JP3674648B2 - フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄機やカーエアコン、一般空調機などに用いられるフィルタに関する。詳細には濾材のセパレータの本数を半減することができてしかも、風圧に対し確実に折り山相互の間隔を保持できるようにしたフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、空気清浄機やカーエアコン、一般空調機などに用いられるフィルタ1には、図5に示すように、プリーツ加工された濾材2の表裏両面に、同濾材2の折り山相互の間隔を保持するセパレータ3を一定間隔に設けたものがある。
【0003】
このフィルタ1は、濾材2の表裏両面にセパレータ3を前記濾材2の表裏において重なり合った状態に設けることで、濾材2の折り山相互の間隔を保持している。具体的にはホットメルト樹脂を濾材2の表裏両面に20〜30mmの間隔で塗布することで、濾材2の表裏両面にセパレータ3を設けている。
【0004】
このため、ホットメルト樹脂を塗布するノズルは、29〜19個/590mm幅となり、設備費、そのメンテナンスに要する費用はかなり高額なものとなっていた。また、20〜30mmの間隔で濾材の表裏両面においてホットメルト樹脂が重なり合うように塗布していることから、セパレータを設けるには多量のホットメルト樹脂も必要としていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、濾材のセパレータの本数を半減することができてしかも、風圧に対し確実に折り山相互の間隔を保持できるようにしたフィルタを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、プリーツ加工された濾材の表裏両面に、同濾材の折り山相互の間隔を保持するセパレータを所定間隔に設けたフィルタにおいて、前記セパレータが濾材の表裏において重なり合わないように交互に設けられていると共に、濾材の一方表面側の向かい合うセパレータ相互が接合していることを特徴とするフィルタをその要旨とした。
【0007】
請求項2記載の発明は、濾材両面の向かい合うセパレータ相互が接合していることを特徴とするフィルタをその要旨とした。
【0008】
請求項3記載の発明は、セパレータがホットメルト樹脂よりなることを特徴とするフィルタをその要旨とした。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフィルタについて、その実施の形態を図面に従い詳しく説明する。図1、図2及び図3に示すようにフィルタ11は、プリーツ加工された濾材12の表裏両面にセパレータ14、15を所定間隔に設けて、同濾材12の折り山13相互の間隔を保持するようにしたものである。
【0010】
濾材12は、折り加工後の形状が容易に崩れない程度の伸度と強度とを備えた不織布や紙などを素材としており、1層のみからなるもの、同一種の不織布や紙を複数枚積層して一体化したもの、あるいはバインダー接着型不織布とメルトブロー不織布とを積層一体化したもののように異なる種類の素材を積層したものなど、その構造は当該フィルタの大きさや用途に合わせて自由に設計することができる。
【0011】
この濾材12をプリーツ加工する方法としては、レシプロ方式、ロータリー方式などのプリーツ加工機によって濾材にジグザグ形状を付与したり、ジグザグ形状に成形された押型で濾材をプレスすることによって、当該濾材にジグザグ形状を付与するなど、従来より知られた方法を用いることができる。
【0012】
セパレータ14、15は、ホットメルト樹脂や気体を混入して2〜4倍程度に発泡させた独立気泡型ホットメルト樹脂などの合成樹脂が適しており、これを濾材12の折り目を横切るように連続線状に塗布することで設けることができる。尚、セパレータ14、15は、ホットメルト樹脂以外の合成樹脂を塗布することで設けることもできるし、合成樹脂成形体や紐など、従来よりセパレータとして用いられているものを適用することもできる。
【0013】
このセパレータ14、15は、濾材12の表裏において互いに重なり合わないように交互に設けられている。例えば図2及び図3では、濾材12の一方表面側にセパレータ14を所定の間隔で設けるとともに、濾材12の他方表面側には、前記一方表面側に設けたセパレータ14相互間のほぼ中央となる位置にセパレータ15を所定の間隔で設けることで、濾材12の表裏において互いに重なり合わないようになっている。
【0014】
この場合、セパレータ14またはセパレータ15の相互の間隔は任意であるが、図面に示した態様では50mm間隔とした。これは従来のフィルタにおけるセパレータ相互の間隔が20〜30mmであることから、約2倍程度の間隔となっている。また、セパレータ14の本数、太さなどについては、フィルタ11の大きさや形状、用途、折り山の高さ、ピッチなどを考慮して適宜決定すればよい。
【0015】
また、このフィルタ11においては、図3に示すように濾材12の一方表面側(空気流入側に配置する側)の向かい合うセパレータ14相互が接合状態となっている。図面に示す態様では、濾材12の一方表面側(空気流入側に配置する側)のセパレータ14をホットメルト樹脂を塗布することで設けて、セパレータ14相互の接合がなされている。尚、セパレータにホットメルト樹脂以外の合成樹脂を適用したり、合成樹脂成形体や紐などを用いたりした場合には、接着剤を介してセパレータ相互の接合を行えばよい。
【0016】
このように、濾材12の一方表面側(空気流入側に配置する側)の向かい合うセパレータ14相互を接合状態とすることで、当該フィルタ11の空気流入側における折り山13相互の間隔は確実に保持されることになり、図4に示すように風圧が作用しても、空気流入側において濾材12の折り山13相互が大きく開いたりして接触が生じることがなく、フィルタ11にデットスペースが発生することがない。
【0017】
また、濾材12の他方表面側(空気流出側に配置する側)の向かい合うセパレータ15相互の接合は任意である。図面に示す態様では、濾材12の他方表面側(空気流出側に配置する側)の向かい合うセパレータ15相互は非接合状態となっている。この場合、図4に示すように、風圧が作用したとき、空気流入側において濾材12の折り山13相互は、セパレータ14相互が接触状態となっている部分では開いたりしないものの、セパレータ14とセパレータ14の間では折り山13相互が多少開いた状態となる。一方、空気流出側では空気流入側で風圧で最も開くセパレータ14とセパレータ14の中間部分に、セパレータ15が配置されているため、濾材同志は接触しない。また、セパレータ15とセパレータ15の中間部分では、空気流入側でセパレータ14相互が接合状態となっているので、濾材は開いた状態となる。このように空気流入側、流出側のいずれにおいても濾材は接触せず、折り山相互の間隔が保持されているので、デットスペースの発生といった不具合が生じることはない。
【0018】
尚、濾材12の他方表面側(空気流出側に配置する側)の向かい合うセパレータ15相互も、一方表面側(空気流入側に配置する側)と同様に接合状態とすることもできる。この場合、濾材12の表裏両面において向かい合うセパレータ14、15相互が各々接合し、濾材12の折り山13相互の間隔が保持されるようになるので、風圧に対しより安定なものとすることができる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載のフィルタは、セパレータが濾材の表裏において重なり合わないように交互に設けられていると共に、濾材の一方表面側の向かい合うセパレータ相互が接合していることから、濾材のセパレータの本数を半減することができて、しかも風圧に対し確実に折り山相互の間隔を保持できる。
【0020】
特にホットメルト樹脂などの樹脂を塗布することで濾材にセパレータを設ける場合には、使用する樹脂量やノズルの本数を半減でき、当然のことながら設備費、そのメンテナンスに要する費用も大幅に削減することができる。
【0021】
請求項2記載のフィルタは、濾材の表裏両面において向かい合うセパレータ相互が接合し、濾材の折り山相互の間隔が保持されるようになっているので、風圧に対しより安定なものとすることができる。
【0022】
請求項3記載のフィルタは、セパレータがホットメルト樹脂よりなることから、
向かい合うセパレータ相互を接合するために接着剤を介したりする手間が不要であり、より簡易にフィルタの製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタを示した斜視図。
【図2】本発明のフィルタを側方から見た要部拡大正面図。
【図3】本発明のフィルタを幅方向に切断した断面を模式的に示した要部拡大断面図。
【図4】同じく図3に示すフィルタに風圧を作用させたとき要部拡大断面図。
【図5】従来のフィルタを示した要部拡大正面図。
【符号の説明】
12・・・濾材
13・・・折り山
14・・・セパレータ(空気流入側)
15・・・セパレータ(空気流出側)
Claims (3)
- プリーツ加工された濾材の表裏両面に、同濾材の折り山相互の間隔を保持するセパレータを所定間隔に設けたフィルタにおいて、前記セパレータが濾材の表裏において重なり合わないように交互に設けられていると共に、濾材の一方表面側の向かい合うセパレータ相互が接合していることを特徴とするフィルタ。
- 前記濾材両面の向かい合うセパレータ相互が接合していることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
- 前記セパレータがホットメルト樹脂よりなることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
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