JP2013215713A - 半導体粒子の分散体の製造方法及び製造装置、光電変換素子及び色素増感太陽電池の製造方法、半導体粒子の分散体、光電変換素子、並びに、色素増感太陽電池 - Google Patents

半導体粒子の分散体の製造方法及び製造装置、光電変換素子及び色素増感太陽電池の製造方法、半導体粒子の分散体、光電変換素子、並びに、色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性が得ることができる半導体粒子の分散体の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより半導体粒子の分散処理を行う。半導体粒子を含むスラリーを50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧して衝突部材135に衝突させることにより半導体粒子の分散処理を行ってもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体粒子の分散体の製造方法及び製造装置、その分散体を用いた光電変換素子及び色素増感太陽電池の製造方法、半導体粒子の分散体、並びに、その分散体を用いた光電変換素子及び色素増感太陽電池に関するものである。
従来、太陽電池にはいくつかの種類があるが、実用化されているものはシリコン半導体の接合を利用したダイオード型のものがほとんどである。これらの太陽電池は現状では製造コストが高く、このことが普及を妨げる要因となっている。
最近、低コスト化の可能性として、高効率の色素増感太陽電池が発表され(例えば、特許文献1、非特許文献1、2参照)、実用化への期待が高まっている。この色素増感太陽電池は、透明導電性ガラス基板上に設けられた多孔質化の電荷輸送層(電子輸送層)と、電荷輸送層の表面に吸着した光増感化合物と、酸化還元対を有する電解質と、対向電極とを備える。光増感化合物が吸着した電荷輸送層は光電変換層として機能する。色素増感太陽電池は、酸化チタン等の酸化物半導体からなる電荷輸送層を多孔質化して表面積を大きくしたこと、並びに光増感化合物としてルテニウム錯体を単分子吸着させたことにより、光電変換効率が著しく向上している。
上記多孔質の電荷輸送層は、その表面により多くの光増感化合物を吸着させるために、大きい比表面積が必要とされる。さらに、吸着した色素すべてに光を到達させるために、電荷輸送層は透明性が高いことが要求される。このため多孔質な電荷輸送層は、1次粒径が数から数百nmの半導体粒子分散体を塗布して、乾燥させることにより作製されることが多い。したがって、分散性の高い半導体粒子分散体が必要とされている。
特許文献2には、ボールミル内で酸化チタン等の金属酸化物半導体の粒子とメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行うことにより粒子の分散性を高めることができる方法が開示されている。
しかしながら、上記従来のメディアを用いた乾式混合で分散体を得る方法では、分散処理後の分散体にメディア自身の破砕によって発生する異物が混入するという問題がある。このようなメディア等の異物が混入した半導体粒子の分散体を用いて色素増感太陽電池の電荷輸送層を作成すると、電荷輸送層の抵抗が高くなって変換効率が低下してしまう。
従来、上記分散体へのメディアなどの異物の混入の問題を解決するために、超音波ホモジナイザーや超音波攪拌機により分散処理することが提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。また、分散性を高めるために、メディアを使って分散処理した後、湿式法によって解砕処理するという多段分散法も提案されている。しかし、これらの分散処理では、半導体粒子の分散が不十分であるという問題がある。分散が不十分な半導体粒子の分散体では、透明性の高い電荷輸送層を作製することが難しい。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性が得ることができる半導体粒子の分散体の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、半導体粒子の分散体の製造方法であって、半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより該半導体粒子の分散処理を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、本発明によれば、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性が得ることができる。
本発明の一実施形態に係る分散装置の全体構成の一例を示す概略構成図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の一構成例を示す断面図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の他の構成例を示す断面図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の更に他の構成例を示す模式図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の更に他の構成例を示す概略構成図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の更に他の構成例を示す概略構成図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の更に他の構成例を示す断面図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の更に他の構成例を示す断面図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の更に他の構成例を示す断面図。 本実施形態の分散装置における分散処理部の更に他の構成例を示す断面図。 本実施形態に係る製造方法で製造された分散体を用いることができる色素増感太陽電池の一構成例を示す断面図。 超高圧指示計の取付位置の説明図。
以下、本発明を色素増感太陽電池の電荷輸送層に用いることができる半導体粒子の分散体の製造方法に適用した実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係る分散体は、少なくとも半導体粒子を溶媒に混合して作ったスラリーを所定圧力に加圧するか若しくは所定速度に加速するかして互いに衝突させたり他の衝突部材に衝突させたりすることにより作製する。ここで、上記スラリーを加圧する所定圧力は50[MPa]以上300[MPa]以下の範囲内に設定され、上記スラリーを加速する所定速度は、100[m/s]以上500[m/s]以下に設定される。スラリーの圧力は例えばダイアフラムゲージや圧力センサーなどの圧力検知手段により確認することができる。また、スラリーの速度は例えば高速度カメラにより確認することができる。なお、上記スラリーを衝突させる処理回数は1回でもよいし複数回であってもよい。
図1は本発明の一実施形態に係る半導体粒子の分散体の製造方法で用いることができる分散体の製造装置としての分散装置10の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1において、分散装置10は、半導体粒子を混合して作ったスラリーが投入されるスラリー収容手段としてのホッパー11と、スラリーを噴出するポンプ12と、ポンプ12で噴射されたスラリーを互いに衝突させたり他の衝突部材に衝突させてスラリー内の半導体粒子を分散させる分散処理部13と、分散処理部13で半導体粒子が分散された分散体を受ける分散体収容手段としての分散体受け部14と、を備えている。ポンプ12は、ホッパー11から供給されたスラリーを加圧して所定の圧力のスラリーを噴出する加圧手段、又は、ホッパー11から供給されたスラリーを加速して所定の速度のスラリーを噴出する加速手段として機能する。また、分散処理部13は、ポンプ12で加圧されて噴射されたスラリー、又はポンプ12で加速されて噴射されたスラリーを、互いに衝突させたり他の衝突部材に衝突させてスラリー内の半導体粒子を分散させる。
ポンプ12は、プランジャーポンプ等の高圧ポンプが好ましい。例えば、ポンプ12としては、カムテック(株)製のプランジャーポンプ(型番:K10014)を用いることができる。ポンプ12から噴出されるスラリーの噴出圧力は好ましくは50[MPa]以上300[MPa]以下、さらに好ましくは100[MPa]以上300[MPa]以下、さらに好ましくは200[MPa]以上300[MPa]以下である。上記スラリーの加圧が50[MPa]より低い場合や上記スラリーの加速が100[m/s]より低い場合は、分散が不十分となり、透明性の高い電荷輸送層(光電子輸送層)が作製できない。上記スラリーの加圧が50[MPa]以上、又は、上記スラリーの加速が100[m/s]以上であれば、半導体粒子の凝集をほぐすことができ、透明性の高い電荷輸送層(光電子輸送層)を作製できる。
上記スラリーの衝突はスラリー移動経路形成手段としての細い配管の中で行ってもいいし、広い空間で行ってもよい。また、配管の形状は、スラリー移動経路が屈曲した角ばった形状でもよいし、曲面をもっていてもよい。
次に、本実施形態の分散装置10におけるスラリーを互いに衝突させる分散処理部13の構成例について説明する。
図2はスラリーの衝突を細い配管中で行う分散処理部13の一構成例を示す断面図である。図1のポンプ12で加圧又は加速されたスラリーは2つのスラリーに分岐して、スラリー移動経路形成部材としての配管130の流入孔131から流入し、配管130内の衝突部133で衝突して流出孔132から流出する。流入孔131と流出孔132は同一平面状にあってもよいし、同一平面状になくてもよい。図3は流入孔131と流出孔132とが同一平面状にない場合の分散処理部13の一構成例を示す斜視図である。
流入孔131及び流出孔132それぞれの数は1つでもよいし、複数あってもよい。複数ある場合はそれぞれ、直径が同じであっても異なっていてもよい。図4は流入孔131及び流出孔132がそれぞれ複数ある場合の分散処理部13の一構成例を示す模式図である。ここで、流入孔131及び流出孔132の数は同じであっても異なっていてもよい。
図2〜図4の分散処理部13において、流出孔132の直径は流入孔131の直径と同じでもよいし、異なってもよい。また、衝突部133の直径は0.5[mm]以下0.05[mm]以上が望ましい。さらに好ましくは0.2[mm]以下0.05[mm]以上、さらに好ましくは0.1[mm]以下0.05[mm]以上である。衝突部133の直径がより小さいほどスラリー圧力がより高くなるが、衝突部133の直径が小さすぎるとスラリーのつまりの原因となる。
図5は、本実施形態に係る分散装置における広い空間でスラリーを正面から互いに衝突させる分散処理部13の一構成例を示す概略構成図である。図1のホッパー11からスラリーが投入され、ポンプ12で加圧又は加速されたスラリーは分岐して配管130の複数の流入孔131それぞれから流入し、配管130の複数の液出口134それぞれから流出して衝突部133で互いに衝突する。複数の液出口134から流出した複数のスラリーは、図5のように正面から互いに衝突させてもよいし、斜めから互いに衝突させてもよい。図6は、広い空間でスラリーを斜めから互いに衝突させる場合の分散処理部13の一構成例を示す概略構成図である。
流入孔131及び液出口134それぞれの数は1つでもよいし複数あってもよい。流入孔131及び液出口134が複数ある場合はそれぞれ、流入孔131及び液出口134の直径が同じであってもよいし異なっていてもよい。また、複数の流入孔131及び液出口134はそれぞれ同一の仮想平面上にあってもよいし、同一の仮想平面上になくてもよい。液出口134の直径は0.5[mm]以下0.05[mm]以上が望ましい。さらに好ましくは0.2[mm]以下0.05[mm]以上、さらに好ましくは0.1[mm]以下0.05[mm]以上である。液出口134の直径がより小さいほどスラリーの圧力がより高くなるが、液出口134の直径が小さすぎるとつまりの原因となる。
次に、本実施形態の分散体の製造方法においてスラリーを衝突部材に衝突させる分散処理部13の構成例について説明する。衝突部材は平板でもよいし球状の部材であってもよい。また、衝突部材は、曲面や凹凸面を有していてもよい。
図7は、本実施形態に係る分散装置における細い配管中でスラリーを衝突部材135に衝突させる分散処理部13の一構成例を示す断面図である。図1のポンプ12で加圧又は加速されたスラリーは流入孔131から流入し、平板状の衝突部材135と衝突して流出孔132から流出する。
図8及び図9はそれぞれ、管内ではない広い空間(開放空間)でスラリーを衝突部材135に衝突させる分散処理部13の一構成例を示す断面図である。図8の構成例では、図1のポンプ12で加圧又は加速されたスラリーは流入孔131から流入し、広い空間に配置された平板状の衝突部材135に衝突する。図9の構成例では、図1のポンプ12で加圧又は加速されたスラリーは流入孔131から流入し、広い空間に配置された球状の衝突部材135に衝突する。
なお、図1〜図9の例では、スラリーの加速を高圧のポンプ12により行っているが、スラリーの加速を、100[m/s]以上の高速に加速された気流中にスラリーを投入することにより行ってもよい。このように気流によって所定の速度に加速されたスラリーの衝突は、図2〜図6のように加速されたスラリー同士を衝突させるように行ってもよいし、図7〜図9に示すように加速されたスラリーを衝突部材に衝突させるように行ってもよい。
図10は、気流中にスラリーを投入することにより加速させたスラリーを衝突部材(衝突板)に衝突させる分散処理部13の一構成例を示す断面図である。図10の例では、図示しない気流発生手段としてのコンプレッサーやエアーポンプにより、スラリー移動経路形成手段としての配管137内に100[m/s]以上の速度を持つ気流(高速エアー)136を発生させる。そして、その気流(高速エアー)136中に、スラリー移動経路形成部材としての配管130の流出孔132からスラリーが投入される。投入されたスラリーは、気流(高速エアー)136によって加速され、管内ではない広い空間(開放空間)で衝突部材(衝突板)135に衝突する。
なお、気流発生手段としては、例えば、ケーザー・コンプレッサー(株)製のスクリューコンプレッサー(型番:ASD 57T)を用いることができる。
上記図2〜図7、図10における配管130の衝突部133の少なくともスラリーに接する内壁の材質や、上記図7〜図10における衝突部材135の少なくともスラリーに接する衝突面の材質は、ダイヤモンドや炭化珪素などの硬質材が好ましい。
また、上記図2〜図7、図10における配管130、137の形状は断面が角ばった形状でもよいし、円筒状でもよい。また、配管130の流入孔131や流出孔132の開口の寸法(例えば、断面が四角形の場合の1辺の長さ、円形の場合の直径)は0.5[mm]以下が望ましく、さらに好ましくは0.2[mm]以下、さらに好ましくは0.1[mm]以下である。また、配管130、137や衝突部材(衝突板)135の材質は硬質材、ダイヤモンド、炭化珪素、セラミックスなどが好ましい。また、上記衝突は1回でもよいし、複数回でもよい。
次に、本実施形態に係る分散体の製造方法で製造される半導体粒子の分散体について説明する。本実施形態において、半導体粒子の材質は、特定の材質に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、あるいは金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、またはペロブスカイト構造を有する化合物等の半導体粒子を挙げることができる。
金属のカルコゲニドとしては、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、あるいはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。
他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が好ましい。
また、ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等が好ましい。
これらの半導体の材質の中でも酸化物半導体が好ましく、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブが好ましく、単独、あるいは2種以上の混合で使用しても構わない。これらの半導体の結晶型は特に限定されるものではなく、単結晶でも多結晶でも、あるいは非晶質でも構わない。
半導体粒子の1次粒径は1[nm]以上500[nm]以下が好ましく、5[nm]以上300[nm]以下がより好ましく、10[nm]以上300[nm]以下がさらに好ましい。半導体粒子を色素増感太陽電池(光電変換素子)の電荷輸送層に用いた場合、1次粒子径が小さすぎると電荷輸送層の細孔径が小さくなるという問題がある。一方、1次粒子径が大きすぎると電荷輸送層の透明性が低下するという問題がある。
半導体粒子の含有量は、分散体中、5〜70[質量%]とするのが好ましく、10〜50[質量%]がより好ましい。
半導体粒子を分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
分散体には、粒子の再凝集を防ぐため、塩酸、硝酸、酢酸等の酸、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等の界面活性剤、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン等のキレート化剤等を添加することができる。
分散体にはさらに樹脂を添加してもよい。添加される樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で増粘剤を添加することも有効な手段である。この場合に加える増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子、エチルセルロース等の増粘剤等が挙げられる。
次に、本発明の実施形態に係る分散体を使用した色素増感太陽電池の構成について説明する。なお、本実施形態では、電荷輸送層が負極性の電子を輸送する電子輸送層である色素増感太陽電池の場合について説明するが、本発明は、電荷輸送層が正電荷のホールを輸送するホール輸送層である色素増感太陽電池の場合に同様に適用することができる。
図11は本実施形態に係る製造方法で製造された分散体を用いることができる色素増感太陽電池200の一構成例を示す断面図である。図11において、本実施形態の色素増感太陽電池200は、基板201上に電極203が設けられ、緻密な電子輸送層206と多孔質の電子輸送層207とを有する電荷輸送層としての電子輸送層205が更に設けられ、電解質層209を挟んで、触媒層210、電極204、基板202が順次設けられた構成をとっている。そして、多孔質の電子輸送層207の表面には光増感化合物212が吸着している。電極203及び電極204それぞれには出力配線部であるリードライン213、214が接続されている。
多孔質の電子輸送層207は半導体粒子を用いて構成された半導体電極としての半導体層となっている。多孔質の電子輸送層207は、本実施形態に係る製造方法で製造した半導体粒子の分散体が塗布され、乾燥、焼結等が実施されることよって多孔質状態を形成する。
本実施形態に係る製造方法で製造した半導体粒子の分散体を塗布して作製された多孔質の電子輸送層207は高い比表面積を有している。比表面積はより多くの光増感化合物を吸着させるために大きい方が好ましい。10[m−1]以上90[m−1]以下が好ましく、さらに好ましくは50[m−1]以上90[m−1]以下、さらに好ましくは60[m−1]以上90[m−1]以下である。比表面積は比表面積測定装置などにより測定できる。気体吸着法で測定し、BETの式を用いて算出されるのが一般的である。測定サンプルは本発明の分散体を塗布し、100[℃]以上600[℃]以下で加熱して、3[μm]以上10[μm]以下の塗膜を形成したのち、その塗膜を剥離して作製することができる。
本実施形態に係る製造方法で製造した半導体粒子の分散体を用いて作製される色素増感太陽電池は酸化還元対を含む電解質を有する。このような電解質を有する色素増感太陽電池では、電子の移動をスムーズに行うために、電解質は光電変換層である多孔質の電子輸送層207と十分な接触面積を有する必要がある。しかし、比表面積を大きくした多孔質な電子輸送層207は細孔の径が小さくなってしまうために、電解質が細孔の中に入っていかず、多孔質の電子輸送層207と電解質との接触面積が不十分となる問題がある。特に従来のビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合は、半導体粒子が粉砕されるために細孔の径が小さくなってしまうという問題が顕著である。また、近年、耐久性向上のために、ゲル状または固体状の電解質を使用する場合が多く、この場合、電解質は小さい細孔に入っていくことは困難であるため、電解質と光電変換層の接触面積が不十分となる問題が顕著である。
本実施形態に係る製造方法で製造した半導体粒子の分散体を塗布して作製された多孔質の電子輸送層207は、細孔径も大きい。細孔径が大きければ、多孔質の電子輸送層207の細孔はすべて電解質で満たされるため、電子の移動をスムーズに行われる。前述のように、特に近年、耐久性向上のために、ゲル状または固体状の電解質を使用する場合が多く、その場合は電解質が多孔質の電子輸送層207の細孔に十分満たされるために細孔径は大きいことが要求される。細孔径の指標として平均細孔径を用いることができ、平均細孔径は10[nm]以上50[nm]以下が好ましく、さらに好ましくは20[nm]以上50[nm]以下、さらに好ましくは30[nm]以上50[nm]以下である。平均細孔径は比表面積・細孔径分布測定装置などにより測定できる。比表面積(A)と全細孔容積(V)から算出でき、4V/Aで表される。測定サンプルは本発明の分散体を塗布し、100[℃]以上600[℃]以下で加熱して、3[μm]以上10[μm]以下の塗膜を形成したのち、その塗膜を剥離して作製することができる。
多孔質の電子輸送層207は、単層であっても多層であってもよい。多層の場合、粒径の異なる半導体粒子の分散体を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。多孔質の電子輸送層207における光の捕獲率を向上させるために、光の入射側の粒径は小さく、徐々に粒径を大きくしていくこともできる。また、光の捕獲率向上のために、多層構造の電子輸送層207のうち光の入射側から一番遠い層を光散乱層として、粒径の大きい半導体粒子を用いた層を設けてもよい。この場合、多層構造の電子輸送層207のうち光散乱層以外の部分については、適宜、「光透過層」と呼んで区別する。
また、単層又は多層からなる多孔質の電子輸送層207の形成時に、一度の塗布で膜厚が不足する場合には、所定の膜厚になるように複数回の塗布を行ってもよい。
また、一般的に、電子輸送層207の膜厚が増大するほど単位投影面積当たりに担持される光増感化合物の量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。従って、電子輸送層207の膜厚は100[nm]以上100[μm]以下の範囲が好ましい。
多孔質の電子輸送層207の塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行なうことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
多孔質の電子輸送層207の塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために、焼成、マイクロ波照射、電子線照射、あるいはレーザー光照射を行なうことが好ましい。これらの処理は単独で行なってもあるいは二種類以上組み合わせて行なってもよい。マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。照射時間には特に制限がないが、1時間以内で行なうことが好ましい。焼成する場合、焼成温度の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融することもあるため、30[℃]〜700[℃]が好ましく、100[℃]〜600[℃]がより好ましい。また、焼成時間にも特に制限はないが、10分〜10時間が好ましい。焼成後、半導体粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行なってもよい。
本実施形態の色素増感太陽電池200に用いられる電極203、204としては、可視光に対して透明な導電性物質であれば特に限定されるものではなく、通常の光電変換素子あるいは液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称す。)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称す。)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称す。)等が挙げられ、これらが単独あるいは複数積層されていてもよい。
電極203、204の厚さは5[nm]〜100[μm]が好ましく、50[nm]〜10[μm]が更に好ましい。
また、電極203、204は一定の硬性を維持するため、可視光に透明な材質からなる基板上に設けることが好ましい。この可視光に透明な材質からなる基板としては、例えば、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが用いられる。
また、電極203、204と基板が一体となっている公知のものを用いることもでき、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜等が挙げられる。
また、電極203、204は、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものでもよい。これらは単独あるいは2種以上の混合、または積層したものでも構わない。
また、電極203、204としては、基板201、202の抵抗を下げる目的で、金属リード線等を用いてもよい。金属リード線の材質はアルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
本実施形態の色素増感太陽電池200における光電変換素子は、電極203上に電子輸送層205として半導体からなる薄膜を形成したものである。この電子輸送層205は、電極203上に緻密な電子輸送層206を形成し、更にその上に多孔質状の電子輸送層207を形成する積層構造であることが好ましい。この緻密な電子輸送層206は、電極204と電解質層209との電子的コンタクトを防ぐ目的で形成するものである。従って、電極204と電解質層209が物理的に接触しなければ、ピンホールやクラック等が形成されていても構わない。また、この緻密な電子輸送層206の膜厚に制限はないが、10[nm]〜1[μm]が好ましく、20[nm]〜700[nm]がより好ましい。なお、緻密な電子輸送層206における「緻密」とは、多孔質の電子輸送層207中の半導体粒子の充填密度より高密度で無機酸化物半導体が充填されていることを意味する。
光変換効率のさらなる向上のため、多孔質の電子輸送層207に光増感化合物212を吸着させた方が好ましい。光増感化合物212は使用される励起光により光励起される化合物であれば特に限定されないが、具体的には以下の化合物が挙げられる。例えば、光増感化合物212としては、特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J. Phys. Chem. C, 7224, Vol. 111 (2007)等に記載のクマリン化合物、同特開2004−95450号公報、Chem. Commun., 488 7(2007)等に記載のポリエン化合物、特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J. Am. Chem. Soc., 12218, Vol. 126 (2004)、Chem. Commun., 3036 (2003)、Angew. Chem. Int. Ed., 1923, Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J. Am. Chem. Soc., 16701, Vol.128(2006)、J. Am. Chem. Soc., 14256, Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物、特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物、特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J. Phys. Chem., 2342, Vol. 91 (1987)、J. Phys. Chem. B, 6272, Vol. 97 (1993)、Electroanal. Chem., 31, Vol. 537 (2002)、特開2006−032260号公報、J. Porphyrins Phthalocyanines, 230, Vol. 3 (1999)、Angew. Chem. Int. Ed., 373, Vol. 46 (2007)、Langmuir, 5436, Vol. 24 (2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物等を挙げることができる。特にこの中で、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物を用いることが好ましい。
多孔質の電子輸送層207に光増感化合物212を吸着させる方法としては、光増感化合物溶液中あるいは分散液中に電子輸送層205が形成された基板201を浸漬する方法、溶液あるいは分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法を用いることができる。前者の方法としては、浸漬法、ディップ法、ローラー法、エアーナイフ法等を用いることができ、後者の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等を用いることができる。また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
光増感化合物を吸着させる際、縮合剤を併用してもよい。縮合剤は、無機物表面に物理的あるいは化学的に光増感化合物と電子輸送化合物を結合すると思われる触媒的作用をするもの、または化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
更に、縮合助剤としてチオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
光増感化合物を溶解、あるいは分散する溶媒は、水、メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができ、これらは単独、あるいは2種以上の混合として用いることができる。
また、光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。凝集解離剤としてはコール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸または長鎖アルキルホスホン酸が好ましく、用いる色素に対して適宜選ばれる。これら凝集解離剤の添加量は、色素1[質量部]に対して0.01〜500[質量部]が好ましく、0.1〜100[質量部]がより好ましい。これらを用い、光増感化合物、あるいは光増感化合物と凝集解離剤を吸着する際の温度としては、−50[℃]以上、200[℃]以下が好ましい。また、この吸着は静置しても攪拌しながら行なっても構わない。攪拌する場合の方法としては、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、あるいは超音波分散等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。吸着に要する時間は、5秒以上、1000時間以下が好ましく、10秒以上、500時間以下がより好ましく、1分以上、150時間が更に好ましい。また、吸着は暗所で行なうことが好ましい。
電解質層209は、酸化還元対を含有する液体であってもよいし、液体電解質を適当なゲル化剤を用いてゲル化した擬固体であってもよいし、ホール輸送材料からなる固体であってもよい。
液体である場合は、ヨウ素/ヨウ化物イオン、フェリシアン化物/フェロシアン化物、キノン/ヒドロキノンなどの酸化還元対と、ヨウ化リチウム、ターシャリーブチルピリジンなどの添加剤が、溶媒に溶解されてなるものが用いられる。溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒や、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩などのイオン液体を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの溶媒の2種以上を混合して用いることもできる。
上記液体電解質に対してゲル化剤を添加し、擬固体として用いることもできる。ゲル化剤としては架橋性ポリマー、層状ケイ酸塩鉱物などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
上記ホール輸送材料としては、公知のホール輸送性化合物が用いられ、その具体例としては特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報あるいは特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物等を挙げることができ、単独でも2種以上の混合物でも構わない。
上記ホール輸送材料を用いた場合の電解質層209の作製方法には特に制限はないが、製造コスト等を考慮した場合、特に湿式製膜法が好ましく、多孔体半導体層上に塗布する方法が好ましい。この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行なうことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。また、超臨界流体あるいは亜臨界流体中で製膜してもよい。
触媒層210に用いる材料は、導電性を示す材料であれば特に制限されない。そして、電気化学的に安定であることが好ましい。例えば、白金、カーボン、金、導電性ポリマーなどが挙げられる。触媒層の形成方法は公知の方法を用いることができ、例えば、スパッタ法、蒸着法、スプレー法、スピンコート法、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
次に、本実施形態に係る分散体、半導体電極、光電変換素子及び太陽電池の製造方法のより具体的な実施例について、比較例と併せて説明する。
〔実施例1〕
(分散体の作製)
スラリーは以下の配合にて混合攪拌して作製した。
・酸化チタン(1次粒径は15[nm]):1[質量部]
・エタノール:9[質量部]
上記スラリーをホッパー11内に投入し、50[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層用分散体を作製した。圧力は、図12に示すように配管130の流入孔131近傍の側壁部に形成されているねじ孔138にねじ止めで設置した圧力測定手段としてのアナログ型の超高圧指示計139(旭計器工業(株)製,型番:370)を用いて測定した。なお、圧力を測定しないときは、上記配管130のねじ孔138は、超高圧指示計139に代えてメクラねじが取り付けられている。以上のスラリーの圧力の測定方法及び条件は、下記の実施例2〜22及び比較例1〜5においても同様である。
なお、スラリーの速度は、110[m/s]であった。スラリーの速度は、図3の分散処理部13の配管130に形成されている図示しない観察窓を介して、衝突部133からスラリー移動方向上流側に所定距離(5cm)離れた撮影ポイントで、スラリーを撮影して計測した。スラリーの撮影は、高速度カメラ(ナック社製の「MEMRECAM GX−1 Plus」)を用いて、フレームレートが50000[fps]という条件下で行った。このスラリーの撮影画像から、PIV/PTVシステム((株)ディテクト製,DIPP FLOW)を使ってスラリーの速度を求めた。以上のスラリーの速度の測定方法及び条件は、下記の実施例2〜22及び比較例1〜5においても同様である。
さらに以下の配合にて上記分散体1とテルピネオールとセルロースとを混合した後、エタノールを除去し、緻密な電子輸送層206上に形成される多孔質の電子輸送層207のうち光透過層として塗布して印刷される光透過層印刷用塗布液を得た。
・光透過層用分散体:5[質量部]
・テルピネオール:1[質量部]
・セルロース:0.1[質量部]
(光散乱層用分散体の作製)
スラリーは以下の配合にて混合攪拌して作製した。
・酸化チタン(1次粒径は400[nm]):1[質量部]
・エタノール:9[質量部]
上記スラリーをホッパー11内に投入し、50[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光散乱層用分散体を作製した。なお、ポンプ12としては、カムテック(株)製のプランジャーポンプ(型番:K10014)を用いた(下記の実施例2〜18及び比較例1〜3においても同様)。スラリーの速度は、110[m/s]であった。
さらに以下の配合にて混合した後、エタノールを除去し、光散乱層として塗布して印刷される光散乱層印刷用塗布液を得た。
・光散乱層用分散体:5[質量部]
・テルピネオール:1[質量部]
・セルロース:0.1[質量部]
(半導体電極(半導体層)の作製)
チタニウムテトラ−n−プロポキシド2[ml]、酢酸4[ml]、イオン交換水1[ml]、2−プロパノール40[ml]を混合し、FTOガラス基板上にスピンコートし、室温で乾燥後、空気中450[℃]で30分間焼成することにより、電極膜を得た。この得られた電極膜上に、再度同一溶液を用いて、膜厚100[nm]になるようにスピンコートで塗布し、空気中450[℃]で30分間焼成することにより、緻密な電子輸送層206を形成した。
また、上記光透過層印刷用塗布液を、上記緻密な電子輸送層206上に乾燥後の膜厚が15[μm]になるように塗布し、さらに上記散乱層印刷用塗布液を乾燥後の膜厚が2[μm]になるように塗布し、室温で乾燥後、空気中500[℃]で30分間焼成した。更に、40[mM]に調整した四塩化チタン水溶液中に沈めて70[℃]で30分間静置した。水洗した後、再び空気中500[℃]で30分間焼成し、半導体電極(半導体層)としての多孔質の電子輸送層207を形成した。
(光電変換素子の作製)
上記酸化チタン半導体からなる半導体電極として形成した緻密な電子輸送層206及び多孔質の電子輸送層207で構成される電子輸送層205を、ルテニウム錯体として0.5[mM]に調整したN719色素[シス−ビス(イソチオシアナート)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)−ビス−テトラ−n−ブチルアンモニウム、Solaronix社製]のアセトニトリル/t−ブタノール(体積比1:1)混合溶液中に室温で2日間、暗所にて静置した。これにより、緻密な電子輸送層206と光増感化合物を吸着させた多孔質の電子輸送層207とを有する光電変換素子を作製した。
(太陽電池の作製)
FTOガラス基板上に、Ptをスパッタして作製した対極に電解液注入用穴を形成した。そしてスペーサーフィルムを設置し、先に作製した光電変換素子を合わせ、アクリル系UV硬化樹脂を用いて封止した。その後、アセトニトリルに、ヨウ化リチウム(LiI)0.1[M]、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド0.6M、ヨウ素(I2)0.05[M]、4−tert−ブチルピリジン0.5[M]を溶解させた電解質を対極に形成した穴から注入して電解質層209を形成し、その後穴を封止して、太陽電池を作製した。
〔実施例2〕
実施例1と同様のスラリーを100[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、200[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例3〕
実施例1と同様のスラリーを150[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、280[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例4〕
実施例1と同様のスラリーを200[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、350[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例5〕
実施例1と同様のスラリーを250[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、420[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例6〕
実施例1と同様のスラリーを300[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、500[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例7〕
実施例1と同様のスラリーを50[MPa]に加圧して図6に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、100[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例8〕
実施例1と同様のスラリーを100[MPa]に加圧して図6に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、170[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例9〕
実施例1と同様のスラリーを150[MPa]に加圧して図6に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、220[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例10〕
実施例1と同様のスラリーを200[MPa]に加圧して図6に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、290[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例11〕
実施例1と同様のスラリーを250[MPa]に加圧して図6に示す分散処理部で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、430[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例12〕
実施例1と同様のスラリーを300[MPa]に加圧して図6に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、470[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例13〕
実施例1と同様のスラリーを50[MPa]に加圧して図8に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、100[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例14〕
実施例1と同様のスラリーを100[MPa]に加圧して図8に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、170[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例15〕
実施例1と同様のスラリーを150[MPa]に加圧して図8に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、220[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例16〕
実施例1と同様のスラリーを200[MPa]に加圧して図8に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、290[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例17〕
実施例1と同様のスラリーを250[MPa]に加圧して図8に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、430[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例18〕
実施例1と同様のスラリーを300[MPa]に加圧して図8に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、470[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例19〕
実施例1と同様のスラリーを高速エアー中への投入によって加速させ、図10に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、高速エアーを発生する気流発生手段としては、ケーザー・コンプレッサー(株)製のスクリューコンプレッサー(型番:ASD 57T)を用いた(下記の実施例20〜22及び比較例4においても同様)。また、スラリーの速度は、150[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例20〕
実施例1と同様のスラリーを高速エアー中への投入によって加速させ、図10に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、220[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例21〕
実施例1と同様のスラリーを高速エアー中への投入によって加速させ、図10に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、360[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例22〕
実施例1と同様のスラリーを高速エアー中への投入によって加速させ、図10に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、470[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔比較例1〕
実施例1と同様のスラリーを40[MPa]に加圧して図3に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、90[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔比較例2〕
実施例1と同様のスラリーを40[MPa]に加圧して図6に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、80[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔比較例3〕
実施例1と同様のスラリーを40[MPa]に加圧して図8に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、80[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔比較例4〕
実施例1と同様のスラリーを高速エアー中への投入によって加速させ、図10に示す分散処理部13で衝突させて、光透過層印刷用分散体を作製した。なお、スラリーの速度は、90[m/s]であった。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔比較例5〕
実施例1と同様のスラリーをビーズミルにて分散させて、光透過層印刷用分散体を作製した。また、実施例1と同様にテルピネオールとセルロースとを添加し、混合したのち、エタノールを除去して光透過層印刷用塗布液を得た。その他については実施例1と同様にして、多孔質の電子輸送層207を含む半導体電極、光電変換素子及び太陽電池を作製した。
〔実施例及び比較例の評価〕
以上の実施例1〜22及び比較例1〜5について、光透過層用塗布液及び光散乱層用塗布液を塗布して作製した多孔質の電子輸送層207の膜の光の透過率を測定した。この透過率の測定は、日本分光(株)製の紫外可視分光光度計V−660を用い、膜厚10[μm]及び波長500[nm]の条件下で行った。
また、光透過層用塗布液及び光散乱用塗布液を塗布して作製した多孔質の電子輸送層207の膜の比表面積及び平均細孔径を測定した。これらの測定は(株)島津製作所製のトライスター3020を用い、BET法により比表面積[m−1]及び平均細孔径[nm]を算出した。測定のサンプルは、スライドガラス上に光透過層用塗布液及び光散乱用塗布液を塗布し、500[℃]で焼成して、5[μm]の膜とし、その膜を剥離して作成した。
また、太陽電池の電流−電圧特定(I−V特性)の測定を行い、変換効率[%]を算出した。この変換効率の測定は、疑似太陽光照射下(AM(エアマス):1.5、照射エネルギー密度:100[mW/cm])において行った。ここで、太陽電池の半導体電極(半導体層)のサイズは4[mm□]である。また、疑似太陽光としては、英弘精機(株)製のソーラーシミュレーター(型番:SS−50XIL)を用いた。また、太陽電池の電流−電圧特定(I−V特性)は、(株)エヌエフ回路設計ブロック製の太陽電池評価システム(型番:As−510−PV)を用いて測定した。
以上の評価の結果を表1に示す。表1に示すように、本実施形態の実施例1〜22では、分散処理部13におけるスラリーの圧力を50[MPa]以上300[MPa]以下又はスラリーの速度を100[m/s]以上500[m/s]以下にして作成した半導体粒子である酸化チタンなどの酸化物半導体の粒子を含む分散体を用いることにより、光の透過率が48[%]以上65[%]以下である高い透明性と平均細孔径が24[nm]以上39[nm]以下の比較的大きな細孔径とを有する多孔質の電子輸送層207を形成することができ、6.9[%]以上7.5[%]以下の範囲の高い変換効率の太陽電池を作製することができた。特に、本実施形態の実施例1〜22では、比較例1〜5とは異なり、多孔質の電子輸送層207が68[m−1]以上77[m−1]以下の比較的大きな比表面積を有する場合でも、多孔質な電子輸送層207の細孔の径を、電解質が入り込みやすい24[nm]〜39[nm]の比較的大きな細孔径にすることができた。
Figure 2013215713
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
半導体粒子の分散体の製造方法であって、半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより半導体粒子の分散処理を行う。
これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様B)
半導体粒子の分散体の製造方法であって、半導体粒子を含むスラリーを50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧して衝突部材135に衝突させることにより半導体粒子の分散処理を行う。
これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様C)
半導体粒子の分散体の製造方法であって、半導体粒子を含み100[m/s]以上500[m/s]以下に加速されたスラリーを互いに衝突させることにより半導体粒子の分散処理を行う。
これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含み100[m/s]以上500[m/s]以下に加速されたスラリーを互いに衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様D)
半導体粒子の分散体の製造方法であって、半導体粒子を含むスラリーを100[m/s]以上500[m/s]以下に加速して衝突部材に衝突させることにより半導体粒子の分散処理を行う。
これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含むスラリーを100[m/s]以上500[m/s]以下に加速して衝突部材に衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様E)
上記態様A、B、C又はDの半導体粒子の分散体の製造方法において、前記スラリーの加圧又は加速を、高圧ポンプ12により行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、高圧ポンプ12の出力圧力を変化させることで、スラリーの加圧又は加速の範囲を上記所定の範囲に容易に調整することができる。
(態様F)
上記態様A、B、C又はDの半導体粒子の分散体の製造方法において、前記スラリーの加圧又は加速を、気流136中にスラリーを投入することにより行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、スラリーが投入される気流136の流速を変化させることで、スラリーの加圧又は加速の範囲を上記所定の範囲に容易に調整することができる。
(態様G)
多孔質の電荷輸送層を有する光電変換素子の製造方法であって、上記態様A、B、C、D、E又はGの分散体の製造方法で製造した半導体粒子の分散体を含む分散体を用いて作製した塗布液を、基板の電極上に直接又は中間層を介して塗布した後、乾燥及び焼成を行うことにより、多孔質の電荷輸送層207を作成する。これによれば、上記実施形態について説明したように、透明性が高く且つ大きい細孔径を有する電子輸送層207を形成することができ、6.9[%]以上7.5[%]以下の範囲の高い変換効率を有する光電変換素子を提供することができる。
(態様H)
上記態様Gの光電変換素子の製造方法で製造した光電変換素子の多孔質の電荷輸送層207上に、光増感化合物を吸着させた後、電解質層209を形成する。これによれば、上記実施形態について説明したように、6.9[%]以上7.5[%]以下の範囲の高い変換効率を有する太陽電池200を提供することができる。
(態様I)
半導体粒子の分散体の製造装置であって、半導体粒子を含むスラリーを50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧するポンプ12などの加圧手段と、加圧手段で加圧されたスラリーを複数のスラリーに分け、複数のスラリーを互いに衝突させるように各スラリーの移動経路を形成する配管130などのスラリー移動経路形成手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様J)
半導体粒子の分散体の製造装置であって、半導体粒子を含むスラリーを50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧するポンプ12などの加圧手段と、スラリーが衝突するように配置された衝突部材135と、加圧手段で加圧されたスラリーを衝突部材135に衝突させるようにスラリーの移動経路を形成する配管130などのスラリー移動経路形成手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様K)
半導体粒子の分散体の製造装置であって、半導体粒子を含むスラリーを100[m/s]以上500[m/s]以下に加速するポンプ12等の加速手段と、加速手段で加速されたスラリーを複数のスラリーに分け、その複数のスラリーを互いに衝突させるように各スラリーの移動経路を形成する配管130などのスラリー移動経路形成手段と、を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含み100[m/s]以上500[m/s]以下に加速された複数のスラリーを互いに衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様L)
半導体粒子の分散体の製造装置であって、半導体粒子を含むスラリーを100[m/s]以上500[m/s]以下に加速するポンプ12等の加速手段と、スラリーが衝突するように配置された衝突部材135と、加速手段で加速されたスラリーを衝突部材135に衝突させるようにスラリーの移動経路を形成する配管130などのスラリー移動経路形成手段と、を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、半導体粒子を含み100[m/s]以上500[m/s]以下に加速されたスラリーを衝突部材135に衝突させることにより、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用した乾式混合を行う場合と同程度又はそれ以上の高い分散性を得ることができる。しかも、ビーズミル内でメディアとの衝突、摩擦作用等を利用する必要がないので、半導体粒子以外の異物の混入を抑制することができる。以上のように、半導体粒子以外の異物の混入を抑制しつつ高い分散性を有する半導体粒子の分散体を得ることができる。
(態様M)
上記態様I、J、K又はLの半導体粒子の分散体の製造装置において、前記加圧手段又は前記加速手段は、スラリーの加圧又は加速する高圧ポンプ12を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、高圧ポンプ12の出力圧力を変化させることで、スラリーの加圧又は加速の範囲を上記所定の範囲に容易に調整することができる。
(態様N)
上記態様I、J、K又はLの半導体粒子の分散体の製造装置において、前記加圧手段又は前記加速手段は、スラリーの移動経路に気流136を発生させる気流発生手段を備え、その移動経路に発生した気流中にスラリーを投入するように構成した。これによれば、上記実施形態について説明したように、スラリーが投入される気流136の流速を変化させることで、スラリーの加圧又は加速の範囲を上記所定の範囲に容易に調整することができる。
(態様O)
半導体粒子の分散体であって、上記態様A、B、C、D、E又はFの分散体の製造方法若しくは上記態様I、J、K、L、M又はNの分散体の製造装置で製造されたものである。これによれば、上記実施形態について説明したように、その半導体粒子の分散体を用いて、透明性が高く且つ大きい細孔径を有する電子輸送層207を形成することができる。
(態様P)
多孔質の電荷輸送層を有する光電変換素子であって、上記態様Gの光電変換素子の製造方法で製造されたものである。これによれば、上記実施形態について説明したように、透明性が高く且つ大きい細孔径を有する電子輸送層207を形成することができる、6.9[%]以上7.5[%]以下の範囲の高い変換効率を有する光電変換素子を提供することができる。
(態様Q)
色素増感太陽電池200であって、上記態様Cの光電変換素子の製造方法で製造した光電変換素子の多孔質の電荷輸送層207上に、光増感化合物を吸着させた後、電解質層209を形成したものである。これによれば、上記実施形態について説明したように、6.9[%]以上7.5[%]以下の範囲の高い変換効率を有する色素増感太陽電池200を提供することができる。
10 分散装置
11 ホッパー
12 ポンプ
13 分散処理部
14 分散体受け部
130 配管
131 流入孔
132 流出孔
133 衝突部
134 液出口
135 衝突部材
136 気流(高速エアー)
137 配管
200 色素増感太陽電池
201,202 基板
203,204 電極
205 電子輸送層
206 緻密な電子輸送層
207 多孔質の電子輸送層
209 電解質層
210 触媒層
212 光増感化合物
213,214 リードライン
特許第2664194号公報 特開2005−104760号公報 特許第4279264号公報 特開2004−158551号公報 特許第4523344号公報
Brian O'Regan & Michael Gratzel, "A low-cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films", Nature, Vol. 353, pp. 737-740, (1991) M. K. Nazeeruddin, A. Kay, I. Rodicio, R. Humphry-Baker, E. Mueller, P. Liska, N. Vlachopoulos, M. Graetzel, "Conversion of light to electricity by cis-X2bis (2,2'-bipyridyl-4,4'-dicarboxylate) ruthenium(II) charge-transfer sensitizers (X = Cl-, Br-, I-, CN-, and SCN-) on nanocrystalline titanium dioxide electrodes", J. Am. Chem. Soc., Vol. 115, pp. 6382-6390, (1993)

Claims (17)

  1. 半導体粒子の分散体の製造方法であって、
    半導体粒子を含み50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧された複数のスラリーを互いに衝突させることにより該半導体粒子の分散処理を行うことを特徴とする分散体の製造方法。
  2. 半導体粒子の分散体の製造方法であって、
    半導体粒子を含むスラリーを50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧して衝突部材に衝突させることにより該半導体粒子の分散処理を行うことを特徴とする分散体の製造方法。
  3. 半導体粒子の分散体の製造方法であって、
    半導体粒子を含み100[m/s]以上500[m/s]以下に加速されたスラリーを互いに衝突させることにより該半導体粒子の分散処理を行うことを特徴とする分散体の製造方法。
  4. 半導体粒子の分散体の製造方法であって、
    半導体粒子を含むスラリーを100[m/s]以上500[m/s]以下に加速して衝突部材に衝突させることにより該半導体粒子の分散処理を行うことを特徴とする分散体の製造方法。
  5. 請求項1、2、3又は4の半導体粒子の分散体の製造方法において、
    前記スラリーの加圧又は加速を、高圧ポンプにより行うことを特徴とする分散体の製造方法。
  6. 請求項1、2、3又は4の半導体粒子の分散体の製造方法において、
    前記スラリーの加圧又は加速を、気流中に該スラリーを投入することにより行うことを特徴とする分散体の製造方法。
  7. 多孔質の電荷輸送層を有する光電変換素子の製造方法であって、
    請求項1、2、3、4、5又は6の分散体の製造方法で製造した半導体粒子の分散体を含む分散体を用いて作製した塗布液を、基板の電極上に直接又は中間層を介して塗布した後、乾燥及び焼成を行うことにより、前記多孔質の電荷輸送層を作成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  8. 色素増感太陽電池の製造方法であって、
    請求項7の光電変換素子の製造方法で製造した光電変換素子の前記多孔質の電荷輸送層上に、光増感化合物を吸着させた後、電解質層を形成することを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  9. 半導体粒子の分散体の製造装置であって、
    半導体粒子を含むスラリーを50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧する加圧手段と、
    前記加圧手段で加圧されたスラリーを複数のスラリーに分け、該複数のスラリーを互いに衝突させるように各スラリーの移動経路を形成するスラリー移動経路形成手段と、を備えたことを特徴とする分散体の製造装置。
  10. 半導体粒子の分散体の製造装置であって、
    半導体粒子を含むスラリーを50[MPa]以上300[MPa]以下に加圧する加圧手段と、
    前記スラリーが衝突するように配置された衝突部材と、
    前記加圧手段で加圧されたスラリーを前記衝突部材に衝突させるようにスラリーの移動経路を形成するスラリー移動経路形成手段と、を備えたことを特徴とする分散体の製造装置。
  11. 半導体粒子の分散体の製造装置であって、
    半導体粒子を含むスラリーを100[m/s]以上500[m/s]以下に加速する加速手段と、
    前記加速手段で加速されたスラリーを複数のスラリーに分け、該複数のスラリーを互いに衝突させるように各スラリーの移動経路を形成するスラリー移動経路形成手段と、を備えたことを特徴とする分散体の製造装置。
  12. 半導体粒子の分散体の製造装置であって、
    半導体粒子を含むスラリーを100[m/s]以上500[m/s]以下に加速する加速手段と、
    前記スラリーが衝突するように配置された衝突部材と、
    前記加速手段で加速されたスラリーを前記衝突部材に衝突させるようにスラリーの移動経路を形成するスラリー移動経路形成手段と、を備えたことを特徴とする分散体の製造装置。
  13. 請求項9、10、11又は12の半導体粒子の分散体の製造装置において、
    前記加圧手段又は前記加速手段は、前記スラリーの加圧又は加速する高圧ポンプを備えたことを特徴とする分散体の製造装置。
  14. 請求項9、10、11又は12の半導体粒子の分散体の製造装置において、
    前記加圧手段又は前記加速手段は、前記スラリーの移動経路に気流を発生させる気流発生手段を備え、該移動経路に発生した気流中に該スラリーを投入するように構成したことを特徴とする分散体の製造装置。
  15. 半導体粒子の分散体であって、
    請求項1、2、3、4、5又は6の分散体の製造方法若しくは請求項9、10、11、12、13又は14の分散体の製造装置で製造されたことを特徴とする半導体粒子の分散体。
  16. 多孔質の電荷輸送層を有する光電変換素子であって、
    請求項7の光電変換素子の製造方法で製造されたことを特徴とする光電変換素子。
  17. 色素増感太陽電池であって、
    請求項7の光電変換素子の製造方法で製造した光電変換素子の前記多孔質の電荷輸送層上に、光増感化合物を吸着させた後、電解質層を形成したことを特徴とする色素増感太陽電池。
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Citations (7)

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