【発明の詳細な説明】
ビス−インドリルマレイミド類の合成
プロテインキナーゼC(PKC)に対するキナーゼ選択性とPKCイソ酵素選
択性の両方を持つ拮抗薬は、治療上、潜在的に有用な薬理物質である。Hartens
tein,J.H.ら「Perspectives in Medicinal Chemistry」99-118(1993)VC
H Publishers,ニューヨーク。プロテインキナーゼCの上記拮抗薬は、PKC
が関係付けられている疾患状態の処置に有用だろう。Lester,D.S.ら「Prote
in Kinase C:Currentconcepts and Future Perspectives」Ellis Horwoo
d,ニューヨーク(1992)。癌(Ahmedら,Mol.Pharma.,43,858-86(1993))、
アルツハイマーなどのCNS疾患(Demaerschalckら,Biochem.Biophys.Acta
.1181,214-218(1993))、心血管疾患(Natarajanら,Mol.Cell.Endo.,101,
59-66(1994))及び糖尿病合併症(Kingら,Proc.Natl.Acad.Sciences(U
SA)88:22,11059-63(1992))には、プロテインキナーゼCの特定のイソ酵素
が関係付けられている。
最近、一群の化合物(本明細書ではビス-インドリルマレイミド類という)が
、PKCの強力かつ効果的な阻害剤であると同定された。この種類の化合物は、
例えばDavisら,米国特許5,057,614(1991)、Barthら,欧州特許出願397 060(199
2)、Schultzら,PCT出願WO91/13070、Barthら,米国特許5,380,746、米国
特許出願番号08/163,060(欧州特許公開0 657 458)、米国特許出願番号08/324,94
8(PCT特許公開WO95/171,82)及び米国特許出願番号08/316,973(欧州特許公
開0 657 458)に記述されている。この種類の化合物は、一般に、下記の式Iで表
される。
[X、Y及びRは任意置換基を表す]
本発明は、式Iの化合物の新規製造法を提供する。より具体的には、本発明は
、
式IIのα-ケトインドリル酸:
[R1は水素、C1-C4アルキル又はベンジルを表し、R、X及びYは任意置換基
を表す]
を反応させて、式IIIの新規ビス-インドリルマレイン酸:
を製造する効率のよい方法を提供する。式IIIの化合物は、式Iのビス-インドリ
ルマレイミドに容易に変換される。
ケトンとアルデヒドを低原子価チタン試薬で処理すると還元的に二量化してオ
レフィンが生じることは、当該技術分野で知られており、J.E.McMurry,Che
m.Rev.89:1513-24(1989)に概説されている。この反応はJ.E.McMurryら,J.
Am.Chem.Soc.105:1660-61(1982)にも記述されており、この文献では、類似
の条件下におけるケトエステル環化が立証されている。しかし、本発明以前には
、低原子価チタンが式IIのα-ケトインドリル酸を効率よくカップリングするこ
とは知られていなかった。したがって、本明細書に記載の条件下に、効率のよい
方法で高収率に、式Iの化合物を製造することができる。
本発明は、ビス-インドリルマレイン酸又はそのエステルの製造法であって、
式
IIのインドリル酸:
[R1水素、C1-C4アルキル又はベンジルを表し、R、X及びYは任意置換基を
表す]
を低原子価チタン試薬の存在下に反応させて、式IIIのビス-インドリルマレイン
酸又はそのエステル:
を形成させることからなる方法を提供する。
さらに本発明は、上記ビス-インドリルマレイン酸をビス-インドリルマレイミ
ドに変換する方法であって、式IIIの酸化合物を加水分解(hydrolize)して式IV
の無水物:
を形成させ、その無水物(IV)を式Iのビス-インドリルマレイミドに変換するこ
とからなる方法をも提供する。
本明細書で本発明の開示、請求に用いる用語は、次のように定義される。
本明細書で用いる用語「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。
用語「C1-C4アルキル」は、1〜4炭素原子を持つシクロ、直鎖又は分枝鎖
アルキル基を表し、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロ
プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチルなどである。ハロアル
キルとは、1以上のハロ原子(好ましくは1〜3個のハロ原子)で置換された上
記アルキルをいう。ハロアルキルの一例はトリフルオロメチルである。C1-C4
アルコキシとは、-O-結合によって共有結合したC1-C4アルキル基をいう。
用語「アリール」は、置換又は非置換フェニル若しくは置換又は非置換ナフチ
ルを表す。アリールは、ヒドロキシ、カルボキシ、C1-C4アルコキシ、Cl-C4
アルキル、ハロアルキル、ニトロ、-NR4R5、-NHCO(C1-C4アルキル)、-
NHCO(ベンジル)、-NHCO(フェニル)、SH、S(C1-C4アルキル)、-O
CO(C1-C4アルキル)、ーSO2(NR4R5)、-SO2(C1-C4アルキル)、-SO2
(フェニル)又はハロから独立に選択される1又は2個の基で置換されていてもよ
い。アリールオキシとは、-O-結合によって共有結合した上記アリールをいう。
(CH2)mアリールという用語は、ベンジル又はフェニルであることが好ましい。
「------」という表記は、任意結合を示す。即ち、XとYは互いに結合してい
てもよい。
(X)、(Y)及びRは、薬理的に活性なビスーインドリルマレイミド上で許
容できると当該分野で認められる任意置換基である。例えば、参考文献として本
明細書の一部を構成する米国特許5,057,614では、(X)と(Y)は独立に水素
、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル
、ハロアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルア
ミノアルキル、トリアルキルアミノアルキル、アミノアルキルアミノアルキル、
アジドアルキル、アシルアミノアルキル、アシルチオアルキル、アルキルスルホ
ニルアミノアルキル、アリールスルホニルアミノアルキル、メルカプトアルキル
、アルキルチオアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニル
アル
キル、アルキルスルホニルオキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル
、シアノアルキル、アミジノアルキル、イソチオシアナートアルキル、グルコピ
ラノシル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボ
ニルアルキル、ヒドロキシアルキルチオアルキル、メルカプトアルキルチオアル
キル、アリールチオアルキル又はカルボキシアルキルチオアルキルを表す。また
、Rは水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、
ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキ
ルアミノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルである
。これらの位置について当該分野で容認される他の置換基は、参考文献として本
明細書の一部を構成する米国特許5,380,746に認めることができる。
好ましい態様として、米国特許出願番号08/316,973(欧州特許0 657 458とし
て公開)に開示されているように、XとYを互いに結合させる。最も好ましくは
、XとYは一体となって下記式Iaの6〜9原子大員環を形成する。
[Zは-O-、-S-、-NR3-、-CONH-又は-NHCO-を表す。
Rは独立に水素、ハロ、C1-C4アルキル、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシ、
ハロアルキル、ニトロ、NR4R5又は.NHCO(C1-C4アルキル)を表す。
R2は水素、C1-C4アルキル、-(CH2)nC1-C4アルコキシ、(CH2)nアリー
ル、(CH2)nアリールオキシ、-(CH2)nヒドロキシ、-(CH2)nカルボキシ、-(
CH2)nCOO(C1-C4アルキル)、-(CH2)COO((CH2)nアリール)、-(CH2
)nCO(C1-C4アルキル)、-(CH2)nNR4R5、-(CH2)NH(CF3)、-(CH2
)N(CF3)(CH3)、(CH2)n(NR4R5)(OR4)、-(CH2)nNH(CH2)nアリ
ール、-(CH2)nNH(CH2)nピリジル、-(CH2)nCONH((CH2)m
アリール)、-(CH2)nCONH(C1-C4アルキル)、-(CH2)nNHCO(C1-C4
アルキル)、-(CH2)nNHCO(CH2)nアリール、-(CH2)nOCONH(C1-C4
アルキル)、-(CH2)nOCONH(CH2)nアリール、-(CH2)nNHCOO(ア
ルキル)、-(CH2)nNHCOO(ベンジル)、-(CH2)nNHSO2(C1-C4アル
キル)、-(CH2)nNHSO2(CH2)mアリール、-(CH2)nCN、-(CH2)nSH
、-(CH2)nS(C1-C4アルキル)、-(CH2)nS(アリール)、-(CH2)nSO2(N
R4R5)、-(CH2)nSO2(C1-C4アルキル)又は-(CH2)nSO(C1-C4アルキ
ル)を表す。
R3は水素、(CH2)nアリール又はC1-C4アルキルを表す。
R4とR5は独立に水素、メチル、フェニル、ベンジルを表すか、若しくはそれ
らが結合している窒素と一体となって飽和又は不飽和の5又は6員環を形成する
。
nは独立に1、2又は3を表す。]
最も好ましい式Iaの化合物は、Rが水素、R2が-CH2NR4R5、nが1、R4
とR5がメチルを表すものである。
式Iaの化合物は米国特許出願番号08/316,973(欧州特許0 657 458として公開
)に開示されている。
上述のように、本発明は、ビス-インドリルマレイン酸の製造法であって、式I
Iのインドリル酸:
[R1は水素、C1-C4アルキル又はベンジルを表し、R、X及びYは任意置換基
を表す]
を低原子価チタン試薬の存在下に反応させて、式IIIのビス-インドリルマレイン
酸:
を形成させることからなる方法を提供する。
さらに本発明は、上記ビス-インドリルマレイン酸をビス-インドリルマレイミ
ドに変換する方法であって、式IIIの化合物を加水分解して式IVの無水物:
を形成させ、その無水物(IV)を式Iのビス-インドリルマレイミドに変換する
ことからなる方法をも提供する。
式IIのビス-インドリル酸の製造は、次のように行われる。
反応式1において、R1、R、X及びYは既に定義した通りである。R1はC1-
C4アルキルであることが好ましい。式IIのインドリル酸の形成は、当該分野で
知られる条件下で行われ、G.W.Gibble ら,J.Org.Chem.57:3636-42(1992)
、M.Giua
ら,Chim.Ital.54,593(1924)、M.E.Speeder ら,J.Am.Chem.Soc.76:620
8(1954)及びA.G.Gudmundsonら,J.Org.Chem.23:1171(1958)に記述され
ている。
好ましくは、THFやエーテルなどの不活性溶媒中、−30℃〜周囲温度で、約
2〜12等量の塩化オキサリルを滴下しながら、式Vの化合物を反応させて、3-イ
ンドリルグリオキシリルクロリドを形成させる。反応はメタノールでクエンチす
る。酸の添加によって生成物を沈殿させ、それを集めて再懸濁し、塩基を加えて
中和することによって、式IIの化合物を得る。
次に、反応式2に従って、式IIの化合物を新しい方法で反応させる。
反応式2は、式IIの化合物と低原子価チタン試薬の反応による式IIIの化合物
の生成を表している。この反応は、当業者に知られる1以上の不活性溶媒中で行
われる。例えば、この反応は次に挙げる溶媒の1以上の中で行なうことができる
:エーテル、THF、塩化メチレン、DMF、DME又はピリジン。この溶媒は
、DME、塩化メチレン及びTHFであることが好ましい。
反応式2の反応は、1モルの化合物IIにつき約2〜約40等量の低原子価チタン
試薬を用いて行われる。好ましくは、この反応を、1モルの化合物IIにつき約2
〜20等量の低原子価チタン試薬を用いて行なう。この反応は、−20℃からその反
応混合物の還流温度までにわたる温度で行なうことができる。好ましくは、この
反応を0℃〜還流温度で行なう。この反応は一般に、約10分〜約48時間で完了す
る。
低原子価チタン試薬とは、そのTi(O)、Ti(I)、Ti(II)酸化状態にあるチタ
ン又は
これら酸化状態の混合状態にあるチタンをいう。この試薬は、TiCl3又はTiC
l4を、チタンをそのTi(O)、Ti(I)、Ti(II)酸化状態又はこれら酸化状態の混
合状態に還元しうる第2の還元剤と反応させることによって、系中(in situ)
で調製される。したがって、条件にあう第2還元剤としては、LiAlH4、Li、
Zn-Cu、Znなどが挙げられる。好ましい還元剤としては、ZnとZn-Cuが挙げ
られる。TiCl3の添加後に添加するのであれば、Zn-Feも使用できる。好まし
い還元剤はZnとZn-Cuである。必要な還元剤の量は、選択した還元剤と反応条
件とに依存する。一般的には、1mmolのTiCl3につき15mg〜1500mgの還元剤(
好ましくは1モルのTiCl3につき75mg〜500mgの還元剤)で行いうる。
表1は、種々の還元剤による反応を表す。
表1では、全ての反応を室温で行なった。反応1、2、3、6及び7はDME中
で行なった。反応4と5は、DME中の25%CH2Cl2中で行なった。反応4と
5では、DME/CH2Cl2(4:1)中の化合物IIを、攪拌したTiCl3とZnのス
ラリーに10時間かけて加えた。反応6と7では、TiCl3、化合物II及びZnをD
MEに懸濁し、攪拌した。表1は、使用する還元剤が本発明にとって決定的な問
題ではないことを証明している。当業者は、添加順序や反応時間などの反応パラ
メーターを変え
てみることによって、チタンをその低原子価酸化状態に還元できる還元剤ならど
れでも使用できることを理解するだろう。
意外なことに、本明細書に記述するこの新規反応が、第2還元剤を加えなくて
も進行することがわかった。つまり、反応式2の反応は、2〜500等量のTiCl3
を用いれば、Zn、Zn-Cu及びZn-Feのような第2還元剤を加えなくとも、Ti
Cl3で行なうことができる。この反応は、不活性溶媒中、−40℃からその反応混
合物の還流温度までにわたる温度で行われる。最も好ましくは、−30℃〜室温で
2〜10等量のTiCl3を用いてこの反応を行なう。3-インドリルーαケトエステル
の3-インドリル酢酸エステルへの過還元をさらに最小に抑えるには、この反応を
第2還元剤の不在下に行なうことが好ましい。
新規中間体(III)は、クロマトグラフィー、トリチュレーション、結晶化、
ろ過又はそれらの組み合わせ、若しくは当該技術分野で知られる他の技術を含む
標準的な技術で単離、精製できる。
式IIIの化合物は、反応式3に従って、式Iのビス-インドリルマレイミドに容
易に変換される。
上記反応式において、R1、R、X及びYは既に定義した通りである。式IIIの
化合物は、強い酸性又は塩基性条件下に加水分解されて、式IVの無水物を形成す
る。
式IIIの化合物を加水分解して無水物を得るのに必要な条件は、エステルの加水
分解について当該分野で認識されている。好ましくは、水性溶媒中の塩基(水酸
化ナトリウムなど)と、それに続く酸性の後処理条件を用いて、無水物を形成さ
せる。
式IVの無水物は、P.D.Davis ら,Tetrahedron Lett.31:5201-04(1990)と
米国特許5,057,614に記載の当該分野で知られる技術によって、式Iのビス-イン
ドリルマレイミドに変換される。例えば、上記無水物を、極性非プロトン性溶媒
(DMFなど)中、室温で、過剰のヘキサメチルジシラザン又はアンモニウム塩
(酢酸アンモニウム、臭化アンモニウム又は塩化アンモニウム)及びC1-C4ア
ルコール(好ましくはメタノール)と反応させる。好ましくは、ヘキサメチルジ
シラザン又はアンモニウム塩を、無水物の約5:1等量より大きい比率で反応させ
る。
既に述べたように、ケトンとアルデヒドが低原子価チタン試薬の存在下に還元
的二量化を受けてオレフィンを生じる反応は、当該分野で知られており、J.E.
McMurryら,Chem.Rev.89:1513-24(1989)に概説されている。しかし、本発
明以前には、低原子価チタンが式IIのα-ケトインドリル酸を高収率で効率よく
カップリングすることは知られていなかった。この反応は、本明細書に記述する
条件下に、化学選択的(chemoselective)に進行する。この反応の化学選択性は
、類似の条件下でケトエステル環化がシクロアルカノンを形成することを立証し
ているJ.E.McMurryら,J.Am.Chem.Soc.105:1660.61(1982)を考慮すると
、極めて意外である。さらに、XとYが互いに結合していて、5原子以下からな
る場合を除いて、3-インドリル-αケトエステルの3-インドリル酢酸エステルへ
の過還元は観測されない。
したがって、本発明方法は、式Iの化合物を製造する際に有用である。式Iの
化合物はPKC阻害剤であり、PKCが関係する疾患の治療、具体的には真性糖
尿病、より具体的には糖尿病合併症の治療に有効である。式Iの化合物の投与量
は、哺乳動物内のPKC活性を阻害できる量である。本発明に従って投与される
化合物の特定の投与量は、もちろん、その症例を取り巻く特定の状況(投与され
る化合物、投与経路、処置される特定の状態などの考慮を含む)によって決定さ
れるだろう。
以下の実施例と製造例は、本発明をさらに例示するために記載するにすぎない
。本発明の範囲が以下の実施例のみからなるとは解されない。以下の実施例と製
造例では、融点、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル、シリカゲル高圧液体
クロマトグラフィー、N,N-ジメチルホルムアミド、チャコール上のパラジウム
、テトラヒドロフラン及び酢酸エチルを、それぞれ、M.Pt.、NMR、MS、
HPLC、DMF、Pd/C、THF及びEtOAcと略記する。「NMR」及び「
MS」という用語は、そのスペクトルが所望の構造と合致したことを示す。
製造例11-6 ビスインドールヘキサン
還流冷却器を装着した乾燥三口フラスコに、NaH(2.70g,68mmol,油中60%分
散液)を入れ、それをヘキサンで洗浄して油を除いた。次に、洗浄したNaHを
DMF(40mL)に懸濁し、0℃で激しく攪拌した。この懸濁液に、DMF(40m
L)中のインドール(5.3g,45mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で1時間
攪拌した後、DMF(40mL)中の1,6-ジブロミドヘキサン(3.5mL,22.5mmol)
を30分間かけて滴下した。次に、この混合物を室温に温め、終夜攪拌した。過剰
のNaHを過剰のMeOHを添加することによって破壊した。次に、その混合物を
エーテル(250mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗
浄し
た後、MgSO4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得、それを短いシリカカラム(ヘ
キサン中の5%酢酸エチルで溶出)に通して、純粋な1-6-ビスインドールヘキサ
ン(6.84g,96%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3)δ7.66(d,J=10Hz,2H,C-2インドール),7.56-7.03
(m,6H,インドール),6.50(d,2H,C-3インドール),4.06(t,J=7HZ,4H,N
CH2(CH2)4-CH2N),1.90-1.73(m,4H,NCH2CH2(CH2)2CH2CH2
N),1.36-1.26(m,4H,N(CH2)CH2CH2(CH2)2N)
製造例21,6 ビス(3-メチルグリオキセートインドール)ヘキサン
0℃のTHF(65mL)中の1,6-ビス(3-メチルグリオキセートインドール)
ヘキサン(2.00g,6.31mmol)の攪拌溶液に、塩化オキサリル(1.4mL,15.79mmol
)を5分間かけて滴下した。次に、得られた溶液を3時間攪拌したところ、反応
混合物のTLCが出発物質の消費を示した。中間体モノメトキシル化出発物質が
最終生成物に変換したことを確かめるには、反応混合物の一部をMeOHでクエ
ンチし、TLC(ヘキサン中の25%酢酸エチル)で分析する必要があった。その
混合物をHClでpH3に酸性化したところ、生成物のHCl塩が沈殿した。これ
らの沈殿物をろ過し、ヘキサンで洗浄した。次に、これらの洗浄した沈殿物をT
HFに懸濁し、pHが〜7になるまで1M NaOHを加えたところ、その懸濁液
が透明になった。得られた溶液を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、MgSO4
で乾燥し、減圧下に濃縮して粗生成物を得、それを短いシリカカラム(ヘキサン
中の50%酢酸エチルで溶出)に通して精製することにより、純粋な1,6.ビス(3-
メチルグリオキセートインドール)ヘキサン(3.12g,80%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3)δ8.50-8.43(m,2H,C-7インドール),7.40-7.30(m,6
H,イン
ドール),4.16(t,J=7HZ,4H,NCH2(CH2)4CH2N),3.96(s,6H,CO
OCH3),1.96-1.83(m,4H,NCH2CH2(CH2)2CH2N),1.43-1.30(m,4H,
N(CH2)2CH2CH2(CH2)2N)
製造例31-7. ビスインドールヘプタン
磁気攪拌子の入った乾燥250mL丸底フラスコに、NaHの60%分散液(油中,4.
02g,100.60mmol)を入れた。次に、乾燥ヘキサン(〜10mL)を用いて過剰の油
を洗浄した後、乾燥DMF(150mL)を加えた。得られたスラリーを氷槽で0℃に
冷却した後、DMF(50mL)中のインドール(9.06g,77.42mmol)を滴下した。
その反応混合物を室温に温め、1時間攪拌した。この混合物に1-7ジブロモヘプ
タン(10g,38.71mmol)を5分間かけて加えた。得られた混合物をさらに24時間
攪拌した後、水(〜20mL)を滴下し、エーテル(50mL×3)で抽出した。合わ
せた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下に濃縮し
て粗生成物を得た。この粗生成物を短いシリカゲルカラム(ヘキサン中の10%酢
酸エチルで溶出)に通すことによって浄化して、純粋な1,7.ビスインドールヘプ
タン(11.5g,90%)を得た。MS。1H NMR(CDCl3,250MHz)δ7.83(d
,J=7.50Hz,2H,Ar),7.52.7.14(m,8H,Ar),6.68(d,J=5.00Hz,2H,A
r),4.18(t,J=6.87Hz,4H,NCH2(CH2)5CH2N),2.00-1.82(m,4H,
NCH2CH2(CH2)3CH2-CH2N),1.44-1.33(m,4H,N(CH2)2CH2CH2
CH2(CH2)2N),1.18-1.00(m,2H,N(CH2)3CH2(CH2)3N)。
製造例41,7- ビス(3-メチルグリオキセートインドール)ヘプタン
THF(65mL)中のビスインドールヘプタン(2g,6.31mmol)の攪拌溶液に、
0℃で塩化オキサリル(1.4mL,15.79mmol)を5分間かけて滴下した。その混合
物を0℃で3時間攪拌したところ、TLCが出発物質の完全な消費を示した。次
に、その反応をMeOH(766μL,18.93mmol)でクエンチし、さらに1時間攪拌
した。この混合物を0.2N HCl水溶液でpH1に酸性化したところ、生成物が溶
液から沈殿した。これらの沈殿物をろ過し、水で洗浄してHClを完全に除去し
た後、風乾して、純粋な生成物(3.12g,80%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3,250MHz)δ8.48-8.39(m,2H,Ar),8.32(s,2H,Ar
),7.36-7.27(m,6H,Ar),4.10(t,J=8.25Hz,4H,NCH2(CH2)5CH2N
),3.92(s,6H,COO-CH3),1.93-1.78(m,4H,NCH2CH2(CH2)3CH2
CH2N),1.38-1.22(m,6H,NCH2CH2(CH2)3CH2CH3N
製造例5ビスインドール-トリチルエーテル
0℃の乾燥DMF(100mL)中のNaH(6.08g,0.15mol,60%分散液)のスラ
リーを攪拌し、それに、DMF(200mL)中のインドール(8.92g,0.07mol)の
溶液を、カニューレを通して5分間かけて加えた。得られた混合物を室温で1時
間攪拌し
た時点で、CH2Cl2(200mL)中のビスメシレート(10.40g,0.02mol)の溶液
を、カニューレを通して10分間かけて加えた。次に、この混合物を終夜撹拌した
時点で、TLC分析が出発物質の完全な消費を示した。その反応を飽和NH4Cl
水溶液(100mL)でクエンチした後、エーテル(500mL)で希釈した。その有機
層を分離し、水層をさらにエーテル(100mL×3)で抽出した。次に、合わせた
有機層をブライン(100mL)で1回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下
に濃縮して粗生成物を得、それをHPLCで精製して、純粋なビスインドール(
10.02g,85%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3)δ7.72-6.92(m,23H,Ar),6.56(d,J=4.9Hz,1H,
Ar),6.48(d,J=4.9Hz,1H,Ar),6.31(d,J=4.9Hz,1H,Ar),4.36-4.2
6(m,2H,NCH2CH2-O),3.98-3.76(m,3H,NCH2CH2CHとNCH2CH2
O),3.63-3.33(m,1H,NCH2CH2O),3.16-3.03(m、3H,OCHCH2OTrとO
CHCH2OTr),2.03.1.89(m,2H,CH2CH2CH(CH2-)O)
製造例6ビス(3-メチルグリオキサレート-インドール)-トリチルエーテル
0℃の乾燥THF(5mL)中のビスインドール(70mg,0.11mmol)の攪拌溶液
に、TEA(100μL,0.70mmol)を加えた後、(COCl)2(30μL,0.35mmol)
を加えた。得られた混合物を4時間攪拌した時点で、TLC分析(1:1酢酸エチ
ル/ヘキサン)が出発物質の完全な消費を示した。次に、その反応をMeOH(5
mL)でクエンチした。得られた混合物を室温で終夜攪拌した後、減圧下で濃縮
した。その残渣を酢酸エチル(10mL)に再溶解し、水(5mL)で洗浄した後、
ブライン(5mL)で洗浄した。次に、その有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し
、減圧下に濃縮して粗
生成物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィーで浄化して、純粋な生成物(
21mg,30%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3)δ8.53(s,1H,Ar),8.49-8.36(m,2H,Ar),8.15(s,1H,A
r),749-7.06(m,20H,Ar),7.00-6.93(m,1H,Ar),4.36.4.26(m,2H,NCH2
H2O),4.16-3.76(m,9H,COOCH3,COOCH3,NCH2H2CH,NCH2
CH2O),3.69-3.56(m,1H,NCH2CH2O),3.16-3.00(m,3H,OCH(CH2O
Tr)CH2,OCH(CH2OTr)CH2,2.06-1.93(m,2H,CHCH2CH2N)
製造例7ビスインドールアルコール
室温のCH2Cl2(50mL)とMeOH(50mL)中のビスインドール(6.82g,0.01mol
)の攪拌溶液に、濃HClを数滴加えた。得られた溶液(赤紫色に変化)を、TL
C分析(ヘキサン中の50%酢酸エチル)が出発物質の完全な消費を示すまで攪拌
した。飽和NaHCO3水溶液の添加によって反応をクエンチした後、減圧下に濃
縮して油状残渣を得、それを酢酸エチル(100mL)に溶解し、水(50mL×3)
とブライン(50mL)で洗浄した。次に、その有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過
し、濃縮して粗ビスインドールアルコールを得、それを短いシリカパット(ヘキ
サン中の10%酢酸エチルから酢酸エチルへ)に通して純粋なアルコール(3.50,8
7%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3)δ7.73.7.56(m,2H,Ar),7.46-7.00(m,7H,Ar),6.
61(d,J=4.9Hz,1H,Ar),6.58(d,J=4.9Hz,1H,Ar),6.38(d,J=4.9Hz
,1H,Ar),4.63(t,J=7.4Hz,2H,NCH2H2O),4.09-3.08(m、3H,NCH3
CH2CHとNCH2CH2O),3.74-3.66(m,1H,NCH2CH2O),3.54-3.44
(m,1H,OCH(CH2OH)CH2),3.37-3.24
(m,1H,OCH(CH2OH)CH2),3,13-3.03(m,1H,OCH(CH2OH)CH2
),2.06-1.86(m,2H,NCH2CH2CH)。
製造例8ビスインドール-ジメチルアミン
0℃のCH2Cl2(20mL)中のアルコール(1g,2.87mmol)の攪拌溶液に、ピ
リジン(2mL)を加えた後、固形メタンスルホン酸無水物(650mg,3.73mmol)
を加えた。得られた混合物を30分間かけてゆっくりと室温に温めた時点で、TL
C分析(ヘキサン中の50%酢酸エチル)が、出発物質の消費を伴う、より極性の
低い新しい生成物の形成を示した。さらに30分の後、出発物質が完全に消費され
たことが、TLC分析によって示された。飽和NH4Cl水溶液の添加によって反
応を停止した後、その有機層を分離した。得られた有機層をCH2Cl2(5mL×
3)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮し
て粗生成物を得、それを短いシリカパットに通すことによって精製し、きれいな
ビスインドールメチルスルホン(968mg,79%)を得た。
密閉フラスコ中、40%ジメチルアミン水溶液(10mL)中のビスインドールメ
チルスルホネート(968mg,2.27mmol)の攪拌懸濁液を、50℃に16時間加熱した。
次に、その反応混合物を真空下に濃縮して油状残渣を得、それをCH2Cl2(25m
L)に溶解した。その溶液を水(10mL×2)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ
過し、減圧下に濃縮して粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチルを最初の溶出液とし、その後CH2Cl2中の10%メタノールを使
用)で精製して、きれいなビスインドールジメチルアミン(773mg,90%)を得た
。MS。1
H NMR(CDCl3)δ7.66.7.55(m,2H,Ar),7.40-7.33(m,1H,Ar),7.2
6-7.03(m,6H,Ar),7.22(d,J=4.9Hz,1H,Ar),6.51(d,J=4.9Hz,1H,Ar
),6.38(d,J=4.9Hz,
1H,Ar),4.34-4.26(m、2H,NCH2CH2O),3.90-3.80(m,3H,NCH2CH2
CHとNCH2CH2O),3.73-3.63(m,1H,nCH2CH2O),3.58-3.49(m,1
H,OCHCH2),2.76(s,3H,NCH3),2.68(s,3H,NCH3),2.40.2.33(m
,2H,CHCH2N(CH3)),2.09-1.83(m,2H,NCH2CH2CH)。
製造例9ビス(3-メチルグリオキサレート-インドール)-ジメチルアミン
0℃のTHF(25ml)中のビスインドールジメチルアミン(1.37g,3.69mmol)
の攪拌溶液に、(COCl)2(1.6mL,18.45mmol)を3分間かけて加えた。得られ
た溶液を0℃で4時間攪拌した時点で、TLC分析(CHCl3中の30%MeOH
)が出発物質の完全な消費を示した。その反応をMeOH(25mL)の添加によっ
てクエンチし、得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した。その反応液を減圧下
に濃縮乾固した。その残渣をMeOH(5mL)と水(20mL)に再溶解し、その
溶液のpHを0.02N NaOHの添加によって8に調節した。得られた混合物をC
H2Cl2(20mL×4)ですばやく抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し
、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、純粋な生成物(3.17g,86%)
を得た。MS。1
H NMR(CDCl3)δ8.54(s,1H,インドールC-2),8.49-8.40(m,2H,A
r),8.28(s,1H,インドールC-2),7.46ー7.26(m,4H,Ar),7.20(t,J=7.5
Hz,1H,Ar),7.09(d,J=9.9Hz,1H,Ar),4.43-4.36(m,2H,NCH2CH2
O),4.16-3.99(m,3H,NCH2CH2CHとNCH2CH2O),3.96(s,3H,OO
CH3),3.92(s,3H,OOCH3),3.69-3.23(m,1H,OCH(CH2-)CH2)。
製造例10ビスインドール-tert-ブチルジフェニルシリルエーテル
CH2Cl2(10mL)中の攪拌アルコール溶液(500mg,1.43mmol)に、固形イミ
ダゾール(195mg,2.86mmol)を加えた後、CH2Cl2(2mL)中のTPSCl(5
10mg,1.85mmol)を加えた。得られた溶液を終夜攪拌した後、イミダゾール塩酸
塩をろ別した。そのろ液をエーテル(20mL)で希釈し、水(20mL×2)とブライン
(10mL)で洗浄した。得られた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃
縮して粗生成物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、純粋な
シリルエーテル(789mg,94%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3)δ7.76-6.93(m,19H,Ar),6.51(d,4.9Hz,1H,Ar)
,6.43(d,4.9Hz,1H,Ar),6.29(d,4.9Hz,1H,Ar),4.26-4.20(m,2H,NC
H2CH2O),3.97-3.69(m,3H,NCH2CH2CHとNCH2CH2O),3.56-3.
41(m,3H,NCH2CH2OとCH2OTPS),3.03-2.93(m,1H,OCH(CH2-
)CH2),2.09-1.94(m,1H,NCH2CH2CH),1.89-1.76(m,1H,NCH2C
H2CH),0.96(s,9H,OSiC(CH3)3)。
製造例11ビス(3-メチルグリオキサレートーインドール)-tert-ブチルジフェニルシリル エーテル
THF(20mL)中のTPSエーテル(621mg,1.05mmol)の攪拌溶液に、TE
A(1.5mL,10.5mmol)を加えた後、(COCl)2(275mL,3.15mmol)を〜2分間
かけて加えた。得られた混合物を0℃で4時間攪拌した時点で、TLC分析(1:
1酢酸エチル/ヘキサン)が出発物質の完全な消費を示した。MeOH(10mL)の
添加によって反応をクエンチし、得られた混合物を室温で終夜攪拌した。その反
応混合物を濃縮乾固し、その残渣を酢酸エチル(20mL)に再溶解した。その溶
液を水(10mL×3)とブライン(10mL)で洗浄した。得られた有機層をMgS
O4で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮して粗生成物を得、それをクロマトグラフ
ィーで精製して、きれいな生成物(527mg,66%)を得た。MS。1
HNMR(CDCl3)δ8.50(s,1H,インドールCー2),8.48-8.38(m,2H,Ar
),8.20(s,1H,インドールCー2),7.56ー7.44(m,4H,Ar),7.43-7.24(m,10H
,Ar),7.11(t,7.5Hz,1H,Ar),6.96(d,J=9.9Hz,1H,Ar),4.31-4.24(
m,2H,NCH2CH2O),4.06-3.08(m,9H,COOCH3COOH3,NCH2CH2
CH及びNCH2CH2O),3.60-1.88(m,2H,NCH2CH),0.96(s,9H,O
SiC(CH3)3)。
実施例1大環状ジエステル
DME(15mL)中のZnーCu対(Zn.Cu couple)(60mg)の攪拌したスラリ
ーに、TiCl3(400mL,0.4mmol,2:1CH2/Cl2:THF中の1M溶液)を加えた
。得られた混合物を10分間攪拌した後、DME(10mL)中のジケトン(53mg,0.
1mmol)を添加した。その混合物を室温で1時間攪拌したところ、反応混合物のtl
c分析が出発物質の完全な消費を示した。その混合物をさらに1時間攪拌した後
、NaHCO3水溶液(2mL)と EDTA水溶液でその混合物をクエンチした。
次に、
その混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(10mL
×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、減圧下に濃縮して粗生
成物(物質収支48mg)を得、それを、ヘキサン中の10%酢酸エチルを用いるカラ
ムクロマトグラフィーで精製して、純粋な生成物(21.8mg,48%)を得た。MS
。1
H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.56-7.50(m,2H,C-7インドール),7.36-7.33
(m,6H,インドール),6.70(s,2H,C-3インドール),4.03-3.96(m,4H,NCH2(C
H2)4CH2N),3.86(s,6H,COOH3),1.90-1.80(m,4H,NCH2CH2(CH2
)2CH2N),1.03-0.96(m,4H,N(CH2)2CH2CH2(CH2)2N)。IRvmax1
716α-β不飽和COOMe str.
実施例2大環状無水物
ジオキサン(10mL)と MeOH(10mL)中のビスメチルエステル
(105mg,0.22mmol)の攪拌溶液に、5N NaOH水溶液(4mL)を加えた。その
反応混合物を50℃で終夜攪拌した後、濃HClでpH1に酸性化した。次に、得ら
れた混合物を酢酸エチル(10mL×4)で抽出した。合わせた有機層(濃赤色)
をMgSO4で乾燥し、減圧下に濃縮して粗無水物を得た。その粗無水物を短いシ
リカカラム(酢酸エチルで溶出)に通すことによって浄化して、純粋な大環状無
水物(66mg,73%)を得た。MS。1
H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.01-8.00(m,2H,Ar),7.38-7.25(m,8H
,Ar),4.12-4.08(m,4H,NCH2(CH2)4CH2N),1.95-1.92(m,4H,NCH2
CH2(CH2)2CH2ーCH2N),1.19-1.18(m,N(CH2)2CH2CH2(CH2)2
N)。
実施例3大環状マレイミド
乾燥DMF(15mL)中の大環状無水物(66mg,0.16mmol)の攪拌溶液に、ヘキ
サメチルジシラザン(340mL,1.60mmol)を加えた後、MeOH(32mL,0.8mmol
)を加えた。得られた反応混合物を50℃で48時間攪拌すると、反応混合物のtlc
(ヘキサン中の25%酢酸エチル)分析が出発物質の完全な消費を示した。次に、
その反応混合物を減圧下に濃縮し、その残渣をEtOAc(20mL)に再溶解し、
それを水(10mL)とブライン(10mL)で1回洗浄した。得られた有機層をMg
SO4で乾燥した後、減圧下に濃縮して粗大環状マレイミドを得、それを短いシ
リカゲルカラム(酢酸エチルで溶出)に通すことによって浄化して、純粋なマレ
イミド(47mg,73%)を得た。MS。NMR。1
H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.00-7.97(m,2H,Ar),7.35.7.10(m,8H
,Ar),4.13-3.96(m,4H,NCH2(CH2)4CH2N),2.00-1.86(m,2H,NCH2
CH2(CH2)2CH2-CH2N),1.23-1.06(m,2H,N(CH2)2CH2CH2(CH2
)2N)。
実施例4大環状ジエステル
DME(10mL)中のZn-Cu対(103mg,1.59mmol)の攪拌したスラリーに、CH2C
l2
とTHF(2:1)中のTiCl3の1M溶液(790μL,0.79mmol)を加えた。得られ
た暗色溶液を10分間攪拌した時点で、それに、DME(10mL)中の1,7-ビス(3ー
メチルグリオキセートインドール)ヘプタン(100mg,0.19mmol)を一度に加え
た。次に、この反応混合物を室温で終夜攪拌した。水(2mL)の添加によって
反応を停止した後、酢酸エチル(20mL)で希釈した。得られた混合物に、飽和
K2CO3水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL×4)で抽出した。その抽
出物を水(10mL×2)とブライン(10mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した
。次に、この乾燥有機層を減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン中の10%酢酸エチル、次いでヘキサン中の25%酢酸エチルで溶
出させる)で精製して、純粋な7炭素結合大員環(38mg,43%)を得た。1
H NMR(CDCl3,250MHz)δ7.61ー7.53(m,2H,Ar),7.32-7.02(m,6H
,Ar),6.75(s,2H,Ar),3.95-3.88(m,4H,NCH2(CH2)5CH2N),3.82(s,6
H,COOCH3),1.88ー1.72(m,4H,NCH2CH2(CH2)3CH2CH2N),1.60
-1.44(m,6H,NCH2CH2(CH2)3CH2ーCH2N)。
実施例5大員環化-トリチルエーテル
−30℃の乾燥DME(5mL)中のジケトン(100mg,0.13mmol)の攪拌溶液に
、TiCl3の1M THF/CH2Cl2(2:1)溶液(500μL,0.50mmol)を一度に加
えた。得られた反応混合物を自然に室温まで温まらせた時点(〜2時間)で、T
LC分析が出発物質の完全な消費と、より極性の低い新しい生成物を示した。N
aHCO3水溶液(2mL)で反応をクエンチした後、EtOAc(5mL×3)で抽
出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(5mL)で1回洗浄し、MgSO4で乾
燥し、ろ過し、減圧下に
濃縮して粗生成物を得、それをクロマトグラフィーで浄化して、きれいな大員環
(<1mg)を得た。FD-MS:C47H42N2O6に関する計算値:730.8,実測値:
730.7。
実施例6大員環化-ジメチルアミン
−30℃の乾燥DME(5mL)中のジケトン(100mg,0.18mmol)の攪拌溶液に
、TiCl3の1M THF/CH2Cl2(2:1)溶液(750μL,0.75mmol)を一度に加
えた。得られた反応混合物を自然に室温まで温まらせた時点(〜2時間)で、T
LC分析が出発物質の完全な消費と、より極性の低い新しい生成物を示した。N
aHCO3水溶液(2mL)で反応をクエンチした後、EtOAc(5mL×3)で抽
出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(5mL)で1回洗浄し、MgSO4で乾
燥し、ろ過し、減圧下に濃縮して粗生成物を得、それをクロマトグラフィーで浄
化して、きれいな大員環(23mg,24%)を得た。MS1
H NMR(CDCl3)δ7.67-6.93(m,8H,Ar),6.78(s,1H,インドールC-
3),6.49(s,1H,インドールC-3),4.34.3.43(m,12H,COOCH3,COOC
H3及びNCH2-CH2OCHCH2CH2N),2.36-1.96(m,10H,NCH2CH2
CH及びCH2N(CH3)2)。
実施例7大員環化-tert-ブチルジフェニルシリルエーテル
−30℃の乾燥DME(5mL)中のジケトン(100mg,0.13mmol)の攪拌溶液に
、TiCl3の1M THF/CH2Cl2(2:1)溶液(500μL,0.50mmol)を一度に加
えた。得られた反応混合物を自然に室温まで温まらせた時点(〜2時間)で、T
LC分析が出発物質の完全な消費と、より極性の低い新しい生成物を示した。N
aHCO3水溶液(2mL)で反応をクエンチした後、EtOAc(5mL×3)で抽
出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(5mL)で1回洗浄し、MgSO4で乾
燥し、ろ過し、減圧下に濃縮して粗生成物を得、それをクロマトグラフィーで浄
化して、きれいな大員環(37mg,40%)を得た。MS1
H NMR(CDCl3)δ7.66-7.07(m,18H,Ar),6.69(s,1H,インドールC
-2),6.36(s,1H,インドールC-2),4.03-3.36(m,14H,NCH2CH2OCH(
CH2OTPS)ーCH2CH2N),COOCH3,COOCH3),3.09-3.00(m,1H,
NCH2CH2CH),1.91-1.80(m,1H,NCH2CH2CH),0.96(s,9H,OSi
C(CH3)3)。
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Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
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ンディアナポリス、ゲーブル・レイン・コ
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