JPH1148051A - 自動ねじ締め機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライバビットに加わるトルクを検出するセ
ンサで構成されるブリッジ回路の電源接続端と電源部と
の間に断線が発生してもこれを確実に検出することがで
きる自動ねじ締め機を提供しようとする。 【解決手段】 ドライバビット３Ｃに加わるトルクを検
出するセンサで構成されるブリッジ回路の電源接続端と
電源供給部４Ｃとの間にリレー１１を接続しているた
め、この間で断線が発生してもこれを作業者が確実に検
出して、締め付け作業を直ちに中止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ、ボルトおよ
びナット等の締結部品を締結する自動ねじ締め機、特に
モータの回転を受けて回転する駆動工具に加わるトルク
を検出するトルク検出手段を備えた自動ねじ締め機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】最近、ねじ、ボルト、ナット等の締結部
品を所望締付けトルクで締付ける場合、駆動工具に加わ
る反力トルクを検出する起歪管を設け、この起歪管の歪
み量を歪みゲージ等のセンサにより検出してこのセンサ
出力から駆動工具に加わるトルクを検出するように構成
したトルク検出手段を備えた自動ねじ締め機が多用され
ている。一般に、この種のトルク検出手段では、センサ
の温度特性等センサ固有の特性の違いによる検出誤差が
発生しないように、センサは４個設けられ、これらによ
り電源接続端と信号出力端とを備えたブリッジ回路が構
成され、ブリッジ回路の出力が差動増幅部で増幅されて
トルク信号として検出されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、この自動ね
じ締め機ではブリッジ回路の電源供給端側に電源供給部
を接続しておき、信号出力端の信号を検出しているが、
信号出力端に接続される信号線が途中で断線するような
ことがあると、差動増幅部の出力がフルスケールとなる
ため、これを検出することにより信号出力端の信号線の
断線を検出することができる。しかしながら、この自動
ねじ締め機ではブリッジ回路の電源接続端と電源供給部
との間で断線しても、信号出力端の出力は零表示をする
のみで、信号出力端側ではその検出ができない等の欠点
が生じている。

【０００４】本発明は、上記欠点の除去を目的とするも
ので、駆動工具に加わるトルクを検出するセンサで構成
されるブリッジ回路の電源接続端と電源供給部との間に
断線が発生してもこれを確実に検出することができる自
動ねじ締め機を提供しようとするものである

【０００５】

【課題を解決するための手段】モータの回転を受けて回
転する駆動工具と、この駆動工具に加わるトルクを検出
するセンサで電源接続端と信号出力端とを備えたブリッ
ジ回路を構成してなるトルク検出手段と、モータにパワ
ーを供給する駆動部と、駆動部に指令値を送る制御部と
を設けた自動ねじ締め機において、ブリッジ回路の電源
接続端の一方と電源供給部との間に、スイッチング部を
設けている。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。図１において、１は自動ねじ締め機
であり、昇降手段２の作動により昇降自在な締付けユニ
ット３を有している。この締付けユニット３は、モータ
３ａと、その回転を差動遊星ギア機構３ｂを介して受け
て回転する駆動工具の一例のドライバビット３ｃと、こ
れに加わるトルクを検出するトルク検出手段４とを有し
ている。前記モータ３ａは制御装置５から供給されるパ
ワーにより駆動され、ドライバビット３ｃの先端に供給
されたねじ（図示せず）を所定の相手材（図示せず）に
締付けるように構成されている。

【０００７】前記制御装置５は、制御部６と、作業開始
信号等各種指令信号を出力する操作部７と、最終締付け
トルク等所定の締め付けを行うに必要な各種データを記
憶する記憶部８と、制御部６からの指令値に応じてモー
タ３ａにパワーを供給する駆動部９と、トルク検出手段
４の検出値をディジタル値に変換してこれを制御部６の
入力ポートに送るＡ−Ｄ変換部１０と、各種の表示を行
う表示部（図示せず）とからなっている。

【０００８】前記制御部６は、図２に示すように、 １）作業開始指令信号を受けると、昇降手段を作動させ
て、締付けユニットを相手材に対して下降させるととも
に、モータを所定速度で回転させる指令値を駆動部に出
力する。 ２）Ａ−Ｄ変換部の出力値から初期トルク値を読み込
み、一時記憶する。 ３）初期トルク値がフルスケールかを判断し、これがフ
ルスケールの時、センサ側ケーブル断線表示指令信号、
モータ停止指令信号を出力して、５）にジャンプする。 ４）Ａ−Ｄ変換部の出力値から所望の締め付けが行える
ように駆動部に指令値を出力してモータを制御し、最終
締め付けトルクに達するとモータを停止させるモータ停
止指令信号を駆動部に出力する。 ５）昇降手段に上昇指令信号を出力する。 ６）エンド。となるように構成されている。

【０００９】また、前記制御部６は締め付け完了時のＡ
−Ｄ変換部１０の出力値を表示部で表示するように構成
されている。

【００１０】前記トルク検出手段４は、差動遊星ギア機
構３ｂの環状ギアの回動に応じて変形する起歪管４ａを
有し、この起歪管４ａにはセンサの一例の歪みゲージ４
ｂが４個ブリッジ回路を構成するように貼付されてい
る。このブリッジ回路は電源供給部４ｃが接続される電
源接続端と、ブリッジ回路の出力信号が出力される信号
出力端とを有しており、信号出力端は信号線を介して差
動増幅部４ｄの入力端に接続されている。この差動増幅
部４ｄはＡ−Ｄ変換部１０を介して制御部６の入力ポー
トに接続されており、ブリッジ回路の出力信号がディジ
タル値に変換されて制御部６で読み込まれるように構成
されている。

【００１１】さらに、前記電源接続端と電源供給部４ｃ
との間にはスイッチング部の一例のリレー１１が接続さ
れており、電源接続端と電源供給部４ｃとの間で断線が
生じるとリレー１１に流れる電流が、３０ｍＡから０．
５ｍＡ程度に急激に低下し、これが外部に表示されるよ
うに構成されている。

【００１２】上記自動ねじ締め機では、操作部７から作
業開始指令信号が出力され、モータ３ａが駆動される
と、モータ３ａの回転を受けてドライバビット３ｃが回
転し、その下方に位置するねじが相手材に締め付けられ
る。ねじがワークに締め付けられるにともない、ドライ
バビット３ｃに加わるトルクが増大し、これが差動遊星
ギア機構３ｂを介して起歪管４ａに伝達される。そのた
め、起歪管４ａが歪み、その歪み量が４個の歪みゲージ
４ｂでなるブリッジ回路で検出され、これがＡ−Ｄ変換
部１０でディジタル値に変換され、制御部６の入力ポー
トに出力される。制御部６はこの値を読み込み、この値
からあらかじめ決められた締め付けが行えるように駆動
部９に指令値を送ってモータ３ａを駆動し、最終の締め
付けトルクで締め付けを行うことができる。

【００１３】この間に、ブリッジ回路の電源接続端と電
源供給部４ｃとの間で断線が起きると、リレー１１に流
れる電流が０．５ｍＡ程度に急激に低下し、通常３０ｍ
Ａの電流が流れてＯＮとなっていたリレー１１がＯＦＦ
となり、これが外部に表示される。

【００１４】そのため、作業者はリレーのＯＦＦを目視
で知ることができ、直ちに締め付け作業を中止すること
ができる。

【００１５】尚、実施例ではスイッチング部はリレー１
１で構成されているが、トランジスタ、フォトカプラ等
他のスイッチング機構を用いてもよい。また、トルク検
出手段４は起歪管４ａを使用しているが、ドライバビッ
トの歪み量を磁歪センサを使用して直接検出するように
構成してもよい。さらに、前記リレー１１の出力レベル
を制御部６で監視して断線表示をするようにしてもよ
い。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は駆動工具
に加わるトルクを検出するセンサで構成されるブリッジ
回路の電源接続端と電源供給部との間にスイッチング部
を接続してその動作を外部に表示するように構成してい
るため、断線が発生してもこれを作業者が確実に検出し
て、締め付け作業を直ちに中止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動ねじ締め機の説明概略図であ
る。

【図２】本発明に係る制御部の主動作を示すフローチャ
ートである。

【符号の説明】

１ ねじ締め機 ２ 昇降手段 ３ 締付けユニット ３ａ モータ ３ｂ 差動遊星ギア機構 ３ｃ ドライバビット ４ トルク検出手段 ４ａ 起歪管 ４ｂ 歪みゲージ ４ｃ 電源供給部 ４ｄ 差動増幅部 ５ 制御装置 ６ 制御部 ７ 操作部 ８ 記憶部 ９ 駆動部 １０ Ａ−Ｄ変換部 １１ リレー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】モータの回転を受けて回転する駆動工具
   と、この駆動工具に加わるトルクを検出するセンサで電
   源接続端と信号出力端とを備えたブリッジ回路を構成し
   てなるトルク検出手段と、モータにパワーを供給する駆
   動部と、駆動部に指令値を送る制御部とを設けた自動ね
   じ締め機において、 ブリッジ回路の電源接続端の一方と電源供給部との間
   に、スイッチング部を設けたことを特徴とする自動ねじ
   締め機。