JPH1148932A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JPH1148932A
JPH1148932A JP20941697A JP20941697A JPH1148932A JP H1148932 A JPH1148932 A JP H1148932A JP 20941697 A JP20941697 A JP 20941697A JP 20941697 A JP20941697 A JP 20941697A JP H1148932 A JPH1148932 A JP H1148932A
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pressure
brake
pump
master cylinder
hydraulic
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JP20941697A
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Masakuni Suzuki
雅邦 鈴木
Yutaka Onuma
豊 大沼
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキ操作時に、圧力制御弁60によりブレ
ーキシリンダ20をマスタシリンダ14から遮断した状
態でポンプ62によりブレーキシリンダ液圧をマスタシ
リンダ液圧より増圧するブレーキ装置において、ポンプ
によるブレーキシリンダの増圧を滑らかに行うととも
に、ポンプが吐出行程にない時期でもブレーキシリンダ
の増圧を可能とする。 【解決手段】ポンプ62の吐出側に、作動液を蓄液室に
圧力下に蓄積するアキュムレータ120を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両を制動するブ
レーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記ブレーキ装置は一般に、(a) ブレー
キペダル等、運転者により操作されるブレーキ操作部材
と、(b) そのブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧を
発生させるマスタシリンダと、(c) そのマスタシリンダ
と液通路により接続され、その液通路から供給される液
圧によって作動するブレーキシリンダを有し、車輪の回
転を抑制するブレーキとを含むように構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】本出願人は先に、次のようなブレーキ装置を
開発した。それは、さらに、(d)ブレーキ操作時に、液
通路に設けられた流通制御弁により少なくともブレーキ
シリンダからマスタシリンダへ向かう作動液の流れを阻
止した状態でポンプにより作動液をマスタシリンダから
間欠的に吸入してブレーキシリンダに向かって間欠的に
吐出することにより、ブレーキシリンダの液圧をマスタ
シリンダの液圧より増圧する増圧装置を含むブレーキ装
置である。
【0004】この開発ブレーキ装置においては、ポンプ
が作動させられれば作動液がポンプからブレーキシリン
ダに間欠的に吐出される。そのため、何らの対策も講じ
ないと、ブレーキシリンダ液圧が滑らかに上昇しないと
ともに、ポンプが吐出行程になく、それの吐出圧が上昇
しない時期には、ブレーキシリンダ液圧も上昇しない。
【0005】本発明はそのような事情を背景としてなさ
れたものであり、その課題は、ポンプによるブレーキシ
リンダの増圧を滑らかに行い得るとともに、ポンプが吐
出行程にない時期でもブレーキシリンダの増圧を行い得
るブレーキ装置を提供することにある。
【0006】この課題は下記態様のブレーキ装置によっ
て解決される。なお、以下の説明において、本発明の各
態様を、それぞれに項番号を付して請求項と同じ形式で
記載する。各項に記載の特徴を組み合わせて採用するこ
との可能性を明示するためである。
【0007】(1) 運転者により操作されるブレーキ操作
部材と、そのブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧を
発生させるマスタシリンダと、そのマスタシリンダと液
通路により接続され、その液通路から供給される液圧に
よって作動するブレーキシリンダを有し、車輪の回転を
抑制するブレーキと、ブレーキ操作時に、前記液通路に
設けられた流通制御弁により少なくとも前記ブレーキシ
リンダから前記マスタシリンダへ向かう作動液の流れを
阻止した状態でポンプにより作動液をマスタシリンダか
ら間欠的に吸入してブレーキシリンダに向かって間欠的
に吐出することにより、ブレーキシリンダの液圧をマス
タシリンダの液圧より増圧する増圧装置であって、前記
液通路のうち流通制御弁とブレーキシリンダとの間の部
分とその液通路とポンプの吐出側とを互いに接続する吐
出通路とのいずれかに、作動液を蓄液室に圧力下に蓄積
する蓄圧装置が接続された増圧装置とを含むことを特徴
とするブレーキ装置(請求項1)。このブレーキ装置に
おいては、ポンプの吐出側に、作動液を蓄液室に圧力下
に蓄積する蓄圧装置が接続され、それにより、ポンプの
吐出圧の増減が抑制される。したがって、このブレーキ
装置においては、ポンプの吐出圧の変動幅が狭くなると
ともに、ポンプが吐出行程になくてもそれの吐出圧がそ
れほど低下せずに済む。その結果、このブレーキ装置に
よれば、ポンプによるブレーキシリンダの増圧を滑らか
に行い得るとともに、ポンプが吐出行程にない時期でも
ブレーキシリンダの増圧を行い得る。このブレーキ装置
において「蓄圧装置」は、ハウジングと弾性部材とを含
み、作動液をハウジング内の蓄液室に弾性部材の弾性力
によって圧力下に蓄積する構成とすることができる。ま
た、「蓄圧装置」は、増圧装置の非作動時には、マスタ
シリンダに連通し、蓄積されている作動液の液圧がその
マスタシリンダの液圧の高さに応じて変化する形式とす
ることができる。非ブレーキ操作時には作動液を蓄積せ
ず、ブレーキ操作時に限って作動液を蓄積する形式とす
ることができるのである。 (2) さらに、前記ブレーキ操作部材の操作力を助勢して
前記マスタシリンダに出力するブースタを含み、前記増
圧装置が、前記ブースタが助勢限界に到達した後に前記
増圧を開始するものである(1) 項に記載のブレーキ装置
(請求項2)。このブレーキ装置によれば、ブースタの
助勢限界後に、ポンプによりブレーキシリンダ液圧が増
圧されるため、ブースタの助勢限界後でありながら、ブ
レーキの効きが向上する。このブレーキ装置において
「ブースタ」は、負圧源を駆動源とするバキュームブー
スタとしたり、高圧源を駆動源とする液圧ブースタとす
ることができる。 (3) さらに、急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作
検出手段を含み、前記増圧装置が、その急ブレーキ操作
検出手段により急ブレーキ操作が検出された後に前記増
圧を開始するものである(1) または(2) 項に記載のブレ
ーキ装置。このブレーキ装置によれば、急ブレーキ操作
時に、ポンプによりブレーキシリンダ液圧が増圧される
ため、急ブレーキ操作時にブレーキ操作力が不足する場
合でも、十分に大きな車両減速度が発生する。このブレ
ーキ装置において「急ブレーキ操作」は、ブレーキ操作
部材の操作ストロークの変化速度が基準値以上であるこ
とを検出することによって検出したり、ブレーキ操作部
材の操作力の変化速度が基準値以上であることを検出す
ることによって検出することができる。 (4) 運転者により操作されるブレーキ操作部材と、その
ブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧を発生させるマ
スタシリンダと、そのマスタシリンダと液通路により接
続され、その液通路から供給される液圧によって作動す
るブレーキシリンダを有し、車輪の回転を抑制するブレ
ーキと、前記液通路に設けられ、前記マスタシリンダと
前記ブレーキシリンダとの間における作動液の双方向の
流れを許容する第1状態と、少なくともブレーキシリン
ダからマスタシリンダへ向かう作動液の流れを阻止する
第2状態とに切り換わる流通制御弁と、前記液通路のう
ち前記流通制御弁と前記ブレーキシリンダとの間の部分
に設けられ、ブレーキシリンダの液圧を制御する液圧制
御弁と、作動液を吸入側から間欠的に吸入して吐出側に
間欠的に吐出するポンプであって、吸入側は前記液通路
のうち前記マスタシリンダと前記流通制御部分との間の
部分、吐出側は前記液通路のうち前記流通制御弁と前記
液圧制御弁との間の部分にそれぞれ接続され、それによ
り、マスタシリンダから吸入した作動液を前記液圧制御
弁を経て前記ブレーキシリンダに向かって吐出するポン
プと、ブレーキ操作中であって、予め定められた第1条
件が成立した場合に、前記流通制御弁を第2状態とする
とともに前記ポンプを作動させ、それにより、前記ブレ
ーキシリンダの液圧を前記マスタシリンダの液圧より増
圧する増圧装置と、予め定められた第2条件が成立した
場合に、前記ポンプを作動させるとともに前記液圧制御
弁を制御することにより、前記ブレーキシリンダの液圧
を制御する液圧制御弁制御装置と、前記液通路のうち流
通制御弁と液圧制御弁との間の部分とその液通路とポン
プの吐出側とを互いに接続する吐出通路とのいずれかに
接続され、作動液を蓄液室に圧力下に蓄積する蓄圧装置
とを含むことを特徴とするブレーキ装置。このブレーキ
装置においては、前記(1) 項に記載のブレーキ装置にお
けると同様に、ポンプの吐出側に、作動液を蓄液室に圧
力下に蓄積する蓄圧装置が接続され、それにより、ポン
プの吐出圧の増減が抑制される。したがって、このブレ
ーキ装置においては、ポンプの吐出圧の変動幅が狭くな
るとともに、ポンプが吐出行程になくてもそれの吐出圧
がそれほど低下せずに済む。その結果、このブレーキ装
置によれば、ポンプによるブレーキシリンダの増圧を滑
らかに行い得るとともに、ポンプが吐出行程にない時期
でもブレーキシリンダの増圧を行い得る。ところで、こ
のブレーキ装置においては、液圧制御弁によりブレーキ
シリンダに対して増圧と減圧と保圧とを選択的に実行し
たり、増圧と減圧とを選択的に実行することが可能であ
るが、ポンプによりブレーキシリンダを増圧する形式の
ブレーキ装置においては、何らの対策も講じないと、ブ
レーキシリンダを減圧状態または保圧状態である非増圧
状態から増圧状態に移行させるべく、液圧制御弁を減圧
状態または保圧状態である非増圧状態から増圧状態に切
り換えても、ポンプが吐出行程になく、ポンプの吐出圧
が上昇中でない時期には、ブレーキシリンダが非増圧状
態から増圧状態に迅速に移行しない。これに対して、こ
の(4) 項に記載のブレーキ装置においては、ポンプが吐
出行程にない時期でも、それの吐出圧の低下が抑制され
るため、ブレーキシリンダの非増圧状態から増圧状態へ
の移行を迅速に行い得る。ポンプが吐出行程にない時期
には、ポンプに代わって蓄圧装置がブレーキシリンダの
液圧源となるのである。このブレーキ装置において「液
通路のうちマスタシリンダと流通制御弁との間の部分」
は、マスタシリンダのうち液通路と等圧な部分、および
流通制御弁のうち液通路と等圧な部分を含む。また、同
様にして、「液通路のうち流通制御弁と液圧制御弁との
間の部分」は、流通制御弁のうち液通路と等圧な部分、
および液圧制御弁のうち液通路と等圧な部分を含む。ま
た、このブレーキ装置において「第1条件」と「第2条
件」とは互いに同じものとしたり、異なるものとするこ
とができる。互いに同じものである場合には、ブレーキ
シリンダ液圧を流通制御弁とポンプと液圧制御弁との少
なくとも一つにより制御可能である。一方、互いに異な
るものである場合には、「第1条件」の成立時には、ブ
レーキシリンダ液圧を流通制御弁とポンプとの少なくと
も一方により制御可能であり、「第2条件」の成立時に
は、ブレーキシリンダ液圧を液圧制御弁とポンプとの少
なくとも一方により制御可能である。また、このブレー
キ装置において「蓄圧装置」は、前記(1) 項に記載のブ
レーキ装置におけると同様に構成することができる。 (5) 前記液圧制御弁制御装置が、前記車輪の回転が適正
となるように前記ブレーキシリンダの液圧を制御する車
輪回転制御装置を含む(4) 項に記載のブレーキ装置。 (6) さらに、前記ブレーキ操作部材の操作力を助勢して
前記マスタシリンダに出力するブースタを含み、前記第
1条件が、そのブースタが助勢限界に到達したことを含
み、前記増圧装置が、ブースタが助勢限界に到達したこ
とに起因する前記ブレーキシリンダの液圧不足を補うも
のである(5) 項に記載にブレーキ装置。 (7) さらに、急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作
検出手段を含み、前記第1条件が、その急ブレーキ操作
検出手段により急ブレーキ操作が検出されたことを含
み、前記増圧装置が、急ブレーキ操作時における前記ブ
レーキ操作部材の操作力の不足を補うものである(5) ま
たは(6) 項に記載にブレーキ装置。 (8) 前記第2条件が、ブレーキ操作時に前記車輪にロッ
ク傾向が発生することを含み、前記車輪回転制御装置
が、前記車輪のロック傾向が過大にならないように前記
ブレーキシリンダの液圧を制御するアンチロック制御装
置を含む(5) ないし(7) 項のいずれかに記載のブレーキ
装置。 (9) 前記車輪が、車両のエンジンにより駆動される駆動
車輪であり、前記第2条件が、車両駆動時に前記駆動車
輪にスピン傾向が発生することを含み、前記車輪回転制
御装置が、前記駆動車輪のスピン傾向が過大にならない
ように前記ブレーキシリンダの液圧を制御するトラクシ
ョン制御装置を含む(5) ないし(8) 項のいずれかに記載
のブレーキ装置。 (10)前記車輪が、車両の左右車輪のいずれかであり、前
記車輪回転制御装置が、前記いずれかの左右車輪の制動
力と反対側の左右車輪の制動力との差が適正となるよう
に前記ブレーキシリンダの液圧を制御する制動力左右差
制御装置を含む(5) ないし(9) 項のいずれかに記載のブ
レーキ装置。 (11)前記制動力左右差制御装置が、車両の安定性が低下
することを抑制する車両安定性制御装置を含む(10)項に
記載のブレーキ装置。 (12)前記流通制御弁が、前記液通路においてその流通制
御弁より前記ブレーキシリンダの側の液圧が前記マスタ
シリンダの側の液圧より高いがその差圧が目標差圧以下
であれば、前記ポンプからマスタシリンダへ向かう作動
液の流れを阻止する一方、ブレーキシリンダの側の液圧
がマスタシリンダの側の液圧より高くかつその差圧が目
標差圧より大きくなろうとすれば、ポンプからマスタシ
リンダへ向かう作動液の流れを許容することにより、ブ
レーキシリンダの側の液圧をマスタシリンダの側の液圧
より高くかつその差圧が目標差圧となるように制御する
圧力制御弁を含む(1) ないし(11)項のいずれかに記載の
ブレーキ装置(請求項3)。このブレーキ装置において
は、ブレーキシリンダの側の液圧の高さがマスタシリン
ダの側の液圧の高さを基準に制御される。したがって、
このブレーキ装置によれば、ブレーキシリンダの側の液
圧の高さがマスタシリンダの側の液圧の高さと無関係に
決まる場合に比較して、ブレーキシリンダの側の液圧の
高さをマスタシリンダの側の液圧に対して相対的に制御
することが容易になる。このブレーキ装置において「目
標差圧」は、固定のものとしたり機械的または電気的に
可変のものとすることができる。可変とする場合には、
ブレーキ操作部材の操作に関連する量、例えば、操作
力,操作ストローク,マスタシリンダ液圧および車体減
速度をセンサにより検出し、その検出値に基づいて目標
差圧を変化させることができる。 (13)作動液を吸入側から間欠的に吸入して吐出側に間欠
的に吐出するポンプと、そのポンプの吐出側と液通路に
より接続され、その液通路から供給される液圧により作
動する複数個のブレーキシリンダを有し、車両における
複数個の車輪の回転を抑制する複数個のブレーキと、前
記液通路の途中の、前記複数個のブレーキシリンダの液
圧を互いに独立に制御可能な複数の位置に設けられ、各
々、前記ポンプの吐出側から各ブレーキシリンダへ向か
う作動液の流れを許容する流通許容状態と阻止する流通
阻止状態とに互いに独立に切換可能な複数個の電磁弁
と、それら複数個の電磁弁の各々を切り換える電磁弁切
換装置と、前記ポンプの吐出側に接続され、作動液を蓄
液室に圧力下に蓄積する蓄圧装置とを含むことを特徴と
するブレーキ装置。同じポンプが複数個のブレーキシリ
ンダに共用される形式のブレーキ装置においては、ポン
プの吐出圧が複数個のブレーキシリンダの液圧の影響を
受ける。そのため、複数個のブレーキシリンダ間に液圧
差が存在する状態で、それら複数個のブレーキシリンダ
を一緒に増圧するために複数個の電磁弁により複数個の
ブレーキシリンダを同じポンプに連通させると、それら
複数個のブレーキシリンダのうち高圧側のものの増圧量
が不足してしまう。低圧側のブレーキシリンダがポンプ
に連通させられることによってポンプの吐出圧が大きく
低下してしまうからである。これに対して、この(13)項
に記載のブレーキ装置においては、ポンプの吐出側に蓄
圧装置が接続されることにより、ポンプの吐出圧の低下
が抑制される。その結果、このブレーキ装置によれば、
同じポンプが複数個のブレーキシリンダに共用される形
式のブレーキ装置でありながら、複数個のブレーキシリ
ンダを同じポンプにより一緒に増圧する際の高圧側ブレ
ーキシリンダの増圧不足が抑制される。 (14)さらに、前記マスタシリンダと前記蓄圧装置との間
に、蓄圧装置からマスタシリンダへ向かう作動液の流れ
は許容し、その逆向きの流れは阻止する逆止弁を含む
(1) ないし(13)項のいずれかに記載のブレーキ装置。こ
のブレーキ装置によれば、ブレーキ操作中であって、増
圧装置が作動しない場合に、マスタシリンダから排出さ
れた作動液が蓄圧装置によって消費されずに済み、蓄圧
装置の追加に伴う操作ストロークの増加を回避し得る。 (15)前記逆止弁が、前記吐出通路に設けられている(14)
項に記載のブレーキ装置。このブレーキ装置によれば、
操作ストローク増加回避のための逆止弁が前記液通路に
設けられてはいないため、その逆止弁によって当該ブレ
ーキ装置の通常作動が阻害されないようにするために特
別の対策を講じることが不要となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】図1には、本発明の一実施形態であるブレ
ーキ装置が示されている。このブレーキ装置は、4輪車
両に搭載されるものであって、ブレーキ操作力を助勢す
るバキュームブースタを備えている。
【0010】このブレーキ装置は、さらに、アンチロッ
ク制御装置と効き特性制御装置とを備えている。アンチ
ロック制御装置は、車両制動時に各車輪のロック傾向が
過大となることを防止する装置である。このアンチロッ
ク制御装置は、ポンプを有し、そのポンプにより作動液
をブレーキ回路内において還流させる。これに対して、
効き特性制御装置は、バキュームブースタに助勢限界が
あることを考慮し、車両制動時に車体減速度がブレーキ
操作力に対して助勢限界の前後を問わずほぼ同じ勾配で
増加するようにそれらブレーキ操作力と車体減速度との
関係であるブレーキの効き特性を制御する装置である。
この効き特性制御装置は、上記ポンプを利用して作動す
る。すなわち、ポンプがアンチロック制御装置と効き特
性制御装置とに共用されているのである。
【0011】図において符号10がブレーキ操作部材と
してのブレーキペダルである。ブレーキペダル10はバ
キュームブースタ(以下、単に「ブースタ」という。)
12を介してマスタシリンダ14に連携させられてい
る。ブースタ12は、ブースタハウジングの内部空間が
パワーピストン12aにより、負圧源に連通した負圧室
12bとその負圧室12bと大気とに選択的に連通させ
られる変圧室12cとに仕切られた構成とされている。
それら負圧室12bと変圧室12cとの差圧によってパ
ワーピストン12aが作動させられ、それにより、ブレ
ーキ操作力が助勢されてマスタシリンダ14に伝達され
る。マスタシリンダ14は、タンデム式であり、マスタ
シリンダハウジングに2個の加圧ピストンが互いに直列
に摺動可能に嵌合された構成とされている。ブースタ1
2の出力によってそれら2個の加圧ピストンが作動する
ことにより、各加圧ピストンの前方に形成された各加圧
室にそれぞれ等しい高さの液圧が機械的に発生させられ
る。
【0012】一方の加圧室には、左前輪FLのブレーキ
を作動させるブレーキシリンダ20と右後輪RRのブレ
ーキを作動させるブレーキシリンダ20が接続され、他
方の加圧室には、右前輪FRのブレーキを作動させるブ
レーキシリンダ20と左後輪RLのブレーキを作動させ
るブレーキシリンダ20が接続されている。ブレーキ
は、液圧に基づく作動力によって摩擦材を車輪と共に回
転する回転体の摩擦面に押し付けることにより、車輪の
回転を抑制する形式(ディスク式,ドラム式等)とされ
ている。
【0013】すなわち、このブレーキ装置は互いに独立
した2つのブレーキ系統が互いにダイヤゴナルに構成さ
れたダイヤゴナル2系統式なのである。それら2つのブ
レーキ系統は構成が互いに共通するため、一方のブレー
キ系統のみを代表的に文章および図によって説明し、他
方のブレーキ系統の説明を省略する。
【0014】マスタシリンダ14の一方の加圧室は主通
路48(液通路の一例)により左前輪FLのブレーキシ
リンダ20と右後輪RRのブレーキシリンダ20とにそ
れぞれ接続されている。主通路48は、マスタシリンダ
14から延び出た後に二股状に分岐させられており、1
本の基幹通路54と2本の分岐通路56とが互いに接続
されて構成されている。各分岐通路56の先端にブレー
キシリンダ20が接続されている。
【0015】基幹通路54の途中には流通制御弁として
の圧力制御弁60が設けられている。圧力制御弁60
は、主通路48におけるブレーキシリンダ20側の液圧
をマスタシリンダ14側の液圧に対して相対的に制御す
るものであり、具体的には、ブレーキシリンダ20側の
液圧(以下、「ブレーキシリンダ側液圧」という。)が
マスタシリンダ14側の液圧(以下、「マスタシリンダ
側液圧」という。)より高いがその差圧が目標差圧以下
であれば、ポンプ62からマスタシリンダ14へ向かう
作動液の流れを阻止する一方、ブレーキシリンダ側液圧
がマスタシリンダ側液圧より高くかつその差圧が目標差
圧より大きくなろうとすれば、ポンプ62からマスタシ
リンダ14へ向かう作動液の流れを許容することによ
り、ブレーキシリンダ側液圧をマスタシリンダ側液圧よ
り高くかつその差圧が目標差圧となるように制御するも
のである。
【0016】この圧力制御弁60は、本実施形態におい
ては、ブレーキシリンダ側液圧とマスタシリンダ側液圧
との差を電磁的に制御する形式とされている。この圧力
制御弁60は具体的には、図2に示すように、図示しな
いハウジングと、主通路48におけるマスタシリンダ側
とブレーキシリンダ側との間における作動液の流通状態
を制御する弁子70およびそれが着座すべき弁座72
と、それら弁子70および弁座72の相対移動を制御す
る磁気力を発生させるソレノイド74とを有している。
【0017】この圧力制御弁60においては、ソレノイ
ド74が励磁されない非作用状態(OFF状態。流通制
御弁の第1状態の一例)では、スプリング76の弾性力
によって弁子70が弁座72から離間させられ、それに
より、主通路48においてマスタシリンダ側とブレーキ
シリンダ側との間での双方向の作動液の流れが許容さ
れ、その結果、ブレーキ操作が行われれば、ブレーキシ
リンダ側液圧がマスタシリンダ側液圧と等圧で変化させ
られる。このブレーキ操作中、弁子70には、弁座72
から離間する向きに力が作用するため、ソレノイド74
が励磁されない限り、マスタシリンダ側液圧すなわちブ
レーキシリンダ側液圧が高くなっても、弁子70が弁座
72に着座してしまうことはない。すなわち、圧力制御
弁60は常開弁なのである。
【0018】これに対し、ソレノイド74が励磁される
作用状態(ON状態。流通制御弁の第2状態の一例)で
は、ソレノイド74の磁気力によりアーマチュア78が
吸引され、そのアーマチュア78と一体的に移動する可
動部材としての弁子70が固定部材としての弁座72に
着座させられる。このとき、弁子70には、ソレノイド
74の磁気力に基づく吸引力F1 と、ブレーキシリンダ
側液圧とマスタシリンダ側液圧との差に基づく力F2
スプリング76の弾性力F3 との和とが互いに逆向きに
作用する。力F2 の大きさは、ブレーキシリンダ側液圧
とマスタシリンダ側液圧との差と、弁子70がブレーキ
シリンダ側液圧を受ける実効受圧面積との積で表され
る。
【0019】ソレノイド74が励磁される作用状態(O
N状態)であって、ポンプ62の吐出圧すなわちブレー
キシリンダ側液圧がそれほど増加せず、 F2 ≦F1 −F3 なる式で表される関係が成立する領域では、弁子70が
弁座72に着座し、ポンプ62からの作動液がマスタシ
リンダ14に逃げることが阻止され、ポンプ62の吐出
圧が増加し、ブレーキシリンダ20の側にマスタシリン
ダ側液圧より高い液圧が発生させられる。これに対し、
ポンプ62の吐出圧すなわちブレーキシリンダ側液圧が
さらに増加し、 F2 >F1 −F3 なる式で表される関係が成立しようとする領域では、弁
子70が弁座72から離間し、ポンプ62からの作動液
がマスタシリンダ14に逃がされ、その結果、ポンプ6
2の吐出圧すなわちブレーキシリンダ側液圧がそれ以上
増加することが阻止される。このようにしてブレーキシ
リンダ20には、スプリング76の弾性力F3 を無視す
れば、マスタシリンダ側液圧に対してソレノイド吸引力
1 に基づく差圧分高い液圧が発生させられることにな
る。
【0020】また、この圧力制御弁60は、図3にグラ
フで表されているように、ソレノイド吸引力F1 の大き
さがソレノイド74の励磁電流Iの大きさに応じてリニ
アに変化するように設計されている。
【0021】図1に示すように、圧力制御弁60にはバ
イパス通路82が設けられており、そのバイパス通路8
2の途中に逆止弁84が設けられている。万が一、ブレ
ーキペダル10の操作時に圧力制御弁60内の可動部材
に生ずる流体力によって圧力制御弁60が閉じることが
あっても、マスタシリンダ14からブレーキシリンダ2
0へ向かう作動液の流れが確保されるようにするためで
ある。圧力制御弁60にはさらに、それに並列にリリー
フ弁86も設けられている。ポンプ62による吐出圧が
過大となることを防止するためである。
【0022】前記各分岐通路56の途中には常開の電磁
開閉弁である増圧弁90が設けられ、開状態でマスタシ
リンダ14からブレーキシリンダ20へ向かう作動液の
流れを許容する増圧状態を実現する。各増圧弁90には
バイパス通路92が接続され、各バイパス通路92には
作動液戻り用の逆止弁94が設けられている。各分岐通
路56のうち増圧弁90とブレーキシリンダ20との間
の部分からリザーバ通路96が延びてリザーバ98に至
っている。各リザーバ通路96の途中には常閉の電磁開
閉弁である減圧弁100が設けられ、開状態でブレーキ
シリンダ20からリザーバ98へ向かう作動液の流れを
許容する減圧状態を実現する。リザーバ98は、ハウジ
ングにリザーバピストン104が実質的に気密かつ摺動
可能に嵌合されて構成されるとともに、その嵌合によっ
て形成されたリザーバ室106において作動液を弾性部
材としてのスプリング108によって圧力下に収容する
ものである。
【0023】リザーバ98は吸入通路110によって前
記ポンプ62の吸入側に接続され、ポンプ62の吐出側
は吐出通路114によって主通路48のうち圧力制御弁
60と増圧弁90との間の部分に接続されている。吸入
通路110には逆止弁である吸入弁116、吐出通路1
14には逆止弁である吐出弁118がそれぞれ設けられ
ている。
【0024】吐出通路114にはさらに、蓄圧装置とし
てのアキュムレータ120が接続されている。アキュム
レータ120は、図4に示すように、有底のハウジング
120を備えている。そのハウジング120にはピスト
ン122が実質的に気密かつ摺動可能に嵌合されてい
る。それらハウジング120とピストン122との間に
蓄液室124が形成されており、その蓄液室124の容
積が減少する向きにピストン122が弾性部材としての
スプリング126の弾性力により付勢されている。
【0025】ところで、効き特性制御の実行中には、ポ
ンプ62がリザーバ98から作動液を汲み上げ、その作
動液を各ブレーキシリンダ20に吐出することによって
各ブレーキシリンダ20が増圧されるが、アンチロック
制御が実行されていない限り、リザーバ98に汲み上げ
るべき作動液が存在しないのが普通であり、効き特性制
御の実行を確保するためには、アンチロック制御の実行
の有無を問わず、リザーバ98に作動液を補給すること
が必要となる。そのため、本実施形態においては、基幹
通路54のうちマスタシリンダ14の加圧室と圧力制御
弁60との間の部分から延びてリザーバ98に至る補給
通路130が設けられている。
【0026】しかし、この補給通路130により常時マ
スタシリンダ14とリザーバ98とを互いに連通させた
のでは、ブレーキペダル10が操作されても、リザーバ
98においてリザーバピストン104がボトミングした
後でないとマスタシリンダ14が昇圧できず、ブレーキ
の効き遅れが生じる。そのため、補給通路130の途中
に流入制御弁140が設けられている。
【0027】流入制御弁140は、マスタシリンダ14
からリザーバ98への作動液の補給が必要であるときに
は開状態となり、マスタシリンダ14からリザーバ98
への作動液の流れを許容し、一方、マスタシリンダ14
からリザーバ98への作動液の補給が必要ではないとき
には閉状態となり、マスタシリンダ14からリザーバ9
8への作動液の流れを阻止し、マスタシリンダ14によ
る昇圧を可能とする。
【0028】本実施形態においては、流入制御弁140
が常閉の電磁開閉弁とされている。また、本実施形態に
おいては、マスタシリンダ14から作動液を導入するこ
とが必要である場合であるか否かの判定が、アンチロッ
ク制御中、リザーバ98においてポンプ62により汲み
上げるべき作動液が存在しないか否かの判定とされ、ま
た、その作動液の存否判定が、増圧弁90が増圧状態に
ある時間の積算値と、減圧弁100が減圧状態にある時
間の積算値とがそれぞれ演算されるとともに、それら増
圧時間と減圧時間とに基づいてリザーバ98における作
動液の残量が推定されることにより、行われる。
【0029】図5には、ブレーキ装置の電気的構成が示
されている。ブレーキ装置は、CPU,ROMおよびR
AMを含むコンピュータを主体とするECU(電子制御
ユニット)200を備えている。ROMにブレーキ効き
特性制御ルーチン(図6〜図9にフローチャートで表さ
れている),マスタシリンダ液圧演算ルーチン(図10
にフローチャートで表されている)およびアンチロック
制御ルーチン(図示しない)が記憶されており、それら
ルーチンがCPUによりRAMを使用しつつ実行される
ことにより、効き特性制御とアンチロック制御とがそれ
ぞれ実行される。
【0030】ECU200の入力側には、ブースタ圧力
スイッチ204とマスタシリンダ液圧センサ206と車
輪速センサ204とが接続されている。ブースタ圧力ス
イッチ204は、変圧室12cの圧力の高さに応じて2
状態に異なるブースタ圧力信号を出力するスイッチであ
り、変圧室12cの圧力が大気圧より低い場合にはOF
F信号、大気圧以上である場合にはON信号を出力す
る。マスタシリンダ液圧センサ206は、マスタシリン
ダ液圧PM の高さを検出し、その高さに応じて連続的に
変化するマスタシリンダ液圧信号を出力する。車輪速セ
ンサ208は、各車輪毎に設けられ、各車輪の車輪速を
検出し、各車輪の車輪速を規定する車輪速信号を出力す
る。
【0031】一方、ECU200の出力側には、前記ポ
ンプ62を駆動するポンプモータ210が接続され、そ
のポンプモータ210にモータ駆動信号が出力される。
ポンプモータ210は、本ブレーキ装置における2つの
ブレーキ系統に共通に1個設けられており、2つのブレ
ーキ系統の2つのポンプ62のいずれかでも駆動するこ
とが必要となったならば、そのポンプモータ210にモ
ータ駆動信号が出力される。ECU200の出力側には
さらに、前記圧力制御弁60のソレノイド74,増圧弁
90および減圧弁100の各ソレノイド212および流
入制御弁140のソレノイド214も接続されている。
圧力制御弁60のソレノイド74には、ソレノイド74
の磁気力をリニアに制御するための電流制御信号が出力
され、一方、増圧弁90および減圧弁100の各ソレノ
イド212と流入制御弁140のソレノイド214とに
はそれぞれ、各ソレノイド212,214をON/OF
F駆動するためのON/OFF駆動信号が出力される。
【0032】ここで、ECU200による効き特性制御
を説明するが、まず、概略的に説明する。
【0033】ブースタ12は、ブレーキペダル10の操
作力Fがある値まで増加すると、変圧室18の圧力が大
気圧まで上昇し切ってしまい、助勢限界に達する。助勢
限界後は、ブースタ12は操作力Fを助勢することがで
きないから、何ら対策を講じないと、図11にグラフで
表されているように、ブレーキの効きが低下する。かか
る事実に着目して効き特性制御が行われるのであり、具
体的には、図12にグラフで表されているように、ブー
スタ12が助勢限界に達した後には、ポンプ62を作動
させてマスタシリンダ液圧PM より差圧ΔP(ブレーキ
シリンダ液圧P B のマスタシリンダ液圧PM に対する増
圧量であって、図13にグラフで示されている)だけ高
い液圧をブレーキシリンダ20に発生させ、それによ
り、ブースタ12の助勢限界の前後を問わず、ブレーキ
の効きを安定させる。
【0034】以上概略的に説明した効き特性制御の内容
を図6〜図9のブレーキ効き特性制御ルーチンに基づい
て具体的に説明する。
【0035】本ルーチンは、運転者によりイグニション
スイッチがOFF位置からON位置に操作された後、一
定時間T0 毎に繰り返し実行される。各回の実行時には
まず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。他の
ステップについても同じとする。)において、マスタシ
リンダ液圧センサ206からマスタシリンダ液圧信号が
取り込まれ、次に、S2において、ブースタ圧力スイッ
チ202からブースタ圧力信号が取り込まれる。続い
て、S3において、その取り込まれたブースタ圧力信号
に基づいてブースタ12が助勢限界状態にあるか否かが
判定される。具体的には、変圧室12cの圧力が大気圧
より低いためにブースタ圧力信号がOFF信号であれ
ば、ブースタ12が助勢限界状態にはないと判定され、
一方、変圧室12cの圧力が大気圧に到達したためにブ
ースタ圧力信号がON信号であれば、ブースタ12が助
勢限界状態にあると判定される。
【0036】今回は、ブースタ12が助勢限界状態には
ないと仮定すれば、判定がNOとなり、S4において、
増圧制御の終了処理が行われる。このS4の詳細が終了
処理ルーチンとして図7にフローチャートで示されてい
る。この終了処理ルーチンにおいては、まず、S41に
おいて、圧力制御弁60のソレノイド74にそれをOF
Fにする信号が出力され、S42において、流入制御弁
140のソレノイド214にそれをOFFにする信号が
出力され、S43において、ポンプモータ210にそれ
をOFFにする信号が出力される。以上でこの終了処理
ルーチンの一回の実行が終了し、それにより、ブレーキ
効き特性制御ルーチンの一回の実行も終了する。
【0037】これに対して、今回は、ブースタ12が助
勢限界状態にあると仮定すれば、S2の判定がYESと
なり、図6のS3において、増圧制御が行われる。この
S5の詳細が増圧制御ルーチンとして図8にフローチャ
ートで示されている。この増圧制御ルーチンにおいて
は、まず、S51において、前記マスタシリンダ液圧信
号に基づいてマスタシリンダ液圧PM が演算されるとと
もに、その演算値に基づき、ブレーキシリンダ液圧PB
をマスタシリンダ液圧PM より増圧すべき量、すなわ
ち、マスタシリンダ14とブレーキシリンダ20との目
標差圧ΔPが決定される。ROMには、図14にグラフ
で示すように、マスタシリンダ液圧PM の今回演算値
の、基準値PM0(ブースタ12が助勢限界に到達したと
きのマスタシリンダ液圧PM の高さ)からの増分IPM
と目標差圧ΔPとの関係が記憶されており、その関係に
従って目標差圧ΔPの今回値が決定されるのである。そ
の関係は、ブースタ12の助勢限界後に、ブレーキシリ
ンダ液圧PB が操作力Fに対して助勢限界前と同じ勾配
でリニアに増加する関係が実現されるように設定されて
いる。
【0038】その後、S52において、決定された目標
差圧ΔPに応じ、圧力制御弁60のソレノイド74に供
給すべき電流値Iが決定される。目標差圧ΔPとソレノ
イド電流値Iとの関係がROMに記憶されており、その
関係に従って目標差圧ΔPに対応するソレノイド電流値
Iが決定されるのである。続いて、S53において、圧
力制御弁60のソレノイド74に、決定されたソレノイ
ド電流値Iで電流が供給されることにより、圧力制御弁
60が制御される。その後、S54において、流入制御
弁140が制御される。
【0039】このS54の詳細が流入制御弁制御ルーチ
ンとして図9にフローチャートで表されている。
【0040】まず、S61において、現在アンチロック
制御の実行中であるか否かが判定される。実行中ではな
いと仮定すれば判定がNOとなり、S62において、流
入制御弁140のソレノイド214にそれをONにする
信号、すなわち、流入制御弁140を開かせるための信
号が出力される。これにより、作動液がマスタシリンダ
14から補給通路130を経てポンプ62に導入可能な
状態となる。以上で本ルーチンの一回の実行が終了す
る。
【0041】これに対し、現在アンチロック制御の実行
中であると仮定すればS61の判定がYESとなり、S
63において、リザーバ98においてポンプ62により
汲み上げるべき作動液として存在する作動液の量の推定
演算、すなわち,リザーバ残量の推定演算が行われる。
続いて、S64において、推定されたリザーバ残量が0
であるか否か、すなわち、リザーバ98においてポンプ
62により汲み上げるべき作動液が存在しないか否かが
判定される。今回はリザーバ残量が0ではないと仮定す
れば、判定がNOとなり、S65において、流入制御弁
140のソレノイド214にそれをOFFにする信号、
すなわち、流入制御弁140を閉じさせるための信号が
出力される。一方、今回はリザーバ残量が0であると仮
定すれば、S64の判定がYESとなり、S62におい
て、流入制御弁140にそれを開かせるための信号が出
力される。いずれの場合も、以上でこの流入制御弁制御
ルーチンの一回の実行が終了する。
【0042】なお付言すれば、この流入制御弁制御ルー
チンにつき、リザーバ98における作動液の残量を直接
センサにより検出する改良を加えることができる。残量
は例えば、リザーバ98におけるリザーバピストン10
4に永久磁石を一体的に移動可能に設け、それに近接し
てセンサとしてのリードスイッチを設けることにより検
出することができる。
【0043】その後、図8のS55において、ポンプモ
ータ210にそれをONにする信号が出力される。それ
により、ポンプ62によりリザーバ98から作動液が汲
み上げられ、作動液が各ブレーキシリンダ20に吐出さ
れ、その結果、各ブレーキシリンダ20にマスタシリン
ダ液圧PM より目標差圧ΔPだけ高い液圧が発生させら
れる。以上でこの増圧制御ルーチンの一回の実行が終了
し、それにより、ブレーキ効き特性制御ルーチンの一回
の実行も終了する。
【0044】次に、アンチロック制御を説明する。ま
ず、概略的に説明すれば、アンチロック制御は、車両制
動時に各車輪にロック傾向が発生すると開始され、開始
されると、各車輪のロック傾向が過大とならないように
各車輪のブレーキシリンダ20の液圧が増圧弁90およ
び減圧弁100により制御される。
【0045】ところで、このブレーキ装置においては、
前述のように、効き特性制御中には、圧力制御弁60が
閉状態とされて、同一ブレーキ系統に属する2個のブレ
ーキシリンダ20がマスタシリンダ14から遮断される
とともに、ポンプ62が作動し続けられ、その結果、効
き特性制御中は、マスタシリンダ14ではなくポンプ6
2が2個のブレーキシリンダ20の液圧源として機能す
ることになる。これに対して、アンチロック制御中に
は、原則として圧力制御弁60が開状態とされるが、効
き特性制御中にアンチロック制御が実行される場合に
は、例外として圧力制御弁60が開状態には切り換えら
れずに閉状態のままとされる。
【0046】なお、アンチロック制御中、圧力制御弁6
0は、そのアンチロック制御に先行して効き特性制御が
実行されているか否かを問わず、常に閉状態となるよう
に設計したり、ブレーキシリンダ20を増圧すべき勾配
に応じて閉状態と開状態とに切り換わるように設計する
ことができる。後者の場合には、ブレーキシリンダ20
を急な勾配で増圧することが必要であるときには、マス
タシリンダ14によりブレーキシリンダ20を増圧すべ
く、圧力制御弁60を開状態とする一方、ブレーキシリ
ンダ20を、マスタシリンダ14によるより緩やかな勾
配で増圧することが必要であるときには、ポンプ62に
よりブレーキシリンダ20を増圧すべく、圧力制御弁6
0を閉状態とするように設計することができる。
【0047】次に、このアンチロック制御を図10のア
ンチロック制御ルーチンに基づいて具体的に説明する。
【0048】本ルーチンは車両走行中、2つのブレーキ
系統について順に、かつ繰り返し実行される。まず、S
81において、ブレーキ操作中であるか否か、すなわ
ち、運転者によりブレーキペダル10が操作されている
か否かが判定される。今回はブレーキ操作中ではないと
仮定すれば、判定がNOとなり、S82において、2つ
のブレーキ系統のうち本ルーチンの今回の実行対象であ
るもの(以下、「実行対象系統」という。)に属する2
個の増圧弁90のソレノイド212にそれを開状態にす
る(OFFにする)開信号が出力され、続いて、S83
において、実行対象系統に属する2個の減圧弁100の
ソレノイド212にそれを閉状態にする(OFFにす
る)閉信号が出力される。実行対象系統に属する2個の
増圧弁90および2個の減圧弁100が通常ブレーキ用
の状態にされるのである。
【0049】これに対して、今回はブレーキ操作中であ
ると仮定すると、S81の判定がYESとなり、S84
以下のステップに移行する。
【0050】S84においては、実行対象系統に属する
2個の車輪の少なくとも一方についてアンチロック制御
を行うことが必要であるか否かが判定される。本実施形
態においては、複数個の車輪速センサ208の出力信号
に基づき、4輪分の車輪速のうち最も速いものが真の車
速に最も近いという事実を利用して、車速が推定される
ようになっており、このステップにおいては、その推定
車速と、実行対象系統に属する各車輪に対応する車輪速
センサ208により検出された車輪速との関係に基づ
き、各車輪にロック傾向が発生しているか否かが判定さ
れるのである。今回は、実行対象系統についてアンチロ
ック制御を行うことが不要であると仮定すれば、判定が
NOとなり、S82に移行するが、今回は、必要である
と仮定すれば、判定がYESとなり、S85に移行す
る。
【0051】S85においては、実行対象系統における
各車輪の車輪速と推定車速との関係に基づき、各車輪に
対して出力すべき圧力制御要求(各車輪に対応する増圧
弁90と減圧弁100とにより実現すべき圧力制御要
求)が、増圧要求,保圧要求および減圧要求のいずれか
に決定される。続いて、S86において、図9に示す流
入制御弁制御ルーチンが実行され、その後、S87にお
いて、ポンプモータ210にそれをONにする信号が出
力される。続いて、S88において、決定された圧力制
御要求が実現されるように増圧弁90および減圧弁10
0が制御される。以上でこのアンチロック制御ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0052】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、効き特性制御装置とアンチロック制御装
置とにポンプ62が共用されていて、効き特性制御中で
あれアンチロック制御中であれ、ブレーキシリンダ20
がポンプ62によって増圧される。ところで、ポンプ6
2は、吸入行程と吐出行程とを交互に繰り返し、それに
より、作動液を間欠的に吐出する。そのため、ポンプ6
2の吐出圧は本来、脈動するものである。しかし、本実
施形態においては、ポンプ62の吐出側にアキュムレー
タ120が接続されているため、アキュムレータ120
におけるスプリング128の弾性により、ポンプ62の
吐出圧の増減が抑制され、その結果、ポンプ62の吐出
圧の脈動が軽減される。その結果、本実施形態において
は、効き特性制御中およびアンチロック制御中のブレー
キシリンダ20の液圧変化が滑らかとなり、液圧の制御
精度が向上する。なお、アキュムレータ120がポンプ
62の吐出圧の増減を抑制する要素として、本実施形態
においては、スプリング128の弾性のみならず、ピス
トン124の慣性および作動液の流路抵抗も存在する。
【0053】また、本実施形態においては、ポンプ62
が吐出行程にない時期には、ポンプ62に代わってアキ
ュムレータ120がブレーキシリンダ20の液圧源とし
て機能する。したがって、効き特性制御中であれアンチ
ロック制御中であれ、ポンプ62が吐出行程にない時期
でもブレーキシリンダ20が増圧可能となる。
【0054】この効果をアンチロック制御との関係にお
いて具体的に説明する。本実施形態においては、上述の
ように、アンチロック制御中、増圧弁90が閉状態から
開状態に切り換えられることによってブレーキシリンダ
20が非増圧状態から増圧状態に移行させられる。一
方、ポンプ62の吐出圧は本来、上述のように、常に上
昇状態にあるわけではない。しかし、本実施形態におい
ては、ポンプ62の吐出側にアキュムレータ120が設
けられており、ポンプ62が吐出行程にない時期には、
ポンプ62に代わってアキュムレータ120がブレーキ
シリンダ20の液圧源として機能する。したがって、本
実施形態においては、ポンプ62が吐出行程にない時期
でも、増圧弁90が閉状態から開状態に切り換えられれ
ば直ちに、作動液が増圧弁90の上流側からブレーキシ
リンダ20に向かって吐出され、それにより、ブレーキ
シリンダ20が非増圧状態から増圧状態に迅速に移行す
る。
【0055】また、本実施形態においては、アンチロッ
ク制御中、圧力制御弁60は第2状態、同一のブレーキ
系統に属する2個の増圧弁90はいずれも閉状態とされ
れば、同一のブレーキ系統に属する2個のブレーキシリ
ンダ20が同時に保圧される。この保圧状態にもかかわ
らず、ポンプ62が作動し続けられる結果、主通路48
および吐出通路114のうち圧力制御弁60と2個の増
圧弁90とポンプ62との間の部分の液圧がマスタシリ
ンダ14より高圧になる。また、このような保圧状態
が、同一のブレーキ系統に属する2個のブレーキシリン
ダ20間に液圧差が存在する状態で実現される場合があ
る。また、2個のブレーキシリンダ20をそのような保
圧状態から増圧状態に移行させるべく、それらブレーキ
シリンダ20に対応する2個の増圧弁90が共に閉状態
から開状態に切り換えられる場合がある。このような切
換えが、ポンプ62の吐出側にアキュムレータ120が
接続されていない態様で行われると、ポンプ62から吐
出された作動液が2個のブレーキシリンダ20のうち低
圧側のものに優先的に吐出され、その結果、ポンプ62
の吐出圧が低下する。その低下量が多いと、高圧側のブ
レーキシリンダ20から、そのブレーキシリンダ20に
対応する増圧弁90とその増圧弁90をバイパスする逆
止弁94との双方を経て、ポンプ62および低圧側のブ
レーキシリンダ20へ向かう作動液の流れが生起され、
その結果、高圧側のブレーキシリンダ20が予定に反し
て減圧されてしまう。
【0056】なお、2個の増圧弁90について同時期に
増圧要求が決定された場合に、それら2個の増圧弁90
を共に閉状態から開状態に切り換えるのではなく、高圧
側のブレーキシリンダ20に対応する増圧弁90を他方
の増圧弁90より遅い時期に切り換える対策が考えられ
る。この対策を講じれば、ポンプ62が低圧側のブレー
キシリンダ20に連通させられることに伴う作動液の、
高圧側のブレーキシリンダ20からポンプ62へ向かう
流れが、高圧側の増圧弁90が開かれないうちは、その
増圧弁90を経ては行われなくなる。しかし、逆止弁9
4を経た作動液の流れは阻止できないため、この対策を
講じても、高圧側のブレーキシリンダ20の増圧不足に
対して十分な効果が得られない場合がある。
【0057】これに対して、本実施形態においては、ポ
ンプ62の吐出側にアキュムレータ120が接続されて
おり、それにより、低圧側のブレーキシリンダ20とポ
ンプ62の吐出側とが互いに連通させられても、それに
よってポンプ62の吐出圧が低下する量が減少し、その
結果、高圧側のブレーキシリンダ20の減圧不足が回避
できる。
【0058】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、圧力制御弁60が「流通制御弁」の一例
を構成し、また、増圧弁90および減圧弁100が互い
に共同して「液圧制御弁」の一例を構成し、また、ブー
スタ圧力スイッチ204およびマスタシリンダ液圧セン
サ206(センサ部)と、ECU200のうち図6〜図
9のブレーキ効き特性制御ルーチンを実行する部分(制
御部)と、圧力制御弁60,ポンプ62およびポンプモ
ータ210(アクチュエータ部)とが互いに共同して
「増圧装置」の一例を構成し、また、4個の車輪速セン
サ208とECU200のうち図10のアンチロック制
御ルーチンを実行する部分とが互いに共同して「液圧制
御弁制御装置」の一例を構成し、ブースタ12が助勢限
界に到達することが「第1条件」の一例であり、ブレー
キ操作時に各輪にロック傾向が生じることが「第2条
件」の一例であり、アキュムレータ120が「蓄圧装
置」の一例を構成しているのである。
【0059】図15には、別の実施形態が示されてい
る。以下、本実施形態を説明するが、機械的構成のみが
先の実施形態と異なり、しかも、一部においてのみ機械
的構成が異なるため、その異なる部分のみを詳細に説明
し、共通の部分については同一の符号を使用することに
よって詳細な説明を省略する。
【0060】先の実施形態においては、図1に示すよう
に、圧力制御弁60の開状態でブレーキ操作が行われる
と、マスタシリンダ14から排出された作動液がブレー
キシリンダ20のみならずアキュムレータ120にも供
給されてしまい、ブレーキペダル10の操作ストローク
が増加する。
【0061】そこで、本実施形態においては、吐出通路
114のうち主通路48の接続点とアキュムレータ12
0との間の部分に、マスタシリンダ14からアキュムレ
ータ120への作動液の流れは阻止し、その逆向きの流
れは許容する逆止弁300が設けられている。この逆止
弁300により、マスタシリンダ14からアキュムレー
タ120へ向かう作動液の流れが阻止され、よって、ブ
レーキ操作中に作動液がアキュムレータ120によって
消費されずに済み、操作ストロークの増加が防止され
る。
【0062】図16には、さらに別の実施形態が示され
ている。以下、本実施形態を説明するが、図15の実施
形態と共通する部分が多いため、異なる部分についての
み説明する。
【0063】図15の実施形態においては、吐出通路1
14に吐出弁118と逆止弁300とが直列に設けられ
るとともに、吐出通路114のうち吐出弁118と逆止
弁300との間の部分にアキュムレータ120が接続さ
れているが、本実施形態においては、吐出通路114の
うちポンプ62との接続点と吐出弁118との間の部分
にアキュムレータ120が接続されており、先の実施形
態における逆止弁300に相当するものは存在しない。
したがって、本実施形態によれば、図1の実施形態に対
して新たな部品を追加することなく、操作ストロークの
増加を防止できる。
【0064】なお付言すれば、以上説明した実施形態は
いずれも、ダイヤゴナル2系統式のブレーキ装置とされ
ているが、前後2系統式のブレーキ装置とすることが可
能である。左右前輪用の2個のブレーキシリンダにより
第1ブレーキ系統を構成し、左右後輪用の2個のブレー
キシリンダにより第2ブレーキ系統を構成し、各ブレー
キ系統にポンプをそれぞれ設けたブレーキ装置とするこ
とが可能なのである。
【0065】さらに付言すれば、以上説明した実施形態
はいずれも、効き特性制御中、ブレーキシリンダ20と
マスタシリンダ14との差圧ΔPが圧力制御弁60によ
り変化させられるようになっているが、圧力制御弁60
を、それの流通制御状態が差圧ΔPに応じて変化せず、
ソレノイド74のON/OFF状態に応じて単純に閉状
態と開状態とに切り換わる形式とした上で、リリーフ弁
86により差圧ΔPを制御することができる。ただし、
この場合には、差圧ΔPが一定に制御されることにな
る。
【0066】以上、本発明のいくつかの実施形態を図面
に基づいて詳細に説明したが、それらの他にも、特許請
求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて
種々の変形,改良を施した形態で本発明を実施すること
ができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ装置を示す
系統図である。
【図2】図1における圧力制御弁60の構造および作動
を説明するための正面断面図である。
【図3】上記圧力制御弁60におけるソレノイド励磁電
流Iとソレノイド吸引力F1 との関係を示すグラフであ
る。
【図4】図1におけるアキュムレータを拡大して示す断
面図である。
【図5】上記ブレーキ装置の電気的構成を示すブロック
図である。
【図6】図5におけるECU200のコンピュータのR
OMに記憶されているブレーキ効き特性制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図7】図6におけるS4の詳細を終了処理ルーチンと
して示すフローチャートである。
【図8】図6におけるS5の詳細を増圧制御ルーチンと
して示すフローチャートである。
【図9】図8におけるS54の詳細を流入制御弁制御ル
ーチンとして示すフローチャートである。
【図10】上記ROMに記憶されているアンチロック制
御ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】バキュームブースタを備えた一般的なブレー
キ装置における操作力Fとブレーキシリンダ液圧PB
の関係を示すグラフである。
【図12】上記実施形態であるブレーキ装置における効
き特性制御の原理を説明するためのグラフである。
【図13】上記実施形態における、マスタシリンダ液圧
M と、そのマスタシリンダ液圧PM とブレーキシリン
ダ液圧PB との差圧ΔPとの関係を示すグラフである。
【図14】上記実施形態における、マスタシリンダ液圧
M の基準値PM0からの増分IP M と目標差圧ΔPとの
関係を示すグラフである。
【図15】本発明の別の実施形態であるブレーキ装置を
示す系統図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキ
装置を示す系統図である。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 12 バキュームブースタ 14 マスタシリンダ 20 ブレーキシリンダ 48 主通路 60 圧力制御弁 62 ポンプ 90 増圧弁 100 減圧弁 120 アキュムレータ 200 ECU 204 ブースタ圧力スイッチ 206 マスタシリンダ液圧センサ 208 車輪速センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転者により操作されるブレーキ操作部材
    と、 そのブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧を発生させ
    るマスタシリンダと、 そのマスタシリンダと液通路により接続され、その液通
    路から供給される液圧によって作動するブレーキシリン
    ダを有し、車輪の回転を抑制するブレーキと、 ブレーキ操作時に、前記液通路に設けられた流通制御弁
    により少なくとも前記ブレーキシリンダから前記マスタ
    シリンダへ向かう作動液の流れを阻止した状態でポンプ
    により作動液をマスタシリンダから間欠的に吸入してブ
    レーキシリンダに向かって間欠的に吐出することによ
    り、ブレーキシリンダの液圧をマスタシリンダの液圧よ
    り増圧する増圧装置であって、前記液通路のうち流通制
    御弁とブレーキシリンダとの間の部分とその液通路とポ
    ンプの吐出側とを互いに接続する吐出通路とのいずれか
    に、作動液を蓄液室に圧力下に蓄積する蓄圧装置が接続
    された増圧装置とを含むことを特徴とするブレーキ装
    置。
  2. 【請求項2】さらに、前記ブレーキ操作部材の操作力を
    助勢して前記マスタシリンダに出力するブースタを含
    み、前記増圧装置が、前記ブースタが助勢限界に到達し
    た後に前記増圧を開始するものである請求項1に記載の
    ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記流通制御弁が、前記液通路においてそ
    の流通制御弁より前記ブレーキシリンダの側の液圧が前
    記マスタシリンダの側の液圧より高いがその差圧が目標
    差圧以下であれば、前記ポンプからマスタシリンダへ向
    かう作動液の流れを阻止する一方、ブレーキシリンダの
    側の液圧がマスタシリンダの側の液圧より高くかつその
    差圧が目標差圧より大きくなろうとすれば、ポンプから
    マスタシリンダへ向かう作動液の流れを許容することに
    より、ブレーキシリンダの側の液圧をマスタシリンダの
    側の液圧より高くかつその差圧が目標差圧となるように
    制御する圧力制御弁を含む請求項1または2に記載のブ
    レーキ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001206207A (ja) * 1999-12-30 2001-07-31 Robert Bosch Gmbh ハイドロリック式の車両ブレーキ装置
JP2015110361A (ja) * 2013-12-06 2015-06-18 本田技研工業株式会社 車両のブレーキ装置

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JP2001206207A (ja) * 1999-12-30 2001-07-31 Robert Bosch Gmbh ハイドロリック式の車両ブレーキ装置
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