JPH1142275A - オゾン殺菌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブースの内圧を安全に逃がせるようにする。 【解決手段】 殺菌処理のための空間を確保する殺菌処
理用ブース２と、オゾンの発生機能と無害化機能を備え
た装置本体３Ａと、装置本体とブースを接続する接続通
路５、６とを備え、装置本体の内部に、外気に通じる外
室１０と、ブースと接続通路で接続されることで閉じた
循環経路を形成し且つ外部からのオゾン添加によりブー
ス内にオゾン雰囲気を作り出すオゾンチャンバ１２とが
設けられたオゾン殺菌装置１Ａにおいて、装置本体の外
室の内部に、ブースの内圧の逃がし口５０と、該逃がし
口に設けられたオゾンの分解触媒５１と、該手段により
無害化されずにオゾンが外室内に漏れ出た場合にそれを
検知するオゾン漏れ検知センサ３３とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌処理空間に対
して外からオゾンを添加することにより殺菌処理のため
のオゾン雰囲気を作り出すオゾン殺菌装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、医療施設などで利用される殺菌処
理手段として、図４に示すようなオゾン殺菌装置１が提
供されている。

【０００３】このオゾン殺菌装置１は、殺菌処理のため
の空間を確保する殺菌処理用ブース２と、オゾンの発生
機能と無害化機能を備えた装置本体３と、オゾンの原料
となる酸素を供給する酸素タンク４とから構成されてい
る。装置本体３は、殺菌処理用ブース２と２本の接続通
路５、６でつながっており、これらの通路５、６を通し
て、殺菌処理用ブース２内の空気を装置本体３との間で
循環させながら、殺菌処理時は、循環空気にオゾンを含
ませることでブース２内を所定の殺菌雰囲気に維持し、
殺菌処理後は、循環空気中のオゾンを取り除くことでブ
ース２内を無害化するようになっている。

【０００４】この場合の装置本体３は、外装ケーシング
で囲まれた空間内に、更に隔壁で囲まれた気密のオゾン
チャンバ（図示略）を有しており、このオゾンチャンバ
が、接続通路５、６を介して殺菌処理用ブース２と接続
され、オゾンチャンバとブースとにより、オゾンを含ん
だ空気の循環する閉じた循環経路が形成されている。こ
こで、ブース２はビニールシート等の柔軟なシート材で
構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のオ
ゾン殺菌装置１では、酸素ボンベ４から供給される酸素
を原料としてオゾンを発生させ、このオゾンを、ブース
及びオゾンチャンバ内を循環する空気に外から混入させ
るものであるため、運転するに従って、閉循環経路を構
成しているブース及びオゾンチャンバの内圧が上昇す
る。ブース及びオゾンチャンバは、内圧が上昇しても十
分に気密を保持するような構造となっているものの、よ
り高い安全性を確保するためには、内圧を外部と同じ大
気圧に近い値に保つのが好ましい。

【０００６】そのため、ブース２の一部に小さな孔を開
け、そこにオゾン分解触媒を配置することで、内圧が上
がった場合にその内圧を逃がす方法が考えられる。しか
し、その方法は、柔軟なシート材料で構成されたブース
に特別な加工を施す必要がある上、万一オゾン分解触媒
が劣化した場合に、オゾンを外部に漏らしてしまう可能
性があった。

【０００７】本発明は、上記事情を考慮し、ブース側に
特別な構造を加えることなく、簡易な構成によりブース
の内圧を安全に逃がすことのできるオゾン殺菌装置を提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、殺菌
処理のための空間を確保する殺菌処理用ブースと、オゾ
ンの発生機能と無害化機能を備えた装置本体と、装置本
体とブースを接続する接続通路とを備え、装置本体の内
部に、外気に通じる外室と、ブースと接続通路で接続さ
れることで閉じた循環経路を形成し且つ外部からのオゾ
ン添加によりブース内にオゾン雰囲気を作り出すオゾン
チャンバとが設けられたオゾン殺菌装置において、前記
装置本体の外室の内部に、ブースの内圧の逃がし口と、
該逃がし口に設けられたオゾンの無害化手段と、該手段
により無害化されずにオゾンが外室内に漏れ出た場合に
それを検知するオゾン漏れ検知センサとを設けたことを
特徴とする。

【０００９】請求項２の発明は、請求項１において、前
記逃がし口の基部をオゾンチャンバに接続したことを特
徴とする。また、請求項３の発明は、請求項１におい
て、前記接続通路内に、ブース内のガスを引き出すチュ
ーブを通すと共に、該チューブの先端を前記逃がし口の
基部に接続したことを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図１は本発明の実施形態のオゾン殺
菌装置における装置本体３Ａの内部構成を示す図、図２
は同実施形態のオゾン殺菌装置１Ａの全体構成の概略を
示す図である。

【００１１】図２に概略的に示すように、このオゾン殺
菌装置１Ａは、ブース２と、装置本体３Ａと、酸素ボン
ベ４から構成されている。装置本体３Ａは、外装ケーシ
ング１１で囲まれた空間内に更に隔壁で囲まれたオゾン
チャンバ１２を有しており、外装ケーシング１１内で且
つオゾンチャンバ１２の外側の空間が、オゾンチャンバ
１２を内室とした場合の外室１０となっている。外室１
０は、外装ケーシング１１によって比較的気密に作られ
ているものの、冷却ファン付きの排気口３４等を介して
外気と通じている。一方、オゾンチャンバ１２の内部は
外部と気密に遮断されており、２つの通路つまり吐出通
路５及び吸引通路６を介してブース２と接続されてい
る。そして、オゾンチャンバ１２とブース２とにより、
オゾンを含んだ空気の循環する閉じた循環経路が形成さ
れている。

【００１２】図１に示すように、オゾンチャンバ１２に
は、吸引通路６より空気を吸引して吐出通路５より空気
を吐き出す送風ファン１３が取り付けられている。送風
ファン１３は、オゾンチャンバ１２内の空気流路の下流
部に配され、送風ファン１３の吐出側にはオゾン吹出口
１４が配されている。オゾン吹出口１４は、オゾンチャ
ンバ１２外に設けられたオゾン発生器１５に接続されて
おり、オゾン発生器１５で発生させられたオゾンを、送
風ファン１３の吐出空気に混合させる役目を果たす。オ
ゾン発生器１５には、酸素タンク４（図２参照）から、
カプラ４０で連結された配管４１を通して、オゾン生成
の原料となる酸素が供給される。

【００１３】また、オゾンチャンバ１２内の送風ファン
１３より上流側の空気流路は、オゾン分解触媒１６を通
過する分解時用の流路１７と、オゾン分解触媒１６を通
過しない殺菌時用の流路１８との２つの系統に分かれて
いる。どちらの流路１７、１８に循環空気を通すかはダ
ンパ２１、２２、２３の位置によって決定される。殺菌
処理時には、殺菌時用の流路１８を空気が流れるように
ダンパ２１、２２、２３の位置が制御され（実線矢印の
流れ）、殺菌処理後のオゾン分解時には、分解時用の流
路１７を空気が流れるようにダンパ２１、２２、２３の
位置が制御される（点線矢印の流れ）。

【００１４】また、このオゾン殺菌装置３には、第１、
第２、第３の３種のオゾンセンサ３１、３２、３３と、
超音波加湿器２５と、湿度センサ２６とが設けられてい
る。第１のオゾンセンサ３１は、前述した殺菌時用の流
路１８を流れる空気中の高濃度のオゾンを検出するもの
で、同流路１８を流れる空気を取り込めるように、取込
口３１ａ、３１ｂを同流路１８内に臨ませている。この
第１オゾンセンサ３１は、殺菌処理雰囲気を殺菌に適切
なオゾン濃度に保つために設けられている。

【００１５】第２のオゾンセンサ３２は、前述した分解
時用の流路１７を流れる空気中のオゾン濃度を検出する
ものであり、同流路１７の途中に配されている。この第
２のオゾンセンサ３２は、分解処理中の空気にどのくら
いオゾンが残っているかを検出するために設けられてい
る。第３のオゾンセンサ３３は、外装ケーシング１１に
設けた冷却ファン付きの排気口３４の近傍に配されてい
る。この第３のオゾンセンサ３３は、外室１０内に万一
オゾンが漏れ出た場合に、それを検出するために設けら
れている。

【００１６】加湿器２５と湿度センサ２６は、殺菌処理
空間であるブース２内を、適切な殺菌条件である相対湿
度（８０％ＲＨ以上）に保つために設けられている。加
湿器２５は、オゾンチャンバ１２の外部に配されてお
り、導管２５ａ、２５ｂを通して、送風ファン１３の吐
出口側の流路に接続されている。そして、送風ファン１
３から吹き出される空気に、発生した蒸気を混合させる
ようになっている。湿度センサ２６は、循環空気の相対
湿度を検出するために、オゾンチャンバ１２の内部に配
設されている。このセンサ２６としては、乾湿球式湿度
センサが利用されている。

【００１７】前記乾湿球式湿度センサ２６は、乾球温度
センサ２７と湿球温度センサ２８の２本の温度センサか
らなる。乾球温度センサ２６は通常の温度センサそのも
ので構成され、湿球温度センサ２８は、感温部である湿
球にガーゼ２９を被せ、ガーゼ２９の先端を水３０に浸
して、絶えず湿球に水が補給されるようにしたものであ
る。

【００１８】また、外室１０の内部には、オゾンチャン
バ１２の内圧つまりブース２の内圧を外室１０内に逃が
すための逃がし口５０が設けられ、この逃がし口５０に
オゾンの無害化手段としての分解触媒５１が配されてい
る。この場合、配管で構成された逃がし口５０の基端部
は、オゾンチャンバ１２内に設けられた分解側の流路１
７に連通されている。殺菌処理時には、分解側の流路１
７に循環空気はほとんど流れないが、ダンパ２１の隙間
からブース２の内圧だけは漏れてくる。このため、その
漏れて来る圧力だけを有効に逃がし口５０から外室１０
内に逃がすことができる。また、逃がし口５０を構成す
る配管の分解触媒５１より下流側には、必要に応じて内
圧逃がし弁５２が設けられ、逃がし口５０を通して開放
する圧力を調整できるようになっている。

【００１９】次に作用を説明する。運転に伴ってブース
２及びオゾンチャンバ１２の内圧が上昇すると、その圧
力にある循環空気の一部が、運転時は閉じられているダ
ンパ２１の隙間から分解側の流路１７に漏れ出る。そし
て、その漏れ出て来た循環空気の一部が、逃がし口５０
より略大気圧の外室１０内に逃がされ、それによりブー
ス２の内圧の上昇が抑制される。その際、逃がし口５０
を通る空気は分解触媒５１を通過するので、無害化され
た状態で外室１０内に出て来る。あまり多くの空気が逃
がし口５０より出て来る場合は、内圧逃がし弁５２を調
節することにより適量に調整することができる。

【００２０】また、もし分解触媒５１が劣化するなどし
て、オゾンが外室１０内に直接漏れ出た場合は、外気に
放出される前に、第３のオゾンセンサ（オゾン漏れ検知
センサ）３３がそれを検出する。従って、ブース２の内
圧の上昇を確実に抑えられること、また、内圧の逃がし
口５０をオゾン漏れ検知センサ３３を備えた装置本体３
Ａ内に設けたことから、安全性の向上が図れる。しかも
加工の難しいブース２には特別な細工をしなくてよいか
ら、簡単に実現できる。

【００２１】なお、上記実施形態では、オゾンチャンバ
１２内に直接逃がし口５０の基端を連通させたが、図３
に示すオゾン殺菌装置１Ｂのように、吸引通路６内に、
ブース２内のガスを直接引き出す耐オゾン性チューブ
（四フッ化エチレン製のチューブ等）５５を挿通させ、
このチューブ５５の先端を装置本体３Ｂ内に導いて、逃
がし口５０の基部に接続してもよい。そうした場合は、
送風ファン１３の吸込み側の低い圧ではなく、ブース２
の内圧を直接逃がし口５０に導くことができるので、ブ
ース２の内圧抑制に一層効果を発揮することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、装置本体内に設けた逃がし口から、ブース及び
オゾンチャンバの内圧を逃がすことができるので、安全
性の向上を図ることができる。特にその内圧は、オゾン
漏れ検知センサを備えた装置本体の外室内に逃がすの
で、もしオゾンの無害化手段が劣化したりしてオゾン漏
れが発生した場合でも、外気に放出される前に直ぐに検
知することができる。従って、ブースに細工を施して内
圧を逃がす場合のように、面倒な加工を施さずに簡単に
実現することができ、しかも安全性を高めることができ
る。

【００２３】請求項２の発明によれば、逃がし口の基端
をオゾンチャンバに接続したので、簡単な構成でブース
の内圧を抑制することができる。また、請求項３の発明
によれば、別にチューブを設けるものの、ブースの内圧
を直接逃がし口に導くので、ブースの内圧抑制に一層の
効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態のオゾン殺菌装置における装
置本体の内部構成を示す図である。

【図２】本発明の実施形態のオゾン殺菌装置の全体構成
を示す概略図である。

【図３】本発明の他の実施形態のオゾン殺菌装置の全体
構成を示す概略図である。

【図４】従来のオゾン殺菌装置の概略構成を示す外観斜
視図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ オゾン殺菌装置 ２ 殺菌処理用ブース ３Ａ，３Ｂ 装置本体 ５ 吐出通路（接続通路） ６ 吸引通路（接続通路） １０ 外室 １１ 外装ケーシング １２ オゾンチャンバ ３３ 第３のオゾンセンサ（オゾン漏れ検知センサ） ５０ 逃がし口 ５１ オゾン分解触媒（無害化手段） ５２ 内圧逃がし弁 ５５ 耐オゾン性チューブ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 殺菌処理のための空間を確保する殺菌処
   理用ブースと、オゾンの発生機能と無害化機能を備えた
   装置本体と、装置本体とブースを接続する接続通路とを
   備え、 前記装置本体の内部に、 外気に通じる外室と、 前記ブースと接続通路で接続されることで閉じた循環経
   路を形成し且つ外部からのオゾン添加によりブース内に
   オゾン雰囲気を作り出すオゾンチャンバとが設けられた
   オゾン殺菌装置において、 前記装置本体の外室の内部に、 ブースの内圧の逃がし口と、 該逃がし口に設けられたオゾンの無害化手段と、 該手段により無害化されずにオゾンが外室内に漏れ出た
   場合にそれを検知するオゾン漏れ検知センサとを設けた
   ことを特徴とするオゾン殺菌装置。
2. 【請求項２】 前記逃がし口の基部をオゾンチャンバに
   接続したことを特徴とする請求項１記載のオゾン殺菌装
   置。
3. 【請求項３】 前記接続通路内に、ブース内のガスを引
   き出すチューブを通すと共に、該チューブの先端を前記
   逃がし口の基部に接続したことを特徴とする請求項１記
   載のオゾン殺菌装置。