JP2000510112A - TGF―β拮抗物質としてのプロラクチンの使用方法 - Google Patents
TGF―β拮抗物質としてのプロラクチンの使用方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、プロラクチンにより、TGF−βが細胞に対して示す作用が阻止されることが明らかにされた発見に基づくものである。本発明の目的は、プロラクチンを含む薬理学的に受け入れられる組成物の有効量を投与することにより、TGF−βの存在に関連した疾患または障害に罹患しているとみられる患者を治療するための方法を請求することである。
Description
【発明の詳細な説明】
TGF−β拮抗物質としてのプロラクチンの使用方法
背景技術
トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)は、ある構造的特性および
機能的特性を共有するポリペプチド因子の一群のファミリーに属する(Mass
agueら、Cell、49:437(1987))。他のメンバーとして、ア
クチビン、インヒビン、ミュラー抑制物質(MIS)、骨誘導因子(BMP)お
よびショウジョウバエにおいて発見されたデカペンタレージック遺伝子生成物(
DPP−C)があげられる。
トランスフォーミング増殖因子−αは無関係のペプチドであり、上皮増殖因子
(EGF)と高度の相同を共有し、同じ受容体を結合する(Todaroら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA、77:258(1980))。
TGF−βはマウス肉腫ウイルス形質転換細胞の生成物として発見された(D
elarcoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、75:40
001(1978))。TGF−βは、線維芽細胞、筋芽細胞、軟骨細胞(Ja
kowlewら、J.Cell.Physiol.、150:377(1992
))、星状膠細胞(da Chuhaら、J.Neuroimmunol.、3
6:157(1992))、および上皮細胞(Steigerwaltら、Mo
l.Carcin.、5:32(1992))を含む多数の種類の細胞により生
成される。正常線維芽細胞のその足場非依存性増殖刺激能に従って命名されたT
GF−βは、腫瘍誘発因子−1(TIF−1)として同定されたヒトグリア細胞
腫(Iwataら、CancerRes.、45:2689(1985))およ
び2つの軟骨誘発因子(CIF−AおよびCIF−B)が精製されているウシ骨
(Seydinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:2
267(1985))を含む他の源からも単離されている。配列情報により、C
IF−AはTGF−β1と同一であるとともに、CIF−Bは第2の同種型、T
GF−β2を表すことが確定されている。TGF−βは、dicidual抑
制因子(DSF)と同一であるとみられる(Leaら、J.Immunol.、
148:778(1992))。
十分に規定されたTGF−βの同種型がいくつかあり、これらのジスフィルド
結合同種二量体はTGF−β1からTGF−β5までの数字で示される。異種二
量体、TGF−β1.2がブタ血小板において同定されている。TGF−b1お
よびTGF−β2は多くの細胞型において生成されるが、TGF−β3は主に間
葉源の細胞により発現する(RobertsとSporn in Human
Cytokines、Blackwell Scientific、p.339
(1992);Lyons and Moses、Eur.J.Biochem
.、187:467(1990);Derynckら、EMBO J.、7:3
737(1988);およびMassague、Ann.ReV.Cell B
iol.、6:597(1990))。同種型間のアミノ酸相同範囲は、70%
(β1対β2)〜79%(β2対β3)である。TGF−β1、TGF−β2お
よびTGF−β3同種型のそれぞれは各種間で98%より大きいアミノ酸配列相
同を示す(Massague(1990);およびKondiahら、J.Bi
ol.Chem.、265:1089(1990))。TGF−β4およびTG
F−β5の同種型の検出は、それぞれニワトリ胎仔軟骨細胞およびクセノプス胎
仔に限定されている(Human CytokinesのRobertとSpo
rn、(1992))。
TGF−βの同種型は大型タンパク質前駆体として合成される。塩基性アミノ
酸残基部位でのタンパク質分解開裂により、C末端112−114アミノ酸から
なる成熟単量体が生じる。生物学的に不活性な潜在性錯体が、成熟TGF−β二
量体の非共有結合および非共有的に相互作用する2つのプロセグメントから形成
される(潜在性結合タンパク質、LAP)(Human Cytokinesの
RobertとSporn、(1992);LyonsとMoses(1990
))。
細胞源からの分泌の後には、必ず活性化が生じ、生物学的に活性の二量体型を
放出する。酸性化によりin vivoでTGF−β二量体が放出されるのに対
して、in vivo活性化が依然として調査の対象となっている。
生物学的に活性のTGF−β同種型はすべて25kD二量体であり、これらは
還元条件下に11.5〜12.5kDの単量体を生じる。TGF−b前駆体は3
〜4個のN−グリコシル化部位を含むのに対して、成熟TGF−β二量体を構成
する単量体には1個の部位も存在しない。成熟TGF−βの単量体当たり9個の
システインが存在する(Human CytokinesのRobertとSp
orn、(1992))。TGF−βのチョウ・ファスマン分析では、ヘリック
特性がきわめて小さい過剰なb−シート構造を示す(Garnierら、J.M
ol.Biol.、120:97(1978))。
多くのTGF−β受容体がTGF−β二量体の生物学的作用を媒介する。5つ
のTGF−β受容体がÅI型(53−65kD)、II型(83−110kD)
、III型(250−310kD)、IV型(60kD)、およびV型(400
kD)受容体として同定されている(Segarini、TGF−βの臨床的応
用。Wiley、p.29(1991);O’Gradyら、J.Biol.C
hem.、266:8563(1991);Massague、Cell、69
:1067(1992);およびCheifetzら、J.Biol.Chem
.、263:17225(1988))。I、II、IIIおよびV型受容体は
、いくつかの腫瘍系を除き、検査したほとんどの細胞で共発現する。IV型受容
体は下垂体細胞でのみ同定されている(Cheifetz(1988))。TG
F−βに対する細胞反応の喪失はI型受容体および/またはII型受容体の喪失
と相関するため(Laihoら、J.Biol.Chem.、266:9108
(1992))、これらはきわめて詳細に研究されている。
TGF−β1、TGF−β2およびTGF−β3の受容体の分化アフィニティ
がそれぞれの受容体間に存在する。例えば、大多数のI型およびII型受容体は
、TGF−β2よりも大きいアフィニティとTGF−β1およびTGF−β3を
結合する(Massague(1992))。しかし、多くの生物学的検定法に
おいてTGF−β2はTGF−β1と効力が等しいため、結合アフィニティと生
物学的効力との間に直接的関係は認められない。同種型効力は、存在する受容体
型の組み合わせ、存在する各受容体型の数、および同等のアフィニティと3つの
同種型すべてを結合するI型およびII型受容体の存在を含む多くの因子と結合
する(Massague(1992);Cheifetz(1988);Lai
ho(1992);およびCheifetzら、J.Biol.Chem.、2
65:20533(1990))。
II型受容体のクローニングにより、細胞質ドメインは機能的セリン/トレオ
ニンキナーゼを含むことが明らかにされている(Linら、Cell、68:7
75(1992))。III型受容体のクローニングにより、ベータグリカン構
造はシグナルモチーフなしに短い細胞質ドメインを含むことが明らかにされてい
る(Wangら、Cell、67:797(1991))。III型受容体は余
剰TGF−bの貯蔵所として、もしくはI型またはII型受容体のリガンド結合
能または表面発現の調節器として機能すると考えられる(Wang(1991)
)。その他のTGF−β受容体のクローニングは、II型受容体とのリン酸化の
同じパターンを共有するかどうかを決定する必要がある。TGF−bシグナル機
序を洞察し得るその他の所見として以下の点があげられる。
1.Jun B、c−fos、およびc−myc発現における変化の誘発(O
htsukiら、Mol.Cell.Biol.、12:261(1992))
;
2.網膜芽腫タンパク質の細胞周期依存リン酸化の予防(Ohtsuki(1
992));
3.グアニンヌクレオチド結合タンパク質の包含(Diaz−Mecoら、M
ol.Cell Biol.、12:302(1992));
4.ホスファチジルイノシトール代謝回転(Segarini(1991))
;および
5.細胞質から細胞膜へのタンパク質キナーゼCの転移(Segarini(
1991))。
TGF−βは抑制および刺激因子として機能する。TGF−β1およびTGF
−β2はほんのわずかな例外を除いて同様の効果を発揮する(Human Cy
tokinesのRobertとSporn、(1992);Rizzio、D
ev.Biol.、130:411(1988);Weinbergら、J.I
mmunol.、148:2109(1992))。
刺激活性として以下の点があげられる。
1.線維芽細胞および骨芽細胞増殖の刺激;
2.線維芽細胞、骨芽細胞、および内皮細胞による基質タンパク質合成の強化
;
3.単球によるサイトカイン生成の誘発
4.線維芽細胞、単球および好中球化学走性の促進;
5.抗原特異的Tヘルパー細胞のin vivo効果器機能および記憶表現型
の強化;および
6.B細胞からのIgA分泌の刺激。
抑制活性として以下の点があげられる。
1.リンパ球、内皮細胞、肝細胞、角化細胞およびある種の腫瘍細胞系の増殖
抑制;
2.B細胞からのIgGおよびIgM分泌の抑制;
3.単球における呼吸バースト能の抑制;
4.IL−3依存造血前駆因子の抑制;
5.巨核球増殖の抑制;
6.副腎皮質およびライディッヒ細胞におけるステロイド生合成の抑制;およ
び
7.脂肪細胞および筋芽細胞分化の抑制。
発生時の時間依存様式におけるTGF−β同種型の発現およびクセノプス発生
における中胚葉マーカ誘発能(Rosaら、Science、239:783(
1988))は、胚発生におけるTGF−βの役割を明らかにするものと考えら
れる。血小板脱顆粒による創傷部位で放出されるTGF−βは、他の効果器細胞
の浸潤、タンパク質基質合成およびTGF−βと結合し、脈管形成を媒介する他
の因子の分泌、および創傷治癒に伴う線維症を誘発することが報告されている。
同じくTGF−βは軟骨形成を刺激し、骨折治癒を媒介すると考えられている。
TGF−βは、各種形態の癌(Maciasら、Anticancer Re
s.、7:1271(1987);Siraiら、Japan J Cance
r Res.、83:676(1992);Reedら、Am J Patho
logy、145:97(1994))のほか、癌患者の治療に使用される化学
療法や骨髄移植手術の合併症として発症すること場合が多い肝肺疾患(Kong
ら、Ann Surg 222:155(1995);およびMuraseら、
骨髄移植、15:173(1994);Anscherら、N Eng J M
ed、328:1592(1993)と関連している。HIV感染ドナーからの
抹消血単核細胞(PBMC)によるTGF−β分泌の増大についても報告されて
いる(Kekowら、J Clin Invest 87:1010(1991
))。したがって、TGF−βの拮抗薬がこうした形態の癌の治療において有効
であるとともに、TGF−βにより引き起こされる数多くの作用の阻止に有効で
あると考えられる。
発明の開示
本発明は、プロラクチンにより、TGF−βが細胞に対して示す作用が阻止さ
れることが明らかにされた発見に基づくものである。本発明の目的は、プロラク
チンを含む薬理学的に受け入れられる組成物の有効量を投与することにより、T
GF−βの存在に関連した疾患または障害に罹患しているとみられる患者を治療
するための方法を請求することである。
本発明の別の目的は、プロラクチンを含む組成物の有効量を投与することによ
り、TGF−βによる細胞増殖抑制を予防する方法を請求することである。
本発明の別の目的は、プロラクチンを含む組成物の有効量を投与することによ
り、細胞増殖を強化する方法である。
図面の簡単な説明
図1aは、ハイブリドーマクローン5C6に対するTGF−βの作用を示す図
である。
図1bは、ハイブリドーマクローン5C6に対するプロラクチンの効果を示す
図である。
図1cは、ハイブリドーマクローン5C6に対するTGF−βの作用を克服す
るプロラクチンの能力を示す図である。
図2は、実施例2の結果を含む表である。
図3は、刺激ヒトPBLに対するTGF−βの作用を克服するプロラクチンの
能力を示す図である。
発明の詳細な説明
本発明は、プロラクチンにより、TGF−βが細胞に対して示す作用が阻止さ
れることが明らかにされた発見に基づくものである。プロラクチンは、マウスハ
イブリドーマ細胞およびヒト抹消血単核細胞の両方に対するTGF−βの抑制作
用を阻止することが発見された。
定義
本願中で用いられるように、「プロラクチン」は組織培養または組換え法や当
業者に周知のその他の方法により得られるポリペプチドを指し、このタンパク質
を特徴づける活性のスペクトルを示す。この語にはヒトプロラクチン(hPRL
)のみならず、例えば、マウス、ラット、ウサギ、霊長類、ブタおよびウシプロ
ラクチンなど他の哺乳類プロラクチンも含まれる。組換えPRL(r−PRL)
が本願中では好ましい。
r−PRLで示される「組換えプロラクチン」という語は、好ましくはヒトプ
ロラクチンであり、当業者により周知の組換えDNA法で調製される天然プロラ
クチンと同等の生物学的活性を有するプロラクチンを指す。一般に、プロラクチ
ンの遺伝子コード化はその天然プラスミドから削除され、クローンされるクロー
ニングベクターに移入され、さらに宿主生体を形質転換するために用いられる発
現ベクターに移入される。この宿主生体は外来遺伝子を発現し、発現条件下にプ
ロラクチンを生成する。
本願中で用いられるように、「患者」という語は、その通常の意味、すなわち
疾患または障害に罹患し、その治療を受けている人を指す(ステッドマン医学辞
典、(1987))。
本願中で用いられるように、「疾患」という語は、その通常の意味、すなわち
病気、疾病、体の機能、構造、器官などの断絶、停止、または障害を指す(ステ
ッドマン医学辞典、(1987))。
本願中で用いられるように、「障害」という語は、その通常の意味、すなわち
機能、構造、または両方の障害を指す(ステッドマン医学辞典、(1987))
。
一般的方法
TGF−βの作用を阻止するためのプロラクチンを含む調製液または組成物は
注射によりほとんど便利に投与されるが、他の投与方法も可能である。
標準調製液は液体注射剤または注射用の懸濁液または溶液として適切な液体に
取ることができる個体のいずれかである。適切な賦形剤は、例えば、水、食塩水
、デキストロース、グリセロール、エタノール等である。湿潤剤、緩衝液、また
は乳剤など非毒性補助物質も添加することができる。
当業者により理解されるように、持続および継続放出調製液には相当の種類が
あり、これらは本発明の方法に使用することができると思われる。
また、われわれはプロラクチンがTGF−βの作用を阻止できることを明らか
にしているため、プロラクチン遺伝子の外因性投与により、in vivoでプ
ロラクチンが発現し、これで通常の手段によるか、遺伝子接種を介するかに関係
なくTGF−βを阻止する機能が得られるとみられる。プロラクチンの遺伝子配
列は(米国特許第4,725,549号)において開示されている。これはプロ
ラクチンcDNAをDNA送達媒介体(例えば、プラスミドベクター、リポソー
ム、ウイルスベクター)に移入することにより得ることができた。これは、Pe
llegrini I.ら、Molec.Endocrinolgy、6、10
23(1992)、Maniatis T.ら、分子クローニング:実験マニュ
アル、第2版、Cold Spring Harbor Press(1989
)およびFelger P.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.、8
4、7413、(1991)。実施例 実施例1:TGF−βおよびPRLに対する用量反応
マウスハイブリドーマ細胞株(5C6を含む)を25%DMEM(Gibco
)、40%NSO調整培地、10%NCTC 109(Gibco)、15%F
CS(Gibco)、0.1%ITS(Sigma I−1884)、0.05
mM 2−メルカプトエタノール、2mM L−グルタミン(Gibco)
、10%ORIGIN(Igen、Inc.)からなるハイブリドーマ増殖培地
(HGM)において維持した。細胞は使用前に供給し、対数期増殖を確保した。
検定当日、細胞を15mL三角管にピペットで取り、1000rpmで8分間
遠心分離した。培地を細胞から吸引し、88%RPMI−1640(Gibco
)、10%FCS(Gibco)、2mM L−グルタミン(Gibco)、0
.05mM 2−メルカプトエタノール、100U/mLPen/Strep(
Gibco)からなる5mLの検定培地で2回洗浄した。細胞を2mLのRPM
I−1640検定培地に再懸濁し、カウントし、検定培地で希釈して2x105
細胞/mLとした。容量100μLの細胞を96穴無菌組織培養プレートのウェ
ルにピペットで取った。プレートを使用まで37℃インキュベータに配置した。
組換えヒトプロラクチンの一連の希釈液(Genzyme Corporat
ion、lot 02A、800μg/mL)およびTGF−b(Genzym
e Corporation、lot 94F003、96μg/mL)を検定
培地において調製した。25μlの各試薬を適切なウェルに添加した。いずれの
場合にも、TGF−βを最初に添加した。
細胞を37℃/5%CO2で72時間インキュベートし、増殖の量をトリチウ
ム標識チミジン取り込みにより測定した。トリチウム標識チミジン(0.5μC
i)を最後の18時間添加した。TOMECハーベスター96を用いてグラスフ
ァイバフィルタ上に細胞を回収後、シンチレーション計数器(1205 Bet
aplate LSC、Wallac)により細胞内放射能を測定した。
結果を図1a−cに示す。図1aは、ハイブリドーマ細胞の増殖に対するTG
F−βの容量反応を示す図である。TGF−βは用量依存の形でこれらの細胞の
増殖を大幅に抑制することができる。
図1bは、この細胞株に対するr−hPRLの用量反応を示す。分子は用量依
存の形でこれらの細胞の増殖を明らかに刺激する。
図1cは、これらの細胞の50%を超える増殖を抑制することが明らかにされ
たTGF−βの濃度である0.4μg/mLTGF−βで各濃度のr−hPRL
をインキュベートした効果を示す。r−hPRLは用量関連の形でこれらの細胞
に対するTGF−βの抑制作用を拮抗した。実施例2:マウスハイブリドーマクローンに対するTGF−βおよびPRLの作 用
マウスハイブリドーマ細胞株を上述した通りハイブリドーマ増殖培地(HGM
)において維持した。検定当日、細胞を15mL三角管にピペットで取り、8分
間1000rpmで遠心分離した。培地を細胞から吸引し、88%RPMI−1
640(Gibco)、10%FCS(Gibco)、2mM L−グルタミン
(Gibco)、0.05mM 2−メルカプトエタノール、100U/mLP
en/Strep(Gibco)からなる5mLの検定培地で2回洗浄した。細
胞を2mLのRPMI−1640検定培地に再懸濁し、カウントし、検定培地で
希釈して2x105細胞/mLとした。容量100μLの細胞を96穴無菌組織
培養プレートのウェルにピペットで取った。プレートを使用まで37℃インキュ
ベータに配置した。
TGF−βの10倍の一連の希釈液(Genzyme Corporatio
n、lot 94F003、96μg/mL)を検定培地において調製し、25
μlを適切なウェルに添加した。その後、1μgのPRLをウェルに添加し、細
胞を細胞を37℃/5%co2で72時間インキュベートした。
トリチウム標識チミジン(0.5μCi)を最後の18時間添加した。増殖の
量をトリチウム標識チミジン取り込みにより測定した。TOMECハーベスター
96を用いてグラスファイバフィルタ上に細胞を回収後、シンチレーション計数
器(1205 Betaplate LSC、Wallac)により細胞内放射
能を測定した。
結果を表(図2)に示す。ハイブリドーマのTGF−βに対する感受性には変
動があったが、すべての場合において、TGF−βの存在下に細胞増殖の減少が
確認された。TGF−βの抑制作用を克服するプロラクチンの能力は部分的にT
GF−βの濃度に依存した。プロラクチンは、0.1μgTGF−βでインキュ
ベートしたすべてのハイブリドーマ(8/8)、1μgTGF−βでインキュベ
ートした7/8のハイブリドーマ、および10μgTGF−βでインキュベート
した5/8のハイブリドーマについて、TGF−βの抑制性を克服することが確
認された。実施例3:ヒト抹消血単各細胞に対するTGF−βおよびPRLの作用
ヒト抹消血単各細胞(PBMC)をFicoll Paque(Pharma
cia)勾配遠心分離により単離した。細胞をPBS中で2回洗浄し、1%FC
S(Gibco)、2mM L−グルタミン(Gibco)、15mMHEPE
S(Gibco)、100U/mLストレプトマイシン(Gibco)を含むR
PMI−1640(Gibco)培地に再懸濁した。細胞を2x106細胞/m
Lの最終細胞密度に調整し、0.1mLをマイクロ滴定組織培養プレートのウェ
ルに配置した。細胞を37℃下、5%CO2加湿インキュベータで一晩インキュ
ベートした。
翌日、ウェルにPHAを20μg/ml添加し、休止ヒト抹消血リンパ球(P
BL)を刺激した。その直後に、TGF−βを0.05〜10ng/mL TG
F−βの濃度で培養液に添加した後、0、10、および20μg/mlのPRL
を添加した。
培養液を96時間インキュベートし、最後の8時間は0.5μCiトリチウム
標識チミジン/ウェルでパルスした。TomTec Mach 11細胞ハーベ
スターを用いてグラスファイバフィルタに細胞を回収し、Wallac 120
5 Betaplateカウンタを用いて取り込み放射能標識をカウントした。
結果を図3に示す。プロラクチンはPHA刺激ヒトPBLのTGF−β抑制を拮
抗した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. プロラクチンを含む薬理学的に受け入れられる組成物の有効量を投与する ことにより、TGF−βに関連した疾患または障害に罹患した患者を治療するた めの方法。 2. プロラクチンを含む組成物の有効用量を投与することにより、TGF−β による細胞成長抑制を予防する方法。 3. プロラクチンを含む組成物の有効量を投与することにより細胞成長を強化 する方法。 4. プロラクチンはヒトプロラクチンであることを特徴とする請求の範囲1、 2、および3のいずれかに記載の方法。 5. プロラクチンは組換えプロラクチンであることを特徴とする請求の範囲1 、2、および3のいずれかに記載の方法。 6. 細胞はリンパ系細胞であることを特徴とする請求の範囲1、2、および3 のいずれかに記載の方法。 7. 細胞は内皮細胞であることを特徴とする請求の範囲1、2、および3のい ずれかに記載の方法。 8. 細胞は上皮細胞であることを特徴とする請求の範囲1、2、および3のい ずれかに記載の方法。 9. プロラクチンDNAを含む薬理学的に受け入れられる組成物の有効量を投 与することにより、TGF−βに関連した疾患または障害に罹患した患者を治療 するための方法。
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