JPH1142641A - 廃プラスチックの再生法および再生品 - Google Patents

廃プラスチックの再生法および再生品

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JPH1142641A
JPH1142641A JP20359797A JP20359797A JPH1142641A JP H1142641 A JPH1142641 A JP H1142641A JP 20359797 A JP20359797 A JP 20359797A JP 20359797 A JP20359797 A JP 20359797A JP H1142641 A JPH1142641 A JP H1142641A
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waste
mixing
granulation
waste plastic
plastic
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JP20359797A
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Shozo Sugihara
昭三 杉原
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SUGIHARA HOSEI KOGYO KK
Original Assignee
SUGIHARA HOSEI KOGYO KK
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂を含む2種以上の廃プラスチッ
クを含む廃材、特に実質的な選別が行なわれておらず、
且つ綿状物などの繊維状物が混在する廃プラスチック混
合物を原料とし、粒状の成形原料に再生する技術を確立
すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を含む2種以上の廃プラス
チックを含有する廃材の破砕物を、底部と高さ方向中央
部近傍に回転羽根を備えた円筒形混合・造粒装置内に装
入し、加熱撹拌して熱可塑性樹脂を軟化させながら造粒
する。混合・造粒装置としては、混合・造粒槽の内高さ
(H)と内径(D)の寸法比が1:1〜3.0であるも
のを使用し、且つ底部の回転羽根は、円筒形混合・造粒
槽の内底面に近接して回転させると共に、中央部近傍の
回転羽根は、円筒形混合・造粒槽の内高さ(H)に対し
1/4(H)〜2/3(H)の位置で回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂を含
む2種以上の多成分系廃プラスチックを含む廃材、特に
実質的な選別が行なわれておらず、且つ不織布や織編物
などのシートやマット、綿状物などの繊維状物が混在す
る多成分系廃プラスチック混合物を原料とし、粒状の成
形原料に再生することのできる方法、およびこの方法を
利用して再生された再生品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輛や船舶、航空機などの内
装材、あるいは屋内・外各種備品等を始めとしてプラス
チック製品の用途は極めて多岐にわたっており、それら
プラスチック製品を製造する際には、端材として多量の
廃プラスチック材が生じてくる。またそれらプラスチッ
ク製品の廃品としても、膨大な量の廃棄物が投棄されて
いる。これらの廃プラスチックには、たとえば塩化ビニ
ル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、
ウレタン系樹脂など様々の樹脂や、古タイヤ等のゴム製
品が挙げられる他、例えば車輛用等の内装材等には、防
音性、遮音性、断熱性等の向上やクッション性等の向
上、更には衝撃強度等の向上を期して不織布マットや繊
維織編物、短繊維や長繊維が複合されたものも多数見ら
れる。
【0003】これら廃プラスチックの多くは熱可塑性樹
脂からなるものであり、異物を含まない単独の熱可塑性
樹脂からなるものであれば、これらを個々に選別して回
収し加熱溶融乃至可塑化することにより再成形して再利
用することが可能であるが、現実には異物を含まない熱
可塑性樹脂単独の廃プラスチックは殆んどなく、また通
常は多種類の熱可塑性プラスチック材が繊維マットや熱
硬化性樹脂、ハードボード等と共に渾然となった状態で
投棄されるため、これらの中から再生可能な廃プラスチ
ックのみを選別するといったことは実質的に不可能であ
る。
【0004】その為、それら廃プラスチックはそのまま
投棄するか、或は焼却処理しているのが実状であるが、
廃プラスチック材は概して嵩高であるため、投棄場所の
確保自体が困難になってきており、また焼却処理する場
合は、塩化水素ガスやNOx、SOx 、ダイオキシン等
の有害ガスが発生し大気汚染の原因となるため、これら
有害ガス除去設備の付設が不可欠となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこうした
状況の下で、前述した様な埋立て投棄や焼却処理に伴う
問題を解消すべく、熱可塑性樹脂を主体とする多成分系
廃プラスチックを含む実質的に選別されていない廃材
を、2次資源として有効に活用可能にする技術の確立を
期して研究を進めてきた。
【0006】即ち本発明者らは、様々の素材の混練に広
く活用されている多軸スクリュー式混練押出機やニーダ
ー等を用いて上記の様な多成分系プラスチック廃材を加
熱混練し、2次成形原料として利用することを試みた。
ところがこれらの方法では、加熱混練に大きな負荷がか
かって多大な電力が消費されるばかりでなく、多種類の
廃プラスチックを含む廃材から均一な組成の2次成形原
料を得ることは容易でなく、特に不織布マットや不織布
シート、カーペット、シート布地等の如く短尺もしくは
長尺の繊維質素材が混入している廃材の場合は、それら
繊維質素材がスクリュー軸やニーダーの撹拌翼に絡みつ
き、加熱混練自体が困難であることが確認された。
【0007】本発明はこうした確認結果に引き続いて更
に研究を進め、熱可塑性樹脂を主体とする多成分系廃プ
ラスチックを含む実質的に選別されていない廃材、特に
不織布マットや不織布シート、カーペット、シート布地
等の繊維質素材が混入している様な廃材からでも、2次
成形原料として有効利用可能な再生品の製造を可能にす
べく研究を重ねた。従って本発明の目的は、熱可塑性樹
脂を含む2種以上の多成分系廃プラスチックを含有する
廃材、それも実質的に選別されていない廃材、とりわ
け、不織布マットや不織布シート、カーペット、シート
布地等の繊維質素材が混入している様な廃材からでも、
2次成形品として有効利用可能な再生品を製造すること
のできる技術を確立し、併せて、2次加工用素材として
有用な再生品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明にかかる再生法とは、熱可塑性樹脂を含
む2種以上の多成分系廃プラスチックを含有する廃材の
破砕物を、底部と高さ方向中央部近傍に回転羽根を備え
た円筒形混合・造粒装置内に装入し、加熱撹拌して熱可
塑性樹脂を軟化させながら造粒するところに要旨があ
る。
【0009】この方法を実施するに当たり用いられる円
筒形混合・造粒装置としては、混合造粒槽の内高さ
(H)と内径(D)の寸法比が1:1〜3.0であるも
のが好ましく、また上記底部の回転羽根は、円筒形混合
・造粒槽の内底面に近接して回転させると共に、中央部
近傍の回転羽根は、円筒形混合・造粒槽の内高さ(H)
に対し1/4(H)〜2/3(H)の位置で回転させる
ことが好ましく、上記中央部近傍の回転羽根としては、
後記図示例に示す如く鍔付き鍋の縦断面形状のものを使
用することにより、混練と造粒を短時間で効率よく進め
ることができるので好ましい。またこれらの回転羽根
は、20〜125m/secの周速度で回転させること
により、再剪断、分散、混練、造粒をより効率よく進め
ることができる。
【0010】またこの方法を実施する際に、加熱撹拌時
における上記回転羽根にかかる負荷電流を測定すると、
加熱撹拌の当初は負荷電流が急激に増大し、その後負荷
電流はピークに達した後、造粒が進むにつれて該負荷電
流は急激に低下し、比較的低い負荷電流で安定化する。
従って、こうした負荷電流の変化により造粒の進行状態
を確認することも有効な方法として推奨される。
【0011】そしてこの方法によって得られる再生品
は、熱可塑性樹脂を含む粒状物として得ることができ、
これは、通常の粒状熱可塑性樹脂原料と同様に押出し成
形などの2次成形原料として使用することにより、シー
ト状、棒状、板状、管状、各種形状の容器等の再生製品
とすることができる。また、不織布マット、カーペッ
ト、シート布地等の如く短尺もしくは長尺の繊維質素材
を含む廃材から得られる粒状物は、該繊維質素材が均一
に混入した粒状物となり、これを比較的小さな押付け圧
力でロール成形などによりシート状に加工すると、繊維
間に無数の隙間を有する多孔質シート状の再生製品を得
ることができ、これは吸音シートや遮音シート、断熱シ
ート等として有効に活用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明の基本思想は、
熱可塑性樹脂を含む2種以上の多成分系廃プラスチック
を含有する廃材の破砕物を、底部と高さ方向中央部近傍
に回転羽根を備えた円筒形混合・造粒装置内に装入して
加熱撹拌することにより、廃材中の熱可塑性樹脂を軟化
させながら均一に混合して造粒するところに要旨があ
り、こうした加熱撹拌による混合・造粒を実現するに
は、混合に最も汎用されている多軸スクリュー式混練装
置やニーダー型の混練装置ではなく、上記の様に、底部
と高さ方向中央部近傍に回転羽根を備えた円筒形の混合
・造粒装置を使用することが必要となる。
【0013】しかして、通常の多軸スクリュー式混練装
置やニーダー型の混練装置では、混練の為のトルク自体
は大きいが、複数素材に加わる剪断力と分散力が乏し
く、特に繊維質素材が混入している廃材を使用すると、
該繊維質素材が均一に分散し切れないで団子状の塊とな
って均一な混練物が得られず、2次成形用素材として実
用化し得る様なものは得られ難い。
【0014】ところが、上記の様に底部と高さ方向中央
部近傍に回転羽根を備えた円筒形混合・造粒装置を使用
すると、該2枚の回転羽根の回転に伴う剪断力と、後記
図1に矢印で示す如く、両回転羽根によって生じる撹拌
力に伴う分散効果によって、廃材中に繊維質素材が混入
している場合でも、これらが均一に分散されながら加熱
軟化したプラスチック破砕片と均一に混合される。そし
てこの均一混合物が両回転羽根によって更に撹拌力を受
けると、それらが均一に分散しつつ微細粒は相互に付着
し合い、一方粗大粒は撹拌に伴う剪断力によって破砕さ
れ、当該処理時の撹拌力に応じた粒径で安定化してい
く。従って、当該速度で回転を続けると、最終的に粒径
のほぼ均一な粒状物を得ることができる。
【0015】尚このときの回転羽根にかかる負荷は、加
熱撹拌の初期においては相互に加熱融着して成長するプ
ラスチック砕片の剪断と繊維質素材をほぐしながら分散
させのに要する力によって急増するが、更に撹拌を続け
ると上記の様に粒状化が進むにつれて負荷は減少し、粒
径がほぼ均一になった時点で撹拌羽根にかかる負荷は安
定化する(後記図3,4参照)。従って、回転羽根の駆
動源に負荷電流測定器を設けて処理時の負荷電流を測定
しておき、該負荷電流が安定化した時点で撹拌を止めれ
ば、粒径のほぼ均一な粒状物を再生品として得ることが
できる。
【0016】図1は、本発明で用いられる円筒形混合・
造粒装置を例示する概略縦断面図であり、図中1は円筒
形混合・造粒槽、2は蓋材、3は回転軸、4は底部回転
羽根、5は中央側回転羽根、12は邪魔板、6は取出口
をそれぞれ示している。この図では、回転羽根4,5を
共通の回転軸3に固定し同一方向に同軸的に回転できる
様に構成しているが、場合によっては異なる回転軸に固
定し、異なる回転速度で同一方向もしくは逆方向に回転
できる様に構成することも可能である。
【0017】そして底部回転羽根4は、混合・造粒槽1
の内底面に近接して回転させることにより、槽1内に装
入された廃材破砕物に回転力を与え遠心力で渦巻き流を
形成させる。一方中央側回転羽根5は、図示する如く、
中心側の略水平部5aと外周側の略水平部5c及びこれ
らを結ぶ傾斜部5bを一体として鍔付き鍋の縦断面形状
を有する構造とし、中心側と外周側の略水平部5a,5
cで、上記底部回転羽根4の作用で渦巻き流を形成して
旋回している破砕物に水平方向の剪断力を与え、破砕物
を更に破砕すると共に、繊維質素材については塊をほぐ
す様な力を与え、また傾斜部5bでは縦方向の渦巻き流
を加速する。
【0018】そして、こうした2枚羽根構造の混合・造
粒装置を用いて破砕された上記廃材を加熱下に効率よく
混合・造粒するには、まず円筒形混合・造粒装置とし
て、上記の様に底部回転羽根4を混合・造粒槽1の内底
面に近接して配置すると共に、回転羽根5は混合・造粒
槽1の高さ方向中央部近傍に設けなければならない。尚
ここで中央部近傍とは、回転羽根5において最も強い剪
断力が作用する外周側略水平部5cの高さ位置が略中央
部近傍に位置することを意味しており、そのより定量的
な高さ(h)位置を示すと、円筒形混合・造粒槽の内高
さ(H)に対し1/4(H)〜2/3(H)の範囲が望
ましく、回転羽根4,5をこの様に位置設定することに
よって、廃プラスチック破砕物、とりわけ繊維状物の混
在した多成分系廃プラスチックの加熱による混合・造粒
を極めて効率よく遂行することが可能となる。
【0019】なお上記回転羽根5の略水平部5cの最適
高さ位置は、被処理物である廃材の種類(熱可塑性プラ
スチックの種類や含有率、熱硬化性プラスチック等の混
入量、繊維状物の種類や含有率など)によっても変わっ
てくるので、例えば図1に符号7として示した様なスペ
ーサーを着脱可能に設けておき、該スペーサー7の長さ
を変えることによって、略水平部5cの高さ位置を上記
範囲で任意に変更できる様にすることが望ましい。
【0020】また、本発明で使用する円筒形混合・造粒
槽1の内高さ(H)と内径(D)の関係は、H:D=
1:1〜3.0の範囲、より好ましくは1:1.1以
上、1:1.3以下とするのがよく、この様な寸法比の
混合・造粒槽1を使用すれば、前記底部回転羽根4によ
って形成される円周方向から中心方向の渦巻き流と、中
央部側の回転羽根5によって形成される剪断力がバラン
ス良く発揮され、加熱により軟化した廃プラスチックや
繊維状物の破砕乃至分散とそれらの融着による造粒が効
率よく進行し、回転羽根4,5の回転速度を適宜調整す
ることにより任意サイズの造粒物を再生品として容易に
得ることができる。
【0021】即ち、回転羽根4,5の回転速度を遅くす
る程、造粒物のサイズは大きめとなるが、回転速度が余
り遅くなると、熱硬化性プラスチックやハードボード片
の如き非熱可塑性廃材に対する破砕効果が乏しくなる
他、繊維状物をほぐして分散する効果も不十分となって
均質な造粒物が得られ難くなり、一方回転速度が余りに
速くなり過ぎると、造粒物が微細化し過ぎて相互に融着
し合い、却って均質な造粒物が得られ難くなる。こうし
た傾向を考慮すると、回転羽根4,5の回転速度は周速
度で20〜125m/sec、より好ましくは60m/
sec以上、125m/sec以下に設定することが望
ましい。
【0022】また混合・造粒時の加熱温度は、再生に用
いる廃材中の主たる熱可塑性プラスチックの含有率ある
いはその軟化温度などによっても変わってくるので一律
に規定することはできないが、一般的な基準として示す
ならば、廃材中に含まれる主たる熱可塑性プラスチック
廃材の軟化温度(Sp)以上で且つ(Sp+10%)以
下、より好ましくは、(Sp+5%)〜(Sp+30
%)の範囲であり、繊維状物が含まれている場合は、当
該繊維状物が軟化乃至分解を起こさない温度未満に制御
することが望ましい。なお該加熱温度は、混合・造粒時
の廃材相互の衝突によってかなり昇温するので、通常は
混合・造粒槽1内の適所に温度計8を配置しておき、該
温度計8によって内部温度を計測しながら外部から任意
の手段で熱の補給もしくはジャケット等による冷却を可
能とし、廃材の種類に応じた適正な温度に制御すること
が望ましい。
【0023】なお図1に示した様な混合・造粒装置内へ
の廃材の装入は、蓋材2を開いてから装入する様にして
もよく、あるいは該蓋材2に装入口2aを設け、該装入
口2aから適宜原料廃材を追加装入できる様にすること
も有効である。また造粒を終えた後の再生品の取出し手
段も特に制限されず、該装置全体を傾動可能に構成して
おき、造粒終了後は該装置を傾動させて蓋材2側から造
粒物を取り出す様にすることも可能であるが、好ましく
は、図1に示す如く混合・造粒槽1の底部外周側に取出
口6を設け、これにシリンダー10等の進退手段によっ
て進退する栓体9を設けておき、造粒完了後は該栓体9
を後退させて開口し取り出す様にしておけば、取り出し
を極めて簡単に行なうことができるので好ましい。なお
該栓体9の先端面は、図示する如く混合・造粒槽1の内
周面に沿う様に形成し、混合・造粒の障害とならない様
にしておくことが望ましい。また、取出口の外側に排出
予備室11を設けておき、該予備室11を経て造粒物を
取り出す様にすれば、排出時の飛散を防止することがで
きるので好ましい。
【0024】上記本発明の方法によって再生される廃材
は、廃プラスチック材として適量の熱可塑性プラスチッ
クを含むものであればその種類は一切制限されないが、
代表的なものを例示すると下記の通りである。
【0025】熱可塑性プラスチック廃材としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレ
フィン系樹脂;ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリエ
ステル系樹脂;ポリアクリル酸やポリメタクリル酸まは
たそれらのエステル等のアクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニ
ル、EVA、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ポリウ
レタン系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ブチルゴム、ニト
リルゴム、スチレンーブタジエン、スチレンーブタジエ
ンーアクリロニトリル等のエラストマー等が、その種類
や形状の如何を問わず全て利用できる。従って、回収さ
れた投棄廃材はもとより、上記の様なプラスチック成形
品を成形加工する際に生じる端材を使用することもで
き、特に端材はそれ自身が異物を含んでいないので、造
粒原料の成分調整用として活用することも有効である。
【0026】また廃材中に混入することが許容される熱
硬化性プラスチック廃材としては、FRP材などを含め
た不飽和ポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂;フェノ
ール系樹脂;尿素系樹脂やメラミン系樹脂等のアミノプ
ラスト樹脂等が、やはりその種類や形状の如何を問わず
利用できる。尚これらの熱硬化性プラスチックは、混合
・造粒工程で一部破砕されるが、実質的な破砕はあまり
期待できないので、好ましくは混合・造粒の前に予め適
当なサイズ、好ましくは5〜50mm程度の大きさに破
砕してから使用することが望ましい。
【0027】更に、廃材中に混入することのある繊維質
素材としては、天然、合成の如何を問わず、また不織布
状、織編物状、短繊維状、長繊維状など性状の如何を問
わず全て使用することができる。従って、例えば自動車
等の内装用、遮音用、防音用、断熱用、クッション用等
として用いられる繊維質シート材、カーペット、シート
布地などの廃材や端材が使用できる。これらの繊維質素
材は、あまりに繊維長が長過ぎると混合・造粒が困難に
なる他、特に織編物状廃材ではほぐれ難くなる傾向があ
るので、好ましくは混合・造粒に先だって5〜50mm
角程度に裁断しておくことが望ましい。本発明において
は、更に他の素材としてハードボード等が適量混入して
いても構わない。
【0028】本発明で造粒原料として用いる廃材は、加
熱処理による熱可塑性プラスチック廃材の軟化融着を利
用して、共に混入している熱硬化性プラスチック廃材や
繊維質廃材等を接合することによって造粒するものであ
り、廃材中には少なくとも熱可塑性プラスチック廃材が
含まれていることが必須であるが、その含有量には特に
制限がなく、熱可塑性プラスチック廃材の種類(特に軟
化温度)に応じて幅広い含有量範囲で造粒が可能であ
る。この方法により、通常のプラスチック造粒物と同じ
様な粒状物を得ることができる。また、熱可塑性プラス
チック廃材の軟化温度が低いほど或はその含有量が多く
なるほど相対的に密度の高い造粒物が得られ易く、逆に
軟化温度が高く或はその含有量が少なくなるほど相対的
に密度の低い造粒物が得られ易くなる。廃材中の繊維質
廃材の含有量が多くなるほど、また融点差の大きい複数
のプラスチック材を含むものほど、造粒物は嵩高で低密
度のものとなり易い。
【0029】但し、繊維質廃材を含むものであっても、
加熱造粒時の加熱温度を繊維質廃材の溶融温度以上に高
めてやれば、中実で高密度の造粒物を得ることができる
し、同様に、繊維質を含む嵩高の造粒物であっても、2
次加工時の温度を該繊維質の溶融温度以上に高めてやれ
ば、高密度で高強度の2次加工製品を得ることができ
る。
【0030】そして、この造粒物を原料として押出し成
形やロール成形を行なうと、棒状やシート状等の如き通
常のプラスチック再生製品を得ることができる。得られ
る再生製品の密度は、成形条件にもよるが概して造粒物
の密度が高いほど相対的に高密度のものが得られ易く、
嵩密度の低い造粒物を使用すると、嵩高で低密度の再生
製品が得られ易い。そして、高密度の造粒物からは高密
度で強度特性(引張強度、衝撃強度、曲げ強度など)に
優れた再生製品が得られ易く、また低密度の造粒物から
は空隙率が高くて遮音、防音、断熱特性などの優れた再
生製品が得られ易い。従って本発明を実施するに当たっ
ては、その後の2次加工によって得られる再生製品の要
求特性に応じて、混合・造粒段階で熱可塑性プラスチッ
ク廃材や繊維質廃材の含有量を調整することは極めて有
効となる。この際に用いる調整用原料としては、回収さ
れた廃材から適当な素材を選別して用いることも勿論可
能であるが、製品の裁断乃至成形工程で生じる端材は、
前述の如く異物が含まれていないので、混合・造粒原料
の成分調整用として有用な廃材として活用できる。
【0031】また先にも述べた様に、繊維質廃材を含む
ものであっても、加熱造粒時の加熱温度を高めて繊維質
廃材を溶融させれば、中実で高密度の造粒物を得ること
ができ、同様に、繊維質廃材を未溶融状態で含む嵩高の
造粒物を使用して2次成形加工を行なう際に、2次加工
時の温度を該繊維質の溶融温度以上に高め、高密度で高
強度の2次加工製品を得ることも勿論可能である。
【0032】上記混合・造粒法を実施する際に、加熱撹
拌時における上記回転羽根にかかる負荷電流を測定する
と、後記図3,4にも示す如く加熱撹拌の当初は負荷電
流が急激に増大し、その後負荷電流はピークに達した
後、造粒が進むにつれて該負荷電流は急激に低下し、比
較的低い負荷電流で安定化する傾向があり、造粒物の粒
径はこの負荷電流が安定化した時点でほぼ均一な粒径に
なることを確認している。従って、混合・造粒時の撹拌
羽根にかかる負荷電流を計測しておき、該負荷電流の変
化によって造粒状態をほぼ正確に知ることができる。
【0033】そしてこの方法によれば、上記の様に熱可
塑性プラスチックを含む粒状の再生品を得ることがで
き、これは、通常の粒状熱可塑性樹脂原料と同様にし
て、例えば押出成形法、射出成形法、プレス成形法、型
込成形法、ロール成形など任意の方法で、棒状やシート
状など様々の形状の再生製品とすることができる。特
に、不織布マット、カーペット、シート布地等の如く短
尺もしくは長尺の繊維質素材を含む廃材を使用し、これ
ら繊維質素材の溶融温度以下に処理温度を抑えることに
よって得られる嵩高の粒状物からは、繊維間に無数の隙
間を有する多孔質の再生製品を得ることができ、これは
吸音材や遮音材、断熱材等として有効に活用できる。ま
た繊維質素材を繊維状態で含む造粒物であっても、加熱
処理温度を該繊維質素材の溶融温度以上に高めてやれ
ば、中実で構造強度の高い再生製品を得ることができ、
繊維質素材を実質的に含まない中実で高密度の造粒物か
らは、やはり構造強度の優れた再生製品を得ることがで
きる。また繊維状物を含まない廃材からは、通常のプラ
スチック造粒物を得ることができ、これを用いて通常の
プラスチック製品に再生することができる。
【0034】更に、本発明の方法によって得られる上記
造粒物を、冷却することなくそのまま型込装置内へ装入
し、型物、棒、板、杭、遮音材、吸音材などの製品に加
工したり、プレス成形装置へ装入して型物、コンテナ、
マット等の製品に加工することも可能である。
【0035】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それ
らはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0036】実施例 図1に示した様な構造を有し、図2および下記寸法・性
能の混合・造粒装置を用いて、後述するプラスチック廃
材A,Bの混合・造粒を行なった。 [混合・造粒装置仕様] 内高さ:570mm 内径 :600mm 底部回転羽根:羽根径560mmφ 中央部近傍回転羽根:羽根径560mmφ 外周側略水平部5cの高さ位置=底面から155mm 回転羽根の周速度:40m/sec [廃材組成]自動車用内装材の端材として回収された不織布マット含有廃材 廃材A ポリアミド樹脂(繊維質) :11重量% ポリエチレンテレフタレート(繊維質):19重量% ポリエチレン : 6重量% ポリ塩化ビニル樹脂 :20重量% エチレンー酢酸ビニル共重合体 :25重量% ハードボード :17重量% ラテックス : 2重量% 廃材B ポリアミド樹脂(繊維質) :16重量% ポリエチレンテレフタレート(繊維質): 6重量% ポリエチレン :18重量% ポリ塩化ビニル樹脂 :60重量%
【0037】上記廃材A,Bを5mm×50mm以下の
サイズに破砕して上記混合・造粒装置内にそれぞれ15
kgを装入し、底部および中央部近傍の回転羽根を40
m/secの周速度で回転し、最高到達温度が夫々15
3℃または160℃となる様に加熱調整しながら混合・
造粒を行なった。この間、回転羽根の駆動モータの負荷
電流を測定し、混合・造粒時における負荷電流の変化と
造粒状態を調べた。
【0038】廃材Aを用いた時の負荷電流と温度の変化
は図3に、また廃材Bを用いた時の負荷電流と温度の変
化は図4に示す通りであり、いずれも混合・造粒の初期
段階では負荷電流は急激に増大するが、撹拌開始から3
〜4分で負荷電流は最高に達した後次第に低下し、約1
0分後には比較的小さな負荷電流で安定化する。負荷電
流の安定した10分間撹拌の後、撹拌を続けながら内部
温度を25℃にまで冷却してから取り出すと、何れも8
mmサイズの篩い全通の粒状物A,Bが得られた。
【0039】得られた各粒状物A,Bをロール成形装置
にかけ、160℃に加熱して軟化させながら成形し、厚
さ4mmのシート状成形体を製造した。得られた各シー
トの物性は表1に示す通りで、優れた強度特性を有して
いる他、内部には繊維の絡み合いに由来する無数の空隙
を有していて嵩密度が低く、吸音特性や遮音特性も有し
ており、自動車を始め、電車、船舶、航空機などの輸送
機械、家電製品、産業機器、建築材料等の制振材料や吸
音・遮音材料として有効に利用することができ、より具
体的には、自動車などのリヤーパッケージ、トランクサ
イドトリム、ドアートリム、天井材や床材の裏打ち材、
バッテリーカバー、ホイルアチーライニング、ダッシュ
サイレンサー、家電製品等のバッテリーケースやバン、
建築用のハウジングや建材杭等として活用し得るもので
あることが確認された。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、熱
可塑性樹脂を主体とする多成分系の廃プラスチックを含
む廃材、特に不織布マットや不織布シート、カーペッ
ト、シート布地等の繊維質素材が混入している様な廃材
からでも、2次成形原料として有効利用可能な粒状物と
して再生可能にすると共に、該粒状物を原料として有益
な再生製品を得ることができる。従って本発明によれ
ば、プラスチック廃材の埋立投棄や焼却処理に伴う2次
公害の問題を解消しつつ、廃材の2次資源としての有効
活用を図るという一石二鳥の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再生法を実施する際に好ましく用いら
れる混合・造粒装置を例示する要部断面説明図である。
【図2】実施例で用いた混合・造粒装置の寸法を示した
説明図である。
【図3】実施例で用いた廃材Aの混合・造粒時における
温度と回転羽根にかかる負荷の経時変化を示すグラフで
ある。
【図4】実施例で用いた廃材Bの混合・造粒時における
温度と回転羽根にかかる負荷の経時変化を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 混合・造粒槽 2 蓋材 3 回転軸 4 底部回転羽根 5 中央部近傍回転羽根 5a,5c 略水平部 5b 傾斜部 6 取出口 7 スペーサー 8 温度計 9 栓体 10 シリンダー 11 排出予備室 12 邪魔板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を含む2種以上の廃プラス
    チックを含有する廃材の破砕物を、底部と高さ方向中央
    部近傍に回転羽根を備えた円筒形混合・造粒装置内に装
    入し、加熱撹拌して熱可塑性樹脂を軟化させながら造粒
    することを特徴とする廃プラスチックの再生法。
  2. 【請求項2】 上記円筒形混合・造粒装置として、混
    合:造粒槽の内高さ(H)と内径(D)の寸法比が1:
    1〜3.0であるものを使用する請求項1記載の再生
    法。
  3. 【請求項3】 底部の回転羽根は、円筒形混合・造粒槽
    の内底面に近接して回転させると共に、中央部近傍の回
    転羽根は、円筒形混合・造粒槽の内高さ(H)に対し1
    /4(H)〜2/3(H)の位置で回転させる請求項1
    または2記載の再生法。
  4. 【請求項4】 中央部近傍の回転羽根として、鍔付き鍋
    の縦断面形状を有するものを使用する請求項1〜3のい
    ずれかに記載の再生法。
  5. 【請求項5】 回転羽根を、20〜125m/secの
    周速度で回転させる請求項1〜4のいずれかに記載の再
    生法。
  6. 【請求項6】 撹拌時における上記回転羽根にかかる負
    荷電流を測定し、該負荷電流の変化によって造粒状態を
    知る請求項1〜5のいずれかに記載の再生法。
  7. 【請求項7】 廃材が、実質的に分別されていない廃プ
    ラスチックを含むものである請求項1〜6のいずれかに
    記載の再生法。
  8. 【請求項8】 廃材が繊維状物を含むものである請求項
    1〜7のいずれかに記載の再生法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの方法により粒
    状に再生されたものである廃プラスチック再生品。
  10. 【請求項10】 請求項9の廃プラスチック再生品を2
    次加工したものである廃プラスチック再生品。
  11. 【請求項11】 廃材が短尺もしくは長尺の繊維を含
    み、吸音材、遮音材もしくは断熱材として用いられるも
    のである請求項10記載の廃プラスチック再生品。
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