JPH11505790A - カバー付きの矩形容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ほぼ矩形のプラスチック製容器(２)は、底部(４)と、この底部につながり、ほぼ等しい壁厚を有する直立側壁（10、12、14、16）と、容器を閉じるカバーの縁を固定することができる外方ビード付き頂縁(８)とを包含する。直立側壁（10、12、14、16）の各々は、容器(２)の垂直方向において、２つの相互に連結する側壁部（10ａ、10ｂ；12ａ、12ｂ；14ａ、14ｂ；16ａ、16ｂ）に分割してあり、下方側壁部（10ａ、12ａ、14ａ、16ａ）が容器の内面（凹面）に向かって湾曲しており、上方側壁部（10ｂ、12ｂ、14ｂ、16ｂ）が容器の外面（凸面）に向かって湾曲しており、上下の側壁部が中間部（10ｃ、12ｃ、14ｃ、16ｃ）によって互いに連結している。この構成が非常に安定した容器を作り出し、この容器は敏感な粉末状材料の貯蔵、輸送に非常に適している。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 カバー付きの矩形容器 本発明は、底部と、この底部につながり、ほぼ等しい壁厚を有する直立側壁と 、容器を閉じるカバーの縁を固定することのできる外側ビード付き頂縁とを包含 するほぼ矩形のプラスチック容器に関する。 このような容器は多くの例が知られており、あらゆる種類の製品の貯蔵、輸送 のためにカバーによって閉ざされる。一般的に、容器の壁および底は比較的薄く て、容器の重量を低く抑えるようになっている。しかしながら、これには、特に 大きな容器の場合に容器の安定性および強靭性の点で不満が残っている。 これは、特に容器を粉末状の材料、例えばテトラフルオロエチレン粉末（例え ば衝撃や振動によって圧縮応力を受けやすい）の貯蔵、輸送に用いようと考えて いる場合に不都合である。このような粉末状の材料（例えば流動化状態で処理し なければならない）は、小さい圧縮応力の影響下でも塊になりやすく、使用でき なくなる。このような材料は、一般的に、湿気にも敏感である。今までのところ 、これらの材料は、それ自体安定しており、カバーで充分に閉じることができる 丸い容器または円筒形の容器で貯蔵、輸送している（米国特許第4,674,650号参 照）。しかしながら、丸い容器を使用する場合、並べて置いた容器間に大量の無 駄なスペースが生じる。 本発明の目的は、充分な安定性および強靭性を持ち、敏感な粉末状材料の貯蔵 、輸送に適した、冒頭に述べたタイプの容器を提供することにある。 この目的を達成すべく、本発明によれば、各直立した側壁が容器の垂直 方向で２つの相互に連結している側壁部分に分割され、下方の側壁部分が容器の 内面（凹面）に向かって湾曲し、上方側壁部分が容器の外面（凸面）に向かって 湾曲し、上下の側壁部分が中間部分によって互いに連結している。 垂直な側壁の球面形状により、非常に安定した容器を得ることができる。実際 、上下の側壁部分は応力の下で異なった方向に座屈する傾向を持つ。しかしなが ら、これら２つの側壁部分が相互に連結しているので、当該側壁部分が２つの方 向のいずれでも座屈することはない。 本発明は、また、本発明による容器のためのカバーであり、容器のビード付き 頂縁を把持し得る周縁を有し、矩形の側部のところにクランプが設けてあり、こ れらのクランプがヒンジ、好ましくはフィルム・ヒンジによって、カバーの周縁 に連結してあり、容器の頂縁の下にフック係合することができることを特徴とす るカバーに関する。 これらのクランプがあると、本発明によるカバーは容器に容易かつ堅固に固定 することができる。カバー、容器間の所望のシールはそれ自体公知の周方向の弾 性リップによって得ることができ、このリップはカバーの周縁に嵌合し、容器の 頂縁と相互作用するようになっている。 本発明による容器およびカバーの好ましい態様が、それぞれ、請求の範囲第２ 〜５項および第６〜８項に記載してある。 最後に、本発明は、本発明による容器とかバーの組み合わせに関する。 以下、図面に示す以下の実施例を参照しながらより詳しく本発明を説明する。 図面において： 図１は、本発明による容器の概略斜視図である。 図２は、図１の容器の拡大頂面図である。 図３は、図２のIII−III線に沿った部分断面図である。 図４は、図２のIV−IV線に沿った拡大垂直断面図である。 図５は、図１〜４による容器に嵌合する本発明によるカバーの頂面図である。 図６は、図５のVI−VI線に沿ったカバーの部分断面図である。 図７は、図５のVII−VII線に沿ったカバーの断面図である。 図８は、本発明による容器の頂縁およびカバーの連結状態を拡大して示す図で ある。 図１〜４は、本発明による容器２を示しており、この容器はカバーを備えてい る。特に敏感な粉末状材料の貯蔵、輸送を意図したこの容器は、ほぼ矩形であり 、底部４と、この底部につながる側壁１０、１２、１４、１６と、外側のビード 付き頂縁８とを包含する。カバー（図１には示していない）の縁は頂縁８に固定 することができる。 容器の垂直方向において、各直立した側壁１０、１２、１４、１６は２つの相 互連結する側壁部分10ａ、10ｂ；12ａ、12ｂ；14ａ、14ｂ；16ａ、16ｂのそれぞ れに分割してある。下方の側壁部分10ａ、12ａ、14ａ、16ａは、容器の内面（凹 面）に向かって湾曲している。上方の側壁部分10ｂ、12ｂ、14ｂ、16ｂは容器の 外面（凸面）に向かって湾曲している。上下の側壁部は中間部分10ｃ、12ｃ、14 ｃ、16ｃのそれぞれによって相互連結してある。 側壁のこの形状により、容器は非常に安定している。上下の側壁部は応力の下 に互いに反対の方向に座屈する傾向を有する。しかしながら、相互に連結してい ることにより、これらの側壁部はいずれの方向でも座屈することはない。 凹面、凸面の側壁部分間の移行部は容器の半分であるのが好ましい。 容器の側壁は容器角隅で湾曲部によって互いにつながり合う。 容器の頂縁８（横断面でほぼ逆Ｕ字形となっており、その結果非常に安定して いる）は側壁の領域で外側が真っ直ぐになっている。このことは、容器を相互に 密着して置けることを意味している。容器の角隅の領域の位置で、頂縁は丸くな っている。 上部側壁部10ｂ、12ｂ、14ｂ、16ｂの領域において、側壁１０、１２、１４、 １６は支持縁１８、２０、２２、２４を備えている。これらの支持縁は当該側壁 部の長さの一部に沿ってのみ延びており、ほぼ中央に位置している。これら支持 縁は頂縁８の外周内にある。各支持縁１８、２０、２２、２４の下方の領域２６ 、２８、３０、３２において、上部側壁部１０ｂ、１２ｂ、１４ｂ、１６ｂは容 器の内側に向かって窪んでいる。こうして、良好な把手を得ることができる。そ の結果、容器を携帯するのが容易になると共に、容器の側壁が完全にシールされ る。把手の位置は、（充填済みの）容器を運んでいるときに容器の揺動運動をで きるだけ小さくするような位置となっている。 図３でわかるように、側壁１０、１２、１４、１６は底部４に対して直角の容 器の軸線３４に対して小さい角度をなしている。その結果、容器の寸法を頂縁８ から底部４に向かって小さくすることができる。これは容器を相互に入れ子にす るのを容易にする。容器を入れ子に重ねたとき、容器の凹面部分が、なんら問題 なく、下に位置する容器の凸面・凹面部分に嵌合するが、凸面部分は下に位置す る容器の凹面部分には嵌合しない。入れ子にしたとき、凹面、凸面押側壁部分の 移行部は入れ子のための境界を形成する。このことは、互いに重ねた容器が互い に膠着することがないことを意味する。 図３、４でわかるように、容器は側壁１０、１２、１４、１６と底部４ の間の移行領域内側に比較的大きな曲率半径Ｒを有する。これらの領域における 側壁の外面３６は底部４に向かって内方へ傾斜しており、比較的小さな曲率半径 ｒのところを通って底部４の下面につながっている。このことは、容器の内部で 、容器の側壁と底部の間に滑らかな移行部を得ることができることを意味してい る。こうして、塵埃が溜まる可能性があったり、余分な材料が後に残りやすい鋭 い角隅を避けることができる。これはまた、非常に厚い材料縁を容器の側壁と底 部の間の移行部に作るのを防ぐこともできる。このことは、射出成形法では欠点 であったものである。それと共に、衝撃応力を受けたときに底縁の変形する機会 を最小限に抑えることができる。傾斜している外面３６と小さい曲率半径ｒによ って、容器は、例えば下に置いた容器カバーの上で容易に側方に位置決めするこ とができる。傾斜している外面３６と底部４に対して直角の容器軸線３４のなす 角度は、容器の側壁とこの軸線３４とがなす角度よりも大きく、例えば１０度と ３０度の間にあり、約２０度であると好都合である。容器の底部４は、公知の方 法、例えば下面に設けたリブによって補強してもよい。 図１〜４に示す容器２のための図５〜７に示すカバー４０は、ほぼ矩形であり 、カバー面４２と、容器２のビード付き頂縁を把持することができる周縁４４と を有する。 カバー４０は、その矩形の側部に、クランプ４６を備えており、これらのクラ ンプは、ヒンジ（好ましくは、フィルム・ヒンジ４８）によってカバーの周縁４ ４に連結してあり、容器２の頂縁８の下にフック係合することができる（図８参 照）。カバー４０はこれらのクランプ４６によって容器２にしっかりと固定する ことができる。カバー４０の周縁４４と容器２の頂縁８との間に良好なシールを 得るために、周縁４４は、その内側に、周方向の弾性リップを備えており、カバ ー４０を容器２上に置いたとき、 この弾性リップが容器２の頂縁８の傾斜部５２に乗る（図８参照）。 角隅付近で、カバー４０は垂直方向の出張り５４を備えており、これらの出張 りは頂側部に嵌合し、カバー４０の周縁４４に沿って角隅領域内を延びている。 これらの出張りは、カバーの頂面に置いた容器２が、正確に出張り間で容器底部 ４と嵌合するように設計してある。このことは、上にある容器の、下にあるカバ ーを付けた容器に対する側方変位を防ぐことを意味している。角隅付近で、カバ ー４０は高くなった部分５６も備えている。積み重ねたときに上になった容器の 底部と下になった容器のカバーとの直接的な接触がこのようにして防止される。 これは容器の内容物の沈殿を保護するのに最適である。 高くなった部分５６の間では、カバー面４２はほぼ平坦であり、ホイスト装置 の吸引カップをそこに置くことができる。こうすることによって、カバーをかぶ せた満杯の容器を持ち上げ、揺らすことなく移動させることができる。さらに、 １つの容器を互いに入れ子になった容器のグループから容易に持ち上げることが できる。 カバー４０は互いに積み重ねることができ、出張り５４の存在により、積み重 ねたカバーを互いに対して変位させることはできない。 本発明による容器、カバーによれば、以下の利点を得ることができる。 −容器は、その形状により、非常に安定しており、その結果、その内容物が外 部の影響から可能な限り最良の方法で保護され、カバーをかぶせた満杯の容器を 大きな高さまで積み重ねることができる。 −矩形であることにより、いくつかの容器を貯蔵、輸送中に横、縦に置いたと きに生じるスペースの無駄が少なくなる。 −支持縁およびその下に位置するくぼんだ壁部分の存在により、容器は携帯が 容易である。 −容器は組み合わせたカバーによって良好に閉鎖することができる。 −カバーをかぶせた容器は吸引カップによって容易に持ち上げることができる 。 −形状のため、容器は射出成形によって容易に製造することができる。 −容器は容易に入れ子にすることができ、容易に互いに分離することができる 。 −容器は安定して互いに積み重ねることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ほぼ矩形のプラスチック製容器であり、底部と、この底部につながり、ほぼ 等しい壁厚を有する直立した側壁と、容器を閉ざすカバーの縁を固定することが できる外側のビード付き頂縁とを包含する容器において、各直立側壁（10、12、 14、16）が、容器(２)の垂直方向において、２つの相互に連結する側壁部（10ａ 、10ｂ；12ａ、12ｂ；14ａ、14ｂ；16ａ、16ｂ）に分割してあり、下方側壁部（ 10ａ、12ａ、14ａ、16ａ）が容器の内面（凹面）に向かって湾曲しており、上方 側壁部（10ｂ、12ｂ、14ｂ、16ｂ）が容器の外面（凸面）に向かって湾曲してお り、上下の側壁部が中間部（10ｃ、12ｃ、14ｃ、16ｃ）によって互いに連結して いることを特徴とする容器。 ２．請求項１記載の容器において、容器が側壁（10、12、14、16）と底部(４)と の間の移行領域内側に比較的大きな曲率半径(Ｒ)を有し、側壁の外面（36）が底 部に向かって内方へ傾斜し、比較的小さい曲率半径(ｒ)をもって底部の下面につ ながっていることを特徴とする容器。 ３．請求項１または２記載の容器において、容器の頂縁(８)が各側壁（10、12、 14、16）の領域で容器の外面に沿って真っ直ぐであり、容器の角隅領域で丸くな っていることを特徴とする容器。 ４．請求項１〜３のいずれか１つに記載の容器において、上方側壁部の領域で、 少なくとも２つの側壁（10、12と14、16）が支持縁（18、20と22、24）を備えて いることを特徴とする容器。 ５．請求項４記載の容器において、各支持縁（18、20、22、24）が上方側壁部（ 10ｂ、12ｂ、14ｂ、16ｂ）のほぼ中央でその長さの一部にわたって延びており、 支持縁の下方の領域（26、28、30、32）で上方側壁部が容器の内側に向かってく ぼんでいることを特徴とする容器。 ６．請求項１〜５のいずれか１つに記載の容器のためのカバーであって、容器の ビード付き頂縁を把持することができる周縁を有するカバーにおいて、矩形側部 のところに、カバー（40）がクランプ（46）を備え、これらのクランプが、ヒン ジ（48）（好ましくは、フィルム・ヒンジ）によって、カバーの周縁（44）に連 結してあり、容器(２)の頂縁(８)の下にフック係合できることを特徴とするカバ ー。 ７．請求項６記載のカバーにおいて、角隅付近で、垂直な出張り（54）を備え、 これらの出張りが頂側部に嵌合し、カバーの周縁（44）に沿って角隅内を延びて いることを特徴とするカバー。 ８．請求項６または７記載のカバーにおいて、角隅付近で、高くなった部分（56 ）を備えていることを特徴とするカバー。 ９．請求項１〜５のいずれかに記載の容器と請求項６〜８のいずれかに記載のカ バーとの組み合わせ。