JPH1148103A - 生産計画作成方法及びその装置 - Google Patents

生産計画作成方法及びその装置

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JPH1148103A
JPH1148103A JP21622897A JP21622897A JPH1148103A JP H1148103 A JPH1148103 A JP H1148103A JP 21622897 A JP21622897 A JP 21622897A JP 21622897 A JP21622897 A JP 21622897A JP H1148103 A JPH1148103 A JP H1148103A
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知美 大森
Toshiharu Iwatani
敏治 岩谷
Eiji Koizumi
英司 小泉
Mutsuro Yoshinaga
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  • Multi-Process Working Machines And Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 短時間で自動的に生産計画を作成することが
でき,手動による生産計画の微調整が可能で,更に段取
り替えをできるだけ低減しうる生産計画作成方法及びそ
の装置を提供する。 【解決手段】 受注データ(処理対象)を各処理機械に
振り分ける振り分け部1と,振り分け結果を変更する変
更部2と,上記振り分け結果に基づいて各処理機械毎に
受注データをロットに纏めるロット編成部3とで生産計
画作成装置を構成する。1回目の処理では,各処理機械
毎の処理可能範囲を重複しないように制限し,受注デー
タを振り分け,ロット編成する。1回目で低効率のロッ
トにしか纏められなかった受注データは,2回目の処理
に回され、上記処理可能範囲が緩和され,所定の処理機
械の優先順序に基づいて振り分けが行われ,ロット編成
される。ここでも低効率のロットにしか纏められなかっ
た受注データは,3回目の処理に回され,上記処理機械
の優先順序を変更しながら処理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えば製管の製造
プロセスのように,処理対象を纏めてロット単位で処理
する処理手段を複数有する生産工程での,生産計画を作
成する生産計画作成方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】処理対象を纏めてロット単位で処理する
複数の処理機械により並列的に処理を行う生産工程にお
いては,全処理対象が各処理機械に振り分けられ,各処
理機械に振り分けられた処理対象が所定のロット編成条
件に基づいてロットに編成され,該ロット単位で処理が
行われる。このような生産工程においては,どの処理機
械にどの処理対象を振り分け,どのようなロット編成で
処理するかを定める生産計画の作成は,生産の効率化,
材料の無駄の低減などの面から非常に重要である。例え
ば,上記のような生産工程においては,各処理機械の処
理できる製品の条件範囲(処理可能範囲とする)が互い
に重なり部分を有することが通常であるが,段取り替え
をできるだけ低減して処理効率を上げるためには,製品
と処理機械とが1対1に対応するように,便宜上各処理
機械の上記処理可能範囲を互いに重ならないように設定
することが望ましい。ところが,このように段取り替え
の低減だけを優先して処理対象を振り分けると,ロット
編成時の自由度が小さくなるため,目標とする条件を満
足しないロットが多くできてしまい,材料の無駄が多く
なってしまう。例えば,製管の製造プロセスの場合,1
ロットの目標重量を1500kgとすると,合計重量が
800kgのロットで処理すると,700kgの材料を
無駄にしてしまうことになる。このような複雑な条件を
考慮して行わなければならない生産計画の作成が,従来
は熟練オペレータによって人手で行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが,熟練オペレ
ータといえども上述のような複雑な条件を考慮して最適
な生産計画を作成することは難しく,また,最適化を追
求すればするほど多大な時間を要していた。そこで,こ
のような問題を解決するため,例えば,上記全ての条件
を考慮して,処理対象の振り分けとロット編成の最適化
を一度に行うような最適化システムを構築することが考
えられる。ところが,このような最適化システムでは,
上述のような各処理機械同士の処理可能範囲の重なり条
件やロット編成条件といった全ての条件を同時に考慮し
た上で最適解を求めなければならないため,問題規模が
大きくなれば計算時間が膨大となり,実用的とは言えな
い。また,上記処理機械の処理能力の変更など,処理条
件は途中で変更になることが多いが,上記のような最適
化システムでは,そのような場合には最初から計画を作
成し直さなければならず,人手で振り分け条件のみを微
調整し,ロット編成だけをやり直すといったことができ
ない。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,
その目的とするところは,短時間で自動的に生産計画を
作成することができ,手動による生産計画の微調整が可
能な生産計画作成方法及びその装置を提供することであ
る。更には,段取り替えをできるだけ低減したうえで,
材料の無駄などが多い低効率的のロットの数を最小限に
抑えることが可能な生産計画作成方法及びその装置を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の方法は,処理対象を纏めてロット単位で処理
する処理手段を複数有する生産工程の生産計画を作成す
る生産計画作成方法において,上記各処理手段への処理
対象の振り分けを自動的に行う振り分け工程と,上記振
り分け工程終了後,各処理手段毎に上記処理対象を所定
のロット編成規則に従って自動的にロットに編成するロ
ット編成工程とを具備してなることを特徴とする生産計
画作成方法として構成されている。また,上記振り分け
工程と上記ロット編成工程との間に,上記振り分け工程
での振り分け結果を変更する振り分け結果変更工程を具
備することもできる。また,上記各処理手段で処理でき
る処理対象の条件範囲が互いに重複部分を有する場合に
は,上記振り分け工程において,所定の振り分け規則,
例えば各処理手段への振り分け優先順序に従って処理対
象の振り分けを行うようにしてもよい。また,上記振り
分け工程と上記ロット編成工程とを繰り返し行う繰り返
し工程を具備し,上記繰り返し工程において,繰り返し
毎に上記条件範囲及び/若しくは上記所定の振り分け規
則を変化させることにより,ロット編成により低効率の
ロットができてしまった場合でも,新たにロット編成を
やり直すことができ,低効率のロットの数を最小化する
ことができる。その場合,例えば上記繰り返し工程にお
いて,初回の振り分け工程では上記条件範囲を互いに重
複しないように制限し,2回目以降の振り分け工程では
上記処理対象の条件範囲の制限を緩和するようにすれ
ば,段取り替えをなるべく少なくするようなロット編成
ができる。
【0005】更にその場合,2回目以降の振り分け工程
では,上記処理対象の条件範囲を固定して,繰り返し毎
に振り分け優先順序を変更するようにしてもよい。ま
た,上記繰り返し工程において,2回目以降の工程では
前回のロット編成工程において所定の条件を満たさなか
った処理対象のみを対象とすれば,計算時間を更に短縮
できる。尚,上記生産計画作成装置を適用できる生産工
程としては,例えば製管の製造プロセスが考えられる。
また,上記目的を達成するために本発明の装置は,処理
対象を纏めてロット単位で処理する処理手段を複数有す
る生産工程の生産計画を作成する生産計画作成装置にお
いて,上記各処理手段への処理対象の振り分けを自動的
に行う振り分け手段と,上記振り分け手段による振り分
け処理の終了後,各処理手段毎に上記処理対象を所定の
ロット編成規則に従って自動的にロットに編成するロッ
ト編成手段とを具備してなることを特徴とする生産計画
作成装置として構成されている。更に,上記各処理手段
で処理できる処理対象の条件範囲が互いに重複部分を有
し,上記振り分け手段と上記ロット編成手段とによる処
理を繰り返し行う繰り返し手段を具備し,上記繰り返し
手段による初回の振り分け手段の処理では上記各処理手
段で処理できる処理対象の条件範囲を互いに重複しない
ように制限し,2回目の振り分け手段の処理では上記処
理対象の条件範囲の制限を緩和すると共に,適宜の処理
手段への振り分け優先順序に基づいて振り分け,更に2
回目以降の繰り返し時には前回のロット編成手段の処理
において所定の条件を満たさなかった処理対象のみを対
象として処理するように構成することもできる。
【0006】
【作用】本発明に係る生産計画作成装置によれば,ま
ず,振り分け手段により各処理手段への処理対象の振り
分けが自動的に行われ,上記振り分け手段による振り分
け処理の終了後,ロット編成手段により各処理手段毎に
上記処理対象が所定のロット編成規則に従って自動的に
ロットに編成される。このように,振り分け処理とロッ
ト編成処理とが分割されて段階的に処理が行われるた
め,計算量が少なく短時間で処理できる。また,上記振
り分け手段と上記ロット編成手段の処理の間で,必要に
応じて振り分け結果を手動にて変更できるようにすれ
ば,処理手段の処理能力の変更など,途中で処理条件が
変更になった場合などの振り分けの微調整が容易に行え
る。また,上記各処理手段で処理できる処理対象の条件
範囲が互いに重複部分を有する場合には,上記振り分け
手段において,所定の振り分け規則,例えば各処理手段
への振り分け優先順序に従って処理対象が各処理手段に
振り分けられる。その場合,上記振り分け手段と上記ロ
ット編成手段による処理を繰り返し行い,繰り返し毎に
上記条件範囲及び/若しくは上記所定の振り分け規則を
変化させることにより,ロット編成により低効率のロッ
トができてしまった場合でも,新たにロット編成をやり
直すことができ,低効率のロットの数を最小化すること
ができる。例えば,初回の振り分け手段による処理では
上記条件範囲を互いに重複しないように制限し,2回目
以降は上記処理対象の条件範囲の制限を緩和するように
すれば,段取り替えをなるべく少なくするようなロット
編成ができる。更にその場合,2回目以降の振り分け手
段による処理では,上記処理対象の条件範囲を固定し
て,繰り返し毎に振り分け優先順序を変更するようにし
てもよい。更に上記2回目以降の繰り返し時には前回の
ロット編成において所定の条件を満たさなかった処理対
象のみを対象とすれば,計算時間が更に短縮される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を
具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定す
る性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の
形態に係る生産計画作成装置A1の概略構成を示すブロ
ック図,図2は本発明の実施の形態に係る生産計画作成
方法の処理手順を示すフローチャート,図3は受注デー
タの一例(P1〜P30)を示す図,図4は上記受注デ
ータP1〜P30を,所定の処理条件範囲に基づいて仕
上げ機M1,M2に振り分け,更に所定のロット編成条
件に基づいてロット編成を行った状態(1回目の処理ル
ープの結果)を示す図,図5は上記1回目のロット編成
の結果,低効率のロットとなった受注データを,緩和さ
れた処理条件範囲及び所定の振り分け優先順序に基づい
て仕上げ機M1,M2に振り分け,更に所定のロット編
成条件に基づいてロット編成を行った状態(2回目の処
理ループの結果)を示す図,図6は仕上げ機の振り分け
優先順序の変更方法の一例を示す図である。本実施の形
態では,製管の製造プロセスの仕上げ工程を対象とする
生産計画作成方法及びその装置の例について説明する。
上記製管製造プロセスの仕上げ工程において,処理手段
は並列的に複数設置された仕上げ機であり,処理対象は
製管である。上記各仕上げ機は処理可能な製管のサイズ
の範囲(処理可能範囲とする)が互いに重なり部分を有
しており,あるサイズの製管を処理できる仕上げ機が複
数存在する場合がある。また,各製管の外径,肉厚,及
び重量等のデータは受注データ(図3参照)に指示され
ている。
【0008】本実施の形態に係る生産計画作成装置A1
は,図1に示すように,受注データを各仕上げ機に振り
分ける振り分け部1(振り分け手段)と,該振り分け部
1で得られた振り分け結果を変更する変更部2(振り分
け結果変更手段)と,上記振り分け結果に基づいて各仕
上げ機毎に受注データをロットに纏めるロット編成部3
(ロット編成手段)とで構成されている 更に,上記振り分け部1は,処理可能範囲変更部4,振
り分け優先順序設定部5,及び振り分け処理部6により
構成されており,上記ロット編成部2は,ロット編成処
理部7,及び判断部8により構成されている。上記振り
分け部1では,上記処理可能範囲変更部4により,各仕
上げ機毎の上記処理可能範囲に任意に制限を加えること
ができる。例えば,各仕上げ機毎の処理可能範囲が全く
重なり部分を持たないようにすることができる。また,
各仕上げ機毎の処理可能範囲に重なり部分が存在するよ
うに設定された場合には,1つの受注データが複数の仕
上げ機に振り分け可能な場合があるため,上記振り分け
優先順序設定部5により,各仕上げ機の振り分け優先順
序が設定される。振り分け処理部6では,入力された全
受注データが,上記処理可能範囲変更部4により設定さ
れた処理可能範囲,及び上記振り分け優先順序設定部5
により設定された振り分け優先順序に基づいて各仕上げ
機に振り分けられる。上記変更部2では,上記振り分け
部1で得られた振り分け結果に対して,必要に応じて手
動にて変更が加えられる。例えば,各仕上げ機の処理能
力に変更があったような場合には,ここで振り分け結果
が微調整される。上記ロット編成部3では,上記ロット
編成処理部7により,上記振り分け部1で作成され必要
に応じて上記変更部2で変更された振り分け結果を用い
て,各仕上げ機毎の受注データが所定のロット編成ルー
ルに基づいてロット編成される。作成されたロット編成
は,上記判断部8によりチェックされ,例えば合計重量
が所定の下限値に満たないロットが存在する場合には,
全てのロット,若しくは上記下限値に満たないロットの
みが受注データにばらされ,上記振り分け部1に再度入
力される。
【0009】以上のように,振り分け部1とロット編成
部3とに分割して段階的に生産計画を作成するため,計
算量が少なく短時間で処理できると共に,上記変更部2
により途中で手動介入することも可能である。以上のよ
うな構成を有する生産計画作成装置A1による生産計画
作成方法の一例を,図2に示すフローチャートに従って
説明する。尚,実例として,図3に示す受注データP1
〜P30を,2台の仕上げ機M1,M2に振り分ける場
合を取り上げる。上記仕上げ機M1,M2の処理可能範
囲は,それぞれ, 「外径0.6〜0.9,且つ肉厚0.1〜0.21」 …(1) 「外径0.6〜1.0,且つ肉厚0.1〜0.3」 …(2) とする。まず,振り分け部1の処理可能範囲変更部4に
おいて,仕上げ機の処理可能範囲が互いに重複しないよ
うに設定される(ステップS1)。例えば,上記2台の
仕上げ機M1,M2の処理可能範囲がそれぞれ, 「外径0.6〜0.9且つ肉厚0.1,若しくは外径0.9且つ肉厚0.2」 …(3) 「外径0.6〜0.9且つ肉厚0.15〜0.2,若しくは外径0.9且つ肉厚 0.21」 …(4) に制限される。この場合,全ての受注データに対応する
仕上げ機は一意に決まるため,振り分け優先順序設定部
5では振り分け優先順序は特に設定されない。続いて,
振り分け処理部6において,上記処理可能範囲変更部4
で設定された処理可能範囲に基づいて,入力された全て
の受注データが各仕上げ機に振り分けられる(ステップ
S2)。例えば,図3に示す受注データP1〜P30
は,それぞれ図4に示すように2台の仕上げ機M1,M
2に振り分けられる。上記ステップS3の振り分け工程
が終了すると,変更部2により,必要に応じて振り分け
結果が人手にて変更される(ステップS3)。もちろん
この時,各仕上げ機の処理可能範囲は適宜緩和される。
続いて,ロット編成部3のロット編成処理部7におい
て,上記振り分け部1で作成され必要に応じて上記変更
部2で変更された振り分け結果を用いて,各仕上げ機毎
の受注データが所定のロット編成ルールに基づいてロッ
ト編成される(ステップS4)。例えば,上記仕上げ機
M1,M2におけるロット編成ルールを「同外径のもの
で合計重量が1500kg以下」とすると,上記仕上げ
機M1,M2に振り分けられた受注データP1〜P30
は,図4に示すように,ロットL11〜L15,及びロ
ットL21〜L25に纏められる。上記ロット編成処理
部7により得られたロット編成結果は,判断部8におい
て,上記ロット編成ルールは満たしているもののそのロ
ットのままで処理すると効率が悪いロット(低効率のロ
ット)が選択され,それらのロットを構成する受注デー
タが取り出される(ステップS5)。それ以外のロット
については,この時点でロット編成が確定される。例え
ば,図4の例では,合計重量が1200kgに満たない
ロットが低効率のロットと判断され,ロットL13〜L
15を構成する受注データP7〜P15,ロットL23
〜L25を構成する受注データP22〜P30が取り出
される。合計重量が1200kg以上となっているロッ
トL11,L12,L21,L22についてはこの時点
でロット編成が確定する。以上のステップS1〜S5
が,振り分け部1とロット編成部2による1回目の処理
ループである。この1回目の処理ループでは,上述のよ
うに仕上げ機の処理可能範囲が互いに重複しないように
設定され,それに基づいて振り分け処理が行われるた
め,その振り分け結果は最も段取り替えの少ないものと
なる。従って,上記1回目の処理ループでは,最も段取
り替えの少ない条件で最大限のロット編成が行われる。
また,ステップS2とステップS4とに分割して振り分
けとロット編成とを段階的に行うため,計算量が少なく
短時間で処理できると共に,上記ステップS3により途
中で手動介入することも可能である。上記ステップS5
において全てのロットが確定し,低効率のロットが存在
しない場合にはここで処理は終了する(ステップS
6)。低効率のロットが存在し,それらのロットを構成
していた受注データが取り出された場合には,それらの
受注データのみを用いて,以下のように振り分け部1と
ロット編成部2による2回目以降の処理(ステップS7
〜)を行う。
【0010】2回目の振り分け処理に先立って,振り分
け部1の処理可能範囲変更部4では,互いに重なり部分
がないように制限していた仕上げ機の処理可能範囲が緩
和される。また,処理可能範囲が緩和され,各仕上げ機
の間で処理可能範囲の重なりができると,1つの受注デ
ータが複数の仕上げ機に振り分け可能な状況が発生す
る。従って,上記振り分け優先順序設定部5により,各
仕上げ機の振り分け優先順序が設定される(ステップS
7)。例えば,上記仕上げ機M1,M2の処理可能範囲
は,制限を取り外してそれぞれ上記(1),(2)の範
囲に設定される。また,仕上げ機M1,M2の振り分け
優先順序は,仕上げ機M1→M2の順序に設定される。
続いて,振り分け処理部6において,上記処理可能範囲
変更部4で設定された処理可能範囲,及び上記振り分け
優先順序設定部5で設定された振り分け優先順序に基づ
いて,上記ステップS5で取り出された受注データ(低
効率のロットを構成していた受注データ)が各仕上げ機
に振り分けられる(ステップS8)。例えば,図4にお
いてロットL13〜L15を構成していた受注データP
7〜P15と,ロットL23〜L25を構成していた受
注データP22〜P30は,上記(1),(2)に示す
仕上げ機M1,M2の処理可能範囲と,仕上げ機M1→
M2の順序に設定された振り分け優先順序に基づいて振
り分けられ,その結果,図5に示すように上記全ての受
注データが仕上げ機1に振り分けられる。上記ステップ
S8の振り分け工程が終了すると,上記ステップS3と
同様,変更部2により,必要に応じて振り分け結果が人
手にて変更される(ステップS9)。続いて,ロット編
成部3のロット編成処理部7において,上記ステップS
4と同様,上記振り分け部1で作成され必要に応じて上
記変更部2で変更された振り分け結果を用いて,各仕上
げ機毎の受注データが所定のロット編成ルールに基づい
てロット編成される(ステップS10)。例えば,仕上
げ機M1に振り分けられた受注データは,図5に示すよ
うに,ロットL31〜L34に纏められる。続いて,判
断部8において,上記ステップS5と同様,上記ロット
編成処理部7により得られたロット編成結果から低効率
のロットが選択され,それらのロットを構成する受注デ
ータが取り出される(ステップS11)。それ以外のロ
ットについては,この時点でロット編成が確定される。
例えば,図5の例では,合計重量が1200kgに満た
ないロットL32,L33を構成する受注データP8,
P23が取り出される。合計重量が1200kg以上と
なっているロットL31,L34についてはこの時点で
ロット編成が確定する。以上のステップS7〜S11
が,振り分け部1とロット編成部2による2回目の処理
ループである。
【0011】上記ステップS11において全てのロット
が確定し,低効率のロットが存在しない場合にはここで
処理は終了する(ステップS12)。また,上記振り分
け優先順序設定部5で設定された振り分け優先順序を変
更しない場合,若しくは変更の余地が残されていない場
合にも,ここで処理は終了する(ステップS13)。低
効率のロットが存在し,それらのロットを構成していた
受注データが取り出され,且つ振り分け優先順序の変更
が可能な場合には,残された受注データのみを用いて,
以下のように振り分け部1とロット編成部2による3回
目以降の処理(ステップS14→S8→…)を行う。ま
ず,振り分け優先順序設定部5において,上記ステップ
S7で設定された振り分け優先順序を変更する(ステッ
プS14)。例えば,仕上げ機M1,M2の振り分け優
先順序を,仕上げ機M2→M1の順序に変更する。以
下,上述した2回目の処理ループと同様に,ステップS
8〜S14の処理を繰り返す。例えば,図5に示す低効
率のロットL32,L33を構成していた受注データP
8,P23は,変更された優先順序に基づいて両方とも
仕上げ機M2に振り分けられるが,結局ロットに纏める
ことはできず,ステップS11において再度取り出され
る。しかしながら,仕上げ機M1,M2の振り分け優先
順序を変更する余地が残されていないため,ここで処理
は終了する。尚,仕上げ機の優先順序の組み合わせを全
て考慮すると,仕上げ機の数が多くなるにつれて処理回
数が膨大になる。そこで,優先順位の高い仕上げ機ほど
受注データが多く振り分けられるため,優先順序の並び
は変えずに順位をずらし,順位が一回りしたところで終
了するようにしてもよい(図6参照)。上記ステップS
8〜S14の処理ループを繰り返して処理が終了して
も,上記図5の例の受注データP8,P23のように,
最終的に幾つかの受注データが効率的なロットに纏める
ことができずに残ってしまう場合がある。このような場
合には,効率を無視して低効率のロットのままで処理す
るか,ルールを無視したロットを作成するか,若しくは
納期に余裕があれば次週以降に回すことになる。以上説
明したように,本実施の形態に係る生産計画作成方法
は,ステップS2(S8)とステップS4(S10)と
に分割して振り分けとロット編成とを段階的に行うた
め,計算量が少なく短時間で処理できると共に,ステッ
プS3(S9)により途中で手動介入することも可能で
ある。また,振り分け処理とロット編成処理を繰り返し
行うことにより,低効率のロットをばらして新たにロッ
ト編成できるため,効率的なロットを最大限に生成する
ことができる。また,2回目以降の処理ループでは,低
効率のロットに構成された受注データのみを対象として
処理を行うため,計算時間がより短縮される。また,1
回目の処理ループ(ステップS1〜S5)では,上述の
ように仕上げ機の処理可能範囲が互いに重複しないよう
に,即ち最も段取り替えの少ない条件に設定され,2回
目以降の処理ループ(ステップS7,S8〜S14)で
はその処理可能範囲が緩和されるため,段取り替えをな
るべく少なくするような生産計画が作成できる。
【0012】
【実施例】上記実施の形態では,処理可能範囲を2段階
に変更したが,3段階以上に分けて徐々に処理可能範囲
を緩和してもよい。また,ロット編成ルールに変更の余
地がある場合には,任意の処理ループにおいてロット編
成ルールを変更してもよい。更に,処理ループが1回終
了する毎に,オペレータがそのロット編成結果を検討
し,上記処理可能範囲,仕上げ機の振り分け優先順序,
ロット編成ルール等を任意に変更したり,途中で処理を
終了させることもできる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に係る生産
計画作成方法は,処理対象を纏めてロット単位で処理す
る処理手段を複数有する生産工程の生産計画を作成する
生産計画作成方法において,上記各処理手段への処理対
象の振り分けを自動的に行う振り分け工程と,上記振り
分け工程終了後,各処理手段毎に上記処理対象を所定の
ロット編成規則に従って自動的にロットに編成するロッ
ト編成工程とを具備してなることを特徴とする生産計画
作成方法として構成されているため,計算量が少なく短
時間で処理できる。また,上記振り分け工程と上記ロッ
ト編成工程との間に,上記振り分け工程での振り分け結
果を変更する振り分け結果変更工程を具備すれば,途中
で手動により振り分け結果を変更することも可能であ
る。また,上記各処理手段で処理できる処理対象の条件
範囲が互いに重複部分を有する場合には,上記振り分け
工程において,所定の振り分け規則,例えば各処理手段
への振り分け優先順序に従って処理対象の振り分けを行
うようにすれば,全ての処理対象がいずれかの処理手段
に振り分けられる。また,上記振り分け工程と上記ロッ
ト編成工程とを繰り返し行う繰り返し工程を具備し,上
記繰り返し工程において,繰り返し毎に上記条件範囲及
び/若しくは上記所定の振り分け規則を変化させること
により,ロット編成により低効率のロットができてしま
った場合でも,新たにロット編成をやり直すことがで
き,低効率のロットの数を最小化することができる。そ
の場合,例えば上記繰り返し工程において,初回の振り
分け工程では上記条件範囲を互いに重複しないように制
限し,2回目以降の振り分け工程では上記処理対象の条
件範囲の制限を緩和するようにすれば,段取り替えをな
るべく少なくするようなロット編成ができる。更にその
場合,2回目以降の振り分け工程では,上記処理対象の
条件範囲を固定して,繰り返し毎に振り分け優先順序を
変更するようにしてもよい。また,上記繰り返し工程に
おいて,2回目以降の工程では前回のロット編成工程に
おいて所定の条件を満たさなかった処理対象のみを対象
とすれば,計算時間を更に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る生産計画作成装置
A1の概略構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の実施の形態に係る生産計画作成方法
の処理手順を示すフローチャート。
【図3】 受注データの一例(P1〜P30)を示す
図。
【図4】 上記受注データP1〜P30を,所定の処理
条件範囲に基づいて仕上げ機M1,M2に振り分け,更
に所定のロット編成条件に基づいてロット編成を行った
状態(1回目の処理ループの結果)を示す図。
【図5】 上記1回目のロット編成の結果,低効率のロ
ットとなった受注データを,緩和された処理条件範囲及
び所定の振り分け優先順序に基づいて仕上げ機M1,M
2に振り分け,更に所定のロット編成条件に基づいてロ
ット編成を行った状態(2回目の処理ループの結果)を
示す図。
【図6】 仕上げ機の振り分け優先順序の変更方法の一
例を示す図。
【符号の説明】
1…振り分け部 2…変更部 3…ロット編成部 4…処理可能範囲変更部 5…振り分け優先順序設定部 6…振り分け処理部 7…ロット編成処理部 8…判断部
フロントページの続き (72)発明者 吉長 睦郎 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象を纏めてロット単位で処理する
    処理手段を複数有する生産工程の生産計画を作成する生
    産計画作成方法において,上記各処理手段への処理対象
    の振り分けを自動的に行う振り分け工程と,上記振り分
    け工程終了後,各処理手段毎に上記処理対象を所定のロ
    ット編成規則に従って自動的にロットに編成するロット
    編成工程とを具備してなることを特徴とする生産計画作
    成方法。
  2. 【請求項2】 上記振り分け工程と上記ロット編成工程
    との間に,上記振り分け工程での振り分け結果を変更す
    る振り分け結果変更工程を具備する請求項1記載の生産
    計画作成方法。
  3. 【請求項3】 上記各処理手段で処理できる処理対象の
    条件範囲が互いに重複部分を有し,上記振り分け工程に
    おいて,所定の振り分け規則に従って処理対象の振り分
    けを行う請求項1又は2記載の生産計画作成方法。
  4. 【請求項4】 上記所定の振り分け規則が,各処理手段
    への振り分け優先順序である請求項3記載の生産計画作
    成方法。
  5. 【請求項5】 上記振り分け工程と上記ロット編成工程
    とを繰り返し行う繰り返し工程を具備し,上記繰り返し
    工程において,繰り返し毎に上記条件範囲及び/若しく
    は上記所定の振り分け規則を変化させる請求項3又は4
    記載の生産計画作成方法。
  6. 【請求項6】 上記繰り返し工程において,初回の振り
    分け工程では上記条件範囲を互いに重複しないように制
    限し,2回目以降の振り分け工程では上記処理対象の条
    件範囲の制限を緩和するものである請求項5記載の生産
    計画作成方法。
  7. 【請求項7】 2回目以降の振り分け工程では,上記処
    理対象の条件範囲を固定して,繰り返し毎に振り分け優
    先順序を変更する請求項6記載の生産計画作成方法。
  8. 【請求項8】 上記繰り返し工程において,2回目以降
    の工程では,前回のロット編成工程において所定の条件
    を満たさなかった処理対象のみを対象とする請求項5〜
    7のいずれかに記載の生産計画作成方法。
  9. 【請求項9】 上記生産工程が製管の製造プロセスであ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の生産計画作成方法。
  10. 【請求項10】 処理対象を纏めてロット単位で処理す
    る処理手段を複数有する生産工程の生産計画を作成する
    生産計画作成装置において,上記各処理手段への処理対
    象の振り分けを自動的に行う振り分け手段と,上記振り
    分け手段による振り分け処理の終了後,各処理手段毎に
    上記処理対象を所定のロット編成規則に従って自動的に
    ロットに編成するロット編成手段とを具備してなること
    を特徴とする生産計画作成装置。
  11. 【請求項11】 上記各処理手段で処理できる処理対象
    の条件範囲が互いに重複部分を有し,上記振り分け手段
    と上記ロット編成手段とによる処理を繰り返し行う繰り
    返し手段を具備し,上記繰り返し手段による初回の振り
    分け手段の処理では上記各処理手段で処理できる処理対
    象の条件範囲を互いに重複しないように制限し,2回目
    の振り分け手段の処理では上記処理対象の条件範囲の制
    限を緩和すると共に,適宜の処理手段への振り分け優先
    順序に基づいて振り分け,更に2回目以降の繰り返し時
    には前回のロット編成手段の処理において所定の条件を
    満たさなかった処理対象のみを対象として処理する請求
    項10記載の生産計画作成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011123870A (ja) * 2009-11-13 2011-06-23 Kobe Steel Ltd 生産計画作成装置、生産計画作成プログラム、及び生産計画作成方法
JP2011221714A (ja) * 2010-04-07 2011-11-04 Kobe Steel Ltd 生産スケジュール立案装置

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