JPH11502491A - 係留バンドを備えたピルファープルーフ蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複数の切断容易な橋部（１３ｂ，１３ｃ）と、少なくとも１個の広幅の切断困難な橋部（１３ａ）によって裾部（１６）の自由端に連結された略円筒状のピルファープルーフバンド（１１）を備えた蓋（１０）。バンド（１１）は、蓋が容器に装着されたときに容器（２９）の外部保持フランジ（３０）に係合する分割された内部リブ（１８）を有する。Ｌ字状溝穴（１７）がバンド（１１）の側壁に設けられ、水平区間（６１）が切断困難な橋部（１３ａ）に直に隣接して又はその下側で終端する。バンドの弱く切断容易な部位（６３）は、水平区間（６１）の終端（６２）から軸方向下方に向かってバンド（１１）の下部にわたって設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 係留バンドを備えたピルファープルーフ蓋 発明の分野 この発明は、外面にネジが形成された首部を有する容器のためのプラスチック 蓋に関し、特に、ピルファープルーフ（開封を明示する）係留バンドを備えた蓋 に関する。この蓋が容器から外されたとき、ピルファープルーフバンドは断裂さ れるが、依然としてその蓋につながれたままとなるものである。発明の背景 飲料、食料品などの製造業者は、商品の最終的な消費者によって開封される前 に食料品店に陳列した生産物が未開封であることを保証することに関心を持って いる。この目的のため、従来より、購入前に開封されたか否かを示す手段を商品 の蓋に設けることが行われている。外面にネジが刻まれた首部を有する容器の場 合では、その容器の首部に形成された保持フランジの下側に係合するピルファー プルーフバンドを蓋に設けるのが一般的である。このピルファープルーフバンド は、多数の切断容易な橋部を介して蓋の一部である裾部に連結されている。この 蓋の容器への装着時にはバンドが保持フランジに強制的にかぶせられる。しかし 、蓋が容器から緩められる場合には、蓋が容器の首部から上方に移動すると、バ ンドは保持フランジの下側に保持されているので、橋部が切断されることとなる 。したがって、蓋を外すことにより開封されたことが明らかとなる。 このようなピルファープルーフバンドは広く受け入れられている一方、相反す る要求間の微妙なバランスが求められる。まず、橋部の不慮の破損又はバンドの 破損変形を招くことなく、高速でプラスチック蓋をモールドから取り出して容器 に装着しなければならない。一方、蓋が容器に完全に装着された後には、ピルフ ァープルーフバンドが容器の保持フランジの下側に強固に固定されていなければ ならず、またこのような強固な固定に対するビン業者の要求は厳格になってきて いる。さらに、蓋は橋部が切断されなければ容器から外れないように、橋部を十 分に切れ易くしておく必要がある。 また、ピルファープルーフバンドに関する問題として、権限のない者が容器の 中身を汚損したり取り替えたりするために、バンドや切断容易な橋部を破損する ことなく蓋とピルファープルーフバンドを外し、そして蓋を再び装着し得るとい う問題がある。このような作業では、ナイフの刃のような薄い器具をピルファー プルーフバンドと蓋が装着された容器の首部との間に割り込ませる。そして、バ ンドを容器の保持フランジから離脱させるように、ナイフの刃をバンドの拡径さ せる梃子として作用させる。このとき、保持フランジの上のバンドを次第に緩め るべく、ナイフの刃をバンドの円周に沿って動かす。このような開封を防ぐ手段 が必要である。 また、飲料用ボトルその他の容器をリサイクルすること又は洗浄して再封入す ることが世界的に要求されてきている。しかし、蓋の主要部が容器から外された とき、多くの種類の蓋ではバンドが容器に残ったままとなる。蓋が緩められると 、切断容易な橋部が切断され、分離したバンドは容器の首部に落ちる。このバン ドは、リサイクルまたは再使用の工程が実行される前に、容器の首部から取り除 いておかなければならない。そこで、係留ピルファープルーフバンドが開発され ており、これは切断容易な橋部を有するとともに、蓋が容器から完全に外された ときにバンドを蓋の残りの部分につないでおく保持手段を有している。ある例で は、１又はそれ以上の垂直溝穴をピルファープルーフバンドの側壁に設け、そし てこの垂直溝穴は広幅の橋部に隣接するようにし、これによってピルファープル ーフバンドが側壁に沿って軸方向に完全に分断されて、バンドが部分的に分離し つつも蓋と共に外れるようになっている。他の例では、例えば米国特許５，２４ ６，１２５（Julian）に開示されているように、ピルファープルーフバンドの側 壁にＬ字状溝穴が設けられ、このバンドは切り離されるようなことはなく、むし ろＬ字状溝穴の水平区間の上側の実質的な軸変形によって、蓋が係留バンドとと もに容器から取り除かれるようにしたものである。また、米国特許５，２１５， ２０４（Beck等）はピルファープルーフバンドのＬ字状の溝穴を示し、このバン ドは切り離されることなく、Ｌ字状溝穴の水平区間より上のバンド接続部の周面 が変形させられて、蓋の他の部分を外したときバンドは容器に残るが、接続部が バン ドと蓋とに連結したままとなっているものである。米国特許３，９０４，０６２ （Grussen）、４，５５７，３９３（Boik）、４，８０５，７９２（Lecinski） などの他の特許もバンドの構成にＬ字状溝穴を設けるものであって、これらのバ ンドも切り離されるものではない。Ｌ字状溝穴はピルファープルーフバンドの上 側に設けられ、また多数の橋部の列が設けられ、蓋の他の部分が外されたとき接 続部を介してピルファープルーフバンドが容器に保持されるものである。ピルフ ァープルーフ蓋は上述した相反する要求を満たすものでなければならず、さらに モールドから蓋を取り除くときおよびビンへ装着するときにバンドの側壁が切り 離されないようにする必要もある。また、蓋が容器から外されるときまでバンド が切り離されないようにする必要がある。一般に、従来技術の溝穴の構成は複雑 なデザイン配置を含み、容器への装着のとき又は蓋が容器から最初に外されると きに早期にかつ不慮にバンドや橋部が裂けてしまうデザインや、容器から蓋を外 すために過剰な力を要するデザインを含むものであった。 要するに、係留バンドを有するピルファープルーフ蓋は、モールドから容易に 取り除くことができ、バンドや橋部を破損することなく容器に容易に装着でき、 容器のフランジに強固に固定することができ、過剰な力を要せずに容器から外れ 、開封が完全に明示され、そして蓋が容器から外されたときにバンドが係留して いるようにするために常に同一箇所で切り離されなければならない。また、上述 した種類の蓋は世界中でますます多く使用されるようになっているが、商業的に 受け入れられるためには、蓋は自動機械により高速で生産可能でなければならな い。このことは、蓋及び／又はピルファープルーフ係留バンドの機能性との対立 を生み出すこともある。 本発明による配置は、ピルファープルーフ係留バンドを有する蓋の他の優れた 形状を公衆に提供するものである。発明の概要 本発明の最も広い範囲は、外面にネジを有する首部を有する容器のための蓋に 係るものであり、この蓋は、頂部と、これに連なり、対応するネジを内表面に有 する裾部と、複数の橋部によって裾部の自由端に連結されたピルファープルーフ バンドを有する。さらに、バンドは、略円筒状の本体部と、容器の首部のネジの 下側から外方に延設された保持フランジに係合する縁となる、本体部から内方に 突出された分割されたリブとを有する。このリブは蓋の頂部に向いた上部と、頂 部と略逆を向いた下部とからなる。大多数の橋部は切断容易であるが、蓋が容器 から緩められた後にピルファープルーフバンドを蓋本体に係留されるようにする ため、１個の橋部は円周方向に長く（広幅に）なっており切断困難である。そし て、Ｌ字状溝穴はピルファープルーフバンドの側壁を径方向に通じるように設け られている。このＬ字状溝穴は、ピルファープルーフバンドの上部から、円周方 向に広幅の橋部の端部付近まで至る垂直区間を有している。Ｌ字状溝穴の水平区 間は大きい橋部に向かって延設され、この広幅の橋部の端部の下側又は直に隣接 して終端する。ピルファープルーフバンドの側壁はＬ字状溝穴の水平区間の下側 まで延び、そして水平区間の終端の下側に位置し且つ水平区間から蓋の下部にわ たる径方向の厚さが薄い部位を有している。蓋が容器から緩められたとき、切断 容易な橋が断裂し、また水平区間の下側のバンド側壁の径方向に薄い部位もその 上部から下部にかけて力が集中するためその特定の位置のみにおいて容易に断裂 する。蓋は、切断困難な広幅の橋部によって蓋本体に係留されたバンドとともに 、容器から低いトルクをもって外される。また、蓋がモールドから取り出される とき及び容器に装着されるとき、ピルファープルーフバンドの側壁は水平区間の 下部において周方向に断裂することなく弾力的に拡張し、これによってそれらの 作業を容易にする。 本発明の他の一面は、リブ分割部の間隙の下方およびリブ分割部の下面の中央 下において交互に配置された突起を備えたリブ分割部に係るものである。なお、 後者の突起は分割部の下面に隣接している。このような内方突起は、１９９４年 ２月３日に発行された国際公開番号ＷＯ９４／０２３７１にも示されている。し かし、本発明のリブ分割部は、Ｌ字状溝穴の両側には設けられておらず、上述し た交互に設けられた突起も同様である。したがって、ピルファープルーフバンド の側壁はＬ字状溝穴の隣接部において容易に弾力的に拡張し、容器への蓋の装着 をバンドや切断容易な橋部の破損をもたらすことなく容易に行うことができる。 バンドの残りの周面には、リブ分割部と、交互に設けられた突起が形成されてい る。これら突起は好ましくはリブに近づくにつれて内方に且つ径方向に傾斜して いるとよい。ただし、リブ分割部よりはバンドの本体部の内表面から径方向に突 出しないようにする。交互に設けられた突起は、薄いナイフなどをバンドの下側 縁から挿入して、切断容易な橋部を断裂することなく容器からバンドを外すよう な開封を困難にする。 さらに、本発明の一面は、外部突起又は部分的な肉厚領域が設けられたピルフ ァープルーフバンドの本体部の外面に係るものであり、これによって、本体部の 軸方向の硬度が高められる一方、容器の保持フランジに対する装着が強制された ときに拡径できる。このような外部突起は、１９９４年２月３日に発行された国 際公開番号ＷＯ９４／０２３７１にも示されているが、本発明では、この肉厚な 部分領域はＬ字状溝穴から約９０°離れた位置には設けられていない。バンドが 容器に装着されるとき、Ｌ字状溝穴の両側におけるリブ分割部の欠落は、ピルフ ァープルーフバンドの９０°離れた位置に径方向外方へのより強い圧力を生じさ せる。これらの位置における肉厚な部分領域の欠落は、蓋の弾力的な拡張性を高 め、Ｌ字状溝穴の下側においてバンドに過剰な圧力がかかるのを回避する。 本発明の他の特徴や利益は、後述の説明、図面、請求の範囲により明らかとな るであろう。図面の簡単な説明 図１は、本発明の係留バンドを備えたプラスチック製のピルファープルーフ蓋 の側面図である。 図２は、図１に外部が示された蓋の内部を示す直径上の断面図である。 図３は、図１に示した蓋の一部拡大図である。 図４は、図１に示した蓋の図２におけるIV−IV線断面図である。 図５は、図１に示した蓋の図２におけるＶ−Ｖ線断面図である。 図６は、図１に示した蓋の図２におけるVI−VI線断面図である。 図７は、図１に示した蓋の図２におけるVII−VII線断面図である。 図８は、図１に示した蓋の図６におけるVIII−VIII線断面図である。 図９は、図１に示した蓋の図６におけるIX−IX線断面図である。 図１０は、図１に示した蓋をその垂直軸を中心として９０°回転させたときの 側面図である。 図１１は、図１の蓋の一部拡大断面図であって、蓋が容器に螺合されるときの 容器の首部と蓋との関係を示す図である。 図１２は、図１１の蓋の一部断面図であって、容器の首部に封止係合した蓋を 示す図である。 図１３は、本発明の蓋を射出成形するのに使用されるモールドの一部を、リブ の成形部分の拡大とともに示す垂直断面図である。 図１４は、図１に示した蓋の側面図であって、ピルファープルーフバンドがほ とんど分離されているが、依然として蓋の他の部分に係留されている状態を示す 図である。実施例の詳細な説明 本発明は多様な形で実施できるものであるが、本発明の好ましい実施例を図面 に示し、詳細に説明する。しかし、本説明は発明を記載された特定の実施例に限 定することを意図するものではない。 図１のように、プラスチック製のピルファープルーフ蓋１０は、ピルファープ ルーフ係留バンド１１を備え、このバンド１１は橋部１３を介して蓋１０のキャ ップ部１４につながれた略筒状の本体部１２を有している。キャップ部１４、橋 部１３およびピルファープルーフバンド１１は、ポリエチレン又はポリプロピレ ンのような適切な材料から射出成型により一体成型してもよい。１個の橋部１３ ａは切断しにくく、他の橋部１３ｂ，１３ｃは切断容易なものとなっている。キ ャップ部１４は円形の頂部１５とこれに連なる裾部１６を備えている。裾部１６ の内側にはネジが形成されていて、一般的にガラス又はＰＥＴなどのプラスチッ ク素材から作られ、外面にネジが形成された首部を有する容器に装着できるよう になっている。 ピルファープルーフバンド１１の略円筒状の本体部１２は、図３に拡大して示 すようなバンド１１の壁を径方向に完全に貫通するＬ字状溝穴１７を有する。溝 穴１７は、垂直部又は区間６０と、水平部又は区間６１からなる。水平区間６０ の下側はバンド１１の本体部１２の一部７３であり、水平区間６１の終端部６２ の下側にはその一部７３のうち径方向に薄くなっている部位６３が設けられてい る。水平区間６１の終端部６２は、蓋を容器から緩めるときに溝穴の他の部分を 先導するような向きとなっている。例として、２８ｍｍ飲料用蓋として知られて いるものにおいては、図２に示す溝穴１７の底部から橋部１３の下部高さまでの 垂直寸法はおよそ４．５ｍｍ、図２に示す溝穴１７の終端部６２から反対側の端 部までの水平寸法はおよそ３ｍｍ、部位７３の径方向の厚さはバンドの自由端か らおよそ０．４ｍｍ以上、図２に示す部位７３の垂直寸法はおよそ１．４ｍｍで ある。 バンド１１の本体部１２をキャップ部１４につなげている橋部１３は、蓋の外 周に沿った円周方向長さはすべてが等しくなっているわけではない。図２のよう に、広幅の切断困難な橋部１３ａは他の橋部よりもかなり円周方向長さが大きく なっており、たとえば橋部１３ａは蓋の外周の約３２°を占めている。図２およ び図３のように、Ｌ字状溝穴１７の水平区間６１の終端部６２と部位７３の径方 向に薄くなっている部位６３は橋部１３ａの下側に位置している。終端部６２が 橋部１３ａの下側まで延びていないのであれば、橋部１３ａに直に隣接して配置 すべきである。また、終端部６２は橋部１３ａの一部の範囲、例えば橋部１３ａ の円周方向長さの１／３程度にまで延びていればよい。 短めの橋部１３ｂは、橋部１３ａに対して溝穴１７から外周の反対側に位置し ている。切断容易な橋部１３ｂは橋部１３ａよりも円周方向長さがかなり短くな っており、例えば円周方向長さが約０．８１ｍｍとされる。図５に示すように、 同じ円周方向長さを有する他の３個の切断容易な橋部１３ｂが、蓋の円周上のそ の他の位置に配置されている。４個の橋部１３ｂは、蓋がモールドから取り除か れるときや容器に装着されるとき、より弱い橋部１３ｃが切れるのを防止する。 さらい短い円周方向長さ（例えば、０．５１ｍｍ）を有する１６個の切断容易な 他の橋部１３ｃが略等間隔をもって蓋の残りの部位に設けられている。橋部１３ ａ，１３ｂ，１３ｃは裾部やバンドよりも径方向にかなり薄くなっており、橋部 の内面はそれぞれ裾部とバンドの内面と径方向に同一面となっている。しかし、 切断困難な橋部１３ａは切断容易な橋部１３ｂ，１３ｃよりも径方向に厚くなっ ており、また、断裂を防止するため径方向に厚くした端部（図４参照）を有して いてもよい。橋部１３ａは蓋が容器から外された後も、蓋の使用者によっても切 れないようにすることが望ましく、これによって使用者が分離したバンドをリサ イクル又は再使用が予定されている空の容器の中に落としたり残したりすること がない。これ以外の場合には、橋部１３ａに関する「切断困難な」という用語は 、蓋を容器から外したときにも橋部１３ａが裂けないことを意味するものとする 。橋部１３ｂ（例えば、０．３ｍｍ）は、橋部１３ａ（例えば、厚くなっている 端部を除いて０．５ｍｍ）よりも径方向に薄くなっており、そして橋部１３ｃ（ 例えば、０．２４ｍｍ）よりも厚くなっている。 螺合された蓋１０が容器から外されたとき、切断容易な橋部１３ｂ，１３ｃが 切れる。Ｌ字状溝穴１７は、本体部１２の径方向に薄い部位６３と広幅の切断困 難な橋部１３ａと関連し合って、溝穴１７の下部と蓋１０の下端との間の部位６ ３でのみバンド１１の本体部１２が裂けるように作用する。取り外し過程におい て、広幅の橋部１３ａとその下方からバンドの自由端にわたるバンドの壁は、軸 方向にあまり変形しない。図１４に示すように、ピルファープルーフバンド１１ は橋部１３ａにおいてキャップ部１４に係留されたままとなるが、他の部分はキ ャップ部１４から分離する。また、図３に示す溝穴１７の垂直区間６０と水平区 間６１のそれぞれに隣接する領域６４，６５は、半円部６６も含めて、バンド１ １の本体部１２の側から溝穴に向かって径方向の厚さが次第に薄くなっている。 これにより、蓋１０を容器から外したとき、本体部１２は確実に部位６３におい てのみ断裂する。同一位置の断裂を確実にすることによって、蓋１０は常に同一 の低トルクをもって容器から外すことができる。 一方、蓋１０の容器２９に対する装着手段として、容器２９（図１１および図 １２に示されている部分）は、容器２９のネジ溝３１の直下に設けられた連続し た略環状をなす保持フランジ３０を備え、これが径方向外方を向いた縁を形成し ている。また、バンド１１は、一旦蓋１０で容器２９を完全に閉じると容器２９ の保持フランジ３０の下側に係合する内縁として、サイズや形状が適切に選定さ れた内表面側のリブ１８を有している。 リブ１８は、図２、図５および図６に示すように、短い区切れ２０によって分 離された一連のリブ分割部１９から構成されており、このリブ分割部１９は略等 間隔で分離されており（Ｌ字状溝穴１７の領域を除く）、バンドの円周の大部分 を構成していて、概してそれらは共同して連続しているように作用する。区切れ ２０は、周面の柔軟性をバンドに与え、リブ１８は切断容易な橋部を破損する程 の圧迫を受けることなく保持フランジ３０を乗り越えることができる。図２にお いてわかるように、蓋１０がモールドから取り除かれるとき及び蓋１０が容器２ ９に螺合されるときに周面部位６７，６８に周方向への高い伸張性を付与するた めに、リブ分割部１９は溝穴１７をはさんで互いに反対側となる側面には設けら れていない。 図８および図９のように、リブ１８は頂部１５に向いた上面２１と、その逆方 向を向いた下面２２を有している。上面２１は外側に位置する径方向に沿った円 錐台面２３と、その内側に位置する環状面２４とを含んでいる。環状面２４は蓋 １０の縦軸に対して垂直をなす平面となっており、一方円錐台面２３は内方に向 かって頂部１５から下方に傾斜しており、蓋の縦軸に対する垂直面に対して約２ ０°の角度となっている。外側の円錐台面２３と内側の環状面２４はそれぞれリ ブ１８の上面の径方向の幅の１／２となっている。使用時には、蓋１０が装着さ れる容器２９の首部のフランジ３０にこの環状面２４が係合する。円錐台面２３ の存在は、蓋１０の成形においてリブ１８の変形を防止したり又はこれを少なく とも実質的に抑制するのに役立つ。また、それはリブ１８の強度も保証し、蓋１ ０が容器２９に螺合されてリブ１８が保持フランジ３０を乗り越えることを強制 されたときの歪みの発生を防止する。リブ１８は十分な強度を有しているため、 容器２９への装着時に付加される力に耐え得るとともに、キャップ部１４の通常 の取り外し又は容器２９の開封によって切断容易な橋部１３ｂ，１３ｃが断裂す ることなくキャップ部１４が外れてしまうような事態を防止する。なお、環状面 ２４がリブ1８の上面２１の全幅にわたって設けられていないことは、なんら不 利益な効果をもたらすものではない。 リブ２８の下側であってバンド１１の本体部１２の内面には、特に図２、図８ および図９に示すように内方に突出した複数の突起２５，２８が配置され、それ ぞれ蓋１０の縦軸に一致した長軸を有している。突起２５，２８は径方向内方に 向かって内面から突出し、容器２９への蓋１０の装着時に保持フランジ３０に接 触し、容器が閉じられると容器２９の首部の外表面に接近して配置される。一つ おきに内方に向かって突出する突起２８は、実質的に連続するリブ１８に対して 区切れ２０の下方に離間しており、リブ１８とはつながれていない。内方に向か って突出する残りの突起２５はその一端がリブ部１９の中央につながっている。 また、蓋１０がモールドから取り除かれるとき及び蓋１０が容器２９に螺合され るときに周面領域６７，６８に周方向への高い伸張性を付与するために、突起２ ５，２８は溝穴１７を挟んで互いに反対側となる側面には設けられていない。 各リブ分割部１９の径方向内側の自由端は、突起２５，２８の最内周範囲を超 えて内方に突出している。そして、蓋１０を容器２９の装着時に自己支持可能な ように、またバンド１１が保持フランジ３０を乗り越えることがないように十分 な強度を有していなければならない。 突起２５，２８は、リブ１８を持ち上げて容器２９のフランジ３０を乗り越え させようとして、人がバンド１１の本体部１２にナイフの刃のような器具を径方 向内側に挿入したり、この器具をこのバンド１１に沿って円周方向に次第に動か せないようにする。 バンド１１の外面に沿って、多数の補強部または肉厚部２６が設けられている 。各肉厚部２６はリブ１８の位置付近の部位からバンド１１の自由端の部位まで 伸びている。肉厚部２６は内側に突出した突起２５，２８とともにバンド１１を 補強し、水平および径方向の柔軟性を確保しつつバンド１１の垂直方向の強度を 高める。また、これによって蓋１０の自由端に対して、その生産に使用されるモ ールドのコア部から蓋１０を無事取り出すために必要な軸方向の力を付加するこ とができる。 肉厚部２６の外面は、それ以外の蓋１０の径範囲よりも径方向外側に位置する 実質的な平面ランド２７となっており、このランドによって機械で把持すること が可能であり、また必ずしも裾部に接触することなく接触することができる。図 ５、図６、図７および図１０に示すように、補強部又は肉厚部２６はＬ字状溝穴 の下側の広幅の部位７３には設けられておらず、また蓋の周面の直径上において 対向する２カ所の位置７１，７２においても欠落している。これら位置７１，７ ２はそれぞれ溝穴１７に対して１／４周分ずれている。補強されていない位置７ １，７２は、蓋１０が容器２９に螺合させられるときに、円周方向への高い伸張 性を有する部位となる。 図１１および図１２のように、蓋１０には周知の形状を有する封止部が設けら れている。ここで示すように、封止部はキャップ部１４の頂部１５の下側から延 設された同心円状の環状リブ３２を有している。環状封止リブ３２は、頂部１５ から裾部１６に略平行となるように下方に延びた第１の部位又は基礎部３３を有 するとともに、容器２９の首部との係合前においては裾部１６から離れるように 内方に向かって次第にすぼまっている第２の部位３４とを有している。第２の部 位３４はその端部に環状の尾根部が設けられている。 リブ３２の第２の部位３４は、蓋１０が容器２９に螺合させられると、容器２ ９の端部３５に接触し、第１の部位３３の表面に向かって上方に折り畳まれる。 このように、蓋１０と容器２９との間に、容器２９の側壁３６から容器２９の端 部まで至る連続した気密シールが形成される。 蓋１０が容器２９の首部に螺合されるにつれ、封止リブ３２の第２の部位３４ は頂部１５に向かって折り曲げられるように変形される。変形が継続され、図１ ２に示すように、第２の部位３４、その尾根部８０および頂部１５の内面に設け られた内周側の環状尾根部３７とが接触させられる。 第２の部位３４が頂部１５に一旦接触すると、蓋１０のさらなる装着移動によ って、頂部１５と容器の端部３５の間の第２の部位３４の接触部分が圧着され保 持される。蓋１０の装着移動が続くにつれ、容器２９と頂部１５との間の尾根部 ３２の自由端を挟み込んでいき、封止リブ３２の第１の部位３３を容器端部３５ の方へ強く「引き込み」、環状面３５の最端部から側壁３６に至る容器２９の湾 曲した縁面が適切に封止される。 蓋１０が容器２９の首部に螺合されると、ネジ３１が裾部１６の内面のネジ３ ９に係合する。蓋１０が容器２９の首部に対して下方に移動するにつれて、切断 容易な橋部１３，１３ｃによって容器２９の保持フランジ３０上でリブ１８が拡 径できるような環状の脆弱ゾーンが形成されることとなる。 この実施例では、切断容易な各橋部１３ｂ，１３ｃの軸が傾き、側断面から見 て各橋部１３ｂ，１３ｃの上端側がその下端側に対して左に傾く。したがって、 橋部１３ｂ，１３ｃは、蓋１０が容器２９に時計方向に螺合させられると撓曲す ることとなる。なお、リブ１８がフランジ３０の上で拡径したとき、裾部１６の 下端４２とバンド１１の上端４１は、橋部１３ｂ，１３ｃが介在しつつもお互い に向かって曲がることができる空間を有している。これはバンド１１を安定させ て、装着時の橋部１３ｂ，１３ｃの破損の可能性を低減する。蓋が外されるとき は、橋部１３ｂ，１３ｃは直線状となり、橋部１３ｂ，１３ｃを切断する力を集 中させる。 上述したフランジ３０上でのリブ１８の拡径時には（蓋１０がモールドから取 り除かれるときも同様に）、部位６７，６８，６９，７０，７３は、特に広幅の 部位７３において本体部１２の壁部を周方向に伸張させる。これら部位における 伸張は、容器２９への蓋１０の装着時に切断容易な橋部１３ｂ，１３ｃの破損を 防止する。 一旦リブ２８がフランジ３０を乗り越えてその下側に係合すると、切断容易な 橋部１３はその形成方向に復帰する（図１２）。そして、蓋１０が容器２９の首 部から緩められるとき、リブ１８はバンド１１をフランジ３０の下側に引き留め る。蓋１０がさらに緩められると、橋部１３ｂ，１３ｃは直線状となり、これは 各橋部１３ｂ，１３ｃのバンド１１と裾部１６とに対する接続部において橋部１ ３ｂ，１３ｃを切断する力を集中させる。 図２で最もよく理解できるように、裾部１６の内側に設けられたネジは、ネジ の軌跡に沿って離隔された列をなす複数のネジ分割部５１から構成されている。 各ネジ分割部は、第１の分割部５２を除いて、その端部は平面となっている。各 平面は、頂部１５の逆を向くように蓋１０の縦軸に対して傾斜している。 第１のネジ分割部５２は、その後尾側の端部は平面５３とされているが、しか し、その先入側の端部は、蓋１０のネジが容器２９の首部のネジに螺合し易いよ うに先細り５４とされている。 ネジ分割部５１は、ネジの各周ごとに複数の空間をおいて整列されている。そ して、裾部１６の内面であって隣接するネジ分割部５１の間の直線状に整列され た各空間には、溝４３が形成されている。この溝４３は、蓋１０が緩められると きに炭酸飲料の容器からのガスを抜くのに役立つ。ネジ分割部の間の整列された 溝は、リブ分割部の間の溝に合わせて整列してもよい。 各リブ分割部１９の端面は、上述したネジ分割部と同様に角度がつけられてい る。これは、蓋１０をモールドから取り出すときにリブ分割部１９の端部が傷つ く可能性を低減する。また、ネジとリブ分割部の平面端部は、蓋の軸から各分割 部の端部を放射状に結んだ観念上の平面に対して、観念上の各平面と裾部とが形 成する角度よりも少ない角度となるように端部が蓋の裾部に対して傾斜されてい る。 蓋１０は、裾部１６の内面、ネジ分割部５１および溝４３、その他のものを形 作るモールドコアで成形される。平面５３を備えたネジ分割部５１を成形するこ とにより、先細り５４と同様の先細り端部を備えたネジ分割部を成形する場合と 比較して、モールドから取り出されるときにネジ分割部５１の損傷を顕著に低減 する。 図１３は、リブ分割部１９を成形するのに使用されるモールドの一部４４を示 す。モールドは、リブ分割部１９の所望する傾斜の断面形状に対応する凹み４５ を有し、この凹み４５は外側の第１の表面４７と内側の第２の表面とに分割され る。この第１の表面４７はモールドの軸と直角な平面に対して２０°の角度で傾 斜している。第２の表面４８はモールドの軸と垂直な平面となっている。 当業者であれば、本発明の範囲や本質から離れることなく実施例に示された発 明を様々な変形や修正を加えることができるであろう。一例として、ピルファー プルーフバンドが蓋に保持されたまま２つの係留バンド部に分割されるように、 第２のＬ字状溝穴を第１のＬ字状溝穴から略直径方向へ横切った反対側に位置さ せてもよい。すなわち、この実施例は、すべての点において本発明を説明するた めのものであって限定のためのものではない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＧ，Ｂ Ｒ，ＣＡ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＨＵ ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＵ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ， ＲＯ，ＲＵ，ＳＥ，ＳＧ，ＵＡ (72)発明者 タンスィー，チャールズ エム オーストラリア国 2222 ニューサウスウ ェルズ ペンシャースト レイコック ロ ード 29

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．外面にネジが形成された首部を有する容器のための蓋であって、 頂部と； 前記頂部に連なり、ネジを内表面に有する裾部と； 複数の切断容易な橋部および少なくとも１個の切断困難な橋部によって前記裾 部の自由端に連結されたピルファープルーフバンドとを具備し、 前記切断困難な橋部は、前記切断容易な橋部の個々の円周方向長さよりも大き い円周方向長さを有し、 さらに、前記ピルファープルーフバンドは、 略円筒状の本体部と； 容器の前記首部のネジの下側から外方に延設された保持フランジに係合する縁 となる、前記本体部から内方に突出された分割されたリブと； 前記ピルファープルーフバンドの側壁を径方向に貫通して形成されたＬ字状溝 穴とを有し、 前記Ｌ字状溝穴は、前記切断困難な橋部に隣接して配置され且つ前記ピルファ ープルーフバンドの上部から略垂直に設けられた第１の区間と、前記ピルファー プルーフバンドの前記広幅の切断困難な橋部の方向に向かって略円周方向に沿っ て設けられた第２の区間とを備え、 前記ピルファープルーフバンドの本体部は、前記Ｌ字状溝穴の前記第２の区間 の底縁と前記本体部の底縁との間で延びる切断容易な部位を有し、 前記第２の区間の、前記Ｌ字状溝穴の前記第１の区間から離れている方の端部 は、前記切断困難な橋部の軸方向下方に又は直に隣接して配置され、 蓋が緩められて容器から外されたとき、前記切断容易な橋部が切断されると共 に前記切断容易な部位が切断されて、前記ピルファープルーフバンドが前記蓋と ともに取り除かれ、前記ピルファープルーフバンドが蓋の前記裾部に前記切断困 難な橋部を介して接続されたままとなるように構成されていることを特徴とする 蓋。 ２．前記本体部の前記切断容易な部位が、前記ピルファープルーフバンドの本体 部の径方向の厚さが薄い壁部であることを特徴とする請求項１の発明。 ３．前記本体部の前記切断容易な部位が、前記Ｌ字状溝穴の第１の区間から離れ ている方の前記第２の区間の端部の下側に位置していることを特徴とする請求項 １又は２の発明。 ４．前記第２の区間が前記切断困難な橋部の下側まで、前記切断困難な橋部の周 面領域よりも少ない一部の距離分だけ設けられていることを特徴とする請求項１ の発明。 ５．前記切断困難な橋部から下方に延設された前記ピルファープルーフバンドの 前記本体部の側壁は、前記蓋が前記容器から外されるときに実質的に軸方向に変 形できないことを特徴とする請求項１の発明。 ６．前記リブ分割部と前記バンドの自由端との間の内面に径方向内方に突出する 離隔された突起群が設けられ； 前記突起群はバンドの円周に沿って配置され、前記蓋が容器の装着されるとき に前記Ｌ字状溝穴に隣接する本体部の部位が拡張できるように、前記Ｌ字状溝穴 に隣接した周面部位には設けられていないことを特徴とする請求項１の発明。 ７．前記ピルファープルーフバンドの前記本体部には、前記Ｌ字状溝穴の前記第 ２の区間の下側および前記Ｌ字状溝穴から周方向に約１／４周分ずれた位置を除 いて、前記バンドの外表面に間隔をおいて放射状をなすように、部分的に肉厚で あって縦長の領域が設けられていることを特徴とする請求項１又は６の発明。 ８．いくつかの切断容易な橋部は他の切断容易な橋部に対して強化され、該強化 された切断容易な橋部のうち１個は、前記広幅の切断困難な橋部に対して前記Ｌ 字状溝穴の反対側に位置していることを特徴とする請求項１の発明。 ９．いくつかの切断容易な橋部は他の切断容易な橋部に対して強化され、該強化 された切断容易な橋部のうち少なくとも１個は、前記Ｌ字状溝穴から周方向に約 １／４周分ずれて且つその軸方向上方に位置していることを特徴とする請求項７ の発明。 １０．前記Ｌ字状溝穴の第２の区間の下部の前記ピルファープルーフバンドの本 体部は、前記蓋が前記容器に装着されるときに実質的な拡張性を提供できる円周 方向長さを有していることを特徴とする請求項１の発明。 １１．外面にネジが形成された首部を有する容器のための蓋であって、 頂部と； 前記頂部に連なり、ネジを内表面に有する裾部と； 複数の切断容易な橋部および切断困難な橋部によって前記裾部の自由端に連結 されたピルファープルーフバンドとを具備し、 さらに、前記ピルファープルーフバンドは、 略円筒状の本体部と； 容器の前記首部のネジの下側から外方に延設された保持フランジに係合する縁 となる、前記本体部から内方に突出された分割されたリブと； 前記ピルファープルーフバンドの側壁を径方向に貫通して形成された溝穴とを 有し、 前記溝穴は前記ピルファープルーフバンドの本体部の一部に設けられ、 切断容易な部位が前記切断困難な橋部の直下に部分的に設けられ、 蓋が緩められて容器から外されたとき、前記切断容易な橋部が切断されると共 に前記切断容易な部位が切断されて、前記ピルファープルーフバンドが前記蓋と ともに取り除かれ、前記ピルファープルーフバンドが蓋の前記裾部に前記切断困 難な橋部を介して接続されたままとなるように構成されていることを特徴とする 蓋。 １２．前記溝穴が、実質的な垂直区間と実質的な水平区間とからなるＬ字状であ り、 前記切断容易な部位が前記水平区間の下側に位置していることを特徴とする請 求項１１の発明。