JPH1142432A - 微粒化方法および装置 - Google Patents

微粒化方法および装置

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JPH1142432A
JPH1142432A JP20057997A JP20057997A JPH1142432A JP H1142432 A JPH1142432 A JP H1142432A JP 20057997 A JP20057997 A JP 20057997A JP 20057997 A JP20057997 A JP 20057997A JP H1142432 A JPH1142432 A JP H1142432A
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Japan
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fluid
atomization
atomizing
blocks
substance
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JP20057997A
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English (en)
Inventor
Fuminori Miyake
文則 三宅
Fumio Yasuda
文夫 安田
Koichi Koyano
晃一 古谷野
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HAKUSUI CHEM IND Ltd
JIINASU KK
Original Assignee
HAKUSUI CHEM IND Ltd
JIINASU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧・高速流の衝突とその後の動的圧力の急
変によるキャビテーション効果を有効に活用し、被処理
流体中に含まれる分散質を効率よく微粒化することので
きる方法及び装置を提供すること。 【解決手段】 微粒化すべき物質が分散された被処理流
体を高速で導入し、該流体同士を衝突させ及び/又は該
流体を壁面へ衝突させることにより、上記物質を微粒化
した後、該衝突位置から狭隘な隙間を通して遠心方向へ
拡散させ、該拡散位置の外周側に設けた環状腔部(溝)
で急激に降圧して前記物質の微粒化を更に進める微粒化
方法と、この方法を実施するのに適した微粒化装置を開
示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細化すべき物質
を含む被処理流体中に分散した該物質を、当該被処理流
体同士の衝突あるいは該被処理流体の壁面への衝突と、
その後の急激な降圧によるキャビテーション効果によっ
て微粒化し、安定な乳液または分散液を得るための微粒
化方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧・高速を利用して物質の微粒
化を図る装置は、歴史的に最も古くから採用されている
バルブプレート式と2液衝突式に大別される。
【0003】バルブプレート式は、基本的には高圧から
高速に変換された流体を壁面に衝突させてから装置外部
へ排出させるものであり、具体的な構成としては、特公
昭44−2921号公報に記載された液体処理装置があ
る。この種の構成では、被処理流体はポンプを介して入
口開口から第一均質化弁組立体へ導入され、弁座と弁と
の隙間を通過し放射状に流れて弁本体内壁に衝突するこ
とによって微粒化が行なわれ、更に同じ構成からなる第
二段均質化弁組立体へ導入される様になっている。この
構成では、衝突エネルギーは放射状に流れる流体速度の
みに左右される。
【0004】一方、2液衝突式の装置としては、例えば
特開平2−261525号公報に記載された様な乳化装
置が知られている。この装置は、図10および図11
(A)(図10のA−A線方向矢視図),図11(B)
(図10のB−B線方向矢視図)に示す如く被処理流体
流路に、硬質素材からなる2枚のブロック部材60,6
1を密着配置し、流入側のブロック部材60には2つの
貫通孔60a,60bを形成すると共に、各貫通孔の出
口を溝状通路60cによって連通させ、またブロック部
材60と密着配置されるブロック部材61には、溝状通
路60cと直交する方向に溝状通路61cを形成すると
共に、その各端部には混合液を排出させるための貫通孔
61a,61bを形成している。これらのブロック部材
60,61内に被処理流体を高圧・高速で導入すること
により、被処理流体の流れを強制的に対向流として加速
させ、2液の流れを高速で衝突させることによって乳化
を行なう様になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の微粒化
法は、基本的には高圧・高速で送給される非処理流体相
互の衝突あるいは被処理流体の壁面への衝突を利用し、
該衝突によって生じ或はそれに伴う乱流や渦流によって
促進される衝撃力や剪断力により、被処理流体中に分散
した粒子を破砕して微粒化することに主眼がおかれてい
る。またこの種の微粒化法を実施する際には、高圧・高
速衝突の直後に流路面積を拡大して被処理流体の動的圧
力を急降下させると、それに伴って生じるキャビテーシ
ョン効果により微粒化が促進されることも推測される。
【0006】ところが現在実用化されている微粒化方法
や微粒化装置では、上記高圧・高速流の衝突による微粒
化と動的圧力の急変によるキャビテーション効果を有効
に活用し、微粒化を満足のいく程度まで増進し得る様に
した具体的な方法や装置は現在のところ開発されていな
い。
【0007】本発明はこうした事情に着目してなされた
ものであって、高圧・高速流の衝突とその後のキャビテ
ーション効果を有効に活用し、被処理流体中に含まれる
分散質を効率よく微粒化することのできる方法及び装置
を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明にかかる微粒化方法は、微粒化すべき物
質が分散された被処理流体を高速で導入し、該流体同士
を衝突させ及び/又は該流体を壁面へ衝突させることに
より、上記物質を微粒化した後、該衝突位置から狭隘な
隙間を通して遠心方向へ拡散させ、該拡散位置の外周側
に設けた環状腔部で急激に降圧して前記物質の微粒化を
更に進めてから排出させるところに要旨が存在する。
【0009】また本発明に係る微粒化装置は、上記微粒
化法を実施する際に好ましく用いられる装置であって、
その構成は、略中心部に貫通孔が形成され、該貫通孔の
出口が向き合う様に狭隘な隙間をあけて対面して配置さ
れる一対の微粒化ブロックと、該微粒化ブロック間の狭
隘な隙間の外周側に形成される環状腔部(溝)を有し、
前記一対の微粒化ブロックの貫通孔から狭隘な隙間に向
けて対向方向から被処理流体を高速送給し、該狭隘な隙
間から前記環状腔部(溝)を経て降圧して排出する流路
が形成されているところに特徴を有している。
【0010】この微粒化装置においては、前記一対の微
粒化ブロックに設けられる各貫通孔出口を同心的に対向
して設けておけば、該貫通孔を通して対面方向から同心
的に送られてくる被処理流体同士の衝突によって、該被
処理流体中の物質の微粒化が進み、また、前記一対の微
粒化ブロックに設けられる各貫通孔出口を異なった位置
に設けておけば、上記各貫通孔から送られてくる被処理
流体は夫々微細化ブロックの対向面に衝突し、その時の
衝突エネルギーによって、該被処理流体中の物質の微粒
化が進められる。
【0011】またこの装置においては、前記一対の微粒
化ブロックの少なくとも一方を、狭隘な隙間方向に向け
て弾発的に付勢しておけば、プランジャーポンプ等によ
って送り込まれてくる被処理流体の送給圧力の脈動がこ
の部分で吸収され、一層安定した微粒化効果を得ること
ができるので好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態を参
照しつつ本発明を詳細に説明するが、図示例はもとより
本発明を制限する性質のものではなく、前記あるいは後
記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施す
ることも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的
範疇に含まれる。
【0013】図1は、本発明にかかる微粒化方法および
その実施に用いられる微粒化装置を例示する縦断面説明
図であり、この図において微粒化装置Mは、後述する微
粒化ブロックA,Bを筒状のケーシング1内の略中央部
に軸心を合わせ狭隘な隙間Sを形成して対向配置したも
ので、ケーシング1の一方端部には、微粒化ブロックA
の一方端部を押圧するための異径筒状の押え部材2が配
置される。
【0014】そして該押え部材2の中心には貫通孔2a
が設けられ、微粒化ブロックA,Bの流路入口と連通し
ている。またケーシング1の両端外周および抑え部材2
の外周側には雄ねじが設けられ、締結用ナット3によっ
て両者を一体に締め付け固定できる様に構成されてい
る。そして抑え部材3の他端側筒状部の内面には雌ねじ
が形成されており、この雌ねじに、高圧パイプ5を貫通
させたグランドナット6を螺合させれば、高圧パイプ5
の先端部5aを、押え部材2の貫通孔2a入口に密接す
ることができる。なお上記高圧パイプ5や押え部材2の
貫通孔2aは、流路入口となる。
【0015】一方、ケーシング1の他方端部構造は、上
記した一方端部の構造と左右対称に構成されており、一
方端部と実質的に同一構造の押え部材2’、締結用ナッ
ト3’、高圧パイプ5’、グランドナット6’が備えら
れており、そのうち押え部材2’の貫通孔2bと高圧パ
イプ5’が他方の流路入口となる。また、図中の符号
7,7’は高圧パイプ5,5’の接続側端部に螺合させ
るスリーブである。
【0016】そして上記ケーシング1の略中央部には、
微粒化ブロックA,Bの対面隙間Sを取り巻く様に環状
腔部(溝)4が形成されると共に、その外周側適所には
被処理流体排出部8が形成されている。
【0017】次に、微粒化ブロックA,Bの構成を図2
を参照しながら詳述する。図示例において微粒化ブロッ
クA,Bは、任意の手段(スペーサー等)により僅かな
隙間Sを明けて対峙して配置され、これら各ブロック
A,Bには、それぞれ前記貫通孔2a,2bに連通する
貫通孔a,bが設けられている。
【0018】従って、これらのブロックA,Bを狭い隙
間Sを明けて近接させた状態で図1に示す如くケーシン
グ1内に装入し、押え部材2,2’により対面方向に押
圧した状態で被処理流体を高速送給すると、ブロック
A,Bの貫通孔a,bから導入される高速流体は、その
先端の隙間Sで正面衝突して衝撃を受け、該被処理流体
中の物質はその衝突エネルギーによって微粒化される。
【0019】その後、該流体は上記隙間Sを放射方向に
高速で流れるが、その外周側には容積の大きな環状腔部
(溝)4が形成されているので、この隙間Sから該環状
腔部(溝)4へ放出された直後に急激な動的圧力の降下
が起こり、該動的圧力の急変によって生じるキャビテー
ション効果により更に微粒化が進み、その後に排出口8
から排出される。このときの被処理流体の流れを概念的
に図3に示す。
【0020】即ちこの方法および装置であれば、上記の
様に貫通孔a,bが設けられた2個の微粒化ブロック
A,Bを使用するだけで、衝突による微粒化と圧力の急
変によるキャビテーション効果の相加的乃至相乗的作用
によって、被処理流体中の物質は効率よく微粒化され
る。
【0021】尚図2,3では、貫通孔a,bを互いに同
軸的に対面させ、図面左右方向から高圧・高速で送り込
まれてくる被処理流体が正面衝突して微粒化効果が発揮
される様にしたが、例えば図4に示す如く、これらの貫
通孔a,bの軸心をずらせて配置すれば、各貫通孔a,
bからの被処理流体は、対面する微粒化ブロックの壁面
に衝突し、該衝突エネルギーによって微粒化が進められ
る。そして該衝突の後は、図2の場合と同様に隙間Sを
通して放射方向に流れ、その外周側の環状腔部(溝)4
に放出されて動的圧力の急降下によるキャビテーション
効果を受けた後、排出部8から排出される。このときの
被処理流体の流れを概念的に図5に示す。
【0022】図6は微粒化ブロックA,Bの更に他の実
施例を示したもので、微粒化ブロックA,B間の隙間S
に外周側にいくにつれて拡大する漸拡部S1 を形成し、
隙間Sから環状腔部(溝)4へ放出された時に生じるキ
ャビテーション効果を抑制している。このときの被処理
流体の流れは概念的に図7に示す通りとなるが、この様
な構成とすることによってもたらされる作用効果は次の
通りである。
【0023】即ち、本発明者らが別途実験によって確認
したところによると、例えば乳化や分散を促進するため
乳化剤や分散剤などの界面活性剤を使用した場合、前記
隙間Sから環状溝8へ放出される際のキャビテーション
効果が強くなり過ぎると、衝突・微粒化時に微粒化物質
の表面に付着した上記界面活性剤の一部が離脱し、得ら
れる乳液や分散液の保存安定性を却って悪化させること
がある。こうした傾向は、界面活性剤の種類や分散質、
分散媒の種類等によっても異なるので、界面活性剤を併
用する場合は、こうした傾向も考慮してキャビテーショ
ン効果の程度を適宜設定できる様にすることが望まれ
る。上記図6,7の例は、こうした場合に好ましく適用
される実施例を示したもので、前記隙間Sの外周側に漸
拡部S1 を形成しすることによって、隙間Sから環状腔
部(溝)4方向へ放出される時のキャビテーション効果
の程度を抑えている。そして該漸拡部S1 の拡大の程度
を被処理流体の種類等に応じて適宜設定することによ
り、最適のキャビテーション効果を得ることができる。
【0024】尚、界面活性剤を使用しない場合、あるい
は微粒化処理の後に乳化安定剤や分散安定剤等を添加す
る場合は、上記の様なキャビテーションによるマイナス
効果を考慮する必要はないので、図2〜5に示した様に
狭い隙間Sから一気に環状溝4へ放出させることによ
り、キャビテーション効果を最大限有効に生かすことが
望ましい。
【0025】図8は、本発明にかかる他の微粒化装置を
例示する図1対応図(縦断面説明図)であり、微粒化ブ
ロックA,Bなどは前掲のものと実質的に変わらない
が、これらを対面方向に押し付けるための押え部材を若
干変更している。
【0026】即ち本例では、押え部材2,2’の一方側
もしくは両側(図示例では一方側)にスプリング9を付
設し、微粒化ブロックA,Bを対面方向に付勢してい
る。この様な構成とすれば、プランジャーポンプ等によ
って送り込まれてくる被処理流体の送り込み圧力の脈動
に応じて隙間Sが微変動し、衝突エネルギーを略一定に
保つことができ、より安定した微粒化効果を得ることが
できるので好ましい。ここで用いられる付勢手段として
は、図示した様なスプリングの他、板ばねやゴム等の弾
性部材を使用してもよく、又それらの取付け手段も勿論
図示した以外に公知の任意の組込み手段を採用すること
ができる。
【0027】次に、上記微粒化法または微粒化装置を実
用化する際の周辺の構成について説明すると、微細乳液
を得る場合は、水系流体と油系流体をそれぞれ別々に引
き込んで合流させることによって混合液を調製し、該混
合液の流量を調整してから2流路に分岐させ、微粒化装
置へ2方向から圧送することにより油系流体が微分散し
た乳液を製造する。また、水等の溶媒に不溶性の固形物
粒子を微分散させる場合は、溶媒に分散すべき固形物粒
子を混入させて懸濁液を調製し、該懸濁液の流量を調整
してから2流路に分岐させ、微粒化装置へ2方向から微
粒化装置へ圧送することにより固形物粒子が微分散した
コロイド状の分散液を製造する。このとき、微粒化後の
乳液や微分散液の安定性を一層高めるため、微粒化処理
の前もしくは後で乳化安定剤や分散安定剤などを適量混
入させることも有効である。
【0028】被処理流体の送給法は勿論上記方法に限定
される訳ではなく、例えば上記2流体を混合し、圧力調
整した後流路を分岐させて2方向から微粒化装置へ送る
方法、あるいは、例えば水系流体と油系流体を2つの流
路から別々に圧力調整しつつ微粒化装置へ送り、それら
の混合と微粒化を一気に行なう様にすることも可能であ
る。
【0029】また、流体を高速で衝突させると殺菌乃至
滅菌が行なわれることも確認されており、従って本発明
の更に他の利用形態として、被処理流体の微粒化と滅菌
を並行して行なうことも可能であり、従ってこの発明
は、一般化学工業分野で利用する微粒化はもとより、衛
生面から細菌等の混入を避けねばならない食品分野や医
療分野においても極めて有効に活用することができる。
【0030】図9は、本発明を微分散乳液の調製に利用
する場合の実施例を示したもので、水系流体を貯留する
ための容器50と油系流体を貯留するための容器51と
を備えており、これらの容器50,51内の各流体を、
弁50a,51aでそれぞれ流量調整しつつ配管52で
合流させた後2流路に分岐させ、可変容量ポンプP1
2 の吸入口に供給される様になっている。可変容量ポ
ンプP1 ,P2 では、例えば混合液を50〜150MP
a程度に加圧し高圧・高速流として2方向から微粒化装
置Mへ導入し、この部分で前述の如く微粒化処理が行な
われる。
【0031】この様な微粒化システムであれば、微粒化
効果に加えて原料流体の混合比率も任意に調節すること
ができ、撹拌設備などを要することなく任意の混合比率
の乳液やコロイド状分散液を容易に得ることができる。
【0032】なおこの微粒化法を実施する際に、本発明
の効果を有効に発揮させるには、前記衝突が行なわれる
流路内の被処理流体の流速を80〜460m/sec程
度に制御するのがよい。しかして流速が低過ぎる場合
は、衝突時のエネルギーが不足すると共にキャビテーシ
ョン効果も不足気味となって満足のいく微粒化効果が発
揮され難く、一方流速が高過ぎる場合は、衝突部位にお
ける壁面の摩耗が著しくなるからである。工業的に実用
化する際のより好ましい流速の下限は150m/sec
程度、更に好ましくは330m/sec程度、より好ま
しい流速の上限は220m/sec程度、更に好ましく
は270m/sec程度である。
【0033】又、こうした高速流を採用することによっ
て前記衝突部で生じる流路内壁の摩耗を抑えるため、微
粒化ブロックA,Bの構成素材としてはWCやジルコニ
ア等のセラミックス材や焼結ダイヤモンド、単結晶ダイ
ヤモンド等の超硬質素材を使用するのがよく、あるいは
基材をステンレス等の金属によって構成し、摩耗が最も
激しい前記衝突部位の内壁面に前記焼結ダイヤモンドや
単結晶ダイヤモンド等の超硬質層を形成することによっ
て、耐摩耗性を確保することも有効である。
【0034】ところで本発明では、前述の如く被処理流
体同士もしくは壁面との衝突と、その後の遠心方向から
環状溝8へ放出される際のキャビテーション効果の湊合
によって、微粒化ブロックにおける微粒化を促進させる
方法を採用するが、こうした方法に加えて、該微粒化ブ
ロックからの出側で背圧を調整し、微粒化ブロック部分
における微粒化効果を更にコントロールすることも有効
である。
【0035】図12はこの様な方法を実施する際に用い
られる背圧調整装置の代表例を示した概略断面説明図で
あり、前述した様な微粒化装置Mの下流側に配置して当
該微粒化装置における出側圧力を調整し、微粒化ブロッ
ク部分で生じる衝突エネルギーあるいは動的圧力の急降
下によるキャビテーション効果の大小を制御する機能を
発揮する。
【0036】即ちこの背圧調整装置は、内部に円形腔部
が形成されたケーシング20と弁座21、ロッド状の弁
体22および弁体支持部材23によって構成される。そ
してケーシング20の円形腔部内には、微粒化装置Mの
出側流路に連通する流路24が形成されると共に、該流
路24側に弁座21が弁体支持部材23によって円形腔
部の開口部側から押付け固定され、該弁体支持部材23
には、これを貫通してロッド状の弁体22が進退可能に
螺合されている。そして、上記弁体支持部材23には、
前記流路24に対して略直交する方向に貫通孔25が形
成されると共に、ケーシング20には、該貫通孔25に
対応する位置に流体出口孔26が形成されている。
【0037】従って、これらを図示する状態に組み付け
て該弁体22を進退させると、該弁体22と前記弁座2
1間の隙間spを微調整することができ、それにより微
粒化装置Mの排出側流路にかかる背圧を任意に調整する
ことができる。但し図示した構造は、背圧調整機構の一
例を示しただけのものでもとより図示した以外にも、公
知の任意の背圧調整機構を採用することが可能である。
また、上記流体出口孔26側に微粒化装置Mを接続し、
処理流体を流路24方向へ流しながら背圧調整すること
も可能である。
【0038】この様に、微粒化装置Mの被処理流体排出
側に背圧調整装置を設けておけば、この部分で背圧を調
整することによって、微粒化装置M内における前述した
様な衝突エネルギーや圧力降下によるキャビテーション
効果の大小をコントロールすることができ、微粒化装置
M自体の微粒化性能を所望に応じて更に微調整すること
が可能となるので、好ましい実施形態として推奨され
る。
【0039】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではない。なお、下記において「部」および
「%」とあるのは、特記しない限り「重量部」および
「重量%」を意味する。
【0040】なお比較例として示した撹拌機には、日本
精機製作所社製の「AM−9」、微粒化装置としては、
図10,11に示した様に90゜の角度で位相して密接
させた十文字流路の交差点で流体を高速衝突させる構成
のもの[N社製]を使用した。また、実施例で用いた微
粒化装置に配置された微粒化ブロックA,Bの貫通孔
a,b,隙間S等の各サイズは下記の通りとした。 微粒化ブロックA,B厚み:4mm 貫通孔a,bの孔径 :0.2mm 微粒化ブロックA,B間の隙間:1.0mm また、得られた微粒化物の粒径測定とその評価法は下記
の通りとした。 粒径測定法:島津製作所製のレーザー解析式粒度分布測
定装置 SALD-200A 評価法:メジアン径の大小で評価する。
【0041】 [乳化実験] (1) 被処理流体:大豆油(関東化学社製) ……10% 大豆製レシチン(関東化学社製)……0.5% 純水 ……89.5% (2) 前処理:大豆油を所定量秤取り、これに大豆レシチンを所定量添加し て大豆油に大豆レシチンを溶解させる。 秤量しておいた純水に上記を加え、卓上型撹拌機(日本精 機社製「AM−9」)にて5,000rpmで1分間予備乳 化させる。予備乳化品のメジアン径:26.72μm [分散・粉砕実験] (1) 試料:酸化亜鉛(白水化学社製の微粒子酸化亜鉛)……30% デモールEP(花王社製) …… 2% 純水 ……68% (2) 前処理:所定量の純水にデモールEPを添加し溶解させる。 上記に酸化亜鉛を加え、15,000rpmで5分間予備 分散させる。予備分散品のメジアン径:0.69μm
【0042】
【表1】
【0043】上記乳化実験結果からも明らかである様
に、本発明の微粒化装置を使用すると、従来の撹拌機は
もとより、市販の微粒化装置を使用した場合に比べても
優れた微粒化効果が得られていることを確認できる。
【0044】
【表2】
【0045】上記分散・粉砕実験結果からも明らかであ
る様に、本発明の微粒化装置を使用すると、従来の撹拌
機はもとより、市販の微粒化装置を使用した場合に比べ
ても均質で優れた微粒化効果を得ることができることが
分かる。
【0046】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、微粒
化すべき物質を含む被処理流体に対し、該流体同士ある
いは該流体の壁面への衝突と、狭い隙間を円周方向に流
出した後に生じるキャビテーション効果を相加的乃至相
乗的に発揮させることによって、該流体中の分散質を効
果的に微粒化することができ、短い処理ラインで微粒化
を著しく増進することができる。しかも本発明の装置
は、その構成が比較的簡単で設計および製作が容易であ
る他、設備的にも短尺なものでよく、また微粒化が行な
われる装置の主体は前記微粒化ブロックA,Bを突き合
わせた構成であるから、設備の保全や交換なども容易に
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる微粒化方法と装置の1つの実施
形態を示す縦断面説明図である。
【図2】本発明で用いられる微粒化ブロックを例示する
断面説明図である。
【図3】図2の微粒化ブロックを用いたときの微粒化機
構を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明で用いられる他の微粒化ブロックを例示
する断面説明図である。
【図5】図4の微粒化ブロックを用いたときの微粒化機
構を概念的に示す説明図である。
【図6】本発明で用いられる更に他の微粒化ブロックを
例示する断面説明図である。
【図7】図6の微粒化ブロックを用いたときの微粒化機
構を概念的に示す説明図である。
【図8】本発明にかかる他の微粒化方法と装置の他の実
施形態を示す縦断面説明図である。
【図9】 本発明の微粒化装置を組み込んだ微粒化シス
テムを例示する概略説明図である。
【図10】公知の2液衝突式微粒化装置の基本構造を示
す説明図である。
【図11】図10におけるA−A線およびB−B線方向
矢視図である。
【図12】本発明を実施する際に付設することのできる
背圧調整装置を例示する断面説明図である。
【符号の説明】
M 微粒化装置 A,B 微粒化ブロック S 間隙 a,b 貫通孔 1 ケーシング 2 押え部材 3 締結用ナット 4 環状腔部(溝) 5 高圧パイプ 6 グランドナット 8 排出部 Ax 入側ブロック Ay 出側ブロック 2a,2b 貫通孔 20 ケーシング 21 弁座 22 ロッド状弁体 23 弁体支持部材 sp スペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷野 晃一 東京都板橋区小豆沢1丁目7番14号 株式 会社ジーナス内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒化すべき物質が分散された被処理流
    体を高速で導入し、該流体同士を衝突させ及び/又は該
    流体を壁面へ衝突させることにより、上記物質を微粒化
    した後、該衝突位置から狭隘な隙間を通して遠心方向へ
    拡散させ、該拡散位置の外周側に設けた環状腔部で急激
    に降圧して前記物質の微粒化を更に進めてから排出させ
    ることを特徴とする微粒化方法。
  2. 【請求項2】 略中心部に貫通孔が形成され、該貫通孔
    の出口が向き合う様に狭隘な隙間をあけて対面して配置
    される一対の微粒化ブロックと、該微粒化ブロック間の
    狭隘な隙間の外周側に形成される環状腔部を有し、前記
    一対の微粒化ブロックの貫通孔から狭隘な隙間に向けて
    対向方向から被処理流体を高速送給し、該狭隘な隙間か
    ら前記環状腔部を経て降圧して排出する流路が形成され
    ていることを特徴とする微粒化装置。
  3. 【請求項3】 前記一対の微粒化ブロックに設けられる
    各貫通孔出口が同心的に対向して設けられている請求項
    2記載の微粒化装置。
  4. 【請求項4】 前記一対の微粒化ブロックに設けられる
    各貫通孔出口が異なった位置に設けられている請求項2
    記載の微粒化装置。
  5. 【請求項5】 前記一対の微粒化ブロックの少なくとも
    一方が、狭隘な隙間方向に向けて弾発的に付勢されてい
    る請求項2〜4のいずれかに記載の微粒化装置。
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