JPH1143145A - 耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋 - Google Patents

耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋

Info

Publication number
JPH1143145A
JPH1143145A JP19669097A JP19669097A JPH1143145A JP H1143145 A JPH1143145 A JP H1143145A JP 19669097 A JP19669097 A JP 19669097A JP 19669097 A JP19669097 A JP 19669097A JP H1143145 A JPH1143145 A JP H1143145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
opening
open
resin
flat portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP19669097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nishida
浩 西田
Masayoshi Suehiro
正芳 末廣
Hidekuni Murakami
英邦 村上
Shoji Nosaka
詔二 野坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP19669097A priority Critical patent/JPH1143145A/ja
Publication of JPH1143145A publication Critical patent/JPH1143145A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Opened By Tearing Frangible Portions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 尖鋭刃を使用しない押圧加工をした開口案内
線を有し、その近傍の形状を特定形状とすることによ
り、開缶性と耐食性の兼備を可能とした。 【解決手段】 金属板両表面上に樹脂皮膜を有し、外ビ
ードと内ビードとの間に外周平坦部と内周平坦部を有し
更に外周平坦部と内周平坦部の間になだらかに薄くなっ
た形状の開口案内線を有する断面形状を有することを特
徴とする耐食性及び開缶性に優れた金属板製内外面無補
修型易開缶蓋。少なくとも内ビードが缶外面側に凸の形
状であり、内周平坦部は内ビードに比べ0.2〜4.0
mmの範囲で缶内面側の位置にあり、外周平坦部は内周
平坦部より0.1〜2.0mmの範囲にあり、内周平坦
部及び外周平坦部の幅は0.1〜3.0mmであること
が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製容器蓋、特
に缶蓋の一部あるいはほぼ全面を人手により容易に開口
できる金属板製易開缶蓋に関するものであり、飲料缶あ
るいは一般食缶その他の幅広い用途に使用される。
【0002】
【従来の技術】飲料缶、一般食缶などに使用される易開
缶性蓋(イージーオープンエンド)は、塗装されたアル
ミニウム板あるいは鋼板を素材とし、基本蓋形状に打抜
き後平らな下型にのせ、先尖断面のスコアー加工刃を開
口輪郭形状に突設した上型を押圧して、該素材に断面形
状がV字形状の溝を開口形状に形成し、開口案内溝を形
成していた。また、一方で、特開平6−115548号
公報、特開平6−115546号公報、特開平6−12
2438号公報に提案されているように、上下金型の肩
半径にて金属板を押圧加工することによって板を薄肉化
し、その後さらに押戻し加工を施すことでV字形の腰折
部を形成して開口案内溝とする製造技術が開発された。
【0003】図6は先尖形状のスコア加工刃を用いてス
コア加工を施した場合の開口案内溝の断面図であるが、
ラミネート金属板や塗装金属板に先尖形状のスコア加工
刃を用いてスコア加工を施すと、樹脂皮膜が疵付きある
いは破断され金属面が露出する、あるいは特に金属板に
鋼板を使用した場合には先尖形状のスコア加工刃の寿命
等の問題が生じる。このため、後者の押圧加工及び押戻
し加工が開発された。ところがこの押圧加工及び押戻し
加工では開缶性及び押戻し加工部で樹脂皮膜の密着性が
低下することによる耐食性とが実用上不安定となる場合
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実用化されている易開
缶蓋の開口案内溝の成形は、先鋭断面のスコア加工刃を
使用している。また、押しボタン型においても、開口片
の切断は鋭角な剪断刃を使用しており、工具寿命の点か
ら生産性に問題がある。また、特に素材を鋼板とした場
合には表面の塗膜が加工により破壊され金属が露出する
ことから補修塗装が必要である。
【0005】また、リサイクルに関して、金属缶におい
ても、缶胴と缶蓋が同一素材より形成された、いわゆる
「モノメタル缶」がリサイクルに適した商品といえる
が、これに対して、現在の易開缶蓋はほとんどがアルミ
ニウム製である。一方、缶胴および易開缶蓋を除く缶蓋
はほとんどが鋼板製である。このため、開缶性に優れ、
耐食性の優れた、鋼板製易開缶蓋を、生産性良く製造可
能な方策の出現が熱望されている所である。前述した樹
脂ラミネート金属板を上下金型の肩半径にて押圧加工
し、開口案内溝を形成する易開缶蓋は上記課題の解決を
狙ったものであるが、開缶性及び耐食性の面で実用上の
課題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、 (1)少なくとも片方の表面上に樹脂皮膜を有する金属
板製缶蓋であって、開口案内線をはさんで外周平坦部と
内周平坦部を有し、さらに前記外周平坦部と内周平坦部
の反開口案内線側にそれぞれ外ビードと内ビードを有
し、しかも前記開口案内線が前記外周平坦部と内周平坦
部のそれぞれの板厚からなだらかに薄くなった断面形状
を有することを特徴とする耐食性及び開缶性に優れた樹
脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋。
【0007】(2)少なくとも内ビードが缶外面側に凸
の形状であり、内周平坦部の最も缶内面側部分の缶外面
側表面は内ビードの最も缶外面側に凸となった表面部分
に比べ0.2〜4.0mmの範囲の缶内面側の位置にあ
り、外周平坦部はその開口案内線との境界部分の缶外面
側表面が内周平坦部の最も缶内面側部分の缶外面側表面
より缶外面側に0.1〜2.0mmの範囲にあり、内周
平坦部断面及び外周平坦部断面の幅はそれぞれ0.1〜
3.0mmであることを特徴とする前記(1)に記載の
耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補
修型易開缶蓋。
【0008】(3)金属板が鋼板、表面処理鋼板、アル
ミニウム板或いはアルミニウム合金板のいずれかである
ことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の開缶
性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋。 (4)少なくとも缶内面側の金属板表面上の樹脂皮膜が
熱可塑性飽和ポリエステル系樹脂で厚みが10〜100
μであることを特徴とする前記(1)、(2)または
(3)に記載の開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面
無補修型易開缶蓋。 (5)缶外面に相当する樹脂皮膜が厚さ10〜100μ
のポリアミド樹脂であることを特徴とする前記(1)、
(2)、(3)または(4)に記載の開缶性に優れた樹
脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋。
【0009】(6)易開缶蓋が、取っ手付きで缶蓋の一
部または全部を缶本体と分離し開缶する方法、取っ手付
きで缶蓋の一部または全部を缶体に残し開缶する方法の
いずれかであることを特徴とする前記(1)、(2)、
(3)または(4)に記載の開缶性に優れた樹脂被覆金
属板製内外面無補修型易開缶蓋。 (7)易開缶蓋が、取っ手なしで缶蓋の1か所または2
か所以上に設けた開口片を、その開口片の一部を缶本体
に残し、または缶本体と分離し開缶する方法であること
を特徴とする前記(1)、(2)、(3)、(4)また
は(5)に記載の開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外
面無補修型易開缶蓋にある。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。先ず、形
状について説明する。本発明は図1に示されるように開
口案内線近傍の断面形状を外ビードと内ビードとの間に
外周平坦部と内周平坦部を有し更に外周平坦部と内周平
坦部の間になだらかに薄くなった形状の開口案内線を有
する形状とすることにより、耐食性と開缶性とを兼ね備
えた金属板製内外面無補修型易開缶蓋である。この断面
形状は必ずしも開口案内線の全周に渡って必要なもので
はなく、開口案内線の30%以上がこの形状を有してお
ればよい。また、開口の位置との関係から、カウンター
シンクや、巻き締め部でも外ビードの代わりとなりうる
物である。
【0011】ここでいう平坦部とは、曲率半径が50m
m以上の部分を含めて平坦部と呼ぶ。また、平坦部長さ
とは、曲率半径が50mm以上の部分の幅長さを呼ぶ。
開口案内線を形成するにあたり、従来技術による尖鋭刃
の押圧加工では樹脂皮膜を破断することから補修塗装が
必要となることから、本発明はなだらかに薄くなった開
口案内線を有するものである。このなだらかに薄くなっ
たとは、板厚が変化する微小部分において板厚が100
0μm/mm以下の変化率であることを指す。更に好ま
しくは、250〜750μm/mmの範囲が望ましい。
【0012】これは、1000μm/mmを超える変化
率の開口案内線を形成した場合、樹脂皮膜に欠陥を生じ
たり、皮膜の密着不良部分ができる為である。安定し
て、皮膜の健全性を確保するためには、750μm/m
m以下が望ましい。また、250μm/mm未満では、
板厚を減少させる加工を受ける部分が長くなりすぎるた
めに、皮膜の密着力の低下した部分が広くなることと、
板厚減少がなだらかになり過ぎると開缶時応力集中しに
くくなり、開缶性面での懸念がある。このため、250
〜750μm/mmの範囲が望ましい。このようななだ
らかに薄くなった開口案内線は上下金型の肩部による押
圧加工によって成形可能である。
【0013】特開平6−122438号公報に提案され
ているように、上下金型の肩半径にて金属板を押圧加工
することによって板を薄肉化し、その後さらに押戻し加
工を施すことでV字形の腰折部を形成して開口案内溝と
する易開缶蓋の場合には、開缶性は改善させるが、押戻
し加工によって薄肉部がV字形に形成されると、この部
分の樹脂皮膜の密着性が低下しやすく、腐食や発錆を起
こさないよう細かい管理が必要であるという難点があっ
た。
【0014】このため、本発明はなだらかに薄くなった
開口案内線近傍をなだらかに薄くする加工のみとし、開
口案内線を缶蓋として残る外周平坦部と開口部分となる
内周平坦部の間となるように形成し、開口案内線近傍の
樹脂皮膜の密着性を確保した。さらに、外周平坦部の外
側及び内周平坦部の内側にビードを設けた。これによ
り、開缶のための応力を与えた場合に開口案内線へ応力
が集中し易くなる。従来技術の尖鋭刃の押圧加工ではV
字型の溝が形成され、剪断力によって開缶する。ところ
が、なだらかに薄くなった開口案内線の場合は、金属板
を引張破断させることにより開缶がおこる。両ビードを
付与することにより、開缶のための応力を開口案内線を
引張破断させるために有効に利用できるためである。
【0015】特に、ステイオン方式の易開缶蓋の場合、
タブを引き起こすことにより開口部の一部を破断(初期
破断)させ、さらに引き起こすことにより、全開に到
る。ところが初期破断が起こり難く、初期破断にタブの
ストロークが消費されると、全開に到るまでのタブスト
ロークが無くなり、半開で止まるといった問題となる。
本発明のように、初期破断を引張破断によって起こす場
合には、開口案内線近傍がV字やS字形状であると、V
字やS字の形状変化にタブストロークが消費される場合
がある。
【0016】本発明は内外ビード間に開口案内線を位置
させ、かつ、開口案内線近傍をなだらかに薄くする加工
のみとすることにより、タブストロークを有効に利用で
きるものである。特に、図2に示すステイオン方式の易
開缶蓋の場合には、図3に示されるように内ビード及び
外ビードが缶外面側に凸の形状であり、内周平坦部は内
ビードに比べ(hi)=0.2〜4.0mmの範囲で缶
内面側に凹み平坦部幅(wi=)が0.1〜3.0mm
であり、外周平坦部は内周平坦部より(ho=)0.1
〜2.0mmの範囲で平坦部幅(wo=)が0.1〜
3.0mmであることが好ましい。
【0017】wi及びwoが0.1mm未満では、開口
案内線部分の皮膜密着性が低下し、耐食性面で問題とな
ることがある。また、3.0mm超では、ビードと開口
案内線との距離が離れ過ぎて、開缶性上問題となること
がある。このことから、wi及びwoは0.1〜3.0
mmの範囲が望ましい。hiが0.2mm未満では開口
片の剛性が小さくなり、開缶時にタブの押し込み力が有
効に利用されない傾向にあり好ましくない。hoが0.
1mm未満では初期の引張破断を起こすのに必要な力の
ベクトルがずれるため好ましくない。hoが2.0mm
超では易開缶蓋を重ねて搬送する場合に上下間の蓋同士
で擦り疵を生じることから好ましくない。また、hiが
4.0mm超でも同様に搬送上好ましくない。
【0018】蓋本体のパネル部分を水平の基準として、
図3に示す方法で高さ及び長さを算出した。外ビードは
缶内方向に凸であっても構わない。なお、外ビード高さ
或いは深さはそれぞれ(hB =)0.2〜3.0mmの
範囲が望ましい。もちろん、プルタブ方式、フルオープ
ン方式及びプッシュダウン方式等他の型式の易開缶蓋に
も上記の形状を適用することができる。
【0019】hB が0.2mm未満では、蓋本体側の剛
性が小さくなり、開缶時にタブの押し込み力が有効に利
用されない傾向にあり好ましくない。また、hB が3.
0mm超では易開缶蓋を重ねて搬送する場合に上下間の
蓋同士で擦り疵を生じることから好ましくない。本発明
に使用される鋼板は、通常、板厚t0 :0.080〜
0.280mmの範囲にあり、硬度(HR30T)46〜6
8、伸び:10〜60%程度の機械的性質を有するもの
が使用される。この鋼板の表面に、Sn,Cr,Ni,
Al,Znの1種または2種以上の金属めっきを行い、
クロメート処理した鋼板が望ましい。
【0020】具体的に用いられる鋼板としては、付着量
0.5〜3.0g/m2 の錫めっき後化成処理を施した
錫めっき鋼板、付着量0.3〜2.0g/m2 のニッケ
ルめっき後化成処理を施したニッケルめっき鋼板、Sn
及びNi付着量として各々0.5〜2.0g/m2
0.01〜0.5g/m2 をNi、Snの順にめっき後
化成処理を施したSn/Niめっき鋼板、金属Cr付着
量50〜200mg/m 2 、酸化Cr5〜30mg/m
2 (クロム換算)の通常TFS(Tin Free S
teel)と呼ばれているクロム・クロメート処理鋼板
などがある。
【0021】また、本発明に使用されるアルミニウム板
は、通常、板厚t0 :0.18〜0.32mmの範囲に
あり、合金組成としては、5052,5082,518
2,5352,5349,5017系がまた、調質はH
19が望ましい。このアルミニウム板にクロメート処
理、ジルコメート処理あるいはリン酸−クロム酸系の化
成処理を施した表面処理金属板も使用することができ
る。金属板上には耐食性、耐錆性を確保するために両面
とも樹脂皮膜が必要である。少なくとも缶内面側の積層
樹脂は、厚み10〜100μ飽和ポリエステル系樹脂皮
膜が経済性、耐食性、フレーバー性の点から望ましい。
【0022】飽和ポリエステル系樹脂としては、ジカル
ボン酸とジオールの縮重合で得られる線状熱可塑性ポリ
エステルであり、ポリエチレンテレフタレートで代表さ
れるものである。ジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの単独または混合物であり、ジ
オール成分としては、エチレングリコール、ブタンジオ
ール、デカンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコールなどの単独ある
いは混合物である。2種以上のジカルボン酸成分やジオ
ール成分による共重合体や、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコールなどの他のモノマーやポリマーと
の共重合体であっても良い。
【0023】また、易開缶蓋を缶本体へ巻締める場合
に、樹脂皮膜が削り取られ、作業性、外観上の問題とな
ることがある。巻締性から外面の樹脂皮膜はポリアミド
樹脂が望ましい。ポリアミド樹脂とは、ナイロン6,ナ
イロン12,ナイロン5,ナイロン11などの単独ある
いは混合物である。さらに、本発明で使用される金属板
樹脂皮膜に、必要に応じ、可塑剤・酸化防止剤・熱安定
剤・無機粒子・顔料・有機滑剤などの添加剤を配合する
ことが行われる。
【0024】本発明に用いる金属板上の未加工部での樹
脂皮膜の厚みは10〜100μが望ましい。本発明は、
上下金型による押圧加工に代表されるような加工によっ
て金属板がなだらかに薄くなった開口案内線を有する。
金属板とともに樹脂皮膜も薄く成形されることから、樹
脂厚みが10μ未満では特に加工部での樹脂皮膜のバリ
アー性(耐食性、耐錆性)が確保されないためであり、
100μ超では、樹脂皮膜のバリアー性に対して効果が
飽和し、経済的に不利を招くためである。性能の安定性
・経済性等を考慮した場合16〜60μ範囲のものが特
に有効である。
【0025】開口案内線の部分の金属板の厚みは、開缶
性の確保と落下強度の確保の両者から、即ち、金属板の
厚みが厚いと開缶性が低下し、薄いとは落下強度が低下
することから、鋼板の場合には10〜75μm、アルミ
ニウム板の場合には、35〜130μmの範囲とするこ
とが望ましい。更に好ましくは、鋼板の場合には20〜
60μm、アルミニウム板の場合には、35〜125μ
mの範囲とすることが望ましい。
【0026】これらの一連の加工工程において、前記特
性を有する樹脂皮膜は素地と共に均一に伸ばされ、ま
た、本発明の方法によれば、互いに凸の滑らかな曲面を
有する肩部分による押出しあるいは押戻し等のプレス加
工を基本とした加工であるため、尖鋭刃の押圧方式に見
られる工具寿命の問題は皆無であり、優れた生産性が保
障され、易開缶蓋が得られる。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を比較例と共に説明する。易
開缶蓋のタイプ(図4参照)、断面形状(図5参照)、
素材、開口案内部の金属板最薄部の厚み、素材、樹脂皮
膜及び性能評価結果を表1に示す。図4(A)はステイ
オンタブ型易開缶蓋、(B)はプルタブ型易開缶蓋、
(C)はタブ無し型易開缶蓋、(D)フルオープン型易
開缶蓋を示す。図5(A)及び(B)は本発明の開口案
内線近傍の断面図、(C)、(D)及び(E)は比較例
の開口案内線近傍の断面図を示す。
【0028】評価としては、耐食性、開缶性及び落下強
度を調査した。耐食性は、缶内面側の評価としては、内
容物として、塩酸+塩化鉄水溶液(75cc塩酸+15
0gFeCl2 +1925cc水)を充填し、50℃で
1ケ月保管し、目視で観察し評価した。缶外面側につい
ては、水道水に室温で1ケ月浸漬させて、錆の発生状況
を目視で観察し評価した。
【0029】なお、開缶性は、問題無く全開することが
できるか否か、さらに、開缶力を測定して開缶性の良否
を判断した。落下強度は内容物を充填した易開缶蓋付き
の缶を作成し、60cmの高さから垂直に5回落下さ
せ、落下衝撃による易開缶蓋からの内容物の漏れの状況
をn数50で観察し、評価した。◎〇△×の評価は表1
のように行った。 タブ付き:図4(A)ステイオンタブ型易開缶蓋、
(B)プルタブ型易開缶蓋、(D)フルオープン型易開
缶蓋 タブ無し:図4(C)タブ無し型易開缶蓋、
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の易開缶性蓋
は、樹脂フィルムを金属板にラミネートして得られる素
材を使用して、尖鋭刃を使用しない押圧加工をした開口
案内線を有し、その近傍の形状を特定の形状とすること
により、従来技術の問題であった開缶性と耐食性の兼備
が可能となる。さらに、スチール製易開缶蓋が実用化さ
れれば、「モノメタル缶」化が可能になることより、近
年の地球環境問題に対応するリサイクルに適した商品を
市場に提供することが可能である。もとより、鋼板その
ものは経済性に優れた存在であり、缶胴と缶蓋共に鋼板
製とすることにより、経済性により優れ、資源としての
再利用を行いやすい商品となることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開口案内線近傍の断面図、
【図2】本発明の易開缶性蓋の一例を示す図、
【図3】本発明の開口案内線近傍の断面図、
【図4】典型的易開缶蓋を示す図、
【図5】開口案内線近傍の断面形状を示す図、
【図6】従来の尖鋭刃の押圧方式による断面V字型の切
断案内溝を示す図である。
【符号の説明】
1 蓋本体 2 開口片 3 開口案内線 4 外ビード 5 外周平坦部 6 内周平坦部 7 内ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野坂 詔二 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片方の表面上に樹脂皮膜を有
    する金属板製缶蓋であって、開口案内線をはさんで外周
    平坦部と内周平坦部を有し、さらに前記外周平坦部と内
    周平坦部の反開口案内線側にそれぞれ外ビードと内ビー
    ドを有し、しかも前記開口案内線が前記外周平坦部と内
    周平坦部のそれぞれの板厚からなだらかに薄くなった断
    面形状を有することを特徴とする耐食性及び開缶性に優
    れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋。
  2. 【請求項2】 少なくとも内ビードが缶外面側に凸の形
    状であり、内周平坦部の最も缶内面側部分の缶外面側表
    面は内ビードの最も缶外面側に凸となった表面部分に比
    べ0.2〜4.0mmの範囲の缶内面側の位置にあり、
    外周平坦部はその開口案内線との境界部分の缶外面側表
    面が内周平坦部の最も缶内面側部分の缶外面側表面より
    缶外面側に0.1〜2.0mmの範囲にあり、内周平坦
    部断面及び外周平坦部断面の幅はそれぞれ0.1〜3.
    0mmであることを特徴とする請求項1に記載の耐食性
    及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易
    開缶蓋。
  3. 【請求項3】 金属板が鋼板、表面処理鋼板、アルミニ
    ウム板或いはアルミニウム合金板のいずれかであること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の開缶性に
    優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋。
  4. 【請求項4】 少なくとも缶内面側の金属板表面上の樹
    脂皮膜が熱可塑性飽和ポリエステル系樹脂で厚みが10
    〜100μであることを特徴とする請求項1、2または
    請求項3に記載の開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外
    面無補修型易開缶蓋。
  5. 【請求項5】 缶外面に相当する樹脂皮膜が厚さ10〜
    100μのポリアミド樹脂であることを特徴とする請求
    項1、2、3または請求項4に記載の開缶性に優れた樹
    脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋。
  6. 【請求項6】 易開缶蓋が、取っ手付きで缶蓋の一部ま
    たは全部を缶本体と分離し開缶する方法、取っ手付きで
    缶蓋の一部または全部を缶体に残し開缶する方法のいず
    れかであることを特徴とする請求項1、2、3または請
    求項4に記載の開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面
    無補修型易開缶蓋。
  7. 【請求項7】 易開缶蓋が、取っ手なしで缶蓋の1か所
    または2か所以上に設けた開口片を、その開口片の一部
    を缶本体に残し、または缶本体と分離し開缶する方法で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4または請求
    項5に記載の開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無
    補修型易開缶蓋。
JP19669097A 1997-07-23 1997-07-23 耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋 Withdrawn JPH1143145A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19669097A JPH1143145A (ja) 1997-07-23 1997-07-23 耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19669097A JPH1143145A (ja) 1997-07-23 1997-07-23 耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1143145A true JPH1143145A (ja) 1999-02-16

Family

ID=16361981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19669097A Withdrawn JPH1143145A (ja) 1997-07-23 1997-07-23 耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1143145A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11105867A (ja) 開缶性及び耐食性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋
JP5463876B2 (ja) 缶切不要蓋の製造方法
EP0173562B1 (en) Easy-open can lid
EP1914024A1 (en) Can body for two-piece can made of laminate steel sheet and method for manufacture thereof
WO1996026026A1 (fr) Couvercle de boite metallique a ouverture facile amelioree et procede de fabrication de ce couvercle
JPH1143145A (ja) 耐食性及び開缶性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋
JP3769978B2 (ja) 開缶性に優れた無補修型イージーオープン缶蓋の製造方法
JP2791843B2 (ja) 開缶性に優れ、適正な加工度を有する内外面無補修型鋼板製易開缶蓋
JP2791842B2 (ja) 開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋
JPH1135037A (ja) 開缶性に優れた金属板製易開缶蓋及びその製造方法
CN109311276B (zh) 金属容器盖用层压金属板及其制造方法
JPH09108756A (ja) 補修塗装のいらない開缶性に優れた易開缶蓋の製造方法
JPH1135036A (ja) 開缶性に優れた金属板製易開缶蓋及びその製造方法
US7629038B1 (en) Process for production of easy-open can lid made of resin laminated metal sheet, easy-open can lid, and resin laminated metal sheet for easy-open can lid
JPH1191775A (ja) 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋およびその製造方法
JP4180759B2 (ja) 優れた落下強度を有する飲料用陰圧缶の易開缶蓋
JP3027059B2 (ja) 易開缶性蓋の製造方法
JP3426453B2 (ja) 補修塗装のいらない開缶性に優れた易開缶性蓋及びその製造方法
JP2000177733A (ja) 補修塗装のいらない開缶性に優れた易開缶性蓋
JP3279887B2 (ja) 開缶性に優れた蓋の製造方法
JP3018049B2 (ja) 樹脂積層鋼板による内外面無補修化易開缶蓋の製造方法
JPH09240709A (ja) 開缶性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板製易開缶性蓋
JP3553254B2 (ja) 開缶性に優れた金属製易開缶性缶蓋の製造方法
JP3043193B2 (ja) 開缶性、耐食性、フェザー性に優れた易開缶性蓋用ラミネート鋼板
JP2000302127A (ja) 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041005