JPH1150290A - ガス拡散電極の製造方法 - Google Patents

ガス拡散電極の製造方法

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JPH1150290A
JPH1150290A JP9206496A JP20649697A JPH1150290A JP H1150290 A JPH1150290 A JP H1150290A JP 9206496 A JP9206496 A JP 9206496A JP 20649697 A JP20649697 A JP 20649697A JP H1150290 A JPH1150290 A JP H1150290A
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diffusion electrode
gas
layer
gas diffusion
gas supply
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Choichi Furuya
長一 古屋
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Mitsui Chemicals Inc
Toagosei Co Ltd
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Mitsui Chemicals Inc
Toagosei Co Ltd
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造がコンパクトで、ガス供給層に均一にガ
スを供給でき、しかも集電効率が良く強度が大きいガス
拡散電極を簡単な工程で製造する方法を提供する。 【解決手段】 反応層及び/又はガス供給層を有するガ
ス拡散電極の製造方法において、給電体を形成する導電
性多孔体又はメッシュの空隙部に反応層及び/又はガス
供給層形成材料を充填し及び/又は表面に塗布すること
により反応層及び/又はガス供給層を形成することを特
徴とするガス拡散電極の製造方法。前記導電性多孔体ま
たはメッシュの空隙部に充填及び/又は表面に塗布する
に際して、前記反応層及び/又はガス供給層用原料粉末
に界面活性剤及び少なくとも1種の分散媒を添加してス
ラリー状とした物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン交換膜法に
よる塩化アルカリ水溶液の電解に使用することができる
ガス拡散電極の製造方法に関し、特に強度が大きく、製
造が容易であるガス拡散電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン交換膜法による塩化アルカリ水溶
液の電解においては、その陰極にガス拡散電極を酸素陰
極として使用することが行われている。通常イオン交換
膜法電解は、陽イオン交換膜であるイオン交換膜により
陽極室と陰極室とに区画された電解槽で行われ、この電
解槽の陽極を有する陽極室には塩化ナトリウム水溶液
が、陰極を有する陰極室には苛性ソーダ水溶液が入って
いるが、陰極としてガス拡散電極を用いる形式のもので
は、陰極部は、イオン交換膜とガス拡散電極の間に苛性
ソーダ水溶液が入っている陰極液室と反応層、ガス供給
層からなるガス拡散電極と酸素ガス室とからなってい
る。このような構成の電解槽では、陽極と陰極の両電極
間に通電して電解する際に、陰極のガス拡散電極上で酸
素還元反応が起こり、陰極電位が上昇するため、電解電
圧が著しく低減されるという利点を有する。
【0003】陰極部に設けたガス拡散電極は、反応層と
ガス供給層とを積層した構造をしており、反応層もガス
供給層も多孔性体を主体とした薄層で構成されているの
でガス拡散電極は全体として通気性を有している。ガス
拡散電極の電解液側の層である反応層には主としてカー
ボンブラックが使用され、その微細孔には白金などの貴
金属系からなる触媒が担持されており、反応層は親水性
で電解液が浸透し得るものである。一方ガス供給側の層
であるガス供給層は、ガスは通過し得るが電解液の漏洩
が起こらない撥水性の多孔性の薄層で構成されている。
上記撥水性の多孔性の薄層は通常は酸化還元反応に耐性
のあるフッ素樹脂系のポリマーの微粒子を主体として成
形されている。
【0004】従来のガス拡散電極は、図4および図5に
示すようにガス供給層4の中間あるいは/およびガス供
給層4の表面に網状給電体8を設け、前記網状給電体8
からガス供給層4を介して反応層3に電流を供給してい
た。しかし疎水性のガス供給層4の電気抵抗は大きいの
で電解電圧は大きくなった。電解槽を大型化すると電極
面積が大きくなり、電極の内部抵抗が大きくなり抵抗損
として電力の損失が大きくなる。従来から電解槽の陰極
部のガス室に導電性多孔体を充填することで、陰極部の
電解槽フレーム(「陰極外枠」ともいう)とガス拡散電
極のガス供給層との接触を良好にすることが試みられた
が、導電性多孔体とガス供給層との接触抵抗は数Ω/c
2 と大きく、給電は事実上不可能であることが判明し
た。そのため、図5に示したようにガス供給層表面に金
属網状体8を接合させ、ガス室の導電性多孔体と前記金
属網状体8を接触させることにより給電することも検討
されたが、ガス供給層表面に接合された金属網状体のた
めにガスの供給が妨げられる欠点があった。このように
ガス拡散電極への電流の供給は従来の技術では十分であ
るといえない。
【0005】ガス拡散電極に関する従来の技術では、反
応層に対するガスの供給および電流の供給は十分である
といえない。これらの課題を解決する一つの手段として
は、ガス拡散電極を反応層、ガス供給層および給電体を
一体化して製作し、ガス拡散電極とガス室の構造をコン
パクト化することで良い効果が得られたが、この手段の
みでは十分ではない。本発明者が研究した段階におけ
る、ガス拡散電極とガス室の構造をコンパクト化できる
ガス拡散電極の一体化製造方法は、反応層原料やガス供
給層原料を各々水溶液に分散させた後、それぞれ濾過乾
燥して、例えばソルベントナフサのような分散媒や界面
活性剤などを用いて餅状にした後、ロールで板状に成形
する。板状に成形したものを集電体の金属網状体と共に
金属製の治具に入れ、治具と共に例えば380℃、60
0kg/cm2 の温度、圧力で約3秒間というような条
件でホットプレスして反応層用電極あるいはガス供給層
電極とする。通常多くの場合前記2枚のガス供給層用と
反応層用の板状体の間にさらに集電体の金属網状体を挿
入した形で治具に入れ、治具と共に例えば380℃、6
00kg/cm2 で約3秒間というような条件でホット
プレスしてガス拡散電極として成形する。
【0006】この一体化製作操作を繰り返して、多孔性
の薄層を親液性から撥水性へと段階的に、あるいは連続
的に変えることができる。しかしこのようなガス拡散電
極の一体化製造方法は、工程が煩雑で、かつ作業性が悪
く、量産性がない。また、治具を使用するので、大型電
極を製造する場合の作業性が悪いという欠点があった。
しかもホットプレスするのでは連続製造できないので、
生産性が低いという問題がある。
【0007】さらにまた、従来の製造技術で集電体とし
て金属網状体を使用する場合は、集電体と電極物質との
接触面積が小さいので、このようにして製造されたガス
拡散電極は集電効率が悪く、従って電極面積が大きい電
極になると網の抵抗が大きくなり、抵抗損として電力の
損失になる。このため前記のようにガス供給層とガス室
に充填した金属多孔体との接触接触抵抗は数Ω/cm2
と大きく、給電は事実上不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これらの
点につき鋭意検討の結果、酸素の陰極反応における電極
過電圧を小さくするには、ガス室からガス拡散電極のガ
ス供給層にガスを供給する際のガス供給の均一性を高め
ること、またガス拡散電極への電流の負荷方法などとの
関連において、ガス拡散電極の内部で電流が十分に流れ
るような給電体を有し、かつそこで反応層とガス供給層
とを容易に形成できるようにすることが重要であること
を見出した。
【0009】本発明の課題は、従来のガス拡散電極にお
ける前記欠点を除去し、構造がコンパクトでガス室から
ガス拡散層に均一にガスを供給でき、ガス拡散電極の内
部で電流が十分に流れるような多数の給電路をもつ給電
体を有するもので、かつそこで反応層とガス供給層とを
容易に形成できるようなガス拡散電極の製造方法を提供
することにある。そして、それによりガス拡散電極への
給電の抵抗が極めて小さくでき、かつ強度が高く、簡単
に製造でき大型化が可能であり、しかも集電効率が良い
すぐれたガス拡散電極を製造することできるようにす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、酸素の陰極反応における電極過電圧を小さくする
には、ガス室からガス拡散電極のガス供給層にガスを供
給する際のガス供給の均一性およびガス拡散電極への電
流の負荷方法などとの関連においてガス拡散電極の構造
が極めて重要であることに着目し、それらの条件が同時
に達成できる構成を得るための方法を検討して、本発明
を完成した。本発明者は、先にガス拡散電極の裏側のガ
ス室に多孔体を充填することにより、ガス室内における
ガスの流れを分散せしめ、ガス拡散電極のガス供給層へ
のガスの供給が均一化させることにより、ガス拡散電極
の電流を増大する技術を開発した。そして、ガス室に充
填した多孔体はガス拡散電極を支える作用があるため、
ガス拡散電極の強度を大にすることができる。さらに、
この多孔体を金属のような導電体で構成する場合には前
記の網状給電体と接触させることにより、ガス拡散電極
の抵抗を著しく低くすることができ、そのガス拡散電極
の製造に際しては前記の金属多孔体を一緒に成形加工す
る技術も開発し、特許出願した。
【0011】そして、その一体成形においては、ガス供
給層原料などが前記導電性多孔体内に入り込みやすいと
いうことから、逆に導電性多孔体内にガス供給層などを
形成するようにして、導電性多孔体をガス拡散電極全体
の骨格として利用することを発想して、かつそのガス供
給層原料などをスラリー状にして充填すればよいことを
着想し、これを基礎として本発明に到達した。なお、イ
オン交換膜法の電解槽の陰極部に使用する本発明のガス
拡散電極においては、前記の導電性多孔体の一部がガス
室の一部を構成する場合を含むので、ガス拡散電極とい
ってもガス室の部分となるものも含めたものである場合
がある。
【0012】前記課題は、以下に示す本発明のガス拡散
電極の製造方法によって達成される。 (1)反応層及び/又はガス供給層を有するガス拡散電
極の製造方法において、給電体を形成する導電性多孔体
又はメッシュの空隙部に反応層及び/又はガス供給層形
成材料を充填及び/又は表面に塗布することにより反応
層及び/又はガス供給層を形成することを特徴とするガ
ス拡散電極の製造方法。 (2)前記反応層及び/又はガス供給層用原料粉末に界
面活性剤及び少なくとも1種の分散媒を添加してスラリ
ー状とした物を、前記導電性多孔体またはメッシュの空
隙部に充填及び/又は表面に塗布することを特徴とする
前記(1)に記載のガス拡散電極の製造方法。 (3)前記反応層及び/又はガス供給層用原料粉末に添
加する分散媒の少なくとも1種がテレピン油であること
を特徴とする前記(1)又は(2)に記載のガス拡散電
極の製造方法。 (4)導電性多孔体又はメッシュの空隙部にガス供給層
形成材料を充填してガス供給層を形成し、その上に反応
層形成材料を塗布して反応層を形成することを特徴とす
るガス拡散電極の製造方法。
【0013】本発明の要点は、反応層及び/又はガス供
給層を有し、その内部に給電体を有する構造のガス拡散
電極を、給電体となる導電性のもので、かつ機械的強度
のすぐれた多孔体又はメッシュを基体として用い、これ
の空隙部に反応層及び/又はガス供給層形成材料のスラ
リーを充填及び/又は塗布するという簡単な手段によっ
て製造するというものである。かつ、その充填及び/又
は塗布の手段の内容によって、ガス室部分となる部分を
備えた場合がある一体的なガス拡散電極を少ない工程で
製作することができるため、簡単な工程で作業性が良
く、かつ抵抗が少なく大型のガス拡散電極を連続的に製
造することができるものである。なお、導電性多孔体又
は導電性メッシュを基体とするとは、ガス拡散電極を製
造するための骨格構造体として導電性多孔体等を用いて
製造することを意味する。また、「導電性メッシュ」
は、導電性の網状体をいうものであるが、本発明者が先
に発明したガス拡散電極の関連で用いている給電体の
「薄い網状体」とは異なり、前記スラリーを充填できる
空隙部を有する厚みのある網状体を指すために、この明
細書では用語としてこの「導電性メッシュ」を用いるこ
とにする。前記多孔体及びメッシュをを合わせて「多孔
体等」という。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法によって製造で
きる本発明の電極の形式を例示すると、次のとおりであ
る。 a)本発明のガス拡散電極の横断面図を表す図1に示す
ように、導電性多孔体2を基体とし、その内部の一部に
ガス透過性で疎水性のガス供給層4が層状に形成され、
そのガス供給層4の上に、表面側に透水性で触媒を担持
している反応層3を設けてなり、前記ガス供給層4が設
けられていない下側の導電性多孔体2の露出部分6がガ
ス室を形成する部分となっている構造のものである。図
1では、ガス供給層4内及び反応層3の途中まで導電性
多孔体2があることを示すために、ガス供給層4及び反
応層3の左側の部分の充填物を取り除いて導電性多孔体
2が露出するようにした状態を示している。この導電性
多孔体2の充填物がある部分を前記の露出部分6との対
比において充填部分5として表す。また、反応層3内に
おける充填部分5が存在している部分の境界を示すため
に、図1には点線で示している。
【0015】b)同様な横断面図である図2に示すよう
に、導電性多孔体2を基体とし、該多孔体2の下側の薄
層状の露出部分6を残して、導電性多孔体2にはガス透
過性で疎水性のガス供給層4が形成され、露出した前記
薄層状の露出部分6の反対側となる表面側に透水性で触
媒を担持している反応層3を設けてなるもの。このタイ
プの陰極部では、ガス拡散電極1に別の導電性多孔体7
を組み合わせ、前記多孔体2の薄層状の露出部分6と他
の導電性多孔体7によりガス室を形成する。図2にも、
左側に充填部分5を示し、反応層3内における充填部分
5が存在している部分の境界を示すために、点線で示し
ている。 c)図3に示すように、導電性多孔体2を基体とし、該
多孔体2の上あるいは(その片面の一部)に、透水性で
触媒を担持している反応層3を形成してなるもの。勿
論、前記b)、c)に例示した多孔体を含むガス拡散電
極を陰極外枠にはめ込んで陰極部とした時、他の導電性
多孔体7を組み合わせることなく、ガス室に多孔体がな
い状態で使用することもできる。
【0016】本発明の導電性多孔体としては、金属多孔
体が好ましく、具体的には、例えばニッケルや銀の多孔
体等を挙げることができるが、ポリウレタンなどプラス
チックの連続発泡体にニッケルをメッキしたもの、ある
いはプラスチックの連続発泡体にニッケルをメッキした
後これを焼結してニッケル多孔体としたもの等であって
も良い。また、カーボン製多孔体あるいはこれにニッケ
ルをメッキしたものであっても良い。この導電性多孔体
は集電体として作用するものであり、従来の金属メッシ
ュの場合より電極物質との接触面積は大きい。本発明の
導電性多孔体に代えて金属メッシュを用いることができ
る。この金属メッシュの網状体の網目の大きさや網の線
の太さなどは、必要な導電性の大きさやスラリーを充填
できる条件によって設定される。また、以下において
は、導電性多孔体によって導電性多孔体及び導電性メッ
シュの全体を説明する場合がある。
【0017】導電性多孔体等の厚さは0.01から10
mmであることが好ましい。また、その多孔体中に設け
る前記a)、b)、c)に例示したガス供給層の設置態
様はガス供給層が導電性であるか非導電性かにより異な
り、ガス供給層が導電性である場合は、例えば、伝導性
多孔体はガス供給層を突き抜けて反応層に達していなく
ても良く、ガス供給層が非導電性である場合は導電性多
孔体はガス供給層を突き抜けて反応層に達していること
が好ましい。すなわち、この場合、ガス供給層の表面に
露出している導電性多孔体の上に反応層を設ける。ま
た、導電性多孔体が、反応層をも突き抜け反応層表面か
ら陰極液室に露出していても構わない。
【0018】前記a)に記載した図1に示す態様のガス
拡散電極の場合のように、導電性多孔体中に部分的にガ
ス供給層を設ける製造方法としては、導電性多孔体の一
部、例えば半分にガス供給層構成材料の粉末を入れ、残
りの部分に例えば炭酸カルシウムのような水に溶解性の
塩の粉末を入れ、プレスした後、炭酸カルシウムのよう
な塩を溶解除去し、撥水処理ガス室とする方法が挙げら
れる。この製造技術は導電性多孔体に設けたガス供給層
中に陰極液の通路を設けて液透過型のガス拡散電極とす
る場合にガス供給層中に設ける陰極液の通路の形成に利
用することができる。
【0019】図3に示すように導電性多孔体中にガス供
給層を設置せず、導電性多孔体自身を撥水処理してガス
室の部分とする場合もある。このような場合に反応層か
らの陰極液の洩れを防止する製造技術としては、導電性
多孔体の少なくとも一面(好ましくはガス供給面)の表
面に、擦り込み法により、分子量が3×105 から0.
5×104 までの低分子量フッ素樹脂を付着させる方法
が挙げられる。表面に低分子量フッ素樹脂を擦り込むた
めには、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の
シートを用いて前記樹脂の粉末を擦り込むことによって
達せられる。分子量が3×105 から0.5×104
でといった低分子量のフッ素樹脂としては、例えば、ダ
イキン工業(株)製のルブロンL−2なる商品名、ある
いはセントラル硝子(株)製のセフラル ルーブ1なる
商品名で販売されている低分子量の四フッ化エチレン樹
脂が挙げられる。図3の場合においては、反応層3が導
電性多孔体中に充填することにより形成される。
【0020】反応層の主要構成材料としては、白金など
の貴金属系からなる触媒、親水性カーボンの微粒子と撥
水性カーボン微粒子の混合物、少量のフッ素樹脂微粒子
とこれら微粒子を繋ぐ結着剤粒子である。ガス供給層の
主要構成材料としては、撥水性カーボン微粒子、フッ素
樹脂微粒子とこれら微粒子を繋ぐ結着剤粒子である。
【0021】導電性多孔体中にガス供給層を設ける方法
としては、前記主要構成材料である撥水性カーボン微粒
子、フッ素樹脂微粒子と結着剤粒子およびその他の粒子
を振動法によって多孔体中に入れ、加熱・焼結してガス
供給層を形成する方法や、撥水性カーボンブラックと水
と粉末状ポリテトラフルオロエチレンとを混合して分散
させた後、ろ過・乾燥し、テレピン油やソルベントナフ
サなどの分散媒の1種と界面活性剤(分散剤)を用いて
泥漿を作製し、次に導電性多孔体にこの泥漿を乾燥する
ことなく片面(あるいは両面)から充填し、乾燥前ある
いは乾燥後に該泥漿から必要により分散剤を除去し、乾
燥し、焼結する方法などが挙げられる。前記泥漿を作製
するのに使用する分散媒としてはテレピン油が好まし
い。なお、本発明の製造方法において、ガス供給層の設
置にあたり構成素材として撥水性カーボンブラックは用
いない場合もある。
【0022】本発明のガス拡散電極の製造において、導
電性多孔体中に電極物質を充填・成形した後、必要によ
り圧密化し、焼結して電極を形成する。カーボンブラッ
クを用いない場合、例えば銀微粒子とフッ素樹脂のみで
は、成形を常温成形で行う場合は、プレス圧は20〜6
0kg/cm2 でプレスし、焼結は200〜300℃で
行う。また成形を加熱プレスで行う場合プレス温度は1
50〜300℃、圧力は1〜5kg/cm2 で行うのが
好ましい。カーボンブラックを用いる場合は50kg/
cm2 、380℃、1分間プレスするのが望ましい。ガ
ス供給層用材料あるいは反応層用材料を泥漿とし、該泥
漿を導電性多孔体に塗り込みや圧入して電極層を充填・
成形した場合には、この成形段階で泥漿から分散のため
に使用した分散剤を洗浄・除去した後焼結して完成す
る。分散剤としては、通常界面活性剤が使用される。使
用する界面活性剤としては、ノニオン、アニオン、カチ
オンのいずれの界面活性剤でも、単独あるいは混合して
使用できるが、ノニオン界面活性剤が好ましい。また、
前記界面活性剤は電極を製造する際に使用する材料、例
えばポリテトラフルオロエチレンの懸濁水溶液中に含ま
れるもの等であっても良い。
【0023】前記本発明のガス拡散電極の反応層の製造
には、電極触媒作用を有する触媒と前記電極構成素材か
らの泥漿を導電性多孔体の孔に、乾燥しないように充填
する方法であるので、泥漿は導電性多孔体内に均一に充
填されて所要の厚さのガス拡散電極層を形成する。本発
明のガス拡散電極の反応層に混入する活性化触媒は、次
に挙げる工程によって製造することができる。 白金黒:カーボンブラックのような触媒担体表面に例
えば白金塩のような触媒塩を付着させ、不活性ガス雰囲
気中で加熱・水素還元などして、白金黒とするような工
程。 還元銀:親水性カーボンブラックのような触媒担体表
面に例えば硝酸銀のような触媒塩を付着させ、80℃で
粉体が乾燥し、150℃で加熱・水素還元しカーボンブ
ラックに付着した銀の微粒子とするような工程。本発明
のガス拡散電極の反応層やガス供給層の形成に使用する
ポリテトラフルオロエチレンディスパージョンは、例え
ば三井フロロケミカル(株)のテフロンディスパージョ
ン30Jなどが好ましい。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明の製造方法を具体的
に説明する、ただし本発明は、これらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0025】実施例1 疎水性カーボンブラック6部、PTFE4部からなるガ
ス供給層原料粉末50gに界面活性剤20%TRITO
N X−100の30mlを加え、スラリー状にし、5
0ppiのニッケル多孔体へ充填した。さらに、そのニ
ッケル多孔体の片面に、ニッケルの格子が露出しないよ
うに前記スラリーを塗布し、十分乾燥させた。銀触媒を
重量比で20%坦持した親水性カーボンブラック5部、
疎水性カーボンブラック2部、PTFE3部からなる反
応層原料粉末10gに界面活性剤20%TRITON
X−100の10mlとテレピン油5mlを加え、スラ
リー状にして、前記ニッケル多孔体の前記スラリーを塗
布した面上に上塗りした。界面活性剤を抽出装置で除去
し、乾燥後、350℃の温度、50kgf/cm2 の圧
力、60secの条件でホットプレスを行い、ガス拡散
電極を製造した。こうして作製した600×100mm
のガス拡散電極を酸素電極として電解槽に設置し、反応
ガスに純酸素ガスを用い、極間距離は2mmとして、食
塩電解試験を実施した。試験結果は、電流密度3.0K
A/m2 、電解温度90℃、苛性ソーダ濃度32wt%
での条件で、換算電圧2.05Vの結果が得られた。
【0026】
【発明の効果】本発明のガス拡散電極の製造方法によれ
ば、導電性が良く、抵抗の低い大型のガス拡散電極を能
率良く製造することができる。また、機械的強度の高い
導電性多孔体を基体として製造するので、製造工程での
ハンドリングが大変し易い。さらに、本発明のガス拡散
電極の製造方法によって、ガス室の部分となる部分を持
ったガス拡散電極を一体的に製造することができる。本
発明によって得られたガス拡散電極を陰極外枠内に充填
した陰極部、陽極および陽イオン交換膜からなる電解槽
を用いて、塩水を電解することにより低い電解電圧でか
つ電流効率良く電解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られるガス拡散電極の一例を示
す断面説明図である。
【図2】本発明により得られるガス拡散電極の別の一例
を示す断面説明図である。
【図3】本発明により得られるガス拡散電極の他の別の
一例を示す断面説明図である。
【図4】内部に網状給電体を有する従来のガス拡散電極
の断面説明図を示す。
【図5】内部及び表面に網状給電体を有する従来のガス
拡散電極の断面説明図を示す。
【符号の説明】
1 ガス拡散電極 2 導電性多孔体 3 反応層 4 ガス供給層 5 充填部分 6 露出部分 7 別の導電性多孔体 8 網状給電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古屋 長一 山梨県甲府市中村町2−14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応層及び/又はガス供給層を有するガ
    ス拡散電極の製造方法において、給電体を形成する導電
    性多孔体又はメッシュの空隙部に反応層及び/又はガス
    供給層形成材料を充填し及び/又は表面に塗布すること
    により反応層及び/又はガス供給層を形成することを特
    徴とするガス拡散電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記反応層及び/又はガス供給層用原料
    粉末に界面活性剤及び少なくとも1種の分散媒を添加し
    てスラリー状とした物を、前記導電性多孔体またはメッ
    シュの空隙部に充填及び/又は表面に塗布することを特
    徴とする請求項1に記載のガス拡散電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反応層及び/又はガス供給層用原料
    粉末に添加する分散媒の少なくとも1種がテレピン油で
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガ
    ス拡散電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 導電性多孔体又はメッシュの空隙部にガ
    ス供給層形成材料を充填してガス供給層を形成し、その
    上に反応層形成材料を塗布して反応層を形成することを
    特徴とするガス拡散電極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7316860B2 (en) 2001-03-07 2008-01-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Polymer electrolyte fuel cell and production method of the same

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