JPH1150289A - ガス拡散電極 - Google Patents

ガス拡散電極

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JPH1150289A
JPH1150289A JP20649597A JP20649597A JPH1150289A JP H1150289 A JPH1150289 A JP H1150289A JP 20649597 A JP20649597 A JP 20649597A JP 20649597 A JP20649597 A JP 20649597A JP H1150289 A JPH1150289 A JP H1150289A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造がコンパクトでガス室からガス拡散層に
均一にガスを供給でき、ガス拡散電極への給電の抵抗が
極めて小さくでき、かつ簡単に製造でき大型化が可能で
あり、しかも集電効率が良いすぐれたガス拡散電極を提
供すること。 【解決手段】 導電性多孔体の片面に少なくともその一
部が前記導電性多孔体内にあるように反応層が形成され
ており、前記導電性多孔体の他面側の部分は反応層がな
く露出状態でガス室の少なくとも一部を形成しているこ
とを特徴とするガス拡散電極。また、導電性多孔体中の
一部分に層状にガス供給層を形成し、前記導電性多孔体
の片面側に前記ガス供給層と接触した状態で反応層を積
層しており、前記導電性多孔体の他面側の部分は前記ガ
ス供給層がなく露出状態でガス室の少なくとも一部を形
成していることを特徴とするガス拡散電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン交換膜法に
よる塩化アルカリ水溶液の電解に使用するのに適するガ
ス拡散電極に関し、特に強度が大きく、製造が容易であ
るガス拡散電極に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン交換膜法による塩化アルカリ水溶
液の電解においては、その陰極にガス拡散電極を酸素陰
極として使用することが行われている。通常イオン交換
膜法電解は、陽イオン交換膜であるイオン交換膜により
陽極室と陰極室とに区画された電解槽で行われ、この電
解槽の陽極を有する陽極室には塩化ナトリウム水溶液
が、陰極を有する陰極部には苛性ソーダ水溶液が入って
いるが、陰極としてガス拡散電極を用いる形式のもので
は、陰極部は、イオン交換膜とガス拡散電極の間に苛性
ソーダ水溶液が入っている陰極液室と反応層、ガス供給
層からなるガス拡散電極および酸素ガス室からなってい
る。このような構成の電解槽では、陽極と陰極部(ガス
拡散電極および酸素ガス室からなっている。)のガス拡
散電極の両電極間に通電して電解する際に、ガス拡散電
極上で酸素還元反応が起こり、陰極電位が上昇するた
め、電解電圧が著しく低減されるという利点を有する。
【0003】陰極部に設けたガス拡散電極は、反応層と
ガス供給層とを積層した構造をしており、反応層もガス
供給層も多孔性体を主体とした薄層で構成されているの
でガス拡散電極は全体として通気性を有している。ガス
拡散電極の電解液側の層である反応層には主としてカー
ボンブラックが使用され、その微細孔には白金などの貴
金属系からなる触媒が担持されており、親水性で電解液
が浸透し得るものである。一方ガス供給側の層であるガ
ス供給層は、ガスは通過し得るが電解液の漏洩が起こら
ない撥水性の多孔性の薄層で構成されている。上記撥水
性の多孔性の薄層は通常は酸化還元反応に耐性のあるフ
ッ素樹脂系のポリマーの微粒子を主体として成形されて
いる。
【0004】従来のガス拡散電極は図6および図7に示
すようにガス供給層4の中間あるいは/およびガス供給
層4の表面に網状給電体10(金網ともいう。)を設
け、網状給電体10からガス供給層4を介して(ガス供
給層の中間に網状給電体が介在する場合はそれを通じ
て)反応層3に電流を供給していた。しかし疎水性のガ
ス供給層4の電気抵抗が大きいので電解電圧は大きくな
った。電解槽を大型化すると電極面積が大きくなり、電
極の内部抵抗が大きくなり抵抗損として電力の損失が大
きくなる。そこで、本発明者は、先に電解槽の陰極部の
ガス室に導電性多孔体を充填することで、陰極部の電解
槽フレーム(陰極外枠ともいう)とガス拡散電極のガス
供給層との接触を良好にすることを試みたが、導電性多
孔体とガス供給層との接触抵抗は数Ω/cm2 と大き
く、給電は事実上不可能であることが判明した。そのた
め、図7に示したようにガス供給層表面に金属製網を接
合させ、ガス室内に導電性多孔体を充填してそれと前記
金属製網を接触させることにより給電することも検討し
たが、ガス供給層表面に接合された金属製網のためにガ
スの供給が妨げられる欠点があった。このようにガス拡
散電極への電流の供給は従来の技術では十分であるとい
えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記説明した通り、ガ
ス室からガス拡散電極のガス供給層にガスを供給する際
のガス供給の均一性やガス拡散電極への電流の給電にお
ける抵抗を小さくし、電極内の電流分布を均一化するた
めの手段については従来の方法では満足できる結果が得
られていない。本発明者は、これらの点につき鋭意検討
の結果、酸素の陰極反応における電極過電圧を少なく
し、電流効率を向上するには、ガス室からガス拡散電極
のガス供給層にガスを供給する際のガス供給の均一性、
ガスの品質およびガス拡散電極への電流の負荷方法など
との関連においてガス室内に3次元的にガスの流通が可
能な多孔性材料が充填した状態が得られ、かつガス拡散
電極の強度が大きいなどの条件を満たす必要があること
を見出した。
【0006】本発明の課題は、従来のガス拡散電極にお
ける前記欠点を除去し、構造がコンパクトでガス供給室
からガス拡散層に均一にガスを供給でき、ガス拡散電極
への給電の抵抗が極めて小さくでき、かつ簡単に製造で
き大型化が可能であり、しかも集電効率が良いすぐれた
ガス拡散電極を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、酸素の陰極反応における電極過電圧を少なくする
には、ガス室からガス拡散電極のガス供給層にガスを供
給する際のガス供給の均一性およびガス拡散電極への電
流の負荷方法などとの関連においてガス拡散電極の構造
が極めて重要であることに着目し、それらの条件が同時
に達成できる構成を検討して、本発明を完成した。本発
明者は、先にガス拡散電極の裏側のガス室に多孔体を充
填することにより、ガス室内におけるガスの流れを分散
せしめ、ガス拡散電極のガス供給層へのガスの供給が均
一化させることにより、ガス拡散電極の電流を増大する
技術を開発した。そして、この多孔体を充填することに
よりガス拡散電極を支える作用があり、強度を大にする
ことができることも見出している。さらに、この多孔体
を金属のような導電体で構成する場合には前記の網状給
電体と接触させることにより、ガス拡散電極の抵抗を著
しく低くする技術を開発し、そのガス拡散電極の製造に
際しては前記の金属多孔体を一緒に成形加工する技術も
開発し、特許出願をしている。
【0008】そして、その一体成形においては、ガス供
給層原料などが前記導電性多孔体内に入り込みやすいと
いうことから、逆に導電性多孔体内にガス供給層などを
形成するようにして、導電性多孔体をガス拡散電極の骨
格として利用することを発想して、これを基礎として本
発明に到達した。なお、イオン交換膜法の電解槽の陰極
部に使用する本発明のガス拡散電極に関しては、ガス室
と一体化した構成となっている場合を含むので、ガス拡
散電極としてはガス室の部分となる部分も含むものであ
る場合がある。
【0009】すなわち、前記課題は、下記の本発明のガ
ス拡散電極によって達成される。 (1)導電性多孔体の片面に少なくともその一部が前記
導電性多孔体内にあるように反応層が形成されており、
前記導電性多孔体の他面側の部分は反応層がなく露出状
態でガス室の少なくとも一部を形成していることを特徴
とするガス拡散電極。 (2)導電性多孔体中の一部分に層状にガス供給層を形
成し、前記導電性多孔体の片面側に前記ガス供給層と接
触した状態で反応層を積層しており、前記導電性多孔体
の他面側の部分は前記ガス供給層がなく露出状態でガス
室の少なくとも一部を形成していることを特徴とするガ
ス拡散電極。 (3)前記の露出状態でガス室の少なくとも一部を形成
している導電性多孔体を電解槽フレームと接触又は接合
させることによりガス拡散電極へ給電を行うことを特徴
とする前記(1)又は(2)記載のガス拡散電極。
【0010】本発明の要点は、先に開発した陰極部が、
一体成形されたものであっても、反応層とガス供給層と
を有するガス拡散電極と導電性多孔体(ガス室に充填さ
れるもの)とが別体であるのに対して、本発明の陰極部
は、図5に示すように、ガス拡散電極と導電性多孔体と
が一体であり、前記導電性多孔体がガス拡散電極の基体
となっており、言い換えれば導電性多孔体がガス拡散電
極の骨格を形成しているものである。この構成によって
ガス室内に充填される多孔体は反応層と直結されてお
り、この多孔体はまた電解槽フレーム(陰極外枠)と接
触しているので、ガス拡散電極へ給電するための抵抗が
極めて小さくなっている。勿論本発明のガス拡散電極を
用いて陰極部を形成する場合の1例として、図5に示す
ように、導電性多孔体を基体として作成したガス拡散電
極を別の多孔体(導電性であることが好ましい)を有す
る陰極外枠にはめ込んだものとし、導電性多孔体の一部
と別に設けた多孔体とでガス室を構成しても良い。
【0011】本発明のガス拡散電極を用いて陰極部を形
成する場合、次のような種類の形式を取ることができ
る。 a)図1に示すように、導電性多孔体2を基体とし、そ
の内部の一部にガス透過性で疎水性のガス供給層4が層
状に形成され、そのガス供給層4の上に、表面側に透水
性で触媒を担持している反応層3を設けてなるもので、
前記ガス供給層が設けられていない下側の導電性多孔体
2の露出部分6がガス室を形成する部分となるもの。図
1では、ガス供給層4内にも導電性多孔体2があること
を示すために、ガス供給層4の左側の部分の充填物を取
り除いて導電性多孔体2の充填部分5を露出するように
したところを示している。反応層3内にも充填部分5が
一部存在している。
【0012】b)図2に示すように、導電性多孔体2を
基体とし、該多孔体2の下側の薄層状の露出部分6を残
して、導電性多孔体2はガス透過性で疎水性のガス供給
層4として形成され、露出した前記薄層状の露出部分の
反対側となる表面側に透水性で触媒を担持している反応
層3を設けてなるもの。このタイプの陰極部では、ガス
拡散電極1に別の導電性多孔体7を組み合わせ、前記多
孔体2の薄層状の露出部分6と他の導電性多孔体7でガ
ス室を形成する。図2にも、左側に充填部分5を示して
いる。 c)図3に示すように、導電性多孔体2を基体とし、該
多孔体2の上あるいは(その片面の一部)に、透水性で
触媒を担持している反応層3を形成してなるもの。勿
論、前記b)、c)に例示した多孔体を含むガス拡散電
極を陰極外枠にはめ込んで陰極部とした時、他の導電性
多孔体7を組み合わせることなく、ガス室に多孔体がな
い状態で使用することもできる。
【0013】本発明の導電性多孔体としては、金属多孔
体が好ましく、例えばニッケルや銀の多孔体等を挙げる
ことができるが、ポリウレタンなどプラスチックの連続
発泡体にニッケルをメッキしたもの、あるいはプラスチ
ックの連続発泡体にニッケルをメッキした後これを焼結
してニッケル多孔体としたもの等であっても良い。ま
た、カーボン製多孔体あるいはこれにニッケルをメッキ
したものであっても良い。この導電性多孔体は、ガス拡
散電極に強度を与える他、集電体として作用するもので
あり、従来の金網のような網状給電体の場合より電極物
質との接触面積は大きい。本発明の導電性多孔体として
金網を用いても良い。
【0014】導電性多孔体の厚さは0.01から10m
mであることが好ましい。また、その多孔体中に設ける
前記a)、b)、c)に例示したガス供給層などの設置
態様は、ガス供給層が導電性であるか非導電性かにより
異なり、ガス供給層が導電性である場合は例えば、伝導
性多孔体はガス供給層を突き抜けて反応層に達していな
くても良く、ガス供給層が非導電性である場合は導電性
多孔体はガス供給層を突き抜けて反応層に達しているこ
とが好ましい。すなわち、導電性多孔体をガス供給層の
表面に露出させ、その露出している導電性多孔体の上に
反応層を設けるようにすることにより、反応層に給電す
ることができる。また、導電性多孔体が、反応層をも突
き抜け反応層表面から陰極液室に露出していても構わな
い。
【0015】また、導電性多孔体中に設けるガス供給層
の設置態様として、ガス供給層が一部なくガス拡散電極
が液透過型となる場合も良く、さらにまた、図3に示す
ように導電性多孔体中にガス供給層が設置されず、導電
性多孔体自身が撥水処理されて撥水処理ガス室を形成
し、その上に反応層を設けて陰極部を形成しても良い。
このような例のように、ガス供給層が設置されておらず
反応層のみが設けられている導電性多孔体を用いてガス
を供給する場合、反応層からの陰極液の洩れを防止する
ことは、導電性多孔体の少なくとも一面(ガス室側)の
表面に、擦り込み法により、分子量が3×105 から
0.5×104 までの低分子量フッ素樹脂を付着させる
ことによって達成することができる。表面に低分子量フ
ッ素樹脂を擦り込むことはPTFE(ポリテトラフルオ
ロエチレン)製のテープ等のシートを用いて前記樹脂の
粉末を擦り込むことによって達せられる。分子量が3×
10 5 から0.5×104 までといった低分子量のフッ
素樹脂としては、例えば、ダイキン工業(株)製のルブ
ロンL−2なる商品名、あるいはセントラル硝子(株)
製のセフラル ルーブ1なる商品名で販売されている低
分子量の四フッ化エチレン樹脂が挙げられる。
【0016】反応層の主要構成素材としては、白金など
の貴金属系からなる触媒、親水性カーボンの微粒子と撥
水性カーボン微粒子の混合物、少量のフッ素樹脂微粒子
とこれら微粒子を繋ぐ結着剤粒子である。ガス供給層の
主要構成素材としては、撥水性カーボン微粒子、フッ素
樹脂微粒子とこれら微粒子を繋ぐ結着剤粒子である。
【0017】導電性多孔体中にガス供給層を設ける方法
としては、前記主要構成素材である撥水性カーボン微粒
子、フッ素樹脂微粒子と結着剤粒子およびその他の粒子
を振動法によって多孔体中に入れ、加熱・焼結してガス
供給層を形成する方法や、撥水性カーボンブラックと水
と粉末状ポリテトラフルオロエチレンとを混合して泥漿
を作製し、次に導電性多孔体にこの泥漿を片面(あるい
は両面)から充填し、乾燥前あるいは乾燥後に該泥漿か
ら必要により分散剤を除去し、乾燥し、焼結する方法な
どが挙げられる。
【0018】また、導電性多孔体中に部分的にガス供給
層を設ける方法としては、導電性多孔体の一部例えば半
分にガス供給層構成材料の粉末を入れ、残りの部分に例
えば炭酸カルシウムのような水に溶解性の塩の粉末を入
れ、プレスした後、炭酸カルシウムのような塩を溶解除
去し、撥水処理ガス室とする方法を取ることができる。
また導電性多孔体中にガス供給層構成材料の粉末と共
に、液が流れる方向に部分的に炭酸カルシウムのような
水に溶解性の塩の粉末を充填しプレスした後、塩を溶解
除去し、部分的にガス供給層中を陰極液が透過できるよ
うにして、液透過型ガス拡散電極を作成することもでき
る。なお、本発明においてガス供給層構成材料中撥水性
カーボンブラックは用いなくても良い。
【0019】本発明のガス拡散電極は、一般的な図1に
示す場合には、ガス室に導電性多孔体が充填された形に
なるように、ガス供給層よりもガス室側にガス供給層で
被覆されないで導電性多孔体が露出している部分を有し
ており、この部分はガス室を構成する部分となるもので
ある。このガス拡散電極を陰極部に設置する場合、その
導電性多孔体が露出している部分がガス室内に装着され
て、先に開発したガス拡散電極においてガス室内に別体
の導電性多孔体を装填した場合と同じ構造を形成するこ
とができ、この場合それと同じような作用を得ることが
できる。このようなガス拡散電極はガスの透過が3次元
的に均質に行われるので、電解時大きな過電圧が発生し
ない。また、このガス拡散電極は、従来のような集電体
を設ける必要はなくなる。ガス拡散電極に負荷される電
流も全面に均一に効率良く負荷することができる。かか
る特性を有するため本発明のガス拡散電極を用いた電解
槽で塩水を電解した場合、極めて低い電解電圧でかつ電
流効率良く電解することができる。
【0020】このガス拡散電極の製造においては、導電
性多孔体にガス供給層などを形成する物質を充填・成形
した後、必要により圧密化し、焼結して完成する。カー
ボンブラックを用いない場合、例えば銀微粒子とフッ素
樹脂のみでは、成形を常温成形で行う場合は、プレス圧
は20〜60kg/cm2 でプレスし、焼結は200〜
300℃で行う。また、成形を加熱プレスで行う場合に
は、プレス温度は150〜300℃、圧力は1〜5kg
/cm2 で行うのが好ましい。カーボンブラックを用い
る場合は50kg/cm2 、380℃、1分間プレスす
るのが望ましい。ガス供給層用材料あるいは反応層用材
料を泥漿とし、該泥漿を導電性多孔体に塗り込みや圧入
して電極層を充填・成形した場合には、この成形段階で
泥漿から分散のために使用した分散剤を洗浄・除去した
後に焼結して完成する。泥漿をつくるのに用いる分散剤
としては、通常界面活性剤が使用される。使用する界面
活性剤としては、ノニオン、アニオン、カチオンのいず
れの界面活性剤でも、単独あるいは混合して使用できる
が、ノニオン界面活性剤が好ましい。また、前記界面活
性剤は電極を製造する際に使用する材料、例えばポリテ
トラフルオロエチレンの懸濁水溶液、中に含まれるもの
等であっても良い。
【0021】前記本発明のガス拡散電極における反応層
の製造には、電極触媒作用を有する触媒と前記電極構成
素材からの泥漿を導電性多孔体の孔に、乾燥しないよう
に充填する方法が用いられる。その際、泥漿は導電性多
孔体内に均一に充填されて所要の厚さのガス拡散電極層
を形成する。本発明のガス拡散電極の反応層に混入する
活性化触媒としては、次に挙げるようなものが好適であ
り、そこに示す工程で得たものを使用することができ
る。 白金黒:カーボンブラックのような触媒担体表面に例
えば白金塩のような触媒塩を付着させ、不活性ガス雰囲
気中で加熱・水素還元などして、白金黒とする工程。 還元銀:親水性カーボンブラックのような触媒担体表
面に例えば硝酸銀のような触媒塩を付着させ、80℃で
粉体が乾燥し、150℃で加熱・水素還元しカーボンブ
ラックに付着した銀の微粒子とする工程。
【0022】本発明のガス拡散電極の反応層やガス供給
層用構成材料の一つとして用いられるテフロンディスパ
ージョンとしては、例えば三井フロロケミカル(株)の
テフロンディスパージョン30Jなどが好ましい。前記
詳細に説明した諸項目の新技術、新素材を用いる本発明
の一体化製造方法によって簡単な工程で作業性が良く、
大型のガス拡散電極を連続的に能率良く製造することを
可能になる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る、ただし本発明は、これらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0024】1.導電性多孔体の製造 200mm(縦)×300mm(横)×2mm(厚み)
の硬質ポリウレタン発泡体(多孔度50ppI(泡数/
インチ))の板を塩化ニッケルを用いてニッケルを5μ
mの厚みに無電解メッキしたものを焼成してニッケル多
孔体(多孔度50ppI)としたものを集電体とする。
これにさらに5μmの銀メッキする。 2.電極物質の製造 組成物質 i)触媒:銀微粉末 平均粒径 0.1μm ii) 親水性カーボンブラック(AB−7;デンカブラッ
ク):平均粒径 400Å iii)撥水性カーボンブラック(No.6;デンカブラッ
ク):平均粒径 500Å iv) ポリテトラフルオロエチレン懸濁重合液(ポリフロ
ンディスパージョン、D−1;ダイキン工業製):平均
粒径 0.3μm 分散剤:Triton X-100
【0025】泥漿作製 −1 ガス供給層用泥漿の作製 PTFE(ディスパージョン、D−1;ダイキン工業
製)と撥水性カーボンブラック(No.6、平均粒径
500Å、試作品、電気化学工業製)を重量比で2:3
の割合で混合したものをTriton X-100 20%を含む水
溶液100重量部中に分散・混合し、ろ過して泥漿を得
た。 −2 反応層用泥漿の作製 銀微粒子(平均粒径0.1μm、三井金属鉱業製)とP
TFE(ディスパージョン、D−1;ダイキン工業製)
と親水性カーボンブラック(AB−11、平均粒径 4
00Å、電気化学工業製)と撥水性カーボンブラック
(No.6、平均粒径 500Å、電気化学工業製)を
重量比で3:1:1:1の割合で混合したもの(100
重量部)をTriton X-100 20%を含む水溶液100重
量部中に分散・混合し、ろ過して泥漿を得た。
【0026】3.導電性多孔体中へのガス供給層用泥漿
の充填 前記ガス供給層用泥漿を、導電性多孔体中へその片面か
ら均一に押し込めた。80℃で2時間乾燥した。 4.導電性多孔体への反応層泥漿の塗布 このガス供給層を形成した導電性多孔体のガス供給層の
上に反応層用泥漿を塗布し、80℃で2時間乾燥後、ア
ルコールで界面活性剤のTriton X-100を取り除き、再び
乾燥し、50kg/cm2 の圧力でプレス後、350℃
で10分間焼結してガス拡散電極を得た。前記ガス拡散
電極電極を陰極外枠内に充填して陰極部を作成した。
【0027】実施例2 5μmの銀メッキした50ppIの発泡ニッケル多孔体
からなる12×28センチ角の板に、まずルブロンにエ
タノールを加え糊状にし、前記発泡ニッケル板に塗り込
み、ガス供給層を形成し、次に反応層となる、銀微粒子
(三井金属、3010、平均粒径0.11μm)3部と
ルブロン1部をエタノールで練り、糊状にしたものを、
その上から200μm厚みに塗り込み、10kg/cm
2 の圧力でプレスして内部に押し込むことでガス供給層
と反応層を形成する。この操作で反応層と銀メッキ発泡
ニッケル板とが接触する。80℃で3時間乾燥し、常温
で40kg/cm2 の圧力で60秒間プレスし、230
℃で10分間熱処理し、冷却することにより電極を得
た。この電極の酸素還元性能を測定したところ、30A
/dm2 で0.79V(vs.RHE)の高い性能が得
られた。電極背面とガス室の銀メッキ発泡ニッケル板と
の接触抵抗は1mΩ/cm2 以下と小さい値を示した。
【0028】
【発明の効果】本発明のガス拡散電極は、電気抵抗が低
く、陽イオン交換膜からなる電解槽に酸素陰極として用
いて、塩水を電解した場合などにおいて極めて低い電解
電圧でかつ電流効率良く電解することができる。また、
強度の大きい電極が得られ、かつガス室の部分となる多
孔体部分をも一体に成形して得ることができるので、大
型のガス拡散電極を能率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス拡散電極の一例を示す断面説明図
である。
【図2】本発明のガス拡散電極の別の一例を示す断面説
明図である。
【図3】反応層のみを有する本発明のガス拡散電極を示
す断面説明図である。
【図4】本発明のガス拡散電極を設置している陰極部の
一例を示す断面説明図である。
【図5】本発明のガス拡散電極を設置している陰極部の
別の一例を示す断面説明図である。
【図6】内部に網状給電体を有する従来のガス拡散電極
の断面説明図を示す。
【図7】内部及び表面に網状給電体を有する従来のガス
拡散電極の断面説明図を示す。
【符号の説明】
1 ガス拡散電極 2 導電性多孔体 3 反応層 4 ガス供給層 5 充填部分 6 露出部分 7 導電性多孔体 8 網状給電体 9 陰極外枠 10 網状給電体
フロントページの続き (72)発明者 古屋 長一 山梨県甲府市中村町2−14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性多孔体の片面に少なくともその一
    部が前記導電性多孔体内にあるように反応層が形成され
    ており、前記導電性多孔体の他面側の部分は反応層がな
    く露出状態でガス室の少なくとも一部を形成しているこ
    とを特徴とするガス拡散電極。
  2. 【請求項2】 導電性多孔体中の一部分に層状にガス供
    給層を形成し、前記導電性多孔体の片面側に前記ガス供
    給層と接触した状態で反応層を積層しており、前記導電
    性多孔体の他面側の部分は前記ガス供給層がなく露出状
    態でガス室の少なくとも一部を形成していることを特徴
    とするガス拡散電極。
  3. 【請求項3】 前記の露出状態でガス室の少なくとも一
    部を形成している導電性多孔体を電解槽フレームと接触
    又は接合させることによりガス拡散電極へ給電を行うこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス拡散電
    極。
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