JP2003342865A - カバー材、それを用いたガス除去用濾材およびガス除去ユニット - Google Patents

カバー材、それを用いたガス除去用濾材およびガス除去ユニット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱臭濾材やケミカルフィルタ用濾材等のガス
除去用濾材に関し、ガス除去用濾材のプリーツ形成時に
破損のないカバー材を提供し、このカバー材を用いたガ
ス除去用濾材をプリーツ加工することにより、圧力損失
が低く、ガス除去性能に優れたガス除去ユニットを提供
することを課題とする。 【解決手段】 捲縮繊維を有する不織布であり、面密度
が10g/m以上であり、0.5m/sでの圧力損失
が30Pa以下であるカバー材とする。また、このカバ
ー材を用いたガス除去用濾材をプリーツ加工してガス除
去ユニットとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臭気成分で汚染さ
れた流体を濾過して清浄化するための自動車用などの生
活環境における空調機器に装着して用いる脱臭濾材や、
半導体や液晶の生産施設やクリーンルームなどにおいて
空気や雰囲気中に含まれるガス状汚染物質を除去するケ
ミカルフィルタ用濾材などのガス除去用濾材に関し、ガ
ス除去用濾材に用いる好適なカバー材、それを用いたガ
ス除去用濾材およびガス除去ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生活環境での不快な臭気物質
の除去などや、半導体や液晶の生産施設やクリーンルー
ムなどにおいて空気や雰囲気中に含まれるガス状汚染物
質の除去などには、様々な脱臭濾材やケミカルフィルタ
用濾材などが提案されてきた。係る脱臭濾材やケミカル
フィルタ用濾材の大半は、通気性を有するシート状の部
材に、例えば活性炭や種々の化学吸着剤やイオン交換樹
脂や触媒からなるガス除去粒子を保持したり、或いはこ
れらのガス除去粒子を熱可塑性樹脂で連結して多孔質体
としたり、或いはこれらのガス除去粒子を通気性のある
ケースに入れたものである。また、以上に述べたような
従来のガス除去粒子の保持技術を改良した技術として、
例えば特開平11−76747号公報や特開平11−2
53720号公報がある。この公報では、ホットメルト
樹脂からなるウエブに脱臭紛粒体を固着することによっ
て、脱臭紛粒体の表面が有効に利用され、優れた脱臭効
率を呈するものである。また、大容量の空気や雰囲気中
に含まれるガス状汚染物質の除去には、このような脱臭
濾材やケミカルフィルタ用濾材のガス除去効率を維持し
ながら、通気抵抗を少なくすることが必要であり、その
ため脱臭濾材やケミカルフィルタ用濾材をプリーツ状に
折り曲げてフィルタ枠に取り付けたガス除去ユニットが
使用されている。そして、折り曲げによるガス除去粒子
の脱落を防ぐため、また粗塵を除去するため脱臭濾材や
ケミカルフィルタ用濾材の表面には、空気抵抗の少ない
繊維シートからなるカバー材が積層されており、このカ
バー材には特開平11−76747号公報や特開平11
−253720号公報のように、薄くても強度のある連
続繊維からなるスパンボンドの不織布が使用されてい
た。
【0003】図5は、この種のガス除去ユニットの構成を説
明するため、一部の構成成分を切り欠いて斜視的に示す
図である。ガス除去ユニット11は、ホットメルト樹脂
などの接着剤を用いて、プリーツ加工された濾材13を
枠体15で囲むように構成される。例えば、上述の自動
車用途では、高さh及び幅wが20〜30cm角の矩形
の空気通過面に1〜4cm程度の深さdで構成したガス
除去ユニットが使用されている。
【0004】しかしながら、カバー材に連続繊維からなるス
パンボンドの不織布を使用すると繊維組織が密な場合は
表面濾過となるので、ガス除去ユニットとしての粗塵の
保持容量が少なくなり目詰まりが早く生じてしまい、ガ
ス除去性能が低下するという問題があった。そこで、保
持容量を上げようとして繊維組織を粗くすると、ガス除
去ユニットとしての粗塵の保持容量は得られるものの、
カバー材の濾過効率が低下して、ガス除去粒子の層に多
くの粗塵が堆積するので、ガス除去性能が低下するとい
う問題があった。また、繊維組織が粗い場合は、脱臭濾
材やケミカルフィルタ用濾材をプリーツ状に折り曲げた
ときに、プリーツの折り山のRを小さくして鋭角にしよ
うとしても、プリーツの折り山部分でカバー材が破れて
しまうという問題があった。そのためプリーツの折り山
のRを大きくするとカバー材は破れないものの、一定幅
の枠の間のプリーツの山数が少なくなったり、隣り合う
プリーツ同士の間隔が狭くなったりして、ガス除去ユニ
ットとしての圧力損失が高くなり、目的とするガス除去
性能が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、臭気成分で
汚染された流体を濾過して清浄化するための脱臭濾材な
どとしてのガス除去用濾材や、半導体や液晶の生産施設
やクリーンルームなどにおいて、空気や雰囲気中に含ま
れるガス状汚染物質を除去するためのケミカルフィルタ
用濾材などとしてのガス除去用濾材に関し、ガス除去用
濾材のプリーツ形成時に破損のないカバー材を提供し、
このカバー材を用いてなるガス除去用濾材をプリーツ加
工することにより、圧力損失が低く、ガス除去性能に優
れたガス除去ユニットを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は、請求項1の発明では、ガス除去粒子を保持し
且つプリーツ加工が可能なガス除去材の上流側に貼り合
せて使用するカバー材であって、捲縮繊維を有する不織
布であり、面密度が10g/m以上であり、面風速
0.5m/秒における圧力損失が30Pa以下であるこ
とを特徴とするカバー材である。
【0007】請求項2の発明では、前記不織布が、熱接着に
より繊維同士が接着すると共に接着剤によっても繊維同
士が接着していることを特徴とする請求項1に記載のカ
バー材である。
【0008】請求項3の発明では、前記カバー材の厚さが
0.15〜1.0mmであることを特徴とする請求項1
または2に記載のカバー材である。
【0009】請求項4の発明では、前記カバー材に熱接着性
樹脂が付着していることを特徴とする請求項1〜3の何
れかに記載のカバー材である。
【0010】請求項5の発明では、ガス除去粒子を保持し且
つプリーツ加工が可能なガス除去材の少なくとも上流側
に、請求項1〜4の何れかに記載のカバー材を貼り合わ
せてなることを特徴とするガス除去用濾材である。
【0011】請求項6の発明では、前記ガス除去材が、ホッ
トメルト樹脂からなる連結部と樹脂凝集部とで構成され
たウエブの一方の表面に、該樹脂凝集部を介してガス除
去粒子を固着してなることを特徴とする請求項5に記載
のガス除去用濾材である。
【0012】請求項7の発明では、前記ガス除去材が、複数
の積層単位で構成され、該積層単位がホットメルト樹脂
から成る連結部と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一
方の表面に、該樹脂凝集部を介してガス除去粒子を固着
してなり、該ウエブの他方の表面と、他の積層単位を構
成するガス除去粒子とが樹脂凝集部を介して固着してな
ることを特徴とする、請求項5に記載のガス除去用濾材
である。
【0013】請求項8の発明では、請求項5〜7の何れかに
記載のガス除去用濾材をプリーツ加工し、該ガス除去用
濾材を枠体に装着してなることを特徴とするガス除去ユ
ニットである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるガス除去用
濾材及びその製造方法の好ましい実施の形態について詳
細に説明する。
【0015】本発明のカバー材は、ガス除去粒子を保持し且
つプリーツ加工が可能なガス除去材の上流側に貼り合せ
て使用するカバー材であって、捲縮繊維を有する不織布
であり、面密度が10g/m以上であり、面風速0.
5m/秒における圧力損失が30Pa以下であることを
特徴とするカバー材である。
【0016】前記カバー材は、ガス除去粒子を保持し且つプ
リーツ加工が可能なガス除去材の上流側に貼り合せて使
用するカバー材であり、このようなカバー材としては例
えば図1のガス除去用濾材13に例示するように、ガス
除去粒子3が支持体に保持されているガス除去材8の片
面に貼り合されるカバー材5がある。また、例えば、図
2〜4のガス除去用濾材13に例示するように、ガス除
去粒子3が集積してシート状になったガス除去材8の片
面に貼り合されるカバー材5がある。また、例えば、ガ
ス除去粒子が熱融着性の樹脂で互いに接合されてシート
状となったガス除去材の片面に貼り合されるカバー材が
ある。また、例えば、通気性のあるシート状物が袋状と
なっておりその袋の中に前記ガス除去粒子が詰め込まれ
ているガス除去材の片面に貼り合されるカバー材があ
る。
【0017】前記カバー材は、捲縮繊維を有する不織布であ
り、このような不織布としては、例えば繊維長15〜1
00mmの、捲縮数5〜30個/インチを有する通常ス
テープル繊維と呼ばれる繊維をカード機などを使用し
て、繊維ウエブに形成した後、繊維同士を接着や交絡な
どによって結合する、一般的に乾式法と呼ばれる製法に
よって得られる不織布がある。また、乾式法に限らずに
任意の不織布製法により、潜在捲縮性の繊維を用いてウ
エブ又は不織布とした後に、加熱処理によって潜在捲縮
性の繊維の捲縮を発現させて得られる不織布であっても
よい。また、例えば、スパンボンド法による長繊維から
なる不織布であっても、繊維が2成分以上の繊維形成性
重合体の樹脂が例えばサイドバイサイド型に形成されて
おり、そのうち少なくとも一成分が加熱により、他の成
分より熱収縮することにより、繊維全体が捲縮を発現さ
せて得られる不織布であってもよい。
【0018】前記カバー材は、捲縮繊維を有する不織布であ
るため、厚さの大きい不織布となり、繊維組織が密であ
っても表面濾過とならず、ガス除去ユニットとしての粗
塵の保持容量が多くなり目詰まりし難く、ガス除去性能
が向上する。また、前記カバー材は、捲縮繊維を有する
不織布であるため、カバー材とガス除去材とを貼り合わ
せたガス除去用濾材をプリーツ状に折り曲げたときに、
プリーツの折り山のRを小さくして鋭角にしても、カバ
ー材の有する捲縮繊維が部分的に伸びることができ、プ
リーツの折り山部分でカバー材が破れてしまうという問
題が生じない。
【0019】前記カバー材は、ガス除去粒子を保持し且つプ
リーツ加工が可能なガス除去材の上流側に貼り合せて使
用するカバー材であるので、通風時のガス除去粒子の脱
落や折り曲げによるガス除去粒子の脱落を防ぐと共にガ
ス除去材のガス除去効率を維持しながら、通気抵抗を少
なくすることが必要とされる。このため、前記カバー材
の面密度は10g/m以上であることが必要であり、
好ましくは、15〜40g/mであり、更に好ましく
は15〜30g/mである。面密度が10g/m
満であると、ガス除去粒子の脱落を防ぐことができなく
なる。また、面密度が40g/mを超えると通気抵抗
が高くなったり、カバー材とガス除去材とを貼り合わせ
たガス除去用濾材をプリーツ状に折り曲げたときに、プ
リーツの折り山のRを小さくして鋭角にすることができ
なくなる場合がある。
【0020】また、前記カバー材は面風速0.5m/秒にお
ける圧力損失が30Pa以下であることが必要であり、
好ましくは、20Pa以下であり、更に好ましくは15
Pa以下である。圧力損失が30Paを超えると、カバ
ー材とガス除去材とを貼り合わせたガス除去用濾材の圧
力損失が高くなりすぎて、目的とするガス除去性能を得
ることができないばかりか、埃によって目詰まりして目
的とするガス除去性能を得ることができなくなる。
【0021】また、前記カバー材の厚さは0.15〜1.0
mmが好ましく、0.2〜0.5mmがより好ましく、
0.25〜0.4mmが更に好ましい。厚さが0.15
mm未満であると、カバー材の繊維組織が密となり、そ
のため表面濾過となり、カバー材による粗塵の粉塵保持
容量が少なくなり、ガス除去ユニットの目的とするガス
除去性能を得ることができなくなる場合がある。また、
厚さが0.5mmを超えると、カバー材の濾過効率が低
下して、ガス除去粒子の層に多くの粗塵が堆積するの
で、ガス除去性能が低下する場合がある。尚、厚さはJ
IS L1913−1998一般短繊維不織布試験方法
6.1A法に準じて測定した値である。また、カバー材
としての粗塵に対する濾過性能はJIS8種の粉塵を3
g供給して、面風速0.3m/秒で、JISZ8901
法により測定したときに平均質量法効率が30%以上で
あることが好ましく、35%以上が更に好ましい。
【0022】また、前記カバー材の引張強度(破断強度)は
タテ方向とヨコ方向の平均で2〜100N/5cm幅が
好ましく、3〜50N/5cm幅がより好ましく、15
〜30N/5cm幅が更に好ましい。引張強度が2N/
5cm幅未満であると、カバー材がガス除去粒子の脱落
を十分に防ぐことができなかったり、カバー材の使用時
に破損する場合がある。引張強度が100N/5cm幅
を超えると、カバー材とガス除去材とを貼り合わせたガ
ス除去用濾材をプリーツ状に折り曲げるのが困難であっ
たり、プリーツ状に折り曲げるときに、プリーツの折り
山のRを小さくして鋭角にすることができなくなる場合
がある。尚、引張強度(破断強度)はJIS L191
3−1998一般短繊維不織布試験方法6.3に準じて
測定した値である。
【0023】また、前記カバー材の引張伸度(破断時の伸
度)はタテ方向とヨコ方向の平均で3〜30%が好まし
く、5〜20%がより好ましく、8〜15%が更に好ま
しい。引張伸度が3%未満であると、カバー材とガス除
去材とを貼り合わせたガス除去用濾材をプリーツ状に折
り曲げたときに、プリーツの折り山のRを小さくして鋭
角にしようとすると、プリーツの折り山部分でカバー材
が破れてしまう場合がある。引張伸度が30%を超える
と、カバー材の使用時にカバー材に伸びが生じて、ガス
除去粒子の脱落を十分に防ぐことができなくなるという
場合がある。尚、引張伸度(破断時の伸度)はJIS
L1913−1998一般短繊維不織布試験方法6.3
に準じて測定した値である。
【0024】次に、前記カバー材の好適な具体例を、乾式法
不織布の製造方法に従って説明する。はじめに、繊維の
太さ1.7〜5.5デシテックス(好ましくは1.7〜
3.3デシテックス)、繊維長40〜72mm、捲縮数
5〜30個/インチを有するステープル繊維のポリエス
テルやポリアミドなどの合成繊維95〜0重量%(好ま
しくは80〜0重量%)と、同様のステープル繊維の熱
接着性複合繊維10〜100重量%(好ましくは20〜
100重量%)とからなる繊維ウエブを、カードまたは
ランドウエッバーなどにより形成する。次に、この繊維
ウエブをスムースロールと加熱したエンボスロールの間
に通して、繊維同士を部分的に熱接着した不織布半製品
を作製する。次に、この不織布半製品にアクリル酸エス
テルなどの接着剤を全体の重量に対して付着量2〜25
%(好ましくは5〜10重量%)となるように、含浸な
どによって付着させ繊維同士を接着した不織布からなる
カバー材とする。前記カバー材は、このような、繊維同
士を部分的に熱接着した不織布半製品に更に接着剤を含
浸する方法以外にも、熱接着性複合繊維を有する繊維ウ
エブを乾燥機中で加熱処理することによって繊維同士を
熱接着した不織布半製品に更に接着剤を含浸する方法も
ある。
【0025】前述のように、熱接着法と含浸法とを組み合わ
せることにより得られるカバー材は、熱接着により繊維
同士が接着すると共に接着剤によっても繊維同士が接着
しているので、引張強度と適度な引張伸度とを有する好
適なカバー材である。すなわち、熱接着による接着は繊
維の接触点のみで生じるが、この熱接着による接着部分
を接着剤によって補強する作用がある。また、部分的に
熱接着した場合は、熱接着していない部分の接着も行う
ことができる。これに対して、接着剤の量を増やして含
浸法のみで不織布を形成すると、接着強度は向上しても
不織布全体が硬くなり破れやすくなる場合がある。
【0026】前記カバー材は、熱可塑性合成繊維のみからな
る繊維ウエブを部分的に熱接着して得ることもできる
が、熱可塑性合成繊維と熱接着性繊維とを含む繊維ウエ
ブか、或いは熱接着性繊維のみの繊維ウエブを加熱処理
して繊維同士を接着した場合の方が引張強度に優れたも
のを得ることができる。このような熱接着性繊維として
は、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着
することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊
維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる
低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このよ
うな複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成
分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型など
の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリ
エステル/ポリエステル、ポリブチレン/ポリエステ
ル、共重合ポリブチレン/ポリエステル、共重合ポリプ
ロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミ
ド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/
ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維
形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。ま
た、該熱接着性繊維の全体の繊維に占める割合は好まし
くは10重量%以上であり、更に好ましくは20重量%
以上である。
【0027】なお、前記カバー材に、粘着性のある樹脂など
の粘着剤を含浸、コーティング、スプレイなどの方法に
よって塗布することにより、粘着剤を有するようにし
て、このカバー材をガス除去材の上流側に貼り合せてガ
ス除去用濾材とすれば、プリーツ加工時や運搬時のガス
除去用濾材から粒子の破片の脱落量や飛散量を少なくす
ることができる。また、前記カバー材に抗菌、抗黴剤や
撥水剤などが含まれるようにすることも可能である。
【0028】前記カバー材はガス除去材の上流側に貼り合せ
て使用するが、前記カバー材に熱接着性樹脂が付着して
いると、貼り合せ工程でのトラブルが少なくなるので好
ましい。このような熱接着性樹脂の付着形態としては、
例えばペースト状の熱可塑性樹脂をドット状にプリント
したもの、熱可塑性樹脂のパウダーを散布したもの、或
いは熱可塑性樹脂を溶融紡糸して蜘蛛の巣状のホットメ
ルト不織布としたものなどがある。このような熱接着性
樹脂の付着量は、面密度で5〜40g/m が好まし
く、10〜20g/mが更に好ましい。
【0029】前記熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリアミ
ド系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはポリオレフィ
ン変性樹脂などを、各々、単独または混合して用いるこ
とができる。ここで云うポリオレフィン変性樹脂として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の鹸化物、エチレン−エチルアクリレート
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合
体、アイオノマー樹脂 (エチレン−メタクリル酸共重合
体に金属を付加した感熱性樹脂)などが挙げられる。ま
た、前記ホットメルト不織布に利用できるホットメルト
樹脂としては、MIが50以上500以下のものを選択
するのが好ましい。この好適範囲よりも低いMIの樹脂
は、加熱処理時に流動性が低く、熱処理時に、ガス除去
粒子の固着が不完全となることがある。更に、上記範囲
よりも高い樹脂では、加熱処理時の流動性が高く、ガス
除去粒子の固着が不完全となることがある。
【0030】本発明のガス除去用濾材は、ガス除去粒子を保
持し且つプリーツ加工が可能なガス除去材の少なくとも
上流側に、前記カバー材を貼り合わせてなることを特徴
とするガス除去用濾材である。
【0031】前記カバー材は、ガス除去材の片面又はガス除
去材の両面に貼り合わせてなる。前記カバー材がガス除
去材の両面に貼り合わせてなる場合、両面のカバー材は
同じ材質や形態であっても、異なる材質や形態であって
もかまわないが、カバー材とガス除去材とが接着剤など
によって貼り合わせられていることが必要である。
【0032】前記ガス除去用濾材の形態としては、例えば図
1のガス除去用濾材13に例示するように、ガス除去粒
子3が支持体に保持されているガス除去材8の片面また
は両面にカバー材5が貼り合されているものがある。ま
た、例えば、図2〜4のガス除去用濾材13に例示する
ように、ガス除去粒子3が集積してシート状になったガ
ス除去材8の片面または両面にカバー材5が貼り合され
ているものがある。また、例えば、ガス除去粒子が熱融
着性の樹脂で互いに接合されてシート状となったガス除
去材の片面にカバー材が貼り合されているものがある。
また、例えば、通気性のあるシート状物が袋状となって
おりその袋の中に前記ガス除去粒子が詰め込まれている
ガス除去材の片面にカバー材が貼り合されているものが
ある。
【0033】前記ガス除去材の少なくとも上流側に、前記カ
バー材を貼り合わせる方法としては、例えば接着剤を用
いる方法や、ホットメルト不織布又はホットメルト樹脂
粒子などのホットメルト樹脂を用いる方法などがあり特
に限定されない。カバー材とガス除去材とを接着剤やホ
ットメルト樹脂によって貼り合わせるには、例えば、カ
バー材やガス除去材の一方に接着剤やホットメルト樹脂
を塗布した後、カバー材とガス除去材とを積層して積層
シートとし、この積層シートを加熱加工などにより貼り
合わせる方法や、予め熱接着性樹脂が付着したカバー材
を作製しておいて、このカバー材とガス除去材とを積層
して積層シートとし、この積層シートを加熱加工などに
より貼り合わせる方法などがある。後者の予め熱接着性
樹脂が付着したカバー材を作製しておく方法によれば、
生産工程でのトラブルが少なくなる利点があり好まし
い。
【0034】前記ガス除去粒子とは、生活環境での不快な臭
気物質の除去などや、半導体や液晶の生産施設やクリー
ンルームなどにおいて空気や雰囲気中に含まれるガス状
汚染物質の除去などに用いる、ガス状物質を吸着した
り、ガス状物質を吸着しやすい物質に変化させたりする
ことのできる固体粒子である。このようなガス除去粒子
としては、例えば活性炭や、これに酸性ガス又は塩基性
ガスなどを除去できる数々の化学成分を付加した添着
炭、ゼオライト、種々の化学吸着剤、イオン交換樹脂、
光触媒などの触媒などがあり、これらの中から一種又は
二種以上を適宜選択することができる。また、このうち
例えば脱臭を目的として活性炭を選択した場合は比表面
積が200m2/g以上の多孔質のものが好ましく、5
00m2/g以上のものがより好ましい。また、脱臭を
目的としたガス除去粒子の粒径は、高効率と低圧損とを
共に実現するために平均粒径を0.147mm(100
メッシュ)以上1.65mm(10メッシュ)以下とす
るのが好適である。この好適範囲の下限よりも細かい平
均粒径のガス除去粒子を用いると、初期のガス除去効率
を高く採れる反面、圧力損失が大きくなってしまう場合
がある。
【0035】前記ガス除去材は前記ガス除去粒子が保持され
ており、厚さや質量などは特に限定されるものではない
が、形状がシート状となっているものが好ましく、厚さ
は、0.3mm〜5mmが好ましく、0.5mm〜3m
mが更に好ましい。厚さが0.3mmより少ないと、ガ
ス除去性能が低下する場合があり、厚さが5mmより多
いと、カバー材が破損する場合がある。また、その形態
には例えば、図1に例示するように、支持体にガス除去
粒子3が保持されてシート状となるか、或いは図2〜図
4に例示するように、ガス除去粒子3が集積してシート
状になるか、或いはガス除去粒子が熱融着性の樹脂で互
いに接合されてシート状となるか、或いは通気性のある
シート状物が袋状となっておりその袋の中に前記ガス除
去粒子が詰め込まれている形態のものなどがある。
【0036】前記ガス除去材の形態のうち、支持体にガス除
去粒子が保持されてシート状となっている形態の場合、
前述のガス除去粒子を保持する支持体は通気性を有する
シート状物ならばいずれも使用可能であり、このような
通気性を有するシート状物としては、不織布、織物、
膜、ろ紙、スポンジなどの多孔質体などが挙げられ、な
かでも不織布は通気性が高いので好ましい。また、支持
体に用いるシート状物が高分子材料であれば、フィルタ
加工におけるプリーツ折り加工などへの追従性が高く、
耐久性に優れているので好ましく用いることができる。
【0037】前記ガス除去材の形態のうち、ガス除去粒子が
集積してシート状になっている形態には、例えば、図2
〜図3に示すように、ホットメルト樹脂からなる連結部
1と樹脂凝集部2とで構成されたウエブの一方の表面
に、樹脂凝集部2を介してガス除去粒子3が固着されて
なる形態がある。また、例えば、図4に示すように、複
数の積層単位4で構成され、積層単位4がホットメルト
樹脂から成る連結部1と樹脂凝集部2とで構成されたウ
エブの一方の表面に、樹脂凝集部2を介してガス除去粒
子3を固着してなり、該ウエブの他方の表面と、他の積
層単位4’を構成するガス除去粒子3’とが樹脂凝集部
2”を介して固着してなる形態がある。このような形態
であれば、低圧力損失でしかもガス除去粒子の表面が有
効に利用されるので優れたガス除去効率を呈することが
できる。また、このようなガス除去材はプリーツ加工が
し易く、フィルターの枠体に設置してユニット化する場
合、ユニット加工も容易であるので好ましい。
【0038】このようなガス除去材を得る方法としては、例
えば、図4に示すように積層単位4が2層以上である場
合は、ホットメルト不織布10の表面にガス除去粒子3
を配した後、加熱処理によって該ホットメルト不織布と
該ガス除去粒子とが接する部分に樹脂凝集部3を形成
し、かつ樹脂形成部3とホットメルト樹脂からなる連結
部1とからなるウエブを形成する第一の工程と、該ガス
除去粒子のうち、該ウエブに固着されたガス除去粒子の
みを残存せしめて積層単位4を形成する第二の工程と、
積層単位4のガス除去粒子3に接してホットメルト不織
布10”を積層し、続いて、ホットメルト不織布10”
の表面にガス除去粒子3’を配した後、前記第一の工程
と前記第二の工程とを順次行う方法がある。なお、ホッ
トメルト不織布10のかわりに、前記カバー材にホット
メルト不織布を付着させたシートを用いることにより、
カバー材を貼り合わせたガス除去材とすることができ
る。
【0039】また、前記ガス除去材は以上に述べた形態と同
種のもの又は多種のものを幾つか組み合わせて積層した
ものであってもよい。また、このように積層されたシー
ト状物の間を接合一体化することもできる。各シート状
物の間を接合一体化するには、熱可塑性ポリアミド系樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂などの熱融着性の樹脂を粒子状や不織布状にして
用いることができる。接合の方法は、例えば各シート状
物の間に熱融着性の樹脂からなる不織布を積層して、積
層物全体を加熱して接合することができる。
【0040】本発明のガス除去ユニットは、前記ガス除去用
濾材をプリーツ加工し、該ガス除去用濾材を枠体に装着
してなることを特徴とするガス除去ユニットである。
【0041】前記ガス除去ユニットは、図5に例示するよう
に、ガス除去用濾材13に、所定のピッチでプリーツ加
工を施し、設計に応じた山間隔を保持するために、種々
の合成樹脂、紙、または金属材料など周知の材料からな
る枠体15に接着固定して、ガス除去ユニット11を得
ることができる。尚、同図及び後述の実施例では、ガス
除去ユニットの最も一般的な形状を示したに過ぎず、濾
過面を構成する形状は、例示した矩形に代えて、円形、
三角形、楕円形など、ガス除去ユニットを装着する機器
に応じた形状とすることができる。
【0042】前記ガス除去ユニットは、例えば自動車用途に
用いる場合は、ガス除去ユニットの寸法は、高さhは5
0〜300mmが好ましく、幅wは50〜300mmが
好ましく、プリーツ深さdは15〜30mmが好まし
い。また、このガス除去ユニットの面風速3.0m/秒
における圧力損失は200Pa以下が好ましく、150
Pa以下が更に好ましい。
【0043】以下、本発明の実施例につき説明するが、これ
は発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願
発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【0044】
【実施例】(実施例1)繊維の太さ3.3デシテック
ス、繊維長64mm、捲縮数11個/インチのポリエス
テルステープル繊維80%と、繊維の太さ2.2デシテ
ックス、繊維長51mm、捲縮数12個/インチの変性
ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレ
ートの2成分からなるサイドバイサイド型の熱接着性複
合繊維20%とからなる繊維原料を、ランドウエッバー
に供給することによって、繊維ウエッブを形成した。次
に、この繊維ウエブをスムースロールと加熱したエンボ
スロールの間に通して、繊維同士を部分的に熱接着した
面密度24g/mの不織布半製品を作製した。次に、
この不織布半製品にアクリル酸エステルを主成分とする
エマルション型の接着剤を含浸して、その後乾燥させる
ことによって、全体の質量に対して6%の接着剤が付着
した面密度25.5g/mの不織布からなるカバー材
を得た。このカバー材は熱接着により繊維同士が接着す
ると共に接着剤によっても繊維同士が接着していた。得
られたカバー材の面風速0.5m/秒における圧力損失
は8Paであり、カバー材としての粗塵に対する濾過性
能はJIS8種の粉塵を3g供給して、面風速0.3m
/秒で、JISZ8901法により測定したときに平均
質量法効率が44.7%であり、濾過性能に優れてい
た。また、得られたカバー材の厚さは0.29mmであ
り、引張強度(破断強度)はタテ方向とヨコ方向の平均
で21.5N/5cm幅であり、引張伸度(破断時の伸
度)はタテ方向とヨコ方向の平均で10.0%であっ
た。このように、得られたカバー材は、捲縮繊維を有す
る不織布であり、面密度が10g/m以上であり、面
風速0.5m/秒における圧力損失が30Pa以下であ
るので、ガス除去粒子を保持し且つプリーツ加工が可能
なガス除去材の上流側に貼り合せて使用する場合、ガス
除去材のガス除去性能を向上させることができ、プリー
ツ加工時にカバー材が破損することもなく好適に使用で
きるカバー材であった。
【0045】(実施例2)繊維の太さ3.3デシテックス、
繊維長64mm、捲縮数11個/インチのポリエステル
ステープル繊維50%と、繊維の太さ2.2デシテック
ス、繊維長51mm、捲縮数12個/インチの変性ポリ
ブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート
の2成分からなるサイドバイサイド型の熱接着性複合繊
維50%とからなる繊維原料を、ランドウエッバーに供
給することによって、繊維ウエッブを形成したこと以外
は実施例1と同様にして、面密度25.5g/mの不
織布からなるカバー材を得た。このカバー材は熱接着に
より繊維同士が接着すると共に接着剤によっても繊維同
士が接着していた。得られたカバー材の面風速0.5m
/秒における圧力損失は8Paであり、厚さは0.31
mmであり、引張強度(破断強度)は20.0N/5c
m幅であり、引張伸度(破断時の伸度)は10.8%で
あった。このように、得られたカバー材は、捲縮繊維を
有する不織布であり、面密度が10g/m以上であ
り、面風速0.5m/秒における圧力損失が30Pa以
下であるので、ガス除去粒子を保持し且つプリーツ加工
が可能なガス除去材の上流側に貼り合せて使用する場
合、ガス除去材のガス除去性能を向上させることがで
き、プリーツ加工時にカバー材が破損することもなく好
適に使用できるカバー材であった。
【0046】(実施例3)熱可塑性ポリアミド系樹脂(19
0℃におけるメルトインデックス:80)を溶融紡糸し
て、面密度10g/mの蜘蛛の巣状のホットメルト不
織布を形成した後、直ちに実施例1のカバー材の上に積
層した。ホットメルト不織布は冷却されると同時にカバ
ー材に付着して、熱接着性樹脂が付着した面密度35.
5g/mのカバー材を得た。
【0047】(実施例4)図4に例示するように、実施例1
のカバー材5を用い、カバー材5に熱可塑性ポリアミド
系樹脂(190℃におけるメルトインデックス:80)
からなる面密度10g/mのホットメルト不織布10
を積層しておく。次いで、このように積層したホットメ
ルト不織布10の表面に、粒径0.3〜0.5mmに分
級した市販の活性炭粒子3を散布する。続いて、約5K
g/cmの水蒸気処理をカバー材5側(ホットメルト
不織布10側)から約7秒間行い、ホットメルト不織布
10を可塑化溶融して、ホットメルト樹脂からなる連結
部1と樹脂凝集部2とで構成されたウエブに、樹脂凝集
部2を介して活性炭粒子3を固着させた。続いて、固着
した活性炭粒子以外を除去することにより、活性炭粒子
3が、各々の粒径に応じて固着され、しかもカバー材5
と接着された1層目の積層単位4を得た。さらに、この
状態の積層単位4にホットメルト不織布10”を積層
し、活性炭粒子3’散布、水蒸気処理、並びに固着され
ていない活性炭の除去を経て2層目の積層単位4’を形
成した。次に実施例3で得られたカバー材5’を、ホッ
トメルト不織布10’側が積層単位4’に接するように
して積層単位4’の上に積層し、約5Kg/cmの水
蒸気処理をカバー材5’側(ホットメルト不織布10’
側)から約7秒間行い、ホットメルト不織布10’を可
塑化溶融して、ホットメルト樹脂からなる連結部1’と
樹脂凝集部2’とで構成されたウエブに、樹脂凝集部
2’を介して活性炭粒子3’を固着させた。得られたガ
ス除去用濾材の厚さは1.0mmであり、面密度は38
0g/mであり、面風速0.5m/秒における圧力損
失は75Paであり、粉塵保持容量が大きく、ガス除去
性能が向上し、プリーツ加工時にカバー材が破損するこ
ともなく好適に使用できるガス除去用濾材であった。
【0048】(実施例5)実施例4によって得られたガス除
去用濾材を、図5に例示するように、幅w及び高さhが
220mm、並びに深さdが30mmの寸法となるよう
に、6mmのプリーツ間隔でプリーツ加工を行い、ガス
除去ユニットを作製した。このガス除去ユニットの面風
速3.0m/秒における圧力損失は105Paであり、
粉塵保持容量はJIS15種の粉塵を用いて、面風速
3.0m/秒で、JISZ8901法により測定したと
きに16.1gであった。得られたガス除去ユニット
は、粉塵保持容量が大きく、プリーツの折り山のRを小
さくして鋭角にしても、プリーツの折り山部分でカバー
材が破れてしまうという問題は生じず、或いはプリーツ
の山数が少なくなったり、隣り合うプリーツ同士の間隔
が狭くなったりするという問題は生じず、目的とするガ
ス除去性能を向上させることができた。
【0049】(比較例1)実施例3において、実施例1のカ
バー材のかわりに、面密度30g/mの部分熱接着タ
イプのポリエステルスパンボンドを用いたこと以外は実
施例3と同様にして、熱接着性樹脂が付着した面密度4
0g/mのカバー材を得た。尚、用いたスパンボンド
は、構成繊維が捲縮しておらず、面風速0.5m/秒に
おける圧力損失は4Paであり、カバー材としての粗塵
に対する濾過性能はJIS8種の粉塵を3g供給して、
面風速0.3m/秒で、JISZ8901法により測定
したときに平均質量法効率が25.1%であり、濾過性
能に劣るものであった。また、用いたカバー材の厚さは
0.12mmであり、引張強度(破断強度)はタテ方向
とヨコ方向の平均で63.6N/5cm幅であり、引張
伸度(破断時の伸度)はタテ方向とヨコ方向の平均で3
1.0%であった。このように、用いたカバー材は、捲
縮繊維を有していない不織布であり、面密度は10g/
以上であり、面風速0.5m/秒における圧力損失
が30Pa以下であるが、ガス除去粒子を保持し且つプ
リーツ加工が可能なガス除去材の上流側に貼り合せて使
用する場合、繊維組織が粗いので、ガス除去ユニットと
しての粗塵の保持容量は得られるものの、カバー材の濾
過効率が低下して、ガス除去粒子の層に多くの粗塵が堆
積して、ガス除去性能が低下するものであった。また、
繊維組織が粗いので、ガス除去材のプリーツ加工時に、
プリーツの折り山のRを小さくして鋭角にしようとして
も、プリーツの折り山部分でカバー材が破れてしまうと
いう問題が生じた。そのためプリーツの折り山のRを大
きくするとカバー材は破れないものの、一定幅の枠の間
のプリーツの山数が少なくなったり、隣り合うプリーツ
同士の間隔が狭くなったりして、ガス除去ユニットとし
ての圧力損失が高くなり、ガス除去性能が低下した。
【0050】(比較例2)実施例4において、実施例1のカ
バー材5のかわりに、面密度30g/mの部分熱接着
タイプのポリエステルスパンボンドを用いたこと、およ
び実施例3で得られたカバー材5’のかわりに比較例1
で得られたカバー材を用いたこと以外は、実施例4と同
様にして、ガス除去用濾材を作製した。得られたガス除
去用濾材の厚さは1.0mmであり、面密度は380g
/mであり、面風速0.5m/秒における圧力損失は
70Paであった。
【0051】(比較例3)実施例5において、実施例4によ
って得られたガス除去用濾材を用いたかわりに、比較例
2のガス除去用濾材を用いた以外実施例5と同様にし
て、ガス除去ユニットを作製した。このガス除去ユニッ
トの面風速3.0m/秒における圧力損失は102Pa
であり、粉塵保持容量はJIS15種の粉塵を用いて、
面風速3.0m/秒で、JISZ8901法により測定
したときに18.0gであった。得られたガス除去ユニ
ットは、用いたカバー材の繊維組織が粗いので、ガス除
去ユニットとしての粗塵の保持容量は得られるものの、
カバー材の濾過効率が低下して、ガス除去粒子の層に多
くの粗塵が堆積して、ガス除去性能が低下するものであ
った。また、繊維組織が粗いので、ガス除去材のプリー
ツ加工時に、プリーツの折り山のRを小さくして鋭角に
しようとしても、プリーツの折り山部分でカバー材が破
れてしまうという問題が生じた。そのためプリーツの折
り山のRを大きくするとカバー材は破れないものの、一
定幅の枠の間のプリーツの山数が少なくなったり、隣り
合うプリーツ同士の間隔が狭くなったりして、ガス除去
ユニットとしての圧力損失が高くなり、ガス除去性能が
低下した。
【0052】
【発明の効果】本発明のカバー材は、捲縮繊維を有する
不織布であり、面密度が10g/m以上であり、面風
速0.5m/秒における圧力損失が30Pa以下である
ので、このカバー材をガス除去材の上流側に貼り合せて
ガス除去用濾材とすると、ガス除去用濾材のガス除去性
能を向上させることができる。また、このガス除去用濾
材をプリーツ加工する際に、プリーツの折り山のRを小
さくして鋭角にしても、プリーツの折り山部分でカバー
材が破れてしまうという問題は生じず、或いはプリーツ
の山数が少なくなったり、隣り合うプリーツ同士の間隔
が狭くなったりするという問題は生じず、目的とするガ
ス除去性能の向上したガス除去ユニットを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス除去用濾材の一例を示す断面模式
【図2】本発明のガス除去用濾材の他の一例を示す断面
模式図
【図3】本発明のガス除去用濾材の他の一例を示す断面
模式図
【図4】本発明のガス除去用濾材の他の一例を示す断面
模式図
【図5】本発明のガス除去ユニットの一例および従来技
術の説明に具する斜視図
【符号の説明】
1, 1’, 1” 連結部 2, 2’ 樹脂凝集部 3, 3’ ガス除去粒子 4, 4’ 積層単位 5, 5’ カバー材 8 ガス除去材 10, 10’, 10” ホットメルト樹脂(ホッ
トメルト不織布) 11 ガス除去ユニット 13 ガス除去用濾材 15 枠体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 BB02 CC12 HH05 JJ04 JJ05 KK08 LL10 MM04 MM05 MM40 NN22 QQ03 4D012 CA09 CA10 CB03 CE03 CF10 CG03 CK10 4L047 AA14 AA21 AA23 AA27 AA28 AB02 BA09 BA16 BA24 BC07 CA19 CB10 CC12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス除去粒子を保持し且つプリーツ加工
    が可能なガス除去材の上流側に貼り合せて使用するカバ
    ー材であって、捲縮繊維を有する不織布であり、面密度
    が10g/m以上であり、面風速0.5m/秒におけ
    る圧力損失が30Pa以下であることを特徴とするカバ
    ー材。
  2. 【請求項2】 前記不織布が、熱接着により繊維同士が
    接着すると共に接着剤によっても繊維同士が接着してい
    ることを特徴とする請求項1に記載のカバー材。
  3. 【請求項3】 前記カバー材の厚さが0.15〜1.0
    mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    カバー材。
  4. 【請求項4】 前記カバー材に熱接着性樹脂が付着して
    いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のカ
    バー材。
  5. 【請求項5】 ガス除去粒子を保持し且つプリーツ加工
    が可能なガス除去材の少なくとも上流側に、請求項1〜
    4の何れかに記載のカバー材を貼り合わせてなることを
    特徴とするガス除去用濾材。
  6. 【請求項6】 前記ガス除去材が、ホットメルト樹脂か
    らなる連結部と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一方
    の表面に、該樹脂凝集部を介してガス除去粒子を固着し
    てなることを特徴とする請求項5に記載のガス除去用濾
    材。
  7. 【請求項7】 前記ガス除去材が、複数の積層単位で構
    成され、該積層単位がホットメルト樹脂から成る連結部
    と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一方の表面に、該
    樹脂凝集部を介してガス除去粒子を固着してなり、該ウ
    エブの他方の表面と、他の積層単位を構成するガス除去
    粒子とが樹脂凝集部を介して固着してなることを特徴と
    する、請求項5に記載のガス除去用濾材。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7の何れかに記載のガス除去
    用濾材をプリーツ加工し、該ガス除去用濾材を枠体に装
    着してなることを特徴とするガス除去ユニット。
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