JPH1147267A - セルロース系中空糸濾過膜および濾過器 - Google Patents

セルロース系中空糸濾過膜および濾過器

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JPH1147267A
JPH1147267A JP21231197A JP21231197A JPH1147267A JP H1147267 A JPH1147267 A JP H1147267A JP 21231197 A JP21231197 A JP 21231197A JP 21231197 A JP21231197 A JP 21231197A JP H1147267 A JPH1147267 A JP H1147267A
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JP
Japan
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hollow fiber
liquid
membrane
filter
fiber membrane
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JP21231197A
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English (en)
Inventor
Masaoki Hoshino
政陽 星野
Noriyuki Hosoya
範行 細矢
Masatomi Sasaki
正富 佐々木
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎水性多部分を有する物質を中空糸膜表面に
吸着することが極力なく、また、モジュールが大型化す
ることがなく、かつ充分な透水性能を確保でき、さら
に、膜間圧力差に対する中空糸膜強度が従来の膜と少な
くとも同等またはそれ以上を保有するセルロース系中空
糸膜および濾過器を提供する。 【解決手段】 内径10〜150μm、膜厚0.3〜1
0μmのセルロース系中空糸膜において、中空糸の内径
rと膜厚dが1<r/d<50の範囲にある濾過膜を用
い、濾過器には、該中空糸膜が25,000〜8,00
0,000本有し、外筒の最小断面において、断面積1
cmあたりの本数が2,000〜640,000本有
することを特徴としたものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水、逆浸透水
(RO水)などの施設水、透析液、血液濾過排液あるい
は腹膜透析排液などの処理液体から、エンドトキシン、
βミクログロブリン、ミオグロビンなど、分子表面に
疎水性部分を有する対象物質を除去、分離するためのセ
ルロース系中空糸濾過膜および濾過器に関する。
【0002】
【従来の技術】水道水、RO水などの施設水、透析液、
血液濾過排液あるいは腹膜透析排液などの処理液体か
ら、エンドトキシン、βミクログロブリン、ミオグロ
ビンなどの分子表面に疎水性部分を有する対象物質を除
去、分離する試みが種々検討されている。
【0003】発熱物質として知られるエンドトキシン
は、グラム陰性菌の表皮の構成成分であり、生菌では通
常ミセル状態で存在し、その分子量は数百万ダルトンに
も及ぶ。しかし、グラム陰性菌、またはその死骸から生
じたエンドトキシンは分子量数千〜数万ダルトンの小片
(フラグメント)であり、水道水、RO水等の施設水等に
多く存在することが知られている。その分子量から血液
透析、血液透析濾過、持続的血液透析、持続的血液透析
濾過等で用いられる透析液中のエンドトキシンのフラグ
メント(以下フラグメント)がこれらの療法において半透
膜を通過して血液中に混入することが懸念されている。
【0004】エンドトキシンはO抗原多糖、コア多糖、
リピドAから構成され、疎水性の脂質部分であるリピド
Aが発熱等を誘発する活性部位であることが知られてい
る。リピドAを含むフラグメントは疎水性を示す。
【0005】水道水、RO水等の施設水、または透析液
中のエンドトキシンの除去には、疎水性多孔質膜等が用
いられている。疎水性多孔質膜によるエンドトキシンの
除去は、膜の分画分子量特性を利用した濾過機能と、膜
素材が疎水性であることによる吸着機能の両方が利用さ
れており、吸着機能への依存度が高い。この場合、吸着
機能による除去性能は経時的に低下し、フラグメントが
疎水性多孔質膜を通過(リーク)してしまい易くなるばか
りか、エンドトキシンの膜への吸着により透水性能も経
時的に低下する。
【0006】また、疎水性多孔質膜の分画分子量を小さ
く設定することにより、前記フラグメントのリークの確
率を低下させることができるが、同時に透水性能の低下
を招くことになる。従って、処理に充分な透水性能を得
るためには有効膜面積を大きくしなければならず、濾過
器モジュールが大型化するため、広い作業スペースが必
要であり、コストも増加し、好ましくない。
【0007】β2ミクログロブリン(以下βMGとい
う)は、疎水性アミノ酸が分子表面に露出した分子量1
1,600ダルトンの疎水性低分子量蛋白で、透析アミ
ロイドーシスのアミロイド構成物質と考えられており、
治療のために慢性透析患者から除去することが必須であ
ると考えられている。また、クラッシュシンドローム等
で急性腎不全になった患者からはミオグロビン(分子量
17,800)等の低分子量蛋白の除去が求められてい
る。
【0008】これらの低分子量蛋白を効率よく患者血液
内から除去するためには濾過を伴う治療手段が必要であ
り、血液から多量に濾過するのに伴い、不足した液体成
分を体外から電解質等が調整された特殊な補充液により
補充する必要がある。
【0009】ここでいう濾過を伴う治療とは例えば血液
濾過、血液透析濾過、持続的血液濾過、持続的血液透析
濾過等である。これらの治療においては、分離した濾液
量と補充液のバランスを調節する必要があり、操作が煩
雑となる。
【0010】前記補充液をなくすためには、患者血液の
濾液(以下血液濾過排液という)から症因物質を除去
し、電解質の調整を行った後、前記血液濾過排液を体内
に返還する技術は知られている。
【0011】血液濾過排液から疎水性部分を有する蛋白
質例えばβMG、ミオグロビン等を除去するためには分
画分子量2,000〜35,000ダルトンの中空糸膜
を用いるとよいが、ポリスルフォン等の疎水性多孔質膜
を用いた場合、膜表面と前記疎水性部分を有する蛋白質
との接触により、疎水性多孔質膜表面に前記蛋白質が吸
着し、疎水性多孔質膜の透水性能が経時的に低下してし
まう。
【0012】一方、従来より血液透析に用いられている
セルロース系中空糸膜は、分画分子量2,000〜5
0,000ダルトンの領域では疎水性多孔質膜に較べ透
水性能が低い。従って、充分な透水性能を確保するため
には大きな膜面積が必要となり、濾過器に利用した場
合、濾過器モジュールが大型化するため、広いスペース
が必要であり、コストも増加し好ましくない。
【0013】セルロース系中空糸膜の膜厚を薄くするこ
とによって、透水性能を向上させることができるが、薄
膜化は同時に膜間圧力差(TMP)に対する中空糸膜の
強度を低下させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決した、エンドトキシンおよびβMGの吸着による透
水性能の実質的な低下がなく、モジュールを小型化する
ことができる、膜間圧力差に対する十分な強度を有する
セルロース系中空糸膜および濾過器を提供するものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の構成を採用した。
【0016】すなわち、本発明のセルロース系中空糸濾
過膜は、乾燥状態で内径(r)が10〜150μm、膜
厚(d)が0.3〜10μmのセルロース系中空糸膜に
おいて、1<r/d<50である。
【0017】また、本発明のセルロース系中空糸濾過膜
は、前記中空糸膜のデキストラン水溶液を用いて測定し
た分画分子量が2,000〜50,000ダルトンであ
る。
【0018】さらに、本発明の濾過器は、前記のセルロ
ース系中空糸濾過膜を25,000〜8,000,00
0本有する。
【0019】また、本発明の濾過器は、ハウジングの横
断面積の最小部において、該横断面積1cmあたり、
2,000〜640,000本の前記セルロース系中空
糸濾過膜を有する。
【0020】また、本発明のセルロース系中空糸濾過膜
は、好ましくは5<r/d<40、さらに好ましくは1
0<r/d<30である。
【0021】また、本発明のセルロース系中空糸濾過膜
は、前記中空糸膜のデキストラン水溶液を用いて測定し
た分画分子量が、より好ましくは5,000〜35,0
00である。
【0022】また、本発明の濾過器は、外筒の最小断面
において、断面積1cmあたりの本数が、より好まし
くは5,000〜100,000本有する。
【0023】処理対象水の流れの方向は中空糸膜の内側
から外側でも、外側から内側でもよいが、外側から内側
の方が、より好ましい。
【0024】
【発明の実施の態様】本発明のセルロース中空糸膜およ
び濾過膜について以下に説明する。
【0025】本発明の中空糸膜としては、銅アンモニア
セルロース、酢酸セルロース、鹸化セルロース等のセル
ロース系繊維があり、特に銅アンモニアセルロースが好
ましい。
【0026】セルロースとしては種々のものが使用でき
るが、一例を挙げると、例えば平均重合度500〜2500の
ものが好しい。
【0027】また、本発明のセルロース系中空糸膜は、
限外濾過速度が4〜300ml/mmHg・hr・m2、より好ま
しくは10〜150ml/mmHg・hr・m2であることが好ま
しい。限外濾過速度がこれを越えると、中空糸膜の分画
分子量を2,000〜50,000ダルトンの範囲内に
することが難しくなり、限外濾過速度がこれより小さい
場合、十分な処理能力を確保することができない。
【0028】このような中空糸膜の構造は、次の通りで
ある。
【0029】中空糸膜には、無数の透孔状の細孔が形成
されており、中空糸膜の厚さ方向の一部分または全体に
わたって、物質の透過性能を決定づける細孔が集中して
いる緻密層ないし活性層を有している。
【0030】この緻密層は、中空糸膜の物質透過性、特
にエンドトキシンやβMGなどの対象物質の透過性を実
質的に左右するものであるが、本発明の中空糸膜は、緻
密層が中空糸膜の厚さ方向の全体にわたっている均一膜
であっても、緻密層が中空糸膜の厚さ方向の一部分にあ
る不均一膜であってもよい。均一膜は製造が容易であり
好ましい。
【0031】中空糸膜を用いた濾過器は、血液透析や血
液濾過等に用いられる形態が利用できる。図1を用いて
具体的に説明する。このような濾過器は、ハウジング2
を有し、該ハウジング2内の両端には、それぞれ第1お
よび第2液体室31、32が形成され、両液体室の内側
には第3液体室4が形成され、これら各室は、隔壁6
1、62により区画されている。また、ハウジング2内
には、適当な長さに切断された前述の中空糸膜5を複数
本束ねた中空糸膜束が、前記第3液体室4を挿通するよ
うに、かつ中空糸膜束の両端部が、隔壁61、62を貫
通し、第1および第2液体室31、32が各中空糸膜の
内側(内腔)を介して連通するように収納されている。
またハウジング2には、前記第1および第2液体室3
1、32にそれぞれ連通する第1液体入口ポート33お
よび第1液体出口ポート34と、前記第3液体室に連通
する第2液体入口ポート41および第2液体出口ポート
42が形成されている。
【0032】このような濾過器は、チューブ、チャンバ
ー、ポンプ等を有する所定の回路の途中に設置されてお
り、その第2液体入口ポート41より第3液体室内4に
導入された処理液体は、各中空糸膜5の外側を通って第
2液体出口ポート42に至り、第2液体出口ポート42
から送液される。処理液体は第3液体室4を通過する間
に、該中空糸膜外側(外面)から内側(内腔)へ濾過さ
れ、濾液は、該中空糸膜内腔から第1液体室31および
/または第2液体室32を通って、第1液体入口ポート
33および/または第1液体出口ポート34から送液さ
れる。
【0033】処理液は、濾過器の各ポートに連絡する各
送液回路に設けられたポンプ、バルブ等により流速を調
節される。
【0034】処理液体を濾過する場合、処理液体の流動
抵抗を低く設定でき、また、中空糸膜を透過した処置液
体が濾過器内で滞留しないように中空糸膜透過後の容器
内液量を少なくできるので、中空糸膜の外側から内側へ
の濾過が好ましいが、これに限らず内側から外側へ濾過
しても構わない。
【0035】また、図2、図3は別の実施形態を示す。
図2は、中空糸膜の束の一端が隔壁161により封止さ
れ、第1液体室、第1液体入口ポートを欠いている。中
空糸膜105の外側より濾過を行う場合、処理液体は第
2液体入口ポート141より第3液体室104に導入さ
れ、各中空糸膜の外側を通って第2液体出口ポート14
2に至り、第2液体出口ポート142から送液される。
処理液体は前記と反対の経路を辿っても良い。
【0036】処理液体は第3液体室104を通過する間
に、該中空糸膜105の外面から内腔107へ濾過さ
れ、濾液は、該中空糸膜内腔107から第2液体室13
2に至り、第1液体出口ポート134より送液される。
中空糸膜105の内腔107から中空糸膜の外側へ濾過
する場合は、第1液体出口ポート134は入口ポートと
なり、第1液体出口ポート134から処置液体が導入さ
れ、中空糸膜により濾過され、第2液体出口ポート14
2および/または第2液体入口ポート141より送液さ
れる。
【0037】図3は、中空糸膜をその途中で屈曲させ中
空糸膜の束の両端部がいっしょに封止され、第1液体
室、第1液体入口ポート、第2液体室出口ポートを欠い
ている。中空糸膜の外側より濾過を行う場合、処理液体
は第2液体入口ポート241より第3液体室204に導
入され、各中空糸膜205の外側に充填される。処理液
体は中空糸膜205の外側から内腔207へ濾過され、
濾液は中空糸膜内腔207から第2液体室232に至
り、第1液体出口ポート234より送液される。中空糸
膜の内腔207から中空糸膜の外側へ濾過する場合は、
第1液体出口ポート234は入口ポートとなり、第1液
体出口ポート234から処置液体が導入され、中空糸膜
により濾過され、第2液体入口ポート241より送液さ
れる。
【0038】図2、図3のように中空糸膜を挟んだ一方
の側に液体入出ポートが一箇所しかない場合、該一方の
側に通気部208を設けることが好ましい。該通気部2
08は、該一方の側に処理液体が導入された場合に、該
一方の側の空気を排出することができ中空糸膜の表面を
有効に濾過に用いることができる。該通気部208は、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹
脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂その
他の疎水性多孔質膜、焼結体などの多孔質体で、孔径
0.01〜0.6μm程度のものが好ましい。
【0039】本発明の濾過器の形態は以上述べた形態に
限定されるものではない。
【0040】中空糸膜は単位面積当たりの透水速度には
限度があり、大量の処理液体を濾過するためには、中空
糸膜の膜面積を大きくする必要がある。本発明の濾過膜
はセルロース系中空糸膜であるため、膜表面が親水性で
あり、エンドトキシンが吸着しないという優れた特性を
有するが、単位面積当たりの透水速度を大きくすること
ができない。
【0041】そこで、一定の容積のハウジングを有効に
利用するために、中空糸膜の外径を小さくし、膜厚を薄
くすることが必要となる。しかしながら、膜厚が薄すぎ
ると膜の強度が低下してしまうので、中空糸膜の膜厚を
薄くすることには限度がある。
【0042】円周応力σについて、 σ=(1/
2)x(r/d)xP が、一般に成立する。
ここでPは膜間圧力差(TMP)を表す。従って、膜の
形態を維持するため、内径rと膜厚dを適切な値に設定
する必要がある。
【0043】本発明の中空糸膜は、中空糸膜内径をr、
膜厚をdとしたとき、1<r/d<50、より好ましく
は5<r/d<40、さらに好ましくは10<r/d<
30の範囲に指定する範囲に設定することで、従来のセ
ルロース系中空糸膜と少なくとも同等、またはそれ以上
のTMPに対する強度を保持することができるものであ
る。
【0044】r/dがこれより小さいと中空糸のTMP
に対する強度が必要以上に高くなり、濾過器の大きさを
小さくして小型化するという効果が得られない。また、
r/dがこれより大きいと中空糸膜のTMPに対する強
度が不十分となり、高いTMPでの使用が困難で十分な
濾過量を得ることができない。
【0045】本発明の中空糸の乾燥状態での内径は、1
0〜150μm、好ましくは15〜100μm、より好
ましくは20〜80μmである。
【0046】本発明の中空糸膜の乾燥状態での膜厚は、
0.3〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、より好
ましくは1〜6μmである。
【0047】中空糸膜の乾燥状態での内径、膜厚は、中
空糸膜を濾過器として作製し、50℃24時間乾燥した
後、隔壁端面の中空糸膜断面露出部で測定した。
【0048】該中空糸膜の分画分子量は、処理液体中か
ら除去する対象物質によっても異なるが、エンドトキシ
ンやβMGを除去する場合には、2,000〜50,0
00ダルトンにあることが好ましく、5,000〜3
5,000ダルトンにあることがより好ましい。
【0049】また、濾過器には、該中空糸膜が25,0
00〜8,000,000本有する。好ましくは25,
000〜5,000,000本、より好ましくは25,
000〜100,000本を有する。これ以下では、処
理能力が不十分であり、これ以上では、濾過器が大型化
してしまう。
【0050】本発明の濾過器のハウジングは種々の形態
が可能である。これらの濾過器に用いられる中空糸膜の
ハウジングへの充填密度は、外筒の最小断面において、
ハウジング内断面積1cmあたりの本数が2,000
〜640,000本、好ましくは2,000〜200,
000本、より好ましくは5,000〜100,000
本有する。これ以上では、充填密度が高すぎて組み立て
が困難になり、これ以下ではハウジングが不必要に大き
くなる。
【0051】本発明の濾過器は、膜面積2〜150m
好ましくは4〜80m、より好ましくは5〜30m
を有する。これより小さい膜面積では濾過に不十分で
あり、これより大きな膜面積では、モジュールが大型化
する。
【0052】さらに、血液濾過器により得られる濾液、
あるいは血液透析器や血液濾過透析器で処理された透析
液を、本発明の濾過器により濾過し、βMGやミオグロ
ビンなどの不要物質を除去、あるいは分離し、また、電
解質調製等を行うことにより、置換液、透析液等として
再利用することも可能である。また、他の浄化手段(吸
着、透析、分解等)と組み合わせることもできる。
【0053】<分画分子量測定>本発明でいう分画分子
量とは、デキストラン水溶液を用いて以下の方法で求め
たものを言う。
【0054】a) 供試液 デキストランT10、T40(ファルマシア社製)を生理
食塩水(0.9%NaCl)に溶解して、それぞれ10
g/lの濃度の混合溶液として測定に用いる。
【0055】b) 篩係数(SC)測定および分画分子
量曲線 供試液供給流速を濾過モジュールの平均流路断面積で除
した値である平均線速度100cm/minで供試液を
還流し、篩係数の圧力依存性が無視できる低い膜間圧力
差でデキストラン溶液を濾過し、濾過モジュールの入口
側(IN)、出口側(OUT)、濾液側(F)の3点で
サンプリングする。GPCにより各サンプル中のデキス
トランの分子量と濃度の関係を求める。この測定値に基
づいて、IN,OUT,Fの対応する分子量の各デキス
トラン濃度から、下記の式により各分子量のSCを求
め、分子量とSCの関係図(分画分子量曲線)を求め
る。
【0056】SC=2xC/(CIN+COUT) CIN:入口側濃度 COUT:出口側濃度
:濾液側濃度得られた分画分子量曲線において篩係
数が0.1となる分子量を分画分子量とする。
【0057】c) GPC測定 測定装置:高性能GPC専用システム(Shodex
GPC SYSTEM−11、昭和電工社製) カラム:Shodex汎用GFCカラム Ohpak高
性能タイプ(Ohpak KB−803)×2本+プレカ
ラム(Ohpak KB−800p) (共に昭和電工社
製) 移動相:生理食塩水(0.9%NaCl) 流量:1ml/min 温度:35℃ 検出法:RI(示差屈折計) GPC測定には、IN、OUT、Fの3液をそれぞれ20
倍希釈したものを用いる。
【0058】次に、本発明のセルロース系中空糸の製造
方法の一例について説明する。
【0059】I.紡糸工程 後述する紡糸方法により、紡糸原液から中空糸を紡糸す
る。
【0060】紡糸原液としては、例えば銅アンモニアセ
ルロース溶液、酢酸セルロース溶液等のセルロース系紡
糸原液が挙げられるが、そのなかでも銅アンモニアセル
ロース溶液を用いるのが好ましい。
【0061】この銅アンモニアセルロース溶液は常法に
より調製される。例えば、まずアンモニア水、塩基性硫
酸銅水溶液および水を混合して銅アンモニア水溶液を調
製し、これに酸化防止剤(例えば亜硫酸ナトリウム)を
加え、次いで原料セルロースを投入して攪拌溶解を行
い、さらに水酸化ナトリウム水溶液を添加して未溶解セ
ルロースを完全に溶解させて、溶解液として銅アンモニ
アセルロース溶液を得る。
【0062】このような溶解液は、そのまま紡糸原液と
して用いられる。あるいは、この溶解液を希釈液で希釈
して紡糸原液とする。紡糸原液の粘度は、好ましくは、
液温20℃において150〜500Pとする。
【0063】なお、紡糸原液の粘度を上記範囲に調整す
る方法は、セルロース濃度の調整(例えば、濃度を4.5
〜7.8vol%に調整)、温度の調整により行えばよい。あ
るいは、溶解液を希釈して用いるときには、紡糸原液粘
度をより正確に調整することができ、工程管理上好まし
い。
【0064】希釈液としては、溶解液と相溶性のあるも
のが好ましく、水、銅アンモニア水溶液、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、クロロホルム等がある。特に、水
は安全性、操作性等の面で特に好ましい。また、溶解後
の水の添加は、細孔径分布の変化等の構造上の変化を生
じ、しかも2次工程希釈は、紡糸原液粘度がより正確に
調整でき、品質管理上好都合であるという利点をもつ。
【0065】紡糸方法としては種々の方法があり、例え
ば空中落下方法、特開昭57−71408号および同57−71410
号に記載の非凝固性液中へ吐出した後、該非凝固性液膜
と凝固性液との界面を通過させる方法、特開昭57−7140
9号に記載の非凝固性液中へ直接吐出した後、凝固性液
中を通過させる方法、特開昭57−71411号に記載の非凝
固性液に囲繞させて吐出し、次いで凝固再生する方法、
特開昭57−199808号に記載の凝固性液を上層に、ハロゲ
ン化炭化水素によりなる非凝固性液を下層に充填してな
る溶液の該非凝固性液中に環状紡糸孔から直接吐出し、
同時に内部中央部に非凝固性液を導入充填し、次いで凝
固性液中を通過させて凝固再生する方法(以下、浮上法
という。)等があるが、これを例にとって、以下、図面
を参照しつつ本発明を説明する。
【0066】第4図は、本発明法により中空糸を製造す
るための製造ラインの概略を示す側面図である。同図に
示すように、底部に非凝固性液槽301を設けた浴槽3
02において、前記非凝固性液槽301に下層としてハ
ロゲン化炭化水素よりなりかつ前記セルロース系紡糸原
液に対し非凝固性を有する非凝固性液303を、また上
層として前記非凝固性液303よりも比重が小さくかつ
前記紡糸原液に対し凝固性を有する凝固性液304を供
給して二層を浴槽302に形成させる。
【0067】なお、非凝固性液303としては、例えば
トリクロルトリフルオルエタン、テトラクロルエチレン
等が挙げられ、凝固性液304としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙
げられる。
【0068】原液貯槽(図示せず)内の紡糸原液を導管
305により圧送し、紡糸口金装置306の上向きに設
けられた環状紡糸孔(図示せず)から前記下層の非凝固
性液303中に直接押出す。その際、内部液貯槽(図示
せず)内に貯留されている前記紡糸原液に対する非凝固
性液303を内部液として導管307より前記紡糸口金
装置に供給し、前記環状に押出された線状紡糸原液30
8の内部中央部に導入して吐出させる。
【0069】非凝固性内部液としては、ミリスチン酸イ
ソプロピル、酢酸イソアミルアルコール、パルミチン酸
イソプロピル等が挙げられる。
【0070】環状紡糸孔より押出された線状紡糸原液3
08は、内部に非凝固性液を含んだままなんら凝固する
ことなく下層の非凝固性液303中を上方へ進む。この
場合、線状紡糸原液308は、前記非凝固性液との比重
差によりその浮力を受けながら上昇する。
【0071】次いで、この線状紡糸原液308は上層の
凝固性液304中に上昇するので、これを該凝固性液3
04中に設けられた変向棒309により変向させて前記
凝固性液304中を充分通過させ、その後、ローラ31
0を経て引上げる。これにより線状紡糸原液308は凝
固再生される。
【0072】II.洗浄工程 第1図に示すように、凝固性液304中より引上げられ
た中空糸312を、ローラ310を経てドライブローラ
311により下方へ向けて反転し、ベルトコンベア等よ
りなる搬送装置313により搬送しながら、その上部に
設けられたアルカリ洗浄装置314a、第1水洗装置3
14b、酸洗浄装置314cおよび第2水洗装置314
dによりそれぞれシャワー洗浄を施して、順次再凝固、
水洗、脱銅および水洗を施す。
【0073】この場合、銅アンモニアセルロースによる
中空糸に対しては、酸洗浄装置314cでは酸洗液とし
て硫酸水溶液が用いられる。
【0074】III.熱処理工程 第1図に示すように、洗浄がなされた中空糸312をド
ライブローラ315により熱処理装置316へ送り、熱
処理を施す。この熱処理装置316は、加熱効率に優れ
るという点で、温水、加熱水蒸気等の加熱流体と、中空
糸312とを接触させて中空糸312を加熱する構成の
ものが好ましい。
【0075】中空糸312を可塑化処理する前に、熱処
理することにより、中空糸312が軟化し、後述する可
塑化処理におけるグリセリンの取込みにおいて、中空糸
膜のマトリクス中に効果的に、グリセリンが取込まれる
ため、大孔径化が維持できるという効果がある。
【0076】このような、熱処理における熱処理条件
は、40〜120℃の温度で行うのが好ましい。処理温
度が40℃未満では、中空糸に上記熱処理を施す効果が
充分に得られず、また120℃を超える熱処理を施すた
めには、熱処理装置の設備コストが高くなり、好ましく
ない。
【0077】なお、熱処理装置316は、上記構成のも
のに限られず、例えば、発熱体を有するヒータ等、通常
用いられている加熱装置であってもよい。
【0078】IV.可塑化工程 第1図に示すように、熱処理が施された中空糸312
は、可塑化処理装置317に導かれ、該装置内のグリセ
リン水溶液と接触して可塑化がなされる。可塑化処理装
置317は、グリセリン水溶液320が満たされた浴槽
321を有し、該浴槽321の上方の中空糸入側および
出側には、それぞれドライブローラ322aおよび32
2bが設置され、浴槽321内部の液面下には、ローラ
(または変向棒)323aおよび323bが設置されて
いる。図中左方より送られてきた中空糸312は、ドラ
イブローラ322aを経てグリセリン水溶液320中に
浸漬され、ローラ323aおよび323bを経て液中を
走行し、ドライブローラ322bにより引上げられる。
【0079】この場合、後述するように、グリセリン水
溶液は所定の濃度に保たれる。このようなグリセリン濃
度の制御は、第4図に示すように、浴槽321内のグリ
セリン水溶液320を導管324より抜出し、循環ポン
プ325により濃度計326、例えば、濃度調節用示差
屈折計を経て熱交換器327に送り所定の温度に加温し
た後、浴槽321内へ戻すという循環により行なわれ
る。グリセリン濃度が低下すると、濃度計326からの
指示信号がライン328にて新鮮グリセリン供給ポンプ
329へ送られ、該供給ポンプ329より導管324に
新鮮グリセリンが供給される。一方、濃度が高くなる
と、逆浸透水供給経路330より逆浸透水等の新鮮水が
導管324に補給される。
【0080】しかして、前記グリセリン水溶液320の
グリセリン濃度は3〜30vol%が好ましく、より好ま
しくは5〜20vol%である。グリセリン濃度が3vol%
未満では中空糸膜の除水能が低くなり、一方、30vol
%を超えると、中空糸膜の吸湿性が高くなり、そのまま
では実用上使用困難となり、また、濾過器を製造するに
あたり、ポッティング不良となる可能性が高い。
【0081】V.乾燥工程 第1図に示すように、可塑化処理装置317により可塑
化された中空糸312は、乾燥装置318へ送られて乾
燥され、その後巻取装置319により、巻取られる。乾
燥装置318における乾燥は、乾燥装置318の加熱体
332に中空糸312を直接接触させることにより行な
われる。
【0082】加熱体332は、該加熱体332の中空糸
312との接触部位の温度が中空糸自体を損傷すること
のない最適温度、例えば100〜140℃、好ましくは
110〜130℃に保持し得るものであればいかなる機
構を有するものでもよく、例えば、該接触部位を加熱体
32内部に熱水、加熱蒸気等の加熱流体による熱媒体を
導入して加熱する機構のもの、あるいは、加熱体32内
部に熱線等の発熱体を有し該発熱体に通電して電気的に
加熱する機構のものなどがあり、またその形状は、少な
くとも該接触部位が中空繊維との接触時に大きな接触摩
損を起こさない、ボール、ローラ等の回転体が好まし
い。
【0083】しかして、このように加熱体32に中空糸
12を直接接触させて乾燥を行なうと、乾燥が短時間で
なされるため、中空糸の収縮が少ないという利点があ
る。また、例えば第1図に示すようにローラ型の加熱体
332を複数個設けてなる乾燥装置318を用いた場合
にも中空糸の乾燥による収縮は、加熱体332との滑面
接触部位のみで起こるため、各ローラ間における張力は
中空糸の収縮による影響をほとんど受けず、中空糸の搬
送に必要な最低限の値におさえられる。さらに中空糸の
乾燥は、最初の加熱体332との接触によりほぼ完全に
なされるために、この段階で中空糸は外力に対する抵抗
力の強いものとなり、その後のローラ間の張力影響をほ
とんど受けないものである。
【0084】従来の紡糸方法を、紡糸原液と芯液との吐
出比、吐出速度と巻き取り速度の比、ノズル径等を適宜
調節することにより、本発明の中空糸濾過膜を得ること
ができる。
【0085】
【実施例1】 (紡糸例)図4、図5に示す紡糸装置を用い紡糸を行っ
た。25%アンモニア水溶液2354gに塩基性硫酸銅
540gを懸濁させて銅アンモニア水溶液を調整し、1
0%亜硫酸ナトリウム水溶液1690gを添加した。前
記水溶液に重合度約1000(±100)のコットンリ
ターンパルプを湿式粉砕し、脱水した含水リンター(含
水率69.7%)を2.27g投入して濃度調整用RO
水210gを添加して攪拌溶解を行い、10%水酸化ナ
トリウム水溶液1233gを添加して銅アンモニアセル
ロース水溶液(比重1.08)を調整して紡糸原液とし
た。
【0086】前記紡糸原液は吐出量で孔径2.1mmの
紡糸孔から吐出し、次いで孔径0.8mmの導入管から
非凝固性液のミリスチン酸イソプロピル(比重0.85
4)を前記線状吐出紡糸原液に内包させて吐出させた。
前記吐出紡糸原液(非凝固性液を内包)を50g/lの
水酸化ナトリウム水溶液中に供給し、次いで12%水酸
化ナトリウム水溶液をシャワー状に振りかけて充分凝固
させ、水洗処理し、5%硫酸により再生処理をし、さら
に水洗処理したのち可塑化処理した。可塑化処理にはグ
リセリン濃度を5容量%に調整したグリセリン水溶液
(液温30℃)に1秒間浸漬して処理し、乾燥させた。
【0087】このようにして得られた中空糸膜は、平均
内径50μm、平均膜厚4μmであり、限外濾過率は1
4.4ml/hr/m/mmHgであった。
【0088】
【比較例】従来より血液透析に用いられている内径20
0μm、膜厚12μmの同一素材の再生セルロース中空
糸膜を作製した。
【0089】
【実施例2】 (濾過器組立例)図1に示す形状で最小内径約4cm、
有効長約23.8cmのポリカーボネート製ハウジング
に実施例1の中空糸膜を285,375本挿入し、ウレ
タン樹脂により中空糸両端をポッティングした。前記に
より作製したモジュールは有効膜面積が約10.7m
であった。
【0090】(実験例)上記の濾過器を用い、その透水
性能および疎水性物質の膜透過性能の比較実験を下記の
要領で行った。
【0091】透過実験は、図6に示す循環回路により行
った。循環回路の入口側回路404は一端をリザーバー
407中の試験液410に連続し他端は濾過器402の
中空糸膜外側の流路である第3液体室の液体入口と連続
している。出口側回路405の一端はリザーバー407
中の試験液410と連続し、他端は濾過器402の中空
糸膜外側の流路である第3液体室の液体出口と連続して
いる。濾液側は中空糸膜内腔、第1液体室および第2液
体室を含み、第1液体室に設けられた第1液体入口ポー
トは閉鎖され、濾過された液体は第2液体室に設けられ
た第1液体出口ポートより流出し、リザーバー407へ
滴下させた。入口側回路404には送液ポンプ403が
配置され、送液ポンプ403により試験液が入口側回路
404を通って濾過器402に送られ、濾過器402内
の中空糸膜により濾過された濾過液は、濾液口406を
通ってリザーバーへ返還される。また、中空糸膜により
濾過されなかった試験液は、出口側回路405を通って
リザーバー407へ返還される。
【0092】入口側回路404の送液ポンプ403と濾
過器402の間、および出口側回路にはチャンバー48
1、482が設けられ、各チャンバーには圧力計49
1、492がそれぞれ設けられている。出口側405の
チャンバー482よりも下流側の部分に排液ポンプ49
3が設けられている。濾液口406の先端は入口側チャ
ンバー481内の液体水位の位置に合わせ、大気に開放
されているので圧力を0とした。
【0093】前記濾過器402に試験液として水道水
(エンドトキシン濃度:約1200EU/L)を用い、
送液ポンプ403を用いて流量505ml/minで流
入し、出口側を排液ポンプ493により5ml/min
でドレインし、濾液側は開放系で500ml/minに
なるように設定した。水道水の流れの方向は中空糸膜の
外側から内腔へ流した。このときの膜間圧力差(TM
P)は約195mmHgであった。循環1、2、6、1
2、18、24時間後に濾液をサンプリングした。どの
サンプルにおいても濾液中にエンドトキシンは検出され
なかった。エンドトキシン濃度はエンドスペーシー法に
より測定した。(検出限界0.75EU/L)。
【0094】次に、上記水道水に代わりに、試験液とし
て慢性維持透析患者由来の血液濾過排液(βMG濃度:2
0mg/l)を用いた。血液濾過排液は5Lプールして
実験中攪拌し続けた。送液ポンプ403により濾過器4
02に前記血液濾過排液を流量505ml/minで流
入させ、排液ポンプ493により5ml/minで排液
し、濾液側は開放形で500ml/minになるように
設定した。血液濾過排液の流れの方向は中空糸の外側か
ら内側へ流した。循環1、2、6、12、18、24時
間後に血液濾過排液の入口側、出口側、濾液側の3カ所
からそれぞれサンプリングした。βMGのふるい係数(S
C)および分離除去率(R)はそれぞれ式1、式2で算
出した。βMG濃度は、酵素免疫法により測定した。
【0095】 SC=2xC/(CIN+COUT) ・・・式1 R(%)=(1−C/CIN)x100 ・・・式2 CIN:入口側濃度 COUT:出口側濃度
:濾液側濃度実験の結果、βMGのふるい係数は0.
012であり、βMGの分離除去効率は約65%であっ
た。また経時的な分離除去率の低下は認められなかっ
た。
【0096】
【本発明の効果】以上説明してきたように、本発明のセ
ルロース系中空糸濾過膜は、乾燥状態で内径(r)が1
0〜150μm、膜厚(d)が0.3〜10μmのセルロ
ース系中空糸膜において、1<r/d<50であるの
で、膜間圧力差に対する中空糸膜強度を従来のセルロー
ス系中空糸膜と少なくとも同等、またはそれ以上に設定
することが可能である。かつモジュールを大型化せずに
有効膜面積を大きくすることで、安価で充分な透水性能
を有した濾過モジュールを作製することができる。
【0097】また、本発明は、前記中空糸膜のデキスト
ラン水溶液を用いて測定した分画分子量が2,000〜
50,000ダルトンであるので、エンドトキシンやβ
MGなどの疎水性部分を有する物質を効率よく除去また
は分離することが可能であり、前記物質が膜表面に極力
吸着することがないため、前記物質の除去性能または分
離性能、および透水性能が経時的に減少しない。
【0098】さらに、本発明は上記のセルロース系中空
糸濾過膜を25,000〜8,000,000本有する
ので、膜間圧力差に対する中空糸膜強度を従来のセルロ
ース系中空糸膜と少なくとも同等、またはそれ以上に設
定することが可能であり、かつモジュールを大型化せず
に有効膜面積を大きくすることで、安価で充分な透水性
能を有した濾過モジュールを作製することができる。
【0099】また、本発明は、前記濾過器のハウジング
の横断面積の最小部において、該横断面積1cmあた
り、2,000〜640,000本の前記セルロース系
中空糸濾過膜を有するので、疎水性部分を有する物質を
効率よく除去または分離することが可能であり、前記物
質が膜表面に極力吸着することがないため、前記物質の
除去性能または分離性能、および透水性能が経時的に減
少しない。
【0100】さらに、本発明は上記の構成を有するの
で、病院や在宅等の施設水または水道水、あるいは透析
液に含まれるエンドトキシン等の疎水性部分を有する物
質の除去が可能である。
【0101】またさらに、血液濾過排液等に含まれるβ
MG、ミオグロビン等の疎水性部分を有する蛋白質の除
去、分離することができ、かつ経時的な透水性能および
除去分離性能が低下することがない。
【0102】また、血液濾過を伴う治療手段において
も、外部から特殊な補充液の補充をなくし効率的な治療
を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濾過器の1実施態様の断面の模式図で
ある。
【図2】本発明の濾過器の別の1実施態様の断面の模式
図である。
【図3】本発明の濾過器の別の1実施態様の断面の模式
図である。
【図4】本発明法により中空糸を製造するための一つの
製造ラインの概略を示す側面図である。
【図5】第4図中の可塑化処理装置の構成例を示す部分
断面図である。
【図6】透過実験用循環回路の模式図。
【符号の説明】
1、101、201 濾過器 2、201、202 ハウジング 31 第1液体室 32、132、232 第2液体室 33 第1液体入口ポート 34、134、234 第1液体出口ポート 41、141、241 第2液体入口ポート 42、142 第2液体出口ポート 5、105、205 中空糸膜 61、62、161、162、261 隔壁 7、107、207 中空糸膜内腔 208 通気部 301 非凝固性液槽、 302 浴槽、 303 非凝固性液、 304 凝固性液、 305 導管、 306 紡糸口金装置、 307 導管、 308 線状紡糸原液、 309 変向棒、 310 ローラ、 311 ドライブローラ、 312 中空糸、 313 搬送装置、 314a アルカリ洗浄装置、 314b 第1水洗装置、 314c 酸洗浄装置、 314d 第2水洗装置、 315 ドライブローラ、 316 熱処理装置、 317 可塑化処理装置、 318 乾燥装置、 319 巻取装置、 320 グリセリン水溶液、 321 浴槽 322a、322b ドライブローラ、 323a、323b ローラ、 324 導管、 325 循環ポンプ、 326 濃度計、 327 熱交換器、 328 ライン、 329 新鮮グリセリン供給ポンプ、 330 逆浸透水供給経路、 331 駆動ローラ、 332 加熱体、 401 循環回路 402 濾過器 403 送液ポンプ 404 入口側回路 405 出口側回路 406 濾液口 407 リザーバー 481、482 チャンバー 491、492 圧力計 494 排液ポンプ 410 試験液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥状態で内径(r)が10〜150μ
    m、膜厚(d)が0.3〜10μmのセルロース系中空糸
    膜において、1<r/d<50であることを特徴とする
    セルロース系中空糸濾過膜。
  2. 【請求項2】前記中空糸膜のデキストラン水溶液を用い
    て測定した分画分子量が2,000〜50,000ダル
    トンであることを特徴とする請求項1に記載のセルロー
    ス系中空糸濾過膜。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載されたセルロース
    系中空糸濾過膜を25,000〜8,000,000本
    有することを特徴とする濾過器。
  4. 【請求項4】前記濾過器のハウジングの横断面積の最小
    部において、該横断面積1cmあたり、2,000〜
    640,000本の前記セルロース系中空糸濾過膜を有
    することを特徴とする請求項3に記載の濾過器
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004121608A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Toyobo Co Ltd 透析液清浄化用中空糸膜およびその製造方法
WO2007102528A1 (ja) * 2006-03-09 2007-09-13 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha 性能安定性に優れた中空糸膜および血液浄化器および中空糸膜の製造方法

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