼーション条件」という語は、ハイブリダイゼーションが、配列間に少なく とも95%、好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合にのみ起こること を意味する。厳密なハイブリダイゼーション条件の一例として、50%ホルムア ルデヒド、5xSSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム )、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハート(Denhardt’s) 溶液、10%硫酸デキストランおよび20μg/ml変性切断サケ精子DNAを 含む溶液中、42℃で一夜インキュベーションし、ついでハイブリダイゼーショ ン支持体を0.1xSSC(約65℃)で洗浄することが挙げられる。ハイブリ ダイゼーションおよび洗浄条件は公知であり、Sambrookら、MOLECULAR CL0NING: A LAB0RAT0RY MANUAL,Second Edition,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)、 特に、第11章に例示されている。本発明により提供されるポリヌクレオチド配列 に関して溶液ハイブリダイゼーションを用いてもよい。 本発明は、配列番号:1に示したポリヌクレオチド配列の完全遺伝子を含む適 当なライブラリーを、厳密なハイブリダイゼーション条件下、配列番号:1に示 す該ポリヌクレオチド配列の配列を有するプローブまたはそのフラグメントでス クリーニングし、該DNA配列を単離することにより得ることができるポリヌク レオチド配列を含むかまたはそれよりなるポリヌクレオチドを提供する。そのよ うなポリヌクレオチドを得るのに有用なフラグメントには、例えば、本明細書の いずれかの場所で十分に説明するプローブおよびプライマーが包含される。 本明細書において本発明のポリヌクレオチドの分析についてさらに説明するよ うに、例えば、上記したような本発明のポリヌクレオチドを、RNA、cDNA およびゲノムDNAに対するハイブリダイゼーションプローブとして使用し、h cdをコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離し、hcd遺伝子に 対して高い配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単 離することができる。そのようなプローブは、一般に、少なくとも15個のヌク レオチド残基または塩基対を含むであろう。好ましくは、そのようなプローブは 少なくとも30個のヌクレオチド残基または塩基対を有し、少なくとも50個の ヌクレオチド残基または塩基対を有していてもよい。特に好ましいプローブは、 少なくとも20個のヌクレオチド残基または塩基対を有し、30個未満のヌクレ オチド残基または塩基対を有する。 例えば、hcd遺伝子のコード領域は、表1(配列番号:1)のDNA配列を 使用してスクリーニングしてオリゴヌクレオチド・プローブを合成することによ り単離できる。ついで、本発明の遺伝子の配列と相補性の配列を有する標識した オリゴヌクレオチドを用いてcDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラ リーをスクリーニングし、ライブラリーのどのメンバーがプローブとハイブリダ イゼーションするか決定する。 全長のDNAを得るための、あるいは短いDNAを伸長させるための利用可能 で当業者によく知られたいくつかの方法があり、例えば、cDNA末端の迅速増 幅(RACE)(例えば、Frohman,et al.,PNAS USA 85,8998-9002,1988参照 )に基づく方法がある。marathonTM法(Clontech Laboratories Inc.)に例示さ れる当該方法の最近の変法は、例えば、より長いcDNAの検索を有意に簡単に している。MarathonTM法において、cDNAは選択組織から抽出されたmRNA か ら調製され、各末端に「アダプター」配列が連結される。次いで、遺伝子特異的 かつアダプター特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて核酸増幅(PCR) を行ってDNAの「失われた」5’末端を増幅する。次いで、「ネステッド」プ ライマー、すなわち、増幅生成物の範囲ににアニールするように設計されたプラ イマー(典型的には、アダプター配列中のさらなる3’にアニールするアダプタ ー特異的プライマー、およびさらに選択遺伝子配列中の5’にアニールする遺伝 子特異的プライマー)を用いてPCR反応を繰り返す。次いで、この反応の生成 物をDNA配列決定により分析し、次いで、存在しているDNAに生成物を直接 結合して完全配列を得ること、あるいは5’プライマーの設計に関する新たな配 列の情報を用いて別個の全長PCRを行うことにより、全長のDNAを構築する 。 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、本明細書においてポリヌク レオチドアッセイに関してさらに説明するように、例えば、疾患、特にヒトの疾 患に対する治療および診断の発見のための研究試薬および研究材料として用いる ことができる。 表1[配列番号:1または2]の配列に由来するオリゴヌクレオチドである本 発明のポリヌクレオチドは、本明細書に記載の方法に使用できるが、好ましくは PCRに使用し、本明細書で同定したポリヌクレオチドが全体として、または部 分的に感染組織において細菌中で転写されるか否か測定する。そのような配列は また、病原体が達した感染の段階およびタイプの診断においても有用性がある。 また、本発明は、成熟蛋白に、さらなるアミノまたはカルボキシ末端アミノ酸 が加わるか、成熟ポリペプチドの内部にアミノ酸が加わった(例えば、成熟形態 が一つ以上のポリペプチド鎖を有する場合)ポリペプチドをコードするポリヌク レオチドを提供する。このような配列は、とりわけ、前駆体から成熟形態への蛋 白のプロセッシングにおいて役割を果たし、蛋白を運び、蛋白の半減期を長くし たり、短くしたり、あるいは分析または生産のための蛋白の取り扱いを容易にす ることができる。インビボで一般的なように、該付加アミノ酸は細胞酵素により 成熟蛋白からプロセッシングにより除かれる。 本発明の各ポリヌクレオチドおよび全ポリヌクレオチドについて、それに相捕 的なポリヌクレオチドが提供される。これらの相捕的ポリヌクレオチドが、相捕 的である各ポリヌクレオチドに対して十分に相捕的であることが好ましい。 一またはそれ以上のプロ配列に融合したポリペプチドの成熟形態を有する前駆 体蛋白は該ポリペプチドの不活性形でもよい。プロ配列がそのような不活性前駆 体から除かれると、一般に活性化される。プロ配列のいくらかまたは全体を、活 性化の前に除去できる。一般に、そのような前駆体はプロ蛋白と称される。 核酸塩基に関する標準記号A、G、C、T/Uに加えて、また「N」なる語を 、本発明の特定のポリヌクレオチドを記載するのに用いることができる。「N」 は、隣接するヌクレオチド位置と一緒になって作用する場合、正確な読み枠を読 中で読まれる場合で、Nがそのような読み枠において未成熟終止コドンを形成す る効果を有する塩基でないことが好ましい場合を除き、4種のDNA塩基または RNA塩基のいずれかがDNAまたはRNA配列のその指定位置にあることを意 味する。 要するに、本発明のポリヌクレオチドは成熟蛋白、リーダー配列の加わった成 熟蛋白(プレ蛋白とも称される)、プレ蛋白のリーダー配列ではない1またはそ れ以上のプロ配列を有する成熟蛋白の前駆体、またはリーダー配列と、一般に、 ポリペプチドの活性な成熟形態を生成するプロセッシング工程の間に除去される 1またはそれ以上のプロ配列を有するプロ蛋白の前駆体であるプレプロ蛋白をコ ードする。 ベクター、宿主細胞、発現系 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含むベク ター、本発明のベクターで遺伝子操作される宿主細胞および組換え技術による本 発明のポリペプチドの製造に関する。さらに無細胞翻訳系を用い、本発明のDN A構築物由来のRNAを使用してかかる蛋白を製造することができる。 本発明の組み換えポリペプチドを、発現系を含む遺伝子操作された宿主細胞か ら、当業者によく知られた方法により製造してもよい。したがって、さらなる態 様において、本発明は、本発明ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含む発現 系、かかる発現系で遺伝子操作された宿主細胞、ならびに組み換え法による本発 明ポリペプチドの製造に関する。 組換え体産生のために、宿主細胞を遺伝子操作し、発現系もしくはそれらの一 部、または本発明のポリヌクレオチドを取り込むことができる。ポリヌクレオチ ドの宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE− デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジ ェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション 、トランスダクション、スクレープ・ローディング、弾道導入および感染のよう な、Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)のごとき複数の標準的研究室マ ニュアルに記載されている方法によって行うことができる。 適当な宿主の代表例は、レンサ球菌(Sreptococcus)、ブドウ球菌(Staphylo coccus)、腸球菌(Enterococcus)、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイセス(S treptomyces)、シアノバクテリア(Cyanpobacteria)、枯草菌(Bacillussubtilis) およびスタフィロコッカス・アウレウス(Staphy1ococcus aureus)のごとき細 菌細胞;クルベロミセス(Kluveromyces)、サッカロミセス(Saccharomyces)のごと き酵母細胞、担子菌、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)およびアス ペルギルス(Aspergillus);ドロソフィラ(Drosophila)S2およびスポドプテ ラ(Spodoptera)Sf9細胞のごとき昆虫細胞;CHO、C0S、HeLa、C127、3T3、BHK 、293、CV-1およびボーウェス(Bowes)メラノーマ細胞のごとき動物細胞;およ び裸子植物または被子植物のごとき植物細胞を包含する。 本発明のポリペプチドを製造するために非常に多様な発現系を使用することが できる。かかるベクターは、とりわけ、染色体、エピソームおよびウイルス由来 の系、例えば、細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン 由来、酵母エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント由来、 バキュロウイルス、SV40のごときパポバウイルス、ワクシニアウイルス、ア デノウイルス、ニワトリポックスウイルス、偽狂犬病ウイルスおよびレトロウイ ルスのようなウイルス由来のベクター、およびコスミドおよびファージミドなど のプラスミドおよびバクテリオファージの遺伝因子由来のベクターのごとき、そ れらの組み合わせに由来するベクターを包含する。発現系構築物は、発現を制御 ならびに引き起こす調節領域を有していてもよい。一般に、宿主においてポリヌ クレオチドを維持、増幅または発現し、および/またはポリペプチドを発現する のに適した系またはベクターを、この点にて発現に使用してもよい。適当なDN A配列を、例えば、Sambrookら、MOLEULAR CL0NING,A LABORAT0RY MANUAL(前 掲)に示されている技術のごとき、種々のよく知られた慣用的技術のいずれかに よって、発現系に挿入してもよい。 真核細胞の組み換え発現系において、翻訳された蛋白を小胞体内腔、周辺腔ま たは細胞外環境に分泌するために、適当な分泌シグナルを発現されるポリペプチ ドに挿入してもよい。これらのシグナルは、ポリペプチドに固有のものであって もよく、または異種のシグナルであってもよい。 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱、酸抽出、 アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグ ラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ ー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフ ィーを包含する、よく知られた方法によって組換え細胞培養物から回収および精 製できる。最も好ましくは、高品質液体クロマトグラフィーが精製に使用される 。ポリペプチドが単離および/または精製の間に変性する場合、蛋白を再生する ための周知方法を用いて、再び活性な立体配座とすることができる。 診断、予後、セロタイピングおよび変異アッセイ また本発明は、診断試薬として使用するための本発明のhcdポリヌクレオチ ドの使用にも関する。真核生物、とりわけ哺乳動物、特にヒトにおけるhcdポ リヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの検出は、疾患の診断、疾病の段階 の決定、または薬剤に対する感染生物の応答に関する診断方法を提供するであろ う。hcd遺伝子または蛋白を含む生物に感染、または感染の可能性がある真核 生物、とりわけ哺乳動物、特にヒトを、種々のよく知られた方法ならびに本明細 書記載の方法により核酸レベルまたはアミノ酸レベルで検出できる。 予後、診断または他の分析に供するポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、 感染していると思われる個体および/または感染した個体の身体材料から得られ る。これらの源由来のポリヌクレオチド、特にDNAまたはRNAを検出に直接 用いてもよく、あるいは分析に付す前にPCRもしくはその他の増幅法を用いる ことにより酵素的に増幅できる。RNA(詳細にはmRNA)、cDNAおよび ゲノムDNAも同じようして使用できる。増幅を用いると、個体に存在する原核 生物の種および株を原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴づけすることが できる。対照配列の遺伝子型と比較した増幅生成物の大きさの変化により、欠失 および挿入を検出できる。点突然変異は、増幅DNAを標識したhcdポリヌク レオチド配列にハイブリダイゼーションさせることにより同定できる。DNAま たはRNAについて、完全または有意に対合した配列は、R Nase消化により、ま たは融解温度または再生のキネティクスの差により、誤対合二重らせんと区別で きる。DNA配列の差はまた、変性剤を伴ったまたは変性剤を含まないゲル中の DNAフラグメントの電気泳動の移動度の変化により、または直接的なDNAの 配列決定により検出できる。例えば、Myersら、Science,230:1242(1985)を参 照のこと。特異的な位置での配列の変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例 えば、R NaseおよびS1保護または化学的切断法によっても明らかにすることが できる。例えば、cottonら、Proc.Natl.Acad Sci.,USA,85:4397-4401(1985)を参 照のこと。ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えば、RNase、V1およびS2保 護アッセイまたは化学的開裂法により、特定位置における配列の変化を明らかに することができる。例えば、Cotton et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85 :4397-4401(1985)参照。 もう1つの具体例において、hcdヌクレオチド配列またはそのフラグメント を含むオリゴヌクレオチドプローブの一群を構築して、例えば遺伝学的変異、セ ロタイプ、分類学的分類または同定のための効果的なスクリーニングを行うこと ができる。アレイ法は適応範囲が広く、遺伝子発現、遺伝学的連関、および遺伝 学的変化を包含する分子遺伝学における種々の問題を解決するために用いられる (例えば、Chee et al.,Science,274:610(1996)参照)。 よって、もう1つの態様において、本発明は、 (a)本発明ポリヌクレオチド、好ましくは配列番号:1のヌクレオチド配列 、またはそのフラグメント; (b)(a)のヌクレオチド配列に対して相捕的なヌクレオチド配列; (c)本発明ポリペプチド、好ましくは配列番号:2のポリペプチド、または そのフラグメント;あるいは (d)本発明ポリペプチドに対する抗体、好ましくは配列番号:2のポリペプ チドに対する抗体 を含む診断キットに関する。 かかるキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が重要な成分を 含んでいてもよいことが理解されよう。かかるキットは、とりわけ疾病または疾 病に対する感受性についての診断において有用である。 また本発明は、診断試薬としての本発明ポリヌクレオチドの使用にも関する。 疾病または発病に関連した本発明ポリヌクレオチド、好ましくは配列番号:1の ポリヌクレオチドの変異形態の検出は、ポリヌクレオチドの発現低下、発現過剰 または発現の変化により生じる疾病の診断、疾病経過の予後、疾病段階の決定、 または疾病に対する感受性の決定に加えて用いる診断用道具、またはかかる診断 等の決定のための道具を提供するであろう。かかるポリヌクレオチドにおける変 異を有する生物、特に感染生物を、本明細書記載のいずれかの場所で説明するよ うな種々の方法によりポリヌクレオチドレベルで検出してもよい。 本発明ヌクレオチド配列は生物の染色体の同定にも価値がある。配列は特別に 標的化され、生物(詳細にはスタフィロコッカス・アウレウス)の染色体上の特 定の位置とハイブリダイゼーションしうる。本発明染色体に関連した配列のマッ ピングは、それらの配列を病原性および/または生物の環境学的地位および/ま たは生物の薬剤耐性とを関連づけ、さらには生物に遺伝子を対応させることにお ける重要な工程でありうる。配列を正確な染色体位置にマッピングしたならば、 染色体上の配列の物理的位置を遺伝学的地図のデータと関連づけることができる 。かかるデータは、配列データベースにおいてオンラインで見いだされる。次い で、 遺伝学的方法、例えば、連関(物理的に近接した遺伝子の同時遺伝)の分析、あ るいはコンジュゲーション(conjugation)のごとき接合の研究により、同じ染 色体領域にマッピングされた遺伝子と疾病との関係を同定する。 第1の表現型を有する生物と、異なる第2の表現型を有する生物との間のポリ ヌクレオチドおよび/またはポリペプチド配列の相違を調べることもできる。第 1の表現型を有する生物のいくつかまたは全部に変異が観察されるが、第2の表 現型を有する生物には変異が観察されない場合、変異は第1の表現型の発生原因 である可能性がある。 種々の技法により、本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド中 に変異または多型性(対立遺伝子変異)を担持する生物由来の細胞をポリヌクレ オチドまたはポリペプチドレベルで検出して、例えばセロタイピングを行うこと ができる。例えば、RT−PCRを用いてRNAにおける変異を検出することが できる。RT−PCRを自動検出系、例えばGene S can等と組み合わせて用いる のが特に好ましい。RNA、cDNAまたはゲノムDNAもまた同じ目的でPC RまたはRT−PCRに用いることができる。一例として、hcdポリペプチド をコードする核酸に相補的なPCRプライマーを用いて変異を同定および分析す ることができる。典型的なプライマーの例を下表2に示す。 また本発明は、式: X−(R1m−(R2)−(R3n−Y [式中、分子の5’末端のXは水素または金属、または修飾核酸残基であり、分 子の3’末端のYは水素または金属、または修飾核酸残基であり、R1およびR3 は核酸残基または修飾ヌクレオチド残基であり、mは1〜20の整数または0で あり、nは1〜20の整数または0であり、R2は本発明プライマー配列、特に 表2より選択されるプライマー配列を意味する] で示されるポリヌクレオチドを包含する。上記した式のポリヌクレオチド中、R2 は5’末端残基がその左側にあってR1に結合し、その3’末端残基がその右側 にあってR3に結合するように方向付けられる。mおよび/またはnが1より大 きい場合、いずれかのR基で表される核酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホ モポリマーのいずれであってもよく、好ましくは表1のポリヌクレオチドの領域 に相捕的なヘテロポリマーである。好ましい具体例において、mおよび/または nは1ないし10の間の整数である。 さらに本発明は、5’および/または3’末端から1、2、3または4個のヌ クレオチドが除去されたプライマーを提供する。特に、これらのプライマーを、 個体由来の試料、例えば身体材料から単離されたhcdDNAおよび/またはR NAの増幅に用いることができる。プライマーを用いて感染個体から単離された ポリヌクレオチドを増幅して、ポリヌクレオチド配列研究のための種々の方法に 供してもよい。このようにして、ポリヌクレオチド配列中の変異を検出し、変異 を用いて感染または感染段階もしくは経路を診断および/または予後を行い、あ るいは感染物のセロタイプおよび/または分類を行ってもよい。 本発明はさらに、疾患、好ましくは細菌感染、さらに好ましくはスタフィロコ ッカス・アウレウスによる感染の診断方法であって、表1[配列番号:1]の配 列を有するポリヌクレオチドの発現レベルの上昇を、個体由来のサンプルから決 定することを特徴とする方法を提供する。hcdポリヌクレオチドの発現の増加 または低下は、ポリヌクレオチドの定量法として当該分野で周知の方法である任 意の方法、例えば増幅、PCR、RT−PCR、R Nase保護、ノーザンブロッテ ィング、スペクトロメトリーおよびその他のハイブリダイゼーション法を用いて 測定できる。 さらに、正常対照組織サンプルと比較してhcdポリペプチドの過剰発現を検 出するための本発明による診断アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出する ことができる。宿主由来のサンプル中のhcdポリペプチドのレベルを決定する ために用いることができるアッセイ技法は、当業者に周知である。このようなア ッ セイ法は、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウェスタンブロット分 析、抗体サンドイッチアッセイ、抗体検出およびELISAアッセイを包含する 。 ディファレンシャル発現(differential expression) 本発明ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを、ディファレンシャルスクリー ニング法の試薬として用いてもよい。多くのディファレンシャルスクリーニング およびディファレンシャルディスプレイ法が当該分野に存在し、本発明ポリヌク レオチドおよびポリペプチドを用いることができる。例えば、ディファレンシャ ルディスプレイ法はChuang et al.,J.Bacteriol.175:2026-2036(1993)に記載 されている。この方法は、ランダムプライムされたRT−PCRを用いて存在す るmRNAを同定することにより生物中で発現される遺伝子を同定するものであ る。感染前および感染後の特徴を比較することにより、感染の間にアップレギュ レーションおよびダウンレギュレーションされる遺伝子を同定し、RT−PCR 生成物を配列決定し、「未知」ORFにマッチさせることができる。 インビボ発現法(IVET)はCamilli et al.,Proc.Natl.Acad Sci.USA 91:2634-2638(1994)に記載されている。IVETは、研究室での培養物との比較 を行って、感染における重要な役割に関与している、感染中にアップレギュレー ションされる遺伝子を同定するものである。この方法により同定されるORFは 感染の確立および/または維持において重要な役割を有すると考えられる。この 方法において、標的生物のランダムな染色体フラグメントを、プラスミドベクタ ー中のプロモーター不含組み換え遺伝子の上流にクローン化する。レソルバーゼ (resolvase)部位に隣接した抗生物質耐性遺伝子を担持する標的細胞中にこの構 築物を導入する。抗生物質存在下での増殖は、レコンビナーゼ(recombinase) 遺伝子の転写を支持しうるプラスミドベクター中にクローン化されたフラグメン トの集団から消失し、それゆえ、抗生物質耐性の消失を引き起こす。各抗生物質 感受性細菌により担持される染色体フラグメントは感染の間に通常アップレギュ レーションされる遺伝子のプロモーターまたは当該遺伝子の一部を担持している はずである。レコンビナーゼ遺伝子上流の配列決定によりアップレギュレーショ ンされる遺伝子の同定が可能となる。 RT−PCRを用いて遺伝子発現パターンを分析してもよい。本発明ポリヌク レオチドを用いるRT−PCR用に、メッセンジャーRNAを細菌感染組織、例 えばネズミの感染後48時間たった肺から単離し、次いで、ランダムヘキサヌク レオチドでプラムされたRNA試料の逆転写を行い、その後遺伝子特異的プライ マーペアーを用いてPCRを行うことによって各mRNA量を評価する。得られ たPCR生成物の定量による特定のmRNA種の存在および量の決定は、感染組 織中で転写された細菌遺伝子についての情報を提供する。遺伝子転写の分析を感 染の異なる時点において行って細菌による発病における遺伝子調節についての詳 細な知識を得て、いずれの遺伝子産物が抗細菌剤のスクリーニングのための標的 であるのかを明確に理解することができる。使用PCRプライマーの遺伝子特異 的な性質により、細菌mRNA調製物が常に哺乳動物RNAを含む必要があると はいえないことが理解されよう。このことは、感染組織からの簡単かつ迅速なR NAの調製を可能にし、細菌中で非常に短命(半減期2分のオーダー)な細菌m RNA種を得ることを可能にする。最適には、非常に短時間のうちに、TRIz ole(GIBCO-BRL)存在下で機械的に破砕し、次いで、TRIzole試薬お よびDNAase処理を製造者の指示に従って行って夾雑DNAを除去すること により、感染ネズミ肺組織から細菌mRNAを調製する。好ましくは、適当に標 識された配列特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いてノーザンをプローブす ることにより検出されるスタフィロコッカス・アウレウスの16SリボソームR NAが最大量となるような条件を見いだすことによってプロセスを最適化する。 典型的には、5’色素標識プライマーをPCR反応において各PCRプライマー ペアーに用い、最適にはPCR反応を8ないし25サイクルで終了する。PCR 生成物を6%ポリアクリルアミドで分離し、GeneScanner(ABIにより製造さ れている)を用いて検出し定量する。 グリッディング(gridding)およびポリヌクレオチド引き算 方法は、いわゆる「高密度DNAアレイ(high density array)」またはグリ ッドを用いる遺伝子発現および同一性についての情報を得るためのものである。 例えば、M.Chee et al.,Science,274:610-614(1996)およびその中の引用文献 参 照。かかるグリッディングアッセイを用いて、発現配列タグ(EST)と呼ばれ るある種の新規遺伝子配列が同定された(Adams et al.,Science,252:1651-1656 (1991))。遺伝子産物に基づいて特定の遺伝子配列を同定するための方法のバラ エティーも記載されている。例えば、1991年5月30日公開国際特許出願W O91/07087参照。さらに、所望配列の増幅のための方法が記載されてい る。例えば、1991年11月14日公開の国際特許出願WO91/17271 参照。 本発明ポリヌクレオチドをポリヌクレオチドアレイの成分として、好ましくは 高密度アレイまたはグリッドとして用いてもよい。これらの高密度アレイは診断 および予後目的に特に有用である。例えば、異なる遺伝子、さらにはポリヌクレ オチドまたは本発明ポリヌクレオチドを含む各スポットのセットをプロービング (身体試料から得たプローブを用いるハイブリダイゼーションまたは核酸増幅を 用いるプロービングのごとき)に使用して、個体中の特定のヌクレオチド配列ま たは関連配列の存在を決定してもよい。かかる存在は、病原体、特にスタフィロ コッカス・アウレウスの存在を示す可能性があり、疾病または疾病経過の診断お よび/または予後に有用である可能性がある。配列番号:1のポリヌクレオチド 配列の多くの変種を含むグリッドが好ましい。また、配列番号:2のポリペプチ ド配列をコードしているポリヌクレオチド配列の多くの変種を含むものが好まし い。 抗体 本発明ポリペプチドおよびポリヌクレオチドまたはそれらの変種、あるいはそ れらを発現する細胞を、かかるポリペプチドまたはポリヌクレオチドそれぞれに 対して免疫特異的な抗体を得るための免疫原として用いることができる。 1の好ましい本発明の具体例において、hcdポリペプチドまたはポリヌクレ オチドに対する抗体が提供される。 本発明のポリペプチドに対して得られる抗体は、ポリペプチドあるいはエピト ープが付いたフラグメント、アナログまたは細胞を、好ましくはヒト以外の動物 に、慣用的プロトコールを用いて投与することにより得ることができる。モノク ロー ナル抗体を調製する場合、連続的細胞系培養により産生される抗体を提供する当 該分野にて周知の技術を用いることができる。例えば、Kohler,G.およびMilstei n,C.,Nature,256:495−497(1975);Kozborら、Immunology Today,4:72(1983);C o1eら、MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R Liss,Inc.、77−96 頁(1985)に記載されるような種々の技法が挙げられる。 一本鎖抗体を製造するための技術(米国特許第4946778号)を用いて、 本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生することができる。。また、ト ランスジェニックマウスまたは他の生物、例えば他の哺乳動物を用いて、ヒト化 抗体を発現させることができる。 別法として、ファージディスプレイ(phage display)技法を利用して、抗-h cdの保持に関してスクリーニングしたヒトのリンパ球のPCR増幅したv遺伝 子のレパートリー由来の、または無処理のライブラリー由来の、ポリペプチドに 対する結合活性を有する抗体遺伝子を選択してもよい(McCafferty,J.ら、Natur e 348:552-554(1990);Marks,J.ら、Biotechnology 10:779-783(1992))。こ れらの抗体の親和性はチェインシャフリング(chain shuffling)により改善す ることもできる(C1ackson,T.ら、Nature 352:624-628(1991))。 前記の抗体を用いてポリペプチドを発現するクローンを単離または同定するこ とができ、アフィニティークロマトグラフィーにより該ポリペプチドを精製する ことができる。 従って、とりわけ、hcdポリペプチドまたはhcdポリヌクレオチドに対す る抗体を用いて、感染、とりわけ細菌感染を治療することができる。 ポリペプチド変種は、本発明の特定の態様を形成する、抗原的、エピトープ的 または免疫学的に等価な変種を包含する。 ポリペプチド、例えば抗原的、免疫学的に等価な誘導体、またはその融合蛋白 は、マウスまたは他の動物、例えばラットもしくはニワトリを免疫するための抗 原として使用される。融合蛋白はポリペプチドに安定性を付与できる。抗原は、 例えば抱合することにより、免疫原性キャリヤ蛋白、例えばウシ血清アルブミン またはキーホール・リムペット・ヘモシアニンまたは破傷風トキソイドに結合さ せることができる。別法として、蛋白もしくはポリペプチド、またはその抗原的 もしくは免疫学的に等価なポリペプチドの多重コピーを含む多重抗原性ペプチド は、免疫原性を改良するのに十分な抗原性を有しており、キャリヤを使用しなく てすむ。 好ましくは、抗体またはその変種を修飾して個体における免疫原性を減少させ る。例えば、個体がヒトである場合、最も好ましくは抗体は「ヒト化」されてお り;例えばJones,P.ら、Nature 321:522−525(1986)またはTempestら、Biote chnology 9:266-273(1991)に記載されているように、ハイブリドーマ由来の抗 体の相補性決定領域がヒトモノクローナル抗体に移植されている。 本発明の1の態様によれば、治療または予防目的、詳細には遺伝学的免疫化の ための本発明ポリヌクレオチドの使用が提供される。本発明の特に好ましい具体 例は、hcdポリヌクレオチドの自然発生対立遺伝子変種およびそれによりコー ドされるポリペプチドである。 本発明ポリヌクレオチドの遺伝学的免疫における使用には、好ましくは、プラ スミドDNAの筋肉への直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Genet 1:363(1992);M anthorpeら、Hum.Gene Ther.4:419(1963))、特異的蛋白キャリヤを複合させ たDNAの送達(Wuら、J.Biol Chem.264:16985(1989))、リン酸カルシウム を用いるDNA共沈(Benvenisty & Reshef、PNAS USA 83:9551(1986))、種 々の形態のリポソーム中へのDNA封入(Kanedaら、Science 243:375(1989))、 微粒子爆撃(Tangら、Nature 356:152(1992);Eisenbraunら、DNA Cell Biol 12:791(1993))およびクローン化レトロウイルスベクターを用いたインビボ感 染(Seegerら、PNAS USA 81:5849(1984))などの適当なデリバリー方法を用い る。 アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセイおよび分子 さらに、本発明ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを用いて、例えば、細胞 、無細胞調製物、化学的ライブラリー、および天然産物の混合物中の、小分子基 質とリガンドとの結合を評価することもできる。これらの基質およびリガンドは 天然の基質およびリガンドでよく、または構造上もしくは機能上の模倣物でもよ い。 例えば、Coliganら、Current Protocols in Immunology 1(2):第5章(1991 )を参照のこと。 本発明ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは多くの生物学的機能の原因であ り、該機能には多くの疾病状態、詳細には上記疾病が包含される。それゆえ、ポ リペプチドまたはポリヌクレオチドの機能を刺激または阻害する化合物を同定す るためのスクリーニング法を工夫することが望ましい。したがって、さらなる態 様において、本発明は、本発明ポリペプチドまたはポリヌクレオチドならびに関 連ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの機能を刺激または阻害する化合物を同 定するためのスクリーニング方法を提供する。一般的には、アゴニストまたはア ンタゴニストを上記疾病の治療および予防のために用いてもよい。種々の源、例 えば、細胞、無細胞調製物、化学ライブラリーおよび天然産物の混合物から化合 物を同定できる。そのようにして同定されたかかるアゴニスト、アンタゴニスト または阻害剤は、天然または修飾基質、リガンド、受容体、酵素等であってもよ く、場合によってはhcdポリペプチドおよびポリヌクレオチド、あるいはそれ らの構造上または機能上の模倣物であってもよい(Coligan et al.,Current Pr otocols in Immunology 1(2):Chapter 5(1991)参照)。 スクリーニング法は、単に化合物のポリペプチドまたはポリヌクレオチドへの 、あるいはポリペプチドまたはポリヌクレオチドを有する細胞もしくは膜への、 あるいはポリペプチド含む融合蛋白への結合を、直接的または間接的に候補化合 物に結合した標識により測定するものであってもよい。別法として、スクリーニ ング法は標識競争物質との競争を用いるものであってもよい。さらに、これらの スクリーニング法は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む細胞に適した 検出系を用いて、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの活性化または阻害によ り生じるシグナルを化合物が発生させるかどうかを試験するものであってもよい 。一般的には、既知アゴニスト存在下で活性化の阻害剤をアッセイし、次いで、 候補化合物存在下でのアゴニストによる活性化の効果を観察する。構成的に活性 のあるポリペプチドおよび/または構成的に発現されるポリペプチドおよびポリ ヌクレオチドを、アゴニストまたは阻害剤の効果を逆転させる物質を探すスクリ ー ニング法に用いてもよく、候補化合物がポリペプチドまたはポリヌクレオチドの 活性化を阻害するかどうかを試験することによる。さらに、スクリーニング法は 、単に、候補化合物を本発明ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含有する溶 液と混合して混合物を作成し、混合物中のhcdポリペプチドおよび/またはポ リヌクレオチド活性を測定し、次いで、混合物中のhcdポリペプチドおよび/ またはポリヌクレオチド活性を標準に対して比較することを特徴とする。Fc部 分および上記hcdポリペプチドから作成されるような融合蛋白を用いて高処理 量アッセイを行って本発明ポリペプチドのアンタゴニストならびに系統分類的お よび/または機能的に関連したポリペプチドを同定することもできる(D.Bennett et al.,J.Mol.Recognition,8:52-58(1955);およびK.Johanson et al.,J.Biol.C hem.,270(16):9549-9471(1955)参照)。 本発明ポリペプチドと結合および/または相互作用するポリヌクレオチド、ポ リペプチドおよび抗体を用いて、細胞中のmRNAおよび/またはポリペプチド の精製に対する添加化合物の影響を検出するためのスクリーニング方法を組み立 ててもよい。例えば、ELISAアッセイを構築して、モノクローナルおよびポ リクローナル抗体を用いてポリペプチドの分泌または細胞結合レベルを、当該分 野において標準的な方法により測定してもよい。これにより、適当に操作された 細胞または組織からのポリペプチドの生成を阻害または促進しうる作用剤(それ ぞれ、アンタゴニストまたはアゴニストという)を見いだすことができる。 本発明はまた、hcdポリペプチドまたはポリヌクレオチドの作用、特に静菌 および/または殺菌性である化合物の作用を充進(アゴニスト)または遮断(ア ンタゴニスト)する化合物を同定するための化合物のスクリーニング方法を提供 する。スクリーニング方法には高処理量(high−throughput)技術が包含される 。例えば、アゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするために、hc dポリペプチドおよびかかるポリペプチドの標識基質またはリガンドを含む合成 反応混合物、膜、細胞エンベロープもしくは細胞壁のごとき細胞コンパートメン ト、またはそれらのいずれかの調製物を、hcdアゴニストまたはアンタゴニス トであるかもしれない候補分子の存在下または不在下でインキュベートする。候 補分 子がhcdポリペプチドに作動または拮抗する能力は、標識リガンドの結合の低 下またはかかる基質からの生成物の生成低下に反映される。結合しても影響を及 ぼさない分子、すなわちhcdポリペプチドの効果を誘起しない分子は、ほとん どの場合、良好なアンタゴニストであろう。よく結合し、基質からの生成物の生 成速度を高め、シグナルトランスダクションを増大させ、あるいは化学チャンネ ル活性を増大させる分子はアゴニストである。基質からの生成物の生成速度、シ グナルトランスダクション、あるいは化学チャンネル活性のレベルの検出はリポ ーターシステムを用いることにより強調できる。この点に関して有用なリポータ ーシステムは、生成物に転換される発色基質、標識基質、hcdポリヌクレオチ ドまたはポリペプチド活性の変化に応答するリポーター遺伝子、および当該分野 で公知の結合アッセイを包含するが、これらに限定するものではない。 本発明ポリペプチドを用いて膜結合または可溶性受容体を同定してもよく、か かるポリペプチドは当該分野において標準的な受容体結合法により同定される。 これらの方法、リガンド結合およびクロスリンキングアッセイを包含するが、こ れらに限らない。これらの方法において、ポリペプチドを放射性標識(例えば12 5 I)、化学修飾(例えばビオチン化)または検出および精製に適したペプチド 配列に融合され、推定上の受容体(例えば細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物 、身体材料)の源とともにインキュベーションする。他の方法は表面プラスモン 共鳴および分光学的法法を包含する。これらのスクリーニング方法を用いて、ポ リペプチドのその受容体への結合と競争するポリペプチドのアゴニストおよびア ンタゴニストを同定してもよい。かかるアッセイを行うための標準的方法は当該 分野においてよく知られている。 蛍光タグを付した分子に関する蛍光分極値は回転相関時間(rotational corre lation time)または回転速度(tumbling rate)に依存する。別のhcdポリペ プチドもしくは他のポリペプチドと結合したhcdポリペプチドのごとき蛋白複 合体であって蛍光標識分子を含むように標識されているものは、蛍光標識された モノマー蛋白よりも高い分極値を有するであろう。この方法を用いて、ポリペプ チド複合体を分裂させる小型分子を特徴づけるのが好ましい。 蛍光エネルギー転移を用いて、hcdポリペプチドダイマー、トリマー、テト ラマー、または高次構造、あるいは別のポリペプチドに結合したhcdポリペプ チドにより形成される構造の形成を妨害する小型分子を特徴づけてもよい。hc dポリペプチドをドナーおよびアクセプター両方の蛍光発色団で標識することが できる。2種の標識種を混合し、ドナー蛍光発色団を励起したならば、アクセプ ターの蛍光を観察することにより蛍光エネルギー転移を検出することができる。 ダイマー化をブロックする化合物は蛍光エネルギー転移を阻害するであろう。 表面プラスモン共鳴を用いて、hcdポリペプチドの自己結合ならびにhcd ポリペプチドと別のポリペプチドもしくは小型分子との結合に対する小型分子の 影響をモニターすることができる。低いサイト密度(site density)においてh cdポリペプチドをセンサーチップにカップリングさせて、共有結合分子がモノ マー性となるようにすることができる。次いで、溶液蛋白をhcdポリペプチド 被覆表面上に通し、局所屈折率の変化により生じる共鳴角の変化をモニターする ことにより特異的結合をリアルタイムで検出することができる。この方法を用い で、hcdポリペプチドの自己結合ならびにhcdポリペプチドと別のポリペプ チドもしくは小型分子との結合に関する反応速度および平衡結合定数に対する小 型分子の影響を特徴づけることができる。 シンチレーション近接アッセイを用いて、hcdポリペプチドと別のhcdポ リペプチドもしくは別の分子との結合の間の相互作用を特徴づけることができる 。hcdポリペプチドをシンチレーション充填ビーズにカップリングさせること ができる。放射性標識hcdポリペプチドの添加は結合を生じ、放射性源分子は シンチレーション液に極めて近接した状態となる。よって、hcdポリペプチド の結合によりシグナルが放出され、hcdポリペプチドの自己結合またはhcd ポリペプチドと別のポリペプチドもしくは小型分子との結合を妨害する化合物は シグナルを減少させるであろう。 ICSバイオセンサーはAMBRI(Australian Membrane Biotechnology Re search Institute)により記載されている。それらは高分子の自己結合をカップ リングし、懸濁膜二重層中のガンマシジンにより促進されるイオンチャンネル を閉鎖し、それゆえバイオセンサーのアドミッタンス(インピーダンスと同様) の測定可能な変化が起こる。このアプローチは60回のアドミッタンス変化でも 直線性があり、理想的には、小型分子コンビナトリアルライブラリーの大規模な 高処理量スクリーニングに適する。 本発明の他の具体例において、本発明ポリペプチドおよびまたはポリヌクレオ チドと結合あるいは相互作用して、その活性または発現を阻害または活性化する 化合物を同定する方法であって、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド への結合、あるいはポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物との 他の相互作用を可能にする条件下で本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌク レオチドをスクリーニングすべき化合物と接触させて、アゴニストとの結合ある いは他の相互作用を評価し(該方法において、好ましくは、かかる結合または相 互作用はポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物との結合あるい は相互作用に応答した検出可能シグナルを提供しうる第2の化合物に関連したも のである)、次いで、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物と の結合あるいは相互作用から生じるシグナルの存在または不存在を検出すること により、化合物がポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと結合あるいは 相互作用し、その活性または発現を活性化または阻害するかどうかを決定する方 法が提供される。 hcdアンタゴニストのアッセイのもう1つの例は、競争阻害アッセイに適し た条件下で、hcdおよび潜在的なアンタゴニストを、hcd結合分子、組換え hcd結合分子、天然基質もしくはリガンド、または基質もしくはリガンド模倣 物と混合する、競合アッセイである。hcd分子を例えば放射活性または比色化 合物により標識し、結合分子に結合した、あるいは生成物に変換したhcd分子 の数を正確に決定して、潜在的なアンタゴニストの効果を評価できる。 潜在的なアンタゴニストは、本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペ プチドと結合し、それによりその活性を阻害し、消滅させる小型有機分子、ペプ チド、ポリペプチドおよび抗体を包含する。潜在的アンタゴニストはまた、hc dにより誘導される活性を誘導しない結合分子のような結合分子の同一部位 に結合し、hcdポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを結合から排除 することによりhcdポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの作用また は発現を妨げる、密接に関連した蛋白または抗体のような小型有機分子、ペプチ ド、ポリペプチドであってもよい。 潜在的なアンタゴニストは、ポリペプチドの結合部位に結合してその部位を占 領し、それにより細胞性結合分子との結合を妨害して、正常な生物学的活性を妨 害する小型分子を包含する。小型分子の例は、小型有機分子、ペプチド、ペプチ ド様分子を包含するが、これらに限定するものではない。その他の潜在的なアン タゴニストはアンチセンス分子を包含する(これらの分子についての記載に関し ては、Okano,J.,Neurochem.56:560(1991);0LIGODEOXYNUCLEOTIDES AS ANTISENS E INHIBTORS OF GENE EXPRESSION、CRCプレス、ボッカラートン、フロリダ州 (1988)を参照のこと)。好ましい潜在的アンタゴニストは、hcdに関連する化 合物およびその変種を包含する。 潜在的なポリペプチドアンタゴニストの他の例は抗体を包含し、あるいはいく つかの場合には、ポリペプチドのリガンド、基質、受容体、酵素等の密接に関連 したオリゴヌクレオチドまたは蛋白、あるいはリガンド、基質、受容体、酵素等 のフラグメント、あるいは本発明ポリペプチドに結合するが応答を誘発せず、そ の結果ポリペプチドの活性を阻害することとなる小型分子を包含する。 ある種の本発明ポリペプチドは天然hcdポリペプチドの生物学的模倣物、機 能的模倣物である。これらの機能的模倣物を、とりわけ、hcdポリペプチドの 活性に拮抗するように、あるいは本明細書にいずれかの場所に記載の様式で抗原 または免疫原として用いてもよい。本発明ポリペプチドの機能的模倣物は末端切 断ポリペプチドを包含するが、これに限らない。例えば、好ましい機能的模倣物 は、配列番号:2に示すポリペプチドを含むポリペプチドであってアミノまたは カルボキシ末端の20、30、40、50、60、70または80個のアミノ酸 を欠くポリペプチドを包含し、さらにこれらの末端切断配列の1つまたはそれ以 上のものを含む融合蛋白を包含する。これらの機能的模倣物のそれぞれをコード しているポリヌクレオチドを発現カセットとして用いて各模倣物ポリペプチドを 発現させてもよい。これらのカセットが5’および3’制限部位を有していて所 望の場合にカセットを一緒にして連結するための便利な手段となることが好まし い。これらのカセットが当該分野で知られたまたは本明細書にいずれかの場所に 記載された遺伝子発現シグナルを含むことがさらに好ましい。 よって、もう1つの態様において、本発明は、本発明ポリペプチドおよび/ま たはポリヌクレオチドに関するアゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体 、基質、酵素等;あるいはかかるポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド の生成を減少または促進する化合物を同定するためのスクリーニングキットに関 する。該キットは: (a)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド; (b)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを発現する組み換 え細胞; (c)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを発現する細胞膜 ;あるいは (d)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドに対する抗体 を含むものであり、好ましくは該ポリペプチドは配列番号:2のものであり、好 ましくは該ポリヌクレオチドは配列番号:1のものである。 かかるキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)は重要成分を含 有していてもよいことが理解されよう。 本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを、ポリペプチドおよび /またはポリヌクレオチドのアゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤の構造に 基づく設計方法に用いてもよいことが、当業者に容易に理解されよう。該方法は : (a)最初にポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド、またはそれらの 複合体の3次元構造を決定し、 (b)アゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤の反応部位、結合部位または モチーフである可能性のある部位の3次元構造を推定し、 (c)推定された反応部位、結合部位および/またはモチーフと結合または反 応すると予想される候補化合物を合成し、次いで (d)候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤であるか どうかを試験する ことを含む。 これが繰り返しプロセスであり、自動およびコンピューター制御工程を用いて この繰り返しプロセスを行ってもよいことが、さらに理解されよう。 さらなる態様において、本発明は、例えばhcdポリペプチドおよび/または ポリヌクレオチドの過剰発現、発現不足、上昇した活性、または低下した活性に 関連した疾病のごとき異常な状態の治療方法を提供する。 ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの発現および/または活性が過 剰な場合、いくつかの方法を用いることができる。1の方法は、ポリペプチドお よび/またはポリヌクレオチドの機能および/または発現を阻害(例えば、リガ ンド、基質、受容体、酵素等の結合をブロックすることにより、あるいは2次的 シグナルを阻害することにより)するに有効な量の上記阻害化合物(アンタゴニ スト)を医薬上許容される担体とともに対象に投与し、そのことにより異常な症 状を改善することを含む。もう1つの方法において、やはり内在性ポリペプチド および/またはポリヌクレオチドと競争してリガンド、基質、受容体、酵素等に 結合することができる可溶性形態のポリペプチドを投与してもよい。かかる競争 物質の典型例はhcdポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドのフラグメ ントを包含する。 さらなる態様において、本発明は、本発明ポリペプチドまたはそのフラグメン トおよび種々のサブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリ ンの重鎖または軽鎖の不変領域の種々の部分を含む、遺伝子工学により得られる 可溶性融合蛋白に関する。好ましい免疫グロブリンはヒトIgG(詳細にはIg G1)の重鎖の不変部分であり、融合はヒンジ領域で起こる。特定の具体例にお いて、血液凝固因子Xaを用いて開裂できる開裂配列を導入することによりFc 部分を簡単に除去することができる。さらにそのうえ、本発明は、遺伝子工学に よるこれらの融合蛋白の製造方法、ならびに薬剤スクリーニング、診断および治 療におけるそれらの使用に関する。本発明のさらなる態様はかかる融合蛋白 をコードしているポリヌクレオチドにも関する。融合蛋白法の例は国際特許出願 WO94/29458およびWO94/22914に見いだされる。 さらにもう1つのアプローチにおいて、発現ブロッキング法を用いて内在性h cdポリペプチドをコードしている遺伝子の発現を阻害することができる。この ブロッキングは遺伝子発現のいずれの工程を標的としてもよいが、好ましくは、 転写および/または翻訳を標的とする。この種の既知方法の例は、体内で生じる かまたは別個に投与されるアンチセンス配列の使用を包含する(例えば、Oligod eoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression,CRC Press,Boc ca Raton,FL(1988)中O'Connor,J.Neurochem(1991)56:560参照)。別法として 、遺伝子とともに三重らせんを形成するオリゴヌクレオチドを提供してもよい。 例えば、Lee et al.,Nucleic Acids Res(1979)6:3073;Cooney et al.,Science (1988)241:456;Dervan et al.,Science(1991)251:1360参照。これらのオリ ゴヌクレオチドはそれ自体投与することができ、あるいは重要部分のオリゴマー をインビボで発現させることもできる。 本明細書で得られるDNA配列は、各々、抗菌化合物の発見および開発に用い ることができる。発現でコードされた蛋白は、抗菌薬物をスクリーニングするた めの標的として用いることができる。加えて、コードされた蛋白のアミノ末端領 域をコードするDNA配列あるいはシャイン・ダルガルノまたは他の個々のmR NAの翻訳容易化配列を用いて、目的とするコーディング配列の発現を調節する アンチセンス配列を構築することができる。 本発明はまた、感染の続発症に関与する、病原体および哺乳動物宿主間の最初 の物理的相互作用を妨害するための、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド または阻害物質の使用を提供する。特に本発明の分子は、細菌、特にグラム陽性 菌が内在装置上の哺乳動物細胞外マトリックス蛋白、または創傷部の細胞外マト リックス蛋白に付着することを防御するために;哺乳動物細胞外マトリックス蛋 白と組織損傷を媒介する細菌hcd蛋白との間の細菌付着を遮断するために;内 在装置の埋め込みまたは他の外科的手技以外により開始した感染における病因の 通常の進行を遮断するために使用することができる。 本発明のさらに別の態様によれば、hcdのアゴニストおよびアンタゴニスト 、好ましくは静菌性または殺菌性アゴニストおよびアンタゴニストが提供される 。 本発明のアンタゴニストおよびアゴニストを用いて、例えば、疾患を阻害し、 治療することができる。 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)(本明細書中、エッチ・ピ ロリともいう)菌は、胃癌、潰瘍、胃炎を発病している世界中の人々の3分の1 以上の胃に感染している(国際癌研究機関(International Agency for Researc h on Cancer)(1994)Schistomoses,Liver Flukes and Helicobacter Pylori (International Agency for Research on Cancer,Lyon,France;http://w ww.uicc.ch/ecp/ecp2904.htm))。さらに、この国際癌研究機関は、最近 になって、ヘリコバクター・ピロリと胃腺癌の間の因果関係を認識し、その細菌 をグループI(限定的)発癌物質と分類した。本発明により提供されるスクリー ニング法を用いて見出される本発明の好ましい抗菌化合物(hcdポリペプチド および/またはポリヌクレオチドのアゴニストおよびアンタゴニスト)、特に広 スペクトルの抗生物質は、ヘリコバクター・ピロリ感染の治療に有用である。こ のような治療はヘリコバクター・ピロリ誘発性癌、例えば胃腸癌の出現を減少さ せる。かかる治療はまた胃潰瘍および胃炎も治癒する。 ワクチン 生成物、組成物、ならびにhcd発現の評価、疾病の治療、遺伝学的変異のア ッセイ、および細菌、特にスタフィロコッカス・アウレウス細菌に対する免疫学 的応答を生起させるためのhcdポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド の生物への投与方法が本発明により提供される。 本発明の別の態様は、個体、特に哺乳動物における免疫学的応答を誘発する方 法であって、抗体および/またはT細胞免疫応答を生成するのに適当なhcdポ リヌクレオチドおよび/またはポリペプチド、またはそのフラグメントもしくは 変種を個体に接種し、該個体を感染、特に細菌感染、最も好ましくはスタフィロ コッカス・アウレウス感染から防御することを含む方法に関する。さらに、その ような免疫学的応答による細菌複製を遅らせる方法も提供する。本発明のさらに もう一つ別の態様は、個体における免疫学的応答を誘発する方法であって、イン ビボでhcdポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド、またはそのフラグ メントまたは変種を発現するために、該hcdポリヌクレオチドおよび/または ポリペプチド、またはそのフラグメントまたは変種の発現を指向する核酸ベクタ ーを該個体に送達し、例えば、サイトカイン産生T細胞または細胞毒性T細胞を 含め、抗体および/またはT細胞免疫応答を生じさせるように免疫学的応答を誘 発し、該個体にて疾患が既に確立されているか否かにかかわらず該個体を疾患か ら保護することを含む方法に関する。遺伝子を投与する一例は、粒子上のコーテ ィングとして遺伝子を所望の細胞に投与することによるものである。このような 核酸ベクターはDNA、RNA、リボザイム、修飾核酸、DNA/RNAハイブ リッド、DNA−蛋白複合体またはRNA−蛋白複合体を含んでいてもよい。 本発明のさらなる態様は、その中に免疫学的応答を誘発する能力を有するか、 または誘発している個体に導入されると、その個体においてhcdポリヌクレオ チドおよび/またはそれによりコードされるポリペプチドに対する免疫学的応答 を誘発する免疫学的組成物であって、該hcdポリヌクレオチドおよび/または それによりコードされるポリペプチド、または他の本発明ポリペプチドの抗原を コードし、発現するDNAおよび/またはRNAを含む組換えhcdポリヌクレ オチドおよび/またはそれによりコードされるポリペプチドを含む組成物に関す る。免疫学的応答は、治療的および予防的に使用でき、抗体免疫および/または CTLまたは CD4+T細胞から生ずるような細胞性免疫から得ることができる。 hcdポリペプチドまたはそのフラグメントは、それ自体抗体を産生しないが 、第1の蛋白の安定化ならびに免疫原性および保護特性を有するであろう融合蛋 白の産生能を有する補蛋白(co-Protein)と融合させることができる。このよう な融合組換え蛋白は、好ましくは、さらに、ヘモフィラス・インフルエンザ(Hemo philus influenzae)からのリポプロテインD、グルタチオン−S−トランスフェ ラーゼ(GST)またはベータガラクトシダーゼのような抗原性補蛋白、蛋白を 可溶化し、その産生および精製を容易にするような比較的大きい補蛋白からなる 。さら に、補蛋白は、免疫系の全身的な刺激を与える上で、アジュバントとして作用し てもよい。補蛋白は第1の蛋白のアミノまたはカルボキシ末端のいずれかに結合 してもよい。 本発明は、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドおよび、Sato,Y.ら ,Science,273:352(1996)に記載されるような免疫刺激DNA配列からなる組成 物、特にワクチン組成物および方法を提供する。 また、本発明は、スタフィロコッカス・アウレウス感染の動物モデルにおける そのような遺伝的免疫実験において使用したDNA構築物中で細菌細胞表面蛋白 の非可変領域をコードすることが明らかにされた、記載されたポリヌクレオチド またはその特定のフラグメントを使用する方法も提供する。そのような実験は、 予防的または治療的免疫応答を起こさせることのできる蛋白エピトープの同定に 特に有用である。この方法により、動物、とりわけヒトにおける細菌感染、特に スタフィロコッカス・アウレウス感染の予防剤または治療剤の開発のために、動 物の必須器官から感染の抵抗または除去に特に有用なモノクローナル抗体を産生 させることができると考えられる。 宿主を免疫するための抗原として本発明ポリペプチドを用い、例えば、損傷組 織への細菌の付着を遮断することにより、細菌の侵入を妨げる特異抗体を生じさ せることができる。組織損傷の例としては、例えば、機械的、化学的または熱的 損傷による、または内在装置の埋め込みによる皮膚や結合組織の傷、あるいは口 、乳腺、子宮または膣のような粘膜における傷が挙げられる。 本発明はまた、本発明の免疫原性組換えポリペプチドおよび/またはポリヌク レオチドと適当な担体とからなるワクチン処方も包含する。蛋白は胃で破壊され うるので、非経口的投与(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、皮内等の投与を包含 する)が望ましい。非経口投与に適した処方は、抗酸化剤、緩衝剤、抗菌剤、お よびその処方を個体の体液、好ましくは血液と等張にする溶質を含有してもよい 、水性および非水性滅菌注射溶液;懸濁化剤または増粘剤を含有してもよい、水 性および非水性滅菌懸濁液を包含する。処方は、単位投与または複数投与用コン テナ、例えば、密封されたアンプルおよびバイアルにて提供され、使用直前に滅 菌 液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で貯蔵することができる。ワクチン 処方はまた、水中油系のごとき処方の免疫原性を高めるアジュバント系および当 該分野において知られている他の系を有してもよい。投与量はワクチンの比活性 に依存し、慣用的実験操作によって容易に決定できる。 本発明をある種のhcdポリペプチドおよびポリヌクレオチドについて記載し たが、この記載は天然のポリペプチドおよびポリヌクレオチドのフラグメント、 ならびに組換えポリペプチドまたはポリヌクレオチドの免疫原性を実質的に変化 させない付加、欠失または置換を有する同様なポリペプチドおよびポリヌクレオ チドも包含することが理解されるであろう。 組成物、キットおよび投与 本発明のさらなる態様において、単細胞または多細胞生物に投与される、hc dポリヌクレオチドおよび/またはhcdポリペプチドを含む組成物が提供され る。 本発明はまた、上記したポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドあるい はそれらのアゴニストまたはアンタゴニストからなる組成物に関する。本発明の ポリペプチドは、対象への投与に適した医薬担体のような細胞、組織または器官 用の未滅菌または滅菌担体と組み合わせて使用できる。かかる組成物は、例えば 、媒体添加または治療上有効量の本発明のポリペプチドおよび/またはポリヌク レオチドと、医薬上許容される担体または賦形剤を含む。かかる担体は、限定す るものではないが、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、 エタノールおよびその組み合わせを包含する。処方は投与方法に適していなけれ ばならない。本発明は、さらには、上記した本発明組成物の一またはそれ以上の 成分を充填した、一またはそれ以上のコンテナを含む診断および医薬用パックお よびキットに関する。 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび他の化合物を、単独で、また は、治療用化合物などの他の化合物と組み合わせて用いてもよい。 該医薬組成物は、例えば、とりわけ、局所、経口、経肛門、経膣、静脈内、腹 腔内、筋肉内、皮下、経鼻、経皮経路による投与を含む、いずれかの有効な、都 合のよい方法で投与される。 治療および予防において、活性成分は個体に注射用組成物、例えば、好ましく は等張の滅菌水性分散液として投与される。 また、組成物は、例えば、軟膏、クリーム、ローション、眼軟膏、点眼剤、点 耳剤、マウスウォッシュ、含浸包帯および縫合糸ならびにエアゾルの形態の局所 用処方とすることができ、適当な通常の添加剤、例えば、保存料、薬剤浸透を助 ける溶媒、軟膏やクリームにおけるエモリエント等を含むことができる。そのよ うな局所用処方はまた、適合する通常の担体、例えば、クリームまたは軟膏基剤 、ローション用のエタノールまたはオレイルアルコールも含有することができる 。このような担体は、処方の約1〜98重量%を構成してもよく、より一般的に は、処方の約80重量%までを構成する。 さらなる態様において、本発明は、医薬上許容される担体または賦形剤を混合 された治療上有効量のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド、例えば可 溶性形態の本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド、アゴニストま たはアンタゴニストペプチドまたは小型分子化合物を含む組成物が提供される。 かかる担体は、セイライン、緩衝化セイライン、デキストロース、水、グリセロ ール、エタノール、およびそれらの混合物を包含するが、これらに限らない。さ らに本発明は、上記本発明組成物の1種またはそれ以上の成分を入れた1個また はそれ以上の容器を含む医薬パックおよびキットに関する。本発明のポリペプチ ド、ポリヌクレオチドおよび他の化合物を単独で、あるいは治療化合物のごとき 他の化合物と組み合わせて使用してもよい。 組成物を投与経路(例えば、全身投与または経口投与)に適合させる。医薬組 成物の全身投与の好ましい形態は、注射、典型的には静脈注射を包含する。皮下 、筋肉内または腹腔内のごとき他の注射経路を用いることもできる。全身投与の ための別の手段は、胆汁酸塩またはフシジン酸または他の界面活性剤のごとき浸 透剤を用いる経粘膜または経皮投与を包含する。さらに、腸溶処方またはカプセ ル処方がうまく処方されるならば、経口投与も可能である。これらの化合物の投 与は局所的なものであってもよく、膏薬、パスタ、ゲル等の形態であってもよい 。 哺乳動物、特にヒトに投与するには、一日の活性薬剤の用量は、0.01mg /kg〜10mg/kg、典型的には約1mg/kgである。いずれにしても、 個体に最も適した実際の用量は医者により決定され、個体の年齢、体重および応 答により変化する。上記の用量は、平均的な場合の例示である。もちろん、より 高いまたは低い用量範囲が適当な個体もあり、それらも本発明の範囲内である。 内在装置には外科移植、補綴およびカテーテル、すなわち、個体の体内に導入 され、その位置に長時間止まる装置が包含される。例えば、そのような装置とし ては、人工関節、心臓弁、ペースメーカー、血管グラフト、血管カテーテル、脊 髄液シャント、尿カテーテル、連続歩行腹膜透析(continuous ambulatory peri toneal dialysis:CAPD)カテーテルが挙げられる。 本発明の組成物は、内在装置の挿入の直前に関連する細菌に対する全身的効果 を達成するために注射で投与できる。治療は、手術の後、装置が体内にある間継 続できる。加えて、組成物は、細菌の傷汚染、特に、スタフィロコッカス・アウ レウスの傷汚染を防止するために、いずれの手術用の手術周辺カバーの拡張にも 使用できる。 多くの整形外科医は、補綴関節を有するヒトは、菌血症を生じ得る歯の治療前 に抗生物質による予防を考慮すべきと考えている。後の重い感染は、重篤な合併 症となり、時に、補綴関節の損失および著しい罹病率、致死率を伴う。したがっ て、該活性物質を、この状況の予防的抗生物質の代替品として使用することにま で拡張することができる。 上記した治療に加えて、本発明の組成物は、一般に、傷組織に露出したマトリ ックス・蛋白への細菌付着を予防するための傷治療剤、抗生物質予防に代え、あ るいは共に、歯の治療における予防的用途に使用できる。 別法として、本発明の組成物は挿入直前に内在装置を浸すのに使用できる。該 活性物質は、好ましくは、傷または内在装置を浸す場合、1μg/ml〜10m g/mlの濃度で使用できる。 便利には、ワクチン組成物は注射剤の形態である。通常のアジュバントを使用 して免疫応答を高めることができる。ワクチン用の適当な単位投与量は抗体 0.5〜5μg/kgであり、この用量を、好ましくは1〜3週間の間隔で1〜 3回投与する。指示した用量範囲で、本発明の化合物では、その化合物の適当な 個体への投与を妨げる、有害な毒物学的作用は何も観察されない。 配列データベース、触知可能媒体中の配列、およびアルゴリズム ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列は、その2次元および3次元構造を 決定し、類似の相同性を有するさらなる配列を同定するための貴重な情報源を形 成する。配列をコンピューター読み込み可能媒体に保存し、次いで、既知の高分 子構造プログラムにおいて保存したデータを用いて、GCCのごときよく知られ た既知検索ツールを用いてデータベースを検索することにより、これらのアプロ ーチを最も容易に簡略化することができる。 本発明ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは検索分析に有用なデータベース ならびに配列分析アルゴリズム中の成分として有用である。見出しのこのセクシ ョンならびにこのセクションに関連した請求項の用語「配列データベース、触知 可能媒体中の配列、およびアルゴリズム」「本発明ポリヌクレオチド」および「 本発明ポリヌクレオチド配列」は、本発明ポリヌクレオチドの検出可能な化学的 または物理的特性を意味し、触知可能媒体に還元または保存されていてもよいも のである。例えば、クロマトグラフィーのスキャンデータまたはピークのデータ 、写真のデータまたはそこから得られたスキャンデータ、コールドベース、およ び質量スペクトル分析データが挙げられる。データベースおよびアルゴリズムと いう見出しのこのセクションならびにそれに関連した請求項で用いる用語「本発 明ポリペプチド」および「本発明ポリペプチド配列」は、本発明ポリペプチドの 検出可能な化学的または物理的特性を意味し、触知可能媒体に還元または保存さ れていてもよいものである。例えば、クロマトグラフィーのスキャンデータまた はピークのデータ、写真のデータまたはそこから得られたスキャンデータ、コー ルドベース、および質量スペクトル分析データが挙げられる。 本発明は、本発明ポリペプチド配列および/または本発明ポリヌクレオチド配 列を保存したコンピューター読み込み可能媒体を提供する。例えば、下記のメン バーを含み、保存したコンピューター読み込み可能媒体が提供される:メンバー は、本発明ポリヌクレオチドの配列を含むポリヌクレオチド;本発明ポリペプチ ド配列の配列を含むポリペプチド;少なくとも1つの配列が本発明ポリヌクレオ チド配列の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1 つの配列が本発明ポリペプチド配列の配列を含むものであるポリヌペプチド配列 のセット;本発明ポリヌクレオチド配列の配列を含むポリヌクレオチド配列を表 すデータセット;本発明ポリペプチド配列の配列を含むポリペプチドをコードし ているポリヌクレオチド配列を表すデータセット;本発明ポリヌクレオチド配列 の配列を含むポリヌクレオチド;本発明ポリペプチド配列の配列を含むポリペプ チド;少なくとも1つの配列が本発明ポリヌクレオチド配列の配列を含むもので あるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が本発明ポリペプチ ド配列の配列を含むものであるポリペプチド配列のセット;本発明ポリヌクレオ チド配列の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセット;本発明ポリペ プチド配列の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオチド配 列を示すデータセットである。コンピューター読み込み可能媒体は情報またはデ ータを保存するのに用いる物体のいずれの組成物であってもよく、例えば、市販 フロッピーディスク、テープ、チップ、ハードドライブ、コンパクトディスク、 およびビデオディスクを包含する。 また、特徴配列もしくは鎖、詳細には遺伝学的配列またはコードされる遺伝学 的配列の分析方法も本発明により提供される。配列分析のための好ましい方法は 、例えば、同一性および類似性の分析のごとき配列相同性分析、RNA構造分析 、配列アッセンブリー、クラディスティック(cladistic)分析、配列モチーフ 分析、読み枠決定、核酸塩基コーリング(calling)、核酸塩基トリミング、お よび配列決定クロマトグラムピーク分析の方法を包含する。 相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法が提供される。この方法 は、本発明ポリヌクレオチド配列を含む第1のポリヌクレオチド配列をコンピュ ーター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリヌクレオチド配列を 少なくとも1つの第2のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相 同性を同定する工程を含む。 さらに、相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法が提供され、該 方法は、本発明ポリペプチド配列を含む第1のポリペプチド配列をコンピュータ ー読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリペプチド配列を少なくと も1つの第2のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を同 定する工程を含む。 そのうえさらに、ポリヌクレオチドアッセンブリーのためのコンピューターに よる方法が提供され、該方法は、本発明ポリヌクレオチドの配列を含む第1のポ リヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該 第1のポリヌクレオチド配列と少なくとも1つの第2のポリヌクレオチドまたは ポリペプチド配列との間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングすること を含む。 そのうえさらに、ポリヌクレオチドアッセンブリーのためのコンピューターに よる方法が提供され、該方法は、本発明ポリペプチドを含む第1のポリペプチド 配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリペプ チド配列と少なくとも1つの第2のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と の間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングすることを含む。 本発明のもう1つの好ましい具体例において、下記のものからなる群より選択 されるメンバーを保存したコンピューター読み込み可能媒体が提供される:メン バーは、配列番号:1の配列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2の配列を含 むポリペプチド;少なくとも1つの配列が配列番号:1の配列を含むものである ポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が配列番号:2の配列を 含むものであるポリペプチド配列のセット;配列番号:1の配列を含むポリヌク レオチド配列を表すデータセット;配列番号:2の配列を含むポリペプチド配列 をコードしているポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:1の配 列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2の配列を含むポリペプチド;少なくと も1つの配列が配列番号:1の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセ ット;少なくとも1つの配列が配列番号:2の配列を含むものであるポリペプチ ド配列のセット;配列番号:1の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセ ッ ト;配列番号:2の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオ チド配列を表すデータセット。さらなる好ましい本発明の具体例は、相同性の同 定を行うためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、配列番号:1の 配列を含むポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し 、次いで、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたは ポリペプチド配列を比較して相同性を同定する工程を含む。 さらなる好ましい本発明の具体例は、相同性の同定を行うためのコンピュータ ーによる方法を提供し、配列番号:2の配列を含むポリペプチド配列をコンピュ ーター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリペプチド配列を少なくとも 1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工 程を含む。 さらなる好ましい本発明の具体例は、ポリヌクレオチドアッセンブリーのため のコンピューターによる方法を提供し、該方法は、配列番号:1の配列を含む第 1のポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次い で、該第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列との間の少な くとも1つの重複領域をスクリーニングする工程を含む。 本発明のさらなる具体例は、相同性の同定を行うためのコンピューターによる 方法を提供し、該方法は、配列番号:1の配列を含むポリヌクレオチド配列をコ ンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリヌクレオチド配列を 少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を 同定する工程を含む。 本明細書において引用したすべての文献(特許および特許出願に限らない)は 出典明示によりその内容を本明細書の一部とする。本願が優先権を主張するいず れの特許出願もまた出典明示により本明細書の一部とする。 用語 本明細書中で頻繁に使用される特定の用語を、その理解を容易にするために以 下に定義する。 「抗体(複数でも可)」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、 キメラ、1本鎖、およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメントを包含し、さ らにFabまたは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの産物を包含する。 「抗原的に等価な誘導体(複数でも可)」は、特定の抗体により特異的に認識 されるポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはいずれかの等価物を包含し、該 特定の抗体は、本発明蛋白、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対して生成 した場合に、病原体と哺乳動物宿主との間の身体的相互作用を妨害するものであ る。 「二特異的(複数でも可)」とは、少なくとも2つの抗原結合ドメインを含む 抗体を意味し、各ドメインは異なるエピトープに指向されている。 「身体材料(複数でも可)」とは、個体または生物由来の材料を意味し、骨、 血液、血清、脳脊髄液、精液、唾液、筋肉、軟骨、器官組織、皮膚、尿、糞便ま たは生検材料のごとき細胞、組織および排泄物等を包含する。該生物は、個体に 感染、侵入、または棲息するものである。 「疾病(複数でも可)」は、例えば、上気道感染(例えば、中耳炎、細菌性気 管炎、急性咽頭蓋炎、甲状腺炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心 臓感染(例えば、感染性心内膜炎)、胃腸感染(例えば、分泌性下痢、脾臓膿瘍 、腹膜後膿瘍)、CNS感染(例えば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、 結膜炎、角膜炎、眼内炎、前中隔および眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、腎および尿管感 染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周囲膿瘍、トキシックショック症候群)、皮 膚感染(例えば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、細菌性筋炎) 、ならびに骨および関節感染(例えば、敗血症性関節炎、骨髄炎)を包含する細 菌による感染により引き起こされる疾病、またはかかる細菌による感染に関連し た疾病を意味する。 「融合蛋白(複数でも可)」は、2種の、しばしば関係のない融合遺伝子また はそのフラグメントによりコードされた蛋白をいう。一例において、EP−A− 0464には、別のヒト蛋白またはその一部と一緒になった免疫グロブリン分子 の不変領域の種々の部分を含む融合蛋白が開示されている。多くの場合、免疫グ ロブリンのFc領域を融合蛋白の一部分として用いることは治療および診断にお ける使用に有利であり、例えば、改善された薬物動態学的特性が得られる(例え ば、EP−A 0232262参照)。一方、いくつかの用途には、融合蛋白が 発現、検出および精製された後、Fc部分を欠失できることが望ましいであろう 。 「宿主細胞(複数でも可)」は外来性ポリヌクレオチド配列によって形質転換 またはトランスフェクションされた、あるいは形質転換またはトランスフェクシ ョンされうる細胞である。 「同一性」は、当該分野で公知であり、配列の比較で決定されるような、2ま たはそれ以上のポリペプチド配列あるいは2またはそれ以上のポリヌクレオチド 配列の間の関係である。また、当該分野では、「同一性」は、場合によっては、 配列の鎖間の対合によって決定されるような、ポリペプチドまたはポリヌクレオ チド配列間の配列の関連性の度合を意味する。「同一性」は、Computational Mo lecular Biology,Lesk,A.M.編,Oxford University Press,New York,1988;Bioco mputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.編,Academic Press,New York,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.および Griffin,H.G.編,Humana Press,New Jersey,1994;Sequence Analysis in Molecu lar Biology,Von Heinje,G.Academic Press,1987;およびSequence Analysis Pr imer,Gribskov,M.およびDevereux,J.編,M Stockton Press,New York,1991;およ びCarllio,HおよびLipman,D.,SIAM J.Applied Math.,48:1073(1988)に記載され ている方法(これらに限らない)を含め、公知方法により容易に決定することが できる。同一性を決定する好ましい方法は、テストする配列間に最大の対合を与 えるように設計されている。そのうえ、同一性を測定する方法は公に入手できる コンピュータ・プログラムに集成されている。2つの配列の間の同一性を測定す る好ましいコンピュータ・プログラム方法は、例えば、GCGプログラムパッケ ージ(Devereux,J.ら,Nucleic Acids Research(1984)12(1):387)、BLAST P、BLASTNおよびFASTA(Atschul,S.F.ら,J.Molec.Biol.(1990)215:403−410 )を包含するが、これに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他の源(BLA ST Manual,Altshul,S.ら,NCBI NLM NIH Bethesda,MD20894;Altschul,S. ら,J.Mol.Biol.,215:403−410(1990))から公に入手できる。また、周知のス ミス・ウォーターマン(Smith Waterman)アルゴリズムを用いて同一性を決定する こともできる。 ポリペプチド配列の比較のための好ましいパラメーターは以下のものを包含す る: アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443-453(1970)比較マト リックス:Hentikoff and Hentikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:10915-10919( 1992)からのBL0SSUM62 ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターに関して有用なプログラムは、Genetics Computer Grou p,Madison WI.から「ギャップ」プログラムとして公に利用できる。上記パラメ ーターはポリペプチド比較のための省略時パラメーターである(エンドギャップ についてペナルティーを伴わない)。 ポリヌクレオチド比較のための好ましいパラメーターは下記のものを包含する : アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443-453(1970) 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ぺナルティー:3 これらのパラメーターに関して有用なプログラムは、Genetics Computer Grou p,Madison WI.から「ギャップ」プログラムとして公に利用できる。上記パラメー ターはポリヌクレオチド比較のための省略時パラメーターである。 ポリヌクレオチドおよびポリペプチドについての「同一性」に関する好ましい 意味は、下記(1)および(2)に示される。 (1)さらにポリヌクレオチドの具体例は、配列番号:1の対照配列に対して少 なくとも50、60、70、80、85、90、95、97または100%の同 一性を有する単離ポリヌクレオチド配列を包含し、本発明ポリヌクレオチド配列 は配列番号:1の対照配列と同一であってもよく、あるいは対照配列と比較して ある程度の数までのヌクレオチドの変化を有していてもよい。かかる変化は、少 なくとも1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションおよびトランスバー ジョンを包含)または挿入からなる群より選択され、該変化は対照ヌクレオチド 配列の5’または3’末端の位置あるいはそれらの末端位置の間の位置において 、対照配列中のヌクレオチドにおいて個々にまたは散在して、あるいは対照配列 中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよい。配列番号:1中の全ヌ クレオチド数と個々の同一性パーセント値(100で割ったもの)とをかけて、 その積を配列番号:1中の全ヌクレオチド数から差し引くことによりヌクレオチ ド変化の数を決定する。これを下式により説明する: nn≦xn−(xn・y) 式中、nnはヌクレオチド変化の数であり、xnは配列番号:1中の全ヌクレオチ ド数であり、yは、例えば70%なら0.70、80%なら0.80、85%な ら0.85、90%なら0.90、95%なら0.95、97%なら0.97、 100%なら1.00であり、・は積の演算子であり、xnとyとの整数でない 積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xnから差し引く。配列番号:2の ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列の変化は、好ましくはコー ディング配列中のナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト変異を引き起こ す可能性があり、それゆえ、かかる変化に随伴してポリヌクレオチドによりコー ドされているポリペプチドが変化する。 例えば、本発明ポリヌクレオチド配列は配列番号:1の対照配列と同一であっ てもよく、すなわち、100%同一であってもよく、あるいは対照配列と比較し てある程度の数までの核酸の変化を有していてもよい(その場合、同一性%は1 00%未満である)。かかる変化は、少なくとも1個の核酸の欠失、置換(トラ ンジションおよびトランスバージョンを包含)または挿入からなる群より選択さ れ、該変化は対照ポリヌクレオチド配列の5’または3’末端の位置あるいはそ れらの末端位置の間の位置において、対照配列中の核酸において個々にまたは散 在して、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよ い。配列番号:1中の全核酸数に個々の同一性を示す整数を100で割った値 をかけて、その積を配列番号:1中の全核酸数から差し引くことにより同一性% 値についての核酸変化数を決定する。あるいはこのことは下式により説明される : nn≦xn−(xn・y) 式中、nnは核酸変化の数であり、xnは配列番号:1中の全核酸数であり、yは 、例えば70%なら0.70、85%なら0.85等であり、xnとyとの整数 でない積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xnから差し引く。 (2)さらにポリペプチドの具体例は、配列番号:2のポリペプチド対照配列 に対して少なくとも50、60、70、80、85、90、95、97または1 00%の同一性を有するポリペプチドを含む単離ポリペプチドを包含し、該ポリ ペプチド配列は配列番号:2の対照配列と同一であってもよく、あるいは対照配 列と比較してある程度の数までのアミノ酸の変化を有していてもよい。かかる変 化は、少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(保存的および非保存的置換を包 含)または挿入からなる群より選択され、該変化は対照ポリペプチド配列のアミ ノまたはカルボキシ末端の位置あるいはそれらの末端位置の間の位置において、 対照配列中のアミノ酸において個々にまたは散在して、あるいは対照配列中の1 またはそれ以上の連続した群として生じてもよい。配列番号:2中の全アミノ酸 数と同一性を示す整数を100で割った値とをかけて、その積を配列番号:2中 の全アミノ酸数から差し引くことによりアミノ酸変化の数を決定する。これを下 式により説明する: na≦xa−(xa・y) 式中、naはアミノ酸変化数であり、xaは配列番号:2中の全アミノ酸数であり 、yは、例えば70%なら0.70、80%なら0.80、85%なら0.85 、90%なら0.90、95%なら0.95、97%なら0.97、100%な ら1.00であり、・は積の演算子であり、xaとyとの整数でない積は切り捨 てにより最も近い整数とした後、xaから差し引く。 例えば、本発明ポリペプチド配列は配列番号:2の対照配列と同一であっても よく、すなわち、100%同一であってもよく、あるいは対照配列と比較してあ る程度の数までのアミノ酸の変化を有していてもよい(その場合、同一性%は 100%未満である)。かかる変化は、少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換 (保存的または非保存的置換を包含)または挿入からなる群より選択され、該変 化は対照ポリペプチド配列のアミノまたはカルボキシ末端の位置あるいはそれら の末端位置の間の位置において、対照配列中のアミノ酸において個々にまたは散 在して、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよ い。配列番号:2中の全アミノ酸数に個々の同一性パーセント値(100で割っ たもの)をかけて、その積を配列番号:2中の全アミノ酸数から差し引くことに より同一性%値についてのアミノ酸変化数を決定する。これを下式により説明す る: na≦xa−(xa・y) 式中、naはアミノ酸変化の数であり、xaは配列番号:2中の全アミノ酸数であ り、yは、例えば70%なら0.70、85%なら0.85等であり、xaとy との整数でない積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xaから差し引く。 「免疫学的に等価な誘導体」は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはい ずれかの等価物を包含し、それらが脊椎動物において抗体を生成させるために適 当な処方中に用いられた場合に、抗体は病原体と哺乳動物宿主との間の即時的な 身体的相互作用を妨害するように作用する。 「免疫特異的」とは、他の関連ポリペプチドまたはポリヌクレオチド、特に先 行技術のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対してよりも本発明ポリペプチ ドまたは本発明ポリヌクレオチドに対して実質的に大きなアフィニティーを有す る抗体の特性を意味する。 「個体(複数でも可)」とは多細胞真核生物を意味し、後生動物類、哺乳動物 、ヤギ類、ウシ類、類人猿、霊長類およびヒトを包含するが、これらに限らない 。 「単離された」とは、「ヒトの手により」、その天然の状態から変えられるこ と、すなわち、天然物の場合、その本来的な環境から変化または除去あるいは両 方されたことを意味する。例えば、生体に天然に存在するポリヌクレオチドまた はポリペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態で共存する物質 から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書で用いる 用語としての「単離された」ものである。さらには、形質転換、遺伝的操作によ り、または他のいずれかの方法により生物に導入されているポリヌクレオチドま たはポリペプチドは、まだ生物内にあり、その生物が生きているまたは死んでい るとしても、「単離された」ものである。 「生物(複数でも可)」は、(i)Streptococcus、Staphylococcus、Bordete lla、Corynebacterium、Mycobacterium、Neisseia、Haemophilus、Actinomyces 、Streptomyces、Nocardia、Enterobacter、Yersinia、Fancisella、Pasturella 、Moraxella、Acinetobacter、Erysipelothrix、Branhamella、Actinobacillus 、Streptobacillus、Listeria、Calymmatobacterium、Brucella、Bacillus、Clo sterdium、Treponema、Escherichia、Salmonella、Kleibsiella、Vibrio、Prote us、Erwinia、Borrelia、Leptospira、Spirillum、Campylobacter、Shigella、L egionella、Pseudomonas、Aeromonas、Rickettsia、Chlamydia、Borreliaおよび Mycoplasmaである属(これらに限らない)のメンバー、ならびにグループAのStre ptococcus、グループBのStreptococcus、グループCのStreptococcus、グルー プDのStreptococcus、グループGのStreptococcus、Staphylococcus aureus、S treptococcus pyrogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcus faecalis 、Streptococcus faecium、Streptococcus durans、Neisseria gonorrheae、Nei sseria meningitidis、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、 Corynebacterium diptheriae、Garnella vaginalis、Mycobacterium tuberculos is、Mycobacterium bovis、Mycobacterium ulcerans、Mycobacterium leprae、A ctinomyces israelli、Listeria monocytogenes、Bordetella pretusis、Bordet ella parapretusis、Bordetella bronchiseptica、Esherichia coli、Shigella dysenteriae、Haemophilus influenzae、Haemophilus aegyptius、Haemophilus parainfluenzae、Haemophilus ducreyi、Bordetella、Salmonella typhi、Citro bacter freundii、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、Yersinia pestis、K lebsiella pneumoniae、Serrati hcd rcessens、Vibrio cholera、Shigella dys enterii、Shigella flexneri、Pseudomonas aeruginosa、Franscisella tularen sis、Brucella abortis、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、 Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Clostridium butulinum、Trep onema pallidum、Rickettsia rickettsiiおよびChlamydia trachomitisである種 またはグループ(これらに限らない)のメンバーを包含する原核生物、(ii) Archaebacter(これに限らない)を包含する古細菌、および(iii)原生動物 、真菌類、Saccharomyces、KluveromycesまたはCandida属(これらに限らない) のメンバー、およびSaccharomyces cerevisiae、Kluveromyces lactisまたはCan dida albicans種のメンバー(これらに限らない)を包含する単細胞または糸状 真核生物を意味する。 「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、一般に、ポリリボヌクレオチドまた はポリデオキシリボヌクレオチドのいずれをもいい、それらは非修飾RNAまた はDNA、あるいは修飾RNAまたはDNAであってもよい。「ポリヌクレオチ ド」は、単鎖および二本鎖DNA、単鎖および二本鎖領域または単鎖、二本鎖お よび三本鎖領域の混合物であるDNA、単鎖および二本鎖RNA、単鎖および二 本鎖領域の混合物であるRNA、および単鎖またはより典型的には二本鎖または 三本鎖領域または一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよび RNAを含含むハイブリッド分子を包含するが、これに限定されない。さらに、 本明細書において用いる「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNA、あるい はRNAおよびDNAの両方からなる三本鎖領域をいう。これらの領域の鎖は同 じ分子からのものでも、異なる分子からのものでもよい。該領域は、これら分子 の一またはそれ以上のすべてを含んでもよいが、より典型的には、分子のいくつ かの領域のみを含む。三本螺旋領域の分子の一つは、しばしば、オリゴヌクレオ チドである。本明細書において用いる場合、「ポリヌクレオチド(複数でも可) 」なる用語はまた、一つまたはそれ以上の修飾された塩基を含有する上記DNA またはRNAを包含する。すなわち、安定性または他の理由で修飾された骨格を 有するDNAまたはRNAも、該用語が本明細書で意図するところの「ポリヌク レオチド(複数でも可)」である。さらに、イノシンなどの通常でない塩基、ま たはトリチル化された塩基などの修飾塩基を含むDNAまたはRNA(2つの例 だけを示す)も、その用語を本明細書で用いる場合のポリヌクレオチドである。 多 種の修飾がDNAおよびRNAになされており、当業者に公知のように多くの有 用な目的に使用されていることが理解されよう。本明細書で用いる「ポリヌクレ オチド」なる語は、ポリヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的 に修飾された形態、ならびにウイルスおよび、例えば、単純型細胞および複雑型 細胞などの細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。「ポリ ヌクレオチド(複数でも可)」はまた、しばしばオリゴヌクレオチド(複数でも 可)と称される比較的短いポリヌクレオチドも包含する。 「ポリペプチド(複数でも可)」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合で 互いに結合した2つまたはそれ以上のアミノ酸を含含むいずれのペプチドまたは 蛋白をもいう。「ポリペプチド(複数でも可)」は、通常、ペプチド、オリゴペ プチドまたはオリゴマーと称される短い鎖、および一般に蛋白と称される長い鎖 の両方をいう。ポリペプチドは、遺伝子によりコードされている20個のアミノ 酸以外のアミノ酸を含有してもよい。「ポリペプチド(複数でも可)」は、プロ セッシングおよび他の翻訳後の修飾のごとき自然の工程、または化学修飾技法の いずれかによって修飾されたものを有する。かかる修飾は、基本テキストにて、 およびより詳細な研究論文にて、ならびに膨大な研究文献にて詳しく記載されて おり、それらは当業者に周知である。同じ型の修飾が、所定のポリペプチド中、 いくつかの部位で、同じまたは異なる程度にて存在してもよいことは明らかであ ろう。また、所定のペプチドは多くの型の修飾を有していてもよい。修飾は、ペ プチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノまたはカルボキシル末端を含め、ポリペプチ ドのどこででも起こりうる。修飾は、例えば、アセチル化、アシル化、ADP− リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチ ドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホ スホチジルイノシトールの共有結合、交差結合、環化、ジスルフィド結合形成、 脱メチル化、共有交差結合の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、 ホルミル化、ガンマーカルボキシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、 ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白分解的プロセッシング、リン 酸化、プレニル化、ラセミ化、糖鎖形成、脂質付加、硫酸化、グルタミン酸残基 のガンマーカルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化、セレノ イル化、硫酸化、アルギニル化のごとき転移RNAにより媒介される蛋白へのア ミノ酸付加、およびユビキチネーションを包含する。例えば、PROTEINS−STRUCT URE AND MOLECULAR PROPERTIES,第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Compa ny,New York(1993)およびWold,F.,POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATI ON OF PROTEINS,Posttranslational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,pgs.1−12,B.C.Johnson編,Academic Press,New York(1983);Seif terら,Meth Enzymol.(1990)182:626−646、およびRattanら,Protein Synthes is:Posttranslational Modifications and Aging,Ann N.Y.Acad Sci(1992)66 3:48-62を参照のこと。ポリペプチドは、分枝してもよく、分枝を伴ったまたは 伴わない環状であってもよい。環状、分枝および分枝環状ポリペプチドは、翻訳 後の天然のプロセッシングの結果であり、同様に全く合成的な方法で合成できる 。 「組み換え発現系(複数でも可)」は、本発明ポリヌクレオチドおよびポリペ プチドの製造のために宿主細胞または宿主細胞溶解物中に導入または形質転換さ れた発現系またはその部分または本発明ポリヌクレオチドをいう。 「引き算セット(subtraction set)」は、本発明の少なくとも1のポリヌク レオチドを含む1種またはそれ以上、しかし好ましくは100種未満のポリヌク レオチドである。 本明細書中で使用される「変種(複数でも可)」なる語は、各々、対照標準の ポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、本質的な特性を保持している ポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの典型的な変種 は、別の対照標準のポリヌクレオチドとヌクレオチド配列において異なっている 。変種のヌクレオチド配列における変化は、対照標準のポリヌクレオチドによっ てコードされたポリペプチドのアミノ酸配列と変わっていてもよいし、または変 わっていなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、後述するように、対照標準の配 列によってコードされたポリペプチドにおいて、アミノ酸置換、付加、欠失、融 合および切断をもたらしうる。ポリペプチドの典型的な変種は、別の対照標準の ポリ ペプチドとはアミノ酸配列において異なっている。一般に、差異は、対照標準の ポリペプチドとその変種の配列が全体的に非常に類似しており、多くの領域にお いては同一であるように限定される。変種および対照標準のポリペプチドは、一 またはそれ以上の置換、付加、欠失のいずれかの組み合わせによって、アミノ酸 配列において異なってもよい。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝コー ドによってコードされたものであってもなくてもよい。また本発明は、本発明の 各ポリペプチドの変種、すなわち保存的アミノ酸置換により対照標準とは異なっ ており、そのことにより残基が同様の特性を有する別の残基に置換されているも のを包含する。典型的なかかる置換は、Ala、Val、LeuおよびIle間 ;SerおよびThr間;酸性残基AspおよびGlu間;AsnおよびGln間 ;塩基性残基LysおよびArg間;あるいは芳香族残基PheおよびTyr間 のものである。数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個の アミノ酸がいずれかの組み合わせで置換、欠失、または付加されている変種が特 に好ましい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変種は、対立遺伝子変種の ような天然に存在するものであってもよく、または天然に存在することが知られ ていない変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存 在しない変種は、変異誘発法または直接合成あるいは当業者に公知の他の組換え 法によって作られてもよい。 実施例 以下の実施例は、別に詳細に記載したこと以外は、当業者に周知で慣用的な標 準的な技法を用いて実施する。実施例は例示であって、本発明を限定するもので はない。 実施例1 株の選択、ライブラリーの製造および配列決定 表1(配列番号:1)に示すDNA配列を有するポリヌクレオチドは、エシェ リシア・コリ中のスタフィロコッカス・アウレウスの染色体DNAのクローンラ イブラリーより得た。重複するスタフィロコッカス・アウレウスDNAを含有す る2個またはそれ以上のクローンからの配列データを用いて、配列番号1の連続 したDNA配列を構築した。ライブラリーは常套手段、例えば以下の方法1およ び2により製造してもよい。 全細胞DNAをスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29より、標準法に 従って単離し、以下に示す二つの方法のいずれかによりサイズ分画する。 方法1 標準的方法に従ってサイズ分画するために、全細胞DNAをニードル(needle )に通して機械的に剪断する。11kbpまでの大きさのDNAフラグメントを エキソヌクレアーゼおよびDNAポリメラーゼで処理することによって末端切断 し、EcoRIリンカーを付加する。フラグメントを、EcoRIで切断したベ クター、ラムダZapIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケー ジングし、次いでパッケージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染 させる。ライブラリーを標準方法により増幅する。 方法2 全細胞DNAをライブラリーベクターにクローニングするための一連のフラグ メントを得るのに適当な1つの制限酵素(例えば、RsaI、PalI、Alu I、Bshl235I)またはその組み合わせで部分的に加水分解し、かかるフ ラグメントを標準的方法に従ってサイズ分画する。EcoRIリンカーをDNA に連結し、次いでそのフラグメントをEcoRIで切断したベクター、ラムダZ apIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケージングし、パッケ ージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染させる。ライブラリーを 標準方法により増幅する。 実施例2 hcdの特徴づけ スタフィロコッカス・アウレウスからの、新規3−ヒドロキシアシル−CoA デヒドロゲナーゼ蛋白をコードするDNAの単離 配列番号:1に示すDNA配列を有するポリヌクレオチドは、エシェリシア・ コリ中のスタフィロコッカス・アウレウスの染色体DNAのクローンライブラリ ーより得た。重複するスタフィロコッカス・アウレウスDNAを含有する2個ま た はそれ以上のクローンからの配列データを用いて、配列番号1の連続したDNA 配列を構築した。ライブラリーは常套手段、例えば以下の方法1および2により 製造してもよい。 全細胞DNAをスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29より、標準法に 従って単離し、以下に示す二つの方法のいずれかによりサイズ分画する。 方法1 標準的方法に従ってサイズ分画するために、全細胞DNAをニードル(needle )に通して機械的に剪断する。11kbpまでの大きさのDNAフラグメントを エキソヌクレアーゼおよびDNAポリメラーゼで処理することによって末端切断 し、EcoRIリンカーを付加する。フラグメントを、EcoRIで切断したベ クター、ラムダZapIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケー ジングし、次いでパッケージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染 させる。ライブラリーを標準方法により増幅する。 方法2 全細胞DNAをライブラリーベクターにクローニングするための一連のフラグ メントを得るのに適当な1つの制限酵素(例えば、RsaI、PalI、Alu I、Bshl2351)またはその組み合わせで部分的に加水分解し、かかるフ ラグメントを標準的方法に従ってサイズ分画する。EcoRIリンカーをDNA に連結し、次いでそのフラグメントをEcoRIで切断したベクター、ラムダZ apIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケージングし、パッケ ージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染させる。ライブラリーを 標準方法により増幅する。 実施例2 Hcd遺伝子発現の特徴づけ a)感染組織試料からのスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29 RNA の単離 2mlの凍結保存チューブ中の感染組織を−80℃の保存庫から取り出し、ド ライアイスーエタノール浴中に入れる。微生物学的安全キャビネット中で試料を 8つに破壊し、残の試料をドライアイス−エタノール浴中に凍結保存する。組織 試料中の細菌を破壊するために、シリカ/セラミックマトリックス(BIO101)の 入ったFastRNAチューブに50〜100mgの組織を入れる。即座に1mlの抽 出剤(FastRNA試薬,BIO101)を添加して試薬に対する試料の体積比を約20対 1とする。チューブを往復シェーカー(FastPrep FP120,BIO101)で6000rp mとして20〜120秒シェークする。粗RNA調合物をクロロホルム/イソア ミルアルコールで抽出し、DPEC処理/イソプロパノール沈殿溶液(BIO101) で沈殿させる。必要ならば、RNA調合物を−80℃でこのイソプロパノール溶 液中に保存する。RNAをペレット化させ(12000g、10分)、75%エ タノール(v/v DPEC処理水中)、5〜10分風乾し、ついで、0.1m lのDPEC処理水に再懸濁さる。 試料を1%アガロースゲル中を泳動させることにより単離RNAの品質を検定 する。臭化エチジウム染色した1 x TBEゲルを用いて全RNAを可視化する 。感染組織からの細菌RNAの単離を示すために、1 x MOPS、2.2Mホ ルムアミドゲルで泳動を行い、Hybond-N(Amersham)に減圧ブロッティングする 。ついで、スタフィロコッカス・アウレウスの16S rRNAに特異的な32P 標識オリゴヌクレオチドプローブ(K.Greisen,M.Loeffelholz,A.Purohit an d Leong.J.Clin.(1994)Microbiol.32 335-351)にブロットをハイブリダイ ゼーションさせる。配列が5'-gctcctaaaaggttactccaccggc-3'であるオリゴヌク レオチドをプローブとして使用する。ノーザンブロットにおいて、ハイブリダイ ゼーションしているバンドのサイズを、インビトロで増殖したスタフィロコッカ ス・アウレウスWCUH29から単離した対照RNAのサイズと比較する。正し いサイズの細菌16S rRNAバンドを全RNA試料中において検出すること ができ、TBEゲル上で可視化すると、哺乳動物RNAのさらなる分解が示され る。 b)スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29由来のRNAからのDNAの 除去 最終体積57マイクロリットルのバッファー中10ユニットのRNAase不 含DNAaseI(GeneHunter)を用い、37℃で30分処理することにより、 50マイクログラムのRNA試料からDNAを除去する。 フェノール:クロロホルム抽出によりDNAaseを不活性化させ、除去する 。3M NaOAc 5マイクロリットルおよび100%EtOH 200マイク ロリットルを用いてRNAを沈殿させ、12000gで10分間の遠心分離によ りペレット化させる。RNAをペレット化させ(12000gで10分間)、7 5%(DEPC処理水中v/v)エタノールで洗浄し、5〜10分風乾し、10〜2 0マイクロリットルのDEPC処理水中に再懸濁する。きれいにしたRNA試料を1 :1000に希釈後、RNA収量をOD260により定量する。必要ならば、R NAを−80℃で保存し、1週間以内に逆転写する。 c)感染組織由来のRNA試料からのcDNAの調製 DNAase処理したRNAの試料10マイクロリットルを、製造者の指示に 従ってSuperScript Preamplification System for First Strand cDNA systhesi s kit(Gibco BRL,Life Technologies)を用いて逆転写する。1ナノグラムのラ ンダムヘキサマーを用いて各反応を開始させる。SuperScriptII逆転写酵素を添 加しない対照も同様に反応させる。+RTおよび−RT双方の試料をRNase Hで処理し、ついで、PCR反応を行う。 d)細菌cDNA種の存在を調べるためのPCRおよび蛍光発生ブローブの使用 PE Applied Biosystems 7700 Sequence Detection Systemにおいて、5’およ び3’末端をそれぞれリポーターおよびクエンチャー色素で標識されたオリゴヌ クレオチドプローブ(FQプローブ)(2個のPCRプライマー間にアニールする) の存在下での標的配列の増幅により、特異的配列の検出を行う。ブローブがプラ イマー間に結合した場合にのみ特異的生成物のみが検出されるであろう。PCR 増幅が進行するにつれ、Taqポリメラーゼの5’−ヌクレアーゼ活性は、まず 、リポーター色素をプローブから開裂する。リポーター色素がクエンチャー色素 から物理的に分離される際に発生するシグナルは、装備されたCCDカメラを用 いてシグナルを測定することにより検出される。発生する各シグナルは開裂され た1つのプローブと等価であり、1本の標的鎖の増幅に対応する。 添付説明書に従ってPE Applied Biosystems TaqMan PCR Core Reagent Kitを 用いてPCR反応をセットアップして、最終体積45マイクロリットルの各反応 系が5マイクロリットルの10X PCRバッファーII、7マイクロリットル の25mM MgCl2、5マイクロリットルの300nM順方向プライマー、5 マイクロリットルの逆方向プライマー、5マイクロリットルの特異的FQプロー ブ、1マイクロリットルの10mM dATP、10mM dCTP、10mM dGTPおよび20mM dUTP、13.25マイクロリトルの蒸留水、0. 5マイクロリットルのAmpErase UNG、および0.25マイクロリトルのAmpliTaq DNAポリメラーゼを含むようにする。 下記の温度サイクリング条件下で増幅を行う:50℃に2分保持、95℃に1 0分保持、ついで、95℃で15秒、60℃で1分を40サイクル、ついで、試 料を回収するまで25℃に保持。検出をリアルタイムで行う。反応終了時にデー タを集める。 RT/PCR対照は+/−逆転写酵素反応物、実験条件下で転写されることが 知られている遺伝子の増幅反応物、および1マイクログラムのゲノムDNAの増 幅反応物を含んでいてもよい。 DNA PCRまたはRT/PCRにおいてシグナルを生じないプライマー対 および対応プローブはPCRの失敗であり、情報を得ることができない。DNA PCRにおいてシグナルを生じるもののうち、2つのクラスがRT/PCRに おいて区別される。1.インビボにおいて複製可能に転写されず、RT/PCR においてシグナルを生じない遺伝子;および2.インビボにおいて複製可能に転 写されてRT/PCRにおいてシグナルを生じ、−RT対照におけるシグナル( 存在する場合には)よりも+RT試料において強力なシグナルを示す遺伝子。こ れらの分析に基づけは、エス・アウレウスのhcd遺伝子がインビボで発現され たことがわかった。 実施例2に使用したプライマー以下のものである: プライマーのFAMおよびTAMRA標識およびかかるプライマーの使用は報 告されている(Lee,LG,Connell,CR,and Bloch,W.1993.Allelic discrimi nation by nick-translation PCR with fluorogenic probes.Nucleic Acids Re search 21:3761-3766;Livak,KJ,Flood,SJA,Marmaro,J.,Giusti,W,and D eetz,K.1995.Oligonucleotides with fluorescent dyes at opposite ends p rovide a quenched probe system useful for detecting PCR product and nuc1 eic acid hybridization.PCR Methods and App1ications 4:357-362)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 31/04 45/00 C07K 14/195 48/00 16/12 A61P 31/04 C12N 1/15 C07K 14/195 1/19 16/12 1/21 C12N 1/15 C12P 21/02 C 1/19 C12Q 1/02 1/21 C12R 1:01) 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A C12Q 1/02 A61K 37/02 //(C12N 15/09 ZNA 37/50 C12R 1:01) C12R 1:01) (71)出願人 ブリガム・アンド・ウイメンズ・ホスピタ ル アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボスト ン、ロングウッド・アベニュー350番 (71)出願人 バイラス・リサーチ・インスティテュート アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブ リッジ、モールトン・ストリート61番 (72)発明者 パーマー,レスリー アメリカ合衆国19403ペンシルベニア州オ ーデュボン、イーグルビル・ロード2820番 (72)発明者 プラット,ジュリー・エム イギリス、エルイー18・1エヌピー、レイ チェスター、ウィグストン、ハイフィール ド・ドライブ77番 (72)発明者 ロネット,マイケル・エイ アメリカ合衆国19462ペンシルベニア州カ レッジビル、ビクトリア・サークル18番 (72)発明者 ホッジソン,ジョン・イー フランス、エフ―75020パリ、クール・ド ゥ・バンサンヌ35番 (72)発明者 ニコラス,リチャード・オー アメリカ合衆国19426ペンシルベニア州カ レッジビル、カーメン・ドライブ355番 (72)発明者 ビーティー,デイビッド・ティ アメリカ合衆国02131マサチューセッツ州 ボストン、ネポンセット・コート10番 (72)発明者 デレシーウィッツ,ロバート・エル アメリカ合衆国02115マサチューセッツ州 ボストン、ロングウッド・アベニュー181 番 (72)発明者 ロウ,エイドリアン アメリカ合衆国02146マサチューセッツ州 ブライトン、ストラスモア・ロード89番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対し て少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有するアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号:2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号:1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチ ドによりコードされるポリペプチド からなる群より選択される単離ポリペプチド。 2.(i)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対し て少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌ クレオチド; (ii)配列番号:2のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列に対 してその全長にわたって少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有するポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド; (iii)配列番号:1の全長にわたって配列番号:1のヌクレオチド配列に 対して少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有するヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド; (iv)配列番号:2のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含 む単離ポリヌクレオチド; (v)配列番号:1のポリヌクレオチドである単離ポリヌクレオチド。 (vi)厳密なハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1の配列またはそ のフラグメントの配列を有する標識プローブを用いて適当なライブラリーをスク リーニングすることにより得ることのできる単離ポリヌクレオチド; (vii)スタフィロコッカス・アウレウス中に含まれるhcd遺伝子により 発現される成熟ポリペプチドをコードしている単離ポリヌクレオチド;および (viii)(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)ま たは(vii)の該単離ポリヌクレオチドに対して相捕的なポリヌクレオチド配 列 からなる群より選択される単離ポリヌクレオチド。 3.請求項1のポリペプチドに対して抗原性のある、あるいは免疫特異的な抗 体。 4.個体の治療方法であって、 (i)(a)請求項1のポリペプチドに対する治療上有効量のアゴニストを個 体に投与すること;または (b)インビボで請求項1のポリペプチドの活性を生じるような形態の、請 求項1のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌ クレオチドを個体に提供すること を含む、請求項1のポリペプチドの活性または発現の促進を必要とする個体の治 療方法;あるいは (ii)(a)請求項1のポリペプチドに対する治療上有効量のアンタゴニス トを個体に投与すること;または (b)請求項1のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列の発 現を阻害する核酸分子を個体に投与すること;または (c)リガンド、基質、または受容体を求めて請求項1のポリペプチドと競 争する治療上有効量のポリペプチドを個体に投与すること を含む、請求項1のポリペプチドの活性または発現の阻害を必要とする個体の治 療方法。 5.個体における請求項1のポリペプチドの発現または活性に関連した、個体 における疾病またはかかる疾病に対する感受性の診断または予後の方法であって 、下記工程: (a)該個体のゲノム中の該ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列 における変異の存在または不存在を決定すること;または (b)該個体由来の試料中の該ポリペプチドの発現の存在または量を分析する こと を含む方法。 6.請求項1のポリペプチドの機能を活性化または阻害する化合物を同定する ためのスクリーニング方法であって、 (a)候補化合物に直接または間接的に結合した標識を用いてポリペプチドま たはポリペプチドを有する細胞もしくは膜またはその融合蛋白への候補化合物の 結合を測定すること; (b)標識競争物質の存在下でポリペプチドまたはポリペプチドを有する細胞 もしくは膜またはその融合蛋白への候補化合物の結合を測定すること; (c)ポリペプチドを有する細胞もしくは細胞膜に適する検出系を用いて、候 補化合物がポリペプチドの活性化または阻害により発生するシグナルを生じさせ るかどうかを試験すること; (d)候補化合物と、請求項1のポリペプチドを含有する溶液とを混合して混 合物を作成し、混合物中のポリペプチドの活性を測定し、次いで、混合物の活性 を標準と比較すること; (e)例えばELISAアッセイを用いて細胞中で該ポリペプチドをコードし ているmRNAおよび該ポリペプチドの生成に対する候補化合物の影響を検出す ること、あるいは (f)(1)化合物の相互作用を評価するために、化合物とポリペプチドとの 間の相互作用を可能にする条件下でポリペプチドを含む組成物をスクリーニング すべき化合物と接触させ(かかる相互作用は、化合物とポリペプチドとの相互作 用に応答した検出可能シグナルを生じることのできる第2の成分に関連したもの である);次いで (2)化合物とポリペプチドとの相互作用から生じるシグナルの存在または 不存在を検出することにより、化合物がポリペプチドと相互作用し、その活性を 活性化または阻害するかどうかを決定すること からなる群から選択される方法を含む方法。 7.請求項1のポリペプチドの活性または発現についてのアゴニストまたはア ンタゴニスト。 8.適合する宿主中に存在する場合に、請求項1のポリペプチドを生成する能 力のあるポリヌクレオチドを含む発現系。 9.(i)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対し て少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有する群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号:2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号:1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチ ドによりコードされるポリペプチド からなる群より選択されるポリペプチドを発現する、請求項8の発現系を含む宿 主細胞またはその膜。 10.(i)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対 して少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有する群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号:2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号:1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチ ドによりコードされるポリペプチド からなる群より選択されるポリペプチドの製造方法であって、該ポリペプチドの 生成に十分な条件下で請求項9の宿主細胞を培養することを含む方法。 11.(i)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対 して少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有する群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号:2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号:1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチ ドによりコードされるポリペプチド からなる群より選択されるポリペプチドを発現する、請求項8の発現系を含む宿 主細胞またはその膜の製造方法であって、適合宿主中に存在する場合に上記ポリ ペプチド(i)、(ii)、(iii)または(iv)を生成可能なポリヌクレ オチドを含む発現系で細胞を形質転換またはトランスフェクションして、適当な 培養条件下で宿主細胞が上記ポリペプチド(i)、(ii)、(iii)または (iv)を生成するようにすることを含む方法。 12.(i)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対 して少なくとも (a)70%の同一性; (b)80%の同一性; (c)90%の同一性;または (d)95%の同一性 を有する群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号:2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号:1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチ ドによりコードされるポリペプチド からなる群より選択されるポリペプチドを発現する、請求項11の方法により製 造される宿主細胞またはその膜。 13.配列番号:1の配列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2の配列を含 むポリペプチド;少なくとも1つの配列が配列番号:1の配列を含むものである ポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が配列番号:2の配列を 含むものであるポリペプチド配列のセット;配列番号:1の配列を含むポリヌク レオチド配列を表すデータセット;配列番号:2の配列を含むポリペプチド配列 をコードしているポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:1の配 列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2の配列を含むポリペプチド;少なくと も1つの配列が配列番号:1の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセ ット;少なくとも1つの配列が配列番号:2の配列を含むものであるポリペプチ ド 配列のセット;配列番号:1の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセッ ト;配列番号:2の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオ チド配列を表すデータセットからなる群より選択されるメンバーを保存したコン ピューター読み込み可能媒体。 14.相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法であって、 配列番号:1の配列を含むポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能 媒体中に提供し、次いで、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリヌク レオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工程を含む方法。 15.ポリクレオチドアッセンブリーのためのコンピューターによる方法であ って、配列番号:1の配列を含む第1のポリヌクレオチド配列をコンピューター 読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリヌクレオチド配列と第2の ポリヌクレオチド配列との間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングする 工程を含む方法。 16.式: X−(R1m−(R2)−(R3n−Y [式中、分子の5’末端のXは水素または金属、または修飾ヌクレオチド残基で あるか、あるいはYと一緒になって共有結合を形成し、分子の3’末端のYは水 素または金属、または修飾ヌクレオチド残基であるか、あるいはXと一緒になっ て共有結合を形成し、R1およびR3は、各々、独立していずれかの核酸残基また は修飾核酸残基であり、mは1〜3000の整数または0であり、nは1〜30 00の整数または0であり、R2は配列番号:1に示す核酸配列または修飾核酸 配列を意味する] で示されるポリヌクレオチドからなるポリヌクレオチド。
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