JPH11500454A - 強心性配糖体またはそれらのアグリコンおよび誘導体を使用してリーダーレスタンパク質輸送を阻害する方法 - Google Patents
強心性配糖体またはそれらのアグリコンおよび誘導体を使用してリーダーレスタンパク質輸送を阻害する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、細胞を強心性配糖体またはアグリコン誘導体と接触させることにより、細胞由来のリーダーレスタンパク質の輸送を阻害する方法を提供する。リーダーレスタンパク質には、FGF-1、FGF-2、IL-1α、IL-1β、および第XIIIa因子が含まれる。これらの方法は、腫瘍および糖尿病を含む状態の処置に有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
強心性配糖体またはそれらのアグリコンおよび誘導体を使用してリーダーレスタ
ンパク質輸送を阻害する方法
本発明の支援は、政府の資金援助によって、NIH DK18811を通して部分的に提
供された。政府は、本発明において特定の権利を有し得る。
技術分野
本発明は、一般に、リーダーレスタンパク質輸送のインヒビターに関し、そし
てより詳細には、細胞外空間へのリーダーレスタンパク質の輸送を阻害する強心
性配糖体またはアグリコン誘導体の使用に関する。
発明の背景
多くのタンパク質は、細胞表面レセプターに結合することによって媒介される
シグナルトランスダクションを介する細胞増殖、細胞分化、および炎症に対して
効果を及ぼす。さらに、血餅形成を開始するかまたは血餅形成のために必要な因
子のような他のタンパク質は、血液中で酵素的に作用する。一般に、これらの作
用が通常のプロセスの一部(特定の環境下)である一方で、特定のタンパク質の
作用および続いて起こるシグナリングの効果を限定または阻害することが所望さ
れ得る。例えば、成長因子(例えば、メラノーマ細胞において作用するbFGF)に
よって促進される腫瘍の増殖は、有害であり、そしてしばしば死を導く。
特定のタンパク質を阻害するためのアプローチは、タンパク質-基質またはタ
ンパク質-レセプター相互作用を妨害することに主に集中してきた。代表的には
、これは、レセプター結合に対する競合物(competitor)の投与によるかまたは
タンパク質のプロテアーゼ消化によって、タンパク質に競合的に結合する抗体ま
たは他の分子の使用を包含する。別のアプローチは、一般的には行われていない
が、転写または翻訳レベルでその発現を阻害することによってタンパク質レベル
を減少させることである。タンパク質の転写または翻訳を阻害することによって
タン
パク質レベルを減少させる方法は、1つまたはいくつかのタンパク質の特異的な
発現の阻害の本質的な問題のために達成するのが困難であった。
特定のタンパク質(例えば、成長因子)、炎症のメディエーター、および血液
凝固のメディエーターが非古典的分泌経路を通して輸送されるという発見は、こ
れらのタンパク質に対する特異的なインヒビターの開発を可能にする。これらの
タンパク質は、古典的Golgi/ER経路による分泌を媒介する疎水性リーダー配列の
それらの欠乏によって同定される。これらのタンパク質は、エキソサイトーシス
によって細胞から輸送されると考えられる。
本発明は、所望でない増殖および炎症の制御を可能にするこれらのリーダーレ
スタンパク質の輸送のインヒビター、ならびに他の関連する利点を提供する。
発明の要旨
本発明は、一般に、タンパク質を発現する細胞由来のリーダーレスタンパク質
の輸送を阻害する方法を提供する。本発明の1つの局面において、輸送は、タン
パク質を発現する細胞を強心性配糖体と接触させることによって阻害される。特
定の実施態様において、強心性配糖体は、ジゴキシン、ストロファンチンK、ジ
ギトキシン、ラナトシドA、およびウアバインからなる群より選択される。好ま
しくは、強心性配糖体は、ウアバインまたはジゴキシンである。
本発明の別の局面において、細胞を強心性配糖体のアグリコン誘導体と接触さ
せることにより、タンパク質を発現する細胞由来のリーダーレスタンパク質の輸
送を阻害する方法が提供される。特定の実施態様において、アグリコン誘導体は
、ジゴキシゲニン、ジギトキシゲニン、およびウザリゲニンからなる群より選択
される。好ましくは、アグリコン誘導体は、ジゴキシゲニンである。
他の局面において、細胞を強心性配糖体または強心性配糖体のアグリコン誘導
体と接触させる工程を包含する、FGF-2を発現する細胞由来のFGF-2の輸送を阻害
するための方法が提供される。さらに他の局面において、強心性配糖体または強
心性配糖体のアグリコン誘導体の治療的有効投与量を投与し、それによって輸送
されるFGF-2の量を減少させる工程を包含する、患者においてFGF媒介性病態生理
学的状態を処置する方法が提供される。特定の実施態様において、病態生理学的
状態はメラノーマ、卵巣癌、奇形癌、および神経芽細胞腫である。
さらに他の局面において、細胞を強心性配糖体または強心性配糖体のアグリコ
ン誘導体と接触させる工程を包含する、FGFレセプターを有する細胞の増殖を阻
害するための方法が提供される。なお他の局面において、細胞を阻害量の強心性
配糖体またはアグリコン誘導体と接触させる工程を包含する、糖尿病の合併症を
処置するための方法が提供される。
細胞を式1、式2、式3、式4、または式5からなる群より選択される化合物
で処理する工程を包含する、リーダーレスタンパク質の輸送を阻害するための方
法もまた提供される。
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面の参照
により明らかになる。特定の手順または組成物(例えば、プラスミドなど)をよ
り詳細に記載している種々の参考文献を以下に示す。これらの参考文献は全てそ
の全体が参考として援用される。
図面の簡単な説明
図1は、種々の強心性配糖体のアグリコン核の一般的な構造の図である。
図2は、ウアバインなしでの処理後(パネルA)およびウアバインでの処理後
(パネルB)の、パルス標識し、免疫沈降した細胞性FGF-2(Cで記したレーン
)および細胞外FGF-2(Mで記したレーン)のSDS-PAGEゲルである。
図3は、ウアバインなしでの処理後(パネルA)およびウアバインでの処理後
(パネルB)の、パルス標識し、免疫沈降した細胞性ヒトコリオゴナドトロピン
α(corionic gonadatrophin)(Cで記したレーン)および細胞外ヒトコリオゴ
ナドトロピン(Mで記したレーン)のSDS-PAGEゲルである。
図4は、ウアバインでの処理後のFGF-2輸送量を示すグラフである。
図5は、代謝標識後の細胞画分(C)および培地画分(M)由来の免疫沈降し
たFGF-2およびHCG-αの写真である。COS-1細胞を、p18dxまたはhCG-αを用いて
トランスフェクトし、そして培地のみ(A)、Brefedin A(B)、または2-デオ
キシ-D-グルコース+NaN3(C)中で代謝的に標識した。FGF-2およびHCG-αを、
細胞(C)または培地(M)から免疫沈降し、電気泳動し、そしてオートラジオ
グラフィーした。
図6は、細胞内またはCF-18および野生型COS細胞における細胞表面上のFGF-2
を検出するウェスタンブロットである。細胞内タンパク質を、ヘパリンセファロ
ースによって精製する。FGF-2を、矢印でマークし、分子量標準を右に示す。
図7Aおよび図7Bは、ウェスタンブロットおよびブロットの結果を定量化するグ
ラフである。ブロットのために、CF18細胞を、炭酸緩衝液で洗浄し、そしてウア
バインの存在下または非存在下でインキュベートする。A、細胞表面タンパク質
の代表的なウエスタン、FGF-2を矢印で記し、分子量標準は右側にある。CLT、コ
ントロール;48、48時間培養された;+OUA、ウアバインの存在下で48時間培養さ
れた。B、細胞内FGF2について調整したシグナルの平均±標準偏差。*、コント
ロールに対してp<0.002;+、48時間に対してp<0.002(n=6)。
図8は、種々のウアバイン濃度の存在下または非存在下でインキュベートされ
た正常な軟骨細胞から放出されたFGF2(コントロールの%として)を示すグラフ
である。バーは、標準偏差を示す。
図9Aおよび9Bは、IL-1をコードするプラスミドでのCOS細胞のトランスフェク
ション後、抗IL-1抗体を用いる免疫沈降のオートラジオグラムである。C、細胞
抽出物;M、細胞馴化培地。
図10は、IL-1を発現するプラスミドでのCOS細胞のトランスフェクション後、
抗IL-1抗体を用いる免疫沈降のオートラジオグラムである。C、細胞抽出物;M
、細胞馴化培地。
図11は、IL-1を発現するプラスミドでのCOS細胞のトランスフェクション後、
抗IL-1抗体を用いる免疫沈降のオートラジオグラムである。COS細胞を、5mMの
ウアバインで処理する。C、細胞抽出物;M、細胞馴化培地。
図12は、IL-1を発現するプラスミドでのCOS細胞のトランスフェクション後、
抗IL-1抗体を用いる免疫沈降のオートラジオグラムである。C、細胞抽出物;M
、細胞馴化培地。
図13は、IL-1を発現するプラスミドでのCOS細胞のトランスフェクション後、
抗IL-1抗体を用いる免疫沈降のオートラジオグラムである。細胞を、5mMのウア
バインで処理する。C、細胞抽出物;M、細胞馴化培地。
図14は、IL-1を発現するプラスミドでのCOS細胞のトランスフェクション後、
抗IL-1抗体を用いる免疫沈降のオートラジオグラムである。COS細胞を、5mMの
ウアバインで処理するかまたは処理を与えない。C、細胞抽出物;M、細胞馴化
培地。
発明の詳細な説明
本発明の理解を助けるために、本明細書中で使用される特定の用語の定義を提
供する。
「強心性配糖体」は、構造的に関連する化合物の群をいう。構造的に、これら
の化合物は、ステロイド化合物に特有のシクロペンタノペルヒドロフェナントレ
ン核に由来し、D環のC17での5員環不飽和ラタトン環または6員環二重不飽和
ラクトン環、1つ以上の糖残基へのエーテル結合による結合のためのA環中のC
3での水酸基、およびC14での水酸基を有する(図1)。強心性配糖体のアグリ
コン誘導体は類似した構造を有するが、強心性配糖体に特有の炭水化物を欠く。
これらのアグリコン誘導体はまた、本発明において有用である。この基の代表は
、多くの植物起源ならびに動物に見出される。(A Survey of Cardiac Glycosid
es and Genins,University of South Carolina Press,1961を参照のこと。)
強心性配糖体には、哺乳動物から単離されているウアバイン様/ジゴキシン様化
合物が含まれる(米国特許第4,780,314号を参照のこと)。
「リーダーレスタンパク質」は、細胞外環境に到達するが正規のリーダー配列
を欠くタンパク質またはポリペプチドをいう。リーダー配列は、ERへの移動を媒
介し、そしてシグナル認識タンパク質(SRP)によって認識される。細胞外環境
中のタンパク質には、細胞外空間に見出される分泌タンパク質ならびに膜に結合
するが完全な膜タンパク質でないタンパク質が含まれる。原型リーダー配列は、
アミノ末端の正に帯電した領域(中心の疎水性領域)、およびより極性のカルボ
キシ末端領域を有する(von Heijne,J.Membrane Biol.115: 195-201,1990を
参照のこと)。リーダーレスタンパク質には、FGF-1、FGF-2、インターロイキン
1α、インターロイキン1β、精管タンパク質、血小板由来内皮細胞増殖因子、
毛様体神経栄養因子、チモシン、パラチモシン、14.5 kDaレクチン(L14)、ト
ランスグルタミナーゼ、チオレドキシン様タンパク質、坐骨神経成長促進活性、
第XIIIa因子、およびint-2が含まれる。これらの発明の文脈中には、リーダーレ
スタンパク質には、天然に存在するタンパク質ならびにリーダー配列を欠くよう
に操作されているが輸送されるタンパク質が含まれる。本明細書中において、用
語「シグナル配列」、「リーダーペプチド」、および「リーダー配列」は、交換
可能に使用される。
タンパク質の「輸送」は、翻訳された細胞産物を細胞外空間またはリーダー配
列による以外の機構による細胞膜に輸送する代謝的に活性なプロセスをいう。リーダーレスタンパク質
上記のように、リーダーレスタンパク質は、細胞外環境下に到達するがSRP認
識によってER中のタンパク質の移動を媒介するために機能するシグナル配列を欠
くタンパク質である。代表的には、これらのタンパク質は、それらの一次翻訳産
物が正規の疎水性リーダー配列またはシグナル配列(これは、通常一次翻訳産物
のN末端に位置し、そしてGolgi/ERを介した輸送プロセスにおいて使用される)
を欠くので最初に同定される。リーダー配列は、3つの別個のドメインを有する
:約1〜5残基長のアミノ末端の正に帯電した領域;約7〜15残基長の中心の疎
水性領域;および約3〜7残基長のより極性のカルボキシ末端ドメイン(von He
ijne、前出)。疎水性の中心の領域は重要である。
いくつかのリーダーレスタンパク質は、細胞外環境におけるそれらの位置、Go
lgi/ERを介する以外の機構による輸送、およびリーダー配列の欠乏によって同定
されてきた。このようなタンパク質には、IL-1α(配列番号4、5;前駆体、成
熟形態)、IL-1β(配列番号6、7;前駆体、成熟形態)、FGF-1、FGF-2(配列
番号1、2;cDNA、18 kD形態)、PD-ECGF(血小板由来内皮細胞増殖因子)、CN
TF(毛様体神経栄養因子)、坐骨神経成長促進活性、精管タンパク質、トランス
グルタミナーゼ、L-14レクチン、第XIIIa因子、チオレドキシン様タンパク質(A
DF)、チモシン、パラチモシン、およびint-2が含まれる。
輸送される他のリーダーレスタンパク質は、2部分アッセイ(two-part assay
)によって同定され得る:(1)膜を含む細胞外空間中のタンパク質の同定、
および(2)ブレフェルジン耐性輸送。候補のリーダーレスタンパク質を同定す
るための予備的評価は、一次翻訳産物のアミノ酸配列の調査によってなされ得る
。本明細書中に記載のように(von Heijne、前出)、アミノ末端配列と他の公知
のリーダー配列との比較または原型パターン配列の同定は、潜在的なリーダーレ
スタンパク質を分類するための手段を提供する。上記で議論したように、リーダ
ー配列は、約15〜25アミノ酸長であり、かつ最小で7〜15疎水性残基(例えば、
ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、フェニルアラニン、メチオニン、
トレオニン、セリン、プロリン、システイン、アラニン、チロシン、およびトリ
プトファン)の中心領域を含む。このような配列を欠くタンパク質の任意の一次
翻訳配列は、輸送されるリーダーレスタンパク質の候補である。
上記のように、リーダーレスタンパク質としてのタンパク質の同定は、2部分
アッセイ、細胞外環境におけるタンパク質の発見、およびブレフェルジン耐性に
基づく。
最初のアッセイは、細胞外でタンパク質を検出するために行う。このアッセイ
のために、リーダーレスタンパク質を発現する試験細胞が必要である。試験細胞
がタンパク質を天然に産生し得るか、または好ましくは、タンパク質をトランス
フェクトした発現ベクターから産生し得る。FGF-2発現のために、COS細胞がトラ
ンスフェクションのために好ましい。IL-1の発現のために、p388D1細胞が好まし
い。発現後、タンパク質を種々の周知の方法および手順のいずれか1つによって
検出する。このような方法には、フローサイトメトリーとともに抗体を用いる染
色、共焦点顕微鏡法、画像分析、細胞培地の免疫沈降、細胞培地のウェスタンブ
ロット、ELISA、およびバイオアッセイが含まれる。最初のスクリーニングの間
の好ましいアッセイは、ELISAである。任意の候補物が他のアッセイのうちの1
つによって(好ましくは代謝標識後、細胞培地の免疫沈降によって)確証される
。簡単に述べれば、候補のリーダーレスタンパク質を発現する細胞を、メチオニ
ンおよび/またはシステインを含まない培地中で35S-メチオニンおよび/または35
S-システインとともに15分間パルス標識し、そして過剰のメチオニンおよび/ま
たはシステインを補充した培地中でチェイスする。培地の画分を回収し、そして
微量遠心分離機(microfuge)中での遠心分離によって明澄化する。プロテアーゼ
を
阻害するために、1%NP-40、0.5%デオキシコレート(DOC)、20mM Tris(pH 7
.5)、5mM EDTA、2mM EGTA、10nM PMSF、10ng/mlアプロチニン、10 ng/mlロイ
ペプチン、および10 ng/mlペプスタチンを含む溶解緩衝液を明澄化した培地に添
加する。候補のリーダーレスタンパク質に対する抗体を添加し、そして冷却下に
おけるインキュベーションの後、沈降した二次抗体または免疫グロブリン結合タ
らなるインキュベーションのために添加する。並行して、コントロールとして、
サイトゾルタンパク質をコードするベクターを同時トランスフェクトし、そして
免疫沈降において公知のサイトゾルタンパク質に対する抗体を使用する。免疫複
合体をペレット化し、そして氷冷溶解緩衝液を用いて洗浄する。複合体を、氷冷
IP緩衝液(0.15M NaCl、10mM リン酸ナトリウム(pH 7.2)、1% DOC、1%NP-
40、0.1%SDS)でさらに洗浄する。免疫複合体をSDSゲルサンプル緩衝液中に直
接溶出し、そしてSDS-PAGEにおいて電気泳動する。アクリルアミドの割合は、リ
ーダーレスタンパク質の分子量に依存する。ゲルを蛍光光度法のために処理し、
乾燥し、そしてX線フィルムに曝露する。サイトゾルタンパク質のコントロール
と比較して培地中により高いレベルで発現されるタンパク質を、ブレフェルジン
耐性輸送について試験する。
上記のように、リーダーレスタンパク質を発現する細胞におけるブレフェルジ
ン耐性を測定する。簡単に述べれば、COS-1細胞のような細胞を、リーダーレス
タンパク質(例えば、FGF-2)の発現を指向する発現ベクターでトランスフェク
トする。約2日後、トランスフェクトされた細胞をメチオニンおよびシステイン
を含まない培地中で、35S-メチオニンおよび35S-システインとともに15分間代謝
的にパルス標識する。標識を取り除き、そして細胞を15μg/mlブレフェルジンA
を含有する培地中でさらにインキュベートする。FGF-2輸送の定量のために、25
μg/mlヘパリンをチェイス培地に添加する。FGF-2輸送における統計的に有為な
減少の欠如は、タンパク質輸送が、ブレフェルジンA耐性であることを示す。インヒビター
上記のように、強心性配糖体およびアグリコンは、リーダーレスタンパク質の
輸送のインヒビターである。強心性配糖体およびそれらのアグリコン誘導体は、
ステロイド化合物に特有のシクロペンタノペルヒドロフェナントレン核に由来す
る(図1)。D環のC17において、5員環不飽和ラクトン環または6員環二重不
飽和ラクトン環が存在する。A環のC3において、エーテル結合による1つ以上
の糖残基に結合するための水酸基が存在し、そしてC14において水酸基が存在す
る。さらに、他のC原子(例えば、C16)は、側基(side group)を有し得る。C
3における糖基には、単糖類(グルコース、ラムノース、シマロースを含む)、
二糖類、三糖類、および多糖類(シマロース-β-D-グルコース、L-ラムノース-D
-グルコース、トリジギトキソース、ジギトキソース3-D-グルコースなどを含む
)ならびに糖誘導体が含まれる。アグリコン誘導体は、強心性配糖体に類似の構
造を有するが、炭水化物残基を欠く。しかし、他の側基は、アグリコン誘導体中
のC3位で置換され得る。同時に、強心性配糖体およびアグリコン誘導体は、カ
ルデノリドとして分類される。
本発明において有用な強心性配糖体には、ラナトシドA、デスアセチルラナト
シドA、アクチルジギトキシン、ジギトキシン、ラナトシドC、デスアセチルラ
ナトシドC、ジゴキシン、ストロファントシド、K-ストロファンチン、ウアバ
イン、シラレンA、プロシラリジンA、ウザリン、ジトキソース、ジトキシン、
ストロファンチジン-3β-ジギトキソシド、ストロファンチジンα-L-ラムノピラ
ノシド、ストロファンチドール、オレアンドリン、アコベノシドA、ストロファ
ンチジンジギラノビオシド、ストロファンチジン-D-シマロシド、ジギトキシゲ
ニン-L-ラムノシドジギトキシゲニンセレトシドなどが含まれるが、これらに限
定されない。アグリコンには、ストロファンチジン、ジギトキシゲニン、ウザリ
ゲニン、ジゴキシゲニン、ジゴキシゲニン3,12-ジアセテート、ギトキシゲニン
、ギトキシゲニン3-アセテート、ギトキシゲニン3,16-ジアセテート、16-アセチ
ルギトキシゲニン、アセチルストロファンチジン、ウアバゲニン、3-エピジゴキ
シゲニンなどが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、強心性配糖体
は、ウアバイン、ジゴキシン、またはジギトキシンである。最も好ましくは、強
心性配糖体はウアバインであり、そしてアグリコン誘導体は、ストロファンチジ
ンである。
強心性配糖体およびアグリコンは、生物(例えば、植物)かまたはヒト血清ま
たは尿から精製され得る。(例えば、Merck Index.第10版;PCT出願WO 91/1717
6; 米国特許第4,780,314号;Kellyら、Kidney Int'l 30: 723-729,1986におけ
る参考文献を参照のこと)。化合物はまた、商業的に購入され得る(例えば、Si
gma Chemical Co.,St.Louis,MO; Calbiochem,San Diego,CA)。リーダーレスタンパク質の輸送の阻害を検出するためのアッセイ
リーダーレスタンパク質の輸送の強心性配糖体インヒビターまたはアグリコン
誘導体インヒビターを、本明細書中に記載のアッセイの1つによって同定する。
簡単に述べれば、リーダーレスタンパク質を発現する細胞を強心性配糖体または
アグリコン誘導体で処理し、そして細胞外タンパク質として検出されるリーダー
レスタンパク質の量を処理無しで検出される量と比較する。
本発明の文脈内で、インヒビターは3つの基準を満たさなければならない:(
1)リーダーレスタンパク質の輸送をブロックする、(2)リーダー配列を有す
る分泌タンパク質の輸送をブロックしない、(3)細胞外環境において、サイト
ゾルタンパク質の発現を促進しない。
本明細書中に記載の任意のアッセイにおいて、試験細胞は、天然、またはタン
パク質をコードする組換えDNA分子の導入後のいずれかでリーダーレスタンパク
質を発現し得る。同様に、分泌タンパク質およびサイトゾルタンパク質の発現は
、天然、またはタンパク質をコードするベクターのトランスフェクション後のい
ずれかであり得る。リーダーレスタンパク質の組換え発現が好ましい。上記の任
意のリーダーレスタンパク質、キメラのリーダーレスタンパク質(すなわち、別
のタンパク質またはタンパク質フラグメントとのリーダーレスタンパク質の融合
物)、またはリーダー配列を欠くように操作されたタンパク質配列を使用し得る
。リーダー配列によって輸送される分泌タンパク質は周知であり、そしてそれら
には、ヒトコリオゴナドトロピン(HCGα)(配列番号3)、成長ホルモン、肝
細胞増殖因子、トランスフェリン、神経成長因子、血管内皮成長因子、オボアル
ブミン、およびインスリン様増殖因子が含まれる。同様に、サイトゾルタンパク
質は周知であり、そしてそれらには、ネオマイシン、β−ガラクトシダーゼ、ア
ク
チン、および他の細胞骨格タンパク質、酵素(例えば、タンパク質キナーゼAま
たはC)が含まれる。最も有用なサイトゾルタンパク質または分泌タンパク質は
、便利なアッセイ(例えば、ELISA)で容易に測定されるタンパク質である。3
つのタンパク質は、天然に同時発現するかもしくは試験細胞へのトランスフェク
ションによって同時発現され得るかまたは宿主細胞中に別々にトランスフェクト
され得る。タンパク質は、一時的に発現され得るかまたは安定な形質転換細胞か
ら発現され得る。
単に例示のために、FGF-2の18kDのイソ型を含む構築物を記載する。プラスミ
ド18dxは、FGF-2の18kDのイソ型(これは、以前に記載のように(Florkiewiczお
よびSommer、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86: 3978,1989)、野生型ヒトFGF-2
cDNAに由来した)をコードする。FGF-2配列は、18kDのイソ型のATGコドンの11b
p5'で先を切断された。従って、18kD形態のみが発現され得る。cDNAを含むフラ
グメントを、pJC119(SV-40に基づく発現ベクター)に挿入した。他の発現ベク
ターが相互交換可能に使用され得、そしてベクターの選択がトランスフェクトさ
れるべき宿主細胞に一部依存することは明らかである。FGF-2 cDNAを、SV-40に
基づく発現ベクターを用いてCOS細胞中で発現させた。ベクターであるpJC119(S
pragueら、J.Virol.45: 773,1983)は、SV-40に基づくベクターであり、これ
は挿入した遺伝子の発現を制御するためにSV40後期プロモーターを使用する。CO
S細胞を選択した。なぜなら、それらは、通常、非常に低レベルのFGF-2を発現し
、そしてそれ自身このリーダーレスタンパク質の輸送についての適切な細胞機構
を有するからである。
上記の他のリーダーレスタンパク質が、FGF-2の代わりに構築物において使用
され得る。これらのタンパク質をコードするDNA分子を、従来の方法(例えば、
ライブラリースクリーニング、PCR増幅、およびクローニング)によって得るこ
とが出来るか、またはヒトおよびマウスのDNAプローブのATCC/NIH保管所から得
ることが出来る。一般に、これらのタンパク質のヌクレオチド配列は、Genbank
およびEMBLデータベースまたは刊行物から入手可能である。
他の細胞型、ベクター、プロモーター、および発現に使用された他のエレメン
トは、周知の原理に従って容易に置換され得ることが認識される。最少で、リー
ダーレスタンパク質を含むベクター構築物は、標的細胞中で活性なプロモーター
配列を有さなければならない。必要に応じて、および好ましくは、構築物はエン
ハンサー、転写ターミネーター、および選択マーカーを含む。このようなベクタ
ーは、トランスフェクトされた細胞の種または組織の型に適切であるように選択
される。起源において、細胞は、哺乳動物、鳥類、または他の真核細胞(酵母を
含む)であり得る。
本発明を実行するために適切な哺乳動物細胞には、特に、COS(ATCC番号CRL 1
650)、BHK(ATCC番号CRL 6281)、CHO(ATCC番号CCL 61)、HeLa(ATCC番号CCL
2)、293(ATCC番号1573)、NS-1(ATCC番号T1B18)、およびHep G2(ATCC番号
HB 8065)が含まれる。
広範な種々のプロモーターは、本発明の文脈中で使用され得る。プロモーター
の選択は、トランスフェクションのためのレシピエント細胞株に少なくとも一部
依存する。例示のために、上記のSV40プロモーターのようなプロモーター、MoMu
LV LTR、RSV LTR、アデノウイルスプロモーター、メタロチオネイン遺伝子プロ
モーター、サイトメガロウイルス即時初期プロモーターまたは後期プロモーター
が使用され得る。標的細胞中で活性化される限り、組織特異的プロモーターもま
た使用し得る。例えば、免疫グロブリンプロモーターを、Bリンパ球中で遺伝子
を発現させるために使用し得る。好ましいプロモーターは、高レベルでリーダー
レスタンパク質を発現する。
リーダーレスタンパク質、分泌タンパク質、およびサイトゾルタンパク質を検
出するためのアッセイには、パルスチェイス手順において標識したタンパク質の
免疫沈降、ELISA、ビオチン化された細胞表面タンパク質のアビジン沈澱、ウェ
スタンブロット、生物学的アッセイ、およびファゴカイネティックトラクト(pha
gokinetic tract)が含まれる。これら全てのアッセイにおいて、リーダーレスタ
ンパク質を発現しそして輸送する試験細胞を、候補のインヒビターとともにおよ
びこれを伴わずにインキュベートする。
免疫沈降は、阻害を測定するための好ましいアッセイである。簡単に述べれば
、免疫沈降のために、導入したベクター構築物由来のリーダーレスタンパク質を
発現する細胞を、メチオニンおよびシステインを含まない細胞培養培地中で、短
期
間(代表的には、15分間)35S-メチオニンまたは35S-システインで標識する。
リーダーレスタンパク質がヘパリン結合である場合、パルス標識の後、細胞を過
剰の非標識メチオニンおよびシステイン+ヘパリンを補充した培地で洗浄する。
次いで、細胞を同一のチェイス培地中で種々の期間培養する。候補インヒビター
を、種々の濃度で培養物に添加する。培養上清を回収し、そして明澄化する。上
清を、抗FGF-2免疫血清またはモノクローナル抗体とともにインキュベートし、
その後S
心分離でペレット化し、1%NP-40および0.5%デオキシコレート、EGTA、PMSF、
アプロチニン、ロイペプチン、およびペプスタチンを含む緩衝液で洗浄する。次
いで、沈殿物をリン酸ナトリウム(pH 7.2)、デオキシコレート、NP-40、およ
びSDSを含む緩衝液で洗浄する。免疫複合体を、SDSゲルサンプル緩衝液中に溶出
し、そしてSDS-PAGEによって分離する。ゲルを、蛍光光度法のために処理し、乾
燥し、そしてX線フィルムに曝露する。
あるいは、ELISAを用いて、細胞上清中のFGF-2または他のリーダーレスタンパ
ク質の量を検出し、そして定量する。簡単に述べれば、FGF-2が試験リーダーレ
スタンパク質である場合、96ウェルプレートを抗FGF-2抗体で被覆し、洗浄し、
そして上清をウェルに添加する。インキュベーションおよび洗浄後、FGF-2に二
次抗体を添加する。さらなるインキュベーション後、発色試薬を添加し、そして
ELISAプレートリーダーを用いてFGF-2の量を測定する。代表的には、発色試薬は
、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)に結合した抗アイソタイプ抗体
であり、これは比色定量反応を生じる基質と反応する。酵素に結合した二次抗体
を使用するよりもむしろ、FGF-2抗体は西洋ワサビペルオキシダーゼまたは他の
等価な検出試薬に直接結合され得ることが認められる。必要であれば、細胞上清
を、検出レベルを上げるために濃縮し得る。
あるいは、濃縮した上清を、SDS-PAGEゲルで電気泳動し得、そして固体支持体
(例えば、ナイロンまたはニトロセルロース)に移し得る。次いで、リーダーレ
スタンパク質を、アイソトープ性または非アイソトープ性レポーター基を含むリ
ーダーレスタンパク質に対する抗体を用いて、イムノブロット(Harlow,Antibo
dies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)によって
検出する。これらのレポーター基には、酵素、補因子、色素、ラジオアイソトー
プ、発光分子、蛍光分子、およびビオチンが含まれるが、これらに限定されない
。好ましくは、レポーター基は、125Iまたは西洋ワサビペルオキシダーゼであり
、これは、2,2'-アジノ-ジ-3-エチルベンズチアゾリンスルホン酸とのインキュ
ベートにより検出され得る。
本明細書中に議論したように、輸送されたリーダーレスタンパク質は、細胞膜
に会合し得る。例えば、FGF-2を発現するベクターを用いて安定に形質転換され
たCOS細胞はFGF-2を輸送するが、培養培地中にタンパク質を放出しない。細胞表
面会合リーダーレスタンパク質を、細胞表面タンパク質を検出するために設計ま
たは適応された任意の方法(例えば、蛍光タグ化抗体染色法)または表面タンパ
ク質のビオチン化後のアビジンまたはストレプトアビジン沈降によってアッセイ
し得る。簡単に述べれば、ビオチン化のために、細胞を、付加(adducting)させ
得るビオチン(例えば、NHS-ss-ビオチン;Pierce Chemicals)とともに短時間
暗所でインキュベートし、洗浄し、そして溶解する。次いで、溶解物をストレプ
トアビジンとともに一晩インキュベートする。ストレプトアビジン複合体を、遠
心分離によって回収し得、そしてアクリルアミドゲルにおいて電気泳動する。細
胞内タンパク質を、上清中に回収し得、そして本明細書中に記載のように処理し
得る。ビオチンの代わりに、対応する抗体または結合分子を有する他の任意の反
応性化合物を使用し得る。
別のアッセイであるバイオアッセイを、細胞培地中に輸送されるリーダーレス
タンパク質の量を定量するために行い得る。例えば、18kD FGF-2の生物活性を、
増殖アッセイ(例えば、トリチウム化したチミジンの取り込み)によって測定し
得る。簡単に述べれば、FGF-2を含む発現ベクターでトランスフェクトした細胞
を、約30時間培養し、その間候補インヒビターを添加する。インキュベーション
後、細胞を低血清培地に移し、さらに16時間インキュベートする。培地を回収し
、そして遠心分離によって明澄化する。プロテアーゼインヒビターを含む溶解緩
衝
化し、そして1.0M NaClで非FGF-2タンパク質を溶出した後、3.0M NaClで溶出す
る。次いで、FGF-2の生物活性を、種々の量の溶出物を静止状態の培養した3T3細
胞に添加することによって測定する。トリチウム化したチミジンを培地に添加し
、そして約24時間後にTCA沈殿性のカウントを測定する。標準のために、精製し
た組換えヒトFGF-2を使用し得る。
細胞運動性を生じるリーダーレスタンパク質(例えば、FGF-2)のために、フ
ァゴカイネチックトラクトアッセイ(Phagokinetic tract assay)を用いて輸送
されたリーダーレスタンパク質の量を測定し得る(Mignattiら、J.Cellular Ph
ysiol.151:81-93,1992)。このアッセイにおいて、細胞を遊走させ、そして
顕微鏡のカバーガラスをコロイド状の金で被覆する。暗視野照度下で、金の粒子
が暗いバックグランド上に光度に屈折した粒子の均質の層として現れる。細胞が
基質上で遊走する場合、細胞は金粒子を端へ押し、暗い痕跡を残す。画像分析装
置を使用し、痕跡の長さを測定し得る。条件下で、細胞運動性は細胞によって産
生されたFGF-2の量に直接的に相関する。バイオアッセイの選択は、少なくとも
一部において、試験されるリーダーレスタンパク質に依存する。
これらの任意のアッセイにおいて、インヒビターを用いずに行ったアッセイと
の比較して、インヒビターを用いて行ったアッセイにおいて、細胞外で検出され
たタンパク質の量において統計的に有意な減少が存在する場合、強心性配糖体ま
たはアグリコン誘導体は輸送を阻害する。好ましくは、インヒビターは、リーダ
ーレスタンパク質の輸送を少なくとも50%減少させ、よりいっそう好ましくは80
%以上減少させ、そしてまた好ましくは、用量依存様式で減少させる。さらに、
分泌タンパク質またはサイトゾルタンパク質のいずれかの出現に対する統計的に
有意な効果が存在すべきでない。好ましくは、これら2つのタンパク質の出現に
おける増加または減少は、10%より少ない。投与
上記のように、リーダーレスタンパク質の輸送のインヒビターは、数ある用途
の中で、腫瘍の処置、細胞(再狭窄を起こす平滑筋細胞を含む)増殖の阻害、お
よび糖尿病の合併症の処置に有用である。処置とは、症状を軽減し得るか、また
は疾患もしくは病状の進行を停止するか遅延し得ることを意味する。処置すべき
細胞を、強心性配糖体または強心性配糖体のアグリコン誘導体に治療的有効投与
量で接触させる。接触は、エクスビボまたはインビボにおける細胞のインキュベ
ートによって(例えば、局所的処置、特異的キャリアによる送達、または血管供
給によって)、達成され得る。
本明細書におけるコンジュゲートは、局所、局部、静脈内、および全身適用に
適切な薬学的組成物中に処方され得る。時間放出処方物もまた所望される。1つ
以上のコンジュゲートの有効な濃縮物を、適切な薬学的キャリアまたはビヒクル
と混合する。有効であるコンジュゲートの濃度または量は、投与の際、症状を改
善するかまたは疾患を処置する量の送達を必要とする。代表的には、組成物を、
単回投薬投与のために処方する。治療的有効濃度および治療的有効量を、公知の
インビトロおよびインビボ系(例えば、本明細書中に記載の系)においてコンジ
ュゲートを試験することによって経験的に決定し得る;次いで、ヒトまたは他の
動物のための投与量を、それらから推測し得る。
本明細書中に記載の処置のための候補となる腫瘍には、FGFのレセプターを有
する腫瘍が含まれる。このような腫瘍には、メラノーマ、奇形癌、卵巣癌、膀胱
癌、および神経芽細胞腫が含まれる。
他の疾患、障害、および症候群が処置に適切である。糖尿病の合併症(例えば
、糖尿病性網膜症、再狭窄、多発性嚢胞腎疾患、およびアテローム性動脈硬化症
)もまた、このような処置の候補である。糖尿病において冒される眼、腎臓、お
よび末梢神経中の細胞を、本明細書中に記載のコンジュゲートで処置し得る。
本明細書中で提供されるコンジュゲートの投与に適切な薬学的キャリアまたは
ビヒクルには、投与の特定の様式に適切であることが当業者に公知の任意のキャ
リアが含まれる。さらに、インヒビターを組成物中の唯一の薬学的有効成分とし
て処方し得るか、または他の有効成分と組み合わせ得る。
本発明の組成物を、種々の異なる経路による投与のために調製し得る。強心性
配糖体またはアグリコン誘導体の局部投与が好ましい。インヒビターを、適切な
賦形剤(例えば、塩、緩衝液、安定化剤など)と混合し得る。皮膚および粘膜へ
のような局所的に適用する場合、インヒビターは、ゲル、クリーム、およびロー
ションの形態であり得る。特に、眼科的用途のために意図されたこのような溶液
を、適切な塩を含む0.01%〜10%等張溶液(pH約5〜7)として処方し得る(例
えば、米国特許第5,116,868号を参照のこと)。
非経口、皮内、皮下、または局所適用のために使用される溶液または懸濁液に
は、以下の任意の成分が含まれ得る:滅菌希釈物(例えば、注射用水、生理食塩
水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール
、または他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールおよびメチルパ
ラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸および重亜硫酸ナトリウム);キ
レート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));緩衝液(例えば、酢
酸緩衝液、クエン酸緩衝液、およびリン酸緩衝液);および毒性の調整剤(例え
ば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。非経口調製物を、ガラス、プラス
チック、または他の適切な材料のアンプル、使い捨てのシリンジ、または複数回
投与のバイアルに封入し得る。
静脈内に投与する場合、適切なキャリアには、生理学的生理食塩水またはリン
酸緩衝化生理食塩水(PBS)、ならびに濃縮剤および可溶化剤(例えば、グルコ
ース、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコール)を含む溶液
、およびその混合物が含まれる。リポソーム懸濁液もまた、薬学的に受容可能な
キャリアとして適切であり得る。これらは、当業者に公知の方法に従って調製さ
れ得る。
インヒビターを、身体からの迅速な排出に対してインヒビターを保護するキャ
リア(例えば、時間放出処方物またはコーティング)とともに調製し得る。この
ようなキャリアには、制御放出処方物(例えば、移植物およびマイクロカプセル
化送達系が含まれるがこれらに限定されない)、生分解性、生物適合性ポリマー
(例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエ
ステル、ポリ乳酸など)が含まれる。例えば、組成物を、スポンジ(例えば、市
販の手術用スポンジ)を使用して、手術中に適用し得る(例えば、米国特許第3,
956,044号および同第4,045,238号を参照のこと)。
インヒビターを、液体、半液体、または固体の形態で、適切な任意の経路(例
えば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下、または局所的)によって投与し得、
そして投与の各経路に適切な様式で処方し得る。投与の好ましい様式は、処置さ
れる適応症に依存する。皮膚科および眼科指標適応症は、代表的には、局部的に
処置される;一方、腫瘍および再狭窄は、代表的には、全身様式、皮内様式、ま
たは筋肉内様式の投与によって処置される。
インヒビターは、所望でない副作用の非存在下で、治療的に有用な効果を働か
せるのに十分な量で薬学的に受容可能なキャリア中に含まれる。副作用の数およ
び程度はコンジュゲートが投与される病状に依存することが理解される。例えば
、特定の毒性および所望でない副作用は、生命を脅かす疾患(例えば、腫瘍)を
処置する場合許容され、結果のより軽い障害を処置する場合、許容されない。組
成物中のコンジュゲートの濃度は、吸収、不活化およびその排出速度、投薬スケ
ジュール、および投与量、ならびに当業者に公知の他の要因に依存する。
インヒビターを一度に投与し得るか、または多数のより少ない投与量に分割し
て時間の間隔をおいて投与され得る。正確な投与量および処置の継続時間は処置
される疾患の関数であり、そして公知の試験プロトコルを用いるかまたはインビ
ボもしくはインビトロ試験データからの推定によって経験的に決定され得ること
が理解される。濃度および投薬値はまた、緩和すべき病状の重篤度に伴って変化
し得ることを留意すべきである。任意の特定の被験体において、特定の投薬レジ
メが個々の必要性および組成物を投与するまたはその投与を監督する人間の専門
の判断に従って経時的に調節すべきであり、そして本明細書中に記載の濃度範囲
が単に例示であり、そして特許請求された組成物の範囲または実施を限定するこ
とを意図しないことがさらに理解されるべきである。
以下の実施例は、例示のために提供され、そして限定のために提供されない。
実施例1
FGF-2を発現するプラスミドの構築
FGF-2の18kDイソ型を含む発現ベクターを、以下のように構築する。ヒトFGF-2
の18kDイソ型の配列は、プラスミド18dx(FlorkiewiczおよびSommer、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 86:3978-3981,1989)によって提供される。このベクターは
、18kDイソ型のみを発現する。なぜなら、18kD FGF-2イソ型の翻訳を開始するAT
Gコドンの11bp 5'に位置するApaI部位の上流配列が欠失したからである。簡単に
述べれば、プラスミドp18dxを、ApaIで線状化し、そしてXhoI部位を含むオリゴ
ヌクレオチドアダプターを、プラスミドに連結する。FGF-2を含むXhoI制限フラ
グメントを精製し、そしてpJC119(Spragueら、前出)のXhoI部位にサブクロー
ン化し、一過性トランスフェクションのためのプラスミドを生成する。
細胞の安定な形質転換に適切なプラスミドもまた構築する。FGF2のコード領域
を、プラスミドp18dxからXho I/Not Iフラグメントとして切り出し、そしてSV40
oriおよびβ-gal遺伝子の除去後のpCMVβ(Clontech,Palo,Alto,CA)中のCM
V即時初期プロモーター/エンハンサーの3'末端におけるXho I/Not I部位に挿入
する。このプラスミドを、pCMV18と呼ぶ。TKプロモーターの制御下におけるneo
遺伝子を、Xho I/Sal IフラグメントとしてpMCI Neo Poly Aプラスミド(Strata
gene,San Diego,CA)から切り出し、そしてFGF2遺伝子に対して反対方向にpCM
V18のSal I部位に挿入する。このプラスミドを、pCMV18 Neoと呼ぶ。
hCG-αをコードする発現ベクター(Carolyn Machamer博士(Dept.of Cell Bi
ology,Johns Hopkins Medical School)から提供された)は、Guanらに記載の
ベクター(J.Biol.Chem.263: 5306-5313,1988)と同一である。
実施例2
細胞培養、トランスフェクション、および代謝標識
COS-1細胞をアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC CRL 1650)から
得、そして10%ウシ胎児血清、2mM L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム
、100U/mlペニシリン、および100U/mlストレプトマイシンを補充したDMEM中で培
養する。COS-1細胞を、1mlのトランスフェクション緩衝液(140mM NaCl、3mM
KCl、1mM CaCl2、0.5mM MgCl2、0.9mM Na2HPO4、25mM Tris(pH7.4))中の10
μgのCsCl精製プラスミドDNAを用いてトランスフェクトする。プラスミド18dxを
、pMAMneo(Clontech,Palo Alto,CA)(これは、選択マーカーであるネオマイ
シンホスホトランスフェラーゼを含む)とともに同時トランスフェクトする。2
μgのp18dxを10μgのpMAMneoとともに同時トランスフェクトする場合、免疫蛍光
顕微鏡法によって決定されるように、トランスフェクトされた細胞の70%より多
くがFGF-2およびneoの両方を発現する。
DNAトランスフェクションの40〜48時間後、COS-1細胞を、1mlのメチオニンお
よびシステインを含まないDMEM中で100μCiの35S-メチオニンおよび35S-システ
イン(Trans 35S-標識、ICN Biomedicals,Irvine,CA)を用いて15分間代謝的
にパルス標識する。標識後、細胞の単層を、過剰の(10mM)非標識メチオニンお
よびシステイン+25μg/mlヘパリンを補充したDMEMで1度洗浄する。次いで、細
胞を2mlのこの培地で示された時間培養する。示された培養については、チェイ
ス培地に、示された濃度のウアバインを補充する。
COS細胞を、pCMV18 Neoで安定にトランスフェクトする。この手順において、
精製したプラスミドDNAを、上記のような標準的なリン酸カルシウム法によってC
OS細胞にトランスフェクトする。トランスフェクションの前日に、3×105のCOS
細胞を60mmのディッシュにプレートする。リン酸カルシウム沈殿物としてプラス
ミドDNA(10μg)を添加し、そして細胞を8時間インキュベートし、次いで、洗
浄しそして一晩培養する。次いで、細胞を100mmディッシュにつき5×104細胞の
密度でプレートし、そして700μgのgeneticin(G418; Sigma Chemical Co.,St
.Louis,MO)の存在下で、12日間培養する。個々のコロニーを、クローニング
シリンダーを用いて回収し、そして48ウェル形式に移動する。
実施例3
免疫沈降およびウェスタンブロット分析
細胞および馴化培地画分を、微量遠心分離機における15分間の遠心分離による
明澄化後、培地画分に400μlの溶解緩衝液(1%NP-40、0.5%デオキシコレート
、20mM Tris(pH 7.5)、5mM EDTA、2mM EGTA 0.01mMフェニルメチルスルホニ
ルフルオリド、10ng/mlアプロチニン、10ng/mlロイペプチン、10ng/mlペプスタ
チン(peptstatin))を添加した以外は本質的に以前に記載(Florkiewiczら、Gro
wth Factors 4: 265-275,1991:Florkiewiczら,Ann.N.Y.Acad.Sci.638:109
-126)のように免疫沈降するために調製する。細胞または培地画分を、モルモッ
ト抗FGF-2免疫血清(1:200)とともに21℃で40分間インキュベートする。GammaB
in
さらに30分間インキュベートした。免疫複合体を、微量遠心分離機の遠心分離に
よってペレット化し、そして溶解緩衝液で3回洗浄し、そして氷冷免疫沈降洗浄
緩衝液(0.15M NaCl、0.01M リン酸ナトリウム(pH 7.2)、1%デオキシコレー
ト、1%NP-40、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)で4回洗浄した。免疫複合体を
、SDSゲルサンプル緩衝液(125mM Tres(pH 6.8)、4%SDS、10%グリセロール
、0.004%ブロモフェノールブルー、2mM EGTA)中に溶出し、そして12%SDS-PA
GEで分離した。ゲルを蛍光間接撮影法のために処理し、乾燥し、そして-70℃で
X線フィルムに曝露した。ネオマイシンホスホトランスフェラーゼを免疫沈降し
た場合、ウサギ抗NPT抗体(5Prime-3Prime,Boulder,CO)を使用した。
ウェスタンブロット分析のために、冷緩衝液(25mM 3-[ジメチル(ヒドロキシ
メチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(pH 9.5)、20%メタ
ノールを含む)中で、0.4アンペアで90分間12%SDS-PAGEゲルからニトロセルロ
ースメンブレン(ポアサイズ0.45μm)にタンパク質を移した。10mM Tris(pH 7
.5)、150mM NaCl、5mM NaN3、0.35%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、および5%脱脂粉乳(Carnation Co.,Los Angeles,CA)中、室温で1
時間メンブレンをブロッキングした。ブロッキング緩衝液中、4℃で16時間0.3
μg/mlのモノクローナル抗FGF-2抗体(Transduction Laboratories,Lexington
,KY)とともにメンブレンをインキュベートした。インキュベーション後、室温
で、緩衝液(150mM NaCl、500mMリン酸ナトリウム(pH 7.4)、5mM NaN3、およ
び0.05%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを含む)を10回交換して
メンブランを洗浄した。次いで、メンブレンを、1μg/mlウサギ抗マウスIgG(H
+L,affinipure,Jackson Immuno Research Laboratories,West Grove,PA)を
含むブロッキング緩衝液中で、室温で30分間インキュベートした。続いて、メン
ブレンを1Lの上記緩衝液で洗浄し、そして15μCi 125I-プロテイン A(ICN Bioc
hemicals,Costa Mesa,CA)を含む100mlのブロッキング緩衝液中で1時間イン
キュベートし、そして1lの緩衝液で洗浄した。ラジオシグナルを、オートラジ
オグラフィーによって視覚化した。
実施例4
FGF-2バイオアッセイ
FGF-2の生物活性を、チミジン取り込みアッセイにおいて測定し得る。上記の
ようにFGF-2でトランスフェクトした細胞を、30時間インキュベートする。この
時、培養培地を0.5%FBSを含む6mlのDMEM(低血清培地)で16時間置換する。培
地を取り出し、4℃で15分間、微量遠心分離機における遠心分離によって明澄化
合物を4℃で2時間振盪させながらインキュベートする。Sepharoseをペレット
化し、そして溶解緩衝液で3回洗浄し、その後HS洗浄緩衝液(20mM Tris(pH 7.
4)、5mM EDTA、2mM EGTA+プロテアーゼインヒビター、0.5M NaCl)で3回洗
浄し、そして1M NaClを含むHS洗浄緩衝液で3回洗浄した。Sepharoseに結合し
たままのタンパク質を、3M NaClを含むHS洗浄緩衝液中に溶出した。
DNA合成の刺激を、以前に記載された(witteら、J.Cell Physiol.137: 86-9
4,1988; FlorkiewiczおよびSommer Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86: 3978-398
1,1989)ように、静止状態のSwiss 3T3細胞(クローンNR-6)において測定した
。簡単に述べれば、細胞を低密度でプレートし、そして0.1%FBSを含む1mlの培
地中で72時間培養することによって増殖を停止させた。種々の量の3M NaCl HS
溶出物を培養培地に直接添加し、そしてTCA沈澱性のカウント中への[3H]-チミジ
ン取り込みのレベルを、20〜24時間後に測定した。コントロールとして、1pg〜1
ngの組換えヒトFGF-2を同様の様式で細胞に添加した。
実施例5
FGF-2のブレフェルジン耐性輸送
BrefeldinAは、ERおよびGolgiからのタンパク質の分泌を阻害する。それに対
して、リーダーレスタンパク質の輸送は、BrefeldinAを用いる処理によって阻害
されない。
COS-1細胞をアメリカンタイプカルチャーコレクションから得、そして10%ウ
シ胎児血清(Gemini Bioproducts,Inc.)、2mM L-グルタミン、1mMピルビン
酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸、100単位/mlペニシリン、および100単位/m
lストレプトマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM,Universit
y of California San Diego Core Facility)中で培養する。複数のFGF-2イソ型
(24、23、22、および18kD)をコードする野生型(ヒト)cDNAを含むプラスミド
SV-40に基づく発現ベクターは、以前に記載されている(FlorkiewiczおよびSomm
er、前出)。60mm組織培養ディッシュ中の約3×105個のCOS-1細胞を、1.0mlの
トランスフェクション緩衝液(140mM NaCl、3mM KCl、1mM CaCl2、0.5mM MgCl2
、0.9mM Na2HPO4、25mM Tris(pH 7.4))と混合した10μgのCsCl精製プラスミ
ドDNAを用いてトランスフェクトする。2μgのp18dx+10μg pMAMneoを用いたこ
れらの同時トランスフェクション条件下で、免疫蛍光顕微鏡法により決定される
ように、トランスフェクションされた細胞の70%より多くが、両方のタンパク質
を発現する。プラスミドDNAの比を、結果において大きな変化を伴うことなく変
化し得る。DNAトランスフェクションの40〜48時間後、COS-1細胞を、1.0mlのメ
チオニンおよびシステインを含まないDMEM中で、100μCiの35S-メチオニンおよ
び35S-システイン(Trans35S-label,ICN Biomedicals,Inc.)を用いて15分間
代謝的にパルス標識する。パルス標識後、細胞単層を、過剰の(10mM)非標識化
メチオニンおよびシステインを補充したDMEMで1回洗浄し、次いで、示された時
間1.0mlの同一の培地(チェイス)中で培養する。BrefeldinAで処理した培養物
は、チェイス培地中に15μg/mlのBrefeldinAを含む。チェイス培地にはまた、2
5μg/mlのヘパリンを補充する。ヘパリンはFGF-2輸送を定性的に検出するために
必要ではないが、このアッセイにおいてFGF-2の輸送を定量的に検出するために
必要である。
NaClを含まない400μlの溶解緩衝液(1%NP-40、0.5%デオキシコレート、20
mM Tris(pH 7.5)、5mM EDTA、2mM EGTA、0.01mMフェニルメチルスルホニル
フルオリド、10ng/mlアプロチニン、10ng/mlロイペプチン、および10ng/mlペプ
スタチン)を、免疫血清を添加する前に4℃で15分間の微量遠心分離機の遠心分
離によって明澄化した培地画分に添加すること以外は、細胞および培地の画分を
、本質的に以前に記載のように(Florkiewiczら、1991)免疫沈降のために調製
する。細胞および培地画分の両方を、モルモット抗FGF-2免疫血清の1:200希釈
物(発明者らの研究室で調製した)とともに21℃で40分間インキュベートし、次
い
(Pharmacia LKB Biotechnology)を添加する。G-Sepharoseに結合した免疫複合
体をペレット化し、溶解緩衝液で3回洗浄し、そして水冷の免疫沈降洗浄緩衝液
(0.15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム(pH 7.2)、1%デオキシコレート、1
%NP-40、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)で4回洗浄する。免疫複合体をSDSゲ
ルサンプル緩衝液中に直接溶出し、そして12%SDS-ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(PAGE)によって分離する。ゲルを、蛍光間接撮影法のために処理し、乾燥
し、そして-70℃でX線フィルムに曝露する。ネオマイシンホスホトランスフェ
ラーゼ(NPT)を含む免疫沈降のために、ウサギ抗NPT抗体(5Prime-3Prime,Inc
.,Boulder,CO)を使用した。
図5に示されるように、18kD FGF-2の輸送は、BrefeldinA耐性であり、そし
てエネルギー依存性である。サンプルAは培地のみでチェイスし、サンプルBは
25μg/ml BrefeldinAを補充した培地でチェイスし、そしてサンプルCは、50mM
2-デオキシ-D-グルコースおよびNaN3を補充した培地でチェイスした。図5に示
されるように、FGF-2を2時間までに培地に輸送される。BrefeldinAは、この輸
送に対して実質的な効果を有さなかった。しかし、代謝インヒビターであるNaN3
が存在する場合、輸送は実質的に減少する。それに対して、hCG-αは、培地中に
4時間までに分泌され、そしてBrefeldin感受性であり、そしてエネルギー依存
性である。hCG-αは、疎水性リーダー(シグナル)配列を含み、結果としてERお
よびGolgiを介して分泌される。
実施例6
一過性にトランスフェクトされた細胞におけるリーダーレスタンパク質の阻害
COS細胞を、上記のように、FGF2、hCG-α、またはネオマイシンを発現するプ
ラスミドとともに同時トランスフェクトする。チェイス期間中、対数増加におい
てインヒビターを10nM〜1mMで添加する以外は、代謝的標識化を上記のように行
う。チェイスの終わりに、細胞および細胞培地を回収し、そして上記のように免
疫沈降のために処理する。
ウアバインおよびジゴキシンは、FGF-2の輸送を阻害したが、ヒトコリオゴナ
ドトロピンαの輸送を阻害しない。ウアバインは、約0.1μMで50%の輸送を阻害
し、そしてジゴキシン(digoin)は、約5μMで阻害した。ウアバインを用いる
さらなる実験により、阻害が時間依存性であり(図2)、hCG-αの分泌に影響を
与えず(図3)、そして用量依存性様式においてFGF-2の輸送を阻害する(図4
)ことが示される。
以下の表に示されるように、トランスフェクトされたCOS細胞由来のFGF-2の輸
送に対する30の異なる強心性配糖体およびアグリコン誘導体の効果を決定する。
COS細胞を、FGF-2を発現する構築物を用いてトランスフェクトする。トランスフ
エクションの40〜48時間後、細胞を0.1M炭酸ナトリウム(pH 11.4)で1〜2分
間1回洗浄し、そして吸引する。25μg/mlヘパリンを含む0.5%FBSを含有する培
地で細胞を洗浄する。化合物を約24時間添加する。上清を回収し、そして明澄化
する。FGF2の量をELISAアッセイによって決定し、そして化合物で処理していな
い細胞に対して処理した細胞によって輸送されたFGF2のレベルを比較することに
よって阻害%を決定する。本質的に全ての試験した化合物は、50μMの濃度で輸
送を実質的に阻害する。
実施例7
安定な形質転換細胞中でのリーダーレスタンパク質の阻害
COS細胞を、pCMV18 Neo(FGF-2を発現するプラスミド)を用いて上記のように
安定に形質転換し、そして輸送されたタンパク質をアッセイする。輸送されたFG
F-2のほとんど(全てではないとしても)が細胞膜に会合しているので、ビオチ
ン化の後、ストレプトアビジンを用いる沈降によってFGF2を単離する。この方法
において、プレーティングの1日後、COS細胞をダルベッコPBSで1回洗浄し、細
胞表面タンパク質を除去するために2mlの炭酸緩衝液(pH 11.4)で90秒間イン
キュベートし、続いてPBSで洗浄し、そして10μMウアバインの存在下または非存
在下で0.5%FBSを含むDEME中で48時間インキュベートする。ビオチン化のために
、細胞のディッシュを氷上に置き、そして1mM MgCl2および0.1mM CaCl2を含むP
BS(PBS Ca/Mg)で2回洗浄する。NHS-ss-ビオチン(Pierce Chemicals)(150m
M NaCl、10mMトリエタノールアミン(pH 9.0)、および2mM CaCl2中1.5mg/ml)
を、4℃で30分間暗所で細胞に添加する。次いで、細胞を100mMグリシンを含むP
BS Ca/Mg中で1回洗浄し、そして同一の緩衝液で20分間インキュベートする。次
いで、細胞を溶解し、明澄化し、そしてストレプトアビジンとともに16時間イン
キュベートする。ストレプトアビジン複合体を、遠心分離によって細胞内タンパ
ク質から分離する。いくつかの適用のために、細胞内タンパク質を含む上清を、
ヘパリン-セファロースクロマトグラフィーによってさらに富化する。ストレプ
トアビジン複合体を、溶解緩衝液中で3回洗浄し、そしてストレプトアビジン結
合ビオチン化タンパク質を、SDSゲルサンプル緩衝液中で直接溶出する。ゲル中
のタンパク質を、ニトロセルロースに移す。FGF-2タンパク質を、上記のように
ウェスタンブロットアッセイで検出する。
全部で39クローンを、首尾良く細胞株に拡大する。トランスフェクトされてい
ないCOS細胞と比較して、ほとんど全てのこれらのクローンがFGF-2を過剰発現し
た。しかし、馴化培地において、非常に低い量のFGF-2のみが検出される。クロ
ーンが一過性にp18dxでトランスフェクトされる場合、FGF-2は、55±4ng/mlの
濃度で馴化培地中で検出される。このような輸送は、ウアバインに感受性である
。安定な形質転換体を上記のように、ビオチン化し、そして処理する場合、FGF-
2は、細胞表面上で検出される(図6)。図6に示すように、約30%のFGF-2がCF
18細胞の表面上で見出され、これは、例示的なクローンである。さらに、この輸
送はウアバイン感受性である。CF18細胞の表面上のFGF-2を炭酸洗浄によって除
去する。48時間後、上記のように、細胞をビオチン化し、そして処理する。図7A
および図7Bに示すように、細胞表面/細胞内のFGF-2の比は、コントロールより4
0%増加する(p<0.002)。さらに、10μMウアバインの存在は、ウアバインなし
と比較して、細胞表面へのFGF-2の輸送を完全に妨げる(p<0.002)。
実施例8
軟骨細胞におけるFGF-2の阻害
正常な軟骨細胞を、サブコンフルエントまで培養物中で増殖させる。10-7〜10-10
Mのウアバイン用量を、上記のように培養物に添加する。図8に示すように、
FGF-2輸送は、(ウアバインを添加していないコントロールと比較して)10-10M
濃度で50%阻害される。
実施例9
IL-1輸送のウアバイン感受性
IL-1α遺伝子を含むベクターを、COS細胞にトランスフェクトする。細胞を代
謝的に標識し、そしてタンパク質を抗IL-1α抗体を用いて沈降させる。図9A、9B
、10、12、および14に示すように、IL-1αは、培地画分(M)中に輸送される。
この輸送は、5mMウアバインとともにインキュベーションすることにより阻害さ
れる(図I1、13、および14)。FGF-2の輸送とは対照的に、IL-1輸送の速度はよ
り遅く、24時間より大きいT1/2を有する。しかし、FGF-2のように、輸送はウア
バイン感受性である。さらに、IL-1αを、抗α1サブユニット抗体を用いて、同
時トランスフェクトしたCOS細胞(IL-1αおよびNa/K ATPaseのα1サブユニット
でトランスフェクトした)から免疫沈降し得る。
上記から、本発明の特定の実施態様が本明細書中において例示の目的で記載さ
れてきたが、種々の改変が本発明の精神および範囲を逸脱することなく行われ得
ることが認識される。従って、本発明は、添付の請求の範囲によるもの以外で制
限されない。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,BA
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,
CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H
U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ
,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,
MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P
T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ
,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.タンパク質を発現する細胞由来のリーダーレスタンパク質の輸送を阻害する 方法であって、該細胞を強心性配糖体に接触させる工程を包含する、方法。 2.前記強心性配糖体が、ジゴキシン、ストロファンチンK、ジギトキシン、ラ ナトシドA、ウアバイン、ジギトキソース、ギトキシン、オレアンドリン、およ びアコベノシドAからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。 3.前記強心性配糖体がウアバインである、請求項1に記載の方法。 4.前記強心性配糖体がジゴキシンである、請求項1に記載の方法。 5.タンパク質を発現する細胞由来のリーダーレスタンパク質の輸送を阻害する 方法であって、該細胞を強心性配糖体のアグリコン誘導体に接触させる工程を包 含する、方法。 6.前記アグリコン誘導体が、ストロファンチジン、ジゴキシゲニン、ジギトキ シゲニン、およびウザリゲニンからなる群より選択される、請求項5に記載の方 法。 7.前記アグリコン誘導体がジゴキシゲニンである、請求項5に記載の方法。 8.前記リーダーレスタンパク質が、FGF-1、FGF-2、IL-1α、IL-1β、PD-ECGF 、CNTF、チモシン、パラチモシンおよび第XIIIa因子、精管タンパク質、坐骨神 経成長促進活性、トランスグルタミナーゼ、L-14レクチン、チオレドキシン様タ ンパク質、HIV tat、およびint-2からなる群より選択される、請求項1または5 のいずれかに記載の方法。 9.前記リーダーレスタンパク質がFGF-2である、請求項1または5のいずれか に記載の方法。 10.前記リーダーレスタンパク質がIL-1である、請求項1または5のいずれか に記載の方法。 11.前記リーダーレスタンパク質がHIV tatである、請求項1または5のいず れかに記載の方法。 12.FGF-2を発現する細胞由来のFGF-2の輸送を阻害する方法であって、該細胞 を強心性配糖体または強心性配糖体のアグリコン誘導体に接触させる工程を包含 する、方法。 13.患者におけるFGF媒介性病態生理学的状態を処置するために用いる組成物 であって、該組成物は治療的有効量の強心性配糖体または強心性配糖体のアグリ コン誘導体を含み、ここで、該組成物を患者に投与したとき輸送されるFGF-2の 量が減少される、組成物。 14.FGFレセプターを有する細胞の増殖を阻害する方法であって、該細胞を強 心性配糖体または強心性配糖体のアグリコン誘導体に接触させる工程を包含する 、方法。 15.糖尿病の合併症を処置するために用いる組成物であって、該組成物は治療 的有効量の強心性配糖体または強心性配糖体のアグリコン誘導体を含み、ここで 、該強心性配糖体または強心性配糖体のアグリコン誘導体は、FGFまたは他のリ ーダーレスタンパク質を輸送する細胞に接触させられるように処方されている、 組成物。 16.前記強心性配糖体が、ジゴキシン、ストロファンチンK、ジギトキシン、 ラナトシドA、ウアバイン、ジギトキソース、ギトキシン、オレアンドリン、お よびアコベノシドAからなる群より選択される、請求項12または14に記載の 方法または請求項13または15に記載の組成物。 17.前記強心性配糖体がウアバインである、請求項12または14に記載の方 法または請求項13または15に記載の組成物。 18.前記強心性配糖体がジゴキシンである、請求項12または14に記載の方 法または請求項13または15に記載の組成物。 19.前記アグリコン誘導体が、ストロファンチジン、ジゴキシゲニン、ジギト キシゲニン、およびウザリゲニンからなる群より選択される、請求項12または 14に記載の方法または請求項13または15に記載の組成物。 20.前記アグリコン誘導体がジゴキシゲニンである、請求項12または14に 記載の方法または請求項13または15に記載の組成物。 21.前記病態生理学的状態が、メラノーマ、卵巣癌、奇形癌、および神経芽細 胞腫からなる群より選択される、請求項13に記載の組成物。 22.細胞を以下からなる群より選択される化合物で処置する工程を包含する、 リーダーレスタンパク質の輸送を阻害する、方法: 式I: ここで、R=(ジギトキソース) 3 -D-グルコース+アセチル、(ジギトキソース) 3 -D-グルコース、(ジギトキソース) 3 +アセチル、または(ジギトキソース) 3 ; 式II: ここで、R=(ジギトキソース) 3 -D-グルコース+アセチル、(ジギトキソース) 3 -D-グルコース、または(ジギトキソース) 3 ; 式III: ここで、R=シマロース-β-Dグルコース-α-Dグルコース、またはシマロース-β- D-グルコース; 式IV: ここで、R=L-ラムノース;および 式V: ここで、R=L-ラムノース、またはL-ラムノース-D-グルコース。
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