JPH1147153A - 内視鏡用ワイヤループ型処置具及びその製造方法 - Google Patents

内視鏡用ワイヤループ型処置具及びその製造方法

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JPH1147153A
JPH1147153A JP9212776A JP21277697A JPH1147153A JP H1147153 A JPH1147153 A JP H1147153A JP 9212776 A JP9212776 A JP 9212776A JP 21277697 A JP21277697 A JP 21277697A JP H1147153 A JPH1147153 A JP H1147153A
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Teruo Ouchi
輝雄 大内
Miyuki Nishimura
幸 西村
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Pentax Corp
River Seiko Co Ltd
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River Seiko Co Ltd
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弾性ワイヤを、ループの先端部分で撚り線の素
線がほぐれることなく滑らかにＵ字状に曲げ戻すことが
できる内視鏡用ワイヤループ型処置具及びその製造方法
を提供すること。 【解決手段】弾性ワイヤ１０を形成する撚り線の各素線
１１が、弾性ワイヤ１０の中心に向かう方向に比較して
他の方向に曲がりにくい非円形の断面形状に形成されて
いて、弾性ワイヤ１０が、円形断面の複数の素線１１を
撚り合わせて形成された撚り線を、その撚り線の直径よ
り細い直径のダイスに通して、各素線１１を非円形の断
面形状に圧縮変形させて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、高周波スネアの
ような内視鏡用ワイヤループ型処置具及びその製造方法
に関する。
【０００２】
【従来の技術】高周波スネアのような内視鏡用ワイヤル
ープ型処置具は、一般に、図４に示されるように、先端
でＵ字状に曲げ戻されてその後方部分においてループ状
に膨らんだ形状に形成された撚り線からなる弾性ワイヤ
１０が、シース２０の先端内に引き込まれることにより
窄まり、シース２０の先端から突出した状態では自己の
弾性によってループ状に膨らむように構成されている。
【０００３】そして、そこに用いられる弾性ワイヤは、
直径が０．１ｍｍないし０．１５ｍｍ程度の、断面形状
が円形のステンレス鋼線からなる素線１１を７本撚り合
わせたいわゆる１×７本撚りのもの等が広く用いられて
いる。図５はその断面形状を示している。
【０００４】また、１×７本撚りのもの以外にも、素線
を３本撚り合わせた１×３本撚り、１９本撚り合わせた
１×１９本撚り、３７本撚り合わせた１×３７本撚り等
のもの等も用いられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】図６は、１×７本撚り
の撚り線からなる弾性ワイヤ１０を示しているが、これ
を２点鎖線に示されるようＵ字状に曲げ戻すと、図７に
示されるように各素線１１がほぐれ、不規則に変形して
配列が不規則になってしまう。
【０００６】その結果、曲げ戻し部分が膨らんでシース
２０内に引き込めなくなったり、使用時にポリープ等を
締め付けたときに応力の集中や高周波電流によるジュー
ル熱によって切断し易くなってしまう。また、見た目に
も粗末な感じになって商品価値が落ちてしまう。
【０００７】そこで本発明は、弾性ワイヤを、ループの
先端部分で撚り線の素線がほぐれることなく滑らかにＵ
字状に曲げ戻すことができる内視鏡用ワイヤループ型処
置具及びその製造方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡用ワイヤループ型処置具は、Ｕ字状
に曲げ戻されてその後方部分においてループ状に膨らん
だ形状に形成された撚り線からなる弾性ワイヤが、シー
スの先端内に引き込まれることにより窄まり、上記シー
スの先端から突出した状態では自己の弾性によって上記
ループ状に膨らむようにした内視鏡用ワイヤループ型処
置具において、上記弾性ワイヤを形成する撚り線の各素
線が、弾性ワイヤの中心に向かう方向に比較して他の方
向に曲がりにくい非円形の断面形状に形成されているこ
とを特徴とする。
【０００９】なお、上記弾性ワイヤの素線の断面形状が
台形に近い形状であり、その底辺にあたる部分が外面側
に位置していて、隣り合う素線が上記台形の側面どうし
であい対向していてもよい。
【００１０】また、本発明の内視鏡用ワイヤループ型処
置具の製造方法は、シースの先端内に引き込まれること
により窄まり、上記シースの先端から突出した状態では
自己の弾性によってループ状に膨らむように、先端部分
でＵ字状に曲げ戻されてその後方部分が上記ループ状に
膨らんだ形状に形成された撚り線からなる弾性ワイヤを
有する内視鏡用ワイヤループ型処置具の製造方法におい
て、上記弾性ワイヤが、円形断面の複数の素線を撚り合
わせて形成された撚り線を、その撚り線の直径より細い
直径のダイスに通して、上記各素線を非円形の断面形状
に圧縮変形させて形成されていることを特徴とする。
【００１１】なお、上記ダイスに通された後の上記弾性
ワイヤの素線の断面形状が台形に近い形状であり、その
底辺にあたる部分が外面側に位置していて、隣り合う素
線が上記台形の側面どうしであい対向していてもよい。
【００１２】そして、上記ダイスの直径が、上記ダイス
に通される前の撚り線の直径に比較して８〜１０．５％
細いとよく、上記弾性ワイヤは、素線の直径が０．１ｍ
ｍ〜０．２ｍｍの１×７本撚りの撚り線であり、上記ダ
イスに通された後の上記弾性ワイヤの直径が０．２７６
〜０．５５２ｍｍであってもよい。
【００１３】
【発明の実態の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。図４は、内視鏡用高周波スネアの先端部
分を示しており、２０は、例えば四フッ化エチレン樹脂
チューブ製の可撓性シースであり、図示されていない内
視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される。
【００１４】シース２０内には、軸線方向に進退自在に
導電性の操作ワイヤ３０が挿通されていて、シース２０
の基端に連結された図示されていない操作部において進
退操作される。
【００１５】操作ワイヤ３０の先端には、自然状態にお
いて所定のループ形状をなすように形成された弾性ワイ
ヤ１０が、連結パイプ４０を介して連結されている。弾
性ワイヤ１０の先端とシース２０の基端は、前と後ろか
ら連結パイプ４０内に差し込まれて銀ロー付け等によっ
て各々固着されている。
【００１６】弾性ワイヤ１０はステンレス鋼線製の一本
の撚り線であり、先端の曲げ戻し部１０ａでＵ字状に曲
げ戻されていて、その後方部分においてループを形成す
るように折り曲げられている。
【００１７】その結果、弾性ワイヤ１０はシース２０の
先端から突出した状態では自己の弾性によってループ状
に膨らみ、操作ワイヤ３０によって後方（手元側）に牽
引されると、シース２０の先端内に引き込まれて窄ま
る。
【００１８】なお、この実施の形態では、弾性ワイヤ１
０の曲げ戻された双方のワイヤが、三箇所の折り曲げ部
１０ｂ，１０ｃ，１０ｄにおいて折り曲げられている
が、折り曲げの数はこれと相違していてもよく、折り曲
げられることなく曲線状に曲げられていてもよい。
【００１９】このような弾性ワイヤ１０として、この実
施の形態においては、直径が０．１〜０．２ｍｍ程度の
円形断面のステンレス鋼線製の素線１１を７本撚り合わ
せた１×７本撚りの撚り線が用いられている。素線１１
の直径は７本とも同じであり、１本が中心に真っ直ぐ配
置されて、他の６本がその周囲にらせん状に巻き付けら
れている。
【００２０】ただし本発明の弾性ワイヤ１０は、そのよ
うな撚り線をそのまま用いるのではなく、撚り線の直径
より細い直径のダイスに撚り線を通して各素線１１を圧
縮変形させるいわゆるスウェージング加工が施されてい
る。
【００２１】その結果、弾性ワイヤ１０は、図１に示さ
れるように、各素線１１の間の隙間がなくなる方向に塑
性変形して、７本の素線１１のうち中心の一本は六角形
状になり、周囲に撚られた６本の素線１１は断面形状が
台形に近い形状になって、その底辺にあたる部分が外面
側に位置し、側面（台形の斜面）どうしがあい対向した
状態になる。
【００２２】なお、実験の結果、スウェージング加工の
際の直径の変化の程度は、加工前の直径をＤ′とし、加
工後の直径をＤとしたとき、（Ｄ′−Ｄ）／Ｄ′＝０．
０８〜０．１０５の範囲にあるとよく、素線１１の直径
が０．１〜０．２ｍｍの場合、加工後の弾性ワイヤ１０
の直径は０．２７６〜０．５５２ｍｍの範囲となる。
【００２３】このようにスウェージング加工が施された
弾性ワイヤ１０は、図２に示されるように、小さな曲率
半径でＵ字状に曲げ戻しても素線１１がほぐれることな
く、非常に滑らかな状態を保つ。
【００２４】これは、図１に示されるように、各素線１
１が、底辺にあたる部分が外面側に位置する台形に近い
形状に形成されていることにより、弾性ワイヤ１０を形
成する撚り線の中心に向かう方向Ｒに比較して他の方向
に曲がりにくい特性を有しているため、Ｕ字状に曲げ加
工される際に各素線１１が撚り状態から外れる方向に移
動しないためと考えられる。
【００２５】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば弾性ワイヤ１０は１×７本撚り
以外の、例えば図３に示されるような１×３本撚りの撚
り線その他各種の撚り線でもよく、スウェージング加工
により、撚り線の各素線１１が弾性ワイヤ１０の中心に
向かう方向Ｒに比較して他の方向に曲がりにくい断面形
状になる。
【００２６】また本発明の弾性ワイヤ１０は、スウェー
ジング加工によらなくても、もともとの断面形状が弾性
ワイヤ１０の中心に向かう方向に比較して他の方向に曲
がりにくい非円形の素線１１を撚り合わせて形成しても
よい。また本発明は、撚り線を小さな曲率半径でＵ字状
に曲げる必要のある各種内視鏡用ワイヤループ型処置具
に適用することができる。
【００２７】
【発明の効果】本発明によれば、弾性ワイヤを形成する
撚り線の中心に向かう方向に比較して他の方向に曲がり
にくい非円形の断面形状に形成された素線を撚り合わせ
た撚り線で弾性ワイヤを形成したことにより、弾性ワイ
ヤを、ループの先端部分で素線がほぐれることなく小さ
な曲率半径のＵ字状に滑らかに曲げ戻すことができるの
で、シース内に引き込み難い作動不良や使用時の強度不
足等が発生せず、また見た目にも質感があって優れた商
品価値を有する内視鏡用ワイヤループ型処置具を形成す
ることができる。
【００２８】そして、そのような弾性ワイヤは、円形断
面の複数の素線を撚り合わせた撚り線の直径より細い直
径のダイスにその撚り線を通して、各素線を非円形の断
面形状に圧縮変形させることによって容易に形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の弾性ワイヤの軸線
に垂直な方向の断面図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態の弾性ワイヤのＵ字
状に曲げられた部分の側面図である。
【図３】本発明の第２の実施の形態の弾性ワイヤの軸線
に垂直な方向の断面図である。
【図４】内視鏡用ワイヤループ型処置具の先端部分の側
面断面図である。
【図５】従来の内視鏡用ワイヤループ型処置具に用いら
れている弾性ワイヤの軸線に垂直な方向の断面図であ
る。
【図６】従来の内視鏡用ワイヤループ型処置具に用いら
れている弾性ワイヤの側面図である。
【図７】従来の弾性ワイヤのＵ字状に曲げられた部分の
側面図である。
【符号の説明】
１０ 弾性ワイヤ １１ 素線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】Ｕ字状に曲げ戻されてその後方部分におい
    てループ状に膨らんだ形状に形成された撚り線からなる
    弾性ワイヤが、シースの先端内に引き込まれることによ
    り窄まり、上記シースの先端から突出した状態では自己
    の弾性によって上記ループ状に膨らむようにした内視鏡
    用ワイヤループ型処置具において、 上記弾性ワイヤを形成する撚り線の各素線が、弾性ワイ
    ヤの中心に向かう方向に比較して他の方向に曲がりにく
    い非円形の断面形状に形成されていることを特徴とする
    内視鏡用ワイヤループ型処置具。
  2. 【請求項２】上記弾性ワイヤの素線の断面形状が台形に
    近い形状であり、その底辺にあたる部分が外面側に位置
    していて、隣り合う素線が上記台形の側面どうしであい
    対向している請求項１記載の内視鏡用ワイヤループ型処
    置具。
  3. 【請求項３】シースの先端内に引き込まれることにより
    窄まり、上記シースの先端から突出した状態では自己の
    弾性によってループ状に膨らむように、先端部分でＵ字
    状に曲げ戻されてその後方部分が上記ループ状に膨らん
    だ形状に形成された撚り線からなる弾性ワイヤを有する
    内視鏡用ワイヤループ型処置具の製造方法において、 上記弾性ワイヤが、円形断面の複数の素線を撚り合わせ
    て形成された撚り線を、その撚り線の直径より細い直径
    のダイスに通して、上記各素線を非円形の断面形状に圧
    縮変形させて形成されていることを特徴とする内視鏡用
    ワイヤループ型処置具の製造方法。
  4. 【請求項４】上記ダイスに通された後の上記弾性ワイヤ
    の素線の断面形状が台形に近い形状であり、その底辺に
    あたる部分が外面側に位置していて、隣り合う素線が上
    記台形の側面どうしであい対向している請求項３記載の
    内視鏡用ワイヤループ型処置具の製造方法。
  5. 【請求項５】上記ダイスの直径が、上記ダイスに通され
    る前の撚り線の直径に比較して８〜１０．５％細い請求
    項３又は４記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具の製造
    方法。
  6. 【請求項６】上記弾性ワイヤは、素線の直径が０．１ｍ
    ｍ〜０．２ｍｍの１×７本撚りの撚り線であり、上記ダ
    イスに通された後の上記弾性ワイヤの直径が０．２７６
    〜０．５５２ｍｍである請求項３、４又は５記載の内視
    鏡用ワイヤループ型処置具の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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