JPH1147913A - シリンダブロックの製造方法 - Google Patents

シリンダブロックの製造方法

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JPH1147913A
JPH1147913A JP12991098A JP12991098A JPH1147913A JP H1147913 A JPH1147913 A JP H1147913A JP 12991098 A JP12991098 A JP 12991098A JP 12991098 A JP12991098 A JP 12991098A JP H1147913 A JPH1147913 A JP H1147913A
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molded body
bore insert
molten metal
bore
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Manabu Fujine
学 藤根
Hikohito Yamazaki
彦人 山崎
Yoshiaki Kajikawa
義明 梶川
Masayuki Hasebe
眞之 長谷部
Masuo Shimizu
益雄 清水
Mitsuhiro Karaki
満尋 唐木
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D19/00Casting in, on, or around objects which form part of the product
    • B22D19/0009Cylinders, pistons
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D19/00Casting in, on, or around objects which form part of the product
    • B22D19/14Casting in, on, or around objects which form part of the product the objects being filamentary or particulate in form

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の圧縮剪断割れ、周方向伝播、潰れを
解決すること。 【解決手段】 内外周面を有する成形体2を、成形体2
の内周面2aとボア入子1の外周面1aとの間に溶湯5
が導かれる隙間8が形成されるように、型3のキャビテ
ィ4に配置する第1の工程と、キャビティ4に溶湯5を
注湯し、成形体2の内周面1aと外周面1bの両方から
成形体2に溶湯5を含浸させ成形体2を複合化させる第
2の工程と、からなるシリンダブロックの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダブロック
の製造方法に関し、とくにシリンダボア内面が金属基複
合材料(MMC)から構成されるタイプのシリンダブロ
ックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリンダボア内面が金属基複合材
料から構成されるシリンダブロックの製造方法は、図1
1に示すように、外周がテーパ形状とされたボア入子1
01の外周に、予め予熱した、内周がテーパ形状、外周
が軸芯と平行なストレート形状の成形体102を配置
し、その成形体を配置したボア入子を鋳型103内のキ
ャビティ104に配置し、ついで溶湯105を射出シリ
ンダ106にてキャビティ104に注湯し、プランジャ
ーチップ107により射出、加圧することで成形体10
2の外周面側のみから成形体102の中に溶湯を含浸さ
せて成形体部分を金属基複合材料とし、冷却後シリンダ
ブロック製品を鋳型103およびボア入子101から取
り外して出し、ついで金属基複合材料とされたシリンダ
ボア内面を機械加工して所定寸法の直円筒面のシリンダ
ボアとする、という工程からなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のシリン
ダブロックの製造方法にはつぎの問題がある。従来製造
方法では、ボア入子101と成形体102の間には、図
12に示すように、多少のクリアランス108が必ず発
生する。クリアランス108は、たとえば、ボア入子1
01のテーパ角度と成形体102のテーパ角度の公差、
ボア入子温度(たとえば、100〜200℃)と成形体
温度(たとえば、500〜900℃)の温度のばらつき
などにより、発生する。このクリアランス108の存在
する状態で、アルミ溶湯に圧力がかけられて成形体10
2にアルミ溶湯が含浸する際に、図13に示すように成
形体102が圧縮剪断の割れ109を生じる。すなわ
ち、外周からの圧力で成形体102に生じる周方向圧縮
応力が許容剪断応力を越えたときに圧縮力の方向に対し
45°の面に沿って剪断破壊を生じ、破壊面に沿って座
屈が生じて局部的に成形体の強化繊維の密度の濃い部分
が生じる。この部分が、実際の使用時にピストンリング
と摺動すると、ピストンリングの摩耗を増大させる。ま
た、成形体102は、一般的に、通気性型を強化繊維を
混入したスラリー中に浸漬して通気性型内から吸引し通
気性型の表面に強化繊維を積層形成し乾燥させた後成形
体から通気性型を抜くという方法によって製造されるた
め、成形体102中では強化材繊維が周方向に向いてい
て厚さ方向には積層された状態(バームクーヘン状)に
なっており、層間強度は比較的弱い。そのため、上記の
圧縮剪断の割れ109が厚さ方向の途中で周方向に伝播
して周方向割れ110を生じ(図14)、そこに溶湯が
侵入して凝固し、加工時にこの部分が露出すると、図1
5に示すように、局部的に強化材の無い部分111が生
じる。このような部分111が存在すると、実際の使用
時にピストンリングの異常摩耗や焼きつきが発生する。
さらに、成形体102がボア入子101に面で接触して
いるため、成形体102の温度低下が早く、注湯時に溶
湯が素早く成形体に含浸しにくく、成形体全厚にわたっ
て含浸する前に溶湯の圧力が上がって未含浸部分を圧縮
して全周にわたって押しつぶしやすい。成形体製造時の
脱型の関係上、成形体の内径はテーパ形状(1°以上)
のため、図16に示すように、ボア下部に対応する部分
ほど成形体の潰れは大きい。この状態で製造したシリン
ダブロックのシリンダボア内面に機械加工を施すと、強
化繊維の無い部分が露出することがあり、この部分が、
実際の使用時にピストンリングと摺動すると、ピストン
リングの異常摩耗や焼きつきを生じる。本発明の課題
は、上記の成形体に外周面のみから溶湯圧がかかること
によって生じる問題(すなわち、成形体の圧縮剪断割れ
の発生、該割れの周方向伝播、成形体の潰れ、の少なく
とも1つ)を解決することができるシリンダボア内面が
金属基複合材料(MMC)から構成されるタイプのシリ
ンダブロックの製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成する本発
明は、つぎの通りである。 (1) 内外周面を有する成形体を、前記成形体の前記
内周面とボア入子の外周面の間に溶湯が導かれる隙間が
形成されるように、型のキャビティに配置する第1の工
程と、前記キャビィに溶湯を注湯し前記成形体の内周面
と外周面とから前記成形体に溶湯を含浸させ前記成形体
を複合化させる第2の工程と、からなるシリンダブロッ
クの製造方法。 (2) 前記型が固定型と可動型とからなっており、前
記第1の工程において前記成形型を前記固定型と前記可
動型とで挟んで支持する(1)記載のシリンダブロック
の製造方法。 (3) 前記ボア入子がその外周面から突出する突起を
有しており、前記第1の工程において前記成形型を前記
突起で前記ボア入子から支持する(1)記載のシリンダ
ブロックの製造方法。 (4) 前記突起が、前記ボア入子の軸方向に延びてお
り、前記ボア入子に周方向に複数設けられている(3)
記載のシリンダブロックの製造方法。 (5) 前記突起を、前記ボア入子のシリンダボア間部
位に対応する部分に設けた(3)記載のシリンダブロッ
クの製造方法。 (6) 前記突起を、シリンダブロック長手方向両端の
2つのボア入子のシリンダブロック長手方向両端を外し
た位置に設けた(3)記載のシリンダブロックの製造方
法。 (7) 前記突起を、シリンダブロック長手方向両端の
2つのボア入子のシリンダブロック長手方向両端位置に
も設け、該シリンダブロック長手方向両端位置に設けた
突起の半径方向高さを、その突起に隣接する2つの突起
の半径方向高さよりは低く、該隣接する2つの突起の頂
点を結ぶ直線よりはシリンダブロック長手方向外方に突
出する高さとした(3)記載のシリンダブロックの製造
方法。 (8) 前記突起を、前記ボア入子と別体に形成し、前
記ボア入子の外周面からの突出高さが可変となるように
前記ボア入子に半径方向に可動に支持した(3)記載の
シリンダブロックの製造方法。
【0005】上記(1)、(2)、(3)の何れかのシ
リンダブロックの製造方法では、成形体にその外周面と
内周面の両方から溶湯圧がかかるので、溶湯圧がバラン
スし、成形体に圧縮剪断割れが発生することが無くな
り、圧縮剪断割れが無いので圧縮剪断割れからの周方向
への割れの伝播も無くなり、内周側に潰されることも無
い。また、外周面と内周面の両方から溶湯が含浸してい
くので、含浸速度も早く溶湯圧が高圧になる前に成形体
全厚に含浸され、成形体の厚さ方向の潰れも無くなる。
また、速やかに成形体に溶湯が含浸するので、成形体の
予熱温度も従来に比べて下げてもよくなり、鋳造作業を
容易にする。上記(4)〜(8)は成形体の入子への支
持方法を示しており、線接触としてある。これによって
成形体の温度低下を抑制できる。また、線接触支持の場
合のかじり防止を種々提案している。
【0006】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の何れの
実施例にも適用可能なシリンダブロックの製造方法を示
し、図3および図4は本発明の第1実施例のシリンダブ
ロックの製造方法の成形体支持方法を示し、図5は本発
明の第2実施例のシリンダブロックの製造方法の成形体
支持方法を示し、図6は本発明の第3実施例のシリンダ
ブロックの製造方法に使用するボア入子および成形体を
示し、図7は本発明の第4実施例のシリンダブロックの
製造方法に使用するボア入子および成形体を示し、図8
は本発明の第5実施例のシリンダブロックの製造方法に
使用するボア入子および成形体を示し、図9および図1
0は本発明の第6実施例のシリンダブロックの製造方法
に使用するボア入子を示す。本発明の全実施例にわたっ
て共通または類似の構成部分には、本発明の全実施例に
わたって同じ符号を付してある。
【0007】まず、本発明のシリンダブロックの製造方
法のうち本発明の全実施例にわたって共通する部分を、
図1および図2を参照して説明する。本発明のシリンダ
ブロックの製造方法は、図1に示すように、予め予熱し
た、内外周面2a、2bを有するほぼ円筒状の成形体2
を、成形体2の内周面2aとボア入子1の外周面1aの
間に溶湯が導かれる隙間8(湯がまわるために、約0.
5mm以上の厚みのある隙間とすることが望ましい)が
成形体2の内周面全周にわたって(ただし、成形体がボ
ア入子から支持される場合は後で述べる突起が成形体2
に接触する部分は除く)形成されるように、型3のキャ
ビティ4に配置する第1の工程と、キャビィ4に溶湯5
を注湯し、成形体2の内周面2aと外周面2bの両方か
ら成形体2に溶湯5を含浸させ成形体2を複合化させる
第2の工程と、からなる。
【0008】本発明のシリンダブロックの製造方法は、
図1に示すように、さらに、溶湯の冷却固化後シリンダ
ブロック製品9を鋳型3およびボア入子1から取り外し
て出す第3の工程と、ついで金属基複合材料9aとされ
たシリンダボア内面10を機械加工して所定寸法の直円
筒面のシリンダボアとする第4の工程を有していてもよ
い。
【0009】図1中、6は、キャビティ4に溶湯を射
出、加圧する射出シリンダを示し、7は、射出シリンダ
のプランジャーチップを示している。図示例の装置では
ボア入子1および成形体2が横方向となるように配置し
てあるが、縦方向の型であってもよい。溶湯5は、たと
えばアルミ溶湯である(ただし、アルミ溶湯に限るもの
ではない)。
【0010】成形体2の予熱温度は従来に比べて低くて
よく、予熱炉取り出し時または金型へのセット時で従来
は約700℃以上必要であったものが、本発明の方法で
はたとえば約300℃以上でよい。ボア入子温度はそれ
より低くたとえば約100〜200℃であるが、成形体
2とボア入子1との間の隙間8によって、成形体2の温
度低下が遅くなるので、成形体2の温度を低くすること
ができる。
【0011】図2は第2工程における溶湯圧力変化と含
浸開始、完了の関係を示している。注湯開始から所定期
間Aは溶湯がキャビティに充填されている途中でこの間
は溶湯圧はほとんど上がらない。溶湯がキャビティを充
満した時点Bから急に溶湯圧が上がり始め、加圧完了時
Cには約750〜850kg/cm2 (73.5〜8
3.3MPa)に達する。そして、B点から圧力が上が
っていく初期の段階で溶湯の成形体への含浸が行われ完
了する。従来のように成形体に外周面のみから溶湯圧が
かかる場合は約3kg/cm2 (0.294MPa)で
成形体に圧縮剪断が生じるが、本発明では内外周面の圧
力がバランスするかまたはほぼバランスするので、加圧
完了時Cまで圧縮剪断は生じない。
【0012】つぎに、上記各実施例に共通な部分の作用
を説明する。成形体2とボア入子1との間に後述の突起
の部分を除いて全周にわたって隙間8が形成された状態
で注湯するので、成形体2は第2工程の注湯、加圧時
に、内周面2aと外周面2bの両方から加圧される。そ
の結果、成形体2の内外圧がバランスし、従来のように
外周面のみから加圧された場合に生じていた成形体の周
方向圧縮力と周方向に45°の傾きをもった面に沿って
生じた剪断割れ(図13の割れ109)と、その近傍の
強化繊維の密な部分の生成が生じなくなる。また、剪断
割れの先端から発生していた周方向割れ(図14の割れ
110)も、剪断割れ自体が生じないこと、および成形
体2が内外周から厚み方向に押されているので厚さ方向
に引き離そうとする力が無いこと、により、発生しな
い。
【0013】また、従来の外周面のみからの成形体の含
浸で生じていた成形体の厚み方向ボア入子に近い部分の
全周にわたる潰れも生じにくくなる。その理由はつぎの
通りである。一般的に、成形体に溶湯の浸透が完了する
時点の圧力以上に成形体の圧縮強度があれば、成形体の
潰れは起こらないといえるが、従来の成形体に溶湯の浸
透が完了する時点の圧力は高いと考えられる。その理由
は、成形体中を浸透していく溶湯の先端部は温度が低下
していくため、固相率が増え、粘度が上がるためであ
る。そして、ボア入子に近い程、事前に予熱された成形
体の温度はボア入子に冷やされて低下しているため、溶
湯の先端部の温度低下も大きくなり、溶湯の浸透が完了
する時点の圧力は非常に大きくなる。成形体は多孔質体
であるため、圧縮強度を上げるのには限界があり、従来
技術では成形体の潰れを防止することは困難である。
【0014】それに対し、本発明の方法では、ボア入子
1と成形体2の内側面との間に隙間8を設けることによ
り、 ・成形体2がボア入子1と接触しない、または接触が最
小限なため、予熱した成形体2の温度が低下しにくいこ
と、 ・成形体2に内外周面から溶湯が含浸していくので成形
体の潰れが開始する距離を従来の1/2にすることがで
きること、 ・成形体2の内周面からも溶湯が含浸できるため、成形
体2に溶湯が含浸できる面の総表面積が増え、圧縮強度
が低い成形体でも成形体の潰れが開始する距離(表面か
らの距離)を大きくすることができること、したがっ
て、上記の従来の1/2より、さらに成形体2の潰れが
発生しにくくなること、により、従来技術のような成形
体の潰れを防止することができる。
【0015】つぎに、本発明の各実施例の方法の構成、
作用を説明する。本発明の第1実施例では、図3および
図4に示すように、第1工程において、成形体2を、型
3の固定型3aと可動型3bによって挟まれて支持す
る。したがって、成形体2はボア入子1とは接触してお
らず、隙間8は成形体2の全周にわたって形成されてい
る。隙間8に溶湯5を導入するために、固定型3aのシ
リンダブロックジャーナル部3cの両側面と成形体2の
内周面との間に溶湯5が成形体内周側にまわる隙間3d
を設けておく。ボア入子1は可動型3bに支持しておき
可動型3bと一体的に移動させる。
【0016】本発明の第1実施例の作用はつぎの通りで
ある。ダイカストアルミシリンダブロックにMMC成形
体2のライナーを鋳ぐるむ場合、従来は、ボア入子1に
少しでも異物が付着していると成形体2ライナーをセッ
トできない、鋳造時にボア入子1と成形体2ライナーと
の間に湯が入ることができない隙間ができるとライナー
が割れる、隙間をつめすぎるとセット時に成形体2ライ
ナーが割れる、などの問題があった。しかし、成形体2
を可動型3b、固定型3aで挟んで固定することによ
り、上記の問題を解決することができる。
【0017】本発明の第2実施例では、図5に示すよう
に、ボア入子1はその外周面1aから半径方向外方に突
出する突起11を有しており、第1工程において、成形
体2を、ボア入子1に突起11によって支持している。
成形体2と突起11とは、線接触または点接触してい
る。隙間8は突起11を除いた部分に形成される。突起
8の形状は、隙間8への湯廻りを阻害しない形状とされ
ている。
【0018】本発明の第2実施例の作用については、突
起11を介して成形体2をボア入子1に支持するので、
成形体2とボア入子1の隙間8の厚みをコントロールし
やすい。そのため、隙間8の厚みを湯廻りを確保できる
最小限の厚さ、約0.5mmに設定でき、これによって
鋳造後のシリンダボア加工量を少なくすることができ
る。
【0019】本発明の第3実施例では、図6に示すよう
に、ボア入子1はその外周面1aから半径方向外方に突
出する突起11を有しており、この突起11はボア入子
1の軸方向(長手方向)に延びており、第1工程におい
て、成形体2を、ボア入子1に突起11によって支持し
ている。突起11の本数は3本以上であることが望まし
い。成形体2と突起11とは、線接触している。隙間8
は突起11を除いた部分に形成される。
【0020】本発明の第3実施例の作用については、突
起11がボア入子1の軸方向に延びているので、溶湯が
隙間8に軸方向に流れていくのを阻害しない。ただし、
突起11間の隙間部分はいずれも溶湯侵入スペース(図
4の3d)に連通している必要がある。
【0021】本発明の第4実施例では、図7に示すよう
に、ボア入子1はその外周面1aから半径方向外方に突
出する突起11を有しており、この突起11はボア入子
1の軸方向(長手方向)に延びている。そして、ボア入
子1には、ボア間部位に対応する部分には必ず突起11
が設けられている。また、シリンダボアの並び方向(シ
リンダブロックの長手方向)の両端に位置するボア入子
1に設けられる突起のうち、シリンダブロック長手方向
両端側に位置する突起は設けられていない。この部位の
突起が欠如している。そして、第1工程において、成形
体2を、ボア入子1に突起11によって支持している。
成形体2と突起11とは、線接触している。隙間8は突
起11を除いた部分に形成される。
【0022】本発明の第4実施例の作用については、ボ
ア間部位を溶湯が通過するときに溶湯が絞られて通過し
にくく他の部位より大きな圧力を成形体2にかけるが、
その部分では成形体2が突起11によって支持されてい
るので、成形体2が破壊することが防止される。また、
ボア入子1に突起11を設けると突起11先端でアルミ
が付着し、脱型時のカジリを発生しやすくなるほか、つ
ぎのサイクルの鋳造で成形体2をボア入子1にセットし
にくくなる。このアルミの付着は鋳造粗材の凝固収縮で
発生するため、シリンダブロックの長手方向両端で顕著
である。しかし、そのシリンダブロックの長手方向両端
の突起11を配置しないようにしたので、アルミの突起
11先端への付着凝固とそれによるカジリが発生しにく
くなる。
【0023】本発明の第5実施例では、図8に示すよう
に、ボア入子1はその外周面1aから半径方向外方に突
出する突起11を有しており、この突起11はボア入子
1の軸方向(長手方向)に延びている。そして、シリン
ダボアの並び方向(シリンダブロックの長手方向)の両
端に位置するボア入子1に設けられる突起のうち、シリ
ンダブロック長手方向両端側に位置する突起11´は設
けられるが、その高さは、他の突起11よりは低く、隣
接する2つの突起11の先端を結ぶ線よりはシリンダブ
ロック長手方向外方に突出する高さに設定されている。
そして、第1工程において、成形体2を、ボア入子1に
突起11によって支持している。隙間8は突起11を除
いた部分に形成される。
【0024】本発明の第5実施例の作用については、シ
リンダブロック長手方向両端位置にある突起11´は成
形体2支持用には使用しない。その隣接突起11が成形
体2支持用に使用される。突起11´はダミーの突起で
それにアルミ溶湯を付着凝固させることにより、隣接突
起11に過大な収縮力がかかるのを防止し隣接突起11
へのアルミ溶湯の付着凝固を生じにくくしている。脱型
時には、突起11´にアルミの凝固があっても、突起高
さを低くしてあるので、比較的容易に引き離すことがで
き、また若干の凝固が残っていても次サイクルの成形体
2のセットに支障をきたさないようにしている。
【0025】本発明の第6実施例では、図9および図1
0に示すように、突起11がボア入子1と別体に形成さ
れていて、ボア入子1の半径方向に可動にボア入子1に
支持されている。そして、テーパ部材12をボア入子1
の軸方向に移動させることにより、くさび効果で突起1
1をボア入子1の半径方向に移動させる。これによっ
て、ボア入子1の外周面1aからの突起11の突出高さ
が可変となる。
【0026】本発明の第6実施例の作用については、成
形体2セット時、および溶湯射出時は、突起11を出し
ておき、粗材離型時は突起11を引っ込める。これによ
って、離型時の突起11のカジリを効果的に防止するこ
とができる。また、離型時の離型抵抗も低減される。
【0027】
【発明の効果】請求項1のシリンダブロックの製造方法
によれば、成形体に内外周面から溶湯圧をかけるので、
溶湯圧がバランスし、成形体に圧縮剪断割れが発生しな
くなり、圧縮剪断割れの先端からの周方向への割れの伝
播もなくなり、内外周面から速やかに溶湯が浸透するの
で成形体の厚み方向の潰れも無くなる。また、隙間の存
在によって成形体の温度低下が抑制され、成形体の予熱
温度を従来より低くしてもよくなる。請求項2のシリン
ダブロックの製造方法によれば、成形体が型で支持され
てボア入子に接触しないため、成形体にテーパ面を形成
する必要がなく、成形体を薄く形成することが許される
・請求項3のシリンダブロックの製造方法によれば、成
形体を突起によりボア入子から支持するので、隙間の厚
みを精度高く設定することができる。請求項4のシリン
ダブロックの製造方法によれば、突起がボア入子の軸方
向に延びているので、突起の存在が溶湯の隙間への侵入
を阻害しない。請求項5のシリンダブロックの製造方法
によれば、ボア入子のシリンダボア間部位に対応する部
位に突起を設けたので、成形体がボア間部位を流れる溶
湯から圧力を受けても成形体はそれに耐えることができ
る。請求項6のシリンダブロックの製造方法によれば、
突起がボア入子のシリンダブロック両端に対応する部位
に設けられていないので、シリンダブロック粗材が収縮
しても突起先端のカジリが生じることはない。請求項7
のシリンダブロックの製造方法によれば、ボア入子のシ
リンダブロック両端に対応する部位の突起の高さを低く
したので、隣接突起のカジリを抑制し、自身のカジリも
問題を生じない程度にすることができる。請求項8のシ
リンダブロックの製造方法によれば、突起をボア入子半
径方向に可動としたので、粗材離型時に突起11を引っ
込めることにより、離型時の突起のカジリを効果的に防
止することができ、離型時の離型抵抗も低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の何れの実施例にも適用可能なシリンダ
ブロックの製造方法の工程図である。
【図2】本発明の何れの実施例にも適用可能な注湯圧対
時間特性図である。
【図3】本発明の第1実施例の方法を実施する装置の断
面図である。
【図4】図3のP方向から見た側面図である。
【図5】本発明の第2実施例の方法を実施する装置の側
面図である。
【図6】本発明の第3実施例の方法を実施するボア入子
の斜視図である。
【図7】本発明の第4実施例の方法を実施する装置の断
面図である。
【図8】本発明の第5実施例の方法を実施する装置の一
部の断面図である。
【図9】本発明の第6実施例の方法を実施するボア入子
と突起の断面図である。
【図10】図9の部分断面図である。
【図11】従来のシリンダブロックの製造方法を実施す
る装置の断面図である。
【図12】従来方法におけるボア入子と成形体の断面図
である。
【図13】従来方法における成形体の圧縮剪断を示す成
形体の一部の断面図である。
【図14】従来方法における成形体の周方向割れを示す
成形体の一部の断面図である。
【図15】従来方法における成形体の周方向割れ部か加
工時に露出した状態を示す成形体の一部の斜視図であ
る。
【図16】従来方法に成形体の潰れを示すシリンダブロ
ックの一部の断面図である。
【符号の説明】
1 ボア入子 1a ボア入子外周面 2 成形体2 2a 成形体内周面 3 型 3a 固定型 3b 可動型 4 キャビティ 5 溶湯 8 隙間 9 シリンダブロック 9a 金属基複合材料 11 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷部 眞之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 清水 益雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 唐木 満尋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外周面を有する成形体を、前記成形体
    の前記内周面とボア入子の外周面の間に溶湯が導かれる
    隙間が形成されるように、型のキャビティに配置する第
    1の工程と、 前記キャビィに溶湯を注湯し前記成形体の内周面と外周
    面とから前記成形体に溶湯を含浸させ前記成形体を複合
    化させる第2の工程と、からなるシリンダブロックの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記型が固定型と可動型とからなってお
    り、前記第1の工程において前記成形型を前記固定型と
    前記可動型とで挟んで支持する請求項1記載のシリンダ
    ブロックの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ボア入子がその外周面から突出する
    突起を有しており、前記第1の工程において前記成形型
    を前記突起で前記ボア入子から支持する請求項1記載の
    シリンダブロックの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記突起が、前記ボア入子の軸方向に延
    びており、前記ボア入子に周方向に複数設けられている
    請求項3記載のシリンダブロックの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記突起を、前記ボア入子のシリンダボ
    ア間部位に対応する部分に設けた請求項3記載のシリン
    ダブロックの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記突起を、シリンダブロック長手方向
    両端の2つのボア入子のシリンダブロック長手方向両端
    を外した位置に設けた請求項3記載のシリンダブロック
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記突起を、シリンダブロック長手方向
    両端の2つのボア入子のシリンダブロック長手方向両端
    位置にも設け、該シリンダブロック長手方向両端位置に
    設けた突起の半径方向高さを、その突起に隣接する2つ
    の突起の半径方向高さよりは低く、該隣接する2つの突
    起の頂点を結ぶ直線よりはシリンダブロック長手方向外
    方に突出する高さとした請求項3記載のシリンダブロッ
    クの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記突起を、前記ボア入子と別体に形成
    し、前記ボア入子の外周面からの突出高さが可変となる
    ように前記ボア入子に半径方向に可動に支持した請求項
    3記載のシリンダブロックの製造方法。
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