JPH1149903A - ポリエチレン系樹脂組成物および該組成物からなるフィルム - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物および該組成物からなるフィルム

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JPH1149903A
JPH1149903A JP22101497A JP22101497A JPH1149903A JP H1149903 A JPH1149903 A JP H1149903A JP 22101497 A JP22101497 A JP 22101497A JP 22101497 A JP22101497 A JP 22101497A JP H1149903 A JPH1149903 A JP H1149903A
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film
polyethylene resin
process oil
weight
resin composition
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Yoshihiko Sasaki
善彦 佐々木
Kazutoshi Takenaka
一利 竹中
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NIPPON PORIKEMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な粘着剤を使わず、自己粘着性があり、
フィルム同士の粘着強度が良好で、また剥がすときは容
易に剥がれ、かつフィルムの開口性が良好な、特にパレ
ットストレッチフィルムの粘着層に好適なポリエチレン
樹脂組成物および該組成物からなるフィルムを提供す
る。 【解決手段】 ポリエチレン系樹脂を99〜80重量%
およびプロセスオイルを1〜20重量%の割合で含有す
ることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物および該
組成物からなるフィルムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己粘着性があ
り、フィルム同士を貼り合わせたときの粘着強度が良好
で、剥がすときは容易に剥がれ、またフィルムの開口性
が良好であるフィルム用ポリエチレン系樹脂組成物に関
する。特にパレットストレッチフィルムの粘着層に好適
なポリエチレン樹脂組成物および該組成物からなるフィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パレットストレッチフィルムの代表的な
層構成は、内・外層にエチレンと酢酸ビニルとの共重合
体(以下、単に「EVA」と略記する。)に粘着剤を配
合した層、中間層には線状低密度ポリエチレン(以下、
単に「LLDPE」と略記する。)を用いた3層構成に
なっている。例えば、上記の多層インフレーションフィ
ルム成形では、フィルムの両端を切り取り、フィルムを
2つに分け、紙管に巻いてゆくが、切り取ったフィルム
は再ペレット化後、LLDPEとブレンドし、そのまま
中間層用の成形機のホッパーに投入して、フィルムを製
造する。ここで、LLDPEに再生ペレットが混ざると
約20%程度フィルムの強度が低下する。これは、再生
ペレットにEVAが混入することによる。そこで、EV
Aを使わないフィルム、すなわち、すべての層がLLD
PEである多層フィルムが望まれている。
【0003】しかし、従来のLLDPEを粘着層に使う
と、粘着性が不十分で、実用に耐えない。最近ではメタ
ロセン触媒等を用い低密度のポリエチレンが製造可能と
なったが、密度を低くすると、粘着強度は上がるが、フ
ィルム成形時にブロッキングし、フィルムが開口しない
ので実用に耐えない。また、粘着層に粘着剤を配合して
いるが、現在は高価な液状ポリブテン、ソルビタンオレ
イン酸エステル、ジグリセリンジオレート等が使われて
おり、フィルムの単価が高くなる。これらの高価な粘着
剤を使わず、目標とする粘着性を有する粘着層の開発が
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高価
な粘着剤を使わず、自己粘着性があり、フィルム同士の
粘着強度が良好で、また剥がすときは容易に剥がれ、さ
らにフィルムの開口性が良好である、特にパレットスト
レッチフィルムの粘着層に好適なポリエチレン樹脂組成
物および該組成物からなるフィルムを提供しようとする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高価な粘
着剤を使わず、自己粘着性があり、フィルム同士を貼り
合わせたときの粘着強度が良好で、また剥がすときは容
易に剥がれ、フィルムの開口性が良好であるフィルムを
得るための手段について鋭意研究を重ねた結果、特定の
性状を有するポリエチレン系樹脂にプロセスオイルを特
定の割合で含有させることにより、上記本発明の目的が
達成され得ることができるとの知見を得て、本発明を完
成するに至ったものである。
【0006】すなわち、本発明は、ポリエチレン系樹脂
を99〜80重量%およびプロセスオイルを1〜20重
量%の割合で含有することを特徴とするポリエチレン系
樹脂組成物であり、ポリエチレン系樹脂のメルトフロー
レイトが0.1〜100g/10分かつ密度が0.86
〜0.94g/cm3であり、該組成物からなるフィル
ムである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によるポリエチレン系樹脂
組成物は、単体フィルムとして使用しても十分性能を発
揮させることができるが、本発明によるポリエチレン系
樹脂組成物をフィルム状にした層と他のポリエチレン樹
脂層とからなる多層フィルムとして用いれば、引き裂き
強度等の面からもパレットストレッチフィルムとして一
段と優れた機能を発揮する。
【0008】ここで、「からなる」ということは、本発
明による樹脂層が最内層もしくは最外層に存在するも
の、この場合、それ以外の層は他のポリエチレン樹脂層
であり、複数および多種存在してもよく、また、本発明
による樹脂層が最内層および最外層に存在するもの、こ
の場合も、それ以外の層は他のポリエチレン樹脂層であ
り、複数および多種存在してもよいことを意味する。
尚、本発明の目的が達成される限りにおいて、本発明に
よる樹脂層および他のポリエチレン樹脂層は、フィルム
の全面に設けられている必要はなく、従って本発明はそ
のようなフィルムを含有する。
【0009】以下に、本発明の各成分、製法およびフィ
ルムについて説明する。 1.ポリエチレン系樹脂 本発明によるポリエチレン系樹脂組成物は、ポリエチレ
ン系樹脂とプロセスオイルを特定の割合で含有すること
を特徴とし、ポリエチレン系樹脂は以下の(1)、
(2)および(3)の性状および物性を示すものを用い
ることが好ましい。
【0010】(1)本発明において用いられるポリエチ
レン系樹脂は、JIS−K7210によるメルトフロー
レート(MFR:溶融流量)が0.1〜100g/10
分、好ましくは0.3〜80g/10分、より好ましく
は0.5〜50g/10分の物性を示すものが用いられ
る。該MFRが上記範囲より大きいと、耐熱性、フィル
ム強度が低下し、またフィルムの成膜が不安定になるの
で好ましくない。また、該MFRが上記範囲よりも小さ
いと樹脂圧力が高くなり、押し出し性が低下するので好
ましくない。
【0011】(2)本発明において用いられるポリエチ
レン系樹脂は、JIS−K7112による密度が0.8
6〜0.94g/cm3、好ましくは0.865〜0.
935g/cm3を示すものが用いられる。該密度が上
記範囲より大きいと、自己粘着性が不良となり、フィル
ム同士の粘着強度が低下するので好ましくない。また、
該密度が上記範囲より小さすぎると、フィルム同士がブ
ロッキングし、フィルム同士が剥がれないので好ましく
ない。
【0012】(3)本発明において用いられるポリエチ
レン系樹脂は、サイズ排除クロマトグラフィー(Siz
e Exclusion Chromatograph
y:SEC)によって求められるQ値(重量平均分子量
/数平均分子量)が4以下、好ましくは3以下、特に好
ましくは2.7以下のものが用いられる。該Q値が上記
範囲を超えると、フィルム表面が荒れ、自己粘着性およ
びフィルム同士の粘着性が低下するので好ましくない。
【0013】2.ポリエチレン系樹脂の製法 本発明において用いられるポリエチレン系樹脂は、エチ
レンとα−オレフィンの共重合体であり、該共重合体の
製造における触媒や重合方法については特に制約はな
い。触媒としては、例えば、チーグラー型触媒(すなわ
ち、担持または非担持ハロゲン含有チタン化合物と有機
アルミニウム化合物の組み合わせに基づくもの)、フィ
リップス型触媒(すなわち、担持酸化クロム(Cr6+
に基づくもの)、カミンスキー型触媒(すなわち、担持
または非担持メタロセン化合物と有機アルミニウム化合
物、特にアルモキサンの組み合わせに基づくもの)が挙
げられる。重合法としては、これらの触媒の存在下での
スラリー法、気相流動床法(例えば、特開昭59−23
011号公報に記載の方法)や溶液法、あるいは圧力が
200kg/cm2以上、重合温度が130℃以上での
高圧バルク重合法等が挙げられる。
【0014】本発明におけるポリエチレン系樹脂は、比
較的狭い分子量分布を有することが望ましいので、特に
カミンスキー型触媒を用いることが好ましい。具体的な
製造方法としては、特開昭58−19309号、特開昭
59−95292号、特開昭60−35005号、特開
昭60−35006号、特開昭60−35007号、特
開昭60−35008号、特開昭60−35009号、
特開昭61−130314号、特開平3−163088
号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420,436
号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、お
よび国際公開公報WO91/04257号明細書等に記
載されている方法、すなわちメタロセン触媒、メタロセ
ン/アルモキサン触媒、または、例えば国際公開公報W
O92/07123号明細書に開示されている様なメタ
ロセン化合物とメタロセン触媒と反応して安定なイオン
となる化合物からなる触媒を使用して、主成分のエチレ
ンと従成分の炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重
合させる方法を挙げることができる。
【0015】コモノマーとして用いられるα−オレフィ
ンは、炭素数3〜18の1−オレフィンであり、具体的
には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペ
ンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメ
チルペンテン−1等を挙げることができる。コモノマー
として上記のα−オレフィンは1種類に限られず、ター
ポリマーのように2種類以上用いた多元系共重合体も好
ましいものとして含まれる。
【0016】3.プロセスオイル 本発明に用いられるプロセスオイルとしては、重量平均
分子量が200〜2000、好ましくは300〜150
0のものを挙げることができる。このようなプロセスオ
イルは、芳香族類、ナフテン類およびパラフィン類の三
者を組み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭素数
が全炭素中の50重量%以上を占めるものがパラフィン
系オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45重量
%のものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が
30重量%より多いものが芳香族系オイルと呼ばれて区
別されている。これらの中ではパラフィン系オイルを用
いることが耐熱性の点より好ましい。
【0017】本発明で用いるパラフィン系オイルとして
は、40℃の動粘度が20〜800cSt(センチスト
ークス)、好ましくは50〜600cSt、流動点が−
40〜0℃、好ましくは−30〜0℃、および引火点
(COC)が200〜400℃、好ましくは250〜3
50℃のオイルが好適に使用される。
【0018】4.ポリエチレン系樹脂とプロセスオイル
の配合割合 本発明においてポリエチレン系樹脂とプロセスオイルの
配合割合は、ポリエチレン系樹脂が99〜80重量%お
よびプロセスオイルが1〜20重量%、好ましくはポリ
エチレン系樹脂が98.7〜83重量%およびプロセス
オイルが1.3〜17重量%の割合である。プロセスオ
イルの割合が上記範囲より大きいと、成膜できず、フィ
ルム状にならない。また押し出し機のホッパー下でブリ
ッジングしたり、サージングし押し出し変動することも
あるので好ましくない。また、プロセスオイルの割合が
上記範囲より小さいと、フィルム同士がブロッキングし
剥がれず、自己粘着性もなくなるので好ましくない。
【0019】5.ポリエチレン系樹脂組成物の製法 本発明におけるポリエチレン系樹脂とプロセスオイルを
特定の割合で含有するポリエチレン系樹脂組成物の製法
については、両者を通常の樹脂組成物の製造方法と同様
の方法に従って、ポリエチレン系樹脂とプロセスオイル
とを配合することによって製造することができる。具体
的には、ポリエチレン系樹脂とプロセスオイルとを前も
ってドライブレンドし、そのままフィルム成形機のホッ
パーに投入してもよく、また押出機、ブラベンダープラ
ストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー
等を用いて溶融、混練し、通常用いられている方法でペ
レット状とし、フィルムを製造することもできる。
【0020】また、ポリエチレン系樹脂とプロセスオイ
ルを含有するポリエチレン系樹脂組成物は、一般に樹脂
組成物用として用いられている補助添加剤成分、例え
ば、酸化防止剤(中でも、フェノール系およびリン系酸
化防止剤が好ましい)、アンチブロッキング剤、スリッ
プ剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色
剤、抗菌剤および(または)接着剤等を配合することが
できる。また、ポリエチレン系樹脂とプロセスオイルを
含有するポリエチレン系樹脂組成物の総重量に対して、
本発明の効果が損なわれない程度で、他の共重合可能な
モノマーからなる高分子、例えば高圧法低密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン等を5〜30重量%配合
することもできる。
【0021】6.単体フィルムおよび多層フィルムの形
成 本発明によるポリエチレン系樹脂組成物を、フィルム状
とし、単独もしくは他のポリエチレン樹脂と積層し、パ
レットストレッチフィルムとして用いることができる。
本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物の層と他のポ
リエチレン樹脂層とを積層する場合、各層の形成ないし
積層は合目的的な任意のものであり得る。従来の多層フ
ィルムの成形方法に従って、例えば、各層をあらかじめ
別々にフィルム状に形成して、その後、それらを接着さ
せて積層する方法、および押出法によって各層の形成お
よび積層を同一工程で行う方法等がある。前者の場合に
おいて、フィルムの製造は、空冷インフレーション成
形、空冷2段冷却インフレーション法、Tダイフィルム
成形、水冷インフレーション成形等を採用することがで
きる。また、後者の押出方法としては、押出ラミネート
法、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、
共押出し法(接着層を設けない共押出し、接着層を設け
る共押出し、接着樹脂を配合する共押出しを含む)等の
方法がある。本発明では、いずれの方法によっても各種
の多層フィルムを得ることができる。
【0022】本発明によるパレットストレッチフィルム
の代用的な形態は、ポリエチレン系樹脂とプロセスオイ
ルを含有する樹脂層は自己粘着性を有し、粘着強度に優
れ、かつ剥がすときは容易に剥がすことが可能なので、
最内層もしくは最外層、最内層および最外層に設けられ
ているフィルム状の形態である。尚、本発明におけるポ
リエチレン系樹脂組成物を単体でフィルム状にする場合
も、上記のインフレーション成形法、Tダイフィルム成
形法等を採用することができる。
【0023】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明を更に
具体的に説明するためのものである。これらの実施例お
よび比較例における物性の測定とフィルム物性評価は、
以下に示す方法によって実施したときのものである。
【0024】1.物性の測定法 (1)MFR:JIS−K7210に準拠(190℃、
2.16kg荷重) (2)密度:JIS−K7112に準拠 (3)Q値:サイズ排除クロマトグラフィー(Size
Exclusion Chromatography:SEC)を用いて、以
下に示す測定条件で測定し、重量平均分子量および数平
均分子量より求めたものである。尚、単分散ポリスチレ
ンでユニバーサルな検量線を作成し、直鎖のポリエチレ
ンの分子量として計算した。 機種:Waters Model 150C GPC 溶媒:o−ジクロロベンゼン 流速:1ml/分 温度:140℃ 測定濃度:2mg/ml 注入量:200μl カラム:昭和電工(株)製AD80M S 3本
【0025】2.フィルム物性評価方法 (1)180°剥離粘着強度(図1に概略を図示した) インフレーション成形で成膜したフィルム(内面同士が
合わさった2枚のフィルム状)を、23℃の恒温室に
て、幅100mm、長さ200mmの大きさに切り出
し、くっついている2枚のフィルムを一旦剥がした後、
内面と外面とを合わせ、15kg荷重を5分間かける。
そして、平滑板の先端に200g荷重をつけ、その荷重
により平滑板が高速で移動するようにしておいたスリッ
プテスター(新東科学(株)製HEIDON−14型)
を用い、180°剥離粘着強度を測定した。具体的に
は、平滑板の上に上記の2枚重なったフィルムを置き、
下側のフィルムを固定し、上側のフィルムをクリップで
挟み、クリップと荷重計をモノフィラメントで結ぶ。
尚、クリップは上側のフィルム上に紙を敷いて、その紙
上に乗せておく。そして、平滑板を高速で移動させ、2
枚のフィルムが180°剥離するときの最大強度を18
0°剥離粘着強度値とした。
【0026】(2)180°ブロッキング剥離強度 インフレーション成形で成膜したフィルム(内面同士が
合わさった2枚のフィルム状)を、23℃の恒温室に
て、幅100mm、長さ200mmの大きさに切り出
し、スリップテスター(新東科学(株)製HEIDON
−14型)にて、180°ブロッキング剥離強度を測定
した。具体的には、平滑板の上に内面同士のくっついた
フィルム(成形してから未開)を置き、下側のフィルム
を固定し、上側のフィルムをクリップで挟み、クリップ
と荷重計をモノフィラメントで結ぶ。尚、180℃剥離
粘着強度測定時と同様、クリップは上側のフィルム上に
紙を敷いて、その紙上に乗せておく。そして、平滑板を
150mm/分の速度で移動させ、2枚のフィルムが1
80°剥離するときの強度を180°ブロッキング剥離
強度値とした。
【0027】(3)自己粘着性 インフレーション成形で成膜したフィルム(内面同士が
合わさった2枚のフィルム状)を、23℃の恒温室に
て、幅50mm、長さ200mmの大きさに切り出し、
くっついている2枚のフィルムを一旦剥がした後、1枚
のフィルムを外面が上になるように置いておく。もう1
枚のフィルムを内面が下になるように持ち、置いておい
たフィルムに重ねる(フィルムの外面と内面が密着)。
このとき、指等を使ってフィルムを押さえつけたりしな
い。そして、フィルム同士がくっついたとき○、フィル
ム同士がくっつかなかっとき×とした。自己粘着性○と
いうことは、そのフィルムに自己粘着性があるというこ
とを意味し、自己粘着性×ということは、そのフィルム
に自己粘着性ないということを意味する。
【0028】実施例、比較例において用いたポリエチレ
ン系樹脂およびプロセスオイル、およびフィルム成形方
法は、次の通りである。 (a)ポリエチレン系樹脂の合成 触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載
された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー
社製メチルアンモキサンを上記錯体に対し1000モル
倍加え、トルエンで10リットルに希釈して、触媒溶液
を調製し、以下の方法で重合を行った。
【0029】内容積1.5リットルの撹拌式オートクレ
ーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合
物を1−ヘキセンの組成が83重量%となるように供給
し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、1
15℃の温度で反応を行い、MFRが3.5g/10
分、密度が0.895g/cm3、Q値が3.1である
エチレン・1−ヘキセン共重合体であるポリエチレン系
樹脂を得た(以下、PE−1という)。また、重合時の
1−ヘキセンの組成、重合温度を変えた以外は、上記と
同様の方法で触媒調製、重合を行い、MFRが3.5g
/10分、密度が0.880g/cm3、Q値が3.3
であるエチレン・1−ヘキセン共重合体であるポリエチ
レン系樹脂を得た(以下、PE−2という)。
【0030】(b)プロセスオイル (i)出光興産(株)製のプロセスオイル ダイアナプ
ロセスPW−90[パラフィン系オイル、平均分子量:
539、40℃の動粘度:95.5cSt](以下、P
W−90という)および (ii)出光興産(株)製のプロセスオイル ダイアナ
プロセスPW−380[パラフィン系オイル、平均分子
量:746、40℃の動粘度:381.6cSt](以
下、PW−380という)を用いた。
【0031】(c)フィルム成形 ポリエチレン系樹脂とプロセスオイルを、以下の条件で
空冷インフレーションフィルム成形を行った。 〈成形条件〉機種:トミー製空冷インフレーションフィルム成形機 スクリュー径;40mmφ L/D;24 温度;130℃ ダイ径;75mmφ ダイリップ;3mm ダイス温度;130℃ ブロー比;2.1 引取速度;9m/分 フィルム厚み;50μ
【0032】実施例1 ポリエチレン系樹脂としてPE−1を98重量%とプロ
セスオイルとしてPW−90を2重量%配合し、ドライ
ブレンドした後、そのまま空冷インフレーションフィル
ム成形機のホッパーに投入し、フィルムを製造し、その
フィルムを評価した。評価の結果は表1に示す通りであ
る。
【0033】実施例2 ポリエチレン系樹脂としてPE−1を96重量%とプロ
セスオイルとしてPW−90を4重量%配合し、ドライ
ブレンドした後、そのまま空冷インフレーションフィル
ム成形機のホッパーに投入し、フィルムを製造し、その
フィルムを評価した。評価の結果は表1に示す通りであ
る。
【0034】実施例3〜5 ポリエチレン系樹脂としてPE−2を、プロセスオイル
としてPW−90を表1に示す割合で配合し、ドライブ
レンドした後、そのまま空冷インフレーションフィルム
成形機のホッパーに投入し、フィルムを製造し、そのフ
ィルムを評価した。評価の結果は表1に示す通りであ
る。
【0035】実施例6および7 ポリエチレン系樹脂としてPE−2を、プロセスオイル
としてPW−380を表1に示す割合で配合し、ドライ
ブレンドした後、そのまま空冷インフレーションフィル
ム成形機のホッパーに投入し、フィルムを製造し、その
フィルムを評価した。評価の結果は表1に示す通りであ
る。
【0036】比較例1 ポリエチレン系樹脂のPE−2を、そのまま空冷インフ
レーションフィルム成形機のホッパーに投入し、フィル
ムを製造し、そのフィルムを評価した。評価の結果は表
2に示す通りである。180°剥離粘着強度は優れる
が、180°ブロッキング剥離強度が大きく、フィルム
の開口性が非常に劣る。また、自己粘着性も劣る。
【0037】比較例2 ポリエチレン系樹脂としてPE−2を99.5重量%と
プロセスオイルとしてPW−90を0.5重量%配合
し、ドライブレンドした後、そのまま空冷インフレーシ
ョンフィルム成形機のホッパーに投入し、フィルムを製
造し、そのフィルムを評価した。評価の結果は表1に示
す通りである。180°剥離粘着強度は優れるが、18
0°ブロッキング剥離強度が大きく、フィルムの開口性
が非常に劣る。また、自己粘着性も劣る。
【0038】比較例3 ポリエチレン系樹脂としてPE−2を75重量%とプロ
セスオイルとしてPW−90を25重量%配合し、ドラ
イブレンドした後、そのまま空冷インフレーションフィ
ルム成形機のホッパーに投入したが、成膜できなかっ
た。
【0039】比較例4 ポリエチレン系樹脂としてPE−2を99.5重量%と
プロセスオイルとしてPW−380を0.5重量%配合
し、ドライブレンドした後、そのまま空冷インフレーシ
ョンフィルム成形機のホッパーに投入し、フィルムを製
造し、そのフィルムを評価した。評価の結果は表1に示
す通りである。180°剥離粘着強度は優れるが、18
0°ブロッキング剥離強度が大きく、フィルムの開口性
が非常に劣る。また、自己粘着性も劣る。
【0040】比較例5 ポリエチレン系樹脂としてPE−2を75重量%とプロ
セスオイルとしてPW−380を25重量%配合し、ド
ライブレンドした後、そのまま空冷インフレーションフ
ィルム成形機のホッパーに投入したが、成膜できなかっ
た。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、高価な粘着剤を使わ
ず、自己粘着性があり、フィルム同士を貼り合わせたと
きの粘着強度が良好で、また剥がすときは容易に剥が
れ、フィルムの開口性が良好であるフィルム、特にパレ
ットストレッチフィルムの粘着層に好適なフィルムを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】180°剥離粘着強度測定法概略図である。
【符号の説明】
1 フィルム 2 平滑板 3 荷重計 4 モノフィラメント 5 クリップ 6 紙 7 荷重

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂を99〜80重量%
    およびプロセスオイルを1〜20重量%の割合で含有す
    ることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイ
    トが0.1〜100g/10分かつ密度が0.86〜
    0.94g/cm3である請求項1記載のポリエチレン
    系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレン系樹脂のQ値が4以下であ
    る請求項1ないし2記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 プロセスオイルが重量平均分子量200
    〜2000のパラフィン系オイルである請求項1ないし
    3記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載のポリエチレン系
    樹脂組成物からなることを特徴とするフィルム。
  6. 【請求項6】 パレットストレッチフィルムの最内層お
    よび/または最外層に用いる請求項5記載のフィルム。
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