JPH1142410A - フィルタ - Google Patents

フィルタ

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JPH1142410A
JPH1142410A JP21822597A JP21822597A JPH1142410A JP H1142410 A JPH1142410 A JP H1142410A JP 21822597 A JP21822597 A JP 21822597A JP 21822597 A JP21822597 A JP 21822597A JP H1142410 A JPH1142410 A JP H1142410A
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Koji Obata
耕二 小畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風圧などによる折り襞の密着や熱や湿気によ
る折り襞のくっつきを防ぐことができ、しかも剛性のな
い濾過材であっても使用できるフィルタを提供するこ
と。 【解決手段】 本発明のフィルタは折り加工された濾過
材から構成され、この濾過材の隣接する折り襞が樹脂固
形物、及び隣接する折り襞間に挿入可能な凸部を多数有
する鋸状支持体によって分離されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は折り加工された濾過
材からなるフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、折り加工された濾過材の折り襞の
間隔が2〜6mm程度のフィルタとして、図4に示すよ
うに、折り加工された濾過材2の隣接する折り襞の間
に、ホットメルト樹脂3を線状に塗布したものが知られ
ている。このホットメルト樹脂3は風圧などによって隣
接する折り襞同士が密着することを防止し、折り襞間の
間隔を保持して処理流体の流路を確保している。
【0003】このホットメルト樹脂3を塗布する方法と
して、例えば、溶融したホットメルト樹脂3を直径0.
3mm程度のノズルから吐出し、濾過材の折り目方向に
対して直角に連続又は間欠状に塗布する方法がある。こ
の方法により塗布したホットメルト樹脂は幅1〜2m
m、高さ0.5〜2mm程度の状態で固着する。そのた
め、上記のような折り襞の間隔が2〜6mm程度のフィ
ルタに主に適用されていた。
【0004】他方、折り加工された濾過材の折り襞の間
隔が6mmを越えるようなフィルタも知られている。こ
のようなフィルタに対しても同様に、ホットメルト樹脂
を塗布することにより隣接する折り襞同士の密着を防止
しようとしても、上記のように0.5〜2mm程度の高
さしか得られないため、隣接する折り襞同士が密着する
ことを防止し、折り襞間の間隔を保持して処理流体の流
路を確保することが困難であり、しかも耐圧性も不十分
であった。そのため、ホットメルト樹脂の量を多くし
て、より高く塗布することも試みたが、ホットメルト樹
脂を濾過材に塗布した際には流動性を有するため、主と
して幅方向に広がってしまい、2mm程度以上の高さで
固着することが困難で、上記の問題を解決することはで
きなかった。
【0005】そのため、このような折り襞の間隔が6m
mを越えるようなフィルタにおいて、図5に示すよう
な、隣接する折り襞の間に凸部を多数有する鋸状支持体
4を挿入して、隣接する折り襞の密着を防ごうという試
みがなされている。このような鋸状支持体4は設置間隔
を狭くすると設置作業が煩雑となりコストアップを招い
てしまうため、通常100〜150mm間隔で設置され
ている。しかしながら、圧力損失が100Paを越える
ような風圧下においては、このような鋸状支持体4を設
置したとしても隣接する折り襞の密着を十分に防ぐこと
が困難であり、しかも濾過材が極めて剛性のあるもので
なければ効果が低いという問題があった。更には、濾過
材が熱可塑性合成繊維からなる場合、空調機に収納して
使用している際に、50〜80℃程度の温度や90%以
上程度の湿度によって隣接する折り襞同士がくっついて
しまい、デッドスペースが生じるという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、風圧などによる
折り襞の密着や熱や湿気による折り襞のくっつきを防ぐ
ことができ、しかも剛性のない濾過材であっても使用で
きるフィルタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のフィルタは折り
加工された濾過材から構成され、この濾過材の隣接する
折り襞が樹脂固形物、及び隣接する折り襞間に挿入可能
な凸部を多数有する鋸状支持体によって分離されてい
る。つまり、ホットメルト樹脂などの樹脂固形物と鋸状
支持体とを併用することにより、風圧などによる折り襞
の密着を十分に防ぐことができ、しかも剛性のない濾過
材であっても使用できることを見い出したのである。ま
た、鋸状支持体の存在しない箇所においては樹脂固形物
によって隣接する折り襞同士の密着が防止され、熱や湿
気によって折り襞同士がくっつくこともない。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の折り加工された濾過材1
2としては剛性のないものであっても、樹脂固形物13
によって形状が保持されるため、特に限定することなく
使用でき、例えば、バインダ接着不織布、水流絡合不織
布、ニードルパンチ不織布、繊維融着不織布、メルトブ
ロー不織布、スパンボンド不織布、或いは紙などを単独
で、又は適宜組み合わせた濾過材12を使用できる。こ
のように本発明においては剛性のないメルトブロー不織
布であっても単独で濾過材12として使用できる。な
お、エレクトレット加工などの後加工を施した濾過材1
2は濾過性能がより優れているため好適に使用できる。
また、粗密構造を有する濾過材12も濾過性能がより優
れているため好適に使用できる。
【0009】この折り加工された状態としては折り襞の
高さ(図2のh)10mm〜250mm程度で、隣接す
る折り襞の間隔(図2のFp)2mm〜10mm程度で
あれば良いが、本発明においては風圧などによって隣接
する折り襞同士が密着しやすい、折り襞の高さhが60
mm〜250mm(特に100mm〜250mm)程
度、隣接する折り襞の間隔Fpが7〜10mm程度に折
り加工した濾過材12であっても使用できる。この折り
加工方法としてはレシプロ式やロータリー式などのプリ
ーツ加工機による方法や、ジグザグ形状に成形された押
型でプレスする方法などがある。なお、単にジグザグ状
に折り加工された濾過材12以外に、ジグザグ状に折り
加工され、更にW状に折り加工された濾過材12であっ
ても使用できる。
【0010】本発明のフィルタ11は上述のような折り
加工された濾過材12の隣接する折り襞が、図1に示す
ように、樹脂固形物13及び隣接する折り襞間に挿入可
能な凸部14aを多数有する鋸状支持体14によって分
離されている。
【0011】この樹脂固形物13としては、例えば、発
泡又は無発泡ホットメルト樹脂やウレタン樹脂などを使
用できる。この樹脂固形物13は濾過材12の折り襞を
横切るように連続的に、又は不連続的に塗布して形成す
ることができる。なお、この樹脂固形物13は通常処理
流体の流入側及び流出側に設けるが、隣接する折り襞の
間隔Fpが広い場合には処理流体の流出側のみに設けて
も良い。
【0012】また、この樹脂固形物13の設置間隔(図
1のPp)は20mm〜40mmであるのが好ましい。
設置間隔Ppが20mm未満であると、樹脂固形物13
の占める面積が多くなってデッドスペースが増加した
り、樹脂固形物13を塗布する塗布機の機構が複雑にな
り製造が困難になる場合があり、設置間隔Ppが40m
mを越えると、隣接する折り襞の密着を防止できない場
合があるためで、より好ましい設置間隔Ppは25mm
〜30mmである。なお、樹脂固形物13を処理流体の
流入側及び流出側に設けた場合には、流入側における樹
脂固形物13と流出側における樹脂固形物13のいずれ
も上記間隔で設置するのが好ましい。また、樹脂固形物
13を処理流体の流入側及び流出側に設ける場合には、
流入側と流出側の同じ位置に樹脂固形物13を設けて、
デッドスペースを少なくするのが好ましい。
【0013】本発明のフィルタ11は樹脂固形物13に
加えて、隣接する折り襞間に挿入可能な凸部14aを多
数有する鋸状支持体14によって隣接する折り襞を分離
している。この隣接する折り襞間に挿入可能な凸部14
aは隣接する折り襞間に挿入可能であればどのような形
状であっても良いが、隣接する折り襞がより密着しにく
いように、図3に示すように、隣接する折り襞によって
形成される空間と同程度の大きさを有する略二等辺三角
形状であるのが好ましい。また、この隣接する折り襞間
に挿入可能な凸部14aの数は折り襞によって形成され
る空間の数と同じであるのが好ましい。
【0014】このような鋸状支持体14は、例えば、段
ボール、紙、プラスチック、金属板、或いはこれらの複
合体などのある程度の剛性を有する素材から構成され、
濾過材12の折り襞を横切るように設置される。なお、
鋸状支持体14は通常処理流体の流入側及び流出側に設
置するが、隣接する折り襞の間隔Fpが広い場合には処
理流体の流出側のみに設けても良い。また、鋸状支持体
14を処理流体の流入側及び流出側に設置する場合に
は、流入側と流出側の同じ位置に設けて、デッドスペー
スを少なくするのが好ましい。
【0015】また、濾過材12には樹脂固形物13が2
0mm〜40mmの間隔で設置されているため、鋸状支
持体14の設置間隔(図1のSp)は150mm以下で
あれば良い。設置間隔Spが150mmを越えると、風
圧によって隣接する折り襞の間隔Fpが不均一に変形す
る可能性があるためで、より好ましい設置間隔Spは1
30mm以下である。なお、鋸状支持体14の設置間隔
Spの下限は特に限定するものではないが、鋸状支持体
14を設置したことによるデッドスペースの発生を少な
くするために、50mm程度が適当である。なお、鋸状
支持体14を処理流体の流入側及び流出側に設けた場合
には、流入側及び流出側に設けた鋸状支持体14のいず
れも上記間隔で設置するのが好ましい。この鋸状支持体
14は隣接する折り襞間に挿入するだけで固定できる
が、必要であれば、ホットメルト樹脂などで濾過材12
と鋸状支持体14及び/又は枠材と鋸状支持体14とを
固定しても良い。
【0016】本発明のフィルタ11は濾過材12の隣接
する折り襞が樹脂固形物13及び鋸状支持体14によっ
て分離された形態安定性の優れたものであるため、その
まま使用しても良いし、更にフィルタ11を枠材で固定
して使用しても良い。
【0017】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
(実施例1)JIS B 9908 形式−2による捕集
効率65%のメルトブロー不織布をレシプロ式プリーツ
加工機により折り加工し、折り襞の高さhが80mm、
隣接する折り襞の間隔Fpが8mmの濾過材12を製造
した。
【0019】次いで、この濾過材12の折り襞を横切る
ように25mm間隔Ppで、ポリオレフィン系ホットメ
ルト樹脂を濾過材12の流出側及び流入側の同じ位置に
連続的に塗布した。
【0020】他方、高さ約80mm、底辺の長さ約8m
mの二等辺三角形状の凸部14aを濾過材12の隣接す
る折り襞によって形成される空間の数だけ有する、厚さ
0.8mmの厚紙からなる鋸状支持体14を打ち抜き加
工により製造した。そして、この鋸状支持体14を上述
のホットメルト樹脂固着濾過材12の流入側及び流出側
の同じ位置に76mm間隔Spで折り襞を横切るように
差し込んで、本発明のフィルタ11を形成した。
【0021】次いで、厚さ9mmの合板からなる枠材で
フィルタ11の周囲を固定して、たて610mm、よこ
610mm、高さ90mmの外寸を有するフィルタユニ
ットを形成した。
【0022】このフィルタユニットにおける塵埃保持量
をJIS B 9908 形式−2に規定する試験装置に
より、風量50m3/min、最終圧力損失300Pa
の条件下で測定した。その結果、初期圧力損失50P
a、塵埃保持量130g/ユニットであった。なお、塵埃保
持量と圧力損失との関係を表すグラフを図6に示す。
【0023】(比較例1)ホットメルト樹脂を塗布しな
かった(つまり、鋸状支持体14のみ使用)こと以外は
実施例1と全く同様にして、たて610mm、よこ61
0mm、高さ90mmの外寸を有するフィルタユニット
を形成した。
【0024】このフィルタユニットにおける塵埃保持量
をJIS B 9908 形式−2に規定する試験装置に
より、風量50m3/min、最終圧力損失300Pa
の条件下で測定した。その結果、初期圧力損失50P
a、塵埃保持量90g/ユニットであった。なお、塵埃保持
量と圧力損失との関係を表すグラフを図6に示す。
【0025】(実施例2)JIS B 9908 形式−
2による捕集効率90%のメルトブロー不織布をレシプ
ロ式プリーツ加工機により折り加工し、折り襞の高さh
120mm、隣接する折り襞の間隔Fp8mmの濾過材
12を製造した。
【0026】次いで、この濾過材12の折り襞を横切る
ように25mm間隔Ppでポリオレフィン系ホットメル
ト樹脂を濾過材12の流入側及び流出側の同じ位置に連
続的に塗布した。
【0027】他方、高さ約120mm、底辺の長さ約8
mmの二等辺三角形状の凸部14aを濾過材12の隣接
する折り襞によって形成される空間の数だけ有する、厚
さ0.8mmの厚紙からなる鋸状支持体14を、打ち抜
き加工により製造した。そして、この鋸状支持体14を
上述のホットメルト樹脂固着濾過材12の流入側及び流
出側の同じ位置に76mm間隔Spで折り襞を横切るよ
うに差し込んで、本発明のフィルタ11を形成した。
【0028】次いで、厚さ9mmの合板からなる枠材で
フィルタ11の周囲を固定して、たて610mm、よこ
610mm、高さ130mmの外寸を有するフィルタユ
ニットを形成した。
【0029】このフィルタユニットにおける塵埃保持量
をJIS B 9908 形式−2に規定する試験装置に
より、風量56m3/min、最終圧力損失300Pa
の条件下で測定した。その結果、初期圧力損失125P
a、塵埃保持量120g/ユニットであった。なお、塵埃保
持量と圧力損失との関係を表すグラフを図7に示す。
【0030】(比較例2)ホットメルト樹脂を塗布しな
かった(つまり、鋸状支持体14のみ使用)こと以外は
実施例2と全く同様にして、たて610mm、よこ61
0mm、高さ130mmの外寸を有するフィルタユニッ
トを形成した。
【0031】このフィルタユニットにおける塵埃保持量
をJIS B 9908 形式−2に規定する試験装置に
より、風量56m3/min、最終圧力損失300Pa
の条件下で測定した。その結果、初期圧力損失136P
a、塵埃保持量55g/ユニットであった。なお、塵埃保持
量と圧力損失との関係を表すグラフを図7に示す。
【0032】以上の結果から、本発明のフィルタ11は
風圧などによる折り襞の密着を十分に防ぐことができる
ため塵埃保持量が多いものと考えられる。また、濾過材
12の折り襞の高い場合に有効であることもわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明のフィルタは折り加工された濾過
材から構成され、この濾過材の隣接する折り襞が樹脂固
形物、及び隣接する折り襞間に挿入可能な凸部を多数有
する鋸状支持体によって分離されているので、風圧など
による折り襞の密着を十分に防ぐことができ、しかも剛
性のない濾過材であっても使用できる。また、鋸状支持
体の存在しない箇所においては、樹脂固形物によって隣
接する折り襞同士の密着が防止され、熱や湿気によって
折り襞同士がくっつくこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィルタの斜視図
【図2】 本発明の濾過材の断面図
【図3】 本発明のフィルタに使用できる鋸状支持体の
正面図
【図4】 従来のフィルタの斜視図
【図5】 従来の別のフィルタの斜視図
【図6】 実施例1及び比較例1における、塵埃保持量
と圧力損失との関係を表すグラフ
【図7】 実施例2及び比較例2における、塵埃保持量
と圧力損失との関係を表すグラフ
【符号の説明】
1 フィルタ 2 濾過材 3 樹脂固形物 4 鋸状支持体 11 フィルタ 12 濾過材 13 樹脂固形物 14 鋸状支持体 14a 凸部 h 折り襞の高さ Fp 隣接する折り襞の間隔 Pp 樹脂固形物の設置間隔 Sp 鋸状支持体の設置間隔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折り加工された濾過材から構成され、該
    濾過材の隣接する折り襞が樹脂固形物及び隣接する折り
    襞間に挿入可能な凸部を多数有する鋸状支持体によって
    分離されていることを特徴とするフィルタ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002361016A (ja) * 2001-06-12 2002-12-17 Akushii:Kk エアフィルタ用ろ材
JP2003071229A (ja) * 2001-09-06 2003-03-11 Akushii:Kk エアフィルタ用ろ材
KR100759420B1 (ko) * 2001-09-05 2007-09-17 한라공조주식회사 공조장치용 필터
JP2014087740A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Nitto Denko Corp フィルタ濾材およびフィルタユニット

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