JPH1143434A - カリウムチャンネル開口薬 - Google Patents

カリウムチャンネル開口薬

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JPH1143434A
JPH1143434A JP16290198A JP16290198A JPH1143434A JP H1143434 A JPH1143434 A JP H1143434A JP 16290198 A JP16290198 A JP 16290198A JP 16290198 A JP16290198 A JP 16290198A JP H1143434 A JPH1143434 A JP H1143434A
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JP
Japan
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pyrimidine
pyrazolo
pyrrolo
dihydro
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Pending
Application number
JP16290198A
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English (en)
Inventor
Takayuki Namiki
隆之 並木
Masayuki Yuasa
雅之 湯浅
Takako Takakuwa
貴子 高▲桑▼
Satoshi Ichinomiya
聡 一ノ宮
Masashi Tamai
将志 玉井
Yukio Kawazu
幸雄 河津
Kenichi Kishii
兼一 岸井
Norio Funayama
宣男 船山
Naoki Hiyama
直樹 檜山
Kyoko Taneda
恭子 種田
Tomoaki Yahiro
知朗 八尋
Mayumi Sugio
真由美 杉尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 新規なカリウムチャンネル開口薬を提供す
る。 【解決手段】 下記式(1)で表される化合物又はその
塩からなるカリウムチャンネル開口性医薬組成物。 〔式中、R1は直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基
を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
ミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カ
ルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を示し、R3
はニトロ基、アミノ基、複素環式基、ハロゲンが置換し
ていてもよいアルキルスルホニルアミノ基などを示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピロロピラゾロピ
リミジン化合物又はその塩からなるカリウムチャンネル
開口薬に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の細胞膜には種々のイオンの透過を
調整するイオンチャンネルが存在する。イオンチャンネ
ルにはナトリウムイオン(Na+)の透過を調整するナ
トリウムチャンネル、カルシウムイオン(Ca2+)の透
過を調整するカルシウムチャンネル、カリウムイオン
(K+)の透過を調整するカリウムチャンネル等が知ら
れている。生体内の情報伝達は電位変化を介してのもの
であり、そしてこの電位変化はイオンチャンネルの作用
と大きく関連している。それ故、イオンチャンネルは、
筋収縮、分泌、記憶等の多くの生体の活動に寄与する。
すなわち、イオンチャンネルは、生体内において極めて
重要で基礎的な機能を果たしている。
【0003】これらイオンチャンネルの中でも、カリウ
ムチャンネルに対する注目が近年大きくなっている。カ
リウムチャンネルは神経細胞の細胞膜上、平滑筋細胞の
細胞膜上のみならず、すい臓のランゲルハンス島等のよ
うに臓器内にも存在する。カリウムチャンネルにはこれ
まで知られているもので10数種のサブタイプが存在
し、これらは種々の生体内の恒常性に関与している。近
年、カリウムチャンネル開口作用を有するクロマカリ
ム、ピナシジル等のカリウムチャンネル開口薬が開発さ
れ、高血圧症、虚血性心疾患、不整脈、痴呆症、頻尿、
尿失禁等の各種疾患への応用が試みられた。特に、高血
圧症に対しては、血管平滑筋の過分極及び弛緩を惹起
し、強力な血圧降下作用を示し、その有益性は認められ
た。しかしながら、一方で、既存のカリウムチャンネル
開口薬は、浮腫、反射性頻脈等や組織選択性の欠如によ
る副作用が認められ、臨床応用が難しくなってきてい
る。すなわち、新規なカリウムチャンネル開口薬の登場
が望まれている。
【0004】また、例えば、次の式(A)で示される化
学構造の、本発明の化合物と類似構造の化合物は血圧降
下作用や気管支拡張作用を有することは既に知られてい
る。しかしながら、本発明のカリウムチャンネル開口薬
である、式(1)で表される化合物についてカリウムチ
ャンネル開口作用は全く知られていない。
【0005】
【化2】 式(A)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、新
規なカリウムチャンネル開口薬を提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み、本発
明者は鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で表される
化合物又はその塩がカリウムチャンネル開口作用を有す
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、式(1)で表される
化合物又はその塩からなるカリウムチャンネル開口薬を
提供するものである。
【0009】
【化3】 式(1) 〔式中、R1は直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基
を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
ミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カ
ルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を示し、R3
はニトロ基、アミノ基、複素環式基、ハロゲンが置換し
ていてもよいアルキルスルホニルアミノ基、R4CON
H−で表される基、又はR5CO−で表される基を示
す。そしてR4はアルキル基、ハロゲノアルキル基、カ
ルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を示し、R5
はアミノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ
基、ハロゲノアルキル基又は複素環−アミノ基を示す〕
【0010】さらに、本発明は、式(1)で表される化
合物又はその塩からなるカリウムチャンネル開口不全症
用医薬組成物を提供するものである。以下本発明の実施
の形態について詳細に述べる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記式(1)中、R1で示される
直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基としては、炭素
数1〜10のものが好ましく、炭素数2〜8のものがよ
り好ましい。そして分岐鎖又は環状の炭素数3〜6のも
のが特に好ましい。当該アルキル基を具体的に例示すれ
ば、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シ
クロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、te
rt−アミル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチ
ル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチ
ル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。こ
のうち、イソプロピル基、シクロプロピル基、sec−
ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロ
ブチル基、tert−アミル基、1−エチルプロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好まし
い。
【0012】R2で示されるハロゲン原子としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。アルキ
ル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ
る。当該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチ
ル基、イソペンチル基、tert−アミル基、1−エチ
ルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イ
ソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シ
クロヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−
デシル基等が挙げられる。置換基を有するアルキル基と
しては、アルコキシアルキル基、アラルキルオキシアル
キル基、アリールオキシアルキル基、置換基を有してい
てもよいアミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基が挙
げられる。そして、置換基を有していてもよいアミノア
ルキル基としては、例えば、アミノアルキル基、モノ若
しくはジ−アルキルアミノアルキル基、環状アルキルア
ミノアルキル基、環を構成するヘテロ原子としてさらに
酸素原子若しくは窒素原子を有していても良い4〜7員
の環状アミノ置換アルキル基等が挙げられる。このよう
な置換基を有するアルキル基として具体的には、メトキ
シメチル基、エトキシメチル基、ベンジロキシメチル
基、フェノキシメチル基、アミノメチル基、メチルアミ
ノメチル基、ジメチルアミノメチル基、モルホリノメチ
ル基、ピペラジノメチル基、4−メチルピペラジノメチ
ル基、ヒドロキシメチル基等が挙げられる。また置換基
を有していてもよいアミノ基としては、アミノ基、モノ
又はジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基、環状
アミノ基、ハロゲン原子が置換していてもよいアルキル
スルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ア
ルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ
基、置換基を有していてもよいウレイド基、置換基を有
していてもよいチオウレイド基、置換基を有していても
よいヒドラジノ基が挙げられる。ここでハロゲン原子と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
が挙げられる。環状アミノ基としては、例えば、環を構
成するヘテロ原子として更に酸素原子又は窒素原子を有
していても良い4〜7員の環状アミノ基等が挙げられ
る。また、ウレイド基、チオウレイド基、ヒドラジノ基
の置換基としては、R1と同様な直鎖、分岐鎖又は環状
のアルキル基等が挙げられる。置換基を有していてもよ
いアミノ基の具体例としては、アミノ基、メチルアミノ
基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ
基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピペ
ラジノ基、4−メチルピペラジノ基、メタンスルホニル
アミノ基、トリフルオロメタンスルホニルアミノ基、ベ
ンゼンスルホニルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾ
イルアミノ基、ウレイド基、メチルウレイド基、チオウ
レイド基、メチルチオウレイド基、ヒドラジノ基、メチ
ルヒドラジノ基等が挙げられる。またアルコキシカルボ
ニル基としては、具体的には、メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル
基等が挙げられる。また、アルキルカルバモイル基とし
ては、具体的には、メチルカルバモイル基、エチルカル
バモイル基、イソプロピルカルバモイル基、ジメチルカ
ルバモイル基、ジエチルカルバモイル基等が挙げられ
る。
【0013】前記R2で示される基のうち、水素原子、
1-3アルキル基又はアミノ基が好ましい。具体的に
は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、シクロプロピル基、アミノ基等が挙げ
られる。これらのうち特に好ましいのは水素原子、メチ
ル基及びアミノ基である。
【0014】R3で示される複素環式基としては、含窒
素複素環式基、例えばテトラゾリル基等が挙げられる。
ハロゲンが置換していてもよいアルキルスルホニルアミ
ノ基としては、ハロゲンが置換していてもよい炭素数1
〜10のアルキルスルホニルアミノ基が挙げられ、具体
的には、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニル
アミノ基、プロパンスルホニルアミノ基、クロロエタン
スルホニルアミノ基、トリフルオロメタンスルホニルア
ミノ基等が挙げられる。
【0015】R4で示されるアルキル基としては、炭素
数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、
具体例としては、前記R2で示されるアルキル基と同様
のものが挙げられる。R4で示されるハロゲノアルキル
基としては、炭素数1〜10のハロゲノアルキル基が挙
げられ、具体例としては、クロロメチル基、クロロエチ
ル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。R4で示
されるアルコキシカルボニル基の具体例としては、前記
2で示されるアルコキシカルボニル基と同様のものが
挙げられる。
【0016】R5で示されるアルキル基としては、炭素
数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、
具体例としては、前記R2で示されるアルキル基と同様
のものが挙げられる。R5で示されるハロゲノアルキル
基としては、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のハロゲ
ノアルキル基が好ましく、具体例としては、前記R4
示されるハロゲノアルキル基と同様のものが挙げられ
る。またR5で示される複素環−アミノ基としては、含
窒素複素環−アミノ基が好ましく、例えばテトラゾリル
アミノ基等が挙げられる。
【0017】前記R3で示される基のうち、ニトロ基、
トリフルオロアセチル基が特に好ましい。
【0018】式(1)で表される化合物について、具体
例としては、例えば、8−tert−ブチル−6,7−
ジヒドロ−5−メチル−3−ニトロ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物1)、8−tert−アミル−6,7−ジヒドロ−
5−メチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物2)、8−
シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−
ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン(化合物3)、8−シクロヘキシル−
6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−ニトロ−8H−ピ
ロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
(化合物4)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ
−5−メチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物5)、
3−アミノ−8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−
5−メチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物6)、3−アセチル
アミノ−8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−
メチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン(化合物7)、8−シクロペンチル−
6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−トリフルオロメタ
ンスルホニルアミノ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラ
ゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物8)、8−シク
ロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−トリ
フルオロアセチルアミノ−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物9)、8−
シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−3−メタンスルホ
ニルアミノ−5−メチル−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物10)、N
−(8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチ
ル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン−3−イル)オキサミン酸(化合物1
1)、エチル N−(8−シクロペンチル−6,7−ジ
ヒドロ−5−メチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラ
ゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)アミノグリ
オキシレート(化合物12)、8−tert−ブチル−
6,7−ジヒドロ−5−メチル−8H−ピロロ[3,2
−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−N−
(1H−テトラゾール−5−イル)カルボキサミド(化
合物13)、8−tert−アミル−6,7−ジヒドロ
−5−メチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン−3−N−(1H−テトラゾ
ール−5−イル)カルボキサミド(化合物14)、8−
シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−
(1H−テトラゾール−5−イル)−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物15)、8−tert−ブチル−6,7−ジヒドロ
−5−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)
−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]
ピリミジン(化合物16)、8−tert−アミル−
6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−(1H−テトラゾ
ール−5−イル)−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ[1,5−a]ピリミジン(化合物17)、8−シク
ロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−8H−ピ
ロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
−3−カルボキサミド(化合物18)、5−アミノ−8
−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8
H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリ
ミジン(化合物19)、5−アミノ−8−sec−ブチ
ル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物20)、エチル 8−シクロペンチル−6,7−ジ
ヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラ
ゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−カルボキシレート
(化合物21)、エチル 8−sec−ブチル−6,7
−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−カルボキシレ
ート(化合物22)、8−シクロペンチル−6,7−ジ
ヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラ
ゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−カルボン酸(化合
物23)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−3
−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,
5−a]ピリミジン−5−カルボン酸(化合物24)、
8−tert−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル
−3−トリフルオロアセチル−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物2
5)、8−tert−アミル−6,7−ジヒドロ−5−
メチル−3−トリフルオロアセチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物26)、8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−
5−メチル−3−トリフルオロアセチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物27)、8−シクロヘキシル−6,7−ジヒドロ−
5−メチル−3−トリフルオロアセチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物28)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−
5−メチル−3−トリフルオロアセチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物29)、8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−
3−エトキシカルボニル−5−メチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物30)、8−tert−ブチル−6,7−ジヒドロ
−3−エトキシカルボニル−5−メチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物31)、8−tert−アミル−6,7−ジヒドロ
−3−エトキシカルボニル−5−メチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物32)、3−カルボキシ−8−シクロペンチル−
6,7−ジヒドロ−5−メチル−8H−ピロロ[3,2
−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物3
3)、8−tert−ブチル−3−カルボキシ−6,7
−ジヒドロ−5−メチル−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物34)、8
−tert−アミル−3−カルボキシ−6,7−ジヒド
ロ−5−メチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物35)、8−シクロ
ペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−8H−ピロ
ロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−
3−N−(1H−テトラゾール−5−イル)カルボキサ
ミド(化合物36)、8−tert−ブチル−6,7−
ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物37)、8−
シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H
−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
ジン(化合物38)、8−sec−ブチル−6,7−ジ
ヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラ
ゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物39)、8−t
ert−ブチル−5−クロロ−6,7−ジヒドロ−3−
ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン(化合物40)、5−クロロ−8−シ
クロペンチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン(化合物41)、8−sec−ブチル−5−クロロ−
6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2
−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物4
2)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メ
トキシメチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物4
3)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−エ
トキシメチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物4
4)、5−ベンジロキシメチル−8−sec−ブチル−
6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2
−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物4
5)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニ
トロ−5−フェノキシメチル−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物4
6)、5−アミノメチル−8−sec−ブチル−6,7
−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物47)、8
−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチルアミ
ノメチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物48)、8−
sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−ジメチルアミ
ノメチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物49)、8−
sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−モルホリノメ
チル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ[1,5−a]ピリミジン(化合物50)、8−se
c−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−5−ピペ
ラジノメチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物51)、8−sec
−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−(4−メチルピペラ
ジノメチル)−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物5
2)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−ヒ
ドロキシメチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物5
3)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メ
チルアミノ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物54)、8
−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−エチルアミ
ノ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物55)、8−sec
−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−ジメチルアミノ−3
−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,
5−a]ピリミジン(化合物56)、8−sec−ブチ
ル−5−ジエチルアミノ−6,7−ジヒドロ−3−ニト
ロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン(化合物57)、8−sec−ブチル−
5−シクロプロピルアミノ−6,7−ジヒドロ−3−ニ
トロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン(化合物58)、8−sec−ブチル−
5−シクロブチルアミノ−6,7−ジヒドロ−3−ニト
ロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン(化合物59)、8−sec−ブチル−
6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−5−ピロリジノ−8H
−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
ジン(化合物60)、8−sec−ブチル−6,7−ジ
ヒドロ−3−ニトロ−5−ピペリジノ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物61)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−
5−モルホリノ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物6
2)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニ
トロ−5−ピペラジノ−8H−ピロロ[3,2−e]ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物63)、8−
sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メタンスルホ
ニルアミノ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物64)、8
−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−5
−トリフルオロメタンスルホニルアミノ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物65)、5−ベンゼンスルホニルアミノ−8−se
c−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピ
ロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
(化合物66)、5−アセチルアミノ−8−sec−ブ
チル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物67)、5−ベンゾイルアミノ−8−sec−ブチ
ル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物68)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−
3−ニトロ−5−ウレイド−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物6
9)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メ
チルウレイド−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物7
0)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニ
トロ−5−チオウレイド−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物71)、8
−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチルチオ
ウレイド−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物72)、8−
sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−ヒドラジノ−
3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物73)、8−sec
−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチルヒドラジノ−
3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物74)、8−sec
−ブチル−5−カルバモイル−6,7−ジヒドロ−3−
ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン(化合物75)、エチル 8−シクロ
プロピル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロ
ロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−
5−カルボキシレート(化合物76)、エチル 8−シ
クロブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピ
ロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
−5−カルボキシレート(化合物77)、エチル 6,
7−ジヒドロ−8−イソプロピル−3−ニトロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン−5−カルボキシレート(化合物78)、エチル
6,7−ジヒドロ−8−(1−エチルプロピル)−3−
ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン−5−カルボキシレート(化合物7
9)、8−シクロプロピル−6,7−ジヒドロ−3−ニ
トロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン−5−カルボン酸(化合物80)、8−
シクロブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン−5−カルボン酸(化合物81)、6,7−ジヒドロ
−8−イソプロピル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,
2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−カル
ボン酸(化合物82)、6,7−ジヒドロ−8−(1−
エチルプロピル)−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2
−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−カルボ
ン酸(化合物83)、5−アミノ−8−シクロプロピル
−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,
2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物8
4)、5−アミノ−8−シクロブチル−6,7−ジヒド
ロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物85)、5−アミノ
−6,7−ジヒドロ−8−イソプロピル−3−ニトロ−
8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジン(化合物86)、5−アミノ−6,7−ジヒド
ロ−8−(1−エチルプロピル)−3−ニトロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン(化合物87)、8−sec−ブチル−6,7−ジヒ
ドロ−8−(2’,4’−ジニトロベンジルオキシメチ
ル)−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ[1,5−a]ピリミジン(化合物88)等が例示で
きる。
【0019】これらのうち好ましいものとして、8−t
ert−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−
ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン(化合物1)、8−tert−アミル
−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−ニトロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン(化合物2)、8−シクロペンチル−6,7−ジヒド
ロ−5−メチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物3)、
8−シクロヘキシル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−
3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物4)、8−sec−
ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−ニトロ−
8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジン(化合物5)、5−アミノ−8−sec−ブチ
ル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物20)、8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−
5−メチル−3−トリフルオロアセチル−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化
合物27)、8−tert−ブチル−6,7−ジヒドロ
−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物37)、8−シクロ
ペンチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロ
ロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
(化合物38)が挙げられる。
【0020】本発明において式(1)で表される化合物
の塩としては、生理的に許容しうるものであれば特段の
限定をされないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等
の鉱酸塩、クエン酸、蓚酸、フマール酸、マレイン酸、
蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸等の有機酸塩、炭酸塩等が好ま
しく例示できる。
【0021】また本発明において、式(1)で表される
化合物は水和物等の溶媒和物も包含する。
【0022】式(1)で表される化合物は、例えば、次
の反応式に従って製造することが出来る。
【0023】
【化4】
【0024】〔式中、R1及びR2は前記と同じものを示
し、R3は前記と同じもの又は水素原子を示し、Xはハ
ロゲン原子を示す〕
【0025】すなわち、あらかじめ置換基(R2、R3
を導入した式(3)で表される化合物又はその互変異体
に、塩化ホスホリル等のハロゲン化剤を反応させてジハ
ロゲン体である式(2)で表される化合物と為し、これ
にアミン類(H2N−R1)を反応させて閉環せしめれば
式(1)で表される化合物を製造することが出来る。さ
らに式(1)中のR2及びR3の基を常法により種々の置
換基に変換することもできる。また、式(3)で表され
る化合物を式(2)で表される化合物に変換した後に、
2やR3の置換基を他の置換基に変換し、その後式
(1)で表される化合物としてもよい。
【0026】ここで式(3)で表される化合物の互変異
体としては、次の構造のものが挙げられる。
【0027】
【化5】 式(3’) 〔式中、R2及びR3は前記と同じものを示す〕
【0028】ここで式(3)で表される化合物は、次の
(方法I)又は(方法II)により製造することが出来
る。
【0029】(方法I):
【0030】
【化6】
【0031】〔式中、R2及びR3は前記と同じものを示
す〕 すなわち、アミノピラゾール誘導体(4)とカルボニル
ラクトン誘導体(5)とをルイス酸等を触媒として縮合
させ、必要に応じてアルカリ処理することにより閉環す
れば式(3)で表される化合物を得ることが出来る。
【0032】(方法II):式(3)で表される化合物
のうち、R2が水酸基である化合物は次の反応式に従っ
て製造することが出来る。
【0033】
【化7】
【0034】〔式中、R3は前記と同じものを示し、T
BDMSiはtert−ブチルジメチルシリル基を示
す〕
【0035】すなわち、ブロモエタノールをtert−
ブチルジメチルクロロシランでtert−ブチルジメチ
ルシリル化した後、ナトリウムエトキシド等のアルカリ
存在下、マロン酸ジエチルを縮合させ、次いでこれをア
ミノピラゾールと反応させれば、式(3)で表される化
合物のうち、R2が水酸基である化合物を得ることが出
来る。
【0036】式(3)で表される化合物にハロゲン化剤
を作用させれば、ジハロゲン体である式(2)で表され
る化合物を得ることが出来る。ここで用いるハロゲン化
剤として特に限定されないが、例えばオキシ塩化リン等
が挙げられる。ハロゲン化剤は式(3)で表される化合
物に対して通常1.0〜10.0モル、好ましくは2.
0〜5.0モル用いられる。反応に用いる溶媒は非水溶
媒であれば、特に限定されず、具体的には、N,N−ジ
メチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン等
が挙げられる。また、ハロゲン化試薬が液体の場合、無
溶媒で反応を行うことも可能である。反応の進行を促進
するために塩基性触媒の使用が可能である。また、窒素
気流下反応させて行っても良い。反応温度については溶
媒、ハロゲン化試薬、触媒の物性によって異なるが、加
熱還流が好ましい。反応の後処理及び精製については一
般的な方法に従って行えば良い。ただし、場合によりR
2、R3の分解に留意する必要がある。なお、R2が水酸
基である式(3)で表される化合物にオキシハロゲン化
リンを作用させると、R2がハロゲン原子である式
(2)で表される化合物を得ることが出来る。そしてR
2及び/又はR3を種々の置換基に変換することも出来
る。
【0037】式(1)で表される化合物は、ジハロゲン
体である式(2)で表される化合物にアミン類(H2
−R1)を反応させ閉環せしめた後、所望によりR2及び
/又はR3を種々の置換基に変換することにより製造す
ることが出来る。
【0038】ここでアミン類(H2N−R1)は、式
(2)で表される化合物に対して通常1.0〜10.0
モル、好ましくは1.0〜2.5モル用いられる。反応
の触媒としては3級有機アミン、無機塩基が用いられ、
具体的に例示すればトリエチルアミン、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン、無水炭酸カリウム、無水炭酸ナ
トリウム等が挙げられる。これらの触媒は式(2)で表
される化合物に対して通常0.5〜30.0モル、好ま
しくは2.0〜5.0モル用いられる。また、原料アミ
ンであるH2N−R1を大過剰用いることにより触媒を不
要とすることもできる。反応に用いる溶媒は2つの原料
を溶解させることの出来る非水溶媒であれば、特に限定
されず、具体的にはN,N−ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられる。溶媒の使
用量は、具体的には、これら原料化合物に対して5〜1
00倍量あればよい。またこれらの溶媒は単独で用いる
ことも可能であるし、2種以上を組み合わせて用いるこ
とも可能である。溶媒の選択は、原料化合物及び触媒の
物性に適合させて行えば良い。本製造法の反応温度につ
いては室温〜沸点付近の温度まで何れの温度でも良い
が、好ましいのは室温である。本製造法の反応時間は種
々の条件により異なるが、30分〜30日間を要する。
反応の後処理と精製法については一般的な方法、例示す
れば水によるクエンチ、溶媒抽出、カラムクロマトグラ
フィー、再結晶等を適切に組み合わせてやれば良い。式
(1)で表される化合物が得られた後に置換基R2、R3
に関しては様々な化学変換を行うことが可能である。
【0039】式(1)で表される化合物は、極性又は非
極性溶媒中で酸と混合する等の常法により塩とすること
が出来る。かくして得られた式(1)で表される化合物
又はその塩は、カラムクロマトグラフィーや再結晶等の
通常の方法により、精製することができる。次に式
(1)で表される化合物の合成例を示す。
【0040】<化合物の合成例>
【0041】(1) 3−{[1−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリ
ル)エチリデン]アミノ}ピラゾールの製造:3−アミ
ノピラゾール0.83g(10.00mmol)、2−
アセチル−ガンマ−ブチロラクトン1.92g(15.
00mmol)を乾燥エタノール12mlに溶解し、こ
れに室温で撹拌しながら、ボロントリフルオライドメタ
ノールコンプレックス0.1mlを加え、続いて同条件
下で4時間撹拌した。析出してきた固体を濾取し、エタ
ノールで洗い、風乾し、目的物を1.34g(収率6
9.4%)得た。
【0042】1H−NMR(DMSO−d6,ppm) 2.45(3H,s),2.86(2H,t,J=7.
8Hz),4.27(2H,t,J=7.8Hz),
6.07(1H,d,J=2.2Hz),6.67(1
H,d,J=2.2Hz),10.00(1H,s),
12.46(1H,brs)
【0043】(2) 6−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オンの製造:
3−{[1−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリ
ル)エチリデン]アミノ}ピラゾール1.17g(6.
04mmol)を水7.5mlに懸濁し、これにトリエ
チルアミン0.73g(7.23mmol)を加え、油
浴温100℃にて2時間撹拌した。その後、氷−水で冷
却し、撹拌しながら濃塩酸を加え、pH2付近とし(固
体析出)、更に飽和重曹水を加えてpH4付近とした。
不溶固体を濾取し、水で数回洗い、風乾し、目的物を
1.06g(収率90.6%)得た。
【0044】1H−NMR(CDCl3+CD3OD,p
pm) 2.38(3H,s),2.81(2H,t,J=6.
5Hz),3.74(2H,t,J=6.5Hz),
5.97(1H,d,J=2.0Hz),7.80(1
H,d,J=2.0Hz)
【0045】(3) 7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチルピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジンの製造:6−(2−ヒ
ドロキシエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]
ピリミジン−7(4H)−オン5.30g(27.46
mmol)にトリエチルアミン8.5ml(d=0.7
26,61.10mmol)を加え、これに氷冷、窒素
雰囲気下撹拌しながらオキシ塩化リン8.5ml(d=
1.645,91.19mmol)を2分要し滴下し、
続いて油浴温100℃にて1時間撹拌した。その後氷−
水で冷却し、反応液をクロロホルム100mlに溶か
し、氷−水500mlに注いだ。よく振とう後、クロロ
ホルム層を分離し、水層は更にクロロホルムで抽出し
(100ml×2)、全クロロホルム層を合わせ、硫酸
ナトリウムで乾燥後、減圧下、溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)
に付し、目的物を3.78g(収率59.8%)得た。
【0046】1H−NMR(CDCl3,ppm) 2.71(3H,s),3.35(2H,t,J=7.
5Hz),3.76(2H,t,J=7.5Hz),
6.67(1H,d,J=2.4Hz),8.15(1
H,d,J=2.4Hz)
【0047】(4) 7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−
3−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの製造:
濃硫酸46mlに氷−水−塩系で冷却下、窒素雰囲気下
撹拌しながら90%硝酸23mlを3分30秒要して滴
下し、続いて−5℃付近で撹拌しながら7−クロロ−6
−(2−クロロエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン5.0g(21.74mmol)を固
体のまま少しずつ10分30秒要して加え、−5〜5℃
で5時間撹拌した。その後、氷−水800mlに反応液
を注ぎ、約45分間撹拌し、析出してきた固体を濾取
し、水で数回洗い、風乾し、目的物を5.65g(収率
94.5%)得た。
【0048】m.p. 172.1〜174.2℃ IR(KBr錠剤、cm-1) 1620,1502,1481,1403,1383,
1315,12131 H−NMR(CDCl3,ppm) 2.91(3H,s),3.43(2H,t,J=7.
0Hz),3.83(2H,t,J=7.0Hz),
8.80(1H,s)
【0049】(5) 8−tert−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル
−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物1)の製造:7−ク
ロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−3−ニ
トロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン1.75g
(6.36mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド18
mlに溶解し、これにtert−ブチルアミン0.93
g(12.72mmol)、トリエチルアミン1.61
g(15.94mmol)を順次加え、室温で6時間撹
拌した。その後反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た(150ml×2)。全酢酸エチル層を合わせて飽和
食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−
ヘキサン:酢酸エチル)に付し、エタノールから再結晶
し、目的物を0.78g(収率44.6%)得た。
【0050】1H−NMR(CDCl3,ppm) 1.71(9H,s),2.47(3H,s),3.0
6(2H,t,J=9.2Hz),4.09(2H,
t,J=9.2Hz),8.61(1H,s)
【0051】(6) 8−tert−アミル−6,7−ジヒドロ−5−メチル
−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物2)の製造:7−ク
ロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−3−ニ
トロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンとtert−ア
ミルアミンより合成例5と同様に化合物2を収率37.
8%で得た。
【0052】1H−NMR(CDCl3,ppm) 0.89(3H,t,J=7.6Hz),1.64(6
H,s),2.27(2H,q,J=7.6Hz),
2.47(3H,s),3.07(2H,t,J=9.
0Hz),4.09(2H,t,J=9.0Hz),
8.59(1H,s)
【0053】(7) 8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−
3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物3)の製造:7−ク
ロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−3−ニ
トロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンとシクロペンチ
ルアミンより合成例5と同様に化合物3を収率82.9
%で得た。
【0054】m.p. 228〜234℃ IR(KBr錠剤、cm-1) 1626,1617,1492,1394,1234,
11961 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.60〜1.85(6H,m),1.90〜2.10
(2H,m),2.46(3H,s),3.16(2
H,t,J=8.9Hz),3.92(2H,t,J=
8.9Hz),5.81(1H,m),8.56(1
H,s)
【0055】(8) 8−シクロヘキシル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−
3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物4)の製造:7−ク
ロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−3−ニ
トロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンとシクロヘキシ
ルアミンより合成例5と同様に化合物4を収率76.6
%で得た。
【0056】m.p. 256.8〜258.1℃ IR(KBr錠剤、cm-1) 1622,1613,1491,1454,1441,
1397,1245,1231,11991 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.00〜1.30(1H,m),1.35〜2.00
(9H,m),2.46(3H,s),3.14(2
H,t,J=9.0Hz),3.91(2H,t,J=
9.0Hz),5.15〜5.35(1H,m),8.
57(1H,s)
【0057】(9) 8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−
3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物5)の製造:7−ク
ロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−3−ニ
トロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンとsec−ブチ
ルアミンより合成例5と同様に化合物5を収率74.3
%で得た。
【0058】m.p. 257.9〜260.1℃ IR(KBr錠剤、cm-1) 1626,1614,1488,1443,1397,
1229,1200,11801 H−NMR(CDCl3,ppm) 0.94(3H,t,J=7.4Hz),1.31(3
H,d,J=6.8Hz),1.55〜1.75(2
H,m),2.48(3H,s),3.17(2H,
t,J=9.0Hz),3.73〜3.95(2H,
m),5.50〜5.68(1H,m),8.58(1
H,s)
【0059】(10) エチル (テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル)グ
リオキシレートの製造:モレキュラーシーブス乾燥済エ
タノール500mlに金属ナトリウム25.80gを加
えて溶解させた。次いで、シュウ酸ジエチル148.2
1gを加え、反応系を−15〜−10℃に冷却した。こ
の温度を保ちながらγ−ブチロラクトン88.79gの
エタノール60ml溶液を滴下し、2時間撹拌した後、
室温で16時間撹拌した。反応液を氷水1l中にあけ、
濃塩酸でpH=4〜5に調整し、クロロホルムで抽出し
た。クロロホルム層は無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を減圧留去した。粗生成物を減圧蒸留し、150〜1
60℃(5〜6mmHg)の留分を目的物として得た。
微黄色液体156.21g。収率83.1%。
【0060】1H−NMR(CDCl3,ppm) 1.39(3H,t,J=7.4Hz),3.30(2
H,t,J=7.4Hz),4.37(2H,q,J=
7.4Hz),4.50(2H,q,J=7.4H
z),10.92(1H,br)
【0061】(11) エチル 7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−3−
ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−カル
ボキシレートの製造:3−アミノピラゾール8.12g
(97.78mmol)の40ml酢酸溶液を2分要し
滴下し、続いて室温で4時間撹拌した。その後、不溶物
を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をクロロホルム1
50mlに溶解し、水700mlに注ぎ、よく振とう後
クロロホルム層を分離し、水層は更にクロロホルムで抽
出し(150ml×2)、全クロロホルム層を合わせて
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)
で精製し、ジオール体を5.36g得た。これにオキシ
塩化リン7ml(d=1.645,75.10mmo
l)を加え、窒素雰囲気下、油浴温100℃で40分撹
拌し続いて室温付近まで冷却し、これにトリエチルアミ
ン7ml(d=0.726,50.32mmol)を加
えて油浴温100℃で30分撹拌した。その後氷−水で
冷却し、クロロホルム100mlを加えて、氷−水60
0mlに注ぎ、よく振とうした後、クロロホルム層を分
離し、水層は更にクロロホルムで抽出し(100ml×
2)、全クロロホルム層を合わせて硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、エチル
7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン−5−カルボキシレートを
3.60g得た。無水酢酸14.2mlに氷冷撹拌下9
0%硝酸1.60ml、濃硫酸1滴を順次加え、続いて
−10℃に冷却した。これにエチル 7−クロロ−6−
(2−クロロエチル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
ジン−5−カルボキシレート 3.60gの4.30m
l無水酢酸溶液を−5〜0℃に保ちながら滴下した。同
条件下で20分撹拌した後、氷−水300mlに注ぎ、
酢酸エチル400mlで抽出した。有機層を飽和重曹水
で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:
5、クロロホルム)で精製し、目的物を2.49g(収
率7.6%)得た。
【0062】1H−NMR(CDCl3,ppm) 1.49(3H,t,J=7.3Hz),3.61(2
H,t,J=7.0Hz),3.85(2H,t,J=
7.0Hz),4.56(2H,q,J=7.3H
z),8.93(1H,s)
【0063】(12) エチル 8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−
ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン−5−カルボキシレート(化合物2
2)の製造:エチル 7−クロロ−6−(2−クロロエ
チル)−3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン−5−カルボキシレート7.07g(21.22mm
ol)を乾燥ジメチルホルムアミド3.5mlに溶解
し、sec−ブチルアミン14.2ml(d=0.72
5,140.76mmol)を加え、室温で1時間撹拌
した。その後、反応液を氷−水に注ぎ、不溶固体を濾
取、水洗し、風乾して、目的物を6.37g(収率9
0.1%)得た。
【0064】1H−NMR(CDCl3,ppm) 0.96(3H,t,J=7.3Hz),1.37(3
H,d,J=6.5Hz),1.47(3H,t,J=
7.0Hz),1.64〜1.80(2H,m),3.
58(3H,t,J=7.3Hz),3.82〜4.0
4(2H,m),4.46(2H,q,J=7.0H
z),5.73(1H,s,J=6.5Hz),8.6
7(1H,s)
【0065】(13) 8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−
8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジン−5−カルボン酸(化合物24)の製造:化合
物22 2.0gをテトラヒドロフラン30ml、メタ
ノール10mlの混液に懸濁し、氷水冷下、0.5規定
水酸化ナトリウム水溶液20mlを滴下し、15分間撹
拌した。続いて、溶液となるまで撹拌しながら水を少し
ずつ加え、さらに水150mlを加えた後、濃塩酸によ
ってpH3とした。析出してきた固体を濾取し、水洗、
乾燥し、目的物を1.57g(収率85.7%)得た。
【0066】1H−NMR(DMSO−d6,ppm) 0.86(3H,t,J=7.3Hz),1.29(3
H,d,J=6.5Hz),1.50〜1.80(2
H,m),3.42(3H,t,J=8.9Hz),
3.80〜4.04(2H,m),5.45〜5.65
(1H,m),8.93(1H,s),13.56(1
H,brs)
【0067】(14) 5−アミノ−8−sec−ブチル−6,7−ジヒドロ−
3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン(化合物20)の製造:化合
物24 1.57gを23ml乾燥アセトンに懸濁し、
氷冷窒素雰囲気下撹拌しながらトリエチルアミン0.8
6mlを加えた。続いてクロロ蟻酸エチル0.615g
を2mlの乾燥アセトンに溶解させ、滴下し、1時間撹
拌した。このままの条件下でアジ化ナトリウム0.73
5gを水4mlに溶かして滴下し、1時間撹拌した後、
1時間放置した。この反応物を水100mlに注ぎ、不
溶物を濾取し、水洗した。これをトルエン40mlに懸
濁させ130℃で3.5時間加熱撹拌した。冷却後、硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタ
ノール=100:0→100:1)に付し、目的物のフ
ラクションを集め濃縮した。残渣を酢酸エチル120m
lに溶解し、1規定塩酸にて抽出した(100ml×
1、50ml×3)。全抽出層を合わせて、炭酸水素ナ
トリウムにてアルカリ性とし、クロロホルム120ml
で抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を
留去し、得られた結晶をクロロホルム−n−ヘキサンよ
り再結晶して、目的物を0.65g(収率45.8%)
得た。
【0068】m.p. 201.5〜203.1℃ IR(KBr錠剤、cm-1) 1640,1625,1580,1399,12561 H−NMR(CDCl3,ppm) 0.92(3H,t,J=7.6Hz),1.25(3
H,d,J=6.5Hz),1.45〜1.75(2
H,m),2.98(2H,t,J=8.9Hz),
3.79(2H,s,J=8.9Hz),5.41(1
H,s,J=6.5Hz),6.14(2H,br
s),8.40(1H,s)
【0069】(15) 8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−
3−トリフルオロアセチル−8H−ピロロ[3,2−
e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(化合物27)
の製造:7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−
メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン3.06g
(13.30mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド3
5mlに溶解し、これに室温で撹拌しながら、トリエチ
ルアミン5.5ml(39.62mmol)、シクロペ
ンチルアミン1.81g(21.26mmol)を順次
加え、同温で14時間撹拌した。その後、水230ml
に注ぎ、酢酸エチルにて抽出(100ml×2)し、全
酢酸エチル層を合わせて、水及び飽和食塩水で洗い、硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール=100:0→100:1)で精製し、8−
シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−8H
−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
ジンを0.79g(収率74.5%)得た。
【0070】8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−
5−メチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ
[1,5−a]ピリミジン2.40gを乾燥塩化メチレ
ン24mlに溶解し、トリフルオロ酢酸無水物3.0m
lを加え5.5時間撹拌した。その後、クロロホルム5
0mlを加え、飽和重曹水で洗った。水層はさらにクロ
ロホルム30mlで抽出し、全有機層は合わせて、硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)に付
し、さらに酢酸エチル−n−ヘキサンより再結晶し、目
的物を2.64g(収率78.8%)得た。
【0071】m.p. 160.1〜163.3℃ IR(KBr錠剤、cm-1) 1678,1626,1193,1127,8851 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.58〜1.88(6H,m),1.88〜2.10
(2H,m),2.46(3H,s),3.15(2
H,t,J=9.2Hz),3.90(2H,t,J=
9.2Hz),5.73〜5.95(1H,m),8.
39(1H,s)
【0072】(16) 1−ブロモ−2−t−ブチルジメチルシリロキシエタン
の製造:モレキュラーシーブス乾燥済みアセトニトリル
40mlにtert−ブチルジメチルクロロシラン3.
50g、イミダゾール4.00gを加え、室温にて10
分間撹拌した。ここに、2−ブロモエタノール2.64
gを加え、室温で更に6時間撹拌した。溶媒を減圧留去
し、残渣に酢酸エチルを加えた。酢酸エチル層は飽和重
曹水で洗浄し、無水炭酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減
圧留去し、ここで得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)
に付し、目的物を4.40g(収率87.0%)得た。
【0073】無職液体1 H−NMR(CDCl3,ppm) −0.10(6H,s),0.82(9H,s),3.
31(2H,t,J=6.3Hz),3.80(2H,
t,J=6.3Hz)
【0074】(17) 2−(2−t−ブチルジメチルシリロキシエチル)マロ
ン酸ジエチルの製造:モレキュラーシーブス乾燥済みエ
タノール1.70lに金属ナトリウム22.90gを溶
解させ、マロン酸ジエチル131.0g、1−ブロモ−
2−t−ブチルジメチルシリロキシエタン230gを加
え、加熱還流下1晩撹拌を行った。溶媒をあらかた減圧
留去した後、少々エーテルを加え、析出している結晶を
濾別、濾液を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン,ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に付
し、目的物を234.42g(収率89.9%)得た。
【0075】無職液体1 H−NMR(CDCl3,ppm) 0.02(6H,s),0.87(9H,s),1.2
5(6H,t,J=7.2Hz),2.10(2H,
q,J=6.5Hz),3.54〜3.66(3H,
m),4.17(4H,m)
【0076】(18) 5−ヒドロキシ−6−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾ
ロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オンの製
造:モレキュラーシーブス乾燥済エタノール1.20l
に金属ナトリウム6.72gを溶解した後、2−(2−
t−ブチルジメチルシリロキシエチル)マロン酸ジエチ
ル64.0g、3−アミノピラゾール12.12gを加
え、加熱還流下3日間撹拌を行った。溶媒を減圧留去
し、残渣に水を加え溶解させた。水層はエーテルで3回
洗浄を行った。水層を0℃に冷やし、1N−塩酸にてp
H=5に調整し、ここで析出した結晶を濾取した。この
結晶にメタノール200ml、濃塩酸3滴を加え、溶媒
を水分と共に減圧留去、メタノール/エーテル系より結
晶を析出させ、目的物を21.38g(収率76.8
%)得た。
【0077】淡褐色結晶1 H−NMR(DMSO−d6,ppm) 2.66(2H,t,J=6.7Hz),3.52(2
H,t,J=6.7Hz),5.93(1H,d,J=
1.8Hz),7.60(1H,d,J=1.8Hz)
【0078】(19) 6−(2−クロロエチル)−5,7−ジクロロピラゾロ
[1,5−a]ピリミジンの製造:5−ヒドロキシ−6
−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジン−7(4H)−オン12.45gにオキシ塩化
リン100ml、トリエチルアミン13.00gを加
え、加熱還流下2時間撹拌を行った。過剰のオキシ塩化
リンを減圧留去後、残渣を氷−水に注ぎ、クロロホルム
で抽出した。クロロホルム層を水洗した後、硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム)に付し、目
的物を10.86g(収率68.0%)得た。
【0079】淡褐色結晶1 H−NMR(CDCl3,ppm) 3.49(3H,t,J=7.0Hz),3.82(2
H,t,J=7.0Hz),6.80(1H,d,J=
2.4Hz),8.21(1H,d,J=2.4Hz)
【0080】(20) 8−tert−ブチル−5−クロロ−6,7−ジヒドロ
−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]
ピリミジンの製造:6−(2−クロロエチル)−5,7
−ジクロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン12.5
0gをジメチルホルムアミド150mlに溶解し、te
rt−ブチルアミン9.55g、トリエチルアミン1
1.47gを加え、室温にて4時間撹拌を行った。過剰
のアミン及び溶媒を減圧留去し残渣をクロロホルムに溶
解した。クロロホルム層は飽和食塩水で洗浄後無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去、クロロホルム/
エーテル系より結晶を析出させた。この結晶を濾取し、
エタノールを用いて再結晶し、目的物を11.34g
(収率90.6%)得た。
【0081】白色結晶1 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.79(9H,s),3.06(2H,t,J=7.
2Hz),4.00(2H,t,J=7.2Hz),
6.31(1H,d,J=2.4Hz),7.95(1
H,d,J=2.4Hz)
【0082】(21) 5−クロロ−8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−
8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジンの製造:6−(2−クロロエチル)−5,7−
ジクロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン11.0g
にシクロペンチルアミン4.54g、トリエチルアミン
8.87gを作用させ、合成例20と同様の方法で目的
物を10.42g(収率90.4%)得た。
【0083】白色結晶1 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.70(6H,m),2.10(2H,m),3.1
5(2H,t,J=6.2Hz),3.85(2H,
t,J=6.2Hz),6.04(1H,m),6.3
0(1H,d,J=2.4Hz),7.95(1H,
d,J=2.4Hz)
【0084】(22) 8−tert−ブチル−6,7−ジヒドロ−8H−ピロ
ロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの
製造:8−tert−ブチル−5−クロロ−6,7−ジ
ヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン11.30gをテトラヒドロフラン3
00ml、メタノール150mlの混合溶媒に溶解し、
反応系を0℃に冷却した。ここに塩化パラジウム3.7
5g、水素化ホウ素ナトリウム7.83gを徐々に加
え、0℃にて30分間撹拌した。更に塩化パラジウム
7.50g、水素化ホウ素ナトリウム5.66gを徐々
に加え、0℃にて30分間、室温にて2時間撹拌した。
反応溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル→酢酸エチル:メタノー
ル=10:1)に付し、目的物を3.94g(収率4
0.4%)得た。
【0085】白色結晶1 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.74(9H,s),3.04(2H,t,J=8.
9Hz),3.96(2H,t,J=8.9Hz),
6.37(1H,d,J=2.2Hz),7.94(1
H,s),7.96(1H,d,J=2.4Hz)
【0086】(23) 8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−8H−ピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの製
造:8−tert−ブチル−5−クロロ−6,7−ジヒ
ドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン10.42gを用い、合成例22と同様
の方法で目的物を3.44g(収率38.0%)得た。
【0087】白色結晶1 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.75(6H,m),1.98(2H,m),3.1
6(2H,t,J=8.9Hz),3.85(2H,
t,J=8.9Hz),6.05(1H,m),6.3
1(1H,d,J=2.4Hz),7.98(1H,
s),7.98(1H,d,J=2.4Hz)
【0088】(24) 8−tert−ブチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ
−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]
ピリミジン(化合物37)の製造:酢酸25mlに徐々
に90%硝酸を3.30ml加えた後、濃硫酸を3滴加
え、室温にてしばらく撹拌を行った。ここに8−ter
t−ブチル−6,7−ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2
−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン3.90gの
酢酸8.0ml溶液を徐々に加えていった。薄層クロマ
トグラフィー上で原料が消失したため撹拌を止め、反応
溶液を氷水の中にあけ、クロロホルム抽出を行った。ク
ロロホルム層は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。クロロホルム/エー
テル系より結晶を析出させ、濾取した結晶をエタノール
より再結晶し、目的物を2.32g(収率49.0%)
得た。
【0089】黄色結晶 m.p. 209℃ IR(KBr錠剤,cm-1) 1620,1590,1490,14001 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.73(9H,s),3.16(2H,t,J=8.
9Hz),4.12(2H,t,J=8.9Hz),
8.17(1H,s),8.61(1H,s)
【0090】(25) 8−シクロペンチル−6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−
8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジン(化合物38)の製造:8−シクロペンチル−
6,7−ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ[1,5−a]ピリミジン3.40gを用い、合成例
24と同様の方法で目的物を2.57g(収率56.0
%)得た。
【0091】黄色結晶 m.p. 181℃ IR(KBr錠剤,cm-1) 1620,1610,1480,1245,12201 H−NMR(CDCl3,ppm) 1.75(6H,m),2.05(2H,m),3.2
9(2H,t,J=8.4Hz),4.06(2H,
t,J=8.4Hz),5.83(1H,m),8.1
4(1H,s),8.60(1H,s)
【0092】このようにして得られた式(1)で表され
る化合物又はその塩は、実施例において示すように優れ
たカリウムチャンネル開口作用を有する。
【0093】この様にして得られた化合物(1)又はそ
の塩は、実施例において示すように優れたカリウムチャ
ンネル開口作用を有する。従って、中枢神経系、末梢神
経系、免疫系、循環器系のカリウムチャンネル開口薬と
して、免疫系の疾患、中枢神経疾患、筋疾患、循環器系
疾患等の処置に使用することが出来る。
【0094】特に、化合物(1)又はその塩は実施例に
おいて示すように高電導率のカルシウム依存性カリウム
チャンネルに対する開口作用が強いので、片頭痛、睡眠
障害、ニューロパシー、筋ジストロフィー、神経原性炎
症等の処置に用いるのが好ましい。
【0095】ここでいう中枢神経系疾患としては例えば
中枢神経系変性疾患、例えば痴呆の出現の場合の疾患:
多発脳梗塞性痴呆(MID)、一次性変性痴呆(PD
D)、初老期及び老年アルツハイマー病、HIV痴呆及
び他の形態の痴呆、更にパーキンソン病又は筋萎縮性側
索硬化症、並びに多発性硬化症等が挙げられる。
【0096】更に本発明のカリウムチャンネル開口薬は
老齢における脳機能疾患、器質性脳症候群(organ
ic brainsyndrome)(OBS)及び年
齢−関連記憶障害(年齢付随記憶障害、AAMI)の処
置に適している。
【0097】そして本発明のカリウムチャンネル開口薬
は脳循環障害、例えば脳虚血、卒中及び頭部外傷、並び
にクモ膜下出血の予防及び処置、並びにその予後の抑制
に適している。
【0098】ここでいう免疫系の障害としては、T−リ
ンパ球、白血球、肥満細胞等の増殖、又、白血球、肥満
細胞の活性上昇による炎症等が挙げられる。
【0099】本発明のカリウムチャンネル開口薬は虚血
性心疾患、不整脈、血清脂質代謝異常等の処置にも適し
ている。
【0100】本発明のカリウムチャンネル開口薬は頻
尿、尿失禁等の処置、更には、疼痛抑制、育毛等にも適
している。
【0101】式(1)で表される化合物又はその塩はそ
れ自体でカリウムチャンネル開口薬として用いることも
できるが、通常医薬として用いられている種々の剤型
(組成物)とすることもできる。この様な剤型として
は、インハレーション剤、注射剤、経口投与剤、経直腸
投与剤及び経皮吸収剤等が挙げられる。
【0102】これらの剤型には、式(1)で表される化
合物又はその塩以外に通常製剤化のために用いられてい
る任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分
としては、例えば、賦形剤、結合剤、被覆剤、潤沢剤、
糖衣剤、崩壊剤、増量剤、矯味矯臭剤、乳化・可溶化・
分散剤、安定剤、pH調整剤、等張剤等が例示できる。
【0103】本発明の医薬の好ましい投与量は、症状、
疾病の種類、性別、年齢、体格等によって異なるが、式
(1)で表される化合物又はその塩として一般的に成人
1日あたり1〜1000mgが好ましく、これを1日一
回〜数回に分けて投与することが好ましい。
【0104】
【実施例】
1.カリウムチャンネル開口作用の評価
【0105】グリベンクラマイドやトルブタミン等のス
ルフォニルウレア系抗糖尿病薬はランゲルハンス島内の
β細胞においてATP感受性カリウムチャンネルを特異
的に遮断する。そしてグリベンクラマイドは他の臓器に
おいてもATP感受性カリウムチャンネルを特異的に遮
断する。従って、グリベンクラマイドを前処置薬として
用いてATP感受性カリウムチャンネルを遮断してお
き、評価化合物を投与すると、評価化合物のATP感受
性カリウムチャンネル開口作用を測定することが出来
る。
【0106】イベリオトキシンやキャリブドトキシンは
カルシウム依存性カリウムチャンネルを特異的に遮断す
る。従って、キャリブドトキシンを前処置薬として用い
てカルシウム依存性カリウムチャンネルを遮断してお
き、評価化合物を投与すると、評価化合物のカルシウム
依存性カリウムチャンネル開口作用が測定できる。
【0107】化合物1〜5、20、27、37、38の
9化合物について、カリウムチャンネル開口作用をマグ
ヌス法によって調べた。すなわち、ハートレー系白色種
雄性モルモット(250〜300g)を打撲・放血死さ
せてから気管を摘出した。この気管から短冊状の標本を
作成し、混合ガス(95%O2、5%CO2)を通気して
37℃に保温したクレブス−ヘンゼライト液を満たした
マグヌス管に懸垂した。静止張力1.0gを付加して等
尺性張力を記録した。試験化合物は、予め3×10-6
のグリベンクラマイド又は1×10-7Mのキャリブドト
キシンを投与し、1×10-6Mのカルバコールで収縮さ
せた標本に累積的に投与して弛緩作用を検討した。累積
投与後、10-4Mのパパベリンを投与して気管標本の最
大弛緩作用を確認した。最大弛緩を100%とし、50
%弛緩させる試験化合物の濃度の負の対数値を算出しp
IC50値とした。グリベンクラマイドを投与したもの
について化合物1〜5、20、27、37、38の順に
実施例1〜9、キャリブドトキシンを投与したものにつ
いてもグリベンクラマイドを投与した場合と同様の順に
実施例10〜18とする。結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】評価結果から、式(1)で表される化合物
又はその塩は、何れもカリウムチャンネル開口作用を示
すことが判る。そして、カルシウム依存性カリウムチャ
ンネルに対する開口作用が特に高いことが判る。
【0110】 実施例19(錠剤) 組成:化合物3 25g 乳糖 130g 結晶セルロース 20g とうもろこし澱粉 20g 3%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液 100ml ステアリン酸マグネシウム 2g
【0111】製法:化合物3に、乳糖、結晶セルロース
及びとうもろこし澱粉を60メッシュふるいで篩過し
て、均一に混合した後、練合機に入れ、3%ヒドロキシ
プロピルセルロース水溶液を注加して練合した。次いで
16メッシュふるいで篩過造粒し、50℃で送風乾燥し
た。乾燥後、16メッシュふるいを通して整粒を行い、
ステアリン酸マグネシウムを混合し、打錠機で直径8m
m、重量200mgの錠剤にした。
【0112】 実施例20(カプセル剤) 組成:化合物5 25g 乳糖 125g コーンスターチ 48.5g ステアリン酸マグネシウム 1.5g
【0113】製法:上記成分を細かく粉末にし、均一な
混合物になるよう充分撹拌したのち、これを0.2gず
つゼラチンカプセルに充填し、経口投与用のカプセル剤
を得た。
【0114】 実施例21(皮膚外用剤) 組成:化合物20 1g ワセリン 99g
【0115】製法:上記成分をニーダーに秤込み、混練
りして、皮膚外用剤を製造した。
【0116】 実施例22(液剤) 組成:化合物20 1g エタノール 92g メタクリル酸アルキルエステルコポリマー 2g プロリレングリコール 5g
【0117】組成:上記成分を撹拌可溶化して液剤を製
造した。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、新規なカリウムチャン
ネル開口薬を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/505 ACV A61K 31/505 ACV // C07D 487/14 C07D 487/14 (72)発明者 一ノ宮 聡 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 玉井 将志 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 河津 幸雄 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 岸井 兼一 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 船山 宣男 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 檜山 直樹 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 種田 恭子 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 八尋 知朗 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 杉尾 真由美 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(1) 【化1】 式(1) 〔式中、R1は直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基
    を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有し
    ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
    ミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カ
    ルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を示し、R3
    はニトロ基、アミノ基、複素環式基、ハロゲンが置換し
    ていてもよいアルキルスルホニルアミノ基、R4CON
    H−で表される基、又はR5CO−で表される基を示
    す。そしてR4はアルキル基、ハロゲノアルキル基、カ
    ルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を示し、R5
    はアミノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ
    基、ハロゲノアルキル基又は複素環−アミノ基を示す〕
    で表されるピロロピラゾロピリミジン化合物又はその塩
    からなるカリウムチャンネル開口薬。
  2. 【請求項2】 R1が分岐鎖若しくは環状のC3-6アルキ
    ル基であり;R2が水素原子、C1-3アルキル基又はアミ
    ノ基であり;R3がニトロ基又はトリフルオロアセチル
    基である請求項1記載のカリウムチャンネル開口薬。
  3. 【請求項3】 式(1)で表される化合物が、8−te
    rt−ブチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−ニ
    トロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
    a]ピリミジン、8−tert−アミル−6,7−ジヒ
    ドロ−5−メチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2
    −e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、8−シクロ
    ペンチル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−ニトロ
    −8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]
    ピリミジン、8−シクロヘキシル−6,7−ジヒドロ−
    5−メチル−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]
    ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、8−sec−ブチ
    ル−6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−ニトロ−8H
    −ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
    ジン、5−アミノ−8−sec−ブチル−6,7−ジヒ
    ドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
    ロ[1,5−a]ピリミジン、8−シクロペンチル−
    6,7−ジヒドロ−5−メチル−3−トリフルオロアセ
    チル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
    a]ピリミジン、8−tert−ブチル−6,7−ジヒ
    ドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
    ロ[1,5−a]ピリミジン、8−シクロペンチル−
    6,7−ジヒドロ−3−ニトロ−8H−ピロロ[3,2
    −e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンから選ばれる
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のカリウムチ
    ャンネル開口薬。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3何れか1項に記載のカリウ
    ムチャンネル開口薬を有効成分として含有する、カリウ
    ムチャンネル開口性医薬組成物。
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