JPH1142428A - 微粒化方法 - Google Patents

微粒化方法

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JPH1142428A
JPH1142428A JP20057597A JP20057597A JPH1142428A JP H1142428 A JPH1142428 A JP H1142428A JP 20057597 A JP20057597 A JP 20057597A JP 20057597 A JP20057597 A JP 20057597A JP H1142428 A JPH1142428 A JP H1142428A
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JP
Japan
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flow
collision
fluid
atomization
flow path
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Withdrawn
Application number
JP20057597A
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English (en)
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Fuminori Miyake
文則 三宅
Kazutoshi Mitake
一利 三武
Koichi Koyano
晃一 古谷野
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HAKUSUI CHEM IND
HAKUSUI CHEM IND Ltd
JIINASU KK
Original Assignee
HAKUSUI CHEM IND
HAKUSUI CHEM IND Ltd
JIINASU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形物を含む被処理流体の微粒化処理に適用
した場合に見られる流路閉塞を回避しつつ、被処理流体
中に懸濁している固形物を効果的に微粒化することがで
き、また、分散剤や乳化剤等の界面活性剤を併用して乳
化や分散の促進と安定化を図る場合においては、微粒化
処理後の分散剤や乳化剤の剥離や分離を起こすことな
く、安定な乳液や微細分散液を確実に得ることのできる
方法を提供すること。 【解決手段】 流路入口と流路出口を有する密閉容器内
に、微粒化すべき物質を含む流体を前記流路入口から高
速で導入し、壁面への衝突および分流と、再合流による
衝突を繰り返すことにより、前記物質を微粒化する方法
において、流体の上記壁面への衝突と分流および/また
は再合流による衝突が行なわれる前後の流路面積を流れ
方向に段階的に変え、衝突エネルギーを段階的に変化さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理流体を高速
で衝突させて乳化、分散、破砕等を行なうための微粒化
方法に関し、より詳細には、被処理流体の衝突・合流を
繰り返すことによって、該被処理流体中に含まれる物質
を微粒化し、コロイド状やゾル状等の微粒分散液を製造
する際に、流路の閉塞を起こすことなく安定な微粒分散
液を得ることのできる方法に関するもので、この方法
は、食品、医薬、化粧品、化学品などの製造もしくは処
理に有効に活用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧・高速を利用して物質の微粒
化を図る方法は、歴史的に最も古くから採用されている
バルブプレート式と2液衝突式に大別される。バルブプ
レート式は、基本的には高圧から高速に変換された流体
を壁面に衝突させてから装置外部へ排出させるものであ
り、具体的な装置としては、特公昭44−2921号公
報に記載された液体処理装置がある。この種の構成で
は、被処理流体はポンプを介して入口開口から第一均質
化弁組立体へ導入され、弁座と弁との隙間を通過し放射
状に流れて弁本体内壁に衝突することによって、該被処
理流体中に含まれる物質(固形物や油滴など)の微粒化
が行なわれ、更に同じ構成からなる第二段均質化弁組立
体へ導入される様になっている。この構成では、衝突エ
ネルギーは放射状に流れる流体速度のみに左右される。
【0003】一方、2液衝突式の装置としては、例えば
特開平2−261525号公報に記載された様な乳化装
置が知られている。この装置は、図9および図10
(A)(図9のA−A線方向矢視図),図10(B)
(図9のB−B線方向矢視図)に示す如く被処理流体流
路に、硬質素材からなる2枚のブロック部材60,61
を密着配置し、流入側のブロック部材60には2つの貫
通孔60a,60bを形成すると共に、各貫通孔の出口
を溝状通路60cによって連通させ、またブロック部材
60と密着配置されるブロック部材61には、溝状通路
60cと直交する方向に溝状通路61cを形成すると共
に、その各端部には混合液を排出させるための貫通孔6
1a,61bを形成している。これらのブロック部材6
0,61内に被処理流体を高圧・高速で導入することに
より、被処理流体の流れを強制的に対向流として加速さ
せ、2液の流れを高速で衝突させることによって乳化を
行なう様になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した様な微粒化法
を採用して固形粒子を含む懸濁液状の被処理流体の微粒
化処理を行なう場合、衝撃破砕の行なわれる流路を狭く
して被処理流体の流速を高めた方が破砕効果は向上す
る。しかしながら、流路を狭く設定した微粒化装置内に
粗大な固形物を含む被処理流体を送給すると、該粗大固
形物によって流路閉塞を起こすので、該微粒化処理に付
す前に予備処理によってあるレベルまで微細化を行なっ
ておき、しかる後に本来の微粒化を行なっている。しか
しながら、こうした予備微細化処理を行なうことは工程
数の増大を招くばかりでなく、粒子サイズは固体粒子の
種類によって様々であり固体粒子の種類に応じて予備微
細化処理条件も変わってくるので、その様な予備微細化
処理をしなくとも、流路閉塞を確実に回避しつつ効率よ
く微粒化処理を行なえる様な方法の開発が求められる。
【0005】他方、前述の様な微粒化装置を用いて乳濁
液の微粒化処理実験を行なう際に経験した知見による
と、被処理流体の流速を高めて衝突エネルギーを高める
につれて微粒化は促進されるはずであるが、微粒化処理
の直後に被処理流体を直ちに常圧にまで放圧すると、せ
っかく微粒化した乳濁液の安定性が悪くなることが確認
された。
【0006】その理由は必ずしも明確にされた分けでは
ないが、次の様に考えている。即ち、例えば水に油性液
状物を分散させる際には、乳化性や乳化安定性を高める
ため界面活性剤(乳化剤など)が併用されるが、この様
な界面活性剤を含む乳濁液に高圧・高速の衝突を利用し
た微粒化処理を施した場合、該高圧・高速の条件から直
ちに常圧に放圧すると、キャビテーション効果によって
界面活性剤の剥離や分離が起こり、乳液の安定性が却っ
て悪くなることが考えられる。
【0007】こうした傾向は、分散剤を用いてコロイド
状の微細懸濁液を調製する場合にも当てはまり、高圧・
高速の微粒化処理条件下では、微粒化された粒子の表面
に分散剤がうまく付着して安定な微細懸濁液状を呈して
いるが、その状態から急激に放圧すると、上記と同様に
キャビテーション効果によって分散剤の剥離や分離が起
こり、微細懸濁液の安定性が悪くなるものと思われる。
【0008】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たものであって、その目的は、固形物を含む被処理流体
の微粒化処理に適用した場合に見られる流路閉塞を回避
しつつ、被処理流体中に懸濁している固形物を効果的に
微粒化することができ、また、分散剤や乳化剤等の界面
活性剤を併用して乳化や分散の促進と安定化を図る場合
においては、微粒化処理後の分散剤や乳化剤の剥離や分
離を起こすことなく、安定な乳液や微細分散液を確実に
得ることのできる方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明にかかる微粒化方法は、流路入口と流路
出口を有する密閉容器内に、微粒化すべき物質を含む流
体を前記流路入口から高速で導入し、壁面への衝突およ
び分流と、再合流による衝突を繰り返すことにより、前
記物質を微粒化して前記流路出口から排出する微粒化方
法であって、流体の上記壁面への衝突と分流および/ま
たは再合流による衝突が行なわれる前後の流路面積を流
れ方向に段階的に変化させるところに要旨が存在する。
【0010】本発明において、上記の様に衝突が行なわ
れる前後の流路面積を流れ方向に段階的に変化させるこ
との目的は、前述の如く被処理流体中に含まれる固形粒
子による流路の閉塞防止、あるいは急激な動的圧力・流
速の変動とそれに伴うキャビテーション効果による乳化
剤や分散剤の分離防止を図るところにあり、前者の目的
は、流路面積を流れ方向に沿って段階的に小さくして微
粒化効果を段階的に高め、固形粒子を段階的に微粒化す
ることによって果たすことができ、また後者の目的は、
流路面積を流れ方向に沿って段階的に大きくし、圧力と
流速の急激な低下を抑えることによって効果的に達成す
ることができる。
【0011】尚、分散剤を併用して固形粒子の微分散を
図る場合は、上記好ましい方法を組合せ、まず、衝突が
行なわれる前後の流路面積を流れ方向に段階的に小さく
して微粒化効果を段階的に高め、固形粒子を段階的に微
粒化することによって固形粒子による流路の閉塞を防止
し、その後の処理系路では、流路面積を流れ方向に沿っ
て段階的に大きくし、圧力と流速の急激な低下を抑える
ことによって分散剤の分離を抑える方法を採用すれば、
微分散の促進と分散安定性の向上を同時に達成すること
が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態を参
照しつつ本発明を詳細に説明するが、図示例はもとより
本発明を制限する性質のものではなく、前記あるいは後
記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施す
ることも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的
範疇に含まれる。
【0013】図1は、本発明にかかる微粒化方法の実施
に用いられる微粒化装置を例示する縦断面説明図であ
り、この図において微粒化装置Mは、後述する微粒化ブ
ロックAを筒状のケーシング1内に軸心を合わせて密着
配置したもので、ケーシング1の一方端部には、微粒化
ブロックAの一方端部を押圧するための異径筒状の押え
部材2が配置され、共回りを防ぐため複数のピン3が該
ケーシング1と押え部材2に嵌設されている。
【0014】押え部材2の中心には貫通孔2aが設けら
れて微粒化ブロックAの流路入口と連通しており、また
ケーシング1の一方端側外周には雄ねじが形成され、こ
の雄ねじに袋ナット4が螺合されている。
【0015】袋ナット4の開口4aには、上記押え部材
2の筒部2bを挿通できる様に構成され、また開口4a
の内側縁部4bは、押え部材2における筒部2bの環状
裾部2cに当接する様になっており、袋ナット4を締め
つければ、押え部材2をケーシング1の他方端側に向け
て押し込むことができ、それにより微粒化ブロックAを
内側に押圧できる。
【0016】また、押え部材2の筒部2bの胴部内壁に
は雌ねじが形成されており、高圧パイプ5を貫通させた
グランドナット6を該筒部2bと螺合させれば、高圧パ
イプ5の先端部5aを、押え部材2の貫通孔2a入口に
密接することができる。なお上記高圧パイプ5や押え部
材2の貫通孔2aは、流路入口側となる。
【0017】一方、ケーシング1の他方端部構造は、上
記した一方端部の構造と左右対称に構成されており、一
方端部と実質的に同一構造の押え部材2’、ピン3’、
袋ナット4’、高圧パイプ5’、グランドナット6’が
備えられており、そのうち押え部材2’の貫通孔2a’
と高圧パイプ5’は流路出口側となる。また、図中の符
号7,7’は高圧パイプ5,5’の接続側端部に螺合さ
せるスリーブである。
【0018】次に、微粒化ブロックAの構成を図2を参
照しながら、本発明の微粒化法を詳述する。図示例の微
粒化ブロックAは、直線流形成ブロックB1 ,B2 ,B
3 の間に分岐流形成ブロックC1 ,C2 を図1に示す如
く密着配置することしによって構成され、直線流形成ブ
ロックB1 ,B2 ,B3 の軸心部にはそれぞれ直線流路
1,x2 ,x3 が形成され、分岐流形成ブロックC
1 ,C2 の両側には、分岐流路を構成する溝y1 ,z
1 ,y2 ,z2 が形成されると共に、分岐流形成ブロッ
クC1 ,C2 を貫通して溝y1 とz1 およびy2 とz2
の両端部を結ぶ貫通孔w1,w2 が形成されている。
【0019】従って、これらのブロックを対面して密着
配置し、直線流路x1 から被処理流体を高速で送り込む
と、図3に流れ方向と衝突位置(衝突位置は☆印で表わ
している)を略示する如く、直線流路x1 によって構成
される流路(以下、単に流路x1 ということとし、同様
に溝や貫通孔によって構成される各流路にもそれぞれ同
じ符号を付す)から送り込まれた被処理流体は、溝y1
の交差部で衝突して図面上下方向に分流し、流路y1
1 に沿って流れて貫通孔w1 ,w1 の端部壁に衝突し
て流れ方向を変え、貫通孔w1 ,w1 を流れて直線流形
成ブロックB2の右側面に衝突してから流路(溝)z
1 ,z1 方向に流れ方向を変え、貫通孔x 2 との連通位
置で流体同士が衝突した後、貫通孔(流路)x2 を下流
方向へ流れる。
【0020】以下、同様に流路x2 →流路(溝)y2
2 →貫通孔w2 ,w2 →流路(溝)z2 ,z2 を経た
後、貫通孔x3 から排出されるが、この間、上記と同様
にして壁面への衝突と分流、流体同士の衝突を繰り返
し、被処理流体中の粒子は順次微粒化されていく。
【0021】このとき本発明の第1の形態では、上記壁
面への衝突および液体同士の衝突が行なわれる前後(即
ち、被処理流体の微粒化が行なわれる前後)の各流路面
積を流れ方向に段階的に小さくすることによって、夫々
の流路を流れる被処理流体の流速を、流れ方向下流側に
行くにつれて高速とし、下流側ほど衝突エネルギーを大
きくする。即ち図3には、流路面積の関係までは明確に
示していないが、被処理流体の流れ方向上流側から流速
をV1 ,V2 ,V3 ,V4 ,V5 ,V6 ,V7,V8
9 としたとき、理想的にはそれらの流速が「V1 <V
2 <V3 <V4<V5 <V6 <V7 <V8 <V9 」とな
る様に、各流路の断面積を調整する。
【0022】その結果、被処理流体中の粒子が比較的粗
大なものであっても、上流側の比較的大きな流路面積の
部位で衝突微細化を受け、次第に微細化されながら下流
側へ流れて更に高い衝突エネルギーを受け微細化が増進
されていく。即ち被処理流体中の粒子は、下流側にいく
につれて微粒化が進み、一方流路面積は下流側にいくに
つれて小さくなることになり、粗大粒子がいきなり小さ
な流路に送り込まれて流路閉塞を起こすといった問題は
確実に回避される。
【0023】尚上記では、理想的な流路面積の変化形態
として、全ての衝突位置の前後の流路面積を下流側ほど
小さくなる様にしたが、必ずしも全ての衝突位置の下流
側を小さくする必要はなく、要は下流側ほど流路面積を
小さくして流路閉塞を防止し得る限り、衝突位置の一部
のみで下流側の流路面積を小さくすることも有効とな
る。例えば図2,3に示した様な構造の微粒化ブロック
の場合、分岐流形成ブロックC1 ,C2 に注目して「y
1 <z1 <y2 <z2 」あるいは「y1 =z1 <y2
2 」としたり、また直線流形成ブロックB1 ,B2
3 に注目して「x1 <x2 <x3 」とするなど、衝突
による微細化の程度や進行状況に応じて流路面積の変更
位置を任意に変えることが可能である。また場合によっ
ては流路の途中にやや流路面積の大きい流路を形成する
こともあるが、要するに上流側の衝突部で微細化を進め
てから下流側でより高速流の衝突による微粒化が行なわ
れる様、下流側に上流側よりも流路面積が小さく衝突エ
ネルギーの大きい衝突位置が形成されておればよい。
【0024】また図2では、分岐流形成ブロックC1
2 として両側に1条の溝と2本の貫通孔を設けて2方
向に分岐させる構成のものを示したが、勿論これに限ら
れるものではなく、3方向あるいは4方向以上に分岐さ
せることも有効である。また図2,3では、3個の直線
流形成ブロックと2個の分岐流形成ブロックを組合せた
例を示したが、4個以上の直線流形成ブロックと3個以
上の分岐流形成ブロックを組合せ、衝突回数を更に増大
することによって微粒化効果を一層高めることも可能で
ある。
【0025】図4は本発明にかかる他の微粒化ブロック
を例示する見取り図であり、衝突分岐ブロックDと合流
衝突ブロックEを組合せた構造のものを示している。本
例の衝突分岐ブロックDには、軸心部に貫通孔D1 が形
成されると共に、該貫通孔D 1 につながる溝D2 が形成
され、更に該溝D2 の他端からV字状に分岐溝D3 ,D
3 が形成されている。そして、該衝突分岐ブロックDに
対面して密接配置される合流衝突ブロックEには、上記
分岐溝D3 ,D3 の他端につながる傾斜孔E1,E1
設けられ、その先端で出口孔E2 に集中する様に構成さ
れている。そして上記貫通孔D1 、溝D2 、分岐溝D
3 ,D3 は、流路面積が順次小さくなる様に設計されて
いる。
【0026】従って、これらのブロックD,Eを密着さ
せた状態で、貫通孔D1 から被処理流体を高速送給する
と、図5に示す如く被処理流体は、貫通孔D1 の先端で
衝突した後、溝D2 から分岐溝D3 ,D3 との合流位置
で衝突し、更に分岐溝D3 ,D3 を流れて傾斜孔E1
1 との連通部で更に壁面衝突した後、該傾斜孔E1
1 の先端部から出口孔E2 に合流衝突して排出され
る。
【0027】このとき、上記の様に流路面積は、「貫通
孔D1 >溝D2 >分岐溝D3 ,D3」となる様に設計さ
れており、従って被処理流体の各流速は「貫通孔D1
溝D 2 <分岐溝D3 ,D3 」となり、被処理流体の下流
側になるほど衝突エネルギーは高くなって微粒化が進ん
でいく。即ち貫通孔D1 から送給される被処理流体中の
固体粒子は、最初の衝突位置で微細化された後、溝D2
で流速を高めてから2回目の衝突によって更に微粒化さ
れ、分岐溝D3 ,D3 で更に流速を高めた後3回目の衝
突により更に微粒化されてから、傾斜孔E1 ,E2 の先
端部で合流して出口孔E3 から排出される。
【0028】この例でも、被処理流体中に含まれる固形
粒子は、上流側から下流側に流れるにつれて各衝突位置
で次第に微粒化されることになり、流路内で固形粒子が
詰まって流路閉塞を起こす様な恐れはなくなる。なお図
4,5では、分岐溝D3 ,D 3 をV字状に分岐させる例
を示したが、図6に示す如くU字状に分岐させることも
可能である。図7は本発明の更に他の変形例を示したも
ので、貫通孔から高速送給される被処理流体を、その先
端部で4方向に分岐させてから各分岐溝の先端部で衝突
させ、それらを傾斜孔から出口孔に集中させて排出する
構成としてもので、この場合も、衝突位置の前後で流路
面積を小さくして下流側になるほど流速を高め、下流側
にいくにつれて微粒化が進む様に設計されている。
【0029】これらの図示例からも明らかである様に、
本発明の第一の形態では、固形粒子の微粒化が行なわれ
る衝突位置の前後で流路面積を段階的に小さくし、粒径
を段階的に小さくすることによって粗大粒子による流路
の閉塞を防止するところに特徴を有しており、こうした
特徴を有効に発揮し得る限り、微細化ブロックの具体的
な構造や衝突・分流流路の具体的な構成などには一切制
限がなく、図示した以外にも様々の設計変更が可能であ
る。
【0030】次に、本発明の第二の形態である微粒化法
について説明する。この形態は、たとえば水に油分が微
分散した乳液を製造する際に有効に活用される。即ち前
述した通り、例えば水に油分が分散した乳液を製造する
場合、乳化の促進や乳化安定性の向上を期して乳化剤や
乳化安定剤などの界面活性剤が併用されるが、この様な
乳液を製造する際にも、図示した様な微粒化法を採用す
ることによって乳化分散粒子を一層微細化して安定な微
細乳液を得ることができる。
【0031】ただし微細乳液を製造する場合は、先に説
明した様に、微粒化処理の直後に被処理流体を直ちに常
圧にまで放圧すると、せっかく微粒化した乳濁液の安定
性が悪くなる。その理由は、前述の如く界面活性剤を併
用した乳濁液に高圧・高速の衝突を利用した微粒化処理
を施した場合、該高圧・高速の条件から直ちに常圧に放
圧すると、キャビテーション効果によって界面活性剤の
剥離や分離が起こり、乳液の安定性が却って悪くなるも
のと考えられる。こうした傾向は、分散剤を用いてコロ
イド状の微細懸濁液を調製する場合にも当てはまり、高
圧・高速の微粒化処理条件下では、微粒化された粒子の
表面に分散剤がうまく付着して安定な微細懸濁液状を呈
しているが、その状態から急激に放圧すると、上記と同
様にキャビテーション効果によって分散剤の剥離や分離
が起こり、微細懸濁液の安定性が悪くなるものと思われ
る。
【0032】この様に界面活性剤を併用して乳液の安定
性を高める場合には、前述した固形粒子の様に流路の閉
塞といった問題は起こらず、微粒化の初期段階から高い
衝突エネルギーを与えて一気に微粒化を進めることが可
能であるから、安定な微細乳液を製造するには、むし
ろ、微粒化の末期に生じる界面活性剤の剥離や分離を防
止することが重要となる。
【0033】そこで本発明の第二の形態では、微粒化処
理工程で急激な放圧によるキャビテーション効果を抑え
るため、処理流路の下流側にいくにつれて流速を段階的
に遅くし、界面活性剤の剥離を防止する方法が採用され
る。この方法を、再び前記図2,3などを参照しつつ説
明する。
【0034】すなわち本発明の第二の形態を実施する際
においても、被処理流体の流れは先に説明したのと実質
的に変わらず、流路x1 から送り込まれた被処理流体
は、流路(溝)y1 ,y1 →貫通孔w1 ,w1 →流路
(溝)z1 ,z1 →貫通孔x2 →流路(溝)y2 ,y2
→貫通孔w2 ,w2 →流路(溝)z2 ,z2 を順次経由
し、壁面への衝突と分流および液体同士の衝突を繰り返
して微粒化された後、貫通孔x3 から排出される。ただ
し第二の形態では、上記壁面への衝突および液体同士の
衝突が行なわれる前後(即ち、被処理流体の微粒化が行
なわれる前後)の各流路面積を流れ方向に段階的に大き
くすることによって、夫々の流路を流れる被処理流体の
流速を下流側に行くにつれて低速とし、下流側ほど衝突
エネルギーを小さくする。
【0035】即ち第二の形態を実施する際は、前記第一
の形態を実施する場合とは逆に被処理流体の流れ方向上
流側から流速(図3)をV1 ,V2 ,V3 ,V4 ,V
5 ,V 6 ,V7 ,V8 ,V9 としたとき、理想的にはそ
れらの流速が「V1 >V2 >V 3 >V4 >V5 >V6
7 >V8 >V9 」となる様に、各流路の断面積を調整
する。
【0036】その結果、被処理流体中の粒子は最上流側
の衝突位置で微細化を受けた後、次第に流速を落としな
がら下流側へ流れ、すなわち段階的に流速を遅くするこ
とによって急激なキャビテーション効果による界面活性
剤の剥離や分離が回避され、安定な微細乳液を得ること
ができる。
【0037】尚上記では、理想的な流路面積の変化形態
として、全ての衝突位置の前後の流路面積を下流側ほど
大きくなる様にしたが、必ずしも全ての衝突位置の下流
側を大きくする必要はなく、要は下流側ほど流路面積を
大きくしてキャビテーション効果を段階的に低減し得る
限り、衝突位置の一部(例えば最下流側の衝突位置の1
〜3箇所で流路面積を順次小さくすることも有効とな
る。例えば図2,3に示した様な構造の微粒化ブロック
の場合、分岐流形成ブロックC1 ,C2 に注目して「y
1 >z1 >y2 >z2 」あるいは「y1 =z1 >y2
2 」としたり、また直線流形成ブロックB1 ,B2
3 に注目して「x1 >x2 >x3 」とするなど、界面
活性剤の剥離や分離し易さの程度に応じて流路面積の変
更位置を任意に変えることが可能である。また場合によ
っては流路の途中にやや流路面積の大きい流路を形成す
ることもあるが、要するに上流側の衝突部で微細化され
た微細粒子の表面に付着した界面活性剤が、その下流側
で急激な流速低下によるキャビテーション効果によって
剥離や分離を起こすことのない様、段階的に流速を低下
できる様に構成されておればよい。
【0038】また図4,5に示した様な微粒化ブロック
を用いて第二の形態を実施する場合も同様であり、流路
面積を、「貫通孔D1 <溝D2 <分岐溝D3 ,D3 」と
なる様に設計し、被処理流体の各流速を「貫通孔D1
溝D2 >分岐溝D3 ,D3 」とすることによって、衝突
位置の下流側で急激な流速低下を起こさない様に調節す
ればよい。この場合も、図6に示した様に分岐溝をU字
状に形成してもよく、また図7に示した様に、貫通孔か
ら高速送給される被処理流体を、その先端部で4方向に
分岐させてから各分岐溝の先端部で衝突させ、それらを
傾斜孔から出口孔に集中させて排出する構成としてもよ
く、この場合も、衝突位置の前後で流路面積を大きくし
て下流側になるほど流速が遅くなる様に設計すれば、界
面活性剤の分離や剥離を防止することができる。
【0039】更に本発明の第三の形態として、分散剤を
併用して固形粒子の微分散を図る場合が挙げられる。こ
の形態を実施する場合は、まず、衝突が行なわれる前後
の流路面積を流れ方向に段階的に小さくして微粒化効果
を段階的に高め、固形粒子を段階的に微粒化することに
よって流路の閉塞を防止し、その後の処理系路では、流
路面積を流れ方向に沿って段階的に大きくし、圧力と流
速の急激な低下を抑えてキャビテーション効果を低減す
ることにより界面活性剤(分散剤)の分離や剥離を抑え
るのがよく、こうした調整を行なえば、固形粒子の微分
散の促進と分散安定性の向上を同時に達成することが可
能となる。
【0040】次に、上記微粒化法を実用化する際の周辺
の構成について説明すると、微細な乳液を得る場合は、
水系流体と油系流体をそれぞれ別々に引き込んで合流さ
せることによって混合液を調製し、該混合液の流量を調
整しつつ微粒化装置へ圧送することにより油系流体が微
分散した乳液を製造する。また、水等の溶媒に不溶性の
固形粒子を微分散させる場合は、溶媒に分散すべき固形
粒子を混入させて懸濁液を調製し、該懸濁液の流量を調
整しつつ微粒化装置へ圧送することにより固形粒子が微
分散したコロイド状の分散液を製造する。このとき、微
粒化後の乳液や微分散液の安定性を一層高めるため、乳
化安定剤や分散安定剤などを適量混入させることが多
い。
【0041】また、流体を高速で衝突させると殺菌乃至
滅菌が行なわれることも確認されており、従って本発明
の更に他の利用形態として、被処理流体の微粒化と滅菌
を並行して行なうことも可能であり、従ってこの発明
は、一般化学工業分野で利用する微粒化はもとより、衛
生面から細菌等の混入を避けねばならない食品分野や医
療分野においても極めて有効に活用することができる。
【0042】図8は、本発明を微細乳液の調製に利用す
る場合の実施例を示したもので、水系流体を貯留するた
めの容器50と油系流体を貯留するための容器51とを
備えており、これらの容器50,51内の各流体を、弁
50a,51aでそれぞれ流量調整しつつ配管52で合
流させ、可変容量ポンプPの吸入口に供給される様にな
っている。可変容量ポンプPでは、例えば混合液を50
〜150MPa程度に加圧し高圧・高速流として微粒化
装置Mへ導入し、この部分で前述の如く微粒化処理が行
なわれる。
【0043】この様な微粒化システムであれば、微粒化
効果に加えて原料流体の混合比率も任意に調節すること
ができ、撹拌設備などを要することなく任意の混合比率
の乳液やコロイド状分散液を容易に得ることができる。
【0044】なお本発明の微粒化法を実施する際には、
前記第一乃至第三のいずれの形態を採用するにしても、
高速流の衝突によって生じる破砕効果を利用して微粒化
を図るものであり、衝突部では顕著な摩耗力が作用す
る。従って該衝突部で生じる流路内壁の摩耗を抑えるた
め、前記各ブロックの構成素材としてはWCやジルコニ
ア等のセラミックス材や焼結ダイヤモンド、単結晶ダイ
ヤモンド等の超硬質素材を使用するのがよく、あるいは
基材をステンレス等の金属によって構成し、摩耗が最も
激しい前記衝突部位の内壁面に前記焼結ダイヤモンドや
単結晶ダイヤモンド等の超硬質層を形成することによっ
て、耐摩耗性を確保することも有効である。
【0045】ところで本発明では、前述の如く被処理流
体の壁面への衝突と分流および/または再合流による衝
突が行なわれる前後の流路面積を流れ方向に段階的に変
化させることによって、微粒化ブロックAにおける微粒
化エネルギーを段階的に変える方法を採用したが、こう
した方法に加えて、該微粒化ブロックAからの出側で背
圧を調整し、微粒化ブロックA部分における微粒化効果
を全体的にコントロールすることも有効である。
【0046】図11はこの様な方法を実施する際に用い
られる背圧調整装置の代表例を示した概略断面説明図で
あり、前述した様な微粒化装置Mの下流側に配置して当
該微粒化装置における出側圧力を調整し、微粒化ブロッ
クA部分で生じる衝突エネルギーあるいは動的圧力降下
によるキャビテーション効果の大小を制御する機能を発
揮する。
【0047】即ちこの背圧調整装置は、内部に円形腔部
が形成されたケーシング20と弁座21、ロッド状の弁
体22および弁体支持部材23によって構成される。そ
してケーシング20の円形腔部内には、微粒化装置Mの
出側流路に連通する流路24が形成されると共に、該流
路24側に弁座21が弁体支持部材23によって円形腔
部の開口部側から押付け固定され、該弁体支持部材23
には、これを貫通してロッド状の弁体22が進退可能に
螺合されている。そして、上記弁体支持部材23には、
前記流路24に対して略直交する方向に貫通孔25が形
成されると共に、ケーシング20には、該貫通孔25に
対応する位置に流体出口孔26が形成されている。
【0048】従って、これらを図示する状態に組み付け
て該弁体22を進退させると、該弁体22と前記弁座2
1間の隙間spを微調整することができ、それにより微
粒化装置Mの排出側流路にかかる背圧を任意に調整する
ことができる。但し図示した構造は、背圧調整機構の一
例を示しただけのものでもとより図示した以外にも、公
知の任意の背圧調整機構を採用することが可能である。
また上記では、微粒化装置Mを流路24側に接続して背
圧調整する例を示したが、逆に流体出口孔26側に微粒
化装置Mを接続し流体を逆方向に流して背圧調整するこ
とも可能である。
【0049】この様に、微粒化装置Mの被処理流体排出
側に背圧調整装置を設けておけば、この部分で背圧を調
整することによって、微粒化装置M内における前述した
様な衝突エネルギーや動的圧力降下によるキャビテーシ
ョン効果の大小をコントロールすることができ、微粒化
装置M自体の微粒化性能を所望に応じて更に微調整する
ことが可能となるので、好ましい実施形態として推奨さ
れる。
【0050】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではない。なお、下記において「部」および
「%」とあるのは、特記しない限り「重量部」および
「重量%」を意味する。
【0051】なお比較例として示した撹拌機には、日本
精機製作所社製の「AM−9」、微粒化装置としては、
図9,10に示した様に90℃の角度で位相して密接さ
せた十文字流路の交差点で流体を高速衝突させる構成の
もの[ナノマーザー社製:N社製]を使用した。また、
得られた微粒化物の粒径測定とその評価法は下記の通り
とした。 粒径測定法:島津製作所製のレーザー解析式粒度分布測
定装置 SALD-2000A 評価法:メジアン径の大小で評価する。
【0052】実施例1(乳化実験) 図2に示した様な組合せ構造を有し、各ブロックにおけ
る貫通孔や溝などのサイズを下記の通りとした微粒化ブ
ロックを用いて乳化実験を行なった。 直線流形成ブロックB1 ,B2 ,B3 :直径10mm,厚さ1.5mm, 分岐流形成ブロックC1 ,C2 :直径1mm,厚さ4mm, 直線流路の横断面積:x1 =0.022mm22 =0.048mm23 =0.077mm2 分岐溝の横断面積:y1 =z1 =0.015mm22 =z2 =0.033mm2 貫通孔の横断面積:w1 =0.013mm22 =0.028mm2
【0053】 [乳化実験法] (1) 被処理流体:大豆油(関東化学社製) ……10% 大豆製レシチン(関東化学社製)……0.5% 純水 ……89.5% (2) 前処理:大豆油を所定量秤取り、これに大豆レシチンを所定量添加し て大豆油に大豆レシチンを溶解させる。 秤量しておいた純水に上記を加え、卓上型撹拌機(日本精 機社製「AM−9」)にて5,000rpmで1分間予備乳 化させる。予備乳化品のメジアン径:26.72μm
【0054】
【表1】
【0055】上記乳化実験からも明らかである様に、本
発明の微粒化装置を使用すると、撹拌機に比べて格段に
優れた微粒化効果を得ることができ、また従来の微粒化
装置と比べると、同等圧力、同等パス数で比較すると優
れた微粒化効果を有していることが確認できる。
【0056】実施例2(分散・粉砕実験) 図2に示した様な組合せ構造を有し、各ブロックにおけ
る貫通孔や溝などのサイズを下記の通りとした微粒化ブ
ロックを用いて分散・破砕実験を行なった。 直線流形成ブロックB1 ,B2 ,B3 :直径10mm,厚さ105mm, 分岐流形成ブロックC1 ,C2 :直径10mm,厚さ4mm, 直線流路の横断面積:x1 =0.077mm22 =0.048mm23 =0.022mm2 分岐溝の横断面積:y1 =z1 =0.033mm22 =z2 =0.015mm2 貫通孔の横断面積:w1 =0.028mm22 =0.013mm [分散・破砕実験法] (1) 試料:酸化亜鉛(白水化学社製の微粒子酸化亜鉛)……30% 純水 ……70% (2) 前処理:所定量の純水に上記酸化亜鉛を加え、600rpmで5分間 予備分散させる。予備分散品のメジアン径:2.88μm
【0057】
【表2】
【0058】上記分散・粉砕実験結果からも明らかであ
る様に、本発明の微粒化装置を使用すると、従来の撹拌
機や市販の微粒化装置を使用した場合に比べて優れた微
粒化効果を得ることができる。また市販の微粒化装置で
は、実験中に微粒化部で流路閉塞を起こしたが、本発明
の装置を用いて段階的に流路面積を変化させると、流路
閉塞を起こすことなく円滑に微粒化が進行することが確
認できる。
【0059】実施例3(分散剤を併用した分散・破砕実
) 図2に示した様な構造の組合わせに、直線流形成ブロッ
クB4 と分岐流形成ブロックC3 を更に追加した微粒化
ブロックを使用し、各ブロックにおける貫通孔や溝など
のサイズを下記の様に変えて分散・破砕実験を行なっ
た。 直線流形成ブロックB1 ,B2 ,B3 ,B4 : 直径10mm,厚さ1.5mm, 分岐流形成ブロックC1 ,C2 ,C3 :直径10mm,厚さ4mm, 直線流路の横断面積:x1 =0.077mm22 =0.048mm23 =0.022mm24 =0.077mm2 分岐溝の横断面積:y1 =z1 =0.033mm22 =z2 =0.015mm23 =z3 =0.033mm2 貫通孔の横断面積:w1 =0.028mm22 =0.013mm23 =0.028mm2 [分散・破砕実験法] (1) 試料:酸化亜鉛(白水化学社製の微粒子酸化亜鉛)……30% デモールEP(花王社製) …… 2% 純水 ……68% (2) 前処理:所定量の純水に上記酸化亜鉛を加え、600rpmで5分間 予備分散させる。予備分散品のメジアン径:1.39μm
【0060】
【表3】
【0061】上記分散・粉砕実験結果からも明らかであ
る様に、本発明の微粒化装置を使用すると、従来の撹拌
機や市販の微粒化装置を使用した場合に比べて優れた微
粒化効果を得ることができる。本発明の装置を使用した
場合、前処理として予備処理を簡単に行なった場合で
も、流路閉塞を起こすことなく円滑に微粒化が進行する
ことが確認できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、微粒
化すべき物質を含む被処理流体に対し、高速流の衝突エ
ネルギーを複数回加えることによって微粒化を行なうに
際し、 不溶性の固形粒子を含む微細分散液を製造する際は、
被処理流体の流れ方向の下流側にいくにつれて、衝突が
行なわれる前後の流路面積を段階的に小さくすることに
よって、微粒化を段階的に進めることにより、予備破砕
処理をせずとも粗大粒子による流路の閉塞を防止しつつ
微粒化を達成することができ、 乳化剤や乳化安定剤を併用して2種以上の液状物から
微細乳液を製造する際は、被処理流体の流れ方向の下流
側にいくにつれて、衝突が行なわれる前後の流路面積を
段階的に大きくしてキャビテーション効果による乳化剤
や乳化安定剤の剥離や分離を阻止しすることにより、安
定な微細乳液を確実に製造することができ、更には 分散剤を併用して不溶性の固形粒子を含む微細分散液
を製造する際は、先ず被処理流体の流れ方向の下流側に
いくにつれて、衝突が行なわれる前後の流路面積を段階
的に小さくすることによって、流路閉塞を生じることな
く微粒化を段階的に進め、更にその下流側では、衝突が
行なわれる前後の流路面積を段階的に大きくしてキャビ
テーション効果による分散剤の剥離や分離を阻止しする
ことによって、安定な微細分散液を確実に製造すること
ができ、いずれにしても、媒体中に微粒子が微分散した
乳液あるいはコロイド状の微分散液を容易に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明微粒化法の実施に用いる装置を例示する
縦断面説明図である。
【図2】本発明にかかる第一の形態を実施する際の微粒
化ブロックの一例を示す見取り図である。
【図3】図2の微粒化ブロックを用いたときの被処理流
体の流れと衝突位置、流速などを示す説明図である。
【図4】本発明を実施する際に用いられる他の微粒化ブ
ロックを例示する見取り図である。
【図5】図4の微粒化ブロックを用いたときの被処理流
体の流れと衝突位置、流速などを示す説明図である。
【図6】図5の変形例を示す説明図である。
【図7】図4,5の更に他の変形例を示す説明図であ
る。
【図8】本発明の微粒化法を実施する際の微粒化システ
ムの一例を示す概略説明図である。
【図9】公知の2液衝突式微粒化装置の基本構造を示す
説明図である。
【図10】図9におけるA−A線およびB−B線方向矢
視図である。
【図11】本発明を実施する際に付設することのできる
背圧調整装置を例示する断面説明図である。
【符号の説明】
M 微粒化装置 A 微粒化ブロック 1 ケーシング 2 押え部材 3 ピン 4 袋ナット 5 高圧ポンプ 6 グランドナット A 微粒化ブロック B1 ,B2 ,B3 直線流形成ブロック C1 ,C2 分岐流形成ブロック x1 ,x2 ,x3 直線流路 y1 ,y2 ,z1 ,z2 溝 w1 ,w2 貫通孔 D 衝撃分岐ブロック E 合流衝突ブロック 20 ケーシング 21 弁座 22 ロッド状弁体 23 弁体支持部材 sp スペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷野 晃一 東京都板橋区小豆沢1丁目7番14号 株式 会社ジーナス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路入口と流路出口を有する密閉容器内
    に、微粒化すべき物質を含む流体を前記流路入口から高
    速で導入し、壁面への衝突および分流と、再合流による
    衝突を繰り返すことにより、前記物質を微粒化して前記
    流路出口から排出する微粒化方法であって、 流体の上記壁面への衝突と分流および/または再合流に
    よる衝突が行なわれる前後の流路面積を流れ方向に段階
    的に変化させることを特徴とする微粒化方法。
  2. 【請求項2】 衝突が行なわれる前後の流路面積を、流
    れ方向に沿って段階的に小さくする請求項1記載の微粒
    化方法。
  3. 【請求項3】 衝突が行なわれる前後の流路面積を、流
    れ方向に沿って段階的に大きくする請求項1記載の微粒
    化方法。
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