JP3814084B2 - 内視鏡用スネア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されてポリープを切除するために用いられる内視鏡用スネアに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡用スネアは一般に、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤを挿通配置して、その操作ワイヤの先端に弾性ワイヤからなるスネアワイヤを連結し、操作ワイヤを軸線方向に進退操作することによりスネアワイヤが可撓性シースの先端内に出入りして、スネアワイヤが可撓性シース外では自己の弾性によってループ状に膨らみ、可撓性シース内に引き込まれることによって窄まるようになっている。
【0003】
しかし、単純にそのように構成したのでは、いわゆる無茎状のポリープ等をスネアワイヤで緊縛する際に、ループ状に膨らませたスネアワイヤでポリープを囲んでから操作ワイヤを牽引してスネアワイヤを窄ませたときに、スネアワイヤがポリープの表面を滑ってポリープから外れてしまう場合がある。
【0004】
そこで従来は、複数の滑り止め用チップをスネアワイヤにかしめ固定して、スネアワイヤを窄ませる際に滑り止め用チップがポリープに食い込んで滑らないようにしていた(実公平6−3549号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような滑り止め用チップのかしめ固定は、筒状のチップ又は丸められた板状のチップを外側から単に押しつぶすだけなので、固定状態が安定せず、使用中にチップがずれてガタガタになってしまったり、場合によっては外れてしまうことがあり、耐久性に欠けると共に、ポリープ切除術の途中でスネアを取り替えて最初からやり直さなければならない不都合があった。
【0006】
そこで本発明は、スネアワイヤに設ける滑り止めがずれたり外れたりせず、しかも製造が簡単で安定した品質を得ることができる内視鏡用スネアを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用スネアは、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に可撓性の操作ワイヤを挿通配置して、その操作ワイヤの先端に複数の素線を撚り合わせて形成された撚り線からなるスネアワイヤを連結し、上記操作ワイヤを軸線方向に進退操作することにより上記スネアワイヤが上記可撓性シースの先端内に出入りして、上記スネアワイヤが上記可撓性シース外では自己の弾性によってループ状に膨らみ、上記可撓性シース内に引き込まれることによって窄まるようにした内視鏡用スネアにおいて、上記スネアワイヤの一部の素線を途中で切断し、その切断端を上記ループの内方に向けて突出させたことを特徴とする。
【0008】
なお、上記スネアワイヤの素線切断部において、切断されている素線と切断されていない素線とが固着されているとよく、上記弾性ワイヤが導電性であり、上記操作ワイヤを介して上記スネアワイヤに高周波電流を通電することができるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の内視鏡用スネアの先端部分を示しており、1は、例えば電気絶縁性の四フッ化エチレン樹脂製チューブ等からなる可撓性シース1であり、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される。
【0010】
可撓性シース1内には、導電性金属製の操作ワイヤ2が全長にわたって軸線方向に進退自在に挿通されており、可撓性シース1の基端に連結された操作部(図示せず)において任意に進退操作される。
【0011】
操作ワイヤ2の先端部分には、例えば直径が0.2〜0.5mm程度の導電性の弾性ワイヤからなるスネアワイヤ3が、金属製の接続パイプ4によって連結されている。
【0012】
スネアワイヤ3と操作ワイヤ2は、接続パイプ4に前後から差し込まれて銀ロー付け等によって各々接続パイプ4に固着されている。ただし、スネアワイヤ3を延長して操作ワイヤ2を形成してもよい。
【0013】
スネアワイヤ3は、例えばステンレス鋼細線製の素線を三本撚り合わせた撚り線によって形成されており、外力が加えられていない状態では、図1に示されるように数センチメートルの広がりの曲線的なループを形成しており、外力を加えることによって弾性変形させて窄ませることができる。
【0014】
したがって、操作ワイヤ2を操作部から進退操作すると、スネアワイヤ3が可撓性シース1の先端内に出入りして、スネアワイヤ3が可撓性シース1外では図1に示されるように自己の弾性によってループ状に膨らみ、可撓性シース1内に引き込まれることによって窄まる。
【0015】
なお、スネアワイヤ3は先端部分で一本の弾性ワイヤをU字状に曲げ戻して形成されているが、二本のワイヤを先端部分で固着して形成してもよく、その固着部分に筒状の先端チップを設けても設けなくてもどちらでもよい。
【0016】
操作部には、図示されていない高周波電源コードを操作ワイヤ2に導通接続させるための接続端子が設けられており、操作ワイヤ2を介してスネアワイヤ3に高周波電流を通電することができる。
【0017】
スネアワイヤ3を形成する撚り線の三本の素線のうち一本の素線が途中で切断されていて、その両切断端3aがループの内方に向けて突出している。この実施の形態においては、ループの先端寄りの左右二箇所に素線切断部5が形成されている。なお、切断される素線は、二箇所の素線切断部5において同じであっても、相違していてもどちらでもよい。
【0018】
図2は、素線切断部5を拡大して示しており、素線の切断端3aの突出方向を安定させるためには、素線切断部5において、切断されている素線と切断されていない素線とを互いに固着して撚り状態がほつれないようにするとよい。
【0019】
固着の方法は、素線切断部5を含む範囲(▲1▼−▲2▼間)を銀ロー付け等によって固着してもよいし、素線切断部5の前後位置(▲1▼の点と、▲2▼の点)でスポット溶接等を行ってもよい。
【0020】
このように構成された実施の形態の内視鏡用スネアは、ループ状に膨らませたスネアワイヤ3でポリープを囲んでから操作ワイヤ2を牽引してスネアワイヤ3を窄ませたときに、スネアワイヤ3の切断端3aがポリープの表面に引っ掛かって滑らないので、無茎状のポリープ等でも安定して確実に緊縛、切除することができる。
【0021】
しかも、この内視鏡用スネアは、非常に簡単に製造することができるだけでなく、素線切断部5がスネアワイヤ3上で移動してしまったり外れたりするトラブルが発生せず、優れた耐久性を得ることができる。
【0022】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えばスネアワイヤ3を形成する撚り線は七本撚りその他どのような撚り線でもよく、撚り数が多い場合には、素線切断部5において複数の素線を切断してもよい。
【0023】
また、図3に示されるように、素線切断部5の位置はスネアワイヤ3のどこに設けてもよく、素線切断部5の数も適宜設定すればよい。また、スネアワイヤ3のループ形状は、多角形その他どのような形状であっても差し支えない。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、スネアワイヤの一部の素線を途中で切断し、その切断端をループの内方に向けて突出させたことにより、素線の切断端が滑り止めとなって無茎状のポリープ等でも安定して確実に緊縛、切除することができ、しかも非常に簡単に製造することができるだけでなく、素線切断部がスネアワイヤ上で移動してしまったり外れたりするトラブルが発生せず、優れた品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用スネアの先端部分の平面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のスネアワイヤの素線切断部の拡大平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の内視鏡用スネアの先端部分の平面断面図である。
【符号の説明】
1 可撓性シース
2 操作ワイヤ
3 スネアワイヤ
3a 切断端
5 素線切断部
Claims (3)
- 可撓性シース内に軸線方向に進退自在に可撓性の操作ワイヤを挿通配置して、その操作ワイヤの先端に複数の素線を撚り合わせて形成された撚り線からなるスネアワイヤを連結し、上記操作ワイヤを軸線方向に進退操作することにより上記スネアワイヤが上記可撓性シースの先端内に出入りして、上記スネアワイヤが上記可撓性シース外では自己の弾性によってループ状に膨らみ、上記可撓性シース内に引き込まれることによって窄まるようにした内視鏡用スネアにおいて、
上記スネアワイヤの一部の素線を途中で切断し、その切断端を上記ループの内方に向けて突出させたことを特徴とする内視鏡用スネア。 - 上記スネアワイヤの素線切断部において、切断されている素線と切断されていない素線とが固着されている請求項1記載の内視鏡用スネア。
- 上記操作ワイヤが導電性であり、上記操作ワイヤを介して上記スネアワイヤに高周波電流を通電することができる請求項1又は2記載の内視鏡用スネア。
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