JP2002517436A - アデノシン二リン酸リボシルトランスフェラーゼの阻害を介する創傷処置 - Google Patents

アデノシン二リン酸リボシルトランスフェラーゼの阻害を介する創傷処置

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JP2002517436A JP2000553051A JP2000553051A JP2002517436A JP 2002517436 A JP2002517436 A JP 2002517436A JP 2000553051 A JP2000553051 A JP 2000553051A JP 2000553051 A JP2000553051 A JP 2000553051A JP 2002517436 A JP2002517436 A JP 2002517436A
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レイボビッチ,サミュエル,ジェイ
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ユニバーシティ オブ メディスン アンド デンティストリー オブ ニュージャージー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物において創傷を治癒するための方法に関し、以下の工程(A)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量のインヒビターを含有する治療学的な創傷治癒組成物を提供する工程;および(B)治療学的な創傷治癒組成物と、哺乳動物における創傷とを接触する工程を包含する。本発明はまた、創傷治癒組成物に関し、ならびに創傷治癒組成物および治療学的組成物が使用され得る薬学的産物を調製および使用するための方法に関する。本発明はさらに、おむつ皮膚炎を最小にするためにおよび処置するために有用な治療学的な皮膚科学的創傷治癒組成物に関し、ならびに治療学的な皮膚科学的創傷治癒組成物を調製および使用するための方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、哺乳動物において創傷を治癒するための方法に関し、以下の工程(
A)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、モノ
アデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量のイン
ヒビターを含有する治療学的な創傷治癒組成物を提供する工程;および(B)治
療学的な創傷治癒組成物と、哺乳動物における創傷とを接触する工程を包含する
。本発明はまた、創傷治癒組成物に関し、ならびに創傷治癒組成物および治療学
的組成物が使用され得る薬学的産物を、調製および使用するための方法に関する
。本発明はさらに、おむつ皮膚炎を最小にするためにおよび処置するために有用
な治療学的な皮膚科学的創傷治癒組成物に関し、ならびに治療学的な皮膚科学的
創傷治癒組成物を調製および使用するための方法に関する。
【0002】 背景の説明 本発明の開示の背景を説明するために、およびその実施に関してさらなる詳細
を提供するために本明細書中に言及される開示は、本明細書中に参考として援用
され、そして簡便のために以下の本文において参照され、および添付の著書目録
においてそれぞれ分類される。
【0003】 創傷は、機械的手段、化学的手段、ウイルス手段、細菌手段、または熱手段の
ような物理的手段によって引き起こされる内部または外部の身体の損傷または病
変である。このような身体の損傷としては、挫傷、皮膚が破壊されない創傷、切
開、切断機器によって皮膚が破壊される創傷、切れ味の悪いあるいは鈍い機器に
よって皮膚が破壊される創傷が挙げられる。創傷は、偶発的な事故によって、お
よび外科手術的手順によって引き起こされ得る。重度のまたは慢性の創傷を被る
患者は、創傷治癒プロセスにおける増強から利益を受け得る。創傷治癒は、組織
が修復され、分化された組織が再生され、そして新しい組織が再構成される一連
のプロセスからなる。創傷治癒は3つの主要な相からなる:a)炎症相(0〜3
日間)、b)細胞増殖相(3〜12日間)、および(c)再構築相(3日〜6ヶ
月間)。炎症相の間、血小板の凝集および凝固化は、、種々のタイプの細胞の流
入を誘導するために、血漿タンパク質および血球を捕獲する基質を形成する。細
胞増殖相の間、新しい結合組織または肉芽組織が、コラーゲンおよびエラスチン
線維の網によって置き換えられれ、瘢痕組織の形成を導く。
【0004】 マクロファージは、創傷修復、慢性関節リウマチ、および固形腫瘍発生を含む
線維増殖状態において、新脈管形成を誘導するのに重要な役割を果たす(1〜5
)。マクロファージによる脈管形成活性の生成は、ポジティブな脈管形成調節因
子および新脈管形成のインヒビターの産生のバランスに依存する(6、7、8)
。単球およびマクロファージによって産生されることが以前に示されているポジ
ティブな脈管形成調節因子としては、サイトカインのTNFαおよびIl8(9
、10、11)が挙げられ;ネガティブな調節因子としては、トロンボスポンジ
ン−1、Ifnγ誘導性タンパク質−10(γIP−10)、および未だ特徴付
けられていないタンパク質のインヒビターのような他のものが挙げられる(12
、13、14)。ポジティブな脈管形成調節因子およびネガティブな脈管形成調
節因子のバランスを制御する機構は十分には理解されていない。非活性化単球お
よびマクロファージは、非脈管形成性の表現型を示す(1、4)。インターフェ
ロン−γおよび/またはエンドトキシン(LPS)のような薬剤での活性化後、
マクロファージは脈管形成活性を表し、脈管形成性のサイトカインの発現、およ
び新脈管形成のインヒビターの発現によって特徴付けられる(15、16、17
、18)。活性化細胞はまた、酸素ラジカル、一酸化窒素(NO)、およびそれ
らの誘導体を産生および放出する(17、19)。これらのラジカルは、活性化
マクロファージの脈管形成性の表現型を調節するにおいて重要な役割を果たすこ
とが示されている(20、21)。IfnγおよびLPSのような因子、ならび
に減少された酸素圧(低酸素)および上昇された乳酸レベルは、脈管形成活性を
発現するようにマクロファージを誘導する(1〜3、9、22)。近年、インビ
トロでマクロファージは、脈管内皮増殖因子(VEGF)、強力に脈管形成性で
ある内皮特異的マイトジェンを発現することが示されている(18、23〜30
)。
【0005】 米国特許第5,510,391号(Elson)は:皮膚の血管異常および光老
化によって引き起こされる皮膚異常を処置する方法を開示し、a)薬学的組成物
を同時処方する工程であって、ここで組成物は0.01%〜50%のビタミンK
を含有する、工程;およびb)皮膚の血管異常および光老化によって引き起こさ
れる皮膚異常を局所的に処置するために薬学的組成物を適用する工程を包含する
。皮膚の血管異常および光老化によって引き起こされる皮膚異常としては、化学
作用性および医原性の紫斑病、ほくろ、顔の毛細管拡張症、クモ状血管腫、顔お
よび肺のクモ状静脈が挙げられる。
【0006】 発明の要旨 本発明は、哺乳動物において創傷を治癒するための方法に関し、以下の工程: (A)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量の
インヒビターを含有する治療学的な創傷治癒組成物を提供する工程;および (B)治療学的な創傷治癒組成物と哺乳動物における創傷とを接触する工程、
を包含する。
【0007】 好ましい実施態様において、哺乳動物はヒトである。別の好ましい実施態様に
おいて、モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビター
は、ビタミンK1、ビタミンK2、ビタミンK3、ビタミンK4、ビタミンK5
、ビタミンK6、ノボビオシン(Novobiocin)、m−ヨードベンジル
グアニジン、ニコチンアミド、クメルマイシン、ジクマロール、およびシリビン
(silybin)からなる群より選択される。モノアデノシン二リン酸−リボ
シルトランスフェラーゼのより好ましいインヒビターは、ビタミンK1、ビタミ
ンK3、ノボビオシン、およびシリビンである。モノアデノシン二リン酸−リボ
シルトランスフェラーゼのインヒビターは、治療学的な創傷治癒組成物の約0.
1重量%〜約10重量%の量において、治療学的な創傷治癒組成物に存在する。
創傷は、圧力性潰瘍、褥瘡性潰瘍、糖尿病性潰瘍、および熱傷損傷からなる群よ
り選択され得る。治療学的な創傷治癒組成物はさらに、薬学的に受容されるキャ
リアを含有する。
【0008】 本発明はまた、創傷治癒組成物に関し: (A)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量の
インヒビター、および (B)薬学的に受容されるキャリア、を含有する。
【0009】 本発明はさらに、ヒトにおいておむつ皮膚炎を処置するための方法に関し、以
下の工程: (A)治療学的なおむつ皮膚炎創傷治癒組成物を提供する工程であって、当該
組成物は: (a)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量の
インヒビター、 (b)約5〜約8の範囲において皮膚炎のpHを維持するための緩衝化剤;お
よび (c)抗炎症剤を含有する、工程;ならびに (B)治療学的なおむつ皮膚炎創傷治癒組成物と、ヒトにおけるおむつ皮膚炎
とを接触する工程、を包含する。
【0010】 本発明はさらに、おむつ皮膚炎を最小にするためにおよび処置するために有用
な、治療学的な皮膚科学的創傷治癒組成物に関し、治療学的に有効な量の: (1)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターを含有す
る治療学的な創傷治癒組成物; (2)約5〜約8の範囲において皮膚炎のpHを維持するための緩衝化剤;お
よび (3)抗炎症剤、を含有する。
【0011】 発明の詳細な説明 マクロファージ依存性の脈管形成活性(MDAA)の生成は、インターフェロ
ン−γおよび/またはエンドトキシンのような因子、低酸素、または高濃度の乳
酸による活性化を必要とする(Jensenら Lab.Invest.54、
574、1986)。以前の研究は、マクロファージにおける誘導性一酸化窒素
合成酵素(iNOS)がMDAAを調節し、iNOSの阻害は、MDAAの発現
をダウンレギュレートすることを実証した(Leibovichら、PNAS
USA 91、4190、1994)。非活性化マクロファージは非脈管形成性
であるが、それにもかかわらずこれらは脈管形成増殖因子VEGFの有意なレベ
ルを発現することが今や見出された。VEGFのこの構成的な発現は、低酸素も
乳酸依存性でもない。正常酸素状態の、非活性化マクロファージによって構成的
に産生されるVEGFは、アルギニン特異的ADPリボシル化のプロセスによる
転写後修飾に起因して、非脈管形成性の形態にあることが見出される。対照的に
、LPS活性化マクロファージ、低酸素処理されたマクロファージ、または乳酸
処理されたマクロファージによって産生されるVEGFは、非ADPリボシル化
形態にあり、および脈管形成性である。LPS活性化マクロファージにおけるi
NOS経路の阻害は、2部分からなる機構によってMDAAの発現を廃止する。
先ず、VEGFはADP−リボシル化された、非脈管形成性の状態に戻り;次に
、iNOS阻害されたマクロファージは、VEGF、TNFα、およびbFGF
を含むいくつかの脈管形成因子の脈管形成活性を阻害する抗脈管形成因子を発現
する。iNOS遺伝子が特異的に欠失されたマウス(iNOSノックアウトマウ
ス、iNOS‐/‐)において、創傷治癒は顕著に阻害された(Yamasak
iら、J.Clin.Invest.101、967、1998)。この阻害は
、遅延された創傷閉鎖に、および肉芽組織の形成における遅延に現れる。iNO
S‐/‐マウスからのマクロファージは、iNOS+/+マウスに比較して、減
少されたレベルのMDAAを発現するが、全体のVEGFの産生は顕著に変化さ
れない。創傷修復において新脈管形成を調節するiNOS経路およびVEGFの
ADP−リボシル化の役割、ならびにiNOS経路およびADP−リボシル化経
路を標的化することによりマクロファージ依存性の脈管形成活性および創傷修復
を薬理学的に調節するための様相は、現在調査中である。
【0012】 マウスチオグリコール酸誘導性の腹膜マクロファージ(MPM)およびマウス
RAW264.7マクロファージ様細胞株(RAW細胞)は、脈管内皮増殖因子
(VEGF)を構成的に産生する。VEGF産生は、低酸素条件下で、またはイ
ンターフェロン−γ(Ifnγ)およびエンドトキシン(LPS)での細胞の活
性化後に、増加される。対照的に、TNFαは、Ifnγ/LPS活性化細胞に
よってのみ産生される。乳酸(20mM)はこれらの細胞によるVEGF産生を
増加しない。しかし、低酸素、乳酸、およびIfnγ/LPS活性化MPMは、
脈管形成活性を表すが、正常酸素状態の、非活性化MPMは脈管形成活性を表さ
ない。脈管形成活性の欠損は、これらの細胞の培地中の抗脈管形成因子に起因し
ない。低酸素処理および乳酸処理されたMPMによって生成される脈管形成活性
は、抗VEGF抗体によって中和され、これはまた、Ifnγ/LPS活性化M
PMによって生成される大部分の脈管形成活性を中和する。誘導性一酸化窒素合
成酵素(iNOS)インヒビターのNgニトロ−L−アルギニン−メチルエステ
ル(L−NAME)(1.5mM)およびアミノグアニジン(AG)(1mM)
は、MPMおよびRAW細胞による脈管形成活性の生成をブロックする。RAW
細胞において、L−NAMEおよびAGは、Ifnγ/LPS活性化をブロック
するが、構成的なVEGF産生をブロックせず、一方MPMにおいて、構成的な
VEGF合成もIfnγ/LPS活性化VEGF合成も影響されない。TNFα
の合成はまた、影響されない。正常酸素状態の、非活性化MPMとは対照的に、
iNOS阻害された、Ifnγ/LPS活性化MPMは、抗脈管形成因子を産生
する。従って、VEGFは、マクロファージ由来の脈管形成活性の主要な寄与因
子であり、そして低酸素、乳酸、またはIfnγ/LPS活性化によるその活性
化は、マクロファージ由来のVEGFを、非脈管形成性の状態から脈管形成の状
態に切り替える。この切り替えは、恐らくADP−リボシル化のプロセスによる
VEGFの翻訳後修飾を含み得る。MPM細胞質ゾル抽出物による、またはコレ
ラトキシンによるADP−リボシル化は、rVEGF165を、脈管形成性の状
態から非脈管形成性の状態に切り替える。Ifnγ/LPS活性化MPMにおい
て、iNOS依存性の経路はまた、VEGFの生体活性を拮抗する抗脈管形成因
子の発言を調節し、そしてマクロファージの脈管形成性の表現型を制御するさら
なる調節経路を提供する。
【0013】 本発明によれば、MPMおよびRAW細胞による脈管形成増殖因子のVEGF
の発現が試験され、そしてTNFαの発現に比較される。これらの細胞によるV
EGFおよびTNFα産生に対する、低酸素、乳酸、およびL−アルギニン−依
存性の誘導性NO合成酵素(iNOS)経路の効果がまた試験された。VEGF
産生は、低酸素およびiNOS経路によって転写および翻訳の両方により調節さ
れ、そして転写後修飾は、脈管形成因子としてVEGFの生体活性を調節するに
おいて重要な役割を果たし得ることが見出された。さらに、Ifnγ/LPS活
性化マクロファージにおけるiNOS経路は、VEGFの脈管形成効果を拮抗す
る抗脈管形成因子の発現を調節し、マクロファージの脈管形成性の表現型を制御
するためのさらなる調節経路を提供する。
【0014】 脈管内皮増殖因子(VEGF)、強力に脈管形成性であるポリペプチド増殖因
子(新しい血管の増殖を誘導する)は、創傷治癒においてマクロファージ(新脈
管形成を調節するにおいて重要な役割を果たす細胞)によって化学的に修飾され
る。この化学的修飾は、マクロファージにおける酵素(ADP−リボシルトラン
スフェラーゼ)によるVEGFのADP−リボシル化を含む。特に、細胞質のモ
ノ−ADP−リボシルトランスフェラーゼは、VEGFのADP−リボシル化に
関与し、そしてこの修飾は、脈管形成性から非脈管形成性へのVEGFの特性の
変化を生じる。マクロファージは、VEGFを構成的に作製し、そしてマクロフ
ァージは、このADP−リボシル化反応によってVEGFの脈管形成活性を調節
するようである。ビタミンK1、ビタミンK2、ビタミンK3、ノボビオシン、
m−ヨードベンジルグアニジン、およびニコチンアミドのようなモノ−ADP−
リボシル化のインヒビターは、VEGFのADP−リボシル化を阻害することに
よって、マクロファージの表現型を、非脈管形成性の表現型から脈管形成性の表
現型に変化する。脈管形成誘導は、正常な創傷修復において重要な事象であるの
で、マクロファージ(脈管形成因子を産生することによって新脈管形成を制御す
る重要な細胞)によるVEGF産生は、非脈管形成性の表現型から脈管形成性の
表現型への、すなわち、ADP−リボシル化の形態から非修飾化形態への、切り
替えを必要としなければならない。
【0015】 モノ−ADP−リボシル化のインヒビターは、VEGFのADP−リボシル化
をブロックし得るので、これらのインヒビター、ならびにそれらの誘導体および
アナログは、慢性の、治癒されない創傷(ここで、新脈管形成は欠損される)の
処置において価値があり得る。圧力性潰瘍、褥瘡性潰瘍、糖尿病性潰瘍、および
ある熱傷損傷を含むがこれらに制限されない多くの慢性の創傷において、創傷は
、新脈管形成における欠損に少なくとも一部起因して、治癒できない。これらの
創傷におけるマクロファージの表現型は、非脈管形成性であり、VEGFは非脈
管形成性の、ADP−リボシル化形態において産生される。この場合において、
ADP−リボシル化のインヒビターでのこれらの創傷の処置は、VEGFのAD
P−リボシル化をブロックし、従って修飾されない、脈管形成性のVEGFの産
生を生じる。次いで、このVEGFは創傷において新脈管形成を刺激するのに関
与するべきであり、そして修復を促進するのを補助する。従って、本発明は、創
傷に対する局所的な適用に適する、適切なベヒクル中のADP−リボシル化トラ
ンスフェラーゼインヒビターの処方物に関する。
【0016】 慢性の創傷の処置のための現在の技術は一般に、集中的な創傷手当て、挫滅組
織切除、殺菌剤、抗生物質の使用、および閉塞包帯の使用を包含する。開発中の
技術は、増殖因子の使用を包含し、通常、組換えDNA技術を使用して遺伝子操
作することによって調製される。増殖因子は非常に効果であり、およびそれらの
効力は今だ疑問である。慢性の創傷の処置のためのADP−リボシル化インヒビ
ターの使用の利点は:a)化合物が、低分子量の、十分に特徴づけされた、およ
び比較的安価であること;b)外因性増殖因子の活性を導入することを試みるの
ではなく、化合物が創傷自身の生物学的媒介因子の生体活性を調節し、これらを
非脈管形成性から脈管形成性に移行すること;c)創傷への送達のための低分子
量のインヒビターの処方物が、確かに増殖因子の処方に比較して、比較的単純な
行使であるべきであること;ならびにd)モノ−ADP−リボシル化インヒビタ
ーの主要な群のうちの1つを構成するビタミン−K化合物は、何年もの間他の目
的のために利用可能であり、およびFDAの承認を有することである。
【0017】 上記のように、本発明は、哺乳動物において創傷を治癒するための方法に関し
、以下の工程(A)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害す
るための、モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に
有効な量のインヒビターを含有する治療学的な創傷治癒組成物を提供する工程;
および(B)治療学的な創傷治癒組成物と、哺乳動物における創傷とを接触する
工程を包含する。
【0018】 モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターは、任
意のインヒビターであり得、活性な誘導体およびアナログを包含し、これは、脈
管内皮増殖因子のADP−リボシル化を阻害し、それによって脈管内皮増殖因子
を、非脈管形成性の表現型から脈管形成性の表現型に、すなわち、ADP−リボ
シル化の形態から非ADP−リボシル化の形態に切り替える。好ましくは、モノ
アデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターは、ビタミン
K1、ビタミンK2、ビタミンK3、ビタミンK4、ビタミンK5、ビタミンK
6、ノボビオシン、m−ヨードベンジルグアニジン、ニコチンアミド、クメルマ
イシン、ジクマロール、およびシリビンからなる群より選択される。より好まし
くは、モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターは
、ビタミンK1、ビタミンK3、ノボビオシン、およびシリビンからなる群より
選択される。
【0019】 本発明の治療学的な創傷治癒組成物に存在するモノアデノシン二リン酸−リボ
シルトランスフェラーゼのインヒビターの量は、治療学的に有効な量である。モ
ノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターの治療学的
に有効な量は、脈管内皮増殖因子を、非脈管形成性の形態から脈管形成性の表現
型に、すなわち、ADP−リボシル化の形態から非ADP−リボシル化の形態に
切り替え、それによって創傷治癒を促進するために本発明の組成物に必要な、モ
ノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターの量である
。モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターの正確
な量は、処置される状態のタイプ、および組成物中の他の成分のような因子に供
される選択の問題である。好ましい実施態様において、モノアデノシン二リン酸
−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターは、治療学的な創傷治癒組成物の
約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.2重量%〜約8重量%、およ
びより好ましくは約0.3重量%〜約5重量%の量において、治療学的な創傷治
癒組成物中に存在する。
【0020】 本発明の創傷治癒組成物を使用して治癒され得る創傷のタイプは、切開、切断
機器によって皮膚が破壊される創傷、裂傷、切れ味の悪いあるいは鈍い機器によ
って皮膚が破壊される創傷のような表皮障害を引き起こす損傷から生じる創傷で
ある。治療学的組成物は、圧力性潰瘍、褥瘡性潰瘍、糖尿病性潰瘍、および熱傷
損傷を処置するために使用され得る。治療学的組成物はまた、角質増殖、熱傷、
皮膚移植からのドナー側の創傷、潰瘍(皮膚性潰瘍、褥瘡性潰瘍、静脈うっ滞、
および糖尿病性潰瘍)、乾癬、皮膚発疹、および日焼けの光反応性のプロセスの
ような種々の皮膚科学的異常を処置するために使用され得る。創傷治癒組成物は
、以下の表示について使用され得る:a)切り傷および擦り傷を治癒すること;
b)熱傷(ほとんど瘢痕およびかさぶたを生じることなく熱傷を治癒する);c
)褥瘡性潰瘍;d)床ずれ、圧力性潰瘍;e)裂、痔;f)免疫刺激因子と組合
せた使用(治癒不全の患者を刺激する);g)外科手術後の創傷;h)包帯;i
)糖尿病性潰瘍;j)静脈潰瘍化;ならびにk)創傷を清潔にする薬剤と組合せ
た使用。好ましくは、治療学的組成物は、圧力性潰瘍、褥瘡性潰瘍、糖尿病性潰
瘍、および熱傷損傷を処置するために使用され得る。
【0021】 別の実施態様において、本発明は、創傷治癒組成物に関し、(A)脈管内皮増
殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、モノアデノシン二リ
ン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量のインヒビター、およ
び(B)薬学的に受容されるキャリアを含有し、ここで脈管内皮増殖因子のアデ
ノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、モノアデノシン二リン酸−リボシ
ルトランスフェラーゼのインヒビターの量およびタイプは、上記される。
【0022】 特定の実施態様において、本発明はおむつ皮膚炎に関する。おむつ皮膚炎、あ
るいはおむつまけは、乳児においておむつと接触する皮膚領域に局在化される刺
激性の接触皮膚炎である。おむつ皮膚炎は、1〜20ヶ月齢の範囲の乳児のうち
の約65%において生じる。おむつ皮膚炎の現れ方は、拡散性紅斑から小節性病
変に変化する。皮膚と、尿で浸されたおむつとの長期間の接触は、表皮のふやけ
を生じる。閉塞ガーゼまたはプラスチックのパンツはさらに、損傷を悪化させる
。おむつ皮膚炎は、尿からのアンモニアによって引き起こされ、皮膚のpHを上
昇し、および皮膚油の成分と化合して刺激原を形成する。細菌または酵母の感染
はさらに、継続的なおよび重篤な炎症を引き起こすことによっておむつ皮膚炎を
複雑にし得る。おむつ皮膚炎は一般に、おむつを頻繁に交換し、および刺激され
た領域に滑石粉を適用することにより、皮膚を乾燥に保つことによって処置され
る。重篤な場合において、ゴムパンツおよびプラスチックの使い捨てのおむつカ
バーは避けられるべきである。
【0023】 本発明によれば、ヒトにおいておむつ皮膚炎を処置するための方法が提供され
、当該方法は以下の工程、(A)治療学的なおむつ皮膚炎創傷治癒組成物を提供
する工程であって、当該組成物は: (a)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量の
インヒビター;(b)約5〜約8の範囲において皮膚炎のpHを維持するための
緩衝化剤;および(c)抗炎症剤を含有する、工程;ならびに(B)治療学的な
おむつ皮膚炎創傷治癒組成物と、ヒトにおけるおむつ皮膚炎とを接触する工程、
を包含する。緩衝化剤は、アンモニアを中和することによっておむつ皮膚炎を防
止することを補助し得るが、損傷された哺乳動物細胞を治癒しない。抗炎症剤は
、患者における炎症(紅斑)を低減し得るが、創傷治癒プロセスを促進しない。
創傷治癒組成物は、損傷された哺乳動物細胞の蘇生速度、および死細胞を置き換
えるための新しい哺乳動物細胞の増殖速度を増加し得る。出願人は、緩衝化剤、
抗炎症剤、および創傷治癒組成物の組合せがおむつ皮膚炎を最小にするためにお
よび処置するために有用な、治療学的な皮膚科学的創傷治癒組成物を生じること
を見出した。皮膚科学的創傷治癒組成物は必要に応じて、おむつ皮膚炎の持続お
よび重篤度をさらに低減するために、治療学的に有効な量の局所的な殺菌剤を含
む。
【0024】 緩衝化剤は、溶液のpH値の大きな変化を引き起こすことなく強酸または強塩
基の適度の量が添加され得る溶液を形成する、溶質性化合物である。Brons
tedの用語術において、緩衝化剤は、弱酸およびその共役した弱塩基の両方を
含む。緩衝化溶液は通常、(a)弱酸および弱酸の塩、(b)酸塩と、通常の塩
との混合物、または(c)2つの酸(例えば、NaHPOおよびNaHP
)の混合物を含む。弱酸は、アルカリが添加される場合、緩衝化剤になり、
および弱塩基は、酸が添加される場合、緩衝化剤になる。本発明の皮膚科学的創
傷治癒組成物中の緩衝化剤は、広範囲の治療学的薬剤および治療学的薬剤の混合
物から選択され得る。天然に存在する緩衝化剤としては、リン酸、炭酸、アンモ
ニウム塩、植物および動物の組織のタンパク質、ならびに血液中の炭酸−重炭酸
系が挙げられる。緩衝化剤の制限されない説明的な特定の例としては、クエン酸
−クエン酸ナトリウム溶液、リン酸−リン酸ナトリウム溶液、および酢酸−酢酸
ナトリウム溶液が挙げられる。好ましくは、緩衝化剤は、リン酸−リン酸ナトリ
ウムである。
【0025】 本発明において使用される緩衝化剤の量は、有効な量であり、および特定の緩
衝化剤について推奨されるまたは許容される投薬量に依存して変化し得る。一般
に、存在する緩衝化剤の量は、所望の結果を得るために必要とされる通常の投薬
量である。このような投薬量は、医学の分野の当業者に公知であり、および本発
明の一部ではない。好ましい実施態様において、皮膚科学的な創傷治癒組成物中
の緩衝化剤は、約5〜約8、好ましくは約5.5〜約7.5、およびより好まし
くは約6〜約7の範囲に、皮膚炎のpHを維持するための量で存在する。
【0026】 抗炎症剤は、炎症プロセスを中和するまたは抑制する化合物である。本発明の
皮膚科学的な創傷治癒組成物中の抗炎症剤は、広範に多様なステロイド性、非ス
テロイド性、およびサリチル酸の水溶性および水不溶性の薬物、ならびにそれら
の酸付加塩または金属塩から選択され得る。有機塩および無機塩の両方が、使用
され得るが、但し抗炎症剤はその薬物価値を維持する。抗炎症剤は、広範囲の治
療学的薬剤および治療学的薬剤の混合物から選択され得、これは持続性放出また
は長期間の作用形態において投与され得る。非ステロイド性抗炎症剤の制限され
ない説明的な特定の例としては、以下の薬物が挙げられる:イブプロフェン、ナ
プロキセン、サリンダク(sulindac)、ジフルニサル、ピロキシカム、
インドメタシン、エトドラク(etodolac)、メクロフェナム酸ナトリウ
ム、フェノプロベンカルシウム、ケトプロフェン、メフェナム酸、ナブメトン、
ケトロラクトロメタミン、ジクロフェナク、およびマツヨイグサ油(約72%の
リノレン酸および約9%のγ−リノレイン酸を含有する)。サリチル酸抗炎症剤
の制限されない説明的な特定の例としては、以下の薬物が挙げられる:アセチル
サリチル酸、メサラミン、サルサレート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、
およびコリンマグネシウムトリサリチル酸。ステロイド性の抗炎症剤の制限され
ない説明的な特定の例としては、以下の薬物が挙げられる:フルニソリド、トリ
アムシノリン、トリアムシノリンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、
ジプロピオン酸βメタゾン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、
プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、およびプレドニゾロン。
【0027】 用いられるべき好ましい抗炎症剤は、イブプロフェン、ナプロキセン、サリン
ダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、メクロフェ
ナム酸ナトリウム、フェノプロベンカルシウム、ケトプロフェン、メフェナム酸
、ナブメトン、ケトロラクトロメタミン、ジクロフェナク、マツヨイグサ油、ア
セチルサリチル酸、メサラミン、サルサレート、ジフルニサル、サリチルサリチ
ル酸、およびコリンマグネシウムトリサリチル酸、フルニソリド、トリアムシノ
リン、トリアムシノリンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピ
オン酸βメタゾン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、プレドニ
ゾン、メチルプレドニゾロン、およびプレドニゾロンからなる群より選択され得
る。好ましい実施態様において、抗炎症剤は、イブプロフェン、ナプロキセン、
サリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、メク
ロフェナム酸ナトリウム、フェノプロベンカルシウム、ケトプロフェン、メフェ
ナム酸、ナブメトン、ケトロラクトロメタミン、ジクロフェナク、およびマツヨ
イグサ油からなる群より選択される。より好ましい実施態様において、抗炎症剤
は、マツヨイグサ油である。
【0028】 本発明の抗炎症剤は、抗炎症剤の最初の投薬量を提供するために薬学の分野に
おいて周知の多くの異なる物理的形態、および/または抗炎症剤のさらなる時間
放出性の形態において使用され得る。それらに制限されないが、このような物理
的形態としては、遊離形態およびカプセルか形態、ならびにそれらの混合形態が
挙げられる。
【0029】 本発明において使用される抗炎症剤の量は治療学的に有効な量であり、および
特定の抗炎症剤について推奨または許容される治療学的投薬量に依存して変化し
得る。一般に、存在する抗炎症剤の量は、所望の結果を得るために必要とされる
通常の量である。このような投薬量は、医学の分野において当業者に公知であり
、および本発明の一部ではない。好ましい実施態様において、皮膚科学的創傷治
癒組成物中の本発明の抗炎症剤は、約0.01重量%〜約10重量%、好ましく
は約0.1重量%〜約5重量%、およびより好ましくは約1重量%〜約3重量%
の量で存在する。
【0030】 別の特定の実施態様において、本発明は、おむつ皮膚炎を最小にするためにお
よび処置するために有用な治療学的な皮膚科学的創傷治癒組成物に関し、当該組
成物は、治療学的に有効な量の: (1)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターを含有す
る治療学的な創傷治癒組成物、 (2)約5〜約8の範囲において皮膚炎のpHを維持するための緩衝化剤;お
よび (3)抗炎症剤、を含有する。
【0031】 一旦調製されると、本発明の治療学的な創傷治癒組成物は、将来の使用のため
に保存され得るか、または広範囲に多様な薬学的組成物を調製するために、薬学
的に受容されるキャリアとともに有効な量において処方され得る。薬学的に受容
されるキャリアの例は、薬学的器具および局所用ベヒクルである。薬学的器具の
例は、縫合、ステープル、ガーゼ、包帯、熱傷包帯、人口皮膚、リポソームまた
はミセル処方物、マイクロカプセル、ガーゼ包帯を浸すための水性ベヒクルなど
、ならびにそれらの混合物である。局所用組成物は、クリーム、ゲル処方物、泡
、軟膏およびスプレイ、軟膏(salve)、ならびにフィルムのような局所用
ベヒクルを用い、これらは皮膚または体腔に適用されることが意図され、および
口に入れられることは意図されない。経口局所用組成物は、うがい薬、リンス、
経口スプレイ、懸濁液、および歯科用ゲルのような経口ベヒクルを用い、これら
は、口に入れられることが意図されるが、摂取されることは意図されない。好ま
しい局所用ベヒクルは、水、ならびにエチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、プロピレングリコール、グリセリンなど、およびこれらの溶媒の混合物のよ
うな薬学的に受容される水和性有機溶媒である。水−アルコール混合物が特に好
ましく、ならびに一般に、それぞれ、約1:1〜約20:1、好ましくは約3:
1〜約20:1、および最も好ましくは約3:1〜約10:1の重量比率におい
て用いられる。
【0032】 緩衝液、保存剤、張度調節剤、坑酸化剤、粘性を調節するための、または増量
剤として使用するためのポリマー、および腑形剤などのような多様な伝統的な成
分は必要に応じて、有効な量において薬学的組成物中に含まれ得る。他の従来の
添加物としては、湿潤剤、緩和剤、潤滑剤、安定化剤、色素、および香料が挙げ
られるが、但し、添加物は治療学的な創傷治癒組成物の治療学的な特性を妨げな
い。このような伝統的成分の特定の説明的な例としては、酢酸およびホウ酸緩衝
液;チメロゾール、ソルビン酸、メチルおよびプロピルパラベンおよびクロロブ
タノール保存剤;張度を調節するための塩化ナトリウムおよび糖;およびマンニ
トール、ラクトース、およびスクロースのような腑形剤が挙げられる。薬学の分
野における当業者に公知の他の従来の薬学的な添加物はまた、薬学的組成物中で
使用され得る。最終的な薬学的組成物は、薬学の分野において一般に公知の方法
を使用して、容易に調製される。
【0033】 本発明によれば、本発明の治療学的な創傷治癒組成物の治療学的に有効な量が
、薬学的器具中で使用され得る。これらの量は、過度の実験を伴うことなく、当
業者によって容易に決定される。用いられる治療学的な創傷治癒組成物の正確な
量は、治療学的な創傷治癒組成物のタイプおよび濃度、ならびに用いられる薬学
的器具のタイプのような因子に供される。従って、治療学的な創傷治癒組成物の
量は、最終的な産物において所望される結果を得るために変化され得、そしてこ
のような変化は、過度の実験についての必要性を伴うことなく、当業者の能力の
範囲内である。好ましい実施態様において、薬学的組成物は、薬学的組成物の約
0.1重量%〜約10重量%において、治療学的な創傷治癒組成物を含有する。
より好ましい実施態様において、薬学的組成物は、薬学的組成物の約0.2重量
%〜約8重量%において、治療学的な創傷治癒組成物を含有する。最も好ましい
実施態様において、薬学的組成物は、薬学的組成物の約0.3重量%〜約5重量
%において、治療学的な創傷治癒組成物を含有する。
【0034】 本発明は、薬学的組成物を作製するための方法に拡張する。一般に、薬学的組
成物は、治療学的に有効な量の治療学的な創傷治癒組成物と、薬学的に受容され
るキャリアおよび最終的に所望される薬学的組成物の他の成分とを接触すること
によって作製される。治療学的な創傷治癒組成物は、溶媒中にあり得、および薬
学的器具上に吸収され得る。
【0035】 結果 RAW264.7細胞およびMPMによる亜硝酸の産生 図1は、MPMによる亜硝酸の産生を示す。亜硝酸は、乳酸を伴っておよび伴
わないでのいずれでも、非活性化細胞によって産生されなかった。Ifnγ/L
PSでの攻撃後、亜硝酸産生は強力に誘導され、亜硝酸は、48時間のインキュ
ベーション期間にわたって蓄積した。L−NAME(1.5mM)は、約70〜
80%まで亜硝酸の産生をブロックし;AG(1mM)は、95%を超えてまで
亜硝酸産生をブロックした。RAW264.7細胞は、類似の様式において亜硝
酸を産生し、そしてL−NAMEおよびAGは、類似の程度にRAW264.7
細胞による亜硝酸合成をブロックした(データ示さず)。
【0036】 RAW264.7細胞およびマウス腹膜マクロファージによるVEGFの産生 RAW細胞によるVEGFの産生は、図2Aにおいて示される。刺激されない
RAW細胞は、48時間のインキュベーション期間にわたって、明らかに構成的
な様式においてVEGFを産生した。VEGFのこの自発的な産生は、通常の培
養プレートにおいておよび気体透過性のPermanoxプレートにおいて類似
した。IfnγおよびLPSでの細胞の刺激は、18時間で、刺激されない細胞
によって産生される構成的なレベルよりも、約3〜4倍までVEGFの産生を増
加した。48時間で、刺激されたVEGFレベルは、構成的なレベルよりも2倍
増加されたのみであった。iNOSインヒビターのAG(1.0mM)およびL
−NAME(1.5mM)は、刺激されないRAW細胞によるVEGFの構成的
な産生をブロックしなかったが、Ifnγ/LPS活性化RAW細胞によるVE
GFの産生を、刺激されない細胞のレベルを顕著に下回るレベルに減少した。乳
酸ナトリウム(25mM)は、Ifnγ/LPS活性化を伴っても伴わなくても
、これらの細胞によるVEGFの産生を変化しなかった。低酸素条件下で培養さ
れたRAW細胞は、VEGFの量を増加した。18時間後、低酸素条件下で培養
された細胞の培地中のVEGFレベルは、コントロールの、正常酸素状態の細胞
の培地中のレベルよりも約3倍大きかった。この差異は、48時間までにほとん
ど顕著でなくなった。採集直後の馴化培地中の溶解された酸素レベルの分析は、
正常酸素状態の条件下で、酸素レベルが一貫して高かった(pO>145)こ
とを明らかに示した。低酸素条件下(95% N/5% CO)での24時間
および48時間のインキュベーション後、pOは、それぞれ、71mmおよび
46mmであった。
【0037】 MPMによるVEGFの産生は、RAW細胞のVEGFの産生に類似し、構成
的な産生が48時間にわたって生じた(図2B)。増加される産生が、Ifnγ
/LPSによって誘導された。しかし、RAW細胞と対照的に、iNOSインヒ
ビターは、Ifnγ/LPS活性化MPMによるVEGFの産生を有意には減少
しなかった。RAW細胞について観察されたように、乳酸ナトリウムは、これら
の細胞によるVEGFの産生を調節しなかった。低酸素条件下でのMPMの培養
は、最初の18時間においてVEGF産生の増加を生じたが:48時間後、VEG
Fの構成的な産生は、低酸素細胞のVEGFの産生よりもわずかに高いのみであ
った。MPMの馴化培地において決定される酸素レベルは、RAW細胞培地にお
いて見出されるレベルに類似した。
【0038】 VEGF mRNAレベルの定量的なRT−PCR分析 内部標準としてVEGF RNAミニ遺伝子を使用する、定量的なRT−PC
R希釈系列の典型的な例は、図3において示される。ミニ遺伝子のPCR増幅産
物は、293bpの大きさである。ネイティブなmRNA PCR増幅バンドは
362bpの大きさである。増幅されたミニ遺伝子および増幅されたネイティブ
なmRNAについての等価の点は、希釈系列から容易に決定され得る。これらの
分析から決定された値は、平行なサンプルにおいて決定されるG3PDH mR
NAのレベルに正規化されたが、実際、サンプル間でG3PDH mRNAの変
化はほとんど観察されなかった。このことに基づいて、種々のマクロファージ調
製物におけるVEGF mRNAの相対的な量が、表1において示される。低酸
素およびIfnγ/LPS活性化の両方は、4および10時間で、MPMにおけ
るVEGF定常状態のmRNAレベルをアップレギュレートした。しかし、24
時間までに、VEGF mRNAレベルは、全ての群間において類似した。RA
W細胞において、VEGF mRNAレベルは、24時間で上昇されたままであ
った。Ifnγ/LPS処理されたMPMのアミノグアニジン処理は、任意の時
点で、それらの定常状態のVEGF mRNAレベルを有意には減少しなかった
が;RAW細胞において、VEGF mRNAレベルは、4、10、および24
時間で、70〜80%まで減少された。
【0039】 VEGF mRNAイソ型のRT−PCR分析 VEGFの3つのイソ型は、非活性化MPMおよびIfnγ/LPS活性化M
PMの両方によって産生されることが見出された。これらのイソ型は、VEGF
−1(652bp)、VEGF−2(580bp)、およびVEGF−3(44
8bp)(45)に対応した。Ifnγ/LPS活性化後の各時点でMPMによ
って発現されるVEGFイソ型の相対的な割合は、Ifnγ/LPS活性化によ
っておよびAGでのiNOSの阻害によってわずかに調節されたのみであった(
図4)。RAW細胞において、VEGF mRNAイソ型は、Ifnγ/LPS
活性化によっておよびAG処置によって、同様に影響されなかった。
【0040】 MPMおよびRAW264.7細胞によるTNFαの産生 TNFαは、48時間の試験期間にわたって、刺激されないMPMおよびRA
W264.7細胞のいずれによっても産生されなかった。MPMによるTNFα
の産生は、図5において示される。Ifnγ/LPSでの刺激後、TNFαの発
現が強力に誘導され、馴化培地における増加されたTNFαは、攻撃後8時間ま
で明白であった。乳酸ナトリウムで処理された細胞および乳酸ナトリウムで処理
されなかった細胞において、TNFαの産生における有意な差異はなかった。同
様に、正常酸素状態または低酸素のいずれかの条件下での、Permanoxデ
ィッシュにおける細胞の培養物は、TNFα産生を調節しなかった。iNOSイ
ンヒビターのL−NAMEおよびAGは、MPMによるTNFαの産生に対して
有意な効果を有しなかった。RAW細胞によるTNFαの産生は、MPMにおい
て観察されるTNFαの産生に類似した(データ示さず)。
【0041】 細菌トキシンおよびマクロファージ抽出物によるADPリボシル化 32P-NADでのrVEGFの標識化が、コレラトキシンおよびマクロファ
ージ細胞質ゾル抽出物を使用して観察された(図6)。コレラトキシンでの標識
化は、rVEGF165標準の大きさに対応する単一の32P標識化バンドを生
じた(図6C)マクロファージ細胞質ゾル抽出物での標識化は、マクロファージ
細胞質ゾルタンパク質の内因性の標識化に起因して、多数のバンドの32P標識
化を生じた(図6A)。この混合物におけるrVEGF165の標識化を明らか
に実証するために、抗VEGF抗体でのマクロファージ細胞質ゾル標識化混合物
の免疫沈降が必要であった。免疫沈降後、rVEGF165に対応する顕著な標
識化バンドが明らかに可視可能であった(図6B)。このバンドは、rVEGF 165 の不在下で行われたコントロール反応に存在しなかった。百日咳トキシン
を使用するVEGFの標識化は観察されなかった(図6E)。
【0042】 ラット角膜における脈管形成応答および抗脈管形成応答 種々の条件下で培養されたMPMからの濃縮された馴化培地によるラット角膜
において誘導される脈管形成応答は、表2において示される。正常酸素状態下で
培養された非活性化MPMからの培地は、新脈管形成を誘導しなかった。VEG
F(25ng)の脈管形成効果はこの培地によって影響されなかったので、この
培地は抗脈管形成活性を含まなかった。Ifnγ/LPS活性化MPMからの培
地は強力に脈管形成性であったが、iNOS阻害されたIfnγ/LPS活性化
MPMからの培地は、顕著に減少された脈管形成活性を示した。正常酸素状態の
、非活性化MPMからの培地と対照的に、この培地は、本発明者らが以前に報告
したように(36)、抗脈管形成活性を含むことが見出された。正常酸素状態の
、乳酸処理された非活性化MPMからの培地は、有意な脈管形成活性を示した。
同様に、低酸素条件下で培養された非活性化MPMからの培地は、有意な脈管形
成活性を示した。これらの場合の両方において、VEGFに対するポリクロー抗
体は、馴化培地における脈管形成活性を中和した。rVEGF165によって誘
導される脈管形成応答は、コントロール実験において抗VEGF抗体によって中
和され、一方、bFGF(20mg/移植片)およびTNFα(20ng/移植
片)によって誘導された脈管形成応答は、影響されなかった。
【0043】 コレラトキシンまたはMPM細胞質ゾル抽出物を使用してADP-リボシル化
されたrVEGF165によって誘導される脈管形成応答は、表3において示さ
れる。コントロールVEGF(コレラトキシンおよびMPM細胞質抽出物の不在
下で模擬標識化手順を介して行われた)は、強力に新脈管形成を誘導したが、コ
レラトキシン媒介性のおよびMPM細胞質抽出物媒介性のADPリボシル化VE
GFは、脈管形成応答を大きく減少し、このことはADP−リボシル化がVEG
Fの脈管形成活性を廃止したことを示す。VEGFは、へパリン−セファロース
結合および溶出を使用して反応混合物から精製されたので、本発明者らはまた、
第1に、これらの溶出物がそれら自身で脈管形成活性を含むのか否か、および第
2に、任意の抗脈管形成活性がこの手順を介して溶出物中に富化され得、そして
VEGFの脈管形成活性を妨げ得るのか否かを決定するために、コレラトキシン
またはマクロファージ細胞質ゾル抽出物を用いで調製したコントロールVEGF
非含有反応物からの溶出物を試験した。それゆえ、溶出物は単独で試験され、次
いでrVEGF165の反応後の添加を伴った。模擬溶出物は、直接的な脈管形
成活性を示さず、VEGFと組合わされた場合、抗脈管形成活性を示さなかった
【0044】 考察 本研究において、マウスマクロファージ(MPM)は、VEGF、強力な内皮
細胞特異的、脈管形成増殖因子(23、24)を産生することが示された。MP
MによるVEGF産生は活性化を必要とせず、有意なVEGFレベルが、外部刺
激の添加を伴うことなく、18〜48時間にわたって、馴化倍地中に放出された
。しかし、VEGF産生のこの構成的なレベルは、Ifnγ/LPSでの細胞の
刺激によって顕著に増加された(図2)。対照的に、TNFαの産生は、多くの
以前の研究において示されたように、InfγおよびLPSでのマクロファージ
の活性化に厳密に依存した(図4)(37〜39)。
【0045】 VRGF発現は、インビボおよびインビトロの両方で酸素圧によって調節され
(40〜44)、低レベルの酸素(低酸素)はVEGF発現のアップレギュレー
ションを生じることが見出されている。この増加された発現は、転写レベルおよ
びmRNA安定性のレベルの両方で調節されることが示されており、細胞タイプ
に依存する。本発明者らの研究において、酸素濃度が、通常の培養ディッシュお
よびPermanox培養ディッシュの両方において培養されたマクロファージ
の馴化倍地において測定された。これらの測定は、これらの条件下で、MPMお
よびRAW細胞上の培地は正常酸素状態であり、観察された構成的なVEGF産
生は、低酸素圧によるVEGF遺伝子の発現の誘導に起因しなかったことを示唆
する。しかし、細胞が低酸素条件下で特異的にインキュベートされた場合、両方
の細胞タイプにおいて、VEGFの有意なアップレギュレーションが観察された
が、TNFαおよび亜硝酸産生の有意なアップレギュレーションは観察されなか
った。VEGF発現のこのアップレギュレーションは、mRNAおよびタンパク
質レベルの両方で明白であった。これらの観察は、他の細胞タイプにおいて観察
されるように、VEGF遺伝子の発現が、マクロファージにおける酸素圧によっ
て調製されることを示唆する。しかし、この調節が転写のレベルで生じるのか否
か、またはmRNA安定性のレベルで生じるのか否かは未だ明らかではない。
【0046】 Knightonおよび共同研究者は、ウサギ骨髄由来のマクロファージによ
る脈管形成活性の発現が低酸素によって調節されること、および低酸素マクロフ
ァージの馴化培地中に蓄積する高レベルの乳酸が、マクロファージ由来の脈管形
成活性の発現を調節するにおいて重要であることを以前に示した(5)。MPM
およびRAW細胞において、正常酸素条件下の高乳酸濃度(25mM)の存在下
での培養は、VEGF mRNAおよびタンパク質の発現のレベルを調節しなか
った。しかし、刺激されないMPMは有意なレベルのVEGFを発現するが、こ
れらの細胞からの馴化培地は非脈管形成性である(4、8、22)ことに注目す
ることは重要である。乳酸または低酸素処理後、培地は、脈管形成活性を示す(
表1)。これは、VEGFの脈管形成活性がどのように調節されるかという重要
な疑問を生じさせる。先ず、VEGFはTNFαとの相乗作用において操作され
得、Ifnγ/LPS活性化マクロファージからの馴化倍地中の微小脈管構造を
刺激する。しかし、乳酸処理されたまたは低酸素処理された非活性化マクロファ
ージからの培地は、TNFαを含まず、強力な脈管形成活性を表すという事実は
、適切な条件下で、VEGFがTNFαの不在下で脈管形成性であり得るという
ことを示唆する。このことは、これらの培地における脈管形成活性が、抗VEG
F抗体によって中和されるという事実によって支持される(表1)。試験された
第2の可能性は、正常酸素状態の、非活性化MPMからの培地が、VEGFの脈
管形成効果をブロックする抗脈管形成因子を含み得るということであった。この
仮説は、VEGFの脈管形成効果が阻害されたか否かを決定するために、これら
の細胞からの濃縮された馴化培地とrVEGF165とを合わせることによって
、ラットの角膜のバイオアッセイを使用して試験された。実際、VEGFの効果
の阻害は、この系において観察されず、抗脈管形成因子がこの馴化倍地中に存在
しなかったことを明らかに示す。以下にさらに考察されるように、iNOS阻害
された、Ifnγ/LPS活性化マクロファージ培地からの馴化培地に対照的で
あった。
【0047】 次いで、刺激されないMPMによって産生されるVEGFは、刺激されたMP
Mによって産生されるVEGFとは構造的に異なり得るということが仮説された
。この構造的差異は、異なる脈管形成活性を有するVEGFのオルタナティブに
スプライスされたイソ型に、または例えば、ADPリボシル化依存性機構による
VEGFの転写後修飾(32、45、46)に関連し得た。RT−PCRを使用
する本発明者らの結果は、VEGFのイソ型が、乳酸によって、またはiNOS
の阻害によって、マクロファージの活性化の間に顕著には変化されないことを示
す。VEGF1、2、および3 mRNAイソ型は、試験された全ての条件下で
同様の割合に産生される。従って、VEGF脈管形成活性の調節についての最も
ありそうな機構は、Hussainら(32、47)によって近年示唆されたよ
うに、転写後機構を含み得るようである。この仮説の支持において、rVEGF
は、ADP−リボシル化についての基質であることが示され、そしてADP−リ
ボシル化は、rVEGFの脈管形成活性を廃止することが示された。マクロファ
ージはNADに不透過性であるので、32P−標識化NAD+を使用する、マ
クロファージにより内因的に合成されたVEGFの代謝性標識化は可能ではない
(32、33)。しかし、本発明者らは、マクロファージの細胞質ゾル抽出物を
使用して、および細菌のアルギニン特異的ADP−リボシルトランスフェラーゼ
、コレラトキシンサブユニットAによって、インビトロでrVEGF165の標
識化を実証した(図6)(34、35)。他方、百日咳トキシンは、システイン
特異的ADP−リボシルトランスフェラーゼであり、rVEGF165を修飾し
なかった(48)。さらに、本発明者らは、VEGFのADP−リボシル化は、
その脈管形成活性を廃止することを示した。未修飾のrVEGF165と対照的
に、コレラトキシンまたはマクロファージ細胞質ゾル抽出物を使用して誘導体化
されたrVEGF165は、非脈管形成性であることが見出された(表3)。
【0048】 ヒト単球による、およびマウスマクロファージによる脈管形成活性の生成は、
Ifnγ/LPSでの細胞の活性化によって誘導される(1〜3、20、21、
49)。さらに、L−アルギニン依存性の誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS
)依存性の経路は、Ifnγ/LPS活性化マクロファージによる脈管形成活性
の発現を調節するにおいて重要な役割を示す(21)。L−NAME、Ng−モ
ノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)、ジフェニレンヨードニウム(DP
I)、およびAGのようなiNOSのインヒビターは、脈管形成サイトカインの
TNFαおよびIl−8の産生を阻害することなく、活性化マクロファージによ
る脈管形成活性の産生をブロックする(21、49、50)。この研究において
、本発明者らは、iNOSインヒビターのL−NAMEおよびAGは、Ifnγ
/LPS活性化PAW細胞によるVEGFの産生を顕著に阻害する(>70%阻
害)が、これらの細胞によるVEGFの構成的な(刺激されない)産生に対して
ほとんど効果を有しないことを示す。興味深いことに、Ifnγ/LPS活性化
RAW細胞において、L−NAMEおよびAGは、VEGFの産生を、刺激され
ない細胞のレベルを有意に下回るレベルに阻害する。このことは、非活性化RA
W細胞および活性化RAW細胞において、VEGF産生の調節に関与する経路が
異なり、活性化経路のみがiNOS産物に感受性であることを示唆する。このこ
とは、構成的条件および活性化条件下でのVEGF遺伝子の発現に関与する転写
プロモーターの性質に関連し得る。他方、MPMにおいて、iNOSインヒビタ
ーは、構成的なVEGFおよびInfγ/LPS刺激されたVEGFのいずれの
産生に対しても有意な効果を有しなかった。しかし、MPM馴化培地の脈管形成
活性が、iNOSインヒビターによって顕著にダウンレギュレートされたことに
注目することは重要である。本発明者らの結果は、2つの機構が、iNOS阻害
された、Infγ/LPS活性化されたMPMによる脈管形成活性の発現の調節
に関与することを示唆する。第1は、低酸素および乳酸によるマクロファージの
活性化において観察されること;すなわち、VEGFのADP−リボシル化の調
節に、従って、その脈管形成活性の調節に類似する。Infγ/LPS活性化は
、VEGFの産生をADPリボシル化された、非脈管形成性の形態から未修飾の
、脈管形成性の形態に切り替える。第2に、iNOS依存性の経路は、新脈管形
成のインヒビターの発現を調節する。iNOS経路が活性であり、およびNOが
産生される場合、インヒビターは不活性であるかまたは存在せず;iNOS経路
がAGまたはL−NAMEでブロックされる場合、インヒビターは活性である。
本発明者らは以前に、この抗脈管形成活性が、iNOS阻害された、Infγ/
LPS活性化されたMPMの馴化培地に存在することを報告した(36)。この
インヒビターの性質はいまだ明らかでないが;これは、トロンボスポンジン−1
またはγIP−10(この両方は、マクロファージによって産生され得る強力な
抗脈管形成因子である)に対する特異的な抗体によって中和されない(51、5
2)。TNFαおよびTGFβに対する特異的な抗体はまた、抗脈管形成活性を
中和しなかった。インヒビターは、へパリン−セファロースに弱く結合し、そし
て100kDaを超える見かけの分子量を有する(36)。
【0049】 Hussainおよび共同研究者(32、47)は、ADP−リボシル化依存
性の機構が、脈管形成因子の転写後修飾に関与し得、非脈管形成性の形態を生じ
ることを示唆した。本発明者らの結果は、これが、マクロファージによる脈管形
成活性の産生を調節する機構のうちの1つでまさにあり得ることを示唆する。本
発明者らは、構成的な経路によって産生されるVEGFが、通常ADP−リボシ
ル化された、非脈管形成性の形態にあり、一方Ifnγ/LPS活性化MPMに
よって産生されるVEGFは、リボシル化されない、脈管形成性の形態にあるこ
とを示唆する。従って、活性化は、VEGFの転写後修飾を、ADPリボシル化
された、非脈管形成性の形態から、未修飾の、脈管形成性の形態に調節し得る。
さらに、活性化されたMPMにおけるiNOS経路は、抗脈管形成因子の産生(
生体活性)を調節するようであり、これは、Infγ/LPS活性化された、i
NOS阻害されたMPM培地においてのみ明白である。
【0050】 これらの結果は明らかに,VEGFがADP−リボシル化についての基質であ
ること、およびVEGFのADP−リボシル化は、その脈管形成活性を廃止する
ことを示す。予備的な結果(作成中の原稿)はまた、ビタミンK3およびノボビ
オシンは、両方ともにモノ−ADPリボシル化反応のインヒビターであり(34
、35)、VEGF産生のレベルまたはTNFαの産生を影響することなく、非
活性化の、正常酸素状態のマクロファージによる脈管形成的に活性なVEGFの
産生を生じることを示し、マクロファージにおける脈管形成活性の調節における
モノ−ADPリボシル化の関与を示唆する。しかし、マクロファージによるVE
GF生体活性の調節におけるモノ−ADPリボシル化の役割の最終的な証明は、
VEGFが、酸素圧またはIfnγ/LPS誘導性のマクロファージ活性化およ
びiNOS依存性の経路を改変する条件下で、マクロファージにおいて異なって
ADPリボシル化されるという直接的な実証を必要とする。
【0051】 まとめると、これらの観察に基づいて、VEGFはマクロファージ依存性の脈
管形成活性に対する重要な寄与因子であるようである。マクロファージにおける
VEGF産生は、いくつかのレベルで調節される。構成的に発現されるVEGF
は通常、脈管形成的に不活性である。低酸素およびIfnγ/LPS活性は、産
生されるVEGFの絶対量を増加するが、脈管形成性VEGFの発現をまた生じ
る。高い乳酸用量は、産生されるVEGFの量を増加しないが、脈管形成性のV
EGFの産生をまた生じる。VEGFの脈管形成性の表現型における変化は、恐
らくVEGF生態活性を調節するADP−リボシル化のプロセスによる、翻訳後
修飾に起因し得る。rVEGF165は、コレラトキシンによる、およびMPM
細胞質ゾル抽出物によるADP−リボシル化についての基質であり、ならびにr
VEGF165のADP−リボシル化は、その脈管形成活性を廃止することが示
された。低酸素およびIfnγ/LPS活性化MPMにおいて、活性化は、VE
GF mRNA発現をアップレギュレートし、そしてまた、VEGFの翻訳後修
飾のバランスを、非脈管形成性の形態から脈管形成性の形態にシフトした。RA
W264.7細胞において、VEGF mRNAレベルのIfnγ/LPS活性
化依存性の修飾は、iNOS経路によって一部調節されるが、非活性化細胞にお
けるVEGFの構成的な産生は調節されない。他方、MPMにおいて、Ifnγ
/LPS活性化によるVEGF mRNAレベルの調節は、iNOS経路に有意に
は依存しない。これらの細胞におけるVEGF脈管形成活性は、翻訳後修飾のレ
ベルで調節されるようである。最後に、iNOS経路が、Ifrγ/LPS活性
化MPMにおいて阻害される場合、VEGFの脈管形成活性を阻害する抗脈管形
成因子が発現される。ならびに、翻訳後修飾によるVEGF生体活性の調節、お
よび抗脈管形成因子の発現のiNOS依存性の調節は、マクロファージの脈管形
成性の表現型を制御するための新規な機構を提供し、ならびにインビボで、創傷
修復、線維増殖において、およびおそらく固形腫瘍の発生において、マクロファ
ージ依存性の脈管形成活性を調節するのに重要な役割を果たし得る。
【0052】 本発明は、有効な請求の範囲を制限することが意図されない以下の実施例によ
ってさらに説明される。実施例において、ならびに明細書および請求の範囲を通
じて、全ての要素およびパーセントは、他で特定されない限り最終濃度の重量基
準である。
【0053】 実施例 材料および方法 マウス腹膜マクロファージ(MPM)およびRAW264.7細胞 Balb−cマウス(雄性、6〜8週齢、Taconic、Germanto
wn、NY)を、2.5mlの滅菌Brewerチオグリオール酸ブロス(3%
w/v)(Difco Labs.、Detriot、MI)で腹腔内に注射し
た。5日後、マウスを屠殺し、そしてMPMを100U/mlのへパリンを含有
するPBSを使用して採集した。細胞を、300gにて5分間、4℃で遠心分離
し、血清非含有DMEMで2回洗浄し、そして10% FCSおよび50μg/
mlゲンタマイシンを含有するDMEM(DMEM−10%FCS)中に再懸濁
した。細胞を、37℃にて、95%空気/5% CO2において4時間、加湿し
たインキュベーター中でインキュベートして、細胞を接着させた。いくつかの実
施態様において、細胞を、通常の組織培養ディッシュではなくCounter
Permanox気体透過性ディッシュ(Miles、Naperville、
IL)において播種して、ディッシの底面における細胞に対する周囲のガーゼの
利用可能性を増加した。非接着性の細胞を、血清非含有DMEMで洗浄すること
によって除去し、そして細胞を、DMEM/1% FCSで再栄養補給した。M
PMを、iNOSインヒビターのL−NAME(1.5mM)またはAG(1m
M)の存在下または不在下のいずれかにおいて、100U/mlマウスIfnγ
(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)および10
0ng/mlのLPS(E.coli血清型055:B5、Sigma)を使用
して活性化した。MPMに対する乳酸の効果を試験するために、インキュベーシ
ョン期間の開始時に、培養物に乳酸ナトリウム(25mM)を添加した。低酸素
の効果を試験するために、MPMを、正常酸素状態(95%空気、5% CO
)下または低酸素条件下(95% N、5% CO)のいずれかで、Perm
anoxディッシュ中でインキュベートした。培地および細胞を、Ifn‐γ/
LPSおよび/または乳酸の添加後、示された時点で採集した。培地のアリコー
トを、インキュベーション後に迅速にサンプリングし、そしてBlood Ga
s Analyzer(Instrumentation Lab.、Lexin
gton、MA)において分析した。残りの培地を4℃で5分間、15,000
gで遠心分離して、細胞残渣を除去し、そして分析するまで−80℃で保存した
【0054】 RAW264.7細胞をATCCから得、そしてDMEM−10% FCS中
に日常的に維持した。細胞を掻爬することによって継代し、そして上記のように
、Ifnγ/LPSを伴ってまたは伴わないで、乳酸ナトリウムを伴ってまたは
伴わないで、および低酸素条件下で、通常のディッシュまたはPermanox
ディッシュのいずれかにプレートした。VEGFおよびTNFαの産生に対する
L−NAMEおよびAGの効果をまた試験した。培地および細胞を、上記のよう
に採集し、そして処理した。
【0055】 全細胞性RNAの単離 全細胞性RNAを、TRI REAGENT(Molecular Resea
rch Center,Inc.Cincinnati、OH)を使用して、マ
クロファージ細胞培養物から単離した。培地を細胞から除去し、TRI REA
GENTを培養ディッシュに直接的に添加し、そして細胞溶解物を21ゲージの
注射針に数回通した。サンプルを、室温で5分間保存し、次いで、溶解試薬の1
ミリリットルあたり0.2mlクロロホルムを添加し、混合物を15秒間、ボル
テックスし、次いで室温で10分間インキュベートした。得られた混合物を12
,000gにて15分間4℃で遠心分離した。水性の(上部の)相を、新鮮なマ
イクロ遠心チューブに移し、そして元来の抽出について使用した1mlのTRI
TEAGENT当たり0.5mlのイソプロパノールを添加することによって
、RNAを沈殿した。サンプルを、室温で5分間インキュベートし、次いで12
,000gで10分間、4℃で遠心分離した。RNAペレットを75%エタノー
ルで洗浄し、5分間風乾し、そしてRNAアーゼ非含有水中に溶解した。
【0056】 VEGF mRNAレベルの定量的なRT−PCR分析 VEGF mRNAレベルを、RT段階およびPCR段階の両方を通じて存在
する内部ミニ遺伝子RNA標準を使用して、RT−PCRによって決定した。2
93bpのVEGFミニ遺伝子RNA標準は、69bpの遺伝子欠失を含み、以
下のように調製した:以下のプライマーを使用して、MPMからの全RNAをR
Tおよび35サイクルを介するPCRに供した。
【0057】 センスミニ遺伝子プライマー:(18マー)エキソン1における(41〜58
位):5’ GGACCCTGGCTTTACTGC 3’ アンチセンスミニ遺伝子プライマー(39マー)、エキソン5において開始し
、イントロンに及び、そして387位までエキソン4に続き、318位までの6
9bpの遺伝子を欠失し、そして300位まで続く。従って、プライマーはイン
トロンに及び、および69bpの欠失を含む。5’ TTGGTCTGCATT
CACATCGGC−GTGATGTTGCTCTCTGAC 3’。PCRバ
ンドをエタノール沈殿によってプライマーから精製し、そして平滑末端をpCR
−Script AmpSK(+)ベクター(Stratagene、La Jo
lla、CA)にライゲーションした。ベクターにおけるミニ遺伝子の方向を、
ジデオキシ配列解析によって決定した。アンチセンス方向においてミニ遺伝子挿
入物を含有するクローンを、RNAミニ遺伝子の調製のためのその後のインビト
ロ転写に使用した。ベクターをNot1で線状化し、プロテイナーゼ−K(4μ
g/ml)で1時間、37℃で処理し、そしてフェノール抽出およびエタノール
沈殿によって精製した。次いで、線状化したプラスミドを、VTRAN−7転写
キット(Sigma)を使用して、T7 RNAポリメラーゼを用い、インビト
ロで転写して、センスRNAを得た。反応産物を、RNAアーゼ非含有DNAア
ーゼ1(転写反応中の10μ/mg DNA)(Promega、Madiso
n、WI)で2時間、37℃で処理した。次いで、反応混合物を90℃に5分間
加熱し、冷却し、そして10×転写停止溶液(5M酢酸アンモニウム、0.1M
EDTA)を添加した後、フェノール抽出し、そしてイソプロパノール沈殿し
た。RNA濃度を分光光度計で決定した。次いで、VEGF RNAミニ遺伝子
(反応当たり2.5pg)をRT−PCR反応物に取込ませた。種々の条件下で
処理されたマクロファージからの全RNAを、1〜200ng/反応の範囲の量
において、RT−PCR反応に添加した。拮抗的なRT−PCR反応に使用され
るオリゴヌクレオチドプライマーは、ミニ遺伝子を調製するために使用された最
初のプライマーにネストした18マーであった: エキソン1におけるセンスプライマー:5’ ACCCTGGCTTTACT
GCTG 3’ アンチセンスプライマー(イントロンに及ぶ):5’ GGTCTGCATT
CACATCGG 3’。
【0058】 アンチセンスプライマーを最初のRT反応に使用し;逆転写酵素を99℃で5
分間不活性化し、そして等量のセンスプライマーを含有するPCRミックスに添
加した。次いで、PCRを25サイクル行った。反応物をTAE緩衝液中で1.
5%アガロースゲルにおける電気泳動によって分析し、エチジウムブロミドで染
色し、そしてMolecular Dynamics FluorImage A
nalyzerを使用してスキャニングした。次いで、内部VEGF RNAミ
ニ遺伝子の強度に等しい強度のバンドを与える投入量RNAの濃度を決定した。
イントロンに及ぶプライマーを始めから最後まで使用したが、、全RNA調製物
のゲノムDNA混入についてのコントロールを日常的に行った。これらのコント
ロールは、逆転写酵素の不在下の平行反応の実施を含んだ。
【0059】 使用される種々の培養条件によって顕著に調節されないハウスキーピング遺伝
子についてのコントロールとして、酵素グリセルアルデヒド−3‐リン酸デヒド
ロゲナーゼ(G3PDH)についてのRT−PCR手順をまた開発した(詳細は
示さず)。G3PDH mRNAレベルについての平行反応を、種々のマクロフ
ァージRNAサンプルに対して行い、そしてRT-PCRによって決定されるV
EGF mRNAレベルをG3PDHレベルに正規化した。
【0060】 VEGF mRNAイソ型のRT−PCR分析 逆転写について、1.0μgの全RNAを、製造業者のプロトコルに従って、
RNA PCR Kit(Perkin Elmer、Foster City、C
A)とともに50U MuLv逆転写酵素を用いて、以下に示される100ng
の逆VEGF特異的プライマーを使用して転写した。最初のRT反応工程後、2
0μlの反応容量を5分間煮沸して、逆転写酵素を不活性化した。100ngの
正方向プライマー(以下を参照のこと)を、80μlのPCRマスターミックス
とともに添加して、反応当たり1mM MgCl、1×PCR緩衝液II、お
よび2.5U Taqポリメラーゼ(Perkin−Elmer)の最終濃度を
与えた。PCRプライマーを、VEGF遺伝子から形成されるVEGF mRN
Aの3つの異なってスプライシングされるマウスイソ型の増幅を可能にするよう
に選択した。これらのVEGF mRNAイソ型は、8つのエキソンを含有する
遺伝子に由来した(45)。最も大きな、VEGF−1は、全ての8つのエキソ
ンを使用して形成される。VEGF−2はエキソン7を欠損し、およびVEGF
−3はエキソン6および7を欠損する。エキソン3および8におけるPCRプラ
イマーを使用することによって、VEGFの3つの異なるイソ型が、異なった大
きさのPCR増幅産物を生成し、ならびにこれらが同じプライマーから増幅され
るので,3つのバンドの強度の比率は、3つの異なってスプライスされるmRN
Aイソ型の相対的な量の見積もりを与える。PCR増幅のために選択されたプラ
イマーは: 正方向プライマー(エキソン3に位置される):5’ GATGAAGCCC
TGGAGTGC 3’ 逆方向プライマー(エキソン8に位置される);5’ TCCCAGAAAC
AACCCTAA 3’であった。
【0061】 PCRについて以下のサイクリングプログラムを使用した:25サイクルにつ
いて、94℃で1分間の変性、54℃で1分間のアニーリング、および2分間、
72℃での伸長、そして72℃で15分間の最終的な伸長を伴う。次いで、PC
R反応物を、TAE緩衝液を使用する1.5%アガロースゲルにおける電気泳動
によって分析し、そしてエチジウムブロミドで染色した。ゲルを、Molecu
lar Dynamics FluorImage分析器を使用してスキャンし、
そしてPCR増幅されたVEGFイソ型バンドの染色強度を、ImageQua
nt画像分析ソフトウェアパッケージ(Molecular Dynamics
)を使用して分析した。
【0062】 ELISAによるVEGFタンパク質レベルのアッセイ 馴化培地中のVEGFを、製造業者のプロトコルに従って、サンドイッチEL
ISAキット(Quantikine M、R & D Systems、Minn
eapolis、MN)を使用してアッセイした。このアッセイは、3〜500
pg/mlの範囲における感度で、マウスVEGFを検出する。この範囲を超え
るVEGF濃度を有するサンプルを、RPMIで溶出し、そして再アッセイした
。全てのサンプルを三連においてアッセイした。結果は、平均+/−平均の標準
偏差(S.D.)として示される。
【0063】 ELISAによるTNFαのアッセイ マウスTNFαを、サンドイッチELISAキット(TNF-A Miniki
t、Endogen、Woburn、MA)を使用してアッセイし、製造業者の
手順に従った。全てのサンプルを三連においてアッセイした。結果は、平均+/
−S.D.として示される。
【0064】 亜硝酸のアッセイ 試験した種々の条件下の細胞による一酸化酸素(NO)の産生を決定するため
に、以前に記載されるように培地をGriess反応を使用して、亜硝酸につい
て分析した。簡潔には、50μl培養培地を、96ウェルプレート中に置き、続
いて50μLの冷却350mM塩化アンモニウム、pH9.6を置いた。100
μlの1の割合の5mMスルファニル酸、1の割合の5mM N−(1−ナフチル
)エチレンジアミン、および3の割合の氷酢酸を添加した。室温での暗所におけ
る10分間のインキュベーション後、570nmでの吸光度を、マイクロプレー
トスキャナ(Bio Tek Instruments、Burlington.
VT)を使用して決定した。系を、新鮮に調製した標準亜硝酸溶液を使用して更
正した。一次回帰線が標準から決定され、そして実験的な亜硝酸濃度を算定した
。結果は、平均±S.D.である。
【0065】 脈管形成活性および抗脈管形成活性のアッセイ MPM培養物からの馴化培地を20倍に濃縮し、そしてAmicon遠心分離
スピンフィルター(3KDaカットオフ)(Beverly、MA)を使用して
、透析した。5μlの濃縮された培地を、等容量の緩慢放出性のHydron(
95%エタノール中の12% w/v)(Interferon Science
s、New Brunswick、NJ)中に取込ませ、そして乾燥させた。H
ydronペレットを、以前に記載されるように(1、2、4、9)、ラットの
角膜支質内の嚢の、肢脈管構造から2mmに無菌的に移植した。角膜を、立体顕
微鏡を使用して7日間毎日試験し、そして観察期間の終わりにコロイド性の炭素
で灌流して、脈管形成応答の永続的な記録を提供した。角膜を、非特異的な炎症
の任意の証拠について組織学的に試験した。脈管形成応答を、以下のような等級
付けに対してアッセイした:応答なし、または迅速に復帰される肢脈管構造のわ
ずかな発芽=0;肢から0.2mm未満に進行し、および復帰を開始する、いく
つかの毛状芽および新芽の形成=1;移植片に対して少なくとも1mmで増殖す
るが、移植片に達しずおよびこれを侵襲しない毛状芽および新芽の網の持続性の
増殖=2;移植片に達しおよびこれを取り囲む、毛状芽および新芽の高密度の網
の強力な増殖=3。試験あたり4つの角膜移植片を調製し、そして応答をまとめ
た。従って、最大の応答は、12のスコアを有し、一方最小の応答は、0のスコ
アを有する。抗脈管形成活性のアッセイについて、試験馴化培地(20倍に濃縮
される)を、20ngの組換えヒトVEGF165(Napoleone Fe
rrara博士、Genentech Inc.、S.San Francisc
o、CAの贈与物)と合わせた。次いで、rVEGFの脈管形成活性に対する試
験培地の効果を、角膜バイオアッセイを使用して決定した。
【0066】 マクロファージ脈管形成活性に対する抗VEGF抗体の効果 MPM馴化培地の脈管形成活性に対するVEGFの寄与を決定するために、V
EGFに対するアフィニティー精製した中和化ポリクローナル抗体(Napol
eone Ferrara博士の贈与物)を使用した。上記のように調製した濃
縮された馴化培地を、37℃で2時間、10μg/mlの最終濃度の抗−VEG
F抗体とともにインキュベートした。コントロールを、同じ濃度の免疫前のIg
Gと共にインキュベートした。次いで、これらの処理された培地を、ラット角膜
バイオアッセイにおいて脈管形成活性についてアッセイした。
【0067】 rVEGFのADP−リボシル化 32P−NADを使用する、MPMにおいて内因的に合成されたVEGFを
代謝的に標識する最初の試みは、マクロファージがNADに不透過性であり、
これが細胞に入れ得ず、および細胞質ADP−リボシルトランスフェラーゼを提
供し得ないので、首尾良くいかなかった(32、33)。それゆえ、本発明者ら
は、透過化されたMPM(データ示さず)またはマクロファージ細胞質抽出物の
いずれかを使用して、内因性rVEGFがマクロファージのADP−リボシルト
ランスフェラーゼについての基質であるか否かを決定した。同様に、rVEGF
を、コレラトキシン(アルギニン−特異的ADP−リボシルトランスフェラーゼ
)についての、および百日咳トキシン(システイン−特異的ADP−リボシルト
ランスフェラーゼ)についての基質として試験した(34、35)。
【0068】 i)MPMの細胞質ゾル抽出物を、以下のように調製した:MPMを、10%
胎児ウシ血清を含有するRPMI1640中に、100mm培養ディッシュにお
いてプレートし(10ml培地中、ディッシュ当たり10×10細胞)、そし
て37℃で一晩、インキュベートした。次いで、培地を除去し、そして冷却PB
Sで細胞を洗浄した(×2)。次いで、細胞を冷却PBS(1ml/ディッシュ
)に掻爬することによって採集した。細胞を、300gにて落とし、そして氷上
で、20mM Tris−HCl pH7.5、1mM EDTA、5mM MgC
、1mM DTT、2mM メルカプトエタノール、1mM PMSF、1μ
g/ml ロイペプチン、1μg/ml アプロチニン、および0.25M スク
ロース(1ml/50×10細胞)中に再懸濁し、そして短く超音波処理した
。抽出物を、15分間、1100gで冷却して遠心分離して、核および不溶性の
残渣を除去した。抽出物のタンパク質含量を、Bradford法(BioRa
d、Richmond、CA)を使用して決定し、そして抽出物を−80℃で使
用するまで保存した。これらの抽出物が、rVEGF165をADP−リボシル
化し得るか否かを決定するために、以下を含む標識化反応物を設定した:500
ng VEGF165、10μg マクロファージタンパク質抽出物、20mM
Tris−HCl pH7.8、20mM イソニアジド、120mM MgCl
、10mM NaF、0.02% ロイペプチン、0.54mM NADP、0
.4mM イソブチル−メチルキサンチン、0.1% ルブロール、2mM DT
T、10mM チミジン、および7μCi 32P標識化NAD(800Ci/
mmol)(DuPont−NEN、Wilmington、DE)。30℃で
2時間のインキュベーション後、反応混合物を氷上に置き、そして30分間、1
0μlのプロテイン−A/G−アガロース(Santa Cruz Biotec
h、Santa Cruz、CA)で予めきれいにした。10μgのマウス抗V
EGFモノクローナル抗体(Texas Biotechnology Inc.
Dallas、TXの贈与物)を上清に添加し、そして混合物を氷上で2時間、
インキュベートした。次いで、10μlのプロテイン−A/G−アガロースビー
ズを添加し,そして混合物をさらに2時間、4℃で、穏やかにゆすりながらイン
キュベートした。ビーズを遠心分離によって採集し、そして細胞溶解緩衝液で洗
浄した(×3)。次いで、ビーズを等容量の2×電気泳動サンプル緩衝液(10
0mM DTTの最終濃度)中でインキュベートし、そして95℃で10分間加
熱して、ビーズから結合されたVEGFを溶出した。次いで、サンプルを0.1
% SDS−15% PAGEを使用して分離し、そして分画されたタンパク質を
、セミドライ電気泳動トランスファーによってニトロセルロースメンブレンに移
した。次いで、フィルターを、抗VEGF抗体を使用して免疫染色し、そしてV
EGFバンドを、増強された蛍光検出試薬(Amersham Vistra試
薬)およびFluorimage Analyzer(Molecular Dy
namics)を使用して検出した。次いで、ニトロセルロースブロットを、P
hosphorImage分析器(Molecular Dynamics、S
unnyvale、CA)を使用して分析して、32P標識化バンドの局在化を
決定した。
【0069】 ii)rVEGF165を、上記の反応緩衝液中で、以下のようにコレラトキ
シンとともに2時間まで、30℃にてインキュベートした:500ng rVE
GF、250μg コレラトトキシン(A−サブユニット、Sigma Chem
ical Co.、St.Louis、MO)。反応を、等容量の冷却10% T
CAの添加によって終結した。沈殿されたタンパク質を、水飽和されたクロロホ
ルムで洗浄し(×3)、そして上述のように、最終的に、等容量の2×PAGE
サンプル緩衝液中に再懸濁した。サンプルをSDS−PAGEによって分離し、
そして上記のようにニトロセルロースメンブレンに移した。
【0070】 iii)500ng rVEGF165を、上記の反応混合液中、25μgの
百日咳トキシン(Sigma、カタログ番号P−0317)とともに2時間まで
、30℃にてインキュベートした。百日咳トキシンを、10mM ATPおよび
20mM DTTとの30分間のインキュベーションによって、VEGF反応混
合物への添加の前に予め活性化した。反応を、上記のように終結し、そして分析
した。
【0071】 VEGFの脈管形成活性に対するADP−リボシル化の効果 脈管形成因子としてVEGFのADP−リボシル化がその生体活性を調節する
か否かを決定するために、rVEGF165を、コレラトキシン、またはマクロ
ファージ細胞質ゾル抽出物のいずれかであるが、未標識のNADの存在下で、
以前に記載されるように処理した。反応混合物からのrVEGFの回収を容易に
するために、プロテインA/G−アガロースビーズからのVEGFの回収に苛酷
な、変性条件を必要とする免疫沈降をVEGFの回収のために使用するのではな
く、へパリン−セファロース結合を使用してVEGFを回収した。標識化反応後
、10μlの洗浄されたヘパリン−セファロースビーズを添加し、そして混合物
を4℃で4時間、穏やかに振とうしながらインキュベートした。次いで、ビーズ
を0.4M NaClを含有する100μl 20mM Tris−HCl pH7
.8で洗浄した(×3)。VEGFを、1.5M NaClを含有する20μl
Tris−HClとのインキュベーションによってビーズから溶出した。VEG
Fの回収を、特異的なELISAによって決定した。コントロール反応を、細菌
トキシンおよびマクロファージ抽出物の不在下で行った。抗脈管形成活性がマク
ロファージ抽出物およびコレラトキシン調製物に存在しないことを確実にするた
めに、類似の標識化反応を、VEGFの不在下で行い、そしてこれらの反応物か
らのヘパリン−セファロース溶出物を、抗脈管形成アッセイにおいて試験した。
【0072】 図1は、MPMによる亜硝酸産生を説明する。細胞を、示されるように、乳酸
ナトリウム(25mM)、Ifnγ(100u/ml)およびLPS(100n
g/ml)、L−NAME(1.5mM)、もしくはAG(1mM)を伴ってま
たは伴わないで、DMEM/1% FCS中でインキュベートした。培地を、I
fnγ/LPSでの攻撃の8、24、および48時間後に採集した。結果は、典
型的な実験における三連の決定の平均+/−S.D.である。類似の結果が、少
なくとも3つの別個の実験において見出された。
【0073】 図2は、A)RAW264.7細胞、およびB)MPMによるVEGFの産生
を説明する。細胞を、示されるように、乳酸ナトリウム(25mM)、Ifnγ
(100u/ml)およびLPS(100ng/ml)、L−NAME(1.5
mM)、もしくはAG(1mM)を伴ってまたは伴わないで、DMEM/1%
FCS中でインキュベートした。培地を、Ifnγ/LPSでの攻撃の18およ
び48時間後に採集した。結果は、典型的な実験における三連の決定の平均+/
−S.D.である。類似の結果が、少なくとも3つの別個の実験において見出さ
れた。
【0074】 図3は、プレート化の24時間後のコントロール(刺激されない)MPMにお
けるVEGF mRNAレベルの拮抗的なRT−PCR分析を説明する。方法に
おいて詳細に記載されるように、MPMから単離された種々の量の全RNA(1
〜200ng)を、ネイティブなVEGF mRNAと同じプライマーを使用し
て増幅するVEGF RNAミニ遺伝子(2.5pg)の存在下で、逆転写し、
そして25サイクルを介するPCRによって増幅した。RNA ミニ遺伝子は、
293bpの増幅されたPCR産物を生じ、ネイティブなVEGF mRNAは
、362bpフラグメントを生じる。ミニ遺伝子と同じ強度の増幅バンドを生じ
る全RNAの量が、これらの分析から決定される。
【0075】 図4は、AG処理を伴うかまたは伴わないで、Ifnγ/LPS活性化MPM
によって産生されるVEGFのイソ型のRT−PCRの分析を説明する。方法に
おいて記載されるように、MPMから単離された全RNAを逆転写し、そしてP
CRにより増幅した。PCRプライマーは、エキソン3および8に位置され、6
52、580、および448bpに対応する3つのPCR産物の増幅を生じた。
【0076】 図5は、MPMによるTNFαの産生を説明する。細胞を、示されるように、
乳酸ナトリウム(25mM)、Ifnγ(100u/ml)およびLPS(10
0ng/ml)、L−NAME(1.5mM)、もしくはAG(1mM)を伴っ
てまたは伴わないで、DMEM/1% FCS中でインキュベートした。培地を
、Ifnγ/LPSでの攻撃の8、24および48時間後に採集した。結果は、
典型的な実験における三連の決定の平均+/−S.D.である。類似の結果が、
少なくとも3つの別個の実験において見出された。
【0077】 図6は、細菌トキシンによるおよびマクロファージ細胞質ゾル抽出物による、
rVEGF165のADP−リボシル化を説明する。A.rVEGF(500n
g)を、32P−NADの存在下、マクロファージ細胞質ゾル抽出物(方法を
参照のこと)とともにインキュベートした。全ての標識化反応を、0.1% S
DS−15% PAGEゲルにおいて分析した。B.rVEGF165マクロフ
ァージ細胞質ゾル抽出物標識化混合物を、抗VEGF抗体で免疫沈降し、そして
免疫沈降されたVEGFをSDS−PAGEによって分析した。rVEGF16 と同じ位置に移動する優勢な32P標識されたバンド(同じブロットのウェス
タン分析によって決定される)が示される。C.rVEGF165を、方法にお
いて記載されるように、コレラトキシンサブユニットAおよび32P−NAD とともにインキュベートした。D.コレラトキシンを、rVEGF165の不在
下、32P−NADとともにインキュベートした。E.rVEGF165を、
方法において記載されるように、百日咳トキシンおよび32P−NADととも
にインキュベートした。
【0078】
【表1】 各群についてのVEGF mRNAレベルが、同じRNAサンプルにおけ
るG3PDH mRNAと比較される。
【0079】
【表2】 マクロファージを、示された条件下で48時間インキュベートし、濃縮し(
×20)、そしてCentricon3(3000分子量カットオフ)フィルタ
ー(Amicon)を使用して透析した。次いで、サンプルを等容量のHydr
on(Inferon Sciences、Inc.)(95%エタノール中の1
2% w/v)と合わせた。次いで、10μlの小滴を、2mmの直径のRefl
on棒の切断先端上で乾燥させ、ラットの角膜中に無菌的に移植した。 脈管形成応答を、移植の7日後に評価した。脈管形成価は、各試験サンプル
について4つの個々の角膜からの等級付けされた脈管形成応答の和を示す。最大
の応答は12のスコアであり;最小の応答は0のスコアである(方法を参照のこ
と)。
【0080】
【表3】 rVEGF165を、方法の節において記載されるように、コレラトキシン
またはマクロファージ細胞質ゾル抽出物のいずれかとともに、反応混合物中で処
理した。コレラトキシンまたはマクロファージ細胞質ゾル抽出物の不在下で処理
したVEGFのコントロールを予め形成して、VEGFに対する緩衝液の効果を
決定した。VEGFを伴わないでインキュベートしたコレラトキシンおよびマク
ロファージ細胞質ゾル抽出物のコントロールをまた予め形成して、外因性脈管形
成因子または抗脈管形成因子がコレラの試薬に存在するか否かを決定した。全て
の反応を方法において記載されるようにヘパリン−セファロースで処理して、反
応混合物からVEGFを回収した。
【0081】 本出願を通じて、種々の刊行物が参照された。これらの刊行物における開示は
、技術水準をより十分に記載するために、本明細書中に参考として援用される。
【0082】 参考文献 1.Polverni PJ、Cotran RS、Gimbrone MA J
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導性のS−ニトロシル化は、酵素活性を阻害し、そして内因性ADP−リボシル
化を増加する。J Biol Chem 1992、267:24929−249
32 47.Feng JJ、Hunt TK、Ghani P、Hussain MZ
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に阻害され得る。Wound Repair Regeneration 199
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ランスデューシンの百日咳トキシン触媒性のADP−リボシル化。システイン3
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素合成酵素(iNOS)の発現は、マウスマクロファージおよびIC−21細胞
による脈管形成活性の生成のために必要とされる。Mol Biol Cell(
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フラグメントと、免疫学的に区別できない。Proc.Natl.Acad.S
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ターおよびアクチベーター。Mol.Cell Biochem 1994、13
8:185−197
【0083】 本開示を通じて、出願人は、治療学的な創傷治癒組成物における成分が脈管内
皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するために機能すると考える
、種々の理論または機構を示唆する。出願人は、本発明を説明するための種々の
機構を提案し得るが、出願人は理論によって束縛されることを望まない。これら
の理論は、本発明をより良好に理解するために示唆されるが、本発明の有効な範
囲を制限することは意図されない。
【0084】 本発明は、特異的な実施態様に関して詳細に記載されたが、当業者は、本発明
に対する多数の変化および改変が今や可能であり、この変化および改変は、本発
明の精神および範囲から逸脱するとみなされないことを、本開示を考慮して理解
する。従って、本発明は、広範囲に解釈されるべきであり、そして以下の請求の
範囲の範囲および精神によってのみ制限されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MPMによる亜硝酸産生を説明する図である。
【図2】 A)RAW264.7細胞、およびB)MPMによるVEGFの産生を説明す
る図である。
【図3】 プレーティングの24時間後のコントロール(刺激されない)MPMにおける
VEGF mRNAレベルの拮抗的なRT−PCR分析を説明する図である。
【図4】 AG処理を伴うかまたは伴わない、Ifnγ/LPS活性化MPMによって産
生されるVEGFイソ型のRT−PCR分析を説明する図である。
【図5】 MPMによるTNFα産生を説明する図である。
【図6】 細菌トキシンによるおよびマクロファージ細胞質ゾル抽出物による、rVEG
165のADP−リボシル化を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 29/00 Fターム(参考) 4C084 AA17 AA20 MA01 MA02 MA63 NA14 ZA891 ZB112 ZC202 ZC292 4C206 AA01 AA02 CB28 MA01 MA02 MA04 MA05 MA83 NA14 ZA89 ZB11 ZC20 ZC29

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物において創傷を治癒するための方法であって、以下
    の工程: (A)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
    モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量の
    インヒビターを含有する治療学的な創傷治癒組成物を提供する工程;および (B)治療学的な創傷治癒組成物と、哺乳動物における創傷とを接触する工程
    を包含する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、ここで哺乳動物がヒトであ
    る方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、ここでモノアデノシン二リ
    ン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK1、ビタミン
    K2、ビタミンK3、ビタミンK4、ビタミンK5、ビタミンK6、ノボビオシ
    ン、m−ヨードベンジルグアニジン、ニコチンアミド、クメルマイシン、ジクマ
    ロール、およびシリビンからなる群より選択される方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法であって、ここでモノアデノシン二リ
    ン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK1、ビタミン
    K3、ノボビオシン、およびシリビンからなる群より選択される方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって、ここでモノアデノシン二リ
    ン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、治療学的な創傷治癒組成
    物の約0.1重量%〜約10重量%の量において治療学的な創傷治癒組成物に存
    在する方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって、ここで創傷が、圧力性潰瘍
    、褥瘡性潰瘍、糖尿病性潰瘍、および熱傷損傷からなる群より選択される方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の方法であって、ここで治療学的創傷治癒組
    成物が、薬学的に受容されるキャリアをさらに含有する方法。
  8. 【請求項8】 創傷治癒組成物であって: (A)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
    モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量の
    インヒビター、および (B)薬学的に受容されるキャリア、を含有する創傷治癒組成物。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の創傷治癒組成物であって、ここでモノアデ
    ノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK1
    、ビタミンK2、ビタミンK3、ビタミンK4、ビタミンK5、ビタミンK6、
    ノボビオシン、m−ヨードベンジルグアニジン、ニコチンアミド、クメルマイシ
    ン、ジクマロール、およびシリビンからなる群より選択される創傷治癒組成物。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の創傷治癒組成物であって、ここでモノア
    デノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK
    1、ビタミンK3、ノボビオシン、およびシリビンからなる群より選択される創
    傷治癒組成物。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の創傷治癒組成物であって、ここでモノア
    デノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、治療学的な
    創傷治癒組成物の約0.1重量%〜約10重量%の量において治療学的な創傷治
    癒組成物に存在する創傷治癒組成物。
  12. 【請求項12】 ヒトにおいておむつ皮膚炎を処置するための方法であって
    、以下の工程: (A)治療学的なおむつ皮膚炎創傷治癒組成物を提供する工程であって、当該
    組成物は: (a)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
    モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼの治療学的に有効な量の
    インヒビター、 (b)約5〜約8の範囲において皮膚炎のpHを維持するための緩衝化剤;お
    よび (c)抗炎症剤を含有する、工程;ならびに (B)治療学的なおむつ皮膚炎創傷治癒組成物と、ヒトにおけるおむつ皮膚炎
    とを接触する工程、を包含する方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、ここでモノアデノシン
    二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK1、ビタ
    ミンK2、ビタミンK3、ビタミンK4、ビタミンK5、ビタミンK6、ノボビ
    オシン、m−ヨードベンジルグアニジン、ニコチンアミド、クメルマイシン、ジ
    クマロール、およびシリビンからなる群より選択される方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって、ここでモノアデノシン
    二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK1、ビタ
    ミンK3、ノボビオシン、およびシリビンからなる群より選択される方法。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載の方法であって、ここでモノアデノシン
    二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、治療学的な創傷治癒
    組成物の約0.1重量%〜約10重量%の量において治療学的な創傷治癒組成物
    に存在する方法。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載の方法であって、ここで緩衝化剤が、ク
    エン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、および酢酸−酢酸ナ
    トリウムからなる群より選択される方法。
  17. 【請求項17】 請求項12に記載の方法であって、ここで抗炎症剤が、イ
    ブプロフェン、ナプロキセン、サリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、イン
    ドメタシン、エトドラク、メクロフェナム酸ナトリウム、フェノプロベンカルシ
    ウム、ケトプロフェン、メフェナム酸、ナブメトン、ケトロラクトロメタミン、
    ジクロフェナク、マツヨイグサ油、アセチルサリチル酸、メサラミン、サルサレ
    ート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、およびコリンマグネシウムトリサリ
    チル酸、フルニソリド、トリアムシノリン、トリアムシノリンアセトニド、ジプ
    ロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸βメタゾン、ヒドロコルチゾン、コ
    ルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾ
    ロンからなる群より選択される方法。
  18. 【請求項18】 請求項12に記載の方法であって、ここで治療学的な創傷
    治癒組成物がさらに、薬学的に受容されるキャリアを含有する方法。
  19. 【請求項19】 おむつ皮膚炎を最小にするためにおよび処置するために有
    用な治療学的な皮膚科学的創傷治癒組成物であって、該組成物は、治療学的に有
    効な量の: (1)脈管内皮増殖因子のアデノシン二リン酸リボシル化を阻害するための、
    モノアデノシン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターを含有す
    る治療学的な創傷治癒組成物、 (2)約5〜約8の範囲において皮膚炎のpHを維持するための緩衝化剤;お
    よび (3)抗炎症剤を含有する組成物。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の組成物であって、ここでモノアデノシ
    ン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK1、ビ
    タミンK2、ビタミンK3、ビタミンK4、ビタミンK5、ビタミンK6、ノボ
    ビオシン、m−ヨードベンジルグアニジン、ニコチンアミド、クメルマイシン、
    ジクマロール、およびシリビンからなる群より選択される組成物。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の組成物であって、ここでモノアデノシ
    ン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、ビタミンK1、ビ
    タミンK3、ノボビオシン、およびシリビンからなる群より選択される組成物。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の組成物であって、ここでモノアデノシ
    ン二リン酸−リボシルトランスフェラーゼのインヒビターが、治療学的な創傷治
    癒組成物の約0.1重量%〜約10重量%の量において治療学的な創傷治癒組成
    物に存在する組成物。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載の組成物であって、ここで緩衝化剤が、
    クエン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、および酢酸−酢酸
    ナトリウムからなる群より選択される組成物。
  24. 【請求項24】 請求項19に記載の組成物であって、ここで抗炎症剤が、
    イブプロフェン、ナプロキセン、サリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、イ
    ンドメタシン、エトドラク、メクロフェナム酸ナトリウム、フェノプロベンカル
    シウム、ケトプロフェン、メフェナム酸、ナブメトン、ケトロラクトロメタミン
    、ジクロフェナク、マツヨイグサ油、アセチルサリチル酸、メサラミン、サルサ
    レート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、およびコリンマグネシウムトリサ
    リチル酸、フルニソリド、トリアムシノリン、トリアムシノリンアセトニド、ジ
    プロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸βメタゾン、ヒドロコルチゾン、
    コルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニ
    ゾロンからなる群より選択される組成物。
  25. 【請求項25】 請求項19に記載の組成物であって、ここで治療学的な創
    傷治癒組成物が、薬学的に受容されるキャリアをさらに含有する組成物。
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