JPH1145633A - キーパッドおよびその製造法 - Google Patents

キーパッドおよびその製造法

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JPH1145633A
JPH1145633A JP9201419A JP20141997A JPH1145633A JP H1145633 A JPH1145633 A JP H1145633A JP 9201419 A JP9201419 A JP 9201419A JP 20141997 A JP20141997 A JP 20141997A JP H1145633 A JPH1145633 A JP H1145633A
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JP
Japan
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cyanoacrylate
keypad
protective layer
display pattern
silicone rubber
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JP9201419A
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Masamitsu Harutake
政実 治武
Keizo Chikatsune
恵三 近常
Minoru Fukuzawa
稔 福澤
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Alpha Technical Research Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーンゴム製のキーパッドの表示パター
ン上に、密着力が大で、多数回の打鍵操作によってもク
ラックを生じがたく、経時的な黄変も生じがたい保護層
を設けたキーパッドおよびその製造法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 シリコーンゴム製キーパッドのタッチ基
部(1) に形成されている表示パターン(2) 上に、好まし
くはプライマー塗布層(3) を介して、2−シアノアクリ
レートの硬化物による保護層(4) が盛り上がり状に設け
られた構造を有するキーパッドである。2−シアノアク
リレートには、アニオン重合促進剤および紫外線吸収剤
を内添しておくことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーンゴム製
のキーパッドのタッチ基部に形成された表示パターン上
に保護層を設けた構成を有するキーパッドおよびその製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、電気・電子・音響機器などの
操作パネルやキー関連部分は、弾力性のあるシリコーン
ゴム製のキーパッド(タッチパネルまたはラバースイッ
チとも言う)で作られている。
【0003】この場合、キーパッドのタッチ基部に文字
や図柄等の表示パターンを形成しただけでは、繰り返し
タッチを行うと表示パターンが摩滅して不鮮明になった
り消えてしまったりしやすい。またタッチ基部に表示パ
ターンを形成しただけでは、高級感を欠く上、斜め方向
から見たときに表示パターンを読み取りにくい。
【0004】この問題に対処すべく、シリコーンゴム製
のキーパッドの表示パターン上にまずプライマーを塗布
し、ついでその上からエポキシ樹脂液を塗布、硬化させ
て、盛り上がり状の硬化被膜を形成することがなされて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーンゴムは変形や伸びを起こしやすくかつ非極性である
ため、プライマー層を介してエポキシ樹脂硬化被膜を設
けても、シリコーンゴム上へのエポキシ樹脂の接着力を
高める有効なプライマーが少なく、多数回タッチを繰り
返すとエポキシ樹脂硬化被膜が剥離しやすい。プライマ
ーの改良も検討されているが、ある種のシリコーンゴム
に対しては有効であるプライマーも、他の多くの種類の
シリコーンゴムに対してはプライマー効果が不足すると
いうように選択性があり、広い範囲のシリコーンゴムに
対して有効であるプライマーが見当らないのが実状であ
る。
【0006】そして、たとえ密着性の問題を克服するこ
とができた場合でも、エポキシ樹脂は、主剤と硬化剤と
を混合する必要があること、硬化するまでの時間が長い
こと、コーティング時に空気を噛むので減圧脱泡が必要
となることなどの不利がある。またエポキシ樹脂硬化被
膜は、被膜が硬いため打鍵回数が多くなると爪が当った
ときにクラックを生ずるおそれがあり、さらには耐侯性
が不足するため経時的に黄変を起こしやすいという問題
点もある(紫外線吸収剤を添加した場合でも耐侯性の向
上には限界がある)。
【0007】本発明は、このような背景下において、シ
リコーンゴム製のキーパッドの表示パターン上に、密着
力が大で、多数回の打鍵操作によってもクラックを生じ
がたく、経時的な黄変も生じがたい保護層を設けたキー
パッドおよびその製造法を提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のキーパッドは、
シリコーンゴム製キーパッドのタッチ基部(1) に形成さ
れている表示パターン(2) 上に、2−シアノアクリレー
トの硬化物による保護層(4) が盛り上がり状に設けられ
た構造を有するものである。この場合、表示パターン
(2) の上にプライマー塗布層(3) を介して2−シアノア
クリレートの硬化物による保護層(4) を設けることが特
に好ましい。
【0009】本発明のキーパッドの製造法は、シリコー
ンゴム製キーパッドのタッチ基部(1) に形成されている
表示パターン(2) 上に、2−シアノアクリレートを塗
布、硬化させて2−シアノアクリレートの硬化物からな
る保護層(4) を盛り上がり状に形成することを特徴とす
るものである。この場合、表示パターン(2) 上にプライ
マーを塗布、乾燥させてプライマー塗布層(3) を形成
し、ついでその上から2−シアノアクリレートを塗布、
硬化させて2−シアノアクリレートの硬化物からなる保
護層(4) を形成することが特に望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】〈シリコーンゴム、タッチ基部(1) 〉本発
明のキーパッドは、シリコーンゴムでできている。ここ
でシリコーンゴムの用語は広義の意味で用いており、ポ
リオルガノシロキサン構造を有する未変性または変性高
分子からなる成形物状または層状のものを意味してい
る。タッチ基部(1) とは、そのシリコーンゴム製のキー
パッドのタッチ操作部のことである。
【0012】〈表示パターン(2) 〉このシリコーンゴム
製のキーパッドのタッチ基部(1) には、数字、文字、記
号、図形などの表示パターン(2) が形成される。表示パ
ターン(2) の形成は、印刷法やエッチング法など任意の
方法によりなされる。
【0013】〈プライマー、プライマー塗布層(3) 〉後
述の保護層(4) の密着性を上げるため、表示パターン
(2) の上にはプライマーを塗布、乾燥させて、プライマ
ー塗布層(3) を形成することが望ましい。
【0014】このときのプライマーとしては、プライマ
ー効果(密着性向上効果)を奏する限りにおいて任意の
もの(界面活性剤などを含む)が用いられる。しかしな
がら、特に好ましいものは、シリコーン系オイル、トリ
アルキルアミンおよび溶剤からなる組成を有するもので
ある。
【0015】ここでシリコーン系オイルとしては、ジメ
チルシリコーンオイル、非ジメチルシリコーンオイル、
変性シリコーンオイルのいずれもが有用である。このう
ち変性シリコーンオイルの例は、アミノ変性シリコー
ン、アルキル変性シリコーン、アミノアルキル変性シリ
コーン、脂肪酸変性シリコーン、エポキシ変性シリコー
ン、カルボキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリ
コーン、ヒドロキシ変性シリコーン、フェニル変性シリ
コーン、ハイドロジェン変性シリコーンなどがあげられ
る。
【0016】トリアルキルアミンとしては、3つのアル
キル基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、テトラ
コシル基など、あるいはこれらの組み合わせであるトリ
アルキルアミン、たとえば、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、トリラウリルアミ
ン、トリテトラデシルアミン、N,N−ジメチルオクチ
ルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−
ジメチルヘキサデシルアミン、メチルエチルドデシルア
ミン、ジエチルオクチルアミンなどがあげられる。これ
らの中で重要なものの一例は、2つのメチル基と1つの
炭素数8以上のアルキル基とを有するN,N−ジメチル
アルキルアミンである。
【0017】溶剤としては、アルコール(メタノール、
エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、各
種ブタノール、シクロヘキサノール等)、ケトン(アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等)、脂肪族、脂環式または芳香族の
炭化水素(n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等)、エステル(酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イ
ソアミル等)、エーテル(ジオキサン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテ
ル等)、含ハロゲン溶剤(メチレンクロライド、パーク
ロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、クロロホルム、メチルクロロホルム、四
塩化炭素等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、セロソ
ルブアセテート等)、含窒素溶剤(ニトロメタン、ニト
ロエタン等)、水などがあげられ、これらの混合溶剤を
用いることもできる。
【0018】上記組成物中の各成分の割合は、シリコー
ン系オイルが0.01〜5重量%、トリアルキルアミン 0.0
05〜3重量%であり、残余が溶剤であることが好まし
い。この範囲において最も好ましいプライマー効果が得
られるからである。
【0019】プライマーの塗布は、コーティング法、ポ
ッティング法、印刷法、スプレー法、ディッピング法、
ハケ塗り法などにより行うことができる。
【0020】〈2−シアノアクリレート、保護層(4) 〉
そして本発明においては、好ましくはプライマー塗布層
(3) を形成してから、2−シアノアクリレートを塗布、
硬化させて、2−シアノアクリレートの硬化物からなる
保護層(4) を盛り上がり状に形成する。
【0021】2−シアノアクリレートとしては、アルキ
ル2−シアノアクリレート、シクロアルキル2−シアノ
アクリレート、アルコキシアルキル2−シアノアクリレ
ート、アルケニル2−シアノアクリレート、アルキニル
2−シアノアクリレートなどが用いられる。このうち、
アルキル2−シアノアクリレートの例は、メチル2−シ
アノアクリレート、エチル2−シアノアクリレート、各
種プロピル2−シアノアクリレート、各種ブチル2−シ
アノアクリレート、各種ペンチル2−シアノアクリレー
ト、各種ヘキシル2−シアノアクリレート、各種オクチ
ル2−シアノアクリレートなどであり、アルコキシアル
キル2−シアノアクリレートの例は、エトキシエチル2
−シアノアクリレート、メトキシエチル2−シアノアク
リレート、メトキシイソプロピル2−シアノアクリレー
トなどである。
【0022】このときの2−シアノアクリレートは、可
塑剤または溶剤(殊に、可塑剤単独か、可塑剤と溶剤と
の混合物)中に溶解した形態のアニオン重合促進剤を2
−シアノアクリレートに内添したものであることが好ま
しい。その方がアニオン重合促進剤が可塑剤またはこれ
と溶剤で保護された状態で2−シアノアクリレートに混
合されるので、混合後の可使時間を確保できるからであ
る。2−シアノアクリレート100重量部に対するアニ
オン重合促進剤の添加量は、0.0001〜3重量部、殊に
0.001〜1重量部とするのが適当である。アニオン重合
促進剤の添加量が余りに少ないときは保護層(4) の厚み
が厚いと硬化促進が遅くなり、余りに多いときは可使時
間が極端に短くなって実用性を欠くようになる。
【0023】上記のアニオン重合促進剤としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基性物質;
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−ト
ルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N
−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−m−
トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,
N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、o−
フェニレンジアミン、トリクロルアセトアミド、コハク
酸イミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、エチルアミン、ジ
エチルアミン、トリエチルアミン、トリラウリルアミ
ン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、トリブチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ピロリン、ジメチルベンジルアミ
ン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ルチ
ジン、ピコリン、6−アミノ−2−ピコリン、ピリジ
ン、2−ビニルピリジン、2,6−ジクロルピリジン、
4−ジメチルアミノピリジン、2−アミノピリジン、3
−アミノピリジン、1−ビニルイミダゾール、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジ
アミノフェニルメタン等の有機塩基性物質;アルミニウ
ムsec-ブトキシジイソプロピレート等の有機金属化合
物;ビス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト等のホスファイト化合物;亜
リン酸エステル;有機ホスフィン化合物;ジアザビシク
ロ化合物;アルデヒドアニリン化合物;ホスフェートま
たはホスファイト含有有機チタン化合物;などがあげら
れる。これらの中では、有機塩基性物質、殊に第三級ア
ミン、なかんずくトルイジン類が重要である。
【0024】上記の可塑剤としては、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジアリルフタレート、ブチ
ルベンゾイルフタレート等のフタル酸エステル;ブチル
ベンジルホスフェート、ジブチルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ク
レジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニル
ホスフェート等のリン酸エステル;トリス(クロロエチ
ル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフ
ェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート等
の含ハロゲンリン酸エステル;ジブチルアジペート、ジ
オクチルアジペート等のアジピン酸エステル;ジメチル
セバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケー
ト等のセバシン酸エステル;ジプロピレングリコールジ
ベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエー
ト、グリセリントリベンゾエート、ペンタエリスリトー
ルテトラベンゾエート等の安息香酸エステル;をはじ
め、2−シアノアクリレートと相溶性を有する各種の可
塑剤が用いられる。可塑剤としては、そのほか、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボ
ネート化合物も好適に用いられる。一方、溶剤として
は、先にプライマーの説明の個所であげたようなものが
用いられる。
【0025】また保護層(4) 形成用の2−シアノアクリ
レートは、ベンゾフェノン系、シアノ系をはじめとする
紫外線吸収剤を2−シアノアクリレートに内添したもの
であることが好ましい。紫外線吸収剤の添加量は、2−
シアノアクリレート100重量部に対して0.01〜3重量
部とすることが多い。
【0026】2−シアノアクリレートには、そのほか、
ラジカル重合禁止剤(ハイドロキノン、ハイドロキノン
モノエーテル、カテコール、ピロガロール等)、アニオ
ン重合禁止剤(BF3 コンプレックス、二酸化イオウ、
スルホン酸や、その他の有機酸、無機酸等)、増粘剤、
耐熱性付与剤、着色剤、チクソトロピー性改善剤、pH
調節剤、H+ イオン封鎖剤、架橋剤、フィラー、ポリマ
ー類などを含有させることができる。先に述べた可塑剤
や溶剤を含有させることもできる。
【0027】2−シアノアクリレートは(アニオン重合
促進剤を添加混合した場合はその可使時間は数10秒か
ら2時間程度までであるので、その可使時間内に)、こ
れを表示パターン(2) 上に(殊にプライマー塗布層(3)
を介して)塗布する。塗布方法としては、ポッティング
法、コーティング法、印刷法などがあげられる。なお特
殊な方法として、凹部を設けた型を成型し、その凹部に
2−シアノアクリレート組成物を適量入れ、その上に好
ましくは予めプライマー塗布層(3) を形成してあるシリ
コーンゴムのタッチ基部(1) の表示パターン(2) の側を
裏返しにして載せることにより、保護層(4) を設けるこ
ともできる。
【0028】保護層(4) は、台地形や半球を伏せたレン
ズ形のような盛り上がり状に形成する。保護層(4) の最
大厚みは数mmまで可能であり、通常は 0.5〜1.5mm 程度
とする。
【0029】〈キーパッド〉上記の操作により、タッチ
基部(1) /表示パターン(2) /保護層(4) の構造のキー
パッドが得られる。この場合、先にも述べたように、表
示パターン(2) と保護層(4) との間にプライマー塗布層
(3) を介在させて、(1)/(2)/(3)/(4) の構造とすること
が好ましい。
【0030】〈用途〉上記シリコーンゴム製のキーパッ
ドは、携帯電話、電卓、電気製品、家電製品(洗濯機
等)、電子製品、音響機器などの操作パネル、スイッ
チ、キー関連部分などの用途に適用される。
【0031】〈作用〉本発明によれば、シリコーンゴム
製のキーパッドの表示パターン(2) 上に、密着力が大
で、多数回の打鍵操作によってもクラックを生じがた
く、経時的な黄変も生じがたい保護層(4) を設けること
ができる。得られたキーパッドは、美麗さ、パターンの
見やすさの点でも極めて好ましく、工業的生産性の点で
も有利である。このように本発明のキーパッドは、高性
能であり、高度化する業界の要求に添うことができる。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明する。以下、「部」、「%」とあるのは重量基準で表
わしたものである。
【0033】実施例1〜2、比較例1 図1は本発明のキーパッドの製造工程の一例を模式的に
示した説明図である。図2は本発明のキーパッドの一例
を示した平面図である。
【0034】携帯電話用のシリコーンゴム製の凹凸に賦
形されたキーパッド用原反シート(A〜Eの5種を使
用)のタッチ基部(1) に、印刷法またはエッチング法に
より電話用のキー符号(0〜9の数字、シャープ、アス
タリスク、CLR、STO、PWRの符号など)からな
る表示パターン(2) が形成された半製品を準備した(図
1の(イ)参照)。
【0035】東レシリコーン株式会社製の粘度5000
cps/25℃のジメチルシリコーンオイル「SH200」を
シクロヘキサンに溶解した5%濃度の溶液10部、N,
N−ジメチルドデシルアミン 1.5部、およびイソプロパ
ノールとシクロヘキサンとの重量比で1:1の混合溶剤
88.5部を混合した組成物からなるプライマーを調製し
た。このプライマーを上記の表示パターン(2) 上にロー
ルコーティング法により塗布して自然乾燥し、プライマ
ー塗布層(3) を形成させた(図1の(ロ)参照)。
【0036】安定剤としての少量のハイドロキノンとS
2 とを含むエチル2−シアノアクリレートに 0.1%の
紫外線吸収剤(BASF社製の「UVA−635L」)
を添加したもの10gをポリエチレン容器に入れ、そこ
に、可塑剤としてのトリス(クロロエチル)ホスフェー
トにアニオン重合促進剤としてのN,N−ジメチル−p
−トルイジンを溶解した 0.2%濃度の組成物0.06gを添
加し、容器をよく振って混合した。
【0037】このようにして調製したアニオン重合促進
剤および紫外線吸収剤が内添された2−シアノアクリレ
ートを、上に述べたプライマー塗布層(3) の上からポッ
ティング法により塗布したところ、空気中の水分および
内添された硬化成分により間もなく自然硬化し、半球を
伏せたレンズ形のような最大厚みが1mmの盛り上がり状
の保護層(4) が形成された(図1の(ハ)および図2参
照)。
【0038】1日経過後に保護層(4) を強制剥離したと
ころ、シリコーンゴム自体が破壊した。保護層(4) は透
明で美麗であり、キーパッド用原反シートがA〜Eのい
ずれの場合にあっても、300万回の打鍵操作によって
も、保護層(4) の剥離、クラック等のトラブルは認めら
れなかった。これに対し、保護層がエポキシ樹脂硬化物
で構成された各種の市販の携帯電話用キーパッドは、キ
ーパッド用原反シートがA、Cの場合は10万回まで、
B、Dの場合は5万回まで、Eの場合は1万回までの打
鍵操作で、保護層に剥離またはクラックを生じた。
【0039】また、上記本発明のキーパッドと、保護層
が紫外線吸収剤入りのエポキシ樹脂硬化物で構成された
市販の携帯電話用キーパッドとを、日光の射し込む窓際
に並べて置いたおいたところ、市販のキーパッドの方は
14日目にはやや黄変が見られ、30日目には明らかな
黄変が見られたのに対し、本発明のキーパッドの方は1
年後でもごくわずかに黄変の徴候が認められたにすぎな
かった。
【0040】なお、エチル2−シアノアクリレートにア
ニオン重合促進剤を内添しなかったときは、硬化速度が
遅くなるため保護層(4) の最大厚みに制限があるものの
(たとえば約 0.2mmまで)、保護層としての効果が見ら
れた。
【0041】実施例2 プライマー塗布層(3) 形成のためのプライマーとして、
東レシリコーン株式会社製の粘度1200cps/25℃のア
ミノ変性シリコーンオイル「SF8417」をn−ヘプ
タンに溶解した10%濃度の溶液4部、N,N−ジメチ
ルオクチルアミン 0.2部、およびn−ペンタン95.8部を
混合した組成物を用い、また保護層(4)形成用の2−シ
アノアクリレートとして、少量のハイドロキノンとSO
2 、および 0.2%の紫外線吸収剤(BASF社製の「U
VA−935LH」)をイソブチル2−シアノアクリレ
ート10gに、可塑剤としてのジブチルフタレートにア
ニオン重合促進剤としてのN,N−ジメチルアニリンを
溶解した 0.5%濃度の組成物0.08gを添加したものを用
いたほかは、実施例1を繰り返した。この場合も、実施
例1と同様の好ましい結果が得られた。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、シリコーンゴム製のキ
ーパッドの表示パターン(2) 上に、密着力が大で、多数
回の打鍵操作によってもクラックを生じがたく、経時的
な黄変も生じがたい保護層(4) を設けることができる。
保護層(4) は、エポキシ樹脂を用いた従来法に比し、該
層の形成操作の点でも該層の硬化被膜の性能の点でも、
格段に好ましいものである。得られたキーパッドは、美
麗さ、パターンの見やすさの点でも極めて好ましく、工
業的生産性の点でも有利である。このように本発明のキ
ーパッドは、高性能であり、高度化する業界の要求に添
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキーパッドの製造工程の一例を模式的
に示した説明図である。
【図2】本発明のキーパッドの一例を示した平面図であ
る。
【符号の説明】
(1) …タッチ基部、 (2) …表示パターン、 (3) …プライマー塗布層、 (4) …保護層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコーンゴム製キーパッドのタッチ基部
    (1) に形成されている表示パターン(2) 上に、2−シア
    ノアクリレートの硬化物による保護層(4) が盛り上がり
    状に設けられた構造を有するキーパッド。
  2. 【請求項2】シリコーンゴム製キーパッドのタッチ基部
    (1) に形成されている表示パターン(2) の上に、プライ
    マー塗布層(3) を介して、2−シアノアクリレートの硬
    化物による保護層(4) が盛り上がり状に設けられた構造
    を有する請求項1記載のキーパッド。
  3. 【請求項3】プライマー塗布層(3) が、シリコーン系オ
    イルおよびトリアルキルアミンを主剤とする層である請
    求項2記載のキーパッド。
  4. 【請求項4】保護層(4) が、アニオン重合促進剤が内添
    された2−シアノアクリレートの硬化物により形成され
    ている請求項1または2記載のキーパッド。
  5. 【請求項5】保護層(4) が、アニオン重合促進剤および
    紫外線吸収剤が内添された2−シアノアクリレートの硬
    化物により形成されている請求項1、2または4のいず
    れかに記載のキーパッド。
  6. 【請求項6】シリコーンゴム製キーパッドのタッチ基部
    (1) に形成されている表示パターン(2) 上に、2−シア
    ノアクリレートを塗布、硬化させて2−シアノアクリレ
    ートの硬化物からなる保護層(4) を盛り上がり状に形成
    することを特徴とするキーパッドの製造法。
  7. 【請求項7】シリコーンゴム製キーパッドのタッチ基部
    (1) に形成されている表示パターン(2) 上に、プライマ
    ーを塗布、乾燥させてプライマー塗布層(3) を形成し、
    ついでその上から2−シアノアクリレートを塗布、硬化
    させて2−シアノアクリレートの硬化物からなる保護層
    (4) を盛り上がり状に形成することを特徴とするキーパ
    ッドの製造法。
  8. 【請求項8】プライマー塗布層(3) 形成用のプライマー
    が、シリコーン系オイル、トリアルキルアミンおよび溶
    剤からなる組成を有するものである請求項6または7記
    載の製造法。
  9. 【請求項9】保護層(4) 形成用の2−シアノアクリレー
    トが、可塑剤または溶剤中に溶解した形態のアニオン重
    合促進剤を2−シアノアクリレートに内添したものであ
    る請求項6または7記載の製造法。
  10. 【請求項10】保護層(4) 形成用の2−シアノアクリレ
    ートが、アニオン重合促進剤および紫外線吸収剤を2−
    シアノアクリレートに内添したものである請求項6、7
    または9記載の製造法。
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