JPH1148828A - 車両周辺監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】車間距離警報装置やコーナセンサなどの障害物
警報装置を搭載した車両の周辺監視装置に関し、表示位
置を複数設けることにより警報箇所に対応させたヘッド
アップディスプレイ表示を可能にする。 【解決手段】車両走行状態に応じて警報の優先度を決定
し、このうちの最優先の警報を発する障害物警報装置に
対応したカメラの出力動画像を選択し且つこのカメラの
出力動画像をその最優先のカメラ動画像を車両所定位置
に選択表示するように切り替えてヘッドアップディスプ
レイ表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】本発明は車両周辺監視装置に
関し、特に車間距離警報装置やコーナセンサなどの障害
物警報装置を搭載した車両の周辺監視装置に関するもの
である。

【０００１】

【従来の技術】図６は従来から一般的に知られている車
両周辺監視装置を概略的に示したもので、一台の車両に
おいて、障害物警報装置として、車間距離警報装置等で
構成された前方障害物警報装置３１とｎ個のコーナセン
サ３３を搭載し、さらにバックアイカメラ３５を搭載し
ている。

【０００２】前方障害物警報装置３１は車間距離及び相
対速度を検知して表示器３２に与える。また、コーナセ
ンサ３３は危険な車両位置を表示器３４に表示させるよ
うにしている。また、バックアイカメラ３５は車両の後
方画像をモニタ３６に表示するようにしている。

【０００３】このような車両周辺監視装置では、表示器
３２と３４及びモニタ３６がそれぞれ独立しており、こ
の結果、ドライバとのインタフェースが複数に分かれ、
それぞれの表示器３２，３４又はモニタ３６が警報音や
バー表示などにより危険状況を知らせているため、警報
が発生した時、どの車両箇所に対する警報なのかドライ
バが判別し難いという欠点があった。

【０００４】そこで、特開平６−２５５３９６号公報に
おいては、車両周辺の状況に応じて表示情報の内容、表
示状態を変更することにより車両の安全走行にとって最
も必要な情報をヘッドアップディスプレイ（以下、ＨＵ
Ｄと略称することがある）として表示するようにしてい
る。

【０００５】すなわち、例えば前方車両が近くに存在す
るときには、ドライバがこれを容易に視認できるように
するため、リフレクタを制御し、対応した表示像がヘッ
ドアップディスプレイ装置によりフロントガラスの下部
に投影されるようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記の特開平６−２５
５３９６号公報においては、表示内容がシンボルや車間
距離というようなデータのみであり、ドライバに臨場感
の高い情報を提供することができない。

【０００７】また、この従来例の場合には警報箇所に対
応した位置にヘッドアップディスプレイ装置による表示
を行うようにしているが、フロントウィンドウのかなり
広い範囲をコンバイナにする必要があり、保安基準を満
たすためには表示輝度の確保が難しいという課題があ
る。

【０００８】ここで、コンバイナとは、現在の市販品で
いえば、フロントガラスに張ってあるフィルム状のもの
に相当し、情報データが表示されるフロントウィンドウ
上の場所を示している。

【０００９】同一の表示器（ヘッドアップディスプレイ
装置）を使用した場合、表示輝度を上げるにはコンバイ
ナの反射率を上げざるを得ない。しかしコンバイナには
反射率＋透過率＝１００％の関係があるため、保安基準
で決まっているフロントウィンドウの透過率をクリアす
るためには、反射率をかなり押さえる必要がある。

【００１０】このため、現行の保安基準では、ＨＵＤ表
示が視認できる反射率をフロントウィンドウの広い範囲
において確保する事は極めて難しい。

【００１１】また、ヘッドアップディスプレイ装置は原
理的に反射・入射角度の制約条件が厳しいため、レンズ
や反射鏡（リフレクタ）等を駆動させてその位置を変え
ることは該制約条件を満たすことが困難となってしま
う。

【００１２】従って本発明は、表示位置を複数設けるこ
とにより警報箇所に対応させたヘッドアップディスプレ
イ表示が可能な車両周辺監視装置を実現することを目的
とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る車両周辺監視装置は、複数の障害物警
報装置と、各障害物警報装置に付設され、該障害物警報
装置の警報対象範囲の動画像を撮影する複数のカメラ
と、複数のヘッドアップディスプレイ装置と、車両走行
状態を検出する車両走行状態検出装置と、該車両走行状
態に応じて障害物警報の優先度を決定する警報優先度決
定装置と、該警報優先度決定装置で決定された優先度の
最も高い障害物警報を行う障害物警報装置に付設された
カメラの出力動画像を選択する第１の切替スイッチと、
該第１の切替スイッチに接続された第２の切替スイッチ
と、該警報優先度決定装置で決定された優先度に基づき
該第１の切替スイッチの出力動画像を対応する車両所定
位置に表示するように該第２の切替スイッチを切り替え
て該ヘッドアップディスプレイ装置に与える表示位置決
定装置と、を備えたことを特徴としている。

【００１４】すなわち、本発明においては、車両走行状
態検出装置によって車両走行状態を検出し、この検出さ
れた車両走行状態に応じて警報優先度決定装置が警報の
優先度を決定する。

【００１５】一方、第１の切替スイッチには複数のカメ
ラからの出力動画像が入力されており、この第１の切替
スイッチは警報優先度決定装置で決定された優先度の
内、最優先のものに基づいてカメラの出力動画像を選択
する。すなわち、、各カメラは複数の障害物警報装置に
付属して設けられているため、警報優先度決定装置で決
定された最優先の警報を発する障害物警報装置に対応し
たカメラの出力動画像のみが選択されて出力されること
になる。

【００１６】第１の切替スイッチから出力されたカメラ
の出力動画像は第２の切替スイッチに送られる。

【００１７】警報優先度決定装置で決定された優先度は
表示位置決定装置にも与えられ、この表示位置決定装置
において第２の切替スイッチを切替制御することにより
第１の切替スイッチから出力された動画像を、対応した
車両の所定位置に選択的に表示するようにヘッドアップ
ディスプレイ装置に与えている。

【００１８】このようにして、ドライバがどこの何に対
する警報なのかをヘッドアップディスプレイ装置により
判別し易くし、危険回避をより早く行うことを可能にし
ている。

【００１９】なお、上記のカメラの個数とヘッドアップ
ディスプレイ装置の個数とは異なったものとすることが
好ましい。

【００２０】また、障害物警報装置としては、前方障害
物警報装置、左右後側方警報装置、後方警報装置及び左
右前後コーナセンサを含むことができる。

【００２１】さらに、車両走行状態検出装置としては、
車速センサ、操舵角センサ、ウィンカ、及びバックギア
を含むことができる。

【００２２】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る車両周辺監視
装置における障害物警報装置とカメラの設置位置を概略
的に示した平面図である。

【００２３】すなわち、車両１０におけるキャブ１０Ａ
の前部中央には、（図２にも示す如く）前方撮影用カメ
ラ１Ａと前方障害物警報装置１Ｂとが設けられている。
また、キャブ１０Ａと荷物搭載部１０Ｂとの連結部分に
は、右側方撮影用カメラ２Ａと右側方警報装置２Ｂ並び
に左側方撮影用カメラ３Ａと左側方警報装置３Ｂとが設
けられている。

【００２４】荷物搭載部１０Ｂの後部中央には、後方撮
影用カメラ４Ａと後方警報装置４Ｂとが設けられてい
る。また、キャブ１０Ａの前部両側においては、左前撮
影用カメラ５Ａと左前コーナセンサ５Ｂ並びに右前撮影
用カメラ６Ａと右前コーナセンサ６Ｂとが設けられてい
る。さらに、荷物搭載部１０Ｂの後部両側には、右後方
撮影用カメラ７Ａと右後コーナセンサ７Ｂ並びに左後方
撮影用カメラ８Ａと左後コーナセンサ８Ｂとが設けられ
ている。

【００２５】なお、図においては、警報装置１Ｂ〜４Ｂ
についてそれぞれ警報検知範囲〜として示してある
が、コーナセンサ５Ｂ〜８Ｂも同様に警報装置を構成し
ている。

【００２６】図２は、図１に示したカメラ１Ａ〜８Ａと
警報装置１Ｂ〜８Ｂが接続される装置実施例を示してい
る。

【００２７】すなわち、カメラ１Ａ〜８Ａは第１の切替
スイッチとしてのカメラ切替スイッチ１１に接続されて
おり、このカメラ切替スイッチ１１は第２の切替スイッ
チとしてのヘッドアップディスプレイ装置（ＨＵＤ）切
替スイッチ１２に接続されている。

【００２８】ＨＵＤ切替スイッチ１２はこの例では６個
のＨＵＤ１３〜１３Ｆから成る表示器１３に接続されて
いる。

【００２９】一方、警報装置１Ｂ〜８Ｂは警報優先度決
定装置１４に接続されており、この警報優先度決定装置
１４は警報の優先度を示す制御信号をカメラ切替スイッ
チ１１と表示位置決定装置１５とに与えている。

【００３０】表示位置決定装置１５は警報優先度決定装
置１４からの制御信号（優先度）を受けてＨＵＤ切替ス
イッチ１２を切り替えるように接続されている。なお、
優先度決定装置１４と表示位置決定装置１５との組合せ
はＣＰＵ１６で構成することができる。

【００３１】また、警報優先度決定装置１４は車両走行
状態判定装置１７で判定された判定結果を入力してい
る。なお、この車両走行状態判定装置としては、車速セ
ンサ、操蛇角センサ、ウインカスイッチ、バックギヤス
イッチなどを用いることができる。

【００３２】図３は図２に示した表示器（ヘッドアップ
ディスプレイ装置）１３の概略構成を示したもので、車
両１０のキャブ１０Ａの上部において表示器１３が取り
付けられており、この表示器１３から車両のフロントウ
ィンドウ２０に対して画像を投影することによりドライ
バ２１はフロントウィンドウ２０の所定位置において画
像を目視することができる。

【００３３】図４は、この時のフロントウィンドウ２０
における表示器１３の画像位置を示したものである。図
示のように、フロントウィンドウ２０の右側部分におい
て、その上部の３か所に図の右からカメラ５Ａ，４Ａ，
６Ａの動画像がこの順に写し出されるようになってお
り、下部においては右側からカメラ２Ａ，１Ａ，３Ａの
動画像が写し出されるようになっている。

【００３４】また、カメラ７Ａの画像はカメラ２Ａの画
像と同一箇所に表示され、カメラ８Ａの画像はカメラ３
Ａの画像と同一箇所に出力されるようになっている。こ
れらの各画像は上述したＨＵＤ切替スイッチ１２によっ
て切替表示されるようになっている。

【００３５】図５は、図２に示したＣＰＵ１６によって
実行される警報優先度決定及び表示位置決定のアルゴリ
ズムを示したものであり、以下、このフローチャートを
参照して上記の実施例の動作を説明する。

【００３６】まず、ＣＰＵ１６における警報優先度決定
装置１４は車両走行状態判定装置１７から自車両の走行
データを取り込み（図５（１）のステップＳ１）、また
警報装置１Ｂ〜４Ｂ並びにセンサ５Ｂ〜８Ｂからの警報
装置データを取り込む（ステップＳ２）。

【００３７】そして、これらの警報装置１Ｂ〜４Ｂ及び
センサ５Ｂ〜８Ｂの出力信号から警報が発生しているか
否かを判定し（ステップＳ３）、警報が発生していない
場合にはステップＳ１に戻るが、警報が発生している時
にはこの警報が複数発生しているか否かを判定する（ス
テップＳ４）。

【００３８】この結果、警報が複数発生していることが
わかった時には、警報の優先度を決定する（ステップＳ
５）。

【００３９】この警報優先度決定のアルゴリズムは同図
（２）に具体的に示されている。すなわち、車両走行状
態判定装置１７から入力した信号により自車速度を算出
し（ステップＳ５１）、自車両の信号（例えば操舵角検
出信号、方向指示検出信号、後退検出信号等）を確認し
た後（ステップＳ５２）、自車両状態を判定する（ステ
ップＳ５３）。

【００４０】そして、下記の表１に示すような優先度マ
ップを選択し（ステップＳ５４）、最優先警報を選択す
る（ステップＳ５５）。

【００４１】

【表１】

【００４２】すなわち、この表１に示すように例えば自
車両の走行状態が高速で且つ直進状態にあると判定され
た時には前方障害物警報装置による警報を最優先とし、
後方警報装置による警報をその次の優先度に設定する。
なお、必要な警報は最優先のもののみである。

【００４３】また、高速で且つ右車線変更の走行状態の
場合には右側方警報装置による警報を最優先とし前方障
害物警報装置による警報を次の優先度に設定し、さらに
右後コーナセンサによる警報は三番目の優先度に設定さ
れている。

【００４４】さらには低速で後退状態にあれば、後方警
報装置による警報を最優先とし、右後または左後コーナ
センサによる警報をその次の優先度に設定している。

【００４５】このように警報優先度を決定した後、更
に、表示器１３の表示位置を決定する（ステップＳ
６）。なお、このステップＳ６はステップＳ４において
警報が単一であった場合にも実行される。

【００４６】このＨＵＤ表示位置決定のアルゴリズムが
同図（３）に示されており、ステップＳ５で決定された
最優先の警報を確認した後（ステップＳ６１）、表示カ
メラを選択する（ステップＳ６１）。

【００４７】すなわち、上記の表１において例えば走行
状態が高速で且つ直進状態である場合には前方障害物警
報装置１Ｂによる警報が最優先として決定されているの
で、図４に示した前方撮影用カメラ１Ａの部分において
ＨＵＤ表示が行われることとなる。

【００４８】このようにしてＨＵＤ表示位置を決定した
後、ＨＵＤ表示を行い（ステップＳ７）、警報を発生す
る（ステップＳ８）。

【００４９】なお、ＨＵＤ表示にはカメラで撮影した動
画像の他、障害物までの距離などのデータを同時に表示
することも可能である。

【００５０】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る車両周
辺監視装置によれば、車両走行状態に応じて警報の優先
度を決定し、このうちの最優先の警報を発する障害物警
報装置に対応したカメラの出力動画像を選択し且つこの
カメラの出力動画像をその最優先のカメラ動画像を車両
所定位置に選択表示するように切り替えてヘッドアップ
ディスプレイ表示を行うように構成したので、ドライバ
は瞬時に警報内容を把握することが可能となり、危険回
避行動への反応時間が短くなり適切な対応が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車両周辺監視装置における障害物
警報装置とカメラの車両位置を示した平面図である。

【図２】本発明に係る車両周辺監視装置の制御系統を示
したブロック図である。

【図３】本発明に係る車両周辺監視装置に用いられる表
示器（ヘッドアップディスプレイ装置）の車両搭載例を
示した側面図である。

【図４】本発明に係る車両周辺監視装置における表示器
（ヘッドアップディスプレイ装置）で表示されるカメラ
画像のフロントウィンドウ上の位置を示した図である。

【図５】本発明に係る車両周辺監視装置の動作実施例を
示したフローチャート図である。

【図６】従来例の一般的な構成例を示したブロック図で
ある。

【符号の説明】

１Ａ 前方撮影用カメラ １Ｂ 前方障害物警報装置 ２Ａ 右側方撮影用カメラ ２Ｂ 右側方警報装置 ３Ａ 左側方撮影用カメラ ３Ｂ 左側方警報装置 ４Ａ 後方撮影用カメラ ４Ｂ 後方警報装置 ５Ａ 左前撮影用カメラ ５Ｂ 左前コーナセンサ ６Ａ 右前撮影用カメラ ６Ｂ 右前コーナセンサ ７Ａ 右後方撮影用カメラ ７Ｂ 右後コーナセンサ ８Ａ 左後方撮影用カメラ ８Ｂ 左後コーナセンサ １０ 車両 １０Ａ キャブ １０Ｂ 荷物搭載部 １１ カメラ切替スイッチ １２ ＨＵＤ切替スイッチ １３，１３Ａ〜１３Ｆ 表示器／ヘッドアップディスプ
レイ装置 １４ 警報優先度決定装置 １５ 表示位置決定装置 １６ ＣＰＵ １７ 車両走行状態判定装置 ２０ フロントウィンドウ 〜 警報装置の警報検知範囲 図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の障害物警報装置と、 各障害物警報装置に付設され、該障害物警報装置の警報
   対象範囲の動画像を撮影する複数のカメラと、 複数のヘッドアップディスプレイ装置と、 車両走行状態を検出する車両走行状態検出装置と、 該車両走行状態に応じて障害物警報の優先度を決定する
   警報優先度決定装置と、 該警報優先度決定装置で決定された優先度の最も高い障
   害物警報を行う障害物警報装置に付設されたカメラの出
   力動画像を選択する第１の切替スイッチと、 該第１の切替スイッチに接続された第２の切替スイッチ
   と、 該警報優先度決定装置で決定された優先度に基づき該第
   １の切替スイッチの出力動画像を対応する車両所定位置
   に表示するように該第２の切替スイッチを切り替えて該
   ヘッドアップディスプレイ装置に与える表示位置決定装
   置と、 を備えたことを特徴とする車両周辺監視装置。
2. 【請求項２】請求項１において、 該カメラの個数と該ヘッドアップディスプレイ装置の個
   数とが異なっていることを特徴とした車両周辺監視装
   置。
3. 【請求項３】請求項１又２において、 該障害物警報装置が、前方障害物警報装置、左右後側方
   警報装置、後方警報装置及び左右前後コーナセンサを含
   むことを特徴とした車両周辺監視装置。
4. 【請求項４】請求項１乃至３のいずれかにおいて、 該車両走行状態検出装置が、車速センサ、操舵角セン
   サ、ウィンカ、及びバックギアを含むことを特徴とした
   車両周辺監視装置。