JPH1149473A - 山留め部材吊持用冶具 - Google Patents

山留め部材吊持用冶具

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JPH1149473A
JPH1149473A JP22203297A JP22203297A JPH1149473A JP H1149473 A JPH1149473 A JP H1149473A JP 22203297 A JP22203297 A JP 22203297A JP 22203297 A JP22203297 A JP 22203297A JP H1149473 A JPH1149473 A JP H1149473A
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Yasuhisa Horiba
靖久 堀場
Kazuhiro Azuma
和弘 東
Tsuneyoshi Hioki
恒義 日置
Takuya Tamura
卓也 田村
Yumiko Iwashita
由美子 岩下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着脱が容易であり、且つ、吊持用金具の先端
に係止して確実に山留め部材を固定し、吊り上げること
のできる山留め部材吊持用冶具を提供することが課題で
ある。 【解決手段】 下端部に鈎型形状の挿入部2を有する掛
け止め部材1と、この掛け止め部材1の背面側に摺動可
能に取り付けられ、下端部に細棒形状の突起部5が形成
され、且つ、締付ボルト8により掛け止め部材1の適宜
位置に固定可能な摺動杆4と、から成り、挿入部2を山
留め部材の透孔11内部に挿入した後、透孔11の周囲
部に鈎 型形状の鍔部2cを係止させ、次いで、摺動杆
4を下方向にスライドさせ、透孔11の隙間部分に突起
部5を挿入した後、締付ボルト8にて固定することによ
り山留め部材に固定可能とする。これにより、着脱が容
易で、且つ山留め部材が吊持用冶具から離脱することが
無いので、吊り上げ時に異物等と接触した場合において
も落下することは無く、安全である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンによる1
回の吊り上げにて、複数の山留め部材を同時に吊持する
際に使用する山留め部材吊持用冶具に係り、特に、着脱
が容易で且つ確実に山留め部材を固定することのできる
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、山留め支保工における掘削現場
では、多数の山留め主材及び山留め部材を使用して工事
が進められ、これらの山留め主材及び山留め部材は製作
工場または保管用倉庫からトラックに荷積みされて作業
現場まで搬送され荷卸しされる。また、作業が終了した
後には、使用した山留め主材及び山留め部材をトラック
に荷積みして他の作業現場又は倉庫等の保管施設に搬送
する。
【0003】山留め部材としては、例えば、図12
(a)に示す如くの火打ち受ピースや同図(b)に示す
隅部受ピース等があり、これらの山留め部材は通常10
0〜200kgの重量を有するため、人手による積み卸し
は困難であり、従って、クレーン等の重機を使用するの
が一般的である。つまり、図12に示すように、山留め
部材には種類を問わず必ずボルト孔等の透孔11が穿設
されているので、この透孔11にワイヤーやシャックル
を係止させ、これをクレーンのフックに引っ掛けること
により、吊り上げることができ、容易に荷積み、荷卸し
を行うことができる。
【0004】ところが、図12に示した如くの山留め部
材は一つの作業現場で多数使用するので、トラックにて
一度に多数の山留め部材を輸送することが多く、このた
め、100〜200kg程度の山留め部材を1個づつクレ
ーンにて吊持して積み卸しを行うことは、数トン〜数十
トンの吊り上げ能力を有するクレーンにとっては非常に
効率が悪い。そこで、従来より、図13に示す如くの吊
り金具101を使用して、クレーンによる1回の吊り上
げで複数の山留め部材を同時に吊持して積み卸しする方
法が採用されている。
【0005】同図に示すように、この吊り金具101
は、リング状のフレーム102の周囲に略等間隔で複数
本(例えば、10本)のワイヤー(索条体)103を係
止させ、更に、このワイヤー103の先端にフック10
4を固定し、該フック104の先端を図12に示した山
留め部材の透孔11内部に挿入して係止することにより
吊り上げるものである。図14はフック104の形状を
詳細に示す説明図であり、図示のように、このフック1
04は丸棒の一端部がリング状に形成され、他端部は直
角よりもやや鋭角的に且つ滑らかに屈曲された形状を成
している。
【0006】しかしながら、このようなフック104を
使用して山留め部材を係止する方法では、山留め部材の
固定が確実では無い。即ち、吊り上げの際のバランスが
悪い場合や、吊り上げている山留め部材どうしが接触し
た場合等には、山留め部材がフック104から外れてし
まうことがあり、このような場合には山留め部材が落下
してしまうので非常に危険である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
における山留め部材の吊持用のフック104において
は、山留め部材の透孔11に挿入することにより容易に
係止することができるものの、固定が確実では無く、バ
ランスを崩したり山留め部材どうしが接触した場合には
落下してしまうことがあり、非常に危険であるという問
題が発生していた。
【0008】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたものであり、その目的とするところ
は、容易且つ確実に山留め部材を係止することのできる
山留め部材吊持用冶具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願請求項1に記載の発明は、重機のフックに係止
して吊り上げ可能とされ、複数本の索条体が係止された
吊り金具の、前記索条体先端に取り付けられて山留め部
材を索条体に固定する山留め部材吊持用冶具において、
下端部に鈎型形状の挿入部を有し、上側適所に吊持用透
孔が穿設された掛け止め部材と、前記掛け止め部材の背
面側に摺動可能に取り付けられ、下端部に細棒形状の突
起部が形成され、且つ、締付ボルトにより掛け止め部材
の適宜位置に固定可能な摺動杆と、から成り、前記挿入
部を山留め部材の透孔内部に挿入した後、該透孔の周囲
部に鈎型形状の鍔部を係止させ、次いで、前記摺動杆を
下方向にスライドさせ、透孔の隙間部分に突起部を挿入
した後、前記締付ボルトにて固定することにより、山留
め部材に固定可能としたことが特徴である。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、重機のフ
ックに係止して吊り上げ可能とされ、複数本の索条体が
係止された吊り金具の、前記索条体先端に取り付けられ
て山留め部材を索条体に固定する山留め部材吊持用冶具
において、下端部に鈎型形状の挿入部を有し、上側適所
に吊持用透孔が穿設された掛け止め部材と、前記掛け止
め部材の背面側に摺動可能に取り付けられ、下端部に細
棒形状の突起部が形成され、且つ、掛け止め部材とはス
プリングにより連結され、該スプリングにより常時下方
向に付勢される摺動杆と、前記摺動杆から略直角方向に
突起して配置される操作片と、から成り、前記摺動杆を
上方向にスライドさせた状態で、前記掛け止め部材の挿
入部を山留め部材の透孔内に挿入した後、該透孔の周囲
部に鈎型形状の鍔部を係止させ、次いで、前記スプリン
グの付勢力により前記摺動杆を下方向にスライドさせ、
透孔の隙間部分に突起部を挿入することにより、前記山
留め部材に対して固定可能としたことを特徴とする。請
求項3に記載の発明は、前記摺動杆の両側部には、前記
掛け止め部材側に突起して左右方向へのブレを防止する
ガイド部材が形成されたことを特徴とする。
【0011】上述の如く構成された本願請求項1に記載
の山留め部材吊持用冶具によれば、掛け止め部材の下端
部に形成された鈎型形状の挿入部を山留め部材の透孔内
部に挿入させ、鈎型形状部分を透孔に引っ掛けた後、摺
動杆を下方向にスライドさせて締付ボルトにて固定する
ことにより当該吊持用冶具と山留め部材とを堅固に固定
している。従って、吊持用冶具を簡単な操作で容易に山
留め部材に取り付けることができ、また、締付ボルトに
よる固定を解除して摺動杆を上方向にスライドさせない
限り、吊持用冶具と山留め部材とは離脱しないので、吊
り上げ時の振動や異物との接触による衝撃により落下す
る等の危険を回避することができる。また、締付ボルト
による固定を解除して、摺動杆を上方向にスライドさせ
ることにより容易に吊持用冶具を山留め部材から取り外
すことができるので、作業性が良い。
【0012】請求項2に記載の山留め部材によれば、ス
プリングの付勢力により摺動杆が下方向にスライドする
ように動作するので、作業者は操作片をつかんで摺動杆
を上方向にスライドさせ、掛け止め部材の下端部を山留
め部材の透孔内に挿入した後、手を離すと摺動杆の先端
突起部が透孔内部に挿入されることになり、より一層作
業性を向上させることができるようになる。更に、請求
項3に記載の発明によれば、ガイド部材により掛け止め
部材に対して摺動杆が左右方向にブレることが無いの
で、摺動杆の挿入を円滑に行うことができるようにな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明が適用された山留め
部材吊持用冶具に係る第1の実施形態の構成を示す側面
図、図2は同正面図を示しており、各図に示されるよう
に、この山留め部材吊持用冶具は、下端に鈎型形状の挿
入部2が形成され、且つ上方にはシャックルやワイヤー
を係止するための透孔3が穿設された掛け止め部材1
と、該掛け止め部材1の背面1aに対して摺動可能に取
り付けられ、下部に細棒形状の突起部5が形成され、且
つ中央部に長孔6が穿設された摺動杆4と、長孔6に挿
通され且つ掛け止め部材1の背面1a適所に形成された
ネジ孔7に対して螺合される締付ボルト8から構成され
ている。
【0014】また、図2に示されるように、摺動杆4の
中央両側部にはガイドボルト9がそれぞれ螺合して固定
されており、点付け溶接により緩みが生じないように固
定されている。そして、図3のA−A断面図に示される
ように、ガイドボルト9により摺動杆4が掛け止め部材
1に対して左右にブレないようにガイドされている。
【0015】掛け止め部材1は、例えば厚さ16mmの金
属プレートを加工して作成されるものであり、図1に示
されるように、上端部には背面部1a側から前面部1b
側に向けてテーパ状の切り欠き1cが形成されている。
また、下端に形成された挿入部2は、幅広部2aと狭窄
部2bとにより鈎型形状に構成され、後述するように山
留め部材の透孔内部に挿入することができるようになっ
ている。幅広部2aの断面は、図4(a)に示されるよ
うに長方形の4隅がカットされた形状とされ、一般的な
山留め部材の透孔11のサイズである直径25mmの孔に
スムーズに挿入できる大きさ、形状とされている。ま
た、同図(b)に示されるように、狭窄部2bの断面も
また長方形の4隅をカットした形状をなし、更に、摺動
杆4の突起部5は長方形の2隅がカットされた形状をな
し、これらが連接された状態で、丁度直径25mmの透孔
11にスムーズに挿入できる大きさ、形状とされてい
る。
【0016】締付ボルト8は、作業者による手動操作で
容易に回転させることができるものであり、摺動杆4に
形成された長孔6を貫通して、掛け止め部材1の背面1
aに螺設されたネジ孔7に螺合させることができるもの
である。即ち、長孔6に沿って摺動杆4を上下方向にス
ライドさせ、所望の位置で締付ボルト8を回転させて締
め付ければ、この位置で摺動杆4を掛け止め部材1に固
定させることができる。
【0017】次に、上記の如く構成された本実施形態の
作用について説明する。図1、図2に示した山留め部材
吊持用冶具は図13に示した吊り金具101の各ワイヤ
ー103先端部にそれぞれ係止し、各吊持用冶具に山留
め部材を固定することにより、重機による1回の吊り上
げ作業で複数個の山留め部材を吊り上げることができる
ものである。そして、まず吊り上げの準備として、掛け
止め部材1の透孔3にシャックルを取り付け、これを図
13に示した吊り金具101のワイヤー103先端に係
止する。
【0018】次いで、図1、図2に示す締付ボルト8を
緩めた状態で摺動杆4を上方向にスライドさせ(図5参
照)、この状態で挿入部2を山留め部材に穿設される透
孔11内(図12参照)に挿入する。これを、図6に示
す模式図を参照しながら説明すると、まず、同図(a)
に示すように挿入部2先端の幅広部2aを透孔11内に
挿通させ、ある程度挿入された状態で横方向にスライド
させることにより同図(b)に示す如く、鍔部2cを透
孔11の周囲部に係止させる。すると、挿入部2の背面
側に隙間が生じるので同図(c)に示すように摺動杆4
の突起部5を下方向にスライドさせてこの隙間部分に挿
入し、透孔11内全体を埋める。
【0019】次いで、この状態で図1,図2に示した締
付ボルト8を締め付けることにより摺動杆4を固定する
と、鍔部2cが透孔11に係止された状態が維持される
ので、結果として掛け止め部材1に山留め部材が係止さ
れることになる。従って、この状態で前記した吊り金具
101(図13参照)を重機により吊り上げれば容易に
複数の山留め部材を同時に吊り上げることができる。ま
た、この吊持用冶具に取り付けられた山留め部材は締付
ボルト8により堅固に固定され、たとえ吊り上げ時にバ
ランスを崩したり、異物と衝突した場合においても締付
ボルト8を緩めて摺動杆4の突起部5を上方にスライド
させない限り、吊持用冶具から外れることは無いので落
下の危険が無く安全である。また、吊り上げの作業が終
了し、山留め部材から冶具を取り外す際には、締付ボル
ト8を緩めた後、摺動杆4を上方向にスライドさせれば
幅広部2aを透孔11から抜き取ることができるので、
簡単に取り外すことができ、作業性が良い。
【0020】このようにして、本実施形態に係る山留め
部材吊持用冶具によれば、掛け止め部材1の下端に形成
された挿入部2を山留め部材に穿設された透孔11に挿
入して鍔部2cに係止した後、透孔11の隙間部分に摺
動杆4の突起部5を挿入し、締付ボルト8を締め付ける
ことにより山留め部材に当該吊持用冶具を固定している
ので、取り付け作業が容易で、且つ固定が確実であるか
ら落下等の危険が無く安全である。また、取り外しの作
業においても締付ボルト8を緩めて摺動杆4を上方にス
ライドさせることにより簡単に取り外すことができる。
【0021】更に、掛け止め部材1の上端部には、テー
パ状の切り欠き1cが形成されており、透孔11に取り
付けられるシャックルがこの切り欠き1cに接触してこ
れ以上の回転が阻止されるので、シャックルが締付ボル
ト8に接触することは無く、締付ボルト8を損傷するこ
とは無い。即ち、図7に示されるように透孔3に係止さ
れたシャックル9は図中矢印「Y」の範囲でのみ回転移
動することができるので、シャックル9が締付ボルト8
に接触することは無い。
【0022】また、摺動杆4に取り付けられた2個のガ
イドボルト9(図3参照)により、該摺動杆4は掛け止
め部材1に対して左右方向にブレることは無く、容易に
摺動杆4の先端部5を透孔11に挿入することができ
る。なお、本実施形態ではガイド部材としてガイドボル
ト9を例に説明したが、本発明はこれに限定されるもの
では無い。つまり、上記したようにガイド部材は摺動杆
4が掛け止め部材1に対して左右方向にブレることを防
止するために取り付けるものであるから、例えば、溶接
により摺動杆4にプレートを固定して左右のブレを防止
する方法を用いても良く、種々の変形が可能である。
【0023】更に、図1、図2から明らかなように、本
実施形態に係る山留め部材吊持用冶具を構成する各種部
品(掛け止め部材1、摺動杆4)は、金属製のプレート
を適宜切断加工することにより容易に加工することがで
き、また、締付ボルト8は既存のものをそのまま使用す
ることができるので、製作が容易でありコスト的に安価
であるという利点を有する。
【0024】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図8は第2の実施形態に係る山留め部材吊持用
冶具の構成を示す側面図、図9は同正面図、図10は図
9におけるA−A断面図であり、図示のようにこの吊持
用冶具は、前記した第1の実施形態にて示したものとほ
ぼ同様であるが、スプリング32の付勢力を利用して摺
動杆24を下方向にスライドさせる点で異なっている。
即ち、本実施形態の山留め部材吊持用冶具は、掛け止め
部材21と、この掛け止め部材21の背面側21aに摺
動可能に接触する摺動杆24と、この摺動杆24を上下
方向に移動させるための操作片33とを有して構成さ
れ、掛け止め部材21の略中央部には該掛け止め部材2
1の面に対して直交する方向にボルト35aが挿通され
(図10参照)、この先端部にはナット35bが螺合さ
れている。一方、摺動杆24の上端部には左右両側に透
孔34が穿設されており(図9参照)、ボルト35aと
透孔34との間には2本の引っ張りバネ32が連結され
ている。また、摺動杆24に穿設された長孔26を貫通
して掛け止め部材21の背面21aに形成されたネジ孔
27に螺合するボルト30が取り付けられ、このボルト
30と摺動杆24との間には圧縮バネ31が配置され
て、該圧縮バネ31の付勢力により摺動杆24が掛け止
め部材21の背面21a側に押し付けられている。ま
た、操作片33は図10に示されるようにU字形状を成
しており、この中央空間部を利用してボルト30との接
触を回避している。
【0025】また、第1の実施例と同様に、摺動杆24
の適所にガイドボルト29を2個取り付けることによ
り、掛け止め部材21に対して摺動杆24が左右にブレ
ることが無いようにされている。
【0026】次に、第2の実施形態に係る作用について
説明する。この吊持用冶具を使用して山留め部材を吊り
上げる際には、前記した第1の実施形態と同様に、まず
吊り上げの準備として透孔23にシャックルを係止さ
せ、該シャックルを図13に示した吊り金具101のワ
イヤー103先端に連結する。そして、この状態で、作
業者は操作片33を指でつまんで上方向に持ち上げる
と、スプリング32の付勢力に抗して摺動杆24は上方
向にスライドし、図11に示す如く、スプリング32が
伸びきった状態とされる。
【0027】次いで、図6に示した手順と同様に、挿入
部22の幅広部22aを山留め部材の透孔11に挿入
し、鍔部22cを透孔11の周囲部に引っ掛けた状態
で、図8,図9に示す操作片33から手を離すと、スプ
リング32の引っ張り力により摺動杆24は下方向にス
ライドされ、図6(c)に示した状態と同様に透孔11
内全体が埋められ、山留め部材と当該吊持用冶具とが固
定される。
【0028】従って、前記した第1の実施形態と同様に
簡単な操作で吊持用冶具と山留め部材とを固定すること
ができ、スプリング32の付勢力に抗して摺動杆24を
上方向にスライドさせない限り両者は離脱しないので、
安全である。また、スプリング32の付勢力により摺動
杆24がスライドされる構成であるから、締付ボルト8
を使用する第1の実施形態と比較してより一層操作性が
向上する。また、取り外しの際には、操作片33をつか
んで摺動杆24を上方向にスライドさせれば容易に挿入
部22を透孔11から取り外すことができるので作業性
が良い。更に、第1の実施形態と同様に、掛け止め部材
21の上面にはテーパ状の切り欠き21cが形成されて
いるので、シャックルを取り付けた際に、該シャックル
がボルト30や操作片33に接触することは無く、損傷
するという問題は発生しない。また、ガイドボルト29
により、摺動杆24が掛け止め部材21に対して左右方
向にブレることを防止することができる。
【0029】更に、前記した第1の実施形態と同様に、
掛け止め部材21、摺動杆24等の各種部品は、金属製
のプレートを適宜切断加工することにより容易に製作す
ることができるので、コスト的に安価である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の山留め部
材吊持用冶具では、掛け止め部材の下端部に形成される
鈎型形状部を山留め部材の透孔に挿入した後、透孔の隙
間部分に摺動杆の先端部を挿入することにより、山留め
部材と吊持用冶具とを固定しているので、着脱が容易で
あり、且つ、吊り上げ時に山留め部材が外れることが無
く安全である。従って、重機による一度の吊り上げ作業
にて複数個の山留め部材を移動させる作業をより安全且
つ容易に行うことができるようになる。
【0031】また、本発明の山留め部材吊持用冶具は、
金属製のプレートを切断加工することにより容易に各種
部品を製作することができるので、製作が容易にであ
り、且つコストダウンを図ることができるという効果を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る山留め部材吊持
用冶具の構成を示す側面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る山留め部材吊持
用冶具の構成を示す正面図。
【図3】図1におけるA−A断面図。
【図4】(a)は図1におけるC−C断面図、(b)は
図1におけるB−B断面図。
【図5】摺動杆を上側にスライドさせた様子を示す説明
図。
【図6】挿入部を山留め部材の透孔内部に挿入する様子
を示す説明図であり、(a)は幅広部を挿入する様子を
示し、(b)は鍔部を透孔に係止した様子を示し、
(c)は摺動杆の先端部を透孔内部に挿入した様子を示
している。
【図7】第1の実施形態に係る山留め部材吊持用冶具に
シャックルを係止した様子を示す説明図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る山留め部材吊持
用冶具の構成を示す側面図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る山留め部材吊持
用冶具の構成を示す正面図。
【図10】図9におけるD−D断面図。
【図11】スプリングを付勢させて摺動杆を上方向にス
ライドさせた様子を示す説明図。
【図12】一般的な山留め部材の構成を示す斜視図。
【図13】吊持用金具の構成を示す斜視図。
【図14】吊持用金具のワイヤー先端部に取り付けられ
るフックの従来例を示す説明図。
【符号の説明】
1、21 掛け止め部材 1a、21a 背面 1b、21b 前面 1c、21c 切り欠き 2、22 挿入部 2a、22a 幅広部 2b、22b 狭窄部 2c、22c 鍔部 3、23 透孔 4、24 摺動杆 5、25 突起部 6、26 長孔 7、27 ネジ孔 8 締付ボルト 9 シャックル 11 透孔 30 ボルト 31 圧縮バネ 32 引っ張りバネ 33 操作片 34 透孔 35a ボルト 35b ナット
フロントページの続き (72)発明者 田村 卓也 東京都中央区日本橋本町一丁目6番5号 丸藤シートパイル株式会社内 (72)発明者 岩下 由美子 東京都中央区日本橋本町一丁目6番5号 丸藤シートパイル株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重機のフックに係止して吊り上げ可能と
    され、複数本の索条体が係止された吊り金具の、前記索
    条体先端に取り付けられて山留め部材を索条体に固定す
    る山留め部材吊持用冶具において、 下端部に鈎型形状の挿入部を有し、上側適所に吊持用透
    孔が穿設された掛け止め部材と、 前記掛け止め部材の背面側に摺動可能に取り付けられ、
    下端部に細棒形状の突起部が形成され、且つ、締付ボル
    トにより掛け止め部材の適宜位置に固定可能な摺動杆
    と、から成り、 前記挿入部を山留め部材の透孔内部に挿入した後、該透
    孔の周囲部に鈎型形状の鍔部を係止させ、次いで、前記
    摺動杆を下方向にスライドさせ、透孔の隙間部分に突起
    部を挿入した後、前記締付ボルトにて固定することによ
    り、山留め部材に固定可能としたことを特徴とする山留
    め部材吊持用冶具。
  2. 【請求項2】 重機のフックに係止して吊り上げ可能と
    され、複数本の索条体が係止された吊り金具の、前記索
    条体先端に取り付けられて山留め部材を索条体に固定す
    る山留め部材吊持用冶具において、 下端部に鈎型形状の挿入部を有し、上側適所に吊持用透
    孔が穿設された掛け止め部材と、 前記掛け止め部材の背面側に摺動可能に取り付けられ、
    下端部に細棒形状の突起部が形成され、且つ、掛け止め
    部材とはスプリングにより連結され、該スプリングによ
    り常時下方向に付勢される摺動杆と、 前記摺動杆から略直角方向に突起して配置される操作片
    と、から成り、 前記摺動杆を上方向にスライドさせた状態で、前記掛け
    止め部材の挿入部を山留め部材の透孔内に挿入した後、
    該透孔の周囲部に鈎型形状の鍔部を係止させ、次いで、
    前記スプリングの付勢力により前記摺動杆を下方向にス
    ライドさせ、透孔の隙間部分に突起部を挿入することに
    より、前記山留め部材に対して固定可能としたことを特
    徴とする山留め部材吊持用冶具。
  3. 【請求項3】 前記摺動杆の両側部には、前記掛け止め
    部材側に突起して左右方向へのブレを防止するガイド部
    材が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項
    2のいずれかに記載の山留め部材吊持用冶具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238219A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Daiwa House Ind Co Ltd 吊り治具
JP2020040808A (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 株式会社クボタ 荷物保持用のハンド部

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