JPH11500775A - 有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方法 - Google Patents

有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方法

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JPH11500775A JP9518584A JP51858497A JPH11500775A JP H11500775 A JPH11500775 A JP H11500775A JP 9518584 A JP9518584 A JP 9518584A JP 51858497 A JP51858497 A JP 51858497A JP H11500775 A JPH11500775 A JP H11500775A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1種または複数種の有機珪素化合物および1種または複数種の水溶性有機ポリマーを含有する水性混合物を抗ブロッキング剤存在下噴霧乾燥することにより、水に再分散性の有機珪素化合物含有粉末組成物を調製する方法に関する。本発明は、抗ブロッキング剤の一部を水性混合物と別々ではあるが同時に乾燥機の上部に供給し、粉末が気流に懸濁している間に抗ブロッキング剤の残部を乾燥した粉末流中に搬送するか、あるいは抗ブロッキング剤の残部を乾燥した粉末に添加することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方法 本発明は、有機珪素化合物を含有し、かつ水に再分散性の粉末組成物を調製す る方法に関する。 有機珪素化合物からなる水に再分散性の粉末組成物は、例えば欧州特許出願公 開第228,657号明細書(米国特許第4,704,416号明細書)や欧州特許出願公開第27 9,373号明細書により公知である。 欧州特許出願公開第228,657号明細書には、水溶性の有機ポリマーの存在下に 噴霧乾燥して粉末を調製する、有機珪素化合物からなる再分散性粉末が記載され ている。この目的のために、有機珪素化合物と有機ポリマーとの混合物が噴霧さ れる。再分散性粉末の抗ブロッキング性を改善するために、噴霧乾燥中に乾燥す べき水性混合物とは別に抗ブロッキング剤の全量を計量して噴霧乾燥機に供給す る方法が提案されている。 欧州特許出願公開第279,373号明細書は、曇点35℃〜98℃の水溶性有機ポ リマーの存在下に噴霧乾燥して調製される水に再分散性の有機(ポリ)シロキサ ン含有粉末に関する。抗ブロッキング性を改善するために、抗ブロッキング剤を 粉末に添加する。この目的のために、抗ブロッキング剤を添加する次の3つの提 案が行われている。すなわち、抗ブロッキング剤を有機珪素ポリマーおよび有機 ポリマーと一緒に乾燥すべき水性混合物に添加して混合物を噴霧する;噴霧乾燥 中に水性混合物とは別に抗ブロッキング剤を計量して供給する;乾燥した粉末を 取り出す前に抗ブロッキング剤を計量して噴霧乾燥機の低部に供給する。 さらに、抗ブロッキング剤を再分散性粉末に添加する可能な方法は、抗ブロッ キング剤を別の装置において乾燥した再分散性粉末に添加することである。 しかし、上述の方法には次のような不都合がある。すなわち、噴霧乾燥中に抗 ブロッキング剤を乾燥すべき水性混合物に添加すると、有機珪素化合物と同様に 、抗ブロッキング剤はマイクロカプセル化された形態で存在するかあるいは水溶 性有機ポリマー中に埋没しているため、その活性を充分に発現することができな い。 抗ブロッキング剤の全量を頂部から別に添加する場合は、流出する空気流中にか なりの量の抗ブロッキング剤が随伴し、高価なエアフィルターユニットで食い止 められなければならない。乾燥粉末を搬送するために供給される冷空気と一緒に 抗ブロッキング剤の全量を乾燥粉末の排出前に混合すると、粉末のブロッキング によって引き起こされるかなりの量の付着物や沈殿物が噴霧乾燥機の壁、円錐部 や乾燥機から出ている排出管上に生じ、清掃のために長時間の稼動停止を余儀な くされる。別の装置で乾燥した後に抗ブロッキング剤を混合すると、同様に混合 装置内に付着物や沈殿物が生じる。 そこで、本発明の目的は、前述した不都合を生じることがなく、しかも非常に 少量の抗ブロッキング剤を用いても自由流動性で抗ブロッキング性を付与するこ とができる、有機珪素化合物からなる再分散性粉末の調製法を提供することにあ る。 すなわち、本発明は、1種またはそれ以上の有機珪素化合物および1種または それ以上の水溶性有機ポリマーから構成される水性混合物を抗ブロッキング剤存 在下噴霧乾燥することにより、有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組 成物を調製する方法において、抗ブロッキング剤の一部を上記水性混合物とは別 々ながら該混合物と同時に乾燥機の上部に供給し、粉末が気流に懸濁している状 態にある乾燥した粉末流中に抗ブロッキング剤の残部を導入するかあるいは乾燥 した粉末中に抗ブロッキング剤の残部を混合することを特徴とする水に再分散性 の粉末組成物を調製する方法を提供する。 乾燥すべき混合物とは別に抗ブロッキング剤の一部を乾燥機の上部に連続的に 添加すると、乾燥機壁上への付着物や沈殿物を大部分回避することが可能となる 。乾燥粉末流または乾燥した粉末への残部抗ブロッキング剤の添加により、また 抗ブロッキング剤の微細な成分が調製物中に残留するかあるいは水分を含む空気 で行われることがなく、抗ブロッキング性の著しい改善が達成されることを確か なものとすることができる。 噴霧乾燥は、液体の噴霧乾燥に好適な装置であればいかなる装置においても行 うことができる。このような噴霧乾燥装置としては、しばしば用いられている公 知のものが例示され、例えば空気または窒素のような好ましくは加熱された乾燥 ガスの気流中に少なくとも1つの噴霧用渦巻ノズルまたは回転噴霧ディスクを有 する装置がある。 噴霧乾燥機は、一般に図1に示す配置、すなわち垂直な円筒体であり、その上 端部には噴霧装置が位置している。円筒部4は通常取出口の漏斗状部5を終端と する乾燥空間に対応する。円筒部4の上端部または上方には、配管1更に必要に 応じてフィルター2を通って加圧空気と一緒に乾燥される分散液が噴霧装置3に 供給・噴霧される。乾燥した粒子は、更に配管6を通って空気により分離器に集 められるかまたは移送される。なお、図1には分離器を図示してない。 乾燥速度および最終的に得られる調製物の性状は、大部分が噴霧装置の作用に 依存する。単一流体,二流体および多流体ノズル、更に回転噴霧器は全て、特許 請求の範囲に記載の方法に好適である。この方法において、並流式噴霧乾燥機を 使用することが好ましい。 噴霧される混合物がトルエンやキシレン等の有機溶剤を含有する場合は、乾燥 気流として窒素を用いて噴霧乾燥を行うことが好ましい。この場合、乾燥気流か ら水や他の蒸発した物質が凝縮して、気体を再循環することができる。 乾燥気流の入口温度は80℃〜250℃特に110℃〜190℃であることが 好ましく、乾燥中に形成される気流の出口温度は40℃〜100℃特に50℃〜 90℃であることが好ましい。 抗ブロッキング剤または抗ブロッキング剤の混合物は、噴霧乾燥に供される水 性混合物とは別に噴霧乾燥が行われる装置に導入される。抗ブロッキング剤の添 加量は、有機珪素化合物および水溶性ポリマーの全重量に対して、3〜30重量 %特に5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。 本発明の方法においては、抗ブロッキング剤の一部を好ましくは熱空気により 噴霧乾燥機の上部第三部位に供給する。この部位は、図1における破線のレベル またはその上方領域に対応する。本発明に従って噴霧乾燥機の上部に添加される 好ましい領域は、図1中の矢印および符号Zで示される。好ましくは、20〜5 0重量%の抗ブロッキング剤を乾燥機の上部第三部位に供給する。 粉末が気流中に懸濁している状態で抗ブロッキング剤の残部を計量して供給す るかあるいは別の混合装置で得られた粉末中に抗ブロッキング剤を混合する。抗 ブロッキング剤の残部は、噴霧乾燥機の下流に設置した分離器に粉末を搬送する 空気と一緒に、必要に応じて更に添加剤と一緒に導入することが好ましい。 本発明の粉末の調製または本発明の方法における有機珪素化合物は、例えば式 RaSi(OR14-aで表される化合物が用いられる。ここで、Rは、水素、各 乾燥温度で水に対して不活性な置換基を少なくとも1つ有することができる一価 の炭化水素基である。R1は、それぞれ1〜4の炭素原子を有する同一または異 なったアルキル基もしくはアルコキシアルキレン基である。aは、0〜4の範囲 にあり、上記シラン類の沸点が1020hPa(絶対圧)で150℃以上の場合 は3以下であることが好ましい。 また、本発明の粉末の調製または本発明の方法における有機珪素化合物は、例 えば上述のシラン類またはその混合物の部分加水分解物または加水分解物ないし は液状または可溶性固体の縮合物を用いることができる。 有機基Rは、好ましくは該基1個当たり最大18までの炭素原子を含有する。 炭化水素基Rとしては、メチル,エチル,n−プロピル,1−プロピル,2−エ チルヘキシル基や、ヘキシル,オクタデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル 基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアリール アルキル基などが例示される。上述の基Rはまた、弗素,塩素等のハロゲン原子 、エーテル,チオエーテル,エステル,アミド,ニトリル,水酸基,アミン,エ ポキシ,カルボキシル,スルホン酸,無水カルボン酸,カルボニル基などで置換 されていてもよい。さらに、基Rは、1またはそれ以上の不飽和炭素結合を有し ていてもよい。 置換炭化水素基Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基,3−クロロ プロピル基や、クロロフェニル基等のハロゲン置換炭化水素基、3−ヒドロキシ プロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基等のメルカプト アルキル基、3−メタクリロキシプロピル基等のアシロキシアルキル基などが例 示される。さらに、炭化水素基としては、例えばビニル,ブタジエニル基等の少 なくとも1つの脂肪族炭素二重結合を有するものなどが挙げられる。ここに、下 記の式で表される化合物を特に挙げておく。 ここで、a=0〜2、b=1〜6、R3=CH3,C65、R4=H,CH3,C25,C37,C65,(CH2)2-3−O−(CH2)1-2H、およびR5=H,CH3 。 アルキル基R1としては、メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n −ブチル,sec-ブチル,t−ブチル基等が例示される。アルコキシアルキレン基 の重要な例としては、メトキシエチレン基,1−メトキシ-2−オキシプロピル 基等がある。 好ましい有機珪素化合物としては次のような化合物が挙げられる。すなわち、 テトラエトキシシラン,メチルトリプロポキシシラン,メチルトリエトキシシラ ン,γ−クロロプロピルトリエトキシシラン,β−ニトリロエチルトリエトキシ シラン,γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,γ−メルカプトプロピル トリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,n−およびi−オクチルト リエトキシシラン,ジプロピルジエトキシシラン,トリフェニルシラノール等の 他に、好ましくは上記シラン類と、メチルトリメトキシシラン,γ−アミノプロ ピルトリエトキシシランまたは他のアミノ官能性シラン類,第四級アンモニウム 塩基含有シラン類,エポキシ基含有シラン類,カルボン酸や無水カルボン酸官能 基含有シラン類等の恐らくは低沸点および/または水溶性である他のシラン類と の液状縮合生成物などが挙げられる。 好ましい有機ポリシロキサン類としては次のような化合物が挙げられる。すな わち、平均分子量が約600g/molおよび25℃での粘度が約20mm2/sの 実験式CH3Si(OC25)0.81.1で表される有機ポリシロキサン、平均分子 量が約650g/molおよび25℃での粘度が約30mm2/sの実験式CH3S i(OCH3)0.81.1で表される有機ポリシロキサン、平均分子量が約3000 g/molおよび25℃での粘度が約25,000mm2/sの式C65Si(OC25)0. 721.14で表される有機ポリシロキサン、基R2の数の70%がメチル基であり 基R2の数の30%が2−エチルヘキシル基である式R2Si(OCH3)20.5で 表される有機ポリシロキサン、25℃での粘度が約20mm2/sであるトリメ チルシロキシル基末端停止のメチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ る。 さらに、有機ポリシロキサン類の例としては、C65SiO3/2単位が15.8 モル%,(C65)CH3SiO2/2単位が42.1モル%,(CH3)2SiO2/2単 位が27.7モル%および(CH3)3SiO1/2単位が14.4モル%から構成され 、25℃での粘度が20mm2/sである市販のコポリマーがある。また、例え ばREN82(ワッカー・ケミー社の商標名)等のMQ樹脂などの接着性樹脂類 も挙げられる。 さらに、有機ポリシロキサン類の例としては、末端がヒドロキシジメチルシロ キシル基または/およびエトキシジメチルシロキシル基、トリメチルシロキシル 基、γ−ヒドロキシプロピル−,γ−アミノプロピル−,ビニル−またはハイド ロジェンジメチルシロキシル基で停止されたジメチルポリシロキサン類やメチル フェニルポリシロキサン類がある。 また、本発明の方法における有機珪素化合物は、例えばトリメチルシロキシル 基末端停止のメチルハイドロジェンポリシロキサン類や、ジメチルシロキサン単 位およびメチルハイドロジェンシロキサン単位からなるトリメチルシロキシル基 末端停止のコポリマーを用いることができる。 さらに、好適な珪素化合物としては、水に再分散性で沸点が常圧で150℃以 上のジシラン類,ポリシラン類,カルボシラン類,ポリカルボシラン類,ポリシ リレンジシロキサン類等が挙げられる。その例としては次のようなものがある。 すなわち、ジメチルテトラアルコキシジシラン,テトラメチルジアルコキシジシ ラン,トリメチルトリアルコキシジシラン,対応する塩素化合物から一般に得ら れるそれらの(共)縮合物等のジシラン類や、式R3Si(SiR2)nSiR3(こ こで、nは、1〜500であり、8以下であることが好ましい。Rは前記OR1 であってもよく、RおよびR1は先に定義した通りである。)で表されるポリシ ラン類などがある。 本発明の方法において、前述の有機珪素化合物は、単独またはこれらの混合物 の形態で用いることができる。例えば、有機珪素化合物が高粘度であるため乳化 することがかなり困難である場合、あるいは乳化しようとする際の温度において 有機珪素化合物が固体である場合は、低粘度の珪素化合物と混合するかまたは該 化合物に溶解するかそのいずれかによって、有機珪素化合物を所望の粘度に調整 することができる。あるいは別の方法として、かなり高粘度の有機珪素化合物を トルエン,キシレン異性体混合物,シクロヘキサン,石油エーテル,ジアセトン アルコール,酢酸ブチル等の好適な有機溶剤に溶解してもよい。 上述の有機珪素化合物の製造は、公知であり、Noll,Chemie und Technologied er Silicone,第2版,1968年、Weinheim and Houben-Weyl,Methoden der organis chen Chemie,第E20巻,第1782頁以降および第2219頁以降,Georg Thieme発行,St uttgart,1987年に記載のような方法に従って実施することができる。 水溶性ポリマーの量は、それぞれの粉末を調製する際に用いる珪素化合物の全 重量に対して、5〜40重量%特に7〜20重量%の範囲にあることが好ましい 。 本発明の目的を達成するためには、水溶性ポリマーは、大気圧下の室温で少な くとも1重量%程度は水に溶解する有機ポリマーである。 本発明に従って使用される水溶性でフィルム形成性のポリマーは、ポリ酢酸ビ ニルの鹸化により製造され、鹸化価(残留するアセテート基の鹸化に要する水酸 化カリウム量mg)が100〜240で、粘度計により求められる分子量が 15,0 00〜100,000のポリビニルアルコールが好ましい。 さらに、再分散性粉末の調製に使用可能な水溶性ポリマーとしては、アミノ基 ,カルボン酸基またはアルキル基で変性された部分加水分解ポリ酢酸ビニルポリ マー、ビニルピロリドンポリマー特に分子量が5,000〜400,000のポリビニルピロ リドン類、ヒドロキシアルキル化澱粉,硫酸化澱粉,リン酸化澱粉,硫酸化とリ ン酸化された澱粉,カルボキシメチル澱粉,例えばデキストリン等の低分子量の 澱粉などの澱粉類および澱粉誘導体類、水溶性ポリアクレート類,水溶性ポリメ タクレート類,水溶性ポリ(メタ)アクリルアミド類,ポリマレエート類,ポリ ビニルスルホネート類、カルボキシメチルセルロース類,ヒドロキシアルキルセ ルロース類,メチルセルロース類,エーテル混合セルロース類等の水溶性セルロ ースエーテル類、カゼイン,大豆蛋白,ゼラチン等の水溶性蛋白質、スチレン− マレイン酸,スチレン−フマル酸コポリマー、スルホン化フェノール,尿素,更 に有機窒素ベースの化合物とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナフタレンスル ホン酸−ホルムアルデヒド縮合生成物,フェノールスルホン酸−ホルムアルデヒ ド縮合生成物等の水溶性アルカリ金属塩やアルカリ土金属塩などが例示される。 所望に応じて再分散性を低下させる場合には、スチレン−マレイン酸および/ またはスチレン−フマル酸コポリマーのアンモニウム塩、スルホン化フェノール またはナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物のアンモニウム 塩、あるいはアンモニウム塩基に起因して水に溶解する他のフィルム形成性ポリ マーのアンモニウム塩を添加して、これらを少なくとも保護コロイドとして利用 することができる。また、調製および使用条件下でケラチン化する水溶性蛋白質 も、上記目的のためには好適である。 本発明に従って使用される水溶性ポリマーは、市販品であってもよく、また有 機化学における慣用の方法によって製造することもできる。 抗ブロッキング剤は、平均粒子径が0.01〜50μmの範囲にある固体の無 機物質が好適である。その例としては、珪酸アルミニウム,コロイダルシリカゲ ル,焼成シリカ,粉砕されたクレー,パーライト,バーミキュライト,硫酸カル シウム,タルク,セメント,チョーク粉末,炭酸カルシウム/炭酸マグネシウム 混合物,珪藻土等がある。 水溶性ポリマー,有機珪素化合物および抗ブロッキング剤に加えて、噴霧乾燥 中またはその後に追加の物質を一緒に噴霧または添加して、再分散性の粉末組成 物を調製することもできる。かかる追加の物質としては、トルエン等の水に不混 和性の溶剤、ラウリル硫酸ナトリウム等のイオン性や非イオン性の乳化剤、殺黴 剤、消泡剤、染料、顔料、チョーク粉末,炭酸カルシウム,石英粉末等の充填剤 などが例示される。上記各添加剤は、有機珪素化合物に対して通常0.1〜30 重量%の量で用いられる。 噴霧される混合物において、水の含有量は噴霧される混合物の全重量に対して 45〜95重量%の範囲にあることが好ましい。 本発明に従って調製される粉末は、例えば疎水化作用,バインダとしての特性 の他に、水蒸気に対して透過性に優れているので、珪素化合物が都合よく水に乳 化するかあるいは乳化可能であれば、いかなる場合でも使用することができる。 上記粉末は、例えばクレー,プラスター,下塗り塗料,気泡コンクリートや多孔 コンクリート等のコンクリートの添加剤として、また灰砂煉瓦製造用混合物、塗 料等において、乾燥状態または水に希釈した状態で使用することができる。また 、上記粉末は、例えばパーライト(真珠岩;溶岩の膨状物),バーミキュライト (蛭石;雲母の膨状物),気泡コンクリートの細粒等の塊状物表面の疎水化に使 用することができる。さらに、上記粉末は、水性媒体中の泡立ちを防止ないし打 ち消す消泡剤としても好適である。 さらに、本発明の粉末または本発明に従って調製される粉末は、微粒子状の砂 等の無機物質や木粉等の有機物質のためのバインダとして水に希釈した状態で使 用することができる。さらにまた、本発明の粉末または本発明に従って調製され る粉末は、接着剤の添加剤として使用することもできる。 実施例1 平均分子量が約600で25℃における粘度が約20mm2/sの式CH3Si (OC25)0.81.1で表される有機ポリシロキサン325gを、加水分解度が8 7.5モル%である濃度10%のポリビニルアルコール(分子量25,000,濃度4 %の水溶液の20℃における粘度5mPa's)水溶液300gと混合して、エマル ジョンを形成した。このエマルジョンに水130gを添加・混合し、粘性のある 水中油型エマルジョンを更に有機ポリシロキサン325gと混合した。得られた 混合物を濃度10%のポリビニルアルコール(鹸化価190,分子量26,000)水 溶液650gと一緒に噴霧した。 噴霧乾燥機(Nubilosa AJM 014)の上端部に設置された渦巻ノズル噴霧器にポ リビニルアルコール溶液と一緒に搬送されるエマルジョンの噴霧は、並流式噴霧 乾燥機内で実施され、ノズル圧5200hPa(絶対圧)および空気(空気入口 温度170℃)の流量2.51/hの条件で噴霧した。同時に、炭酸カルシウム /炭酸マグネシウム(有機ポリシロキサンおよびポリビニルアルコールに対して 4重量%)30gを計量して、加圧空気により噴霧乾燥機の上端部に供給した。 乾燥した粉末と空気の混合物を温度85℃で収集器に排出した。分離した粉末を 更に炭酸カルシウム/炭酸マグネシウム(有機ポリシロキサンおよびポリビニル アルコールに対して6重量%)45gと混合した。 流動性および抗ブロッキング性を求めて粉末の品質を評価した。 流動性を求めるために、DIN 53916に従って、容量50ml,出口ノズル直 径8mmおよびガラス棒で表面を平滑にした漏斗形状の容器に、試験に供される 粉末を導入した。出口フラップを開口した後、粉末を漏斗から取り出すのに要し た時間を求め、流動性を定性的に評価した。 抗ブロッキング性を求めるために、スクリューキャップで被冠した鉄製のチュ ーブに分散性粉末を導入した後、mm目盛付きの金属パンチで加重をかけた。m m目盛で金属パンチの挿入深さを読み取った後、乾燥炉において装置を50℃で 16時間保持した。室温に冷却した後、金属パンチの挿入深さを読み取り、粉末 をチューブから取り出し、粉末を強く押し当てて抗ブロッキング性を定性的に求 めた。 抗ブロッキング性を下記の基準に分類した。 A:抗ブロッキング性あり B:適度の抗ブロッキング性あり C:抗ブロッキング性なし 実施例1において、高い抗ブロッキング性を有する流動性の良好な粉末が得ら れた(抗ブロッキング性:A)。 比較例1 抗ブロッキング剤を添加することなく噴霧を行った以外は実施例1の方法を繰 り返し、更に噴霧乾燥後にも抗ブロッキング剤を粉末に添加しなかった。その結 果、流動性はあったが抗ブロッキング性のない(抗ブロッキング性:C)残留水 分含量1.5%の粉末が得られた。 比較例2 抗ブロッキング剤の全量75gを計量してこれを頂部から乾燥機に供給した以 外は、実施例1の方法を繰り返した。比較例1に比べて流動性は向上したものの 、抗ブロッキング性は基準B〜Cであり実施例1より著しく低下していた。 比較例3 比較例1で得られた粉末を乾燥後に抗ブロッキング剤の全量75gと混合した 。比較例1,2に比べて流動性は向上した。また、抗ブロッキング性も向上した が、基準Bであってさほどでもなく、実施例1より著しく低下していた。 比較例4 噴霧乾燥機の上端部に抗ブロッキング剤を供給しなかった以外は、実施例1の 方法を繰り返した。そして、噴霧乾燥機から排出した後の粉末を搬送する空気と 共に、炭酸カルシウム/炭酸マグネシウムの全量を乾燥機の下流に設置した分離 器に導入した。この結果、流動性が比較例3の調製物に相当する粉末が得られた 。抗ブロッキング性は基準Bに分類された。 実施例2 有機ポリシロキサン650gを実施例1の有機ポリシロキサン2重量部とイソ オクチルトリエトキシシラン1重量部の混合物と同量置き換えた点で、実施例1 を変更した。噴霧乾燥中に、抗ブロッキング剤(炭酸カルシウム/炭酸マグネシ ウム)75gの半量を計量して実施例1と同様に頂部に供給し、残り半量を冷空 気と一緒に乾燥機の低部に添加した。 この結果、流動性が良好であり、かつ基準Aと評価された高い抗ブロッキング 性を有する粉末が得られた。 比較例5 有機珪素化合物とポリビニルアルコールの水性混合物とは別に、抗ブロッキン グ剤の全量を計量して頂部に供給した以外は、実施例2に記載の実験を繰り返し た。得られた粉末の流動性は満足すべきものであったが、抗ブロッキング性は基 準Cであり満足できるものではなく、実施例2より著しく低下していた。 実施例3 ポリ酢酸ビニルの部分鹸化により製造された鹸化価190および分子量約26,0 00のポリビニルアルコール200gを水4660gに溶解した溶液に、25℃に おける粘度が1500mm2/sのヒドロキシジメチルシロキシル基で末端が停 止されたジメチルポリシロキサン1260gを添加して乳化させた。得られたエ マルジョンをノズル圧4300hPa(絶対圧),処理量21/h,空気入口温 度165℃およびガス出口温度85℃の条件下で粉末に転換した。珪酸アルミニ ウム25gを計量して上端部に供給し、残りの珪酸アルミニウム50gを計量し て冷空気と一緒に乾燥機の低部に供給した。粉末の流動性は良好であり、かつ抗 ブロッキング性は基準Aで非常に良好であった。 比較例6 珪酸アルミニウムの全量を計量して噴霧乾燥中に頂部に供給した以外は、実施 例3を繰り返した。得られた粉末の流動性は良好であったが、抗ブロッキング性 は基準Cであり満足できるものではなかった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年10月20日 【補正内容】 請求の範囲 1. 1種またはそれ以上の有機珪素化合物および1種またはそれ以上の水溶性 有機ポリマーから構成される水性混合物を抗ブロッキング剤存在下噴霧乾燥する ことにより、有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方 法において、抗ブロッキング剤の一部を上記水性混合物とは別々ながら該混合物 と同時に乾燥機の上部に供給し、粉末が気流に懸濁している状態にある乾燥した 粉末流中に抗ブロッキング剤の残部を導入するかあるいは乾燥した粉末中に抗ブ ロッキング剤の残部を混合することを特徴とする水に再分散性の粉末組成物を調 製する方法。 2. 抗ブロッキング剤の全重量に対して20〜50重量%の抗ブロッキング剤 または抗ブロッキング剤の混合物を乾燥機の上部第三部位に供給する請求の範囲 第1項記載の方法。 3. 抗ブロッキング剤の残部を乾燥機の下流に設置した分離器に粉末を搬送す る空気と一緒に導入する請求の範囲第1項または第2項記載の方法。 【手続補正書】 【提出日】1998年5月13日 【補正内容】 明細書 有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方法 本発明は、有機珪素化合物を含有し、かつ水に再分散性の粉末組成物を調製す る方法に関する。 有機珪素化合物からなる水に再分散性の粉末組成物は、例えば欧州特許出願公 開第228,657号明細書(米国特許第4,704,416号明細書)や欧州特許出願公開第27 9,373号明細書により公知である。 欧州特許出願公開第228,657号明細書には、水溶性の有機ポリマーの存在下に 噴霧乾燥して粉末を調製する、有機珪素化合物からなる再分散性粉末が記載され ている。この目的のために、有機珪素化合物と有機ポリマーとの混合物が噴霧さ れる。再分散性粉末の抗ブロッキング性を改善するために、噴霧乾燥中に乾燥す べき水性混合物とは別に抗ブロッキング剤の全量を計量して噴霧乾燥機に供給す る方法が提案されている。 欧州特許出願公開第279,373号明細書は、曇点35℃〜98℃の水溶性有機ポ リマーの存在下に噴霧乾燥して調製される水に再分散性の有機(ポリ)シロキサ ン含有粉末に関する。抗ブロッキング性を改善するために、抗ブロッキング剤を 粉末に添加する。この目的のために、抗ブロッキング剤を添加する次の3つの提 案が行われている。すなわち、抗ブロッキング剤を有機珪素ポリマーおよび有機 ポリマーと一緒に乾燥すべき水性混合物に添加して混合物を噴霧する;噴霧乾燥 中に水性混合物とは別に抗ブロッキング剤を計量して供給する;乾燥した粉末を 取り出す前に抗ブロッキング剤を計量して噴霧乾燥機の低部に供給する。 さらに、抗ブロッキング剤を再分散性粉末に添加する可能な方法は、抗ブロッ キング剤を別の装置において乾燥した再分散性粉末に添加することである。 しかし、上述の方法には次のような不都合がある。すなわち、噴霧乾燥中に抗 ブロッキング剤を乾燥すべき水性混合物に添加すると、有機珪素化合物と同様に 、抗ブロッキング剤はマイクロカプセル化された形態で存在するかあるいは水溶 性有機ポリマー中に埋没しているため、その活性を充分に発現することができな い。 抗ブロッキング剤の全量を頂部から別に添加する場合は、流出する空気流中にか なりの量の抗ブロッキング剤が随伴し、高価なエアフィルターユニットで食い止 められなければならない。乾燥粉末を搬送するために供給される冷空気と一緒に 抗ブロッキング剤の全量を乾燥粉末の排出前に混合すると、粉末のブロッキング によって引き起こされるかなりの量の付着物や沈殿物が噴霧乾燥機の壁、円錐部 や乾燥機から出ている排出管上に生じ、清掃のために長時間の稼動停止を余儀な くされる。別の装置で乾燥した後に抗ブロッキング剤を混合すると、同様に混合 装置内に付着物や沈殿物が生じる。 そこで、本発明の目的は、前述した不都合を生じることがなく、しかも非常に 少量の抗ブロッキング剤を用いても自由流動性で抗ブロッキング性を付与するこ とができる、有機珪素化合物からなる再分散性粉末の調製法を提供することにあ る。 すなわち、本発明は、1種またはそれ以上の有機珪素化合物および1種または それ以上の水溶性有機ポリマーから構成される水性混合物を抗ブロッキング剤存 在下噴霧乾燥することにより、有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組 成物を調製する方法において、抗ブロッキング剤の一部を上記水性混合物とは別 々ながら該混合物と同時に乾燥機の上部に供給し、粉末が気流に懸濁している状 態にある乾燥した粉末流中に抗ブロッキング剤の残部を導入するかあるいは乾燥 した粉末中に抗ブロッキング剤の残部を混合することを特徴とする水に再分散性 の粉末組成物を調製する方法を提供する。 乾燥すべき混合物とは別に抗ブロッキング剤の一部を乾燥機の上部に連続的に 添加すると、乾燥機壁上への付着物や沈殿物を大部分回避することが可能となる 。乾燥粉末流または乾燥した粉末への残部抗ブロッキング剤の添加により、また 抗ブロッキング剤の微細な成分が調製物中に残留するかあるいは水分を含む空気 で行われることがなく、抗ブロッキング性の著しい改善が達成されることを確か なものとすることができる。 噴霧乾燥は、液体の噴霧乾燥に好適な装置であればいかなる装置においても行 うことができる。このような噴霧乾燥装置としては、しばしば用いられている公 知のものが例示され、例えば空気または窒素のような好ましくは加熱された乾燥 ガスの気流中に少なくとも1つの噴霧用渦巻ノズルまたは回転噴霧ディスクを有 する装置がある。 噴霧乾燥機は、一般に図1に示す配置、すなわち垂直な円筒体であり、その上 端部には噴霧装置が位置している。円筒部4は通常取出口の漏斗状部5を終端と する乾燥空間に対応する。円筒部4の上端部または上方には、配管1更に必要に 応じてフィルター2を通って加圧空気と一緒に乾燥される分散液が噴霧装置3に 供給・噴霧される。乾燥した粒子は、更に配管6を通って空気により分離器に集 められるかまたは移送される。なお、図1には分離器を図示してない。 乾燥速度および最終的に得られる調製物の性状は、大部分が噴霧装置の作用に 依存する。単一流体,二流体および多流体ノズル、更に回転噴霧器は全て、特許 請求の範囲に記載の方法に好適である。この方法において、並流式噴霧乾燥機を 使用することが好ましい。 噴霧される混合物がトルエンやキシレン等の有機溶剤を含有する場合は、乾燥 気流として窒素を用いて噴霧乾燥を行うことが好ましい。この場合、乾燥気流か ら水や他の蒸発した物質が凝縮して、気体を再循環することができる。 乾燥気流の入口温度は80℃〜250℃特に110℃〜190℃であることが 好ましく、乾燥中に形成される気流の出口温度は40℃〜100℃特に50℃〜 90℃であることが好ましい。 抗ブロッキング剤または抗ブロッキング剤の混合物は、噴霧乾燥に供される水 性混合物とは別に噴霧乾燥が行われる装置に導入される。抗ブロッキング剤の添 加量は、有機珪素化合物および水溶性ポリマーの全重量に対して、3〜30重量 %特に5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。 本発明の方法においては、抗ブロッキング剤の一部を好ましくは熱空気により 噴霧乾燥機の上部第三部位に供給する。この部位は、図1における破線のレベル またはその上方領域に対応する。すなわち乾燥機本体を垂直方向に三等分した場 合の最上部の領域のことである。本発明に従って噴霧乾燥機の上部に添加される 好ましい領域は、図1中の矢印および符号Zで示される。好ましくは、20〜5 0重量%の抗ブロッキング剤を乾燥機の上部第三部位に供給する。 粉末が気流中に懸濁している状態で抗ブロッキング剤の残部を計量して供給す るかあるいは別の混合装置で得られた粉末中に抗ブロッキング剤を混合する。抗 ブロッキング剤の残部は、噴霧乾燥機の下流に設置した分離器に粉末を搬送する 空気と一緒に、必要に応じて更に添加剤と一緒に導入することが好ましい。 本発明の粉末の調製または本発明の方法における有機珪素化合物は、例えば式 RaSi(OR14-aで表される化合物が用いられる。ここで、Rは、水素、各 乾燥温度で水に対して不活性な置換基を少なくとも1つ有することができる一価 の炭化水素基である。R1は、それぞれ1〜4の炭素原子を有する同一または異 なったアルキル基もしくはアルコキシアルキレン基である。aは、0〜4の範囲 にあり、上記シラン類の沸点が1020hPa(絶対圧)で150℃以上の場合 は3以下であることが好ましい。 また、本発明の粉末の調製または本発明の方法における有機珪素化合物は、例 えば上述のシラン類またはその混合物の部分加水分解物または加水分解物ないし は液状または可溶性固体の縮合物を用いることができる。 有機基Rは、好ましくは該基1個当たり最大18までの炭素原子を含有する。 炭化水素基Rとしては、メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,2−エ チルヘキシル基や、ヘキシル,オクタデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル 基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアリール アルキル基などが例示される。上述の基Rはまた、弗素,塩素等のハロゲン原子 エーテル,チオエーテル,エステル,アミド,ニトリル,水酸基,アミン,エポ キシ,カルボキシル,スルホン酸,無水カルボン酸,カルボニル基などで置換さ れていてもよい。さらに、基Rは、1またはそれ以上の不飽和炭素結合を有して いてもよい。 置換炭化水素基Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基,3−クロロ プロピル基や、クロロフェニル基等のハロゲン置換炭化水素基、3−ヒドロキシ プロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基等のメルカプト アルキル基、3−メタクリロキシプロピル基等のアシロキシアルキル基などが例 示される。さらに、炭化水素基としては、例えばビニル,ブタジェニル基等の少 なくとも1つの脂肪族炭素二重結合を有するものなどが挙げられる。ここに、下 記の式で表される化合物を特に挙げておく。 ここで、a=0〜2、b=1〜6、R3=CH3,C65、R4=H,CH3,C25,C37,C65,(CH2)2-3−O−(CH2)1-2H、およびR5=H,CH3 。 アルキル基R1としては、メチル,エチル,n−プロピル,1−プロピル,n −ブチル,sec-ブチル,t−ブチル基等が例示される。アルコキシアルキレン基 の重要な例としては、メトキシエチレン基,1−メトキシ−2−オキシプロピル 基等がある。 好ましい有機珪素化合物としては次のような化合物が挙げられる。すなわち、 テトラエトキシシラン,メチルトリプロポキシシラン,メチルトリエトキシシラ ン,γ−クロロプロピルトリエトキシシラン,β−ニトリロエチルトリエトキシ シラン,γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,γ−メルカプトプロピル トリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,n−およびi−オクチルト リエトキシシラン,ジプロピルジエトキシシラン,トリフェニルシラノール等の 他に、好ましくは上記シラン類と、メチルトリメトキシシラン,γ−アミノプロ ピルトリエトキシシランまたは他のアミノ官能性シラン類,第四級アンモニウム 塩基含有シラン類,エポキシ基含有シラン類,カルボン酸や無水カルボン酸官能 基含有シラン類等の恐らくは低沸点および/または水溶性である他のシラン類と の液状縮合生成物などが挙げられる。 好ましい有機ポリシロキサン類としては次のような化合物が挙げられる。すな わち、平均分子量が約600g/molおよび25℃での粘度が約20mm2/sの 実験式CH3Si(OC25)0.81.1で表される有機ポリシロキサン、平均分子 量が約650g/molおよび25℃での粘庁が約30mm2/sの実験式CH3S i(OCH3)0.81.1で表される有機ポリシロキサン、平均分子量が約3000g /molおよび25℃での粘度が約25,000mm2/sの式C65Si(OC25)0.7 21.14で表される有機ポリシロキサン、基R2の数の70%がメチル基であり基 R2の数の30%が2−エチルヘキシル基である式R2Si(OCH3)20.5で表 される有機ポリシロキサン、25℃での粘度が約20mm2/sであるトリメチ ルシロキシル基末端停止のメチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる 。 さらに、有機ポリシロキサン類の例としては、C65SiO3/2単位が15.8 モル%,(C65)CH3SiO2/2単位が42.1モル%,(CH3)2SiO2/2単位 が27.7モル%および(CH3)3SiO1/2単位が14.4モル%から構成され、 25℃での粘度が20mm2/sである市販のコポリマーがある。また、例えば REN82(ワッカー・ケミー社の商標名)等のMQ樹脂などの接着性樹脂類も 挙げられる。 さらに、有機ポリシロキサン類の例としては、末端がヒドロキシジメチルシロ キシル基または/およびエトキシジメチルシロキシル基、トリメチルシロキシル 基、γ−ヒドロキシプロピル−,γ−アミノプロピル−,ビニル−またはハイド ロジェンジメチルシロキシル基で停止されたジメチルポリシロキサン類やメチル フェニルポリシロキサン類がある。 また、本発明の方法における有機珪素化合物は、例えばトリメチルシロキシル 基末端停止のメチルハイドロジェンポリシロキサン類や、ジメチルシロキサン単 位およびメチルハイドロジェンシロキサン単位からなるトリメチルシロキシル基 末端停止のコポリマーを用いることができる。 さらに、好適な珪素化合物としては、水に再分散性で沸点が常圧で150℃以 上のジシラン類,ポリシラン類,カルボシラン類,ポリカルボシラン類,ポリシ リレンジシロキサン類等が挙げられる。その例としては次のようなものがある。 すなわち、ジメチルテトラアルコキシジシラン,テトラメチルジアルコキシジシ ラン,トリメチルトリアルコキシジシラン,対応する塩素化合物から一般に得ら れるそれらの(共)縮合物等のジシラン類や、式R3Si(SiR2nSiR3( こ こで、nは、1〜500であり、8以下であることが好ましい。Rは前記OR1 であってもよく、RおよびR1は先に定義した通りである。)で表されるポリシ ラン類などがある。 本発明の方法において、前述の有機珪素化合物は、単独またはこれらの混合物 の形態で用いることができる。例えば、有機珪素化合物が高粘度であるため乳化 することがかなり困難である場合、あるいは乳化しようとする際の温度において 有機珪素化合物が固体である場合は、低粘度の珪素化合物と混合するかまたは該 化合物に溶解するかそのいずれかによって、有機珪素化合物を所望の粘度に調整 することができる。あるいは別の方法として、かなり高粘度の有機珪素化合物を トルエン,キシレン異性体混合物,シクロヘキサン,石油エーテル,ジアセトン アルコール,酢酸ブチル等の好適な有機溶剤に溶解してもよい。 上述の有機珪素化合物の製造は、公知であり、Noll,Chemie und Technologied er Silicone,第2版,1968年、Weinheim and Houben-Weyl,Methoden der organis chen Chemie,第E20巻,第1782頁以降および第2219頁以降,Georg Thieme発行,St uttgart,1987年に記載のような方法に従って実施することができる。 水溶性ポリマーの量は、それぞれの粉末を調製する際に用いる珪素化合物の全 重量に対して、5〜40重量%特に7〜20重量%の範囲にあることが好ましい 。 本発明の目的を達成するためには、水溶性ポリマーは、大気圧下の室温で少な くとも1重量%程度は水に溶解する有機ポリマーである。 本発明に従って使用される水溶性でフィルム形成性のポリマーは、ポリ酢酸ビ ニルの鹸化により製造され、鹸化価(残留するアセテート基の鹸化に要する水酸 化カリウム量mg)が100〜240で、粘度計により求められる分子量が15,0 00〜100,000のポリビニルアルコールが好ましい。 さらに、再分散性粉末の調製に使用可能な水溶性ポリマーとしては、アミノ基 ,カルボン酸基またはアルキル基で変性された部分加水分解ポリ酢酸ビニルポリ マー、ビニルピロリドンポリマー特に分子量が5,000〜400,000のポリビニルピロ リドン類、ヒドロキシアルキル化澱粉,硫酸化澱粉,リン酸化澱粉,硫酸化とリ ン酸化された澱粉,カルボキシメチル澱粉,例えばデキストリン等の低分子量の 澱粉などの澱粉類および澱粉誘導体類、水溶性ポリアクレート類,水溶性ポリメ タクレート類,水溶性ポリ(メタ)アクリルアミド類,ポリマレエート類,ポリ ビニルスルホネート類、カルボキシメチルセルロース類,ヒドロキシアルキルセ ルロース類,メチルセルロース類,エーテル混合セルロース類等の水溶性セルロ ースエーテル類、カゼイン,大豆蛋白,ゼラチン等の水溶性蛋白質、スチレン− マレイン酸,スチレン−フマル酸コポリマー、スルホン化フェノール,尿素,更 に有機窒素ベースの化合物とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナフタレンスル ホン酸−ホルムアルデヒド縮合生成物,フェノールスルホン酸−ホルムアルデヒ ド縮合生成物等の水溶性アルカリ金属塩やアルカリ土金属塩などが例示される。 所望に応じて再分散性を低下させる場合には、スチレン−マレイン酸および/ またはスチレン−フマル酸コポリマーのアンモニウム塩、スルホン化フェノール またはナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物のアンモニウム 塩、あるいはアンモニウム塩基に起因して水に溶解する他のフィルム形成性ポリ マーのアンモニウム塩を添加して、これらを少なくとも保護コロイドとして利用 することができる。また、調製および使用条件下でケラチン化する水溶性蛋白質 も、上記目的のためには好適である。 本発明に従って使用される水溶性ポリマーは、市販品であってもよく、また有 機化学における慣用の方法によって製造することもできる。 抗ブロッキング剤は、平均粒子径が0.01〜50μmの範囲にある固体の無 機物質が好適である。その例としては、珪酸アルミニウム,コロイダルシリカゲ ル,焼成シリカ,粉砕されたクレー,パーライト,バーミキュライト,硫酸カル シウム,タルク,セメント,チョーク粉末,炭酸カルシウム/炭酸マグネシウム 混合物,珪藻土等がある。 水溶性ポリマー,有機珪素化合物および抗ブロッキング剤に加えて、噴霧乾燥 中またはその後に追加の物質を一緒に噴霧または添加して、再分散性の粉末組成 物を調製することもできる。かかる追加の物質としては、トルエン等の水に不混 和性の溶剤、ラウリル硫酸ナトリウム等のイオン性や非イオン性の乳化剤、殺黴 剤、消泡剤、染料、顔料、チョーク粉末,炭酸カルシウム,石英粉末等の充填剤 などが例示される。上記各添加剤は、有機珪素化合物に対して通常0.1〜30 重量%の量で用いられる。 噴霧される混合物において、水の含有量は噴霧される混合物の全重量に対して 45〜95重量%の範囲にあることが好ましい。 本発明に従って調製される粉末は、例えば疎水化作用,バインダとしての特性 の他に、水蒸気に対して透過性に優れているので、珪素化合物が都合よく水に乳 化するかあるいは乳化可能であれば、いかなる場合でも使用することができる。 上記粉末は、例えばクレー,プラスター,下塗り塗料,気泡コンクリートや多孔 コンクリート等のコンクリートの添加剤として、また灰砂煉瓦製造用混合物、塗 料等において、乾燥状態または水に希釈した状態で使用することができる。また 、上記粉末は、例えばパーライト(真珠岩;溶岩の膨状物),バーミキュライト (蛭石;雲母の膨状物),気泡コンクリートの細粒等の塊状物表面の疎水化に使 用することができる。さらに、上記粉末は、水性媒体中の泡立ちを防止ないし打 ち消す消泡剤としても好適である。 さらに、本発明の粉末または本発明に従って調製される粉末は、微粒子状の砂 等の無機物質や木粉等の有機物質のためのバインダとして水に希釈した状態で使 用することができる。さらにまた、本発明の粉末または本発明に従って調製され る粉末は、接着剤の添加剤として使用することもできる。 実施例1 平均分子量が約600で25℃における粘度が約20mm2/sの式CH3Si (OC25)0.81.1で表される有機ポリシロキサン325gを、加水分解度が8 7.5モル%である濃度10%のポリビニルアルコール(分子量25,000,濃度4 %の水溶液の20℃における粘度5mPa・s)水溶液300gと混合して、エマル ジョンを形成した。このエマルジョンに水130gを添加・混合し、粘性のある 水中油型エマルジョンを更に有機ポリシロキサン325gと混合した。得られた 混合物を濃度10%のポリビニルアルコール(鹸化価190,分子量26,000)水 溶液650gと一緒に噴霧した。 噴霧乾燥機(Nubilosa AJM 014)の上端部に設置された渦巻ノズル噴霧器にポ リビニルアルコール溶液と一緒に搬送されるエマルジョンの噴霧は、並流式噴霧 乾燥機内で実施され、ノズル圧5200hPa(絶対圧)および空気(空気入口 温度170℃)の流量2.51/hの条件で噴霧した。同時に、炭酸カルシウム /炭酸マグネシウム(有機ポリシロキサンおよびポリビニルアルコールに対して 4重量%)30gを計量して、加圧空気により噴霧乾燥機の上端部に供給した。 乾燥した粉末と空気の混合物を温度85℃で収集器に排出した。分離した粉末を 更に炭酸カルシウム/炭酸マグネシウム(有機ポリシロキサンおよびポリビニル アルコールに対して6重量%)45gと混合した。 流動性および抗ブロッキング性を求めて粉末の品質を評価した。 流動性を求めるために、DIN53916に従って、容量50ml,出口ノズル直 径8mmおよびガラス棒で表面を平滑にした漏斗形状の容器に、試験に供される 粉末を導入した。出口フラップを開口した後、粉末を漏斗から取り出すのに要し た時間を求め、流動性を定性的に評価した。 抗ブロッキング性を求めるために、スクリューキャップで被冠した鉄製のチュ ーブに分散性粉末を導入した後、mm目盛付きの金属パンチで加重をかけた。m m目盛で金属パンチの挿入深さを読み取った後、乾燥炉において装置を50℃で 16時間保持した。室温に冷却した後、金属パンチの挿入深さを読み取り、粉末 をチューブから取り出し、粉末を強く押し当てて抗ブロッキング性を定性的に求 めた。 抗ブロッキング性を下記の基準に分類した。 A:抗ブロッキング性あり B:適度の抗ブロッキング性あり C:抗ブロッキング性なし 実施例1において、高い抗ブロッキング性を有する流動性の良好な粉末が得ら れた(抗ブロッキング性:A)。 比較例1 抗ブロッキング剤を添加することなく噴霧を行った以外は実施例1の方法を繰 り返し、更に噴霧乾燥後にも抗ブロッキング剤を粉末に添加しなかった。その結 果、流動性はあったが抗ブロッキング性のない(抗ブロッキング性:C)残留水 分含量1.5%の粉末が得られた。 比較例2 抗ブロッキング剤の全量75gを計量してこれを頂部から乾燥機に供給した以 外は、実施例1の方法を繰り返した。比較例1に比べて流動性は向上したものの 、抗ブロッキング性は基準B〜Cであり実施例1より著しく低下していた。 比較例3 比較例1で得られた粉末を乾燥後に抗ブロッキング剤の全量75gと混合した 。比較例1,2に比べて流動性は向上した。また、抗ブロッキング性も向上した が、基準Bであってさほどでもなく、実施例1より著しく低下していた。 比較例4 噴霧乾燥機の上端部に抗ブロッキング剤を供給しなかった以外は、実施例1の 方法を繰り返した。そして、噴霧乾燥機から排出した後の粉末を搬送する空気と 共に、炭酸カルシウム/炭酸マグネシウムの全量を乾燥機の下流に設置した分離 器に導入した。この結果、流動性が比較例3の調製物に相当する粉末が得られた 。抗ブロッキング性は基準Bに分類された。 実施例2 有機ポリシロキサン650gを実施例1の有機ポリシロキサン2重量部とイソ オクチルトリエトキシシラン1重量部の混合物と同量置き換えた点で、実施例1 を変更した。噴霧乾燥中に、抗ブロッキング剤(炭酸カルシウム/炭酸マグネシ ウム)75gの半量を計量して実施例1と同様に頂部に供給し、残り半量を冷空 気と一緒に乾燥機の低部に添加した。 この結果、流動性が良好であり、かつ基準Aと評価された高い抗ブロッキング 性を有する粉末が得られた。 比較例5 有機珪素化合物とポリビニルアルコールの水性混合物とは別に、抗ブロッキン グ剤の全量を計量して頂部に供給した以外は、実施例2に記載の実験を繰り返し た。得られた粉末の流動性は満足すべきものであったが、抗ブロッキング性は基 準Cであり満足できるものではなく、実施例2より著しく低下していた。 実施例3 ポリ酢酸ビニルの部分鹸化により製造された鹸化価190および分子量約26,0 00のポリビニルアルコール200gを水4660gに溶解した溶液に、25℃に おける粘度が1500mm2/sのヒドロキシジメチルシロキシル基で末端が停 止されたジメチルポリシロキサン1260gを添加して乳化させた。得られたエ マルジョンをノズル圧4300hPa(絶対圧),処理量21/h,空気入口温 度165℃およびガス出口温度85℃の条件下で粉末に転換した。珪酸アルミニ ウム25gを計量して上端部に供給し、残りの珪酸アルミニウム50gを計量し て冷空気と一緒に乾燥機の低部に供給した。粉末の流動性は良好であり、かつ抗 ブロッキング性は基準Aで非常に良好であった。 比較例6 珪酸アルミニウムの全量を計量して噴霧乾燥中に頂部に供給した以外は、実施 例3を繰り返した。得られた粉末の流動性は良好であったが、抗ブロッキング性 は基準Cであり満足できるものではなかった。 以下、本発明の好適な実施態様を例示する。 1. 1種またはそれ以上の有機珪素化合物および1種またはそれ以上の水溶性 有機ポリマーから構成される水性混合物を抗ブロッキング剤存在下噴霧乾燥する ことにより、有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方 法において、抗ブロッキング剤の一部を上記水性混合物とは別々ながら該混合物 と同時に乾燥機の上部に供給し、粉末が気流に懸濁している状態にある乾燥した 粉末流中に抗ブロッキング剤の残部を導入するかあるいは乾燥した粉末中に抗ブ ロッキング剤の残部を混合することを特徴とする水に再分散性の粉末組成物を調 製する方法。 2. 抗ブロッキング剤の全重量に対して20〜50重量%の抗ブロッキング剤 または抗ブロッキング剤の混合物を乾燥機の上部第三部位に供給する上記1に記 載の方法。 3. 抗ブロッキング剤の残部を乾燥機の下流に設置した分離器に粉末を搬送す る空気と一緒に導入する上記1または2に記載の方法。 請求の範囲 1. 1種またはそれ以上の有機珪素化合物および1種またはそれ以上の水溶性 有機ポリマーから構成される水性混合物を抗ブロッキング剤存在下噴霧乾燥する ことにより、有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方 法において、抗ブロッキング剤の一部を上記水性混合物とは別々ながら該混合物 と同時に乾燥機の上部に供給し、粉末が気流に懸濁している状態にある乾燥した 粉末流中に抗ブロッキング剤の残部を導入するかあるいは乾燥した粉末中に抗ブ ロッキング剤の残部を混合することを特徴とする水に再分散性の粉末組成物を調 製する方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴァイドナー,リチャード ドイツ連邦共和国 デー−84489 ブルク ハウゼン,リンダヒャー・シュトラーセ 69

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 1種またはそれ以上の有機珪素化合物および1種またはそれ以上の水溶性 有機ポリマーから構成される水性混合物を抗ブロッキング剤存在下噴霧乾燥する ことにより、有機珪素化合物を含有する水に再分散性の粉末組成物を調製する方 法において、抗ブロッキング剤の一部を上記水性混合物とは別々ながら該混合物 と同時に乾燥機の上部に供給し、粉末が気流に懸濁している状態にある乾燥した 粉末流中に抗ブロッキング剤の残部を導入するかあるいは乾燥した粉末中に抗ブ ロッキング剤の残部を混合することを特徴とする水に再分散性の粉末組成物を調 製する方法。 2. 抗ブロッキング剤の全重量に対して20〜50重量%の抗ブロッキング剤 または抗ブロッキング剤の混合物を乾燥機の上部に供給する特許請求の範囲第1 項記載の方法。 3. 抗ブロッキング剤を乾燥機の上部第三部位に供給する請求の範囲第1項ま たは第2項記載の方法。 4. 抗ブロッキング剤の残部を乾燥機の下流に設置した分離器に粉末を搬送す る空気と一緒に導入する請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の方法。
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